JP2020015565A - 給紙装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】給紙リトライが頻繁に行われることによる生産性の低下を抑制する。【解決手段】給紙装置の制御部は、調整処理を行うとき、直近の所定期間に測定した到達所要時間に対応付けられた重さ属性を認識するとともに、重さ属性ごとに直近の所定期間に測定した到達所要時間の平均時間から理論時間を引いた差分時間を算出し、対応する差分時間が閾値よりも短い重さ属性のリトライ時間をデフォルト時間に設定する一方、対応する差分時間が閾値以上の重さ属性のリトライ時間をデフォルト時間よりも長い時間に設定する。【選択図】図5
Description
本発明は、用紙搬送路に用紙を給紙する給紙装置および画像形成装置に関する。
従来、用紙搬送路に沿って用紙を搬送し、搬送中の用紙に画像を印刷する画像形成装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。このような画像形成装置には、給紙装置が設けられる。給紙装置は、用紙搬送路に用紙を給紙する。
特許文献1の給紙装置は、用紙カセットや給紙ローラーなどを含む。用紙カセットは、印刷に用いる用紙を収容する。給紙ローラーは、用紙に当接した状態で回転することにより、用紙カセットから用紙搬送路に用紙を給紙する。
給紙装置は、用紙搬送路の予め定められた検知位置における用紙の有無に応じて出力を変化させる給紙センサーを備える。給紙センサーは、用紙搬送路のうち給紙ローラーの近傍(給紙ローラーの用紙搬送方向下流側)の位置を検知位置とする。
このような給紙センサーを設けることにより、用紙搬送路に給紙した用紙の先端が給紙センサーの検知位置に到達したか否かを検知することができる。すなわち、用紙搬送路に用紙を給紙して以降の用紙の状態を検知することができる。
用紙搬送路に給紙された用紙の状態を検知するため、通常ではリトライ時間が予め設定される。用紙搬送路への用紙の給紙開始から用紙の先端が給紙センサーの検知位置に到達するまでの理論時間にマージンを持たせた時間がリトライ時間となる。
用紙搬送路に給紙した用紙が正常に搬送されている場合、給紙ローラーによる用紙の給紙開始からリトライ時間が経過するまでに用紙の先端が給紙センサーの検知位置に到達する。一方で、たとえば、給紙ローラーの経時劣化により給紙ローラーが用紙に対してスリップし易い状態になっていると、用紙の進行が遅くなるので、給紙ローラーによる用紙の給紙開始からリトライ時間が経過しても用紙の先端が給紙センサーの検知位置に到達しない。
従来では、給紙ローラーによる用紙の給紙開始(給紙ローラーの回転開始)からリトライ時間が経過しても用紙の先端が給紙センサーの検知位置に到達しなかったとき、給紙ローラーの回転を一旦停止し再度回転する給紙リトライが行われる。用紙搬送路で用紙が引っ掛かるなどしていなければ、給紙リトライが行われることにより、用紙の先端が給紙センサーの検知位置に到達する。
しかし、給紙リトライが行われるときには用紙の給送が一旦停止される。すなわち、給紙リトライが行われると生産性が低下する。給紙リトライが頻繁に行われた場合には生産性が大幅に低下するので、ユーザーに不利益が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、給紙リトライが頻繁に行われることによる生産性の低下を抑制することが可能な給紙装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の局面による給紙装置は、用紙を搬送するための用紙搬送路と、用紙が収容される用紙カセットと、用紙に当接した状態で回転する給紙動作を行うことにより、用紙カセットから用紙搬送路に用紙を給紙する回転体と、用紙搬送路の予め定められた位置を検知位置とし、検知位置における用紙の先端到達を検知する給紙センサーと、回転体による給紙動作の開始から検知位置に用紙の先端が到達するまでの理論時間を記憶するとともに、リトライ時間を記憶する記憶部と、回転体に給紙動作を行わせ、給紙動作の開始からリトライ時間が経過しても、給紙センサーが用紙の先端到達を検知しなかったとき、給紙動作を一旦停止してから再度回転するリトライ動作を回転体に行わせるとともに、回転体に給紙動作を1回行わせるごとに、給紙動作の開始から検知位置に用紙の先端が到達するまでにかかった到達所要時間を測定する測定処理を行い、到達所要時間を記憶部に記憶させる制御部と、を備える。用紙の重さ属性は複数種ある。記憶部は、重さ属性ごとにリトライ時間を記憶する。制御部は、測定処理を行うとき、今回の測定処理で到達所要時間を測定する用紙の重さ属性を認識し、当該認識した重さ属性を今回の測定処理で測定した到達所要時間に対応付けて記憶部に記憶させる。制御部は、リトライ時間を調整する調整処理を行うとき、直近の所定期間に測定した到達所要時間に対応付けられた重さ属性を認識するとともに、重さ属性ごとに直近の所定期間に測定した到達所要時間の平均時間から理論時間を引いた差分時間を算出し、対応する差分時間が予め定められた閾値よりも短い重さ属性のリトライ時間を予め定められたデフォルト時間に設定する一方、対応する差分時間が閾値以上の重さ属性のリトライ時間をデフォルト時間よりも長い時間に設定する。
本発明の第2の局面による画像形成装置は、上記給紙装置を備え、給紙装置により用紙搬送路に給紙された用紙に画像を印刷する。
本発明の構成では、給紙リトライが頻繁に行われることによる生産性の低下を抑制することができる。
<画像形成装置の構成>
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、制御部1および記憶部2を備える。制御部1は、CPUを含む。制御部1は、制御用のプログラムおよびデータに基づき、画像形成装置100の各部を制御するための処理を行う。記憶部2は、ROMおよびRAMを含む。記憶部2は、制御用のプログラムおよびデータを記憶する。記憶部2は、制御部1に接続される。制御部1は、記憶部2からの情報の読み出しおよび記憶部2への情報の書き込みを行う。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、制御部1および記憶部2を備える。制御部1は、CPUを含む。制御部1は、制御用のプログラムおよびデータに基づき、画像形成装置100の各部を制御するための処理を行う。記憶部2は、ROMおよびRAMを含む。記憶部2は、制御用のプログラムおよびデータを記憶する。記憶部2は、制御部1に接続される。制御部1は、記憶部2からの情報の読み出しおよび記憶部2への情報の書き込みを行う。
また、画像形成装置100は、画像読取部3および印刷部4を備える。画像読取部3および印刷部4は、制御部1に接続される。制御部1は、画像読取部3の読取動作を制御するとともに、印刷部4の印刷動作を制御する。
画像読取部3は、原稿を光学的に読み取る光学系部材(図示せず)を備える。光学系部材は、光源およびイメージセンサーを含む。光源は、原稿に光を照射する。イメージセンサーは、原稿で反射された反射光を受光して光電変換する。
印刷部4は、印刷ジョブの実行時、用紙P(図2参照)を搬送するとともに、印刷すべき画像を形成し、搬送中の用紙Pに画像を印刷する。たとえば、印刷部4は、画像読取部3による原稿の読み取りで得られた画像データに基づき印刷を行う。
印刷部4は、図2に示すように、用紙搬送路10(破線矢印で示す)を備える。また、印刷部4は、給紙部41を備える。給紙部41は、用紙搬送路10に用紙Pを給紙する。
給紙部41は、図3に示すように、給紙用の回転体410を含む。回転体410はローラーである。回転体410の設置数は特に限定されない。図3に示す回転体410(411)はピックアップローラーである。
給紙部41により用紙搬送路10に給紙される用紙Pは、用紙カセットCAに収容される。用紙カセットCAは、画像形成装置100に対して着脱可能である。用紙カセットCAに収容された用紙Pは、リフト板LPに載置される。
用紙カセットCAに用紙Pを収容する収容作業は、ユーザーにより行われる。ユーザーは収容作業を行うとき、画像形成装置100から用紙カセットCAを引き出し、用紙カセットCAに用紙Pを収容してから、画像形成装置100に用紙カセットCAを装着する。
回転体410は、用紙Pに当接した状態で回転する給紙動作を行うことにより、用紙カセットCAから用紙搬送路10に用紙Pを給紙する。回転体410としてのピックアップローラー411は、用紙カセットCAに収容された用紙Pの上方に配置される。ピックアップローラー411は、用紙搬送路10への用紙Pの給紙時、用紙カセットCAの用紙Pに上方から当接し、その状態で回転する(給紙動作を行う)。
ピックアップローラー411が用紙Pに当接した状態で回転する(給紙動作を行う)ことにより、用紙カセットCAから用紙Pが引き出され、用紙搬送路10に用紙Pが給紙される。なお、用紙搬送路10に用紙Pが給紙されることによって用紙カセットCAの用紙Pが減ると、リフト板LPが上昇する。したがって、用紙カセットCAの用紙Pに対してピックアップローラー411が当接した状態を維持することができる。
図示しないが、ピックアップローラー411よりも用紙搬送方向下流側に設置されたローラー対を給紙用の回転体410として給紙部41に含めてもよい。当該ローラー対は、分離ローラー対と称され、ピックアップローラー411により用紙カセットCAから引き出された用紙Pを1枚ずつに分離する。
また、給紙部41は、給紙モーターFMを含む。給紙モーターFMは、回転体410に動力を伝達し、回転体410を回転させる。給紙モーターFMは、給紙クラッチCLを介して回転体410に連結される。給紙クラッチCLがオンすることにより、給紙モーターFMから回転体410に動力が伝達される。一方で、給紙クラッチCLがオフすることにより、回転体410がフリー状態になる。
なお、用紙カセットCAは、画像形成装置100に複数装着される。複数の用紙カセットCAの装着位置は互いに異なる。複数の用紙カセットCAを画像形成装置100に装着すると、複数の用紙カセットCAが画像形成装置100の上下方向に積層された状態となる。複数の用紙カセットCAの装着スペースには、それぞれ、給紙口FPが設けられる。用紙搬送路10は、複数の給紙口FPのそれぞれに繋げられる。以下、最上段の用紙カセットCAに符号CA1を付し、上から2段目の用紙カセットCAに符号CA2を付し、上から3段目の用紙カセットCAに符号CA3を付し、最下段の用紙カセットCAに符号CA4を付して説明する場合がある。
給紙部41(回転体410)は、複数の用紙カセットCAにそれぞれ割り当てられる。給紙モーターFMについては設置数を1つとし、当該1つの給紙モーターFMを複数の給紙部41の各給紙クラッチCLに接続してもよい。複数の給紙部41で1つの給紙モーターFMを共用する場合であっても、印刷ジョブでは使用しない用紙カセットCAに対応する給紙部41の給紙クラッチCLをオフ状態に維持しておくことにより、印刷ジョブで使用する用紙カセットCAに収容された用紙Pだけを用紙搬送路10に給紙することができる。
給紙モーターFMおよび給紙クラッチCLは、制御部1に接続される。制御部1は、給紙モーターFMの駆動を制御する。また、制御部1は、給紙クラッチCLのオンオフを制御する。制御部1は、給紙モーターFMおよび給紙クラッチCLの各制御を行うことにより、回転体410を適切に回転させる。すなわち、制御部1は、回転体410に給紙動作を行わせたり、回転体410による給紙動作を停止させたりする。
図2に戻り、用紙搬送路10に給紙された用紙Pは、用紙搬送路10に沿って搬送される。用紙搬送路10に沿って用紙Pを搬送するため、用紙搬送路10には搬送ローラー対42が設けられる。図2では、用紙搬送路10における搬送ローラー対42の設置数を3つとしているが、搬送ローラー対42の設置数は特に限定されず、用紙Pの搬送経路の長さなどに応じて変更可能である。搬送ローラー対42の設置位置も用紙Pの搬送経路の長さなどに応じて変更可能である。
また、印刷部4は、転写ローラー対43を備える。転写ローラー対43は、感光体ドラムおよび転写ローラーを含む。感光体ドラムは、その周面上にトナー像を担持する。転写ローラーは、感光体ドラムに圧接し、感光体ドラムとの間で転写ニップを形成する。
用紙搬送路10に給紙された用紙Pは、転写ローラー対43に向けて搬送され、転写ニップに進入する。転写ローラー対43は、転写ニップに進入した用紙Pを搬送しつつ、用紙Pにトナー像を転写する。
図示しないが、印刷部4は、帯電装置、露光装置および現像装置を備える。これら装置と転写ローラー対43とにより、用紙Pに転写するトナー像を形成するための画像形成部が構成される。帯電装置は、感光体ドラムの周面を帯電させる。露光装置は、感光体ドラムの周面上に静電潜像を形成する。現像装置は、感光体ドラムの周面上の静電潜像をトナー像に現像する。
また、印刷部4は、定着ローラー対44を備える。定着ローラー対44は、定着ローラーおよび加圧ローラーを含む。定着ローラーは、ヒーター(図示せず)を内蔵する。加圧ローラーは、定着ローラーに圧接し、定着ローラーとの間で定着ニップを形成する。
転写済みの用紙Pは、定着ローラー対44に向けて搬送され、定着ニップに進入する。定着ローラー対44は、定着ニップに進入した用紙Pを搬送しつつ、用紙Pを加熱および加圧する。これにより、用紙Pにトナー像が定着される。定着済みの用紙Pは、排出トレイETに向けて搬送され、最終的に排出トレイETに排出される。
また、図1に示すように、画像形成装置100は、操作パネル5を備える。操作パネル5は、タッチスクリーンおよびハードウェアボタンを含む。タッチスクリーンは、ソフトウェアボタンを配した画面を表示し、タッチ操作をユーザーから受け付ける。ハードウェアボタンは、操作パネル5に複数設けられる。ハードウェアボタンとしては、印刷ジョブの実行要求をユーザーから受け付けるためのスタートボタンなどがある。
画像読取部3による原稿の読み取りを伴う印刷ジョブ(コピージョブ)では、操作パネル5がユーザーから印刷ジョブの実行要求を受け付ける。操作パネル5は、印刷ジョブの実行要求を受け付けるとき、ユーザー指定の用紙カセットCA(印刷ジョブで使用する用紙Pが収容された用紙カセットCA)の設定を受け付ける。操作パネル5が印刷ジョブの実行要求を受け付けると(スタートボタンが操作されると)、制御部1は、画像読取部3に原稿の読み取りを行わせる。そして、制御部1は、画像読取部3による原稿の読み取りで得られた読取データに基づき画像データを生成し、当該生成した画像データに基づく印刷を印刷部4に行わせる。
なお、操作パネル5は、複数の用紙カセットCAのそれぞれごとに、用紙カセットCAに現在収容されている用紙Pの重さ属性の入力をユーザーから受け付ける。ユーザーは収容作業を行うと、収容作業で収容した用紙Pの重さ属性を操作パネル5に入力する。操作パネル5に入力された重さ属性は記憶部2に記憶される。記憶部2は、複数の用紙カセットCAのそれぞれごとに、用紙カセットCAに現在収容されている用紙Pの重さ属性を記憶する。たとえば、重さ属性として、第1属性(軽い)、第2属性(普通)および第3属性(重い)の3種類がある。
また、画像形成装置100は、通信部6を備える。通信部6は、画像形成装置100をLANなどの通信ネットワークCNに接続するためのインターフェースである。通信部6は、通信用回路、通信用メモリーおよび通信用コネクターを含む。
通信部6は、制御部1に接続される。制御部1は、通信部6を用いて、通信ネットワークCNに接続されたユーザー端末200と通信する。ユーザー端末200は、画像形成装置100のユーザーにより使用される。ユーザー端末200は、たとえば、パーソナルコンピューターである。
画像形成装置100がプリンターとして使用される場合、ユーザー端末200から画像形成装置100に対して、PDL(ページ記述言語)データなどのジョブデータが送信される。ジョブデータには、ユーザー指定の用紙カセットCA(印刷ジョブで使用する用紙Pが収容された用紙カセットCA)を示す情報が含まれる。制御部1は、通信部6がジョブデータを受信すると、ユーザーから印刷ジョブの実行要求を受け付けたと判断する。制御部1は、通信部6がジョブデータを受信すると、ジョブデータに基づき画像データを生成し、当該生成した画像データに基づく印刷を印刷部4に行わせる。
ここで、制御部1は、用紙搬送路10における用紙Pの給送状態(用紙搬送路10への用紙Pの給紙状態や用紙搬送路10に給紙された用紙Pの搬送状態)を判断する処理を行う。当該処理を制御部1に行わせるため、画像形成装置100には給紙センサー40が設置され、制御部1に接続される。
給紙センサー40は、図3に示すような位置DP(用紙搬送路10の予め定められた位置)を検知位置とする。給紙センサー40は、検知位置DPにおける用紙Pの先端到達を検知する。また、給紙センサー40は、検知位置DPにおける用紙Pの後端通過を検知する。
給紙センサー40は、発光部と受光部とを有する透過型光センサーである。給紙センサー40は、アクチュエーター(図示せず)を検知対象とする。アクチュエーターは、用紙搬送路10の内側に突出するよう回動可能に支持される。アクチュエーターは、検知位置DPに用紙Pの先端が到達すると用紙Pに押されて一方側に回動し、発光部と受光部との間の光路(検知領域)を遮蔽または開放する。一方で、アクチュエーターは、検知位置DPを用紙Pの後端が通過すると一方側とは逆の他方側に回動して元の位置に戻り、発光部と受光部との間の光路(検知領域)を開放または遮蔽する。
これにより、検知位置DPに用紙Pが無いときには、給紙センサー40からは第1レベル(HレベルおよびLレベルの一方)の信号が出力される。検知位置DPに用紙Pが有るときには、給紙センサー40からは第2レベル(HレベルおよびLレベルの他方)の信号が出力される。検知位置DPに用紙Pの先端が到達すると、給紙センサー40の出力が第1レベルから第2レベルに変化する。検知位置DPを用紙Pの後端が通過すると、給紙センサー40の出力が第2レベルから第1レベルに変化する。
制御部1は、給紙センサー40の出力に基づき、用紙搬送路10での用紙Pの給送状態を判断する。制御部1は、給紙センサー40の出力が第1レベルから第2レベルに変化すると、給紙センサー40が用紙Pの先端到達を検知した(検知位置DPに用紙Pの先端が到達した)と判断する。
用紙搬送路10には、図示しないが、給紙センサー40の他に、対応する検知位置での用紙Pの有無に応じて出力を変化させるセンサーが複数設置される。給紙センサー40を含む複数のセンサーの各検知位置のうち、用紙搬送路10に給紙された用紙Pの先端が最初に到達する検知位置が給紙センサー40の検知位置DPに設定される。
画像形成装置100に用紙カセットCAが複数装着される場合、用紙カセットCAの装着数と同数の給紙センサー40が画像形成装置100に設置される。すなわち、複数の用紙カセットCAにそれぞれ対応する複数の給紙センサー40が画像形成装置100に設置される。
また、給紙センサー40が画像形成装置100に複数設置されるので、検知位置DPも複数となる。たとえば、給紙口FPから検知位置DPまでの用紙Pの搬経経路(実線矢印で示す)の長さLは全て同じである。ただし、複数の搬送経路の長さLが互いに異なっていてもよい。また、複数の搬送経路のうち、或る搬送経路の長さLだけが他の搬送経路の長さLと異なっていてよい。
なお、画像形成装置100は、給紙装置を備えると言える。画像形成装置100の給紙装置は、用紙カセットCA、制御部1、記憶部2、用紙搬送路10、給紙センサー40および給紙部41(回転体410)によって構成される。
<給紙のリトライ>
記憶部2は、用紙カセットCAごとに、リトライ時間を示すリトライ時間情報400(図4参照)を記憶する。画像形成装置100に同時に装着可能な用紙カセットCAの段数が複数である場合には、記憶部2には複数のリトライ時間情報400が記憶される。複数のリトライ時間情報400は、それぞれ、重さ属性ごとにさらに分類される。
記憶部2は、用紙カセットCAごとに、リトライ時間を示すリトライ時間情報400(図4参照)を記憶する。画像形成装置100に同時に装着可能な用紙カセットCAの段数が複数である場合には、記憶部2には複数のリトライ時間情報400が記憶される。複数のリトライ時間情報400は、それぞれ、重さ属性ごとにさらに分類される。
リトライ時間は、回転体410による給紙動作の開始から、当該給紙動作により用紙搬送路10に給紙される用紙Pの先端が検知位置DPに到達するまでの理論時間よりも長い時間である。言い換えると、理論時間にマージンを持たせた時間がリトライ時間となる。理論時間は、給紙口FPから検知位置DPまでの用紙Pの搬送経路の長さLと用紙Pの搬送速度とに基づき求めることができる。理論時間は、予め記憶部2に記憶される。初期設定(画像形成装置100の出荷時)では、リトライ時間は予め定められたデフォルト時間に設定される。
リトライ時間情報400の概念図を図4に示す。図4において、リトライ時間情報401は用紙カセットCA1に対応し、リトライ時間情報402は用紙カセットCA2に対応し、リトライ時間情報403は用紙カセットCA3に対応し、リトライ時間情報404は用紙カセットCA4に対応する。
また、図4において、T11、T12およびT13は、それぞれ、リトライ時間情報401の第1属性、第2属性および第3属性の各リトライ時間(ms)を示す。T21、T22およびT23は、それぞれ、リトライ時間情報402の第1属性、第2属性および第3属性の各リトライ時間(ms)を示す。T31、T32およびT33は、それぞれ、リトライ時間情報403の第1属性、第2属性および第3属性の各リトライ時間(ms)を示す。T41、T42およびT43は、それぞれ、リトライ時間情報404の第1属性、第2属性および第3属性の各リトライ時間(ms)を示す。なお、図4に示す例では、全てのリトライ時間がデフォルト時間(図4では、デフォルト時間をTdで示す)に設定されているとする。
制御部1は、印刷ジョブの実行要求を受け付けたとき、ユーザー指定の用紙カセットCAを認識し、印刷部4に印刷を行わせる。このとき、制御部1は、ユーザー指定の用紙カセットCAに対応する給紙部41の給紙クラッチCL(以下、対象給紙クラッチCLと称する)をオンするとともに、ユーザー指定の用紙カセットCAに対応する給紙部41の給紙モーターFM(以下、対象給紙モーターFMと称する)を駆動する。
これにより、ユーザー指定の用紙カセットCAに対応する給紙部41の回転体410(以下、対象回転体410と称する)が回転する。すなわち、制御部1は、対象回転体410に給紙動作を行わせる。対象回転体410が給紙動作を行うと、ユーザー指定の用紙カセットCAから用紙搬送路10に用紙Pが給紙される。用紙搬送路10に給紙された用紙Pは、用紙搬送路10に沿って搬送される。用紙搬送路10に給紙された用紙Pにジャムが発生しなければ、当該用紙Pの先端はユーザー指定の用紙カセットCAに対応する検知位置DP(以下、対象検知位置DPと称する)に到達する。これにより、ユーザー指定の用紙カセットCAに対応する給紙センサー40(以下、対象給紙センサー40と称する)が用紙Pの先端到達を検知する。
ここで、制御部1は、印刷ジョブの実行要求を受け付けると、ユーザー指定の用紙カセットCAに現在収容されている用紙Pの重さ属性に対応するリトライ時間を対象リトライ時間として認識する。図4に示す例において、ユーザー指定の用紙カセットCAが用紙カセットCA1であり、用紙カセットCA1に現在収容されている用紙Pの重さ属性が第2属性であるとする。この場合には、T12はTdに設定されているので、対象リトライ時間がデフォルト時間であると制御部1が認識する。
制御部1は、対象回転体410に給紙動作を開始させると、計時を開始する。そして、制御部1は、対象回転体410による給紙動作の開始から対象リトライ時間が経過するまでに対象給紙センサー40が用紙Pの先端到達を検知したか否かを判断する。
給紙動作の開始から対象リトライ時間が経過するまでに対象給紙センサー40が用紙Pの先端到達を検知した場合、制御部1は、用紙Pの給送をそのまま継続させる。一方で、給紙動作の開始から対象リトライ時間が経過しても対象給紙センサー40が用紙Pの先端到達を検知しなかった場合、制御部1は、リトライ条件が満たされたと判断する。
制御部1は、対象回転体410による給紙動作の開始から対象給紙センサー40が用紙Pの先端到達を検知することなく対象リトライ時間が経過したとき(リトライ条件が満たされたとき)、対象回転体410にリトライ動作を行わせる。対象回転体410は、給紙動作(回転)を一旦停止し、再度回転する動作をリトライ動作として行う。すなわち、制御部1は、リトライ条件が満たされたとき、対象給紙クラッチCLをオフし、対象回転体410と対象給紙モーターFMとの連結を解除する(対象回転体410をフリー状態にする)。その後、制御部1は、対象給紙クラッチCLをオンし、対象回転体410を再度回転させる。
制御部は、対象回転体410にリトライ動作を行わせるために対象クラッチCLをオンすると、計時を開始する。そして、リトライ動作の開始から対象リトライ時間が経過するまでに対象給紙センサー40が用紙Pの先端到達を検知した場合、制御部1は、用紙Pの給送をそのまま継続させる。一方で、リトライ動作の開始から対象リトライ時間が経過しても対象給紙センサー40が用紙Pの先端到達を検知しなかった場合、制御部1は、ジャムが発生したと判断し、用紙Pの給送を停止させる。
制御部1は、ジャムが発生したと判断した場合、ジャムが発生した旨のエラーメッセージを操作パネル5に表示させる。操作パネル5にエラーメッセージが表示されることにより、用紙搬送路10からジャムした用紙Pを取り除くジャム処理作業がユーザーによって行われる。
なお、1枚分の用紙Pの給紙に対して複数回のリトライ動作が行われてもよい。この場合、制御部1は、リトライ動作の実行回数が予め定められた上限回数に達しても対象給紙センサー40が用紙Pの先端到達を検知しなければ、ジャムが発生したと判断する。
<リトライ時間の調整>
制御部1は、回転体410に給紙動作(リトライ動作は含まない)を1回行わせるごとに、給紙動作の開始から検知位置DPに用紙Pの先端が到達するまでにかかった時間である到達所要時間を測定する測定処理を行う。制御部1による測定処理は、1枚分の用紙Pの給紙に対して1回行われる。
制御部1は、回転体410に給紙動作(リトライ動作は含まない)を1回行わせるごとに、給紙動作の開始から検知位置DPに用紙Pの先端が到達するまでにかかった時間である到達所要時間を測定する測定処理を行う。制御部1による測定処理は、1枚分の用紙Pの給紙に対して1回行われる。
制御部1は、測定処理を行うとき、今回の測定処理で到達所要時間を測定する用紙Pが収容されている用紙カセットCAのカセット識別子を認識するとともに、今回の測定処理で到達所要時間を測定する用紙Pの重さ属性を認識する。そして、制御部1は、測定処理を1回行うごとに、測定処理で測定した到達所要時間を記憶部2に記憶させる。制御部1は、到達所要時間を記憶部2に記憶させるとき、今回の測定処理前に認識したカセット識別子および重さ属性を到達所要時間に対応付ける。さらに、制御部1は、測定処理の測定日時(印刷ジョブの実行日時でもよい)を到達所要時間に対応付ける。すなわち、記憶部2は、制御部1が測定処理を1回行うごとに、カセット識別子、重さ属性および測定日時を対応付けた到達所要時間を記憶する。
制御部1は、測定処理で測定した到達所要時間に基づき、複数の用紙カセットCAにそれぞれ対応する複数のリトライ時間情報400(重さ属性ごとのリトライ時間)を調整する調整処理を行う。制御部1による調整処理は、用紙カセットCAごとおよび重さ属性ごとに行われる。
制御部1は、予め定められた調整タイミングになったと判断すると、調整処理を行う。たとえば、操作パネル5がユーザーから調整処理の実行指示を受け付けたとき、制御部1による調整処理が行われてもよい。また、一定期間(1ヶ月〜数ヶ月)ごとに、制御部1による調整処理が自動的に行われてもよい。
以下に、図5に示すフローチャートを参照し、制御部1により行われる調整処理の流れについて説明する。図5に示すフローチャートのスタートは、調整タイミングになったと制御部1が判断したときにスタートする。
ステップS1において、制御部1は、複数の用紙カセットCA(用紙カセットCA1〜CA4)のうち1つを選択する。以下の説明では、ステップS1の処理で制御部1により選択された用紙カセットCAを選択用紙カセットCAと称する。
ステップS2において、制御部1は、複数種の重さ属性(第1〜第3属性)のうち1つを選択する。以下の説明では、ステップS2の処理で制御部1により選択された重さ属性を選択重さ属性と称する。
ステップS3において、制御部1は、直近の所定期間に測定した到達所要時間のうち、選択用紙カセットCAの識別子に対応付けられ、かつ、選択重さ属性に対応付けられた到達所要時間を抽出する。たとえば、所定期間は1ヶ月に設定される。所定期間の変更をユーザーが行えてもよい。所定期間の変更は操作パネル5がユーザーから受け付ける。
ステップS4において、制御部1は、ステップS3で抽出した到達所要時間の平均時間を算出するとともに、当該算出した平均時間から理論時間を引いた差分時間を算出する。制御部1は、ここで算出した差分時間を選択重さ属性に対応する属性別差分時間として認識する。
ステップS5において、制御部1は、属性別差分時間(選択重さ属性に対応する差分時間)に基づき、選択用紙カセットCAのリトライ時間情報400(図4参照)で示される複数のリトライ時間(重さ属性ごとのリトライ時間)のうち選択重さ属性に対応するリトライ時間を調整する。このとき、制御部1は、選択重さ属性に対応する属性別差分時間が予め定められた閾値よりも短いか否かを判断する。そして、属性別差分時間が閾値よりも短い場合、制御部1は、選択重さ属性に対応するリトライ時間をデフォルト時間に設定する。一方で、属性別差分時間が閾値以上である場合、制御部1は、選択重さ属性に対応するリトライ時間をデフォルト時間よりも長い時間に設定する。詳細は後述する。
ステップS5の処理後、ステップS6に移行する。ステップS6に移行すると、制御部1は、選択用紙カセットCAのリトライ時間情報400で示される複数のリトライ時間(重さ属性ごとのリトライ時間)のうち、未だ調整処理を行っていない未処理のリトライ時間が存在するか否かを判断する。その結果、未処理のリトライ時間が存在すると制御部1が判断した場合には、ステップS2に移行し、未処理のリトライ時間が存在しないと制御部1が判断した場合には、ステップS7に移行する。
ステップS2に移行した場合、制御部1は、選択用紙カセットCAのリトライ時間情報400で示される複数種の重さ属性のうち、対応するリトライ時間に対する調整処理を未だ行っていない重さ属性を1つ選択する(当該重さ属性が新たな選択重さ属性となる)。その後、制御部1は、ステップS3〜S6の各処理を行う。
ステップS7に移行した場合、制御部1は、調整処理を未だ行っていない未処理のリセット時間情報400が存在するか否かを判断する。その結果、未処理のリセット時間情報400が存在すると制御部1が判断した場合には、ステップS1に移行し、未処理のリセット時間情報400が存在しないと制御部1が判断した場合には、本フローは終了する。
ステップS1に移行した場合、制御部1は、複数の用紙カセットCAのうち、対応するリトライ時間情報400に対する調整処理を未だ行っていない用紙カセットCAを1つ選択する(当該用紙カセットCAが新たな選択用紙カセットCAとなる)。その後、制御部1は、ステップS2〜S7の各処理を行う。
以下に、図5に示したフローチャートのステップS5の処理について詳細に説明する。以下の説明では、制御部1が差分時間(属性別差分時間)を算出したところ、図6に示すような結果が得られたとする。また、以下の説明では、理論時間が1000msであり、リトライ時間をデフォルト時間に設定するかデフォルト時間よりも長い時間に設定するかの判断基準となる閾値が100msであるとする。さらに、調整処理前の時点では、全てのリトライ時間がデフォルト時間に設定されているとする。
図6に示す例では、用紙カセットCA2の複数種の重さ属性にそれぞれ対応する複数の属性別差分時間のうち、第2属性の属性別差分時間(200ms)および第3属性の属性別差分時間(400ms)が閾値(100ms)以上となっている。また、用紙カセットCA4の複数種の重さ属性にそれぞれ対応する複数の属性別差分時間のうち、第2属性の属性別差分時間(100ms)および第3属性の属性別差分時間(420ms)が閾値(100ms)以上となっている。一方で、他の属性別差分時間は閾値よりも短い。
そこで、制御部1は、用紙カセットCA2の第2属性および第3属性の各リトライ時間をデフォルト時間よりも長い時間に設定する。また、制御部1は、用紙カセットCA4の第2属性および第3属性の各リトライ時間をデフォルト時間よりも長い時間に設定する。
たとえば、制御部1は、デフォルト時間に予め定められた延長時間(たとえば、200ms)を加算した時間を調整処理後のリトライ時間として算出する。これにより、用紙カセットCA2およびCA4の各リトライ時間情報400は、図7左図に示す状態から図7右図に示す状態に変更される。すなわち、用紙カセットCA2の第2属性および第3属性の各リトライ時間T22およびT23がデフォルト時間よりも長い時間(Td+Te)になる。また、用紙カセットCA4の第2属性および第3属性の各リトライ時間T42およびT43がデフォルト時間よりも長い時間(Td+Te)になる。図7において、Tdはデフォルト時間を示し、Teは延長時間を示す。
なお、制御部1は、閾値以上の属性別差分時間が予め定められた上限時間(閾値よりも長い時間)よりも長いか否かを判断し、当該属性別差分時間が上限時間よりも長ければ、当該属性別差分時間に対応する重さ属性のリトライ時間をデフォルト時間に設定する(リトライ時間を長くしない)。
たとえば、上限時間が400msであるとする。この場合、図6に示す例では、用紙カセットCA4の第3属性の属性別差分時間が上限時間よりも長くなるので、用紙カセットCA4の第3属性のリトライ時間がデフォルト時間に設定されることになる。
ここで、延長時間の補正が行われてもよい。延長時間の補正は制御部1が行う。以下、制御部1により行われる延長時間の補正を時間補正処理と称する。
制御部1は、時間補正処理を行うため、複数の用紙カセットCAのそれぞれについて、重さ属性ごとに、回転体410によるリトライ動作の実行履歴を記憶部2に記憶させる。そして、調整タイミングになったとき、制御部1は、複数の用紙カセットCAのそれぞれについて、重さ属性ごとに、リトライ動作の実行履歴に基づきリトライ動作の実行頻度(以下、リトライ頻度と称する)を算出する。直近の所定期間における給紙枚数を直近の所定期間におけるリトライ動作の実行回数で除した値がリトライ頻度として算出される。
制御部1は、複数の用紙カセットCAのそれぞれごとに、対応するリトライ時間をデフォルト時間よりも長くする重さ属性を対象重さ属性と認識し、対象重さ属性に対応するリトライ頻度を認識する。そして、制御部1は、対象重さ属性に対応するリトライ頻度が高いほど、対象重さ属性のリトライ時間に加算する延長時間を長くする。すなわち、制御部1は、対象重さ属性に対応するリトライ頻度が高いほど、対処重さ属性のリトライ時間を長くする。
特に限定されないが、制御部1は、延長時間に補正係数をかける処理を時間補正処理として行う。このような時間補正処理を行う場合、制御部1は、対象重さ属性のリトライ頻度が高いほど、延長時間にかける補正係数の値を大きくする。リトライ頻度と補正係数との対応関係を示す第1補正情報(複数レベルに分類されたリトライ頻度に対応する補正係数をレベルごとに示す情報)は予め記憶部2に記憶される。制御部1は、第1補正情報に基づき対象重さ属性のリトライ頻度のレベルに対応する補正係数を認識し、当該認識した補正係数を対象重さ属性のリトライ時間に加算する延長時間にかける。たとえば、リトライ頻度が0%である場合の補正係数は「1」であり、リトライ頻度が数%から十数%高くなるごとに補正係数が所定値ずつ大きくなる。
制御部1による時間補正処理が行われることにより、対象重さ属性に対応するリトライ頻度が高いほど、対象重さ属性のリトライ時間が長くなる。図6に示す例では、用紙カセットCA2の第2属性および第3属性の各リトライ頻度は10%および30%である。また、用紙カセットCA4の第2属性および第3属性の各リトライ頻度は0%(なし)および10%である。
したがって、図7右図において、用紙カセットCA2の第2属性および第3属性の各リトライ時間T22およびT23のうち、リトライ時間T23の方がリトライ時間T22よりも長くなる(リトライ時間T23に加算される延長時間Teの方がリトライ時間T22に加算される延長時間Teよりも長くなる)。また、用紙カセットCA4の第2属性および第3属性の各リトライ時間T42およびT43のうち、リトライ時間T43の方がリトライ時間T42よりも長くなる(リトライ時間T43に加算される延長時間Teの方がリトライ時間T42に加算される延長時間Teよりも長くなる)。
なお、制御部1による時間補正処理が累積給紙枚数に基づき行われてもよい。具体的には、制御部1は、調整タイミングになったとき、複数の用紙カセットCAのそれぞれについて、重さ属性ごとに、累積給紙枚数を認識する。たとえば、記憶部2には、複数の用紙カセットCAのそれぞれについて、重さ属性ごとに、累積給紙枚数を示すジョブ履歴が記憶される。給紙枚数のカウントは制御部1が行う。制御部1は、累積給紙枚数を認識するとき、ジョブ履歴を参照する。
そして、制御部1は、対象重さ属性に対応する累積給紙枚数が多いほど、対象重さ属性のリトライ時間を長くする。延長時間に補正係数をかける処理を時間補正処理として行う場合、制御部1は、対象重さ属性に対応する累積給紙枚数が多いほど、延長時間にかける補正係数の値を大きくする。累積給紙枚数と補正係数との対応関係を示す第2補正情報(複数レベルに分類された累積給紙枚数に対応する補正係数をレベルごとに示す情報)は予め記憶部2に記憶される。制御部1は、第2補正情報に基づき対象重さ属性の累積給紙枚数のレベルに対応する補正係数を認識し、当該認識した補正係数を対象重さ属性のリトライ時間に加算する延長時間にかける。
本実施形態の給紙装置を備える画像形成装置100は、上記のように、用紙Pを搬送するための用紙搬送路10と、用紙Pが収容される用紙カセットCAと、用紙Pに当接した状態で回転する給紙動作を行うことにより、用紙カセットCAから用紙搬送路10に用紙Pを給紙する回転体410と、用紙搬送路10の予め定められた検知位置DPにおける用紙Pの先端到達を検知する給紙センサー40と、回転体410による給紙動作の開始から検知位置DPに用紙Pの先端が到達するまでの理論時間を記憶するとともに、複数種の重さ属性のそれぞれごとにリトライ時間を記憶する記憶部2と、回転体410に給紙動作を行わせ、給紙動作の開始からリトライ時間が経過しても、給紙センサー40が用紙Pの先端到達を検知しなかったとき、給紙動作を一旦停止してから再度回転するリトライ動作を回転体410に行わせるとともに、回転体410に給紙動作を1回行わせるごとに、給紙動作の開始から検知位置DPに用紙Pの先端が到達するまでにかかった到達所要時間を測定する測定処理を行い、到達所要時間を記憶部2に記憶させる制御部1と、を備える。制御部1は、測定処理を行うとき、今回の測定処理で到達所要時間を測定する用紙Pの重さ属性を認識し、当該認識した重さ属性を今回の測定処理で測定した到達所要時間に対応付けて記憶部2に記憶させる。制御部1は、リトライ時間を調整する調整処理を行うとき、直近の所定期間に測定した到達所要時間に対応付けられた重さ属性を認識するとともに、重さ属性ごとに直近の所定期間に測定した到達所要時間の平均時間から理論時間を引いた差分時間を算出し、対応する差分時間が予め定められた閾値よりも短い重さ属性のリトライ時間を予め定められたデフォルト時間に設定する一方、対応する差分時間が閾値以上の重さ属性のリトライ時間をデフォルト時間よりも長い時間に設定する。
本発明の構成では、リトライ時間情報400で示される複数のリトライ時間(重さ属性ごとのリトライ時間)を調整する調整処理が行われる。このとき、直近の所定期間における用紙カセットCAから用紙搬送路10への用紙Pの給紙において、回転体410による給紙動作の開始から給紙センサー40の検知位置DPへの用紙Pの先端到達までの時間(到達所要時間の平均時間)が長くなっていた場合、リトライ時間がデフォルト時間よりも長くなるよう調整される。これにより、回転体410の経時劣化により回転体410が用紙Pに対してスリップし易い状態になっていても、回転体410によるリトライ動作(給紙リトライ)が頻繁に行われるのを抑制することができる。
ここで、印刷ジョブで使用可能な用紙Pの重さ属性は複数種ある。場合によっては、或る重さ属性の用紙Pに対してだけ回転体410がスリップし易くなる、という現象が生じ得る。この場合には、当該重さ属性のリトライ時間だけを延長するのが好ましい。
そこで、制御部1は、重さ属性ごとに調整処理を行う。これにより、複数種の重さ属性にそれぞれ対応する複数のリトライ時間のうち、回転体410に対してスリップし易くなっている用紙Pの重さ属性に対応するリトライ時間だけを延長することができる。すなわち、他のリトライ時間が不必要に延長されるのを抑制することができる。
なお、図6に示した例において、用紙カセットCA4の収容用紙Pの重さ属性が第2属性であった場合のリトライ頻度は0%(なし)である。しかし、用紙カセットCA4に対応する第2属性の属性別差分時間(100ms)は比較的長くなっている。この場合、用紙カセットCA4に対応する第2属性のリトライ時間を延長しなければ、以降に給紙リトライが頻繁に行われる可能性がある。このため、リトライ頻度が0%であっても、属性別差分時間が長くなっていれば(閾値以上になっていれば)、リトライ時間を延長するのが好ましい。
また、本実施形態では、上記のように、制御部1は、対応する差分時間が予め定められた上限時間よりも長い重さ属性のリトライ時間については、差分時間が閾値以上であっても、デフォルト時間に設定する。ここで、或る重さ属性の用紙Pに対する回転体410のスリップのし易さの度合いが大きい場合には、回転体410の回転を続行させても、当該重さ属性の用紙Pは殆ど進行せず、結果的に、当該重さ属性に対応する属性別差分時間(差分時間)が上限時間を超える。この場合には、比較的早いタイミングで回転体410にリトライ動作を行わせた方が良いので、当該重さ属性のリトライ時間は延長しないのが好ましい。
また、本実施形態では、上記のように、制御部1は、時間補正処理を行う。制御部1による時間補正処理が行われることにより、対象重さ属性に対応するリトライ頻度が高いほど、対象重さ属性のリトライ時間が長くなる。あるいは、対象重さ属性に対応する累積給紙枚数が多いほど、対象重さ属性のリトライ時間が長くなる。すなわち、回転体410の劣化度合いが大きくなっていると予測される場合にはリトライ時間がより長くなるよう補正される。これにより、回転体410によるリトライ動作が頻繁に行われるのをより抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部1は、複数の用紙カセットCAごとに調整処理を行う。これにより、経時劣化の度合い(スリップのし易さの度合い)が大きい回転体410が割り当てられた用紙カセットCAに対応するリトライ時間だけを延長するこができ、他のリトライ時間が不必要に延長されるのを抑制することができる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 制御部
2 記憶部
10 用紙搬送路
40 給紙センサー
100 画像形成装置
410 回転体
CA 用紙カセット
DP 検知位置
P 用紙
2 記憶部
10 用紙搬送路
40 給紙センサー
100 画像形成装置
410 回転体
CA 用紙カセット
DP 検知位置
P 用紙
Claims (6)
- 用紙を搬送するための用紙搬送路と、
用紙が収容される用紙カセットと、
用紙に当接した状態で回転する給紙動作を行うことにより、前記用紙カセットから前記用紙搬送路に用紙を給紙する回転体と、
前記用紙搬送路の予め定められた位置を検知位置とし、前記検知位置における用紙の先端到達を検知する給紙センサーと、
前記回転体による前記給紙動作の開始から前記検知位置に用紙の先端が到達するまでの理論時間を記憶するとともに、リトライ時間を記憶する記憶部と、
前記回転体に前記給紙動作を行わせ、前記給紙動作の開始から前記リトライ時間が経過しても、前記給紙センサーが用紙の先端到達を検知しなかったとき、前記給紙動作を一旦停止してから再度回転するリトライ動作を前記回転体に行わせるとともに、前記回転体に前記給紙動作を1回行わせるごとに、前記給紙動作の開始から前記検知位置に用紙の先端が到達するまでにかかった到達所要時間を測定する測定処理を行い、前記到達所要時間を前記記憶部に記憶させる制御部と、を備え、
用紙の重さ属性は複数種あり、
前記記憶部は、前記重さ属性ごとに前記リトライ時間を記憶し、
前記制御部は、前記測定処理を行うとき、今回の前記測定処理で前記到達所要時間を測定する用紙の前記重さ属性を認識し、当該認識した前記重さ属性を今回の前記測定処理で測定した前記到達所要時間に対応付けて前記記憶部に記憶させ、
前記制御部は、前記リトライ時間を調整する調整処理を行うとき、直近の所定期間に測定した前記到達所要時間に対応付けられた前記重さ属性を認識するとともに、前記重さ属性ごとに直近の前記所定期間に測定した前記到達所要時間の平均時間から前記理論時間を引いた差分時間を算出し、対応する前記差分時間が予め定められた閾値よりも短い前記重さ属性の前記リトライ時間を予め定められたデフォルト時間に設定する一方、対応する前記差分時間が前記閾値以上の前記重さ属性の前記リトライ時間を前記デフォルト時間よりも長い時間に設定することを特徴とする給紙装置。 - 前記制御部は、対応する前記差分時間が予め定められた上限時間よりも長い前記重さ属性の前記リトライ時間については、前記差分時間が前記閾値以上であっても、前記デフォルト時間に設定することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
- 前記記憶部は、前記リトライ動作の実行頻度を前記重さ属性ごとに記憶し、
前記制御部は、対応する前記リトライ時間を前記デフォルト時間よりも長くする前記重さ属性を対象重さ属性と認識し、前記対象重さ属性に対応する前記実行頻度が高いほど、前記対象重さ属性の前記リトライ時間を長くすることを特徴とする請求項1または2に記載の給紙装置。 - 前記記憶部は、前記用紙搬送路への用紙の累積給紙枚数を前記重さ属性ごとに記憶し、
前記制御部は、対応する前記リトライ時間を前記デフォルト時間よりも長くする前記重さ属性を対象重さ属性と認識し、前記対象重さ属性に対応する前記累積給紙枚数が多いほど、前記対象重さ属性の前記リトライ時間を長くすることを特徴とする請求項1または2に記載の給紙装置。 - 前記用紙カセットを複数備え、
複数の前記用紙カセットのそれぞれに前記回転体が割り当てられ、
前記記憶部は、前記重さ属性ごとの前記リトライ時間を前記用紙カセットごとに記憶しており、
前記制御部は、前記測定処理を行うとき、今回の前記測定処理で前記到達所要時間を測定する用紙が収容されている前記用紙カセットを認識し、当該認識した前記用紙カセットの識別子を今回の前記測定処理で測定した前記到達所要時間に対応付けて前記記憶部に記憶させ、
前記制御部は、前記重さ属性ごとの前記リトライ時間に対する前記調整処理を前記用紙カセットごとに行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の給紙装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の給紙装置を備え、
前記給紙装置により前記用紙搬送路に給紙された用紙に画像を印刷することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018137682A JP2020015565A (ja) | 2018-07-23 | 2018-07-23 | 給紙装置および画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018137682A JP2020015565A (ja) | 2018-07-23 | 2018-07-23 | 給紙装置および画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020015565A true JP2020015565A (ja) | 2020-01-30 |
Family
ID=69581212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018137682A Pending JP2020015565A (ja) | 2018-07-23 | 2018-07-23 | 給紙装置および画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020015565A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022019250A1 (ja) * | 2020-07-21 | 2022-01-27 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像読取装置 |
-
2018
- 2018-07-23 JP JP2018137682A patent/JP2020015565A/ja active Pending
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WO2022019250A1 (ja) * | 2020-07-21 | 2022-01-27 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像読取装置 |
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