JP2020014562A - 動態画像解析装置、動態画像解析方法及びプログラム - Google Patents

動態画像解析装置、動態画像解析方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】動態画像の画像解析を行うという、被検者にとって負担が少なく比較的簡易な手法によって、血流解析画像を得ることのできる動態画像解析装置、動態画像解析方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数の連続するフレーム画像で構成されるX線動態画像を取得する画像取得部51と、このX線動態画像の画素値を対数変換して対数変換画像を作成する対数変換処理部53と、X線動態画像又は対数変換画像のうち少なくとも一方につき、心拍位相に基づき一のフレーム画像を基準フレーム画像として設定する解析対象設定部52と、基準フレーム画像としてのX線動態画像と他のフレーム画像である比較フレーム画像としてのX線動態画像との差分又は比をとり、あるいは基準フレーム画像としての対数変換画像と比較フレーム画像としての対数変換画像との差分又は比をとり、これに基づいて血流解析画像を生成する血流解析部54と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、動態画像解析装置、動態画像解析方法及びプログラムに関するものである。
肺塞栓症や心臓疾患等により肺や心臓等の血流が滞ると生命に関わる重大な症状を引き起こすことから、従来、肺血流シンチグラフィー検査又は肺血管造影検査等によって、肺等の血流を解析することが行われている。
しかし、こうした肺血流シンチグラフィー検査や肺血管造影検査等は、被検者に対する侵襲の程度が大きく、また、検査装置も高価なものであるため、どの医療機関でも簡単に受けることのできる検査ではなかった。
この点、特許文献1には、連続的に撮影された胸部X線の動態画像を用いて、肺血流や心血流等の血流に異常を来す原因である肺塞栓症や心臓疾患等の検査を行う手法が開示されている。
具体的には、複数撮影されたX線画像のうち、心電図におけるR波に対応するフレーム画像を基準フレームとし、この基準フレームと他のフレーム画像との間で画像における画素値(濃度値)の差分を取って差分画像を作成する。これにより、濃度値の経時的変化を捉え、肺血流の様子を可視化した肺血流動態画像を作成する。
特許文献1では、心臓の心室収縮期において血液が心臓から肺へ流れて肺血流が増加すると、肺血流の存在により、X線の透過率が低下して胸部X線動画像における肺野内のピクセル値が増加することに着目している。
そして、ピクセル値をP、X線検出器により検出されるX線量(X線検出器への入射線量)をNとすると、「P∝1/logN」との関係が成り立つとしている。
特許第5093727号公報
しかしながら、実際に肺等をX線撮影した場合、X線は肺野等自体の他、周辺の骨や脂肪等各種構成物を透過した上で画素値としてとらえられる。
このため、上記特許文献1のように、肺野内のX線透過量(上記例では、これに対応する画素値)そのものに依存する値を用いて、肺野内の血流分布を把握しようとした場合には、様々なノイズが混入し、必ずしも正しい値を得ることができない。
このことは、特に心臓の拍動による血流量の経時的変化を見る場合のように、微量な画素値変化を捉えようとする場合には、大きな問題となる。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、動態画像の画像解析を行うという、被検者にとって負担が少なく比較的簡易な手法によって、血流解析画像を得ることのできる動態画像解析装置、動態画像解析方法及びプログラムを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の動態画像解析装置は、
心拍を有する生体を時系列的に連続して撮影することで取得される複数の連続するフレーム画像で構成されるX線動態画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって取得された前記X線動態画像の画素値を対数変換して対数変換画像を作成する対数変換処理部と、
前記X線動態画像又は前記対数変換画像のうち少なくとも一方について、心拍位相に基づき一のフレーム画像を基準フレーム画像として設定する解析対象設定部と、
該基準フレーム画像としての前記X線動態画像と他のフレーム画像である比較フレーム画像としての前記X線動態画像との差分又は比をとり、あるいは前記基準フレーム画像としての前記対数変換画像と前記比較フレーム画像としての前記対数変換画像との差分又は比をとり、これに基づいて血流解析画像を生成する血流解析部と、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、動態画像の画像解析を行うという、被検者にとって負担が少なく比較的簡易な手法によって、血流解析画像を得ることができる。
本実施形態に係る解析装置を含む解析システムを表す図である。 心臓と肺野の血流量の変化を示す図である。 (a)は、人体胸部のX線画像の例であり、(b)は、(a)の各構造物の動き量の例を示すグラフである。 心臓の拍動の周期を示す説明図である。 心拍位相に基づく肺野周辺の主な構造物の画素値の変化を示す説明図である。 (a)は、胸部のX線画像の一例を示す図であり、(b)は、胸部の血流シンチグラフィー検査の結果を示す図であり、(c)は第1のタイミングに基準フレーム画像を設定した場合の血流解析画像の一例を示す図であり、(d)は第2のタイミングに基準フレーム画像を設定した場合の血流解析画像の一例を示す図である。 第1のタイミングと第2のタイミングとにおける心臓の拍動と肺血管の動きとの関係を示す説明図である。 人体胸部を撮影したX線画像の一例を示す図である。 (a)は、オリジナル画像の波形の一例を示す図であり、(b)は、フィルター処理後の画像の波形の一例を示す図である。 (a)は、心臓の心室領域に関心領域が設定された例を示す図であり、(b)は、濃度値にハイパスフィルターをかけた値の時間的変化を示すグラフである。 (a)は、生体内の主要な構造物の質量吸収係数及び密度を例示した表であり、(b)は、X線が肺野に到達する間に透過する主な構造物を模式的に示す図である。 血管及びその動き幅とブロックサイズとの関係を示す説明図であり、(a)は、ブロックサイズが1ピクセルである場合を示し、(b)は、ブロックサイズが5mmである場合を示し、(c)及び(d)は、ブロックサイズが10mmである場合を示している。 (a)は、心臓の周波数特性の一例を示すグラフであり、(b)は、肺野の周波数特性の一例を示すグラフである。 (a)は、入力されたオリジナルの波形の一例を示す図であり、(b)は、フーリエ変換後の波形の例を示す図であり、(c)は、フィルター処理後の波形の例を示す図であり、(d)は、逆フーリエ変換後の波形の例を示す図である。 (a)は、濃度値の変化と領域分けの対応を示す図であり、(b)は、人体胸部を撮影したX線画像の一例を示す図であり、(c)は、血流解析画像の一例を示す図である。 (a)は、血流解析画像の一例を示す図であり、(b)は、差分値に応じた色分けの例を示す図である。 血流解析画像内の構造物を枠で囲った例を示す図である。 本実施形態に係る解析装置による処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る動態画像解析装置(図面及び以下の説明においては、単に「解析装置」とする。)の一実施形態について、図面を参照して説明する。
ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
[解析装置の位置づけ]
本実施形態の解析装置は、撮影システムからX線動態画像(以下単に「動態画像」とする。)を受信して、受信した動態画像や動態画像の解析結果を表示するものである。
まず、前提として、本実施形態で想定される撮影システムと解析装置との関係につき、図1を参照しつつ説明する。
撮影システム10は、動態画像を撮影可能である撮影装置1と、当該撮影装置1を制御するための撮影用コンソール2とを備えており、撮影装置1は撮影用コンソール2を介してLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTに接続されている。
また、本実施形態における解析装置3は、通信ネットワークNTを介して撮影システム10と接続されており、撮影装置1により取得された動態画像が撮影用コンソール2を介して解析装置3に送られるようになっている。
なお、図1では撮影装置1とこれを制御する撮影用コンソール2とが1台ずつ設けられている例を示しているが、撮影装置1とこれを制御する撮影用コンソール2の数は1台に限定されず、複数台設けられていてもよい。
また、本実施形態において動態画像解析装置である解析装置3は、診断に供する画像等(動画像や動画像の解析結果)を生成し表示させる診断用コンソールであってもよいし、診断用コンソールとは別の装置として設けられていてもよい。
撮影システム10や解析装置3は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOM規格に則って行われる。
なお、解析装置3や撮影装置1は常時通信ネットワークNTに接続されている必要はない。
[撮影装置1の構成]
撮影装置1は、前述のように、動態画像を撮影可能なものである。
ここで、「動態画像」とは、被写体となる心拍を有する生体を、時系列的に連続して撮影し、複数のフレームの放射線画像を動画状に取得するものである。
本実施形態において「動態画像」の撮影とは、被写体Mに対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、もしくは、低線量率にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被写体の動態を示す複数の画像を取得する動態撮影をいう。すなわち本実施形態における「動態画像」とは、このような撮影により得られた、被写体の動態を示す複数の一連の画像を意味する。また、この動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。
本実施形態では、「動態画像」として、被写体である人体及びこれに含まれる動的な構造物が撮影される。撮影装置1により撮影される動的な構造物としては、例えば肺野、横隔膜、心臓等がある。なお、生体内の動的な構造物はこれに限定されない。
本実施形態において、例えば撮影装置1は、図1に示すように、放射線源11、放射線照射制御装置12、放射線検出部13、読取制御装置14等を備える放射線画像撮影装置である。
後述するように、撮影装置1の放射線照射制御装置12及び放射線検出部13は撮影用コンソール2に接続されており、放射線照射制御装置12は撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。また、放射線検出部13は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて各画素のスイッチング部を制御して、各画素に蓄積された電気信号を読み取ることにより画像データを取得し、取得したフレーム画像の画像データを撮影用コンソール2に出力する。
放射線源11は、被写体M(被検者)を挟んで放射線検出部13と対向する位置に配置され、放射線照射制御装置12の制御に従って、被写体Mに対し放射線(X線)を照射する。
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、パルスレート、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影フレーム数、X線管電流の値、X線管電圧の値、付加フィルター種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
被写体Mを挟んで放射線源11と対向する位置には、放射線検出部13が設けられている。
放射線検出部13は、例えば、FPD(Flat Panel Detector)等の半導体イメージセンサーにより構成される。FPDは、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源11から照射されて少なくとも被写体Mを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子(画素)がマトリクス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を備えて構成されている。
読取制御装置14は、撮影用コンソール2に接続されている。読取制御装置14は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて放射線検出部13の各画素のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、放射線検出部13に蓄積された電気信号を読み取ることにより、画像データを取得する。この画像データがフレーム画像である。フレーム画像の画素信号値(以下、単に「信号値」ともいう。)は濃度値を表す。そして、読取制御装置14は、取得したフレーム画像を撮影用コンソール2に出力する。画像読取条件は、例えば、フレームレート、フレーム間隔、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)等である。フレームレートは、1秒あたりに取得するフレーム画像数であり、パルスレートと一致している。フレーム間隔は、1回のフレーム画像の取得動作開始から次のフレーム画像の取得動作開始までの時間であり、パルス間隔と一致している。
ここで、放射線照射制御装置12と読取制御装置14は互いに接続され、互いに同期信号をやりとりして放射線照射動作と画像の読み取りの動作を同調させるようになっている。
[撮影用コンソール2の構成]
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影及び放射線画像の読み取り動作を制御するとともに、撮影装置1により取得された動態画像を撮影技師等の撮影実施者によるポジショニングの確認や診断に適した画像であるか否かの確認用に表示する。
図示は省略するが、撮影用コンソール2は、制御部、記憶部、操作部等を備えて構成され、各種処理プログラムに従って撮影条件(放射線照射条件及び画像読取条件)に応じた撮影制御処理を始めとする各種処理を行う。
本実施形態では、被写体Mである被検者の体のぶれ等によるアーチファクトの発生を防ぐために、できるだけ撮影時の被写体Mの体の動きを抑制することが好ましい。
また、動態画像(X線動態画像)を用いて心臓や肺の血流を解析する場合には、微小な濃度変化を計測するため、撮影時の僅かな構造物の動きでも、解析対象の構造物の濃度変化と、様々な構造物の移動による影響と、が混合されてしまい、解析対象の構造物の濃度変化が正しく把握できず、生体機能を正しく把握することができない。
例えば、被写体Mの体がぶれ等を生じなくても、呼吸により肺野周辺が伸縮するだけで、撮影画像ノイズが乗ってしまい、正確な画像解析が阻害されてしまう。
このため、撮影用コンソール2は、被写体Mに息止め状態を所定時間(例えば6秒程度)維持させたままで、撮影を行うように撮影条件を設定することが好ましい。このように息止め状態で撮影を行うことにより、解析装置3における解析対象となる動態画像に乗るノイズをできる限り低減させることができる。
実際には、設定された撮影条件に基づいて、放射線技師が状態を確認しながら、撮影することが望ましい。
なお、例えば、被写体Mの呼吸量が浅ければ、安静呼吸中の撮影でもよい。呼吸中に被写体Mに息止めを指示して、息止め状態とした上で撮影を行ってもよい。安静呼吸や息止めが難しい患者もいるため、深呼吸など大きく呼吸する状態を撮影に適用しても構わない。
なお、息止めが正しく行われているかは、目視のみでは確認できない、又は確認しづらいことがあるため、カメラ画像や圧力センサなどを用い、息止めが適切に行われているか否かを検知し、図示しない表示部等に表示させてもよい。
また、撮影ミスを起こさないためや、最適な解析対象フレームを決定するために、カメラ画像や圧力センサなどによる撮影時の動き情報(例えば、体のぶれや呼吸等による体動があったか、あった場合、どの程度動いたかの動き量等)や、動き情報から計算した動き量を動態画像と紐づけて保存しておくことが望ましい。なお、動き量が小さいフレーム画像を、解析装置3における解析の対象に適したフレーム画像の範囲(これを「解析対象フレーム範囲」という。図3(b)参照)として動態画像と紐づけて保存しておいてもよい。また、逆に撮影された動態画像から各フレーム画像についての動き情報を抽出してもよい。
解析対象フレーム範囲を設定するための計算を省略するために、例えば、撮影プロトコル上において息止め状態で撮影されるフレーム画像の期間を予め決定しておいてもよい。そして、このように、予め設定した息止め状態で撮影されるフレーム画像の期間の中から、最適な解析対象フレーム範囲を算出してもよい。
患者の体動や呼吸による動きは、上述のように、解析結果にアーチファクトを発生させることから、解析装置3における解析を精度よく行うためには、被写体Mの体動や呼吸による動きのある(又はその可能性のある)フレーム画像を除外した範囲に解析対象フレーム範囲を設定することが望ましい。
なお、本実施形態では、後述する解析装置3の解析対象設定部52において動き量の算出を行う場合を例示するが、動き量の算出は、撮影用コンソール2により行われてもよい。この場合、算出手法等は解析対象設定部52において行われるものと同様である。
[解析装置3の構成]
解析装置3は、撮影装置1で撮影された動態画像(X線動態画像)を取得して血流解析画像を生成する動態画像解析装置である。
本実施形態において、具体的には、解析装置3は、血流解析の対象に適したフレーム画像の範囲(解析対象フレーム範囲)を設定し、その中のいずれかのフレーム画像を基準フレーム画像とし、解析対象フレーム範囲内の他のフレーム画像をこの基準フレーム画像と比較することにより、血流解析を行う。
以下、本実施形態の解析装置3の各構成部、及び具体的な血流解析の手法等について詳細に説明する。
なお、本明細書における動態画像、X線動態画像、フレーム画像、及び対数変換画像には、各画像の領域全体の画像のみならず、各画像の一部の領域のみを抽出した画像も含まれる。
解析装置3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
本実施形態では、解析装置3は、撮影用コンソール2から動態画像を受信し、受信した動態画像を解析したり、画像処理を行う等して、解析装置3の表示部34(後述)や外部の図示しない表示装置に解析結果等を表示させたり、再解析を行ったりする画像処理装置であり医師による診断を支援する診断用コンソールである。
なお、図1では、診断用コンソールである解析装置3と撮影用コンソール2とが別体の装置である場合を例示しているが、システム構成はこれに限定されない。
例えば、診断用コンソールとしての解析装置3が撮影用コンソール2としての機能をも備える兼用装置として構成され、この解析装置3と撮影装置1とが通信ネットワークNTにより接続されていてもよい。
また、解析装置3が診断用コンソールとは別に設けられていてもよい。
解析装置3の操作部33は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、ユーザーによるキーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。また、操作部33は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種表示を行う。
なお、表示部34は、解析結果を表示するための表示装置としての機能を有していてもよいし、解析結果を表示するための表示装置は、解析装置3とは別装置として設けられていてもよい。
通信部35は、LANアダプターやモデムやTA等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31で診断支援処理を実行するためのプログラムを始めとする各種プログラムやプログラムによる処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
また、記憶部32には、過去に撮影された動態画像が識別ID、患者情報(被写体属性情報。例えば、患者ID、患者(被写体)の氏名、身長、体重、年齢、性別等)、検査情報(例えば、検査ID、検査日、検査対象部位(ここでは、胸部)等)等に対応付けて記憶されている。また、記憶部32には、撮影用コンソール2からの受信を開始した各動態画像に係る患者情報や検査情報、ステータス(例えば、受信中、解析処理中、解析終了等の進捗状況)情報を含むリスト情報が記憶される。
また、解析装置3がDICOMに則って撮影システム10等との情報の送受信を行う場合には、動態画像のデータとともに、上記のような患者情報が送信され、記憶部32には動態画像に対応付けてこれらの患者情報が記憶される。
さらに、記憶部32には、動態画像に対応付けてその解析結果(血流解析画像等)が記憶される。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される解析装置3のコンピューターである。制御部31のCPUは、操作部33の操作に応じて、記憶部32に記憶されているシステムプログラムや、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、解析装置3の各部の動作を集中制御する。
本実施形態では、制御部31は、撮影システム10によって撮影された動態画像(X線動態画像)を受け取って、動態画像を構成する複数のフレーム画像の中からいずれかのフレーム画像を基準フレーム画像として設定する。
解析装置3は、この基準フレーム画像とその他のフレーム画像との差分又は比を求めることで、心臓に流入・流出する心血流及び肺(肺野)に流入・流出する肺血流を、解析して血流解析画像を生成し、可視化して医師等に提供可能なものである。
図2は、上側に心臓の血流量の増減を示し、下側に肺野の血流量の増減を示したグラフである。図2では、各グラフの縦軸に画素値を取り、濃度の濃淡とともに表示させている。
臓器に血液が流入すると血流によってX線の透過が妨げられるため、X線画像におけるX線透過量が減少し、画素値は小さくなり、X線画像上は白っぽく(すなわち、濃度が薄く)写る。
これを、心臓に流入・流出する心血流と肺野に流入・流出する肺血流との関係で見た場合には、図2に示すように、心臓が心室拡張期にあり、心臓に多くの血流が流入しているときには、心臓部分ではX線の透過が妨げられるため、X線画像上では画素値が小さく比較的白っぽく(薄い濃度で)写る。これに対して、このタイミングでは肺野に流入する血流は少なく、肺野部分ではX線の透過量が多くなり、X線画像上では画素値が大きくなり、比較的黒っぽく(濃い濃度で)写る。
逆に心臓が心室収縮期にあり、心臓から血流が流出しているときには、心臓部分ではX線の透過量が多くなり、X線画像上では画素値が大きくなり、比較的黒っぽく(濃い濃度で)写る。これに対して、このタイミングでは心臓から肺野に多くの血流が流入するため、肺野部分ではX線の透過が妨げられ、X線画像上では画素値が小さく比較的白っぽく(薄い濃度で)写る。
このように、心臓の拍動と肺野の血流の増減とは関係性をもって繰り返されている。
そしてこうした心臓の拍動と肺野の血流の増減との関係性は、従来行われている血流シンチグラフィー検査の信頼性のある結果とも符合するものである。
図1に示すように、本実施形態の制御部31は、機能的に見た場合、画像取得部51、解析対象設定部52、対数変換処理部53、血流解析部54、表示制御部55等を備えている。
制御部31は、プログラムとの協働により画像取得部51、解析対象設定部52、対数変換処理部53、血流解析部54、表示制御部55等としての機能を果たす。
画像取得部51は、心拍を有する生体(本実施形態では、人である被写体Mの心臓、肺野を含む胸部等)を時系列的に連続して撮影することで取得される複数の連続するフレーム画像で構成される動態画像(X線動態画像)を取得する。
具体的には、画像取得部51は、撮影用コンソール2等から解析装置3の通信部35を介して送られた動態画像のデータを取り込む。
なお、前述したように撮影用コンソール2において、被写体M(被検者)の体動や呼吸による動き量の算出等を行った場合には、算出結果等の情報についても画像取得部51が通信部35を介して取得する。
解析対象設定部52は、画像取得部51により取得された複数の連続するフレーム画像等のうち、血流解析画像を生成するのに用いるフレーム画像等を設定するものである。
具体的には、解析対象設定部52は、画像取得部51によって取得された動態画像(X線動態画像)又はこれを対数変換処理した後述する対数変換画像のうち少なくとも一方について、心拍位相に基づき一のフレーム画像を基準フレーム画像として設定する。
ここで、心拍位相とは、心臓の拍動(心拍動)の1つのサイクル内におけるタイミングである。
心臓は、心室拡張期と心室収縮期のセットで1つの心拍サイクルが構成されている。心室収縮期において心臓から血流が送り出される。心臓から血液を送り出す際には心臓の筋肉に対してR波と呼ばれる電気信号が送られる。R波が送られるとこのR波をトリガーとして心臓が収縮を始め、心臓から末端の血管に向かって血液が送り出される。
解析対象設定部52は、後述するように、血流解析の目的(すなわち、いかなる血管の血流を観察したいか等)に応じて、上記のような心拍サイクルのうち、いつの時点のフレーム画像を基準フレーム画像とするか等を設定する。
なお、基準フレーム画像は、解析対象フレーム範囲内のいずれかのフレーム画像であることが好ましい。
被写体Mの体がぶれること等による体動や呼吸による動き等が含まれる動態画像を血流解析に用いると、血流量の変化以外の成分が入ってしまい、正しく血流量の変化を捉えることができない。
このため、本実施形態では、解析対象設定部52は、フレーム画像から血流アーチファクトとなる動き(すなわち被写体Mの体動や呼吸による動き等)を検出し、複数のフレーム画像のうち、血流アーチファクトとなる動きを含まない(又は動き量が許容限度以下である)フレーム画像が連続している範囲を解析対象フレーム範囲として設定し、この内から、基準フレーム画像及び基準フレーム画像と比較される比較フレーム画像を選定する。
例えば、血流解析の対象が肺血流である場合、肺野が動かない状態が維持されている範囲内のフレーム画像を用いて解析を行う必要がある。
このため、例えば、肺野の動き、特に肺野辺縁の動きを検出することで、高精度に動き量を計測・把握し、所定以上の動き量がある場合には、当該動きのある状態で撮影されたフレーム画像を血流解析に用いないとすることができる。肺野辺縁の動き量を検出する手法は各種あり得るが、例えば、テンプレートマッチング等の手法を用いて計測することが考えられる。
また、動き量の計測方法としては、例えば、肺野辺縁を構成する部分(例えば心臓)以外の部分である、外胸郭辺縁や横隔膜辺縁の動き量を計測してもよい。
また、肺野自体ではなく、肩甲骨や乳房や肋骨や鎖骨等、肺野と重なる別の構造物の動きが大きい場合にも、大きな信号値の変化によりアーチファクトとなる可能性がある。このため、このような肺野以外の構造物の動きについても検出し、所定以上の動き量が検出された場合には、動きのある状態で撮影されたフレーム画像であるとして、当該フレーム画像を血流解析に用いないとしてもよい。
さらに、フレーム画像間の差分をとって差分画像を作成し、動き量を把握したい対象構造物の存在エリアにおいて閾値以上の画素値変化をした画素数を求め、これに基づき、動き量を検出してもよい。
なお、動き量の算出には、例えば、動態画像の各画素の濃度値の時間的変化の絶対値をとり、その空間的な平均値や中央値を、各フレーム画像における動き量として算出する。
この場合、解析に影響のない心臓の拍動による動きも、動き量として検出してしまうため、心臓の領域を除く領域に対し、平均値や中央値をとることがより望ましい。
また、例えば、呼吸による動きだけを高精度に検出するには、横隔膜の位置を検出し、その動き量を検出することが望ましい。横隔膜の動き量は横隔膜位置の時間的変化(微分)の絶対値により算出することが可能である。
なお、複数の構造物から動き量を合成して、当該動きのもとで撮影されたフレーム画像を血流解析に用いるか否かを判断するとしてもよい。この場合には、各構造物の動きに血流アーチファクトとなる影響度合いの係数を乗算し、総合的に動き量を算出してもよい。
この場合、例えば、血流解析に用いるフレーム画像とできるか否かの閾値を設定しておき、これを超える動きが含まれる場合には血流解析に用いないと判断される。
例えば、図3(a)に示す横隔膜、胸郭(胸郭辺縁)、鎖骨、肩甲骨といった構造物について、その動き量を合成する場合、各構造物の動き量(2つのフレーム画像間における動き量)が、横隔膜5mm、胸郭(胸郭辺縁)0.5mm、鎖骨1mm、肩甲骨0mmであり、各構造物の血流アーチファクトに対する影響度合いの係数がそれぞれ、横隔膜0.3、胸郭(胸郭辺縁)1、鎖骨0.1、肩甲骨0.7である場合には、それぞれを掛け合わせると、横隔膜1.5、胸郭(胸郭辺縁)0.5、鎖骨0.1、肩甲骨0となる。そして、これら全てを積算することで得られた血流アーチファクト度は2.1となる。
図3(b)は、これを複数の連続するフレーム画像についてそれぞれ算出してグラフ化したものである。図3(b)のグラフでは、図3(a)に合せて、横隔膜を二点鎖線、胸郭(胸郭辺縁)を破線、鎖骨を点線、肩甲骨を一点鎖線で表し、血流アーチファクト度を実線で示している。
図3(b)では、血流アーチファクト度が一定の閾値を超えているフレーム画像を血流解析に用いないこととし、血流アーチファクト度が一定の閾値以下で連続しているフレーム画像の範囲を血流解析の対象となるフレーム画像の範囲(これを解析対象フレーム範囲という。)とする例を示している。
解析対象フレーム範囲の設定手法としては、例えば、所定のフレーム画像間(2フレーム以上の連続したフレーム画像間)の動き量が閾値以上となるフレーム画像を不良フレーム画像として選定し、不良フレーム画像を含まない最大の長さのフレーム範囲を解析対象フレーム範囲とする。
また、所定のフレーム画像間(2フレーム以上の連続したフレーム画像間)の動き量を予め計算しておき、解析対象フレーム範囲内における動き量の合計値が最小となるようなフレーム範囲を解析対象フレーム範囲として選ぶとしてもよい。
このように、血流解析の対象となるフレーム範囲から血流アーチファクトとなる動きを含むフレーム画像を極力排除することによって、血流解析画像から血流アーチファクトを除外することができる。
これにより、血流量の変化以外の成分が排除された血流解析画像を得ることができ、正しく血流量の変化を捉えて、適切な診断を行うことができる。
すなわち、被写体Mの体動がなく呼吸停止(息止め)の状態が維持されたフレーム画像によって血流解析画像を生成することで、血流量変化以外の成分が時間的に変化しないという仮定を成り立たせることができ、物質的な血流容量の変化を正しく捉えることができる。
なお、解析対象フレーム範囲が撮影用コンソール2において設定された場合や、撮影用コンソール2において解析対象やその他の構造物が動いた場合の動き量が算出された場合に、こうした情報が画像取得部51によって取得されている場合には、解析装置3は、これらの情報を参照して解析対象を設定してもよい。
なお、このように血流解析の対象となるフレーム範囲から血流アーチファクトとなる動きを含むフレーム画像を極力排除しようとした場合でも、結果的に解析対象フレーム範囲に血流アーチファクトとなる動きが一定の閾値以上で含まれてしまうこともあり得る。
この場合には、血流解析画像(血流解析結果)の表示と併せて、血流アーチファクトとなる動きがあったことを警告表示する等によりユーザーに注意喚起することが好ましい。
また、解析対象フレーム範囲に含まれる血流アーチファクトとなる動きの定量値を表示させて、ユーザーが血流アーチファクトの程度を客観的に把握できるようにしてもよい。
また、解析対象フレーム範囲の設定は、後述するフィルター処理によるノイズ抑制の観点を考慮して行うことが望ましい。
簡便には、例えば、横隔膜の動き量が閾値以下であるフレーム画像が連続する期間が最も長い範囲を解析対象フレーム範囲として選択することが望ましい。
なお、一方で、フィルター処理により解析対象フレーム範囲の冒頭及び末尾の所定フレーム数が解析不能となる場合、例えば冒頭2秒分と末尾2秒分のフレームが解析不能となる場合には、解析対象フレーム範囲の長さを、予め、一心拍のフレーム範囲+冒頭2秒分+末尾2秒分と設定しておき、この範囲内において、動き量の最大値・平均値・中央値などが最も小さいフレーム範囲を、解析対象フレーム範囲として選択することとしてもよい。
また、解析対象フレーム範囲は、冒頭2秒分及び末尾2秒分を除く期間の中央部の範囲における、心室拡張末期の表れる回数が多いフレーム範囲を選択することとしてもよい。
例えば心室拡張末期が2回現れる場合、1心拍分の肺血流の流れる様子を連続した血流動画像として作成することができる。また、例えば心室拡張末期が3回現れる場合には、2心拍分の連続動画が得られる。なお、例えば心室拡張末期が1回しか現れない場合には、1心拍分の連続動画を得ることはできないため、心室拡張末期が2回以上現れるフレーム範囲を選択することが好ましい。
次に、本実施形態の解析対象設定部52が基準フレーム画像を設定する手法について説明する。
本実施形態では、基準フレーム画像として設定するフレーム画像をいずれかのタイミングで撮影されたものに規定してもよいし、解析対象となる各種の血流状態に応じて、最も適切なタイミングで撮影されたフレーム画像を基準フレーム画像として設定して、各種の血流解析を行うようにしてもよい。
解析対象設定部52が、いずれのタイミングで撮影されたフレーム画像を基準フレーム画像として設定するかについては、例えば、第1に以下のような手法が考えられる。
すなわち、心臓の心室拡張末期に対応するフレーム画像を基準フレーム画像として設定する。
図4は、心拍位相と心電図等とを対応させて、それぞれの時系列的変化を示したグラフである。図4では、第1の手法における基準フレーム画像の設定タイミングを第1のタイミングとして示している。
図4に示すように、心拍位相は、心室の収縮期と拡張期との2つに大別され、これが周期的に繰り返される。
例えば、肺動脈の場合、左心室から血液が送られるが、右心室もほぼ同位相で同じ動きとなる。そして、拡張期(心室拡張期)では肺静脈から心房・心室に血流が戻ってきており、拡張末期(心室拡張末期)では心室に血液が最も満たされた状態となる。拡張末期の直後、収縮期(心室収縮期)の冒頭において大動脈弁が開放され、心筋の収縮により左心室から肺動脈へ肺血流が一気に駆出される(収縮期における駆出期)。
このうち、第1の手法において選択される第1のタイミングは、例えば、心室が拡張期から収縮期に変わる直前のタイミングである。
血流解析では、血液容量の変化による画素値の変化が微量であることから、解析すべき画素値の変化が各種のノイズに埋もれやすいという問題がある。
この点、第1の手法によれば、心臓に最も多くの血流が流入しており、他の臓器に送られる血流が最も少ないタイミングのフレーム画像を基準フレーム画像として設定する。
これにより、その後の血液容量の変化がノイズに埋もれず、比較的正確に計測することが可能となる。
また、肺野内の場所によって、心拍位相の微妙なずれ(すなわち、心拍動のタイミングにより血流が早く到達するところ、遅く到達するところのずれ)があるが、心臓から血流が送り出される直前のタイミングのフレーム画像を基準フレーム画像とすることで、その影響を最小限に抑えることができる。
また、血流解析は、解析対象が生体であることから正解の値を計測することが難しく、正しさの検証をすることが難しいとの問題がある。
この点、第1の手法による場合には、拍動による肺血流の増分が画像として得られるため、肺血流の機能画像と捉えることも可能であり、また、既に信頼性を認められている血流シンチグラフィー検査の結果と比較的近い情報が画像として得られることから、解析結果の正しさの検証が容易となるとの利点もある。
また、図5は、心室(図5では左心室)における位相と、肺門付近における位相、血管中腹における位相、末梢血管手前の細い血管における位相、末梢血管又は静脈における位相とを比較して表示させた図である。
画素値の変化は心拍位相に基づき変動するが、肺野内の場所により、血流到達開始時刻や到達終了時刻は異なる。
この点、図5に示すように、左心室と肺門付近とでは、ほぼ同位相で画素値が変化する。例えば、図5では、左心室側における心臓の血流拍出開始時刻及び拍出終了時刻を実線で示している。そして、心臓の拡張末期に対応するフレーム画像を基準フレーム画像とする場合には、拍出終了時点が第1のタイミングとなり、肺門付近他の血管位置でも、血管到達開始時刻とほぼ同等の位相となることが分かる。このため、第1のタイミングにおけるフレーム画像は、血液解析の全画素における基準フレーム画像として望ましい。
次に、解析対象設定部52による基準フレーム画像の設定手法として、例えば、第2に以下のような手法が考えられる。
すなわち、心拍動の発生後であって心臓の心室収縮期に対応するフレーム画像を前記基準フレーム画像として設定する。
図4では、第2の手法における基準フレーム画像の設定タイミングを第2のタイミングとして示している。
前述のように、心臓は、R波がトリガーとなって心室拡張期から心室収縮期へと移行する。すなわち、心拍動の発生は、R波が検出された後となるため、解析対象設定部52は、R波(R波の波形のピーク)を検出してから心室収縮期の間のいずれかのタイミングで撮影されたフレーム画像を基準フレーム画像として設定することで、第2のタイミングに対応するフレーム画像を基準フレーム画像とすることができる。
なお、R波の検出は、例えば撮影と平行して心電図を取得すること等により行う。
第1の手法のように、心臓の心室拡張末期に対応するフレーム画像を基準フレーム画像とする場合には、心臓の拍動による動きの影響が大きくなる。この場合、心臓や血管の動きだけでなく、肺野全体の変形による濃度変化が起こる影響もあった。また、肺門付近の太い肺血管の血液容量の変化が支配的となり、細い抹消に近い血管の血液容量の変化が把握しづらいとの問題もあった。
この点、第2の手法によれば、心臓から送り出された血液が末梢の血管まで到達する前に血液容量の変化を観察することができる。これにより、心臓の拍動による動きの影響を最小化して、末梢血管等の細い血管の血液容量の変化の分布を正確に把握することができる。
なお、前述のように、心室拡張末期に対応するフレーム画像を基準フレーム画像として設定する第1の手法をとる場合には、各種の利点があるが、基準フレーム画像を設定するタイミングを敢えて時間的に後ろにずらすことによって、第1の手法では得られない様々な利点も認められる。
そこで、前述のように、本実施形態では、第1の手法による第1のタイミングに基準フレーム画像を設定することも排除しないが、さらに、血流解析の目的等に応じて、第1の手法による第1のタイミングとは異なる第2のタイミング等に設定された基準フレーム画像を用いた血流解析画像を算出することが好ましい。
すなわち、X線画像は透過像であるために、血流解析を行った場合、その解析値(血液容量の変化の値)は血管の根幹部(太い血管)から末梢部分(末梢部の細い血管や末梢部付近の血管)まですべての濃度変化を積算したものとなってしまい、根幹部と末梢とで血流量傾向に違いがあっても、見分けることができない。
例えば、肺高血圧症等においては、血管の根幹部では血流量が増加し、末梢部分又はその付近では血管が閉塞して血流量が減少していると想定されるが、動態画像を用いて血流解析を行った場合には、両者が重なり合って中和されてしまい、末梢付近の病気箇所の血流低下が画像に現れないために、疾患を正しく判断することができない。
そこで、第2の手法にように、基準フレーム画像を設定する時刻(タイミング)を血管の根幹部(太い血管)への血流到達開始時刻「以降」とすることで、血管の根幹部(太い血管)における血流量の増減による影響を低減することができる。
図6(a)は、胸部のX線画像の一例である。
図6(a)に示すように、胸部を単にX線撮影しただけでは、肺野の血流状態を観察することはできない。
これに対して、図6(b)は血流シンチグラフィー検査によって肺野周辺を見た場合の一例であり、血流シンチグラフィー検査の結果からは、左側の肺野の上側に血流の少ない領域LArがあることを確認することができる。
図6(c)は、第1の手法のように、心室拡張末期に対応するフレーム画像を基準フレーム画像とした場合の血流解析画像の一例を示す図であり、図6(d)は、第2の手法のように、心拍動の発生後であって心臓の心室収縮期に対応するフレーム画像を前記基準フレーム画像とした場合の血流解析画像の一例を示す図である。
図6(c)に示すように、心室拡張末期のフレーム画像を基準フレーム画像としたときは、血流量が減少している領域LArが血流量の多い部分と区別できなくなっている。これに対して図6(d)に示すように、心室収縮期のフレーム画像を基準フレーム画像としたときは、血流量が減少している領域LArがノイズに埋もれずに識別でき、図6(b)に示す血流シンチグラフィー検査の画像と同様に、左側の肺野の上側に血流の少ない領域LArがあることを確認することができる。
また、下肺や特に左下肺等のように、心拍動により臓器の動きが大きい箇所では、心拍動により肺野が伸縮又は並進して画素値が変動してしまう。このため、第1の手法のように、心室拡張末期(図7等における第1のタイミング参照)のフレーム画像を基準フレーム画像とすると、血流容量の変化とは異なる数値が算出されるおそれがある。
この点、第2の手法のように、心臓の拍動直後(図7等における第2のタイミング参照)のフレーム画像を基準フレーム画像とすることで、その影響を最小限とすることができる。
この場合、例えば、拍動が停止した時刻を基準フレーム画像とすることが望ましい。
なお、心臓の拍動後、すぐに左下肺への血流到達開始時刻が始まってしまうため、拍動による心臓動きが閾値以下に収まった時刻、もしくは大きな心臓動きが発生した時刻の所定時刻後(例えば0.2秒後等)のフレーム画像を基準フレーム画像としてもよい。
さらに、解析対象設定部52による基準フレーム画像の設定手法として、例えば、第3に以下のような手法が考えられる。
すなわち、肺野の心臓近傍領域の濃度変化又は大動脈等の血管の位置変化に基づいて基準フレーム画像を設定する。
心拍位相は、心臓の位置やサイズを計測することでも検出することができる。しかし、例えば心肥大患者の場合には、心壁の位置の計測が困難であり、心臓の位置変化を正しく捉えることが難しい。また、心房と心室の位置の違いが分かりづらく、心房の動きを誤って心室の動きとして捉えてしまい、心拍位相を正しく把握できない可能性があった。また、肺野内の濃度変化に基づいて心拍位相を検出することもある程度はできるが、心室の収縮期の時刻から肺野内への血流到達時刻には遅れがあり、遅れの程度は人や肺野の場所により異なり、また肺野内に疾患があれば疾患影響も受けるため、正確性に乏しいという問題があった。
この点、第3の手法として、肺野の心臓近傍領域の濃度変化又は血管の位置変化を参照することにより、正しく心室の心拍位相を捉えることができる。血管の位置変化を参照するとは、より具体的には、大動脈弓、肺門(図8参照)等の動きを検出し、心拍位相を検出することが考えられる。心臓近傍領域の濃度変化を参照するとは、より具体的には、心臓や大動脈弓や肺門(図8参照)の位置を特定し、その領域内もしくは近傍領域内の画素値の時間変化を捉えることにより、心拍位相を特定する。心臓近傍領域とは、特には心室の存在する心臓内下部領域を用いることが望ましい。
心臓や心壁、大動脈弓、肺門、の位置はテンプレートマッチング等により求めることが考えられる、なお、心臓や心壁、大動脈弓、肺門等の位置を求める手法はこれに限定されず、各種の手法を用いることができる。
各構造物の濃度変化を用いる場合には、心周期の周波数成分が強い箇所を用いることが好ましい。このため、動態画像の各画素で周波数解析を行い、想定される心拍周波数範囲における周波数成分のピークが最も高い領域範囲を選定してもよい。この場合、テンプレートマッチングと併用することによって、より安定的な結果を得ることができ、好ましい。
なお、濃度変化の微分値絶対値の大きさにより、心臓や大動脈や肺門を捉えても良い。心室拡張期より心室収縮期の方が濃度変化の微分値絶対値が大きいため、微分絶対値が最大となる値が正か負かにより、心室か、大動脈や肺門か、を区別することも可能である。
心壁や大動脈弓や肺門等の所定方向(例えばX方向等)の位置変化や、心臓や心臓内下部領域や大動脈や肺門の濃度変化を捉えることにより、例えば図9(a)又は図9(b)に示すような波形が得られる。
これらの波形から、極大値Puや極小値Plをとることで、心拍位相を特定することが可能となる。心臓や心臓内下部領域の濃度変化は心室の血液容量の波形を表しており、極小値Plが心室拡張末期に該当し、極大値Puが心室収縮末期に該当する。
この第3の手法によれば、心室の心拍位相を正確に算出することができる。
なお、大動脈や肺門の濃度変化においては、極小値Plが心室収縮末期に該当し、極大値Puが心室拡張末期に該当する。
心壁の位置変化を見る場合には、座標系は、心臓中心から遠ざかるほど位置座標値が小さくなるようにとれば、極小値Plが心室拡張末期に該当し、極大値Puが心室収縮末期に該当する。大動脈弓や肺門等の位置変化を見る場合には、座標系は、大動脈弓や肺門血管の領域中心から遠ざかるほど位置座標が大きくなるようにとれば、極小値Plが心室拡張末期に該当し、極大値Puが心室収縮末期に該当する。
なお、ここにいう濃度変化の波形は、X線透過の画素値そのものでもよいし、対数変換処理部53における対数変換後の波形でもよい。また、画像を小ブロック化する場合、ブロック化後の波形でもよいし、フィルター処理を行う場合にはフィルター処理後の波形を用いてもよい。
血流解析画像との整合性を保ち、また波形がノイズを含まず安定的に極大値Puや極小値Plを得ることができるようにするとの観点からは、ブロック化やフィルター処理の後の波形を用いることが望ましい。
ここで血流解析画像との整合性とは、例えば、特定したい心拍位相が基準フレーム画像である場合、例えば心室収縮末期は心室濃度波形の極小値Plとなる。
図9(a)は、オリジナル画像の波形の一例を示す図であり、図9(b)は、フィルター処理後の波形の一例を示す図である。
図9(a)及び図9(b)に示すように、オリジナル画像の波形でとった極小値Plがフィルター処理後に極小値Plでないフレームとなることがある。このため、フィルター処理後の波形から極小値Plを選べばよい。
また、例えば、図10(a)に示すように、心臓の心室領域に関心領域ROIを設定し、この関心領域ROIの濃度値が最小となるフレーム画像を基準フレーム画像に選定してもよい。
ここで、濃度値が最小であるとは、関心領域ROIとされた心室領域の血液量が最大であることを意味する。
例えば、図10(b)に示す例では、フレーム番号45のフレーム画像が濃度値最小フレームとなっており、当該フレーム画像を基準フレーム画像に選定する。
また、複数の心拍がある場合には、周波数解析により、予め心拍周波数を抽出し、その心周期の単位で存在する極大値と極小値の組合せを選ぶようにしてもよい。例えば、動画が15fpsで心周期が1.2Hzであれば、12.5フレーム周期で心室拡張末期(極小値)と心室収縮末期(極大値)のペアが存在する。
この場合、各フレームにおいて心室拡張末期らしさを定量化し、12.5フレーム周期のフレーム画像の組合せの中で、「最も心室拡張末期らしさ」の強いフレーム画像を心室拡張末期のフレームとすればよい。基準フレーム画像は、ある一周期における心室拡張末期のフレームを選択すればよい。
なお、ここで、「心室拡張末期らしさ」とは、極小値であることや、直後数フレーム間における微分値が高いこと、を用いて表現すればよい。
なお、この他の心拍位相については、例えば心室拡張末期と心室収縮末期との相対的な位置、つまり中間フレーム等であれば、収縮中期であり、収縮の初動が収まったフレーム画像を基準フレーム画像として選択することができる。
心室収縮末期や心室拡張末期を基準とし、絶対的な時刻変化、例えば0.2b秒後等を、心室収縮中期(拡張末期の0.2秒後)や心室拡張初期(心室収縮末期の0.2秒後)として抽出してもよい。
なお、例えば心不全では通常と心拍位相が乱れるように、人により心拍位相の変化は様々なため、目的に応じて適切な心拍位相の選定方法を決定するとよい。
なお、基準フレーム画像をいずれのフレーム画像に設定するかは、検出したい血流の状態によって異なる。例えば末梢の血管の血流状態を見る場合でなければ、上記タイミング以外に撮影されたフレーム画像を基準フレーム画像としてもよい。
また、基準フレーム画像は、体動や呼吸等による動き量の小さいフレーム画像に設定することが好ましい。
フレーム画像ごとの動き量や、解析対象に適したフレーム画像の範囲(解析対象フレーム範囲)が撮影用コンソール2において算出、設定されている場合には、画像取得部51がこれらの情報も撮影用コンソール2から受け取ってもよい。この場合には、解析対象設定部52はこれらの情報に基づいて解析対象フレーム範囲を設定し、その中から基準フレーム画像となるフレーム画像を設定してもよい。
対数変換処理部53は、画像取得部51によって取得された動態画像の画素値を対数変換して対数変換画像を作成する。
画像取得部51によって取得された心拍を有する生体を撮影した動態画像の画素値(すなわち、画素信号値)は、濃度値であり、画素値が高いほどX線が多く透過し、画素値が低いほどX線透過率が低いことを意味している。
すなわち、血流量が多いところは、血流によってX線が遮られるため、画素値が低くなり、逆に血流量が少ないところは、X線の透過率が高くなって、画素値が高くなる(図2等参照)。
また、生体に入射したX線は、血液のみならず、X線透過方向に存在する各種の構造物(例えば、肋骨等の骨や、肺以外の各種臓器等)の存在によっても遮られ、これによって放射線透過率及び画素値も変化する。
X線照射量(入力)I0とX線透過量(出力)Iとの関係は以下の式1で成り立ち、透過する対象物質の各パラメーターをμ、ρ、Xとすると、X線の入出力の関係は、μやρやXの合成により決定する。
I= I0×exp[-μ・ρ・X] …式1
なお、式1において、
μ: 質量吸収係数[cm2/g]
ρ: 密度[g/cm3]
X: 被写体透過距離[cm]
ここで、生体内の主要な構造物の「μ」(質量吸収係数)及び「ρ」(密度)を例示すると、図11(a)のようになっている。図11(b)に示すように、透過X線は肺野に到達するまでに脂肪、骨、血管(血液)等の構造物を透過するため、肺野の血液量変化を正しく捉えるためには、これら生体内の構造物の影響を考慮する必要がある。そのため、なるべく被写体を静止させた状態にて一定時間の撮影を行うなど、各種の対策が必要となる。
例えば、2つのフレーム間における脂肪・骨・肺の厚みが一定で、血管(血液)の厚みのみが変化する、という状態モデルを仮定すると、例えば、各フレームにおけるX線出力値をI、基準フレームにおけるX線出力値をI’とし、それぞれの厚み(すなわち、X線が被写体を透過する距離)を、脂肪…Xa、骨…Xb、血管(血液)…Xc、肺…Xdとしたとき、各時刻における脂肪・骨・肺の厚みが一定とすると、2つの時刻のX線出力値の対数の差は、時間に因らず一定である入射線量I0に因らず、下記の式2で示すことができる。
log I - log I'
= log(I_0 * exp[-μa・ρa・Xa] * exp[-μb・ρb・Xb] * exp[-μc・ρc・Xc] * exp[-μd・ρd・Xd]) - log(I_0 * exp[-μa・ρa・Xa] * exp[-μb・ρb・Xb] * exp[-μc・ρc・Xc'] * exp[-μd・ρd・Xd])
= { log(I_0) + (-μa・ρa・Xa) + (-μb・ρb・Xb) + (-μc・ρc・Xc) + (-μd・ρd・Xd) } - { log(I_0) + (-μa・ρa・Xa) + (-μb・ρb・Xb) + (-μc・ρc・Xc') + (-μd・ρd・Xd) }
= -μc・ρc・(Xc - Xc') …式2
対数変換のための公式は、式3として表すことができ、これを先の式2に代入すると、式4が得られる。
log M - log N = log ( M / N ) …式3
log I - log I' = log( I / I' ) …式4
このように、動態画像についてその画素値を対数変換することで、X線の入出力の関係をX線透過方向における単位面積あたりの血液量変化に比例した数値で示すことができ、物理的に、血流容量の拍動性変化に比例する成分を算出することができる。これにより、血流状態を直感的な形で医師に提示でき、臨床的に意味のある画像や数値を医師等に提供することができる。
ここで、μcやρcを求めることで、絶対的な血管厚み変化(血液量変化)を表すこともできる。
なお、計算方法としては、対数変換を最初に行わず、式4に示しているように、画素値の比をとった後に対数変換処理を行ってもよい。このとき、分母I’を基準フレームのX線透過量(出力)に該当させる。本実施形態では、対数変換処理後に差分を得る処理を行う場合を例として説明するが、この場合、画素値の比をとった後に対数変換処理を行ってもよい。また、画素値の比をとった後に対数変換処理を行わなくてもよい。この場合、物理量と比例する数値にはならないものの、大小関係は成り立つ。また、比ならば対数変換を省略でき、μやρの値も必要とせず、医師にも直感的に理解しやすい数値となるメリットがあるため、このような手法も望ましい。例えば肺血流は比で1〜2%程度であるというように説明することができる。
また、対数変換の計算方法として、ここでは単純にlog I と記載しているが、たとえば以下のような式(式5)でも構わない。ここでLは対数変換後の画素値、変数a,b,c,dはパラメーターである。
L = a + b * log ( c * I + d) …式5
また、肺野内全域への流入量とは逆に、心臓領域内の全域の拍出量を合計することによっても、同様の計算を行うことができる。さらには、心拍数も動態画像から算出する等により取得すれば、これを心拍数と積算することで、1分間の心拍出量を意味する値を得ることもでき、診断に役立てることができる。
さらに、肺野を左右に分割するとともに、例えば上・中・下の3つの領域に分割し、領域ごとに数字として提示すれば、臓器内の各領域ごとの違いを分析することも可能である。
このように領域ごとの数値を出す手法においては、画像全体を解析せずともよく、必要な領域内のみ演算すればよい。これにより、不要な演算時間を削減することができる。
なお、領域抽出の手法としては、テンプレートマッチングなど種々の既存の手法を用いることができる。
血流解析部54は、基準フレーム画像と他のフレーム画像との差分又は比をとることで血流解析画像を生成する。
なお、本実施形態の解析対象設定部52は前述のように、X線動態画像(元のX線画像)又は対数変換画像のうち少なくとも一方について基準フレーム画像を設定するようになっており、血流解析部54は、解析対象設定部52により設定された基準フレーム画像と他のフレーム画像である比較フレーム画像との差分をとるか又は基準フレーム画像と比較フレーム画像との画素値の比をとり、これに基づいて血流解析画像を生成するようになっている。
すなわち、解析対象設定部52により基準フレーム画像としてX線動態画像のうちの一つのフレーム画像が設定された場合には、比較フレーム画像もX線動態画像のうちの一つのフレーム画像として、血流解析部54は、X線動態画像同士の差分又は画素値の比をとる。また、解析対象設定部52により基準フレーム画像として対数変換画像のうちの一つのフレーム画像が設定された場合には、比較フレーム画像も対数変換画像のうちの一つのフレーム画像として、血流解析部54は、対数変換画像同士の差分又は画素値の比をとる。
本実施形態の血流解析部54は、基準フレーム画像と比較フレーム画像との差分をとる場合に、各々の画素値を、7mm以上のブロックサイズにおける代表値とするようになっている。
前述のように、本実施形態では、できる限りアーチファクトを排除して血流解析を行うために、息止めを行った状態で撮影を行うか、又は複数撮影されたフレーム画像の中から動き量が小さいフレーム画像が連続している範囲を解析対象フレーム範囲と設定する等により血流解析を行うようになっている。
しかし、たとえ息止めを行った状態で撮影を行っても、血管は、心臓の拍動によりXY方向に動いてしまい、画素値の変化が血流容量の変化ではなく血管の動きを表してしまうことがある。特に、血液容量の変化による画素値の変化が微量であることに対し、血管の動きによる画素値の変化は大きいため、血管の動きによる画素値の変化を拾ってしまうと正しく血液容量の変化を捉えられないという問題があった。
この点、血管の径及び動き量を計測したところ、多くの健常者や患者の場合、特に肺門や左肺の広い肺野領域において、心臓の拍動により2mm程度の径の血管が5mm程度XY方向に動く、との結果を得た。
2mm程度の径の細い血管がこのように動いて解析範囲に出入りした場合、画素値の変化の比にすると5%ほどに相当する。これに対して、例えば肺野内の血液容量の変化は、画素値の変化の比にして1〜2%相当である。このため、血管の動きの影響を受けると、捉えたい血液容量の変化とは全く異なるものを算出してしまうおそれがある。
そこで、血流解析部54は、基準フレーム画像と比較フレーム画像との差分又は比をとる際に、基準フレーム画像及び比較フレーム画像を小ブロック化する場合、そのブロックサイズを、血管径2mm+動き幅5mm=7mm以上とすることが好ましい。
図12(a)から図12(d)は、血管及びその動き幅と小ブロックとの関係を模式的に示した説明図である。
例えば、図12(a)や図12(b)に示すように、小ブロックのサイズを、7mm以下とした場合(図12(a)では1pixである場合を示し、図12(b)では5mmである場合を示している。)には、解析部分が血管の動きの影響を受ける範囲内に収まってしまう。
これに対して、図12(c)は、小ブロック化した場合のブロックサイズを7mm以上とした場合(図12(c)に示す例では10mm)とした例である。血管の径及び動き量の合計が小ブロックのサイズ以下となるようにした場合、基準フレーム画像及び比較フレーム画像の画素値(又は対数値)を小ブロック内の代表値、すなわち、平均値や中央値や統計値で置き換えることで、血管の動きによる影響を低減させることができる。
なお、図12(d)は、小ブロック化した場合のブロックサイズを10mmとし複数の血管(図12(d)では2本の血管)が大きく移動しており、小ブロック内への血管の出入りのある場合を示している。ただし、図12(d)に示す例のように、他の血管が周囲にある場合には、小ブロック内に血管が出入りしたことによる血流解析の結果への影響は緩和される。
このように、基準フレーム画像と比較フレーム画像との差分又は比をとる場合に、血管の径及び動き量の合計よりも小ブロックのサイズを大きくした場合(例えば7mm以上、図12(c)に示す例では10mm)に、このような小ブロック内の画素値の平均値や中央値や統計値といった代表値を基準フレーム画像及び比較フレーム画像の画素値(又は対数値)とすることで、血管の動きによるアーチファクトを低減し、血液容量の変化を正確に捉えることができる。
なお、小ブロックのサイズが大きすぎる場合には、画像が粗くなり詳細な血流解析を行うことが難しくなる。このため、小ブロックのサイズは、アーチファクトを低減でき、かつ、必要な画質を確保できる程度(例えば、7mm以上20mm以下等)に設定されることが好ましい。
また、本実施形態では、前述のように、息止めを行った状態で撮影を行うか、又は複数撮影されたフレーム画像の中から動き量が小さいフレーム画像が連続している範囲を解析対象フレーム範囲と設定する等により血流解析を行うようになっている。
しかし、たとえ息止めを行った状態で撮影を行う等しても、無意識に体が動いてしまうことによる画素値の変化が起こることがあり得る。このため、血流容量の変化を正しく捉えることができないおそれがあった。
そこで、血流解析部54は、基準フレーム画像と比較フレーム画像との差分又は比をとる場合に、各々の画素値について時間方向に周波数成分を限定するフィルター処理をかけることが好ましい。
例えば、周波数処理により、心臓の拍動(心拍)に起因する動きや濃度変化のみに限定した数値とすることで、ノイズを抑制することができる。
図13(a)は、心臓(左心室)の周波数特性を示すグラフであり、図13(b)は、肺野内のある箇所の周波数特性を示すグラフである。
体動等により生ずる低周波成分は、ノイズとして大きく乗ってしまう。このため、心拍周波数よりも低い周波数成分をカットするハイパスフィルター処理を行うことが好ましい。これにより、体動等により生ずる低周波成分がノイズとなるのを抑制することができる。
また、心拍周波数のみに限定したバンドパスフィルター処理を行ってもよい。これにより、パネルノイズ等に起因する高周波ノイズもカットすることができる。
手法としては、まず画像から心臓(左心室)の領域を抽出し、心臓領域の濃度の時間的変化のデータに対してフーリエ変換等の周波数解析を行い、周波数のピーク(最大値)を算出する(図13(a)参照)。
なお、低周波の動き(すなわち、体動等)が大きい場合には、周波数のピークが低周波となってしまうため、予め息止め状態等で撮影されたフレーム範囲(解析対象フレーム範囲)を対象とすることが望ましい。
また、例えば0.8Hz未満は対象から除外する等、解析対象を一定の周波数範囲に限定してもよい。
なお、心臓(左心室)の領域の抽出は、テンプレートマッチング等の手法で行ってもよい。また、このとき、心壁上を抽出することで、心壁の動きによる周波数成分を抽出してもよい。
周波数のピークを算出したら、例えばバンドパスフィルターの場合、心拍の信号が存在するピーク周波数範囲を決定する。ピーク周波数範囲は、例えば、ピーク周波数±0.1Hzの範囲等を固定値として決定してもよいし、周波数成分の分布によって動的に幅を変えてもよい。
このようにした場合、心拍基本周波数のみしか抽出できないこととなるが、高周波ノイズのない安定的な血流解析画像を得ることができる。
さらに、高調波の周波数範囲についても信号の存在範囲として抽出してもよい。この場合には、例えばピーク周波数×N±0.1Hzの範囲等を固定値として決定してもよいし、周波数成分の分布によって動的に幅を変えてもよい。
フィルター処理は、例えば、図14(a)に示すような入力データ(波形)がある場合に、これについてフーリエ変換を行い、図14(b)に示すような周波数空間に変換する。そして、この周波数空間において所望の周波数フィルター処理をかけることで、図14(c)に示すように所望の周波数範囲の信号を抽出し、さらにこれを逆フーリエ変換するとの手法でもよい(図14(d)参照)。
また、フーリエ変換以外にも、例えばDCT変換を用いてもよい。
なお、フィルター処理は、例えば予め所望の周波数をカットするように設計された畳み込み係数の配列を作成し、畳み込み演算により実施してもよい。
なお、フィルター処理の過渡応答の影響により、前後数フレーム(例えば16個の係数配列の畳み込み演算である場合、冒頭末尾のそれぞれから15フレーム分)が信頼性の低いフレーム範囲となる(図14(d)の網掛け部分参照)。こうした信頼性の低いフレーム範囲については血流解析の対象から除去することか好ましい。なお、フィルター処理後の血流解析画像は、基本的に心拍周期での繰り返しの動画像となることから、出力が2心拍周期以上となるようにすることにより、安定的な出力であることを確認できることが望ましい。
例えば、図14(d)に示すように基準フレーム画像を設定した場合、解析対象フレーム範囲内の各フレーム画像を比較フレーム画像として、基準フレーム画像と比較フレーム画像との差分又は比をとり、それぞれについて血流解析画像を得ることができる。
このように、血流解析を行う前にフィルター処理を行うことにより、動態画像に低周波ノイズとなる体動による動きや、高周波ノイズとなるパネルノイズ等が含まれる場合でも、これらの血流解析への影響を抑制し、より正確に視認しやすい血流解析画像を得ることができる。
表示制御部55は、表示部34の表示を制御するものである。
本実施形態では、血流解析部54が、基準フレーム画像と比較フレーム画像との差分をとることで血流解析画像として差分画像を得た場合に、表示部34はこれを機能画像として表示するようになっている。
このとき、表示制御部55は、差分値(差分画像の画素値)が、正の場合と負の場合とで色相を変えて表示させるように、表示部34の表示を制御する。さらに、表示制御部55は、差分値の絶対値を色相以外のパラメーターと対応付けて、表示部34の表示に反映させるように制御する。
なお、本実施形態では、血流解析部54が、基準フレーム画像と比較フレーム画像との差分をとることで血流解析画像として差分画像を得た場合の差分値について説明するが、血流解析部54が、基準フレーム画像と比較フレーム画像との比をとることで血流解析画像として比率値画像を得た場合の比(比率値)についても同様であるため、省略して説明する。
すなわち、基準フレーム画像の画素値I’を分母、比較フレーム画像の画素値Iを分子とした比を求め、その比と1.0との差を、比率値Ratとする(Rat = I / I’ - 1.0又はRat = log(I/I’) - 1.0)。比率値は差分値とほぼ同様に扱うことができるため、比の場合には、表示制御部55は、比率値が正の場合と負の場合とで色相を変えて表示させるように、表示部34の表示を制御し、また、比率値の絶対値を色相以外のパラメーターと対応付けて表示部34の表示に反映させるように制御すればよい。
すなわち、血流解析画像としての差分画像(又は比率値画像)を表示部34にそのまま表示させても、画像が示す状態を誰もが直ちに理解することは難しい。
そこで、差分画像(又は比率値画像)をより見やすい画像として表示させることが望ましい。
本実施形態の血流解析部54は、血流等の状況が分かりやすいように、血流状態に応じて差分画像に色分け等を施した画像を機能画像として表示部34に表示させる。
具体的には、図15(a)に示すように、差分値(又は比率値)が、正の場合と負の場合とで色相を変え、差分値(又は比率値)の絶対値を色相以外のパラメーターに対応付ける。
図15(b)には、動態画像を構成するフレーム画像の一例を示し、図15(c)には、図15(b)に示したフレーム画像に対応する差分画像の機能画像の一例を示している。
例えば、差分画像において、基準フレーム画像と比較フレーム画像とを比べたときに、血流の増減がない(すなわち、濃度値に変化がない)領域を増減なし領域Ar0とし、血流量が減少している(すなわち、差分値が正であり、濃度値が濃くなっている)領域を血流量減領域Ar1とし、血流量が増加している(すなわち、差分値が負であり、濃度値が薄くなっている)領域を血流量増領域Ar2とする。
そして、表示制御部55は、例えば、差分値が正である血流量減領域Ar1は青等の寒色で表現し、差分値が負である血流量増領域Ar2は赤等の暖色で表現するというように、血流量減領域Ar1と血流量増領域Ar2とでそれぞれ色相を変えて表示部34に表示させる。
表示部34にこのように表示させることで、一見してその色味から血流状態を把握することのできる機能画像の表示が可能となる。
なお、基準フレーム画像と比較フレーム画像とを比べたときの差がゼロの場合には、無彩色とすることが望ましく、例えば黒で表現する。これにより、血流の色がより一層際立って視認されるため、望ましい。
また、本実施形態の表示制御部55は、差分値(又は比率値)の絶対値を色相以外のパラメーターに対応付ける(なお、以下では差分値の場合を例として説明するが、前述のように、比率値についてもその取扱いは同様である。)。
ここでいう色相以外のパラメーターとは、色の強さや彩度や明度、又はこれらの組み合わせの少なくともいずれかを含んでおり、例えば図16(a)に示す画像がある場合に、増減なし領域Ar0、血流量減領域Ar1、血流量増領域Ar2は、それぞれ、黒、青、赤に色分けされる。そして、それぞれの色の彩度、明度等は、各差分値の絶対値に応じて決められる。
例えば、図16(b)に示すように、差分値が−1000の場合のR,G,B値は、255, 0, 0、差分値が−500の場合のR,G,B値は、255, 0, 0、差分値が−100の場合のR,G,B値は、50, 0, 0、差分値が0の場合のR,G,B値は、0, 0, 0となる。差分値が1000の場合のR,G,B値等についても同様である。
ここで、差分値をXとすると、
負であれば、R=|X|*α,G=B=0 であり、
正であれば、B=|X|*α,R=G=0 となる。
αは調整可能なパラメーターであり、図16(b)の例ではα=0.5である。
なお、上限値を設け、255以上の値となったときは255に補正する。
この表現範囲(上限値)は、人ごとに異なると人ごとの違いを一律に把握できなくなるため、一律に同じ値を用いることが望ましい。表現範囲(上限値)を一律とすることにより、心拍出量の絶対的な差も同時に把握することができ、診断効率を上げることができる。
なお、血液量の変化に比例した数値に基づいて、差分画像を色に変換することによって、空間的な血液量変化のマップを、動画像で得ることも可能である。
また、血流量の変化は、表示部34に表示させて視認可能な状態に提示する場合に限定されない。
例えば、肺野内の絶対的な血液量の変化は、患者や撮影動画ごとに、肺野内全域に対して合計し、数字として提示すれば、心拍出量を意味する値となり、診断に役立てることができる。
しかしながら、心拍出量は人によって大きな差があることから、血流信号が非常に小さい人や非常に大きい人の場合に、視認性が低下してしまう、という問題もある。
そこで、この場合に、ユーザーが上限値を操作設定したり、既に規定値が設定されている場合に当該規定値を適宜修正できるようにしておくことが望ましい。
例えば、表示部34に図示しないスクロールバーを配置し、画像と並列表示させて、画像を確認しながら調整可能に構成することが好ましい。
また、血流信号が通常と大きく異なる人向けの上限値を幾つか決めておき、上限値が異なるモードを、ボタンにより選択することで変更可能に構成されていてもよい。
これにより、ユーザーが各モードの見え方を把握していれば、心拍出量の絶対値の把握と、血流分布の視認性の維持と、を両立することができる。
なお、上記では、差分値が正である血流量減領域Ar1は青等の寒色で表現し、差分値が負である血流量増領域Ar2は赤等の暖色で表現する場合を例示したが、赤と青のみで表現する場合には上限値があり、分解能に限界がある。このため、同じ暖色や寒色の中の異なる色相を用いることで、さらに分解能を上げてもよい。
また、X線撮影画像(オリジナル画像)との比較にあたり、臓器の位置、特に肺血流が存在すべき肺野領域を把握しやすいようにユーザーに提示したいとの要求がある。
血流においては、肺野の末梢部分に近づくにしたがって肺血流が徐々に低下していくことが分かっており、肺野領域辺縁の位置を把握することで、正常な肺血流低下なのか、何らか疾患による異常な肺血流低下なのかを区別することができる。
このため、例えば、図16(a)や図17に示すように、肺野領域の辺縁の位置をライン(図16(a)及び図17では破線)で描画することが望ましい。例えばRGBのうち、Gの値を用いて補助情報として描画することが考えられる。
なお、総合判断で診断するにあたり、X線撮影画像(オリジナル画像)との比較が重要であるため、オリジナル画像を血流解析画像(本実施形態では、差分画像又は比率値画像)や機能画像と併置して表示部34に表示させることが望ましい。
また、オリジナル画像と血流解析画像や機能画像とは分けて表示する場合に限定されず、オリジナル画像に血流解析画像や機能画像を重畳させて表示させてもよい。
この場合には、視認性をよくするために、機能画像の色成分を透過させてオリジナル画像に重畳することが好ましい。
具体的には、例えば、オリジナル画像のある周辺数画素単位で、1画素を機能画像の画素値と置き換える等の手法によることが考えられるが、一般的な透過処理の手法等を用いても構わない。
このような表示を行うことにより、2つの画像が混合し、純粋な機能画像の視認性は若干低下してしまうが、時空間的にオリジナル画像と血流機能画像との対比を一瞥して理解することができ、診断の効率が向上する。
また、表示制御部55が表示部34に表示させる画像は、静止画のみならず、動画でもよい。
血流解析を動画で表示すれば、例えば血管閉塞がある場合に、血流が肺血管のどこまで到達して、どこで途絶してしまうのか等、血液容量の時間的な変化を分かりやすく表示させることができる。このような動画像を健常者の画像と比較して観察することにより、疾患のある場合と健常者との違いをより明確に把握することができる。
また、通常、肺門から肺野の末梢部分へと肺血流が流れることに対し、これとは異なる動きがある場合には何らかのアーチファクトである懸念がある。血流解析を動画で表示することにより、こうした異常に容易に気付き、診断者において適切に把握することができるため、望ましい。
例えば、構造物の左右への動きがアーチファクトとしてのる場合、構造物の左右の動き範囲における端周辺に同量の正負逆の信号が付加されてしまう、という問題がある。
例えば、体全体が動いてしまい横に揺れる場合、画素値そのものの濃淡変化が急峻な外胸郭辺縁や体側面辺縁に、赤と青の偽信号が発生してしまう場合がある。この点、血流解析を動画で表示すれば、その発生位置や、時間的な信号変化を観察できるようになり、医師がアーチファクトか否かを判断可能となるため、誤診を防止することができる。
なお、動画の表示フレーム範囲としては、撮影動画全フレームを表示部34に表示させてもよいが、フィルター処理により発生した過渡応答が大きなフレーム範囲は計算結果の信頼性が担保されないため、動画として表示部34に表示させる際にも除去することが望ましい。
なお、オリジナル動画像(X線動態画像)と並べて表示させる場合、同じフレーム範囲を並列表示することが望ましい。または、スクロールバー等からは全フレームを選択可能としておき、動画再生はフィルター処理の有効範囲に留めるとしてもよい。
別の表示フレーム範囲としては、基準フレーム画像と同じ心拍位相のフレーム画像を開始フレーム及び終了フレームとする、N心拍周期の範囲を表示フレーム範囲とするとよい。この場合、Nは整数とする。
このようにすることで、心拍周期での一連の血流の変化を理解することができ、診断者にとって分かりやすく、望ましい。
また、心室の収縮末期位相に対応するフレーム画像を、開始フレーム及び終了フレームとすれば、心室から血流が拍出され拍入してくる一連の流れを分かりやすく、把握することができて、望ましい。
なお、別の表示フレーム範囲としては、代表する1心拍周期だけを表示させてもよい。このように、動画再生時間を短くすることで、診断効率を向上させることができる。この場合、基準フレーム画像から離れた時刻ほど体動成分等の影響を受けるため、代表は基準フレーム画像を含む1周期であることが望ましい。このようにすれば、体動成分等の影響を最小化することができる。
なお、本実施形態において静止画を提示する場合には、動画の中から代表的な1枚を選択する必要がある。この場合、心拍位相に基づき、心室の収縮末期もしくは、肺野全体に血流が行き届いた時刻に対応する1枚を選択することが望ましい。
これにより、1枚であっても肺血流の低下の位置が最も把握しやすくなる。なお、複数心拍周期のデータがある場合は、基準フレーム画像の後もしくは前の周期を選択すればよい。このようにすることで、体動成分等の影響を最小化できる。
また、動画の表示フレーム範囲に含まれるフレーム画像を代表する1枚として選択すれば、動画中における代表静止画の時刻の対応がつくため、望ましい。
また、本実施形態の表示制御部55は、血流解析画像又は機能画像について、診断対象外の領域を表示しないように表示部34の表示を制御するようにしてもよい。
広い範囲を表示させる場合、当該範囲に体動成分等、血流容量の変化以外の成分がアーチファクトとして発生している可能があり、誤診の原因ともなる。また、余計な信号が診断者の目に触れることで、診断効率が落ちてしまうとの問題もある。
この点、診断対象外の領域を表示しないとすることで、誤診を防ぐことができる。また、表示対象を絞ることで診断効率を向上させることができる。
例えば、肺血流を視認したい場合、肺野領域内のみを表示させることにより、肺血流分布に集中して視認することができる。この場合、肺野領域以外は、信号なし、つまり黒として描写すればよい。なお、この場合、心臓も表示領域に含めれば、肺野と心臓との血流容量の入れ替わりが比較できるため、望ましい。
なお、例えば大動脈領域は、全身系の血流であるが、アーチファクトではないため、表示領域に含めてもよい。
全身系の血流を視認したい場合は、逆に肺野領域を表示から除外してもよい。
また、肺野領域も全身系も両方把握したい場合や、アーチファクト把握の意味では、すべて表示させてもよい。
このように、血流解析の目的に応じて表示領域や表示対象を切り替えることができるように構成すれば、目的に応じてより適切な診断を行うことができる。
[解析装置(動態画像解析装置)の作用について]
次に、図18を参照しつつ、本実施形態における動態画像解析装置である解析装置3の作用について説明する。
まず、撮影装置1によって動態画像が撮影されると、解析装置3における制御部31の画像取得部51は、通信ネットワークNTを介して複数のフレーム画像からなる動態画像(X線動態画像)のデータを受信する(ステップS1)。画像取得部51が取得する動態画像は、撮影装置1において撮影された全画像でもよいが、本実施形態では、息止め状態で撮影されたフレーム画像やその周辺のフレーム画像等、呼吸動や体動の少ないフレーム画像とすることが好ましい。このようにすることで、血流解析に用いるのに適さない画像を解析装置3内に溜め込むことを回避でき、解析装置3の記憶部32の負担等を軽減することができる。
なお、撮影用コンソール2等において、解析対象フレーム範囲等が算出された場合には、画像取得部51は、これらの情報も動態画像データと対応付けられた状態で取得する。
動態画像を取得すると、制御部31(制御部31の血流解析部54)は、画像を小ブロック化する(ステップS2)。画像を小ブロック化して、ブロックごとの代表値をとることで、ホワイトノイズや動き影響を低減させることができる。
さらに、制御部31の対数変換処理部53は、元画像(オリジナルのX線動態画像)に対して対数変換処理を行う(ステップS3)。これにより、物質厚みの時間的変化の計測が可能となる。
さらに、制御部31の血流解析部54は、体動による動き等の影響を低減させるために、時間方向にハイパスフィルター(例えば0.8Hz)やバンドパスフィルター(心拍周期)等をかけるフィルターによるノイズ除去処理を行う(ステップS4)。
さらに、制御部31の解析対象設定部52は、心臓の心室拡張末期に対応するフレーム画像等、所定のタイミングで取得されたフレーム画像を基準フレーム画像として設定する(ステップS5)。なお、前述のように、いつの時点(タイミング)のフレーム画像を基準フレーム画像として設定するかは、どの部分の血流解析を行うか等、血流解析の目的等に応じて適宜設定される。
そして、制御部31の血流解析部54は、基準フレーム画像と、これとは異なる比較対象となるフレーム画像(比較フレーム画像)との差分(又は比)を算出し、この差分値(又は比率値)に応じて血流解析画像を生成する(ステップS6)。
血流解析部54により生成された血流解析画像は、表示制御部55が表示部34を制御することにより、適宜表示部34の表示画面に表示される。
なお、この場合、表示部34には、血流解析画像をオリジナルのX線画像と並列表示させてもよいし、オリジナルのX線画像に血流解析画像を重畳して表示させてもよい。また、血流解析画像は、差分値に基づく差分画像(又は比率値に基づく比率値画像)のままでもよいし、その濃度値等に基づいて色分け等を施した機能画像であってもよい。
本実施形態によれば、被写体Mである患者にとって比較的簡易かつ非侵襲で得ることのできる動態画像(X線動態画像)に基づいて血流解析を行うことができる。
なお、図18に示した処理の手順は一例であり、処理の順序等はここで説明したものに限定されない。
図18に示した手順ではフィルター処理を行った後の波形に基づいて基準フレーム画像を設定することができるが、基準フレーム画像はフィルター処理後の波形に基づいて設定する場合に限定されない。
また、画像の小ブロック化処理やフィルター処理は、ノイズ除去のために適宜行われるものであり、必須ではなく、例えば、いずれか一方のみの処理を行うとしてもよいし、いずれの処理も行わないとしてもよい。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る動態画像解析装置である解析装置3は、心拍を有する生体を時系列的に連続して撮影することで取得される複数の連続するフレーム画像で構成される動態画像(X線動態画像)を取得する画像取得部51と、画像取得部51によって取得された動態画像の画素値を対数変換して対数変換画像を作成する対数変換処理部53と、動態画像又は対数変換画像のうち少なくとも一方について、心拍位相に基づき一のフレーム画像を基準フレーム画像として設定する解析対象設定部52と、該基準フレーム画像と他のフレーム画像である比較フレーム画像との差分又は比をとり、これに基づいて血流解析画像を生成する血流解析部54と、を備えている。
このように、本実施形態では動態画像を用いて血流解析を行うため、例えば従来の血流シンチグラフィー検査等と比較して、一般的な装置を用いて比較的簡易に行うことができる。また、通常の動態画像を行うのみで足りるため、非侵襲でX線被曝も比較的少なく、患者の負担も少なくて済む。
そして、こうした負担の少ない手法で、血流シンチグラフィー検査等、他の検査と同等の信頼性のある血流解析結果を得ることができる。
また、本実施形態では、解析対象設定部52は、フレーム画像から血流アーチファクトとなる動きを検出し、複数のフレーム画像のうち、血流アーチファクトとなる動きを含まないフレーム画像が連続している範囲内から、基準フレーム画像及び比較フレーム画像を選定する。
このため、血流解析に適したフレーム画像を用いて解析を行うことができ、より精度の高い血流解析結果を得ることができる。
また、本実施形態では、血流解析部54は、基準フレーム画像と比較フレーム画像との差分又は比をとる場合に、各々の画素値を、7mm以上のブロックサイズにおける代表値とする。
このように、画像を小ブロック化してその代表値をとることでホワイトノイズ等を適切に除去することができる。
また、血管径及び血管の動き幅よりも大きなサイズにブロックサイズを設定することで、ブロック範囲内に血管が出入りするのを防ぐことができ、血管の動きに起因するアーチファクトの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、血流解析部54は、基準フレーム画像と比較フレーム画像との差分又は比をとる場合に、各々の画素値について時間方向に周波数成分を限定するフィルター処理を行う。
このようにフィルター処理を行うことで、画像からノイズを除去して体動による動き等の影響を低減させることができ、より信頼性の高い血流解析を行うことができる。
また、本実施形態では、解析対象設定部52は、血流解析の対象や目的等に応じて、心拍位相のうちの各種のタイミングに対応するフレーム画像を基準フレーム画像として設定する。
例えば、解析対象設定部52が、心臓の心室拡張末期に対応するフレーム画像を基準フレーム画像として設定した場合には、心臓に最も多くの血流が流入しており、他の臓器に送られる血流が最も少ないタイミングのフレーム画像を基準フレーム画像として設定することができる。
このため、血液容量の変化による画素値の変化が微量である血流解析において、解析すべき画素値の変化が各種のノイズに埋もれることを防いで、比較的正確に計測することが可能となる。
また、各部における心拍位相の微妙なずれの影響についても最小限に抑えることができる。
さらに、この手法では既に信頼性を認められている血流シンチグラフィー検査の結果と近い情報が画像として得られやすく、解析結果の正しさの検証が容易である。
また、例えば、解析対象設定部52が、心拍動の発生後であって心臓の心室収縮期に対応するフレーム画像を基準フレーム画像として設定した場合には、心臓から送り出された血液が末梢の血管まで到達する前に血液容量の変化を観察することができる。
このため、心臓の拍動による動きの影響を最小化して、末梢血管等の細い血管の血液容量の変化の分布を正確に把握することができる。
また、例えば、解析対象設定部52が、肺野の心臓近傍領域の濃度変化又は大動脈等の血管の位置変化に基づいて基準フレーム画像を設定した場合には、心室の心拍位相を正確に算出することができる。
また、本実施形態では、血流解析部54が基準フレーム画像と比較フレーム画像との差分をとることで得た差分画像(又は基準フレーム画像と比較フレーム画像との比をとることで得た比率値画像)を機能画像として表示する表示部34と、表示部34の表示を制御する表示制御部55と、をさらに備えており、表示制御部55は、差分画像(又は比率値画像)における画素値が、正の場合と負の場合とで色相を変えて表示させるように、表示部34の表示を制御するとともに、差分値(又は比率値)の絶対値を色相以外のパラメーターと対応付けて、表示部34の表示に反映させるように制御する。
これにより、血流の状態を視覚的に分かりやすく提示することができ、診断に資する画像を医師等に提供することができる。
また、ここにいう色相以外のパラメーターは、彩度、明度、又は彩度及び明度の合成の少なくともいずれかを含んでいる。
このため、血流量の多い所、少ない所を明確に分かりやすく示すことができる。
また、本実施形態では、表示制御部55は、機能画像について、診断対象外の領域を表示しないように表示部34の表示を制御する。
このように、診断対象外の領域を表示しないとすることで、誤診を防ぐことができる。また、表示対象を絞ることで診断効率を向上させることができる。さらに、診断対象箇所にアーチファクトがなければそれ以外の箇所にアーチファクトがあっても診断に用いることはできることから、診断に用いる資料を多く確保することができる。
[変形例]
なお、本発明が上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、動態画像解析装置である解析装置3が、血流解析画像等を表示させる表示部34を備えている場合を例示したが、解析装置3が表示部34を備えていることは必須ではない。
例えば、解析装置3とは別に高解像度のモニター等を備える表示装置等が設けられて、解析装置3における解析結果(すなわち血流解析画像等)を表示装置等のモニターで確認することができるようにしてもよい。
1 撮影装置
2 撮影用コンソール
3 解析装置(動態画像解析装置)
10 撮影システム
31 制御部
34 表示部
51 画像取得部
52 解析対象設定部
53 対数変換処理部
54 血流解析部
55 表示制御部

Claims (12)

  1. 心拍を有する生体を時系列的に連続して撮影することで取得される複数の連続するフレーム画像で構成されるX線動態画像を取得する画像取得部と、
    前記画像取得部によって取得された前記X線動態画像の画素値を対数変換して対数変換画像を作成する対数変換処理部と、
    前記X線動態画像又は前記対数変換画像のうち少なくとも一方について、心拍位相に基づき一のフレーム画像を基準フレーム画像として設定する解析対象設定部と、
    該基準フレーム画像としての前記X線動態画像と他のフレーム画像である比較フレーム画像としての前記X線動態画像との差分又は比をとり、あるいは前記基準フレーム画像としての前記対数変換画像と前記比較フレーム画像としての前記対数変換画像との差分又は比をとり、これに基づいて血流解析画像を生成する血流解析部と、
    を備えていることを特徴とする動態画像解析装置。
  2. 前記解析対象設定部は、心臓の心室拡張末期に対応するフレーム画像を前記基準フレーム画像として設定することを特徴とする請求項1に記載の動態画像解析装置。
  3. 前記解析対象設定部は、前記フレーム画像から血流アーチファクトとなる動きを検出し、前記複数のフレーム画像のうち、前記血流アーチファクトとなる動きを含まないフレーム画像が連続している範囲内から、前記基準フレーム画像及び前記比較フレーム画像を選定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動態画像解析装置。
  4. 前記血流解析部は、前記基準フレーム画像と前記比較フレーム画像との差分又は比をとる際に、各々の画素値を、7mm以上のブロックサイズにおける代表値とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  5. 前記血流解析部は、前記基準フレーム画像と前記比較フレーム画像との差分又は比をとる際に、各々の画素値について時間方向に周波数成分を限定するフィルター処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  6. 前記解析対象設定部は、前記心拍動の発生後であって心臓の心室収縮期に対応するフレーム画像を前記基準フレーム画像として設定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  7. 前記解析対象設定部は、肺野の心臓近傍領域の濃度変化又は血管の位置変化に基づいて前記基準フレーム画像を設定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  8. 前記血流解析部が、前記基準フレーム画像と前記比較フレーム画像との差分又は比をとることで得た前記血流解析画像を機能画像として表示する表示部と、
    前記表示部の表示を制御する表示制御部と、
    をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記機能画像の画素値が、正の場合と負の場合とで色相を変えて表示させるように、前記表示部の表示を制御するとともに、前記画素値の絶対値を色相以外のパラメーターと対応付けて、前記表示部の表示に反映させるように制御することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  9. 前記色相以外のパラメーターは、彩度、明度、又は彩度及び明度の合成の少なくともいずれかを含んでいることを特徴とする請求項8に記載の動態画像解析装置。
  10. 前記表示制御部は、前記機能画像について、診断対象外の領域を表示しないように前記表示部の表示を制御することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の動態画像解析装置。
  11. 心拍を有する生体を時系列的に連続して撮影することで取得される複数の連続するフレーム画像で構成されるX線動態画像を取得する画像取得工程と、
    前記画像取得工程において取得された前記X線動態画像の画素値を対数変換して対数変換画像を作成する対数変換処理工程と、
    前記X線動態画像又は前記対数変換画像のうち少なくとも一方について、心拍位相に基づき一のフレーム画像を基準フレーム画像として設定する解析対象設定工程と、
    該基準フレーム画像としての前記X線動態画像と他のフレーム画像である比較フレーム画像としての前記X線動態画像との差分又は比をとり、あるいは前記基準フレーム画像としての前記対数変換画像と前記比較フレーム画像としての前記対数変換画像との差分又は比をとり、これに基づいて血流解析画像を生成する血流解析工程と、
    を含んでいることを特徴とする動態画像解析方法。
  12. 動態画像解析装置のコンピューターに、
    心拍を有する生体を時系列的に連続して撮影することで取得される複数の連続するフレーム画像で構成されるX線動態画像を取得する画像取得機能と、
    前記画像取得機能によって取得された前記X線動態画像の画素値を対数変換して対数変換画像を作成する対数変換処理機能と、
    前記X線動態画像又は前記対数変換画像のうち少なくとも一方について、心拍位相に基づき一のフレーム画像を基準フレーム画像として設定する解析対象設定機能と、
    該基準フレーム画像としての前記X線動態画像と他のフレーム画像である比較フレーム画像としての前記X線動態画像との差分又は比をとり、あるいは前記基準フレーム画像としての前記対数変換画像と前記比較フレーム画像としての前記対数変換画像との差分又は比をとり、これに基づいて血流解析画像を生成する血流解析機能と、
    を実現させることを特徴とするコンピューター読み取り可能なプログラム。
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