JP2020012250A - 小便器装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このように構成された本発明によれば、制御部が、例えば排水流路が詰まりかかっている等の排水流路の排水状態の不良等が発生しているときは、吐水装置からの洗浄水の供給中に溜水面が上がりやすく且つ供給停止後における溜水面の下がり幅が大きく、これに対し排水流路の排水状態の不良等が発生していないときは、吐水装置からの洗浄水の供給中に溜水面が上がりにくく、供給停止後における溜水面の下がり幅が小さいという性質(知見)に基づいて、上記吐水装置からの洗浄水の供給が停止した後における上記溜水面の下がり幅が第1閾値以上となるときに、上記排水流路の排水状態が不良であると判断することができる。これにより、排水流路が完全に詰まった状態となる前に排水流路の排水状態が不良であると判断することができる。
このように構成された本発明によれば、排水流路の排水状態を判断する期間が、洗浄水の供給が停止した後から、第1期間を経過するまでの間に限定されるので、本発明の小便器装置以外の小便器装置の洗浄の振動や洗浄による水圧の変動による溜水面の揺れの影響、又はドップラーセンサが小便器装置の近くの人の動きを誤検知する影響等を抑制することができる。よって、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
このように構成された本発明によれば、排水流路の排水状態を判断する期間が、洗浄水の供給が停止した後から、ドップラー信号の振幅が閾値以下になるまでの第2期間内に限定される。よって、本発明によれば、本発明の小便器装置以外の小便器装置の洗浄の振動による溜水面の揺れの影響、又はドップラーセンサが小便器装置の近くの人の動きを誤検知する影響等を抑制することができる。従って、本発明によれば、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
このように構成された本発明によれば、上記制御部は、ドップラー信号のうち、小便器装置の近くの人の動きにより生じると想定される所定周波数以上の周波数を有するドップラー信号を除いたドップラー信号に基づいて、排水流路の排水状態を判断する。よって、本発明によれば、ドップラーセンサが小便器装置の近くの人の動きを誤検知する影響等をより抑制することができ、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
このように構成された本発明によれば、制御部は、第2閾値を、溜水面がボウル部から待機状態の溜水面まで下がる下がり幅の構造的な限度の基準として設定することができ、上記吐水装置からの洗浄水の供給が停止した後における上記溜水面の下がり幅が第2閾値以上であるときに、排水流路の排水状態が不良であると判断しないことする。これにより、制御部は、溜水面の下がり幅が第2閾値以上であるとき、溜水面以外のもの、例えば人の動きやボウル面の水滴の動き等、を誤検知した可能性があると判断することができる。よって、本発明によれば、ドップラーセンサの誤検知の影響をより抑制することができ、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
このように構成された本発明によれば、制御部は、吐水装置からの洗浄水の供給の停止後に洗浄水が吐水装置からボウル面に沿って流下する可能性があることを想定し、上記吐水装置からの洗浄水の供給の停止から待機時間を経過した後に、排水流路の排水状態を判断をする。よって、制御部は洗浄水が吐水装置からボウル面に沿って流れていないと想定されるときに排水状態を判断することができる。よって、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
このように構成された本発明によれば、ドップラーセンサは、上記小便器本体の下方領域において排水トラップ部内の溜水面よりも上方に配置されると共に上記ドップラーセンサからの電波の放射方向が斜め下方に向けられるように配置される。これにより、ドップラーセンサから送信される電波の放射方向に小便器本体の近くの使用者が含まれにくくなる。従って、本発明によれば、ドップラーセンサが使用者の動きを誤検知することを抑制することができ、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度を向上させることができる。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態による小便器装置を説明する。図1は本発明の一実施形態による小便器装置全体を示す斜視図であり、図2は本発明の一実施形態による小便器装置の断面図である。
なお、小便器装置の「後方」は、小便器装置の壁面に当接する背面側の方向とし、小便器装置の「前方」は、小便器装置を使用する使用者側から見て手前側の方向(「後方」の反対方向)とし、小便器装置を前方から見て右側の方向を右方向とし、前方から見て左側の方向を左方向とし、右方向及び左方向を小便器装置の側方として説明する。
図3は本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサ及び制御部の接続関係を示す概略ブロック図であり、図4は本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサから送信される電波の最大放射方向を説明する図であり、図5(a)は本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサから送信される送信信号に対し、対象物が接近する場合に、対象物が第1信号、第2信号の順に送信信号を反射することになる様子を原理的に説明する図であり、図5(b)は図5(a)に示すように送信信号が反射され、ドップラーセンサが受信する受信信号を原理的に説明する図であり、図6(a)は本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサから送信される送信信号に対し、対象物が離反する場合に、対象物が第2信号、第1信号の順に送信信号を反射することになる様子を原理的に説明する図であり、図6(b)は図6(a)に示すように送信信号が反射され、ドップラーセンサが受信する受信信号を原理的に説明する図である。
ドップラーセンサ22は、電波を送信アンテナ30から送信した後、溜水面によって反射された電波を受信アンテナ32により受信することによりドップラー信号を生成する機能を有している。ドップラーセンサ22は、送信アンテナ30と受信アンテナ32とが一体となって構成されている。信号生成部28は、制御部24と電気的に接続され、ドップラー信号を制御部24に送信する。ドップラーセンサ22は、例えば制御部24が後述するような排水流路の排水状態の判断処理を実行できるような態様のドップラー信号を制御部24に送信する。また、ドップラーセンサ22による検出の開始及び停止等は、制御部24によって制御される。
図5(a)に示すように、対象物Lがドップラーセンサ22に接近する場合、図5(b)に示すように、ドップラーセンサ22が受信する反射波Kに基づいて生成されるドップラー信号の第1信号Iは第2信号Qよりも先行する。よって、制御部24は、第1信号Iが第2信号Qよりも先行することにより、対象物Lがドップラーセンサ22に接近することを判断できる。
また、このような原理を応用して、制御部24は、第2信号Qが第1信号Iよりも先行する関係が成立したと判断する毎に対象物L(溜水面)が所定距離(後述するステップ値R)ずつ離反(下降)すると判断することができる。
ドップラーセンサ22の有効検知領域Gが前端部4cより下のボウル面4に向けられるようになっている。有効検知領域Gの全体がボウル面4より下方に向けられることが好ましいが、有効検知領域Gの一部が前端部4cを超えてボウル面4外に形成されていてもよい。最大放射方向Dも前端部4cより下方に向けられる。ドップラーセンサ22の有効検知領域Gは、ボウル面4に当たるため、さらに信号強度が減衰され、前端部4cより下のボウル面4を透過してさらに便器本体2の前の使用者A側に延びにくくなっている。よって、有効検知領域Gがボウル面4の前端部4cの上方を超えて便器本体2の前の使用者Aまで及びにくくすることができる。
図7は、本発明の一実施形態による小便器装置において、排水トラップ部又は排水流路の排水状態を判断する排水状態判断処理モードにおける制御部の制御動作を示すフローチャートであり、図8(a)は本発明の一実施形態による小便器装置において、溜水面の状態に応じてドップラーセンサにより生成されるドップラー信号の波形と、時間経過とを説明する図であり、図8(b)は図8(a)の第1信号Iの移動平均IA及び第2信号Qの移動平均QAの一部の波形を拡大して説明する図であり、図8(c)は図8(b)における移動平均IA及び移動平均QAに対応するステップ値Rの変化を説明する図であり、図9は本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサが便器本体前の人の動きも検出している場合のドップラー信号の波形を説明する図であり、図10は図9のドップラー信号の波形に対しローパスフィルタを用いた処理を行った波形を説明する図であり、図11は本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサが溜水面の下降の状態を検出したドップラー信号の波形を説明する図であり、図12は図11のドップラー信号の波形に対しローパスフィルタを用いた処理を行った波形を説明する図である。図7において、Sは各ステップを示している。
なお、図8(a)においては縦軸においてドップラー信号の第1信号I及び第2信号Qの電圧、第1信号Iの移動平均IA及び第2信号Qの移動平均QAの電圧を示し、横軸において時刻を示している。
図8(b)においては、説明のため図8(a)における第1信号Iの移動平均IA及び第2信号Qの移動平均QAを示しており、縦軸において第1信号Iの移動平均IA及び第2信号Qの移動平均QAの電圧を示し、横軸において時刻を示している。
図8(c)においては、図8(b)における第1信号Iの移動平均IA及び第2信号Qの移動平均QAに対応するステップ値Rを示しており、縦軸においてステップ値Rを示し、横軸において時刻を示している。図8(c)においては、制御部24は、第2信号Qの移動平均QAが第1信号Iの移動平均IAよりも先行する関係が成立したと判断する毎にステップ値Rに1を加え、第1信号Iの移動平均IAが第2信号Qの移動平均QAよりも先行する関係が成立したと判断する毎にステップ値Rから1を引く処理を行っている。
図8(a)に示すように、待機モード中において、ドップラーセンサ22は、ドップラー信号の検出を継続しているが、制御部24は、排水状態判断処理モードを開始せずに待機している。なお、待機モード中において、制御部24は、ドップラーセンサ22の作動を停止させ、排水状態判断処理モード開始時に再びドップラーセンサ22の作動を開始させてもよい。
制御部24は、待機モードによる待機時間Tの経過後、時刻t1から排水状態判断処理モードを開始させる。待機モードにおける待機時間Tは、数秒程度、例えば1秒乃至5秒の範囲内の時間である。
制御部24は、時刻が時刻t0から時刻t7までの第1期間T1内の時刻である場合には、溜水面の下降が生じている可能性があり、制御部24が排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態の判断を行うことが有効であると判断できるので、S3に進む。
制御部24は、時刻が時刻t0から第1期間T1を経過した時刻t7以降の時刻である場合には、溜水面の下降が終了している可能性が高く、制御部24が振幅値Hに基づいて排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態の判断を行いにくいと判断できるので、S7に進む。
一方で、図11に示すように、ドップラーセンサ22が比較的遅い動きの溜水面の下降の状態を検出したドップラー信号は、所定周波数未満の比較的低い周波数の信号となる。よって、図12に示すように、この信号をローパスフィルタを用いて処理したとしても、溜水面の下降の状態を示すドップラー信号は除去されにくくなっている。
よって、制御部24は、人の動きによる影響を低減した信号に基づいて排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態を判断することができる。また、制御部24は、ドップラーセンサ22が便器本体2前の人の動きを検出する場合であっても、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態を判断することができる。例えば、所定周波数は、1Hz〜10Hzの範囲内の周波数として設定される。
図8(a)に示すように、閾値H1は、待機状態においてドップラーセンサ22が生成したドップラー信号の振幅値H2(ノイズの振幅値)と同じレベル、好ましくは振幅値H2の3倍乃至5倍の範囲内の値に設定される。例えば閾値H1はノイズの振幅値H2の3倍乃至5倍の範囲内の値に設定されるので、ノイズが判定に与える影響を抑制することができると共に、溜水面の溜水面W0の位置までの下降も比較的精度よく判定することができる。
制御部24は、振幅値Hが閾値H1以下となった場合には、溜水面の下方への移動が概ね終了し、溜水面の表面の揺動も低下しており、溜水面が待機状態の溜水面W0の位置まで既に下降していると判断できるので、S7に進む。このとき、制御部24は、第2期間T2の終了も決定する。
制御部24は、移動平均QAが移動平均IAよりも先行している場合には、溜水面が下降している状態が一定程度継続したと判断できるので、離反距離を増加させる処理を行うため、S6に進む。具体的には、図8(b)において、制御部24が、移動平均QAが移動平均IAよりも先行していると判断した場合に、図8(c)に示すような離反距離を増加させる処理を行うため、S6に進む。
制御部24は、移動平均QAが移動平均IAよりも先行していない場合には、溜水面が下降している状態が終了したと判断できるので、S7に進む。なお、S5の判定は、移動平均QAと移動平均IAとの比較に限られず、第2信号Qと第1信号Iとの比較により行うことができる。
S7において、制御部24は、離反距離に対応するステップ値Rが第1閾値X1以上となるとき、供給停止後における溜水面の下がり幅が大きいと判断して、S9に進む。
S7において、制御部24は、ステップ値Rが第1閾値X1未満であるとき、供給停止後における溜水面の下がり幅が小さいと判断して、S8に進む。
S9において、制御部24は、ステップ値Rが第2閾値X2以上であるとき、溜水面以外のもの、例えば人の動きやボウル面の水滴の動き等、を誤検知した可能性があると判断することができるので、S11に進む。
S9において、制御部24は、ステップ値Rが第2閾値X2未満であるとき、溜水面以外のものの誤検知の可能性が低く、且つこれまでの排水状態が不良であるとの判断の信頼性が比較的高いと判断して、S10に進む。
なお、図3に示すように、制御部24が排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が不良であると判断した場合には、制御部24は、排水状態判断処理モード等の実行処理とは別に、報知手段36により、使用者又は小便器装置1の管理者等に排水状態の不良を報知する制御を実行する。
S12において、制御部24は、排水状態判断処理モードを終了する。
2 :便器本体
3 :ボウル部
4 :ボウル面
20 :電磁弁
22 :ドップラーセンサ
24 :制御部
A :使用者
B :下方領域
F :洗浄水
H :振幅値
H1 :閾値
T :待機時間
T1 :第1期間
T2 :第2期間
W :壁面
W0 :溜水面
W1 :溜水面
X1 :第1閾値
X2 :第2閾値
Claims (7)
- 吐水された洗浄水によりボウル面を洗浄する小便器装置であって、
排尿を受ける上記ボウル面を形成し、その底部に排水口を形成するボウル部と、上記ボウル部の上記排水口から延びて内部に溜水を形成する排水トラップ部と、を有する小便器本体と、
上記ボウル部へ洗浄水を供給する吐水装置と、
電波を送信した後、溜水面によって反射された電波を受信することによりドップラー信号を生成するドップラーセンサと、
上記溜水面の状態に応じて得られる上記ドップラー信号に基づいて、上記ボウル部より下流側の排水流路の排水状態を判断する制御部と、を備え、
上記制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給が停止した後における上記溜水面の下がり幅が第1閾値以上となるときに、上記排水流路の排水状態が不良であると判断することを特徴とする小便器装置。 - 上記制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給が停止した後から、第1期間を経過するまでの間において上記排水流路の排水状態を判断する請求項1に記載の小便器装置。
- 上記制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給が停止した後から、上記ドップラー信号の振幅が閾値以下になるまでの第2期間内において、上記排水流路の排水状態を判断する請求項1又は2に記載の小便器装置。
- 上記制御部は、上記ドップラー信号のうち所定周波数以上の周波数を有する上記ドップラー信号を除いた上記ドップラー信号に基づいて、上記排水流路の排水状態を判断する請求項1乃至3の何れか1項に記載の小便器装置。
- 上記制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給が停止した後における上記溜水面の下がり幅が第2閾値以上であるとき、上記排水流路の排水状態が不良であると判断しないこととする請求項1乃至4の何れか1項に記載の小便器装置。
- 上記制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給の停止から待機時間を経過した後に、上記排水流路の排水状態を判断する請求項1乃至5の何れか1項に記載の小便器装置。
- 上記ドップラーセンサは、上記小便器本体の下方領域において上記小便器本体の待機状態における上記排水トラップ部内の上記溜水面よりも上方に配置されると共に上記ドップラーセンサからの電波の放射方向が斜め下方に向けられるように配置される請求項1乃至6の何れか1項に記載の小便器装置。
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