JP2020010214A - 通信システム、送信装置、遅延信号重畳装置、通信方法、及び制御プログラム - Google Patents

通信システム、送信装置、遅延信号重畳装置、通信方法、及び制御プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2020010214A
JP2020010214A JP2018130598A JP2018130598A JP2020010214A JP 2020010214 A JP2020010214 A JP 2020010214A JP 2018130598 A JP2018130598 A JP 2018130598A JP 2018130598 A JP2018130598 A JP 2018130598A JP 2020010214 A JP2020010214 A JP 2020010214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
delay
transmission
radio wave
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018130598A
Other languages
English (en)
Inventor
飛匡 金森
Takamasa Kanamori
飛匡 金森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2018130598A priority Critical patent/JP2020010214A/ja
Publication of JP2020010214A publication Critical patent/JP2020010214A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

【課題】所定の概周期的な電波妨害を補償可能な通信システムを実現する際に、当該電波妨害を補償しない既存の通信システムを流用可能にする。【解決手段】所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1送信信号を出力する第1送信装置と、前記第1送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延部、及び前記遅延信号成分を前記第1送信信号に重畳した第2送信信号を出力する重畳部を含む遅延信号重畳装置と、前記第2送信信号を送信電波として送信する電波送信部とを含む第2送信装置、及び前記送信電波が伝播してきた受信電波を受信して第1受信信号を出力する電波受信部と、前記所定の遅延時間だけ過去から現在までの前記第1受信信号に基づいて、前記所定の遅延時間だけ過去の前記第1送信信号と同等な第2受信信号を出力する遅延信号除去装置と、前記第2受信信号を復調する第1受信装置とを含む第2受信装置を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、回転物による電波の妨害等の概周期的な電波妨害の影響を補償する、通信技術に関する。
無線通信は、電波が伝播する空間に存在する物体による妨害を受ける。例えば、ヘリコプターにおける無線通信では、ヘリコプターの回転翼(ローター、ブレード)によるローターモジュレーションが発生することがある。ローターモジュレーションとは、無線通信装置をヘリコプターに設置し、その無線通信装置と他のユニット(飛行機、船舶、地上基地局、携帯端末、人工衛星、建物等)に設置された無線通信装置との間で通信を行う場合に、電波がヘリコプターの回転翼の通過毎に妨害され、通信品質が著しく低下してしまう現象である。
以下の説明において、プリアンブル(PR)信号とは、通信データ信号の時間軸上の過去側(前)に配置される、同期用や等化トレーニング用等の通信データ信号以外の信号の総称である。PR信号のうち、フレーム同期用ビット列を、特にユニークワード(UW)と称する。
ローターモジュレーションを補償する技術の一例が、非特許文献1及び2に開示されている。非特許文献1及び2のヘリコプター衛星通信(ヘリサット)システムでは、ヘリコプターからのHDTV(High-definition Television)伝送用のバーストフォーマット例は、先頭にある1088シンボルのクロック同期用のPR信号と、それに続く、64シンボルのUWと1088シンボルの符号化された通信データとの対の列とを含む。ヘリサットシステムでは、ヘリコプターのプロペラの下側に設置された通信アンテナは、衛星から同じデータが4回送信された際に、その中の何個かを受信する。上記構成の結果、非特許文献1及び2の技術は、通信データの受信をより確実にする。
ローターモジュレーションを補償する技術の別の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1のアンテナ切替方式では、ローターモジュレーション対策として、複数のアンテナを用いた無線伝送が行われる。ここで、送信データとトレーニングデータ(PR信号)とが交互に伝送される。そして、アンテナは、(等化)トレーニングデータの伝送期間に限定されて、切替えられる。上記構成の結果、特許文献1のアンテナ切替方式では、アンテナ切替に伴うデータ誤りの発生が抑制される。
ローターモジュレーションを補償する技術の更に別の一例が、特許文献2に開示されている。特許文献2のヘリコプター搭載通信装置では、地上局は、ヘリコプターへ無線通信の時間ダイバーシティ信号を送信する。そして、ヘリコプター搭載通信装置は、時間ダイバーシティ信号を通信衛星経由で、第1アンテナ又は第2アンテナにより受信する。そして、ヘリコプター搭載通信装置は、回転翼による受信ビームの回転遮断と、回転翼回転軸やコックピットがあることにより生ずる構造物遮断とを推定し、推定結果に基づいてアンテナを切替える。上記構成の結果、特許文献2のヘリコプター搭載通信装置では、ヘリコプター通信における品質(通信の連続性)が向上される。
ローターモジュレーションを補償する技術の更に別の一例が、特許文献3に開示されている。特許文献3のヘリコプター通信システムは、ヘリコプター搭載通信装置と地上局通信装置とを含む。地上局通信装置は、映像や音声等の送信データを圧縮符号化し、圧縮符号化された送信データを変調し、送信機及びアンテナを介して通信衛星へ送信する。ここで、地上局通信装置は、ヘリコプターの姿勢情報(ロール、ピッチ、ヨー角、及び機首方角)並びに位置情報(航行高度、緯度、経度)等からなる慣性航法データ、及び回転翼検出信号に基づいて、通信衛星の方向へ向けたアンテナビームを回転翼が遮る遮断タイミングを推定する。そして、地上局通信装置は、推定された遮断タイミングに基づいてデータ圧縮パラメータを選択する。上記構成の結果、特許文献3のヘリコプター通信システムは、情報速度を可変化して、より高品質なヘリコプター通信を提供する。
ローターモジュレーションを補償する技術の更に別の一例が、特許文献4に開示されている。特許文献4のヘリコプター間通信システムでは、送信側は、回転翼の回転周期より長いダミー期間にプリアンブル信号を送信すると共に、前フレーム前半と次フレーム後半に繰り返し低速データ信号が挿入された通信データを送信する。ヘリコプター間通信システムの受信側は、位相偏移変調された受信信号への周囲の変動の外乱による妨害特性と回転翼の回転周期と妨害期間と妨害特性との変調誤り訂正である等化を学習する。そして、受信側は、前フレーム前半と次フレーム後半に繰り返し低速データ信号が挿入された受信信号を等化する。そして、受信側は、前フレームの受信信号と、次フレームの受信信号と、前フレームの受信信号と次フレームの受信信号とを最大比合成した受信信号とに基づいて、変調誤り訂正単位のシンボル毎、パリティビットによる誤り訂正単位のワード毎、又はパリティワードによる誤り訂正単位のパケット毎に、受信状態の良い受信信号を選択する。そして、受信側は、受信データを復調、復号、及び誤り訂正し、低速データ信号を出力する。上記構成の結果、特許文献4のヘリコプター間通信システムは、通信誤りを低減する。
特開2002−135181号公報 特開2011−024038号公報 特開2009−171514号公報 特開2015−070388号公報
ヘリコプターからのHDTV伝送(高画質伝送)のための衛星通信技術に関する調査検討報告書"、8頁、スカパーJSAT株式会社、[online]、平成21年3月、[平成30年4月20日検索]、インターネット(URL:http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/system/satellit/05-01.pdf) "ヘリコプター衛星通信システム"、8頁、情報通信研究機構、[online]、2008年8月5日、[平成30年4月20日検索]、インターネット(URL:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/idou_eisei/pdf/080826_1_si1-3-1.pdf)
非特許文献1及び2、並びに、特許文献1乃至4の通信技術は、ローターモジュレーションへの対策として専用に設計された方式である。つまり、これらの技術では、ローターモジュレーションを補償可能な方式を実現する際に、ローターモジュレーションを補償しない既存の通信システムを流用できない。即ち、これらの技術では、ローターモジュレーションを補償しない既存の通信システムを、ローターモジュレーションを補償可能にさせるために、既存の通信システム自体を改造する必要があるという問題点があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、所定の概周期的な電波妨害を補償可能な通信システムを実現する際に、当該電波妨害を補償しない既存の通信システムを流用可能にすることを主たる目的とする。
本発明の一態様において、通信システムは、所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を出力する第1の送信装置と、前記第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延部、及び前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳部を含む遅延信号重畳装置と、前記第2の送信信号を送信電波として送信する電波送信部とを含む第2の送信装置、及び前記送信電波が伝播してきた受信電波を受信して第1の受信信号を出力する電波受信部と、前記所定の遅延時間だけ過去から現在までの前記第1の受信信号に基づいて、前記所定の遅延時間だけ過去の前記第1の送信信号と同等な第2の受信信号を出力する遅延信号除去装置と、前記第2の受信信号を復調する第1の受信装置とを含む第2の受信装置を備える。
本発明の一態様において、送信装置は、所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を出力する第1の送信装置と、前記第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延部、及び前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳部を含む遅延信号重畳装置と、前記第2の送信信号を送信電波として送信する電波送信部とを備える。
本発明の一態様において、遅延信号重畳装置は、所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延部と、前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳部とを備える。
本発明の一態様において、通信方法は、第1の送信装置と、遅延信号重畳装置と、電波送信部とを含む第2の送信装置、及び電波受信部と、遅延信号除去装置と、第1の受信装置とを含む第2の受信装置を備えた通信システムにおける通信方法であって、前記第1の送信装置によって、所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を出力し、前記遅延信号重畳装置によって、前記第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力し、前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力し、前記電波送信部によって、前記第2の送信信号を送信電波として送信し、前記電波受信部によって、前記送信電波が伝播してきた受信電波を受信して第1の受信信号を出力し、前記遅延信号除去装置によって、前記所定の遅延時間だけ過去から現在までの前記第1の受信信号に基づいて、前記所定の遅延時間だけ過去の前記第1の送信信号と同等な第2の受信信号を出力し、前記遅延信号除去装置によって、前記第2の受信信号を復調する。
本発明の一態様において、遅延信号重畳装置の制御プログラムは、遅延信号重畳装置が備えるコンピュータに、所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延処理と、前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳処理とを実行させる。
本発明によれば、所定の概周期的な電波妨害を補償可能な通信システムを実現する際に、当該電波妨害を補償しない既存の通信システムを流用できるという効果がある。
本発明の第1の実施形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態における通信システムの構成の具体例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態における通信システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における通信システムの動作を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態における通信システムの動作を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態における通信システムの構成の変形例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態における通信システムの構成の別の変形例を示すブロック図である。 本発明の各実施形態における遅延信号重畳装置等を実現可能なハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、全ての図面において、同等の構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
本発明の各実施形態の基本である、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態における構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態における通信システム700は、無線通信システムである。通信システム700は、第2送信装置300と、第2受信装置600とを含む。
第2送信装置300は、第1送信装置200と、遅延信号重畳装置100と、電波送信部210とを含む。
第1送信装置200は、既存の通信システムに含まれる、送信装置、又は1台の通信装置に含まれる送信部である。第1送信装置200は、所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1送信信号を出力する。
概周期的とは、時間的に近接している2つの周期において各周期は近似的に等しいが、時間的に近接していない2つの周期において各周期は必ずしも近似的に等しくないこととする。例えば、ヘリコプターのローターでは、飛行中にはローターの回転周期が短く、飛行準備時及び飛行終了時には回転周期が長い。しかしながら、飛行中の回転周期はある範囲内に収まり、飛行中の例えば1秒間における回転周期は近似的に一定である。即ち、ヘリコプターのローターにおける回転は概周期的である。又、所定の概周期的な電波妨害(以下、単に「電波妨害」と称す)とは、通信システム700が補償しようとする特定の特性を有する電波障害である。電波妨害は、例えば、ヘリコプターのローター、航走体のプロペラ、航走体の回転、アンテナの回転、又は概周期的な妨害電波源による電波妨害である。電波障害において、電波が妨害される期間を「妨害期間」と、電波が妨害されない期間を「非妨害期間」と、妨害期間の長さを妨害長(妨害長L;Lは正の実数)と、電波が妨害される周期を「妨害周期」(妨害周期T;Tは正の実数)と称することとする。
遅延信号重畳装置100は、第1送信装置200と電波送信部210との間に接続される。遅延信号重畳装置100は、第1送信装置200によって出力された第1送信信号を入力し、第2送信信号を出力する。遅延信号重畳装置100は、遅延部110と、重畳部120とを含む。
遅延部110は、第1送信信号を所定の遅延時間(遅延時間D;Dは正の実数)だけ遅延させた遅延信号成分を出力する。ここで、遅延時間Dは、電波妨害の特性(妨害周期T、妨害長L等)に応じて決定される。遅延時間Dは、補償の対象である電波妨害の特性に応じて、少なくとも1つ決定される。補償の対象である電波妨害の特性が変動しないか又は1つである場合には、遅延時間Dは予め1つ決定されていればよい。但し、決定された遅延時間Dにおいて補償されない特性の電波障害は補償されない。補償の対象である電波妨害の特性が変動する場合には、遅延時間Dは補償の対象である電波妨害の特性に応じて変動させられてもよい。或いは、補償の対象である電波妨害の特性が変動する場合には、遅延時間Dは補償の対象である電波妨害の特性における変動に対応できるように予め2つ以上決定されていてもよい。例えば、ヘリコプターのローターでは、低速回転時における電波障害を補償するための遅延時間D1と、高速回転時における電波障害を補償するための遅延時間D2とが予め決定されていてもよい。
重畳部120は、第1送信信号に遅延信号成分を重畳させた第2送信信号を出力する。ここで、遅延信号成分は、上述した遅延時間Dの数だけ生成され、第1送信信号に重畳される。例えば、上述したヘリコプターのローターに関する例では、遅延時間D1と遅延時間D2とに対応した2つの遅延信号成分が生成され、第1送信信号に重畳される。
電波送信部210は、第2送信信号を送信電波として送信する。電波送信部210は、第1送信装置200に遅延信号重畳装置100を介さずに直接接続された場合にも動作可能であってよい。電波送信部210は、第1送信装置200の一部であってもよい。電波送信部210は、アンテナを含む。電波送信部210は、アンプ等を更に含んでもよい。
第2受信装置600は、電波受信部510と、遅延信号除去装置400と、第1受信装置500とを含む。
電波受信部510は、送信電波が伝播してきた受信電波を受信して第1受信信号を出力する。電波受信部510は、第1受信装置500に遅延信号除去装置400を介さずに直接接続された場合にも動作可能であってよい。電波受信部510は、第1受信装置500の一部であってもよい。電波受信部510は、アンテナを含む。電波受信部510は、アンプ等を更に含んでもよい。
遅延信号除去装置400は、電波受信部510と第1受信装置500との間に接続される。遅延信号除去装置400は、電波受信部510によって出力された第1受信信号を入力し、第2受信信号を出力する。ここで、第2受信信号は、第1送信信号と同等な信号であることとする。ここで、2つの信号が同等であるとは、2つの信号から同じデータを復調できることとする。但し、第2受信信号は、第1受信信号に対して、遅延時間D以上、遅延している。
遅延信号除去装置400は、例えば、適応等化器(自動等化器)である。例えば、既存の通信システムにおける変調方式が定包絡線性を有するならば、遅延信号除去装置400は、定包絡線基準アルゴリズム(CMA:Constant Modulus Algorithm)イコライザにより実現可能である。但し、遅延信号除去装置400は、適応等化器に限定されない。
第1受信装置500は、上述した既存の通信システムに含まれる、受信装置、又は1台の通信装置に含まれる受信部である。第1受信装置500は、上述した仕様に従う第2受信信号を復調する。
通信システム700が電波妨害を補償可能であるためには、第2送信装置300は、妨害期間に妨害されたデータを、非妨害期間に遅延信号成分として送信しなければならない。そこで、まず、第2送信装置300が妨害期間に妨害されたデータを非妨害期間に遅延信号成分として送信可能であるためには、妨害長Lは妨害周期Tの半分以下(L≦T/2)でなければならない。
以下の説明において、例えば、非妨害期間は{[(i−1)×T,i×T−L]}、妨害期間は{[i×T−L,i×T]}(iは全ての整数、“{}”は要素の和集合、“[,]”は半開区間)であることとする。第2送信装置300は、妨害期間に含まれる長さLの区間[T−L,T]において妨害されたデータを、長さLの区間[T−L+D,T+D]において、遅延信号成分として送信することとする。ここで、当該区間は非妨害期間に含まれるので、ある整数n(nは1以上)について、n×T≦T−L+D、且つT+D≦(n+1)×T−L、即ち、(n−1)×T+L≦D≦n×T−Lでなければならない。つまり、通信システム700が電波妨害を補償可能であるためには、少なくとも、遅延時間Dは妨害長L以上でなければならない。
上述したように遅延時間Dに上限は存在しない。しかしながら、遅延時間Dが増加(整数nが増加)すると、通信システム700の通信性能が悪化したり、通信システム700の製造コストが増加したりする可能性が高い。そこで、整数nは1(最小値)であること、即ち、遅延時間Dは、妨害周期Tから妨害長Lを減じた値以下(D≦T−L)であることが望ましい。
図2は、本発明の第1の実施形態における通信システムの構成の具体例を示すブロック図である。
本具体例における遅延信号除去装置400は、抽出部410と、生成部420とを含む。
抽出部410は、第1送信信号が伝播してきた第1受信信号成分、及び遅延信号成分が伝播してきた第2受信信号成分を、第1受信信号から抽出する。
生成部420は、遅延時間Dだけ過去から現在までの、第1受信信号成分及び第2受信信号成分に基づいて、遅延時間Dだけ過去の第1送信信号と同等な第2受信信号を生成及び出力する。
本実施形態における動作について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態における通信システムの動作を示すフローチャートである。より具体的には、図3(A)は本実施形態における遅延信号重畳装置100の動作を示し、図3(B)は図2に示した本実施形態の具体例における遅延信号除去装置400の動作を示す。尚、図3に示すフローチャート及び以下の説明は一例であり、適宜求める処理に応じて、処理順等を入れ替えたり、処理を戻したり、又は処理を繰り返したりしてもよい。
図3(A)を参照すると、先ず、遅延信号重畳装置100の遅延部110は、第1送信装置200から第1送信信号を入力する(ステップS110)。
次に、遅延信号重畳装置100の遅延部110は、第1送信信号を遅延時間Dだけ遅延させた遅延信号成分を出力する(ステップS120)。
続いて、遅延信号重畳装置100の重畳部120は、遅延信号成分を第1送信信号に重畳(加算)した第2送信信号を出力する(ステップS130)。
又、図3(B)を参照すると、先ず、遅延信号除去装置400の抽出部410は、電波受信部510から第1受信信号を入力する(ステップS210)。
次に、遅延信号除去装置400の抽出部410は、第1受信信号から、第1送信信号が伝播してきた第1受信信号成分、及び遅延信号成分が伝播してきた第2受信信号成分を抽出する(ステップS220)。
続いて、遅延信号除去装置400の生成部420は、遅延時間Dだけ過去から現在までの、第1受信信号成分及び第2受信信号成分に基づいて、所定の遅延時間だけ過去の第1送信信号と同等な第2受信信号を生成する(ステップS230)。
続いて、遅延信号除去装置400の生成部420は、第2受信信号を第1受信装置500へ出力する(ステップS240)。
図4は、本発明の第1の実施形態における通信システムの動作を説明する模式図である。ここで、図4(A)乃至図4(E)における横軸は、右方向がより過去(前)で、左方向がより未来(後)である時間軸を表す。又、妨害周期Tは“6”で、妨害長Lは“2”で、遅延時間Dは“3”である。又、アルファベットを付された四角は、アルファベットにより識別されるデータによって変調された信号を表す。又、図において各時刻に2つ存在する信号の上側は、重畳された遅延信号成分を表す。又、網を付された四角は、対応する時刻が妨害期間であることを表す。
第1送信装置200は、第1送信信号を出力する(図4(A))。
遅延信号重畳装置100は、第1送信信号に第1送信信号の遅延信号成分を重畳した第2送信信号を出力する(図4(B))。
第2送信装置300によって送信された送信電波は、電波妨害により、妨害期間において伝搬を妨害される(図4(C))。
第2受信装置600は、妨害期間における信号が欠落した第1受信信号を受信する(図4(D))。
遅延信号除去装置400は、遅延時間Dだけ過去から現在までの第1受信信号に基づいて、遅延時間Dだけ過去の第1送信信号と同等な第2受信信号を生成し、第1受信装置500へ出力する(図4(E))。
以上説明したように、本実施形態における通信システム700は、所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う、既存の通信システムに含まれる、第1送信装置200と第1受信装置500とを含む。
そして、遅延信号重畳装置100の遅延部110は、第1送信装置200によって出力された第1送信信号を遅延時間Dだけ遅延させた遅延信号成分を出力する。そして、遅延信号重畳装置100の重畳部120は、遅延信号成分を第1送信信号に重畳した第2送信信号を出力する。ここで、遅延時間Dは、妨害期間に妨害されたデータを、非妨害期間に遅延信号成分として送信するように決定されている。
一方、遅延信号除去装置400は、電波受信部510によって出力された第1受信信号を入力し、遅延時間Dだけ過去から現在までの第1受信信号に基づいて、第2受信信号を出力する。ここで、第2受信信号は、遅延時間Dだけ過去の第1送信信号と同等な信号である。そして、第1受信装置500は、上述した仕様に従う第2受信信号を復調する。
つまり、本実施形態における通信システム700は、所定の概周期的な電波妨害を補償可能な通信システムである。従って、本実施形態における通信システム700には、所定の概周期的な電波妨害を補償可能な通信システムを実現する際に、当該電波妨害を補償しない既存の通信システムを流用できるという効果がある。
又、本実施形態における通信システム700では、遅延時間Dが妨害周期Tから妨害長Lを減じた値以下(D≦T−L)に決定されている場合には、通信性能の悪化や製造コストの増加を抑制できるという効果がある。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態を基本とする、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の通信システムでは、送信装置又は受信装置はヘリコプターに設置される。又、本実施形態では、通信システムの構成及び動作についてより詳細に説明する。
本実施形態における構成について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態における通信システム705は、一部又は全部がヘリコプターに設置される無線通信システムである。通信システム705は、第2送信装置305と、第2受信装置605とを含む。図5は、第2送信装置305がヘリコプターに設置され、第2受信装置605が他のユニット(飛行機、船舶、地上基地局、携帯端末、人工衛星、建物等)に設置された場合を例示している。
第2送信装置305は、第1送信装置205と、遅延信号重畳回路105(遅延信号重畳装置)と、電波送信部215とを含む。
第1送信装置205は、既存の通信システムに含まれる、送信装置、又は1台の通信装置に含まれる送信部である。第1送信装置205は、ローターモジュレーション(所定の概周期的な電波妨害)を補償する機能を含まない仕様に従う第1送信信号を出力する。
既存の通信システムでは、信号の振幅(包絡線)が一定である(定包絡線性)か、送信信号がPR信号等の既知信号(トレーニングデータ)を含むか、又は送信信号が信号のない期間(ガードタイム、ガードインターバル)を含むこととする。既存の通信システムにおける変調方式は、例えば、定包絡線性を有する、FSK(Frequency Shift Keying)、MSK(Minimum Shift Keying)、又はGMSK(Gaussian Minimum Shift Keying)である。
図5は、第1送信装置205がデジタル/アナログコンバーター225を含む場合を例示している。即ち、第1送信装置205はベースバンド信号を処理して高周波信号を出力し、遅延信号重畳回路105は高周波信号を処理し、電波送信部215は高周波信号を入力する。
遅延信号重畳回路105は、第1送信装置205と電波送信部215との間に接続される。遅延信号重畳回路105は、第1送信装置205によって出力された第1送信信号を入力し、第2送信信号を出力する。遅延信号重畳回路105は、遅延回路115(遅延部)と、加算回路125(重畳部)とを含む。
遅延回路115は、第1送信信号を遅延時間Dだけ遅延させた遅延信号成分を出力する。ここで、特定のローターモジュレーションにおいて、遅延時間Dは、妨害長L以上であり、且つ妨害周期Tから妨害長Lを減じた値以下である(L≦D≦T−L)こととする。
加算回路125は、第1送信信号に遅延信号成分を重畳(加算)させた第2送信信号を出力する。
電波送信部215は、第2送信信号を送信電波として送信する。電波送信部215は、第1送信装置205に遅延信号重畳回路105を介さずに直接接続された場合にも動作可能であってよい。電波送信部215は、第1送信装置205の一部であってもよい。電波送信部215は、アンテナを含む。電波送信部215は、アンプ等を更に含んでもよい。
ローターモジュレーションにおける妨害周期Tは、17乃至149ミリ秒程度である。ローターによる電波の遮断率を8乃至32パーセントとすると、妨害長Lは、1.3乃至48ミリ秒程度である。従って、遅延時間Dは、ローターの特性に応じて、1.3ミリ秒以上且つ101ミリ秒以下の特定の値に決定されている。
第2受信装置605は、電波受信部515と、遅延信号除去回路405(遅延信号除去装置)と、第1受信装置505とを含む。
電波受信部515は、送信電波が伝播してきた受信電波を受信して第1受信信号を出力する。電波受信部515は、第1受信装置505に遅延信号除去回路405を介さずに直接接続された場合にも動作可能であってよい。電波受信部515は、第1受信装置505の一部であってもよい。電波受信部515は、アンテナを含む。電波受信部515は、アンプ等を更に含んでもよい。
遅延信号除去回路405は、電波受信部515と第1受信装置505との間に接続される。遅延信号除去回路405は、電波受信部515によって出力された第1受信信号を入力し、第2受信信号を出力する。ここで、第2受信信号は、第1送信信号と同等な信号であることとする。但し、第2受信信号は、第1受信信号に対して、遅延時間D以上、遅延している。上述したように、遅延時間Dは、ヘリコプターのローターの特性に応じた特定の値(1.3乃至101ミリ秒)に決定されている。
遅延信号除去回路405は、例えば、適応等化器(自動等化器)である。例えば、既存の通信システムにおける変調方式が定包絡線性を有するならば、遅延信号除去回路405は、CMAイコライザにより実現可能である。但し、遅延信号除去回路405は、適応等化器に限定されない。
図5は、遅延信号除去回路405が適応等化器である場合の構成を例示している。この場合、遅延信号除去回路405は、等化フィルタ部415と、誤差推定部425と、利得調整部435とを含む。等化フィルタ部415は、PL信号が入力された際にも、第1受信信号と遅延信号成分とを保持し、第1受信信号と遅延信号成分とを重み付き加算した第2受信信号(等化信号)を出力する。ここで、遅延信号成分は複数個あってもよい。誤差推定部425は、参照信号(PL信号等)と等化信号とに基づいて、誤差信号(推定誤差)を出力する。利得調整部435は、誤差信号に基づいて、等化フィルタ部415による重み付き加算における重みの値(タップ利得)を調整する。等化フィルタ部415は、第1受信信号と遅延信号成分とを保持し、参照信号を用いて調整されたタップ利得を用いて、第1受信信号と遅延信号成分とを重み付き加算した等化信号を出力する。その結果、遅延信号除去回路405は、妨害周期Tや妨害長L等の妨害特性を繰り返し学習することによって、受信信号の等化(遅延信号除去機能、遅延信号重畳回路105の逆回路)を実現する。
第1受信装置505は、上述した既存の通信システムに含まれる、受信装置、又は1台の通信装置に含まれる受信部である。第1受信装置505は、上述した仕様に従う第2受信信号を復調する。
図5は、第1受信装置505がアナログ/デジタルコンバーター525を含む場合を例示している。即ち、電波受信部515は高周波信号を出力し、遅延信号除去回路405は高周波信号を処理し、第1受信装置505は高周波信号を入力してベースバンド信号を処理する。
本実施形態における他の構成は、本発明の第1の実施形態における構成と同様である。
本実施形態における動作について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態における通信システムの動作を説明する模式図である。ここで、図6(A)乃至図6(E)における横軸は、右方向がより過去(前)で、左方向がより未来(後)である時間軸を表す。又、妨害周期Tは“6”で、妨害長Lは“1”で、遅延時間Dは“1”である。又、アルファベットを付された四角は、アルファベットにより識別されるデータによって変調された信号を表す。又、図において各時刻に2つ存在する信号の上側は、重畳された遅延信号成分を表す。又、網を付された四角は、対応する時刻が妨害期間であることを表す。
第1送信装置205は、第1送信信号を出力する(図6(A))。
遅延信号重畳回路105は、第1送信信号に第1送信信号の遅延信号成分を重畳した第2送信信号を出力する(図6(B))。
第2送信装置305によって送信された送信電波は、ヘリコプターの回転翼により、妨害期間において伝搬を妨害される(図6(C))。
第2受信装置605は、妨害期間における信号が欠落した第1受信信号を受信する(図6(D))。
遅延信号除去回路405は、遅延時間Dだけ過去から現在までの第1受信信号に基づいて、遅延時間Dだけ過去の第1送信信号と同等な第2受信信号を生成し、第1受信装置505へ出力する(図6(E))。
遅延信号重畳回路105や遅延信号除去回路405は、高周波信号において処理することが困難な場合には、周波数の低いベースバンド信号において処理しても良い。
図7は、本発明の第2の実施形態における通信システムの構成の変形例を示すブロック図である。
図7は、第1送信装置205がデジタル/アナログコンバーター225を含まず、電波送信部215がデジタル/アナログコンバーター225を含む場合を例示している。即ち、第1送信装置205はベースバンド信号を出力し、遅延信号重畳回路105はベースバンド信号を処理し、電波送信部215はベースバンド信号を入力して高周波信号を出力する。同様に、図7は、第1受信装置505がアナログ/デジタルコンバーター525を含まず、電波受信部515がアナログ/デジタルコンバーター525を含む場合を図示している。即ち、電波受信部515は高周波信号を処理してベースバンド信号を出力し、遅延信号除去回路405はベースバンド信号を処理し、第1受信装置505はベースバンド信号を入力する。
本実施形態における他の動作は、本発明の第1の実施形態における動作と同様である。
以上説明したように、本実施形態における通信システム705は、所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う、既存の通信システムに含まれる、第1送信装置205と第1受信装置505とを含む。
そして、遅延信号重畳回路105の遅延回路115は、第1送信装置205によって出力された第1送信信号を遅延時間Dだけ遅延させた遅延信号成分を出力する。そして、遅延信号重畳回路105の加算回路125は、遅延信号成分を第1送信信号に重畳した第2送信信号を出力する。ここで、遅延時間Dは、妨害期間に妨害されたデータを、非妨害期間に遅延信号成分として送信するように決定されている。
一方、遅延信号除去回路405は、電波受信部515によって出力された第1受信信号を入力し、遅延時間Dだけ過去から現在までの第1受信信号に基づいて、第2受信信号を出力する。ここで、第2受信信号は、遅延時間Dだけ過去の第1送信信号と同等な信号である。そして、第1受信装置505は、上述した仕様に従う第2受信信号を復調する。
つまり、本実施形態における通信システム705は、所定の概周期的な電波妨害を補償可能な通信システムである。従って、本実施形態における通信システム705には、所定の概周期的な電波妨害を補償可能な通信システムを実現する際に、当該電波妨害を補償しない既存の通信システムを流用できるという効果がある。
又、本実施形態における通信システム705では、遅延時間Dは、ヘリコプターのローターの特性に応じて、1.3ミリ秒以上且つ101ミリ秒以下の特定の値に決定されている。従って、本実施形態における通信システム705には、通信性能の悪化や製造コストの増加を抑制できるという効果がある。
尚、遅延信号重畳回路105や遅延信号除去回路405の機能は、ソフトウェアによって実現されても良い。
図8は、本発明の第2の実施形態における通信システムの構成の別の変形例を示すブロック図である。
図8に示すように、本実施形態では、第2受信装置605がヘリコプターに設置され、第2送信装置305が他のユニット(飛行機、船舶、地上基地局、携帯端末、人工衛星、建物等)に設置されてもよい。又、第2受信装置605と第2送信装置305との両方がヘリコプターに設置されてもよい。
図9は、本発明の各実施形態における、遅延信号重畳装置、遅延信号除去装置、第2送信装置、及び第2受信装置(以下、遅延信号重畳装置等)を実現可能なハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
遅延信号重畳装置等907は、記憶装置902と、CPU(Central Processing Unit)903と、キーボード904と、モニタ905と、I/O(Input/Output)装置908とを備え、これらが内部バス906によって接続されている。記憶装置902は、遅延部110、115、重畳部120、125、抽出部410、生成部420、等化フィルタ部415、誤差推定部425、又は利得調整部435(以下、遅延部等)のCPU903の動作プログラムを格納する。CPU903は、遅延信号重畳装置等907の全体を制御し、記憶装置902に格納された動作プログラムを実行し、I/O装置908によって遅延部等のプログラムの実行やデータの送受信を行なう。尚、上記の遅延信号重畳装置等907の内部構成は一例である。遅延信号重畳装置等907は、必要に応じて、キーボード904、モニタ905を接続する装置構成であってもよい。
上述した本発明の各実施形態における遅延信号重畳装置等907は、専用の装置によって実現してもよいが、I/O装置908が外部との通信を実行するハードウェアの動作以外は、コンピュータ(情報処理装置)によっても実現可能である。本発明の各実施形態において、I/O装置908は、例えば、第1送信装置200、第1受信装置500、電波送信部210、又は電波受信部510等との入出力部である。この場合、係るコンピュータは、記憶装置902に格納されたソフトウェア・プログラムをCPU903に読み出し、読み出したソフトウェア・プログラムをCPU903において実行する。上述した各実施形態の場合、係るソフトウェア・プログラムには、上述したところの、図1、2、5、7、及び8に示した、遅延部等の各部の機能を実現可能な記述がなされていればよい。但し、これらの各部には、適宜ハードウェアを含むことも想定される。そして、このような場合、係るソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)は、本発明を構成すると捉えることができる。更に、係るソフトウェア・プログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体も、本発明を構成すると捉えることができる。
以上、本発明を、上述した各実施形態およびその変形例によって例示的に説明した。しかしながら、本発明の技術的範囲は、上述した各実施形態およびその変形例に記載した範囲に限定されない。当業者には、係る実施形態に対して多様な変更又は改良を加えることが可能であることは明らかである。そのような場合、係る変更又は改良を加えた新たな実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。そしてこのことは、特許請求の範囲に記載した事項から明らかである。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を出力する第1の送信装置と、
前記第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延部、及び
前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳部
を含む遅延信号重畳装置と、
前記第2の送信信号を送信電波として送信する電波送信部と
を含む第2の送信装置、及び
前記送信電波が伝播してきた受信電波を受信して第1の受信信号を出力する電波受信部と、
前記所定の遅延時間だけ過去から現在までの前記第1の受信信号に基づいて、前記所定の遅延時間だけ過去の前記第1の送信信号と同等な第2の受信信号を出力する遅延信号除去装置と、
前記第2の受信信号を復調する第1の受信装置と
を含む第2の受信装置
を備えた通信システム。
(付記2)
前記所定の遅延時間は、前記所定の概周期的な電波妨害において、該電波妨害が連続する妨害期間の長さ以上である
付記1に記載の通信システム。
(付記3)
前記所定の遅延時間は、前記所定の概周期的な電波妨害において、該電波妨害の周期から前記妨害期間の長さを減じた値以下である
付記2に記載の通信システム。
(付記4)
一部又は全部がヘリコプターに設置される通信システムであって、
前記所定の遅延時間は、1.3乃至101ミリ秒である
付記1乃至3の何れか1項に記載の通信システム。
(付記5)
前記仕様における変調方式は、定包絡線性を有する
付記1乃至4の何れか1項に記載の通信システム。
(付記6)
前記遅延信号除去装置は、
前記第1の送信信号が伝播してきた第1の受信信号成分、及び前記遅延信号成分が伝播してきた第2の受信信号成分を、前記第1の受信信号から抽出する抽出部と、
前記所定の遅延時間だけ過去から現在までの、前記第1の受信信号成分及び前記第2の受信信号成分に基づいて、前記所定の遅延時間だけ過去の前記第1の送信信号と同等な前記第2の受信信号を生成及び出力する生成部と
を備えた
付記1乃至5の何れか1項に記載の通信システム。
(付記7)
所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を出力する第1の送信装置と、
前記第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延部、及び
前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳部
を含む遅延信号重畳装置と、
前記第2の送信信号を送信電波として送信する電波送信部と
を備えた送信装置。
(付記8)
前記所定の遅延時間は、前記所定の概周期的な電波妨害において、該電波妨害が連続する妨害期間の長さ以上であり、且つ該電波妨害の周期から前記妨害期間の長さを減じた値以下である
付記7に記載の送信装置。
(付記9)
所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延部と、
前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳部と
を備えた遅延信号重畳装置。
(付記10)
前記所定の遅延時間は、前記所定の概周期的な電波妨害において、該電波妨害が連続する妨害期間の長さ以上であり、且つ該電波妨害の周期から前記妨害期間の長さを減じた値以下である
付記9に記載の遅延信号重畳装置。
(付記11)
第1の送信装置と、遅延信号重畳装置と、電波送信部とを含む第2の送信装置、及び
電波受信部と、遅延信号除去装置と、第1の受信装置とを含む第2の受信装置
を備えた通信システムにおける通信方法であって、
前記第1の送信装置によって、所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を出力し、
前記遅延信号重畳装置によって、
前記第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力し、
前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力し、
前記電波送信部によって、前記第2の送信信号を送信電波として送信し、
前記電波受信部によって、前記送信電波が伝播してきた受信電波を受信して第1の受信信号を出力し、
前記遅延信号除去装置によって、前記所定の遅延時間だけ過去から現在までの前記第1の受信信号に基づいて、前記所定の遅延時間だけ過去の前記第1の送信信号と同等な第2の受信信号を出力し、
前記遅延信号除去装置によって、前記第2の受信信号を復調する
通信方法。
(付記12)
遅延信号重畳装置が備えるコンピュータに、
所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延処理と、
前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳処理と
を実行させる遅延信号重畳装置の制御プログラム。
本発明は、ヘリコプターのローター、航走体のプロペラ、航走体の回転、アンテナの回転、概周期的な妨害電波源等によって、無線通信に利用される電波が概周期的に妨害される場合に、通信品質に対する電波妨害の影響を軽減する用途において利用できる。
100 遅延信号重畳装置
105 遅延信号重畳回路
110 遅延部
115 遅延回路
120 重畳部
125 加算回路
200、205 第1送信装置
210、215 電波送信部
225 デジタル/アナログコンバーター
300、305 第2送信装置
400 遅延信号除去装置
405 遅延信号除去回路
410 抽出部
415 等化フィルタ部
420 生成部
425 誤差推定部
435 利得調整部
500、505 第1受信装置
510、515 電波受信部
525 アナログ/デジタルコンバーター
600、605 第2受信装置
700、705 通信システム
902 記憶装置
903 CPU
904 キーボード
905 モニタ
906 内部バス
907 遅延信号重畳装置等
908 I/O装置

Claims (10)

  1. 所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を出力する第1の送信装置と、
    前記第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延部、及び
    前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳部
    を含む遅延信号重畳装置と、
    前記第2の送信信号を送信電波として送信する電波送信部と
    を含む第2の送信装置、及び
    前記送信電波が伝播してきた受信電波を受信して第1の受信信号を出力する電波受信部と、
    前記所定の遅延時間だけ過去から現在までの前記第1の受信信号に基づいて、前記所定の遅延時間だけ過去の前記第1の送信信号と同等な第2の受信信号を出力する遅延信号除去装置と、
    前記第2の受信信号を復調する第1の受信装置と
    を含む第2の受信装置
    を備えた通信システム。
  2. 前記所定の遅延時間は、前記所定の概周期的な電波妨害において、該電波妨害が連続する妨害期間の長さ以上である
    請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記所定の遅延時間は、前記所定の概周期的な電波妨害において、該電波妨害の周期から前記妨害期間の長さを減じた値以下である
    請求項2に記載の通信システム。
  4. 一部又は全部がヘリコプターに設置される通信システムであって、
    前記所定の遅延時間は、1.3乃至101ミリ秒である
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の通信システム。
  5. 前記仕様における変調方式は、定包絡線性を有する
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の通信システム。
  6. 前記遅延信号除去装置は、
    前記第1の送信信号が伝播してきた第1の受信信号成分、及び前記遅延信号成分が伝播してきた第2の受信信号成分を、前記第1の受信信号から抽出する抽出部と、
    前記所定の遅延時間だけ過去から現在までの、前記第1の受信信号成分及び前記第2の受信信号成分に基づいて、前記所定の遅延時間だけ過去の前記第1の送信信号と同等な前記第2の受信信号を生成及び出力する生成部と
    を備えた
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の通信システム。
  7. 所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を出力する第1の送信装置と、
    前記第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延部、及び
    前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳部
    を含む遅延信号重畳装置と、
    前記第2の送信信号を送信電波として送信する電波送信部と
    を備えた送信装置。
  8. 所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延部と、
    前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳部と
    を備えた遅延信号重畳装置。
  9. 第1の送信装置と、遅延信号重畳装置と、電波送信部とを含む第2の送信装置、及び
    電波受信部と、遅延信号除去装置と、第1の受信装置とを含む第2の受信装置
    を備えた通信システムにおける通信方法であって、
    前記第1の送信装置によって、所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を出力し、
    前記遅延信号重畳装置によって、
    前記第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力し、
    前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力し、
    前記電波送信部によって、前記第2の送信信号を送信電波として送信し、
    前記電波受信部によって、前記送信電波が伝播してきた受信電波を受信して第1の受信信号を出力し、
    前記遅延信号除去装置によって、前記所定の遅延時間だけ過去から現在までの前記第1の受信信号に基づいて、前記所定の遅延時間だけ過去の前記第1の送信信号と同等な第2の受信信号を出力し、
    前記遅延信号除去装置によって、前記第2の受信信号を復調する
    通信方法。
  10. 遅延信号重畳装置が備えるコンピュータに、
    所定の概周期的な電波妨害を補償する機能を含まない仕様に従う第1の送信信号を所定の遅延時間だけ遅延させた遅延信号成分を出力する遅延処理と、
    前記遅延信号成分を前記第1の送信信号に重畳した第2の送信信号を出力する重畳処理と
    を実行させる遅延信号重畳装置の制御プログラム。
JP2018130598A 2018-07-10 2018-07-10 通信システム、送信装置、遅延信号重畳装置、通信方法、及び制御プログラム Pending JP2020010214A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018130598A JP2020010214A (ja) 2018-07-10 2018-07-10 通信システム、送信装置、遅延信号重畳装置、通信方法、及び制御プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018130598A JP2020010214A (ja) 2018-07-10 2018-07-10 通信システム、送信装置、遅延信号重畳装置、通信方法、及び制御プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020010214A true JP2020010214A (ja) 2020-01-16

Family

ID=69152325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018130598A Pending JP2020010214A (ja) 2018-07-10 2018-07-10 通信システム、送信装置、遅延信号重畳装置、通信方法、及び制御プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020010214A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022185408A1 (ja) 2021-03-02 2022-09-09 三菱電機株式会社 端末、基地局、制御回路、記憶媒体および通信方法
JP7158625B1 (ja) * 2021-11-25 2022-10-21 三菱電機株式会社 信号制御装置、通信装置、制御回路、記憶媒体、プログラムおよび信号制御方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08213972A (ja) * 1995-02-06 1996-08-20 Nec Corp ダイバーシティ送受信方式
JP2002124898A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Mitsubishi Electric Corp 衛星通信地上局
JP2003169010A (ja) * 2001-12-03 2003-06-13 Mitsubishi Electric Corp 衛星通信方法および衛星通信装置
JP2013198103A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Hitachi Kokusai Electric Inc ヘリコプターにおける通信方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08213972A (ja) * 1995-02-06 1996-08-20 Nec Corp ダイバーシティ送受信方式
JP2002124898A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Mitsubishi Electric Corp 衛星通信地上局
JP2003169010A (ja) * 2001-12-03 2003-06-13 Mitsubishi Electric Corp 衛星通信方法および衛星通信装置
JP2013198103A (ja) * 2012-03-22 2013-09-30 Hitachi Kokusai Electric Inc ヘリコプターにおける通信方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022185408A1 (ja) 2021-03-02 2022-09-09 三菱電機株式会社 端末、基地局、制御回路、記憶媒体および通信方法
JP7158625B1 (ja) * 2021-11-25 2022-10-21 三菱電機株式会社 信号制御装置、通信装置、制御回路、記憶媒体、プログラムおよび信号制御方法
WO2023095267A1 (ja) 2021-11-25 2023-06-01 三菱電機株式会社 信号制御装置、フロー制御装置、通信装置、制御回路、記憶媒体、プログラムおよび信号制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100842569B1 (ko) 다중 입출력 통신시스템에서 신호 수신 방법 및 장치
JP2008017143A (ja) 無線受信装置および方法
WO2017183631A1 (ja) Los-mimo復調装置、通信装置、los-mimo伝送システム、los-mimo復調方法及びプログラム
JP2020010214A (ja) 通信システム、送信装置、遅延信号重畳装置、通信方法、及び制御プログラム
US7890839B2 (en) Radio communication apparatus suppressing correction error while maintaining communication quality, and method and program for error correction
WO2021253435A1 (en) Method and apparatus for sequence determination in wireless transmission
KR20220145389A (ko) 잡음이 있는 과부하된 무선 통신 시스템에서의 이산 디지털 신호의 복구 방법
WO2015045072A1 (ja) 無線通信システム及び送信機
CN115051759A (zh) 一种物理层声电融合的跨水气界面/介质通信系统及方法
EP2962413B1 (en) A method and apparatus for cancellating interference in a wireless communication system
JP5085269B2 (ja) 無線通信装置
US20070098101A1 (en) Cyclic delay diversity in a wireless system
JP2007228057A (ja) 衛星通信システム及び衛星通信用送信局
JP2009060177A (ja) 無線通信装置および無線受信方法
US11683061B2 (en) Unique word and burst header detection for an expanded frequency range
JP6223374B2 (ja) 受信装置
JP2590441B2 (ja) 干渉波検出方法
KR100425611B1 (ko) 통신 단말 장치, 기지국 장치 및 적응 등화 처리 방법
JP2002111565A (ja) アレーアンテナ通信装置および無線通信方法
JP2001257730A (ja) 送信利得調整方法及び無線装置
JP4621121B2 (ja) ダイバーシティ受信装置
JP6265409B2 (ja) 受信装置及び受信方法
JP6549943B2 (ja) 送信装置、受信装置、及び送受信システム
CN108924074B (zh) 均衡器及信道估计方法
JP4408759B2 (ja) 判定帰還型等化器及び受信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210615

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20211015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220802

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230207