JP2002111565A - アレーアンテナ通信装置および無線通信方法 - Google Patents

アレーアンテナ通信装置および無線通信方法

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JP2002111565A
JP2002111565A JP2000295856A JP2000295856A JP2002111565A JP 2002111565 A JP2002111565 A JP 2002111565A JP 2000295856 A JP2000295856 A JP 2000295856A JP 2000295856 A JP2000295856 A JP 2000295856A JP 2002111565 A JP2002111565 A JP 2002111565A
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reference signal
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reception
error
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JP2000295856A
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Takahisa Aoyama
高久 青山
Kenichi Miyoshi
憲一 三好
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度な受信ウェイトおよび送信ウェイ
トを生成すること。 【解決手段】 誤り検出回路111は、仮判定値に対し
て誤り検出処理を行う。FEC符号化回路112は、仮
判定値に対して誤り訂正符号化を行う。参照信号生成回
路113は、誤りが検出されない場合に、FEC符号化
回路112により誤り訂正符号化された仮判定値を用い
て参照信号を生成し、誤りが検出された場合に、既知信
号を用いて参照信号を生成する。適応信号処理回路11
4は、参照信号生成回路113により生成された参照信
号と受信信号とを用いた適応信号処理により、受信ウェ
イトを生成する。アレイ合成回路108は、生成された
受信ウェイトを受信信号に対して乗算して、アレイ合成
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル無線通
信システムにおいて使用される通信装置および無線通信
方法に関し、特に、アレーアンテナを備えた通信装置
(基地局装置および通信端末装置)およびアレーアンテ
ナを用いた無線通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アレーアンテナとは、複数のアンテナ素
子で構成されており、各アンテナ素子で受信する信号に
各々振幅と位相の調整を与えて、受信の指向性を自由に
設定できるアンテナである。この場合、受信信号および
送信信号に対して与える振幅と位相の調整は、受信信号
処理回路においてそれぞれ受信信号および送信信号に複
素係数を乗算することにより行うことができる。以下、
従来のアレーアンテナを備えた基地局装置(以下「アレ
ーアンテナ基地局装置」という。)について説明する。
【0003】図9は、従来のアレーアンテナ基地局装置
の構成を示すブロック図である。図9においては、一例
として、2本のアンテナ素子で構成されたアレーアンテ
ナを備えた基地局装置が示されている。なお、通常、基
地局装置においては、複数の通信端末からの受信信号を
復調するために、複数系統の受信信号処理回路を具備す
るが、図9には、説明の簡略化のために、受信信号処理
回路を1系統のみ設けた場合における基地局装置が示さ
れている。
【0004】図9に示す基地局装置は、通信端末30と
通信を行う際に、アンテナ11およびアンテナ12を用
いて通信端末30からの信号を受信する。アンテナ11
(アンテナ12)により受信された信号は、受信無線回
路13(受信無線回路14)により、基底周波数帯域ま
たは中間周波数帯域にダウンコンバートされ、受信信号
処理回路15(受信信号処理回路16)に出力される。
【0005】受信信号処理回路15(受信信号処理回路
16)では、受信無線回路13(受信無線回路14)か
らの受信信号に対する復調処理が行われる。受信無線回
路13および受信無線回路14により復調された受信信
号は、適応信号処理回路17に出力される。
【0006】適応信号処理回路17では、受信信号処理
回路15および受信信号処理回路16により復調された
各受信信号に対する適応信号処理が行われる。この適応
信号処理回路17において用いられる適応信号処理方式
として、MMSE型の適応信号処理方式が用いられるこ
とが多い。MMSE型の適応信号処理においては、参照
信号が必要となる。この参照信号の生成方法としては、
既知の信号であるパイロット信号のみを用いる方式、デ
ータ部を仮判定した信号を用いる方式、および、データ
部を仮判定した信号とパイロット信号とを用いる方式等
が挙げられる。ここでは、データ部を仮判定した信号を
用いる方式を適用した場合について説明する。
【0007】適応信号処理回路17により受信された信
号は、FEC復号回路18により誤り訂正復号化処理が
なされる。なお、アンテナ11およびアンテナ12によ
り受信された信号は、通信端末30により誤り訂正符号
化処理がなされたものである。FEC復号回路18によ
り誤り訂正復号化処理された信号は、仮判定回路20に
より仮判定がなされた後、FEC符号化回路19により
誤り訂正符号化処理がなされる。このような判定帰還型
の参照信号生成方式により、精度の高い参照信号が生成
される。
【0008】この後、適応信号処理回路17では、上記
のようにFEC符号化回路19により生成された参照信
号と、受信信号処理回路15および受信信号処理回路1
6からの受信信号を用いて、適応信号処理がなされる。
この適応信号処理により受信信号に対して乗算する複素
係数(受信ウェイト)が算出される。さらに、算出され
た複素係数は、受信信号処理回路15および受信信号処
理回路16からの受信信号に対して乗算される。
【0009】これにより、基地局装置10は、希望方向
から到来する電磁波のみを強く受信することができる。
このように希望方向から到来する電磁波のみ強く受信す
ることを「受信指向性を持つ」という。基地局装置10
は、受信指向性を持つことにより、受信SIR(Signal
to Interference Ratio:以下SIRという)を高く保つ
ことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアレーアンテナ基地局装置においては、次のような
問題がある。すなわち、仮判定回路20による仮判定の
結果(仮判定値)が誤った場合には、この仮判定値は誤
り訂正符号化処理された後、そのまま参照信号の生成に
用いられるので、生成される参照信号の精度が低下する
ことになる。
【0011】特に、誤り訂正符号化処理に畳み込み符号
が用いられる場合には、生成される参照信号の精度が著
しく低下する。すなわち、この場合には、1ビットの誤
りを含んだ仮判定値を誤り訂正符号化すると、複数の誤
り訂正符号化後の信号に多数の誤りが生ずることになる
ので、生成される参照信号の精度が大幅に低下する。
【0012】この結果、上記従来のアレーアンテナ基地
局装置においては、生成される参照信号の精度が低下す
ることに伴い、受信ウェイトの精度も劣化するので、通
信相手である通信端末について、受信指向性を持つこと
が困難となることがある。さらに、生成される参照信号
の精度が低下することに伴い、送信ウェイトの精度も劣
化するので、通信相手である通信端末について、送信指
向性を持つことが困難となることがある。このような問
題は、参照信号を必要とするいかなる適応信号処理方式
を採用したアレーアンテナ基地局装置においても、発生
する可能性のあるものである。
【0013】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、高精度な受信ウェイトおよび送信ウェイトを生
成するアレーアンテナ通信装置および無線通信方法を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のアレーアンテナ
通信装置は、通信相手により誤り訂正符号化されている
受信信号に対して受信ウェイトを乗算することにより、
復調信号を生成する復調手段と、誤り訂正復号化された
復調信号に対して仮判定を行うことにより、仮判定値を
得る仮判定手段と、前記仮判定値に対する誤り検出結果
に基づいて、前記受信信号と前記誤り訂正符号化がなさ
れた仮判定値とを用いた適応信号処理を行うことによ
り、前記受信ウェイトを生成する適応信号処理手段と、
を具備する構成を採る。
【0015】本発明のアレーアンテナ通信装置は、適応
信号処理手段は、仮判定値に誤りが存在しない場合に、
誤り訂正符号化がなされた仮判定値を用いて参照信号を
生成し、仮判定値に誤りが存在する場合に、既知信号を
用いて参照信号を生成する参照信号生成手段と、受信信
号と生成された参照信号とを用いた適応信号処理を行う
ことにより受信ウェイトを生成するウェイト生成手段
と、を具備する構成を採る。
【0016】これらの構成によれば、復調処理および誤
り訂正復号化処理された受信信号の仮判定値に誤りが検
出された場合には、パイロット信号のみを用いて参照信
号を生成することにより、参照信号の精度が大幅に劣化
することを防止することができるので、この参照信号を
用いて生成される受信ウェイトの精度の劣化を防止する
ことが可能となる。一方、復調および復号化処理された
受信信号の仮判定値に誤りが検出されない場合には、パ
イロット信号だけでなくデータ信号をも用いて参照信号
を生成することにより、参照信号の精度を高めることが
できるので、この参照信号を用いて生成される受信ウェ
イトの精度を向上させることが可能となるとともに、受
信ウェイトの収束性を高めることも可能となる。
【0017】本発明のアレーアンテナ通信装置は、適応
信号処理手段は、誤り訂正符号化がなされた仮判定値を
用いて参照信号を生成する参照信号生成手段と、仮判定
値に対する誤り検出結果に応じて設定された時定数を用
いて、受信信号と生成された参照信号とを用いた適応信
号処理を行うことにより、受信ウェイトを生成するウェ
イト生成手段と、を具備する構成を採る。
【0018】この構成によれば、復調処理および誤り訂
正復号化処理された受信信号の仮判定値についての誤り
検出結果に応じて、受信ウェイトの生成時における時定
数を変化させることにより、参照信号の生成時に用いる
信号(パイロット信号またはパイロット信号およびデー
タ信号)を誤り検出結果に応じて変化させなくとも、受
信ウェイトの精度の劣化を防止することができるととも
に、受信ウェイトの精度および収束性を向上させること
ができる。
【0019】本発明のアレーアンテナ通信装置は、仮判
定値に対する誤り検出結果を用いて、復調信号の誤り率
を測定する誤り率測定手段を具備し、ウェイト生成手段
は、前記誤り率に応じて設定された時定数を用いる構成
を採る。
【0020】この構成によれば、復調処理および誤り訂
正復号化処理された受信信号の仮判定値の誤り率に応じ
て、受信ウェイト生成時における時定数を変化させるこ
とにより、通信端末装置の通信品質に応じて細かく時定
数を決定することができるので、各通信端末装置につい
て、良好な受信指向性を得ることが可能となる。
【0021】本発明のアレーアンテナ通信装置は、受信
信号に対して受信ウェイトを乗算することにより、復調
信号を生成する復調手段と、前記復調信号の受信品質に
基づいて、前記受信信号と前記復調信号とを用いた適応
信号処理を行うことにより、前記受信ウェイトを生成す
る適応信号処理手段と、を具備する構成を採る。
【0022】本発明のアレーアンテナ通信装置は、適応
信号処理手段は、復調信号の受信品質が閾値以上である
場合に、復調信号を用いて参照信号を生成し、復調信号
の受信品質が閾値を下回る場合に、既知信号を用いて参
照信号を生成する参照信号生成手段と、受信信号と生成
された参照信号とを用いた適応信号処理を行うことによ
り受信ウェイトを生成するウェイト生成手段と、を具備
する構成を採る。
【0023】これらの構成によれば、アレイ合成された
信号の受信品質に応じて、参照信号の生成にデータ信号
を用いることにより、アレイ合成された信号に対して、
符号化処理、仮判定処理、誤り検出処理および符号化処
理を行うことなく(すなわち装置の規模を抑えつつ)、
受信ウェイトの精度の劣化を防止することができるだけ
でなく、参照信号の精度および収束性を高めることがで
きる。
【0024】本発明のアレーアンテナ通信装置は、適応
信号処理手段は、復調信号を用いて参照信号を生成する
参照信号生成手段と、復調信号の受信品質に応じて設定
された時定数を用いて、受信信号と生成された参照信号
とを用いた適応信号処理を行うことにより受信ウェイト
を生成するウェイト生成手段と、を具備する構成を採
る。
【0025】この構成によれば、アレイ合成された信号
の受信品質に応じて、受信ウェイトの生成時における時
定数を変化させることにより、参照信号の生成時に用い
る信号(パイロット信号またはパイロット信号およびデ
ータ信号)を受信品質に応じて変化させなくとも、受信
ウェイトの精度の劣化を防止することができるととも
に、受信ウェイトの精度および収束性を向上させること
ができる。さらに、アレイ合成された信号に対して、符
号化処理、仮判定処理、誤り検出処理および符号化処理
を行う必要がないので、装置の規模を抑えることも可能
となる。
【0026】本発明のアレーアンテナ通信装置は、生成
された受信ウェイトを送信ウェイトとして、通信相手に
対する送信信号に乗算する送信手段を具備する構成を採
る。
【0027】この構成によれば、高精度な送信ウェイト
を容易に生成することができるとともに、他の通信端末
装置に対する干渉を抑えつつ、所定の通信端末装置にお
ける受信品質を良好に保つことができる。
【0028】本発明の基地局装置は、上記いずれかのア
レーアンテナ通信装置を備えた構成を採る。
【0029】本発明の通信端末装置は、上記いずれかの
アレーアンテナ通信装置を備えた構成を採る。
【0030】これらの構成によれば、高精度な受信ウェ
イトおよび送信ウェイトを生成するアレーアンテナ通信
装置を備えることにより、受信品質を向上させることが
できるとともに、他の通信相手に対する干渉を抑えつつ
所定の通信相手における受信品質を良好に保つことがで
きる。
【0031】本発明の無線通信方法は、通信端末装置
が、誤り訂正符号化された信号を上り回線を介して送信
する送信工程と、基地局装置が前記通信端末装置により
送信された信号を受信する受信工程と、前記通信端末装
置についての受信信号に対して、受信ウェイトを乗算す
ることにより、復調信号を生成する復調工程と、誤り訂
正復号化された復調信号に対して仮判定を行うことによ
り、仮判定値を得る仮判定工程と、前記仮判定値に対す
る誤り検出結果に基づいて、前記受信信号と前記誤り訂
正符号化がなされた仮判定値とを用いた適応信号処理を
行うことにより、前記受信ウェイトを生成する適応信号
処理工程と、を具備する。
【0032】この方法によれば、復調処理および誤り訂
正復号化処理された受信信号の仮判定値に誤りが検出さ
れた場合には、パイロット信号のみを用いて参照信号を
生成することにより、参照信号の精度が大幅に劣化する
ことを防止することができるので、この参照信号を用い
て生成される受信ウェイトの精度の劣化を防止すること
が可能となる。一方、復調および復号化処理された受信
信号の仮判定値に誤りが検出されない場合には、パイロ
ット信号だけでなくデータ信号をも用いて参照信号を生
成することにより、参照信号の精度を高めることができ
るので、この参照信号を用いて生成される受信ウェイト
の精度を向上させることが可能となるとともに、受信ウ
ェイトの収束性を高めることも可能となる。
【0033】本発明の無線通信方法は、適応信号処理工
程において生成された受信ウェイトを送信ウェイトとし
て、通信端末装置に対する送信信号に乗算する乗算工程
と、前記受信ウェイトが乗算された送信信号を下り回線
を介して送信する送信工程と、を具備する。
【0034】この方法によれば、高精度な送信ウェイト
を容易に生成することができるとともに、他の通信端末
装置に対する干渉を抑えつつ、所定の通信端末装置にお
ける受信品質を良好に保つことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、復調処理および
誤り訂正復号化処理された受信信号の仮判定値に対する
誤り検出結果に基づいて、上記受信信号と誤り訂正符号
化処理された上記仮判定値とを用いた適応信号処理を行
うことである。
【0036】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の形態で
は、アレーアンテナ通信装置が基地局装置に搭載された
場合について説明するが、このアレーアンテナ通信装置
は、通信端末装置にも搭載可能なものである。
【0037】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1にかかるアレーアンテナ基地局装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図1には、説明の簡略化のた
め、通信端末装置101のみと通信を行う場合における
アレーアンテナ基地局装置の構成が示されている。
【0038】図1において、受信無線回路104(受信
無線回路105)は、アンテナ102(アンテナ10
3)により受信された信号(受信信号)を、ベースバン
ド信号に変換して受信信号復調回路106(受信信号復
調回路107)に出力する。
【0039】受信信号復調回路106(受信信号復調回
路107)は、受信無線回路104(受信無線回路10
5)によりベースバンドに変換された受信信号を、復調
してアレイ合成回路108および適応信号処理回路11
4に出力する。
【0040】アレイ合成回路108は、後述する適応信
号処理回路114により既に生成されている受信ウェイ
トを用いて、受信復調回路106および受信復調回路1
07により復調された受信信号をアレイ合成し、アレイ
合成された信号をFEC復号回路109に出力する。F
EC復号回路109は、アレイ合成回路108によりア
レイ合成された信号に対してFEC復号化処理を行い、
FEC復号化処理された信号を仮判定回路110に出力
する。
【0041】仮判定回路110は、FEC復号回路10
9によりFEC復号化処理された信号に対して仮判定を
行い、仮判定結果(仮判定値)を誤り検出回路111お
よびFEC符号化回路112に出力する。誤り検出回路
111は、仮判定回路110からの仮判定値の誤りを検
出し、検出結果を参照信号生成回路113に出力する。
【0042】FEC符号化回路112は、仮判定回路1
10からの仮判定値に対してFEC符号化処理を行うこ
とにより、通信端末装置101により送信された信号を
生成する。このFEC符号化回路112は、生成した信
号を参照信号生成回路113に出力する。
【0043】参照信号生成回路113は、誤り検出回路
111による検出結果に基づいて、仮判定値に誤りが生
じていない場合には、FEC符号化回路112により生
成された信号を用いて参照信号を生成し、逆に、仮判定
値に誤りが生じている場合には、パイロット信号のみを
用いて参照信号を生成する。この参照信号生成回路11
3は、生成した参照信号を適応信号処理回路114に出
力する。
【0044】適応信号処理回路114は、参照信号生成
回路113により生成された参照信号、および、受信信
号復調回路106および受信信号復調回路107により
復調された受信信号を用いて、適応信号処理を行うこと
により、受信ウェイトを生成する。この適応信号処理回
路114は、生成した受信ウェイトをアレイ合成回路1
08に出力する。
【0045】次いで、上記構成を有するアレーアンテナ
基地局装置の動作について、同様に図1を参照して説明
する。なお、通信端末装置101により送信される信号
は、FEC符号化処理がなされ、また、誤り検出用のパ
リティビットが含まれているものである。また、本実施
の形態では、適応信号処理としてLMSアルゴリズムを
用いた場合を例にとり説明する。
【0046】基地局装置は、通信端末装置101と通信
を行う際に、アンテナ102およびアンテナ103を用
いて通信端末装置101からの信号を受信する。アンテ
ナ102(アンテナ103)により受信された信号(受
信信号)は、受信無線回路104(受信無線回路10
5)により、RF周波数帯域からIF周波数帯域の信号
にダウンコンバートされた後ベースバンド信号に変換さ
れて、受信信号復調回路106(受信信号復調回路10
7)に出力される。
【0047】受信信号復調回路106(受信信号復調回
路107)では、受信無線回路104(受信無線回路1
05)からの受信信号に対する逆拡散処理等の復調処理
等がなされることにより、上記受信信号は復調される。
受信信号復調回路106および受信信号復調回路107
により復調された受信信号は、アレイ合成回路108お
よび適応信号処理回路114に出力される。
【0048】アレイ合成回路108では、受信信号復調
回路106および受信信号復調回路107により復調さ
れた受信信号、および、適応信号処理回路114により
既に生成されている受信ウェイトを用いたアレイ合成が
なされる。すなわち、受信信号復調回路106および受
信信号復調回路107により復調された受信信号のうち
Mシンボルに対する逆拡散結果をY(m)とし、現時点
で適応信号処理回路114により生成されている受信ウ
ェイトをW(m)とすると、アレイ合成された信号Z
(m)は、次に示す式により表現される。
【0049】Z(m)=Y(m)W*(m) − なお、適応信号処理回路114により生成される受信ウ
ェイトの詳細については、後述する。アレイ合成された
信号は、FEC復号回路109に出力される。
【0050】FEC復号回路109では、アレイ合成さ
れた信号に対するFEC復号化処理がなされる。なお、
ここでのFEC復号化処理としては、通信端末装置10
1により用いられたFEC符号化処理に対応するものが
用いられることはいうまでもない。FEC復号化処理さ
れた信号は、仮判定回路110に出力される。
【0051】仮判定回路110では、FEC復号化処理
された信号に対する仮判定(硬判定)がなされる。この
仮判定の結果(仮判定値)は、誤り検出回路111およ
びFEC符号化回路112に出力される。
【0052】FEC符号化回路112では、仮判定回路
110からの仮判定値に対する符号化処理(すなわち再
符号化処理)がなされる。この符号化処理により、通信
端末装置101により送信された信号が再生される。符
号化処理された信号は、参照信号生成回路113に出力
される。この際に遅延が生ずることになるが、以下、そ
の遅延をDシンボル遅延として説明する。
【0053】一方、誤り検出回路111では、仮判定回
路110からの仮判定値に対する誤り検出処理がなされ
る。この誤り検出処理は、パリティビット等を用いてな
される。なお、本実施の形態では、一例として、1フレ
ーム区間の信号の中に誤りが存在するか否かを検出する
ための誤り検出処理がなされるものとする。誤り検出処
理の結果は、参照信号生成回路113に出力される。
【0054】参照信号生成回路113では、誤り検出処
理の結果に基づき、FEC符号化回路112により符号
化処理された信号を用いて、参照信号の生成がなされ
る。具体的には、誤り検出回路111により誤りが検出
されなかった場合には、既知の信号であるパイロット信
号を用いるだけでなく、FEC符号化回路112により
符号化処理された信号(データ信号)を用いて、参照信
号が生成される。逆に、誤り検出回路111により誤り
が検出された場合には、既知の信号であるパイロット信
号のみを用いて、参照信号が生成される。
【0055】すなわち、参照信号生成回路113では、
パイロット信号を用いて参照信号が生成されるだけでな
く、誤りが含まれていないフレーム区間における符号化
処理された信号(データ信号)を用いて参照信号が生成
されることになる。
【0056】ここで、パイロット信号および符号化処理
された信号を用いた参照信号の生成方法の具体例につい
て、さらに図2から図4を参照して説明する。図2は、
本発明の実施の形態1にかかるアレーアンテナ基地局装
置に対して送信される信号のスロットフォーマットの第
1例を示す模式図である。図3(a)は、本発明の実施
の形態1にかかるアレーアンテナ基地局装置により受信
された信号における信号点の配置の一例を示す模式図で
ある。図3(b)は、本発明の実施の形態1にかかるア
レーアンテナ基地局装置の参照信号生成回路113によ
る参照信号生成方法の一例を示す模式図である。図4
は、本発明の実施の形態1にかかるアレーアンテナ基地
局装置に対して送信される信号のスロットフォーマット
の第2例を示す模式図である。
【0057】本実施の形態にかかるアレーアンテナ基地
局装置に対して送信される信号のスロットフォーマット
としては、図2に示すように、データ信号とパイロット
信号とがIQ多重されているものと、図4に示すよう
に、データ信号とパイロット信号とが時間多重されてい
るものとが、挙げられる。
【0058】まず第1に、データ信号とパイロット信号
とがIQ多重されている場合の参照信号の生成方法につ
いて説明する。誤り検出回路111により誤りが検出さ
れていないときには、Q成分の信号(パイロット信号)
とI成分の信号(データ信号)とを合成した信号を参照
信号としてもよいし、I成分の信号とQ成分の信号とを
交互に取り出した信号を参照信号としてもよい。逆に、
誤り検出回路111により誤りが検出されたときには、
パイロット信号のみが参照信号とされる。
【0059】I成分の信号とQ成分の信号との合成は、
図3(a)および図3(b)に示すような方法により行
うことができる。図3(a)に示すように、I成分を介
してデータ信号が受信され、Q成分を介してパイロット
信号(制御信号)が受信されていれば、図3(b)に示
すように、いずれかの信号点(ここでは信号点301)
を基準とし、信号点302に配置されている信号を18
0°位相回転させ、信号点303に配置されている信号
を90°位相回転させ、また、信号点304に配置され
ている信号を−90°位相回転させる。このように位相
回転させた各信号を合成することにより、参照信号が生
成される。
【0060】なお、データ信号が埋め込まれているI成
分と、制御信号(パイロット信号等)が埋め込まれてい
るQ成分とでは、シンボルレートが異なる(制御信号の
シンボルレート≦データ信号のシンボルレート)ので、
複数のデータ信号のシンボルと1つの制御信号のシンボ
ルとを合成するようにしてもよい。ただし、図3(b)
には、データ信号の2つのシンボルと制御信号の2つの
シンボルとが合成される例が示されている。
【0061】第2に、データ信号とパイロット信号とが
時間多重されている場合の参照信号の生成方法について
説明する。誤り検出回路111により誤りが検出されて
いないときには、パイロット信号およびデータ信号を用
いて参照信号が生成される。具体的には、FEC符号化
回路112から参照信号生成回路113に対して、パイ
ロット信号202に対応する信号が出力されている時間
には、パイロット信号を用いて参照信号が生成され、ま
た、FEC符号化回路112から参照信号生成回路11
3に対して、データ信号201に対応する符号化処理さ
れた信号が出力されている時間には、データ信号を用い
て参照信号が生成される。
【0062】逆に、誤り検出回路111により誤りが検
出されたときには、パイロット信号のみを用いて参照信
号が生成される。具体的には、FEC符号化回路112
から参照信号生成回路113に対して、パイロット信号
に対応する信号が出力されている時間には、パイロット
信号を用いて参照信号が生成され、また、FEC符号化
回路112から参照信号生成回路113に対して、デー
タ信号201に対応する符号化処理された信号が出力さ
れている時間には、参照信号の生成は中止される。以上
が、参照信号の生成方法の具体例である。以上のように
参照信号生成回路113により生成された参照信号Z''
(m)は、適応信号処理回路114に出力される。
【0063】適応信号処理回路114では、受信信号復
調回路106および受信信号復調回路107により復調
された受信信号と、参照信号生成回路113により生成
された参照信号Z''(m)と、を用いた適応信号処理が
なされる。この適応信号処理により受信ウェイトが生成
される。
【0064】以下、受信ウェイトの生成について具体的
に説明する。なお、本実施の形態では、適応信号処理と
してLMSアルゴリズムを用いた場合について説明す
る。LMSアルゴリズムを用いた場合には、現時点で生
成されている受信ウェイトW(m+D)を用いて、次式
に示すようにアレイ合成信号Z'(m)が再度生成され
る。 Z'(m)=Y(m)W*(m+D) −
【0065】さらに、上式に従って生成されたアレイ
合成信号Z'(m)と参照信号Z''(m)との間の誤差
e(m)が、次に示す式に従って求められる。 e(m)=Z'(m)−Z''(m) − この誤差e(m)、復調された受信信号Y(m)および
受信ウェイトW(m+D)を用いて、次の式に従って受
信ウェイトW(m+D+1)が生成される。ここで、μ
はウェイトの時定数である。 W(m+D+1)=W(m+D)+μe*(m)Y(m) − 以上のように生成された受信ウェイトW(m+D+1)
は、アレイ合成回路108に出力されて、上述したアレ
イ合成に用いられる。
【0066】このように、本実施の形態によれば、復調
処理および誤り訂正復号化処理された受信信号の仮判定
値に誤りが検出された場合には、パイロット信号のみを
用いて参照信号を生成することにより、参照信号の精度
が大幅に劣化することを防止することができるので、こ
の参照信号を用いて生成される受信ウェイトの精度の劣
化を防止することが可能となる。一方、復調および復号
化処理された受信信号の仮判定値に誤りが検出されない
場合には、パイロット信号だけでなくデータ信号をも用
いて参照信号を生成することにより、参照信号の精度を
高めることができるので、この参照信号を用いて生成さ
れる受信ウェイトの精度を向上させることが可能となる
とともに、受信ウェイトの収束性を高めることも可能と
なる。
【0067】なお、本実施の形態では、適応信号処理と
してLMSアルゴリズムを用いた場合について説明した
が、本発明は、適応信号処理として、参照信号を必要と
するいかなるアルゴリズムを用いたアレーアンテナ基地
局装置にも適用可能なものである。
【0068】(実施の形態2)本実施の形態では、実施
の形態1において、誤り検出結果とは無関係に参照信号
生成回路に、パイロット信号とデータ信号と用いて参照
信号を生成させるとともに、適応信号処理回路における
受信ウェイト生成時の時定数を誤り検出結果に応じて変
化させる場合について、図5を参照して説明する。
【0069】図5は、本発明の実施の形態2にかかるア
レーアンテナ基地局装置の構成を示すブロック図であ
る。なお、図5における実施の形態1(図1)と同様の
構成については、図1におけるものと同一の符号を付し
て、詳しい説明を省略する。
【0070】参照信号生成回路501は、FEC符号化
回路112により符号化処理された信号を用いて参照信
号を生成し、生成した参照信号を適応信号処理回路50
3に出力する。
【0071】適応信号処理回路503は、受信ウェイト
生成時に用いる時定数として、時定数決定回路502か
らの時定数を用いる点を除いて、実施の形態1(図1)
における適応信号処理回路114と同様の構成を有す
る。
【0072】時定数決定回路502は、誤り検出回路1
11からの誤り検出結果に基づいて、適応信号処理回路
503における受信ウェイトの生成時に用いられる時定
数を決定し、決定した時定数を適応信号処理回路503
に出力する。具体的には、誤り検出回路111により誤
りが検出された場合には、適応信号処理回路503で
は、誤った信号に基づいて参照信号生成回路501によ
り生成された参照信号を用いて、受信ウェイトが生成さ
れることになるので、精度の低い受信ウェイトが生成さ
れる可能性がある。この結果、適応信号処理回路503
における受信ウェイト生成時における動作が不安定とな
る可能性がある。
【0073】そこで、時定数決定回路502は、適応信
号処理回路503に用いられる時定数を重く(大きく)
する。これにより、適応信号処理回路503において
は、受信ウェイトの更新が遅くなるので、受信ウェイト
生成時における動作が不安定となる事態が防止される。
【0074】また、誤り検出回路111により誤りが検
出されない場合には、適応信号処理回路503では、誤
りのない信号に基づいて参照信号生成回路501により
生成された参照信号を用いて、受信ウェイトが生成され
ることになるので、時定数決定回路502は、適応信号
処理回路503に用いられる時定数を通常の時定数とす
る。
【0075】このように、本実施の形態によれば、復調
処理および誤り訂正復号化処理された受信信号の仮判定
値についての誤り検出結果に応じて、受信ウェイトの生
成時における時定数を変化させることにより、参照信号
の生成時に用いる信号(パイロット信号またはパイロッ
ト信号およびデータ信号)を誤り検出結果に応じて変化
させなくとも、受信ウェイトの精度の劣化を防止するこ
とができるとともに、受信ウェイトの精度および収束性
を向上させることができる。
【0076】(実施の形態3)本実施の形態では、実施
の形態2において、各通信端末装置の通信状態に応じ
て、受信ウェイト生成時における時定数をさらに細かく
変化させる場合について、図6を参照して説明する。図
6は、本発明の実施の形態3にかかるアレーアンテナ基
地局装置の構成を示すブロック図である。なお、図6に
おける実施の形態2(図5)と同様の構成については、
図5におけるものと同一の符号を付して、詳しい説明を
省略する。
【0077】誤り率測定回路601は、誤り検出回路1
11からの誤り検出結果を用いて、誤りのあった回数を
測定することにより、ブロックエラーレートを測定す
る。この誤り率測定回路601は、測定したブロックエ
ラーレートを時定数設定回路602に出力する。
【0078】時定数設定回路602は、誤り率測定回路
601により測定されたブロックエラーレートに基づい
て、適応信号処理回路503により用いられる時定数を
決定する点を除いて、実施の形態2における時定数決定
回路502と同様の構成を有する。具体的には、時定数
設定回路602は、ブロックエラーレートが閾値より大
きい場合には、データ信号の仮判定値における誤りが多
いと考えられるので、時定数μを重くする。これによ
り、適応信号処理回路503においては、受信ウェイト
の更新が遅くなるので、受信ウェイト生成時における動
作が不安定となる事態が防止される。逆に、時定数設定
回路602は、ブロックエラーレートが閾値以下である
場合には、データ信号の仮判定値における誤りが少ない
と考えられるので、時定数μを軽くする。これにより、
適応信号処理回路503における受信ウェイトの収束性
が高められる。
【0079】なお、本実施の形態では、時定数設定回路
602が、ブロックエラーレートが閾値以下である場合
と閾値より大きい場合のそれぞれに対して、時定数を設
ける場合について説明したが、本発明は、これに限定さ
れず、ブロックエラーレートの大きさに応じて、細かく
時定数を設定する場合にも適用可能なものであることは
いうまでもない。また、本実施の形態では、誤り率特性
としてブロックエラーレートを用いた場合について説明
したが、誤り率特性としてどのようなものを用いてもよ
い。
【0080】このように、本実施の形態によれば、復調
処理および誤り訂正復号化処理された受信信号の仮判定
値の誤り率に応じて、受信ウェイト生成時における時定
数を変化させることにより、通信端末装置の通信品質に
応じて細かく時定数を決定することができるので、各通
信端末装置について、良好な受信指向性を得ることが可
能となる。
【0081】(実施の形態4)本実施の形態では、実施
の形態1〜実施の形態3において、さらに装置の構成を
小さくする場合について、図7を参照して説明する。図
7は、本発明の実施の形態4にかかるアレーアンテナ基
地局装置の構成を示すブロック図である。なお、図7に
おける実施の形態1(図1)と同様の構成については、
図1におけるものと同一の符号を付して、詳しい説明を
省略する。
【0082】上記実施の形態1では、データ信号の仮判
定値の誤り検出結果に応じて、参照信号の生成にデータ
信号を用いるか否かを決定している。本実施の形態で
は、アレイ合成された信号に対して受信品質(例えばS
IR)の測定を行い、アレイ合成された信号を参照信号
の生成に用いるか否かを、受信品質の測定結果に応じて
決定するものである。
【0083】SIR測定回路701は、アレイ合成回路
108によりアレイ合成された信号のSIRを測定し、
測定結果を参照信号生成回路702に出力する。なお、
受信品質として、SIR以外の要素を用いることが可能
であることはいうまでもない。
【0084】参照信号生成回路702は、SIR測定回
路701によるSIR測定結果に応じて、アレイ合成回
路108によりアレイ合成された信号を用いて、参照信
号の生成を行う。すなわち、参照信号生成回路702
は、SIR測定結果が閾値以上である場合には、アレイ
合成された信号(データ信号)における誤りが少ないも
のと考えられるので、アレイ合成された信号を参照信号
の生成に用い、逆に、SIR測定結果が閾値より小さい
場合には、アレイ合成された信号における誤りが多いも
のと考えられるので、アレイ合成された信号を参照信号
の生成に用いないようにする。なお、アレイ合成された
信号がどのように参照信号の生成に用いられるかについ
ては、「仮判定値」を「アレイ合成された信号」と読み
替えれば、上記実施の形態と同様であるので、詳しい説
明を省略する。
【0085】このように、本実施の形態によれば、アレ
イ合成された信号の受信品質に応じて、参照信号の生成
にデータ信号を用いることにより、アレイ合成された信
号に対して、符号化処理、仮判定処理、誤り検出処理お
よび符号化処理を行うことなく(すなわち装置の規模を
抑えつつ)、受信ウェイトの精度の劣化を防止すること
ができるだけでなく、参照信号の精度および収束性を高
めることができる。
【0086】(実施の形態5)本実施の形態では、実施
の形態4において、アレイ合成された信号の受信品質に
応じて受信ウェイトの生成時における時定数を変化させ
る場合について、図8を参照して説明する。図8は、本
発明の実施の形態5にかかるアレーアンテナ基地局装置
の構成を示すブロック図である。なお、図8における実
施の形態4(図7)と同様の構成については、図7にお
けるものと同一の符号を付して、詳しい説明を省略す
る。
【0087】参照信号生成回路801は、アレイ合成さ
れた信号(データ信号)を用いて参照信号を生成し、生
成した参照信号を適応信号処理回路803に出力する。
なお、アレイ合成された信号を用いた参照信号の生成方
法については、実施の形態4で説明したので、詳しい説
明を省略する。
【0088】適応信号処理回路803は、受信ウェイト
作成時に用いる時定数として、時定数設定回路802か
らの時定数を用いる点を除いて、実施の形態4(図7)
における適応信号処理回路114と同様の構成を有す
る。
【0089】時定数設定回路802は、SIR測定回路
701からのSIR測定結果に基づいて、適応信号処理
回路803により受信ウェイトの生成時に用いられる時
定数を決定し、決定した時定数を適応信号処理回路80
3に出力する。具体的には、SIR測定結果が閾値より
小さい場合には、適応信号処理回路803では、誤りの
多いデータ信号に基づいて参照信号生成回路801によ
り生成された参照信号を用いて、受信ウェイトが生成さ
れることになるので、精度の低い受信ウェイトが生成さ
れる可能性がある。この結果、適応信号処理回路803
における受信ウェイト生成時における動作が不安定とな
る可能性がある。
【0090】そこで、時定数設定回路802は、適応信
号処理回路803に用いられる時定数を重くする。これ
により、適応信号処理回路803においては、受信ウェ
イトの更新が遅くなるので、受信ウェイト生成時におけ
る動作が不安定となる事態が防止される。
【0091】また、SIR測定結果が閾値以上である場
合には、適応信号処理回路803では、誤りの少ないデ
ータ信号を用いて、受信ウェイトが生成されることにな
るので、時定数設定回路802は、適応信号処理回路8
03に用いられる時定数を通常の時定数とする。
【0092】このように、本実施の形態によれば、アレ
イ合成された信号の受信品質に応じて、受信ウェイトの
生成時における時定数を変化させることにより、参照信
号の生成時に用いる信号(パイロット信号またはパイロ
ット信号およびデータ信号)を受信品質に応じて変化さ
せなくとも、受信ウェイトの精度の劣化を防止すること
ができるとともに、受信ウェイトの精度および収束性を
向上させることができる。さらに、本実施の形態によれ
ば、アレイ合成された信号に対して、符号化処理、仮判
定処理、誤り検出処理および符号化処理を行う必要がな
いので、装置の規模を抑えることも可能となる。
【0093】なお、上記実施の形態1〜上記実施の形態
5では、受信ウェイトを生成する場合について説明した
が、本発明は、送信ウェイトを生成する場合にも適用可
能なものである。具体的には、TDD方式(上り回線と
下り回線の周波数帯域が同一の方式)では、上記実施の
形態1〜上記実施の形態5で説明した方法により生成し
た所定の通信端末装置についての受信ウェイトを、この
通信端末装置についての送信ウェイトとして使用するこ
とができる。これにより、高精度な送信ウェイトを容易
に生成することができるとともに、他の通信端末装置に
対する干渉を抑えつつ、所定の通信端末装置における受
信品質を良好に保つことができる。
【0094】また、FDD方式(上り回線と下り回線の
周波数帯域が同一でない方式)でも、上記実施の形態1
〜上記実施の形態5で説明した方法により生成した所定
の通信端末装置についての受信ウェイトを、この通信端
末装置についての送信ウェイトとして使用することがで
きる。ただし、FDD方式では、上り回線と下り回線の
周波数帯域が異なることに起因して、送信指向性のヌル
点がずれる可能性があるので、上記実施の形態1〜上記
実施の形態5で説明した方法により生成した所定の通信
端末装置についての受信ウェイトを、所定の周波数変換
を施した後、この通信端末装置についての送信ウェイト
として使用することが好ましい。
【0095】さらに、上記実施の形態1〜上記実施の形
態5では、基地局装置が受信ウェイトおよび送信ウェイ
トを生成する場合について説明したが、本発明は、通信
端末装置が同様に受信ウェイトおよび送信ウェイトを生
成する場合にも適用可能なものである。
【0096】加えて、上記実施の形態1〜上記実施の形
態5では、アレーアンテナに用いられる適応信号処理を
行う場合を例にとり説明したが、本発明は、これに限定
されず、回線推定を行なうための適応信号処理等の、無
線通信において適応信号処理を行ういかなる場合にも適
用可能である。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
復調処理および誤り訂正復号化処理された受信信号の仮
判定値に対する誤り検出結果に基づいて、上記受信信号
と誤り訂正符号化処理された上記仮判定値とを用いた適
応信号処理を行うので、高精度な受信ウェイトおよび送
信ウェイトを生成するアレーアンテナ通信装置および無
線通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるアレーアンテナ
基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1にかかるアレーアンテナ
基地局装置に対して送信される信号のスロットフォーマ
ットの第1例を示す模式図
【図3】(a)本発明の実施の形態1にかかるアレーア
ンテナ基地局装置により受信された信号における信号点
の配置の一例を示す模式図 (b)本発明の実施の形態1にかかるアレーアンテナ基
地局装置の参照信号生成回路による参照信号生成方法の
一例を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態1にかかるアレーアンテナ
基地局装置に対して送信される信号のスロットフォーマ
ットの第2例を示す模式図
【図5】本発明の実施の形態2にかかるアレーアンテナ
基地局装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3にかかるアレーアンテナ
基地局装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態4にかかるアレーアンテナ
基地局装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態5にかかるアレーアンテナ
基地局装置の構成を示すブロック図
【図9】従来のアレーアンテナ基地局装置の構成を示す
ブロック図
【符号の説明】
106,107 受信信号復調回路 108 アレイ合成回路 109 FEC復号回路 110 仮判定回路 111 誤り検出回路 112 FEC符号化回路 113,501,702,801 参照信号生成回路 114,503,803 適応信号処理回路 502 時定数決定回路 601 誤り率測定回路 602,802 時定数設定回路 701 SIR測定回路

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信相手により誤り訂正符号化されてい
    る受信信号に対して受信ウェイトを乗算することによ
    り、復調信号を生成する復調手段と、誤り訂正復号化さ
    れた復調信号に対して仮判定を行うことにより、仮判定
    値を得る仮判定手段と、前記仮判定値に対する誤り検出
    結果に基づいて、前記受信信号と前記誤り訂正符号化が
    なされた仮判定値とを用いた適応信号処理を行うことに
    より、前記受信ウェイトを生成する適応信号処理手段
    と、を具備することを特徴とするアレーアンテナ通信装
    置。
  2. 【請求項2】 適応信号処理手段は、仮判定値に誤りが
    存在しない場合に、誤り訂正符号化がなされた仮判定値
    を用いて参照信号を生成し、仮判定値に誤りが存在する
    場合に、既知信号を用いて参照信号を生成する参照信号
    生成手段と、受信信号と生成された参照信号とを用いた
    適応信号処理を行うことにより受信ウェイトを生成する
    ウェイト生成手段と、を具備することを特徴とする請求
    項1に記載のアレーアンテナ通信装置。
  3. 【請求項3】 適応信号処理手段は、誤り訂正符号化が
    なされた仮判定値を用いて参照信号を生成する参照信号
    生成手段と、仮判定値に対する誤り検出結果に応じて設
    定された時定数を用いて、受信信号と生成された参照信
    号とを用いた適応信号処理を行うことにより、受信ウェ
    イトを生成するウェイト生成手段と、を具備することを
    特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ通信装置。
  4. 【請求項4】 仮判定値に対する誤り検出結果を用い
    て、復調信号の誤り率を測定する誤り率測定手段を具備
    し、ウェイト生成手段は、前記誤り率に応じて設定され
    た時定数を用いることを特徴とする請求項3に記載のア
    レーアンテナ通信装置。
  5. 【請求項5】 受信信号に対して受信ウェイトを乗算す
    ることにより、復調信号を生成する復調手段と、前記復
    調信号の受信品質に基づいて、前記受信信号と前記復調
    信号とを用いた適応信号処理を行うことにより、前記受
    信ウェイトを生成する適応信号処理手段と、を具備する
    ことを特徴とするアレーアンテナ通信装置。
  6. 【請求項6】 適応信号処理手段は、復調信号の受信品
    質が閾値以上である場合に、復調信号を用いて参照信号
    を生成し、復調信号の受信品質が閾値を下回る場合に、
    既知信号を用いて参照信号を生成する参照信号生成手段
    と、受信信号と生成された参照信号とを用いた適応信号
    処理を行うことにより受信ウェイトを生成するウェイト
    生成手段と、を具備することを特徴とする請求項5に記
    載のアレーアンテナ通信装置。
  7. 【請求項7】 適応信号処理手段は、復調信号を用いて
    参照信号を生成する参照信号生成手段と、復調信号の受
    信品質に応じて設定された時定数を用いて、受信信号と
    生成された参照信号とを用いた適応信号処理を行うこと
    により受信ウェイトを生成するウェイト生成手段と、を
    具備することを特徴とする請求項5に記載のアレーアン
    テナ通信装置。
  8. 【請求項8】 生成された受信ウェイトを送信ウェイト
    として、通信相手に対する送信信号に乗算する送信手段
    を具備することを特徴とする請求項1から請求項7のい
    ずれかに記載のアレーアンテナ通信装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれかに記載
    のアレーアンテナ通信装置を備えたことを特徴とする基
    地局装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項8のいずれかの記
    載のアレーアンテナ通信装置を備えたことを特徴とする
    通信端末装置。
  11. 【請求項11】 通信端末装置が、誤り訂正符号化され
    た信号を上り回線を介して送信する送信工程と、基地局
    装置が前記通信端末装置により送信された信号を受信す
    る受信工程と、前記通信端末装置についての受信信号に
    対して、受信ウェイトを乗算することにより、復調信号
    を生成する復調工程と、誤り訂正復号化された復調信号
    に対して仮判定を行うことにより、仮判定値を得る仮判
    定工程と、前記仮判定値に対する誤り検出結果に基づい
    て、前記受信信号と前記誤り訂正符号化がなされた仮判
    定値とを用いた適応信号処理を行うことにより、前記受
    信ウェイトを生成する適応信号処理工程と、を具備する
    ことを特徴とする無線通信方法。
  12. 【請求項12】 適応信号処理工程において生成された
    受信ウェイトを送信ウェイトとして、通信端末装置に対
    する送信信号に乗算する乗算工程と、前記受信ウェイト
    が乗算された送信信号を下り回線を介して送信する送信
    工程と、を具備することを特徴とする請求項11に記載
    の無線通信方法。
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