JP6908865B2 - 航法衛星システム受信装置、その航法衛星信号処理方法及びプログラム - Google Patents

航法衛星システム受信装置、その航法衛星信号処理方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、航法衛星システムにおいて、航法衛星信号を常時、可視衛星信号として受信できない環境においても、高精度な時刻同期や測位を実現する技術に関する。
時分割複信(TDD:Time Division Duplex)方式のモバイル通信システムで必要となる、基地局間の高精度な時刻(タイミング)同期を実現する手段として、GPS(Global Positioning System)をはじめとする全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の利用が拡大している。GNSS衛星(航法衛星)は協定世界時(UTC:Coordinated Universal Time)に同期した高精度な原子時計を搭載し、これに同期した航法衛星信号を電波により送信するが、地球上の任意の地点で航法衛星信号を受信することによってUTCに高精度に時刻同期することが可能となる。
航法衛星から送信される航法衛星信号は受信地点に到達するまでに伝播遅延を生じることから、遅延時間を補正するために少なくとも4機の航法衛星の信号を同時に受信し、信号の受信位置の3次元座標情報(x,y,z)及び衛星と受信機の時計の時刻差(Δt)の4つのパラメータを特定する必要がある。GPSの場合、24機以上の航法衛星を6つの準同期軌道上で約12時間の周期で地球を周回して運用しているが、測位と時刻同期を定常的に実現するためにはこのうち少なくとも4機の航法衛星を常時捕捉可能な環境を選択する必要がある。
高精度な時刻同期を目的としてGNSSを利用する際に、航法衛星信号を受信するアンテナ(以下、航法衛星アンテナ)周辺の航法衛星信号の見通し空間が建造物や樹木等により遮断されることが原因となり、直接波として受信可能な衛星(以下、可視衛星)信号数に制限を生じる場合がある。一般的にモバイル通信システムの基地局はトラフィック需要の多い都市部においてより高密度に設置される傾向にあるが、都市部では常時4機以上の航法衛星信号を直接波として捕捉可能なエリアは限定される。そのため、十分な数の航法衛星信号を直接波として常時捕捉することが困難な、航法衛星信号の受信状態が良好ではない環境においても高精度に、かつ安定した時刻同期を実現することが課題となっている。
航法衛星信号を使用した測位、または航法衛星信号への時刻同期を行う際には直接波として受信される可視衛星信号をより多く受信できる、開空間の開けた受信環境を選択することが精度を向上する上で有効である。さらに可視衛星が天空上に万遍なく分散して位置している方が測位、時刻の精度が一層向上することが期待される。天空上の衛星配置の偏りによる精度劣化を表す指標としてDOP(Dilution Of Precision:精度低下率)と呼ばれる指標がしばしば用いられる。
航法衛星信号による測位、時刻同期においてこの他に精度に影響を与える要因としては、航法衛星信号が受信位置周辺の構造物や地面により反射、回折することにより生じる、反射波、回折波(いわゆるマルチパス信号)の受信が挙げられる。
図13にマルチパス信号の発生状況を説明する模式図を示す。図13に示す通り、マルチパス信号には直接波を伴うケース(可視衛星信号のマルチパス信号)と直接波を伴わないケース(直接波として受信できない衛星(以下、不可視衛星)信号のマルチパス信号)の種別がある。前者については直接波の受信強度がマルチパス信号の受信強度よりも大きい通常のケースでは航法衛星信号受信装置における相関信号処理により、マルチパス信号の影響を効果的に低減する方策がこれまでに検討されている(非特許文献1参照)。一方、後者の直接波を伴わない不可視衛星のマルチパス信号については当該の航法衛星信号を測位や時刻同期に使用しない場合を除き、その影響を取り除くことは困難であるため測位精度や時刻同期精度に及ぼす影響が大きい。
図14及び図15にマルチパス信号の受信状況の一例を示す。図14に示すような周囲を建造物で囲まれた環境にGPS衛星アンテナを設置してGPS衛星信号を受信した結果、図15上段に示すように、GPS衛星アンテナ設置位置における天空画像上で開空間に位置する可視衛星信号(図15の例では、#6、#9)以外にも構造物に遮蔽された不可視衛星信号の多く(図15の例では、#2、#3、#5、#7、#12、#17、#19、#23、#25)がマルチパス信号として受信されることが確認された。また、図15下段に示すように、経時的なGPS衛星信号の受信特性についてもGPSアンテナ周辺の構造物を考慮した開空間からシミュレーションで得られる可視衛星数よりもむしろ、オープンスカイを仮定した受信衛星数に近い数のGPS衛星信号が受信された。ここで「オープンスカイ」とは周囲に遮蔽物のない上空の開けた受信環境を意味する。
マルチパス信号は直接波と比較して伝搬経路長が長く、伝搬遅延を伴って航法衛星アンテナに到達する。航法衛星アンテナから反射点までの距離が大きいほど反射波の直接波に対する伝搬遅延時間差が大きくなり、疑似距離の計測誤差が大きくなる。ここで疑似距離とは航法衛星信号の送信時刻と航法衛星信号受信装置が航法衛星信号を受信した時刻の差に光速を乗算した距離を指す。疑似距離の計測誤差が大きくなると時刻同期精度および測位精度が劣化する。
図16に図14及び図15のマルチパス信号が発生する環境でGPS衛星信号を受信して得られる時刻と近傍のオープンスカイ環境でGPS衛星信号を受信して得られる時刻の差(タイムエラー)を計測するために使用した実験系の構成を示す。それぞれの環境で受信されたGPS衛星信号を同一機種の2台のGPSレシーバにそれぞれに入力し、生成された時刻情報のタイミング出力信号である1PPS(Pulse Per Second)信号の位相差をタイムエラー計測器により経時的に計測した。この方法によりマルチパス信号の受信に伴う、時刻同期精度の劣化の度合いを定量的に計測することができる。その結果、図17に示すようにマルチパス信号が発生する環境で受信したGPS衛星信号から生成された時刻はオープンスカイ環境で受信したGPS衛星信号から生成された時刻に対して最大で250ns以上、遅れることが確認された。
以上に説明した通り、受信位置の周囲を構造物に遮られる理想的ではない受信環境において航法衛星信号による時刻同期および測位の精度を向上するには、天空上の分散した位置にある可視衛星信号をできるだけ多く受信し、かつ、マルチパス信号による影響を有効に取り除く必要がある。
前者の天空上の開空間に位置する可視衛星信号をより多く受信するためには、できるだけ開空間の開かれた受信位置を選択する他に、複数の航法衛星システムを併用するマルチGNSSと呼ばれる利用形態が有効である。
一方、マルチパス信号の影響を低減する方法としてはこれまでに様々な方法が検討されている。
マルチパス信号は建造物等で反射する際に航法衛星信号の円偏波特性の旋転方向が反転する。この反射に伴う円偏波特性の反転を利用し、航法衛星アンテナに円偏波特性に依存するアイソレーション特性を備えることによって奇数回反射した反射波の信号強度を減衰させることができる。また、航法衛星アンテナの鉛直上方向の指向性により地面や低仰角からの反射波の信号強度を減衰させることができる。以上が航法衛星アンテナによる、マルチパス信号の影響の低減方法の1つである。
一方、航法衛星信号受信装置において実現される、マルチパス信号の影響を低減する方法としては、受信した航法衛星信号の受信強度や信号対雑音比(Signal-To-Noise Ratio:SNR)によって測位や時刻同期を行う際に使用する航法衛星信号に相対的に重み付けの処理を行なう方法、あるいは受信した航法衛星信号の受信強度や信号対雑音比(SNR)の閾値によって測位や時刻同期に使用する航法衛星信号を選別する方法が挙げられる。後者の方法はSNRマスクと呼ばれる。航法衛星信号が受信位置周辺の建造物で反射、回折する際に建造物の材質や反射、回折の角度に応じて信号強度が減衰するため、直接波として受信される可視衛星信号は反射・回折を伴う不可視衛星信号と比較して相対的に信号対雑音比(SNR)が大きいことが期待される。そこで受信した航法衛星信号の信号対雑音比(SNR)に基づき、航法衛星信号を選別あるいは重み付けを行うことにより、測位や時刻同期を行う際の可視衛星信号の寄与を高め、精度を改善することが期待される。図17に、信号対雑音比(SNR)の指標の一つであるCNR(Carrier-To-Noise Ratio)の閾値によって航法衛星信号を選別した場合の、時刻同期精度を測定した結果を示す。図17の計測においては受信したGPS衛星信号からCNRが35dB−Hz以上のGPS衛星信号を選択して時刻を生成した結果、タイムエラーは100ns以下に大幅に改善することが確認された。
航法衛星信号受信装置において実現される、2つめのマルチパス信号の影響の低減方法について説明する。図18に示す通り、航法衛星信号を反射、回折する航法衛星アンテナ周辺の建造物の高さは有限であることから、マルチパス信号の受信しやすさは航法衛星信号の仰角に依存する。建造物と航法衛星アンテナの設置位置との距離に対して仰角の大きい航法衛星信号は建造物の鉛直方向の壁面において小さな反射角で反射するため、反射信号は地面方向に伝搬し、航法衛星アンテナに到達しない。一方、仰角の小さい航法衛星信号は建造物の鉛直方向の壁面における反射角が大きいため、直接波と比較して大きな伝搬遅延時間差を伴う反射波が航法衛星アンテナに到達する可能性が高い。このため、航法衛星信号を仰角の閾値によりフィルタリングし、仰角の大きい航法衛星信号を測位、時刻同期に使用することにより、可視衛星信号や伝搬遅延の小さい不可視衛星信号を優先的に選択し、マルチパス信号の影響を低減することが期待される。この方法は仰角マスクと呼ばれる。図19に図14の受信環境において仰角の閾値によってGPS衛星信号を選別した場合の、時刻同期精度を測定した結果を示す。図19に示す通り、仰角の閾値を増大するのに伴いタイムエラーが改善することが確認された。
航法衛星信号受信装置において実現される、3つめのマルチパス信号の影響の低減方法は受信した航法衛星信号のサブセットの航法衛星信号の組合せを使用した測位・時刻同期演算を予備的に実施し、統計的な処理により航法衛星信号を選別する方法である。航空管制システム等では航法衛星システムのインテグリティ保証のため、正常な運用状態にない航法衛星信号をこうした統計的な信号処理により検知するRAIM(Receiver Autonomous Integrity Monitoring)と呼ばれる方法や検知に加え排除を行うFDE(Fault Detection and Exclusion)と呼ばれる方法が使用されている。マルチパス信号が直接波に対して航法衛星アンテナに遅れて到達することに着目した同様の統計的処理により可視衛星信号を優先的に選択し、可視衛星数が4機に満たない場合には伝搬遅延時間の小さい不可視衛星信号を補完的に選択する方法による時刻同期精度の改善方法が検討されている(非特許文献2参照)。
久保信明、「GPS測位におけるマルチパス誤差の低減化と高精度測位の可能性について」、博士論文、東京海洋大学、2005年 吉田誠史 他、「不可視衛星のマルチパス信号の影響を低減したGNSS時刻同期精度の改善」、測位航法学会全国大会、2017年
航法衛星信号による測位や時刻同期において不可視衛星信号の影響による精度の劣化を低減する、従来の方法における課題として以下の点が挙げられる。
(1)航法衛星信号受信装置において航法衛星信号の選択を行う方法
(1−1)仰角マスクによる方法
航法衛星信号の仰角に閾値を設定し、これに基づいて測位、時刻同期に使用する航法衛星信号を選択する仰角マスクによる方法は開空間が天頂を中心とした円形状に近い場合には適用の効果が高いが、それ以外の一般的な受信環境においては本来、測位、時刻同期精度の向上に寄与する可視衛星信号をも排除してしまう可能性がある。例えば図19の受信環境では仰角閾値を40度に設定した場合、東側の開空間に位置する可視衛星信号は排除されてしまう。このため測位、時刻同期に使用する航法衛星信号の選択が適切に行われないことがあった。また、閾値の設定値が厳格な場合(閾値仰角が大きい場合)には測位、時刻同期に必要な数の航法衛星信号が一時的に確保できないケースを生じる可能性がある。一方、閾値の設定値が緩い場合(閾値仰角が小さい場合)には直接波を伴わないマルチパス信号として受信される、不可視衛星信号を十分に排除することができず、精度が劣化する可能性がある。
(1−2)SNRマスクによる方法
受信した航法衛星信号の受信信号強度や信号対雑音比等に閾値を設定し、測位、時刻同期に使用する航法衛星信号を選別するSNRマスクによる方法では、最適な閾値が航法衛星アンテナの受信特性、航法衛星アンテナの設置環境、航法衛星信号受信装置の感度、航法衛星の仰角、干渉信号の重畳の状況等に依存する。特に干渉信号は航法衛星信号の信号対雑音比を経時的に変動させる可能性がある。干渉信号には航法衛星信号の受信を妨げる目的で意図的に送出されるジャミング信号やモバイル通信で使用される信号等が想定されるが、干渉信号源と航法衛星アンテナとの位置関係や干渉信号の強度そのものが経時的に変動する場合には航法衛星信号の信号対雑音比の経時的な変動をもたらす。
SNRマスク法では閾値の設定値が厳格な場合(受信信号強度や信号対雑音比等の閾値が大きい場合)には受信可能な可視衛星信号数が少なくなる時間帯などにおいて測位、時刻同期に必要な数の航法衛星信号が一時的に確保できないケースを生じる可能性がある。一方、閾値の設定値が緩い場合(受信信号強度や信号対雑音比等の閾値が小さい場合)には直接波を伴わないマルチパス信号として受信される、不可視衛星信号を十分に排除することができず、精度が劣化する可能性がある。
以上に述べた通り、SNRマスクによる方法では、重畳される干渉信号のレベルが経時的に変動する可能性を考慮した場合、最適な閾値を設定することは必ずしも容易ではなく、測位、時刻同期に使用するのに適切な航法衛星信号と、適切でない航法衛星信号の選別が正しく行えないことがあった。
(2)航法衛星信号受信装置において航法衛星信号を受け入れた上で補正処理を行う方法
(2−1)SNRに基づく重みづけによる方法
受信した航法衛星信号の受信信号強度や信号対雑音比等によって測位、時刻同期に使用する航法衛星信号に対して信号処理の際に重みづけをする方法では、直接波として受信可能な可視衛星信号の数よりも直接波を伴わないマルチパス信号として受信される不可視衛星信号の数の方が大きい場合、相対的に不可視衛星信号の寄与が大きくなる可能性があり、結果的に精度の劣化を回避できないことがあった。
(2−2)仰角に基づく重みづけによる方法
可視衛星として受信される可能性の高い、仰角の大きい衛星に重みづけを行う方法では、衛星の経時的な位置によっては仰角の大きい衛星数が減少し、相対的に不可視衛星信号の寄与が大きくなる可能性があり、結果的に精度の劣化を回避できないことがあった。
(3)使用するのに不適切な航法衛星信号を航法衛星アンテナにおいて減衰する方法
(3−1)偏波アイソレーションによる方法
反射信号の円偏波の旋転方向が反転することを利用し、円偏波に依存するアイソレーション特性を有する航法衛星アンテナによって奇数回反射した航法衛星信号の信号強度を減衰させる方法である。この方法では、マルチパス信号の受信強度をある程度は減衰することは可能であるが、航法衛星信号受信装置の受信感度以上の強度の信号は受信できてしまい、マルチパス信号の影響を排除できない可能性がある。さらに2回反射する信号に対しては旋転方向がさらに反転して元に戻るので減衰は得られない。そのため測位、時刻同期に使用するのに適切でない信号を十分に排除できないことがあった。
(3−2)指向性アンテナを用いる方法
航法衛星アンテナの鉛直上方向の指向性により地面や低仰角からの反射波を減衰させる方法である。この方法は、上記と同様、反射波の受信信号強度をある程度は減衰することはできても、使用するのに適切でない信号を十分に排除できないことがあった。
(4)統計的処理により衛星選択を行う方法
マルチGNSSの利用形態ではより多くの可視衛星数を確保できるため、精度を向上する上で有効であるが、統計的処理により衛星選択を行う方法では受信した航法衛星信号数の増大に伴い信号の処理負荷が指数関数的に増加する課題がある。このためGNSS受信機の信号処理のリソースの制限から衛星選択のための演算が実施できない、あるいは計算時間を要し、タイムリーに衛星選択を行うことができない場合があった。
上記のように、従来技術(1)〜(4)では、高精度な時刻同期又は測位を実現する上で使用するのに適切な航法衛星信号と、適切でない航法衛星信号の選択が正しく行えないことがあった。
本発明は上記の問題点に鑑みなされたものであり、航法衛星信号を受信する開空間が制限され、不可視衛星信号が直接波を伴わないマルチパス信号として受信される、航法衛星信号の受信状態が良好ではない環境においても、高精度な時刻同期又は測位を実現することが可能な航法衛星システム受信装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、複数の航法衛星から受信した航法衛星信号に基づき測位処理又は前記航法衛星との時刻同期処理の少なくとも一方を行う航法衛星システム受信装置において、4つ以上の航法衛星から同時に受信した航法衛星信号に基づき受信位置及び受信時刻を算出する航法衛星信号受信部と、同時受信可能な4つ以上の航法衛星からの各航法衛星信号に基づき受信位置の初期値及び各航法衛星の軌道位置を算出し、算出した受信位置及び軌道位置並びに各航法衛星信号に含まれる時刻情報に基づき各航法衛星信号の到達時刻を算出し、算出した到達時刻に基づき航法衛星信号を抽出し、抽出した航法衛星信号に基づき受信位置を算出し、算出した受信位置を用いて前記到達時刻の算出処理と前記航法衛星信号の抽出処理と前記受信位置の算出処理とを再帰的に行い、再帰の終了時において抽出された航法衛星信号に基づき測位処理又は時刻同期処理を行うよう制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、時刻同期や測位に使用するのに適切な航法衛星信号と、適切でない航法衛星信号の選択を正しく行うことができる。このため、航法衛星信号を受信する開空間が制限され、不可視衛星信号が直接波を伴わないマルチパス信号として受信される、航法衛星信号の受信状態が良好ではない環境においても、高精度な時刻同期や測位を実現する効果が期待される。
4機以上の航法衛星信号を使用して測位、時刻同期を同時に行う形態では以下の効果が期待できる。
(A)受信環境における可視衛星数に依存せず、可視衛星および、伝搬遅延のより小さい不可視衛星を必要に応じて補完的に選択するため、受信環境や受信時刻において最適な航法衛星信号をダイナミックかつアダプティブに選択することによって高精度な時刻同期や測位を実現する効果が期待される。
(B)航法衛星アンテナの受信特性、航法衛星信号受信装置の性能に依存せず、マルチパス信号の影響を効果的に排除することが期待される。
(C)受信環境に応じてパラメータ値を適切に設定することにより、可視衛星数が少なく不可視衛星のマルチパス信号を多く受信する、良好ではない受信環境だけでなく、オープンスカイ受信環境を含むあらゆる受信環境において高精度な時刻同期や測位を安定的に実現する効果が期待される。
(D)本発明では受信した航法衛星信号から少なくとも4機以上の、時刻同期や測位に使用する航法衛星信号の選択を行うため、受信した航法衛星信号の受信信号強度、信号対雑音比や仰角等に閾値を設定し、測位、時刻同期に使用する航法衛星信号を選択する従来の方法で課題となっていた、必要な航法衛星数を確保できないといったリスクを生じない。
(E)本発明では航法衛星アンテナにおいて円偏波アイソレーション特性や鉛直方向の指向性を実装する必要がないため、副次的な効果として、航法衛星アンテナのコストを低減することが可能となる。
時刻同期装置の一例を示す構成図 許容誤差値と時刻同期精度の関係を示すグラフ オープンスカイ受信環境における時刻精度の計測系を示す構成図 オープンスカイ受信環境における許容誤差値に対する時刻精度の計測結果 オープンスカイ受信環境における許容誤差値に対する使用されたGPS衛星信号の状況 マルチパス受信環境における許容誤差値に対する時刻精度の計測結果 マルチパス受信環境における衛星選択アルゴリズム無効で使用されたGPS衛星信号の状況 マルチパス受信環境における衛星選択アルゴリズム有効で使用されたGPS衛星信号の状況 オープンスカイ受信環境におけるGPS衛星信号の受信状態を説明する図 マルチパス受信環境におけるGPS衛星信号の受信状態を説明する図 CNR閾値を上回る航法衛星信号数と許容誤差値との関係を説明する図 マルチパス受信環境における測位精度の計測結果 マルチパス信号の発生状況を説明する模式図 マルチパス信号を受信する環境を説明する図 マルチパス信号の受信状況を説明する図 マルチパス受信環境の時刻精度の計測系を示す構成図 マルチパス受信環境の時刻精度の劣化とSNRマスクによる改善効果の計測結果 航法衛星の仰角と反射波の関係を示す模式図 マルチパス受信環境の時刻精度の劣化と仰角マスクによる改善効果の計測結果
本発明の一実施の形態に係る航法衛星システム受信装置を含むシステム全体の構成を図1に示す。本システムでは、航法衛星システム受信装置の一例として時刻同期装置について説明する。本システムは、航法衛星アンテナ1、航法衛星信号受信部2、時刻情報生成部3、制御部4、設定部5を備える。時刻同期装置の実装形態は不問であり、コンピュータにプログラムをインストールすることにより実装してもよいし、専用のハードゥエア装置として実装してもよい。
航法衛星アンテナ1は、航法衛星信号を受信するためのアンテナである。航法衛星信号受信部2は、複数の航法衛星信号を受信し、受信位置における時刻情報を計算し、時刻情報生成部3へ出力する機能部である。時刻情報生成部3は、時刻情報を生成し外部へ出力する機能部である。制御部4は、航法衛星信号受信部および時刻情報生成部を制御するための機能部である。設定部5は、システムの各種のパラメータの設定を行うための機能部である。以下に各機能部の構成・動作について詳述する。
航法衛星アンテナ1は、航法衛星信号受信部2との間を同軸ケーブル等で接続され、受信した航法衛星信号を航法衛星信号受信部2へ伝送する。
航法衛星信号受信部2は、少なくとも4機の航法衛星の信号を同時に受信することで信号の受信位置の3次元座標情報(x,y,z)及び航法衛星から受信した時刻情報を航法衛星の位置から受信地点までの伝播遅延時間に基づき補正した受信時刻情報(t)の4つのパラメータを計算により特定する。
さらに航法衛星信号受信部2は、航法衛星アンテナ1と航法衛星信号受信部2との間の同軸ケーブル等の伝送路の伝送遅延時間を補正し、航法衛星アンテナ1の設置位置における時刻情報を生成する。
航法衛星信号受信部2は、このようにして生成された航法衛星に同期した時刻情報と使用した航法衛星に関する情報を時刻情報生成部3および制御部4に出力する。時刻情報としては一例として、航法衛星信号に同期した1PPS(Pulse Per Second)等の信号形式のタイミング信号および時間・秒などの絶対時刻に関する情報(ToD:Time of the Day)を通知するための、NMEA0183等のフォーマットによるタイムコード・データが使用される。また、航法衛星に関する情報としては、NMEA0183等のフォーマットによる航法衛星システム種別、衛星番号、方位、仰角、CNRなどが使用される。一方、航法衛星信号受信部2で測位、時刻同期に使用する航法衛星信号の選択は、制御部4の指示に基づく。
航法衛星信号受信部2は、装置の内部に設置しても良いし、装置の外部に置かれた航法衛星信号受信装置を使用しても良い。航法衛星信号受信部2は、航法衛星信号による測位により計算された受信位置情報を記憶することができる。その場合、航法衛星アンテナ1の位置を移動しないという前提であれば、その後は最低1基の航法衛星信号を受信すれば時刻同期を継続的に行うことができる。なお、記憶した受信位置情報及び最低1基の航法衛星信号を用いて時刻同期を継続的に行うことを「位置固定モード」と呼ぶものとする。
時刻情報生成部3は、航法衛星信号に同期した時刻情報の生成を担う機能部であり、航法衛星信号受信部2から供給される時刻情報に基づき、所定の標準的な時刻、ここでは前述したUTCに同期した時刻信号を生成する。具体的には、時刻情報生成部3は、内部に基準周波数発振器および位相同期回路(PLL:Phase Locked Loop)を搭載し、航法衛星信号受信部2から供給される1PPS信号に対して従属的にタイミングを同期すると同時に、航法衛星信号受信部2から供給されるToD情報による絶対時刻に整合した時刻情報を生成する。時刻情報生成部3は、航法衛星信号受信部2からの信号が中断した場合は、基準周波数発振器により自走(ホールドオーバ)することにより時刻情報の生成を維持、継続することができる。
また、時刻情報生成部3は、時刻同期を行う装置外部の装置(被時刻同期装置)に対して時刻情報を供給する役割を担う。この際に使用される時刻情報としては、上記の1PPS/ToDの他にIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1588 version2で規定されるPTP(Precision Time Protocol)プロトコルを使用して、Ethernet(登録商標)等のパケット通信インタフェースを介して時刻情報が供給されるケースも想定される。
制御部4は、設定部5に入力されたパラメータの情報に基づき、後述する時刻情報を生成するアルゴリズムを実現するために航法衛星信号受信部2および時刻情報生成部3の制御、航法衛星信号受信部2から出力された時刻情報の比較、航法衛星の抽出等の処理を行う。
設定部5は、外部からシステムの動作に必要な各種パラメータの設定を行う。設定するパラメータには、航法衛星アンテナ1と航法衛星信号受信部2を接続する同軸ケーブル等の伝送路で生じる伝送遅延時間の補正値、使用する航法衛星信号種別、航法衛星信号受信位置のタイムゾーンおよび後述する測位情報および時刻情報を生成するアルゴリズムを実現する上でのパラメータの設定等が含まれる。
本発明は、不可視衛星信号が直接波を伴わないマルチパス信号(反射波、回折波)として受信される場合に航法衛星システムの時刻との誤差の小さい高精度な時刻情報や、高精度な位置情報を生成する航法衛星システム受信装置に関する。以下にその動作アルゴリズムについて説明する。
まず、前提条件として、航法衛星アンテナ1の周辺に航法衛星信号の伝搬を遮蔽する構造物が存在する環境で可視衛星信号(直接波信号または直接波を伴うマルチパス信号)、不可視衛星信号(直接波を伴わないマルチパス信号)を問わず、4機以上の航法衛星の信号を受信できるものとする。また、受信した航法衛星信号が可視衛星信号であるか、不可視衛星信号であるかは不可知であるとする。
以上の前提条件で、以下の手順により、受信した航法衛星信号から測位、時刻同期に使用する航法衛星を選択し、測位、時刻精度の向上を図る。ここで測位精度の向上とは航法衛星アンテナ1による航法衛星信号の受信位置の座標の真値と測位結果の座標の差を小さくすることを意味する。時刻精度の向上とは航法衛星アンテナ1による航法衛星信号の受信位置においてオープンスカイ環境で受信した可視衛星信号で生成される時刻からの差を小さくすることを意味する。手順に従った時刻情報の生成を行うために設定部5において設定されたパラメータの設定値に基づき、制御部4は、航法衛星信号受信部2および時刻情報生成部3の制御を行う。
手順は以下に述べる手順(A)初期座標値決定手順および手順(B)衛星選択・時刻同期手順から構成される。手順(A)は航法衛星信号の受信を開始してから初期座標値を決定するまでの手順であり、手順(B)は航法衛星信号を選択し、測位・時刻同期を行う手順である。この手順(A)及び(B)による処理では、時刻同期装置の受信位置の推定を行うことから「位置推定モード」と呼ぶものとする。
手順(A)
(ア)時刻同期装置を起動後にあらかじめ設定部5において設定した所定の受信時間を経て受信した、n個の航法衛星信号のうち、あらかじめ設定部5において設定した信号対雑音比(SNR)の閾値を超える航法衛星信号を選択する。ここでSNRの指標の一つとしてCNRを使用することができる。選択された衛星数が4機に満たない場合、合計の衛星数が4機となるように選択された衛星に加えてCNRが大きい衛星から航法衛星信号を選択する。ここで前記受信時間は、時刻同期装置が航法衛星信号を捕捉し、航法衛星信号から衛星の軌道情報、すなわち航法衛星の位置情報を取得するために設定する。衛星軌道情報はGPSの場合、運行している全てのGPS衛星の概略軌道データであるアルマナック(Almanac)データと各衛星の精密軌道データであるエフェメリス(Ephemeris)データの2種類の軌道データがある。それぞれ航法衛星信号に含まれる航法メッセージから取得することができるが、アルマナックデータを取得するには12分30秒を要する。しかし、CNRの大きい航法衛星信号はランダム・サーチと呼ばれる動作で起動後に速やかに受信され、当該衛星の軌道データは当該衛星の航法メッセージからエフェメリスデータとして取得することができる。従って、前記受信時間はアルマナックデータの取得に要する時間より短い時間の設定であっても必ずしも動作に支障があるわけではない。また、衛星軌道情報は航法メッセージから取得する他にAssisted GNSS方式によりモバイル網を経由してSUPL(Secure User Plane Location)サーバより取得する方法や、インターネット上に公開されている軌道情報を取得する方法もある。以下は航法衛星の軌道情報を公開するサイトの一例である。
URL: http://sys.qzss.go.jp/dod/archives/pnt.html
(イ)前記(ア)で選択された航法衛星信号を使用して測位を行い、その結果を初期座標値とする。
手順(B)
(ア)手順(A)で算出した初期座標値に基づき、受信したn個の航法衛星それぞれの位置と航法衛星信号の時刻から、初期座標値の位置への到達時刻を算出する。
(イ)前記(ア)で算出されたn個の到達時刻のうち最も早い時刻Tを決定する。
(ウ)次にあらかじめ設定部5において設定した許容誤差値dTによりT+dTの基準時刻を設定する。
(エ)前記(ア)で算出されたn個の到達時刻のうちT+dTより早くなる航法衛星信号を抽出する。
(オ)前記(エ)で抽出された航法衛星信号数が4以上の場合、抽出された航法衛星信号を使用して測位を行い、前記(ア)の初期座標値を更新する。
(カ)あらかじめ設定部5において設定した座標値更新期間の間、前記(ア)〜(オ)を繰り返し行う。すなわち、位置情報をパラメータとし且つ終了条件が処理時間である再帰処理を行う。
(キ)前記(カ)で抽出された航法衛星信号を使用して測位、時刻同期を行い、得られた時刻情報を、受信した航法衛星信号で生成された時刻情報とする。
本発明では、上記手順(B)に替えて下記の手順(B’)および(B”)を実施してもよい。以下に、手順(B’)および(B”)について詳述する。
手順(B’)
(ア)手順(A)で算出した初期座標値に基づき、受信したn個の航法衛星それぞれの位置と航法衛星信号の時刻から、初期座標値の位置への到達時刻を算出する。
(イ)受信したn個の航法衛星のうちm個(ただしn>m)のnCm通りの組み合わせのそれぞれに対し、前記(ア)で算出された、初期座標値の位置への到達時刻の平均値を算出する。
(ウ)前記(イ)で算出されたnCm個の到達時刻の平均値のうち最も早い時刻Tを決定する。
(エ)次にあらかじめ設定部5において設定した許容誤差値dTによりT+dTの基準時刻を設定する。
(オ)前記(ア)で算出されたn個の到達時刻のうちT+dTより早くなる航法衛星信号を抽出する。
(カ)前記(オ)で抽出された航法衛星信号が4以上の場合、抽出された航法衛星信号を使用して測位を行い、前記(ア)の初期座標値を更新する。
(キ)あらかじめ設定部5において設定した座標値更新期間の間、前記(ア)〜(カ)を繰り返し行う。すなわち、位置情報をパラメータとし且つ終了条件が処理時間である再帰処理を行う。
(ク)前記(キ)で抽出された航法衛星信号を使用して測位、時刻同期を行い、得られた時刻情報を、受信した航法衛星信号で生成された時刻情報とする。
手順(B”)
(ア)手順(A)で算出した初期座標値に基づき、受信したn個の航法衛星それぞれの位置と航法衛星信号の時刻から、初期座標値の位置への到達時刻を算出する。
(イ)受信したn個の航法衛星のうちm個(ただしn>m)のnCm通りの組み合わせのそれぞれに対し、前記(ア)で算出された、初期座標値の位置への到達時刻の平均値を算出する。
(ウ)前記(イ)で算出されたnCm個の到達時刻の平均値のうち最も早い時刻Tを決定する。
(エ)次にあらかじめ設定部5において設定した許容誤差値dTによりT+dTの基準時刻を設定する。
(オ)前記(イ)で算出されたnCm個の組み合わせの到達時刻の平均値のうちT+dTより早くなる組み合わせに含まれる航法衛星信号を抽出する。
(カ)前記(オ)で抽出された航法衛星信号を使用して測位を行い、前記(ア)の初期座標値を更新する。
(キ)あらかじめ設定部5において設定した座標値更新期間の間、前記(ア)〜(カ)を繰り返し行う。すなわち、位置情報をパラメータとし且つ終了条件が処理時間である再帰処理を行う。
(ク)前記(キ)で抽出された航法衛星信号を使用して測位、時刻同期を行い、得られた時刻情報を、受信した航法衛星信号で生成された時刻情報とする。
なお、上記の許容誤差値dT(手順(B)のdT、手順(B’)のdT2、手順(B”)のdT)は、設定部5により設定されるパラメータである。ここで、許容誤差値dTとして0を設定する場合もあることに留意されたい。許容誤差値dTの決定手法については後述する。
以下に各手順において、受信される可視衛星信号数のそれぞれのケースにおいて時刻同期精度が改善される理由を説明する。
受信強度またはCNRの閾値が所定の閾値より上回る航法衛星信号に係る衛星は可視衛星である蓋然性が高い。CNRが40dB−Hz以上で受信される場合、その航法衛星信号は可視衛星信号である可能性が高い。そこで、手順(A)においてはCNR閾値として40dB−Hzの値を用いると好適である。CNR閾値を上回る衛星数が4機未満の場合、CNRの大きい順に航法衛星信号を選択し、4機とする。このようにして手順(A)において選択された航法衛星信号は可視衛星信号を多く含むことが期待され、その結果、手順(A)において算出された初期座標値の誤差が受信した全ての航法衛星信号を使用して算出された座標値の誤差と比較して小さいことが期待される。
次に手順(B)では手順(A)で算出された初期座標値に対し、到達時刻の早い航法衛星信号を選択する。このようにして選択された航法衛星信号は可視衛星もしくは伝搬遅延の小さい不可視衛星である蓋然性が高い。選択された航法衛星信号が4機以上の場合、測位演算を行い手順(A)で算出された初期座標値を更新するため初期座標値の誤差が低減されることが期待される。手順(B)であらかじめ設定した座標値更新期間の間(ア)〜(オ)を繰り返し行うことにより、初期座標値の誤差がより漸次低減され、これに基づき選択された航法衛星信号は可視衛星もしくは伝搬遅延の小さい不可視衛星である確度が向上することが期待される。
手順(B)では手順(A)で算出した初期座標値に基づき、n個の到達時刻のうち最も早い時刻Tを決定するのに対し、手順(B’)および 手順(B”)では手順(A)で算出した初期座標値に基づき、nCm個の到達時刻の平均値のうち最も早い時刻により時刻Tを算出する。手順(B)ではTに予期しない計測誤差を生じる可能性があるが、手順(B’)および 手順(B”)では複数の航法衛星信号の到達時刻によりTを算出するため計測の揺らぎ等の影響を排除することができる。
次に、許容誤差値dTの決定手法について詳述する。
許容誤差値dTの設定値の最適値は航法衛星信号の受信状態により異なる。オープンスカイ受信環境においては可視衛星信号が多く受信されるが、その場合には天空上に万遍なく分散する航法衛星信号をできるだけ多く受信することがDOP値を低減し、精度を向上する上で有効である。そのためには許容誤差値dTの値として比較的大きな値を設定し、可視衛星信号をできるだけ多く選択する必要がある。可視衛星信号の到達時刻は基準時刻Tからの遅れは小さいため、許容誤差値dTとして20ns程度に設定すれば全ての可視衛星信号を選択することが可能であると考えられる。一方、許容誤差値dTの値が0または20ns以下の場合には可視衛星信号を全て選択できない可能性がある。
これに対し、可視衛星信号数が4以下のマルチパス受信環境においては許容誤差値dTが0の場合には可視衛星信号を含む、最も高い精度を実現する航法衛星信号を選択することが期待されるが、許容誤差値dTの値が増大するのに伴い、不可視衛星信号が多く選択される結果、測位・時刻同期精度が劣化する懸念がある。つまり、許容誤差値dTの値は小さい方が望ましい。
図2は、許容誤差値dTの設定値と時刻同期精度との関係を示す模式図である。オープンスカイ受信環境では、許容誤差値dTの設定値が大きいほど時刻の真値との偏差であるタイムエラーが少なくなるが、マルチパス受信環境では、許容誤差値dTの設定値が大きいほどタイムエラーが多くなることを示している。なお、図2では、可視衛星数が8以上の場合を「オープンスカイ受信環境」であるものとし、可視衛星数が4以下の場合を「マルチパス受信環境」であるものとしている。
上記実施の形態に係る時刻同期装置を用いて、許容誤差値dTを固定した場合の評価結果を示す。図3はオープンスカイ環境における許容誤差値dTの設定値により生じるタイムエラーを計測するために使用した実験系の構成を示す。参照信号となる基準信号(1PPS信号および10MHzクロック信号)を生成するGPSレシーバ#1は衛星選択を行わない。一方、GPSレシーバ#2は上記実施の形態に係る手順(B’)を使用し、mを4に設定した上で許容誤差値dT(dT)の設定による衛星選択を行う。評価指標は計測されたタイムエラーの値である。
図4は、オープンスカイ環境において、許容誤差値dTの値を0ns、10ns、20nsとして航法衛星信号を選択した場合のタイムエラーの測定結果である。また、図5は、オープンスカイ環境において、許容誤差値dTの値を0ns、10nsに設定した場合のあるエポック(時刻)における受信および使用(選択)された航法衛星信号の状況を観測するソフトウェアの一部画面コピーである。図5において航法衛星を示す円に付されたハッチングは、当該航法衛星からの航法衛星信号は受信されたが使用(選択)されないことを示す。
図4に示すように許容誤差値dTの値を0nsに設定した場合には許容誤差値dTの値を10ns、20nsに設定した場合と比較して30ns程度タイムエラーが増大した。また、図5に示すように許容誤差値dTの値を0nsに設定した場合には4機の衛星が使用されているのに対し、許容誤差値dTの値を10nsに設定した場合には衛星選択を行わない場合と同じ衛星が使用された。即ち、オープンスカイ受信環境ではdTの値を10nsに設定した場合にはより多くの可視衛星信号が選択された結果、DOP値が低下し、時刻同期精度が改善されることが確認された。
図6は図14及び図15に示すマルチパス受信環境において図16の計測系を使用してタイムエラーを計測した結果を示す。手順(B’)を使用し、mは4に設定した。許容誤差値dT(dT)の値を20nsとして設定した場合にはタイムエラーの最大値は60ns程度に達したのに対し、許容誤差値dTの値を0ns、5nsとして設定した場合にはタイムエラーの最大値は20ns程度に低減することが確認された。
図7及び図8は航法衛星信号の受信状態を観測するソフトウェアの画面コピーであり、図7は比較対象として本願発明の衛星選択アルゴリズムを用いない場合、図8は本願発明の衛星選択アルゴリズムを用いた場合における、GPS衛星信号の受信状況および使用(選択)状況の一例を示している。
図7に示すように衛星選択を行わない場合には01番、11番、17番、19番、23番の可視衛星信号と推定されるGPS衛星信号以外に多くの不可視衛星信号と推定されるGPS衛星信号を選択している。これに対し、図8に示すように許容誤差値dTの値を5nsとした衛星選択を行った場合は可視衛星信号と推定されるGPS衛星信号を選択している。このように本願発明の衛星選択アルゴリズムにより不可視衛星信号を有効に排除した結果、時刻同期精度が向上したと考えられる。
以上の結果が示す通り、許容誤差値dTは航法衛星信号の受信環境に応じて決定することが好ましい。具体的には、受信環境がオープンスカイ環境に近いほど許容誤差値dTを大きくし、マルチパス環境に近いほど許容誤差値dTを小さくすることが好ましい。換言すれば、可視衛星数が多いほど許容誤差値dTを大きくし、可視衛星数が少ないほど許容誤差値dTを小さくすることが好ましい。
実際の衛星信号の受信環境は航法衛星アンテナの周辺に構造物が存在しない、いわゆるオープンスカイの状態から可視衛星信号が0の受信環境まで様々な受信環境が想定される。受信環境に応じて誤差許容値dTの設定値を最適化する方法としては手順(A)において受信した航法衛星信号の受信状態(CNR)を参照する方法が有効であると考えられる。すなわちCNRに基づき、CNRの大きな航法衛星信号が多く存在する場合にはよりオープンスカイに近い受信環境であると推定し、換言すれば可視衛星数が多いと推定し、誤差許容値dTを大きな値に設定する。逆に、これらの航法衛星信号が少ない場合には、よりマルチパス環境に近い受信環境であると推定し、換言すれば可視衛星数が少ないと推定し、誤差許容値dTを0または小さな値に設定する。
具体的には手順(A)において設定されたCNRの閾値を上回る航法衛星信号数に基づき、誤差許容値dTの値を決定することが考えられる。CNRの閾値が所定の閾値より上回る航法衛星信号に係る衛星は可視衛星である蓋然性が高いので、当該航法衛星信号数が可視衛星数であると推定するものである。
図9、図10、図11を用いて、CNR閾値を予め設定し、CNR閾値を超える航法衛星信号数に基づいて、誤差許容値dTの値を設定する具体例について説明する。
図9及び図10は受信環境に対するGPS衛星信号の受信状態を観測するソフトウェアの画面コピーであり、図9はオープンスカイ受信環境で観測した場合、図10はマルチパス受信環境で観測した場合における、GPS衛星信号の受信状況の一例を示している。図9及び図10において、CNR閾値を40dB−Hzと設定すると、図9ではCNR閾値を上回るGPS衛星信号数は11個であり、図10では4個であった。
受信した航法衛星信号のCNRに基づき許容誤差値dTを設定する一例について図11を参照して説明する。本実施の形態の具体例では、CNR閾値を上回る航法衛星信号数が大きいほど許容誤差値dTが大きくなるよう関数を設定する。図11はCNR閾値を上回る航法衛星信号数に対して設定する許容誤差値dTを求める関数を示す図である。図11の例では、CNR閾値を上回る航法衛星信号数が4以下の場合には許容誤差値dTを0nsから5nsに線形に増加するよう設定し、CNR閾値を上回る航法衛星信号数が4から10までの区間は許容誤差値dTが5nsから20nsに線形に増加するよう設定し、CNR閾値を上回る航法衛星信号数が10以上の場合には許容誤差値dTを20nsに設定している。なお、図9〜図11による設定例は、これに限定されるものではなく、CNR閾値や、受信した航法衛星信号のCNRに基づく許容誤差値dTの値や、図11の関数におけるCNR閾値を上回る信号数についての定数(4及び10)や、CNR閾値を上回る航法衛星信号数に対して設定する許容誤差値dTを求める関数については、実験等に基づいて適切な値や適切な関数式を予め設定することができる。なお、受信環境を推定するために用いる指標、すなわち可視衛星数を推定するために用いる指標としては、SNRの指標の一つであるCNRのほか、SNRそのものや受信強度など航法衛星信号の受信状態を表す他の指標を用いることができる。
上記の手順を実施する上で各機能部の役割は以下のようになる。
航法衛星信号受信部2は、制御部4からの指示に基づき、受信した航法衛星信号のうち指定された航法衛星信号を使用して測位、時刻同期を行い、結果として得られる時刻情報および航法衛星信号の情報を時刻情報生成部3および制御部4へ出力する。時刻情報生成部3は、航法衛星信号受信部2から出力された時刻情報および航法衛星信号の情報、制御部4から入力されたパラメータ値に基づき、時刻情報を生成、出力する。制御部4は、航法衛星信号受信部2から出力された、受信した航法衛星信号の情報、設定部5に入力されたパラメータの設定情報に基づき、航法衛星信号の組み合わせのテーブルを作成し、航法衛星信号受信部2に対し、測位、時刻同期を指示する。さらに各航法衛星信号の組み合わせに対し航法衛星信号受信部2から得られる時刻情報の比較、航法衛星の抽出を行い、最終的に航法衛星信号受信部2に対し、航法衛星を指定して時刻情報生成部3へ出力する時刻情報を得るための測位、時刻同期を指示する。この抽出処理では、航法衛星信号受信部2で受信した航法衛星信号の受信強度又はCNRと、設定部5に入力された閾値などの設定情報とにより算出された許容誤差値dTが用いられる。また、制御部4は、設定部5に入力されたパラメータの設定情報を航法衛星信号受信部2および時刻情報生成部3へ出力する。
図6の実験結果を図17と比較すると明らかなように本発明では航法衛星アンテナの受信特性、航法衛星信号受信装置の性能に依存することなく、時刻同期に使用するのに適切な航法衛星信号を選択することにより、不可視衛星信号のマルチパス信号の影響を有効に排除し時刻同期精度を改善する効果が期待できる。
また、図4および図6の実験結果が示す通り、受信環境に応じてパラメータ値を適切に設定することにより、高い時刻同期精度を実現することができる。
本発明では航法衛星信号受信装置において時刻同期に使用する航法衛星信号の選択を行うため、航法衛星アンテナにおいて円偏波アイソレーションや鉛直方向のアイソレーションを実装する必要がないため、航法衛星アンテナのコストを低減することが可能となる。
このように、本発明によれば、航法衛星信号の受信環境に依らず、すなわち必要な数の可視衛星信号を一時的に捕捉できない、受信環境が良好ではない環境であっても、あるいはオープンスカイの良好な受信環境においても航法衛星信号に同期した高精度な時刻情報を生成することが可能となる。
また、上記手順(B’) 及び(B”)でnCm個の組み合わせの到達時刻の平均値を計算するが、従来の受信した航法衛星信号のサブセットの航法衛星信号の組合せを使用した測位・時刻同期演算を予備的に実施し、統計的な処理により航法衛星信号を選別する方法と比較して演算量がはるかに少ないため、航法衛星システム受信装置における信号処理のリソースの制限から衛星選択のための演算が実施できない、あるいは計算時間を要し、タイムリーに衛星選択を行うことができないといった問題は生じにくい。
以上、本発明の一実施の形態について詳述したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態に係る時刻同期装置は、受信位置の位置情報が不要な位置推定モードを実装した形態としたが、まず位置推定モードで起動し、導出した位置に基づいてその後は位置固定モードへ移行する動作としてもよい。位置固定モードへ移行する契機としては一例として前回算出した位置と今回算出した位置との差を所定の閾値と比較し、導出した位置の経時的な変動の状況、言い換えると導出した位置の収束の状況に基づいて移行を判断するといったアルゴリズムが考えられる。
また、上記実施の形態では、受信したn個の航法衛星信号の全てを処理対象としていたが(上記手順(B)のステップ(ア)、手順(B’)および手順(B”)のステップ(ア)(イ)参照)、計算処理を軽減するために、仰角マスクやCNRマスクなどのマスキング処理により航法衛星信号を所定数に選別した後に本発明を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、上記手順(B)、(B’) 及び(B”)の再帰処理における終了条件として処理時間が所定の閾値以下であるか否かに基づいていたが、他の終了条件であってもよい。例えば、再起回数と所定の閾値とを比較した条件、前回算出した位置と今回算出した位置との差と所定の閾値とを比較した条件の何れか1つ、或いは、これらと前記処理時間と所定の閾値とを比較した条件の任意の組み合わせであってもよい。
また、上記実施の形態では、航法衛星アンテナの位置を固定していたが、航法衛星アンテナを移動する形態であっても本発明を適用できる。この場合、位置推定モードの出力の更新頻度を必要に応じて向上させる。
また、上記実施の形態では、1つの航法衛星システムを使用していたが、複数の航法衛星システムを組合せて使用する、いわゆるマルチGNSSの利用形態においても本発明を適用することができる。この場合、可視衛星信号数が向上するため精度の向上が期待される。組み合わせ対象は、全地球航法衛星システム(GNSS)だけでなく地域航法衛星(RNSS:Regional Navigation Satellite System)システムも用いることができる。全地球航法衛星システムとしてはGPS、GLONASS、Galileo、Beidouが、地域航法衛星システムとしてはQZSSがある。複数の航法衛星システムを組み合わせる際に航法衛星システム間の時刻オフセットを反映し、許容誤差値dTを航法衛星システム毎に異なる値を設定してもよい。
また、上記実施の形態では航法衛星システム受信装置の一例として時刻同期装置について説明したが測位装置にも本発明を適用し、測位精度を向上することができる。すなわち、上述の時刻同期装置において時刻情報の生成に用いる航法衛星信号の選択アルゴリズムを、受信位置情報の生成に適用することができる。この場合、上述の手順(B)のステップ(キ)又は手順(B’)および(B”)のステップ(ク)における測位の結果得られる受信位置情報を出力すればよい。すなわち、この測位装置は、上述の同期装置の構成のうち、航法衛星アンテナ1と、航法衛星信号受信部2と、制御部4と、設定部5とを備え、上述の手順(手順(B)のステップ(キ)又は手順(B’)および(B”)のステップ(ク)において航法衛星信号受信部2で測位して得られた受信位置情報を出力すればよい。なお、航法衛星信号受信部2が出力する受信位置情報を所定のフォーマットやタイミングで出力するために、受信位置情報出力部をさらに設けてもよい。
図12は上記実施の形態に係る測位装置を用いて図14及び図15に示すマルチパス受信環境において測位精度を計測した結果を示す。手順(B’)を使用し、mは4に設定した。許容誤差値dT(dT)の値を5nsとして設定した場合には衛星選択を行わない場合と比較して測位精度が大幅に改善することが確認された。
1…航法衛星アンテナ
2…航法衛星信号受信部
3…時刻情報生成部
4…制御部
5…設定部

Claims (6)

  1. 複数の航法衛星から受信した航法衛星信号に基づき測位処理又は前記航法衛星との時刻同期処理の少なくとも一方を行う航法衛星システム受信装置において、
    4つ以上の航法衛星から同時に受信した航法衛星信号に基づき受信位置及び受信時刻を算出する航法衛星信号受信部と、
    同時受信可能な4つ以上の航法衛星からの各航法衛星信号に基づき受信位置の初期値及び各航法衛星の軌道位置を算出し、算出した受信位置及び軌道位置並びに各航法衛星信号に含まれる時刻情報に基づき各航法衛星信号の到達時刻を算出し、算出した到達時刻に基づき航法衛星信号を抽出し、抽出された航法衛星信号に基づき測位処理又は時刻同期処理を行うよう制御する制御部とを備え
    前記制御部は、受信位置の初期値及び各航法衛星の軌道位置の算出において、所定の閾値を超える受信状態の航法衛星信号を選択する
    ことを特徴とする航法衛星システム受信装置。
  2. 前記制御部は、最先の到達時刻に許容誤差値を加えた時刻より到達時刻が早い航法衛星信号を抽出する
    ことを特徴とする請求項1記載の航法衛星システム受信装置。
  3. 前記許容誤差値を航法衛星信号の受信状態に基づいて決定した
    ことを特徴とする請求項2記載の航法衛星システム受信装置。
  4. 前記受信状態は、CNR(Carrier-To-Noise Ratio)であり、
    前記制御部は、CNRが所定値より大きい航法衛星信号の数に応じて、前記許容誤差値を設定する
    ことを特徴とする請求項3記載の航法衛星システム受信装置。
  5. 複数の航法衛星から受信した航法衛星信号に基づき測位処理又は前記航法衛星との時刻同期処理の少なくとも一方を行う航法衛星システム受信装置における航法衛星信号処理方法おいて、
    航法衛星システム受信装置は、4つ以上の航法衛星から同時に受信した航法衛星信号に基づき受信位置及び受信時刻を算出する航法衛星信号受信部と、前記航法衛星信号受信部を制御する制御部とを備え、
    前記航法衛星信号処理方法は、前記制御部が、
    同時受信可能な4つ以上の航法衛星からの各航法衛星信号に基づき受信位置の初期値及び各航法衛星の軌道位置を算出するステップと、
    算出した受信位置及び軌道位置並びに各航法衛星信号に含まれる時刻情報に基づき各航法衛星信号の到達時刻を算出するステップと、
    算出した到達時刻に基づき航法衛星信号を抽出するステップと
    抽出された航法衛星信号に基づき測位処理又は時刻同期処理を行うよう制御するステップとを備え、
    前記受信位置の初期値及び各航法衛星の軌道位置を算出するステップにおいて、所定の閾値を超える受信状態の航法衛星信号を選択する
    ことを特徴とする航法衛星システム受信装置における航法衛星信号処理方法。
  6. コンピュータを、前記請求項1乃至4何れか1項記載の航法衛星システム受信装置の各部として機能させることを特徴とする航法衛星信号処理プログラム。
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