JP2020012650A - 航法衛星システム受信装置、その航法衛星信号処理方法及びプログラム - Google Patents

航法衛星システム受信装置、その航法衛星信号処理方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】開空間が大幅に制限される受信環境において不可視衛星の直接波を伴わないマルチパス信号を有効に排除し、高精度な時刻同期又は測位を実現することが可能な航法衛星システム受信装置を提供する。【解決手段】航法衛星の軌道情報を取得する衛星軌道情報取得部42と、設置位置の位置情報を取得する設置位置情報取得部43と、近傍にある障害物の壁面が延在する方位の方位情報を取得する方位計3と、処理対象とする航法衛星を選別するためのマスク領域を前記方位情報に基づき算出する方位マスク生成部44とを備え、測位・時刻同期処理部45は、前記軌道情報及び前記位置情報に基づき各航法衛星の方位及び仰角を算出し、算出した方位及び仰角並びに前記マスク領域に基づき処理対象とする航法衛星を選別し、選別した航法衛星から受信した航法衛星信号に基づき前記測位処理又は前記時刻同期処理の少なくとも一方を行う。【選択図】図2

Description

本発明は航法衛星システムの航法衛星信号を良好に受信できない環境においても、高精度な時刻同期や測位を実現する技術に関する。
GPS(Global Positioning System)をはじめとする全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)は地球上の任意の地点で航法衛星信号を受信することにより高精度な測位および時刻同期を実現することができる手段として幅広いアプリケーションにおいて適用されている。
モバイル通信方式のうち、基地局から端末へ向かう下り方向の信号と端末から基地局へ向かう上り方向の信号を時間軸上で多重するTDD(Time Division Duplex)方式のモバイル通信方式では信号の干渉を抑制するために基地局間で信号の送信タイミングを高い精度で同期させる必要がある。TDD方式の一つであるTD−LTE(Time Division Long Term Evolution)方式では基地局間の同期精度として±1.5マイクロ秒以内であることが要求されている。こうした高い時刻同期精度を実現する手段としてGNSSによる時刻同期(以下、GNSS時刻同期)や、これにPTP(Precision Time Protocol)による時刻情報配信網を組み合せた時刻同期システムが適用されている。
モバイル基地局はトラフィック需要の大きいエリアにおいてより高密度に配置される傾向があり、都市部では基地局のカバーエリアであるセルの径を小さくする、スモールセルと呼ばれる基地局の配置形態により面的な通信容量を増大するアーキテクチャが適用されている。この場合、航法衛星信号の受信環境としては航法衛星信号を受信するためのアンテナ(以下、航法衛星アンテナ)の周囲に受信を遮る構造物のない「オープン・スカイ」または「クリア・スカイ」と呼ばれる受信環境だけではなく、航法衛星アンテナの周囲の建造物などで航法衛星信号を見通し状態で受信可能な開空間が制限される受信環境も想定される。実際にスモールセル用の基地局は建造物の壁面や屋内の窓際などに設置されるケースもあり、このような受信環境でGNSS時刻同期の精度を確保することが課題となっている。
GNSS時刻同期とPTPによる時刻情報配信により基地局に時刻情報を供給するシステム(以下、時刻同期システム)に要求される時刻精度はITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)勧告G.8271.1により規定されている。こうした時刻同期システムを構成する各ノードの時刻精度を計測または評価する際には時刻の真値と比較する必要があるが、時刻の真値に近い値を取得するにはオープン・スカイに近い受信環境で航法衛星信号を受信し、協定世界時(Coordinated Universal Time:UTC)に同期する必要がある。しかし、前述の通り、基地局の設置場所の近傍では航法衛星信号を良好に受信できる環境を確保するのが困難なケースがしばしば生じる。そこでオープン・スカイに近い受信環境の拠点でルビジウム等の原子発振器を搭載した時刻精度計測器の時計を数時間以上の期間、連続的に航法衛星信号に同期して校正した後に計測を行う拠点に搬送する方法がしばしば用いられている。この場合、計測器の時計の精度は原子発振器の自走に伴って経時的に劣化するため必要な計測精度を確保するためには搬送および計測作業に要する時間が制限される。このため計測器の校正を行うための拠点(校正拠点)を計測を行う拠点(計測拠点)の付近に面的に配備する必要があり、設備、運用コストの増大が大きな課題となっている。
航法衛星の軌道は地上の制御部により高精度に管理されている上、航法衛星は協定世界時に同期した高精度な原子時計を搭載し、これに基づく航法衛星信号を送信する。従って地球上の任意の地点において4機以上の航法衛星信号を同時に受信することにより受信位置の3次元座標情報(x,y,z)及び衛星と航法衛星信号受信装置の時刻差(Δt)の4つのパラメータを算出することができる。即ち、航法衛星信号による測位および時刻同期を行うことができる。
航法衛星信号を使用した測位または航法衛星信号への時刻同期を行う際には直接波として受信可能な衛星(以下、可視衛星)信号をより多く受信できる、開空間の開けた受信環境を選択することが精度の向上において有効である。さらに可視衛星が天空上に万遍なく分散して数多く位置している方が測位、時刻同期の精度がより向上する。天空上の衛星配置の偏りによる精度劣化を表す指標としてDOP(Dilution Of Precision:精度低下率)と呼ばれる指標がしばしば用いられる。航法衛星信号の受信位置周辺の建造物や樹木等により天空上の開空間が制限されることが原因となり、見通し状態で受信可能な可視衛星の信号数に制限を生じ、さらに天空上の可視衛星の位置が偏ることにより精度が劣化する。
航法衛星信号を使用した測位、時刻同期においてこの他に精度に影響を与える主な要因としては、航法衛星信号が受信位置の周辺の構造物や地面により反射、回折することにより生じる、反射波、回折波(いわゆるマルチパス信号)の受信が挙げられる。図16にマルチパス信号の発生状況を説明する模式図を示す。図16に示す通り、マルチパス信号には直接波を伴うケース(可視衛星信号のマルチパス信号)と直接波を伴わないケース(見通し状態で受信できない衛星(以下、不可視衛星)信号のマルチパス信号)の種別がある。前者の可視衛星の直接波を伴うマルチパス信号については通常は直接波の受信強度がマルチパス信号の受信強度よりも大きいため、航法衛星信号受信装置における相関信号処理によりマルチパス信号の影響を効果的に低減する方策がこれまでに検討されている(非特許文献1参照)。一方、後者の不可視衛星の直接波を伴わないマルチパス信号については当該の航法衛星信号を測位や時刻同期に使用しない場合を除いてその影響を取り除くことは困難であり、測位精度や時刻同期精度に及ぼす影響が大きい。
図17及び図18にマルチパス信号の受信状況の一例を示す。図17に示すような周囲を建造物で囲まれた環境でGPS衛星信号を受信した結果、図18上段に示すように、GPSアンテナ設置位置における天空画像上で開空間に位置する可視衛星信号(図18の例では、#6、#9)以外にも構造物に遮蔽された不可視衛星信号の多く(図18の例では、#2、#3、#5、#7、#12、#17、#19、#23、#25)がマルチパス信号として受信されることが確認された。また、図18下段に示すように、経時的なGPS衛星信号の受信特性についてもGPSアンテナ周辺の構造物を考慮した開空間からシミュレーションで得られる可視衛星数よりもむしろ、オープン・スカイを仮定した受信衛星数に近い数のGPS衛星信号が受信された。
マルチパス信号は直接波と比較して伝搬経路長が長く、伝搬遅延を伴って航法衛星アンテナに到達するため、不可視衛星の直接波を伴わないマルチパス信号を受信することにより疑似距離計測の大きな誤差を生じ、測位精度および時刻同期精度が劣化する。ここで疑似距離とは航法衛星信号の送信時刻と航法衛星信号受信装置により航法衛星信号を受信した時刻の差に光速を乗算した距離を指す。
図19に図17及び図18のマルチパス信号が発生する環境でGPS衛星信号を受信して得られる時刻と近傍のオープン・スカイ環境でGPS衛星信号を受信して得られる時刻の差(タイムエラー)を計測するために使用した実験系の構成を示す。それぞれの環境で受信されたGPS衛星信号を同一機種の2台のGPSレシーバにそれぞれに入力し、生成された時刻情報のタイミング出力信号である1PPS(Pulse Per Second)信号の位相差をタイムエラー計測器により経時的に計測した。その結果、図20下部にプロットされたデータが示すようにマルチパス信号が発生する環境で受信したGPS衛星信号から生成された時刻はオープン・スカイ環境で受信したGPS衛星信号から生成された時刻に対して最大で250ns以上、遅れることが確認された。
従来、このようなマルチパス信号による影響を低減する種々の方法が考えられている(非特許文献2参照)。
マルチパス信号の影響の低減方法の1つについて説明する。マルチパス信号は航法衛星信号が建造物で反射、回折する際に信号強度が減衰する。また、建造物等で反射する際に航法衛星信号の円偏波特性の旋転方向が反転する。この反射に伴う円偏波特性の反転を利用し、航法衛星アンテナに円偏波特性に依存するアイソレーション特性を備えることによって奇数回反射した反射波の信号強度を減衰させることができる。また、航法衛星アンテナの鉛直上方向の指向性により地面や低仰角からの反射波の信号強度を減衰させることができる。以上が航法衛星アンテナによる、マルチパス信号の影響の低減方法の1つである。
航法衛星信号受信装置において実現される、他のマルチパス信号の影響の低減方法としては、受信した航法衛星信号の受信強度や信号対雑音比(Signal-To-Noise Ratio:SNR)によって測位や時刻同期を行う際に使用する航法衛星信号に相対的に重み付けの処理を行なう、あるいは受信した航法衛星信号の受信強度や信号対雑音比(SNR)の閾値によって測位や時刻同期に使用する航法衛星信号を選別する方法が挙げられる。後者の方法はSNRマスクと呼ばれる。図20に信号対雑音比(SNR)の閾値によって航法衛星信号を選別した場合の、時刻精度を測定した結果を示す。図20に示す通り、図19の系による計測において受信したGPS衛星信号から信号対雑音比(SNR)の指標の一つであるCNR(Carrier-to-Noise Ratio)が35dB−Hz以上のGPS衛星信号を選択して時刻を生成した結果、タイムエラーは100ns以下に大幅に改善することが確認された。
さらに航法衛星信号受信装置において実現される、他のマルチパス信号の影響の低減方法について説明する。図21に示す通り、マルチパス信号の発生状況は航法衛星信号の仰角により異なる。反射、回折を生じる航法衛星アンテナ周辺の建造物の高さが有限であることから、建造物と航法衛星アンテナの設置位置との間の距離が大きい場合、仰角の大きい航法衛星信号の反射信号については建造物の鉛直方向の壁面における反射角が小さいため、反射信号は地面方向に伝搬し、航法衛星アンテナに到達しない。一方、仰角の小さい航法衛星信号は建造物の鉛直方向の壁面における反射角が大きいため、直接波と比較して大きな伝搬遅延時間差を伴う反射波が航法衛星アンテナに到達する可能性が高い。このため、航法衛星信号を仰角の閾値によりフィルタリングし、測位、時刻同期に使用する航法衛星信号を選択することによってマルチパス信号の影響を低減する対処方法が従来実施されている。この方法は仰角マスクと呼ばれる。図22に図17の受信環境において仰角の閾値によってGPS衛星信号を選別した場合の時刻精度を測定した結果を示す。図22に示す通り、仰角の閾値を増大するのに伴いタイムエラーが改善することが確認された。
航法衛星信号受信装置において実現される、他のマルチパス信号の影響の低減方法は受信した航法衛星信号のサブセットの航法衛星信号の組合せを使用した測位・時刻同期演算を予備的に実施し、統計的な処理により航法衛星信号を選別する方法である。航空管制システム等では航法衛星システムのインテグリティ保証のため、正常な運用状態にない航法衛星信号をこうした統計的な信号処理により検知するRAIM(Receiver Autonomous Integrity Monitoring)と呼ばれる方法や検知に加え排除を行うFDE(Fault Detection and Exclusion)と呼ばれる方法が使用されている。マルチパス信号が直接波に対して航法衛星アンテナに遅れて到達することに着目した同様の統計的処理により可視衛星信号を優先的に選択し、可視衛星数が4機に満たない場合には伝搬遅延時間の小さい不可視衛星信号を補完的に選択する方法による時刻同期精度の改善方法が検討されている(非特許文献3参照)。
久保信明、「GPS測位におけるマルチパス誤差の低減化と高精度測位の可能性について」、博士論文、東京海洋大学、2005年 西 啓介、「マルチパス環境におけるGNSS時刻同期の精度改善に向けた検討」、電子情報通信学会 技術研究報告、2016年 吉田誠史 他、「不可視衛星のマルチパス信号の影響を低減したGNSS時刻同期精度の改善」、測位航法学会全国大会、2017年
上述のとおり、時刻同期精度を計測する際にオープン・スカイの受信環境の校正拠点おいて原子発振器を搭載した時刻精度計測器の時計を航法衛星信号に長時間同期して校正した後に時刻同期システムのノードや基地局等の被計測物が設置された計測拠点に搬送する計測方法は、設備、運用コスト上の課題があり、面的に分散した多数のノードや基地局で構成される時刻同期システムの運用管理に適用することは困難である。一方、計測拠点において時刻精度計測器を航法衛星信号に同期して内蔵の時計を校正する方法は、設備、運用コストの面で有利であるが、受信位置周辺の構造物による航法衛星信号の反射、回折が発生やすく、不可視衛星のマルチパス信号の影響で精度の劣化を生じる課題がある。
航法衛星信号による測位や時刻同期において不可視衛星の直接波を伴わないマルチパス信号を受信した場合に生じる精度の劣化を低減する、従来の方法における課題として以下の点が挙げられる。
(1)航法衛星信号受信装置において航法衛星信号の選択を行う方法
(1−1)仰角マスクによる方法
航法衛星信号の仰角に閾値を設定し、これに基づいて測位、時刻同期に使用する航法衛星信号を選択する仰角マスクによる方法は開空間が天頂を中心とした円形状に近い場合には適用の効果が高いが、それ以外の一般的な受信環境においては本来、測位、時刻同期精度の向上に寄与する可視衛星信号をも排除してしまう可能性がある。例えば図22の受信環境では仰角閾値を40度に設定した場合、東側の開空間に位置する可視衛星信号は排除されてしまう。このため使用する航法衛星信号の選択が適切に行われないことがあった。また、閾値の設定値が厳格な場合(閾値仰角が大きい場合)には測位、時刻同期に必要な数の航法衛星信号が一時的に確保できないケースを生じる可能性がある。一方、閾値の設定値が緩い場合(閾値仰角が小さい場合)には直接波を伴わないマルチパス信号として受信される、不可視衛星信号を十分に排除することができず、精度が劣化する可能性がある。
(1−2)SNRマスクによる方法
受信した航法衛星信号の受信信号強度や信号対雑音比等に閾値を設定し、測位、時刻同期に使用する航法衛星信号を選別するSNRマスクによる方法では、最適な閾値が航法衛星アンテナの受信特性、航法衛星アンテナの設置環境、航法衛星信号受信装置の感度、航法衛星の仰角、干渉信号の重畳の状況等に依存する。特に干渉信号は航法衛星信号の信号対雑音比を経時的に変動させる可能性がある。干渉信号には航法衛星信号の受信を妨げる目的で意図的に送出されるジャミング信号やモバイル通信で使用される信号等が想定されるが、干渉信号源と航法衛星アンテナとの位置関係や干渉信号の強度そのものが経時的に変動する場合には航法衛星信号の信号対雑音比の経時的な変動をもたらす。
SNRマスク法では閾値の設定値が厳格な場合(受信信号強度や信号対雑音比等の閾値が大きい場合)には受信可能な可視衛星信号数が少なくなる時間帯などにおいて測位、時刻同期に必要な数の航法衛星信号が一時的に確保できないケースを生じる可能性がある。一方、閾値の設定値が緩い場合(受信信号強度や信号対雑音比等の閾値が小さい場合)には直接波を伴わないマルチパス信号として受信される、不可視衛星信号を十分に排除することができず、精度が劣化する可能性がある。
以上に述べた通り、SNRマスクによる方法では、重畳される干渉信号のレベルが経時的に変動する可能性を考慮した場合、最適な閾値を設定することは必ずしも容易ではなく、測位、時刻同期に使用するのに適切な航法衛星信号と、適切でない航法衛星信号の選別が正しく行えないことがあった。
(2)航法衛星信号受信装置において航法衛星信号を受け入れた上で補正処理を行う方法
(2−1)SNRに基づく重みづけによる方法
受信した航法衛星信号の受信信号強度や信号対雑音比等によって測位、時刻同期に使用する衛星信号に対して信号処理の際に重みづけをする方法では、直接波として受信可能な可視衛星信号の数よりも直接波を伴わないマルチパス信号として受信される不可視衛星信号の数の方が大きい場合、相対的に不可視衛星信号の寄与が大きくなる可能性があり、結果的に精度の劣化を回避できないことがあった。
(2−2)仰角に基づく重みづけによる方位
可視衛星として受信される可能性の高い、仰角の大きい衛星に重みづけを行う方法では、衛星の経時的な位置によっては仰角の大きい衛星数が減少し、相対的に不可視衛星信号の寄与が大きくなる可能性があり、結果的に精度の劣化を回避できないことがあった。
(3)使用するのに不適切な航法衛星信号を航法衛星アンテナにおいて減衰する方法
(3−1)偏波アイソレーションによる方法
反射信号の円偏波の旋転方向が反転することを利用し、円偏波に依存するアイソレーション特性を有する航法衛星アンテナによって奇数回反射した航法衛星信号の信号強度を減衰させる方法である。この方法では、マルチパス信号の受信強度をある程度減衰することは可能であるが、航法衛星信号受信装置の受信感度以上の強度の信号は受信できてしまい、マルチパス信号の影響を排除できない可能性がある。さらに2回反射する信号に対しては旋転方向がさらに反転して元に戻るので減衰は得られない。そのため測位、時刻同期に使用するのに適切でない信号を十分に排除できないことがあった。
(3−2)指向性アンテナを用いる方法
航法衛星アンテナの鉛直上方向の指向性により地面や低仰角からの反射波を減衰させる方法である。この方法は、上記と同様、反射波の受信信号強度をある程度は減衰することはできても、使用するのに適切でない信号を十分に排除できないことがあった。
(4)統計的処理により衛星選択を行う方法
複数の航法衛星システムを組合せて使用する、いわゆるマルチGNSSの利用形態ではより多くの可視衛星数を確保できるため、精度を向上する上で有効であるが、統計的処理により衛星選択を行う方法では受信した航法衛星信号数の増大に伴い信号の処理負荷が指数関数的に増加する課題がある。このため航法衛星信号受信装置の信号処理のリソースの制限から衛星選択のための演算が実施できない、あるいは計算時間を要し、タイムリーに衛星選択を行うことができない場合があった。
上記のように、従来技術(1)〜(4)では、高精度な時刻同期又は測位を実現する上で使用するのに適切な航法衛星信号と、適切でない航法衛星信号の選択が正しく行えないことがあった。
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであり、壁面や屋内窓際に航法衛星アンテナを設置する場合などの、開空間が大幅に制限される受信環境において不可視衛星の直接波を伴わないマルチパス信号を有効に排除し、高精度な時刻同期又は測位を実現することが可能な航法衛星システム受信装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、複数の航法衛星から受信した航法衛星信号に基づき測位処理又は前記航法衛星との時刻同期処理の少なくとも一方を行う航法衛星システム受信装置において、前記航法衛星の軌道情報を取得する軌道情報取得手段と、前記航法衛星システム受信装置の設置位置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記航法衛星システム受信装置の近傍にある障害物の壁面が延在する方位の方位情報を取得する方位情報取得手段と、測位処理又は時刻同期処理における処理対象とする航法衛星を選別するためのマスク領域を前記方位情報に基づき算出するマスク領域算出手段とを備え、前記軌道情報及び前記位置情報に基づき前記航法衛星システム受信装置を基準とした各航法衛星の方位及び仰角を算出し、算出した方位及び仰角並びに前記マスク領域に基づき処理対象とする航法衛星を選別し、選別した航法衛星から受信した航法衛星信号に基づき測位処理又は時刻同期処理の少なくとも一方を行う航法衛星信号処理手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、壁面や屋内窓際に航法衛星アンテナを設置する場合などの特定の方位の開空間が大幅に制限される受信環境において開空間の方位を検知し、開空間の方位以外の方位に位置する不可視衛星信号を有効に排除することができる。結果として、開空間に位置する可視衛星信号を効果的に選択することができるため、従来の技術と比較して時刻同期や測位に使用するのに適切な航法衛星信号と、適切でない航法衛星信号の選択をより正確に行うことができる。このため、開空間が制限され、直接波を伴わないマルチパス信号として不可視衛星信号を受信する、航法衛星信号の受信状態が良好ではない環境においても、高精度な時刻同期や測位を実現する効果が期待される。
また、本発明を時刻同期システムの時刻同期精度の計測に適用する場合には原子発振器を使用した時刻精度計測器や校正拠点を必要とせず、計測拠点において窓枠等に仮設置した航法衛星アンテナにより受信された航法衛星信号を使用して十分な精度で時刻精度の計測を実現することができる。
航法衛星信号受信装置を含むシステム全体の構成図 航法衛星信号受信装置の機能ブロック図 航法衛星信号受信装置の動作を説明するフローチャート 窓から屋外に向けて航法衛星アンテナを設置した受信環境の一例 方位マスクの設定について説明する模式図 屋内窓際に航法衛星アンテナを設置した受信環境及び天空画像を示す図 図6の受信環境におけるGPS衛星信号の受信状況を示す図 図7の時刻(a)におけるGPS衛星の位置を示す図 図7の時刻(b)におけるGPS衛星の位置を示す図 航法衛星信号の受信状態を観測するソフトウェアの画面コピー(方位マスク無し) 航法衛星信号の受信状態を観測するソフトウェアの画面コピー(方位マスク有り) マルチパス受信環境における時刻同期精度の改善の計測結果 方位マスクの変形例 方位マスクの変形例 方位マスクの変形例 マルチパス信号の発生状況を説明する模式図 マルチパス信号を受信する環境を説明する図 マルチパス信号の受信状況を説明する図 マルチパス受信環境の時刻精度の計測系を示す構成図 マルチパス受信環境の時刻精度の劣化とSNRマスクによる改善効果の計測結果 航法衛星の仰角と反射波の関係を示す模式図 マルチパス受信環境の時刻精度の劣化と仰角マスクによる改善効果の計測結果
本発明の一実施の形態に係る航法衛星信号受信装置を含むシステム全体の構成を図1に示す。本システムは、航法衛星アンテナ1、支持台2、方位計3、航法衛星信号受信装置4を備える。
航法衛星アンテナ1は航法衛星信号を受信するためのアンテナである。支持台2は航法衛星アンテナ1および方位計3を壁面、窓枠などに固定するための機能部である。方位計3は支持台2を設置した方位を計測するための機能部である。航法衛星信号受信装置4は方位計3で計測した方位の情報に基づき、後述する方位マスクを設定し、フィルタリングされた航法衛星信号を使用して測位、時刻同期を行う機能部である。以下に各機能部の構成・動作について詳述する。
航法衛星アンテナ1は、航法衛星信号受信装置4との間を同軸ケーブル等で接続され、受信した航法衛星信号を航法衛星信号受信装置4へ伝送する。航法衛星アンテナ1は航法衛星信号の増幅器を内蔵したアクティブ型のアンテナであってもよいし、増幅器を内蔵しないパッシブ型のアンテナであってもよい。また、グランド・プレーン等を内蔵し、鉛直上方向の指向性も備えていてもよいし、受信した航法衛星信号の円旋転方向のアイソレーション特性を備えていてもよい。
支持台2は壁面または窓に垂直な方向に固定され、航法衛星アンテナ1および方位計3と障害物である壁面の相対的な配置を固定する。航法衛星アンテナ1と壁面または窓の距離は任意でよいが、長いほど航法衛星アンテナ1により航法衛星信号を見通し状態で受信可能な開空間の天頂付近を含む領域が広がり、より多くの航法衛星信号を可視衛星信号として受信することができる。
方位計3は支持台2の設置方位を計測する。方位計3と航法衛星信号受信装置4は有線または無線の伝送媒体により接続され、計測された方位の情報を航法衛星信号受信装置4へ伝送する。有線の媒体としてはLANケーブル、シリアル伝送ケーブル等がある。また、無線の媒体としてはWi−Fi(登録商標)(IEEE802.11)、Bluetooth(登録商標)、特定小電力無線、赤外線などがある。方位計3は磁気センサやジャイロコンパスなどにより方位の計測を行う。この他に支持台に実装した2つの航法衛星アンテナにより受信した航法衛星信号から相対的な受信位置を計測し、方位を計測する方法も適用してもよい。また、スマート・フォン等の端末を方位計として使用してもよい。
航法衛星信号受信装置4は航法衛星アンテナ1で受信した航法衛星信号を使用して測位、時刻同期を行う。その際に方位計3で計測された支持台2の設置方位に基づき、航法衛星信号のフィルタリングを行う。航法衛星信号受信装置4の機能及び動作について図2及び図3を参照して説明する。図2は航法衛星信号受信装置の機能ブロック図、図3は航法衛星信号受信装置の動作を説明するフローチャートである。
航法衛星信号受信装置4は、図2に示すように、航法衛星アンテナ1から伝送された航法衛星信号を受信する航法衛星信号受信部41と、衛星軌道情報取得部42と、設置位置情報取得部43と、方位マスク生成部44と、測位・時刻同期処理部45と、時刻情報生成部46と、位置情報生成部47とを備えている。航法衛星信号受信装置4の実装形態は不問であり、コンピュータにプログラムをインストールすることにより実装してもよいし、専用のハードゥエア装置として実装してもよい。
衛星軌道情報取得部42は、航法衛星アンテナ1で受信した航法衛星信号により衛星軌道情報を取得する(図3のステップS2参照)。衛星軌道情報はGPS衛星の場合、アルマナック(Almanac)、エフェメリス(Ephemeris)の2種類のデータがあり、航法衛星信号に含まれる航法メッセージから取得することができる。衛星軌道情報は航法メッセージから取得する他にAssisted GNSS方式によりモバイル網を経由してSUPL(Secure User Plane Location)サーバより取得する方法や、インターネット上に公開されている軌道情報を取得する方法もある(図3のステップS2a参照)。以下は航法衛星の軌道情報を公開するサイトの一例である。
URL: http://sys.qzss.go.jp/dod/archives/pnt.html
設置位置情報取得部43は、受信した4機以上の航法衛星信号から受信位置、すなわち航法衛星信号受信装置4の設置位置、さらに厳密には航法衛星アンテナ1の設置位置を算出する(図3のステップS3参照)。受信位置の取得は3次元座標値を設定してもよい(図3のステップS3a参照)。3次元座標値としては緯度、経度、標高のデータなどが使用される。
方位マスク生成部44は、方位計3で計測された支持台2の設置方位に基づき、特定の方位の航法衛星信号をフィルタリングするための方位・仰角の閾値の組合せによる航法衛星信号のマスク(以下、方位マスク)を生成・設定する(図3のステップS5,S6参照)。方位マスクは、航法衛星信号受信装置4の設置位置を中心とする極座標において、方位計3の方位と直交する方位を閾値(境界)とし、航法衛星アンテナ1が設置される方向と反対側、即ち、壁面により開空間が制限される方位にマスクを設定する。この時方位計3と支持台2の相対的な配置で決まる方位のオフセット値はマスクの設定にあたり適宜補正する。また、図1の例では、方位計3を、障害物の壁面に対して直交する方位となるように設置しているが、他の所定の方位に向けて設置するようにしてもよい。この場合、マスクの設定にあたり方位計3により検出した方位に対して所定の補正処理を行う。
方位マスクの設定例を図4及び図5に示す。図4は航法衛星信号受信装置4を屋内に配置するとともに支持台2を屋外に向けて窓枠に固定した受信環境例である。図5(a)は図4の受信環境における天空画像例を示す。図5(b)は当該受信環境における方位マスクの例を示す。この方位マスクは、図5(b)に示すように半円状である。
測位・時刻同期処理部45は、航法衛星アンテナ1で受信した複数の航法衛星信号に基づき測位処理及び前記航法衛星との時刻同期処理を行う。ここで、測位・時刻同期処理部45は、前記方位マスクを用いて、受信した全ての航法衛星信号から処理対象とする航法衛星信号の選別を行う。具体的には、測位・時刻同期処理部45は、衛星軌道情報取得部42により取得した衛星軌道情報と設置位置情報取得部43により取得した受信位置から、航法衛星アンテナ1で受信した各航法衛星信号の方位、仰角を計算する(図3のステップS4参照)。そして、測位・時刻同期処理部45は、各航法衛星信号の方位及び仰角並びに前記ステップS6で生成した方位マスクに基づき、処理対象とする航法衛星信号を選別し(図3のステップS7参照)、選別した航法衛星信号に基づき測位処理及び時刻同期処理を行う(図3のステップS8参照)。図5の例では、方位マスク(ハッチング部分)以外の位置にプロットされた航法衛星信号を処理対象として用いる。
時刻情報生成部46は、時刻同期結果を所定の形態で出力する。時刻情報としては一例として、航法衛星信号に同期した1PPS(Pulse Per Second)等の信号形式のタイミング信号および時間・秒などの絶対時刻に関する情報(ToD:Time of the Day)を通知するための、NMEA(National Marine Electronics Association)0183等のフォーマットによるタイムコード・データが使用される。
位置情報生成部47は、測位結果を所定の形態で出力する。測位結果はNMEA0183等のフォーマットにより出力される。
なお、測位・時刻同期処理部45は、時刻同期結果や測位結果の付帯情報として、航法衛星に関する情報としてNMEA0183等のフォーマットによる航法衛星システム種別、衛星番号などを出力することができる。
以上に説明した通り、窓枠や壁面に航法衛星アンテナ1を設置する、開空間が大幅に制限する受信環境において本発明により方位マスクを設定することにより、構造物により塞がれた天空上の位置にある不可視衛星信号を効果的に排除することが可能となり、測位や時刻同期の精度を向上することができる。また、従来のSNRマスクによる方法では干渉波を受信した場合に受信した航法衛星信号のSNRが全体として低下する結果、SNRの閾値以上の衛星数が減少し、測位、時刻同期を行なえないケースがあったが、本発明は航法衛星信号の選別において干渉波の影響を受けない。
なお、図3のステップS3の工程で算出された受信位置には開空間の制限やマルチパス信号の受信に伴い誤差を生じる可能性があるが、高高度(GPS衛星の場合は約2万km上空)の軌道上に位置する衛星との相対的な位置関係から、各航法衛星信号の方位・仰角を計算する際の誤差に及ぼす影響は僅少である。
航法衛星信号受信装置の方位マスクによる時刻同期精度の改善の例について説明する。本実施例では、屋内の窓際に航法衛星アンテナを設置したマルチパス受信環境での時刻同期精度の改善例について説明する。図6は屋内窓際に航法衛星アンテナを設置した受信環境及び天空画像を示す図、図7は図6の受信環境におけるGPS衛星信号の受信状況を示す図、図8は図7の時刻(a)におけるGPS衛星の位置を示す図、図9は図7の時刻(b)におけるGPS衛星の位置を示す図である。なお、本実施例では、GPS衛星と準天頂衛星(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)信号を受信した。また、本受信環境において窓は約30度の方位に面している。すなわち、方位計3の示す値は約30度である。
図10及び図11は、前述の本受信環境に対する航法衛星信号の受信状態を観測するソフトウェアの画面コピーであり、図10は比較対象として方位マスクを設定しない航法衛星信号受信装置で観測した場合、図11は方位マスクを設定した航法衛星信号受信装置で観測した場合における、GPS信号およびQZSS信号の受信状況の一例を示している。なお、図10及び図11において、衛星番号が40番未満のものはGPS衛星を示し、90番以上のものはGZSS衛星を示している。
方位マスクを設定しない航法衛星信号受信装置(図10)では14番、16番、27番、32番のGPS衛星信号および93番のQZSS信号は構造物に遮られた位置にある不可視衛星信号がマルチパス信号として受信され、測位・時刻同期に使用されている。天頂に近い位置にある仰角の大きい95番衛星は測位・時刻同期に使用されていないが、それ以外の不可視衛星信号は周辺の構造物で反射・回折し、航法衛星アンテナに到達したものと考えられる。一方、窓の方位30度に対応して120度から300度の方位に位置する航法衛星信号をマスクした航法衛星信号受信装置(図11)においてはこれらの不可視衛星信号は測位・時刻同期に使用されていないことがわかる。
図12に方位マスクを設定した航法衛星信号受信装置および方位マスクを設定しない航法衛星信号受信装置について前述の図19に示す計測系を使用して計測されたタイムエラーの計測結果を示す。方位マスクを設定しない航法衛星信号受信装置では24時間の連続計測期間中のタイムエラーの絶対値の最大値(max|TE|)が約150nsであったのに対し、方位マスクを設定した航法衛星信号受信装置では約30nsと大幅に低減し、方位マスクの設定による時刻同期精度の改善効果が確認された。
以上、本発明の一実施の形態について詳述したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では航法衛星アンテナ1、方位計3、航法衛星信号受信装置4、支持台2は分離されているが、これらの一部、または全てが一体化された構成であってもかまわない。
また、方位マスクとしては、支持台2の長さと壁面への支持台2の設置位置からの壁面の高さを考慮して設定を調整してもよい。
例えば、上記実施の形態では、方位マスクとして、航法衛星信号受信装置4の設置位置を中心とする極座標において、壁面に対して開空間側に向かう方位と直交する両方位を境界として、障害物の壁面に対して開空間側に向かう方位と反対側の半円領域を用いたが、当該半円領域に包含される領域であってもよい。具体的には、図13に示すように、天空画像において前記半円領域と弦が平行な弓形形状の領域であってもよい。
また、上記実施の形態では、方位マスクとして、航法衛星信号受信装置4の設置位置を中心とする極座標において、もっぱら方位についての閾値によって規定される半円領域を用いたが、図14に示すように、仰角についての閾値によって規定される境界を含む領域であってもよい。なお、図14の例は、半円領域に包含される領域の一例でもある。
また、方位マスクの領域を規定するために用いる方位や仰角の閾値にマージンを設定してもよい。例えば、図15に示すように、前記半円領域の方位マスクに対して方位についてのマージンを設定してもよい。なお、図15の例は、半円領域に包含される領域の一例でもある。同様に、図15の例は、もっぱら方位についての閾値によって規定される領域の一例でもある。
また、上記の方位マスク以外にも各方位に対して仰角の閾値を設定することにより任意の形状のマスクを設定することができる。
また、上記実施の形態では、航法衛星信号受信装置4の設置位置から航法衛星信号受信装置4の近傍にある障害物の壁面が延在する方位の方位情報を取得する手段として、支持台2及び方位計3を用いたが、方位計3を障害物の壁面に対して所定の方位に向けて設置可能であれば支持台2を省略することもできる。
また、上記実施の形態では、航法衛星信号受信装置4として測位処理と時刻同期処理の双方を行うものを例示したが、測位処理のみ又は時刻同期処理のみを行うものであっても本発明を適用できる。
また、上記実施の形態では、航法衛星アンテナ1の位置を固定していたが、航法衛星アンテナを移動する形態であっても本発明を適用することができる。一例としてモノレールなどの移動体の側面に本発明を適用し、経時的に変動する開空間の状態に対してアダプティブに方位マスクを設定することにより、経時的に時刻同期精度および測位精度を改善することができる。
また、上記実施の形態では、マルチGNSSの利用形態においても本発明を適用することができる。この場合、可視衛星信号数が向上するため精度の向上が期待される。組み合わせ対象は、全地球航法衛星システムだけでなく地域航法衛星システムも用いることができる。全地球航法衛星システムとしてはGPS、GLONASS、Galileo、Beidouが、地域航法衛星システムとしてはQZSSがある。
1…航法衛星アンテナ
2…支持台
3…方位計
4…航法衛星信号受信装置
41…航法衛星信号受信部
42…衛星軌道情報取得部
43…設置位置情報取得部
44…方位マスク生成部
45…測位・時刻同期処理部
46…時刻情報生成部
47…位置情報生成部

Claims (8)

  1. 複数の航法衛星から受信した航法衛星信号に基づき測位処理又は前記航法衛星との時刻同期処理の少なくとも一方を行う航法衛星システム受信装置において、
    前記航法衛星の軌道情報を取得する軌道情報取得手段と、
    前記航法衛星システム受信装置の設置位置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    前記航法衛星システム受信装置の近傍にある障害物の壁面が延在する方位の方位情報を取得する方位情報取得手段と、
    測位処理又は時刻同期処理における処理対象とする航法衛星を選別するためのマスク領域を前記方位情報に基づき算出するマスク領域算出手段とを備え、
    前記軌道情報及び前記位置情報に基づき前記航法衛星システム受信装置を基準とした各航法衛星の方位及び仰角を算出し、算出した方位及び仰角並びに前記マスク領域に基づき処理対象とする航法衛星を選別し、選別した航法衛星から受信した航法衛星信号に基づき測位処理又は時刻同期処理の少なくとも一方を行う航法衛星信号処理手段とを備えた
    ことを特徴とする航法衛星システム受信装置。
  2. 前記マスク領域は、前記航法衛星システム受信装置の設置位置を中心とする極座標において、前記障害物の壁面に対して開空間側に向かう方位と直交する両方位を境界として、前記障害物の壁面に対して開空間側に向かう方位と反対側の領域と等しい又は包含される
    ことを特徴とする請求項1記載の航法衛星システム受信装置。
  3. 前記マスク領域は、前記航法衛星システム受信装置の設置位置を中心とする極座標において、少なくとも方位についての閾値によって規定される境界を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の航法衛星システム受信装置。
  4. 前記マスク領域は、前記航法衛星システム受信装置の設置位置を中心とする極座標において、仰角についての閾値によって規定される境界を含む
    ことを特徴とする請求項3記載の航法衛星システム受信装置。
  5. 前記方位情報取得手段は、前記障害物の壁面に対して所定の方位に向けて設置された方位計を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の航法衛星システム受信装置。
  6. 前記方位情報取得手段は、前記航法衛星システム受信装置のアンテナを支持する支持台を含むとともに、前記方位計は前記支持台に設けられている
    ことを特徴とする請求項5記載の航法衛星システム受信装置。
  7. 複数の航法衛星から受信した航法衛星信号に基づき測位処理又は前記航法衛星との時刻同期処理の少なくとも一方を行う航法衛星システム受信装置における航法衛星信号処理方法であって、
    軌道情報取得手段が、前記航法衛星の軌道情報を取得するステップと、
    位置情報取得手段が、前記航法衛星システム受信装置の設置位置の位置情報を取得するステップと、
    方位情報取得手段が、前記航法衛星システム受信装置の近傍にある障害物の壁面が延在する方位の方位情報を取得するステップと、
    マスク領域算出手段が、測位処理又は時刻同期処理における処理対象とする航法衛星を選別するためのマスク領域を前記方位情報に基づき算出するステップと、
    航法衛星信号処理手段が、前記軌道情報及び前記位置情報に基づき前記航法衛星システム受信装置を基準とした各航法衛星の方位及び仰角を算出し、算出した方位及び仰角並びに前記マスク領域に基づき処理対象とする航法衛星を選別し、選別した航法衛星から受信した航法衛星信号に基づき測位処理又は時刻同期処理の少なくとも一方を行うステップとを備えた
    ことを特徴とする航法衛星システム受信装置における航法衛星信号処理方法。
  8. コンピュータを、前記請求項1乃至6何れか1項記載の、軌道情報取得手段、位置情報取得手段、マスク領域算出手段、及び、航法衛星信号処理手段として機能させる
    ことを特徴とする航法衛星システム受信装置における航法衛星信号処理プログラム。
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