JP2020017837A - 無線通信経路構築方法、子装置及び無線通信システム - Google Patents

無線通信経路構築方法、子装置及び無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】列車の各車両に無線装置を分散配置した無線通信システムにおいて、無線装置による無線通信ネットワークの構築を、速やかに且つ確実に行えるようにすること。【解決手段】無線通信システム1は、各車両に配置された複数の無線装置10で構成される。親装置12は、例えば中央装置30から取得した自列車の編成情報を、信号伝送線20を介した有線通信によって各子装置14へ送信する。各子装置14は、受信した編成情報に基づき自列車の車両の連結順や各車両に配置された他の無線装置10を確認し、親装置12に向かう方向(上り方向)に距離順に、他の無線装置10に対する直接の無線通信を試行して、その可否を判断する。親装置12は、各子装置14における直接無線通信判定の結果を取得し、当該子装置14の経路表を作成して送信する。【選択図】図1

Description

本発明は、列車にマルチホップ通信を行う複数の無線装置が分散配置された無線通信システムにおける無線通信経路構築方法等に関する。
マルチホップ通信を行う複数の無線装置でなる無線通信システムの一例として、センサ端末によるセンサデータが中継端末を介して制御端末まで転送・集約される無線センサネットワークが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−206749号公報
このような無線通信システムを鉄道における列車に適用し、各車両に無線装置を配置して無線通信ネットワークを構築しようとする場合、次のような問題が生じる。すなわち、列車単位で1つの無線通信ネットワークを構築するが、列車に編成される車両は任意に変更され得るため、同一列車の各車両に配置されている無線装置を確認し、これらの無線装置によって無線通信ネットワークを構築する必要がある。例えば、途中駅における車両の増結や解結(増解結)といった列車の再編成によって車両が入れ替わる場合や、運行開始前に無線通信システムの起動(無線装置の電源投入)を行う場合などである。無線通信ネットワークの構築は、列車の出発を遅らせないよう、速やかに行う必要がある。
また、無線通信ネットワークの構築は、停車中の駅や車庫等において行うことになるが、無線通信可能な距離内に他の列車が近接して在線していると、その他の列車の車両に配置されている無線装置との無線通信を行ってしまうことがある。このため、各車両に配置されている無線装置を確認し、同一列車の無線装置のみで無線通信ネットワークを構築する必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、列車の各車両に無線装置を分散配置した無線通信システムにおいて、無線装置による無線通信ネットワークの構築を、速やかに且つ確実に行えるようにすること、である。
上記課題を解決するための第1の発明は、
複数の車両で編成された列車にマルチホップ通信を行う複数の無線装置が分散配置された無線通信システムにおける無線通信経路構築方法であって、
前記無線装置は、車両間を引き通された信号伝送線を介した通信を行う有線通信機能を有し、
前記複数の無線装置のうちの親装置が、各無線装置が搭載された車両の連結順序と関連付けた各無線装置の識別情報を含む編成情報を、前記有線通信機能を用いて、当該親装置以外の無線装置である子装置に送信する編成情報送信ステップ(例えば、図9のステップA5)と、
前記子装置それぞれが、前記有線通信機能を用いて前記編成情報を受信した後、当該子装置に割り当てられた少なくとも1台の無線装置との間で無線通信が可能な時間を含む所与の割当時間の間、当該編成情報に基づき、当該子装置から前記親装置に向かう方向における当該子装置からの距離順に、他の無線装置を宛先とした無線通信を行って当該他の無線装置との直接の無線通信を試行する直接無線通信判定を行う判定ステップ(例えば、図10のステップB7)と、
を含み、
前記子装置それぞれが前記直接無線通信判定を行う前記判定ステップの判定サイクルを1周分実行することで、各子装置から親装置へのホップ数を限定しない無線通信経路を構築し得る無線通信経路構築方法である。
第1の発明によれば、列車に複数の無線装置が分散配置された無線通信システムにおける無線通信ネットワークの構築を、速やかに且つ確実に行うことができる。つまり、複数の無線装置のうちの親装置は、編成情報から自列車の各車両に配置されている他の無線装置である子装置を判断することができ、これらの各子装置に対して、編成情報を、列車の車両間を引き通された信号伝送線を介した有線通信によって確実に送信することができる。そして、親装置以外の無線装置である子装置は、受信した編成情報から自列車の各車両に配置されている他の無線装置を判断することができ、少なくとも1台の他の無線装置との直接無線通信判定を行うことができる。子装置は、自装置から親装置に向かう方向における距離順に直接無線通信を行うので、全ての子装置それぞれが直接無線通信判定を行う判定サイクルを1周分行うことで、少なくとも各子装置から親装置への無線通信経路を構築することが可能となる。
第2の発明は、第1の発明の無線通信経路構築方法であって、
前記距離順は、前記無線装置が搭載された車両を単位とした車両の連結順である、
無線通信経路構築方法である。
第2の発明によれば、子装置からの距離順は、無線装置が配置されている車両の連結順として判断される。
第3の発明は、第1又は第2の発明の無線通信経路構築方法であって、
新たに列車を編成する編成タイミングにおいて、当該列車を編成する車両の連結順序と各車両に搭載された前記無線装置の前記識別情報とを関連づけた前記編成情報を、前記親装置に記憶させる編成情報記憶ステップ、
を更に含み、前記編成タイミングにおいて実行される無線通信経路構築方法である。
第3の発明によれば、新たに列車を編成する編成タイミングにおいて、編成後の列車の各車両に分散配置された無線装置による無線通信ネットワークの構築を、速やかに且つ確実に行うことができる。
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明の無線通信経路構築方法であって、
前記編成情報送信ステップは、前記親装置が、前記割当時間を少なくとも含む時間間隔をおいて各子装置に前記編成情報を順番に送信するステップであり、
前記判定ステップは、前記編成情報を受信した前記子装置が前記直接無線通信判定を行うステップである、
無線通信経路構築方法である。
第4の発明によれば、親装置は、割当時間を少なくとも含む時間間隔をおいて、各子装置に編成情報を順番に送信する。つまり、各子装置が、順番に、所定の割当時間の無線通信判定を行うことになり、各子装置による直接無線通信判定は、互いに干渉しない。
第5の発明は、第1〜第3の何れかの発明の無線通信経路構築方法であって、
前記編成情報送信ステップは、前記親装置が、全ての子装置に向けて前記編成情報を一斉送信するステップであり、
前記判定ステップは、前記子装置それぞれが、受信した前記編成情報に基づいて当該子装置の前記割当時間を判断するステップを含む、
無線通信経路構築方法である。
第5の発明によれば、親装置は、全ての子装置に向けて編成情報を一斉送信し、子装置は、受信した編成情報に基づいて自装置の割当時間を判断して直接無線通信を行う。つまり、親装置による編成情報の送信が1回で済む。また、子装置は、編成情報に基づき、例えば、親装置及び各子装置が搭載された車両の連結順に従って、各子装置が順番に割当時間の無線通信判定を行うように自装置の割当時間を判断することで、各子装置による直接無線通信判定を互いに干渉しないように行うことができる。
第6の発明は、
複数の車両で編成された列車にマルチホップ通信を行う複数の無線装置が分散配置され、各無線装置が車両間を引き通された信号伝送線を介した通信を行う有線通信機能を有する無線通信システムにおける、親装置以外の無線装置である子装置であって、
前記親装置は、各無線装置が搭載された車両の連結順序と関連付けた各無線装置の識別情報を含む編成情報を、前記有線通信機能を用いて、各子装置に送信する送信手段(例えば、図5の有線通信部110)を備えており、
前記有線通信機能を用いて前記編成情報を前記親装置から受信した後、当該子装置に割り当てられた少なくとも1台の無線装置との間で無線通信が可能な時間を含む所与の割当時間の間、当該編成情報に基づき、当該子装置から前記親装置に向かう方向における当該子装置からの距離順に、他の無線装置を宛先とした無線通信を行って当該他の無線装置との直接の無線通信を試行する直接無線通信判定を行う、
子装置である。
第6の発明によれば、第1の発明の効果を発揮する無線通信システムの子装置を実現できる。
第7の発明は、
複数の車両で編成された列車にマルチホップ通信を行う複数の無線装置が分散配置された無線通信システムであって、
前記無線装置は、車両間を引き通された信号伝送線を介した通信を行う有線通信機能を
有し、
前記複数の無線装置のうちの親装置が、各無線装置が搭載された車両の連結順序と関連付けた各無線装置の識別情報を含む編成情報を、前記有線通信機能を用いて、当該親装置以外の無線装置である子装置に送信する送信手段を備え、
前記子装置それぞれが、前記有線通信機能を用いて前記編成情報を受信した後、当該子装置に割り当てられた少なくとも1台の無線装置との間で無線通信が可能な時間を含む所与の割当時間の間、当該編成情報に基づき、当該子装置から前記親装置に向かう方向における当該子装置からの距離順に、他の無線装置を宛先とした無線通信を行って当該他の無線装置との直接の無線通信を試行する直接無線通信判定を行う判定手段を備え、
前記子装置それぞれが前記直接無線通信判定を行う前記判定ステップの判定サイクルを1周分実行することで、各子装置から親装置へのホップ数を限定しない無線通信経路を構築し得る無線通信システムである。
第7の発明によれば、第1の発明の効果を発揮する無線通信システムを実現できる。
無線通信システムの適用例。 経路表の一例。 編成情報の一例。 無線装置間の直接無線通信判定の実行手順。 親装置の機能構成図。 直接無線通信判定テーブルの一例。 子装置の機能構成図。 直接無線通信判定テーブルの一例。 無線通信ネットワーク構築処理における親装置のフローチャート。 無線通信ネットワーク構築処理における子装置のフローチャート。 親装置が編成情報を一斉送信する場合の無線装置間の直接無線通信判定の実行手順。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
[システム構成]
図1は、本実施形態における無線通信システム1の適用例である。本実施形態の無線通信システム1は、複数の車両で編成された列車に分散配置された複数の無線装置10を備えて構成される。無線通信システム1は、例えば、列車を構成する各車両の状態を管理する列車情報管理装置として機能することができるシステムである。
無線通信システム1における無線通信はマルチホップ通信によって実現され、通信毎に宛先(通信先)の装置までの通信経路を探索する動的な無線通信ネットワークである。経路探索は、無線装置10毎に予め定められた経路表330を用いて行われる。経路表330は、図2に一例を示すように、宛先とする他の無線装置10それぞれに、第1ホップ先とする無線装置10の候補を優先度順に対応付けて格納している。経路探索は、この経路表330において宛先の無線装置10に対応付けられている第1ホップ先の中から優先度順に従って選択することで行われる。なお、経路表330は、宛先の無線装置10までのホップ数がなるべく少なくなるように、宛先の無線装置10に近い順に優先度が高くなるように第1ホップ先が定められている。図2の経路表330は、宛先とする無線装置10を先頭車両からの配置順に列挙している。また、自装置を“無線装置Z”として、自装置を基準とした距離順に上り方向及び下り方向それぞれの他の無線装置10を表記している。図2の経路表330は、ある1つの無線装置Zについての経路表であり、他の装置を自装置(無線装置Z)とした場合の経路表が同じであるとは限らない。
無線通信システム1では、複数の無線装置10のうち、1台を親装置12、それ以外を子装置14とする。本実施形態では、列車の先頭車両に親装置12となる無線装置10が配置され、各車両に子装置14となる無線装置10が配置される。つまり、列車をn両編成とすると、先頭車両に配置されて親装置12となる1台の無線装置10と、各車両に配置されて子装置14となるn台の無線装置10との合計(n+1)台の無線装置10によって、無線通信システム1が構成される。
また、無線通信システム1における無線通信は、子装置14から親装置12に向かう方向を“上り方向”とし、その逆方向を“下り方向”とする。本実施形態では、親装置12は先頭車両に配置されるので、最後尾車両から先頭車両に向かう方向(列車の進行方向)が無線通信の“上り方向”となり、先頭車両から最後尾車両に向かう方向が“下り方向”となる。
また、無線装置10は、車両間に引き通された信号伝送線20に接続されており、この信号伝送線20を介した通信を行う有線通信機能を有している。また、信号伝送線20には中央装置30が接続されている。無線通信システム1を列車情報管理装置として機能させる場合には、例えば、信号伝送線20は中央装置30からの指令を各搭載機器に伝送するとともに、各搭載機器から当該搭載機器の状態を示す情報を中央装置30に伝送することとなる。中央装置30が、各搭載機器の情報を集約して演算処理を行うとともに車上・地上間の無線通信を行う集中処理型のシステムとなる。搭載機器としては、主回路制御装置や補助電源装置、ブレーキ制御装置、自動放送装置、空調装置、戸閉制御装置といった車両の走行に係る機器、行き先表示器や車内表示器といった旅客への案内に係る機器、等がある。これらの搭載機器は、1又は複数の車両毎に配置された端末装置を介して信号伝送線20に接続される。列車情報管理装置における中央装置30は、通常、運転台が設けられる先頭車両に搭載されることから、本実施形態の無線通信システム1を列車情報管理装置として機能させる場合には、親装置12は、中央装置30と同じ先頭車両に搭載されることが望ましい。
[無線通信ネットワークの構築]
無線通信システム1は、1列車を編成する各車両に配置された無線装置10によって構成されており、これらの無線装置10によって1つの無線通信ネットワークを構築する必要がある。鉄道では、途中駅での車両の増結や解結といった列車編成の変更がなされ得る。列車編成が変更されると、車両の増結によって新たな無線装置10が増えたり、車両の解結によって無線装置10が減ったりといったように、無線通信システム1を構成する無線装置10が変化する。このため、列車編成の変更後は、変更後の列車の各車両に配置されている無線装置10を確認し、無線通信ネットワークを再構築する必要がある。また、列車の運行前等には無線通信システム1の起動(無線装置10の電源投入)を行うが、その際には、無線通信が可能な距離で近接する別の列車の無線装置10を含まないよう、同一列車の各車両に配置されている無線装置10を確認して、無線通信ネットワークを構築する必要がある。
“無線通信ネットワークを構築する”とは、各無線装置10の経路表330を作成・設定することを意味する。つまり、ある列車についての無線通信ネットワークの構築(再構築を含む)は、当該列車の各車両に配置されている無線装置10を確認し、これらの無線装置10間の直接の無線通信の可否を判定し、各無線装置10の経路表330を作成・設定することを意味する。
具体的には、ある列車についての無線通信ネットワークの構築にあたり、先ず、親装置12が、当該列車の編成情報310を取得し、これを記憶しておく。編成情報310は、無線装置10が搭載された車両の連結順と関連つけた各無線装置10の識別情報を含む情報であり、図3に一例を示すように、車両の連結順序に対応付けて、当該車両に配置されている無線装置10の識別情報である無線装置IDを対応付けて格納している。親装置12は、最新の編成情報310を、例えば、列車情報管理装置の中央装置30から、信号伝送線20を介した有線通信によって取得することができる。中央装置30は、車両の増解結に際して、例えば乗務員による設定操作や地上装置からの通信等による外部から、事前に、或いは、その都度、編成情報310を取り込む。親装置12は、取得した編成情報310によって、当該列車を編成する各車両に配置された無線装置10や、各無線装置10が配置された車両の連結順等を確認することができる。続いて、無線装置10間の直接の無線通信の可否の判定である直接無線通信判定を行う。
図4は、無線装置10間の直接無線通信判定の実行手順を示すタイムチャートである。図4では、横軸を時刻として、各無線装置10の動作を示している。対象の列車は、図1に示したようなn両編成とし、先頭車両に親装置12が配置され、各車両に1台の子装置14が配置されているとする。つまり、最後尾車両(n両目の車両)から先頭車両(1両目の車両)に向かう方向が、無線通信の“上り方向”となる。また、i両目(i=1,2,・・,n)の車両に搭載されている子装置14を“子装置14−i”とする。図4では、これらの無線装置10を、配置された車両の連結順に示している。つまり、上から順に、先頭車両から最後尾車両までの各車両に配置された無線装置10を示しており、具体的には、上から順に、親装置12、子装置14−1,14−2,・・,14−n、である。
先ず、親装置12が、記憶している編成情報310に基づき、自装置からの距離順に、子装置14への編成情報310の送信順を決定する。無線装置10は各車両に配置されており、無線装置10が搭載されている車両と無線装置10とは固定の関係にあるため、無線装置10の距離順は、車両を単位として該当する無線装置10が配置された車両の連結順とする。図4の例では、親装置12は先頭車両に配置されているため、先頭車両からの車両の連結順が、親装置12からの距離順となる。つまり、編成情報310の送信順は、親装置12と同一車両(先頭車両)に配置されている子装置14−1が最初であり、子装置14−1,14−2,・・,14−n、の順となる。
親装置12は、各子装置14に、決定した送信順で編成情報310を順番に送信する。この親装置12から子装置14への編成情報310の送信は、信号伝送線20を介した有線通信によって行う。そして、子装置14は、親装置12から編成情報310を受信すると、受信した編成情報に基づき、他の無線装置10に対する直接無線通信判定の実行順を判断し、判断した実行順で、他の無線装置10に対する直接無線通信判定を実行する。
図4の例では、親装置12は、先ず、子装置14−1へ編成情報310を送信する。子装置14−1は、編成情報310を受信すると、受信した編成情報310に基づき、自装置からの距離順に、他の無線装置10に対する直接無線通信判定の実行順を決定する。この距離順も、無線装置10が配置された車両の連結順とする。また、実行順は、自装置から親装置12に向かう上り方向を先とし、上り方向にある全ての無線装置10への直接無線通信判定を実行した後に下り方向にある無線装置10に対して直接無線通信判定を行うこととする。図4の例では、子装置14−1は先頭車両に搭載されているので、先頭車両からの車両の連結順が、子装置14−1からの距離順となる。つまり、直接無線通信判定の実行順は、子装置14−1と同一車両(先頭車両)に配置されている親装置12が最初であり、親装置12、子装置14−2,14−3,・・,14−n、の順となる。
子装置14−1は、所定の割当時間T[ミリ秒]の間、決定した実行順で、他の各無線装置10に対する直接無線通信判定を行う。この割当時間T[ミリ秒]は、少なくとも1台の無線装置10に対して直接無線通信判定を実行可能な時間として定められる。子装置14−1は、最初の無線装置10(親装置12)に対する直接無線通信判定が終了すると、続いて、実行順が次の無線装置10(子装置14−2)に対する直接無線通信判定を開始するといったように、決定した実行順で他の無線装置10に対する判定を続けて実行するが、最初の無線装置10(親装置12)に対する直接無線判定の開始(或いは、編成情報310の受信、としても良い)からの経過時間が割当時間Tに達すると、その時点で実行中の直接無線通信判定を未完了として終了することになる。
“直接無線通信判定”は、例えば、次のように実行することができる。当該判定を実行する無線装置10(以下、「実行装置」という)は、判定対象の他の無線装置10を宛先としたテストパケットを、所定回数だけ断続的に、無線通信によって送信する。テストパケットを受信した無線装置10は、このテストパケットの受信回数を計数しておき、所定回数の送信が完了したとみなせるタイミングで、計数した受信回数を、送信元の無線装置10(実行装置)へ、無線通信によって送信する。実行装置は、送信回数に対する、判定対象の無線装置10から受信した受信回数の割合を成功率とし、この成功率が所定値以上であるならば、直接無線通信が“可能”と判定し、未満であるならば“不可能”と判定する。
親装置12は、子装置14−1への編成情報の送信を完了した後、所定の待機時間だけ待機した後、送信順が次の子装置14−2へ、同様に、編成情報310を送信する。待機時間は、上述の直接無線通信判定を実行する割当時間T[ミリ秒]と同じとする。つまり、親装置12は、子装置14−1へ編成情報310を送信した後、子装置14−1が直接無線通信判定を行っている割当時間Tの間、待機し、子装置14−1が直接無線通信判定を終了した後に、送信順が次の子装置14−2へ編成情報310を送信することになる。
編成情報310を受信した子装置14−2は、子装置14−1と同様に、受信した編成情報310に基づき、自装置からの距離順に、他の無線装置10との直接無線通信判定の実行順を決定し、所定の割当時間Tの間、決定した実行順で、他の無線装置10との直線無線通信判定を実行する。
このように、親装置12は、自装置からの距離順に、割当時間Tの時間間隔で、各子装置14に編成情報310を送信する。そして、全ての子装置14に対する編成情報310の送信を終了すると、割当時間Tに等しい待機時間だけ待機した後、割当時間Tの間、他の無線装置10(子装置14)に対する直接無線通信判定を行う。親装置12による直接無線通信判定の実行順は、子装置14と同様に、自装置からの距離順とする。つまり、親装置12は先頭車両に搭載されるため、実行順は、同一車両(先頭車両)に配置される子装置14−1が最初となり、子装置14−1,14−2,14−3、・・,14−n、の順となる。
親装置12による直接無線通信判定が終了すると、全ての無線装置10(親装置12、及び、子装置14)が、少なくとも1台の他の無線装置10に対する直接無線通信判定を実行したことになり、1周分の判定サイクルが行われたことになる。(n+1)台の無線装置10により構成される無線通信システム1であるので、1周分の判定サイクルに要する時間は、T×(n+1)、となる。
続いて、2周目の判定サイクルが行われる。2周目の判定サイクルでは、各無線装置10が、前回の直接無線通信判定の終了から、割当時間T×n、の待機時間だけ待機した後に、2周目の直接無線通信判定を割当時間Tの間、実行する。2周目の直接無線通信判定では、未だ直接無線通信判定を実行していない他の無線装置10を対象として行う。待機時間である、割当時間T×n、は、自装置以外の他のn台の無線装置10が順に直接無線通信判定を実行するのに要する時間に相当する。従って、1周目の判定サイクルと同様に、子装置14−1,14−2,・・,14−n、親装置12、の順に、各無線装置10が直接無線通信判定を実行することになる。
そして、複数周の判定サイクルを繰り返すことで。各無線装置10は、他の無線装置10それぞれと直接の無線通信が可能か否かを判定することができ、この判定結果を用いて、各無線装置10の経路表330を作成することができる。なお、無線装置は列車の各車両に配置されることから、各無線装置10の無線通信可能範囲を含む判定範囲内の他の無線装置10のみを直接無線通信判定の対象とすることで、無線通信ネットワークの構築に要する時間を短縮することができる。
[機能構成]
(A)親装置12
図5は、親装置12の機能構成を示すブロック図である。図5によれば、親装置12は、操作部102と、表示部104と、音出力部106と、無線通信部108と、有線通信部110と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成され、一種のコンピュータとして実現される。
操作部102は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等の入力装置で実現され、なされた操作入力に応じた操作信号を処理部200に出力する。表示部104は、例えば液晶ディスプレイやタッチパネル等の表示装置で実現され、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。音出力部106は、例えばスピーカ等の音声出力装置で実現され、処理部200からの音信号に基づく各種音声出力を行う。無線通信部108は、他の無線装置10(子装置14)との間でマルチホップ通信による無線通信を行うための無線通信装置であり、例えば、無線通信モジュール等で実現される。有線通信部110は、信号伝送線20に接続して外部装置(子装置14や中央装置30など)と有線通信を行う有線通信装置であり、例えば、ルータ、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で実現される。
処理部200は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の演算装置や演算回路で実現されるプロセッサーであり、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作部102や無線通信部108、有線通信部110等からの入力データ等に基づいて、親装置12の全体制御を行う。また、処理部200は、機能的な処理ブロックとして、編成情報取得部202と、編成情報送信制御部204と、直接無線通信判定部206と、経路表作成部208と、時計部210と、を有する。処理部200が有するこれらの各機能部は、処理部200がプログラムを実行することでソフトウェア的に実現することも、専用の演算回路で実現することも可能である。本実施形態では、前者のソフトウェア的に実現することとして説明する。
編成情報取得部202は、例えば、自装置が配置された列車(自列車)の編成が完了した後に、有線通信部110を介して、編成後の自列車の編成情報310を、例えば中央装置30から取得する。取得した編成情報310は、記憶部300に記憶される。
編成情報送信制御部204は、取得した編成情報310を、自列車の各子装置14へ送信する。具体的には、編成情報310に基づき、自列車に編成された車両の連結順と、各車両に配置された無線装置10とを確認し、自装置からの距離順に、他の無線装置10である各子装置14への編成情報310の送信順を決定する。そして、決定した送信順で、所定の割当時間Tの時間間隔で、各子装置14に、編成情報310を、有線通信部110による信号伝送線20を介した有線通信によって送信する。
直接無線通信判定部206は、他の無線装置10と直接の無線通信を試行する直接無線通信判定を実行する。具体的には、編成情報310に基づき、自装置からの距離順に、他の無線装置10である各子装置14に対する直接無線通信判定の実行順を決定する。そして、決定した実行順に、各子装置14に対する直接無線通信判定を実行する。
直接無線通信判定は、例えば、次のように実行することができる。すなわち、判定対象の他の無線装置10を宛先としたテストパケットを、所定回数だけ断続的に、無線通信によって送信する。そして、判定対象の無線装置10から送信されてくるテストパケットの受信回数を受信し送信回数に対する受信回数の割合を成功率として算出し、この成功率が所定の閾値X以上であるならば、直接無線通信が“可能”と判定し、閾値X未満であるならば“不可能”と判定する。
また、直接無線通信判定は、所定の割当時間Tの間、実行する。実行の開始から割当時間Tが経過すると、その時点で実行中の直接無線通信判定を未完了として終了し、割当時間T×n(“n”は、自列車における他の無線装置10である子装置14の配置数)、の待機時間だけ待機した後、2周目の直接無線通信判定の実行を開始する。2周目の直接無線通信判定では、直接無線通信判定が完了していない子装置14のうちから決定した実行順に対象として、1周目の直接無線通信判定と同様に、割当時間Tの間、直接無線通信判定を実行する。このように、割当時間T×n、の時間間隔をおいて、割当時間Tの間、決定した実行順に各子装置を対象とした直接無線通信判定の実行を、全ての子装置を対象とした直接無線通信判定が終了するまで繰り返す。
ここで、1周分の直接無線通信判定を実行する割当時間Tや、直接無線通信の可否の判定基準となる閾値Xは、直接無線通信判定用パラメータ304として記憶されている。また、実行した直接無線通信判定の結果は、直接無線通信判定テーブル320Aとして記憶される。
図6は、直接無線通信判定テーブル320の一例である。図6によれば、直接無線通信判定テーブル320は、自列車に配置されている全ての無線装置それぞれに、直接無線通信判定の結果である直接無線通信の可否を対応付けて格納している。図6においては、無線装置を、先頭車両からの配置順に列挙している。
経路表作成部208は、直接無線通信判定テーブル320Aに基づき、自装置用の経路表330Aを作成する。また、各子装置14から取得した直接無線通信判定テーブル320Bに基づき、当該子装置14用の経路表330Bを作成し、作成した経路表330Bを当該子装置14へ送信する。
時計部210は、システムクロックを利用して現在日時の計時やタイマ処理等の時間経過にかかる処理を行う。
記憶部300は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のIC(Integrated Circuit)メモリやハードディスク等の記憶装置で実現され、処理部200が親装置12を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が実行した演算結果や、操作部102や無線通信部108、有線通信部110からの入力データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、親装置制御プログラム302と、直接無線通信判定用パラメータ304と、編成情報310と、自装置の直接無線通信判定テーブル320Aと、自装置用の経路表330と、各子装置14から取得した当該子装置用の直接無線通信判定テーブル320Bと、各子装置14用の経路表330Bと、が記憶される。
図7は、子装置14の機能構成を示すブロック図である。図7によれば、子装置14は、操作部502と、表示部504と、音出力部506と、無線通信部508と、有線通信部510と、処理部600と、記憶部700とを備えて構成され、一種のコンピュータとして実現される。
操作部502は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等の入力装置で実現され、なされた操作入力に応じた操作信号を処理部600に出力する。表示部504は、例えば液晶ディスプレイやタッチパネル等の表示装置で実現され、処理部600からの表示信号に基づく各種表示を行う。音出力部506は、例えばスピーカ等の音声出力装置で実現され、処理部600からの音信号に基づく各種音声出力を行う。無線通信部508は、他の無線装置10(親装置12や他の子装置14)との間でマルチホップ通信による無線通信を行うための無線通信装置であり、例えば、無線通信モジュール等で実現される。有線通信部510は、信号伝送線20に接続して外部装置(親装置12等)と有線通信を行う有線通信装置であり、例えば、ルータ、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で実現される。
処理部600は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の演算装置や演算回路で実現されるプロセッサーであり、記憶部700に記憶されたプログラムやデータ、操作部502や無線通信部508、有線通信部510等からの入力データ等に基づいて、子装置14の全体制御を行う。また、処理部600は、機能的な処理ブロックとして、編成情報受信部602と、直接無線通信判定部604と、時計部606と、を有する。処理部600が有するこれらの各機能部は、処理部600がプログラムを実行することでソフトウェア的に実現することも、専用の演算回路で実現することも可能である。本実施形態では、前者のソフトウェア的に実現することとして説明する。
編成情報受信部602は、有線通信部510により信号伝送線20を介して親装置12から送信されてくる編成情報310を受信する。受信した編成情報310は、記憶部700に記憶される。
直接無線通信判定部604は、親装置12の直接無線通信判定部206と同様に、他の無線装置10と直接の無線通信を試行する直接無線通信判定を実行する。すなわち、親装置12から受信した編成情報310に基づき、自装置からの距離順に、他の無線装置10(親装置12や他の子装置14)に対する直接無線通信判定の実行順を決定し、決定した実行順に、各無線装置10に対する直接無線通信判定を実行する。実行順は、自装置から上り方向の距離順を先とし、その次に、下り方向の距離順とする。詳細には、所定の割当時間Tの間、決定した実行順に他の無線装置10に対する直接無線通信判定を実行した後、割当時間t×n、の間だけ待機することを、全ての他の無線装置10を対象とした直接無線通信判定が終了するまで繰り返す。直接無線通信判定の結果は、直接無線通信判定テーブル320Bとして記憶される。
図8は、直接無線通信判定テーブル320Bの一例である。図8によれば、直接無線通信判定テーブル320Bは、親装置12における直接無線通信判定テーブル320A(図6参照)と同様に、自列車に配置されている全ての無線装置それぞれに、直接無線通信判定の結果である直接無線通信の可否を、対応付けて格納している。図8においては、無線装置を、先頭車両からの配置順に列挙している。また、自装置を“子装置i”として、自装置を基準とした上り方向及び下り方向それぞれの他の無線装置である子装置を表現している。
時計部606は、システムクロックを利用して現在日時の計時やタイマ処理等の時間経過にかかる処理を行う。
記憶部700は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のIC(Integrated Circuit)メモリやハードディスク等の記憶装置で実現され、処理部600が子装置14を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部600の作業領域として用いられ、処理部600が実行した演算結果や、操作部502や無線通信部508、有線通信部510からの入力データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部700には、子装置制御プログラム702と、直接無線通信判定用パラメータ304と、編成情報310と、直接無線通信判定テーブル320Bと、経路表330Bと、が記憶される。
[処理の流れ]
図9,図10は、無線通信システム1における無線通信ネットワークの構築処理の流れを説明する図である、図9は、親装置12における処理の流れを説明するフローチャートであり、図10は、子装置14における処理の流れを説明するフローチャートである。この無線ネットワーク構築処理は、例えば、列車の編成後に行われる。
図9に示すように、先ず、親装置12において、編成情報取得部202が、例えば、信号伝送線20を介した有線通信によって、中央装置30から、自列車の編成情報310を取得し、これを記憶する(ステップA1)。次いで、編成情報送信制御部204が、取得した編成情報310に基づき、自装置からの距離順に、各子装置14への編成情報310の送信順を決定する(ステップA3)。そして、割当時間Tの時間間隔で、決定した送信順で各子装置14に編成情報310を送信する。
すなわち、決定した送信順に各子装置14を対象としたループAの繰り返し処理を行う。ループAの処理では、対象の子装置14へ、編成情報310を、信号伝送線20を介した有線通信によって送信する(ステップA5)。その後、所定の割当時間Tの間、待機する(ステップA7)。ループAの処理はこのように行われる。
全ての子装置14を対象としたループAの処理を行うと、続いて、直接無線通信判定部206が、各子装置14を対象とした直接無線通信判定を行う。すなわち、編成情報310に基づき、自装置からの距離順に、各子装置14に対する直接無線通信判定の実行順を決定する(ステップA9)。
次いで、割当時間Tが経過するまでの間、ループBの繰り返し処理を行う。ループBの処理では、直接無線通信判定テーブル320を参照して、直接無線通信判定が未完了の子装置のうちから、実行順に1台の子装置14を選択し(ステップA11)、選択した子装置14に対する直接無線通信判定を開始する(ステップA13)。直接無線通信判定が完了すると(ステップA15:YES)、その判定結果に基づいて直接無線通信判定テーブル320Aを更新する(ステップA17)。ループBの処理はこのように行われる。
割当時間Tが経過してループBの繰り返し処理を終了すると、直接無線通信判定部206は、続いて、直接無線通信判定テーブル320Aを参照して、全ての子装置14に対する直接無線通信判定が完了したかを判断する。直接無線通信判定が未完了の子装置14があるならば(ステップA19:NO)、割当時間T×n、の待機時間が経過した後(ステップA21)、ステップS9の次に戻り、同様の処理を繰り返す。全ての子装置14に対する直接無線通信判定を完了したならば(ステップA19:YES)、親装置12における本処理は終了となる。
図10に示すように、子装置14においては、親装置12から編成情報310を受信すると(ステップB1:YES)、直接無線通信判定部604が、割当時間Tの計時を開始させた後、編成情報310に基づいて、他の無線装置10に対する直接無線通信判定の実行順を、自装置からの距離順に決定する(ステップB3)。
次いで、割当時間Tが経過するまでの間、ループCの繰り返し処理を行う。ループCの処理では、直接無線通信判定テーブル320Bを参照して、直接無線通信判定が未完了の他の無線装置10のうちから、実行順に1台の無線装置10を選択し(ステップB5)、選択した無線装置10に対する直接無線通信判定を開始する(ステップB7)。直接無線通信判定が完了すると(ステップB9:YES)、その判定結果に基づいて直接無線通信判定テーブル320Bを更新する(ステップB11)。ループCの処理はこのように行われる。
割当時間Tが経過してループCの繰り返し処理を終了すると、直接無線通信判定部604は、続いて、直接無線通信判定テーブル320を参照して、全ての子装置14に対する直接無線通信判定が完了したかを判断する。直接無線通信判定が未完了の他の無線装置10があるならば(ステップB13:NO)、割当時間T×n、の待機時間が経過した後(ステップB15)、自装置の順番が巡ってきたと判定して割当時間Tの計時を開始させて再度、ループCの繰り返し処理を開始して、同様の処理を行う。全ての子装置14に対する直接無線通信判定を完了したならば(ステップB13:YES)、子装置14における本処理は終了となる。
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、列車に複数の無線装置10が分散配置された無線通信システム1における無線通信ネットワークの構築を、速やかに且つ確実に行うことができる。すなわち、複数の無線装置10のうちの1台である親装置12は、自列車の編成情報310を、例えば、列車情報管理装置の中央装置30から取得し、取得した編成情報310に基づいて、自列車の車両の連結順や各車両に配置されている無線装置10を判断することができる。そして、自列車に配置されている他の無線装置10である各子装置14に対して、編成情報310を、車両間を引き通された信号伝送線20を介した有線通信によって確実に送信することができる。子装置14は、受信した編成情報310から、自列車の車両の連結順や各車両に配置されている他の無線装置10を判断して、これらの他の無線装置10との直接無線通信判定を行うことができる。子装置14は、他の無線装置に対する直接無線通信判定を、自装置から親装置12に向かう方向における距離順に行うので、全ての子装置14それぞれが直接無線通信判定を行う判定サイクルを1周分行うことで、少なくとも全ての子装置14から親装置12へ至る無線通信経路を構築することが可能となる。つまり、1周分行うことで、ホップ数が多くなるかもしれないが、何れの子装置14からも、親装置12へ至る無線通信経路が構築できた状態となる。
また、無線通信システム1は、有線系のシステムに対して、例えば、断線時のバックアップといったように、二重系の通信システムとして用いることができる。つまり、有線系のシステムは、情報の伝送路として車両間に引き通された信号伝送線を用いて構成されており、有線である信号伝送路は、無線通信に比較して通信速度が速く、確実な伝送を実現し得る。しかし一方で、伝送線に断線等の故障が発生すると、故障箇所以降の車両、或いは、全ての車両間での通信ができなくなる不都合がある。
有線系のシステムに本実施形態の無線通信システム1を組み合わせることで、このような不都合を回避することが可能となる。また、有線の伝送路の伝送容量には限界があるため、必要に応じて無線通信システム1による無線通信を利用することで、任意に伝送容量を増加させることができるといった効果が得られる。つまり、無線装置の配置は有線である信号伝送路の配置に比較して容易であり、運用開始後であっても列車への無線通信システム1の搭載が可能である。また、無線通信による伝送容量は無線装置10の性能に依存するので、必要な無線性能を有する無線装置10を選んで車両に配置すれば良い。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)編成情報310の送信
上述の実施形態では、親装置12は、編成情報310を、所定の割当時間Tの時間間隔をおいて各子装置に対して順に送信することにしたが、親装置は、編成情報310を、全ての子装置に対して一斉に送信するようにしてもよい。
図11は、親装置12が編成情報を各子装置14に一斉送信する場合の、無線装置10間の直接無線通信判定の実行手順を示すタイムチャートである。図11では、図4と同様に、横軸を時刻として、各無線装置10の動作を示している。また、対象の列車は、先頭車両に親装置12が配置され、各車両に1台の子装置14が配置されたn両編成としている。
親装置12は、編成情報310を、信号伝送線20を介した有線通信によって、全ての子装置14−1〜14−nを宛先として一斉送信する。各子装置14−1〜14−nは、ほぼ同時に編成情報310を受信し、受信した編成情報310に基づいて、自装置における直接無線通信判定の実行開始タイミングを判断する。具体的には、親装置12からの距離順に直接無線通信判定の実行順が定められるといった前提のもとに、各子装置14は、受信した編成情報310に基づき、自装置が親装置12からの距離順で何番目(つまり何両目)であるかを判断する。そして、i番目である場合には、割当時間T×(i−1)、を待機時間とし、編成情報310の受信からこの待機時間の経過後を、直線無線通信判定の実行開始タイミングと判断する。
(B)無線装置10の配置
無線通信システム1を構成する無線装置10の配置は上述の実施形態に限らない。例えば、親装置12は、先頭車両に配置することにしたが、最後尾車両に配置しても良いし、中間車両に配置しても良い。また、各車両に1台ずつの子装置14を配置することにしたが、子装置14を配置しない車両があっても良いし、1車両に複数台の子装置14を配置しても良い。
(C)単位編成の増解結
上述の実施形態では、車両単位で増解結する例を説明したが、4両編成と6両編成の増解結といった単位編成の増解結としてもよい。
(D)親装置の直接無線通信判定
無線通信システム1において、子装置14から親装置12に向けての上りの無線通信しか使用せず、親装置12から子装置14への下りの無線通信を行わない仕様であるならば、親装置12による直接無線通信判定を省略することとしてもよい。具体的には、図9の無線通信ネットワーク構築処理では、ステップA9の次のステップ以降が省略となる。また、図10の子装置14側の無線通信ネットワーク構築処理では、ステップB15の待機が、割当時間T×(n−1)、となる。
1…無線通信システム
10…無線装置
12…親装置
200…処理部
202…編成情報取得部、204…編成情報送信制御部
206…直接無線通信判定部、208…経路表作成部
210…時計部
300…記憶部
302…親装置制御プログラム
304…直接無線通信判定用パラメータ
310…編成情報
320A,320B…直接無線通信判定テーブル
330A,330B…経路表
14…子装置
600…処理部
602…編成情報受信部、604…直接無線通信判定部
606…時計部
700…記憶部
702…子装置制御プログラム
20…信号伝送線
30…中央装置

Claims (7)

  1. 複数の車両で編成された列車にマルチホップ通信を行う複数の無線装置が分散配置された無線通信システムにおける無線通信経路構築方法であって、
    前記無線装置は、車両間を引き通された信号伝送線を介した通信を行う有線通信機能を
    有し、
    前記複数の無線装置のうちの親装置が、各無線装置が搭載された車両の連結順序と関連付けた各無線装置の識別情報を含む編成情報を、前記有線通信機能を用いて、当該親装置以外の無線装置である子装置に送信する編成情報送信ステップと、
    前記子装置それぞれが、前記有線通信機能を用いて前記編成情報を受信した後、当該子装置に割り当てられた少なくとも1台の無線装置との間で無線通信が可能な時間を含む所与の割当時間の間、当該編成情報に基づき、当該子装置から前記親装置に向かう方向における当該子装置からの距離順に、他の無線装置を宛先とした無線通信を行って当該他の無線装置との直接の無線通信を試行する直接無線通信判定を行う判定ステップと、
    を含み、
    前記子装置それぞれが前記直接無線通信判定を行う前記判定ステップの判定サイクルを1周分実行することで、各子装置から親装置へのホップ数を限定しない無線通信経路を構築し得る無線通信経路構築方法。
  2. 前記距離順は、前記無線装置が搭載された車両を単位とした車両の連結順である、
    請求項1に記載の無線通信経路構築方法。
  3. 新たに列車を編成する編成タイミングにおいて、当該列車を編成する車両の連結順序と各車両に搭載された前記無線装置の前記識別情報とを関連づけた前記編成情報を、前記親装置に記憶させる編成情報記憶ステップ、
    を更に含み、前記編成タイミングにおいて実行される請求項1又は2に記載の無線通信経路構築方法。
  4. 前記編成情報送信ステップは、前記親装置が、前記割当時間を少なくとも含む時間間隔をおいて各子装置に前記編成情報を順番に送信するステップであり、
    前記判定ステップは、前記編成情報を受信した前記子装置が前記直接無線通信判定を行うステップである、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の無線通信経路構築方法。
  5. 前記編成情報送信ステップは、前記親装置が、全ての子装置に向けて前記編成情報を一斉送信するステップであり、
    前記判定ステップは、前記子装置それぞれが、受信した前記編成情報に基づいて当該子装置の前記割当時間を判断するステップを含む、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の無線通信経路構築方法。
  6. 複数の車両で編成された列車にマルチホップ通信を行う複数の無線装置が分散配置され、各無線装置が車両間を引き通された信号伝送線を介した通信を行う有線通信機能を有する無線通信システムにおける、親装置以外の無線装置である子装置であって、
    前記親装置は、各無線装置が搭載された車両の連結順序と関連付けた各無線装置の識別情報を含む編成情報を、前記有線通信機能を用いて、各子装置に送信する送信手段を備えており、
    前記有線通信機能を用いて前記編成情報を前記親装置から受信した後、当該子装置に割り当てられた少なくとも1台の無線装置との間で無線通信が可能な時間を含む所与の割当時間の間、当該編成情報に基づき、当該子装置から前記親装置に向かう方向における当該子装置からの距離順に、他の無線装置を宛先とした無線通信を行って当該他の無線装置との直接の無線通信を試行する直接無線通信判定を行う、
    子装置。
  7. 複数の車両で編成された列車にマルチホップ通信を行う複数の無線装置が分散配置された無線通信システムであって、
    前記無線装置は、車両間を引き通された信号伝送線を介した通信を行う有線通信機能を
    有し、
    前記複数の無線装置のうちの親装置が、各無線装置が搭載された車両の連結順序と関連付けた各無線装置の識別情報を含む編成情報を、前記有線通信機能を用いて、当該親装置以外の無線装置である子装置に送信する送信手段を備え、
    前記子装置それぞれが、前記有線通信機能を用いて前記編成情報を受信した後、当該子装置に割り当てられた少なくとも1台の無線装置との間で無線通信が可能な時間を含む所与の割当時間の間、当該編成情報に基づき、当該子装置から前記親装置に向かう方向における当該子装置からの距離順に、他の無線装置を宛先とした無線通信を行って当該他の無線装置との直接の無線通信を試行する直接無線通信判定を行う判定手段を備え、
    前記子装置それぞれが前記直接無線通信判定を行う前記判定ステップの判定サイクルを1周分実行することで、各子装置から親装置へのホップ数を限定しない無線通信経路を構築し得る無線通信システム。
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