JP2020012419A - 燃料気化装置及び気化反応システム - Google Patents

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Noriyasu Amano
典保 天野
慶則 中山
Yoshinori Nakayama
慶則 中山
徹 齊藤
Toru Saito
徹 齊藤
藤井 宏明
Hiroaki Fujii
宏明 藤井
樋口 和弘
Kazuhiro Higuchi
和弘 樋口
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Abstract

【課題】装置を大型化することなく、気化室における燃料の滞留時間を長くして、燃料の気化効率を高めることができる燃料気化装置及び気化反応システムを提供する。【解決手段】燃料気化装置10は、内燃機関5の排気管51内に配置された排気浄化触媒53へ供給する還元剤Kを生成するための燃料Fを気化させるものである。燃料気化装置10は、気化室20を形成する気化容器2、気化室20の第2内端面231に衝突するように燃料Fを噴射するインジェクタ3、及び気化室20に酸素含有気体Aを導入し、第2内端面231に衝突して跳ね返った燃料Fが酸素含有気体Aに巻き込まれた旋回流Sを形成するための気体供給ユニット4を備える。インジェクタ3の複数の噴射口31の各々の噴射軸線Pは、導出口232を除く第2内端面231の部位に向けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料を気化させる燃料気化装置及び気化反応システムに関する。
従来より、内燃機関の排気管内には、NOx等の有害物質を一旦吸蔵し、また有害物質を還元するための還元剤が供給されたときに、有害物質を無害なガスに浄化する排気浄化触媒を配置することが知られている。排気浄化触媒へ供給される還元剤は、例えば、排気管に合流する合流管に設けられたインジェクタから噴射される燃料を改質して生成することがある。また、還元剤には、内燃機関における空燃比を燃料リッチ側にした際に排気管へ排気される未燃ガスを用いることもある。また、還元剤を生成する以外にも、インジェクタから噴射される燃料を燃焼させて、この燃焼後の燃焼ガスによって排気浄化触媒を加熱することもある。
燃料を気化させる燃料気化装置を用いたものとしては、例えば、特許文献1に記載された排気浄化装置がある。この排気浄化装置においては、排気管に配置されたNOx吸蔵還元触媒へ供給する還元剤を生成するために、空気に添加された燃料を所要温度に上昇させることが行われている。この燃料を気化させる際には、燃料気化装置として、酸化触媒が担持されたハニカム状の担持体によって構成され、通電によって加熱されるヒータ触媒が用いられている。
特開2006−242020号公報
燃料気化装置における燃料の、単位時間当たりの気化量としての気化効率を高めるためには、燃料が分散しやすくするとともに、燃料が気化する時間を長くすることが考えられる。特許文献1の排気浄化装置におけるヒータ触媒においては、ヒータ触媒内を燃料及び空気が略直線状に流れて、燃料が気化される(蒸発する)。そのため、特許文献1においては、燃料が気化する時間を長くするためには、ヒータ触媒を長く形成する必要がある。そのため、ヒータ触媒を大型化することなく、燃料が気化する時間を長くすることができない。また、特許文献1においては、空気の流速を低下させると、燃料が分散しにくくなり、空気の流速を上昇させると、燃料が気化する時間が短くなる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、装置を大型化することなく、気化室における燃料の滞留時間を長くして、燃料の気化効率を高めることができる燃料気化装置及び気化反応システムを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、内燃機関(5)の排気管(51)内に配置された排気浄化触媒(53)へ供給する還元剤(K)又は燃焼ガス(H)を生成するための燃料(F)を気化させる燃料気化装置(10)であって、
曲面状の内周面(211)及び互いに対向する一対の内端面(221,231)を有する気化室(20)を形成する気化容器(2)と、
前記気化容器の、一対の前記内端面のうちの第1内端面(221)を形成する第1端部(22)に配置され、一対の前記内端面のうちの第2内端面(231)に衝突するように燃料を噴射するための複数の噴射口(31)を有するインジェクタ(3)と、
前記気化容器内に酸素含有気体(A)を導入し、前記第2内端面に衝突して跳ね返った燃料が、前記内周面の周方向(C)に沿って旋回する酸素含有気体に巻き込まれた旋回流(S)を形成するための気体供給ユニット(4)と、を備え、
前記気化室の前記内周面には、前記気体供給ユニットから前記気化室内へ酸素含有気体を導入するための導入口(212)が形成されており、
前記気化室の前記第2内端面には、前記気化室内から外部へ燃料と酸素含有気体との混合気(M)を導出するための導出口(232)が形成されており、
複数の前記噴射口の各々の噴射軸線(P)は、前記第2内端面における前記導出口を除く部位に向けられており、
前記第2内端面は、前記インジェクタの中心軸線(O)に対して垂直な垂直面(230)、前記中心軸線の位置から外周側に行くほど前記中心軸線の方向の噴射先端側(O1)に位置する外側傾斜面(231B)、又は前記中心軸線の位置から外周側に行くほど前記中心軸線の方向の噴射基端側(O2)に位置する内側傾斜面(231A)によって形成されている、燃料気化装置にある。
本発明の他の態様は、前記燃料気化装置と、
前記燃料気化装置から燃料と酸素含有気体との混合気(M)が供給されて、前記混合気の改質反応を行って還元剤を生成するための改質触媒(62)、又は前記混合気の燃焼反応を行って燃焼ガスを生成するための発熱源(65)が配置された反応通路(61)と、を備える気化反応システム(1)にある。
(燃料気化装置)
前記一態様の燃料気化装置においては、気化容器及び気体供給ユニットによって、気化容器の気化室内に、燃料が巻き込まれた酸素含有気体の旋回流を形成する。燃料は、インジェクタの噴射口から噴射されて、気化室の第2内端面に衝突して微細化した状態で酸素含有気体に巻き込まれる。酸素含有気体の旋回流を形成することにより、微細化した燃料が気化室内に滞留する時間を長くすることができる。これにより、旋回流に巻き込まれた燃料が気化しやすくすることができ、燃料気化装置による燃料の気化効率を高めることができる。
また、燃料は、気化容器の気化室における第2内端面に衝突して分散される。そして、この分散された燃料が酸素含有空気の旋回流に巻き込まれる。そのため、燃料が分散されやすい状態を維持したまま、燃料が気化する時間を長くして、燃料の気化効率を高めることができる。
また、旋回流を形成する構成により、酸素含有気体を気化室内へ導入する流速を速くすることによって、燃料が巻き込まれた酸素含有気体が気化室の内周面を旋回する回数、長さ等を増やすことができる。そのため、酸素含有気体に巻き込まれた燃料が気化室内に滞留する時間をより長くすることができる。そして、燃料の滞留時間を長くするために、気化容器を長く形成する必要がなく、燃料気化装置が大型化することを防止することができる。
また、インジェクタの複数の噴射口の各々の噴射軸線は、導出口を除く第2内端面の部位に向けられている。そして、複数の噴射口から噴射された燃料は、垂直面、外側傾斜面又は内側傾斜面として形成された第2内端面に衝突する。これにより、複数の噴射口から噴射された燃料が、導出口へ直接出されてしまうことを防止し、燃料が酸素含有気体の旋回流に巻き込まれやすくすることができる。
それ故、前記一態様の燃料気化装置によれば、装置を大型化することなく、気化室における燃料の滞留時間を長くして、燃料の気化効率を高めることができる。
気化室の内周面の周方向に沿って旋回する酸素含有気体の旋回流は、導出口から気化室の外部へ導出される。気化室内においては、酸素含有気体による旋回流に燃料の噴霧液滴が巻き込まれて、混合気の旋回流が形成される。
気化供給ユニットは、気化容器内へ酸素含有気体を供給する種々の構成とすることができる。酸素含有気体及び混合気の旋回流は、気化容器の形状等の構成と気化供給ユニットの構成とによって形成される。
(気化反応システム)
前記他の態様の気化反応システムは、前述した燃料気化装置を用いて、反応通路において還元剤又は燃焼ガスを生成するものである。気化反応システムにおいては、気化容器において十分に気化された燃料を含む混合気の改質反応又は燃焼反応を行うことにより、還元反応による還元剤の生成又は燃焼反応による燃焼ガスの生成を効果的に行うことができる。
なお、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
実施形態1にかかる、燃料気化装置及び気化反応システムの断面を示す説明図。 実施形態1にかかる、排気管に配置された気化反応システムの断面を示す説明図。 実施形態1にかかる、図1のIII−III断面を示す説明図。 実施形態1にかかる、内側傾斜面による第2内端面と噴射口の噴射軸線との間の関係角度を示す説明図。 実施形態1にかかる、内側傾斜面による第2内端面と噴射口の噴射軸線との間の関係角度を示す別の説明図。 実施形態1にかかる、他の燃料気化装置の断面を示す説明図。 実施形態1にかかる、他の燃料気化装置の断面を示す説明図。 実施形態1にかかる、気化容器における加熱面の温度と、燃料の噴霧液滴の蒸発時間との関係を示すグラフ。 実施形態1にかかる、インジェクタの先端部における噴射口の形成状態を示す説明図。 実施形態2にかかる、燃料気化装置の断面を示す説明図。 実施形態2にかかる、外側傾斜面による第2内端面と噴射口の噴射軸線との間の関係角度を示す説明図。 実施形態2にかかる、他の燃料気化装置の断面を示す説明図。 実施形態3にかかる、燃料気化装置の断面を示す説明図。 実施形態4にかかる、排気管に配置された気化反応システムの断面を示す説明図。 確認試験にかかる、第2内端面と噴射口の噴射軸線との間の関係角度と、燃料の気化率との関係を示すグラフ。
前述した燃料気化装置及び気化反応システムにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態の燃料気化装置10は、図1及び図2に示すように、内燃機関5の排気管51内に配置された排気浄化触媒53へ供給する還元剤Kを生成するための燃料Fを気化させるものである。燃料気化装置10は、気化容器2、インジェクタ3及び気体供給ユニット4を備える。気化容器2は、曲面状の内周面211及び互いに対向する一対の内端面221,231を有する気化室20を形成するものである。インジェクタ3は、気化容器2の、一対の内端面221,231のうちの第1内端面221を形成する第1端部22に配置されており、一対の内端面221,231のうちの第2内端面231に衝突するように燃料Fを噴射するための複数の噴射口31を有する。気体供給ユニット4は、気化容器2内に酸素含有気体Aを導入(供給)するものであり、第2内端面231に衝突して跳ね返った燃料Fが、内周面211の周方向Cに沿って旋回する酸素含有気体Aに巻き込まれた旋回流Sを形成するためのものである。
図1及び図3に示すように、気化室20の内周面211には、気体供給ユニット4から気化室20内へ酸素含有気体Aを導入するための導入口212が形成されている。気化室20の第2内端面231には、気化室20内から外部へ燃料Fと酸素含有気体Aとの混合気Mを導出するための導出口232が形成されている。複数の噴射口31の各々の噴射軸線Pは、第2内端面231における、導出口232を除く部位に向けられている。第2内端面231は、インジェクタ3の中心軸線Oの位置から径方向Rの外周側に行くほど中心軸線Oの方向の噴射基端側O2に位置する内側傾斜面231Aによって形成されている。
ここで、インジェクタ3の中心軸線Oとは、インジェクタ3における、放射状に配置された複数の噴射口31の中心を通る軸線のことをいう。気化室20の周方向Cとは、気化室20の中心軸線Oの周りの方向のことをいい、気化室20の径方向Rとは、気化室20の中心軸線Oを中心とする放射状の方向のことをいう。
また、中心軸線Oの方向の噴射基端側O2とは、インジェクタ3の複数の噴射口31から燃料Fが噴射されるときの、中心軸線Oの方向に沿った、燃料Fの噴射方向の上流側(基端側)のことをいう。中心軸線Oの方向の噴射先端側O1とは、噴射基端側O2とは反対側のことをいい、中心軸線Oの方向に沿った、燃料Fの噴射方向の下流側(先端側)のことをいう。
本形態の気化反応システム1は、燃料気化装置10の他に反応通路61を備える。反応通路61は、燃料気化装置10から燃料Fと酸素含有気体Aとの混合気Mが供給される通路である。反応通路61内には、混合気Mの改質反応を行って還元剤Kを生成するための改質触媒62が配置されている。
以下に、本形態の燃料気化装置10及び気化反応システム1について詳説する。
(排気浄化触媒53)
図2に示すように、本形態の燃料気化装置10及び気化反応システム1は、車両に搭載されるものであり、排気浄化触媒53は、車両に搭載された内燃機関(エンジン)5の排気管51内に配置されている。排気浄化触媒53は、排気管51を流れる排気ガスGに含まれる、有害ガスとしてのNOx(窒素酸化物)を吸蔵し、排気管51から大気へNOxが排出されないようにするものである。本形態の排気浄化触媒53は、NOx吸蔵還元触媒である。排気浄化触媒53に吸蔵されたNOxは、内燃機関5から排気される未燃ガスとは別に、気化反応システム1によって生成される還元剤Kを用いて還元される。排気浄化触媒53に吸蔵する、排気ガスG中の有害ガスは、NOx以外のガスとすることもできる。
排気浄化触媒53に吸蔵されたNOxは、内燃機関5における空燃比を、理論空燃比よりも燃料リッチ側にして、内燃機関5における燃焼運転を行ったときに、内燃機関5から排気管51に排気される排気ガスGに含まれる未燃ガスによって還元し、浄化することもできる。この場合には、気化反応システム1は、内燃機関5から排気される未燃ガスによる排気浄化触媒53中のNOxの還元を補助する目的で使用することができる。
未燃ガス中には、排気浄化触媒53中のNOxを還元する際の還元剤Kとなる一酸化炭素(CO)、水素(H2)、炭化水素(HC)等が含まれる。また、気化反応システム1の改質触媒62においては、水素等が生成される。そして、未燃ガス、水素等が、有害物質であるNOxと反応することにより、NOxが無害なN2(窒素)に還元・浄化される。
本形態の排気浄化触媒53は、NOx吸蔵還元触媒であり、NOx吸蔵還元触媒には、NOx(窒素酸化物)が吸蔵される。NOx吸蔵還元触媒は、有害物質であるNO、NO2、N2O等のNOxを吸蔵し、NOxを無害なN2(窒素)に還元して浄化するものである。
排気浄化触媒53は、複数のセル孔を有するハニカム状等に形成されたセラミックス(金属酸化物)の担持体に、NOxの吸蔵を促進する物質、NOxの還元反応を促進する触媒としての貴金属、酸素を放出する機能を有する酸化セリウム(セリア、CeO2)等が担持されたものである。排気浄化触媒53の複数のセル孔は、三角状、四角状、六角状等の種々の形状に形成することができる。排気浄化触媒53は、排気管51内に配置された、NOx、HC、COの有害物質を浄化する三元触媒と併用することができる。
気化反応システム1は、排気浄化触媒53に吸蔵されたNOxを還元する用途の他に、内燃機関5の始動時に排気浄化触媒53を暖気(加熱)する用途として使用することもできる。内燃機関5の始動時においては、排気浄化触媒53が排気ガスGによって加熱されておらず、排気浄化触媒53の温度が、例えば150℃未満の低温になっている。
排気浄化触媒53の温度が200℃未満程度に低い場合には、排気浄化触媒53がNOxを吸蔵する能力が低く、その性能を確保しにくい。そこで、内燃機関5の始動時において、気化反応システム1によって、排気浄化触媒53へ改質触媒62によって生成された還元剤Kとしての水素を供給し、この水素と、排気管51を流れて排気浄化触媒53中に存在する酸素とを反応させる。これにより、水素と酸素とが反応する際の熱によって、排気浄化触媒53を昇温させることができる。
排気浄化触媒53においては、250〜300℃において、NOxを吸蔵する能力が最も高くなると考えられる。そのため、気化反応システム1を用いることにより、内燃機関5の始動時において、排気浄化触媒53を250〜300℃に迅速に昇温することができる。
また、気化反応システム1は、内燃機関5から排気管51へ排気される排気ガスG中の未燃ガスによって、排気浄化触媒53中のNOxを還元する際に、排気浄化触媒53から排気管51における排気ガスGの流れの下流側に流出されるNOxを還元する用途として用いることもできる。内燃機関5から排気管51へ排気された未燃ガスが排気浄化触媒53に到達するときには、排気浄化触媒53に担持された酸化セリウムが酸素を放出する。そして、この酸素と未燃ガスとが反応することにより、排気浄化触媒53の温度が上昇し、排気浄化触媒53に吸蔵されたNOxが放出される。そして、このNOxは、排気浄化触媒53における貴金属を触媒として未燃ガスと反応して還元され、N2等の無害な物質に浄化される。
ただし、炭化水素が多く含まれる未燃ガスによるNOxの還元反応の反応速度はそれほど速くない。一方、気化反応システム1から排気浄化触媒53に供給される水素によるNOxの還元反応の速度は、炭化水素によるNOxの還元反応の速度と比べて速い。そこで、内燃機関5において燃料リッチな状態で燃焼を行った後の排気ガスGに含まれる未燃ガスによって、排気浄化触媒53からNOxが放出されるタイミングに合わせて、気化反応システム1から排気浄化触媒53へ水素を供給する。これにより、排気浄化触媒53から排気管51における排気ガスGの流れの下流側へのNOxの流出をほとんどなくすことができる。
(内燃機関5)
図2に示すように、本形態の内燃機関5は、自己着火によって燃焼を行うディーゼルエンジンであり、ディーゼルエンジンにおいては、燃料弁から噴射された燃料Fとしての軽油が空気と混合されて燃焼する。また、本形態のインジェクタ3における燃料Fには、軽油が用いられる。
内燃機関5は、複数の気筒を有するレシプロエンジンの他、ロータリーエンジン等の種々のエンジンとすることができる。また、内燃機関5は、ガソリンを用い、点火コイルによってガソリンに着火して燃焼を行うガソリンエンジンとすることもできる。
(排気浄化システム)
気化反応システム1は、排気浄化触媒53におけるNOxの還元又は排気浄化触媒53の加熱を行う排気浄化システムとして機能する。気化反応システム1は、排気管51における、排気浄化触媒53の配置位置の排気ガスGの流れの上流側に接続された合流管6を用いて形成されている。
(気化容器2)
図1に示すように、気化容器2は、気体供給ユニット4による混合気Mの旋回流Sを形成するための容器である。気化容器2は、合流管6内の、排気管51から離れる側である先端側の位置に配置されている。本形態の気化容器2は、断面円形状の円筒壁部21と、円筒壁部21の鉛直方向上側に位置する第1端部22と、円筒壁部21の鉛直方向下側に位置する第2端部23とを有する。円筒壁部21の内周面211には、酸素含有気体Aの導入口212が形成されており、第2端部23の第2内端面231には、混合気Mの導出口232が形成されている。
気化容器2は、気化室20の第2内端面231が鉛直方向下側になるように配置されている。なお、鉛直方向下側とは、鉛直方向に平行な方向の下側だけでなく、鉛直方向に対して、例えば10°以下の傾斜角度を有する方向の下側も含む。
気化容器2の円筒壁部21は、断面円形状に形成する以外にも、断面楕円形状、断面オーバル形状(断面長穴形状)等の曲面状の内周面211を有する形状に形成することができる。気化容器2の第1端部22には、インジェクタ3が配置された配置孔222が形成されている。導出口232は、気化室20内から気化室20の外部にある反応通路61へ混合気Mを導出するためのものであり、気化容器2の第2端部23に形成されている。
図3に示すように、導入口212は、気体供給ユニット4から気化室20内へ酸素含有気体Aを導入するためのものであり、気化容器2の円筒壁部21に形成されている。導入口212は、気化容器2の、内周面211を形成する円筒壁部21において、内周面211の法線方向に対して内周面211の接線方向の側に傾斜する状態で形成されている。換言すれば、導入口212の中心軸線は、内周面211の法線方向(径方向R)の中心に向く位置から横にオフセットした位置に配置されている。この構成により、導入口212から気化室20内へ導入された酸素含有気体Aが内周面211の周方向Cに沿って流れやすくなる。そして、気化室20内の内周面211の周方向Cに沿った、酸素含有気体A及び混合気Mの旋回流Sを形成しやすくなる。
本形態の導入口212の中心軸線は、気化室20の内周面211の接線方向に近い方向に向けられている。導入口212は、気化室20の内周面211の接線方向に平行な状態で形成することができる。なお、接線方向とは、法線方向(径方向R)に直交する方向を示す。
本形態の導入口212は、気化容器2の円筒壁部21(気化室20の内周面211)の1箇所に形成されている。導入口212は、酸素含有気体Aが周方向Cの一方側へ旋回するよう、気化容器2の円筒壁部21の複数箇所に形成することもできる。
図1、図3及び図4に示すように、気化容器2の導出口232は、気化容器2の第2端部23(第2内端面231)の中心位置に形成されている。気化容器2の第2端部23及び第2内端面231は、径方向Rの内周側としての導出口232の側に向けて下降するように傾斜する傾斜板及び傾斜面として形成されている。第2端部23及び第2内端面231は、気化容器2の中心軸線に対して垂直な垂直板及び垂直面230として形成することもでき、径方向Rの内周側としての導出口232の側に向けて上昇するように傾斜する傾斜板及び傾斜面として形成することもできる。本形態の気化容器2の中心軸線は、インジェクタ3の中心軸線Oと同じである。
(第2内端面231の関係角度θ2)
図4に示すように、垂直面230に対して内側傾斜面231Aによる第2内端面231を形成する傾斜角度θ1は、インジェクタ3の噴射口31の噴射軸線Pとの関係で決定することができる。インジェクタ3の複数の噴射口31は、気化室20の導出口232に向けて燃料Fが噴射されることを防止するために、気化室20の径方向Rの外周側へ傾斜して燃料Fを噴射する状態で形成されている。外周側へ傾斜して燃料Fを噴射するとは、噴射口31から噴射される燃料Fの方向が、中心軸線Oから径方向Rの外周側に傾斜していることを示す。また、噴射口31のすべてについて、インジェクタ3の中心軸線Oと噴射口31の噴射軸線Pとの間の噴射角度をα[°]とする。噴射口31の噴射軸線Pとは、噴射口31の中心を通る中心軸線のことをいう。
噴射口31のすべてについて、内側傾斜面231Aによる第2内端面231と噴射口31の噴射軸線Pとの間の関係角度θ2[°]は、θ2≦90−α/2を満たす。この関係角度θ2が90−α/2以下であることにより、噴射口31から噴射された燃料Fの噴霧液滴が第2内端面231に衝突したときに、この燃料Fの噴霧液滴が気化室20の外周側としての内周面211の側に跳ねやすくすることができる。これにより、燃料Fの噴霧液滴が、気化室20内を旋回する酸素含有気体Aに巻き込まれやすくすることができる。その結果、燃料Fの気化効率を向上させることができる。
燃料Fの噴霧液滴が、第2内端面231に衝突したときに、完全に反発して跳ね返る(弾性衝突する)とした場合には、光の反射と同様に、噴霧液滴が第2内端面231に衝突するときの、噴霧液滴の進入ラインL1と第2内端面231との間の鋭角状の進入角度γ1と、噴霧液滴が第2内端面231から跳ね返るときの、噴霧液滴の進出ラインL2と第2内端面231との間の鋭角状の進出角度γ2とが同じになる。そして、噴霧液滴の進出ラインL2がインジェクタ3の中心軸線Oと平行になる場合は、関係角度θ2が、θ2=90−α/2として表される。なお、α/2[°]は、第2内端面231と垂直面230との間の傾斜角度θ1ともなる。
インジェクタ3の中心軸線Oに対するインジェクタ3の複数の噴射口31の噴射角度αは、互いに同じであってもよく、インジェクタ3の先端部における噴射口31の形成位置によって適宜異なっていてもよい。中心軸線Oに対する複数の噴射口31の噴射角度αは、インジェクタ3の先端部の径方向Rの外周側に位置する噴射口31ほど大きくなるようにしてもよい。
実際には、燃料Fの噴霧液滴が第2内端面231に衝突したときには、この噴霧液滴が複数の噴霧液滴に分散されて跳ね返ると考えられる。また、燃料Fの噴霧液滴が第2内端面231に衝突したときに、この噴霧液滴は、第2内端面231から完全に反発しては跳ね返らない。つまり、燃料Fの噴霧液滴の衝突は非弾性衝突となる。ただし、θ2≦90−α/2の式は、第2内端面231の関係角度θ2を決定する式として有効である。θ2≦90−α/2の式は、噴射角度αがそれぞれ異なる複数の噴射口31について有効である。
また、燃料Fの噴霧液滴が第2内端面231に衝突するためには、噴射口31の関係角度θ2は、0[°]≦θ2であることが必要である。
また、図5に示すように、噴射口31から噴射される燃料Fの噴霧液滴は、円錐状に広がる状態で噴射される。噴射口31から噴射される燃料Fの広がり角度をβ[°]とする。そして、この広がり角度βで広がる燃料Fの噴霧液滴における、最も内周側に位置する部分F1の進出ラインL2が、インジェクタ3の中心軸線Oと平行になる場合は、関係角度θ2[°]が、θ2=90−(α/2+β/2)として表される。そして、各噴射口31についての関係角度θ2が、θ2≦90−(α/2+β/2)であることにより、第2内端面231に衝突する燃料Fの噴霧液滴の全体が、気化室20の外周側としての内周面211の側に跳ねやすくすることができる。これにより、燃料Fの噴霧液滴が、気化室20内を旋回する酸素含有気体Aに、さらに巻き込まれやすくすることができる。
なお、噴射口31から噴射される燃料Fの噴霧液滴の最も内周側に位置する部分F1についての関係角度θ2が、θ2≦90−(α/2+β/2)の関係式を満たせば、この燃料Fの噴霧液滴の全体についての関係角度θ2が当該関係式を満たすことになる。
噴射口31のすべてについて、内側傾斜面231Aによる第2内端面231と噴射口31の噴射軸線Pとの間の関係角度θ2は、θ2≦90−(α/2+β/2)とすることが好ましい。この場合には、噴射口31から噴射された燃料Fの噴霧液滴が第2内端面231に衝突したときに、この燃料Fの噴霧液滴が気化室20の外周側としての内周面211の側にさらに跳ねやすくすることができる。
図1、図4及び図5に示すように、内側傾斜面231Aによる第2内端面231は、直線状の断面形状を有する平坦面によって形成することができる。この場合には、垂直面230に対する第2内端面231の傾斜角度θ1は、第2内端面231の全体において一定になる。なお、図4及び図5においては、便宜的に、噴射口31の一つについての関係角度θ2を示す。すべての噴射口31について、関係角度θ2の関係式が満たされることが好ましい。
また、図6に示すように、内側傾斜面231Aによる第2内端面231は、中心軸線Oの方向の噴射先端側O1に向けて凸状に膨らむ曲面によって形成することもできる。この場合には、気化室20の径方向Rの外周側に行くに連れて、垂直面230に対する第2内端面231の傾斜角度θ1が大きくなる。また、この場合には、複数の噴射口31における、径方向Rの最も外周側に位置する噴射口31について、関係角度θ2がθ2≦90−α/2となるようにする。
また、図示は省略するが、内側傾斜面231Aによる第2内端面231は、中心軸線Oの方向の噴射基端側O2に向けて凸状に膨らむ曲面によって形成することもできる。この場合には、気化室20の径方向Rの外周側に行くに連れて、垂直面230に対する第2内端面231の傾斜角度θ1が小さくなる。また、この場合には、複数の噴射口31における、径方向Rの最も内周側に位置する噴射口31について、関係角度θ2がθ2≦90−α/2となるようにする。
また、第2内端面231は、種々の屈曲形状に形成することもできる。例えば、図7に示すように、第2内端面231は、第2内端面231の内周側位置及び外周側位置の少なくともいずれかを垂直面230として形成し、第2内端面231の残部を内側傾斜面231Aとすることができる。また、第2内端面231は、平坦面と曲面とを組み合わせた形状に形成することもできる。
(具体的な傾斜角度θ1)
図4及び図5に示すように、第2内端面231を内側傾斜面231Aによって形成する場合、換言すれば気化室20の第2内端面231を導出口232が位置する内周側に向けて下降傾斜して形成する場合には、気化容器2の中心軸線Oに対して垂直な垂直面230を想定したときに、第2内端面231は、垂直面230に対して30°以内の傾斜角度θ1で形成することが好ましい。この場合において、傾斜角度θ1が30°超過であって45°、60°と大きくなるほど、第2内端面231に衝突した燃料Fの噴霧液滴が、導出口232が位置する第2内端面231の内周側(中心側)へ跳ね返りやすくなる。この場合には、燃料Fの噴霧液滴が、酸素含有気体Aによる旋回流Sに巻き込まれずに導出口232へ導出される可能性が高くなる。
一方、内側傾斜面231Aによる第2内端面231の傾斜角度θ1が30°以内である場合、及び第2内端面231が垂直面230である場合には、第2内端面231に衝突する燃料Fの噴霧液滴が気化室20の外周側へ跳ね返りやすくなる。そのため、これらの場合には、第2内端面231に衝突した燃料Fの噴霧液滴が、酸素含有気体Aによる旋回流Sに巻き込まれやすくなる。そして、燃料Fの噴霧液滴が気化室20内に滞留する時間を長くして、燃料Fの気化効率を高めることができる。
(ヒータ24)
図1に示すように、気化容器2の第2端部23には、第2内端面231を加熱するヒータ24が配置されている。本形態のヒータ24は、第2端部23の外側面に配置されている。第2内端面231は、ヒータ24によって加熱された加熱面となる。第2内端面231は、インジェクタ3から噴射された、燃料Fの噴霧液滴が衝突して、噴霧液滴を微細化させる面となる。ヒータ24は、第2端部23を加熱する種々の構成とすることができる。ヒータ24は、通電によって発熱する発熱体によって構成することができる。
ヒータ24によって気化容器2の第2端部23を加熱する温度は、燃料Fの噴霧液滴が第2内端面231に接触した際に分裂(気化)しやすい温度とする。気化容器2の第2端部23を加熱する温度は、インジェクタ3から噴射される燃料Fが遷移沸騰する温度又は膜沸騰する温度とする。具体的には、気化容器2の第2端部23を加熱する温度は、350℃以上とすることができる。
図8には、燃料Fとしての軽油の噴霧液滴が加熱面に接触するときに、加熱面の温度(℃)と噴霧液滴の蒸発時間(s)との関係を示す。加熱面の温度が350℃未満である場合には、噴霧液滴が核沸騰し、350℃に近づくに連れて蒸発時間が短くなる。また、噴霧液滴が核沸騰する際には、噴霧液滴は加熱面に付着する。
一方、加熱面の温度が350〜480℃の付近においては、噴霧液滴が遷移沸騰し、加熱面の温度が480℃を超えると、噴霧液滴が膜沸騰する。核沸騰とは、沸点に達した部分から蒸気泡が発生する状態の沸騰を示し、膜沸騰とは、加熱面(伝熱面)を、沸騰した蒸気が膜となって覆う状態の沸騰を示す。また、遷移沸騰とは、核沸騰と膜沸騰との間を遷移する状態の沸騰を示す。
また、遷移沸騰を行う際には、噴霧液滴と加熱面との間に薄い蒸気の膜が形成されるライデンフロスト現象が生じる。そのため、遷移沸騰する際には、噴霧液滴は加熱面に付着せず、衝突時の運動エネルギーによってせん断されて微粒化し、気化室20内に跳ね返る。ライデンフロスト現象を利用した燃料Fの噴霧液滴の気化を促進したければ、ヒータ24によって気化容器2の第2端部23を加熱する温度は350℃以上とすることができ、好ましくは400℃以上とすることができる。
ただし、ヒータ24による気化容器2の第2端部23の加熱温度には、部分的な偏りが生じるおそれがある。そして、局所的に350℃付近の核沸騰が生じることを防ぐためには、ヒータ24による気化容器2の第2端部23の加熱温度は膜沸騰が生じる500℃以上とすることが好ましい。
(インジェクタ3)
図1に示すように、インジェクタ3は、燃料Fを噴射する燃料噴射弁であり、合流管6の、排気管51から離れた側に位置する先端部であって、気化容器2の第1端部22に配置されている。インジェクタ3は、気化容器2の中心軸線O上の位置に、気化容器2と同心状に配置されている。インジェクタ3の先端部は、気化容器2の中心軸線O上の位置に形成された導出口232と対向している。
図1及び図2に示すように、インジェクタ3へは、燃料タンク33から燃料ポンプ34によって燃料Fが送り出される。また、インジェクタ3には、燃料Fを加熱する燃料ヒータ32が設けられている。燃料ヒータ32によってインジェクタ3から噴射される燃料Fが加熱されることにより、燃料Fが気化しやすくすることができる。
図1及び図9に示すように、インジェクタ3の先端部には、気化容器2の第2内端面231に向けて燃料Fを噴射する噴射口31が形成されている。噴射口31は、インジェクタ3の先端部に複数形成されている。そして、複数の噴射口31から噴射される燃料Fの噴霧液滴は、噴霧液滴の全体が、気化容器2の中心軸線Oの周りに、円環状の断面を有する円錐状に広がって、気化容器2の第2内端面231に衝突する。
複数の噴射口31は、燃料Fの噴霧液滴が導出口232に直接噴射されないように形成することが好ましい。燃料Fは、導出口232の形成部位を除く第2内端面231に衝突するように噴射することが好ましい。また、燃料Fの一部は、気化室20の内周面211に衝突してもよい。第2内端面231及び場合によっては内周面211に衝突する燃料Fの噴霧液滴は、分散されて跳ね返る。
気化容器2の導出口232は、第2内端面231の中心部に形成されている。インジェクタ3は、気化容器2の第1端部22における、導出口232に対向する位置に配置されている。図9に示すように、複数の噴射口31は、インジェクタ3の中心軸線Oの周りに放射状に複数形成されるとともに、図4及び図5に示すように、インジェクタ3の中心軸線Oの側から外周側へ傾斜して燃料Fを噴射する状態で形成されている。また、各噴射口31から噴射される燃料Fの噴霧液滴は、円錐状に広がるように噴射される。本形態のインジェクタ3の中心軸線Oは、気化容器2の中心軸線Oと同じである。
気化容器2及び気化室20は、種々の形態によって形成することができる。気化室20は、気化容器2の全体に形成してもよく、一部に形成してもよい。図1に示すように、本形態の気化室20は、気化容器2の上側部分に形成されている。本形態の気化容器2の円筒壁部21における、第2端部23の混合気Mの流れの下流側位置には、気化室20の導出口232から導出された混合気Mが通過する通路部201が形成されている。通路部201は、導出口232から混合気Mの流れの下流側に向けて拡径する状態で形成されている。
(気体供給ユニット4)
気体供給ユニット4は、酸素含有気体Aを気化容器2へ供給する種々の構成とすることができる。図1及び図2に示すように、本形態の気体供給ユニット4は、気化容器2の円筒壁部21における導入口212の形成位置に接続された、酸素含有気体Aの導入管41と、導入管41へ酸素含有気体Aを供給する供給源42とを有する。導入管41内の通路は、導入口212を介して気化室20に連通されている。
本形態の導入管41は、気化容器2の円筒壁部21の、中心軸線Oの方向の噴射基端側O2の端部に接続されている。導入管41は、気化容器2の円筒壁部21の、中心軸線Oの方向の種々の位置に接続してもよい。導入管41には、酸素含有気体Aを加熱するための気体ヒータ43が配置されている。気化室20内に導入される酸素含有気体Aは、気体ヒータ43によって予熱される。
導入管41は、気化容器2の円筒壁部21における、導入口212の縁部であって気化室20の径方向Rの外周側の位置に設けられている。図3に示すように、導入管41の軸線方向は、気化室20内に酸素含有気体A及び混合気Mの旋回流Sを形成するために、径方向Rよりも周方向Cに近い側に向けられている。換言すれば、導入管41は、内周面211の法線方向(径方向R)の中心に向く位置から横にオフセットした位置に配置されている。
酸素含有気体Aの供給源42は、導入管41に接続されており、酸素含有気体Aとしての空気を加圧して送り出すエアポンプによって構成されている。また、供給源42は、ブロア(送風装置)とすることもでき、酸素含有気体Aを送り出す種々の構成とすることができる。
本形態の酸素含有気体Aは、空気である。酸素含有気体Aは、酸素とすることができ、空気に比べて酸素濃度を高くした気体とすることもできる。
なお、気体供給ユニット4は、改質触媒62によって発生した熱を回収する熱回収通路を有していてもよい。熱回収通路は、改質触媒62が配置された合流管6に形成することができる。
(改質触媒62)
図1に示すように、改質触媒62においては、主に、以下に示す反応が行われて、燃料Fから還元剤Kとしての水素が生成される。まず、改質触媒62においては、インジェクタ3から噴射された燃料Fにおける炭化水素(HC)と酸素(O2)とによって水が生成される。この水が生成される反応は、発熱を伴った酸化反応として、HC+O2→H2O+CO2(反応式1)として表される。
次いで、主に、改質触媒62においては、インジェクタ3から噴射された燃料Fにおける炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)と水(H2O)とによって水素(H2)が生成される。この水素が生成される反応には、2通りの反応がある。その一つは、吸熱を伴った水蒸気改質反応として、HC+H2O→CO+H2(反応式2)として表される。もう一つは、発熱を伴った水性ガスシフト反応として、CO+H2O→CO2+H2(反応式3)として表される。
反応式1の酸化反応によって生成された水が、反応式2の水蒸気改質反応及び反応式3の水性ガスシフト反応に用いられる。また、水蒸気改質反応によって生成された一酸化炭素又は燃料Fに含まれる一酸化炭素が、水性ガスシフト反応に用いられる。
改質触媒62は、ヒータ24によって加熱される混合気M、合流管6からの熱伝達等によって加熱される。改質触媒62の温度が低い状態であって混合気Mが燃料リーンの状態においては、主に反応式1の酸化反応が生じ、このときの発熱によって改質触媒62が加熱される。そして、改質触媒62の温度が650℃以上であって混合気Mが燃料リッチの状態になると、反応式2の水蒸気改質反応及び反応式3の水性ガスシフト反応が生じる。還元剤Kは、燃料Fを改質したものであるので、改質還元剤ということもできる。本形態においては、反応式1〜3によって表される各反応を合わせて、改質反応という。改質触媒62においては、反応式1〜3によって示される各反応とは異なる改質反応が行われてもよい。
改質触媒62は、複数の孔を有する多孔体によって構成されている。改質触媒62は、複数のセル孔を有するハニカム体によって構成することができる。改質触媒62には、酸化触媒としてのRh等を担持しておくことができる。気化室20の導出口232から改質触媒62へ供給される混合気Mは、改質触媒62の複数の孔を通過する際に改質され、混合気Mから、水素及び一酸化炭素を含む還元剤Kが生成される。
また、本形態の気化容器2において混合気Mを生成する際には、気体供給ユニット4による空気の供給量に対するインジェクタ3による燃料Fの供給量を多くして、意図的に燃料リッチな混合気Mを生成する。そして、酸化反応が行われた後においても、混合気M中に炭化水素が残存するようにし、水蒸気改質反応及び水性ガスシフト反応が行われる際の炭化水素を確保する。また、改質触媒62が熱によって損傷しないようにするため、改質触媒62の温度が900℃未満になるように各反応が制御される。
(合流管6)
図2に示すように、気化反応システム1は、排気管51に合流する状態で形成された合流管6の内部及び外部に形成されている。合流管6は、排気管51における、排気浄化触媒53の配置位置の上流側の位置に接続されている。合流管6は、排気管51を構成する側壁の一部に設けられた開口部54に接続されている。
燃料気化装置10は、合流管6における先端部に接続されており、改質触媒62が配置された反応通路61は、合流管6内に形成されている。本形態の合流管6は、水平方向又は水平方向に近い状態に配置された排気管51に対して、上方から接続されている。また、排気管51内には、排気ガスGが流れる排気通路52が形成されている。
気化容器2は、合流管6の先端部に形成されている。改質触媒62は、合流管6における、排気管51に近い位置に配置されている。合流管6における、改質触媒62が配置された通路形成部材63と、気化容器2との間には、燃料Fと空気との混合気Mが通過する通路スペーサ64が配置されている。
(制御装置7)
図2に示すように、気化反応システム1におけるインジェクタ3、ヒータ24、及び空気の供給源42等は、制御装置7に接続されている。インジェクタ3、ヒータ24及び供給源42等は、制御装置7からの指令を受けて動作する。制御装置7は、車両の、コンピュータを用いた電子制御ユニット(ECU)によって構築されている。制御装置7は、内燃機関5の電子制御ユニットに構築することができ、内燃機関5の電子制御ユニットとは別の電子制御ユニットに構築することもできる。
(NOxセンサ71)
図2に示すように、排気管51における、排気浄化触媒53の下流側位置には、排気浄化触媒53に吸蔵しきれなくなったNOxが流出したことを検出するNOxセンサ71を配置することができる。この場合には、NOxセンサ71が排気浄化触媒53からのNOxの流出を検出するときには、気化反応システム1から排気浄化触媒53へ還元剤Kを供給することができる。そして、排気浄化触媒53におけるNOxを還元剤Kとしての水素等によって還元することができる。
(気化反応システム1の動作)
図2に示すように、内燃機関5における燃焼状態を受けて、又は排気管51における、排気浄化触媒53の下流側位置に配置されたNOxセンサ71から信号を受けて、排気浄化触媒53に吸蔵されたNOxを浄化するときには、制御装置7からの指令を受けて、ヒータ24への通電、及び空気の供給源42の動作が行われる。また、制御装置7からの指令を受けて、インジェクタ3からの燃料Fの噴射が行われる。
供給源42としてのエアポンプが動作すると、酸素含有気体Aとしての空気(大気)が気体ヒータ43によって加熱されて予熱される。そして、予熱された空気が導入管41及び導入口212を介して気化室20内へ導入される。予熱された空気が気化室20内に導入されることにより、気化室20における燃料Fの気化効率をより高くすることができる。また、導入口212が気化室20の径方向Rよりも周方向Cの側に向けられていることにより、空気は気化室20の内周面211に沿って気化室20内に流れる。
また、インジェクタ3から気化室20内に噴射された燃料Fの噴霧液滴は、気化室20の第2内端面231に衝突して、複数に分裂しながら跳ね返る。このとき、第2内端面231から跳ね返る燃料Fの噴霧液滴が、気化室20内を周方向Cに旋回する空気に巻き込まれる。そして、空気とともに気化室20内を旋回する燃料Fの噴霧液滴には遠心力が作用し、この燃料Fの噴霧液滴は、遠心力が作用する間は気化室20内を旋回し続ける。そして、噴霧液滴が気化(蒸発)して空気と混合され、空気と燃料Fの混合気Mが生成される。
また、気化室20内を旋回する間に燃料Fの噴霧液滴の粒径が小さくなると、噴霧液滴に作用する遠心力が小さくなる。そのため、噴霧液滴は、空気とともに混合気Mとなって導出口232へ導かれる。また、気化室20内の混合気Mが導出口232へ導かれる流れにより、空気及び混合気Mの旋回流Sは、気化室20内を旋回しながら導出口232へ導かれる。
気化室20の導出口232から反応通路61内へ流れた混合気Mは改質触媒62へ流れる。そして、改質触媒62において、混合気Mの改質反応が行われて還元剤Kが生成される。改質触媒62において生成された還元剤Kは、反応通路61から排気管51の排気通路52へ流れ、排気浄化触媒53に供給される。
(作用効果)
本形態の燃料気化装置10及び気化反応システム1においては、気化容器2及び気体供給ユニット4によって、気化容器2の気化室20内に、燃料Fの噴霧液滴が巻き込まれた酸素含有気体Aとしての空気の旋回流Sを形成する。燃料Fの噴霧液滴は、インジェクタ3の噴射口31から噴射されて、気化室20の第2内端面231に衝突して微細化した状態で空気に巻き込まれる。そして、燃料Fの噴霧液滴は、空気の旋回流Sに巻き込まれて気化する。
旋回流Sを形成することにより、微細化した燃料Fの噴霧液滴が気化室20内に滞留する時間を長くすることができる。これにより、旋回流Sに巻き込まれた燃料Fの噴霧液滴が気化しやすくすることができ、燃料気化装置10による燃料Fの気化効率を高めることができる。
また、燃料Fの噴霧液滴は、気化容器2の気化室20における第2内端面231に衝突して分散される。そして、この分散された燃料Fが空気の旋回流Sに巻き込まれる。そのため、燃料Fが分散されやすい状態を維持したまま、燃料Fが気化する時間を長くして、燃料Fの気化効率を高めることができる。
燃料Fの気化効率は、燃料Fの単位時間当たりの気化量として捉えることができる。本形態の燃料気化装置10においては、燃料Fが分散しやすく、かつ燃料Fの気化時間を長くすることができるため、燃料Fの気化効率を効果的に高めることができる。
また、旋回流Sを形成する構成により、空気を気化室20内へ導入する流速を速くすることによって、燃料Fの噴霧液滴が巻き込まれた空気が気化室20の内周面211を旋回する回数、長さ等を増やすことができる。そのため、空気に巻き込まれた燃料Fの噴霧液滴が気化室20内に滞留する時間をより長くすることができる。そして、燃料Fの噴霧液滴の滞留時間を長くするために、気化容器2を長く形成する必要がなく、燃料気化装置10が大型化することを防止することができる。
さらに、インジェクタ3の複数の噴射口31の各々の噴射軸線Pは、第2内端面231における、導出口232を除く部位に向けられている。そして、複数の噴射口31から噴射された燃料Fは、内側傾斜面231Aとして形成された第2内端面231に衝突する。また、第2内端面231に衝突した燃料Fの噴霧液滴のほとんどは、衝突時に分散しつつ気化室20の径方向Rの外周側へ跳ね返る。これにより、複数の噴射口31から噴射された燃料Fが、導出口232へ直接出されてしまうことを防止し、燃料Fの噴霧液滴が空気の旋回流Sに効果的に巻き込まれるようにすることができる。
それ故、本形態の燃料気化装置10によれば、装置を大型化することなく、気化室20における燃料Fの噴霧液滴の滞留時間を長くして、燃料Fの気化効率を高めることができる。
また、気化反応システム1においては、燃料気化装置10、及び反応通路61に収容された改質触媒62によって、水素、一酸化炭素等の還元剤Kが生成される。そして、気化反応システム1においては、気化容器2において十分に気化された燃料Fを含む混合気Mの改質反応を行うことにより、還元反応による還元剤Kの生成を効果的に行うことができる。
<実施形態2>
本形態は、図10及び図12に示すように、気化室20の第2内端面231が、インジェクタ3の中心軸線Oの位置から径方向Rの外周側に行くほど中心軸線Oの方向の噴射先端側O1に位置する外側傾斜面231Bによって形成された場合について示す。
図10に示すように、本形態の外側傾斜面231Bによる第2内端面231は、直線状の断面形状を有する平坦面によって形成されている。そして、垂直面230に対する第2内端面231の傾斜角度θ1は、第2内端面231の全体において一定である。
本形態においては、図11に示すように、噴射口31のすべてについて、噴射口31から噴射される燃料Fの広がり角度をβ[°]としたとき、外側傾斜面231Bによる第2内端面231と噴射軸線Pとの間の関係角度θ2は、β/2[°]以上である。各噴射口31から噴射される燃料Fの噴霧液滴の全体が、第2内端面231に平行に移動せずに、第2内端面231に衝突するためには、関係角度θ2はβ/2[°]以上であることが必要である。
また、噴射口31から噴射された燃料Fの噴霧液滴が第2内端面231に衝突して分散されやすくするためには、外側傾斜面231Bによる第2内端面231の傾斜角度θ1は、例えば、30°以内とすることができる。第2内端面231に衝突したときに、燃料Fの噴霧液滴が分散しやすくなることを考慮すると、本形態の関係角度θ2は、できるだけ90°に近い角度として設定することができる。
図12に示すように、外側傾斜面231Bによる第2内端面231は、中心軸線Oの方向の噴射基端側O2に向けて凸状に膨らむ曲面によって形成することもできる。また、図示は省略するが、外側傾斜面231Bによる第2内端面231は、中心軸線Oの方向の噴射先端側O1に向けて凸状に膨らむ曲面によって形成することもできる。また、外側傾斜面231Bによる第2内端面231は、種々の屈曲形状、平坦面と曲面との組み合わせ等によって形成することもできる。
本形態の燃料気化装置10及び気化反応システム1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態3>
本形態は、図13に示すように、気化室20の第2内端面231における、導出口232の縁部に、第1内端面221に向けて突出する環状突起233が形成された場合について示す。環状突起233は、円筒形状に形成することができ、多角形状等に形成することもできる。本形態の気化室20の内周面211における導入口212は、気化室20における第2内端面231側の位置、換言すれば気化室20における中心軸線Oの方向の噴射先端側O1の位置に配置されている。より具体的には、本形態の導入口212は、気化室20における第2内端面231の外周側の位置に配置されている。
また、本形態の環状突起233の先端位置234は、噴射口31のすべてから噴射される燃料Fの噴霧液滴が環状突起233に衝突しないことを条件として、導入口212の中心位置Qよりも中心軸線Oの方向の噴射基端側O2に位置する。本形態の第2内端面231は、内側傾斜面231Aによって形成されている。第2内端面231が、垂直面230又は外側傾斜面231Bによって形成されている場合にも、本形態の環状突起233の構成を同様に適用することができる。
第2内端面231に環状突起233が形成されていることにより、気化室20内を旋回する酸素含有気体Aに燃料Fの噴霧液滴が十分に混合される前に、酸素含有気体Aが導出口232へすり抜けにくくすることができる。また、環状突起233の先端位置234が、導入口212の中心位置Qよりも中心軸線Oの方向の噴射基端側O2に位置することにより、酸素含有気体Aと燃料Fの噴霧液滴との混合をより効果的に行い、燃料Fの気化効率を高めることができる。
また、環状突起233が形成されていることにより、酸素含有気体A及び混合気Mの旋回流Sが環状突起233の周りを旋回しようとするため、旋回流Sを強化することができる。また、環状突起233が形成されていることにより、燃料Fが巻き込まれた酸素含有気体Aの旋回流Sが気化室20に留まる時間を長くすることができる。これによっても、燃料Fの気化効率を高めることができる。
本形態の燃料気化装置10及び気化反応システム1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態4>
本形態は、図14に示すように、合流管6の反応通路61内に、改質触媒62を配置する代わりに、混合気Mの燃焼反応を行うための発熱源65を配置した場合について示す。本形態の気化反応システム1は、気化室20の導出口232から反応通路61内に供給される混合気Mを発熱源65によって加熱して、混合気M中の燃料Fを自己着火させるよう構成されている。
発熱源65は、通電によって発熱するグロープラグによって構成されている。発熱源65は、燃料Fとしての軽油が気化して、酸素含有気体Aとしての空気に混合された混合気Mを、自己着火する温度まで加熱する。反応通路61においては、混合気Mが自己着火して燃焼したことによる高温の燃焼ガスHが生成される。そして、この燃焼ガスHは、合流管6の反応通路61から排気管51の排気通路52における排気浄化触媒53へ供給される。この燃焼ガスHの供給によって、排気浄化触媒53が、有害ガスとしてのNOxを吸蔵する能力が十分に発揮される温度に加熱される。そして、排気浄化触媒53によるNOxの吸蔵を効果的に行うことができる。
本形態の燃料気化装置10及び気化反応システム1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<確認試験>
本確認試験においては、内側傾斜面231Aによる第2内端面231と噴射口31の噴射軸線Pとの間の関係角度θ2を変化させたときの、関係角度θ2と燃料Fの気化率[%]との関係を確認した。関係角度θ2は、傾斜角度θ1と噴射角度αとの間の傾斜関係によって決定される。傾斜角度θ1は、20°とし、噴射角度αを適宜変更した。
燃料Fの気化率は、噴霧液滴(液体)の状態の燃料Fが気化(蒸発)した割合を示す。試験を行った結果、図15に示すように、関係角度θ2が75°である場合の燃料Fの気化率に比べて、関係角度θ2が90°である場合の燃料Fの気化率が小さくなることが分かった。関係角度θ2は80°以下であることが好ましく、75°以下であることがより好ましいことが分かった。また、噴射角度αは、θ2≦90−α/2の関係式より、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましいことが分かった。また、θ1=α/2の関係(図4参照)から、前述したようにθ1が30°以下であることが好ましいことから、噴射角度αは、60°以下とすることが好ましい。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。
1 気化反応システム
10 燃料気化装置
2 気化容器
20 気化室
231 第2内端面
3 インジェクタ
31 噴射口
4 気体供給ユニット

Claims (10)

  1. 内燃機関(5)の排気管(51)内に配置された排気浄化触媒(53)へ供給する還元剤(K)又は燃焼ガス(H)を生成するための燃料(F)を気化させる燃料気化装置(10)であって、
    曲面状の内周面(211)及び互いに対向する一対の内端面(221,231)を有する気化室(20)を形成する気化容器(2)と、
    前記気化容器の、一対の前記内端面のうちの第1内端面(221)を形成する第1端部(22)に配置され、一対の前記内端面のうちの第2内端面(231)に衝突するように燃料を噴射するための複数の噴射口(31)を有するインジェクタ(3)と、
    前記気化容器内に酸素含有気体(A)を導入し、前記第2内端面に衝突して跳ね返った燃料が、前記内周面の周方向(C)に沿って旋回する酸素含有気体に巻き込まれた旋回流(S)を形成するための気体供給ユニット(4)と、を備え、
    前記気化室の前記内周面には、前記気体供給ユニットから前記気化室内へ酸素含有気体を導入するための導入口(212)が形成されており、
    前記気化室の前記第2内端面には、前記気化室内から外部へ燃料と酸素含有気体との混合気(M)を導出するための導出口(232)が形成されており、
    複数の前記噴射口の各々の噴射軸線(P)は、前記第2内端面における前記導出口を除く部位に向けられており、
    前記第2内端面は、前記インジェクタの中心軸線(O)に対して垂直な垂直面(230)、前記中心軸線の位置から外周側に行くほど前記中心軸線の方向の噴射先端側(O1)に位置する外側傾斜面(231B)、又は前記中心軸線の位置から外周側に行くほど前記中心軸線の方向の噴射基端側(O2)に位置する内側傾斜面(231A)によって形成されている、燃料気化装置。
  2. 前記導出口は、前記第2内端面の中心部に形成されており、
    前記インジェクタは、前記気化容器の前記第1端部における、前記導出口に対向する位置に配置されており、
    複数の前記噴射口は、前記インジェクタの中心軸線の周りに放射状に複数形成されるとともに、前記中心軸線の側から外周側へ傾斜して燃料を噴射する状態で形成されている、請求項1に記載の燃料気化装置。
  3. 前記導入口は、前記気化容器の、前記内周面を形成する壁部において、前記内周面の径方向(R)に対して前記内周面の周方向の側に傾斜する状態で形成されている、請求項1又は2に記載の燃料気化装置。
  4. 前記第2内端面は、前記内側傾斜面によって形成されており、かつ、前記噴射口のすべてについて、前記インジェクタの中心軸線と前記噴射口の噴射軸線(P)との間の噴射角度をα[°]としたとき、前記内側傾斜面と前記噴射軸線との間の関係角度(θ2)[°]は、θ2≦90−α/2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料気化装置。
  5. 前記第2内端面は、前記外側傾斜面によって形成されており、かつ、前記噴射口のすべてについて、前記噴射口から噴射される燃料の広がり角度をβ[°]としたとき、前記外側傾斜面と前記噴射軸線との間の関係角度(θ2)[°]は、θ2≧β/2である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料気化装置。
  6. 前記第2内端面は、平坦面、曲面、又は平坦面と曲面の組み合わせによって形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料気化装置。
  7. 前記気化容器の、前記第2内端面を形成する第2端部(23)には、前記第2内端面に衝突する燃料を加熱するヒータ(24)が配置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料気化装置。
  8. 前記第2内端面における、前記導出口の縁部には、前記第1内端面に向けて突出する環状突起(233)が形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料気化装置。
  9. 前記環状突起の先端位置(234)は、前記噴射口のすべてから噴射される燃料が前記環状突起に衝突しないことを条件として、前記導入口の中心位置(213)よりも前記中心軸線の方向の噴射基端側に位置する、請求項8に記載の燃料気化装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料気化装置と、
    前記燃料気化装置から燃料と酸素含有気体との混合気(M)が供給されて、前記混合気の改質反応を行って還元剤を生成するための改質触媒(62)、又は前記混合気の燃焼反応を行って燃焼ガスを生成するための発熱源(65)が配置された反応通路(61)と、を備える気化反応システム(1)。
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