JPH10140400A - 電解剥離用電解液および電解剥離方法 - Google Patents

電解剥離用電解液および電解剥離方法

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JPH10140400A
JPH10140400A JP31571596A JP31571596A JPH10140400A JP H10140400 A JPH10140400 A JP H10140400A JP 31571596 A JP31571596 A JP 31571596A JP 31571596 A JP31571596 A JP 31571596A JP H10140400 A JPH10140400 A JP H10140400A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄製品表面のスズメッキ皮膜を電解剥離する
のに低発泡性非イオン界面活性剤を添加したスルホン酸
浴を使用すると陰極に析出する金属が不安定で剥がれ落
ち易いものになる。この現象によるトラブルを解消す
る。 【解決手段】 電解質としてスルホン酸類を含有し助剤
として非イオン界面活性剤を含有する電解剥離するため
の電解液に、助剤としてベンゾイミダゾール類またはベ
ンゾチアゾール類を含有させる。さらに、ジヒドロキシ
ベンゼン類を含有させ、不溶性のスズ酸化物からなるス
ラッジが生じるのを防止することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄製品(合金鉄製品を
含む)の表面にメッキ等により形成されたスズまたはス
ズ合金の皮膜(以下、メッキ皮膜ということがある)を
電解により剥離する場合に使用する電解液すなわち電解
剥離液に関するものであり、さらに、上記メッキ皮膜を
電解剥離する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】集積回路の製造工程においてリードフレ
ームにスズまたはスズ−鉛合金からなるメッキを施す場
合、規格外のメッキを施してしまったときは基材のリー
ドフレームを腐食することなしにメッキ層だけを除去し
て再度メッキを施さなければならない。このように不要
メッキ皮膜を剥離する手段としては、従来、該メッキ皮
膜を溶解する能力を有する剥離液に処理対象物を浸漬す
る方法が最も普通に採用されてきた。このとき使われる
剥離液の代表的なものは、スズおよび鉛に対して優れた
溶解力を有するホウフッ化水素酸を主剤とし、それにm-
ニトロベンゼンスルホン酸等の酸化剤およびチオ尿素等
の再付着防止剤と、基材の侵食を防止するためのインヒ
ビターを添加したものである。
【0003】また、メッキ用ステンレス製治具の接点部
にはスズまたはスズ合金が析出して皮膜を形成するの
で、それを適当な段階で除去することが必要になるが、
そのような場合には、高濃度硝酸からなる剥離液、また
は硝酸を主剤としスズの錯化剤として有機カルボン酸を
添加した剥離液が使われてきた。
【0004】しかしながら、酸性溶液中のスズイオンは
酸化剤が共存すると容易に酸化されて不溶性の酸化物を
生成する。このようなスズ酸化物生成条件は上記いずれ
の浸漬剥離液を用いた場合にも実現されるから、剥離液
は、建浴当初は良好な剥離性能を示すが、液中にスズイ
オンが蓄積するにつれて不溶性スズ酸化物からなるスラ
ッジを生じ、且つスズ酸化物層が被処理物表面に形成さ
れるようになるため、剥離性能が急速に低下してしま
う。
【0005】一方、本発明者らが先に発明し特許出願し
た不要メッキ皮膜剥離方法は、該不要メッキ皮膜を表面
に有する鉄製品をアルカンスルホン酸、アルカノールス
ルホン酸、およびアリールスルホン酸からなる群から選
ばれたスルホン酸類またはその塩の水溶液からなる電解
液(以下、スルホン酸浴という)に浸漬し、該鉄製品を
陽極にして定電圧で電解することを特徴とする(特開平
6−272098号)。この方法によれば、剥離液中に
溶解したスズイオンは酸化されることなく速やかに金属
として陰極に析出するため、剥離液は浸漬剥離液ほどに
はスズ酸化物からなるスラッジを生じることなく安定し
た処理能力を発揮する。また、有害なガスやミストが発
生しないから作業性や安全性の点でもフッ化物や高濃度
の硝酸を含む剥離液を使う方法よりも優れている。
【0006】上記スルホン酸浴を使用する剥離方法は、
特開平6−272098号公報にも記載されているよう
に、剥離液中に少量の非イオン界面活性剤を加えておく
と電解処理によって溶け込んだ金属イオンの陰極におけ
る還元析出が促進され、一層好結果を得ることができ
る。しかしながら、界面活性剤添加による剥離液の泡立
ちが激しいと、作業性が悪くなるばかりか巻き込まれた
空気中の酸素によりスズイオンの酸化が促進され、それ
により生じた不溶性酸化物からなるスラッジが液を濁ら
せ、はなはだしい場合は剥離液循環パイプを詰まらせて
しまう。したがって、使用する非イオン界面活性剤はな
るべく低発泡性のものであることが望ましく、たとえば
低発泡性界面活性剤としてよく知られているエチレンオ
キサイド・プロピレンオキサイドブロック共重合体(ま
たはランダム共重合体)鎖を有するものが好ましい。
【0007】ところが、理由は定かでないが低発泡性非
イオン界面活性剤を使用すると陰極における金属の析出
に異常が生じ、析出した金属が平滑でなくヒゲ状または
コブ状になり易い(アルキルフェノールや高級アルコー
ルのエチレンオキサイド付加重合物のように発泡性の強
い非イオン界面活性剤を使用した場合はこのようなこと
はなく、平滑で緻密な皮膜を形成しつつ析出する。)。
このような析出状態の金属は不安定であって容易に陰極
から剥がれ落ち、浴中を浮遊して治具や被処理物に付着
し種々のトラブルを招く。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、非イオン界面活性剤添加スルホン酸浴からなるメッ
キ皮膜電解剥離液における上述の問題点を解決し、非イ
オン界面活性剤として低発泡性のものを用いても陰極に
おける金属析出性が良好でメッキ皮膜剥離性能にも優れ
た電解剥離液を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、非イオン界面活性剤
添加スルホン酸浴からなるメッキ皮膜電解剥離液が気泡
を巻き込み易く、それによりスズ酸化物からなるスラッ
ジを生じ易いという問題点を解決し、長期間使用しても
スラッジによる濁りを生じにくい電解剥離液を提供する
ことにある。
【0010】本発明のさらに別の目的は、メッキ皮膜の
剥離と陰極における金属析出が円滑に行われ、しかも浴
の泡立ちやスラッジ発生が少なく、長期間安定した操業
を可能にするメッキ皮膜電解剥離方法を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
に成功した本発明は、電解質としてアルカンスルホン
酸、アルカノールスルホン酸、およびアリールスルホン
酸からなる群から選ばれたスルホン酸類またはその塩を
含有し非イオン界面活性剤が添加された電解剥離液に対
し下記一般式・化1で示される含窒素複素環式化合物を
添加してなる電解剥離液;該電解剥離液に対しさらにジ
ヒドロキシベンゼン類を添加してなる電解剥離液;およ
び、上記電解剥離液のいずれかを用い被処理鉄製品を陽
極にして定電圧電解処理することを特徴とするメッキ皮
膜剥離方法を提供するものである。
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Rは−NH−または−S−を表
す。環は、炭素原子の位置における置換基として炭素原
子数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、水酸
基、メルカプト基、アミノ基またはニトロ基を有してい
てもよい。)
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による電解剥離液に被処理
物を浸漬し、被処理物を陽極にして電解すると、被処理
物表面のメッキ皮膜は速やかにイオン化して溶解し、溶
解した金属のイオンは陰極表面に達し、そこで還元され
て金属となり析出する。この過程は、剥離液中に溶存す
る非イオン界面活性剤により加速される。
【0015】このとき一般式・化1の含窒素複素環式化
合物は、低発泡性非イオン界面活性剤を含有させた場合
に悪化し易い陰極における金属析出状態を改善し、緻密
で平滑な金属皮膜を析出させるので、浴を泡立たせない
が金属の析出性に問題がある低発泡性非イオン界面活性
剤の使用を可能にする。この作用は化1の化合物に特有
のものであって、他の類似構造の含窒素複素環式化合物
はこのような作用がないか、あってもメッキ皮膜の剥離
に悪影響を及ぼす。
【0016】電解剥離においては浴中の金属イオンの濃
度はきわめて低い水準に保たれるが、それでも、そこに
非イオン界面活性剤が存在すると、低発泡性非イオン界
面活性剤を用いた場合でも完全には避けられない泡立ち
が金属イオンの酸化を促進するので、長期間処理を続け
ると不溶性の酸化物からなるスラッジが生じる。しか
し、ジヒドロキシベンゼン類を共存させる本発明の電解
剥離液では、ジヒドロキシベンゼン類が金属イオンを安
定化する作用により上記好ましくないスラッジ生成が大
幅に低減される。ただし、ジヒドロキシベンゼン類の中
でもカテコールはメッキ皮膜の剥離を若干阻害する傾向
がある。レゾルシンおよびヒドロキノンにはそのような
欠点がないので好ましい。
【0017】一般式・化1の含窒素複素環式化合物また
はこれとジヒドロキシベンゼン類の適量を添加すること
を除けば、本発明の電解剥離液の組成に制限はなく、公
知のスルホン酸浴の基本組成をそのまま採用して差し支
えない。
【0018】すなわち、スルホン酸類としてはメタンス
ルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブ
タンスルホン酸等のアルカンスルホン酸;ヒドロキシエ
タンスルホン酸、ヒドロキシプロパンスルホン酸、ヒド
ロキシブタンスルホン酸等のアルカノールスルホン酸;
フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、ニトロ
ベンゼンスルホン酸等のアリールスルホン酸等をいずれ
も使用することができ、また、スルホン酸類の塩として
はアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を用いることが
できる。
【0019】剥離液中のスルホン酸類またはその塩の濃
度(2種以上のスルホン酸類を併用する場合はそれらの
合計濃度)は、約0.05〜5モル/リットルとするこ
とが望ましい。
【0020】陰極における金属析出を促進するための非
イオン界面活性剤として優れているものはアルキルフェ
ノールや高級アルコールのエチレンオキサイド付加重合
物など多数あるが、発泡による作業性悪化と浴中金属イ
オンの酸化促進を防止するため、その使用目的との関係
では欠点があっても低発泡性のものを用いることが望ま
しい。好ましい低発泡性非イオン界面活性剤は、親水性
基がポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロッ
ク共重合体またはオキシエチレン/オキシプロピレンラ
ンダム共重合体からなるものであり、その代表的な具体
例としては、プルロニック、アデカカーポール(旭電化
工業株式会社製品)、プロノン(日本油脂株式会社製
品)、レオコン、ライオノール(ライオン株式会社製
品)ニューポール(三洋化成工業株式会社製品)、ペポ
ール(東邦化学工業株式会社製品;以上いずれも商品
名)等がある。
【0021】非イオン界面活性剤は、剥離液中に約0.
1〜10g/lの濃度で含有させることが望ましい。
【0022】本発明の電解剥離液に含有させる前記化1
の含窒素複素環式化合物の好ましい具体例としては次の
ようなものがある。
【0023】ベンゾイミダゾール類:ベンゾイミダゾー
ル、2-ヒドロキシベンゾイミダゾール、2-メルカプト
ベンゾイミダゾール、2-アミノベンゾイミダゾール、
2-メチルベンゾイミダゾール、5-ニトロベンゾイミダ
ゾール
【0024】ベンゾチアゾール類:ベンゾチアゾール、
2-ヒドロキシベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾ
チアゾール、2-アミノベンゾチアゾール、2-メチルベ
ンゾチアゾール、2-エチルベンゾチアゾール、2-アミ
ノ-6-ニトロベンゾチアゾール、2-アミノ-5,6-ジメ
チルベンゾチアゾール、2-アミノ-6-メトキシベンゾ
チアゾール、2-アミノ-6-エトキシベンゾチアゾー
ル、2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール、2,
5-ジメチルベンゾチアゾール、2-メチル-6-メトキシ
ベンゾチアゾール、2-メチル-6-エトキシベンゾチア
ゾール、2-メチル-5,6-ジメトキシベンゾチアゾール
【0025】これらの含窒素複素環式化合物は、2種以
上を併用してもよい。電解剥離液における含窒素複素環
式化合物の好適濃度は、約0.01〜10g/lである。濃
度が0.01g/l未満では添加効果がなく、一方、10g/
lを超えると、メッキ皮膜の剥離速度が低下するなど、
好ましくない影響が現れる。
【0026】本発明の電解剥離液に含有させるジヒドロ
キシベンゼン類としては、前述の理由によりハイドロキ
ノンおよびレゾルシンが好ましく、その好適濃度は0.
01〜10g/lである。これ以上高濃度にジヒドロキシ
ベンゼン類を含有させると、剥離速度が低下することが
ある。
【0027】本発明の電解剥離液には、ほかにもクエン
酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、酢酸、グ
リコール酸、プロピオン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン
酸等のカルボン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩、アンモニウム塩など、スズイオンの
錯化剤となり得る物質を添加することができ、それによ
り、スズイオンを一層安定化して不溶性スズ酸化物から
なるスラッジの生成をより確実に防止することができ
る。
【0028】本発明の電解剥離液を用いるメッキ皮膜の
電解剥離は任意の電源により実施することができるが、
定電圧電源を用いて行うときは特に有利な結果が得られ
る。すなわち、定電圧で電解すると、イオン化して溶出
し易いスズまたはスズ合金が剥離されて少なくなるにつ
れて電流値が低下し、基材が露出する頃には電流値は激
減する。また、露出した基材表面は酸化されて不動態化
する。そのため、電解は自動的に停止状態になり、基材
の溶解は起こらない。
【0029】同じ電解剥離液を用いても、定電流電解を
行なうとメッキ皮膜が溶けて基材が露出した後も引き続
き大きな電流が強制的に流されるため、なんらかの手段
により剥離完了を感知して電源を遮断するにしても基材
表面が電解により侵食されるのを免れることは難しい。
【0030】本発明の剥離液を用いてメッキ皮膜の電解
剥離を行う場合、メッキ皮膜の剥離速度は陽極電流密度
に比例して大きくなるが、陽極電流密度(定電圧電解に
よる場合は電解開始時の陽極電流密度)は約1〜60 A
/dm2が適当である。1 A/dm2未満では剥離速度が遅すぎ
て完全剥離に時間がかかり過ぎ、一方、60 A/dm2を超
えると、基材の侵食を避けるのが難しくなる。特に、定
電圧電源によらない場合は、過剰電解による基材表面の
侵食を防ぐため低めの電流密度を採用することが望まし
い。
【0031】陰極構成材料としては、通電性があり且つ
電解剥離液中で溶解しないものであれば何でも使用する
ことができるが、好ましい例としては、カーボン、ステ
ンレス鋼等があげられる。
【0032】
【実施例】電解質としてメタンスルホン酸2モル/lを含
む電解剥離液に種々の助剤を含有させることにより、表
1に示した15種類の電解剥離液を調製し、各例電解剥
離液について下記の性能試験を行なった。
【0033】 剥離性能(剥離速度および剥離後の外
観) ステンレス鋼SUS304の線材(3mmφ×80mm)に
厚さ10μmのはんだメッキ(スズ:鉛=8:2)を施
したものを試験片とし、これを陽極として電解剥離液中
に浸漬し、ステンレス鋼SUS304の板材を陰極にし
て、1.5Vの定電圧で電解処理を行なう。試験片上の
めっき皮膜が完全に除去されるまでの時間(剥離速度)
および剥離後の試験片の外観を調べる。試験結果に基づ
き、次の判定基準による5段階評価を行う。
【0034】剥離速度 A:30秒未満 B:30秒〜40秒未満 C:40秒〜50秒未満 D:50秒〜60秒未満 E:60秒以上
【0035】剥離後の外観 A:めっき皮膜が完全に除去され、表面の荒れもない。 B:めっき皮膜除去後に僅かにスマットがあるが水洗で
容易に除去可能。 C:めっき皮膜は除去されるが、スマットが顕著に付着
し残留する。 D:めっき皮膜は完全には除去されず、一部が表面に残
っている。 E:めっき皮膜がほとんど除去されていない。
【0036】 陰極における金属の析出 ステンレス鋼SUS304の板材を陰極とし、はんだ延べ板
(スズ:鉛=8:2)を陽極として電解剥離液に浸漬
し、直流1Aの定電流で電解する加速試験を24時間行
う。試験終了後の陰極における金属析出状態を観察し、
析出性について下記判定基準による3段階評価を行う。 ○:平滑で容易には剥離しない状態。 △:コブ状ないしヒゲ状に析出しており、浴中に脱落し
易い。 ×:スポンジ状の析出。
【0037】 発泡性 容量25mlの共栓付き試験管に10mlの電解剥離液をと
り、激しく10回振盪し、発生した泡がすべて消えるま
での時間を測定する。その結果に基づき、発泡性につい
て下記の判定基準による3段階評価を行う。 ○:消泡時間30秒未満 △:消泡時間30秒〜60秒未満 ×:消泡時間60秒以上
【0038】 スラッジ発生状態 電解剥離液1リットルに10gのスズを溶解し、40℃
に加熱しながら2リットル/分の流量で24時間気泡を
送り込み、不溶性スズ酸化物からなるスラッジによる混
濁状態を観察する。その結果に基づき、スラッジの発生
について下記の判定基準による3段階評価を行う。 ○:まったく濁りなし △:僅かに濁りあり ×:はなはだしく濁り、まったく透明感なし。
【0039】上記試験の結果およびそれに基づき下記基
準により判定した総合評価を表2に示す。
【0040】
【表1】 電解剥離液 助剤およびその濃度 比較例1 助剤無添加 比較例2 ノニルフェノールエチレンオキサイド10モル付加物 2g/l 比較例3 低発泡性非イオン界面活性剤A 5g/l 比較例4 ベンゾチアゾール 5g/l 比較例5 ヒドロキノン 2g/l 比較例6 低発泡性非イオン界面活性剤B 5g/l アミノベンゾピラゾール 5g/l ヒドロキノン 3g/l 比較例7 低発泡性非イオン界面活性剤B 5g/l ベンゾチアジアゾール 1g/l ヒドロキノン 3g/l 実施例1 低発泡性非イオン界面活性剤A 5g/l ベンゾチアゾール 1g/l 実施例2 低発泡性非イオン界面活性剤A 5g/l ベンゾチアゾール 1g/l レゾルシン 1g/l 実施例3 低発泡性非イオン界面活性剤B 5g/l 2-ヒドロキシベンゾイミダゾール 2g/l ヒドロキノン 3g/l 実施例4 低発泡性非イオン界面活性剤B 5g/l 2-メルカプトベンゾイミダゾール 0.5g/l ヒドロキノン 3g/l 実施例5 低発泡性非イオン界面活性剤B 5g/l 2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾール 1g/l ヒドロキノン 3g/l 実施例6 低発泡性非イオン界面活性剤B 5g/l 2-メチル-6-メトキシベンゾチアゾール 2g/l ヒドロキノン 3g/l 実施例7 低発泡性非イオン界面活性剤C 5g/l 2-アミノベンゾチアゾール 4g/l レゾルシン 2g/l 実施例8 低発泡性非イオン界面活性剤C 5g/l 2-アミノベンゾチアゾール 4g/l カテコール 2g/l
【0041】(注) 低発泡性非イオン界面活性剤A: プルロニックL−64(旭電化工業株式会社) ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共
重合体型 低発泡性非イオン界面活性剤B: アデカカーポールGH−200(旭電化工業株式会社) オキシエチレン/オキシプロピレンランダム共重合体鎖
を有する 低発泡性非イオン界面活性剤C: アデカカーポールMH−150(旭電化工業株式会社) オキシエチレン/オキシプロピレンランダム共重合体鎖
を有する
【0042】
【表2】 剥離速度 剥離外観 析出性 発泡性 スラッジ 総合評価 比較例1 A A × ○ × 2 比較例2 A A ○ × × 3 比較例3 A A △ ○ × 2 比較例4 A A × ○ × 2 比較例5 A A × ○ ○ 2 比較例6 B C ○ ○ ○ 1 比較例7 E C ○ ○ ○ 1 実施例1 A A ○ ○ × 3 実施例2 A A ○ ○ ○ 4 実施例3 A A ○ ○ ○ 4 実施例4 A A ○ ○ ○ 4 実施例5 A A ○ ○ ○ 4 実施例6 A A ○ ○ ○ 4 実施例7 A A ○ ○ ○ 4 実施例8 A B ○ ○ ○ 3
【0043】
【発明の効果】上述のように、スルホン酸浴に非イオン
界面活性剤と一般式・化1の含窒素複素環式化合物とを
添加した本発明の電解剥離液は、メッキ皮膜の剥離に使
用するときわめて優れた剥離性能を示す。しかも、非イ
オン界面活性剤として低発泡性のものを用いても陰極に
おける金属の析出が悪化せず、剥落のおそれのない平滑
な析出になるから、泡立ちや剥落金属皮膜の浮遊による
トラブルのない浴による安定した操業を長期間継続する
ことを可能にする。
【0044】含窒素複素環式化合物に加えてジヒドロキ
シベンゼン類を添加した場合はさらに浴中の金属イオン
の溶存酸素による酸化が防止され、不溶性酸化物からな
るスラッジの生成が防止されるから、工程管理と保守作
業が一層容易になる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質としてアルカンスルホン酸、アル
    カノールスルホン酸、およびアリールスルホン酸からな
    る群から選ばれたスルホン酸類またはその塩を含有し助
    剤として非イオン界面活性剤を含有する、鉄製品表面の
    スズまたはスズ合金からなる皮膜を電解剥離するための
    電解液において、該電解液がさらに下記一般式・化1で
    示される含窒素複素環式化合物1種以上を含有すること
    を特徴とする電解剥離用電解液。 【化1】 (式中、Rは−NH−または−S−を表す。環は、炭素
    原子の位置における置換基として炭素原子数1〜6のア
    ルキル基もしくはアルコキシ基、水酸基、メルカプト
    基、アミノ基またはニトロ基を有していてもよい。)
  2. 【請求項2】 電解質としてアルカンスルホン酸、アル
    カノールスルホン酸、およびアリールスルホン酸からな
    る群から選ばれたスルホン酸類またはその塩を含有し助
    剤として非イオン界面活性剤を含有する、鉄製品表面の
    スズまたはスズ合金からなる皮膜を電解剥離するための
    電解液において、該電解液がさらに下記一般式・化1で
    示される含窒素複素環式化合物1種以上およびジヒドロ
    キシベンゼン類を含有することを特徴とする電解剥離用
    電解液。 【化1】 (式中、Rは−NH−または−S−を表す。環は、炭素
    原子の位置における置換基として炭素原子数1〜6のア
    ルキル基もしくはアルコキシ基、水酸基、メルカプト
    基、アミノ基またはニトロ基を有していてもよい。)
  3. 【請求項3】 助剤として含有する非イオン界面活性剤
    が低発泡性のものである請求項1または請求項2に記載
    の電解液。
  4. 【請求項4】 スズまたはスズ合金からなる皮膜を表面
    に有する鉄製品を請求項1〜3のいずれかに記載の電解
    液に浸漬し、該鉄製品を陽極にして定電圧で電解するこ
    とを特徴とする鉄製品表面のスズまたはスズ合金からな
    る皮膜を剥離する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0993513A4 (en) * 1997-06-30 2001-04-04 Candescent Tech Corp ELECTROCHEMICAL ASSISTED BY IMPEDANCE AND ELECTROCHEMICAL PROCESS FOR REMOVING A MATERIAL, IN PARTICULAR AN EXCESS GENERATING MATERIAL, IN AN ELECTRON-EMITTING DEVICE
JP2002212800A (ja) * 2001-01-10 2002-07-31 Ebara Udylite Kk スズ合金めっき皮膜の電解剥離方法
JP2020015967A (ja) * 2018-07-27 2020-01-30 三菱マテリアル株式会社 剥離液

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