(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる処理状況確認支援装置、処理状況確認支援方法および処理状況確認支援プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
例えば、処理状況確認支援装置は、連結決算処理において、複数の子会社の担当者が端末操作によりデータ処理して送付した会計業務の入力項目別の情報を収集し、子会社ごとの入力項目の処理状況を分かりやすく可視化した表示画面(運用確認表)を作成することで、親会社の確認者が運用確認表を用いて子会社が行った入力項目の処理状況の確認作業の支援に適用できる。子会社の担当者および親会社の確認者は、いずれも処理状況確認支援装置の機能を利用するユーザとして説明する。
また、端末の担当者が運用確認表に基づき、自分が操作入力した入力項目の処理状況を確認することもできる。例えば、処理状況確認支援装置が端末に通信接続され、処理状況確認支援装置が出力する入力項目ごとの処理状況の表示内容を端末の担当者が確認することもできる。
図1Aは、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置の機能ブロック図である。処理状況確認支援装置100は、入力部101、通信部102、制御部103、記憶部104、出力部105を含む。
入力部101には、子会社の担当者により連結決算処理に必要な情報(例えば、後述するレポーティング・パッケージ)が入力される。通信部102は、通信回線を介して子会社からレポーティング・パッケージDを受信する。制御部103は、入力部101あるいは通信部102を介して入力されるレポーティング・パッケージDのログ(詳細は後述するが、担当者、処理メニューごとの情報(値)、処理時刻等を含む)を作成する。
そして、制御部103は、作成したログに基づき、担当者が行った入力項目ごとの処理状況を可視化した運用確認表を作成する処理を実行する。制御部103は、入力項目別の処理状況をデータ処理するデータ処理部111と、入力部101、通信部102、出力部105に対するデータの入出力を行う入出力部112とを含む。記憶部104は、入力されたレポーティング・パッケージD、および可視化した処理状況の実行結果を格納する。出力部105は、制御部103が可視化した処理状況の実行結果を出力する。
例えば、制御部103は、入力された処理状況を可視化した実行結果を表形式の表示データ(運用確認表)として生成し、出力部105に出力する。そして、出力部105は、制御部103が出力する表示データ(運用確認表)を、例えばディスプレイに表示出力する。
図1Bは、実施の形態にかかる処理状況確認支援システムの構成例を示す図である。処理状況確認支援装置100は、ネットワークNWを介して複数の子会社および親会社の端末120に通信接続される。
処理状況確認支援装置100は、上述したように、子会社の端末120から送信されたレポーティング・パッケージDのログを作成し、作成したログに基づき、入力項目ごとの処理状況を可視化した表示画面(運用確認表)を作成する処理を実行する。親会社の端末120は、処理状況確認支援装置100が可視化した表示画面(運用確認表)を用いて子会社側で行った入力項目の確認を行う。また、入力間違い等について補正する操作を行うことで、レポーティング・パッケージDを補正することもできる。
なお、端末120は、予め処理状況確認支援装置100側で作成するレポーティング・パッケージDや、レポーティング・パッケージDの作成プログラムを保持してもよい。これにより、例えば、端末120は、処理状況確認支援装置100と非同期や通信接続しない(オフライン状態等)でレポーティング・パッケージDの作成を個別に行うこともできる。
図1Cは、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置を含む他のシステム構成例を示す図である。処理状況確認支援装置100を含むシステムは、図1Bのシステム構成に限らず、図1Cのシステム構成とすることもできる。図1Cのシステムは、連結会計業務支援装置150がネットワークNWを介して端末120に接続され、処理状況確認装置100は、連結会計業務支援装置150に接続される。
連結会計業務支援装置150は、オンライン接続された子会社の端末120に対し、連結決算処理に必要な情報(レポーティング・パッケージD)の入力フォームを配布する。レポーティング・パッケージDは、子会社の端末120において、連結決算処理に必要な情報の入力操作に必要な入力項目等の情報を含む(値が空な器に相当)である。
子会社のユーザ(担当者)は、端末120を操作して、受信した空のレポーティング・パッケージDに子会社の情報の入力を行い、各入力項目への値の入力により作成した報告のレポーティング・パッケージDを連結会計業務支援装置150に送信する。
連結会計業務支援装置150は、子会社の端末120から受信した報告のレポーティング・パッケージDを回収し、照合処理、仕訳生成を行いログを作成する。処理状況確認支援装置100は、連結会計業務支援装置150が作成したログを受け取り、このログに基づき、入力項目ごとの処理状況を可視化した表示画面(運用確認表)を作成する処理を実行する。
図2は、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置のハードウェア構成例を示す図である。処理状況確認支援装置100は、例えば、図1Aに示す処理状況確認支援装置100は、図2に示すハードウェア構成を有する。処理状況確認支援装置100は、CPU201、ROM202、RAM203、磁気ディスクドライブ204、磁気ディスク205、光ディスクドライブ206、光ディスク207、入力デバイス208、映像I/F209、ディスプレイ210、通信I/F211、等を含む。各構成部201〜211は、バス220によってそれぞれ接続されている。
CPU201は、処理状況確認支援装置100の全体の制御を司る制御部として機能する。ROM202は、サーバのブートプログラムを記録している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU201は、RAM203をワークエリアとして使用しながら、ROM202に記録された各種プログラムを実行することによって、処理状況確認支援装置100の全体の制御を司る。
磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク205としては、例えば、HD(ハードディスク)を用いることができる。
また、光ディスクドライブ206は、CPU201の制御にしたがって光ディスク207に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク207は、光ディスクドライブ206の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク207は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク207のほか、MO、メモリカードなどを用いることができる。
入力デバイス208は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス208は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか一つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
映像I/F209は、ディスプレイ210に接続される。映像I/F209は、具体的には、例えば、ディスプレイ210全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ210を制御する制御ICなどによって構成される。
ディスプレイ210には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ210としては、例えば、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
通信I/F211は、ネットワークに接続され、処理状況確認支援装置100およびCPU201のインターフェースとして機能する。ネットワークとして機能する通信網には、インターネット、公衆回線網や携帯電話網、LAN、WANなどがある。
図1Aに示した処理状況確認支援装置100は、図2に記載のROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU201が所定のプログラムを実行することによって、処理状況確認支援装置100の機能を実現する。図1Aの入力部101の機能は、図2の入力デバイス208を用いて実現でき、図1Aの通信部102の機能は、図2の通信I/F211を用いて実現できる。
また、図1Aの記憶部104の機能は、図2のROM202、磁気ディスク205、光ディスク207等を用いて実現できる。また、図1Aの出力部105の機能は、図2のディスプレイ210への画面表示や図示しないプリンタを用いることで印刷出力でき、このほか、通信I/F211を介して所望する端末120へデータ通信で外部出力することもできる。例えば、図1A〜図1Cに示した処理状況確認支援装置100は、図2に記載のハードウェアからなり、例えば、汎用のサーバを用いることができる。
また、図1Cに示した連結会計業務支援装置150についても、図2に記載のハードウェアからなり、例えば、汎用のサーバを用いることができる。また、これら処理状況確認装置100と連結会計業務支援装置150は、同一のサーバを用いて構成してもよい。さらには、処理状況確認装置100と連結会計業務支援装置150の機能をそれぞれネットワークNW上のクラウドを用いて実現することもできる。
端末120についても、図2に示すハードウェア構成を用いて実現でき、例えば、端末120は、汎用のパーソナル・コンピュータ(PC)を用いることができる。
図3は、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置が行う可視化した表示画面の出力例を示す概要図である。図3には、処理状況確認支援装置100の制御部103(データ処理部111、CPU201)が実行するレポーティング・パッケージDの処理状態を可視化した運用確認表の表示例を示す。レポーティング・パッケージDは、プロセス単位で入力され、プロセスごとに処理メニューを有している。例えば、プロセス10.〜プロセス30.がレポーティング・パッケージDの入力であり、プロセス30.は、処理メニュー3001〜3003を有する。プロセス40.はレポーティング・パッケージDの複写である。
制御部103は、子会社から入力されるレポーティング・パッケージDについて、処理メニューごとの処理状況を表形式の運用確認表300として生成する。図3に示す運用確認表300は、縦軸は、複数のプロセスごとの処理メニューである。横軸は時刻軸(時刻t)であり、処理メニューの処理時刻である。各処理メニューの処理時刻はログに記録されており、制御部103は、ログの記録情報に基づき図3に示す運用確認表300を生成する。
図3の例では、プロセス10.の処理メニュー1001は、ある時期(時刻a)に処理実行されたことを示し、縦軸の処理メニュー1001と横軸の時刻aが交差する領域(マス)に処理の指標(マーク)301aを表示する。プロセス20.の処理メニュー2001は、時刻aと異なる時期(時刻b)に処理実行されたことを示し、縦軸の処理メニュー2001と時刻bが交差する領域にマーク301bを表示する。以下、プロセス30.40の処理メニュー3001〜4001についても同様に、時刻c〜fにそれぞれ所定の処理が行われたことを示すマーク301c〜301fを表示する。
ここで、プロセス40.(処理メニュー4001)は、それまでのプロセス10.〜30.(処理メニュー1001〜3003)を実行後に行うべき節目のプロセスであるとする。例えば、プロセス10.〜30.(処理メニュー1001〜3003)の実行後に、プロセス40.(処理メニュー4001)として、レポーティング・パッケージDの複写を行うとする。この場合、プロセス40.(処理メニュー4001)の実行前の時期にプロセス10.〜30.(処理メニュー1001〜3003)が実行済みでなければならない。
制御部103は、この節目のプロセス40.を確認者に通知する。例えば、図3に示すように、節目のプロセス40.の行全体を太枠やマーカー310等で強調表示することで、プロセス4が節目のプロセスであることを通知する。
そして、図3に示すように、プロセス40.の実行後に、プロセス30.(処理メニュー3003)が再度実行されたとする(マーク301g)。この場合、時刻gに実行されたプロセス30.(処理メニュー3003)は、節目のプロセス40.(処理メニュー4001)の実行後に手戻りで再度実行されたものであり、ユーザ(確認者)は、マーカー310とマーク301gの位置に基づき、処理順が異常であると判断することができる。
この際、制御部103は、この時刻gに実行されたプロセス30.(処理メニュー3003)のマーク301gについて、処理順が異常であることを示す表示を行ってもよい。例えば、制御部103は、処理順が異常であることを、他のマーク301a〜301fと異なる強調表示により行う。例えば、他のマーク301a〜301fに対しマーク301gを異なる色(例えば赤色)で表示したり、点滅表示したりする。
このようにして、運用確認表300上では、マーカー310の位置を基準として、手戻りが発生したマーク301gが示す時刻gを表示することで、ユーザ(確認者)は、プロセス30.(処理メニュー3003)の処理が異常処理であることを容易に確認することができる。また、制御部103が運用確認表300上のマーク301gを強調表示することで、マーク301gが示す時刻gのプロセス30.(処理メニュー3003)の処理が異常処理であることを判断することもできる。
上記処理では、プロセス(一連の処理メニュー)の処理順の異常について説明したが、後述するように、運用確認表300上のマーク表示により、同一のプロセス(同一の処理メニュー)に対する処理回数が多い場合等についても異常である旨を表示することができる(各異常状態の表示例の詳細は後述する)。
実施の形態では、上記構成により、単純なログを縦軸の処理メニューと横軸の時刻に展開することで、プロセス(処理メニュー)の実行の時刻別の表示を行うことで、処理メニューを実行した時刻部分にマークを表示する運用確認表300を作成する。これにより、ユーザ(確認者)は、複数の処理メニューの実行状況を運用確認表300上で容易に確認できるようになる。
また、マークが空欄の処理メニューがあれば、プロセス(処理メニュー)が未実行であることを検出することができ、プロセス(処理メニュー)の未実行がある異常を検出することもできる。なお、まったく処理されていないメニューを行として現さないこととしてもよい。このように、実施の形態の運用確認表300を用いることにより、子会社から収集したレポーティング・パッケージDの処理状況を容易に確認できるようになる。
(表示画面の作成処理例)
つぎに、処理状況確認支援装置100の制御部103が行う上述した運用確認表300の作成処理例について説明する。制御部103は、子会社から収集したレポーティング・パッケージDのログの情報に基づき運用確認表300を生成する。
図4A,図4Bは、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置が保持するログ例を示す図表である。このログ400は、制御部103がレポーティング・パッケージD(D1〜Dn)の内容を時系列に保持したものであり、単純なログと変わりない情報からなる。ログ400は、縦軸は処理順のレポーティング・パッケージD、横軸はレポーティング・パッケージDの各項目の処理内容からなる表である。
便宜上、図4Aと図4Bとに分割したが、図4Aの横軸(右端)に、図4B(左端)が連結された一つの表で表示される。なお、制御部103は、表示部(ディスプレイ210)の大きさに合わせて図4Aと図4Bからなるログ400をスクロール可能に表示してもよい。
横軸の各項目は、レポーティング・パッケージDの処理時刻(年月日時分秒)401、ユーザ部(担当者)402、仕訳種類(債権債務、取引高、…、資本連結、単純合算)403、処理メニュー(メニューID、メニューNo、メニュー名、メニュー区分)404、処理情報(処理区分、処理内容)405、複写メニュー(複写メニューID、複写RP、複写メニューNo)406、エラー(エラーID、エラーメッセージ)407、会社(子会社の番号)408、等の情報を含む。
ユーザ部402は、レポーティング・パッケージDに対する処理を行った上記子会社の担当者の情報である。仕訳種類(債権債務〜単純合算)403は、レポーティング・パッケージDの各種仕訳のうち該当する仕訳を「対象」と表示する。例えば、ログD1レポーティング・パッケージは、仕訳種類403が「単純合算」であることを示している。例えば、どの仕訳種類403の仕訳にも該当しないレポーティング・パッケージDがあったとすると、ログ上、仕訳種類403のすべてが「対象外」と表示される。
処理メニュー404は、ユーザ部(担当者)402がレポーティング・パッケージDに対して行った所定の処理の情報である。この処理種別は、処理情報405(処理区分)として、イ:インポート、コ:データコンバート、更:更新、参:参照、試:試算処理、出:出力、承:承認、連:データ連携、等がある。処理情報(処理区分)405は、図示の例では、便宜上省略した1文字で表示されている。
複写メニュー406は、上述した節目のプロセス(データの複写)に該当する。処理メニュー404の処理が「レポーティング・パッケージの複写処理」の場合、この複写メニュー406には、複写対象となったレポーティング・パッケージのメニューの情報を表示する。なお、「レポーティング・パッケージの複写処理」の処理は、この処理実行前までのプロセスでレポーティング・パッケージDに子会社の担当者が入力したデータを、親会社が補正するためにデータを複写する処理である。これは、子会社の入力内容と親会社の補正内容を分けることで責任の所在を明確にするため等に行う。
(メニュー別利用頻度表について)
図5は、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置が作成するメニュー別利用頻度表を示す図表である。制御部103は、上述した運用確認表300の作成にあたり、まず、メニュー別利用頻度表500を作成する。
図5に示すように、メニュー別利用頻度表500には、ログ400に含まれるユーザ(担当者)のうち、表示対象とするユーザ選択部501と、表示する処理区分(図5の例では、「参照」と「更新」)405を選択する処理区分選択部502と、ユーザ選択部501で選択されたユーザについて処理区分選択部502で選択された処理区分405に該当する処理メニュー404である処理メニュー一覧を表示する処理メニュー一覧表示部503と、が表示される。
処理メニュー一覧表示部503には、縦軸に各処理のメニューの一覧を表示し、横軸には、処理メニュー情報511(処理メニュー404のメニューNoとメニュー名)と、各処理メニューに対して行われた処理区分405(参照と更新、およびこれら参照と更新の総計処理回数)の情報512を表示する。また、縦軸の最下段には、処理区分405別の処理回数の総計を表示する。
(メニュー別利用頻度表の作成処理例)
制御部103は、以下の手順でメニュー別利用頻度表500(処理メニュー一覧表示部503)を作成する。
(1)はじめに、制御部103は、ログ400上に存在する処理区分405(イ:インポート、コ:データコンバート、更:更新、参:参照、試:試算処理、出:出力、承:承認、連:データ連携)のうち、処理区分表示部502で選択した処理区分405に対応する処理メニュー404を抽出する。
(2)つぎに、制御部103は、メニュー別利用頻度表500の縦軸に、抽出した処理メニュー404を、予め定めたメニューNo順(メニューNoは、本来ユーザ(担当者)が行うべき処理メニュー404の処理順に相当)を展開した処理メニュー情報511として表示する。また、制御部103は、メニュー別利用頻度表500の横軸(処理メニュー511の横)に、抽出した処理区分(図5の例では、参照、更新、総計)405を表示する。
(3)つぎに、制御部103は、メニュー別利用頻度表500の縦軸・横軸の交点に該当するログの数をカウントし、該当セルに表示する。例えば、図5の例では、ログ400上で処理メニュー404の「連結勘定科目体系(メニューNo「1113」)」について、処理区分405の「参照」回数が「2」、「更新」回数が2であり、「総計」を4として表示する。
なお、4桁の各メニューNoの上2桁は、プロセス種別に相当し、例えば、上2桁の「11.」は、処理状況確認支援装置100が有するマスタ群(マスタ・データ群)の定義(設定)等を行うプロセス(処理メニューの集合)、「12.」は、連結決算仕訳生成のためのマスタを定義するプロセス(処理メニューの集合)、「31.」は、各子会社(端末120)において、レポーティング・パッケージDに入力するプロセス(処理メニューの集合)である。
また、「41.」は、レポーティング・パッケージDを、補正用レポーティング・パッケージに複写する機能である。上記の説明では、節目の処理メニューにおける「レポーティング・パッケージの複写処理(メニューNo「4122」)」として説明した。なお、「4122 レポーティング・パッケージの複写処理」は、プロセス41の22番目の処理メニューであることを示している。
「51.」は、補正用レポーティング・パッケージに親会社が入力(補正)する機能である。例えば、「レポーティング・パッケージの複写処理(メニューNo「4122」)」の下部に「51.」番台以降の処理メニューが表示される。例えば、処理状況確認支援装置100が親会社に配置されるか、あるいは親会社の端末120についても処理状況確認支援装置100に通信接続することで、親会社の確認者は、上記説明したログの可視化(運用確認表300)により、子会社の担当者が行った入力項目の処理状況を確認する。この際、親会社の確認者は、子会社の担当者が行った入力項目の処理状況のうち、異常が生じた入力項目について値の補正等を行い、補正用レポーティング・パッケージを作成する。
(4)また、制御部103は、各行の処理メニュー404の表示の塗り分けを行う。例えば、メニュー区分「0」は、「その他のメニュー」であり、特定の表示色で塗らない(白色とする)。メニュー区分「1」は、上記節目のプロセス「レポーティング・パッケージの複写処理」であるため、このメニューの行全体を強調表示する所定色(例えば、黄色)のマーカー510で塗る。メニュー区分「2」は「処理メニュー404について、マスタ・データや会社(子会社)から収集したレポーティング・パッケージDの入力値をもとにバッチ的に更新処理を行うメニュー行」であり、所定色(例えば、ピンク色)で塗る(図5の領域521)。
(5)そして、制御部103は、異なるプロセスの間に区切りを示す横罫線を描画する。図5に示す全4桁のメニューNoのうち上2桁が異なるプロセス別の数値を示しており、例えば、メニューNo「1134」と「1211」の間を太線512aの横罫線で区切る。同様に、太罫線512b〜512fにより、上下でプロセスが異なることを表示する。以上により、制御部103は、メニュー別利用頻度表500を作成する。
(6)また、制御部103は、上記手順で作成したメニュー別利用頻度表500上での操作によりログ400の詳細を表示することができる。ログ400の詳細(図4A,図4Bに相当)は、作成したメニュー別利用頻度表500のうち、所定の処理が行われたセル、すなわち、処理区分に値が入っているセル)をダブルクリックすることで、該当するログ400の詳細な内容(図4A,図4Bに相当)を表示することができる。
以上説明したメニュー別利用頻度表500は、上述した運用確認表300として展開するための元となる情報である。このメニュー別利用頻度表500の表示によって、処理状況確認支援装置100は、確認者に対し、子会社のユーザ(操作者)が行った各処理(処理メニュー)の一覧を容易に把握できるようになる。また、確認者は、処理メニューごとにユーザ(操作者)が行った処理区分ごとの実行回数についても容易に把握できるようになる。
(未利用メニュー一覧について)
図6は、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置が作成する未利用メニュー一覧を示す図表である。制御部103は、上述したメニュー別利用頻度表500の作成によって、ユーザが実行していない残りの処理メニューを未利用メニュー一覧600として表示する機能を有する。図6には、便宜上、図5のメニュー別利用頻度表500で利用していない処理メニュー情報511の一部の処理メニューみを示している。すなわち、図6に示すメニューNo(処理メニュー)は、図5に示した処理メニュー情報511に表示されていない処理メニューである。
このように、制御部103は、処理状況確認支援装置100が端末120に提供可能な処理メニューのうち、端末120で利用されていない(ログ400に無い)メニューを未利用メニュー一覧600として表示する機能を有する。
図6に示す未利用メニュー一覧600は、縦軸に未利用メニューをそれぞれ表示する。横軸には、各未利用状態の処理メニューの内容として、利用区分「未利用メニュー」である旨の情報601、メニューNo602、メニュー名603、メニュー解説604を表示する。
処理状況確認支援装置100は、利用されていない提供可能な未利用の処理メニューを抽出して図6に示す未利用メニュー一覧600の情報を端末120に送信する。この際、端末120を操作する親会社の確認者は、メニュー解説604を見て未利用の処理メニューをどのようにして用いればよいか容易に判別できるようになる。
これにより、親会社の確認者に対し、処理状況確認支援装置100は、提供する処理メニューのうち、使用していない検証用の処理メニューの存在に気づかせることができるようになる。同様に、端末120を操作する担当者に対しても、処理状況確認支援装置100は、未利用の処理メニューの情報を提供でき、より適切な仕訳を行うことができるようになる。さらには、処理状況確認支援装置100が提供可能な処理メニューを増やした場合に、この新たな処理メニューを確認者および担当者に通知することができるようになる。
(運用確認表について)
図7A〜図7Dは、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置が作成する運用確認表を示す図表である。制御部103は、上記説明したログ400を展開して運用確認表300を作成する。
図7(図7A〜図7D)に示す運用確認表300は、概要説明した図3をより詳細に記載したものである。この運用確認表300は、便宜上、図7A〜図7Dに4分割して記載したが、例えば、表示部(ディスプレイ210)上には、図7Aの横軸(右端)に、図7B(左端)が連結される形で一つの表で表示される。なお、制御部103は、表示部(ディスプレイ210)の大きさに合わせて運用確認表300をスクロールおよび拡大、縮小可能に表示してもよい。
運用確認表300の上部には、仕訳種類(債権債務〜単純合算)403(図4A参照)の表示対象を個別に選択する仕訳種類選択部701と、表示対象のユーザ(担当者)を選択するユーザ選択部702と、処理区分405(イ:インポート、コ:データコンバート、更:更新、参:参照、試:試算処理、出:出力、承:承認、連:データ連携)を選択する処理区分選択部703と、が表示される。
図示の例では、仕訳種類選択部701で仕訳種類(債権債務、取引高、…、資本連結、単純合算)403の各仕訳をいずれも選択し、ユーザ選択部702で所定のユーザ(ecauser)を選択し、処理区分選択部703にて、イ(インポート)と、コ(データコンバート)を選択した状態が示され、この選択に対応する運用確認表300が表示されている。なお、初期状態では、イ:インポート、更:更新、試:試算処理、連:データ連携(これらはデータの内容を更新する処理)が選択された状態となっている。
運用確認表300には、縦軸に各処理のメニューの一覧を表示する(図5のメニュー別利用頻度表500と同様)。横軸には、処理メニュー情報511(処理メニュー404のメニューNoとメニュー名)と、各処理メニューに対しての処理が行われた時期を示す処理時刻表示部705が表示される。
この運用確認表300は、図5のメニュー別利用頻度表500と同様に異なるプロセスの間に区切りを示す太線等の横罫線512a〜512fが表示される。また、節目のプロセス「レポーティング・パッケージの複写処理」は、図5で説明したメニュー区分「1」に該当し、図5同様にメニューの行全体が強調表示する所定色(例えば、黄色)のマーカー510で表示される。また、メニュー区分「2」に該当するメニュー行(領域521)は、所定色(例えば、ピンク色)で表示される。
処理時刻表示部705の横軸は時刻軸であり、各処理メニュー404に対してそれぞれ処理実行された領域(マス)が処理の指標(マーク)301で表示される。例えば、処理メニュー404の「連結勘定科目体系(メニューNo「1113」)」について、処理区分405の「更新」が行われた時刻(2017年7月31日17時00分)が所定の指標(マーク)301bで表示される。また、マーク301b部分には、「更新」の処理回数「2」が数値表示される。以下、他の処理メニュー404についても順次処理メニューと処理実行の時刻の交差部分にマーク301が表示される。なお、時間軸を分単位で分割しているため同じ分内で、同一メニューの複数回の処理を行った場合、その処理回数がマーク301部分に数値として表示される。
処理時刻表示部705の横軸(時刻軸)には、1マスあたり1回の処理メニュー404が実行された時刻の処理時刻表示領域706を有している。この処理時刻表示領域706は、図示のように、年月日および時分と、処理区分405とを縦軸上で一つのマス列で表示する。これにより、複数の処理メニュー404が処理実行された時刻を時刻軸方向で詰めて表示することができる。
すなわち、処理時刻表示部705の横軸を等間隔に連続する時刻軸で表示した場合、各処理メニュー404の処理実行の時刻はばらばらであるため、マーク301が表示されるマス部分が時刻軸方向で離れ、見にくくなるとともに、時刻軸方向の表示領域が膨大となる。
この点、実施の形態の処理時刻表示部705の時刻軸表示によれば、図示のように、各処理メニュー404が実行された時刻のマーク301を時刻軸で詰めて表示でき、異なる複数の処理メニュー404の処理実行状態(処理の流れや順番等を含む)をユーザ(確認者)が容易に把握できるようになる。
また、図7Dに示すように、処理時刻表示部705の横軸(時刻軸)の最後部には、各処理メニュー404について、選択された処理区分405の「更新」に関する総計(処理回数)705aが表示される。制御部103は、この総計の値が多いほど、該当する総計のマスを強調した色(例えば、赤色)で表示してもよい。例えば、最も処理回数が多い節目のプロセス「レポーティング・パッケージの複写処理」は処理回数が「9」であるため、該当する総計705aのマスを赤色で表示する。また、処理回数が最低限の「1」以外、すなわち、2以上であれば該当するマスを、この処理回数に応じた強調表示を行う。例えば、処理メニュー404の[報告用]個別財務諸表(メニューNo「3111」)と、[報告用]債権・債務明細(メニューNo「3126」)の総計705aのマス712は、処理回数が4であるため、橙色などで強調表示する。
基本的に一つの処理メニュー404あたり、縦軸の順番にしたがって最低限の1回の処理を行えばよい。これにより、一つの処理メニュー404に対する処理回数が多いほど、何度も同じ処理メニュー404に対する処理を行っていることをユーザ(確認者)に対して通知することができる。また、処理状況確認支援装置100が端末120に処理時刻表示部705の表示画面を送信することで、一つの処理メニュー404に対する処理回数が多いほど、何度も同じ処理メニュー404に対する処理を行っていることを端末120のユーザ(担当者)に対して通知することもできる。
上記説明した運用確認表300では、処理時刻表示部705上において、レポーティング・パッケージDに対する各処理メニュー404を横軸に一覧表示し、縦軸の各処理メニュー404を処理実行した時刻を横軸の該当するマス部分にマーク301として表示している。これにより、異なる複数の処理メニュー404の処理実行状態(処理の流れや順番等を含む)をユーザ(確認者)が容易に把握できるようになる。
処理時刻表示部705には、複数のマーク301が右下下がりの斜め方向に表示されている。これにより、担当者(ユーザ)が上部の処理メニュー404から順に処理実行している状態であることが、確認者(ユーザ)が容易に確認できる。
また、処理時刻表示部705には、節目のプロセスである処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」は、行全体が所定色(例えば、黄色)のマーカー510で強調表示されている。これにより、処理の流れが異常な箇所を容易に確認できるようになる。
例えば、マーカー510で強調表示されている処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」の横軸(ある処理時刻)を基準に見た時、この処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」の縦軸上で上部に位置する複数のプロセス(処理メニュー404)は、処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」の処理実行の時刻よりも前(以前)の時刻に実行済みでなければならない。
この場合、図7A,図7Bに示すマーク301は、順次各処理メニュー404が実行処理されており、右下下がりの状態であるため、ユーザ(確認者)は、正常な処理状態であることを確認できる。時刻(2017年8月1日17時46分)には、処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」が処理実行されたことを確認できる。また、図7Cでは、処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」後の処理のマーク301が右下下がりに順次表示されている。
しかし、図7Cのマーク301xについては、処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」の処理後に、この処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」の横軸(ある処理時刻)を超えた上部の位置に表示されている。ユーザ(確認者)は、順次処理された処理メニュー404のマーク301が右下下がりでマーカー510部分に重なる位置まで表示されていることに基づき、処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」までの各処理が正常に実行されていることを確認できる。しかし、処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」を処理実行した時刻以降の時刻に、マーク301xがマーカー510よりも上の位置にされていることに基づき、処理の異常を確認することができる。
この場合、マーク301xに該当する処理メニュー404「[報告用]購入固定資産等明細(メニューNo「3135」)は、節目となるプロセスである処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」の実行後に再度実行されたものである。節目となるプロセスである処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」の実行後に実行されたマーク301xに該当する処理メニュー404「[報告用]購入固定資産等明細(メニューNo「3135」)は、処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」を実行することができない、あるいは実行忘れの虞を有する。
すなわち、処理メニュー404「レポーティング・パッケージの複写処理」は、それまでに行った処理の複写であり、この複写が行われない虞を有するためである。加えて、マーク301xに該当する処理メニュー404「[報告用]購入固定資産等明細(メニューNo「3135」)は、以前(例えば時刻:2017年8月1日13時42分)にも実行されており、複数重複して実行された(処理戻り発生)ものである点でも処理異常に該当する。
また、制御部103は、異常処理に該当する処理メニュー404「[報告用]購入固定資産等明細(メニューNo「3135」)のマーク301xを強調表示してもよい。確認者は、運用確認表300上のマーク301xの強調表示により、マーク301xが示す処理メニュー404「[報告用]購入固定資産等明細(メニューNo「3135」)に手戻りが発生した異常処理であることを容易に判断することができる。
上記処理では、プロセスの処理順の異常について説明したが、運用確認表300上のマーク表示により、同一プロセスに対する処理回数が多い場合についても異常である旨を表示することができる。例えば、マーク301cは、一つの処理メニュー404「[報告用]個別財務諸表(メニューNo「3111」)」について、異なる時刻に複数の処理が実行されたことに対応して、4つのマスにマーク301cが付けられている。この場合、ユーザ(確認者)は、時刻軸方向の複数のマスにマーク301cがある処理メニュー404「[報告用]個別財務諸表(メニューNo「3111」)」は同一の処理を複数回実行処理された異常を確認できるようになる。
また、マーク301が空欄のマスであれば、空欄に該当する処理メニュー404の処理が未実行であることを検出することができ、未実行の処理メニュー404がある異常を検出することができる。上記処理によれば、各処理メニュー404は縦軸の上から順次実行されるため、マーク301は右下下がりの方向性を持つため、連続しない(空白の)マーク301があれば、この部分の処理メニュー404の処理が未実行であることを容易に確認することができる。この際、上述したように、時刻軸は、処理メニュー404が処理実行された時刻であるため、マーク301は右下下がりで連続して表示されることとなり、連続しない(空白の)マーク301を簡単に検出できるようになる。
以上説明した実施の形態の運用確認表300を用いることにより、子会社から収集したレポーティング・パッケージDの処理状況を容易に確認できるようになる。そして、実施の形態では、上記構成により、ユーザ(確認者)は、複数の処理メニューの実行状況(正常/異常)を運用確認表300上で容易に確認できるようになる。
これに限らず、処理状況確認支援装置100が端末120に通信接続され、処理状況確認支援装置100が運用確認表300の処理時刻表示部705の表示画面を端末120に送信することで、端末120側で担当者(ユーザ)が複数のプロセスの実行状況(正常/異常)を運用確認表300上で容易に確認することもできる。
(運用確認表の作成処理例)
制御部103は、以下の手順で運用確認表300を作成する。
(1)はじめに、制御部103は、運用確認表300の縦軸に、メニュー別利用頻度表500(図5参照)と同様の処理メニュー情報511を表示する。
(2)つぎに、制御部103は、運用確認表300の横軸(処理メニュー情報511の右側)に、メニュー別利用頻度表500で表示した処理区分(参照と更新)と、年月日時分からなる処理時刻表示部705を表示する。総計は、処理時刻表示部705の右端(図7D参照)に表示する。
ここで、制御部103は、図7Aに示すように、処理メニューをメニューNoに基づき上から下に昇順に表示する。メニューNoは、連結決算処理を順次実行する際の実行順に相当する。処理状況確認支援装置100および端末120を含む全体システムでは、例えば、メニューNoの上二桁「11」を実行後、「12」、「31」を順次実行することが好ましいと規定している。この処理順は、連結決算処理の順に相当する。
ここで、制御部103は、同一プロセス(メニューNoの上二桁「11」)内であれば、複数のメニュー(メニューNo「1111」〜「1134」)の処理順は任意である。例えば、制御部103は、後述する処理メニューの処理順の異常検出時に、同一プロセス(メニューNoの上二桁「11」)内であれば、メニューNo「1111」よりもメニューNo「1134」を実行しても、メニューNo「1134」は処理順が異常であるとの判断は行わない。
(3)そして、制御部103は、運用確認表300の処理時刻表示部705の横軸を時刻軸とし、複数の処理メニュー情報511の処理メニューを実行した時刻の部分、すなわち、縦軸の処理メニューと横軸の時刻の交点のマスに、該当するログ400の処理回数をカウントした値「1,2,…」を表示する。
図7A〜図7Dに示す処理時刻表示部705は、図5に示したメニュー別利用頻度表500で表示した情報(処理区分405の参照と更新)の処理を、横軸の時刻軸に展開したものに相当する。この際、制御部103は、処理時刻表示部705には、処理メニュー情報511のある処理メニューを実行した時刻に相当する交点のマス部分にカウントした処理回数の値を表示し、また、所定色で塗る表示を行う。
(4)つぎに、制御部103は、各行の処理メニュー404の表示の塗り分けを行う。この処理は、メニュー別利用頻度表500(図5参照)と同様の処理である。この際、メニュー区分「1」は、上記節目のプロセス「レポーティング・パッケージの複写処理」であるため、このメニューの行全体を強調表示する所定色(例えば、黄色)のマーカー510で塗る。メニュー区分「2」は「処理メニュー404について、マスタ・データや会社(子会社)から収集したレポーティング・パッケージDの入力値をもとにバッチ的に更新処理を行うメニュー行」であり、所定色(例えば、ピンク色)で塗る(図7Aの領域521)。
(5)そして、制御部103は、運用確認表300上で異なるプロセスの区切りを示す横罫線を描画する。この処理もメニュー別利用頻度表500(図5参照)と同様の処理である。図7Aの例では、メニューNo「1134」と「1211」の間を太線512aの横罫線で区切る。同様に、太罫線512b〜512fにより、上下でプロセスが異なることを表示する。以上により、制御部103は、メニュー別利用頻度表500を作成する。
(6)また、制御部103は、処理区分別に、例えば、更新系のログに対応した表示と分かるように、更新系の文字列を所定色(例えば、オレンジ)に塗る表示を行ってもよい。
(7)また、制御部103は、上記手順で作成した運用確認表300について、以下の各種フィルターの設定に対応して表示を絞り込むことができる。
1.仕訳種類別フィルター
運用確認表300の最上部に表示した仕訳種類選択部701による仕訳種類(債権債務、取引高、棚卸資産、固定資産等、当期利益認識等、資本移動、関係変更、資本連結、単純合算)の機能グループ別のフィルターを用いて表示を絞り込む。そして、各仕訳種類の仕訳の生成に関連する処理メニューのログのみに絞って表示することができる。これにより、特定の仕訳種類の結果に疑念がある場合に、関連する処理メニューに絞り込むことで、担当者(ユーザ)が行った仕訳処理の問題点を容易に見つけ出せるようになる。なお、図7A〜図7Dでは、仕訳種類選択部701のフィルターは、初期状態(全仕訳種類に関連する処理メニューのログ)を表示する設定を示している。
2.ユーザフィルター
運用確認表300のユーザ選択部702の設定により、制御部103は、ユーザを絞り込んで運用の問題を検証できる。初期状態は、全ユーザのログを表示する。
3.処理フィルター
運用確認表300の処理区分選択部703の設定により、制御部103は、処理区分405(更:更新、イ:インポート、連:データ連携、試:試算処理、コ:データコンバート、参:参照、出:出力、承:承認)をもとに出力するログを絞り込無ことができる。初期状態では、イ:インポート、更:更新、試:試算処理、連:データ連携のもののみに絞り込む。これにより、処理結果に影響を与える担当者(ユーザ)の操作(レポーティング・パッケージD)の問題点を発見しやすくなる。
(8)また、制御部103は、上記手順で作成した運用確認表300上に表示されたマーク301(マス部分)をダブルクリックすることで、対応するログ400の詳細な内容を表示できる。
(会社別運用確認表について)
図8A〜図8Dは、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置が作成する会社別運用確認表を示す図表である。制御部103は、上記説明したログ400を展開して会社別運用確認表300aを作成する。この会社別運用確認表300aは、図7A〜図7Dに示した運用確認表300に対し、会社別の処理メニュー情報511を追加した点が異なる。
例えば、会社別運用確認表300aの横軸には、処理メニュー情報511に会社情報801を追加して表示する。例えば、処理メニュー情報511の[報告用]個別財務諸表(メニューNo「3111」)について、会社別の番号「001」、「102」に表示する。図8Aに示す例では、メニューNo「3111」〜「3151」について縦軸上で会社別の表示を行う。
そして、図7A〜図7Dに示した運用確認表300を用いて担当者(ユーザ)が行った処理(レポーティング・パッケージD)の問題点の概要を抽出した後、図8(図8A〜図8D)に示した会社別運用確認表300aを用いて会社別の問題点を詳細に分析できるようになる。
制御部103は、運用確認表300で扱ったログ400上の情報に会社情報801を加えることで、会社別運用確認表300aについても同様の手順で作成することができる。
図9は、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置が行う運用確認表の生成処理例を示すフローチャートである。制御部103が上記説明したログを可視化した運用確認表300を生成する処理の概要を示す。
はじめに、制御部103は、子会社の端末120から連結決算処理用のレポーティング・パッケージDを収集する(ステップS901)。つぎに、制御部103は、このレポーティング・パッケージDのログ400を生成し、ログ400に基づき、縦軸に処理メニューを表示する(ステップS902)。上述したように、レポーティング・パッケージDには、端末120で担当者が操作実行した処理メニューごとの処理区分405、処理実行の時刻等が含まれている。
つぎに、制御部103は、ログ400に基づき、横軸に処理時刻を表示する(ステップS903)。そして、制御部103は、ログ400に基づき、処理メニューを実行した処理時刻のマスに処理回数を表示する(ステップS904)。
また、制御部103は、ログ400に基づき、節目の処理メニューの行を強調表示する(ステップS905)。例えば、図3、図7(図7A〜図7D)に示したように、「レポーティング・パッケージの複写処理(メニューNo「4122」)」の行をマーカー510で強調表示する。
以上により生成した運用確認表300によれば、子会社の担当者が行った連結決算処理用の情報の入力処理について、処理メニューごとの処理時刻を可視化することができ、縦軸の処理メニューと、横軸の処理時刻との交差部分のマスが処理メニューを実行した処理時刻であることを容易に確認できるようになる。例えば、親会社の端末120を操作する確認者は、子会社の担当者が端末120を操作して行った入力処理を時刻別に確認することができるようになる。
また、上記の運用確認表300によれば、節目となるプロセス(処理メニュー、例えば、図3等に示した「レポーティング・パッケージの複写処理(メニューNo「4122」)」)に示された所定の時刻のマーカー510の強調表示を基準として、この節目となる処理メニューを跨いで、以前の時刻に実行されている他のプロセス(処理メニュー)の有無を容易に判断できるようになる(図3等参照)。
また、制御部103は、上述した会社別運用確認表300aについても、主要なマス表示に関する処理は、上記説明した運用確認表300と同様の処理であり、会社別運用確認表300aでは、処理メニューに会社別の表示を行う点のみ相違する。
(運用確認表に基づく異常処理の検出処理例)
実施の形態の処理状況確認支援装置100は、上述した運用確認表300の作成のみに限らず、作成した運用確認表300に基づいて、子会社の担当者が行った処理の異常等の不具合を検出する構成とすることができる。なお、制御部103は、運用確認表300の作成を基にして異常検出するに限らず、ログ400に基づいて異常検出を行うこともできる。
図10は、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置が行う異常処理の検出処理例を示すフローチャートである。図11は、実施の形態にかかる処理状況確認支援装置が行う異常処理の検出の表示例を示す図である。例えば、制御部103は、上記処理によって作成した運用確認表300に基づき下記の異常処理の検出を行う。
制御部103は、例えば、図3、図7(図7A〜図7D)に示した運用確認表300の作成後、以下の処理を実行する。はじめに、制御部103は、節目の処理メニューの実行後に、他の処理メニューの手戻りの有無を判断する(ステップS1001)。例えば、節目の処理メニュー(例えば、上記「レポーティング・パッケージの複写処理(メニューNo「4122」)」の実行後に、「レポーティング・パッケージの複写処理(メニューNo「4122」)」の処理よりも以前の時刻に実行すべき処理メニュー(例えば、メニューNoの上二桁が「11」〜「31」)が実行されたかを判断する。
節目の処理メニューの実行後に、他の処理メニューの手戻りがあると判断した場合(ステップS1001:Yes)、制御部103は、手戻りがあった処理メニューの処理時刻表示部705上の該当マスを強調表示する(ステップS1002)。
例えば、図11(a)に示すように、プロセス31は、節目となるプロセス41(マーカー510で強調表示)の実行後に手戻りで再度実行されたものであり、制御部103は、プロセス31(メニューNo「3111」)のマーク301eを強調表示する。
ところで、手戻りとは直接関係しないが、同一プロセス(例えば、プロセス21内のメニューNo「2111」と「2112」)内での処理順は不問である。このため、制御部103は、図11(a)のように、プロセス21について、先にメニューNo「2112」を実行後にメニューNo「2112」を実行したことについて異常との判断は行わない。
つぎに、制御部103は、そして、ステップS1002の処理後、およびステップS1101で手戻りはないと判断した場合(ステップS1001:No)、一つの処理メニューの更新処理回数が所定以上であるかを判断する(ステップS1003)。
一つの処理メニューの更新処理回数が予め定めた所定以上であると判断した場合(ステップS1003:Yes)、制御部103は、更新処理回数が所定以上の処理メニューの処理時刻表示部705上の総計705aのマスを強調表示する(ステップS1004)。
例えば、図11(b)に示すように、プロセス31(メニューNo「3111」)は、例えば更新の処理が総計4回実行されているため、制御部103は、運用確認表300の処理時刻表示部705の末尾の総計(処理回数)705aのマス712aを例えば、橙色で強調表示する。また、制御部103は、総計の数に応じて段階的に強調表示してもよく、例えば、プロセス31(メニューNo「3112」)の更新の処理が総計2回実行されているため、制御部103は、運用確認表300の末尾の総計(処理回数)705aのマス712を黄色等で強調表示してもよい。
つぎに、制御部103は、そして、ステップS1004の処理後、およびステップS1003で一つの処理メニューの更新処理回数が所定未満と判断した場合(ステップS1003:No)、一つの処理メニューで連続した処理回数が予め定めた所定以上であるかを判断する(ステップS1005)。
一つの処理メニューで連続した処理回数が予め定めた所定以上であると判断した場合(ステップS1005:Yes)、制御部103は、該当する処理時刻表示部705上の連続するマスを強調表示する(ステップS1006)。制御部103は、ステップS1006の処理後、およびステップS1005で一つの処理メニューで連続した処理回数が所定未満と判断した場合(ステップS1005:No)、以上の一連の処理を終了する。
ステップS1006の処理は、例えば、図11(c)に示すように、プロセス31(メニューNo「3111」)は、例えば更新の処理が総計4回連続して実行されているため、制御部103は、この連続したセル301rを強調表示する。強調表示は、図示のように、太枠の罫線で囲む。このほか、セル301rを所定色で強調表示してもよい。また、制御部103は、連続する処理回数に応じて段階的に異なる色を用いて強調表示してもよい。
以上説明した実施の形態によれば、処理状況確認支援装置は、子会社から収集した連結決算処理用の情報(レポーティング・パッケージ)のログに基づいて、連結決算処理の処理メニューごとの処理時刻を可視化した運用確認表を作成する。この運用確認表を用いることにより、親会社等の確認者は、子会社の担当者が行った連結決算処理の状況と、処理メニューの実行時刻を容易に把握でき、異常処理も容易に判断できるようになる。
運用確認表は、縦軸に実行した処理メニューを配置し、時刻軸を横軸に配置することで、縦横で交差するマス部分が処理メニューごとの処理時期(処理時刻)を示すものであり、処理メニューがどの時期(時刻)に処理されたかを容易に把握できるようになる。より具体的には、運用確認表上で処理メニュー毎の処理時刻に該当するセル部分に、処理回数を表示するほか、処理メニュー毎の処理時刻に該当するセル部分を強調表示する。これにより、縦横の複数セルの運用確認表上で各処理メニューの処理を実際に実行した時刻を、セル部分の位置に基づき容易に把握できるようになる。そして、各処理メニューを実行した処理の実行順序(流れ)を把握でき、著しく逸脱した処理についても容易に把握できるようになる。
また、制御部は、運用確認表に表示する処理メニューのうち、処理の節目となる処理メニューに該当するセルの行を強調表示してもよい。これにより、運用確認表上で、強調表示された行の位置を基準として、手戻りが発生した他の処理を容易に判別できるようになる。
また、制御部は、運用確認表の横軸は、処理メニューを処理実行した処理時刻毎に、前記運用確認表の前記横軸上の一つのセルに配置してもよい。これにより、横軸の時刻軸は連続する時刻ではなく、実際に処理実行の時刻だけを表示でき、運用確認表の横軸を詰めて表示でき、運用確認表の全体を容易に把握できるようになる。
また、制御部は、収集した情報のログを作成し、この作成したログに基づき、運用確認表を作成してもよい。また、ログに基づき、処理メニューごとの処理回数を表示したメニュー別利用頻度表を作成してもよい。さらには、作成したメニュー別利用頻度表に基づき、運用確認表を作成してもよい。この場合、運用確認表は、メニュー別利用頻度表に示される処理メニューごとの処理回数を処理の実行時刻について展開したものとなる。
また、運用確認表に、連結決算処理の仕訳種類、前記処理メニュー毎の複数の処理区分、前記情報の作成者、を選択するフィルター選択部を表示し、前記フィルター選択部の選択操作に対応した情報を前記運用確認表に表示してもよい。これにより、仕訳種類、処理区分、作成者等の選択を組み合わせた情報を運用確認表上に表示できるようになる。
また、制御部は、処理メニューのうち、処理の節目となる処理メニューの処理を実行した後、この処理の節目となる処理メニューよりも前に実行すべき処理メニューの処理が実行された場合、処理順序の異常と判断して、当該異常の処理メニューに該当するセルの行を強調表示してもよい。これにより、運用確認表上で処理メニューの処理順序が手戻り等で異常な処理の実行状態を容易に確認できるようになる。そして、担当者に対して処理状況の問題点や処理の効率化を指摘できるようになる。
また、制御部は、処理メニューの所定の処理の実行回数が所定以上の場合、当該処理メニューの処理回数部分を強調表示してもよい。これにより、子会社の担当者が行った同じ処理メニューに対する複数回の処理を容易に確認できる。また、制御部は、処理メニューの所定の処理が所定以上連続している場合、この連続した処理メニューのセルを強調表示してもよい。これにより、子会社の担当者が行った同じ処理メニューの連続処理を容易に確認できる。そして、担当者に対して処理状況の問題点や処理の効率化を指摘できるようになる。
また、処理状況確認支援装置の通信部は、外部の端末に連結決算処理用のデータを入力するための複数の処理メニューからなるレポーティング・パッケージを配布し、端末側で入力した報告用のレポーティング・パッケージを収集してもよい。これにより、端末側は、配信されたレポーティング・パッケージに対し、連結決算処理用の情報を入力して報告用のレポーティング・パッケージを作成し処理状況確認支援装置に送信すればよく、システム全体における連結決算処理のための情報のやり取りを効率化でき、また、処理状況確認支援装置は、予め想定した形式の情報を取得できるため、連結決算処理を効率的に実行できるようになる。加えて、処理状況確認支援装置は、外部の端末にレポーティング・パッケージを配付し、端末から収集したレポーティング・パッケージに関するログも含めて可視化することができるため、外部の端末で行った処理も併せて可視化することができるようになる。
また、制御部は、端末から収集した報告用の情報パッケージに基づき、端末で未利用の前記処理メニューを抽出した未利用メニュー一覧を作成してもよい。これにより、子会社の担当者に対し、処理状況確認支援装置が有する各種機能の処理メニューを提示できるようになる。また、処理状況確認支援装置が有する機能が増えた場合の処理メニューについても担当者に提示できるようになる。
また、上記実施の形態では、レポーティング・パッケージのログから運用確認表を作成する処理例について説明したが、本願発明は、レポーティング・パッケージのみを対象とするのみに限らず各種のデータ処理のログに基づき運用確認表を作成することができ、運用確認表に基づきこれら各種のデータ処理の処理状況を容易かつ適切に判断できるようになる。
さらに、処理状況確認支援装置を連結決算処理に適用する例を説明したが、これに限らない。すなわち、処理メニューをプロセス(順番)通りに行うシステムにおいて処理メニューの実行状態を確認する各種システムに適用でき、例えば税務システムに適用することもできる。
なお、本実施の形態で説明した処理状況確認支援にかかるプログラムは、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することにより実現することができる。また、このプログラムは、半導体メモリ、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。