以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[1.広告システムの構成]
先ず、本実施形態に係る広告システムSの構成及び機能概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る広告システムSの概要構成の一例を示す図である。
図1に示すように、広告システムSは、電子商店街サーバ1と、複数の広告主端末2と、複数のユーザ端末3と、を含んで構成される。電子商店街サーバ1〜ユーザ端末3は、ネットワークNWを介して互いに接続される。ネットワークNWは、例えばインターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
電子商店街サーバ1は、所定の電子商店街を管理するサーバ装置である。電子商店街は、商品を販売する複数の店舗を含む。各店舗は、仮想空間上、インターネット上又はウェブ上の仮想店舗である。電子商店街において、各店舗は、一又は複数の商品を取り扱っている。電子商店街サーバ1は、例えばユーザ端末3からの要求に応じて、電子商店街のウェブページ(または、電子商店街の画面を表示するための情報)を送信する。電子商店街は、例えばトップページ、検索結果ページ、商品ページ等を含む。トップページは、通常電子商店街におけるランディングページとなるウェブページである。検索結果ページは、ユーザにより入力された検索条件に応じて検索された商品の一覧を示すウェブページである。トップページ及び検索結果ページそれぞれにおいて、ユーザは検索条件を指定して検索を要求することができる。商品ページは、特定の商品に関する情報を示すウェブページである。商品ページには、商品名、価格、商品の画像、商品の仕様や説明、配送方法、その他様々な情報が表示されてもよい。また、商品ページは、例えば商品を買い物かごに入れるためのボタンを含む。買い物かごに入れられた商品に対する購入手続きを行うことで、ユーザはその商品を購入することができる。
電子商店街サーバ1は、電子商店街において、少なくとも一の店舗が取り扱う商品のうち少なくとも一の商品について、ユーザ端末3に広告を配信する処理を実行する。例えば、その商品が属するブランドを有する事業者が、その商品の在庫を有する店舗に代わって、広告料を負担する。これにより、そのブランドの商品を取り扱う店舗による広告料負担が削減されるとともに、店舗にとっては、そのブランドの商品の在庫を効率的に減らすことが可能となる。そして、店舗において、そのブランドを継続的に扱いたいという意欲を高めることができる。ブランドを有する事業者は、店舗を通じてその事業者が有するブランドに属する商品の売り上げの増大を期待することができる。店舗自身が広告料を支払うことにより出稿する態様の広告も存在するが、本実施形態においては、この点についての詳細な説明は省略する。ブランドを有する事業者は、例えば、そのブランドに属する(または、そのブランドが付された)1又は複数の商品を製造するメーカーであってもよいし、そのブランドに属する1又は複数の商品を海外から独占的に輸入して店舗に販売する権利を有する企業であってもよい。広告主たる各事業者は、電子商店街における広告枠に広告を表示するための入札額を設定する。この入札額は、例えばCPC(Cost Per Click)である。入札額は、CPM(Cost Per Mille)等であってもよい。電子商店街サーバ1は、例えばリアルタイムビッディング等により、各商品について設定された入札額及びその他の情報に基づいて、何れの商品の広告を広告枠に表示させるかを決定する。また、電子商店街サーバ1は、所定のブランドに属する何れの商品も(所定期間)購入したことがないユーザによるそのブランドに属する所定の商品の購入を促進するために、広告枠に対する入札額を決定する。本実施形態においては、この入札額の決定態様は、検索結果ページ(または画面)に表示される検索連動型広告に適用される。しかしながら、この決定態様は、検索連動型広告以外の広告に適用されてもよいし、検索結果ページ以外のウェブページに表示される広告に適用されてもよい。また、この入札額の決定態様は、例えばメールマガジン等の電子メールに表示される広告等、ネットワークNWを介してユーザへ配信されるあらゆるコンテンツ内に表示される広告に適用可能である。また、電子商店街のウェブページの配信及び商品の売買の仲介を行うサーバ装置と、広告枠の入札処理及び広告の配信を行うサーバ装置とが、別個のサーバ装置であってもよい。
各広告主端末2は、ブランドを有する広告主により利用される端末装置である。広告主端末2の例として、タブレット式コンピュータ、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。広告主端末2は、広告主の操作に基づいて電子商店街サーバ1へ要求を送信し、この要求に応じて電子商店街サーバ1から送信されてきたウェブページを表示する。広告主は、広告主端末2を利用して、広告枠の入札額の設定を行ったり、広告主が有するブランドの商品の販売実績を確認したりする。
各ユーザ端末3は、商品を購入するために電子商店街を利用するユーザにより利用される端末装置である。ユーザ端末3の例として、スマートフォン、タブレット式コンピュータ等の携帯情報端末、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、セットトップボックス等が挙げられる。ユーザ端末3は、ユーザの操作に基づいて電子商店街サーバ1へ要求を送信し、この要求に応じて電子商店街サーバ1から送信されてきたウェブページを表示する。ユーザ端末3が携帯用の端末装置である場合、ユーザ端末3には、電子商店街専用のアプリケーションがインストールされてもよい。この場合、ユーザ端末3は、アプリケーションにより、電子商店街のウェブページ又は画面を表示する。
[2.電子商店街サーバの構成]
次に、電子商店街サーバ1の構成について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、電子商店街サーバ1は、システム制御部11と、システムバス12と、入出力インターフェース13と、記憶部14と、通信部15と、を備えている。システム制御部11と入出力インターフェース13とは、システムバス12を介して接続されている。
システム制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c等により構成されている。
入出力インターフェース13は、記憶部14及び通信部15とシステム制御部11との間のインターフェース処理を行う。
記憶部14は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部14には、商品カタログDB14a、店舗商品DB14b、キャンペーンDB14c、購入履歴DB14d等のデータベースが記憶されている。「DB」は、データベースの略語である。図3は、データベースに記憶される情報の例を示す図である。
商品カタログDB14aには、電子商店街で販売される商品及び電子商店街で販売される可能性がある商品であって、何れかのブランドに属する商品に関する情報であるカタログ情報が、商品ごとに記憶される。具体的に、広告DB14aには、カタログ情報として、商品コード、商品名、ブランドID、カテゴリID等が関連付けて記憶される。商品コードは、商品を識別する情報である。商品コードの例として、JAN(Japanese Article Number)、EAN(European Article Number)、UPC(Universal Product Code)等が挙げられる。ブランドIDは、対象の商品が属するブランドを識別する情報である。カテゴリIDは、対象の商品が属するカテゴリを識別する情報である。カテゴリは階層的に定義されている。カテゴリの例として、ファッション、ファッション小物、玩具、スポーツ、家電等が挙げられる。ファッションの下位に属するカテゴリの例として、レディスファッション、メンズファッション等が挙げられる。
店舗商品DB14bは、電子商店街で販売される商品に関する商品情報が、各店舗により販売される商品ごとに記憶される。具体的に、店舗商品DB14bには、商品情報として、商品ID、商品名、商品コード、カテゴリID、店舗ID、商品画像、価格等が関連付けて記憶される。商品IDは、対象の商品が、如何なる店舗から販売される如何なる商品であるかを識別する情報である。その点において、商品IDは商品コードとは異なる。同一の商品であっても、販売元の店舗が異なれば商品IDも異なる。一方、販売元の店舗が異なっても、同一の商品であれば商品コードも同一である。商品コードは、対象の商品を示す。カテゴリIDは、対象の商品が属するカテゴリを示す。店舗IDは、対象の商品の販売元を識別する情報である。商品画像は、商品の検索結果や商品ページに表示される商品の画像である。
キャンペーンDB14cは、販売促進キャンペーンとして、広告を表示させる商品に関するキャンペーン情報が記憶される。キャンペーン情報は、ブランドを有する広告主により設定される。具体的に、キャンペーンDB14cには、キャンペーン情報として、ブランドID、キャンペーン名、キャンペーン期間、キャンペーン予算、CPC、ブランド新規ユーザ入札額、商品ID等が関連付けて記憶される。ブランドIDは、広告を表示させる対象となるブランドを示す。キャンペーン期間は、広告を表示させる期間を示す。キャンペーン予算は、キャンペーン期間中に広告主が支払う広告料の最大値である。CPCは、広告枠に対する通常の入札額である。ブランド新規ユーザ入札額は、ブランド新規ユーザがウェブページを閲覧している場合における広告枠に対する入札額である。ブランド新規ユーザは、例えば、対象のブランドに属する何れの商品を購入したことがないユーザであってもよい。或いは、ブランド新規ユーザは、例えば、予め設定された長さの期間内(例えば、1年等)に、対象のブランドに属する何れの商品を購入したことがないユーザであってもよい。この期間の長さを、判定期間長という。判定期間長は、全商品で共通であってもよし、カテゴリごとに予め設定されてもよいし、広告主により設定されてもよい。この期間の長さが広告主により設定可能である場合、キャンペーンDB14cには、設定された期間長が更に記憶される。商品IDは、広告を表示させる対象となる商品を示す。この商品は、商品IDに関連付けて記憶されたブランドIDにより示されるブランドに属する。広告を表示させる対象として、一キャンペーンあたりに、一商品のみの登録が可能であってもよいし、複数の商品の登録が可能であってもよい。
購入履歴DB14dには、電子商店街におけるユーザによる商品の購入履歴が記憶される。何れかのユーザが商品を購入するごとに、購入履歴を構成する購入ログが購入履歴DB14dに記憶される。具体的に、購入履歴DB14dには、購入ログとして、ユーザID、店舗ID、商品ID、商品コード、購入日時等が関連付けて記憶される。ユーザIDは、商品を購入したユーザを示す。店舗IDは、購入された商品の販売元を示す。商品ID及び商品コードは、購入された商品を示す。購入日時は、商品が購入された日時を示す。
記憶部14には、更に、オペレーティングシステム、DBMS(Database Management System)、サーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。サーバプログラムは、例えば広告枠の入札処理や広告の配信等、電子商店街に関する処理をシステム制御部11に実行させるプログラムである。サーバプログラムは、例えば、他の装置からネットワークNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
通信部15は、例えばネットワークインターフェースカード等により構成されている。通信部15は、ネットワークNWを介して、広告主端末2やユーザ端末3と接続し、これらの装置との通信状態を制御する。
[3.システム制御部の機能概要]
次に、図4乃至図7を用いて、電子商店街サーバ1におけるシステム制御部11の機能概要について説明する。図4は、本実施形態に係る電子商店街サーバ1におけるシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部11は、CPU11aが、サーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、図4に示すように、キャンペーン情報登録部1101、商品検索部1102、広告表示商品候補特定部1103、購入履歴特定部1104、入札額決定部1105、広告商品決定部1106、コンテンツ配信部1107、レポート提供部1108等として機能する。
キャンペーン情報登録部1101は、広告主により設定されたキャンペーン情報を、キャンペーンDB14cに記憶させる。例えば、キャンペーン情報登録部1101は、キャンペーン設定画面100を、広告主端末2の画面に表示させてもよい。キャンペーン設定画面100は、キャンペーン情報を設定するためのウェブページである。図5は、キャンペーン設定画面100の一例を示す図である。キャンペーン設定画面100は、例えば、キャンペーン名入力欄110、キャンペーン期間入力欄120、キャンペーン予算入力欄130、CPC入力欄140、ブランド新規ユーザ入札額入力欄150、商品登録ボタン160等を含む。キャンペーン名入力欄110、キャンペーン期間入力欄120、キャンペーン予算入力欄130、CPC入力欄140及びブランド新規ユーザ入札額入力欄150には、それぞれキャンペーン名、キャンペーン期間、キャンペーン予算、CPC及びブランド新規ユーザ入札額の入力が可能である。広告主がCPCを設定することは必須である。一方、広告主は、ブランド新規ユーザ入札額を設定してもよいし、設定しなくてもよい。広告主が商品登録ボタン160を押下した場合、広告主端末2は、商品選択画面を表示する。商品選択画面は、広告主のブランドに属する商品の中から、販売促進キャンペーンにおいて広告の対象となる商品を選択するための画面である。キャンペーン設定画面100において、広告主は、ウェブページを閲覧するユーザがブランド新規ユーザである場合の入札額(ブランド新規ユーザ入札額)を、通常の入札額(CPC)と異ならせることができる。後述するように、入札額が高いほど、対象となる商品の広告が表示される蓋然性が高くなる。従って、広告主は、ブランド新規ユーザ入札額を、通常のCPCよりも高く設定することで、ブランド新規ユーザによるその広告主のブランドに属する商品の購入を促進させることができる。キャンペーン設定画面100には、どれだけの長さの期間(すなわち、判定期間長)、ユーザが対象のブランドに属する何れの商品も購入していない場合に、そのユーザをブランド新規ユーザであると判定するかを入力するための入力欄が、更に表示されてもよい。
更に、キャンペーン情報登録部1101は、キャンペーン設定画面100に、ブランド新規ユーザ入札額の目安となる金額を表示させてもよい。例えば、キャンペーン情報登録部1101は、商品選択画面において広告主により選択された商品のカテゴリを、商品カタログDB14に基づいて特定する。キャンペーン情報登録部1101は、特定されたカテゴリに属する商品であって、対象の広告主のブランドとは異なるブランドに属する商品について設定されたCPCを、キャンペーンDB14cから取得する。キャンペーン情報登録部1101は、取得されたCPCの平均値を計算する。キャンペーン情報登録部1101は、例えば、平均値に所定金額を加算して、目安となる金額を算出し、又は平均値に所定係数(この係数は、1よりも大きい実数)を乗算して、目安となる金額を算出する。広告主は、キャンペーン設定画面100に表示された目安を参考にして、ブランド新規ユーザ入札額を決定することができる。
キャンペーン情報登録部1101は、キャンペーン設定画面100において入力された情報、及び商品選択画面において選択された商品の商品IDを、広告主端末2から受信する。キャンペーン情報登録部1101は、広告主端末2から受信された情報を、情報を入力した広告主のブランドのブランドIDに関連付けて、キャンペーンDB14cに記憶させる。
商品検索部1102は、コンテンツの要求とともにユーザにより入力された検索条件を取得する。ユーザは、トップページ等のウェブページにおいて、検索条件を入力する。検索条件の例として、キーワード、カテゴリ、その他の属性(例えば価格等)が挙げられる。ユーザ端末3は、入力された検索条件を含む検索要求を電子商店街サーバ1へ送信する。検索要求は、検索結果ページというコンテンツの要求である。商品検索部1102は、検索要求に含まれる検索条件をユーザ端末3から受信する。商品検索部1102は、受信された検索条件に合致する商品情報を、店舗商品DB14bから検索する。
広告表示商品候補特定部1103は、広告枠に広告を表示させる商品の候補となる商品を特定する。例えば、広告商品候補特定部1103は、商品検索部1102により検索された商品のうち、販売促進キャンペーンの対象となっている商品を、候補として、キャンペーンDB14cから特定する。広告を表示させる商品の候補は、販売促進キャンペーン以外の通常の広告の対象となっている商品も含んでもよい。
図6は、検索結果とブランドとの関係の一例を示す図である。ユーザは、検索条件として、例えばキーワード「洗剤」を入力したとする。図6に示す商品集合200は、この検索条件に合致する商品の集合(すなわち、検索結果)である。商品集合200に含まれる各商品は、洗剤であるか又は洗剤に関連する商品である蓋然性が高い。商品集合210は、洗剤のブランドAに属する商品の集合である。商品集合200と商品集合210とは一部重複する。その重複部分は、商品A1を含む。すなわち、商品A1は、ブランドAに属し、且つ検索条件「洗剤」に合致する。商品集合220は、洗剤のブランドBに属する商品の集合である。商品集合200と商品集合220とは一部重複する。その重複部分は、商品B1及びB2を含む。従って同様に、商品B1及びB2は、ブランドBに属し、且つ検索条件「洗剤」に合致する。商品A1、B1及びB2は、それぞれ販売促進キャンペーンの対象である。そのため、これらの商品は、広告が表示される商品の候補として特定される。
購入履歴特定部1104は、購入履歴DB14dに、或るユーザについて記憶された購入履歴中において、所定ブランドに属する商品のうち少なくとも一の商品の購入履歴の有無を特定する。所定ブランドは、例えば、キャンペーンDB14cにキャンペーン情報が記憶されたブランドである。或るユーザは、例えば検索条件を入力して検索要求を送信したユーザである。購入履歴特定部1104は、そのユーザの購入履歴から、キャンペーン情報が記憶されたブランドに属する商品の購入履歴を検索する。このとき、購入履歴特定部1104は、現時点から判定期間長前までの期間内の購入履歴から、そのブランドに属する商品の購入履歴を検索してもよい。購入履歴特定部1104は、この購入履歴の検索に基づいて、所定ブランドに属する商品のうち少なくとも一の商品の購入履歴の有無を特定してもよい。この購入履歴を特定するタイミングは、例えば広告の配信時であってもよい。或いは、購入履歴特定部1104は、事前にブランドとユーザとの組み合わせごとに、購入履歴の有無を特定し、その特定結果を予め記憶部14に記憶させてもよい。そして、購入履歴特定部1104は、広告の配信時に、記憶部14から特定結果を取得してもよい。
入札額決定部1105は、ユーザへ配信される検索結果ページに含まれる広告枠の入札に係る複数の広告それぞれの対象である複数の商品として広告表示商品候補特定部1103により特定された商品の入札額を決定する。特に、入札額決定部1105は、広告表示商品候補特定部1103により特定された商品の中に、所定ブランドに属する所定商品が含まれる場合、その所定商品の広告について広告枠の入札額を決定する。所定商品は、販売促進キャンペーンの対象である商品のうち、特にブランド新規ユーザ入札額が設定された商品である。ブランド新規ユーザ入札額が設定された商品が、商品検索部1102により取得された検索条件に合致する場合、その商品について、次に示すように入札額が決定される。具体的に、入札額決定部1105は、所定ブランドに属する何れの商品の購入履歴もないと購入履歴特定部1104により特定された場合の入札額であるブランド新規ユーザ入札額を、所定ブランドに属する少なくとも一の商品の購入履歴があると購入履歴特定部1104により特定された場合の入札額である通常のCPCと異ならせる。前述したように、広告主は、キャンペーン設定画面100において、CPCとは金額が異なるブランド新規ユーザ入札額を設定可能である。
例えば、図6に示す商品A1に関しては、CPC及びブランド新規ユーザ入札額の両方が設定されている。具体的に、CPCは50円に設定され、ブランド新規ユーザ入札額は100円に設定されている。一方、商品B1及びB2に関しては、CPCは設定されているが、ブランド新規ユーザ入札額は設定されていない。商品B1のCPCは60円であり、商品B2のCPCは70円である。図7(a)は、広告を表示させる商品の決定例を示す。図7(a)において、検索条件を入力したユーザ300が、ブランドAに属する何れか少なくとも一の商品の購入経験を有するとする。この場合、商品A1のための入札額として、50円が決定される。一方、ユーザ300は、ブランドBに属する何れの商品の購入経験もない。購入経験の有無にかかわらず、商品B1及びB2のための入札額は、それぞれ60円及び70円である。図7(b)は、広告を表示させる商品の別の決定例を示す。図7(b)において、ユーザ300が、ブランドAに属する何れの商品の購入経験もないとする。この場合、商品A1のための入札額として、100円が決定される。商品B1及びB2のための入札額は、それぞれ60円及び70円である。
入札額決定部1105は、検索条件が、所定ブランドを直接的に示す場合においては、所定ブランドに属する何れの商品の購入履歴もない場合の入札額を、所定ブランドに属する少なくとも一の商品の購入履歴がある場合の入札額である通常のCPCと一致させてもよい。ブランドを直接的に示す検索条件は、例えば、一般的なユーザがその検索条件を見た場合に、そのユーザが特定のブランドのみを想起する蓋然性が高い検索条件であってもよい。例えば、名称が「XYZ」であるブランドが存在するとする。入札額決定部1105は、「XYZ」というキーワード又は「XYZ」を含むキーワードは、そのブランドを直接的に示す検索条件であると判定してもよい。また、ブランド別にカテゴリ分けが行われている場合において、入札額決定部1105は、カテゴリ「XYZ」を、そのブランドを直接的に示す検索条件であると判定してもよい。ブランドを直接的に示す検索条件を入力したユーザは、そのブランドに属する商品を探している蓋然性が高い。その場合においいては、そのブランドの商品について敢えて高い方の入札額を採用する必要はない。例えば、検索条件がブランドの或る属性を示しているものの、その属性が、そのブランドのみが有する属性ではない場合、入札額決定部1105は、その検索条件は、そのブランドを直接的には示さないと判定してもよい。
広告表示商品決定部1106は、入札額決定部1105により決定された入札額に基づいて、広告表示商品候補特定部1103により特定された商品の中から、広告枠に広告を表示させる商品を決定する。例えば、広告表示商品決定部1106は、特定された商品ごとに、入札額及びその他の情報を用いて、スコアを算出する。入札額以外の情報の例として、検索条件に対するその商品の商品ページへのアクセス人数やコンバージョンレート、これまでの販売実績等が挙げられる。広告表示商品決定部1106は、特定された商品のうち、スコアが最も高い商品から順に、配信されるコンテンツ内における広告枠の数分の商品を、広告を表示させる商品を決定する。入札額が高くなるほどこのスコアは高くなる。従って、入札額が高い商品であるほど、その広告が表示される蓋然性が高い。なお、広告表示商品決定部1106は、入札額のみに基づいて、広告枠に広告を表示させる商品を決定してもよい。この場合、入札額が最も高い商品の広告が表示される。
図7(a)において、ユーザ300が、ブランドAに属する何れか少なくとも一の商品の購入経験を有し、商品A1のための入札額が、商品B1及びB2のための入札額よりも低い。従って、商品A1の広告が表示される蓋然性は、商品B1及びB2それぞれの広告が表示される蓋然性よりも低い。ここでは、例えば商品B2の広告が表示される。一方、 図7(b)において、ユーザ300が、ブランドAに属する何れの商品の購入経験も有しないために、商品A1のための入札額が、図7(a)に示す入札額よりも高い。そのため、商品A1のための入札額が、商品B1及びB2のための入札額よりも高い。従って、商品A1の広告が表示される蓋然性は、商品B1及びB2それぞれの広告が表示される蓋然性よりも高い。ここでは、例えば商品A1の広告が表示される。
コンテンツ配信部1107は、広告表示商品決定部1106により決定された商品の広告を含むコンテンツを、ユーザ端末3へ配信する。本実施形態において、コンテンツ配信部1107は、商品の検索結果及び検索連動型広告を含む検索結果ページを、検索要求を送信してきたユーザ端末3へ配信する。広告は、静止画、動画又はテキスト等であってもよいし、これらのコンテンツのうち少なくとも2種類のコンテンツの組み合わせであってもよい。
レポート提供部1108は、販売促進キャンペーンによる商品の販売実績を示すレポートを、広告主端末2へ配信する。例えば、このレポートは、販売促進キャンペーンの対象の商品についての売上高、販売数及び購入者数のうち少なくとも一つの販売実績であって、全購入者のうちブランド新規ユーザ(より具体的には、商品の購入前までブランド新規ユーザであったユーザ)についての販売実績を含んでもよい。また、このレポートは、全購入者についての販売実績と、ブランド新規ユーザについての販売実績と、の比率を含んでもよい。また、このレポートは、販売実績又は販売実績の割合の時系列(例えば1週間ごと、1ヶ月ごとの販売実績等)を含んでもよい。
[4.電子商店街サーバの動作]
次に、電子商店街サーバ1の動作について、図8乃至図10を用いて説明する。電子商店街サーバ1のシステム制御部11は、サーバプログラムに含まれるプログラムコードに従って、図8乃至図10に示す処理を実行する。
図8は、電子商店街サーバ1のシステム制御部11による商品検索処理の一例を示すフローチャートである。例えば、ユーザが検索条件入力することにより、電子商店街サーバ1がユーザ端末3から検索要求を受信した場合に、商品検索処理が実行される。
図8に示すように、商品検索部1102は、受信された検索要求に含まれる検索条件に合致する商品を、商品DB14bから検索する(ステップS1)。次いで、広告商品決定処理が実行される(ステップS2)。
図9は、電子商店街サーバ1のシステム制御部11による広告表示商品決定処理の一例を示すフローチャートである。先ず、広告表示商品候補特定部1103は、検索された商品の中から、広告対象の商品を、検索結果ページの広告枠に広告を表示させる商品の候補として特定する(ステップS101)。例えば、広告表示商品候補特定部1103は、検索された商品のうち、キャンペーンDB14cに商品コードが記憶されている商品を候補として特定する。更に、広告表示商品候補特定部1103は、その他の広告に関するデータベースを参照して、通常の広告の対象となっている商品を特定してもよい。次いで、広告表示商品決定部1106は、番号iを1に設定して(ステップS102)、入札額決定処理が実行される(ステップS103)。
図10は、電子商店街サーバ1のシステム制御部11による入札額決定処理の一例を示すフローチャートである。先ず、広告表示商品候補特定部1103は、検索要求を入力したユーザによる商品の購入履歴のうち、商品iが属するブランドの購入履歴を検索する(ステップS201)。商品iは、広告枠に広告を表示させる候補として特定された商品のうち、i番目の商品である。例えば、購入履歴特定部1104は、商品iが属するブランドのブランドIDを、商品カタログDB14aから取得するとともに、このブランドに属する全商品の商品コードを、商品カタログDB14aから取得する。また、購入履歴特定部1104は、本日から判定期間長前の日を開始日とし、本日を終了日とする期間を設定する。購入履歴特定部1104は、購入履歴DB14dから、検索要求を入力したユーザのユーザIDと同一のユーザIDを含むとともに、取得された商品コードと何れかと同一の商品コードを含み、且つ、購入日時が、設定された期間内である購入履歴を検索する。
次いで、入札額決定部1105は、ステップS201における検索結果に基づいて、検索要求を入力したユーザによる商品の購入履歴のうち、商品iが属するブランドの購入履歴があるか否かを判定する(ステップS202)。そのような購入履歴がない場合(ステップS202:NO)、入札額決定部1105は、入力された検索条件が、商品iが属するブランドの名称を含むキーワードであるか否かを判定する(ステップS203)。検索条件がそのブランドの名称を含むキーワードではない場合(ステップS203:NO)、入札額決定部1105は、商品iのための入札額を、ブランド新規ユーザ入札額に決定する(ステップS204)。
一方、検索条件がそのブランドの名称を含むキーワードである場合(ステップS203:YES)、又は購入履歴がある場合(ステップS202:YES)、入札額決定部1105は、商品iのための入札額を、通常のCPCに決定する(ステップS205)。ステップS204又はS205が終わると、入札額決定処理は終了する。なお、商品iが、通常の広告の対象となっている商品である場合、その商品の入札額には、その商品について設定されたCPCが設定される。
入札額決定処理が終了すると、広告表示商品決定部1106は、図9に示すように、番号iが、広告枠に広告を表示させる候補として特定された商品の数未満であるか否かを判定する(ステップS104)。番号iが商品の数未満である場合(ステップS104:YES)、広告表示商品決定部1106は、番号iを1増加させて、ステップS103を実行する。一方、番号iが商品の数未満ではない場合(ステップS104:NO)、広告表示商品決定部1106は、決定された入札額及びその他の情報に基づいて、広告枠に広告を表示させる候補である各商品のスコアを算出する(ステップS106)。次いで、広告表示商品決定部110は、候補の商品の中から、スコアが高い順に、検索結果ページ内における検索連動型広告の広告枠の数分の商品を選択して(ステップS107)、広告表示商品決定処理が終了する。
広告表示商品決定処理が終了すると、コンテンツ配信部1107は、選択された商品の広告を含む検索結果ページを、ユーザ端末3へ送信する(ステップS3)。例えば、コンテンツ配信部1107は、選択された商品について、店舗商品DB14bに記憶されている何れかの店舗の商品情報から、商品画像、商品名、価格等の情報を取得する。コンテンツ配信部1107は、取得された情報から、広告を生成する。このとき、コンテンツ配信部1107は、「PR」を示す画像又は文字を、広告に含めてもよい。コンテンツ配信部1107は、生成された広告及び商品の検索結果で検索結果ページを生成して送信する。ステップS3が終わると、商品検索処理は終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、電子商店街サーバ1が、所定ブランドに属する商品のうち少なくとも一の商品の購入履歴の有無を特定する。また、電子商店街サーバ1が、ネットワークNWを介してユーザへ配信されるコンテンツに含まれる広告枠の入札に係る複数の広告それぞれの対象である複数の商品の中に、所定ブランドに属する所定商品が含まれる場合、所定商品の広告について広告枠の入札額を決定する。ここで、電子商店街サーバ1が、所定ブランドに属する何れの商品の購入履歴もないと特定された場合の入札額を、所定ブランドに属する少なくとも一の商品の購入履歴があると特定された場合の通常のCPCと異ならせる。従って、ユーザが所定ブランドに属する何れの商品も購入していない場合に所定商品の広告が掲載される蓋然性を、そのユーザが所定ブランドに属する何れか少なくとも一の商品を購入したことがある場合に所定商品の広告が掲載される蓋然性と異ならせることができる。所定のブランドに対する新規の顧客を増加させることができる。
また、電子商店街サーバ1が、検索結果ページの要求とともにユーザにより入力された検索条件を取得してもよい。また、電子商店街サーバ1が、所定ブランドに属する所定商品が、取得された検索条件に合致する場合、所定商品の広告について入札額を決定してもよい。この場合、例えば検索連動型広告において、所定のブランドに対する新規の顧客を増加させることができる。
また、電子商店街サーバ1が、検索条件が所定ブランドを直接的に示す場合、所定ブランドに属する何れの商品の購入履歴もないと特定された場合の入札額を通常のCPCの入札額と一致させ、検索条件が所定ブランドを直接的には示さない場合、所定ブランドに属する何れの商品の購入履歴もないと特定された場合の入札額を通常のCPCの入札額と異ならせてもよい。この場合、検索結果の中からユーザが所定ブランドに属する商品を選択する蓋然性が高い場合に、所定ブランドの広告料が必要以上に支出される事態を抑制することができる。
また、電子商店街サーバ1が、所定ブランドに属する何れの商品の購入履歴もないと特定された場合の入札額を通常のCPCよりも高くしてもよい。この場合、ユーザが所定ブランドに属する何れの商品も購入していない場合に所定商品の広告が掲載される蓋然性を、そのユーザが所定ブランドに属する何れか少なくとも一の商品を購入したことがある場合に所定商品の広告が掲載される蓋然性よりも高くすることができる。従って、所定のブランドに対する新規の顧客を増加させることができる。