JP2020015967A - 剥離液 - Google Patents
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但し、式(1)中、nは1〜3であり、式(2)中、(A)は、酸素原子を含まずかつ炭素原子数が1〜2である炭化水素基、又は酸素原子数が1以上であってかつ炭素原子数が2〜6である炭化水素基であり、式(3)中、(B)は、酸素原子を含まずかつ炭素原子数が1〜4である炭化水素鎖、又は酸素原子数が1以上であってかつ炭素原子数が3〜4である炭化水素鎖であり、式(4)中、mは1〜5である。
第1の実施形態の剥離液は、錯体化剤として上述した一般式(1)で示されるスルフィド化合物を含む。このスルフィド化合物は、濃硫酸やアルキルスルホン酸等の脱水作用をもつ強酸中でチオジエタオール(n=0)を脱水縮合して得られる。このときの反応温度、反応時間及び精製条件を変えることにより、一般式(1)中のnの値を制御することができる。このnが3を超えると、スルフィド化合物は水溶性でなくなり、疎水性となる。水溶液中でスルフィド化合物を溶解させるためには、nは3以下である必要がある。
第2の実施形態の剥離液は、錯体化剤として上述した一般式(2)で示されるスルフィド化合物を含む。このスルフィド化合物は、主原料のα−チオグリコールを、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムの塩基性水溶液に混合した後、次に述べる副原料を混合・撹拌・還流し、主原料と副原料を求核置換反応させることで得られる。
第3の実施形態の剥離液は、錯体化剤として上述した一般式(3)で示されるスルフィド化合物を含む。このスルフィド化合物は、主原料のα−チオグリコールを、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムなどの塩基性の水溶液に混合した後、次に述べる副原料を混合・撹拌・還流し、主原料と副原料を求核置換反応させることで得られる。
第4の実施形態の剥離液は、錯体化剤として上述した一般式(4)で示されるスルフィド化合物を含む。このスルフィド化合物は、主原料のα−チオグリコールを、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸ナトリウムなどの塩基性水溶液に混合した後、次に述べる副原料を混合・撹拌・還流し、主原料と副原料を反応させることで得られる。
先ず、実施例1〜5で用いられる第1の実施形態に記載したスルフィド化合物の構造式を以下に示す。
次いで、実施例6で用いられる第1の実施形態に記載したスルフィド化合物の構造式を以下に示す。
次に、実施例7で用いられる第1の実施形態に記載したスルフィド化合物の構造式を以下に示す。
実施例8〜11で用いられる第2の実施形態に記載したスルフィド化合物を製造するための主原料と副原料及び製造されたスルフィド化合物の種類と、これらの構造式の符号と、一般式(2)における酸素原子数及び炭素原子数を以下の表2に示す。またその構造式を以下に列挙する。
実施例12〜15で用いられる第3の実施形態に記載したスルフィド化合物を製造するための主原料と副原料及び製造されたスルフィド化合物の種類と、これらの構造式の符号と、一般式(3)における酸素原子数及び炭素原子数を以下の表3に示す。またその構造式を以下に列挙する。
実施例16〜18で用いられる第4の実施形態に記載したスルフィド化合物を製造するための主原料と副原料及び製造されたスルフィド化合物の種類と、これらの構造式の符号と、一般式(4)におけるnの数を以下の表4に示す。またその構造式を以下に列挙する。
<実施例1>
メタンスルホン酸と、3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムと、錯体化剤としての種類がAで構造式(1−1)のスルフィド化合物と、ノニオン系界面活性剤(エチレンジアミンにポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンを50:50の割合で付加させたもの)とを混合して溶解させた後、最後にイオン交換水を加えて、下記組成の剥離液を調製した。各組成物の配合量を以下の表5に示す。
メタンスルホン酸:150g/L
3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム:100g/L
スルフィド化合物(種類A、構造式(1−1)):1g/L
ノニオン系界面活性剤:5g/L
イオン交換水:残部
実施例2では、実施例1の3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムの代わりに、3−ニトロベンゼンスルホン酸を用いた。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例3では、実施例1のメタンスルホン酸の代わりに、エタンスルホン酸を用いた。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例4及び実施例5では、実施例1の錯体化剤としてのスルフィド化合物の配合量を0.1g/L及び50g/Lにそれぞれ変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例6では、錯体化剤として種類がBで構造式(1−2)のスルフィド化合物を用いた。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例7では、錯体化剤として種類がCで構造式(1−3)のスルフィド化合物を用い、3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムの配合量を10g/Lに変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例8では、錯体化剤として種類がDで構造式(2−1)のスルフィド化合物を用い、3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムの配合量を50g/Lに変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例9では、錯体化剤として種類がEで構造式(2−2)のスルフィド化合物を用い、3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムの配合量を150g/Lに変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例10では、錯体化剤として種類がFで構造式(2−3)のスルフィド化合物を用い、3−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウムの配合量を200g/Lに変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例11では、錯体化剤として種類がGで構造式(2−4)のスルフィド化合物を用いた。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例12では、錯体化剤として種類がHで構造式(3−1)のスルフィド化合物を用い、メタンスルホン酸の配合量を50g/Lに変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例13では、錯体化剤として種類がIで構造式(3−2)のスルフィド化合物を用い、メタンスルホン酸の配合量を250g/Lに変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例14では、錯体化剤として種類がJで構造式(3−3)のスルフィド化合物を用い、メタンスルホン酸の配合量を400g/Lに変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例15では、錯体化剤として種類がKで構造式(3−4)のスルフィド化合物を用い、界面活性剤の配合量を0.1g/Lに変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例16では、錯体化剤として種類がLで構造式(4−1)のスルフィド化合物を用い、界面活性剤の配合量を30g/Lに変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例17では、錯体化剤として種類がMで構造式(4−2)のスルフィド化合物を用い、界面活性剤の配合量を50g/Lに変更した。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例18では、錯体化剤として種類がNで構造式(4−3)のスルフィド化合物を用いた。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
比較例1では、錯体化剤を用いなかった。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
比較例2では、錯体化剤としてスルフィド化合物でなく、3,6−ジチア−1,8−オクタジオール(表5中のX)を用いた。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
比較例3では、メタンスルホン酸の代わりに硝酸を用いた。それ以外は、実施例1と同様に剥離液を調製した。
実施例1〜18及び比較例1〜3の21種類の剥離液について、スラッジの溶解性と、スラッジの溶解性試験後の剥離液の保存性について、次の方法により評価した。その結果を以下の表6に示す。
たて10cm、よこ10cm、厚さ1mmのステンレス鋼材の上に厚さ10μmのSnAg合金層であるはんだ層を形成して、被溶解試料とした。21種類の剥離液を使用し、浴温度25℃、浴負荷量1dm2/L、液量1Lの処理浴をそれぞれ別々に作製した。それぞれの処理浴中に被溶解試料を浸漬して、はんだ層の溶解を行った。浸漬してからはんだ層が完全に溶解するまでの時間を測定した。
21種類のスラッジの溶解性試験後の剥離液をガラス製の透明なボトルにそれぞれ別々に入れ、Panasonic社製のクリーンオーブン内で50℃で6ヶ月間保管した。保管後の剥離液の透明度を目視で観察した。剥離液が透き通った状態のものを「透明」と判定し、白濁化するものを「濁り」と判定した。
Claims (2)
- アルカンスルホン酸と、3−ニトロベンゼンスルホン酸又はその塩と、界面活性剤とを含み、錫合金の化合物及び/又は錫合金の皮膜を基体から剥離する剥離液において、
錯体化剤としてのスルフィド化合物を0.1g/L以上の濃度で更に含み、
前記スルフィド化合物が下記一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で示されるスルフィド化合物であることを特徴とする剥離液。
但し、式(1)中、nは1〜3であり、式(2)中、(A)は、酸素原子を含まずかつ炭素原子数が1〜2である炭化水素基、又は酸素原子数が1以上であってかつ炭素原子数が2〜6である炭化水素基であり、式(3)中、(B)は、酸素原子を含まずかつ炭素原子数が1〜4である炭化水素鎖、又は酸素原子数が1以上であってかつ炭素原子数が3〜4である炭化水素鎖であり、式(4)中、mは1〜5である。
- 前記界面活性剤がアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤より選ばれる少なくとも1種又は2種以上の界面活性剤である請求項1記載の剥離液。
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