以下に、本願に係る決定装置、決定方法および決定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る決定装置、決定方法および決定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[実施形態]
〔1−1.情報提供装置の一例について〕
まず、図1を用いて、決定装置の一例である情報提供装置が実行する決定処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報提供装置が実行する決定処理の一例を示す図である。
情報提供装置10は、以下に説明する決定処理を実行する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステムにより実現される。また、情報提供装置10は、インターネット等の所定のネットワークN(例えば、図3参照)を介して、利用者が使用する利用者端末100や、出品者端末200(例えば、図3参照)と相互に通信可能である。なお、情報提供装置10は、任意の数の利用者端末100や出品者端末200と通信可能であってもよい。
利用者端末100は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。なお、利用者端末100は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
〔1−2.一般的な電子商店街における取引対象の購入について〕
ここで、情報提供装置10は、利用者に対してモール型の電子商店街に関するサービスの提供を行う。以下、情報提供装置10が実行するモール型の電子商店街における取引対象の購入処理の一例について説明する。
例えば、電子商店街に関するサービスの提供を行う情報提供装置10は、電子商店街に取引対象を出品する出品者から取引対象の登録を受付ける。例えば、情報提供装置10は、電子商店街において店舗SHを運営する出品者が利用する出品者端末200から、取引対象の名称、画像、取引対象の説明、メーカー、JANコード等といった取引対象の識別情報、販売単位数、価格、および送料等といった取引対象に関する情報の登録を受付ける。なお、出品者端末200は、例えば、PCやサーバ装置等の情報処理装置により実現される。このような場合、情報提供装置10は、各出品者が個別に登録した取引対象をそれぞれ別個の取引対象として管理する。
そして、情報提供装置10は、各出品者が出品した取引対象の情報を個別に利用者に提供する。例えば、情報提供装置10は、利用者から取引対象を検索するための検索クエリを受付けると、各出品者により登録された取引対象から検索クエリと対応する取引対象を検索し、検索した取引対象を示す情報を利用者に提供する。例えば、情報提供装置10は、検索した取引対象の写真、名称、価格等を示す対象コンテンツを生成し、生成したコンテンツを利用者に提供する。そして、情報提供装置10は、利用者がいずれかのコンテンツを選択した場合(例えば、コンテンツをタップ若しくはクリックした場合等)には、選択されたコンテンツと対応する取引対象を特定し、特定した取引対象を販売するための販売コンテンツを配信する。例えば、情報提供装置10は、特定した取引対象を出品した店舗が設定した販売コンテンツであって、取引対象の写真、詳細な説明、価格、送料等とともに、取引対象を仮想的なカートに投入若しくは購入するためのコンテンツが配置された販売コンテンツを配信する。
〔1−3.利用者に提供される対象コンテンツの順序について〕
ここで、情報提供装置10は、対象コンテンツを所定の順序で並べたコンテンツを検索結果として表示する。例えば、情報提供装置10は、検索クエリと取引対象との関連性に応じたスコアを算出し、算出したスコアが高い方から順に取引対象の対象コンテンツを並べた検索結果を生成する。すなわち、情報提供装置10は、検索クエリとの関連性がより高い取引対象の対象コンテンツを優先的に利用者に対して提供する。
また、情報提供装置10は、スコアを算出する際に、検索クエリとの関連性のみならず、例えば、取引対象の価格、値引き率、在庫数、配送料、取引対象が登録されてから経過した日時等といった情報を用いる場合がある。また、情報提供装置10は、利用者のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性等といった属性情報と、取引対象の属性との類似度や一致度に基づいて、スコアを算出する場合がある。
また、情報提供装置10は、取引対象の販売に関連する各種の情報に基づいて、スコアを算出する場合がある。例えば、情報提供装置10は、取引対象の販売数、取引対象が購入された際の価格、対象コンテンツが選択された回数、販売コンテンツが閲覧された回数、対象コンテンツを選択した利用者のうち、取引対象を購入した利用者の割合(すなわち、取引対象のCVR(Conversion Rate))、対象コンテンツの表示回数に対する選択回数の割合(すなわち、取引対象CTR(Click Through Rate))、販売コンテンツの閲覧数等、取引対象の販売に関連する各種の実績、すなわち、販売実績に基づいてスコアを算出し、算出したスコアが高い方から順に対象コンテンツを並べた検索結果を提供する。
また、情報提供装置10は、出品者が各取引対象に対して設定した報酬であって、取引対象が購入された際に、出品者から電子商店街を運営する運営者に対して提供される報酬の額(以下、「販促額」と記載する。)や、商品価格に対する販促額の割合(以下、「販促割合」と記載する。)に基づいて、各対象コンテンツのスコアを算出する場合がある。例えば、情報提供装置10は、出品者から取引対象ごとに販促割合の設定を受付ける。このような場合、情報提供装置10は、検索クエリと対応する取引対象を特定し、特定した取引対象の価格と販促割合との積から販促額を算出する。そして、情報提供装置10は、販促額が高い程スコアの値が高くなるように、各対象コンテンツのスコアを算出し、算出したスコアの値が高い方から順に各対象コンテンツを並べた検索コンテンツを配信する。
なお、情報提供装置10は、上述した情報のそれぞれをスコアを算出する要素として採用し、各要素に基づいて対象コンテンツのスコアを算出してもよい。このように、情報提供装置10は、取引対象の販売実績、販促額、報酬額、利用者属性等を統合的に用いて、より利用者や購買行為と親和性が高い順に取引対象の対象コンテンツを並べた検索結果を生成する。
〔1−4.入札形式で表示されるコンテンツについて〕
また、情報提供装置10は、検索結果とは個別に選択された対象コンテンツを表示する。例えば、情報提供装置10は、入札形式で選択された対象コンテンツを検索結果とともに表示する場合がある。
より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、店舗SHから、取引対象の登録を受付けるとともに、対象コンテンツを入札形式で表示するか否かの指定や、入札額の設定を受付ける。また、情報提供装置10は、検索クエリを受付けた場合、上述した処理によって検索結果を生成するとともに、入札形式で表示する設定が行われた取引対象のうち検索クエリと関連する取引対象の対象コンテンツを特定する。そして、情報提供装置10は、特定した対象コンテンツのうち、より高い入札額が設定された対象コンテンツを所定の数(すなわち、入札形式で対象コンテンツを表示する枠の数)だけ選択する。その後、情報提供装置10は、検索結果よりも視認性がより高い位置に、選択した対象コンテンツを入札額が高い順に並べたコンテンツ(以下、「検索結果コンテンツ」と記載する)を生成し、生成した検索結果コンテンツを配信する。
すなわち、情報提供装置10は、検索結果コンテンツとして、検索結果を表示する領域よりも視認性が高い領域に選択枠を有するコンテンツを生成する。そして、情報提供装置10は、入札額に応じて選択された対象コンテンツ(以下、「選択コンテンツ」と記載する。)を選択枠に配置して配信する。
ここで、情報提供装置10は、選択コンテンツを販促費や販促割合に応じた順序で並べた対象コンテンツとともに表示することとなる。すなわち、情報提供装置10は、電子商店街における取引対象の検索結果であって、取引対象が購入された際に生じる電子商店街への報酬額若しくは取引対象の価格に対する報酬額の割合に基づく順番で、各取引対象を示す情報が配置された検索結果と共に、コンテンツを表示させるための入札額を決定する。
このような処理を実行した場合、検索結果と選択枠とに同一の店舗が出品した同一の取引対象に関する対象コンテンツが表示される恐れがある。このような同載を排除するため、情報提供装置10は、選択対象となる対象コンテンツから検索結果に含まれる対象コンテンツを除外した状態で、選択枠に表示する対象コンテンツの選択を行うこととなる。例えば、情報提供装置10は、入札額の値が所定の閾値を超える取引対象のうち、検索結果に含まれる取引対象を、表示対象から除外する。
なお、情報提供装置10は、選択コンテンツではなく、対象コンテンツを表示対象から除外してもよい。しかしながら、例えば、販促費や販促割合が設定されている取引対象について、利用者が選択コンテンツを選択し、その後、取引対象を購入した場合は、選択コンテンツの選択に対する課金と、取引対象の販売により生じる販促費の課金とが発生することとなる。このため、情報提供装置10は、取引対象に対して販促費や販促割合が設定されている場合は、同載排除の対象として、その取引対象の選択コンテンツを採用するのが望ましい。
〔1−5.決定処理について〕
ここで、入札額が高い対象コンテンツを選択コンテンツとして表示する場合、利用者にとって適切な選択コンテンツが表示されない恐れがある。
例えば、選択コンテンツとして表示される対象コンテンツは、予め入札額が設定される必要がある。しかしながら、店舗SHが出品する取引対象ごとに入札額を設定するのは、手間がかかるため、電子商店街において入札額が設定される取引対象は、電子商店街に出品された取引対象の一部に留まる場合が多い。この結果、選択コンテンツとして表示される対象コンテンツのバリエーションが少なくなる結果、利用者が所望する取引対象の対象コンテンツを選択コンテンツとして表示することができなくなる恐れがある。
また、例えば、どの取引対象についてどれくらいの入札額を設定すればよいかは、取引対象のジャンルや検索頻度等に応じて異なるため、適切な額の入札額を設定するのが困難となる。さらに、店舗SHから入札額の指定を受付けた場合、電子商店街においてあまり人気が無いが、入札額が高い取引対象の選択コンテンツが表示されやすくなるため、利用者の印象を損ねてしまう可能性がある。
そこで、情報提供装置10は、以下の決定処理を実行する。まず、情報提供装置10は、所定の出品者により出品される複数の取引対象について、各取引対象に関する対象コンテンツを所定の枠に表示するか否かの設定をまとめて受付ける。そして、情報提供装置10は、対象コンテンツを所定の枠に表示する設定が行われた場合は、対象コンテンツを前記所定の枠に表示させるための入札額を、複数の取引対象のそれぞれについて決定する。例えば、情報提供装置10は、電子商店街における所定の店舗において出品者が出品する全ての取引対象について、設定をまとめて受付ける。また、例えば、情報提供装置10は、取引対象が属するカテゴリごとに、設定をまとめて受付ける。そして、情報提供装置10は、取引対象ごとに、選択コンテンツが選択枠に表示された場合や、選択枠に表示された選択コンテンツが選択された際に生じる入札額を決定する。
すなわち、情報提供装置10は、各取引対象ごとに入札額の指定を受付けるのではなく、店舗単位やカテゴリ単位等、複数の取引対象ごとに、選択コンテンツを表示するか否かの設定のみを受付ける。そして、情報提供装置10は、選択コンテンツの表示対象として設定が行われた取引対象については、自動で入札額の算出を行い、算出された入札額に基づいた入札額の算出を行う。その後、情報提供装置10は、入札額が高い方から順に所定の数の選択コンテンツを選択し、選択した選択コンテンツを選択枠に配置する。
このように、情報提供装置10は、取引対象毎にではなく、店舗単位やカテゴリ単位で、複数の取引対象について同時に選択コンテンツを表示するか否かの設定を受付ける。そして、情報提供装置10は、選択コンテンツの表示対象となった取引対象について、入札額を自動的に決定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、入札額の設定に伴う手間を省くことができる。また、自動で入札額の算出を行った場合、適切な入札額の設定が容易となるので、選択コンテンツの表示対象となる取引対象の数を増やすことができる。この結果、各取引対象の選択コンテンツが表示されるようになるので、情報提供装置10は、利用者にとって適切な選択コンテンツを表示されやすくすることができる。
また、例えば、情報提供装置10は、電子商店街において人気がある取引対象や、価格が低い取引対象、利用者との親和性が高い取引対象など、取引対象としての価値がより高い取引対象の選択コンテンツについては、より優先的に表示されるように、より高い額の入札額を決定する。このように、情報提供装置10は、自動的に入札額を決定するので、利用者にとってより適切な選択コンテンツを表示させやすくすることができる。なお、どのような取引対象の選択コンテンツについて、どのような入札額を決定するのかという入札額の決定ロジックについては、後述する。
〔1−6.決定処理の一例について〕
続いて、図1を用いて、情報提供装置10が実行する決定処理の一例について説明する。まず、情報提供装置10は、店舗SHから出品した複数の取引対象に対する入札設定を一括で受付ける(ステップS1)。例えば、情報提供装置10は、店舗SHが使用する出品者端末200に対し、選択コンテンツを表示するか否かの設定を受付けるための設定コンテンツCWを配信する。例えば、図1に示す例では、設定コンテンツCWには、「おまかせ入札設定」といったサービス名、すなわち、入札額の自動決定サービスの名称と共に、設定予算額、上限入札額、および設定期間の登録を受付けるためのコンテンツが配置されている。
ここで、設定予算額とは、所定の期間内における入札額の総額、すなわち、予算額である。例えば、情報提供装置10は、所定の期間内における入札額の総額が設定予算額以下となるように、入札額の決定を行う。また、入札上限額とは、入札額の上限値である。また、設定期間とは、取引対象の対象コンテンツを選択コンテンツの選択対象とする期間を示す情報である。情報提供装置10は、このような設定予算額、上限入札額および設定期間に基づいて、各取引対象の入札額を自動的に算出する。
例えば、情報提供装置10は、所定期間内における入札額の総額が設定予算額を超えた場合は、入札額を「0」に決定してもよい。また、情報提供装置10は、所定期間内における予算の消化を適切にするための各種予測技術を用いて、設定予算額に基づき、入札額を決定する際における適切な予算の上限額を予測し、予測した上限額以下となるように、入札額の算出を行ってもよい。すなわち、情報提供装置10は、所定の出品者により出品される複数の取引対象についての入札額の総額が設定予算額以下となるように、各取引対象の入札額を決定する。
また、情報提供装置10は、入札額が入札上限額を超えないように、入札額を決定する。また、情報提供装置10は、店舗が設定期間の入力を行った場合は、その期間内において、入札額の総計が設定予算額を超えないように、入札額を決定する。一方、情報提供装置10は、店舗が設定期間の入力を行わなかった場合、すなわち、設定期間を設定しなかった場合は、設定予算額を使いきるまで、入札額の自動決定を実行する。
なお、設定予算額の設定や上限入札額の設定は、必須の構成ではない。後述するように、情報提供装置10は、利用者に対してより適切な選択コンテンツ(例えば、利用者にとって有用性が高い取引対象や、電子商店街においてより人気のある取引対象等の選択コンテンツ)が表示されるように、入札額を自動的に決定する。このような入札額の決定の際において、情報提供装置10は、設定予算額や上限入札額の値を要素の一つとして入札額の決定を行ってもよい。また、情報提供装置10は、自動的に決定した入札額が上限入札額の値を超える場合は、上限入札額を入札額として採用してもよく、若しくは、対応する選択コンテンツを入札対象から除外してもよい。また、情報提供装置10は、入札額の総計が設定予算額を超えた場合には、選択コンテンツを入札対象から除外してもよい。
このように、情報提供装置10は、取引対象単位ではなく、店舗が出品する全ての取引対象について、選択コンテンツを表示するか否かの一括設定を受付ける。このような処理の結果、情報提供装置10は、選択コンテンツの表示対象となる取引対象の数を増やす結果、利用者にとって有用な取引対象の選択コンテンツが表示される機会を増やすことができる。なお、情報提供装置10は、店舗単位で設定を受付ける設定コンテンツCWを提供してもよく、例えば、選択コンテンツの表示対象となる取引対象をカテゴリごとに受け付ける設定コンテンツCWを提供してもよい。
続いて、情報提供装置10は、利用者端末100から検索クエリを受付ける(ステップS2)。このよう場合、情報提供装置10は、検索クエリと対応する取引対象を検索する(ステップS3)例えば、情報提供装置10は、検索クエリと対応する取引対象を特定し、特定した取引対象の対象コンテンツを並べた検索結果SRAを生成する。
続いて、情報提供装置10は、検索クエリや利用者属性と対応する取引対象を選択対象として抽出する(ステップS4)。例えば、情報提供装置10は、検索クエリや利用者属性と親和性が高い取引対象であって、選択コンテンツの表示対象となる取引対象の中から、検索クエリや利用者属性と対応する取引対象を選択対象として抽出する。
そして、情報提供装置10は、選択対象の購買履歴を示す履歴情報に基づいて、各選択対象の情報を選択枠に表示するための入札額を自動で算出する(ステップS5)。例えば、情報提供装置10は、店舗SHによって選択コンテンツの表示対象として設定が行われた取引対象ごとに、選択コンテンツを選択枠に表示させるための入札額を算出する。
続いて、情報提供装置10は、入札額が所定の条件を満たす選択対象を選択する(ステップS6)。例えば、情報提供装置10は、自動的に算出した入札額が高い方から順に所定の数の選択対象を選択する。そして、情報提供装置10は、検索結果よりも視認性が高い位置、すなわち、選択枠に、選択コンテンツを配置した検索結果コンテンツを配信する(ステップS6)。例えば、情報提供装置10は、自動的に算出した入札額が高い方から順に3つの取引対象を選択する。そして、情報提供装置10は、検索結果コンテンツSRCとして、選択した取引対象の選択コンテンツを選択枠CCAに配置し、選択枠CCAよりも下側、すなわち、視認性が低い位置に検索結果SRAを配置した検索結果コンテンツSRCを生成する。
例えば、図1に示す例では、情報提供装置10は、選択コンテンツを強調するための網掛けや、「ストアからの一押し情報」等といったテキストを配置した選択枠CCAに、選択コンテンツを入札額が高い順に配置し、選択枠CCAの下に、検索結果SRAを配置した検索結果コンテンツSRCを生成する。そして、情報提供装置10は、生成した検索結果コンテンツを利用者端末100に配信する。
このように、情報提供装置10は、店舗単位あるいはカテゴリ単位等、複数の取引対象について一括で選択コンテンツを表示するか否かの設定を受付ける。そして、情報提供装置10は、選択コンテンツを表示する旨の設定が行われた取引対象については、入札額を自動で算出する。例えば、情報提供装置10は、入札額として、電子商店街における取引対象の検索結果と共に選択コンテンツを表示させるための入札額を決定する。このため、情報提供装置10は、店舗側の手間を省くことで選択コンテンツの設定を促進する結果、選択コンテンツの幅を広げることができるので、利用者にとって有用な選択対象を表示する可能性を高めることができる。
〔1−7.入札額の決定について〕
ここで、情報提供装置10が入札額を決定する具体的な処理について説明する。例えば、選択枠は、検索結果よりも視認性が高い位置に配置される。このため、選択枠に表示される選択コンテンツは、取引対象の検索を行った利用者にとって価値が高い取引対象の選択コンテンツであることが望ましい。換言すると、情報提供装置10は、利用者にとって価値が高い取引対象程、選択コンテンツの入札額を高く算出するのが望ましい。
ここで、利用者にとって価値が高い取引対象とは、利用者が入力した検索クエリとの関連性が高い取引対象のみならず、例えば、電子商店街において人気がある取引対象や価格がより適正な取引対象等、利用者の興味を生じさせやすい取引対象であると考えられる。このため、情報提供装置10は、利用者の興味を生じさせやすい取引対象について、より高い値の入札額を算出すればよい。
そこで、情報提供装置10は、取引対象の取引に関する実績を示す実績情報に基づいて、入札額を決定する。すなわち、情報提供装置10は、実績情報に基づいて、電子商店街における取引対象の利用者に対する価値を推定し、推定した価値に基づいて、入札額を決定する。ここで、実績情報とは、取引対象の価値の推定に有用な情報であれば、任意の情報が採用可能である。
例えば、電子商店街において人気がある取引対象は、選択コンテンツや対象コンテンツ(以下、「コンテンツ」と総称する場合がある。)を閲覧もしくは選択した利用者のうち、取引対象を購入したり、取引対象を仮想的なカートに投入した利用者の割合が高いと考えられる。すなわち、人気がある取引対象は、選択コンテンツや対象コンテンツを閲覧した利用者や選択した利用者のうち、所定の行為へと至ったCVRの値が高くなると考えられる。そこで、情報提供装置10は、各取引対象のCVRの値に基づいて、入札額の算出を行う。例えば、情報提供装置10は、CVRの値が高いほど、入札額がより高くなるように、入札額を決定する。
ここで、電子商店街における人気と販売価格との間の関係性を考える。例えば、販売価格が低い取引対象は、人気が高い取引対象、すなわち、利用者にとっても有用であると考えられるが、販売価格が低くなければ売れない取引対象であるとも考えられる。一方で、人気がある取引対象は、販売価格が高くとも購入される可能性が高いため、CVRの値が高くなると考えられ、人気がない取引対象は、販売価格が低くとも、CVRの値が下がってしまうと考えられる。
そこで、情報提供装置10は、取引対象の販売価格に基づいて、入札額を決定する。より具体的には、情報提供装置10は、取引対象のCVRと販売価格との積の値を算出し、算出した値に基づいて、入札額の算出を行う。すなわち、情報提供装置10は、CVRの値が高く、かつ、販売価格が高い取引対象程、すなわち、電子商店街における人気がより高い取引対象ほど、より高い値の入札額を決定する。
ここで、各選択コンテンツに対して決定される入札額は、例えば、選択コンテンツが閲覧あるいは選択されることにより、店舗側に課金されることとなる。このような課金額に対してどれくらいの売上があったかを示す指標値として、ROAS(Return On Advertising Spend)という指標値が知られている。具体的には、選択コンテンツを選択した利用者により購入された取引対象の売上総額を、選択コンテンツが選択されることにより生じる課金額で除算したパーセンテージがROASとして知られている。
このようなROASの値は、どのような入札額を設定した際にどのような売り上げが生じるかを示すこととなる。このため、ROASを目標値として固定し、入札額を自動で決定た場合、どのような入札額を設定した場合にどのような売り上げが生じるか、すなわち、電子商店街における取引対象の販売に関する世界観(例えば、ユーザーエクスペリメンスやカスタマーエクスペリメンス等)を目標値が示す世界観へ誘導することができる。
そこで、情報提供装置10は、あらかじめ設定された目標値であるROASの値を満たすように、入札額を決定する。例えば、情報提供装置10は、取引対象のCVRと販売価格との積をROASの値で除算した値を入札額として算出する。なお、このような入札額は、選択コンテンツにおけるCPC(Cost Per Click)に対応する。このような処理の結果、情報提供装置10は、電子商店街における入札費用と売上との割合の目標を満たすように、かつ、人気がある取引対象ほど高い値の入札額を算出する。このため、情報提供装置10は、より適切な選択コンテンツを表示させることができる。
なお、情報提供装置10は、取引対象が属するカテゴリごとに異なる目標値を設定してもよい。例えば、衣服等のファッションに関する取引対象と、食料品等に関する取引対象とでは、現実的に達成可能なROASの値が異なると考えられる。そこで、情報提供装置10は、カテゴリごとに異なるROASの目標値を保持し、取引対象が属するカテゴリごとに設定された目標値を満たすように、各選択コンテンツの入札額を決定してもよい。例えば、情報提供装置10は、カテゴリが「ファッション」である取引対象については、第1の目標値を用いて入札額を決定し、カテゴリが「食料品」である取引対象については、第2の目標値を用いて入札額を決定してもよい。
また、情報提供装置10は、取引対象が属するカテゴリが階層構造を有する場合、階層ごとに異なる目標値を設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、カテゴリ「ファッション」については、第1の目標値を設定し、カテゴリ「ファッション」の下位カテゴリであるカテゴリ「ファッション>スカート」については、第2の目標値を設定してもよい。
また、情報提供装置10は、店舗ごとに異なる目標値を設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、第1の店舗については、第1の目標値を設定して入札額を決定し、第2の店舗については、第2の目標値を設定して入札額を決定してもよい。
〔1−8.入札額を決定する処理の詳細について〕
続いて、図2を用いて、情報提供装置10が入札額を決定する処理の詳細な流れの一例について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供装置が実行する決定処理の詳細な流れの一例を示すフローチャートである。
まず、情報提供装置10は、実績情報を取得する(ステップS101)。例えば、情報提供装置10は、検索クエリと対応する取引対象を特定し、特定した取引対象の販売に関する実績であって、所定の期間内(例えば、2週間以内)における販売に関する実績を示す実績情報を取得する。
より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、取引対象が属するカテゴリ、販売数量、価格、検索結果として表示された対象コンテンツの表示回数および選択回数、選択コンテンツの表示回数および選択回数、対象コンテンツを選択した利用者のうち取引対象を購買した利用者の数、選択コンテンツを選択した利用者のうち取引対象を購買した利用者の数等を取得する。なお、情報提供装置10は、これら以外にも、販売が開始してから経過した期間、売り切れが発生した回数、価格の変動、送料の有無、翌日配送が可能か否か等、取引対象の販売に関連する情報であって、取引対象の価値の指標となりえる情報であれば、任意の情報を実績情報として収集してよい。
ここで、販売数量が少ない取引対象や、対象コンテンツ若しくは選択コンテンツの選択回数等が少ない取引対象については、実績情報をそのまま用いると、適切な入札額を算出することができなくなる恐れがある。そこで、情報提供装置10は、実績情報が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。例えば、情報提供装置10は、所定期間内における取引対象の販売数量が所定の閾値を超え、かつ、対象コンテンツ若しくは選択コンテンツの選択回数が所定の閾値を超えるか否かを判定する。
そして、情報提供装置10は、実績情報が所定の条件を満たすと判定した場合は(ステップS102:Yes)、実績情報からCVRの値を算出し、算出したCVRからCPC(すなわち、入札額)の算出を行う(ステップS110)。例えば、情報提供装置10は、対象コンテンツを選択した利用者のうち取引対象を購入した利用者の割合、選択コンテンツを選択した利用者のうち取引対象を購入した利用者の割合、若しくは、選択コンテンツ又は対象コンテンツを選択した利用者のうち取引対象を購入した利用者の割合等、取引対象に関するCVRの値を算出する。そして、情報提供装置10は、CVRの値が高い程より高い値のCPCを算出する。また、情報提供装置10は、コンテンツが選択されることにより生じる入札額の総額に対する売上額の割合を示す目標値、すなわち、ROASの目標値を満たすように、入札額を決定する。例えば、情報提供装置10は、CVRの値に価格を積算した値をあらかじめ定められたROASの値で除算した値をCPCとして算出する。
すなわち、情報提供装置10は、実績情報が示す実績が所定の条件を満たすか否かを判定し、実績情報が前記所定の条件を満たすと判定された場合には、その実績情報に基づいて、入札額を決定する。一方、情報提供装置10は、所定の取引対象についての実績情報が所定の条件を満たさないと判定された場合は、所定の取引対象以外の取引対象に関する実績情報に基づいて、所定の取引対象の入札額を決定する。例えば、情報提供装置10は、実績情報が所定の条件を満たさないと判定された取引対象と同じカテゴリに属する取引対象のCVRを用いて、実績情報が所定の条件を満たさないと判定された取引対象CPCを算出する。
例えば、情報提供装置10は、CPCの算出対象となる取引対象の実績情報が所定の条件を満たさないと判定した場合は(ステップS102:No)、CPCの算出対象となる取引対象のカテゴリを特定する(ステップS103)。続いて、情報提供装置10は、特定したカテゴリを含む各カテゴリ階層ごとに、CVRの変動係数を計算する(ステップS104)。
例えば、情報提供装置10は、CPCの算出対象となる取引対象のカテゴリとしてカテゴリ「ファッション>トップス>Tシャツ」を特定した場合、このカテゴリを含む全ての上位カテゴリの組み合わせを特定する。例えば、情報提供装置10は、カテゴリ「ファッション」およびカテゴリ「ファッション>トップス」を特定する。そして、情報提供装置10は、特定したカテゴリ「ファッション」に属する取引対象についてのCVRの変動係数を算出する。
例えば、情報提供装置10は、カテゴリ「ファッション」に属する取引対象ごとの実績CVRを算出する。そして、情報提供装置10は、取引対象ごとの実績CVRとカテゴリ全体の実績CVRとから、実績CVRの標準偏差を算出する。例えば、情報提供装置10は、取引対象ごとの実績CVRから、取引対象ごとの実績CVRの平均値を減算した値を偏差として算出し、算出した各偏差の二乗の平均値を算出し、算出した平均値の平方根を標準偏差として算出する。そして、情報提供装置10は、標準偏差の値を、実績CVRの平均値で除算した値を、カテゴリ「ファッション」における変動係数として算出する。同様に、情報提供装置10は、カテゴリ「ファッション>トップス」についても、変動係数の算出を行う。なお、このような変動係数の算出については、予めカテゴリ階層ごとに算出が行われていてもよい。
また、情報提供装置10は、ストア全商品のCVRの変動係数を計算する(ステップS105)。例えば、情報提供装置10は、CPCの算出対象となる取引対象を出品した店舗SHを特定し、特定した店舗SHが出品した全ての取引対象について、実績CVRを算出する。そして、情報提供装置10は、算出した実績CVRから、カテゴリ別に算出した際と同様に、変動係数の算出を行う。
そして、情報提供装置10は、変動係数が最も低い項目を選択する(ステップS106)。例えば、情報提供装置10は、各カテゴリ階層ごとに算出した変動係数および、ストア全商品のCVRの変動係数を比較し、最も値が低い変動係数を特定する。そして、情報提供装置10は、特定した変動係数と対応する項目、すなわち、いずれかのカテゴリ階層を示す項目若しくはストア全商品を示す項目を選択する。
続いて、情報提供装置10は、選択した項目における平均CVRから、標準偏差を減算した値を最低CVRとする(ステップS106)。例えば、情報提供装置10は、選択した項目に属する取引対象の実績CVRの平均値を算出するとともに、選択した項目の標準偏差を算出し、算出した平均値から標準偏差の値を減算した値を最低CVRとして算出する。すなわち、情報提供装置10は、所定の取引対象と同じカテゴリに属する取引対象、若しくは、所定の取引対象と同じ出品者により出品された取引対象について、CVRの平均値を算出し、算出した平均値から、CVRの標準偏差を減算した値を算出する。
また、情報提供装置10は、最低CVRが所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS108)。例えば、情報提供装置10は、最低CVRの値が0以上であるか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、最低CVRの値が所定の閾値以上である場合は(ステップS108:Yes)、最低CVRの値を、CPCの算出対象となる取引対象の実績CVRとする(ステップS109)。
そして、情報提供装置10は、実績CVRからCPCの値を算出する(ステップS110)。すなわち、情報提供装置10は、実績情報が所定の条件を満たさない取引対象については、所定の取引対象が属するカテゴリを特定し、特定したカテゴリの上位カテゴリのそれぞれについて、CVRを特定する。また、情報提供装置10は、所定の取引対象と同じ出品者により出品された取引対象のCVRを特定する。そして、情報提供装置10は、特定したCVRのうち、変動が最も少ない割合に基づいて、所定の取引対象の入札額を決定する。例えば、情報提供装置10は、変動が最も少ない項目における平均CVRからその項目におけるCVRの標準偏差を減算した値を算出し、算出した値に基づいて、CPCの値を算出する。
一方、情報提供装置10は、最低CVRが所定の閾値未満となる場合は(ステップS108:No)、予め設定された最低CPCを入札額として採用する(ステップS111)。すなわち、情報提供装置10は、最低CVRの値が所定の閾値を下回る場合は、予め設定された所定の割合の値に基づいて、入札額を算出する。
このように、情報提供装置10は、電子商取引の対象となる取引対象ごとに、取引対象の取引に関する実績を示す実績情報を取得し、実績情報に基づいて、取引対象に関するコンテンツを所定の枠に表示させるための入札額を決定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、店舗側で取引対象ごとに入札額の設定を行わずとも、各取引対象について適切な入札額を適用することができるので、利用者に対して適切な取引対象の選択コンテンツを提供することができる。
〔1−9.適用態様について〕
上述した説明では、情報提供装置10は、電子商店街において商品や役務等各種の取引対象を出品する店舗により出品された複数の取引対象について、決定処理を実行した。ここで、情報提供装置10は、インターネットを介した任意の取引対象の取引において、上述した決定処理を実行してよい。例えば、情報提供装置10は、インターネットを介した取引対象の取引、すなわち、インターネットショッピングにおいて売買される商品やサービス等の取引対象を対象とし、上述した決定処理を実行すればよい。すなわち、「所定の出品者により出品される複数の取引対象」とは、オークション等において利用者や店舗が出品した複数の取引対象のみならず、電子商店街等といった入札形式ではない環境で取引対象を取引する場合において、取引対象を販売する任意の販売者(任意の利用者、店舗、若しくは店舗運営者等)により出品された複数の取引対象を含む概念である。このような任意の販売者により出品された取引対象であって、取引対象を任意の態様で取引するサービスを介して出品された取引対象について、選択コンテンツを表示するか否かの設定をまとめて受付け、受付けた取引対象について選択コンテンツを表示させるための入札額を自動で決定するのであれば、情報提供装置10は、任意の態様で上述した決定処理を実行して良い。
また、情報提供装置10は、自動的に決定された入札額に基づいて選択された選択コンテンツを選択枠CCAに配置して表示した。ここで、情報提供装置10は、選択コンテンツを所定の枠に表示させるのであれば、任意の枠に選択コンテンツを表示して良い。例えば、情報提供装置10は、「任意の枠」として、各種ウェブコンテンツ中においてあらかじめ設定された各種の枠やスペースのみならず、ウェブコンテンツと重ねて設定される素ベースや枠等の各種の領域、任意のアプリケーション上で表示されるカード、単体若しくは他のコンテンツと重ねて表示されるバナー等、選択コンテンツを配置して表示されることができる領域であれば、任意の領域を「所定の枠」とし、「所定の枠」に選択コンテンツを表示すればよい。
〔2.情報提供装置の構成〕
以下、上記した提供処理を実現する情報提供装置10が有する機能構成の一例について説明する。図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報提供装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100や出品者端末200との間で情報の送受信を行う。
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、取引対象データベース31、利用者データベース32、店舗データベース33、およびカテゴリ値データベース34(以下、「各データベース31〜34」と総称する場合がある。)に登録される情報の一例について説明する。以下、図4〜7を用いて、各データベース31〜34に登録される情報の一例について説明する。
例えば、図4は、実施形態に係る取引対象データベースに登録される情報の一例を示す図である。図4に示す例では、取引対象データベース31には、「店舗ID(Identifier)」、「店舗情報」、「取引対象ID」、「カテゴリ情報」、「価格情報」、「対象フラグ」、「対象コンテンツ」、および「実績情報」が対応付けて登録されている。また、取引対象データベース31には、「実績情報」として、「販売履歴」、「価格履歴」、および「選択履歴」といった情報が登録されている。
ここで、「店舗ID」とは、取引対象を出品した店舗を示す識別子である。また、「店舗情報」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗に関連する各種の情報である。また、「取引対象ID」とは、取引対象を示す識別子である。また、「カテゴリ情報」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象が属するカテゴリを示す情報である。また、「価格情報」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象の価格を示す情報である。また、「対象フラグ」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象が、選択コンテンツの表示対象であるか否かを示す情報である。また、「対象コンテンツ」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象の対象コンテンツおよび選択コンテンツとなるコンテンツである。また、「販売履歴」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象の販売履歴である。また、「価格履歴」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象の価格の履歴である。また、「選択履歴」とは、対応付けられた「取引対象ID」が示す取引対象のコンテンツの選択履歴である。
なお、図4に示す例では、各項目に対応する情報として、「店舗#1」、「店舗情報#1」、「取引対象#1−1」、「カテゴリ#A−B−C」、「価格情報#1−1」、「コンテンツ#1−1」、「販売履歴#1−1」、「価格履歴#1−1」、および「選択履歴#1−1」といった概念的な値を記載した。ここで、取引対象データベース31には、実際には、店舗や取引対象を識別するための数値や文字列、店舗の名称等を示す文字列、取引対象が属するカテゴリの階層を示す数値や文字列、価格を示す数値、コンテンツとして表示される画像やテキストのデータ、取引対象が販売された日時、数量、取引対象を購入した利用者の情報等が登録されていてもよい。また、取引対象データベース31には、取引対象の価格が更新された日時や更新後の価格、コンテンツが選択された日時や選択した利用者の情報等が登録されることとなる。また、図4に示す情報以外にも、取引対象データベース31には、取引対象に関連する任意の情報や、取引対象の購買の実績に関連する任意の情報が登録されていてよい。
また、図5は、実施形態に係る利用者データベースに登録される情報の一例を示す図である。図5に示す例では、利用者データベース32には、「利用者ID」、「利用者情報」、「属性情報」、および「購買履歴」が対応付けて登録されている。なお、図5に示す情報以外にも、利用者データベース32には、利用者に関する任意の情報が登録されていてよい。
ここで、「利用者ID」とは、利用者を識別する識別子である。また、「利用者情報」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者の名称や性別等といった情報である。また、「属性情報」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性等の各種属性を示す情報である。また、「購買履歴」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者により購入された取引対象の履歴を示す情報である。
なお、図5に示す例では、「利用者#1」、「利用者情報#1」、「属性情報#1」、および「購買履歴#1」といった概念的な情報を記載したが、実際には、利用者データデータベース32には、利用者を識別する文字列や数値、利用者の名称等を示す文字列、属性を示す文字列や数値、購買した取引対象のIDや購買日時等を示す情報が登録されることとなる。
また、図6は、実施形態に係る店舗データベースに登録される情報の一例を示す図である。図6に示す例では、店舗データベース33には、「店舗ID」、「設定情報」、「実績CVR」、「標準偏差」、「変動係数」、および「目標値」が対応付けて登録されている。なお、図6に示す情報以外にも、店舗データベース33には、店舗に関する任意の情報が登録されていてよい。
ここで、「店舗ID」とは、店舗を識別する識別子である。また、「設定情報」とは、入札額を自動的に決定する期間や設定予算額、上限入札額等の情報である。また、「実績CVR」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗が出品した取引対象ごとのCVRから算出された実績CVRであり、例えば、店舗が出品した取引対象ごとのCVRの平均値から、取引対象ごとのCVRの標準偏差を減算した値である。また、「標準偏差」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗が出品した取引対象ごとのCVRの標準偏差である。また、「変動係数」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗が出品した取引対象ごとのCVRの変動係数である。また、「目標値」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗に対して設定された目標値、すなわち、ROASの値である。
なお、図6に示す例では、「店舗#1」、「設定情報#1」、「実績CVR#1」、「標準偏差#1」、「変動係数#1」および「目標値#1」といった概念的な情報を記載したが、実際には、店舗データベース33には、店舗を識別する文字列や数値、入札額を自動的に決定する期間、設定予算額、上限入札額、実績CVR、標準偏差、変動係数および目標値を示す数値が登録されることとなる。
また、図7は、実施形態に係るカテゴリ値データベースに登録される情報の一例を示す図である。図7に示す例では、カテゴリ値データベース34には、「カテゴリ」、「親カテゴリ」、「実績CVR」、「標準偏差」、「変動係数」が対応付けて登録されている。なお、図7に示す情報以外にも、カテゴリ値データベース34には、例えば、カテゴリごとに設定されるROASの目標値等、カテゴリに関する任意の情報が登録されていてよい。
ここで、「カテゴリ」とは、カテゴリを識別する識別子である。また、「親カテゴリ」とは、「カテゴリ」の上位に属する親カテゴリを示す情報である。また、「実績CVR」、「標準偏差」、および「変動係数」とは、対応付けられた「カテゴリ」に属する取引対象ごとに算出されたCVRから算出された実績CVR、標準偏差、および変動係数である。
なお、図7に示す例では、「カテゴリ#A」、「実績CVR#A」、「標準偏差#A」、「変動係数#A」といった概念的な情報を記載したが、実際には、カテゴリ値データベース34には、カテゴリを識別する文字列や数値、実績CVR、標準偏差、および変動係数を示す数値が登録されることとなる。
図3に戻り、説明を続ける。制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
図3に示すように、制御部40は、出品受付部41、実績情報収集部42、受付部43、取得部44、判定部45、決定部46、検索部47、除外部48および提供部49を有する。なお、制御部40は、図3に示す機能構成以外にも、例えば、取引対象の購入が行われた際の決済を実現する機能構成等を有するものとする。
出品受付部41は、取引対象の出品を受付ける。例えば、出品受付部41は、出品者端末200から、取引対象のカテゴリ、価格、対象コンテンツまたは選択コンテンツとして表示される画像やテキストの登録を受付ける。このような場合、出品受付部41は、受付けた各情報を店舗の店舗ID等と対応付けて取引対象データベース31に登録する。
実績情報収集部42は、実績情報の収集を行う。例えば、実績情報収集部42は、利用者端末100に対して配信されたコンテンツが選択された場合は、選択されたコンテンツと対応する取引対象を特定し、特定した取引対象と対応付けて、選択を行った利用者の情報や選択日時等を実績情報として登録する。また、例えば、実績情報収集部42は、取引対象の購入が行われた場合は、取引対象を購入した利用者の情報や購入日時等を実績情報として登録する。
受付部43は、所定の出品者により出品される複数の取引対象について、各取引対象に関するコンテンツを所定の枠に表示するか否かの設定をまとめて受付ける。例えば、受付部43は、電子商店街における所定の店舗において出品者が出品する全ての取引対象について、設定をまとめて受付けてもよい。また、受付部43は、取引対象が属するカテゴリごとに、設定をまとめて受付けてもよい。
例えば、受付部43は、入札額の自動決定の対象となる複数の取引対象の設定を受付ける。より具体的には、受付部43は、店舗が出品した全取引対象、若しくは、所定の取引対象について、入札額の自動決定の対象となるか否かの登録を受付ける。そして、受付部43は、入札額の自動決定の対象となる旨の登録を受付けた場合は、取引対象データベース31から入札額の自動決定の対象となる取引対象を特定し、特定した取引対象の対象フラグを「1」に設定する。
また、受付部43は、出品者端末200に対し、設定コンテンツCWを配信し、設定予算額や上限入札額、設定期間の登録を受付ける。なお、受付部43は、設定期間について、異なる複数の設定期間の設定を受付けてもよい。このような場合、受付部43は、例えば、各種の設定内容を、店舗データベース33に登録する。
取得部44は、電子商取引の対象となる取引対象ごとに、取引対象の取引に関する実績を示す実績情報を取得する。例えば、取得部44は、利用者端末100から検索クエリを受付けた場合は、取引対象データベース31を参照し、対象フラグが「1」である取引対象の中から、検索クエリと対応する取引対象を表示候補として特定する。そして、取得部44は、特定した取引対象の実績情報を取得する。
例えば、取得部44は、販売履歴を参照し、所定の期間内における取引対象の販売数を示す情報を取得する。また、取得部44は、販売履歴や選択履歴を参照し、取引対象に関するコンテンツを選択した利用者のうち取引対象を購入した利用者の割合を示す情報、すなわち、CVRをさらに取得する。また、取得部44は、所定の期間内におけるコンテンツの選択回数を取得する。
判定部45は、実績情報が示す実績が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部45は、表示候補として特定された取引対象ごとに、所定の期間内における取引対象の販売数や選択回数が所定の閾値を超えるか否かを判定する。そして、判定部45は、各表示候補の取引対象と、これらの取引対象についての判定結果とを決定部46に通知する。
決定部46は、コンテンツを所定の枠に表示する設定が行われた場合は、コンテンツを所定の枠に表示させるための入札額を、複数の取引対象のそれぞれについて決定する。例えば、決定部46は、各取引対象の実績情報に基づいて、取引対象に関するコンテンツを所定の枠に表示させるための入札額を決定する。すなわち、決定部46は、取引対象の取引に関する履歴に基づいて、入札額を決定する。例えば、決定部46は、取引対象の取引に関する履歴として、取引対象に関するコンテンツを選択した利用者のうち取引対象を購入した利用者の割合、すなわち、CVRの値に基づいて、入札額を決定する。
ここで、決定部46は、実績情報が示す実績が高い程、より高い値の入札額を決定する。より具体的な例を挙げると、決定部46は、取引対象のCVRの値がより高い場合には、より高い値の入札額を決定する。
例えば、決定部46は、実績情報が所定の条件を満たすと判定された場合には、実績情報に基づいて、入札額を決定する。例えば、決定部46は、実績情報が示す販売数が所定の閾値を超える場合は、実績情報に基づいて、入札額を決定してもよい。また、決定部46は、実績情報が示すコンテンツの選択回数が所定の閾値を超える場合は、実績情報に基づいて、入札額を決定してもよい。
例えば、決定部46は、ある取引対象について実績情報が所定の条件を満たす場合は、その取引対象についての実績情報から算出されるCVRを実績CVRとして取得する。そして、決定部46は、取得した実績CVRの値に基づいて、入札額を決定する。一方、決定部46は、ある取引対象について実績情報が所定の条件を満たさないと判定された場合は、その取引対象とは異なる取引対象に関する実績情報に基づいて、入札額を決定する。
また、決定部46は、所定の取引対象の実績情報が所定の条件を満たさないと判定された場合は、所定の取引対象と同じカテゴリに属する取引対象に関するコンテンツのCVR、若しくは、同一の出品者により出品された取引対象に関するコンテンツのCVRに基づいて、所定の取引対象の入札額を決定する。例えば、決定部46は、階層関係を有するカテゴリのうち、所定の取引対象が属するカテゴリを特定し、特定したカテゴリの上位カテゴリのそれぞれについて、そのカテゴリに属する取引対象のCVRを特定し、特定したCVRのうちいずれかの割合に基づいて、所定の取引対象の入札額を算出する。
例えば、決定部46は、店舗データベース33およびカテゴリ値データベース34を参照し、各カテゴリのCVR、および、所定の取引対象と同じ出品者により出品された取引対象のCVRのうち、変動係数が最も少ないCVRを特定する。そして、決定部46は、特定したCVRに基づいて、所定の取引対象の入札額を決定する。例えば、決定部46は、所定の取引対象と同じカテゴリに属する取引対象、若しくは、所定の取引対象と同じ出品者により出品された取引対象について、CVRの平均値を算出し、算出した平均値から、CVRの標準偏差を減算した値に基づいて、所定の取引対象の入札額を決定する。
また、決定部46は、CVRの平均値から標準偏差を減算した値が所定の閾値以上となる場合は、その値を実績CVRとし、CVRの平均値から標準偏差を減算した値が所定の閾値を下回る場合は、予め設定された所定の割合の値を実績CVRとする。そして、決定部46は、実績CVRの値に基づいて、所定の取引対象の入札額を算出する。例えば、決定部46は、予め設定された目標値であって、コンテンツが選択されることにより生じる入札額の総額に対する売上額の割合を示す目標値を満たすように、入札額を決定する。より具体的には、決定部46は、実績CVRの値に所定の取引対象の価格を積算した値を、所定の取引対象を出品した店舗の目標値の値で除算した値を入札額、すなわち、CPCとして算出する。
このように、決定部46は、取引対象ごとに、選択枠に表示されたコンテンツが選択された際に生じる入札額を決定する。ここで、決定部46は、ある取引対象についての所定の期間内における入札額の総額が設定予算額以下となるように、入札額を決定してもよい。例えば、決定部46は、設定予算額の残りの額に基づいて入札額を決定してもよい。また、決定部46は、所定の出品者により出品される複数の取引対象についての入札額の総額が設定予算以下となるように、各取引対象の入札額を決定してもよい。
また、決定部46は、上限入札値以下となるように、入札額を決定してもよい。また、決定部46は、取引対象が属するカテゴリごとに設定された目標値を満たすように、入札額を決定してもよい。例えば、決定部46は、ある取引対象について、その取引対象の実績CVRと、価格と、その取引対象が属するカテゴリに対して予め設定された目標値とから、入札額を決定してもよい。
なお、決定部46は、入札額として、電子商店街における取引対象の検索結果と共にコンテンツを表示させるための入札額を決定することとなる。すなわち、決定部46は、取引対象のコンテンツを、検索結果とともに表示させる選択コンテンツとして表示させるための入札額を算出する。換言すると、決定部46は、電子商店街における取引対象の検索結果よりも、視認性が高い位置にコンテンツを表示させるための入札額を決定する。
なお、検索結果においては、対象コンテンツが販促費や販促割合の値に応じた順番で配置される。このため、決定部46は、電子商店街における取引対象の検索結果であって、取引対象が購入された際に生じる電子商店街への報酬額若しくは取引対象の価格に対する報酬額の割合に基づく順番で、各取引対象を示す情報が配置された検索結果と共に、コンテンツを表示させるための入札額を決定することとなる。
検索部47は、検索クエリと対応する取引対象を検索する。例えば、検索部47は、検索クエリを受付けた場合は、取引対象データベース31を参照し、検索クエリと対応する取引対象を検索する。そして、検索部47は、各取引対象と利用者の属性との一致度や、取引対象の販促費若しくは販促割合に基づいて、各取引対象の対象コンテンツを表示する順序を特定する。
除外部48は、入札額の値が所定の閾値を超える取引対象のうち、検索結果に含まれる取引対象を、表示対象から除外する。例えば、除外部48は、検索結果に含まれる対象コンテンツと、各対象コンテンツを表示する順序とを検索部47から受付ける。また、除外部48は、決定部46から、選択コンテンツと、選択コンテンツ毎に算出された入札額とを受付ける。
そして、除外部48は、入札額が高い方から順に所定の数の選択コンテンツと、検索結果に含まれる対象コンテンツのうち表示順序が高い方から順に所定の数の対象コンテンツとを比較し、同一の取引対象に関する選択コンテンツと対象コンテンツとが含まれているか否かを判定する。その後、除外部48は、同一の取引対象に関する選択コンテンツと対象コンテンツとが含まれている場合は、その取引対象に関する選択コンテンツを表示対象から除外する。より具体的には、除外部48は、同一ページ内において表示対象となる選択コンテンツと対象コンテンツとの同載排除を実現する。このような処理を繰り返し実行することで、除外部48は、検索結果に含まれる取引対象と同一の取引対象に関する選択コンテンツの表示を除外することができる。
提供部49は、検索結果を提供する。例えば、提供部49は、除外部48により、同載が排除された選択コンテンツと対象コンテンツとを配置した検索結果コンテンツを生成する。そして、提供部49は、生成した検索結果コンテンツを利用者端末100に対して配信する。
〔3.変形例〕
上記では、情報提供装置10による決定処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、決定処理のバリエーションについて説明する。
〔3−1.決定処理の適用環境について〕
上述した情報提供装置10は、利用者から検索クエリを受付けた際に、取引対象の選択コンテンツについての入札額を自動で決定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、利用者が電子商店街のトップページ等にアクセスした場合は、利用者の属性情報を取得し、取得した属性情報と対応する取引対象を特定する。そして、情報提供装置10は、特定した取引対象について、入札額の決定を行い、入札額が高い方から順に所定の数の取引対象を選択する。その後、情報提供装置10は、選択した取引対象の選択コンテンツをトップページに配置して表示してもよい。また、情報提供装置10は、このように、選択コンテンツをトップページに配置する際、トップページに同一の取引対象に関するコンテンツが配置されているか否かを判定し、配置されている場合は、選択コンテンツ若しくは同一の取引対象に関する他のコンテンツを掲載対象から除外してもよい。
また、情報提供装置10は、利用者の属性情報や購買履歴、アクセス履歴、位置履歴等といった各種の履歴情報に基づいて、利用者が興味を有する可能性が高い取引対象を推定する。このような推定は、各種の公知技術が適用可能である。そして、情報提供装置10は、推定した取引対象についての選択コンテンツを、所謂広告として利用者に配信してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者が任意のウェブコンテンツを閲覧する際に、自動で算出した入札額に基づいて選択された選択コンテンツを配信してもよい。
〔3−2.コンテンツの同一性について〕
上述した説明では、情報提供装置10は、対象コンテンツを選択コンテンツとして表示した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、対象コンテンツとは個別の選択コンテンツを保持し、自動で算出した入札額に基づいて選択された選択コンテンツを配信すればよい。また、このように、対象コンテンツと選択コンテンツとが異なる場合であっても、同一の取引対象についての対象コンテンツおよび選択コンテンツが同一のウェブページ上に表示されないよう、同載排除を実行してよい。
〔3−3.算出ロジックについて〕
上述した説明では、情報提供装置10は、実績CVRの値に取引対象の価格を積算し、さらに店舗や取引対象のカテゴリに応じたROASの値で除算した値を入札額であるCPCとして算出した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、利用者の属性と取引対象の特徴との間の関連性に応じた係数や補正項を考慮してもよい。また、情報提供装置10は、取引対象に関する各種の実績情報に応じた係数や補正項を考慮してもよい。
また、情報提供装置10は、設定予算額や上限入札額の設定を受付けずともよい。このようなあ場合、情報提供装置10は、任意の値の入札額を決定してもよく、または、所定の値よりも低い値の入札額を決定してもよい。また、情報提供装置10は、設定予算額もしくは上限入札額のいずれか一方のみの設定を受付けてもよい。このような場合、情報提供装置10は、選択コンテンツが選択されることにより課金される入札額の総額が設定予算額を超えないように、もしくは、算出した入札額が上限入札額を超えないようにすればよい。ここで、情報提供装置10は、商品の価格として、セールを考慮しない通常価格を用いて入札額を算出してもよく、例えば、セールを考慮した価格を採用してもよい。
また上述したように、情報提供装置10は、ROASを固定の目標値として、CVRが高い取引対象程、より優先的に選択コンテンツを表示する。すなわち、情報提供装置10は、より価値が高い取引対象の選択コンテンツを表示する。この結果、情報提供装置10は、電子商店街におけるユーザーエクスペリメンスが目標に近づくように、より価値が高い取引対象やより価値が高い店舗により出品された取引対象を優先的に表示することができる。
なお、情報提供装置10は、取引対象のコンテンツが有する利用者への訴求効果を考慮してもよい。例えば、情報提供装置10は、セールの有無、コンテンツのCTR、販売総数、在庫数、SNS(Social Networking Service)に対する取引対象についての投稿数や投稿の増減数等を訴求効果を示す要素として参照し、参照した要素の値に基づいて、入札額を決定してもよい。
〔3−4.設定について〕
また、上述した説明では、情報提供装置10は、店舗単位もしくはカテゴリ単位で入札額を自動で決定するか否かの設定を受付けた。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、複数の取引対象について一括して入札額を自動で決定するか否かの設定を受付けるのであれば、任意の態様で設定を受付けてよい。例えば、情報提供装置10は、同時に2つ以上の取引対象について、入札額を自動で決定するか否かの設定を受付けるのであれば、任意の設定を受付けてよい。
〔3−5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔3−6.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報提供装置10および利用者端末100は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、例えば、コンピュータ1000が利用者端末100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。
〔4.効果〕
上述したように、情報提供装置10は、所定の出品者により出品される複数の取引対象について、各取引対象に関するコンテンツを所定の枠に表示するか否かの設定をまとめて受付ける。そして、情報提供装置10は、コンテンツを所定の枠に表示する設定が行われた場合は、コンテンツを所定の枠に表示させるための入札額を、複数の取引対象のそれぞれについて決定する。このように、情報提供装置10は、複数の取引対象について、選択コンテンツを表示するか否かの設定をまとめて受付け、選択コンテンツを表示する設定が行われた取引対象については、入札額を自動で決定する。このため、情報提供装置10は、入札額の設定の手間を省くとともに、選択コンテンツの表示対象として複数の取引対象の一括登録を促すことができるので、選択コンテンツの幅を広める結果、より適切な選択コンテンツの提供を実現できる。
また、情報提供装置10は、電子商店街における所定の店舗において出品者が出品する全ての取引対象について、設定をまとめて受付ける。また、情報提供装置10は、取引対象が属するカテゴリごとに、設定をまとめて受付ける。このため、情報提供装置10は、選択コンテンツの一括登録を促すことができる。
また、情報提供装置10は、取引対象ごとに、所定の枠に表示されたコンテンツが選択された際に生じる入札額を決定を決定する。例えば、情報提供装置10は、所定の期間内における入札額の総額である予算額の設定をさらに受付け、所定の期間内における入札額の総額が予算額以下となるように、入札額を決定する。また、情報提供装置10は、所定の出品者により出品される複数の取引対象についての入札額の総額が予算以下となるように、各取引対象の入札額を決定する。また、情報提供装置10は、入札額の上限を示す上限値をさらに受付け、上限値以下となるように、入札額を決定する。このため、情報提供装置10は、出品者の意図を超えた入札額の発生を防ぎつつ、入札額を自動で決定することができる。
また、情報提供装置10は、予め設定された目標値であって、コンテンツが選択されることにより生じる入札額の総額に対する売上額の割合を示す目標値を満たすように、入札額を決定する。また、情報提供装置10は、取引対象が属するカテゴリごとに設定された目標値を満たすように、入札額を決定する。このため、情報提供装置10は、電子商店街における入札額と売上との割合が目標値に近づくように、入札額を設定することができる。
また、情報提供装置10は、取引対象の取引に関する履歴に基づいて、入札額を決定する。例えば、情報提供装置10は、取引対象の取引に関する履歴として、その取引対象に関するコンテンツを選択した利用者のうちその取引対象を購入した利用者の割合に基づいて、入札額を決定する。そして、情報提供装置10は、割合の値が高い程、より高い値の入札額を決定する。また、情報提供装置10は、取引対象の取引に関する履歴として、その取引対象の販売価格に基づいて、入札額を決定する。このため、情報提供装置10は、人気がある商品等、利用者にとって価値のある取引対象の選択コンテンツを提供できる。
また、情報提供装置10は、入札額として、電子商店街における取引対象の検索結果と共にコンテンツを表示させるための入札額を決定する。また、情報提供装置10は、電子商店街における取引対象の検索結果よりも、視認性が高い位置にコンテンツを表示させるための入札額を決定する。このため、情報提供装置10は、店舗が利用者に対してアピールしたい取引対象の選択コンテンツを利用者に提供できる。
また、情報提供装置10は、電子商店街における取引対象の検索結果であって、その取引対象が購入された際に生じるその電子商店街への報酬額若しくは取引対象の価格に対する報酬額の割合に基づく順番で、各取引対象を示す情報が配置された検索結果と共に、コンテンツを表示させるための入札額を決定する。このため、情報提供装置10は、検索結果とは異なるロジックで選択された選択コンテンツを提供できる。
また、情報提供装置10は、札額の値が所定の閾値を超える取引対象のうち、検索結果に含まれる取引対象を、表示対象から除外する。このため、情報提供装置10は、例えば、選択コンテンツの選択に伴う入札額と、取引対象の購入に伴う販促費との重複課金を防ぐことができる。
また、情報提供装置10は、電子商取引の対象となる取引対象ごとに、その取引対象の取引に関する実績を示す実績情報を取得する。そして、情報提供装置10は、実績情報に基づいて、取引対象に関するコンテンツを所定の枠に表示させるための入札額を決定する。このような処理の結果、情報提供装置10は、より人気が高い取引対象程、より優先的に選択コンテンツを表示させることができるので、利用者に対して適切な選択コンテンツを提供できる。
また、情報提供装置10は、実績情報が示す実績が所定の条件を満たすか否かを判定し、実績情報が所定の条件を満たすと判定された場合には、その実績情報に基づいて、入札額を決定する。例えば、情報提供装置10は、実績情報として、取引対象の販売数を示す情報を取得し、実績情報が示す販売数が所定の閾値を超える場合は、その実績情報に基づいて、入札額を決定する。また、例えば、情報提供装置10は、実績情報として、取引対象に関するコンテンツを選択した利用者のうちその取引対象を購入した利用者の割合を示す情報をさらに取得し、割合に基づいて、入札額を決定する。このため、情報提供装置10は、適切な入札額の算出を実現できる。
一方、情報提供装置10は、所定の取引対象の実績情報が所定の条件を満たさないと判定された場合は、その所定の取引対象以外の取引対象に関する実績情報に基づいて、その所定の取引対象の入札額を決定する。例えば、情報提供装置10は、所定の取引対象の実績情報が所定の条件を満たさないと判定された場合は、その所定の取引対象と同じカテゴリに属する取引対象に関するコンテンツを選択した利用者のうちその取引対象を購入した利用者の割合、若しくは、その所定の取引対象を出品した出品者により出品された取引対象に関するコンテンツを選択した利用者のうちその取引対象を購入した利用者の割合に基づいて、所定の取引対象の入札額を決定する。
より具体的には、情報提供装置10は、階層関係を有するカテゴリのうち、所定の取引対象が属するカテゴリを特定し、特定したカテゴリの上位カテゴリのそれぞれについて、そのカテゴリに属する取引対象に関するコンテンツを選択した利用者のうちその取引対象を購入した利用者の割合を特定し、特定した割合のうちいずれかの割合に基づいて、所定の取引対象の入札額を決定する。例えば、情報提供装置10は、割合のうち、変動が最も少ない割合に基づいて、所定の取引対象の入札額を決定する。
また、情報提供装置10は、所定の取引対象と同じカテゴリに属する取引対象、若しくは、所定の取引対象と同じ出品者により出品された取引対象について、その取引対象に関するコンテンツを選択した利用者のうちその取引対象を購入した利用者の割合の平均値を算出し、算出した平均値から、その割合の標準偏差を減算した値に基づいて、所定の取引対象の入札額を決定する。そして、情報提供装置10は、割合の値が所定の閾値を下回る場合は、予め設定された所定の割合の値に基づいて、所定の取引対象の入札額を算出する。
上述した各処理の結果、情報提供装置10は、例えば、取引対象が登録されたばかりで、販売に関する実績があまり存在しない場合にも、特徴が似通った取引対象の販売実績に基づいて、入札額を自動的に決定する。このため、情報提供装置10は、適切な入札額を決定することができる。
また、情報提供装置10は、予め設定された目標値であって、コンテンツが選択されることにより生じる入札額の総額に対する売上額の割合を示す目標値を満たすように、入札額を決定する。また、情報提供装置10は、実績情報が示す実績が高い程、より高い値の入札額を決定する。また、情報提供装置10は、所定の期間内における取引対象の取引に関する実績を示す実績情報を取得する。このため、情報提供装置10は、各取引対象について、より適切な入札額を決定することができる。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、抽出部は、抽出手段や抽出回路に読み替えることができる。