JP2020016596A - アンカー装置および測位システム構築方法 - Google Patents

アンカー装置および測位システム構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既存の測位システムを利用できない場所で、新規な測位システムを簡単な構成で迅速に構築することができるようにする。【解決手段】移動体の位置を測定するためのビーコン信号を送信するアンカー装置が、ビーコン信号を発信するビーコン発信部12と、他のアンカー装置との間で測距信号を送受信するアンカー間通信部11と、位置が確定した他のアンカー装置との間で測距信号を送受信することにより、他のアンカー装置と自装置との間の距離を測定して、その距離と、他のアンカー装置の位置とに基づいて、自装置の位置を測定する制御部13と、を備えるものとする。【選択図】図7

Description

本発明は、移動体の位置を測定するためのビーコン信号を送信するアンカー装置、および複数のアンカー装置からなる測位システムを構築する測位システム構築方法に関するものである。
近年、GPS(Global Positioning System)など衛星測位システムを利用して位置を測定する技術が広く普及しているが、この衛星測位システムを利用できない場合がある。例えば、宇宙探査で地球以外の天体では、既存の衛星測位システムがそもそもない。また、地球上でも森林、地下空間、深海などでは、衛星電波が届かないため、衛星測位システムを利用できない。しかしながら、このような衛星測位システムを利用できない場所でも、人物や車両などの移動体や建造物の位置を測定したいという要望は多い。
このような要望に対して、衛星測位システムを利用することなく、測位を行うことができるようにした技術として、地上基地局が、位置特定用電波を送信し、中継移動局が、地上基地局からの位置特定用電波を受信して自分の位置を測定するとともに、位置特定用電波を送信し、航空機、船舶、自動車などの移動体が、地上基地局からの位置特定用電波と中継移動局からの位置特定用電波とを受信して自分の位置を測定する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2000−180528号公報
さて、衛星測位システムを利用できない場所でも、測位を行うことができるように、新規に測位システムを構築する場合、大掛かりなものは時間と費用がかかるため、望ましくなく、測位システムを簡単にかつ迅速に構築したいという要望がある。例えば、火星などの宇宙探査では、宇宙船に搭載できる機材が限られており、また、滞在日数も限られているため、軽い機材で短期間に測位システムを構築することが望まれる。
しかしながら、前記従来の技術では、同期させた位置特定用電波で位置を特定するため、複数の地上基地局間で同期をとることが必須であり、さらに、中継移動局も地上基地局と同期をとる必要がある。このため、測位システムが大掛かりなものとなり、測位システムを簡単な構成で迅速に構築することができないという問題があった。
そこで、本発明は、既存の測位システムを利用できない場所で、新規な測位システムを簡単な構成で迅速に構築することができるアンカー装置および測位システム構築方法を提供することを主な目的とする。
本発明のアンカー装置は、移動体の位置を測定するためのビーコン信号を送信するアンカー装置であって、前記ビーコン信号を発信するビーコン発信部と、他のアンカー装置との間で測距信号を送受信するアンカー間通信部と、位置が確定した他のアンカー装置との間で測距信号を送受信することにより、前記他のアンカー装置と自装置との間の距離を測定して、その距離と、前記他のアンカー装置の位置とに基づいて、自装置の位置を測定する制御部と、を備える構成とする。
また、本発明の測位システム構築方法は、移動体の位置を測定するためのビーコン信号を送信する複数のアンカー装置からなる測位システムを構築する測位システム構築方法であって、複数の前記アンカー装置の各々は、位置が確定した他のアンカー装置との間で測距信号を送受信することにより、前記他のアンカー装置と自装置との間の距離を測定して、その距離と、前記他のアンカー装置の位置とに基づいて、自装置の位置を測定する構成とする。
本発明によれば、複数のアンカー装置の各々が、測位済みの他のアンカー装置を基準にして、自律的に自分の位置を測定することで、測位システムが構築される。これにより、複数のアンカー装置からなる測位システムを簡単な構成で迅速に構築することができる。
第1実施形態に係る測位システムの全体構成図 第1実施形態に係るアンカー1間の距離測定の概要を示す説明図 第1実施形態に係る基本基準点となるアンカー1の測位の概要を示す説明図 第1実施形態に係る一般基準点となるアンカー1の測位の概要を示す説明図 第1実施形態に係る一般基準点となるアンカー1の測位の一例を示す説明図 第1実施形態に係るアンカー1の測位時における各アンカー1の動作手順を示すシーケンス図 第1実施形態に係るアンカー1の概略構成を示すブロック図 第1実施形態に係る第1の基本基準点となるアンカー1の動作手順を示すフロー図 第1実施形態に係る第2の基本基準点となるアンカー1の動作手順を示すフロー図 第1実施形態に係る第3基準点となるアンカー1の動作手順を示すフロー図 第1実施形態に係る一般基準点となるアンカー1の動作手順を示すフロー図 第1実施形態の変形例に係る一般基準点となるアンカー1の動作手順を示すフロー図 第2実施形態に係るアンカー1の概略構成を示すブロック図 第2実施形態に係るアンカー1のグループ移動およびグループ分けの一例を示す説明図 第2実施形態に係る親モードのアンカー1の動作手順を示すフロー図 第2実施形態に係る子モードのアンカー1の動作手順を示すフロー図
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、移動体の位置を測定するためのビーコン信号を送信するアンカー装置であって、前記ビーコン信号を発信するビーコン発信部と、他のアンカー装置との間で測距信号を送受信するアンカー間通信部と、位置が確定した他のアンカー装置との間で測距信号を送受信することにより、前記他のアンカー装置と自装置との間の距離を測定して、その距離と、前記他のアンカー装置の位置とに基づいて、自装置の位置を測定する制御部と、を備える構成とする。
これによると、複数のアンカー装置の各々が、測位済みの他のアンカー装置を基準にして、自律的に自分の位置を測定することで、測位システムが構築される。これにより、複数のアンカー装置からなる測位システムを簡単な構成で迅速に構築することができる。
また、第2の発明は、前記制御部は、まず、測定モードとなり、自発の測距信号を前記アンカー間通信部から送信し、前記他のアンカー装置から応答の測距信号を前記アンカー間通信部で受信すると、自発の測距信号の送信タイミングから応答の測距信号の受信タイミングまでの信号往復時間に基づいて前記距離を測定し、前記距離に基づいて自装置の位置を測定する測位が終了すると、待受モードに遷移して、前記他のアンカー装置から自発の測距信号を前記アンカー間通信部で受信すると、応答の測距信号を前記アンカー間通信部から送信する構成とする。
これによると、複数のアンカー装置の各々が、まず、測定モードとなり、自装置の位置を測定する測位を行い、測位が終了すると、待受モードに遷移する。これにより、複数のアンカー装置が協調して自律的に測位システムを構築することができる。
また、第3の発明は、前記制御部は、前記信号往復時間から、前記他のアンカー装置において前記自発の測距信号を受信してから前記応答の測距信号を送信するまでの信号処理に要する時間である信号処理時間を減算して、往復の電波伝搬時間を算出し、その往復の電波伝搬時間の半分を片道の電波伝搬時間とし、その片道の電波伝搬時間に伝搬速度を乗算することで距離を算出する構成とする。
これによると、他のアンカー装置と自装置との間の距離を精度よく測定することができる。
また、第4の発明は、前記制御部は、前記待受モードに遷移すると、前記ビーコン信号の発信を開始する構成とする。
これによると、アンカー装置のビーコン信号による移動体の測位を早期に開始することができる。
また、第5の発明は、前記制御部は、自装置から送信する測距信号と干渉する電波がない場合に、測距信号を送信する構成とする。
これによると、測距信号の送受信による距離測定を、他のアンカーからの送信信号からの干渉を受けることなく正常に行うことができる。
また、第6の発明は、前記制御部は、応答の測距信号と干渉する電波があるために応答の測距信号の送信を遅らせた場合には、応答の測距信号を送信するまでの待ち時間を計測して、その待ち時間を応答の測距信号に付加して送信する構成とする。
これによると、応答の測距信号の送信を遅らせた場合でも、この遅らせた時間(応答の測距信号を送信するまでの待ち時間)を測距信号の往復時間から減算することで、適切に距離を算出することができる。
また、第7の発明は、前記制御部は、前記他のアンカー装置から受信した応答の測距信号に、前記他のアンカー装置が当該応答の測距信号の送信を遅らせた時間である待ち時間が付加されている場合は、前記信号往復時間から前記待ち時間を減算する構成とする。
これによると、他のアンカー装置において応答の測距信号の送信を遅らせた場合でも、測距信号の往復時間から適切に距離を算出することができる。
また、第8の発明は、前記制御部は、自発の測距信号を送信してから所定時間が経過しても、応答の測距信号を受信できない場合には、所定時間待機した後に、再度、自発の測距信号を送信する構成とする。
これによると、周辺にある他のアンカー装置でまだ測位が終了していない場合でも、測位の終了を待って、他のアンカー装置からの応答の測距信号を受信することができる。
また、第9の発明は、前記制御部は、自装置の位置を測定する測位を、所定時間をおいて定期的に行う構成とする。
これによると、転倒・風・振動その他要因によりアンカー装置の位置が変化する場合でも、定期的に測位をやり直すことで、位置情報を適切に更新することができる。
また、第10の発明は、自装置を自律的に移動する移動手段を備え、前記制御部は、予め設定された目標位置に向けて自律的に移動するように前記移動手段を制御する構成とする。
これによると、複数のアンカー装置の各々が自律的に移動して所定位置に分散配置されるため、複数のアンカー装置からなる測位システムを簡単な構成でかつ人手をかけずに迅速に構築することができる。
また、第11の発明は、前記制御部は、親モードにおいて、自律航法による移動と、測距信号の送受信による測位とを繰り返して、指定された目標位置に到達するように前記移動手段を制御し、子モードにおいて、親モードとなる他のアンカー装置に追随して移動するように前記移動手段を制御する構成とする。
これによると、複数のアンカー装置がグループを形成して目標位置まで移動するため、複数のアンカー装置を各自の目標位置に効率よく分散させることができる。
また、第12の発明は、移動体の位置を測定するためのビーコン信号を送信する複数のアンカー装置からなる測位システムを構築する測位システム構築方法であって、複数の前記アンカー装置の各々は、位置が確定した他のアンカー装置との間で測距信号を送受信することにより、前記他のアンカー装置と自装置との間の距離を測定して、その距離と、前記他のアンカー装置の位置とに基づいて、自装置の位置を測定する構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、複数のアンカー装置からなる測位システムを簡単な構成で迅速に構築することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る測位システムの全体構成図である。
この測位システムは、GPSなど衛星測位システムを利用できない場所に新規に構築されるものであり、ビーコン信号(測位信号)を送信する複数のアンカー1を備えており、移動体2(人物、車両など)に設けられた測位装置(図示せず)が、複数のアンカー1のビーコン信号を受信することで、その受信強度などに基づいて移動体2の位置を測定する。
アンカー1は、車両やハンドキャリーなどで運搬されて、対象エリア内の適当な位置に設置される。本実施形態では、まず、適宜な位置(例えば宇宙船の着陸地点の近傍)に、3台の基本基準点となるアンカー1を設置して、第1の基本基準点となるアンカーを相対位置の原点(0,0)とし、第2の基本基準点となるアンカー1は、Y座標は0としたまま第1の基本基準点となるアンカー1との距離を測定してX軸方向の座標を定め、第3の基本基準点となるアンカー1は、第1の基本基準点となるアンカー1と第2の基本基準点となるアンカー1からY軸方向が正の値になるように座標を計算することで、それぞれの位置を確定する。
次に、基本基準点となるアンカー1の周辺に位置する一般基準点となるアンカー1で、3点測量法により、3台の基本基準点となるアンカー1を基準にして、自分の位置を測定する。そして、基本基準点となるアンカー1から離れた一般基準点となるアンカー1で、測位済みの3台の一般基準点となるアンカー1を基準にして、自分の位置を測定する。これにより、全てのアンカー1で自分の位置を確定することができる。また、各アンカー1では、自分の位置が確定すると、ビーコン信号の送信を開始する。
次に、第1実施形態に係るアンカー1間の距離測定について説明する。図2は、アンカー1間の距離測定の概要を示す説明図である。
本実施形態では、2つのアンカー1の間で測距信号を送受信して、その測距信号の往復に要する時間(信号往復時間)から、2つのアンカー1の間の距離を測定して、その距離に基づいてアンカー1の位置を算出する。
具体的には、まず、測定側のアンカー1から自発の測距信号をブロードキャストで送信する。測位側のアンカー1の周辺に存在する別(応答側)のアンカー1のうち座標確定済のアンカー1は、自発の測距信号を受信すると、応答の測距信号を送信する。このとき、自発の測距信号の受信タイミングから所定の信号処理時間が経過したタイミングで、応答の測距信号を送信する。なお、座標の確定していないアンカー1は、自発の測距信号を受信することはせず、したがって応答の距離信号を送信することもない。
測定側のアンカー1では、自発の測距信号の送信タイミングと、応答の測距信号の受信タイミングと、応答側のアンカー1での信号処理時間とに基づいて、自装置と応答側のアンカー1との間の距離を測定して、その距離に基づいて、自装置の位置を算出する。すなわち、自発の測距信号の送信タイミングから応答の測距信号の受信タイミングまでの信号往復時間から、信号処理時間を減算することで、往復の電波伝搬時間が算出され、その往復の電波伝搬時間の半分が片道の電波伝搬時間となり、その片道の電波伝搬時間に伝搬速度を乗算することで距離が算出される。
なお、信号処理時間は、自発の測距信号を受信してから応答の測距信号を送信するまでの信号処理に要する時間に基づいて設定された定数であり、アンカー1に予め記憶しておけばよい。
また、本実施形態では、自発の測距信号および応答の測距信号にタイミング計測用のプリアンブルを付加して送信し、そのタイミング計測用のプリアンブルを検出したタイミングが受信タイミングとなる。
また、応答側のアンカー1が、応答の測距信号に自装置の位置を付加して送信することで、測定側のアンカー1が、基準となるアンカー1の位置を取得して、その位置と距離とに基づいて、自装置の位置を算出する。なお、この方法であれば、応答側のアンカー1は自分の内部クロックで受信信号の同期や応答の遅延をカウントすればよいため、アンカー1間で時刻同期などをとる必要はなく、応答までの時間が短時間であるために内部クロックもあまり高精度のものでなくてもよいので、安価に簡単に位置計算を行うことができる。
次に、第1実施形態に係る基本基準点となるアンカー1の測位の概要について説明する。図3は、基本基準点となるアンカー1の測位の概要を示す説明図である。
本実施形態では、まず、基本基準点となるアンカー1を3台設置し、この基本基準点となるアンカー1の位置を測定した上で、基本基準点となるアンカー1を基準にして、一般基準点となるアンカー1の位置を測定する。
ここで、基本基準点となるアンカー1は、電波の届く範囲でなるべく広い範囲に分散するように配置するとよい。また、月面などの宇宙空間では、緯度および経度のような絶対座標がないため、本実施形態では、独自の測位座標系を設定する。
まず、第1の基本基準点となるアンカー1を最初に設置する。この第1の基本基準点となるアンカー1は、測位座標系の原点となり、その座標は(0,0)に設定される。
次に、第2の基本基準点となるアンカー1を設置する。この第2の基本基準点となるアンカー1は、第1の基本基準点となるアンカー1に対して任意の方向に設置され、第1の基本基準点となるアンカー1に対して第2の基本基準点となるアンカー1が存在する方向をX方向に設定する。なお、X方向に直交する方向がY方向となる。
この第2の基本基準点となるアンカー1の座標は、第2の基本基準点となるアンカー1と第1の基本基準点となるアンカー1との間の距離xを測定することで設定される。すなわち、距離xが、第2の基本基準点となるアンカー1のX座標となり、第2の基本基準点となるアンカー1の座標は(x,0)となる。
次に、第3の基本基準点となるアンカー1を設置する。この第3の基本基準点となるアンカー1は、3つの基本基準点となるアンカー1の相対位置が、できるだけ正三角形に近くなるように配置するとよく、これにより、一般基準点となるアンカー1での測位の精度を高めることができるが、必ずしも正三角形でなくてはならないということではない。
この第3の基本基準点となるアンカー1の位置は、第1の基本基準点となるアンカー1と第3の基本基準点となるアンカー1との間の距離d1と、第2の基本基準点となるアンカー1と第3の基本基準点となるアンカー1との間の距離d2とを測定することで算出する。すなわち、第3の基本基準点となるアンカー1の座標(x3,y3)は、距離d1,d2と、第2の基本基準点となるアンカー1の座標(x,0)とから、次式により算出する。
x3=(d1−d2+x)/(2×x)
y3=sqrt(d1−x3
次に、第1実施形態に係る一般基準点となるアンカー1の測位の概要について説明する。図4は、一般基準点となるアンカー1の測位の概要を示す説明図である。図5は、一般基準点となるアンカー1の測位の一例を示す説明図である。
図4に示すように、一般基準点となるアンカーANnでは、測位済みの3台のアンカーAN1(X1,Y1),AN2(X2,Y2),AN3(X3,Y3)を基準にして、3点測量法により、基準となる3つのアンカーAN1,AN2,AN3の座標と、そのアンカーAN1,AN2,AN3と自装置との間の距離D1,D2,D3とに基づいて、自装置の位置を算出する。
このとき、図5に示すように、アンカーAN1を中心にして距離D1を半径とした円C1と、アンカーAN2を中心にして距離D2を半径とした円C2との2つの交点P2(Xn2,Yn2),P2(Xn2,Yn2)を求める。また、円C1と、アンカーAN3を中心にして距離D3を半径とした円C3との2つの交点P3(Xn3,Yn3),P3(Xn3,Yn3)を求める。そして、前者の交点P2,P2と後者の交点P3,P3とを比較して、互いに近接する交点を求めて、その交点の座標に基づいて、測定中のアンカーANn(Xn,Yn)の位置を決定する。
具体的には、まず、円C1と円C2との2つの交点P2(Xn2,Yn2),P2(Xn2,Yn2)の座標を算出する。
このとき、2つの交点のX座標Xn2およびXn2を、次式により算出する。
Xn2=(A4×X4+Y4×sqrt((X4+Y4)×D1−A4))/(X4+Y4)+X1
Xn2=(A4×X4−Y4×sqrt((X4+Y4)×D1−A4))/(X4+Y4)+X1
また、2つの交点のY座標Yn2およびYn2を、次式により算出する。
Yn2=(A4×Y4−X4×sqrt((X4+Y4)×D1−A4))/(X4+Y4)+Y1
Yn2=(A4×Y4+X4×sqrt((X4+Y4)×D1−A4))/(X4+Y4)+Y1
ここで、X4、Y4およびA4は、次式により算出される。
X4=X2−X1
Y4=Y2−Y1
A4=(X4+Y4+D1−D2)/2
次に、円C1と円C3との2つの交点P3(Xn3,Yn3),P3(Xn3,Yn3)の座標を算出する。
このとき、2つの交点のX座標Xn3およびXn3を、次式により算出する。
Xn3=(A5×X5+Y5×sqrt((X5+Y5)×D1−A5))/(X5+Y5)+X1
Xn3=(A5×X5−Y5×sqrt((X5+Y5)×D1−A5))/(X5+Y5)+X1
また、2つの交点のY座標Yn3およびYn3を、次式により算出する。
Yn3=(A5×Y5−X5×sqrt((X5+Y5)×D1−A5))/(X5+Y5)+Y1
Yn3=(A5×Y5+X5×sqrt((X5+Y5)×D1−A5))/(X5+Y5)+Y1
ここで、X5、Y5およびA5は、次式により算出される。
X5=X3−X1
Y5=Y3−Y1
A5=(X5+Y5+D1−D3)/2
次に、誤差E1、E2、E3およびE4を、次式により算出する。
E1=(Xn2−Xn3+(Yn2−Yn3
E2=(Xn2−Xn3+(Yn2−Yn3
E3=(Xn2−Xn3+(Yn2−Yn3
E4=(Xn2−Xn3+(Yn2−Yn3
次に、誤差E1,E2,E3,E4の中で最小となる誤差を選択する。そして、最小となる誤差に基づいて、円C1と円C2との2つの交点P2,P2と、円C1と円C3との2つの交点P3,P3との組み合わせを選択する。そして、選択した2つの交点の座標を平均化して、測定中のアンカーANnの座標(Xn,Yn)を求める。すなわち、選択した2つの交点のX座標を平均化して、X座標(Xn)を求め、また、選択した2つの交点のY座標を平均化して、Y座標(Yn)を求める。
例えば、誤差E2が最小であれば、交点P2(Xn2,Yn2)とP3(Xn3,Yn3)との組み合わせが選択され、アンカーANnの座標(Xn,Yn)は次のようになる。
Xn=(Xn2+Xn3)/2
Yn=(Yn2+Yn3)/2
ところで、測定中のアンカー1の周辺に測位済みのアンカー1が3台以上存在すると、3台以上のアンカー1から応答の測距信号を受信する。この場合、応答の測距信号の送信元のアンカー1の中から3台のアンカー1を選択する。
このとき、ランダムに3台のアンカー1を選択する方法や、遠い方から3台のアンカー1を選択する方法や、近い方から3台のアンカー1を選択する方法など、種々の選択方法がある。また、測定中のアンカー1から見た方向ができるだけ異なるアンカー1を選択するようにしてもよい。また、ノイズが少なく受信品質が高いアンカー1を選択するようにしてもよい。また、応答の測距信号の送信元のアンカー1の中から3台のアンカー1を選択した組み合わせの全てで、測定中のアンカー1の座標を求めて、その座標を平均化して、測定中のアンカー1の座標を求めるようにしてもよい。また、全てのアンカーを用いて算出した全ての候補点の組み合わせの中から、最も誤差が小さくなる組み合わせを選択するようにしてもよい。
次に、第1実施形態に係るアンカー1の測位時における各アンカー1の動作について説明する。図6は、アンカー1の測位時における各アンカー1の動作手順を示すシーケンス図である。
測定モードのアンカー1では、自発の測距信号を送信する。この自発の測距信号には、タイミング検出用のプリアンブルと、自装置のアンカーIDとが含まれる。また、この自発の測距信号は、宛先を指定せず、ブロードキャストで送信される。
このとき、複数のアンカー1が同時に自発の測距信号を送信すると、電波干渉が発生するため、自発の測距信号を送信する前に、他のアンカー1が送信する電波があるか否かを判定し(干渉電波監視)、他のアンカー1が送信する電波がないことを確認してから、自発の測距信号を送信する。
待受モードのアンカー1では、測定モードのアンカー1から送信される自発の測距信号を受信すると、応答の測距信号を送信する。この応答の測距信号には、タイミング検出用のプリアンブルと、自装置のアンカーIDと、応答先のアンカーIDと、自装置の位置情報と、待ち時間とが含まれる。
ここで、待受モードの複数のアンカー1が同時に応答の測距信号を送信すると、電波干渉が発生するため、応答の測距信号を送信する前に、他のアンカー1が送信する電波があるか否かを判定し(干渉電波監視)、他のアンカー1が送信する電波がないことを確認してから、応答の測距信号を送信する。
また、測定モードのアンカー1では、自発の測距信号の送信タイミングと、応答の測距信号の受信タイミングと、応答側の待受モードのアンカー1での信号処理時間とに基づいて、自装置と待受モードのアンカー1との間の距離を測定して、その距離に基づいて、自装置の位置を算出する。このため、待受モードのアンカー1で、所定の信号処理時間を越えて、応答の測距信号の送信を遅らせると、測定モードのアンカー1で距離測定を正しく行うことができない。
そこで、本実施形態では、応答側の待受モードのアンカー1において、待ち時間、すなわち、他のアンカー1が送信する電波があるために応答の測距信号の送信を遅らせた時間を計測して、その待ち時間を応答の測距信号に付加して、測定モードのアンカー1に送信する。これにより、測定モードのアンカー1は、信号往復時間から待ち時間を減算することで、正確な信号往復時間を得ることができる。
また、応答の測距信号の電波干渉は、周辺のアンカー1の電波が原因となることから、周辺のアンカー1が同時に応答の測距信号を送信しないようにすればよい。そこで、応答の測距信号を送信する際に、自装置のアンカーIDを所定値Mで割った余りに対応する時間だけ、応答の測距信号の送信を遅らせるようにしてもよい。この遅れは、遅延時間として報告してもよいし、アンカーIDから計算できるためあえて送信しなくてもよい。
また、測定モードのアンカー1では、他のアンカー1との間での測距信号の送受信による測位が終了して、自装置の位置が確定すると、待受モードに遷移する。この待受モードでは、他のアンカー1から自発の測距信号を受信するのに応じて、応答の測距信号を送信する動作を開始するが、このとき、ビーコン信号の送信も開始する。
また、アンカー1では、転倒や風により位置が変化することがある。そこで、本実施形態では、待受モードに遷移した後でも、定期的に測位をやり直す。この場合、過去の測位結果が反映されるように位置を更新するとよい。具体的には、現在までの複数回の測位結果に忘却係数を乗じて加算することで、新しい位置を算出するようにしてもよい。
また、待受モードに遷移した後の測定時に、自発の測距信号を送信してから所定時間経過しても応答の測距信号を受信できない場合には、周囲から孤立したものと判断して、ビーコン信号の送信を停止して、待受モードから初期の測定モードに戻り、自装置の位置を測定する処理を開始する。なお、特定のアンカー1からの応答の測距信号を周辺のアンカー1が受信できないことにより、アンカー1の故障を周辺のアンカー1に検知させるようにしてもよい。
次に、第1実施形態に係るアンカー1の概略構成について説明する。図7は、アンカー1の概略構成を示すブロック図である。
アンカー1は、アンカー間通信部11と、ビーコン発信部12と、制御部13と、記憶部14と、を備えている。
アンカー間通信部11は、他のアンカー1との間で測距信号を送受信する。
ビーコン発信部12は、ビーコン信号を発信する。ビーコン信号内には発信元アンカー1のアンカーIDおよびその位置情報を含む。
記憶部14は、制御部13を構成するプロセッサで実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部14は、自装置のアンカーIDや、自装置の位置座標などを記憶する。
制御部13は、干渉電波監視部21と、測距信号制御部22と、タイミング検出部23と、位置算出部24と、ビーコン制御部25と、を備えている。この制御部13は、プロセッサで構成され、制御部13の各部は、記憶部14に記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現される。
干渉電波監視部21は、アンカー間通信部11での電波の受信状況に基づいて、他のアンカー1が送信する電波があるか否かを判定する。
測距信号制御部22は、測距信号を生成して、その測距信号をアンカー間通信部11から送信する。本実施形態では、干渉電波監視部21において、他のアンカー1が送信する電波がない場合に、測距信号を送信する。また、自装置が測位を実施する場合には、自発の測距信号を送信する。一方、他のアンカー1からの自発の測距信号を受信した場合には、応答の測距信号を送信する。自発の測距信号には、タイミング検出用のプリアンブルと、自装置のアンカーIDとが含まれる。また、応答の測距信号には、タイミング検出用のプリアンブルと、自装置のアンカーIDと、応答先のアンカーIDと、自装置の位置と、待ち時間とが含まれる。
タイミング検出部23は、他のアンカー1から送信される測距信号の受信タイミングを検出する。本実施形態では、測距信号にタイミング計測用のプリアンブルを付加して送信し、そのタイミング計測用のプリアンブルを検出したタイミングが受信タイミングとなる。
位置算出部24は、自発の測距信号の送信タイミングと、応答の測距信号の受信タイミングと、応答側の待受モードのアンカー1での信号処理時間とに基づいて、自装置と応答側のアンカー1との間の距離を測定して、その距離に基づいて、自装置の位置を算出する。
ビーコン制御部25は、ビーコン発信部12によるビーコン信号の発信を制御する。本実施形態では、自装置の位置が確定すると、ビーコン信号の発信を開始する。また、定期的な測位が正常にできなかった場合には、ビーコン信号の発信を停止する。なお、ビーコンに関しては、発信元のIDとその位置情報を発する方式でもよいが、測位したい移動体が常時アンカー1の測定モードと同様の動作をすることで、アンカー1の位置測定と同じ方式で測定をすることもできる。なお、アンカー1の位置測定に用いる周波数とビーコン信号に使用する周波数は全く同じでも、一部が同じでも、全く異なっていても、いずれも可能である。
次に、第1実施形態に係る第1の基本基準点となるアンカー1の動作手順について説明する。図8は、第1の基本基準点となるアンカー1の動作手順を示すフロー図である。
第1基準点となるアンカー1(アンカーID=1)では、測位座標系の原点となるため、測位は行われず、最初から待受モードとなり、ビーコン信号の発信を開始するとともに、他のアンカー1から送信される自発の測距信号の受信に応じて、応答の測距信号を送信する。
具体的には、まず、待受モードとなり、ビーコン制御部25において、ビーコン発信部12からビーコン信号の発信を開始する(ST101)。次に、測距信号制御部22において、他のアンカー1から送信される自発の測距信号をアンカー間通信部11で受信したか否かを判定する(ST102)。
ここで、他のアンカー1から送信される自発の測距信号を受信した場合には(ST102でYes)、測距信号制御部22において、待ち時間を初期化する、すなわち、待ち時間を0に設定する(ST103)。そして、干渉電波監視部21において、他のアンカー1が送信する電波があるか否かを判定する(ST104)。
ここで、他のアンカー1が送信する電波がある場合には(ST104でYes)、測距信号制御部22において、待ち時間をインクリメントする(ST105)。この待ち時間のインクリメントは、他のアンカー1が送信する電波がなくなるまで(ST104でNo)、繰り返される。
一方、他のアンカー1が送信する電波がない場合には(ST104でNo)、アンカー間通信部11から応答の測距信号を自発の測距信号の送信元のアンカー1に送信する(ST106)。この応答の測距信号には、自装置のアンカーID(1)と、応答先のアンカーIDと、自装置の位置座標(0,0)と、ST105でインクリメントされた待ち時間とが含まれる。
次に、第1実施形態に係る第2の基本基準点となるアンカー1の動作手順について説明する。図9は、第2の基本基準点となるアンカー1の動作手順を示すフロー図である。
第2の基本基準点となるアンカー1(アンカーID=2)では、まず、測定モードとなり、第1の基本基準点となるアンカー1と自装置との間の距離を測定して、その距離に基づいて自装置の位置を算出する。測位が終了して位置が確定すると、待受モードとなり、ビーコン信号の発信を開始するとともに、他のアンカー1、すなわち、第3基準点となるアンカー1および一般基準点となるアンカー1から送信される自発の測距信号の受信に応じて、応答の測距信号を送信する。
具体的には、まず、測定モードとなり、干渉電波監視部21において、他のアンカー1が送信する電波があるか否かを判定する(ST111)。
ここで、他のアンカー1が送信する電波がない場合には(ST111でNo)、測距信号制御部22において、アンカー間通信部11から自発の測距信号をブロードキャストで送信する(ST112)。この自発の測距信号には、自装置のアンカーID(2)が含まれる。
次に、他のアンカー1から送信される応答の測距信号をアンカー間通信部11で受信したか否かを判定する(ST113)。ここで、他のアンカー1から送信される応答の測距信号を受信した場合には(ST113でYes)、次に、受信した応答の測距信号の送信元が第1の基本基準点となるアンカー1であるか、すなわち、応答の測距信号に含まれる送信元のアンカーIDが1であるか否かを判定する(ST114)。ここで、応答の測距信号の送信元が第1基準点となるアンカー1でない場合には(ST114でNo)、ST113に戻る。
一方、応答の測距信号の送信元が第1基準点となるアンカー1である場合には(ST114でYes)、第1基準点となるアンカー1と自装置との間の距離を測距信号の往復時間から測定して、その距離に基づいて、自装置の位置座標(x,0)を算出する(ST115)。
次に、待受モードに遷移して、ビーコン制御部25において、ビーコン発信部12からビーコン信号の発信を開始する(ST101)。また、測距信号制御部22において、他のアンカー1から送信される自発の測距信号をアンカー間通信部11で受信したか否かを判定する(ST102)。
ここで、他のアンカー1から送信される自発の測距信号を受信した場合には(ST102でYes)、測距信号制御部22において、待ち時間を初期化する、すなわち、待ち時間を0に設定する(ST103)。そして、干渉電波監視部21において、他のアンカー1が送信する電波があるか否かを判定する(ST104)。
ここで、他のアンカー1が送信する電波がある場合には(ST104でYes)、測距信号制御部22において、待ち時間をインクリメントする(ST105)。この待ち時間のインクリメントは、他のアンカー1が送信する電波がなくなるまで(ST104でNo)、繰り返される。
一方、他のアンカー1が送信する電波がない場合には(ST104でNo)、アンカー間通信部11から応答の測距信号を自発の測距信号の送信元のアンカー1に送信する(ST106)。この応答の測距信号には、自装置のアンカーID(2)と、応答先のアンカーIDと、自装置の位置座標(x,0)と、ST105でインクリメントされた待ち時間とが含まれる。
次に、自装置の位置確定から所定時間が経過したか否かを判定する(ST116)。ここで、位置確定から所定時間が経過しない場合には(ST116でNo)、ST102に戻る。一方、位置確定から所定時間が経過した場合には(ST116でYes)、ビーコン信号の発信を停止し(ST117)、再度、自装置の位置を算出するため、ST111に戻る。なお、第2の基本基準点となるアンカー1は、第1の基本基準点となるアンカー1と近いこともあり、位置確定から所定時間が経過した場合(ST116でYes)の判断基準である所定時間は、長期間(例えば1か月など)とすることが可能である。
なお、他のアンカー1から送信される自発の測距信号を受信しない場合にも(ST102でNo)、ST116に進む。
次に、第1実施形態に係る第3基準点となるアンカー1の動作手順について説明する。図10は、第3基準点となるアンカー1の動作手順を示すフロー図である。
第3基準点となるアンカー1(アンカーID=3)では、まず、測定モードとなり、第1の基本基準点となるアンカー1と自装置との間の距離と、第2の基本基準点となるアンカー1と自装置との間の距離とを測定して、その距離に基づいて自装置の位置を算出する。測位が終了して位置が確定すると、待受モードとなり、ビーコン信号の発信を開始するとともに、他のアンカー1、すなわち、一般基準点となるアンカー1から送信される自発の測距信号の受信に応じて、応答の測距信号を送信する。
具体的には、まず、測定モードとなり、干渉電波監視部21において、他のアンカー1が送信する電波があるか否かを判定する(ST111)。
ここで、他のアンカー1が送信する電波がない場合には(ST111でNo)、測距信号制御部22において、アンカー間通信部11から自発の測距信号をブロードキャストで送信する(ST112)。この自発の測距信号には、自装置のアンカーID(3)が含まれる。
次に、他のアンカー1から送信される応答の測距信号をアンカー間通信部11で受信したか否かを判定する(ST113)。ここで、他のアンカー1から送信される応答の測距信号を受信した場合には(ST113でYes)、次に、受信した応答の測距信号の送信元が第1の基本基準点となるアンカー1または第2の基本基準点となるアンカー1であるか、すなわち、応答の測距信号に含まれる送信元のアンカーIDが1または2であるか否かを判定する(ST121)。ここで、受信した応答の測距信号の送信元が第1の基本基準点となるアンカー1または第2の基本基準点となるアンカー1でない場合には(ST121でNo)、ST113に戻る。
一方、受信した応答の測距信号の送信元が第1の基本基準点となるアンカー1または第2の基本基準点となるアンカー1である場合には(ST121でYes)、次に、2台のアンカー1、すなわち、第1の基本基準点となるアンカー1および第2の基本基準点となるアンカー1から応答の測距信号を受信したか否かを判定する(ST122)。ここで、2台のアンカー1から応答の測距信号を受信していない場合には(ST122でNo)、ST113に戻る。
一方、2台のアンカー1から応答の測距信号を受信した場合には(ST122でYes)、2台のアンカー1と自装置との間の距離を測距信号の往復時間から測定して、その距離に基づいて、自装置の位置座標(x3,y3)を算出する(ST115)。
次に、待受モードに遷移して、ビーコン制御部25において、ビーコン発信部12からビーコン信号の発信を開始する(ST101)。また、測距信号制御部22において、他のアンカー1から送信される自発の測距信号をアンカー間通信部11で受信したか否かを判定する(ST102)。
ここで、他のアンカー1から送信される自発の測距信号を受信した場合には(ST102でYes)、測距信号制御部22において、待ち時間を初期化する、すなわち、待ち時間を0に設定する(ST103)。そして、干渉電波監視部21において、他のアンカー1が送信する電波があるか否かを判定する(ST104)。
ここで、他のアンカー1が送信する電波がある場合には(ST104でYes)、測距信号制御部22において、待ち時間をインクリメントする(ST105)。この待ち時間のインクリメントは、他のアンカー1が送信する電波がなくなるまで(ST104でNo)、繰り返される。
一方、他のアンカー1が送信する電波がない場合には(ST104でNo)、アンカー間通信部11から応答の測距信号を自発の測距信号の送信元のアンカー1に送信する(ST106)。この応答の測距信号には、自装置のアンカーID(3)と、応答先のアンカーIDと、自装置の位置座標(x3,y3)と、ST105でインクリメントされた待ち時間とが含まれる。
次に、位置確定から所定時間が経過したか否かを判定する(ST116)。ここで、位置確定から所定時間が経過しない場合には(ST116でNo)、ST102に戻る。一方、位置確定から所定時間が経過した場合には(ST116でYes)、ビーコン信号の発信を停止し(ST117)、ST111に戻る。なお、第2の基本基準点となるアンカー1は、第1の基本基準点となるアンカー1に近いこともあり、位置確定から所定時間が経過した場合(ST116でYes)の判断基準である所定時間は、長期間(例えば1か月など)とすることが可能である。
なお、他のアンカー1から送信される自発の測距信号を受信しない場合にも(ST102でNo)、ST116に進む。
次に、第1実施形態に係る一般基準点となるアンカー1の動作手順について説明する。図11は、一般基準点となるアンカー1の動作手順を示すフロー図である。
一般基準点となるアンカー1(アンカーID=n)では、まず、測定モードとなり、周辺に存在する3台のアンカー1と自装置との間の距離とを測定して、その距離に基づいて自装置の位置を算出する。測位が終了して位置が確定すると、待受モードとなり、ビーコン信号の発信を開始するとともに、他のアンカー1、すなわち、他の一般基準点となるアンカー1から送信される自発の測距信号の受信に応じて、応答の測距信号を送信する。
具体的には、まず、測定モードとなり、干渉電波監視部21において、他のアンカー1が送信する電波があるか否かを判定する(ST111)。
ここで、他のアンカー1が送信する電波がない場合には(ST111でNo)、測距信号制御部22において、アンカー間通信部11から自発の測距信号をブロードキャストで送信する(ST112)。この自発の測距信号には、自装置のアンカーID(n)が含まれる。
次に、他のアンカー1から送信される応答の測距信号をアンカー間通信部11で受信したか否かを判定する(ST113)。ここで、他のアンカー1から送信される応答の測距信号を受信した場合には(ST113でYes)、次に、3台以上のアンカー1から応答の測距信号を受信したか否かを判定する(ST131)。ここで、3台以上のアンカー1から応答の測距信号を受信していない場合には(ST131でNo)、ST113に戻る。
一方、3台以上のアンカー1から応答の測距信号を受信した場合には(ST131でYes)、3台のアンカー1と自装置との間の距離を測距信号の往復時間から測定して、その距離に基づいて、自装置の位置座標(Xn,Yn)を算出する(ST115)。
次に、待受モードに遷移して、ビーコン制御部25において、ビーコン発信部12からビーコン信号の発信を開始する(ST101)。また、測距信号制御部22において、他のアンカー1から送信される自発の測距信号をアンカー間通信部11で受信したか否かを判定する(ST102)。
ここで、他のアンカー1から送信される自発の測距信号を受信した場合には(ST102でYes)、測距信号制御部22において、待ち時間を初期化する、すなわち、待ち時間を0に設定する(ST103)。そして、干渉電波監視部21において、他のアンカー1が送信する電波があるか否かを判定する(ST104)。
ここで、他のアンカー1が送信する電波がある場合には(ST104でYes)、測距信号制御部22において、待ち時間をインクリメントする(ST105)。この待ち時間のインクリメントは、他のアンカー1が送信する電波がなくなるまで(ST104でNo)、繰り返される。
一方、他のアンカー1が送信する電波がない場合には(ST104でNo)、アンカー間通信部11から応答の測距信号を自発の測距信号の送信元のアンカー1に送信する(ST106)。この応答の測距信号には、自装置のアンカーID(n)と、応答先のアンカーIDと、自装置の位置座標(Xn,Yn)と、待ち時間とが含まれる。
次に、位置確定から所定時間が経過したか否かを判定する(ST116)。ここで、位置確定から所定時間が経過しない場合には(ST116でNo)、ST102に戻る。一方、位置確定から所定時間が経過した場合には(ST116でYes)、ビーコン信号の発信を停止し(ST117)、ST111に戻る。
なお、他のアンカー1から送信される自発の測距信号を受信しない場合にも(ST102でNo)、ST116に進む。
このように、アンカー1は自装置の位置を算出した後は、自装置の位置情報を含むビーコン信号(測位信号)を発信するようになるので、移動体2(人物、車両など)に設けられた測位装置(図示せず)は、複数のアンカー1のビーコン信号を受信することで、その受信強度などに基づいて移動体2の位置を測定することが可能となる。
(第1実施形態の変形例)
次に、第1実施形態の変形例について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図12は、第1実施形態の変形例に係る一般基準点となるアンカー1の動作手順を示すフロー図である。
本変形例では、測位モードにおいて、自発の測距信号を送信してから所定時間が経過しても、応答の測距信号を受信できない場合には、周辺のアンカーでまだ測位が終了していないものとみなして、所定時間待機した後に、再度、自発の測距信号を送信する。
具体的には、他のアンカー1から送信される応答の測距信号を受信しない場合に(ST113でNo)、自発の測距信号の送信から所定時間経過したか否かを判定する(ST141)。ここで、自発の測距信号の送信から所定時間経過していない場合には(ST141でNo)、ST113に戻る。
一方、自発の測距信号の送信から所定時間経過した場合には(ST141でYes)、所定時間待機した後に(ST142)、ST111に戻り、干渉電波がないことを確認した上で(ST111でNo)、再度、自発の測距信号を送信する(ST112)。
なお、ST142での待機時間は、自発の測距信号送信ST112の回数が増えるほど長くするようにしてもよい。このようにすると、応答の測距信号を送信しているアンカー1が、周辺に3台以上ない場合など、自発の測距信号の送信を繰り返しても応答が得られず無駄になる場合における不要な送信を減らすことができる。また、ST112の自発の測距信号の送信の回数が一定の回数を越えた場合は、このアンカー1のすべての動作を停止するようにしてもよく、これによって更に無駄な送信を減らすことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図13は、第2実施形態に係るアンカー1の概略構成を示すブロック図である。
第1実施形態では、車両などでアンカー1を運搬して、適当な位置にアンカー1を設置するようにしたが、本実施形態では、アンカー1が、自律走行して、予め設定された位置に設置されるようにする。
アンカー1は、自律走行できるように、車輪31(移動手段)と、この車輪を回転駆動するとともに車輪の向きを変化させる駆動部32と、を備えている。また、制御部13には、自装置の自律走行を制御する自律走行制御部26が設けられている。
自律走行制御部26は、自律航法により、予め設定された目標位置まで自律走行するための制御を行う。自律航法では、車輪の向きで進行方向を検出し、車輪の回転数で走行速度を検出し、その進行方向および走行速度に基づいて、出発位置に対する相対的な位置を現在位置として推定する。なお、自律航法に、ジャイロセンサや加速度センサを利用するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、アンカー1が移動手段として車輪31を備えたものとしたが、移動手段はこれに限定されず、無限軌道(クローラー)でもよく、また、複数の脚を動かして歩行するものでもよい。また、ドローンのように飛行するものでもよい。また、ミミズなどのように蠕動による前進をするものでもよい。
次に、第2実施形態に係るアンカー1のグループ移動およびグループ分けについて説明する。図14は、アンカー1のグループ移動およびグループ分けの一例を示す説明図である。
本実施形態では、アンカー1が、移動方向に応じたグループを形成して移動する。このグループ移動では、親のアンカー1を指名し、親のアンカー1は、自分の目標位置に向かって移動し、子のアンカー1は、親のアンカー1に追随して移動する。親のアンカー1が目標位置に到達すると、子のアンカー1を、移動方向に応じてグループ分けするとともに、各グループで親のアンカー1を指名して、次のグループ移動が行われる。このような親のアンカー1が子のアンカー1を先導して目標位置まで移動するグループ移動と、子のアンカー1のグループ分けとを繰り返すことで、複数のアンカー1を各自の目標位置に分散させることができる。
図14(A)に示す例では、グループAの親のアンカー1が、自装置の目標位置に向かって自律航法で移動し、子のアンカー1は、親のアンカー1に追随して移動する。
このとき、親のアンカー1は、自律航法による推定位置が目標位置に略一致して、自装置の目標位置に到達したものと判定すると、その位置で停止して、待受モードのアンカー1との間での測距信号の送受信により自装置の位置を測定する。そして、測定位置と目標位置が所定距離以上離れている場合には、測定位置を現在位置として、自律航法で目標位置に向かって移動する。このような自律航法による移動と測距信号による測位とを、測定位置と目標位置との誤差が所定距離未満になるまで繰り返す。
次に、図14(B)に示すように、親のアンカー1が自装置の目標位置に到達すると、親のアンカー1は、子のアンカー1をグループB,Cにグループ分けして、グループB,Cごとに親となるアンカー1を指定する。
次に、図14(C)に示すように、元の親のアンカー1は停止したままで、分割された各グループB,Cの親のアンカー1は、自装置の目標位置に向かって移動し、各グループB,Cの子のアンカー1は、親のアンカー1に追随して走行する。これにより、各グループB,Cは、グループごとに異なる目標位置に向かって移動する。
このように、子のアンカー1を複数のグループに分割するグループ分けと、親のアンカー1が自分のグループ内の子のアンカー1を先導して目標位置まで移動するグループ移動と、を繰り返すことで、最終的に、各目標位置にアンカー1が1台ずつ配置される。
なお、図14に示す例では、同時に2つのグループに分けるようにしたが、同時に3以上のグループに分けるようにしてもよい。また、必ずしも毎回グループ分けをしなくてもよく、アンカー1の分布に従って、どこでいくつのグループに分けるかなどをプログラミングして最初の親のアンカー1に搭載し、親のアンカー1は次の親のアンカー1にそのプログラムのうち次の親が必要な部分だけをコピーして渡すようにしてもよい。
次に、第2実施形態に係る親モードのアンカー1の動作手順について説明する。図15は、親モードのアンカー1の動作手順を示すフロー図である。
親モードのアンカー1では、まず、移動モードとなり、自律航法で目標位置に向かって移動し、自律航法で目標位置に到達したものと推定されると、測位モードに遷移して、自装置の位置を測定し、測定位置が目標位置から離れていると、移動モードに戻り、測定位置が目標位置に近づくまで、移動モードと測位モードとを繰り返す。そして、測定位置が目標位置に略一致すると、その位置で停止したままで、待受モードに遷移する。
具体的には、まず、自装置の目標位置を設定する(ST201)。なお、目標位置は、測位システムの管理者が決定し、あらかじめアンカー1に設定しておくものとする。この場合、目標位置は、アンカー1が記憶するプログラムの中に含まれるようにしてもよいし、将来親になることが決まっているアンカー1には、あらかじめ個別に設定しておいてもよい。
次に、移動モードになり、自律航法で目標位置に向かって移動を開始する(ST202)。そして、自装置が目標位置に到達したか否かを判定する(ST203)。ここで、自装置が目標位置に到達していない場合には(ST203でNo)、ST202に戻り、自律航法による移動を継続する。
一方、自装置が目標位置に到達した場合には(ST203でYes)、その位置で停止する(ST204)。そして、測位モードに遷移して、測距信号の送受信により距離を測定して、その距離から自装置の位置を算出する(ST205)。この測位モードの動作は、一般基準点となるアンカー1の測位モードの動作(図11のST111〜ST115、あるいは図12のST111〜ST115およびST141〜ST142)と同様である。
なお、目標位置を設定する場合は、場所やアンカー1がそこに到達する時間などを考慮して、目標位置の周囲に3台以上の待受モードのアンカー1があるように設定するが、もし周囲に3台以上の待受モードのアンカー1がないなどで自装置の位置が測定できない場合は、自律航法によって停止した場所を目標位置としてもよい。ただし、その場合の測位精度は自律航法で得られるレベルに留まることになる。
次に、測定位置と目標位置との差分(自律航法の誤差)を算出して、その差分が所定のしきい値未満であるか否かを判定する(ST206)。ここで、測定位置と目標位置との差分がしきい値以上であれば(ST206でNo)、ST202に戻り、自律航法による移動を再開する。
一方、測定位置と目標位置との差分がしきい値未満である場合には(ST206でYes)、自分のグループ内の子のアンカー1をグループ分けして、新たなグループの形成を指示する新規グループ形成通知を、アンカー間通信部11により子のアンカー1に送信する(ST207)。この新規グループ形成通知には、各アンカー1が属するグループIDと、各グループの親のアンカーIDと、が含まれる。
また、各グループのアンカー1から親となるアンカー1を選出して、そのアンカー1に対して、親になることを指示する親指名通知をアンカー間通信部11により送信する(ST208)。この親指名通知には、自分のグループのすべての目標位置の情報が含まれる。なお、親となるアンカー1の選出においては、アンカー1が記憶するプログラムに、親となるべきアンカー1の情報を全部記憶させておいてもよいし、あらかじめ全ての親となるべきアンカー1の情報をそれぞれのアンカー1に設定しておいてもよい。また、最初の親となるべきアンカー1だけを決めておいて、そのあとの親となるアンカー1については、残りの電源量や移動途中のダメージまで考慮したり、ランダムに選出したりすることでもよい。この場合は、最初に親となるアンカー1だけを決めておけばよいので、システムを再利用したり、後でアンカーを追加したりする場合に運用が容易である。
次に、待受モードに遷移する。この待受モードの動作は、一般基準点となるアンカー1の待受モードの動作(図11および図12のST101〜ST106)と同様である。
次に、第2実施形態に係る子モードのアンカー1の動作手順について説明する。図16は、子モードのアンカー1の動作手順を示すフロー図である。
子モードのアンカー1では、親指名通知を受けるまで、グループ分割で新規のグループが形成される度に、自分のグループの親のアンカー1に追随して走行し、親指名通知を受けると、親モードに遷移する。なお、親のアンカー1に追随する方法としては、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)や光通信などの近距離だけに有効な無線を用いる方法、赤外線やカメラなどの光学系で追随する方法、各アンカー1を線でつないでおいてグループ分けの際に必要な線を切る方法(電車のように直接に連結させてもよい)などが考えられるが、どのような方法を用いてもよい。
具体的には、まず、親のアンカー1に追随して走行する(ST211)。次に、親のアンカー1から新規グループ形成通知を受信したか否かを判定する(ST212)。
ここで、新規グループ形成通知を受信した場合には(ST212でYes)、次に、親指名通知を受信したか否かを判定する(ST213)。
ここで、親指名通知を受信した場合には(ST213でYes)、子モードから親モードに遷移する。
一方、親指名通知を受信しない場合には(ST213でNo)、新規グループ形成通知に基づいて、自分のグループの新たな親となるアンカー1を認識する(ST214)。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
本発明に係るアンカー装置および測位システム構築方法は、既存の測位システムを利用できない場所で、新規な測位システムを簡単な構成で迅速に構築することができる効果を有し、移動体の位置を測定するためのビーコン信号を送信するアンカー装置、および複数のアンカー装置からなる測位システムを構築する測位システム構築方法などとして有用である。
1 アンカー(アンカー装置)
2 移動体
11 アンカー間通信部
12 ビーコン発信部
13 制御部
14 記憶部
21 干渉電波監視部
22 測距信号制御部
23 タイミング検出部
24 位置算出部
25 ビーコン制御部
26 自律走行制御部
31 車輪
32 駆動部

Claims (12)

  1. 移動体の位置を測定するためのビーコン信号を送信するアンカー装置であって、
    前記ビーコン信号を発信するビーコン発信部と、
    他のアンカー装置との間で測距信号を送受信するアンカー間通信部と、
    位置が確定した他のアンカー装置との間で測距信号を送受信することにより、前記他のアンカー装置と自装置との間の距離を測定して、その距離と、前記他のアンカー装置の位置とに基づいて、自装置の位置を測定する制御部と、
    を備えることを特徴とするアンカー装置。
  2. 前記制御部は、
    まず、測定モードとなり、自発の測距信号を前記アンカー間通信部から送信し、前記他のアンカー装置から応答の測距信号を前記アンカー間通信部で受信すると、自発の測距信号の送信タイミングから応答の測距信号の受信タイミングまでの信号往復時間に基づいて前記距離を測定し、
    前記距離に基づいて自装置の位置を測定する測位が終了すると、待受モードに遷移して、前記他のアンカー装置から自発の測距信号を前記アンカー間通信部で受信すると、応答の測距信号を前記アンカー間通信部から送信することを特徴とする請求項1に記載のアンカー装置。
  3. 前記制御部は、
    前記信号往復時間から、前記他のアンカー装置において前記自発の測距信号を受信してから前記応答の測距信号を送信するまでの信号処理に要する時間である信号処理時間を減算して、往復の電波伝搬時間を算出し、その往復の電波伝搬時間の半分を片道の電波伝搬時間とし、その片道の電波伝搬時間に伝搬速度を乗算することで距離を算出することを特徴とする請求項2に記載のアンカー装置。
  4. 前記制御部は、
    前記待受モードに遷移すると、前記ビーコン信号の発信を開始することを特徴とする請求項2に記載のアンカー装置。
  5. 前記制御部は、
    自装置から送信する測距信号と干渉する電波がない場合に、測距信号を送信することを特徴とする請求項1に記載のアンカー装置。
  6. 前記制御部は、
    応答の測距信号と干渉する電波があるために応答の測距信号の送信を遅らせた場合には、応答の測距信号を送信するまでの待ち時間を計測して、その待ち時間を応答の測距信号に付加して送信することを特徴とする請求項2に記載のアンカー装置。
  7. 前記制御部は、
    前記他のアンカー装置から受信した応答の測距信号に、前記他のアンカー装置が当該応答の測距信号の送信を遅らせた時間である待ち時間が付加されている場合は、前記信号往復時間から前記待ち時間を減算することを特徴とする請求項2に記載のアンカー装置。
  8. 前記制御部は、
    自発の測距信号を送信してから所定時間が経過しても、応答の測距信号を受信できない場合には、所定時間待機した後に、再度、自発の測距信号を送信することを特徴とする請求項2に記載のアンカー装置。
  9. 前記制御部は、
    自装置の位置を測定する測位を、所定時間をおいて定期的に行うことを特徴とする請求項1に記載のアンカー装置。
  10. 自装置を自律的に移動する移動手段を備え、
    前記制御部は、
    予め設定された目標位置に向けて自律的に移動するように前記移動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のアンカー装置。
  11. 前記制御部は、
    親モードにおいて、自律航法による移動と、測距信号の送受信による測位とを繰り返して、指定された目標位置に到達するように前記移動手段を制御し、
    子モードにおいて、親モードとなる他のアンカー装置に追随して移動するように前記移動手段を制御することを特徴とする請求項10に記載のアンカー装置。
  12. 移動体の位置を測定するためのビーコン信号を送信する複数のアンカー装置からなる測位システムを構築する測位システム構築方法であって、
    複数の前記アンカー装置の各々は、
    位置が確定した他のアンカー装置との間で測距信号を送受信することにより、前記他のアンカー装置と自装置との間の距離を測定して、その距離と、前記他のアンカー装置の位置とに基づいて、自装置の位置を測定することを特徴とする測位システム構築方法。
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