JP2020062394A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動態画像に含まれる部位の濃度変化と形態変化を用いて肺換気機能や心機能の異常を検出できるようにする。【解決手段】診断用コンソール3によれば、制御部31は、撮影用コンソール2により送信された胸部の動態画像の複数のフレーム画像間における胸部内の一の部位の濃度変化に係る特徴量を算出し、濃度変化に係る特徴量の算出に用いた複数のフレーム画像間における胸部内の一の部位又は他の部位の形態変化に係る特徴量を算出し、算出した濃度変化に係る特徴量と形態変化に係る特徴量の比に基づいて、肺換気機能又は心機能に係る特徴量を算出する。【選択図】図16

Description

本発明は、動態解析システムに関する。
従来のフィルム/スクリーンや輝尽性蛍光体プレートを用いた胸部の放射線による静止画撮影及び診断に対し、FPD(flat panel detector)等の半導体イメージセンサーを
利用して胸部の動態画像を撮影し、診断に応用する試みがなされるようになってきている。具体的には、半導体イメージセンサーの画像データの読取・消去の応答性の速さを利用し、半導体イメージセンサーの読取・消去のタイミングと合わせて放射源からパルス状の放射線を連続照射し、1秒間に複数回の撮影を行って、胸部の動態を撮影する。撮影により取得された一連の複数枚のフレーム画像を順次表示することにより、医師は呼吸運動や心臓の拍動等に伴う胸部の一連の動きを観察することが可能となる。
胸部の動態画像に基づいて肺の換気や血流を解析する各種技術も提案されている。例えば、特許文献1には、複数の動態画像の時間的に隣接する2つの画像の間で差分をとることにより複数の差分画像を生成し、生成された複数の差分画像から各対応する画素群毎に、該画素群毎の画素値の最大値、最小値、平均値、中間値のいずれかを該画素群毎の画素値として画像を生成し、表示することが記載されている。
特許第4404291号公報
特許文献1に記載の技術は、胸部の動態画像の解析手法の一つであり、他の手法により肺換気機能や心機能の異常を検出するための解析技術も望まれる。
本発明の課題は、胸部の動態画像に含まれる部位の濃度変化と形態変化を用いて肺換気機能や心機能の異常を検出できるようにすることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の動態解析システムは、
胸部の動態を撮影することにより動態画像を取得する撮影手段と、
前記撮影手段により取得された動態画像の複数のフレーム画像間における前記胸部内の一の部位の濃度変化に係る特徴量を算出する濃度変化算出手段と、
前記濃度変化算出手段において前記濃度変化に係る特徴量の算出に用いた前記複数のフレーム画像間における前記胸部内の前記一の部位又は他の部位の形態変化に係る特徴量を算出する形態変化算出手段と、
前記濃度変化に係る特徴量と前記形態変化に係る特徴量の比に基づいて、肺換気機能又は心機能に係る特徴量を算出する特徴量算出手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記濃度変化に係る特徴量は、前記濃度変化の大きさに係る特徴量であり、前記形態変化に係る特徴量は、前記形態変化の大きさに係る特徴量である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記胸部内の一の部位は、肺野であり、
前記特徴量算出手段は、肺換気機能に係る特徴量を算出する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記複数のフレーム画像は、少なくとも呼気位におけるフレーム画像と吸気位におけるフレーム画像である。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、
前記濃度変化算出手段は、前記濃度変化に係る特徴量を肺野の局所毎に算出するか、又は、片肺野平均、肺野全体平均を算出する。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記形態変化算出手段は、前記一の部位の形態変化に係る特徴量として、肺野の面積変化率を算出する。
請求項7に記載の発明は、請求項3〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記形態変化算出手段は、前記他の部位の形態変化に係る特徴量として、呼吸に伴う前記胸部内の他の身体部位の距離の変化率を算出する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、
前記呼吸に伴う前記胸部内の他の身体部位の距離の変化率は、胸郭の距離変化率、肋間距離の変化率、肺尖-横隔膜間距離変化率の何れかである。
請求項9に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記胸部内の一の部位は、心臓であり、
前記特徴量算出手段は、心機能に係る特徴量を算出する。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、
前記複数のフレーム画像は、少なくとも心臓の拡張末期におけるフレーム画像と縮小末期におけるフレーム画像である。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の発明において、
前記濃度変化算出手段は、前記濃度変化に係る特徴量を心臓の局所毎に算出するか、大動脈上、肺動脈上で算出するか、又は、左心室全体平均、左心房全体平均、右心室全体平均、右心房全体平均、心臓全体平均を算出する。
請求項12に記載の発明は、請求項9〜11の何れか一項に記載の発明において、
前記形態変化算出手段は、前記一の部位の形態変化に係る特徴量として、心臓面積変化率を算出する。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12の何れか一項に記載の発明において、
前記特徴量算出手段の算出結果に応じて色付けした静止画又は動画を表示する表示手段を備える。
本発明によれば、動態画像に含まれる部位の濃度変化と形態変化を用いて肺換気機能や心機能の異常を検出することが可能となる。
本発明の実施形態における胸部画像表示システムの全体構成を示す図である。 図1の撮影用コンソールの制御部により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。 図1の診断用コンソールの制御部により実行される画像解析処理を示すフローチャートである。 (a)は、肺塞栓症の解析結果画像であり、(b)は、(a)の左肺野と右肺野の解析結果値の時間変化を示すグラフである。 (a)は、左右の肺野で血流解析結果の位相がずれている解析結果画像の一部を示す図、(b)は、(a)の解析結果画像に対し、右肺野領域を1フレームずつ前にずらした動画像を示す図である。 オリジナル解析結果画像と位相合わせ解析結果画像とを並列表示した例を示す図である。 過去と今回の解析結果画像の表示例を示す図である。 肺尖−横隔膜の距離の表示の一例を示す図である。 肺尖−横隔膜の距離の変化量、変化速度、規格化変化量の時間変化グラフの一例を示す図である。 胸郭の位置の表示の一例を示す図である。 心壁の位置の表示の一例を示す図である。 大動脈、肺門付近の肺動脈などの太い血管の位置の表示の一例を示す図である。 肺野の面積の表示の一例を示す図である。 心臓の面積の表示の一例を示す図である。 心胸郭比の表示の一例を示す図である。 (a)は、胸部画像に対し、吸気位と呼気位間の濃度差分値(濃度比)に応じて色付けを行った画像、(b)は、胸部画像に対し、(a)の濃度差分値(濃度比)を吸気位と呼気位間の肺野面積変化率、又は肺尖-横隔膜間距離変化率で除算した値に応じて色付けを行った画像である。 複数動画に対する解析結果の比較表示の一例を示す図である。 複数動画に対する解析結果の比較表示の一例を示す図である。 複数動画に対する解析結果(空間方向のヒストグラム)の比較表示の一例を示す図である。 複数動画に対する解析結果(時間方向のヒストグラム)の比較表示の一例を示す図である。 左肺野を反転表示した例を示す図である。 画像再生時に呼吸状態に応じた表示、音、振動を付加した例を示す図である。 (a)は、血圧や呼吸数に基づいて、動態解析結果の配色を規格化する前の画像、(b)は、血圧や呼吸数に基づいて、動態解析結果の配色を規格化した後の画像を示す図である。 非接触リモコンによる操作を模式的に示す図である。 (a)は、ウェアラブルディスプレイに表示されている画像及びウェアラブルディスプレイを通して見る患者を模式的に示す図、(b)は、(a)を見ている操作者の視界を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
〔胸部画像表示システム100の構成〕
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における胸部画像表示システム100の全体構成を示す。
図1に示すように、胸部画像表示システム100は、撮影装置1と、撮影用コンソール2とが通信ケーブル等により接続され、撮影用コンソール2と、診断用コンソール3とがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して接続されて構成されている。胸部画像表示システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
〔撮影装置1の構成〕
撮影装置1は、例えば、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動等の、周期性(サイクル)を持つ胸部の動態を撮影する撮影手段である。動態撮影は、人体の胸部に対し、X線等の放射線を連続照射して複数の画像を取得(即ち、連続撮影)することにより行う。この連続撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。
撮影装置1は、図1に示すように、放射線源11、放射線照射制御装置12、放射線検出部13、読取制御装置14等を備えて構成されている。
放射線源11は、被写体Mを挟んで放射線検出部13と対向する位置に配置され、放射線照射制御装置12の制御に従って、被写体Mに対し放射線(X線)を照射する。
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、連続照射時のパルスレート、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影フレーム数、X線管電流の値、X線管電圧の値、付加フィルター種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、連続撮影において、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
放射線検出部13は、FPD等の半導体イメージセンサーにより構成される。FPDは、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源11から照射されて少なくとも被写体Mを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子(画素)がマトリックス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を備えて構成されている。FPDにはX線をシンチレーターを介して光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型、X線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
放射線検出部13は、被写体Mを挟んで放射線源11と対向するように設けられている。
読取制御装置14は、撮影用コンソール2に接続されている。読取制御装置14は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて放射線検出部13の各画素のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、放射線検出部13に蓄積された電気信号を読み取ることにより、画像データを取得する。この画像データがフレーム画像である。そして、読取制御装置14は、取得したフレーム画像を撮影用コンソール2に出力する。画像読取条件は、例えば、フレームレート、フレーム間隔、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)等である。フレームレートは、1秒あたりに取得するフレーム画像数であり、パルスレートと一致している。フレーム間隔は、連続撮影において、1回のフレーム画像の取得動作開始から次のフレーム画像の取得動作開始までの時間であり、パルス間隔と一致している。
ここで、放射線照射制御装置12と読取制御装置14は互いに接続され、互いに同期信号をやりとりして放射線照射動作と画像の読み取りの動作を同調させるようになっている。
〔撮影用コンソール2の構成〕
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影及び放射線画像の読み取り動作を制御するとともに、撮影装置1により取得された動態画像を撮影技師等の撮影実施者によるポジショニングの確認や診断に適した画像であるか否かの確認用に表示する。
撮影用コンソール2は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部21のCPUは、操作部23の操作に応じて、記憶部22に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って後述する撮影制御処理を始めとする各種処理を実行し、撮影用コンソール2各部の動作や、撮影装置1の放射線照射動作及び読み取り動作を集中制御する。
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部22は、制御部21で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶部22は、図2に示す撮影制御処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、記憶部22は、検査対象部位に対応付けて放射線照射条件及び画像読取条件を記憶している。各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
操作部23は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部21に出力する。また、操作部23は、表示部24の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部21に出力する。
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、操作部23からの入力指示やデータ等を表示する。
通信部25は、LANアダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔診断用コンソール3の構成〕
診断用コンソール3は、撮影用コンソール2から動態画像を取得し、取得した動態画像やその解析結果画像を表示して医師が読影診断するための画像処理装置である。
診断用コンソール3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、操作部33の操作に応じて、記憶部32に記憶されているシステムプログラムや、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、後述する画像解析処理を始めとする各種処理を実行し、診断用コンソール3各部の動作を集中制御する。制御部31は、解析手段、領域分割手段、生成手段、抽出手段として機能する。
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31で画像解析処理を実行するためのプログラムを始めとする各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
操作部33は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。また、操作部33は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
表示部34は、LCDやCRT等のモニターにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、操作部33からの入力指示やデータ等を表示する。
通信部35は、LANアダプターやモデムやTA等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔胸部画像表示システム100の動作〕
次に、上記胸部画像表示システム100における動作について説明する。
(撮影装置1、撮影用コンソール2の動作)
まず、撮影装置1、撮影用コンソール2による撮影動作について説明する。
図2に、撮影用コンソール2の制御部21において実行される撮影制御処理を示す。撮影制御処理は、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、撮影実施者により撮影用コンソール2の操作部23が操作され、撮影対象(被写体M)の患者情報(患者の氏名、身長、体重、年齢、性別等)や解析対象(例えば、血流又は換気)の入力が行われる(ステップS1)。
次いで、放射線照射条件が記憶部22から読み出されて放射線照射制御装置12に設定されるとともに、画像読取条件が記憶部22から読み出されて読取制御装置14に設定される(ステップS2)。
次いで、操作部23の操作による放射線照射の指示が待機される(ステップS3)。ここで、撮影実施者は、解析対象が血流である場合、呼吸による肺野の動きが影響しないように、被検者(被写体M)に息止めを行うように指示する。また、解析対象が換気である場合、安静呼吸の動態を撮影するために被検者(被写体M)に楽にするように指示し、安静呼吸を促す。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると(ステップS3;YES)、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示が出力され、動態撮影が開始される(ステップS4)。即ち、放射線照射制御装置12に設定されたパルス間隔で放射線源11により放射線が照射され、放射線検出部13によりフレーム画像が取得される。
ここで、撮影中に解析に適した動態画像が取得できているのかを撮影実施者が判断できるようにするために、撮影により取得されたフレーム画像が所定枚数(例えば、半周期又は一周期に相当する程度の枚数)に到達する毎に、取得したフレーム画像に基づく濃度波形を生成し、基準波形との相互相関係数(相関値)が所定の閾値よりも低い場合に表示部24に警告メッセージを表示することとしてもよい。或いは、警告を音声や振動により出力することとしてもよい。これにより、撮影している動態画像が解析に適さない動態画像である場合に早期に撮影を中断することができ、無駄な患者の被曝を抑えることができる。
濃度波形は、例えば、取得したフレーム画像毎に画素の信号値(濃度値)の平均値を算出し、これを時系列に並べて(縦軸が信号値(平均値)、横軸がフレーム番号(撮影開始からの経過時間)の座標空間にプロットして)生成してもよいし、ROI(Region of Interest:関心領域)を設けてフレーム画像毎に算出したROI内の信号値の平均値を時系列に並べて生成することとしてもよい。また、基準波形として、解析対象毎に位相、波長、形状の異なる複数の基準波形を予め記憶部22に記憶しておき、各基準波形と濃度波形との相互相関係数を算出し、最も高い相互相関係数を閾値との比較に使用する。なお、最初に最も高い相互相関係数の基準波形が決まったら、その後の処理ではその基準波形と濃度波形との相互相関係数のみを求めて閾値と比較することとしてもよい。これにより、処理時間を短縮することができる。
予め定められたフレーム数の撮影が終了すると、制御部21により放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影終了の指示が出力され、撮影動作が停止される。撮影されるフレーム数は、少なくとも1心拍サイクル又は1呼吸サイクルが撮影できる枚数である。
撮影により取得されたフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、撮影順を示す番号(フレーム番号)と対応付けて記憶部22に記憶されるとともに(ステップS5)、表示部24に表示される(ステップS6)。撮影実施者は、表示された動態画像によりポジショニング等を確認し、撮影により診断に適した画像が取得された(撮影OK)か、再撮影が必要(撮影NG)か、を判断する。そして、操作部23を操作して、判断結果を入力する。
操作部23の所定の操作により撮影OKを示す判断結果が入力されると(ステップS7;YES)、動態撮影で取得された一連のフレーム画像のそれぞれに、動態画像を識別するための識別IDや、患者情報、検査対象部位、放射線照射条件、画像読取条件、撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報が付帯され(例えば、DICOM形式で画像データのヘッダ領域に書き込まれ)、通信部25を介して診断用コンソール3に送信される(ステップS8)。そして、本処理は終了する。一方、操作部23の所定の操作により撮影NGを示す判断結果が入力されると(ステップS7;NO)、記憶部22に記憶された一連のフレーム画像が削除され(ステップS9)、本処理は終了する。この場合、再撮影が必要となる。
(診断用コンソール3の動作)
次に、診断用コンソール3における動作について説明する。
診断用コンソール3においては、通信部35を介して撮影用コンソール2から動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により図3に示す画像解析処理が実行される。
以下、図3を参照して画像解析処理の流れについて説明する。
まず、一連のフレーム画像に基づいて肺野領域内の動態解析が行われ、動態の解析結果を示す複数のフレームからなる解析結果画像が生成される(ステップS11)。
具体的に、ステップS11においては、まず、一連のフレーム画像の中から一のフレーム画像が基準画像として設定される。次いで、基準画像から肺野領域が抽出され、この抽出された領域が複数の画素からなる複数の小領域(例えば、2mm角×2mm角)に分割される。次いで、他のフレーム画像が基準画像の各小領域と同じ画素位置の小領域(撮影に使用された放射線検出部13の同じ検出素子から出力される信号値の領域)に分割され、各フレーム画像間の同じ画素位置の領域が互いに対応付けられる。これにより、一連のフレーム画像の解析対象部位の領域が複数画素からなる複数の小領域に分割される。
肺野領域の抽出方法は何れの方法であってもよい。例えば、基準画像の各画素の信号値(濃度値)のヒストグラムから判別分析によって閾値を求め、この閾値より高信号の領域を肺野領域候補として1次抽出する。次いで、1次抽出された肺野領域候補の境界付近でエッジ検出を行い、境界付近の小ブロックでエッジが最大となる点を境界に沿って抽出すれば肺野領域の境界を抽出することができる。
ここで、本実施形態においては、解析対象が血流の場合は息止め状態で撮影を行い、解析対象が換気である場合は安静呼吸時に撮影を行っているが、息止め状態ではフレーム画像間における呼吸運動による肺野領域の位置ずれはほとんどなく、安静呼吸時においても呼吸運動による肺野領域はわずかである。このわずかな位置ずれによる影響と、このフレーム画像間における位置ずれを補正するための公知のローカルマッチング処理及びワーピング処理(特開2012−5729号公報参照)を施すことによる処理時間の増大及び誤差の影響を考えると、これらの処理は省略することが好ましい(特開2012−110400号公報参照)。そこで、ステップS11においては、基準画像の肺野領域(小領域)と同じ画素位置の領域を他のフレーム画像の肺野領域(小領域)として対応付けている。
なお、処理時間はかかるが、公知のローカルマッチング処理及びワーピング処理により基準画像と他のフレーム画像の肺野領域の対応する位置(肺野内の同一の構造が描写されている位置)の位置合わせを行ってから小領域への分割を行うこととしてもよい。
基準画像としては、肺野領域の面積が最小となるフレーム画像とすることが好ましい。このようにすれば、基準画像の各小領域を他のフレーム画像に対応付けたときに、各小領域が他のフレーム画像の肺野領域外の領域に対応付けられることがないためである。例えば、換気を解析する場合であれば、基準画像は安静呼気位のフレーム画像とすることが好ましい。安静呼気位では、安静呼吸時において横隔膜の位置が最も高くなる、即ち、肺野領域の面積が最も小さくなるので、基準画像の各小領域を他のフレーム画像に対応付けたときに、各小領域が他のフレーム画像の肺野外の領域に対応付けられることがないためである。安静呼気位の画像は、一連のフレーム画像の中から横隔膜の位置が最も高い位置にある画像を抽出することで取得することができる。また、各フレーム画像から肺野領域を抽出し、抽出された肺野領域の面積が最も小さい(肺野領域内の画素数が最も少ない)フレーム画像を安静呼気位の画像としてもよい。
ステップS11において、小領域への分割が終了すると、小領域毎に動態解析が行われ、解析結果を示す解析結果画像が生成される。動態解析の手法としては、公知のどのような手法を用いてもよいが、例えば、下記の(1)〜(3)等を用いることができる。
(1)解析対象が血流である場合、例えば、特開2012−239796号公報の記載の手法を用いることができる。即ち、撮影開始からの拍動信号波形に対して、上記の小領域毎に、血流信号波形を1フレーム間隔ずつずらしながら(時間軸方向にシフトさせながら)、拍動信号波形と各小領域の血流信号波形との相互相関係数を算出し、1フレームずらす毎に算出された相互相関係数を各小領域に示した画像を1フレームとして並べた動画像を血流解析結果画像として生成してもよい。
血流信号波形は、一連のフレーム画像の各小領域毎に、時間軸方向のハイパスフィルター処理(例えば、低域カットオフ周波数0.8Hz)を施してから小領域内の各画素の信号値の代表値(平均値、最大値等)を算出し、算出した代表値の時間変化を示す波形を取得することにより求めることができる。
拍動信号波形としては、以下の何れかを用いることができる。
(a)心臓領域(又は大動脈領域)にROI(関心領域)を定め、そのROIにおける信号値の時間変化を示す波形
(b)(a)の波形を反転させた信号波形
(c)心電検知センサーより得られた心電信号波形
(d)心壁の動き(位置の変化)を示す信号波形
また、相互相関係数は、以下の[数1]により求めることができる。
(2)解析対象が血流である場合、特開2013−81579号公報に記載のように、上述の小領域毎に、時間軸方向のハイパスフィルター処理(例えば、低域カットオフ周波数0.8Hz)を施してから隣接するフレーム画像間で小領域内の各画素の信号値の代表値(平均値、最大値等)の差分値を算出し、各隣接するフレーム画像間で算出された差分値を各小領域に示した画像を1フレームとして時系列順に並べた動画像を血流解析結果画像として生成してもよい。上記手法により生成されたフレーム間差分画像は、各小領域における換気による信号変化が除去されており、各小領域における血流による信号変化を示す画像となる。
(3)解析対象が換気である場合、特開2013−81579号公報に記載のように、上述の小領域毎に、時間軸方向のローパスフィルター処理(例えば、カットオフ周波数1.0Hz)を施してから隣接するフレーム画像間で小領域内の各画素の信号値の代表値(平均値、最大値等)の差分値を算出し、各隣接するフレーム画像間で算出された差分値を各小領域に示した画像を1フレームとして時系列順に並べた動画像を換気解析結果画像として生成してもよい。上記手法により生成されたフレーム間差分画像は、各小領域における血流による信号変化が除去されており、各小領域における換気による信号変化を示す画像となる。
解析結果画像が生成されると、生成された解析結果画像の各フレームのそれぞれがフレーム間で対応する複数の領域に分割される(ステップS12)。
ここで、周期的な被写体の動態を撮影することにより得られた動態画像を解析した解析結果画像の値である解析結果値は、解析結果画像のフレーム順(時系列)に並べると、動態の周期を反映して、ほぼ周期的な変化をする。しかし、疾患によっては、肺野内の領域毎に解析結果の位相がずれる場合がある(図4(b)参照)。
例えば、閉塞性肺疾患の患者の場合、気道抵抗・肺コンプライアンスが増大し残気量の増大のため換気率が低下し、部分的に換気に遅延が生じることがある。また、肺塞栓症の患者の場合、完全に血管が塞がりきっていない塞栓の存在により、その塞栓が存在する方の肺野の血流が他方に比べて遅延する傾向がある。このような場合、肺野内の領域によって解析結果の位相にずれが生じる。
ステップS12においては、各フレームの解析対象領域である肺野領域が、例えば、被写体の病状等に応じて解析結果の位相のずれが発生する単位で分割される。
例えば、図4(a)、(b)に示す肺塞栓症の例(図4(a)は、上記(1)の解析手法(拍動信号波形と血流信号波形の相互相関係数)により得られた解析結果画像、図4(b)は、図4(a)の左肺野と右肺野の解析結果値の時間変化を示すグラフ)では、右肺野のピーク(極大点)に比べて左肺野のピークが2フレーム程度遅延している。このような場合は、肺野領域を、左肺野、右肺野の2つの領域に分割する。
肺野領域の場合、左肺野と右肺野の2つの領域に分割する他、例えば、上、中、下(上下)の3つ(2つ)の領域に分割したり、上中下と左右(上下と左右)を組み合わせた6つ(4つ)の領域に分割したりすることが考えられるが、どのように分割するかは特に限定されない。ただし、解析結果の位相のずれは、最小でもステップS11で分割した解析単位となるため、ステップS12における領域分割は、ステップS11で分割した解析単位である小領域より大きい領域に分割する。
なお、どのように分割するかは、操作部33によりユーザが入力(選択)することができる。
次いで、ステップS12で分割された複数の領域における解析結果の位相が一致するように、各領域に表示するフレームをずらした表示用動画像を生成する(ステップS13)。
ステップS13においては、具体的には、まず、解析結果画像の各フレームの各領域毎に、信号値(解析結果値)の代表値(例えば、平均値、最大値、最頻値等)を算出し、これを各領域の解析結果値とする。次いで、領域毎に解析結果値を解析結果画像のフレーム順番に並べて解析結果の信号波形を生成し、領域毎に、極大点、極小点、中間点、正負の符号が切り替わる点のうち少なくとも一つの特徴点に該当するフレームを抽出する。そして、抽出された同一の特徴点のフレームが同一タイミングで表示されるように、即ち、各領域の解析結果の位相が互いに一致して表示されるように、一の領域を基準とした他の領域部分のフレームのずらし量(何フレームずらして表示したら基準の領域と同じ位相になるかを示すフレーム数)を算出する(ずらし量が0の場合もある)。そして、算出したずらし量に基づいて各領域に表示するフレームをずらして(シフトして)各領域の解析結果の位相を合わせた動画像を再構築し、再構築した動画像の各小領域に解析結果の値に応じた色を付して表示用動画像を生成する。例えば、図4(a)、(b)に示すケースでは、右肺野領域はそのまま、左肺野領域は各フレームを2フレームずつ前にずらすことにより、右肺野領域と左肺野領域の位相が一致した表示用動画像を生成する。
例えば、解析結果画像が呼吸におけるフレーム間差分画像である場合、各領域の極大点が同一タイミングで表示されるようにフレームをずらすことにより、肺全体にわたり吸気のピークのタイミングを合わせることができる。また各領域の極小点が同一タイミングで表示されるようにフレームをずらすことにより、肺野全体にわたり呼気のピークのタイミングを合わせることができる。また各領域の正負の符号が切り替わる点が同一タイミングで表示されるようにフレームをずらすことにより、肺野全体にわたり呼気/吸気の切り替わりのタイミングを合わせることができる。
解析結果画像が拍動信号波形と血流信号との相互相関係数を求めた画像である場合、各領域の極大点が同一タイミングで表示されるようにフレームをずらすことにより、肺野全体にわたり血流信号波形が拍動信号波形に最も一致したタイミングを合わせて表示することができる。
生成された表示用動画像は、表示部34に表示(動画表示)され(ステップS14)、画像解析処理は終了する。
なお、生成された解析結果画像及び表示用動画像は、患者情報、検査対象部位、解析対象、日付等に対応付けて記憶部32に記憶される。
図5(a)に、左右の肺野で血流解析結果の位相がずれている解析結果画像(相互相関係数)の一部を示す。この解析結果画像では、iフレーム目が左肺野の解析結果値のピークであり、i+1フレーム目が右肺野の解析結果値のピークであり、解析結果の位相が左右で1フレーム分ずれている。このように左右の肺野で解析結果の位相がずれていると、動画表示した場合に画面がちらつき見にくくなってしまう。また、1つのフレームを見て、肺野全体において、拍動信号波形と血流信号波形の相関が低い異常領域(例えば、血流が小さかったり止まったりしている部分のある領域)が存在するか否かを判断することはできない。そのため、効率よく診断を行うことができない。
図5(b)に、上記図5(a)の解析結果画像に対し、上記画像解析処理のステップS12〜S13の処理を行って、肺野領域を左肺野と右肺野の2つの領域に分割し、右肺野領域(図5(a)の左側の肺野)を1フレームずつ前にずらした動画像の一部を示す。図5(b)に示す動画像では、解析結果の位相が左右の肺野で揃っているので、画面のちらつきを抑えた診断しやすい画像を提供することができる。また、1つのフレームを見て、肺野全体において、拍動信号波形と血流信号波形の相関が低い領域(例えば、血流が小さかったり止まったりしている部分のある異常領域)が存在するか否かを判断することができる。また、解析結果の最大値を1枚の静止画像に集約した画像(MIP(Maximum Intensity Projection)画像と呼ぶ)では、強いノイズがあった場合にその値を拾ってしまい、低い解析結果値が反映されなくなる(例えば、拍動信号波形と血流寝信号波形の相関が低い異常な領域がMIP画像上に現れなくなる)ことがあるが、このようなノイズは生じない。即ち、従来に比べて、情報量の低下やノイズによる解析分解能の低下がなく、かつ診断のしやすい画像を提供することができる。
なお、ステップS14においては、図6に示すように、上記の位相合わせを行っていないそのままの解析結果画像(オリジナル解析結果画像)と、位相合わせを行った解析結果画像(位相合わせ解析結果画像)とを並列表示することとしてもよい。或いは、オリジナル解析結果画像と、位相合わせ解析結果画像の特定の1フレーム(例えば、極大点のフレーム)とを並列表示することとしてもよい。これにより、肺野領域内における解析結果の位相のずれを確認することができると同時に、血流や換気の異常部分があるか否かを効率的に確認することができる。
また、オリジナル解析結果画像と位相合わせ解析結果画像の特定の1フレームを重ね合わせて表示することとしてもよい。例えば、動画表示しているオリジナル解析結果画像の上に、透過度を調整可能な位相合わせ解析結果画像の特定の1フレーム(例えば、極大点のフレーム)を重ねて表示する。これにより視線を動かすことなく、肺野領域内における解析結果の位相のずれ、及び血流や換気の異常部分があるか否かを同時に確認することが可能となる。
また、今回の撮影に基づき生成された位相合わせ解析結果画像と同一患者の同一部位の過去の位相合わせ解析結果画像とを並列に動画表示することとしてもよい。この場合、過去の動態撮影と今回の動態撮影とで取得したフレーム画像の枚数やフレーム画像の間隔が異なる場合があるが、そのような場合は、過去の位相合わせ解析結果画像と今回の位相合わせ解析結果画像のそれぞれから、特定の特徴点のフレーム(例えば、解析結果値の一周期分の極大点、極小点、それらの中間点、正負の符号が切り替わる点等に該当するフレーム)を抽出し、抽出されたフレーム以外のフレームを間引いて、両画像の位相を合わせて並列に動画表示することが好ましい。或いは、間引きはせずに、同じ特徴点のフレームが同時に表示されるように、過去と今回の解析結果画像の各フレームを表示する際のスピードを調整するようにしてもよい。このようにすれば、過去の血流や換気の解析結果を容易に比較することが可能となる。
また、図7に示すように、過去と今回の解析結果画像のそれぞれについて、位相合わせ解析結果画像の特定の1フレーム(例えば、極大点のフレーム)を生成し、過去の静止画像と今回の静止画像の対応する位置の解析結果値の差分を算出して差分画像を生成し、差分値の絶対値が予め定められた閾値以上の領域に色を付した差分画像を表示部34に表示することとしてもよい。これにより、血流又は換気の機能が以前より低下した箇所や改善した部分を医師が容易に識別することが可能となる。
以上説明したように、診断用コンソール3によれば、制御部31は、撮影用コンソール2により送信された胸部の動態画像に基づいて動態の解析を行い、動態の解析結果を示す複数のフレームからなる解析結果画像を生成する。そして、解析結果画像の各フレームのそれぞれを複数のフレーム間で対応する複数の領域に分割し、分割した複数の領域における解析結果の位相が一致するように、各領域に表示するフレームをずらした動画像を生成する。具体的には、分割された複数の領域毎に、解析結果の値の信号波形を生成し、生成した波形の極大点、極小点、中間点、正負の符号が切り替わる点のうち少なくとも一つの特徴点に該当するフレームを抽出する。そして、抽出された同じ特徴点のフレームが同じタイミングで表示されるように、領域毎にフレームのずらし量を算出し、各領域に表示するフレームを算出されたずらし量に基づいてずらした動画像を生成する。そして、生成した動画像を表示部34に表示する。
従って、情報量の低下やノイズによる解析分解能の低下がなく、かつ診断のしやすい画像を提供することができる。
また、例えば、フレームをずらす前のオリジナル解析結果画像と、フレームをずらして位相を合せた位相合わせ画像とを並べて表示するようにすることで、肺野領域内における解析結果の位相のずれを確認することができると同時に、血流や換気の異常部分があるか否かを効率的に確認することができる。
なお、本実施形態における記述は、本発明に係る好適な胸部画像表示システムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態における小領域は、複数の画素から構成されることに限定されず、1つの画素単位で構成される領域としてもよい。
また、例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
また、診断用コンソール3は、胸部の動態画像の解析により、下記の特徴量を算出することができる。
例えば、動態画像の濃度変化をベースとして算出される特徴量としては、ROIブロック内濃度算出、異なる身体領域の濃度変化(濃度変化速度)の比(例えば、心臓上の心拍に伴う濃度変化(濃度変化速度)と肺野内の呼吸に伴う濃度変化(濃度変化速度)の比)、濃度振幅、気流速度、指定したフレーム間の差分又は商、濃度波形相互相関、濃度位相(位相ずれ)、呼気時間、吸気時間、呼吸周期、心拍周期等が挙げられる。また、動態画像の濃度波形を基に呼吸周期のどのタイミングかを可視化する位相動画を表示したり、上記の特徴量の分布のヒストグラムを表示したり、上記の特徴量の空間方向あるいは時間方向の標準偏差を表示することもできる。
また、動態画像内の構造物の形態をベースとして算出される特徴量としては、位置の軌跡(横隔膜、横隔膜平坦度、肺尖-横隔膜の距離、胸郭、肋骨、鎖骨、肩甲骨、心壁、大動脈・肺門付近の肺動脈などの太い血管)、面積(肺野面積、心臓面積)、グラフ上や画像上の2点間の長さ(距離)、角度(肋横角、水平面に対する鎖骨角度、肋骨角度、正中線に対する脊椎角度)、呼吸周期、心拍周期、異なる身体構造の移動量(移動速度)の比、濃度変化を用いた特徴量と形態変化を用いた特徴量の比等が挙げられる。
肺尖−横隔膜の距離については、図8(a)、(b)に示すように、例えば吸気位の画像上に呼気位と吸気位の横隔膜の位置を表示する。図8(a)は、呼気位と吸気位の肺尖−横隔膜の距離の算出時の横隔膜の基準位置を直線で示したものである。図8(b)は、呼気位と吸気位の横隔膜の下端部の輪郭を示したものである。また、図9に示すように、肺尖−横隔膜の距離の変化量、変化速度を算出し、その時間変化グラフを表示することとしてもよい。肺尖−横隔膜の距離の変化量は、変化量を肺尖−横隔膜の平均距離(つまり肺の縦方向の長さの平均値)で規格化した規格化肺尖−横隔膜距離変化量とすることが好ましい。身長、性別、年齢等に応じて呼吸機能(肺の大きさ)が変わってしまうが、変化量を肺の大きさ(長さ)で規格化することでそれらの影響をなくすことができ、個体ごとに換気機能を精度良く比較することが可能となるからである。これらの表示により、医師が呼吸に伴う肺の伸縮量、速さを把握することが可能となる。また、胸式呼吸の強さ、周期、タイミングを把握することが可能となる。
胸郭の位置については、図10に示すように、例えば吸気位の画像上に呼気位と吸気位の胸郭(肺野)の外側、内側の位置を表示する。また、図9に示すように、胸郭の位置の変化量、変化速度を算出し、その時間変化グラフを表示することとしてもよい。また、胸郭幅の変化量、胸郭幅の変化速度を算出し、その時間変化グラフを表示することとしてもよい。胸郭幅の変化量は、肺尖−横隔膜の距離の変化量と同様の理由により、胸郭幅変化量を胸郭幅の平均値で規格化した規格化胸郭幅変化量とすることが好ましい。これらの表示により、医師が呼吸に伴う肺の伸縮量、速さを把握可能とすることが可能となる。また、胸式呼吸の強さ、周期、タイミングを把握することが可能となる。
心壁の位置については、図11に示すように、胸部画像上に心臓拡張期末期、心臓収縮期末期の心壁の輪郭を表示する。また、図9に示すように、心壁の位置の変化量、変化速度を算出し、その時間変化グラフを表示することとしてもよい。また、心臓幅の変化量、心臓幅の変化速度を算出し、その時間変化グラフを表示することとしてもよい。心臓幅の変化量は、肺尖−横隔膜の距離の変化量と同様の理由により、心臓幅変化量を平均心臓幅で除した心臓幅変化率の値とその時間変化グラフ(心臓幅変化率グラフ)を表示することが好ましい。心臓の大きさ(幅)は体格や年齢に応じて変わってしまうが、心臓幅の変化量を大きさ(幅)で規格化することで、体格や年齢の影響をなくすことができ、個体ごとに心機能を精度良く比較することが可能となるからである。これらの表示により、医師が心臓の大きさ、動き量、動く方向、動くタイミング等を把握することが可能となる。
大動脈、肺門付近の肺動脈などの太い血管の位置については、図12に示すように、胸部画像上に心臓拡張期末期及び心臓収縮期末期(又は、吸気位と呼気位)の血管の輪郭を表示する。また、図9に示すように、血管の位置の変化量、変化速度を算出し、その時間変化グラフを表示することとしてもよい。また、血管径変化量、血管径変化速度を算出し、その時間変化グラフを表示することとしてもよい。血管径変化量としては、血管径変化量を平均心血管径で除した血管径変化率の値とその時間変化グラフを表示することが好ましい。これらの表示により、医師が心拍又は呼吸に伴う血管(周辺の肺胞)の動き・方向・タイミング、血管径の変化を把握することができる。血管周辺の組成(例えば肺胞等)が固くなっていた場合は、呼吸や心拍に伴う動き量が少なくなるため、局所肺疾患を検出することができる。また、血管径の大きさ、変化量、変化速度により、肺高圧症や心不全等に伴う血管径肥大を検出することが可能となる。
肺野の面積については、図13に示すように、例えば吸気位の画像上に呼気位と吸気位の肺野の輪郭を表示する。また、図9に示すように、肺野面積の変化量、変化速度を算出し、その時間変化グラフを表示することとしてもよい。肺野面積変化量としては、肺野面積変化量を平均肺野面積で除した肺野面積変化率の値とその時間変化グラフを表示することが好ましい。肺の大きさ(面積)は、身長、性別、年齢に応じて大きさが変わってしまうが、肺の大きさで規格化することでそれらの影響をなくすことができ、個体ごとの換気機能を精度良く比較することができるからである。これらの表示により、医師が肺の大きさやその変化を把握可能となる。
心臓の面積については、図14に示すように、胸部画像上に心臓拡張期及び心臓収縮期の心臓の輪郭を表示する。また、図9に示すように、心臓面積の変化量、変化速度を算出し、その時間変化グラフを表示することとしてもよい。心臓面積変化量としては、心臓面積変化量を平均心臓面積で除した心臓面積変化率の値とその時間変化グラフを表示することが好ましい。心臓の大きさ(面積)は、身長、性別、年齢に応じて大きさが変わってしまうが、心臓の大きさで規格化することでそれらの影響をなくすことができ、個体ごとの心機能を精度良く比較することができるからである。これらの表示により、医師が心臓の大きさ、動き量、動くタイミング等を把握することが可能となる。
異なる身体構造の移動量(移動速度)の比としては、例えば、CTR比(心胸郭比)、横隔膜の移動量(移動速度)と肋骨(又は鎖骨)の移動量(移動速度)の比、横隔膜上の異なる2点の移動量(移動速度の比)が挙げられる。
心胸郭比は、胸郭幅に対する心臓幅の比率を百分率で表したものである。図15に示すように、胸部画像上に心胸郭比計測線を重ねて表示したものや、心胸郭比の値とその時間変化グラフ、心胸郭比の時間変化速度の値とその時間変化グラフ等を表示する。これらの表示により、医師は、心臓の拡大の程度を把握可能となる。また、従来の静止画では得られない、心胸郭比の時間変化、時間変化速度により、心胸郭比の振れ幅(最大〜最小)を知ることができ、より精度よく循環機能異常(例えば肺高圧症や肺塞栓、心不全等)を検出することが可能となる。
濃度変化を用いた特徴量と形態変化を用いた特徴量の比としては、例えば、以下の(1)、(2)がある。
(1)吸気位と呼気位間の濃度差分値(濃度比) (図16(a)参照)を、吸気位と呼気位間の 肺野面積変化率 、又は肺尖-横隔膜間距離変化率で除算する (重み付けをする)(図16(b)参照)。
濃度差分値(濃度比)は、例えば、局所毎(局所ブロック平均)、片肺野平均、肺野全体平均を算出する。表示手法としては、例えば、図16(b)に示すように除算後の値に応じて色を付けた静止画像(又は動画)を表示する。
形態変化の大きさと、濃度変化の大きさを比較することで、例えば閉塞性疾患、拘束性疾患などに伴う換気機能異常を検出することができる。例えば、形態(胸郭や横隔膜)が良く動く割に、濃度変化(肺胞伸縮量)が小さい場合は、換気機能が低下していることがわかる。ここでの形態変化を用いた特徴量としては「胸郭の距離変化率」、「肋間距離の変化率」など、呼吸に伴う他の身体部位の距離変化率を用いても良い。
(2)拡張末期、収縮末期の濃度差分値(濃度比) を、拡張末期と収縮末期間の心臓面積(心壁幅)変化率で除する(重み付けをする。)。
濃度差分値(濃度比)は、例えば、局所毎(局所ブロック平均)、心臓全体平均、左心室全体平均、左心房全体平均、右心室全体平均、右心房全体平均、大動脈上、肺動脈上を算出する。表示態様は、図16と同様である。形態変化の大きさと、濃度変化の大きさを比較することで、例えば肺高圧症や心不全などの心機能異常を検出することができる。例えば、形態(心臓壁)が動く割に、濃度変化(血液量変化)が小さい場合は、心機能が低下していることがわかる。
また、診断用コンソール3は、以下の表示機能を備えている。
例えば、複数画像を表示する際の機能として、複数画像の並列表示、複数画像の同時再生、各動画の周期を合わせて動画再生、各動画の再生開始フレーム番号や再生速度の最適化、1つの画像上に設定したROIを複数画像上に同時に表示、複数画像に個別にROIを表示、各動画の波形を同じグラフに表示(正規化機能有)、各画像同時に同様に拡大、各画像同時に同様に移動、各画像同時に同様に回転、各画像の濃度、コントラストを統一等の機能を備える。
また、診断用コンソール3は、複数動画に対して、以下のように指定フレームの解析結果を比較表示する機能を有する。
例えば、2つの動画から同一呼吸位相(同一心位相)のフレームを抽出し、濃度差分値(濃度比)を算出して表示する機能を有する。例えば、濃度差分値(濃度比)は、局所毎の平均、片肺野平均、肺野全体平均等を算出する。
また、例えば、図17に示すように、2つの各動画から2つの同一呼吸位相(同一心位相)のフレームを抽出し、局所毎(局所ブロック平均)、特定ROI内(平均)、又は全画像範囲(1フレーム)にて濃度差分値(濃度比)を算出し、2つの動画で算出された濃度差分値(濃度比)の差分(比)を算出して表示する機能を有する。
従来の静止画からでは、同一患者でも撮影ごとに若干の呼吸位相(または心位相)に差異があり、濃度値等の経時変化を測定する際、肺野内の生体組成が「病期進行により悪化or治療により良化したことにより濃度値が変化」したのか、「呼吸位相(心位相)がずれている為に(肺胞密度が変化し)濃度値が変化」したのかの区別ができなかった。上述のように、2つの動画内より、略同一位相のフレームを用いて濃度解析をすることで、呼吸位相(または心位相)のずれによる濃度変化はほぼ0にできる為、精度よく経時変化を測定することが可能となる。
また、図18に示すように、2つの動画から同一呼吸位相(同一心位相)のフレームを抽出し、それぞれからCTR値を算出し、胸部画像上に心胸郭比計測線を重ねて表示する機能を有する。また、各動画に対して、心胸郭比の値、心胸郭比の時間変化グラフ、心胸郭比の時間変化速度グラフを表示する機能を有する。
従来では「病期進行や良化に伴いCTR値が変化した」のか、「呼吸位相(または心位相)のズレにより、CTR値が変化した」のかの区別が困難であったが、上記の機能により、呼吸や心拍の影響を受けないCTR値を算出できるため、より精度の高い比較(同一被験者の経時比較、他の人との比較)を行うことができ、診断能が向上する。
また、図19に示すように、2つの動画から抽出した同一呼吸位相(同一心位相)のフレームの空間方向のヒストグラム(例えば、濃度ヒストグラム)を生成し、比較表示する機能を有する。又は、加えて、それら各画像のヒストグラムの差分(商)結果を表示する機能を有する。
また、図20に示すように、2つの動画から同等位相の範囲のフレームを抽出し、時間方向のヒストグラム(例えば、濃度ヒストグラム)、または空間方向+時間方向のヒストグラムを比較表示する機能を有する。又は、加えて、それら各動画のヒストグラムの差分(商)結果を表示する機能を有する。
従来では「病期進行や良化に伴いヒストグラムが変化した」のか、「呼吸位相(または心位相)のズレにより、ヒストグラムが変化した」のかの区別が困難であったが、上記機能により、呼吸や心拍の影響を受けないヒストグラムを算出できるため、より精度の高い比較(同一被験者の経時比較、他の人との比較)を行うことができる。また、ほぼ同位相画像より算出したヒストグラムの差分(商)をとることで、差異の把握が容易になり、診断能(病期進行の有無や投薬効果の有無の把握など)が向上する。
また、診断用コンソール3は、再生機能として、画像の任意領域をカラー表示する機能、画像の任意領域をカラー明度配色で表示する機能、画像任意領域を切り替え表示する機能、画像任意領域を重ね合わせ表示する機能、画像任意領域に肺野枠を表示する機能、現在表示中或いは現在再生中の画像の近辺に関連性の高い新規画像(例えば、過去画像、同一疾患画像、比較用健常者画像等)を自動表示する機能、画像任意領域を位置移動/回転/反転/拡大縮小し、表示する機能、画像(動画)再生時に呼吸状態に応じて表示(文字/配色)や音、振動を付加する機能、被験者の状態(心身特徴、バイタルサイン、ポジショニング)に応じ画像の濃度コントラスト、配色を規格化する機能、使用履歴(画像の表示日時、使用者、頻度等)の表示機能、動画濃淡を3D表示する機能、動画の再生(開始〜終了)フレームの設定機能、再生速度変更(コマ送り、ゆっくり、早送り、逆再生)機能等を有する。
画像任意領域を位置移動/回転/反転/拡大縮小し、表示する機能は、具体的には、画像任意領域を、比較対象となる領域に並べて表示/再生したり、重ね合わせて表示/再生(透過率可変、切り替え表示)したり、差分を取った結果を表示(ワーピングしてから差分を取ってもよい)したりする機能である。図21は、その一例であり、左肺野を反転して右肺野に並べて表示した場合を示している。このような表示機能を有することにより、左右肺の形態・機能の違い(左右差)の把握が容易になる。その結果、局所異常(肺胞や血管分布、肋骨や鎖骨等の形状)の発見が容易になる。
画像(動画)再生時に呼吸状態に応じて表示(文字/配色)や音、振動を付加する機能とは、例えば、動態画像に基づいて取得した濃度波形や横隔膜位置で呼吸位相を認識し、呼吸状態(吸気位or呼気位など)を音や表示(文字、配色)に反映させる機能である。或いは、濃度変化速度や、横隔膜の位置変化速度に応じて、音や表示(文字、配色)の強弱や種類を変化させる機能である。図22に、この機能の一例を示す。図22に示すように、例えば、吸気位はスー、呼気位はハー、息止め時は無音を出力する。また、呼吸位相に応じて「吸気位」、「呼気位」、等の文字を画像上に表示する。また、呼吸位相に応じて画像の配色を任意に変更(例えば、「吸気位は緑〜白」「呼気位は青〜白」等)する。また、呼吸位相に応じて振動を変更(吸気位で振動大→呼気位で振動無し等)する。
この機能により、呼吸状態をより直感的に把握できるため、診断能が向上する。また、呼吸が弱い場合などは、従来の白黒配色の動画の場合、濃度変化や横隔膜移動量や胸郭移動量が小さい為、動画目視による呼吸の状態(呼吸位相)を把握しにくいが、呼吸状態に伴い、「音」「配色」等を変えることで、呼吸位相の把握が容易となり、呼吸が弱い場合の換気機能異常を検出しやすくなる。
被験者の状態(心身特徴、バイタルサイン、ポジショニング)に応じ画像の濃度コントラスト、配色を規格化する機能は、図23に示すように、心拍数、呼吸数、立位又は臥位のポジショニング等の被写体の状態により画像の濃度コントラストや配色を規格化して変えるものである。図23(a)は規格化前の画像を示す図、図23(b)は、規格化後の画像を示す図である。濃度コントラスト等を変える被写体の状態としては、例えば、呼吸数、呼吸の深さなど(呼吸機能に影響を及ぼす因子)、血圧、脈拍数、体温など(血流に影響を及ぼす因子)、撮影ポジショニング(立位又は臥位) 、年齢、性別、肥満度、BMI、人種、国籍等が挙げられる。
健常者でも撮影日によって血圧や呼吸数は変化し、それに伴い動態解析結果も若干変動してしまうが、血圧や呼吸数に基づいて、動態解析結果の配色を規格化することで、同じ基準で比較することができる。また、患者の重症度に応じて、撮影ポジショニングを変える(重症の場合は臥位、軽症又は健常状態の場合は立位)が、立位か臥位によって循環機能、換気機能がどうしても変化してしまうため、過去に臥位で撮影した結果(動態解析結果)と、最近になって立位で撮影した結果(動態解析結果)を精度よく比較することが困難な課題がある(結果に変化があった場合、「病期進行又は治療による良化」が原因なのか、「ポジショニングが異なること」が原因なのかが分からない)。そこで、撮影ポジショニング情報を元に、動態解析結果の配色を規格化することで、撮影ポジショニングが異なる過去の動態解析結果を精度よく比較することができ、経時変化(病期進行、治療効果等)の把握が容易になる。
また、診断用コンソール3は、データ保存機能として、ROIサイズ、ROI座標の保存/読み込み機能、指定フレーム(時間)をトリミングし保存する機能、解析結果(フレーム間差分等の特徴量解析結果、グラフ、コメント、アノテーション付きデータ、患者情報等)を一括保存する機能、アノテーション追加、保存機能、解析結果(特徴量)保存機能を有する。
また、診断用コンソール3は、画像表示の調整機能として、濃度、コントラスト調整機能、拡大表示機能、画像を圧縮して表示する機能を有する。
また、診断用コンソール3は、図24に示すように、非接触リモコンによる操作機能を有する。具体的には、表示したい画像の選択や画像再生や解析等を、操作者Oのジェスチャー認識(手足や目の動き、表情)、音声認識、脳波認識、脳血流認識により行う機能を有する。これにより、救急災害、術中など、衛生面、緊急面で画面操作をマウスなどで実施できない環境でも、動態解析結果表示、グラフ表示、動画再生、画像関心部拡大表示等の操作が可能となり、診断ワークフローが向上する。
また、診断用コンソール3は、図25(a)に示すように、画像や動態解析結果(機能画像)をウェアラブルディスプレイD上に表示する機能を有する。ウェアラブルディスプレイDを装着した操作者Oの視界には、図25(b)に示すように、患者Pの、画像に対応する部位にその画像を重ねて見ることができる。これにより、救急災害、術中などにおいて、目視で直接みる患者Pの視診情報と、「ウェアラブルディスプレイ上に表示されるX線画像や動態解析結果(機能情報)や血圧等のバイタル情報」を交互に見る、又はそれらを重ね合わせて視認することで、視診と画像などの検査結果の確認を同時に進行でき、よりスピーディな診断・処置が可能になる。また、診断用コンソール3は、ウェアラブルディスプレイDに搭載された図示しない光学カメラ等のセンサー情報を元に、ウェアラブルディスプレイDを装着した操作者Oが注目している患者Pが誰かを分析し、操作者Oが注目している患者Pに関連する「X線画像や動態解析結果(機能情報)や血圧等のバイタル情報」などをウェアラブルディスプレイD上に自動で表示する機能を有しても良い。これにより、救急や災害現場等でも操作者が素早く必要な情報を収集でき、適切な診断・処置が可能となる。
また、診断用コンソール3は、表示中の動態解析結果(機能情報)に基づき、ユーザに表示や音、振動等で異常を通知する機能を有する。これにより、ユーザが常に表示画面を見ていなくとも、ユーザが被験者の異常に気付くことができ、より早く的確な診断と治療が可能となる。
また、撮影用コンソール2には、過去画像を元に、撮影条件を決定・表示する機能を備えることとしてもよい。管電流や曝射条件、SID(Source Image receptor Distance)等の撮影条件が分かっている過去に取得された静止画、あるいは動画データについて、例えば関心領域内のS/N等の画質指標を解析し、関心領域の診断をするために必要な動態画像の撮影条件を算出し、その算出した撮影条件を表示部24に表示しても良い。あるいは、その算出した撮影条件にて撮影した画像を診断用コンソール3に送り、動態画像の解析を実施、あるいは動態画像の結果を表示部34に表示しても良い。
また、放射線検出部13、撮影用コンソール2、又は、診断用コンソール3は、特徴量解析の前処理機能として、放射線出力の時間方向の周波数特性によりフィルター処理を最適化する機能を有することが好ましい。
回診用や携帯用の放射線発生装置では、放射線の出力が安定せず、突如あるいは緩やかに放射線出力が上昇あるいは下降をし続ける、あるいは上昇と下降を繰り返す場合がある。その場合、身体の心拍や呼吸によって生じる信号変化を抽出する為に、事前に用意したハイパスフィルターやローパスフィルターの周波数特性では、上記放射線出力の上昇と下降による信号変化を低減することが不十分となり、「心拍や呼吸によって信号変化が生じている」のか「放射線出力の上昇と下降による信号変化が生じている」のかを切り分けることができない。そこで、放射線検出部13、撮影用コンソール2、又は、診断用コンソール3には、撮影前もしくは撮影中に放射線発生装置の放射線出力の周波数特性を検知し、検知した周波数特性に基づき、ハイパスフィルターあるいはローパスフィルターあるいはバンドパスフィルタあるいはバンドストップフィルターの周波数特性を補正し、画像データの時間方向に発生する「放射線出力の上昇と下降による信号変化」を十分低減する画像補正処理を施す機能を有することが好ましい。このような放射線出力の周波数特性把握およびフィルター性能の補正処理、画像補正処理を搭載することにより、動態画像の解析結果に基づく診断精度を向上させることが可能となる。
また、放射線検出部13、撮影用コンソール2、又は、診断用コンソール3には、特徴量解析の前処理機能として、画欠画素を除外、あるいは補正して、動態解析をする機能を有することが好ましい。
動画の解析を行う際、ROIブロック内の画素値群の各種統計値、例えば平均値あるいは最大値、あるいは最小値、あるいは最頻値あるいは中央値等を求める場合があるが、そのROIブロック内に異常画素値が存在すると、ROIブロック内の各種統計値が異常値となり、正しい動態画像の解析結果を得ることができない場合がある。そこで、放射線検出部13、撮影用コンソール2、又は、診断用コンソール3には、撮影前もしくは撮影中に、どこの画素値が異常画素なのかを検知し、検知した異常画素情報に基づき、異常画素を補正する画像補正処理を施す機能を有することが好ましい。あるいは動画の解析を行う際に実施するROIブロック内の画素値群の各種統計値を算出する際、上記で検知した異常画素情報に基づき、異常画素値のみを除外してからROIブロック内の各種統計値を算出するような画像解析処理を施す機能を有することが好ましい。なお、どこが異常画素なのかを検知する手段としては、例えば、暗画像の画素値について、空間的あるいは時間的な画素値変化の傾向について標準偏差などの統計値を用いて導出しても良い。
このような画像補正処理や画像解析処理を搭載することにより、動態画像の解析結果に基づく診断精度を向上させることが可能となる。
また、放射線検出部13、撮影用コンソール2、又は、診断用コンソール3には、特徴量解析の前処理機能として、放射線撮像系の画質情報に基づき、画像を補正する機能を有することが好ましい。
異なる画質特性を持つ放射線撮像系にて取得された動態画像の解析結果を比較しようとした場合、そもそも画像を取得した放射線撮像系の、例えばDQE(Detective Quantum Efficiency)や、MTF(Modulation Transfer Function)などの画像画質特性が異なる為に、正しく動態画像の解析結果を比較できない場合がある。そこで、放射線検出部13、撮影用コンソール2、又は、診断用コンソール3には、放射線検出部13のDQEやMTF、または放射線撮影システムのシステムMTFなどの画質情報を元に、画像を補正する画像補正処理を施す機能を有することが好ましい。
このような画像補正処理機能を搭載することにより、異なる画質特性を持つ放射線撮像系で取得された動態画像の解析結果に基づく診断精度を向上させることが可能となる。
その他、胸部画像表示システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 胸部画像表示システム
1 撮影装置
11 放射線源
12 放射線照射制御装置
13 放射線検出部
14 読取制御装置
2 撮影用コンソール
21 制御部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 バス
3 診断用コンソール
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
34 表示部
35 通信部
36 バス
本発明は、画像処理装置に関する。
本発明の課題は、胸部の動態画像に含まれる部位の形態変化を用いて肺換気機能や心機能の異常を検出できるようにすることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像処理装置は、
胸部の動態を撮影することにより取得された動態画像の複数のフレーム画像を解析することにより、所定の血管の位置を取得する解析手段と、
前記解析手段により取得された前記所定の血管の位置の輪郭を前記胸部の画像上に表示する表示手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記表示手段は、心臓の拡張期末期及び収縮期末期の前記所定の血管の位置の輪郭を前記胸部の画像上に表示する。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記表示手段は、吸気位及び呼気位の前記所定の血管の位置の輪郭を前記胸部の画像上に表示する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記所定の血管は、大動脈又は肺門付近の肺動脈である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、
前記解析手段により取得された前記所定の血管の位置の変化量又は変化速度を算出する算出手段を備える。
請求項6に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記表示手段は、前記算出手段により算出された前記変化量又は前記変化速度の時間変化を示すグラフを表示する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、
前記解析手段により取得された前記所定の血管の位置から血管径変化量又は血管径変化速度を算出する算出手段を備える。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、
前記表示手段は、前記算出手段により算出された前記血管径変化量又は前記血管径変化速度の時間変化を示すグラフを表示する。
請求項9に記載の発明は、請求項に記載の発明において、
前記算出手段は、前記血管径変化量を平均心血管径で除した血管径変化率を前記血管径変化量として算出する。
本発明によれば、動態画像に含まれる部位の形態変化を用いて肺換気機能や心機能の異常を検出することが可能となる。

Claims (13)

  1. 胸部の動態を撮影することにより動態画像を取得する撮影手段と、
    前記撮影手段により取得された動態画像の複数のフレーム画像間における前記胸部内の一の部位の濃度変化に係る特徴量を算出する濃度変化算出手段と、
    前記濃度変化算出手段において前記濃度変化に係る特徴量の算出に用いた前記複数のフレーム画像間における前記胸部内の前記一の部位又は他の部位の形態変化に係る特徴量を算出する形態変化算出手段と、
    前記濃度変化に係る特徴量と前記形態変化に係る特徴量の比に基づいて、肺換気機能又は心機能に係る特徴量を算出する特徴量算出手段と、
    を備える動態解析システム。
  2. 前記濃度変化に係る特徴量は、前記濃度変化の大きさに係る特徴量であり、前記形態変化に係る特徴量は、前記形態変化の大きさに係る特徴量である請求項1に記載の動態解析システム。
  3. 前記胸部内の一の部位は、肺野であり、
    前記特徴量算出手段は、肺換気機能に係る特徴量を算出する請求項1又は2に記載の動態解析システム。
  4. 前記複数のフレーム画像は、少なくとも呼気位におけるフレーム画像と吸気位におけるフレーム画像である請求項3に記載の動態解析システム。
  5. 前記濃度変化算出手段は、前記濃度変化に係る特徴量を肺野の局所毎に算出するか、又は、片肺野平均、肺野全体平均を算出する請求項3又は4に記載の動態解析システム。
  6. 前記形態変化算出手段は、前記一の部位の形態変化に係る特徴量として、肺野の面積変化率を算出する請求項3〜5の何れか一項に記載の動態解析システム。
  7. 前記形態変化算出手段は、前記他の部位の形態変化に係る特徴量として、呼吸に伴う前記胸部内の他の身体部位の距離の変化率を算出する請求項3〜5の何れか一項に記載の動態解析システム。
  8. 前記呼吸に伴う前記胸部内の他の身体部位の距離の変化率は、胸郭の距離変化率、肋間距離の変化率、肺尖-横隔膜間距離変化率の何れかである請求項7に記載の動態解析シス
    テム。
  9. 前記胸部内の一の部位は、心臓であり、
    前記特徴量算出手段は、心機能に係る特徴量を算出する請求項1又は2に記載の動態解析システム。
  10. 前記複数のフレーム画像は、少なくとも心臓の拡張末期におけるフレーム画像と縮小末期におけるフレーム画像である請求項9に記載の動態解析システム。
  11. 前記濃度変化算出手段は、前記濃度変化に係る特徴量を心臓の局所毎に算出するか、大動脈上、肺動脈上で算出するか、又は、左心室全体平均、左心房全体平均、右心室全体平均、右心房全体平均、心臓全体平均を算出する請求項9又は10に記載の動態解析システム。
  12. 前記形態変化算出手段は、前記一の部位の形態変化に係る特徴量として、心臓面積変化率を算出する請求項9〜11の何れか一項に記載の動態解析システム。
  13. 前記特徴量算出手段の算出結果に応じて色付けした静止画又は動画を表示する表示手段を備える請求項1〜12の何れか一項に記載の動態解析システム。
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