JP2009060177A - 無線通信装置および無線受信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信アンテナが少なくても、遅延到来波を伴うマルチパスフェージングの影響を低減して、復号処理のフェージング耐久性を改善でき、常に安定した受信状態を維持できるとともに、ハードウェアの小型化およびコストダウンが図れる無線通信装置および無線受信方法を提供する。
【解決手段】複数のアンテナ11-1〜11-Mを有し、これら複数のアンテナ11-1〜11-Mの受信信号をダイバーシティ合成する無線通信装置において、複数のアンテナ11-1〜11-Mの受信電力に基づいて、アンテナ合成振幅および合成重みを算出する合成情報算出部14と、算出された合成重みに基づいて、複数のアンテナ11-1〜11-Mの受信信号を重み付けして合成する合成部15と、算出されたアンテナ合成振幅に基づいて、合成部15で生成された合成受信信号を復号処理する復号処理部16と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】複数のアンテナ11-1〜11-Mを有し、これら複数のアンテナ11-1〜11-Mの受信信号をダイバーシティ合成する無線通信装置において、複数のアンテナ11-1〜11-Mの受信電力に基づいて、アンテナ合成振幅および合成重みを算出する合成情報算出部14と、算出された合成重みに基づいて、複数のアンテナ11-1〜11-Mの受信信号を重み付けして合成する合成部15と、算出されたアンテナ合成振幅に基づいて、合成部15で生成された合成受信信号を復号処理する復号処理部16と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数のアンテナを用いて、受信信号をダイバーシティ合成する無線通信装置および無線受信方法に関するものである。
一般に、移動無線通信システムでは、基地局や移動端末局において、受信性能を改善するために、複数のアンテナを用いて受信ゲインの増大を図っている。ここで、受信性能を劣化させる要因の一つとして、フェージングがある。フェージングとは、基地局または移動端末局から発した無線信号波が、両局間に存在する建物、車両、樹木等による反射、屈折、散乱により、多くの経路から到来してマルチパス信号波化する現象で、このようなマルチパスフェージングが生じると、受信アンテナ端で受信電力が大きく変動することになる。このため、受信側に複数のアンテナを用意して、受信電力を大きくすることにより、マルチパスフェージングの影響を低減させる対策を採っている。
図7は、このようなマルチパスフェージングの影響を低減して受信ゲインの増大を図った従来の無線通信装置の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。この無線通信装置は、複数のアンテナ101−1〜101−Mを備えており、アンテナ101−1〜101−Mで受信した到来信号を、対応する受信部102−1〜102−Mで受信処理してA/D変換して出力し、これら受信部102−1〜102−Mからの出力信号を、合成回路103において合成受信電力が最大になるようにダイバーシティ合成した後、その合成受信信号を等化器104で等化処理してから、復号回路105で誤り訂正して復号するようにしている。
ここで、合成回路103による複数の受信信号の合成方法としては、例えば、受信信号内に挿入される既知情報信号を利用し、最小平均二乗誤差法(MMSE:Minimum Mean Square Error)により、各アンテナについて、受信した既知情報信号の位相の誤差が最小となるアンテナ重みを算出し、その算出したアンテナ重みに基づいて各受信部からの受信信号の位相を補正して合成することにより、信号対雑音比(SNR:Signal to Noise Ratio)が十分大きな合成受信信号を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7に示す従来の無線通信装置では、合成回路103において、各受信部からの受信信号を合成する前処理として、各受信信号の位相を補正する一次等化処理を行い、その後、等化器104において、既知情報信号の振幅に基づいて、合成受信信号に対して二次等化処理を行っている。また、復号回路105では、等化器104による合成受信信号の二次等化処理過程で生成される信頼度情報(合成電力)を利用して、合成受信信号に対して誤り訂正処理を行って復号し、その結果を出力する。なお、このような信頼情報を利用する誤り訂正方法は、例えば、特許文献2に開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載のように、MMSEを採用する合成受信信号を得る方法では、マルチパス環境に遅延到来波が混在すると、主信号に対して時間差のある干渉波が重畳したことになって、受信シンボルの分散が増加することになる。
その結果、十分な受信SNRが確保できなくなって、受信性能が劣化することになる。特に、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)のような多値変調方式による無線通信では、受信シンボル分散の増大は極めて影響が大きく、正しい受信が全くできなくなってしまうため、通信が成立しない状況に陥ってしまうことになる。このような遅延到来波を伴うマルチパスフェージングの影響は、特に、受信アンテナの本数が少ない場合に著しくなる。
また、MMSEによって合成受信信号を得る場合には、逆行列演算を含む推定アルゴリズムを採用する必要があるため、ハードウェアが大型化するとともに、コストアップになることも懸念される。
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、受信アンテナが少なくても、遅延到来波を伴うマルチパスフェージングの影響を低減して、復号処理のフェージング耐久性を改善でき、常に安定した受信状態を維持できるとともに、ハードウェアの小型化およびコストダウンが図れる無線通信装置および無線受信方法を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に係る発明は、複数のアンテナを有し、これら複数のアンテナの受信信号をダイバーシティ合成する無線通信装置において、
前記複数のアンテナの受信電力に基づいて、アンテナ合成振幅および合成重みを算出する合成情報算出部と、
該合成情報算出部で算出された前記合成重みに基づいて、前記複数のアンテナの受信信号を重み付けして合成して合成受信信号を生成する合成部と、
前記合成情報算出部で算出された前記アンテナ合成振幅に基づいて、前記合成部で生成された前記合成受信信号を復号処理する復号処理部と、
を備えることを特徴とするものである。
前記複数のアンテナの受信電力に基づいて、アンテナ合成振幅および合成重みを算出する合成情報算出部と、
該合成情報算出部で算出された前記合成重みに基づいて、前記複数のアンテナの受信信号を重み付けして合成して合成受信信号を生成する合成部と、
前記合成情報算出部で算出された前記アンテナ合成振幅に基づいて、前記合成部で生成された前記合成受信信号を復号処理する復号処理部と、
を備えることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の無線通信装置において、
前記合成情報算出部は、前記合成重みとして、前記アンテナ合成振幅と各アンテナに対応する受信電力の振幅とに基づいて、アンテナ毎のアンテナ信頼度比を算出することを特徴とするものである。
前記合成情報算出部は、前記合成重みとして、前記アンテナ合成振幅と各アンテナに対応する受信電力の振幅とに基づいて、アンテナ毎のアンテナ信頼度比を算出することを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の無線通信装置において、
前記合成部で合成する前記複数のアンテナの受信信号は、多値変調された受信信号であることを特徴とするものである。
前記合成部で合成する前記複数のアンテナの受信信号は、多値変調された受信信号であることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1,2または3に記載の無線通信装置において、
前記合成部で合成する前記複数のアンテナの受信信号は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)された受信信号であることを特徴とするものである。
前記合成部で合成する前記複数のアンテナの受信信号は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)された受信信号であることを特徴とするものである。
さらに、上記目的を達成する請求項5に係る発明は、複数のアンテナの受信信号をダイバーシティ合成する無線受信方法において、
前記複数のアンテナの受信電力に基づいて、アンテナ合成振幅および合成重みを算出する合成情報算出ステップと、
該合成情報算出ステップで算出された前記合成重みに基づいて、前記複数のアンテナの受信信号を重み付けして合成して合成受信信号を生成する合成ステップと、
前記合成情報算出ステップで算出された前記アンテナ合成振幅に基づいて、前記合成ステップで生成された前記合成受信信号を復号処理する復号処理ステップと、
を含むことを特徴とするものである。
前記複数のアンテナの受信電力に基づいて、アンテナ合成振幅および合成重みを算出する合成情報算出ステップと、
該合成情報算出ステップで算出された前記合成重みに基づいて、前記複数のアンテナの受信信号を重み付けして合成して合成受信信号を生成する合成ステップと、
前記合成情報算出ステップで算出された前記アンテナ合成振幅に基づいて、前記合成ステップで生成された前記合成受信信号を復号処理する復号処理ステップと、
を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、複数のアンテナの受信電力に基づいて、アンテナ合成振幅および合成重みを算出し、その算出した合成重みに基づいて、複数のアンテナの受信信号を重み付けして合成して合成受信信号を生成し、その生成した合成受信信号を、算出したアンテナ合成振幅に基づいて復号処理するようにしたので、受信アンテナが少なくても、遅延到来波を伴うマルチパスフェージングの影響を低減して、復号処理のフェージング耐久性を改善でき、常に安定した受信状態を維持できるとともに、ハードウェアの小型化およびコストダウンを図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る無線通信装置の要部の概略構成を示す機能ブロック図である。この無線通信装置は、複数のアンテナ11−1〜11−M、アンテナ11−1〜11−Mに対応する受信部12−1〜12−Mおよび等化器13−1〜13−M、合成情報算出回路14、合成回路15、復号回路16を備える。
アンテナ11−1〜11−Mで受信した到来信号は、対応する受信部12−1〜12−Mで受信処理してA/D変換して出力し、これら受信部12−1〜12−Mからの出力信号を、対応する等化器13−1〜13−Mに供給する。
ここで、アンテナ11−1〜11−Mで受信される到来信号は、無線空間でのマルチパス環境の影響により、その振幅および位相が変動している。本実施の形態では、受信部12−1〜12−Mに対応して等化器13−1〜13−Mを設けることにより、受信系路毎に、到来信号に挿入されたトレーニングシーケンスやパイロットシンボルといった既知信号を用いて、到来信号の振幅および位相の変動を補償するチャネル推定および等化補償を独立して行って、アンテナ毎の信頼情報(受信電力)と等化補償後のアンテナ毎の受信信号とを生成する。
等化器13−1〜13−Mで生成した対応するアンテナの信頼情報は、合成情報算出回路14に供給し、対応するアンテナの等化補償後の受信信号は、合成回路15に供給する。合成情報算出回路14は、入力されたアンテナ毎の信頼情報に基づいて、アンテナ合成振幅を算出して復号回路16に供給するとともに、合成重みとして、その算出したアンテナ合成振幅とアンテナ毎の信頼情報とに基づいて、アンテナ毎のアンテナ信頼度比を算出して合成回路15に供給する。
合成回路15は、等化器13−1〜13−Mからの等化補償後の受信信号を、合成情報算出回路14からのアンテナ毎のアンテナ信頼度比(合成重み)に基づいて重み付けして合成して合成受信信号を生成し、復号回路16に供給する。復号回路16は、合成回路15からの合成受信信号を、合成情報算出回路14からのアンテナ合成振幅に基づいて誤り訂正して復号し、その結果を出力する。
以下、通信方式として直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用してマルチキャリア変調方式の無線通信を行う場合を例にとって、さらに詳細に説明する。
図2は、OFDM方式におけるパイロット配置の一例を示す図である。この例では、周波数軸方向(f)に14シンボル(すなわち、14サブキャリア)で、時間軸方向(t)に4シンボルの14×4シンボルについて、サブキャリアインデックス1,13のOFDMシンボルインデックス2,4と、サブキャリアインデックス5,9のOFDMシンボルインデックス1,3とに、それぞれパイロットを割り当てた場合を示している。
本実施の形態は、等化器13−1〜13−Mの各々において、先ず、パイロットのチャネル特性を推定し、その後、推定したチャネル特性を時間軸方向にあるデータシンボルに補間し、周波数軸方向では補間されたチャネル特性および周波数軸方向にあるパイロットのチャネル特性を用いて、周波数軸方向にあるデータシンボルにチャネル特性を補間する。
このため、先ず、パイロットを抽出して、下記(1)式により、抽出したパイロットのチャネルの伝達特性を推定(算出)する。
上記(1)式において、周波数応答情報Cf,t(a)およびAf,t(a)は、下記(2)式により算出する。
以上のようにして、各パイロットのチャネル特性を推定したら、次に、時間軸方向における順次のパイロットのチャネル特性を用いて、下記(3)式により、時間軸方向のデータシンボルのチャネル特性を線形補間する。
その後、時間軸方向において推定したパイロットのチャネル特性およびデータシンボルに補間したチャネル特性を用いて、下記(4)式により、周波数軸方向のデータシンボルのチャネル特性を線形補間する。
以上のようにして、各データシンボルのチャネル特性を推定したら、その推定結果を用いて、データシンボルの受信信号を、下記(5)式によりチャネル等化して、合成回路15へ供給する。
また、等化器13−1〜13−Mは、下記(6)式により、対応するアンテナのシンボル単位の信頼情報である受信電力を計算して、その結果を合成情報算出回路14へ供給する。
合成情報算出回路14は、等化器13−1〜13−Mからのアンテナ毎の信頼情報(受信電力)に基づいて、下記(7)式によりアンテナ合成振幅を算出し、その算出したアンテナ合成振幅を復号回路16に供給する。また、合成情報算出回路14は、算出したアンテナ合成振幅とアンテナ毎の受信電力の振幅とに基づいて、下記(8)式により、合成重みであるアンテナ毎のアンテナ信頼度比を算出し、これら算出したアンテナ毎のアンテナ信頼度比を合成回路15に供給する。
合成回路15は、上記(5)式に示した等化器13−1〜13−Mからの等化補償後の受信信号を、上記(8)式に示した合成情報算出回路14からの対応するアンテナのアンテナ信頼度比を用いて、下記(9)式により重み付けしてダイバーシティ合成して合成受信信号を生成し、その生成した合成受信信号を復号回路16に供給する。
図3は、復号回路16の概略構成を示す機能ブロック図である。この復号回路16は、ターボ復号回路を構成するもので、シンボル位置判定回路21、デパンクチャ22、対数尤度比生成回路23、デインターリーバ24および繰り返し復号処理回路25を有している。本実施の形態では、シンボル位置判定回路21において、合成受信信号y(i)のシンボル位置を軟判定するにあたって適用する信頼度を、合成情報算出回路14からのアンテナ合成振幅(S(i)=TotalAmp)に基づいて補正することにより、復号処理のフェージング耐久性を改善する。
このため、本実施の形態では、復号回路16に正規化処理回路26を設け、該正規化処理回路26において、合成回路15から出力される合成受信信号y(i)と、合成情報算出回路14から出力されるアンテナ合成振幅S(i)とを入力して、シンボル位置判定回路21において補正信頼度を生成するための正規化信頼度S′(i)を生成して、シンボル位置判定回路21に供給する。
図4は、正規化処理回路26およびシンボル位置判定回路21による補正信頼度の生成処理を示すフローチャートである。図4において、ステップS41〜S43は、正規化処理回路26での処理を示しており、ステップS44〜S46は、シンボル位置判定回路21での処理を示している。
正規化処理回路26においては、先ず、合成情報算出回路14からアンテナ合成振幅S(i)が入力されたら、入力フィルタリング処理を行って閾値Sl(i)を判定する(ステップS41)。この閾値Sl(i)は、例えば、図5に示すように、入力されたアンテナ合成振幅S(i)の最大値(limit)を閾値Sl(i)と判定する。
その後、合成回路15から入力される合成受信信号y(i)の平均値σy(i)を算出するとともに、閾値Sl(i)の平均値閾値σSl(i)を算出する(ステップS42)。次に、算出した平均値σy(i)およびσSl(i)が、ほぼ等しくなるように閾値Sl(i)を補正して、正規化された信頼度S′(i)を生成し(ステップS43)、これをシンボル位置判定回路21に供給する。
一方、シンボル位置判定回路21においては、合成回路15から入力される合成受信信号y(i)に基づいて信頼度Sx(i)を算出し(ステップS44)、その算出した信頼度Sx(i)と、正規化処理回路26から供給される正規化信頼度S′(i)とに基づいて、補正された信頼度Ss(i)を、Ss(i)=S′(i)×Sx(i)、により生成する(ステップS45)。その後、生成された補正信頼度Ss(i)を適応して、情報ビットおよびパリティビットの信頼度を軟判定し(ステップS46)、その判定結果(軟出力)をデパンクチャ22に供給する。
以後は、従来のターボ復号回路と同様に、デパンクチャ22において、欠落ビットを補充して信頼度を求めて軟判定し、さらに、対数尤度比生成回路23において、再正規化および尤度比生成処理を行って、その結果を、繰り返し復号処理回路25に供給するとともに、デインターリーバ24で並び替えして繰り返し復号処理回路25に供給することにより、復号処理して出力する。
図6は、本実施の形態の無線通信装置により合成受信信号を生成して復号処理した場合のフレームエラー(FER)特性のシミュレーション結果と、図7に示した従来の無線通信装置によりMMSEを採用して合成受信信号を生成して復号処理した場合のFER特性のシミュレーション結果とを比較して示す図で、図6(a)は本実施の形態の場合のシミュレーション結果を示しており、図6(b)は従来の場合のシミュレーション結果を示している。なお、シミュレーション条件は、受信アンテナは2本とし、遅延波モデルはITU−R M.1225に定義されたVehicular−A を使用した。この遅延波モデルによる遅延時間は、2.4μsec程度である。また、このときの移動速度は、120(km/h)である。通信方式は、OFDM方式として、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying),16QAM,64QAMの変調方式によるFER特性をシミュレーションした。なお、QPSK,16QAM,64QAMの符号化率は、1/2,3/4,5/6とした。
図6から明らかなように、16QAM/64QAMと多値化を進めると、図6(b)に示す従来の場合には、FER特性の劣化が大きくなって、入力CINR値(Carrier to Interference plus Noise Ratio:信号対干渉雑音比)を大きくしてもFER値は低下せず、安定した受信状態が得られる10−2以下のFER値を得ることができない。これに対し、図3(a)に示す本実施の形態の場合には、16QAMでは、入力CINR値が20dB前後で、64QAMでは、入力CINR値が30dB前後で、それぞれ10−2以下のFER値を得ることができるので、常に安定した受信状態を維持することができる。
また、QPSKの場合も、10−2以下のFER値を得るには、従来の場合、15dB前後の入力CINR値を必要とするが、本実施の形態の場合には、10dB前後の入力CINR値で済むことになる。
以上のように、本実施の形態によれば、複数のアンテナ11−1〜11−Mの各々に対応する受信電力、すなわちエンベロープ情報に基づいて、合成情報算出回路14において合成重みであるアンテナ毎のアンテナ信頼度比を算出し、その算出した各アンテナ信頼度比に基づいて、合成回路15において、対応するアンテナ11−1〜11−Mの受信信号を重み付けしてダイバーシティ合成するとともに、その合成受信信号に対して、合成情報算出回路14で算出したアンテナ合成振幅を用いて、復号回路16においてシンボル位置を判定して復号処理するようにしたので、受信アンテナが少ない場合でも、また、変調方式が多値変調方式の場合であっても、遅延到来波を伴うマルチパスフェージングの影響を低減して、復号処理のフェージング耐久性を改善することができ、常に安定した受信状態を維持することができる。また、MMSEにおけるような逆行列演算を含む推定アルゴリズムを採用する必要がないので、ハードウェアの小型化およびコストダウンを図ることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、本発明は、OFDM方式のようなマルチキャリア変調方式に限らず、複数のアンテナの受信信号をダイバーシティ合成する無線通信装置に広く適用することができる。また、MMSEにより合成受信信号を得る場合でも、例えば、図7に示した復号回路105にアンテナ合成振幅を供給して、等化器104からの信頼度を補正して復号処理することもできる。このようにすれば、復号処理のフェージング耐久性を改善することができる。
11−1〜11−M アンテナ
12−1〜12−M 受信部
13−1〜13−M 等化器
14 合成情報算出回路
15 合成回路
16 復号回路
21 シンボル位置判定回路
22 デパンクチャ
23 対数尤度比生成回路
24 デインターリーバ
25 繰り返し復号処理回路
26 正規化処理回路
12−1〜12−M 受信部
13−1〜13−M 等化器
14 合成情報算出回路
15 合成回路
16 復号回路
21 シンボル位置判定回路
22 デパンクチャ
23 対数尤度比生成回路
24 デインターリーバ
25 繰り返し復号処理回路
26 正規化処理回路
Claims (5)
- 複数のアンテナを有し、これら複数のアンテナの受信信号をダイバーシティ合成する無線通信装置において、
前記複数のアンテナの受信電力に基づいて、アンテナ合成振幅および合成重みを算出する合成情報算出部と、
該合成情報算出部で算出された前記合成重みに基づいて、前記複数のアンテナの受信信号を重み付けして合成して合成受信信号を生成する合成部と、
前記合成情報算出部で算出された前記アンテナ合成振幅に基づいて、前記合成部で生成された前記合成受信信号を復号処理する復号処理部と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。 - 前記合成情報算出部は、前記合成重みとして、前記アンテナ合成振幅と各アンテナに対応する受信電力の振幅とに基づいて、アンテナ毎のアンテナ信頼度比を算出することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記合成部で合成する前記複数のアンテナの受信信号は、多値変調された受信信号であることを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。
- 前記合成部で合成する前記複数のアンテナの受信信号は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)された受信信号であることを特徴とする請求項1,2または3に記載の無線通信装置。
- 複数のアンテナの受信信号をダイバーシティ合成する無線受信方法において、
前記複数のアンテナの受信電力に基づいて、アンテナ合成振幅および合成重みを算出する合成情報算出ステップと、
該合成情報算出ステップで算出された前記合成重みに基づいて、前記複数のアンテナの受信信号を重み付けして合成して合成受信信号を生成する合成ステップと、
前記合成情報算出ステップで算出された前記アンテナ合成振幅に基づいて、前記合成ステップで生成された前記合成受信信号を復号処理する復号処理ステップと、
を含むことを特徴とする無線受信方法。
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