JP2020012230A - 湿式抄紙用分散剤、湿式抄紙用分散組成物及び繊維シートの製造方法 - Google Patents

湿式抄紙用分散剤、湿式抄紙用分散組成物及び繊維シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020012230A
JP2020012230A JP2019195267A JP2019195267A JP2020012230A JP 2020012230 A JP2020012230 A JP 2020012230A JP 2019195267 A JP2019195267 A JP 2019195267A JP 2019195267 A JP2019195267 A JP 2019195267A JP 2020012230 A JP2020012230 A JP 2020012230A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
fibers
dispersant
sheet
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019195267A
Other languages
English (en)
Inventor
日出男 清山
Hideo Seiyama
日出男 清山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meisei Chemical Works Ltd
Original Assignee
Meisei Chemical Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meisei Chemical Works Ltd filed Critical Meisei Chemical Works Ltd
Priority to JP2019195267A priority Critical patent/JP2020012230A/ja
Publication of JP2020012230A publication Critical patent/JP2020012230A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、特に炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維や、ポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、アラミド繊維等の有機繊維等に対する分散性に優れた、湿式抄紙用分散剤及び湿式抄紙用分散組成物、当該分散組成物から製造される繊維シートの提供を目的とする。【解決手段】アルキルベタイン型両性界面活性剤である、セラミック繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維の湿式抄紙用分散剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、湿式抄紙用分散剤、湿式抄紙用分散組成物及び繊維シートの製造方法に関する。
炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維は、一般的に耐熱性、耐久性、耐蝕性等に優れているため、住宅設備用、自動車用等様々な用途に使用されている。例えば、炭素繊維は複合材料用の基材として宇宙機器、事務機器、オーディオ機器、スポーツ用具等広く用いられている。また、ガラス繊維をシート状にしたガラスペーパーは、高性能エアフィルターあるいは電池用セパレーター、断熱材、吸音材等の用途に使用されている。
このような無機繊維は、水系の分散媒に分散されて水系分散組成物とされ、その後、分散組成物から分散媒を除去することによってシート化されて用いられることが多い。
従来、無機繊維をシート(不織布)状に加工する方法として、湿式抄紙法が知られている(特許文献1)。しかしながら無機繊維は表面が疎水性であり、親水性のパルプ繊維等に比べて水中での分散性が著しく劣ることから、中性での湿式抄紙法では地合が良好なものが得難く、実用に適した無機繊維シートを製造することは困難とされていた。
無機繊維等を分散質として含む水系分散組成物を調製する際、上記のように無機繊維等は単独では分散性が不充分な場合が多いことから、分散組成物の流動性や貯蔵安定性の向上を目的として、分散剤が使用されている。例えば無機粉末や有機粉末を分散するための分散剤として、各種界面活性剤のような低分子量分散剤、または窒素原子を1〜5個有するアミノ化合物にプロピレンオキシドとエチレンオキシドを付加させた高分子量分散剤(特許文献2)等が提案されている。しかしながら、分散質である無機繊維等の微細化や高濃度化の要求に伴って、従来の分散剤では分散が不充分な場合が発生し、分散質の凝集に伴う水系分散組成物の増粘や分散質の沈降といった問題が生じている。
特許文献3には、直径1nm、長さ数μm〜10μmのカーボンナノファイバの分散において、ポリビニルアルコール水溶液にホウ砂を加えてゲル状の分散液を調整し、該分散液中にカーボンナノファイバを分散させると、凝集を防止できることが提案されている。
特許文献4には、有機溶媒系の樹脂溶液に、炭素繊維および下記一般式で表される炭素繊維用分散剤を配合し、分散処理を施すことにより、炭素繊維が均一に分散および解繊した導電性複合材料・塗料が提案されている。
Figure 2020012230

〔式中R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、水酸基、無置換もしくは置換の炭素原子が1〜30のアルキル基、無置換もしくは置換のヒドロキシアルキル基、アルキルオキシ基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アシル基、第1〜3級アミノ基、無置換もしくは置換のアリール基、無置換もしくは置換のアリールオキシ基または無置換もしくは置換の複素環基を表す。RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、無置換もしくは置換の炭素原子が1〜30のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール基または無置換もしくは置換の複素環基を表す。またRとRが結合して環を形成してもよい。Rは水素原子、無置換もしくは置換の炭素原子が1〜30のアルキル基、無置換もしくは置換のヒドロキシアルキル基、アルキルオキシ基、アシルオキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、第1〜3級アミノ基、無置換もしくは置換のアリール基、無置換もしくは置換のアリールオキシ基または無置換もしくは置換の複素環基を表す。また平均重合度は200〜8000であり、前記構造単位内の組成比は、X:Y:Z=65〜90:5〜30:0〜10である。〕
また、特許文献5にも、樹脂溶液に炭素繊維および下記一般式で表される炭素繊維用分散剤を配合し、分散処理を施すことにより、炭素繊維が均一に分散および解繊した導電性複合材料・塗料が提案されている。
Figure 2020012230
〔式中R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、水酸基、無置換もしくは置換の炭素原子が1〜30のアルキル基、無置換もしくは置換のヒドロキシアルキル基、アルキルオキシ基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アシル基、第1〜3級アミノ基、無置換もしくは置換のアリール基、無置換もしくは置換のアリールオキシ基または無置換もしくは置換の複素環基を表す。ただしRまたはRが水酸基の場合の水素原子は、無置換もしくは置換の複素環基で置換されていてもよい。R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、無置換もしくは置換の炭素原子が1〜30のアルキル基、無置換もしくは置換のアリール基、無置換もしくは置換の複素環基、無置換もしくは置換のピラノシル基または無置換もしくは置換のフラノシル基を表す。また、酸素原子を介して結合している基の場合はその基と隣接する基が除かれてカルボニル基となってもよく、異なる炭素に結合しているものは連結してオレフィンもしくは環を形成してもよい。キラル炭素に置換したものの立体配置はアキシャル、エクトリアルもしくはラセミのいずれでもよい。またグリコシド結合の場合はα、βのいずれでもよい。mは0もしくは1を表し、nは0から2の整数を表す。〕
特許文献6には、カーボンナノチューブ用の分散剤としてアルキルエステル基、ビニリデン基およびアニオン性置換基を有する界面活性剤を用いることが提案されている。
特許文献7には、水系溶媒又は非水系溶媒からなる液媒体中に炭素フィラーを分散させる分散剤として、グリセリル化キトサン、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシブチルキトサン及びヒドロキシブチルヒドロキシプロピルキトサン等のヒドロキシアルキルキトサンを主成分とする炭素フィラー用分散剤が提案されている。
特許文献8には、有機溶媒中で炭素材料を均一かつ安定に分散させるために、下記式1で表される構成単位(a1)と式2で表される構成単位(a2)からなり、(a1)と(a2)の質量比(a1)/(a2)が90/10〜10/90であり、重量平均分子量が3,000〜500,000である共重合体(A)からなる炭素材料用分散剤が提案されている。
Figure 2020012230
〔式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を、Rは炭素数16〜22のアルキル基を示す。〕
Figure 2020012230
〔式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を、Rは水素原子または炭素数1〜22のアルキル基を表す。また、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を、nはオキシアルキレン基の付加モル数を示し、1〜100の整数である。〕
特許文献9には、ガラス繊維用分散剤としてカチオン系脂肪酸アミドが従来用いられてきたことが開示されている。また特許文献10には、ガラス繊維の分散剤としてHLBが15以上のノニオン性界面活性剤を用いることが提案されている。特許文献11には、ポリフェニレンサルファイド繊維の分散剤としてポリエチレンオキサイド系の水溶性ポリマー、アクリル酸系ポリマー、カルボン酸型高分子界面活性剤が開示されている。
特開昭60−158227号公報 特開昭56−062538号公報 特開2005−200280号公報 特開2008−248412号公報 特開2008−247968号公報 特開2010−013312号公報 国際公開WO2011/024800パンフレット 特開2012−166154号公報 特開平6−24808号公報 特開2002−201586号公報 特開2012−127018号公報
しかしながら、上記特許文献2〜8の発明はいずれも、ナノメートルからマイクロメートルオーダーのカーボンナノチューブやカーボンファイバーを分散させることを目的としたものであり、また有機溶媒系に分散させるものが主であり、より長い繊維を水系溶媒に分散させることは検討されていなかった。
さらに、特許文献2〜8に記載された分散剤を用いても、炭素繊維等の無機繊維の分散性が不充分であるため、前記特許文献1のような湿式抄紙法では、シートを工業的に効率良く、しかも良好な地合を維持しつつ生産することは困難であった。また、特許文献9〜11の発明を用いても、比較的長繊維(1/2インチ(1.27cm)以上)の炭素繊維やガラス繊維を均一に分散することは困難であった。
そこで、本発明は、特に炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維や、ポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等の有機繊維に対する分散性に優れた湿式抄紙用分散剤及び湿式抄紙用分散組成物の提供を目的とする。また、地合が極めて均一である繊維シートの提供を目的とする。
発明者らは上記課題を解決するために検討を進め、分散剤として特定の化学構造を有するものを選択することによって、無機繊維及び有機繊維を安定に分散できること、また、当該分散剤を用いた分散組成物を湿式抄紙法に供することによって、極めて地合の優れた繊維シートを得られることを見出して、本発明を完成した。
すなわち本発明は次の構成を有する。
[1]アルキルベタイン型両性界面活性剤である、セラミック繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維の湿式抄紙用分散剤。
[2]前記アルキルベタイン型両性界面活性剤は、アルキル基の炭素数が12〜20である、[1]に記載の湿式抄紙用分散剤。
[3][1]又は[2]に記載の湿式抄紙用分散剤と、セラミック繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維とを含む、湿式抄紙用分散組成物。
[4]前記セラミック繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維100質量部に対して、前記湿式抄紙用分散剤の配合量が2〜30質量部である、[3]に記載の湿式抄紙用分散組成物。
[5]前記湿式抄紙用分散組成物に含まれる繊維の繊維長が1.27cm以上である、[3]又は[4]に記載の湿式抄紙用分散組成物。
[6][1]又は[2]に記載の湿式抄紙用分散剤と、前記セラミック繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維とを分散媒に投入し、攪拌を行うことによって、これらを含む分散組成物を得る工程、及び、当該分散組成物から前記分散媒を除去する工程、を含む、繊維シートの製造方法。
本発明の分散剤は、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維やポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等の有機繊維に対する分散剤として優れた分散性を発揮することができる。
また、本発明の湿式抄紙用分散剤と炭素繊維等の分散質とを含む湿式抄紙用分散組成物は、分散質が極めて均一に分散されているため、該湿式抄紙用分散組成物を湿式抄紙法により製造した繊維シートは地合が極めて優れたものとなる。
以下、本発明について、例を挙げて説明する。但し、本発明は以下の説明により限定されない。
なお、本発明において地合とは、紙パルプ協会編『新訂紙パルプ事典』(昭和48年3月10日発行)126〜127頁の記載を参考に、「繊維分散の均一性」のことである。繊維シートの地合が悪化すると、湿式抄紙法により得た繊維シートの強度が著しく低下する原因となるため、地合の良好な繊維シートが求められる。
なお、地合の評価方法として、(1)繊維シートを日光や照明光に透かして見る方法、(2)可視光やベータ線等の透過量の面内分布を、微小スポットで走査してデジタル画像データとして取得し、その画像を解析する方法等が提案されているが、本発明においては、(1)の方法により目視評価した。
〔I.湿式抄紙用分散剤〕
本発明においては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、アルキルベタイン型界面活性剤及びポリエーテル型ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を湿式抄紙用分散剤として使用する。
〔分散剤〕
本発明の湿式抄紙用分散剤に用いられるポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のラウリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のイソデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のトリデシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のノニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のオクチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のエイコシルエーテル等の群から選ばれる1種またはそれ以上が挙げられる。これらの中で、動的表面張力を制御し易くする点および無機繊維、有機繊維の分散性の観点で、アルキルエーテル骨格の炭素数が8〜20であることが好ましく、炭素数が14〜18であることがより好ましい。
商業的に入手できる前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤の具体例としては、例えば、明成化学工業社製の商品名「メイカサーフMK−37」、「メイカサーフDA−13」、日油社製の商品名「ノニオンHT−505」、「ノニオンHT−510」、「ノニオンHT−512」、「ノニオンHT−518」、花王社製の商品名「エマルゲンLS−106」、「エマルゲンLS−110」、「エマルゲンLS−114」、「エマルゲンMS−110」等が挙げられる。
本発明の湿式抄紙用分散剤に用いられるアルキルベタイン型両性界面活性剤としては、例えば、オレイルベタイン、ステアリルベタイン、ミリスチルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ酸アミドプロピルベタイン、ココベタイン等が挙げられる。ガラス繊維等の分散作用及び繊維シートの地合を向上する効果が大きいため、好適に使用できるアルキルベタイン型両性界面活性剤としては、アルキル基の炭素数が12〜20の化合物である。
商業的に入手できる前記アルキルベタイン型両性界面活性剤としては、明成化学工業社製の商品名「ラッコールAL」、東邦化学工業社製の商品名「オバゾリンBC」、「オバゾリンLB」、「オバゾリンLB−SF」、花王社製「アンヒトール 20AB」、「アンヒトール 20BS」、「アンヒトール 24B」、「アンヒトール 55AB」、「アンヒトール 86B」等が挙げられる。
本発明の湿式抄紙用分散剤に用いられるポリエーテル型ウレタン樹脂としては、例えば、2官能ポリオールとポリイソシアネートを反応させたポリウレタンが挙げられる。
本発明のポリエーテル型ウレタン樹脂において使用するポリオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、1,6−ヘキサンジオール等の低分子量のポリオール類、さらにそれらジオール類にアルキレンオキシド類を付加させたポリオキシアルキレンポリオール、オキシエチレン−オキシプロピレンランダム共重合体、メチルアミン、n−ブチルアミン、アニリン等の低分子量のアミン類にアルキレンオキシド類を付加させたポリオキシアルキレンポリオール、さらにはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のポリオールとアジピン酸、フタル酸等の二塩基酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の加水分解物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
また、本発明のポリエーテル型ウレタン樹脂において使用するポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製トリレンジイソシアネート(粗製TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(クールドMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
炭素繊維やポリエステル繊維等の分散性の観点から、前記ポリオールがポリエチレングリコール及びオキシエチレン−オキシプロピレンランダム共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であり、前記ポリイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びノルボルネンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。該ポリエーテル型ウレタン樹脂、繊維を含む分散組成物を湿式抄紙法によりシート化すると、極めて均一な地合の繊維シートが得られ、好ましい実施態様の一つである。
また、本発明のポリエーテル型ウレタン樹脂の添加剤としてウレタン樹脂の反応温度を高くして早く反応を完結させるため、耐熱性を付与する熱安定剤を使用するのが好ましい。このような熱安定剤としては、カルバジド系化合物が挙げられる。
商業的に入手できる前記ポリエーテル型ウレタン樹脂の具体例としては、例えば、明成化学工業社製の商品名「パスコール HA−52」、「パルセットHA」、第一工業製薬社製の商品名「スーパーフレックスSF150」、「スーパーフレックスSF150HS」、「スーパーフレックスSF210」、「スーパーフレックスSF800」、「スーパーフレックスSF870」、「スーパーフレックスSF460」、「スーパーフレックスSF470」、三井化学社製の商品名「タケラックWS5000」、「タケラックWS6021」、「タケラックW6010」、「タケラックW6020」、「タケラックW6061」、「タケラックW605」等が挙げられる。
本発明の湿式抄紙用分散剤において、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤及びポリエーテル型ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の配合量は、分散質(分散される繊維)100質量部に対して、2〜30質量部(固形分)であるのが好ましく、2〜20質量部(固形分)であることがより好ましい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤及びポリエーテル型ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の配合量が2質量部未満であると、炭素繊維やポリエステル繊維等の分散性が低下し、該繊維を含む湿式抄紙用分散組成物を湿式抄紙法によりシート化した際、均一な地合が得られないおそれがある。逆に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤及びポリエーテル型ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の配合量が30質量部を超えると、無機繊維や有機繊維の凝集を防止する効果を発揮することができたとしても、繊維シートを抄紙する際の湿紙強度が低下して繊維シートの破断が頻発するおそれがある。
〔分散剤の効果、用途〕
次に、本発明の湿式抄紙用分散剤の効果、用途について説明する。
分散剤に求められる機能としては、(a)繊維をばらばらに解すこと、(b)ばらばらに解れた繊維を凝集させずに、安定化させることである。
まず、分散媒中で凝集している繊維の中に分散剤を添加すると、分散剤は繊維に吸着し、繊維を分散媒に濡れやすくする。そうすることで、繊維間に存在する空気が分散媒と置き換わりやすくなり、凝集している繊維がばらばらに解れていく。次に、ばらばらに解れた繊維の表面に吸着した分散剤が、繊維同士の接近を防止し分散組成物を安定化させる。これは、分散剤の電荷による反発、および分散剤の立体障害(分子間反発力)等による繊維間の反発安定化であると考えられる。
本発明の湿式抄紙用分散剤は、前述の通り、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤及びポリエーテル型ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。これらの化合物が無機繊維や有機繊維等に対して優れた分散性を示すメカニズムは定かではないが、以下のメカニズムにより推測される。すなわち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤やアルキルベタイン型両性界面活性剤のアルキル鎖の鎖長を制御することにより疎水性である繊維表面に吸着しやすくなり、吸着後の分子間反発力により分散安定化しているのではないかと考えられる。また、ポリエーテル型ウレタン樹脂はウレタン結合部分が疎水性である繊維表面に比較的吸着しやすく、ウレタン樹脂自身の凝集力も強いため、繊維に一度吸着・挿入されてしまうと繊維同士の凝集を阻害する効果があるのではないかと考えられる。
本発明の湿式抄紙用分散剤は、前記分散質と他の物質との混合物に対しても、優れた分散性を発揮する。具体的には、例えば、CNT(カーボンナノチューブ)等の無機粒子やポリエステル繊維、アラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等の有機繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維と無機塩等のイオン性添加剤との混合物に対しても優れた分散性を発揮する。
〔分散質〕
本発明の分散剤を用いると、有機繊維や無機繊維等を分散質として好適に分散することができる。分散質は、自家調製してもよいし市販のものを用いてもよい。
(有機繊維)
分散質である有機繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTMT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンナフタレート(PTMN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル繊維、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、セルロース繊維、セルロースナノ繊維(CNF)等が挙げられる。
ここで、アラミド繊維としてはp−フェニレンジアミンとテレフタル酸クロリドから共縮重合して得られるパラ系アラミド繊維あるいはm−フェニレンジアミンとイソフタル酸クロリドから共縮重合して得られるメタ系アラミド繊維のいずれもが使用可能であり、100〜10,000dtexの繊維を好適に用いることができる。
なかでも、本発明の湿式抄紙用分散剤は、ポリエステル繊維、アラミド系繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、セルロース繊維に対する分散効果が高い傾向がある。また、当該有機繊維としては、単繊維の直径が好ましくは5〜20μmであり、繊維長が好ましくは100mm以下である。一般的に、繊維長が長くなるに従って繊維は分散し難くなる傾向があるが、本発明の分散剤を使用すると分散が可能となる。
(無機繊維)
分散質である無機繊維としては特に限定されるものではなく、その目的に応じて適宜選択すればよい。本発明に用いられる無機繊維としては、例えば炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維、バサルト繊維等を挙げることができる。なかでも、本発明の分散剤は、炭素繊維、ガラス繊維に対する分散効果が高い傾向がある。
ここで、炭素繊維としては、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、気相成長系炭素繊維、これらの黒鉛化繊維等が例示される。PAN系炭素繊維は、ポリアクリロニトリル繊維を原料とする炭素繊維である。ピッチ系炭素繊維は石油タールや石油ピッチを原料とする炭素繊維である。セルロース系炭素繊維はビスコースレーヨンや酢酸セルロース等を原料とする炭素繊維である。気相成長系炭素繊維は炭化水素等を原料とする炭素繊維である。これらのうち、強度と弾性率のバランスに優れる点で、PAN系炭素繊維が好ましい。
なお、上記の無機繊維等は、複合材料を製造する際に適宜行われている表面処理をしたものであってもよい。このような表面処理に用いる表面処理剤としては、例えば炭素繊維に対するエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド(ナイロン)樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ボリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。これらに示したものの共重合体や変性体、それらを含むものを2種以上混合して使用してもよい。
ガラス繊維としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Sガラス、Dガラス、ARガラス等、ガラス繊維であればいずれでも使用可能であるが、コストの観点からEガラスが好適に用いることができる。ガラス繊維の繊維径は6〜20μmが好適に用いられ、断面形状は円形の他に楕円や矩形等の扁平ガラスも使用可能である。
金属繊維としては、例えば、金、銀、銅、黄銅、鉄、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス等の金属、および複合金属からなる繊維が挙げられる。
セラミック繊維としては、特に限定されないが、例えば、溶融法によって得られ、アルミナとシリカとを主成分とし、かつアルミナ・シリカ質量比が通常30:70〜60:40であるセラミック繊維であり、市販品としては、例えば、新日化サーマルセラミックス社製の商品名「SCバルク1260」、ITM社製の商品名「FXLバルクファイーバー」、イソライト工業社製の商品名「イソウール1260バルク」、イビデン社製の商品名「セラミックファイバー バルク」等が挙げられる。
バサルト繊維としては、特に限定されないが、玄武岩より溶融紡糸された環境にやさしい高強度の繊維であって、抗張力、耐熱性、耐紫外線性、耐酸・アルカリ性に優れ、アラミド繊維に匹敵する強度を有する繊維が挙げられる。市販品としては、例えば、JCK社製の「バサルトチョップドストランド」、アルテクロス社製の「バサルトチョップドストランド」等が挙げられる。
本発明において、無機繊維、有機繊維は、連続した繊維から構成されるもの、あるいは不連続な繊維から構成されるもののどちらでもよいが、より良好な分散状態を達成するためには、不連続な繊維が好ましく、チョップド繊維がより好ましい。
無機繊維、有機繊維の太さ(径)としては、特に限定されるものではないが、1〜20μm、好ましくは3〜18μm程度である。繊維の太さ(径)が1μmより細いと、製造工程あるいは使用中に人体に取り込まれた場合に発がん性を有する場合があるため、好ましくない。また、繊維の太さ(径)が、20μmより太いと、分散の均一性が悪化するおそれがある。
また、無機繊維、有機繊維の繊維長としては、1〜50mmであることが好ましく、3〜30mmであることがより好ましい。繊維長が1mm未満であると無機繊維、有機繊維による補強効果を効率よく発揮することが困難となるおそれがある。50mmを超えると、分散状態を良好に保つのが困難となるおそれがある。ここで、繊維長は単繊維の長さをいい、繊維軸方向の長さをノギスで測定する、あるいは単繊維を取り出し顕微鏡で観察して測定され得る。
(その他の分散質)
本発明の分散剤で分散される分散質としては、上記の無機繊維及び有機繊維以外に、繊維以外の成分、例えば次のような無機粒子や有機粒子を含んでもよい。
(無機粒子)
無機粒子としては、特に制限されず、例えば、カーボン、シリカ(酸化ケイ素)、金属粒子、金属ナノ粒子、無機塩等が挙げられる。なお、本発明において前記無機粒子とは、例えば、有機官能基により表面修飾されたものも含む。有機官能基により表面修飾された無機粒子とは、例えば、有機官能基により表面修飾されたカーボンナノチューブ、有機官能基により表面修飾されたシリカ等が挙げられる。また、本発明において、金属粒子とは、金属の単体、合金等の粒子に限定されず、金属化合物(例えば、金属酸化物)の粒子も含む。
(有機粒子)
有機粒子としては、例えば、有機顔料、樹脂粒子等が挙げられる。前記有機顔料としては、アゾメチン等のアゾ顔料、イソインドリノン、イソインドリン、アントラキノン、アントロン、キサンテン、ジケトピロロピロール、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、インジゴイド、ジオキサジン、フタロシアニン(フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等)等の多環顔料等が挙げられる。前記樹脂粒子としては、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
〔分散媒〕
分散媒とは無機繊維、有機繊維等の分散質を分散させ得る媒体を意味する。
本発明で使用できる分散媒としては、水、芳香族炭化水素系溶剤、炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、酢酸エステル系溶剤、ジアルキルエーテル系溶剤、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、ニトリル系溶剤、カーボネート系溶剤等が挙げられるが、水が好ましい。水としては、通常の水道水のほか、蒸留水、精製水等の水を使用することができる。なお、前記分散媒は、単独で用いてもよいし、複数種類併用してもよい。
本発明において、分散質である無機繊維又は有機繊維は、分散剤とともに分散媒に投入して使用する。繊維(分散質)の投入量は、分散媒1Lに対して0.1〜10g、好ましくは0.3〜7g、より好ましくは0.5〜5gの範囲で調製し得る。該範囲とすることにより、繊維が分散媒に効率よく分散し、均一に分散した湿式抄紙用分散組成物を短時間で得ることができる。分散媒中に無機繊維、有機繊維を分散させる際には、適宜適切な装置、例えば、各種の離解機(パルパー)、各種のビーター、各種のリファイナー、または各種のミキサー等を用いて撹拌を行う。
[II.湿式抄紙用分散組成物]
次に、本発明の湿式抄紙用分散組成物について説明する。本発明の湿式抄紙用分散組成物は、前記湿式抄紙用分散剤と、前記分散質とを含み、さらに、前記分散媒を含んでいてもよい。
(添加剤)
本発明の湿式抄紙用分散組成物は、任意成分として、さらに、必要に応じて添加剤を含んでもよい。具体的には、例えば、本発明の湿式抄紙用分散組成物は、公知の浸透剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、粘度調整剤、pH調整剤等を、分散性を損なわない範囲で、添加剤として含んでもよい。本発明の湿式抄紙用分散組成物を湿式抄紙法により繊維シート化する際には、前記湿式抄紙用分散組成物に増粘剤を配合することが好ましい。該増粘剤としては、特に限定されないが、粘度平均分子量が500万〜1500万であるアニオン性ポリアクリルアミドを配合することが好ましい。前記アニオン性ポリアクリルアミドとしては、例えば、(メタ)アクリルアミドとアクリル酸共重合体のナトリウム塩が挙げられる。市販品としては、例えば、明成化学工業社製の商品名「パムオール」、「パムオール120」、「パムオールH」、「パムオールHQ」、「パムオールM」、「パムオールSQ」、MTアクアポリマー社製の商品名「スミフロックFA40」、「スミフロックFA40H」、「スミフロックFA41HC」、「スミフロックFB40」、「スミフロックFA50」、「スミフロックFA50H」、「スミフロックFA70」、多木化学社製の商品名「タキフロックA−102」、「タキフロックA−102T」、「タキフロックA−112T」、「タキフロックA−132」、「タキフロックA−103」、「タキフロックA−103E」、「タキフロックA−103T」、「タキフロックA−103TE」、「タキフロックA−113T」、「タキフロックA−133」、「タキフロックA−104」、「タキフロックA−104T」、「タキフロックA−105T」、「タキフロックA−106T」、「タキフロックA−177T」等が挙げられる。
また、本発明の湿式抄紙用分散組成物は、例えば、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基またはそれらの塩等のイオン性添加剤を添加剤として含んでもよい。
なお、本願におけるアニオン性ポリアクリルアミドの粘度平均分子量(Mw)は、ポリアクリルアミドを1Nの硝酸ナトリウム水溶液に溶解し、30℃で極限粘度〔η〕を求め、下記の換算式を用いて算出する値である。
極限粘度式:[η]=3.73×10−4×(Mw)×0.66
該式によれば、非イオン性のポリアクリルアミドだけでなく、カチオン性、アニオン性、両性高分子についても粘度平均分子量を求めることができる(特開2003−211823号公報段落〔0013〕、特開2002−030282号公報段落〔0013〕、特開平11−310615号公報段落〔0037〕、特開2010−158668号公報段落〔0047〕等)。
前記増粘剤(アニオン性ポリアクリルアミド)の配合量は、前記湿式抄紙用分散組成物中に10〜1000ppmであることが好ましい。増粘剤の配合量が10ppm未満であると、前記分散質を含む湿式抄紙用分散組成物を湿式抄紙法によりシート化すると、地合が不充分となるおそれがある。また、増粘剤の配合量が1000ppmを超えると、前記分散質を含む湿式抄紙用分散組成物の粘度が高くなり過ぎ、湿式抄紙の速度が極めて低速となってしまうおそれがある。
次に、本発明の湿式抄紙用分散組成物の調製方法について説明する。本発明の湿式抄紙用分散組成物は、分散媒中に前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤及びポリエーテル型ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である分散剤、及び、無機繊維または有機繊維等の分散質を投入し、パルパー等で撹拌(離解)した後、チェスト等に移送し、アニオン性ポリアクリルアミド系の増粘剤を追添加してさらに撹拌を行うことによって調製することが好ましい。撹拌方法として、公知の技術を用いてもよく、具体的には、例えば、各種の離解機(パルパー)、ナイアガラビーター等の各種のビーター、又はシングルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー等の各種のリファイナー、各種のミキサー等を用いて分散させることができる。
[III.繊維シートの製造方法]
前記の無機繊維や有機繊維を含む湿式抄紙用分散組成物は、分散媒を除去してシート化する、いわゆる湿式抄紙法といわれる方法によって繊維シートを製造することができる。湿式抄紙法に用いる抄紙機としては、傾斜ワイヤー型抄紙機、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機といった既知の抄紙機を用いることができる。
このような湿式抄紙法で繊維シートを製造する場合、繊維間の物理的な絡み合いだけではハンドリング可能なシートとしての(湿紙)強度が不足するおそれがある。その際には、バインダーを添加して繊維間を結着させてもよい。
バインダーを添加する場合には、湿式抄紙法により繊維シートを形成する工程で、バインダーを含む溶液又はバインダーを含むエマルジョンを内添、あるいは繊維シート形成後、該繊維シートに前記バインダーを塗布又は含浸させ、加熱乾燥させる工程を備えることが好ましい。このようなバインダーとしては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド(ナイロン)樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂(芯鞘構造)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール等の熱水溶融する樹脂等、一般的な不織布製造に使用されるものを用いることができる。
また、より分散性を高めるために、前記分散組成物を得る工程に、粘度平均分子量が500万〜1500万であるアニオン性ポリアクリルアミドを10〜1000ppm添加することを含むこともできる。この場合、まず本発明の湿式抄紙用分散剤を用いて無機繊維または有機繊維等を初期分散し、その後アニオン性ポリアクリルアミド系増粘剤を添加して分散安定化を行うことが好ましい。この順番で湿式抄紙用分散剤とアニオン性ポリアクリルアミド系増粘剤を添加すると、添加の順番を逆にした場合、あるいは両者を一緒に添加した液(分散媒)に分散質を投入して離解せしめた場合よりも、良好な分散状態を得ることができる。そのようにすることによって、湿式抄紙するに際し、従来困難とされていた無機繊維等の均一分散を良好且つ速やかに行うことができるため、極めて均一に分散した無機繊維分散液等の抄紙液(スラリー)を容易に得ることができる。このため、本方法によれば、地合に優れた無機繊維シート等を効率よく製造することが可能となり、各種樹脂と複合化することにより繊維強化プラスチック成形体等とすることができる。
以下に本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。また、以下において、配合量を示す「部」は、質量部を示し、「%」は、「質量%」を示す。
〔実施例:無機繊維、有機繊維分散組成物の調製及び繊維シートの製造〕
<実施例1>
炭素繊維(東レ社製:商品名「トレカT800HB−12000」)を繊維長13mmにカットし、チョップドファイバを得た。
室温にてミキサー(東芝社製:商品名「MX−C20G」)に上記炭素繊維1.0g、分散剤1(ポリエチレングリコールおよびオキシエチレン−オキシプロピレンランダム共重合体と、ヘキサメチレンジイソシアネートを反応させたポリエーテル型ウレタン樹脂:明成化学工業社製 商品名「パルセットHA」)0.05g、水500mlを加え、スライダックにて電圧を30Vに制御して2分間撹拌して炭素繊維スラリー(分散組成物)を得た。
得られた炭素繊維スラリーを水で希釈し(水量5000ml)、さらにアニオン性ポリアクリルアミド(明成化学工業社製 商品名「パムオール」、粘度平均分子量:1000万)〔増粘剤〕を200ppm添加して上記ミキサーで同様に撹拌してから、TAPPI式角形シートマシン(安田精機製作所製)にて坪量20g/mとなるように抄紙した。
得られた炭素繊維シートを乾燥し、シートの地合を下記の基準で目視評価した。
〔地合評価〕
シートの地合が極めて均一で、全くムラ(繊維の結束)がないものを7(良)、シートの地合が極めて不均一で、シート全体にムラ(繊維の結束)が存在するものを1(悪)として、地合の均一性を、
<地合が極めて均一である>7、6、5、4、3、2、1<地合が極めて不均一である>の7段階で評価した。
<実施例2>
実施例1において、分散剤1の配合量を0.10gとした以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例3>
実施例1において、分散剤1の配合量を0.25gとした以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例4>
実施例1において、分散剤1の配合量を0.10g、増粘剤の配合量を50ppmとした以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例5>
実施例1において、分散剤1の配合量を0.10g、増粘剤の配合量を100ppmとした以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例6>
実施例1において、分散剤1に換えて分散剤2(ポリエチレングリコールおよびオキシエチレン−オキシプロピレンランダム共重合体と、ヘキサメチレンジイソシアネートを反応させたポリエーテル型ウレタン樹脂:明成化学工業社製 商品名「パスコールHA−52」)を使用し、配合量を0.10gとした以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例7>
実施例1において、分散剤1に換えて分散剤3(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル:明成化学工業社製 商品名「メイカサーフMK−37」)を使用し、配合量を0.10gとした以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例8>
実施例1において、分散剤1に換えて分散剤4(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンテトラデシルエーテル:明成化学工業社製 商品名「メイカサーフDA−13」)を使用し、配合量を0.10gとした以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例9>
炭素繊維(東レ社製:商品名「トレカT800HB−12000」)を繊維長13mmにカットし、チョップドファイバを得た。
室温にてミキサー(東芝社製:商品名「MX−C20G」)に上記炭素繊維1.0g、分散剤1(ポリエーテル型ウレタン樹脂:明成化学工業社製 商品名「パルセットHA」)0.10g、水500mlを加え、スライダックにて電圧を30Vに制御して2分間撹拌して炭素繊維スラリーを得た。
得られた炭素繊維スラリーを水で希釈し(水量5000ml)、TAPPI式角形シートマシン(安田精機製作所製)にて坪量20g/mとなるように抄紙した。
得られた炭素繊維シートを乾燥し、シートの地合を目視評価した。
<実施例10>
実施例9において、分散剤1に換えて分散剤2を使用した以外は実施例9と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例11>
実施例10において、炭素繊維に換えて下記ガラス繊維を用いた以外は実施例10と同様にしてガラス繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
ガラス繊維:日本電気硝子社製 商品名「ECS13S−552I」、繊維径13μmを繊維長13mmにカットしたチョップドファイバ
<実施例12>
実施例11において、分散剤2に換えて分散剤3を使用した以外は実施例11と同様にしてガラス繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例13>
実施例11において、分散剤2に換えて分散剤5(アルキルベタイン型界面活性剤:明成化学工業株式会社製 商品名「ラッコールAL」)を使用した以外は実施例11と同様にしてガラス繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例14>
実施例13において、さらに増粘剤を10ppm配合した以外は実施例13と同様にしてガラス繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例15>
実施例13において、さらに増粘剤を20ppm配合した以外は実施例13と同様にしてガラス繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例16>
実施例11において、ガラス繊維に換えて下記ポリフェニレンサルファイド繊維を用いた以外は実施例11と同様にしてポリフェニレンサルファイド繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
ポリフェニレンサルファイド繊維:KBセーレン社製 商品名「グラディオ」、1.7dtex、繊維長5mmにカットしたチョップドファイバ
<実施例17>
実施例16において、分散剤2に換えて分散剤3を使用した以外は実施例16と同様にしてポリフェニレンサルファイド繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例18>
実施例16において、分散剤2に換えて分散剤4を使用した以外は実施例16と同様にしてポリフェニレンサルファイド繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例19>
実施例17において、さらに増粘剤を10ppm配合した以外は実施例17と同様にしてポリフェニレンサルファイド繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例20>
実施例19において、分散剤3に替えて分散剤4を用いた以外は実施例19と同様にしてポリフェニレンサルファイド繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例21>
実施例10において、炭素繊維に換えて下記ポリエステル繊維を用いた以外は実施例10と同様にしてポリエステル繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
ポリエステル繊維:帝人社製 商品名「テピルス TA04N」、繊維長5mmにカットしたチョップドファイバ
<実施例22>
実施例21において、分散剤2に換えて分散剤3を使用した以外は実施例21と同様にしてポリエステル繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例23>
実施例21において、分散剤2に換えて分散剤4を使用した以外は実施例21と同様にしてポリエステル繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例24>
実施例22において、さらに増粘剤を10ppm配合した以外は実施例22と同様にしてポリエステル繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<実施例25>
実施例23において、さらに増粘剤を10ppm配合した以外は実施例23と同様にしてポリエステル繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
上記実施例1〜25のまとめ及び地合評価の結果を下表1〜3に示す。
Figure 2020012230
Figure 2020012230
Figure 2020012230

<比較例1>
炭素繊維(東レ社製:商品名「トレカT800HB−12000」)を繊維長13mmにカットし、チョップドファイバを得た。
室温にてミキサー(東芝社製:商品名「MX−C20G」)に上記炭素繊維1.0g、分散剤6(ポリエチレンオキサイド:住友精化社製 商品名「PEO−PFZ」)0.05g、蒸留水500mlを加え、スライダックにて電圧を30Vに制御して2分間撹拌して炭素繊維スラリーを得た。
得られた炭素繊維スラリーを水で希釈し(水量5000ml)、TAPPI式角形シートマシン(安田精機製作所製)にて坪量20g/mとなるように抄紙した。
得られた炭素繊維シートを乾燥し、シートの地合を目視評価した。
<比較例2>
比較例1において、分散剤6に換えて分散剤7(花王社製:商品名「エマノーン3199V」、ポリエチレングリコールモノステアレート)を用いた以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<比較例3>
比較例1において、分散剤6に換えて分散剤8(カルボキシメチルセルロースナトリウム:第一工業製薬社製 商品名「セロゲンBSH−12)を用いた以外は比較例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<比較例4>
実施例1において、分散剤1に換えて分散剤6(ポリエチレンオキサイド:住友精化社製 商品名「PEO−PFZ」)を使用し、配合量を0.10gとした以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<比較例5>
実施例1において、分散剤1に換えて分散剤7(花王社製:商品名「エマノーン3199V」、ポリエチレングリコールモノステアレート)を使用し、配合量を0.10gとした以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
<比較例6>
実施例1において、分散剤1に換えて分散剤8(第一工業製薬社製:商品名「セロゲンBSH−12」、カルボキシメチルセルロースナトリウム)を使用し、配合量を0.10gとした以外は実施例1と同様にして炭素繊維シートを作成し、シートの地合を目視評価した。
上記比較例1〜6のまとめ及び地合評価の結果を下表4に示す。
Figure 2020012230
表1〜表3に示すように、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤、アルキルベタイン型両性界面活性剤又はポリエーテル型ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を湿式抄紙用分散剤として用いた実施例1〜25では、炭素繊維やガラス繊維等の無機繊維、ポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等の有機繊維を非常に均一に分散することができた。また、該湿式抄紙用分散組成物を湿式抄紙して得られた繊維シートの地合は均一で、ムラのないものであった。一方、表4に示すように、分散剤としてポリエチレンオキサイドを用いた比較例1、ポリエチレングリコールモノステアレートを用いた比較例2、カルボキシメチルセルロースナトリウムを用いた比較例3では、本発明の前記分散剤に対し、無機繊維や有機繊維の分散性が大きく劣り、その分散組成物を湿式抄紙して得られた繊維シートの地合は不均一で、シート全体にムラが認められた。また、比較例4〜6に示すように、比較例1〜3においてアニオン性ポリアクリルアミド(増粘剤)を配合しても地合の改善効果は認められなかった。
以上、説明したとおり、本発明の湿式抄紙用分散剤は、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維の分散剤として優れた分散性を発揮できる。また、本発明の湿式抄紙用分散剤は、ポリエステル繊維やポリフェニレンサルファイド繊維等の有機繊維の分散質にも適用でき、優れた分散性を発揮できる。このため、本発明の湿式抄紙用分散剤は、広範な技術分野に適用可能であり、前記繊維を分散した分散組成物(スラリー)を抄紙して得た繊維シートは、例えば、各種熱可塑性樹脂等と複合化することにより繊維強化プラスチック成形体等の分野で使用することができる。

Claims (6)

  1. アルキルベタイン型両性界面活性剤である、セラミック繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維の湿式抄紙用分散剤。
  2. 前記アルキルベタイン型両性界面活性剤は、アルキル基の炭素数が12〜20である、請求項1に記載の湿式抄紙用分散剤。
  3. 請求項1又は2に記載の湿式抄紙用分散剤と、セラミック繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維とを含む、湿式抄紙用分散組成物。
  4. 前記セラミック繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維100質量部に対して、前記湿式抄紙用分散剤の配合量が2〜30質量部である、請求項3に記載の湿式抄紙用分散組成物。
  5. 前記湿式抄紙用分散組成物に含まれる繊維の繊維長が1.27cm以上である、請求項3又は4に記載の湿式抄紙用分散組成物。
  6. 請求項1又は2に記載の湿式抄紙用分散剤と、前記セラミック繊維及びアラミド繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維とを分散媒に投入し、攪拌を行うことによって、これらを含む分散組成物を得る工程、及び、当該分散組成物から前記分散媒を除去する工程、を含む、繊維シートの製造方法。
JP2019195267A 2019-10-28 2019-10-28 湿式抄紙用分散剤、湿式抄紙用分散組成物及び繊維シートの製造方法 Pending JP2020012230A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019195267A JP2020012230A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 湿式抄紙用分散剤、湿式抄紙用分散組成物及び繊維シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019195267A JP2020012230A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 湿式抄紙用分散剤、湿式抄紙用分散組成物及び繊維シートの製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015180999A Division JP6637275B2 (ja) 2015-09-14 2015-09-14 湿式抄紙用分散剤、湿式抄紙用分散組成物及び繊維シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020012230A true JP2020012230A (ja) 2020-01-23

Family

ID=69169476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019195267A Pending JP2020012230A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 湿式抄紙用分散剤、湿式抄紙用分散組成物及び繊維シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020012230A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114837012A (zh) * 2022-05-07 2022-08-02 山东聚芳新材料股份有限公司 一种对位芳纶纸损纸的回用方法
WO2024038843A1 (ja) * 2022-08-19 2024-02-22 日東電工株式会社 断熱材

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08209585A (ja) * 1995-02-03 1996-08-13 Mitsubishi Paper Mills Ltd 地合の良好なガラス繊維シートおよびその製造方法
JP2001098488A (ja) * 1999-07-29 2001-04-10 Sumitomo Chem Co Ltd 耐熱性触媒シートおよびその製造方法
WO2008108484A1 (ja) * 2007-03-05 2008-09-12 Teijin Limited 窒化ホウ素系繊維紙およびその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08209585A (ja) * 1995-02-03 1996-08-13 Mitsubishi Paper Mills Ltd 地合の良好なガラス繊維シートおよびその製造方法
JP2001098488A (ja) * 1999-07-29 2001-04-10 Sumitomo Chem Co Ltd 耐熱性触媒シートおよびその製造方法
WO2008108484A1 (ja) * 2007-03-05 2008-09-12 Teijin Limited 窒化ホウ素系繊維紙およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114837012A (zh) * 2022-05-07 2022-08-02 山东聚芳新材料股份有限公司 一种对位芳纶纸损纸的回用方法
WO2024038843A1 (ja) * 2022-08-19 2024-02-22 日東電工株式会社 断熱材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6692270B2 (ja) 炭素繊維用分散剤、炭素繊維分散組成物、および炭素繊維シートの製造方法
JP5797129B2 (ja) セルロースナノファイバー及び樹脂を含む分散液、並びに樹脂組成物
JP6637275B2 (ja) 湿式抄紙用分散剤、湿式抄紙用分散組成物及び繊維シート
JP5590430B2 (ja) 変性セルロースナノファイバー含有ポリエチレン微多孔膜、セパレーター、及びそれを用いたリチウムイオン電池
JP2020012230A (ja) 湿式抄紙用分散剤、湿式抄紙用分散組成物及び繊維シートの製造方法
US11814794B2 (en) Cellulose fiber molded product and method for manufacturing the same
JP2017145406A (ja) 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物
JP2008050715A (ja) 微小繊維及びその製造方法
JP4278970B2 (ja) 高機械物性と低導電性を発現する繊維強化樹脂用炭素繊維束及びチョップド炭素繊維束並びに炭素繊維強化樹脂組成物
JP2019001938A (ja) 解繊セルロース繊維の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法
JP2004285538A (ja) ポリマーアロイ繊維およびナノファイバーの製造方法
Le Lam Electrospinning of single wall carbon nanotube reinforced aligned fibrils and yarns
JP7451013B2 (ja) 高分子複合体
JP2004079406A (ja) ガス拡散電極の製造方法及び燃料電池
JP2983055B2 (ja) 長繊維の湿式沙造方法
JP2020084378A (ja) 成形体の製造方法および抄造体
CN114514279B (zh) 聚合物复合物
JPWO2018123986A1 (ja) ポリエステルバインダー繊維
CN115667412B (zh) 聚合物复合材料
JP2006077334A (ja) 熱可塑性樹脂強化用炭素繊維
JP2019172797A (ja) 繊維強化樹脂複合材料、その積層体、繊維強化樹脂複合材料用組成物および繊維強化樹脂複合材料の製造方法
JP2010180500A (ja) ポリエステルモノフィラメントおよび工業用織物
JP2013122094A (ja) 抄紙用ポリエステル繊維およびその製造方法
JP2007063399A (ja) 湿式摩擦材およびその製造方法
JP6997982B2 (ja) 繊維の製造方法、モノフィラメント、及びマルチフィラメント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210324

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220601