JP2020019463A - パラシュートまたはパラグライダーの展開装置およびこれを備えた飛行体 - Google Patents

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泰彦 八木橋
Yasuhiko Yagihashi
泰彦 八木橋
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【課題】連結部材のねじれが生じにくいパラシュートまたはパラグライダーの展開装置、および、この展開装置を備えた飛行体を提供する。【解決手段】連結部材86bの他端部には、連結部材86bの一部であるライザーライン34が設けられている。ライザーライン34は、上部ライザーライン34aと、下部ライザーライン34bと、上部ライザーライン34aと下部ライザーライン34bとのねじれを解消しつつ連結するねじれ解消機構50と、を有している。ねじれ解消機構50には、たとえば、茄子鐶と呼ばれる回動機構が挙げられる。ねじれ解消機構50は、アルファベットのD字に類似する形状のD鐶部51と、他の鐶などに引っ掛けることが可能なフック部52と、D鐶部51とフック部52とを軸54周りに互いに回転可能に接続している回転鐶部53と、を有している。【選択図】図4

Description

本発明は、ドローン又は飛行機等の飛行体に用いられるパラシュートまたはパラグライダー展開装置およびこれを備えた飛行体に関するものである。
一方で、上記のような飛行体の落下事故のリスクが危険視されており、飛行体の普及の妨げとなっている。こうした落下事故のリスクを低減するために、飛行体用のパラシュートの展開装置が製品化されつつある。
例えば、特許文献1には、1つのパラシュートに複数の紐を介して複数の発射体を取り付けて、これらの発射体のそれぞれを連結された各管の開口部を閉口するように設置し、1つのガス発生器のガス圧を用いて、各発射体を異なる方向に射出することでパラシュートを展開させる装置が公開されている。
米国特許出願公開第2016/0251083号明細書
従来の飛行体においては、飛行体の機体の一部またはパラシュートなどを格納する部位の一部にライザーラインを含む連結部材が固定されているのが通常である。しかしながら、緊急時に展開したパラシュートなどの翼面が風などの外乱を受けると、上記ライザーラインは、飛行体の機体の一部またはパラシュートなどを格納する部位の一部に固定されているので、モーメントによる回転運動により、上記ライザーラインがねじれてしまうことがある。このようなライザーラインのねじれは、パラシュートなどによって安定飛行していた飛行体の減速飛行を妨げてしまうことがある。また、複数の連結部材が撚られた状態となった場合においても、安定飛行していた飛行体の減速飛行を妨げてしまうことがある。
そこで、本発明は、パラシュートなどの展開後において安定飛行していた飛行体の減速飛行を妨げないように、ライザーラインを含む連結部材のねじれが生じにくいパラシュートまたはパラグライダーの展開装置およびこれを備えた飛行体、並びに、連結部材の撚られた状態が生じにくい飛行体を提供することを目的とする。
(1) 本発明の展開装置は、推進機構を有した飛行体の機体に取り付け可能なパラシュートまたはパラグライダーの展開装置であって、前記展開装置は、パラシュート傘部またはキャノピーと、前記パラシュート傘部または前記キャノピーを閉傘した状態で保持する格納部と、を含み、前記パラシュート傘部または前記キャノピーの一部は、前記パラシュート傘部または前記キャノピーの開傘時に前記飛行体を吊り下げる連結部材を介して、前記飛行体の機体または前記格納部の一部に連結されるものであり、前記連結部材の途中には、ねじれた場合に生じるねじれ部における機械特性の不均一を解消可能なねじれ解消機構が設けられていることを特徴とする。
(2) 上記(1)の展開装置においては、前記ねじれ解消機構は、回動部と、前記回動部を回動可能に支持する支持部と、を備えている回動機構であることが好ましい。
上記(1)または(2)の構成によれば、パラシュートまたはパラグライダーにおける連結部材がねじれ部を生じても、ねじれ解消機構によりねじれ部のねじれを解消できる(ねじれ部を生じても当該ねじれの影響を与えない状態とすることができる)。これにより、パラシュートなどの展開後において安定飛行していた飛行体の減速飛行を妨げないようにすることができる。
(3) 上記(2)の展開装置において、前記回動機構は、電力によって前記回動部を駆動する制御が可能な駆動部を備えていることが好ましい。
上記(3)の構成によれば、連結部材のねじれを解消する方向に前記回動部を回動する制御ができる。これにより、連結部材のねじれ部のねじれを効率よく且つより迅速に解消できる。
(4) 上記(1)〜(3)の展開装置においては、前記パラシュートまたは前記パラグライダーの一部に連結されたブレークコードと、前記ブレークコードを操作して、前記パラシュートまたは前記パラグライダーの翼面の動きを制御可能なブレークコード引張装置と、前記飛行体の周囲の風向きを検知する風向検知部と、前記風向検知部から得た測定データを基に風上の方向を検知した後、前記風上の方向に、前記パラシュートまたは前記パラグライダーの翼面が向くように、前記ブレークコード引張装置を制御する制御部と、をさらに備えていることが好ましい。
上記(4)の構成によれば、風向検知部から得た測定データを基に風上の方向を検知した後、この風上の方向に、パラシュートまたはパラグライダーの翼面が向くように、ブレークコード引張装置を制御することができるので、展開装置の作動後の飛行体の飛行を安定させることができる。
(5) 上記(1)〜(4)の展開装置においては、前記パラシュートまたは前記パラグライダーを前記格納部から外部に射出する射出部をさらに備えていることが好ましい。
(6) 上記(5)の展開装置においては、前記射出部は、前記格納部内に設けられた摺動部材を接触又は非接触により移動させる駆動摺動部材と、前記駆動摺動部材に発生させたガスによる圧力を付加することが可能なガス発生器と、を有していることが好ましい。
(7) 上記(6)の展開装置においては、前記ガス発生器が、火薬を利用してガスボンベの開閉部を開封するもの、または、火薬を燃焼してガスを発生させるもの、であることが好ましい。
上記(5)〜(7)の構成によれば、パラシュートまたはパラグライダーを迅速に射出できるので、射出部のないものに比べて、パラシュートまたはパラグライダーの展開までの時間を短縮化することができる。また、上記(6)の展開装置においては、相当の圧力を受けたときにのみ移動し得るように摺動部材を配置しておくことで、動力源の作動時に、駆動摺動部材と摺動部材との間に相当の圧縮空気を溜めることができる。そして、その圧縮空気により摺動部材を加勢して移動させることができる。これにより、押し上げ部材も加勢されるので、射出物の射出速度を上げることが可能となる。
(8) 上記(4)の展開装置においては、前記パラシュートまたは前記パラグライダーを前記格納部から外部に射出する射出部と、前記飛行体の異常状態を含む前記飛行体の状態を検知可能な状態検知部と、をさらに備え、前記制御部は、さらに、前記状態検知部が検知した前記飛行体の状態の情報に基づいて、前記射出部における前記パラシュートまたは前記パラグライダーの射出タイミングを制御するものであってもよい。
上記(8)の構成によれば、射出部のないものに比べて、パラシュートまたはパラグライダーの展開までの時間を短縮化することができるだけでなく、パラシュートまたはパラグライダーの展開タイミングを適切なタイミング(着陸直前時など)に合わせることができる。
(9) 上記(8)の展開装置においては、前記射出部および前記制御部に電力供給可能な電力供給源をさらに備え、前記射出部は、前記制御部からの電気信号に基づいて起動することが好ましい。
上記(9)の構成によれば、制御部における判定(パラシュートまたはパラグライダーの射出命令の実行など)を瞬時に射出部に伝達できるので、緊急時に迅速にパラシュートまたはパラグライダーを展開することができる。また、電力供給源は、飛行体の電源とは別電源として備えるものとなるので、飛行体の電源にトラブルが発生していたとしても、本発明の展開装置を起動することができる。
(10) 上記(8)または(9)の展開装置においては、前記状態検知部は、カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、レーザーセンサ、超音波センサ、前記飛行体の推進機構の振動を検知可能な振動センサ、および前記飛行体が備えている別の電源供給部の電圧を検知する電圧センサから選択される必要な機能を有したものを少なくとも1つ備えていることが好ましい。
(11) 上記(8)〜(10)の展開装置においては、前記状態検知部は、高度を検知可能なものであることが好ましい。
上記(10)、(11)の構成によれば、飛行体に取り付けた場合、飛行体の速度、加速度、傾き、高度、位置、方角、近傍の物体の有無など、飛行体の飛行状態(異常状態を含む)のデータおよび外部環境(風速、風向きなど)のデータなどを取得することができる。
(12) 本発明の飛行体は、機体と、前記機体に結合される上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の展開装置と、前記機体に結合され、前記機体を推進させる1つ以上の推進機構と、を備えていることを特徴とする。
上記(12)の構成によれば、上記(1)〜(11)の展開装置のうち少なくとも1つの効果を奏した飛行体を提供できる。これによって、パラシュートまたはパラグライダーにより発生した揚力、または/および、当該パラシュートまたはパラグライダーに対する空気抵抗力とが相俟って、飛行体の速度を減速させることができるので、飛行体の着地時に当該飛行体に対する衝撃を十分に低減することが可能となる。
(13) 別の観点として、本発明の飛行体は、機体と、前記飛行体の機体表面の一方側に設けられた上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の展開装置と、前記飛行体の表面の他方側に設けられ、前記パラシュートまたは前記パラグライダーの展開時に地上側においてエアバッグを展開可能なエアバッグ装置と、前記機体に結合され、前記機体を推進させる1つ以上の推進機構と、を備えていることを特徴とするものであってもよい。
上記(13)の構成によれば、パラシュートまたはパラグライダーが展開された後の飛行体の地上側においてエアバッグが展開されることになるので、飛行体自体を保護できるだけでなく、落下地点の人または物を保護することができる。
(14) 他の観点として、本発明の飛行体は、機体と、前記機体に結合されるパラシュートまたはパラグライダーの展開装置と、前記機体に結合され、前記機体を推進させる1つ以上の推進機構と、前記推進機構の制御を行う推進機構制御部と、を備え、前記展開装置は、パラシュート傘部またはキャノピーと、前記パラシュート傘部または前記キャノピーを閉傘した状態で保持する格納部と、を含み、前記パラシュート傘部または前記キャノピーの一部は、前記パラシュート傘部または前記キャノピーの開傘時に前記飛行体を吊り下げる複数の連結部材を介して、前記機体または前記格納部の一部に連結されるものであり、前記パラシュート傘部または前記キャノピーの開傘後に前記複数の連結部材が撚られた状態となった場合、前記推進機構制御部は、前記複数の連結部材の撚られた状態を解消する方向に前記機体が旋回するように前記推進機構を制御することを特徴とするものであってもよい。
(15) 上記(14)の飛行体においては、前記複数の連結部材の少なくとも1つに、角度センサまたは荷重センサが設けられており、前記推進機構制御部は、前記角度センサまたは前記荷重センサによって得られた情報に基づいて、前記複数の連結部材が撚られた状態となっているか否かを判定し、前記複数の連結部材が撚られた状態となっていると判定した場合、前記複数の連結部材の撚られた状態を解消する方向に前記機体が旋回するように前記推進機構を制御することが好ましい。
(16) また、別の観点として、上記(14)の飛行体においては、前記パラシュート傘部または前記キャノピー、および、前記機体のうち少なくとも1つに、加速度センサが設けられており、前記推進機構制御部は、前記加速度センサによって得られた情報に基づいて、前記複数の連結部材が撚られた状態となっているか否かを判定し、前記複数の連結部材が撚られた状態となっていると判定した場合、前記複数の連結部材の撚られた状態を解消する方向に前記機体が旋回するように前記推進機構を制御することとしてもよい。
(17) また、他の観点として、上記(14)の飛行体においては、前記パラシュート傘部または前記キャノピー、および、前記機体のうち少なくとも1つに、カメラが設けられており、前記推進機構制御部は、前記カメラによって得られた画像情報に基づいて、前記複数の連結部材が撚られた状態となっているか否かを判定し、前記複数の連結部材が撚られた状態となっていると判定した場合、前記複数の連結部材の撚られた状態を解消する方向に前記機体が旋回するように前記推進機構を制御することとしてもよい。
(18) 上記(14)〜(17)の飛行体において、前記推進機構は、前記機体の移動に使用される少なくとも1つの主推進機構と、前記複数の連結部材の撚られた状態を解消する場合に使用され、前記推進機構制御部によって制御される少なくとも1つの副推進機構と、を有していることが好ましい。
上記(14)〜(18)の構成によれば、複数の連結部材の撚られた状態を容易に解消することができるので、パラシュートなどの展開後において安定飛行していた飛行体の減速飛行を妨げないようにすることができる。
本発明によれば、緊急時に展開したパラシュート等の翼面が風などの外乱を受けた際のライザーラインのねじれ部のねじれを解消するねじれ解消機構により、パラシュート等による飛行体の減速飛行を妨げる要因を排除することができる。このねじれ解消機構は、後述のライザーラインなどに直接接続されていてもよく、さらに、簡易な機構で構成されている。また、緊急時に展開したパラシュート等の翼面が風などの外乱を受けた際において、複数の連結部材が撚られた状態になったとしても、この撚られた状態を解消し、パラシュート等による飛行体の減速飛行を妨げる要因を排除することができる。
本発明の実施形態に係るパラシュートまたはパラグライダーの展開装置が適用される飛行体の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るパラシュートまたはパラグライダーの展開装置を示す断面図である。 図1の飛行体における展開装置の作動後の状態を示した図である。 図3の一部拡大図であって、ライザーラインにおけるねじれ解消機構の周辺を示した図である。 図2の展開装置に設けられている展開装置の機能的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の変形例1に係る展開装置におけるねじれ解消機構を示す図であって、(a)が斜視図、(b)が一部断面図である。 本発明の実施形態の変形例2に係る展開装置におけるねじれ解消機構を示す斜視図である。 本発明の実施形態の変形例3に係る展開装置におけるねじれ解消機構を示す斜視図である。 本発明の実施形態の変形例4に係る展開装置が適用される飛行体の一例を示す図である。 本発明の実施形態の変形例5に係る展開装置が適用される飛行体の一例を示す図である。 本発明の実施形態の変形例6に係る展開装置が適用される飛行体の一例を示す図である。 本発明の実施形態の変形例7に係る飛行体の展開装置を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るパラシュートまたはパラグライダーの展開装置が適用される飛行体について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パラシュートまたはパラグライダーの展開装置90が適用される飛行体の一例を示す図である。図1に示すように、飛行体100は、機体1と、機体1に結合され、当該機体1を推進させる1つ以上の推進機構(例えばプロペラ等)2と、機体1の下部に設けられた複数の脚部3と、パラシュートまたはパラグライダーの展開装置90と、を備えている。パラシュートまたはパラグライダーの展開装置90は、機体1上に設けられている。
なお、パラシュートまたはパラグライダーの展開装置90の一例を示す図2および図3においては、パラグライダーを展開させる展開装置を一例に挙げて説明する。
図2に示すように、パラシュートまたはパラグライダーの展開装置90は、アクチュエータ88(射出部)とパラシュートまたはパラグライダー86とを備えている。アクチュエータ88は、点火薬(図示略)を収容するカップ状のケース85を有するガス発生器84と、凹部(凹状部材)82および当該凹部82と一体的に形成されたピストンヘッド83(発射台)を有するピストン81と、ピストン81を収容し当該ピストン81の推進方向を規制する有底筒状のハウジング80(格納部)と、を備えている。
また、図2に示したように、ハウジング80の内壁とピストンヘッド83の外周部との間には、隙間(クリアランス)である連通部S1が形成されている。ピストン81が移動する(図2の矢印方向に射出される)場合には、ハウジング80の内壁とピストンヘッド83との間の空間Sが負圧になるが、空間Sに連通部S1から空気が流入するので、このときの負圧を低減し、ピストン81の移動をスムーズにすることができる。
ガス発生器84は、凹部82内に設けられている。ガス発生器84の先端部には、ガス噴出口が設けられており、電気信号による点火により、凹部82内においてピストン81を図2の矢印方向に射出する推進力となるガスを発生させることができる。また、凹部82とガス発生器84の外壁部との間には、O−リングなどのシール部材89が設けられており、作動時においてガス漏れが発生しないようになっている。
また、パラシュートまたはパラグライダーの展開装置90は、図2では図示していないが、初期状態でハウジング80に格納され、パラシュートの傘部またはパラグライダーのキャノピーに連結されたブレークコード31(作動後の様子は、図3参照)と、ハウジング80の内底部に設けられ、ブレークコード31を巻き取ったり、送り出したりすることが可能なブレークコード引張装置32(図3参照)と、を備えている。なお、ブレークコード引張装置32は、図2における空間Sに設けられ、作動時のピストン81の移動を妨げないようになっている。
パラシュートまたはパラグライダー86は、ピストンヘッド83上に配置された状態で紐状部材などの連結部材86bを介してハウジング80に連結されかつ収納されている。また、通常時(展開前)のパラシュートまたはパラグライダー86における傘部(図示せず)またはキャノピー86aと、連結部材86bおよびブレークコード31とは、ハウジング80内において折り畳まれて収納されており、緊急時において飛行体100の制御部20から所定の信号を受信したガス発生器84(図5参照)の起動によりハウジング80内から外部に射出された後、図3に示したように展開され、使用されるものである。
連結部材86bは、一端部がパラシュートまたはパラグライダー86における傘部(図示せず)またはキャノピー86aに連結され、他端部が箱状の収納部33の内部に連結されている。また、連結部材86bは、図2に示したように、初期状態で、一端部側はハウジング80に収納され、ハウジング80の開口部を介して他端部側は収納部33に収納されている。また、連結部材86bの開口部に接している部分は、当該開口部と蓋87とによって挟持されており、蓋87が取り外された際、当該挟持から解放されるようになっている。
また、図3に示したように、連結部材86bの他端部には、連結部材86bの一部であるライザーライン34が設けられている。このライザーライン34は、図4に示したように、上部ライザーライン34aと、下部ライザーライン34bと、上部ライザーライン34aと下部ライザーライン34bとのねじれを解消しつつ(ねじれ部を生じても当該ねじれの影響を与えない状態としつつ)連結するねじれ解消機構50と、を有している。ねじれ解消機構50には、たとえば、図4に示した茄子鐶と呼ばれる回動機構が挙げられる。この図4に示したねじれ解消機構50は、アルファベットのD字に類似する形状のD鐶部51と、他の鐶などに引っ掛けることが可能なフック部52と、D鐶部51とフック部52とを軸54(支持部)周りに互いに回転可能に接続している回転鐶部53(回動部)と、を有している。
フック部52は内側に可動する可動部52aとフック部本体52bとを有しており、フック部52内に内蔵された板バネまたは巻バネなどの弾性体(図示せず)によって、図4の状態から可動部52aをフック部本体52b側へ押すと開いて鐶などに引っ掛けることができ、可動部52aをフック部本体52b側に押すことを解除すると、図4に示した状態に戻る機構となっている。なお、図4においては、下端側が収納部33に固定された下部ライザーライン34bの先端にD鐶部34cが設けられており、このD鐶部34cにフック部52を引っ掛けた状態を示している。
キャノピー86aは、図3に示したように、パラグライダー86を前方から見た場合、飛行体100の上方で左右方向に略円弧形状に広がるように形成されている。また、連結部材86bは、パラグライダー86の展開後において、4本ずつ左右対称となるように、キャノピー86aから飛行体100側へと延設されている。
左右一対のブレークコード31は、飛行体100の操縦を行うものであり、一端部がキャノピー86aの後端縁部分に4本ずつ対称的に途中から枝分かれして設けられ、他端部の1本ずつが後述する各ブレークコード引張装置32に接続されている。また、ブレークコード引張装置32は、左右のブレークコード31に対応するように、一対設けられている。
なお、緊急時にパラグライダーの展開装置90が展開した飛行体100では、左右のブレークコード31の操作により、キャノピー86aを変形させて受ける風圧抵抗を変えることで、旋回、上昇、または下降の操縦が行われるようになっている。例えば、飛行体100を右旋回させる場合は、右側のブレークコード31を引いてキャノピー86a右側部の抵抗を増大させることにより、キャノピー86a右側速度を減速させて方向転換を行うようになる。また、飛行体100を着陸させる場合は、左右のブレークコード31を引いてキャノピー86a全体の抵抗を増大させることにより、下降速度を減速させて着陸を行うようになる。なお、ブレークコード31の引張操作とは、ブレークコード引張装置32が、作動タイミング部23からブレークコード引張装置32に係る作動信号を受信した場合に、モータおよびリールなどを用いて、ブレークコード31を引っ張ったり、巻き取ったり、送り出したりする操作のことである。
これらのような構成において、ピストン81の推進によりパラシュートまたはパラグライダー86を直接押し出して展開させることができる。なお、ハウジング80の開口端部は初期状態で蓋87により閉じられており、パラシュートまたはパラグライダー86の押し出しにより上記開口端部から外れるようになっている。
また、パラシュートまたはパラグライダーの展開装置90は、飛行体の異常を含めた飛行体の状態を検出する加速度センサ等を含む状態検出装置40(図2では図示略)を備えている。
このような構成において、状態検出装置40によって異常が検出された際に、ガス発生器84の点火動作に基づき発生されたガス圧によってピストン81を推進させる。これにより、ピストン81の推進力によってパラシュートまたはパラグライダー86を直接押し出して展開させることができる。
ここで、状態検出装置40の機能的構成について説明する。状態検出装置40は、図5に示すように、センサ11と、記憶部12と、制御部(CPU、ROM、RAM等を有するコンピュータ)20と、を備えており、展開装置90のガス発生器84内の点火器(図示せず)と電気的に接続されている。
センサ11は、飛行体100の位置を検出し、飛行体100の位置情報(高度の情報を含む)を生成し、記憶部12に送信するものである。具体的には、センサ11は、たとえば、GPS(全地球測位システム)、カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、レーザーセンサ、超音波センサ、風速計、飛行体100の推進機構2の異常振動を検知可能な振動センサ、および飛行体100が備えている別の電源供給部(図示せず)の電圧を検知する電圧センサなどから1以上選択されてなるセンサであり、飛行体100の速度、加速度、傾き、高度、位置、方角、近傍の物体の有無など、飛行体100の飛行状態(異常状態を含む)のデータおよび外部環境(風速、風向きなど)のデータなどを取得することができる。
記憶部12は、所定の領域において実在する地形および建物などの位置情報(地形および建物などの形状および高度(高さ)の情報を含む)に基づいて予め作成された3Dマップデータ12aを記憶している。また、記憶部12は、センサ11から送信された飛行体100の位置情報を記憶する。なお、3Dマップデータは、一定時間ごとまたは一定距離移動したごとに、飛行体100の現在位置から所定範囲内のみ受信して、適宜更新してもよい。これにより、記憶部12の記憶容量を比較的少なくできるので、記憶部12を軽量化できる。
制御部20は、機能的構成として、異常検知部21と、予測部22と、作動タイミング部23と、通知部24と、を備えている。これらの異常検知部21、予測部22、作動タイミング部23、および通知部24は、制御部20が所定のプログラムを実行することで機能的に実現されるものである。
異常検知部21は、センサ11の異常状態を検知するだけでなく、飛行体100の飛行状態(飛行中に落下、衝突などの異常状態となっていないか)を検知するものである。つまり、異常検知部21は、飛行体100が動作異常となっているか否か(正常に動作可能であるか否か)を検知する。
予測部22は、飛行体100の飛行中に異常検知部21が動作異常を検知した際、記憶部12から読み出した3Dマップデータ12aにおける地形および建物の位置情報と、センサ11によって得た飛行体100の位置情報並びに移動方向および速度の情報に基づいて、衝突または着地までの距離、もしくは、衝突または着地までの時間を予測(演算)し、地形および建物と飛行体100との衝突タイミング、または、飛行体100の陸地への着地タイミングを予測(演算)するものである。なお、予測部22は、上記衝突タイミングまたは上記着地タイミングを予測した後、作動タイミング部23に予測タイミング信号を送信する。
また、予測部22は、3Dマップデータにおける高度の情報と、センサ11で得られる高度の情報とについて比較して、ゼロ点補正し、初期状態でデータのずれがないようにする。
作動タイミング部23は、上記衝突タイミングまたは上記着地タイミングの所定時間前にパラシュートまたはパラグライダー86が展開するように、パラシュートまたはパラグライダー86の作動タイミング(展開タイミング)を制御する。すなわち、予測部22から予測タイミング信号を受信した後から所定時間後に、展開装置90のガス発生器84内の点火器に作動信号を送信する。ここで、「所定時間後」とは、たとえば、上記衝突タイミングまたは上記着地タイミングの直前のこと(たとえば、10秒前などのことで適宜設定変更可能)である。また、作動タイミング部23は、パラシュートまたはパラグライダー86の作動タイミング(展開タイミング)を制御するだけでなく、ブレークコード引張装置32の作動タイミングを制御する。すなわち、作動タイミング部23は、予測部22からタイミング信号を受信した後から所定時間後に、ブレークコード引張装置32のモータに作動信号を送信する。
なお、上記衝突タイミングまたは上記着地タイミングに時間が近づいた場合、作動タイミング部23は、センサ11から得た障害物、人などまたは陸地面との実際の距離の情報に基づいて、飛行体100と、上記障害物、人などまたは陸地面との衝突までの距離(以下、衝突距離)が、所定距離内になっているかどうかを判定するものであってもよい。ここで、作動タイミング部23は、衝突距離が所定距離内になっていると判定した場合、展開装置90のガス発生器84内の点火器に作動信号を送信する。なお、「所定距離内」とは、たとえば、上記衝突タイミングまたは上記着地タイミングに該当する位置までの距離のこと(たとえば、上記衝突距離が20m(好ましくは3m〜10m程度)になった場合のことで、適宜設定変更可能)である。ここで、センサ11として、超音波センサを用いた場合、「所定距離内」は6m以内として設定することが可能である。
通知部24は、異常検知部21により異常が検知された場合、異常が検知された旨の通知を管理者などに対して行うものである。
ガス発生器84は、図示しないが、小型軽量のものであり、ガス発生剤が充填されたカップ体と、ガス発生剤を着火させるための点火器と、点火器を保持するホルダとを備えるものである。また、ガス発生器84は、たとえば、マイクロガスジェネレータなどが挙げられるが、0.1MPa(1atm)以上の圧力のガスを発生させることができるのであれば、どのような装置であってもよい。また、ガス発生剤は、点火器が作動することによって生じた熱粒子によって着火され、燃焼することによってガスを発生させる薬剤(火薬または推進薬)である。
なお、一般的にガス発生器は、非火薬式と火薬式とに大別できる。非火薬式の主流は、二酸化炭素または窒素等のガスを封入したガスボンベに、針等の鋭利部材と圧縮したバネとを連結して、バネ力を利用して鋭利部材を飛ばし、ボンベを封止している封板に衝突させてガスを放出させるものである。このとき、バネの圧縮力を解放するために、サーボモータ等の駆動源が通常使用される。次に、火薬式の場合であるが、点火器単体でもよいし、点火器とガス発生剤とを備えたものでもよい。また、火薬の力で小型のガスボンベにおける封板を開裂させ、内部のガスを外部へと排出するハイブリッド型、ストアード型のガス発生器を使用してもよい。この場合、ガスボンベ内の加圧ガスは、アルゴン、ヘリウム、窒素、二酸化炭素などの不燃性のガスから少なくとも一つ以上から選ばれる。また、加圧ガスが放出される際、確実に膨張させるために火薬式の発熱体をガス発生器に備えていてもよい。さらにガス発生器には、必要に応じてフィルタまたは/およびガス流量を調整するオリフィスを備えてもよい。
上記ガス発生剤としては、非アジド系ガス発生剤を用いることが好ましく、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成形体としてガス発生剤が形成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等又はこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジン、硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅等の塩基性硝酸塩、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、又は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダ、スラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダ、又は、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。また、ニトロセルロースを主成分としたシングルベース火薬、ダブルベース火薬、トリプルベース火薬を用いてもよい。
また、ガス発生剤の成形体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状等の粒状のもの、ディスク状のものなど様々な形状のものがある。また、円柱状のものでは、成形体内部に貫通孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状又は多孔筒形状等)の成形体も利用される。また、ガス発生剤の形状の他にもガス発生剤の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成形体のサイズおよび充填量を適宜選択することが好ましい。
上述のような構成を備えた展開装置90は、パラシュートまたはパラグライダー86の射出方向(図2の矢印方向)に、パラシュートまたはパラグライダー86にガス発生器84によるガス圧を利用して得た所定の射出力を伝達することができるようになっている。
続いて、本実施形態の状態検出装置40の動作について説明する。
最初に異常検知部21によるセンサ11の異常検査が行われる。具体的には、飛行体の加速度を計測する加速度センサなどが、異常検知部21によって正常に動作するかどうかの検査が実施される。
上記検査の結果、異常ありと判定した場合、異常検知部21は管理者などに対してエラー通知を行って、終了する。一方、上記検査の結果、センサ11について異常なしと判定した場合、予測部22は、センサ11で実測された各データおよび3Dマップデータ12aを読み込む。
そして、異常検知部21は、飛行体100の飛行中の異常状態が検知された場合、予測部に異常信号を送信する。この異常信号を受信した予測部22は、記憶部12から読み込んだ3Dマップデータ12aにおける地形および建物の位置情報と、センサ11によって得た飛行体100の位置情報とに基づいて、地形および建物と飛行体100との衝突タイミング、または、飛行体100の陸地への着地タイミングを予測する。
次に、予測部22は、上記衝突タイミングまたは上記着地タイミングを予測した場合、予測タイミング信号を作動タイミング部に送信する。この予測タイミング信号を受信した作動タイミング部23は、上記衝突タイミングまたは上記着地タイミングの所定時間前にパラシュートまたはパラグライダー86が展開するように、パラシュートまたはパラグライダー86の作動タイミング(展開タイミング)を制御する。すなわち、作動タイミング部23は、予測部22からタイミング信号を受信した後から所定時間後に、展開装置90のガス発生器84内の点火器に作動信号を送信する。
そして、作動信号を受信したパラシュートまたはパラグライダーの展開装置90は起動し、所定の射出力でパラシュートまたはパラグライダー86を射出して展開させる。
パラシュートまたはパラグライダー86の展開後、作動タイミング部23は、ブレークコード引張装置32の作動タイミングを制御する。すなわち、作動タイミング部23は、予測部22からタイミング信号を受信した後から所定時間後に、ブレークコード引張装置32のモータに作動信号を送信する。作動信号を受信したブレークコード引張装置32は、リールでブレークコード31を巻き取るなどの操作を行う。これにより、センサ11から得た測定データを基に風上の方向を検知した後、この風上の方向に、パラシュートまたはパラグライダー86の翼面が向くように、ブレークコード引張装置32を制御し、展開装置90の作動後の飛行体100の飛行を安定させる。また、着陸の直前において、展開したパラグライダー86のキャノピー86a全体の風圧抵抗を増大させることによって、飛行体100の下降速度を減速させる。そして、展開装置90が取り付けられた飛行体100は、衝撃を緩衝された状態で、障害物などに衝突するか、または、陸地へ着地する。
本実施形態によれば、パラシュートまたはパラグライダー86における連結部材86bがねじれを生じても、ねじれ解消機構50によりねじれ部のねじれを解消できる(ねじれ部を生じても当該ねじれの影響を与えない状態とすることができる)。
また、本実施形態によれば、衝突タイミングまたは着地タイミングを予測して、衝突タイミングまたは着地タイミングの直前に、精度よくパラシュートまたはパラグライダーの展開装置90を作動させることができる。たとえば、パラシュートまたはパラグライダーの展開装置90が取り付けられた飛行体100が、目的の場所の近傍にたどり着いたことを予測して、目的の場所の近傍においてパラシュートまたはパラグライダーの展開装置90を作動させることができる。したがって、パラシュートまたはパラグライダーの展開装置90は、従来よりも、飛行体100に取り付ける装置が少ないにもかかわらず、有事に至るまで効率よく作動することができる。これによって、落下時において、適切なタイミングで障害物および搭載物、特に歩行者を保護することができる。
また、本実施形態によれば、3Dマップデータにおける地形および建物の位置情報と、現在の飛行体の位置情報並びに移動方向および速度の情報から、飛行体100の衝突または着地までの距離、もしくは、衝突または着地までの時間を精度よく予測(演算)できる。その結果として、この予測がされるまで、作動タイミング部23は作動しない。すなわち、適切なタイミングが予測された際に、展開装置90を適切なタイミングで起動することができる。
また、本実施形態によれば、電気信号により作動し、ガスを発生するガス発生器84をパラシュートまたはパラグライダーの展開のための作動部として用いているので、作動タイミングを容易に制御できる。特に、ガス発生器84は、火薬式のガス発生器であるため、ピストン81を移動させる推進力を瞬時に得ることができる。
また、本実施形態によれば、飛行体100の落下速度をさらに抑えるタイミングを制御することができる。たとえば、飛行体100の衝突直前または着地直前のタイミングに合わせて、飛行体100の落下速度を抑えることができる。特に、建物または地面まで近いところで各装置を作動させた場合において、3Dマップデータにない木々、自動車などの障害物、人などの動物、との衝突があってもその衝突をさらに緩衝することができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。たとえば、以下の変更(変形例)が挙げられる。
(変形例1)
本変形例の展開装置は、上記実施形態のねじれ解消機構50の代わりに、図6に示したねじれ解消機構60を用いた点で、上記実施形態と異なっている。なお、他の部位は上記実施形態と同様の部位なので、説明を省略することがある。
ねじれ解消機構60は、支持台61と、球体部62と、雄ねじ部63と、を備えている。支持台61は、上記実施形態の収納部33と同様の収納部に取付可能な台座部61aと、台座部61aの上部に設けられた椀状部61bと、を有している。椀状部61bの内部には、椀状部61bから取り外せない状態で、球体部62が回動可能に嵌合している。
球体部62の上部(椀状部61bの外部から視認できる箇所)には、雄ねじ部63が設けられている。この雄ねじ部63は、連結部材186bの先端部に設けられた雌ねじ部186b1に螺合し固定されている。なお、当該固定は、接着剤などを用いて固定していることが好ましい。また、連結部材186bは、先端部に雌ねじ部186b1が設けられている点、ねじれ解消機構50およびライザーライン34の代わりに、ねじれ解消機構60および雌ねじ部186b1が設けられている点以外は、上記実施形態の連結部材86bと同様のものである。
このようなねじれ解消機構60においては、球体部62が椀状部61b内で回動することができるので、当然、雄ねじ部63は、椀状部61bの上部の縁部に当接するまで揺動(回動)することができる。したがって、雄ねじ部63に雌ねじ部186b1を介して動く連結部材186bのねじれ部のねじれを解消することができる。すなわち、上記実施形態と同様、複数設けられた連結部材186bのそれぞれにねじれ解消機構60を適用することによって、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
(変形例2)
本変形例の展開装置は、上記実施形態のねじれ解消機構50の代わりに、図7に示したねじれ解消機構70を用いた点で、上記実施形態と異なっている。なお、他の部位は上記実施形態と同様の部位なので、説明を省略することがある。
ねじれ解消機構70は、上記収納部と同様の収納部133に固設されている基台71と、基台71の上部に設けられた回転テーブル72と、を備えている。
基台71は、図7に示したように、内部に、電動モータ73(駆動部)と、回転軸74と、スラストベアリング75と、を備え、飛行体の機体501に取り付けられている。電動モータ73は、回転テーブル72を回転駆動させる駆動源となるものである。また、回転軸74は、電動モータ73の駆動力を回転テーブル72に伝動するためのものである。また、スラストベアリング75は、回転テーブル72の電動モータ73側の面に接触して転動可能な転動体76と、転動体76の転動方向を規制し案内するリング状の案内部77と、を有し、回転テーブル72を周方向(図7(b)の矢印方向)に回転可能に支持している。また、スラストベアリング75には、転動体76同士が接触しないように、各転動体76の位置関係を保持する保持器(図示せず)が用いられている。なお、スラストベアリング75の具体例としては、転動体76に球を用いたボールベアリング、転動体76に円柱状のローラーを用いたローラーベアリングなどが挙げられる。なお、電動モータ73には、連結部材286bのねじれ部のねじれによる力によって回転した回転テーブル72の角度変化を通して、連結部材286bのねじれ部のねじれによる力を検知するねじれ検知部を設けてもよい。これにより、連結部材286bのねじれ部のねじれによる力がかからない方向に迅速に回転テーブル72を回転させることができる。
回転テーブル72の上部には、回転軸74と同軸で連結部材286bの先端が固定されている。連結部材286bは、先端部において、ねじれ解消機構50およびライザーライン34の代わりに、ねじれ解消機構70が設けられている点以外は、上記実施形態の連結部材86bと同様のものである。
このようなねじれ解消機構70においては、電動モータ73を用いて、回転テーブル72を駆動制御するので、効率よく迅速に連結部材286bに生じたねじれ部のねじれを解消することができる。
なお、本変形例では、電動モータ73を用いて、回転テーブル72を駆動制御するものであったが、これに限られず、電動モータ73を設けずに、連結部材286bに生じたねじれ部のねじれの力によって、回転テーブル72が自由に回転するだけのものであってもよい。
(変形例3)
本変形例の展開装置は、上記実施形態のねじれ解消機構50の代わりに、図8に示したねじれ解消機構110を用いた点で、上記実施形態と異なっている。なお、他の部位は上記実施形態と同様の部位なので、説明を省略することがある。
ねじれ解消機構110は、固定部111と、第1U字型部材112と、第2U字型部材113と、軸114、115、116と、を備えている。
固定部111は、展開装置のハウジング、収納部、および、飛行体の機体または飛行体における既設部位のうち、いずれかの箇所に固定されている。また、固定部111には、後述する軸116が挿入される孔部111aが、図8のX軸方向に沿って設けられている。
第1U字型部材112は、略U字型の形状をしており、一端部側に軸116の他端部側の先端が接続固定されている。軸116の一端部側の先端には留め具117が固定されており、軸116は、孔部111a内において、図8のX軸周りに回転することができるようになっている。これにより、第1略U字型部材112も、軸116を中心軸として、図8のX軸周りに回転することができるようになっている。
第2U字型部材113は、略U字型の形状をしており、一端部側において、十字型に交差するように形成された軸114、115を介して第1U字型部材112に接続されている。また、第2U字型部材113は、他端部側において、パラグライダーなどと連結されている連結部材386bが連結されている。
軸114は、第1U字型部材112の他端部側において、図8のY軸周りに回動可能に架設されている。また、軸115は、第2U字型部材113の一端部側において、図8に示した位置状態においてはZ軸周りに回動可能に架設されている。
このようなねじれ解消機構110においては、連結部材386bのXYZ軸周りの回動または回転運動によってねじれ部が生じても、効率よく迅速に当該ねじれ部のねじれを解消することができる。
(変形例4)
本変形例に係る飛行体300は、上記実施形態の展開装置と同様の展開装置390と、エアバッグ装置とを備えたものである。なお、後述の図9において、図1と下2桁が同じ符号の部位は、特に示すことがない限り、図1で説明したものと同様であるので説明を省略する。また、ここで用いられているエアバッグ装置においては、点火器を備えるガス発生器により発生されたガス圧によって、エアバッグを膨張させる。なお、ガス発生器は、ガスをエアバッグ内に供給できるものであれば、どのようなものでもよく、たとえば、ボンベ式などでもよい。この点は、後述の変形例5においても同様である。
図9に示すように、飛行体300は、上述のガス発生器84と同様のガス発生器の点火動作に基づき発生されたガス圧によってエアバッグ311を膨張させるエアバッグ装置310を備えている。エアバッグ装置310は、通常姿勢時の機体301の下部に設けられたパラシュートまたはパラグライダーの展開装置390と対向する機体301上に設けられている。また、エアバッグ装置310の作動は、展開装置390における作動タイミング部(図示せず)によって制御される。すなわち、この作動タイミング部は、上記実施形態と同様、予測部(図示せず)からの上記予測タイミング信号を受信した後、作動信号をエアバッグ装置310のガス発生器に所定のタイミングで送信するものである。
このような構成において、上記実施形態と同様、エアバッグ装置310に搭載されている展開装置390の予測部によって、上記予測タイミング信号が作動タイミング部に送信された場合、展開装置390の作動タイミング部は、作動信号を展開装置390における装置だけでなく、エアバッグ装置310のガス発生器にも所定のタイミングで送信する。この作動信号を受信したエアバッグ装置310のガス発生器は作動して、ガスを発生し、このガスによる圧力によってエアバッグ311が膨張する。これによって、落下時において、予測部の予測した衝突タイミングまたは着地タイミングに合わせてエアバッグ311を展開させ、障害物および搭載物、特に歩行者を保護することができる。
また、エアバッグ装置310は、エアバッグ装置310の異常も検知する上記実施形態と同様の状態検出装置(図示略)を備えており、エアバッグ装置310の誤動作を防止することができる。このことによって、エアバッグ装置310における安全面の信頼性を向上することができる。その他の作用効果は、上記実施形態と同様である。
(変形例5)
本変形例に係る飛行体400は、上記実施形態の展開装置と同様の展開装置490と、エアバッグ装置とを備えたものである。なお、図10において、図1および図9と下2桁が同じ符号の部位は、特に示すことがない限り、図1および図9で説明したものと同様であるので説明を省略する。また、変形例4と同様の部位についても説明を省略することがある。
図10に示すように、飛行体400において、エアバッグ装置410を、通常姿勢時の機体401の上部に設けられたパラシュートまたはパラグライダーの展開装置490と対向する機体401上に設けてもよい。なお、飛行体400には、通常姿勢時の機体401の下部にデバイス(図示略)が設けられている。
このような構成の飛行体400によれば、上記変形例4の飛行体300の場合と同様の効果を奏することができる。
(変形例6)
本変形例に係る飛行体500は、上記実施形態とほぼ同様の構成であるが、ライザーライン534に角度センサまたは荷重センサ(図示せず)が設けられている点、角度センサまたは荷重センサから得た情報に基づいて、推進機構502の制御を行う推進機構制御部(図示せず)を備えている点で上記実施形態と異なっている。なお、他の部位は上記実施形態と同様の部位なので、説明を省略することがある。また、上記実施形態と下二桁が同じ符号の部位は、特に説明がない限り、上記実施形態と同様の部位である。
上述の角度センサまたは荷重センサは、各ライザーライン534に設けられており、ライザーライン534の上部ライザーラインの一方側の面が、正常な方向(たとえば、パラグライダー586の開傘時において、連結部材586bが撚られていない場合にライザーライン534の上部ライザーラインの一方側の面が向く方向)なのか、異常な方向(たとえば、パラグライダー586の開傘時において、複数の連結部材586bが撚られた状態(図11参照)の場合にライザーライン534の上部ライザーラインの一方側の面が向く方向)なのかを検出することができる。
上述の推進機構制御部は、機体501、もしくは、パラシュートまたはパラグライダーの展開装置に設けられており、上述の角度センサまたは荷重センサによって、各ライザーライン534の一方側の面の方向を検出することにより、複数の連結部材586bが撚られた状態となっているか否かを判定することができる。特に、上述の角度センサまたは荷重センサによって、各ライザーライン534の一方側の面の方向の経時変化を検出しておくことで、上述の推進機構制御部は、どちら向きに複数の連結部材586bが撚られた状態となったか判定することができる。たとえば、上述の角度センサまたは荷重センサによって、各ライザーライン534の一方側の面の方向が徐々に時計回りを向き始めたことを検出した場合、最終的にどの向きを向いているかまで経時的に検出する。そして、この検出結果の情報を得た上述の推進機構制御部は、どちら方向に複数の連結部材586bが撚られたか(上記の例では時計回り方向に撚られたこと)を判定する。そして、上述の推進機構制御部は、複数の連結部材586bの撚れを解消するために、推進機構の制御を行い、判定した方向(上記の例では時計回り方向)と逆方向(上記の例では反時計回り方向)に機体を旋回させる。
なお、飛行体の機体の旋回であるが、各推進機構の回転速度に変化をつける(一の推進機構を他の推進機構よりも速くしたり遅くしたりする)ことによって、ここでは、時計回りまたは反時計回りに旋回することができる。
このような構成の飛行体500によれば、複数の連結部材586bが撚られた状態となっても、機体501を適切な方向に旋回させ、複数の連結部材586bの撚れを解消することができる。すなわち、複数の連結部材586bが撚られた状態となっても、上記実施形態で示した図3の状態と同様の正常な状態に戻すことができる。
なお、上記実施形態のねじれ解消機構は設けられていなくてもよいが、設けられている場合は、上記実施形態と同様の効果をさらに付与できる。
(変形例7)
本変形例に係る飛行体は、上記実施形態の飛行体とほぼ同様の構成であるが、上記実施形態のアクチュエータ88の代わりに、アクチュエータ688を用いた点で、上記実施形態と異なっている。なお、空間S2は上記実施形態の空間Sと同様、連通部S3は上記実施形態の連通部S1と同様のものである。また、他の部位は上記実施形態と同様の部位なので、説明を省略することがある。また、上記実施形態と下二桁が同じ符号の部位は、特に説明がない限り、上記実施形態と同様の部位である。
アクチュエータ688は、凹部682内に設けられ、ピストン681を非接触(接触してもよい)により移動させる駆動摺動部材である駆動ピストン691と、凹部682内に設けられ、ハウジング680の底部に固定された筒状部材692と、を備えている点で、アクチュエータ88と異なっている。
本構成によれば、相当の圧力を受けたときにのみ移動し得るようにピストン681を筒状部材692内に配置しておくことで、ガス発生器684の作動時に、駆動ピストン692とピストン681との間の空間S4に相当の圧縮空気を溜めることができる。そして、その圧縮空気によりピストン681を加勢して移動させることができる。これにより、ピストン681の一部であるピストンヘッド683も加勢されるので、パラシュートまたはパラグライダー686の射出速度を上げることが可能となる。
(その他の変形例)
上記実施形態などでは、異常検知部、予測部、作動タイミング部、および通知部をソフトウェアにより機能的に実現することとしたが、これに限定されるものではなく、ハードウェアにより構成してもよい。
また、上記ガス発生器においては主に火薬式のものを示したが、上述のボンベ式など他の様式のガス発生器を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、ブレークコード引張装置32がハウジング80の内部に設けられているが、この代わりに、たとえば、ブレークコード引張装置32は、ハウジング80の外壁に設けられてもよいし、推進機構2にブレークコード31が引っかからないようにした上で機体1に設けられてもよい。
また、上記実施形態においては、3Dマップデータを用いて衝突タイミングまたは着地タイミングを予測する機能を有した飛行体であるが、これに限られない。たとえば、上記各実施形態および各変形例の飛行体の代わりに、上記予測する機能が付いていない、操作者が自身の目で確認しながら操縦する飛行体に、上記各実施形態および各変形例における射出部を適用してもよい。
また、上記実施形態および各変形例においては、パラグライダーを例に説明したが、パラシュートを用いる場合は、キャノピーの代わりにパラシュート傘部が用いられる。
また、上記実施形態においては、ライザーライン34を収納する収納部33をハウジング80の外壁に設けたが、これに限られない。たとえば、収納部33をパラシュートまたはパラグライダー86の射出に邪魔にならない位置で、ハウジング80の内部に設け、初期状態でライザーライン34を収納部33内に収納することとしてもよい。また、収納部33を、機体1または飛行体100に付設された装置に設け、初期状態でライザーライン34をこの収納部33内に収納することとしてもよい。
また、上記変形例6では、角度センサまたは荷重センサと、角度センサまたは荷重センサから得られた検出結果を判定し、推進機構を制御する推進機構制御部と、を用いて、複数の連結部材が撚られた状態となっているか否かを判定したが、これに限られない。以下に他例を示す。
たとえば、パラシュート傘部またはキャノピー、および飛行体の機体に加速度センサを取り付け、パラシュート傘部またはキャノピー、および飛行体が、どちら方向に回転しているかを検出することによって、当該検出結果から、推進機構制御部によって複数の連結部材が撚られている状態となっているか否かを判定してもよい。
また、パラシュート傘部またはキャノピー、および飛行体の機体に、カメラを取り付け、得られた画像情報からどちら方向に回転しているかを検出することによって、当該検出結果から、推進機構制御部によって複数の連結部材が撚られた状態となっているか否かを判定してもよい。
また、たとえば、図3のような正常な状態から、図11に示したような異常な状態となって複数の連結部材が撚られた状態となった場合には、各連結部材の吊り角度は変化する。すなわち、この吊り角度が鉛直方向から大きくなればなるほど、各連結部材の張力は大きくなる。このような物理的現象を利用して、推進機構制御部によって複数の連結部材が撚られているか否かを判定してもよい。具体的には、パラシュートまたはパラグライダーの通常展開時のライザーラインの吊り角度(通常時吊り角度)を予め記憶部に記憶させておき、ライザーラインに設けておいた角度センサによって、ライザーラインの吊り角度を所定時間毎に検出し、この検出結果と通常時吊り角度の情報との差異を推進機構制御部によって比較させ、差異が所定以上あった場合には、複数の連結部材が撚られた状態となっていると推進機構制御部が判定するように設定してもよい。
また、上記変形例6およびその変形例などにおいては、複数の連結部材が撚られた状態となることを例示したが、これに限られず、変形例6およびその変形例などは、ブレークコードが複数の連結部材とともに撚られた状態となる場合を含む。
また、上記変形例6およびその変形例などにおける推進機構制御部の機能は、上記実施形態における制御部20に組み込んでもよい。
また、上記変形例6およびその変形例などに記載したとおり、推進機構は、飛行体の機体の移動に使用されるだけでなく、複数の連結部材の撚られた状態を解消する場合にも使用可能である。この代わりに、上記変形例6などにおける推進機構を飛行体の機体の移動に使用する主推進機構とし、さらに、図11に示したような複数の連結部材の撚られた状態を解消する場合に使用され、上記推進機構制御部によって制御される副推進機構を設けてもよい。具体例を用いて、この副推進機構を説明すると、たとえばモータで回転するプロペラなどである。また、この副推進機構は、上記推進機構制御部による命令信号を受信して、複数の連結部材の撚られた状態を解消する方向に機体を旋回させることができる位置に設けられる。たとえば、プロペラを有した副推進機構は、機体の側部に設けられ、主推進機構の推進力と垂直な方向に推進力が発せられるような方向に当該プロペラの位置を調整して設けられる。このような構成であれば、副推進機構のプロペラの回転方向を上記推進機構制御部により制御することによって、飛行体の機体中心部を軸として、複数の連結部材の撚られた状態を解消する方向に機体を旋回させることが可能となる。
1、301、401、501 機体
2、302、402、502 推進機構
3、303、403、503 脚部
11 センサ
12 記憶部
12a 3Dマップデータ
20 制御部
21 異常検知部
22 予測部
23 作動タイミング部
24 通知部
31、531 ブレークコード
32、532 ブレークコード引張装置
33、533 収納部
34、534 ライザーライン
34a 上部ライザーライン
34b 下部ライザーライン
34c、51 D鐶部
40 状態検出装置
50、60、70、110 ねじれ解消機構
52 フック部
52a 可動部
52b フック部本体
53 回転鐶部
54 軸
61 支持台
61a 台座部
61b 椀状部
62 球体部
63 雄ねじ部
71 基台
72 回転テーブル
73 電動モータ
74 回転軸
75 スラストベアリング
76 転動体
77 案内部
80、680 ハウジング
81、681 ピストン
82、682 凹部
83、683 ピストンヘッド
84、684 ガス発生器
85、685 ケース
86、586、686 パラシュートまたはパラグライダー
86a、586a、686a キャノピー
86b、186b、286b、386b、586b、686b 連結部材
87、687 蓋
88、688 アクチュエータ
89、689 シール部材
90、390、490、590、690 パラシュートまたはパラグライダーの展開装置
100、300、400、500 飛行体
111 固定部
112 第1U字型部材
113 第2U字型部材
114、115、116 軸
186b1 雌ねじ部
310、410 エアバッグ装置
311、411 エアバッグ

Claims (18)

  1. 推進機構を有した飛行体の機体に取り付け可能なパラシュートまたはパラグライダーの展開装置であって、
    前記展開装置は、
    パラシュート傘部またはキャノピーと、
    前記パラシュート傘部または前記キャノピーを閉傘した状態で保持する格納部と、を含み、
    前記パラシュート傘部または前記キャノピーの一部は、前記パラシュート傘部または前記キャノピーの開傘時に前記飛行体を吊り下げる連結部材を介して、前記飛行体の機体または前記格納部の一部に連結されるものであり、
    前記連結部材の途中には、ねじれた場合に生じるねじれ部における機械特性の不均一を解消可能なねじれ解消機構が設けられていることを特徴とする展開装置。
  2. 前記ねじれ解消機構は、回動部と、前記回動部を回動可能に支持する支持部と、を備えている回動機構であることを特徴とする請求項1に記載の展開装置。
  3. 前記回動機構は、電力によって前記回動部を駆動する制御が可能な駆動部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の展開装置。
  4. 前記パラシュートまたは前記パラグライダーの一部に連結されたブレークコードと、
    前記ブレークコードを操作して、前記パラシュートまたは前記パラグライダーの翼面の動きを制御可能なブレークコード引張装置と、
    前記飛行体の周囲の風向きを検知する風向検知部と、
    前記風向検知部から得た測定データを基に風上の方向を検知した後、前記風上の方向に、前記パラシュートまたは前記パラグライダーの翼面が向くように、前記ブレークコード引張装置を制御する制御部と、
    をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の展開装置。
  5. 前記パラシュートまたは前記パラグライダーを前記格納部から外部に射出する射出部をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の展開装置。
  6. 前記射出部は、前記格納部内に設けられた摺動部材を接触又は非接触により移動させる駆動摺動部材と、前記駆動摺動部材に発生させたガスによる圧力を付加することが可能なガス発生器と、を有していることを特徴とする請求項5に記載の展開装置。
  7. 前記ガス発生器が、火薬を利用してガスボンベの開閉部を開封するもの、または、火薬を燃焼してガスを発生させるもの、であることを特徴とする請求項6に記載の展開装置。
  8. 前記パラシュートまたは前記パラグライダーを前記格納部から外部に射出する射出部と、
    前記飛行体の異常状態を含む前記飛行体の状態を検知可能な状態検知部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、さらに、前記状態検知部が検知した前記飛行体の状態の情報に基づいて、前記射出部における前記パラシュートまたは前記パラグライダーの射出タイミングを制御することを特徴とする請求項4に記載の展開装置。
  9. 前記射出部および前記制御部に電力供給可能な電力供給源をさらに備え、
    前記射出部は、前記制御部からの電気信号に基づいて起動することを特徴とする請求項8に記載の展開装置。
  10. 前記状態検知部は、カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、レーザーセンサ、超音波センサ、前記飛行体の推進機構の振動を検知可能な振動センサ、および前記飛行体が備えている別の電源供給部の電圧を検知する電圧センサから選択される必要な機能を有したものを少なくとも1つ備えていることを特徴とする請求項8または9に記載の展開装置。
  11. 前記状態検知部は、高度を検知可能なものであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の展開装置。
  12. 機体と、
    前記機体に結合される請求項1〜11のいずれか1項に記載の展開装置と、
    前記機体に結合され、前記機体を推進させる1つ以上の推進機構と、を備えていることを特徴とする飛行体。
  13. 機体と、
    前記飛行体の機体表面の一方側に設けられた請求項1〜11のいずれか1項に記載の展開装置と、
    前記飛行体の表面の他方側に設けられ、前記パラシュートまたは前記パラグライダーの展開時に地上側においてエアバッグを展開可能なエアバッグ装置と、
    前記機体に結合され、前記機体を推進させる1つ以上の推進機構と、を備えていることを特徴とする飛行体。
  14. 機体と、
    前記機体に結合されるパラシュートまたはパラグライダーの展開装置と、
    前記機体に結合され、前記機体を推進させる1つ以上の推進機構と、
    前記推進機構の制御を行う推進機構制御部と、
    を備え、
    前記展開装置は、パラシュート傘部またはキャノピーと、前記パラシュート傘部または前記キャノピーを閉傘した状態で保持する格納部と、を含み、
    前記パラシュート傘部または前記キャノピーの一部は、前記パラシュート傘部または前記キャノピーの開傘時に前記飛行体を吊り下げる複数の連結部材を介して、前記機体または前記格納部の一部に連結されるものであり、
    前記パラシュート傘部または前記キャノピーの開傘後に前記複数の連結部材が撚られた状態となった場合、前記推進機構制御部は、前記複数の連結部材の撚られた状態を解消する方向に前記機体が旋回するように前記推進機構を制御することを特徴とする飛行体。
  15. 前記複数の連結部材の少なくとも1つに、角度センサまたは荷重センサが設けられており、
    前記推進機構制御部は、前記角度センサまたは前記荷重センサによって得られた情報に基づいて、前記複数の連結部材が撚られた状態となっているか否かを判定し、前記複数の連結部材が撚られた状態となっていると判定した場合、前記複数の連結部材の撚られた状態を解消する方向に前記機体が旋回するように前記推進機構を制御することを特徴とする請求項14に記載の飛行体。
  16. 前記パラシュート傘部または前記キャノピー、および、前記機体のうち少なくとも1つに、加速度センサが設けられており、
    前記推進機構制御部は、前記加速度センサによって得られた情報に基づいて、前記複数の連結部材が撚られた状態となっているか否かを判定し、前記複数の連結部材が撚られた状態となっていると判定した場合、前記複数の連結部材の撚られた状態を解消する方向に前記機体が旋回するように前記推進機構を制御することを特徴とする請求項14に記載の飛行体。
  17. 前記パラシュート傘部または前記キャノピー、および、前記機体のうち少なくとも1つに、カメラが設けられており、
    前記推進機構制御部は、前記カメラによって得られた画像情報に基づいて、前記複数の連結部材が撚られた状態となっているか否かを判定し、前記複数の連結部材が撚られた状態となっていると判定した場合、前記複数の連結部材の撚られた状態を解消する方向に前記機体が旋回するように前記推進機構を制御することを特徴とする請求項14に記載の飛行体。
  18. 前記推進機構は、前記機体の移動に使用される少なくとも1つの主推進機構と、前記複数の連結部材の撚られた状態を解消する場合に使用され、前記推進機構制御部によって制御される少なくとも1つの副推進機構と、を有していることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の飛行体。
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