JP2020019524A - スパウト付き容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器内の内容物の消費量に拘わらず自立させることができ、かつ、内容物の逆流をより少なくすることができるスパウト付き容器を提供する。【解決手段】スパウト付き容器10は、底部21、胴部22および口部24を有するボトル形状の容器本体20と、口部に装着されたキャップ30と、を備える。容器本体は、内容物の充填空間Mを区画するとともに内容物の排出に伴い充填空間Mの減容が可能な内層体20Bと、内層体20Bを内側に収容するスクイズ可能な外層体20Aと、内層体20Bの減容に伴い内層体20Bと外層体20Aとの間に外気を導入する外気導入孔25とを有する。キャップは、充填空間Mと連通し内容物の排出経路を区画するスパウト31と、スパウトを密封するとともに破断可能な弱化部が形成され、該弱化部を起点にその一部を破断することによってスパウトを露出させる被覆体32と、内容物の逆流を防止する逆止弁34とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、スパウトを有し、パウチ容器に代わる自立可能な容器に関する。
現在、飲料やゼリー状もしくはゲル状の食品などを充填する容器として、可撓性を有する積層フィルムからなるパウチ容器が多く用いられている(例えば特許文献1参照)。このようなパウチ容器は上部にスパウトを有し、このスパウトを口で銜えて吸引したり容器本体を圧搾したりすることで該スパウトを通じて内容物を排出することができるものである。
ところでパウチ容器は、内容物の消費に伴い容器本体が縮小変形するため自立できなくなるもしくは不安定になる場合があり、キャップを開いたまま容器が倒れると内容物がこぼれ出る虞があることから、消費途中で容器を一旦置く場合には、その都度キャップを閉める必要がある。また、パウチ容器ではスパウトを直接口で銜えるため、使用者の唾液や一旦口に含んだ内容物がスパウトを通じて容器内に逆流することがある。これらの逆流した唾液や内容物から容器内で雑菌が繁殖することも考えられ、衛生上の改善が望まれている。
本発明の目的は、容器内の内容物の消費量に拘わらず自立させることができ、かつ、内容物の逆流をより少なくすることができるスパウト付き容器を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のスパウト付き容器は、底部、胴部および口部を有するボトル形状の容器本体と、前記口部に装着されたキャップと、を備え、前記容器本体は、内容物の充填空間を区画するとともに内容物の排出に伴い前記充填空間の減容が可能な内層体と、前記内層体を内側に収容するスクイズ可能な外層体と、前記内層体の減容に伴い前記内層体と前記外層体との間に外気を導入する外気導入孔とを有し、前記キャップは、前記充填空間と連通し内容物の排出経路を区画するスパウトと、前記スパウトを密封するとともに破断可能な弱化部が形成され、該弱化部を起点にその一部を破断することによって前記スパウトを露出させる被覆体と、内容物の逆流を防止する逆止弁とを有するものである。
本発明の好適な態様では、前記キャップは、前記被覆体を立設するとともに前記口部に装着される装着体を有し、前記スパウトは前記装着体に組み付けられている。
本発明の好適な態様では、前記逆止弁は、前記スパウトに揺動可能に一体的に形成されたフラップ弁である。
本発明の好適な態様では、前記被覆体は、摘み部と、該摘み部から前記弱化部まで延び、前記弱化部の破断を導く破断導入弱化部を有する。
本発明の好適な態様では、前記スパウトと前記被覆体とは一体的に形成されており、前記被覆体の上部にヒートシール部を有する。
本発明の好適な態様では、前記キャップは、前記スパウトを立設するとともに前記口部に装着される装着部を有し、前記装着部は、前記口部の内側に形成され前記スパウト内に内容物を導く導入周壁を有し、前記逆止弁は、前記導入周壁に揺動可能に一体的に形成されたフラップ弁である。
本発明によれば、容器本体は、外層体とその内側に配置された内層体とからなる二重構造を有し、スパウトを通じて内層体内の内容物を排出すると内層体だけが減容変形するので、内容物の消費量にかかわらずスパウト付き容器を安定して自立させることができ、消費途中で容器を一旦置く場合でも内容物が漏れ出ることはない。また、キャップには逆止弁が設けられているため、使用者の唾液や一旦口に含んだ内容物の、内層体内への逆流を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。ここで、図1は本発明に従う一実施形態のスパウト付き容器を一部断面で示した側面図であり、図2は、図1の部分拡大図である。
図1に示すように、第1の実施形態のスパウト付き容器10は、主として、容器本体20と、キャップ30とを備えている。
容器本体20は、底部21と、筒状の胴部22と、胴部22よりも小径の肩部23と、肩部23よりも小径の口部24とを下からこの順に軸線方向Oに沿って有する全体としてボトル形状をなす。容器本体20は、容器本体20の外形をなす外層体20Aと、この外層体20A内に配置された内層体20Bとの二重構造を有する。
二重構造としては、外層体20A内にこれと別に形成した内層体20Bを収納させる形態のものであっても、外層体20Aの内面に内層体20Bを剥離可能に積層した所謂デラミタイプのものであっても良い。前者の二重構造は、外層体20Aの上端部に内層体20Bの上端部を嵌合、接着、溶着等の固定手段を用いて固着することで得ることができ、後者の二重構造は、内層体20Bを形成する合成樹脂素材と外層体20Aを形成する合成樹脂素材とが積層されたパリソンをブロー成形することによって得ることができる他、内層体20Bの合成樹脂素材と外層体20Aの合成樹脂素材とを積層させた試験管状のプリフォームを準備し、このプリフォームを2軸延伸ブロー成形することによって得られる。図1に示すスパウト付き容器10は、容器本体20として、外層体20A内にこれと別に形成した内層体20Bを収納した二重構造を採用するが、これに限らず、外層体20Aの内面に内層体20Bを剥離可能に積層したデラミタイプの二重構造でもよい。
内層体20Bは、その内側に内容物を収容する充填空間Mを区画するとともに、この充填空間Mの減容を可能とする可撓性を有する。内層体20Bは、流通時や使用時に破断しないよう所定の強度を確保しつつ、内容物の消費に伴い潰れ変形して充填空間Mが減容するようその材料および厚みが適宜設計される。内層体20Bを構成する材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PA(ポリアミド)、エチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
外層体20Aは、容器本体20の自立を可能とする保形性(剛性)と、スクイズにより内容物の吐出を可能とする可撓性とを有するようその材料および厚みが適宜設計される。外層体20Aを構成する材料としては、PETやPP、PE、PA等が挙げられる。内層体20Bおよび外層体20Aは、剥離可能であれば同材質でも異材質でもよい。
内層体20Bは、容器本体20の底部21、胴部22、肩部23および口部24に対応して底部21B、胴部22B、肩部23Bおよび口部24Bを有し、外層体20Aも、容器本体20の底部21、胴部22、肩部23および口部24に対応して底部21A、胴部22A、肩部23Aおよび口部24Aを有する。内層体20Bの口部24Bは、外層体20Aの口部24Aより上方へ突出し、その突出した上端部分にキャップ30が装着、固定されている。図示例では、キャップ30は嵌合により内層体20Bの口部24Bに固定されているが、螺着、溶着、接着等により固定されても良い。
容器本体20には、内層体20Bの減容に伴い内層体20Bとの間に外気を導入する外気導入孔25が形成されている。図示例では、外気導入孔25は、外層体20Aの底部21Aに形成されているが底部21Aに限らず、胴部22Aや口部24Aに形成して良い。あるいは、外層体20Aの口部24Aと内層体20Bの口部24Bとの間に通路を形成しこの通路を外気導入孔25とすることもできる。図示例では、外気導入孔25は逆止弁機能を発揮するために十分に小径に形成されており、つまり、内容物の吐出に際して外層体20Aをスクイズした際には、外層体20Aと内層体20Bとの間の空気が外気導入孔25を比較的速い速度で通過しようとするため、大きな抵抗を発生してこれを阻害するのに対し、スクイズを解除した際の外層体20Aの復元変形時には、外気が外気導入孔25を比較的遅い速度で通過するため、外気が外層体20Aと内層体20Bとの間にスムーズに流入する。また、外気導入孔25には、外層体20Aと内層体20Bの相互空間内への外気の導入を許容する一方で、該相互空間内からの空気の漏れを防止する、例えばポリエチレンなどからなるエア逆止弁を設けてもよい。
キャップ30は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等の合成樹脂製であり、充填空間Mと連通し内容物の排出経路を区画するスパウト31と、スパウト31を覆うとともに密封する被覆体32と、被覆体32を一体に立設するとともに容器本体20の口部24、図示例では内層体20Bの口部24Bに嵌合により装着された装着体33と、内容物の逆流を防止する逆止弁34とを有する。
図2に示すように、本実施形態では、装着体33はスパウト31とは別体として形成されており、装着体33は、内層体20Bの口部24Bを塞ぐ天壁33aと、天壁33aの外縁から下垂するとともに口部24Bを取り囲む外周壁33bと、外周壁33bの内側で天壁33aから下垂して外周壁33bとの間に口部24Bを挟み込む内周壁33cとを有する。天壁33aの中央には開孔33dが形成され、その内側にスパウト31が下から挿通されている。また、装着体33は開孔33dの周縁から軸線方向Oに沿って口部24B内に延出し、内周壁33cとの間に環状溝33eを区画する嵌合周壁33fを有する。
被覆体32は、開孔33dの周縁から軸線方向Oに沿って上方に延びる筒状の本体32aと、該本体32aの上端開口を閉塞するとともにスパウト31の上端開口内に嵌入されるシール筒32bを下垂する上蓋32cとを一体に有する。
被覆体32の本体32aの基部外面には、例えばV字溝状の破断可能な弱化部32dが全周に亘って形成されており、この弱化部32dを破断することで被覆体32の、該弱化部32dよりも上の部分を除去してスパウト31を露出させることができる。弱化部32dの破断を容易にするため、図3に示すように被覆体32の側面上部に形成された摘み部32eと、該摘み部32eから弱化部32dまで延び、弱化部32dの破断を導く例えばV字溝状の破断可能な破断導入弱化部32fが形成されている。好ましくは、破断導入弱化部32fは、本体32aの周方向に僅かに湾曲しつつ弱化部32dに合流する。
図2に戻り、スパウト31は、筒状をなし内側に内容物の排出経路を区画するスパウト本体31aと、スパウト本体31aの下端から径方向へ延出した鍔壁31bと、鍔壁31bの外縁から起立し軸線方向Oに沿って上方へ延びる嵌合筒壁31cとを有し、スパウト本体31aを被覆体32の本体32a内に下方から挿入し、スパウト本体31aの上端開口を被覆体32のシール筒32bに嵌合させるとともに、嵌合筒壁31cを装着体33の嵌合周壁33fに嵌合させることで、スパウト31は装着体33に組み付けられている。
逆止弁34は、スパウト本体31aの例えば下端に、ヒンジ部34aを介して揺動可能に一体的に形成されたフラップ弁である。逆止弁34は、スパウト31の成形時にスパウト本体31aと一体的に形成され、成形直後はスパウト本体31aの延長壁(図示省略)として軸線方向Oに沿って延在している。その後、該延長壁をヒンジ部34aを基点にスパウト本体31a内に折り入れ、スパウト本体31aの、ヒンジ部34aの対向側に形成された突起34bを乗り越えさせることで、図2に示した逆止弁34が完成する。逆止弁34は、内容物の排出方向への移動に伴い上方(スパウト本体31a内)へ揺動して内容物の当該移動を許容するが、逆方向(充填空間M側)への移動は、逆止弁34が突起34bに当接することによって規制される。
以上の構成を備える本実施形態のスパウト付き容器10を開封する際には、図3に示した摘み部32eを指で摘んで周方向に引っ張って破断導入弱化部32fをまず破断し、引き続いて弱化部32dを全周に亘って破断することで、被覆体32の、弱化部32dよりも上の部分を引きちぎる。これにより図4に示すようにスパウト本体31aが露出するので、使用者はこのスパウト本体31aを口に銜えて吸引するおよび/または容器本体20の胴部22を圧搾することで、内層体20B内の内容物をスパウト31を通じて排出することができる。このとき、逆止弁34はヒンジ部34aを基点にスパウト本体31a内に揺動するが、吸引または圧搾を止めてスパウト本体31aの内容物が充填空間M側に移動しようとすると逆止弁34が閉じて当該移動が規制されるので、内容物の逆流は低減される。
したがって、本実施形態のスパウト付き容器10によれば、容器本体20は、保形性の外層体20Aとその内側に配置された内層体20Bとからなる二重構造を有し、スパウト本体31aを口で銜えて吸引しおよび/または容器本体20の胴部22を圧搾することで該スパウト本体31aを通じて内層体20B内の内容物を排出すると内層体20Bだけが減容変形し、外層体20Aはその形状が維持されるもしくは元の形状に弾性復帰するため、内容物の消費量にかかわらずスパウト付き容器10を安定して自立させることができ、消費途中で容器10を一旦置く場合でも内容物が漏れ出ることはない。また、スパウト付き容器10はボトル形状を有しているので、車内等に設定されたボトルホルダに容易に挿入して使用することもできる。また、キャップ30には逆止弁34が設けられているため、使用者の唾液や一旦口に含んだ内容物の、内層体20B内への逆流を低減することができる。
また、キャップ30が、被覆体32を一体に立設する装着体33を有し、スパウト31を装着体33に組み付ける構成とした好適な態様によれば、スパウト31を有するキャップ30を簡単に製作することができる。
また、逆止弁34を、スパウト31に揺動可能に一体的に形成されたフラップ弁で構成した好適な態様によれば、構造が簡単で確実に作動し、しかも容易に製作可能な逆止弁34を提供することができる。
さらに、被覆体32に、摘み部32eと、該摘み部32eから弱化部32dまで延び、弱化部32dの破断を導く破断可能な破断導入弱化部32fとを設けた好適な態様によれば、被覆体32の引きちぎり除去を容易に行うことができる。
さらに、容器本体20に、内層体20Bの減容に伴い内層体20Bとの間に外気を導入する外気導入孔25を設けたので、内層体20Bの減容に伴い内層体20Bと外層体20Aとの間に外気を導入して、内容物の消費に伴い内層体20Bを確実に減容変形させることができ、また、外層体20Aをスクイズして内容物を排出する使用態様では外層体20Aを元の形状に確実に弾性復帰させることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。ここで、図5は、本発明に従う第2の実施形態のスパウト付き容器を一部断面で示した側面図であり、図6は図5の部分拡大図である。
図5に示すように、第2の実施形態のスパウト付き容器110は、主として、容器本体120と、キャップ130とを備えている。
容器本体120は、底部121と、筒状の胴部122と、胴部122よりも小径の肩部123と、肩部123よりも小径の口部124とを下からこの順に軸線方向Oに沿って有する全体としてボトル形状をなす。容器本体120は、容器本体120の外形をなす外層体120Aと、この外層体120A内に配置された内層体120Bとの二重構造を有する。
二重構造としては、外層体120A内にこれと別に形成した内層体120Bを収納させる形態のものであっても、外層体120Aの内面に内層体120Bを剥離可能に積層した所謂デラミタイプのものであっても良い。前者の二重構造は、外層体120Aの上端部に内層体120Bの上端部を嵌合、接着、溶着等の固定手段を用いて固着することで得ることができ、後者の二重構造は、内層体120Bを形成する合成樹脂素材と外層体120Aを形成する合成樹脂素材とが積層されたパリソンをブロー成形することによって得ることができる他、内層体120Bの合成樹脂素材と外層体120Aの合成樹脂素材とを積層させた試験管状のプリフォームを準備し、このプリフォームを2軸延伸ブロー成形することによって得られる。図5に示すスパウト付き容器110は、容器本体120として、外層体120Aの内面に内層体120Bを剥離可能に積層したデラミタイプの二重構造を採用するが、これに限らず、外層体120A内にこれと別に形成した内層体120Bを収納した二重構造でもよい。
内層体120Bは、その内側に内容物を収容する充填空間Mを区画するとともに、この充填空間Mの減容を可能とする可撓性を有する。内層体120Bは、流通時や使用時に破断しないよう所定の強度を確保しつつ、内容物の消費に伴い潰れ変形して充填空間Mが減容するようその材料および厚みが適宜設計される。内層体120Bを構成する材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PA(ポリアミド)、エチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
外層体120Aは、容器本体120の自立を可能とする保形性(剛性)と、スクイズにより内容物の吐出を可能とする可撓性とを有するようその材料および厚みが適宜設計される。外層体120Aを構成する材料としては、PETやPP、PE、PA等が挙げられる。内層体120Bおよび外層体120Aは、剥離可能であれば同材質でも異材質でもよい。
内層体120Bは、容器本体120の底部121、胴部122、肩部123および口部124に対応して底部、胴部、肩部および口部124Bを有し、外層体120Aも、容器本体120の底部121、胴部122、肩部123および口部124に対応して底部121A、胴部122A、肩部123Aおよび口部124Aを有する。
図6に示すように、外層体120Aの口部124Aには、内層体20Bの減容に伴い内層体20Bとの間に外気を導入する外気導入孔125が例えば対向2箇所に形成されている。外気導入孔125は1つでも良い。外気導入孔125は、口部124Aに限らず、胴部122Aや底部121Aに形成しても良い。口部124Aの外面には、該外気導入孔125と外部とを連通する通路(溝)126が形成されている。口部124Aの外面にはおねじ127が形成され、通路126はこのおねじ127を縦方向に横切るように形成されている。
キャップ130は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)等の合成樹脂製であり、内側に排出経路を区画する筒状のスパウト131と、スパウト131を覆うとともに密封する被覆体132と、容器本体120の口部124、図示例では外層体120Aの口部124Aに装着された装着部133と、内容物の逆流を防止する逆止弁134とを一体に有する。
図6に示すように、装着部133は、容器本体120の口部124を塞ぐ天壁133aと、天壁133aの外縁から下垂するとともに口部124Aを取り囲む外周壁133bと、外周壁133bの内側で天壁133aから下垂して内層体120Bの口部124Bの上端開口内に嵌入されるシール筒133cとを有する。外周壁133bの内面には、おねじ127と螺合するめねじ133dが形成されている。天壁133aの中央には排出孔133eが形成され、スパウト131はこの排出孔133eの周縁から軸線方向Oに沿って上方に延出している。また天壁133aの下面には、内層体120Bの口部124B内に延出してスパウト131内に内容物を導く導入周壁133fが一体に形成されている。
逆止弁134は、導入周壁133fの例えば下端に、ヒンジ部134aを介して揺動可能に一体的に形成されたフラップ弁である。逆止弁134は、キャップ130の成形時に導入周壁133fと一体的に形成され、成形直後は導入周壁133fの延長壁(図示せず)として軸線方向Oに沿って延在している。その後、該延長壁をヒンジ部134aを基点に導入周壁133f内に折り入れ、導入周壁133fの、ヒンジ部134aの対向側に形成された突起134bを乗り越えさせることで、図6に示した逆止弁134が完成する。逆止弁134は、内容物の排出方向への移動に伴い上方(スパウト131側)へ揺動して内容物の当該移動を許容するが、逆方向(充填空間M側)への移動は、逆止弁134が突起134bに当接することによって規制される。
被覆体132は、好ましくは、その上部にヒートシール部132aを有する。このような被覆体132は、図7に示すように、キャップ130の成形時にスパウト131とこれを取り囲む円筒体132’とを一体的に形成し、この円筒体132’の上部をヒートシールにより密封することで製作される。
図6に戻り、被覆体132の基部外面には、例えばV字溝状の破断可能な弱化部132bが全周に亘って形成されており、この弱化部132bを破断することで被覆体132の、該弱化部132bよりも上の部分を除去してスパウト131を露出させることができる。弱化部132bの破断を容易にするため、被覆体132の上部側面には摘み部132cが形成されている。
以上の構成を備える実施形態のスパウト付き容器110を開封する際には、摘み部132cを指で摘んで被覆体132を弱化部132bを起点に破断して引きちぎればよい。これにより図8に示すようにスパウト131が露出するので、使用者はこのスパウト131を口に銜えて吸引するおよび/または容器本体120の胴部122を圧搾することで、内層体120B内の内容物をスパウト131を通じて排出することができる。このとき、逆止弁134はヒンジ部134aを基点にスパウト131側に揺動するが、吸引または圧搾を止めてスパウト131内の内容物が充填空間M側に移動しようとすると逆止弁134が閉じて当該移動が規制されるので、内容物の逆流は低減される。
したがって、本実施形態のスパウト付き容器110によれば、容器本体120は、保形性の外層体120Aとその内側に配置された内層体120Bとからなる二重構造を有し、スパウト131を口で銜えて吸引しおよび/または容器本体120の胴部122を圧搾してスパウト131を通じて内層体120B内の内容物を排出すると内層体120Bだけが減容変形し、外層体120Aはその形状が維持されるもしくは元の形状に弾性復帰するため、内容物の消費量にかかわらずスパウト付き容器110を安定して自立させることができ、消費途中で容器110を一旦置く場合でも内容物が漏れ出ることはない。また、スパウト付き容器110はボトル形状を有しているので、車内等に設定されたボトルホルダに容易に挿入して使用することもできる。また、キャップ130には逆止弁134が設けられているため、使用者の唾液や一旦口に含んだ内容物の、内層体120B内への逆流を低減することができる。
また、スパウト131と被覆体132とが一体的に形成され、かつ、被覆体132の上部にヒートシール部132aを有する有利な形態によれば、スパウト131および被覆体132を有するキャップ130を単一パーツとして安価に製造することができる。
また、キャップ130にスパウト131内に内容物を導く導入周壁133fを形成し、逆止弁134を、導入周壁133fに揺動可能に一体的に形成されたフラップ弁で構成した好適な態様によれば、構造が簡単で確実に作動し、しかも容易に製作可能な逆止弁134を提供することができる。
さらに、容器本体120に、内層体120Bの減容に伴い内層体120Bとの間に外気を導入する外気導入孔125を設けたので、内層体120Bの減容に伴い内層体120Bと外層体120Aとの間に外気を導入して、内容物の消費に伴い内層体120Bを確実に減容変形させることができ、また、外層体120Aをスクイズして内容物を排出する使用態様では外層体120Aを元の形状に確実に弾性復帰させることができる。
以上、図示例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の変更、追加、修正が可能である。
本発明によれば、容器内の内容物の消費量に拘わらず自立させることができ、かつ、内容物の逆流をより少なくすることができるスパウト付き容器を提供することができる。
10,110 スパウト付き容器
20,120 容器本体
20A,120A 外層体
20B,120B 内層体
21,121 容器本体の底部
21A,121A 外層体の底部
21B 内層体の底部
22,122 容器本体の胴部
22A,122A 外層体の胴部
22B 内層体の胴部
23,123 容器本体の肩部
23A,123A 外層体の肩部
23B 内層体の肩部
24,124 容器本体の口部
24A,124A 外層体の口部
24B,124B 内層体の口部
25,125 外気導入孔
126 通路
30,130 キャップ
31,131 スパウト
32,132 被覆体
32d,132b 弱化部
32e,132c 摘み部
32f 破断導入弱化部
132a ヒートシール部
33 装着体
133 装着部
34,134 逆止弁
34a,134a ヒンジ部
34b,134b 突起
M 充填空間
20,120 容器本体
20A,120A 外層体
20B,120B 内層体
21,121 容器本体の底部
21A,121A 外層体の底部
21B 内層体の底部
22,122 容器本体の胴部
22A,122A 外層体の胴部
22B 内層体の胴部
23,123 容器本体の肩部
23A,123A 外層体の肩部
23B 内層体の肩部
24,124 容器本体の口部
24A,124A 外層体の口部
24B,124B 内層体の口部
25,125 外気導入孔
126 通路
30,130 キャップ
31,131 スパウト
32,132 被覆体
32d,132b 弱化部
32e,132c 摘み部
32f 破断導入弱化部
132a ヒートシール部
33 装着体
133 装着部
34,134 逆止弁
34a,134a ヒンジ部
34b,134b 突起
M 充填空間
Claims (6)
- 底部、胴部および口部を有するボトル形状の容器本体と、
前記口部に装着されたキャップと、を備え、
前記容器本体は、内容物の充填空間を区画するとともに内容物の排出に伴い前記充填空間の減容が可能な内層体と、前記内層体を内側に収容するスクイズ可能な外層体と、前記内層体の減容に伴い前記内層体と前記外層体との間に外気を導入する外気導入孔とを有し、
前記キャップは、前記充填空間と連通し内容物の排出経路を区画するスパウトと、前記スパウトを密封するとともに破断可能な弱化部が形成され、該弱化部を起点にその一部を破断することによって前記スパウトを露出させる被覆体と、内容物の逆流を防止する逆止弁とを有することを特徴とするスパウト付き容器。 - 前記キャップは、前記被覆体を立設するとともに前記口部に装着される装着体を有し、
前記スパウトは前記装着体に組み付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のスパウト付き容器。 - 前記逆止弁は、前記スパウトに揺動可能に一体的に形成されたフラップ弁であることを特徴とする、請求項1または2に記載のスパウト付き容器。
- 前記被覆体は、摘み部と、該摘み部から前記弱化部まで延び、前記弱化部の破断を導く破断導入弱化部を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載のスパウト付き容器。
- 前記スパウトと前記被覆体とは一体的に形成されており、前記被覆体の上部にヒートシール部を有することを特徴とする、請求項1に記載のスパウト付き容器。
- 前記キャップは、前記スパウトを立設するとともに前記口部に装着される装着部を有し、
前記装着部は、前記口部の内側に形成され前記スパウト内に内容物を導く導入周壁を有し、
前記逆止弁は、前記導入周壁に揺動可能に一体的に形成されたフラップ弁であることを特徴とする、請求項5に記載のスパウト付き容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018144366A JP2020019524A (ja) | 2018-07-31 | 2018-07-31 | スパウト付き容器 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2018144366A JP2020019524A (ja) | 2018-07-31 | 2018-07-31 | スパウト付き容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020019524A true JP2020019524A (ja) | 2020-02-06 |
Family
ID=69587979
Family Applications (1)
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JP2018144366A Pending JP2020019524A (ja) | 2018-07-31 | 2018-07-31 | スパウト付き容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020019524A (ja) |
-
2018
- 2018-07-31 JP JP2018144366A patent/JP2020019524A/ja active Pending
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