JP2008077149A - 文書作成支援プログラム、文書作成支援装置及び文書作成支援システム - Google Patents

文書作成支援プログラム、文書作成支援装置及び文書作成支援システム Download PDF

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弘海 矢野
Shigeto Minami
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Satoru Okamoto
悟 岡本
Hirokuni Taguma
宏國 田熊
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Shinichi Suzuki
伸一 鈴木
Hidemi Nishida
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Abstract

【課題】内部統制報告の諸文書作成において、各文書の作成を独立で行うため相互間の記述に不整合が生じ非効率であったり、内部統制作業において潜在するリスク把握、評価、適切なコントロール設定が困難であった点を解決する。
【解決手段】文書作成支援プログラムをハードウェア資源(コンピュータ或いはシステム内のサーバ及びクライアント)と協働して構築される文書作成支援装置Aは、業務プロセスチャート入力部1、リスクプロパティ入力部2及びコントロールプロパティ入力部5を備え、各入力部から入力された情報は、リスク評価部3において生成されたリスク評価とともにリスク−コントロールデータベース格納部6に一元的に格納され、業務プロセスチャート出力部8、RCM出力部9及び業務記述書出力部10により、所定の項目が抽出され各文書が作成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、企業における内部統制を可視化し評価するための文書作成支援プログラム、文書作成支援装置及び文書作成支援システムに関する。
相次ぐ大企業の会計不正、企業不祥事の発生に伴い、市場の信頼回復を取り戻すべく、企業の内部統制の厳格化が求められている。この動きは海外において先行しており、現に米国では大企業による会計不正事件の発覚を受け、2002年7月に米企業改革法(サーベンス・オクスリー法。通称「SOX法」)が施行され、財務報告書の真正性を担保するための法制化が行われている。なおこの「SOX法」の基礎となるものとして、1992年に作成されていた「COSO(トレッドウェイ委員会組織委員会)モデル」と呼ばれる内部統制のフレームワークが存在した。この「COSOモデル」は、後述する日本版SOX法の法制化にあたっても特に参考にされている。
ここで米国の「SOX法」の内容を端的に表現すれば、(1)企業経営者が正しい財務報告を提出しなければならない、(2)財務報告が正しいかどうか疑問が生じた場合に、疑問を解明するためにトレースする仕組みを構築しておかなければならない、ということを規定したものということができる。そしてこの「財務報告書作成プロセスの透明化・公正化」及び「業務プロセスと財務報告の作成プロセスとを検証できる仕組み」の構築要請こそが、内部統制(インターナル・コントロール)に求められているものである。
さて、内部統制の厳格化を法制として規定する動きは、日本国内でも生じている。2006年6月に成立した「金融商品取引法」の一部に、上記米国の「SOX法」に倣った規定が設けられている(俗に「日本版SOX法」などとも呼ばれる)。具体的には同法24条の2で、金融商品取引法の適用対象である上場会社などに対し、「内部統制報告書」を作成する義務を課し、また同法第193条の2第2項では、「内部統制報告書」について、監査人による監査証明の提出を義務付けている。
また、2006年5月に施行された「会社法」においても、第348条第4項、第362条第5項において、内部統制システムの構築義務が明確に規定されている。
このように、企業は、監査人や株主、取引先などの利害関係者に対して、内部統制を確立していることを示すよう求められている。その具体的な形として、企業は、(1)業務フローチャート、(2)業務で発生する可能性があるリスクやリスクに対する予防や低減策(=コントロール(統制))を書いた文書(リスク・コントロール・マトリクス=RCM)、(3)業務内容を文書にて記述したもの(規程やマニュアル類を含む業務記述書)、の3種類の文書を一般に整備する、いわゆる「文書化」が求められることとなった。
ITから見た内部統制実践ガイド(日経BP社)
ところで、この「文書化」は、従前の会計報告業務に輪をかけて企業に負担を強いるものである。内部統制報告書作成のための作業は何らのリターンをも生まない純然たるコストであり、いきおい企業経営の収益力を削ぐものとなりかねない。そうした中、「文書化」の負担を軽減するためのツールが各種提案されている。内部統制に関する現在のような潮流が生じる以前には、例えば特許文献1に記載のシステムが提唱されていた。
特開2002−279059
しかし、上記特許文献1、或いは「文書化」負担軽減のための各種ツールにおいては、個々の報告文書を作成するにあたっての支援の助力とはなっても、個々の文書の作成が結局必要であり、かつ会計年度毎のメンテナンスに膨大な時間とコストがかかる。また内部統制を、法規への対策としての作業ではなく、業務フローの見直しによる競争力の向上として積極的に捉える作業、いわゆるBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)と併せて捉えることにより、単なるコストではなく投資として位置づけることができる。それゆえ、両用の用途に活用するのに適したシステムが希求されている。
更に、「文書化」作業の工程においては、企業内の様々な階層の者がその作成に携わり、各々の立場に応じた情報の入力、修正、或いは決裁が行われる。まさに全社的な対処が必要なところ、文書の作成者及び決裁者双方にとっての操作容易性、視認容易性が要求される。また日本版SOX法の基準案においてはコスト負担軽減のため、「トップダウン型のリスク重視のアプローチ」を採用する旨明記しているものの、実際の業務プロセスの洗い出しには現場スタッフによる入力作業から決裁権限者による決裁というボトムアップ型の作成事務は不可欠であり、実際に作業負担を軽減するためには、両アプローチの平仄をとるためのシステム支援が不可欠である。
そこで本発明は、上記各課題を解決すべく、以下のような構成を有する。
すなわち、本発明は、描画用プログラム、表計算プログラムと連携して内部統制を可視化し評価するための文書作成支援プログラムであって、コンピュータを、少なくとも一以上の業務機能及び個々の業務機能を相互の関係に基づいて接続することで構成される業務プロセスチャートを描画する手段、前記業務プロセスチャート上の所定の領域をリスク領域として指定するリスク領域指定手段、前記リスク領域のリスク内容、リスク分類、リスクの影響度、リスクの発生可能性を入力するリスクプロパティ入力手段、予め、リスクの影響度及びリスクの発生可能性に応じてリスク評価を判定するリスク評価マトリクスを記憶しておくリスク評価マトリクス記憶手段、前記入力されたリスクプロパティを前記予め記憶されたリスク評価マトリクスと照合することによりリスク評価を行うリスク評価手段、前記リスク評価を表示するリスク評価表示手段、前記指定されたリスク領域内に位置する業務機能を指定することによりコントロールを付与するコントロール付与手段、前記付与されたコントロールのプロパティを入力するコントロールプロパティ入力手段、前記リスク領域内に存在する業務機能、前記入力されたリスクプロパティ及び前記入力されたコントロールプロパティを相互に関連付けて記録するリスク−コントロールデータベース記録手段、
として機能させることを特徴とする。
この発明によれば、業務プロセスチャートを作成する過程において、チャートを確認しながら個々の業務に潜むリスクを検証することができ、同時にこのリスクに対する具体的な統制手法を、同様に業務プロセスを目視確認しながら設定していくことができる。更にここで入力されたリスクプロパティ、コントロールプロパティの情報を、相互の関係性とともに記録する手段を備えていることから、現実の業務の流れを確認しつつ個々の業務の問題点、解決策をも集約することが容易に行うことができ、内部統制の可視化と評価の効率化、容易化を図ることができる。更には適切な内部統制の運用にも寄与しうる。
また、上記文書作成支援プログラムにおいて、コンピュータを、前記記録されたリスク−コントロールデータベースから所定の項目に関する情報を抽出しリスクコントロールマトリクス(RCM)を作成するRCM作成手段、として更に機能させることもできる。
この発明によれば、業務プロセスチャート作成の過程において入力した各項目に基づいてリスクコントロールマトリクスを自動作成することができるため、内部統制の可視化と評価の効率化、容易化を一層図ることができる。
更に、上記文書作成支援プログラムにおいて、コンピュータを、前記記録されたリスク−コントロールデータベースから所定の項目に関する情報を抽出し業務記述書を作成する業務記述書作成手段として更に機能させることもできる。
この発明によれば、業務プロセスチャート作成の過程において入力した各項目に基づいて業務記述書を自動作成することができるため、内部統制の可視化と評価の効率化、容易化を一層図ることができる。
更にまた、コンピュータを、前記作成された業務プロセスチャート、RCM及び業務記述書のいずれか又は全てを保存する文書保存手段として更に機能させることもできる。
この発明によれば、作成された各文書を集約して保存することができるため、文書作成に伴う、作成時期の異なる文書の輻輳化による作業効率低下を防止することができる。
更にまた、前記リスクプロパティ入力手段における入力領域、前記コントロールプロパティ入力手段における入力領域、前記リスク評価表示手段によって表示されるリスク評価を、いずれも、業務プロセスチャートが表示される画面と同時に視認可能な状態で表示することもできる。
この発明によれば、業務プロセスチャートを作成するにあたって、実際の業務の流れをチャートでイメージしながら、そこに潜むリスクを明らかにし、同時にこれに対する適切なコントロールを設定することも可能となる。このため業務プロセスの見直し精度の向上に寄与するとともに、内部統制の可視化と評価の質の向上にも繋がり、外部監査(内部統制監査)にも充分耐えうる書面の作成が効率的かつ容易に行うことが可能となる。
更にまた、前記リスク評価マトリクスによって判定されるリスク評価は、三段階の評価段階で構成されており、前記リスク評価表示手段は、三つ目の信号機の形状を表示し、前記三段階の評価段階のいずれに属するかに応じて信号機の点消灯表示を行うことを特徴とした文書作成支援プログラムとすることもできる。
この発明によれば、業務プロセスにおけるリスクの性質が文書作成過程においても極めて判りやすい表現により可視化され、作業効率の向上に繋がる。更にはコントロールを設定する決裁者の立場としても、より適切なコントロールの設定が可能となり、作成される文書の精度向上、ひいてはより適切な内部統制の実現に寄与しうる。
また、前記リスク評価マトリクスの二軸として、各々3段階からなるリスクの影響の大きさとリスクの発生可能性の二つの項目を採用し、両者の組み合わせによって前記三段階の評価のいずれかに属することを判定するようにすることで、入力容易かつ精緻なリスク評価を行うことができる。
また、本発明は、前記した1から7のいずれかの特徴をそなえた文書作成支援プログラムをコンピュータに読み込ませることにより構築される文書作成支援装置とすることもできる。
更に、本発明は、内部統制を可視化し評価するための文書作成支援システムであって、少なくとも一以上の入力者用端末機と、前記入力者用端末機と所定のネットワークを介して接続されたサーバとを備え、前記入力者用端末機は、少なくとも一以上の業務機能及び個々の業務機能を相互の関係に基づいて接続することで構成される業務プロセスチャートを描画する手段、前記業務プロセスチャート上の所定の領域をリスク領域として指定するリスク領域指定手段、前記リスク領域のリスク内容、リスク分類、リスクの影響度、リスクの発生可能性を入力するリスクプロパティ入力手段、前記指定されたリスク領域内に位置する業務機能を指定することによりコントロールを付与するコントロール付与手段、前記付与されたコントロールのプロパティを入力するコントロールプロパティ入力手段として機能し、前記サーバは、前記入力者用端末機から所定のネットワークを介して送信された業務プロセスチャート情報、リスク領域情報、リスクプロパティ情報、付与コントロール情報及びコントロールプロパティ情報を記録する各種情報記録手段、前記リスク領域情報に応じてリスク番号を採番するリスク番号採番手段、予め、リスクの影響度及びリスクの発生可能性に応じてリスク評価を判定するリスク評価マトリクスを記憶しておくリスク評価マトリクス記憶手段、前記入力者用端末機から送信されたリスクプロパティ情報を前記予め記憶されたリスク評価マトリクスと照合することによりリスク評価を行うリスク評価手段、前記入力者用端末機から送信された各種情報、前記リスク番号採番手段により採番されたリスク番号、及び、前記リスク評価手段により判定されたリスク評価を、相互に関連付けて記録するリスク−コントロールデータベース記録手段、として機能することを特徴とする文書作成支援システムとしても構成されうる。
この発明によれば、業務プロセスチャートを作成する過程において、チャートを確認しながら個々の業務に潜むリスクを検証することができ、同時にこのリスクに対する具体的な統制手法を、同様に業務プロセスを目視確認しながら設定していくことができる。更にここで入力されたリスクプロパティ、コントロールプロパティの情報を、相互の関係性とともに記録する手段を備えていることから、現実の業務の流れを確認しつつ個々の業務の問題点、解決策をも集約することが容易に行うことができ、内部統制の可視化と評価の効率化、容易化を図ることができる。更には適切な内部統制の運用にも寄与しうる。
また、本発明は、前記入力者用端末機が、前記サーバにおけるリスク評価を受信して表示するリスク評価表示手段を有する上述の文書作成支援システムとして構成してもよい。
かかる構成によれば、業務プロセスチャートの作成過程にあっても、特定の業務機能に潜むリスクの性質を把握することができるため、適切な文書作成を行うことができる。
更に、前記リスク評価マトリクスによって判定されるリスク評価は、三段階の評価段階で構成されており、前記リスク評価表示手段は、三つ目の信号機の形状を表示し、前記三段階の評価段階のいずれに属するかに応じて信号機の点消灯表示を行うことを特徴とする上述の文書作成支援システムとして構成してもよい。
この発明によれば、業務プロセスにおけるリスクの性質が文書作成過程においても極めて判りやすい表現により可視化され、作業効率の向上に繋がる。更にはコントロールを設定する決裁者の立場としても、より適切なコントロールの設定が可能となり、作成される文書の精度向上、ひいてはより適切な内部統制の実現に寄与しうる。
また、前記リスク評価マトリクスの二軸として、各々3段階からなるリスクの影響の大きさとリスクの発生可能性の二つの項目を採用し、両者の組み合わせによって前記三段階の評価のいずれかに属することを判定するようにすることで、入力容易かつ精緻なリスク評価を行うことができる。
更にまた、前記入力者用端末機が、前記サーバに記録されたリスク−コントロールデータベースから所定の項目に関する情報を抽出し、RCMを作成するRCM作成手段として機能することを特徴とする上述の文書作成支援システムとして構成してもよい。
かかる構成によれば、リスクコントロールマトリクスの自動作成が可能となるため、文書作成の効率化、容易化が可能となる。
更にまた、前記入力者用端末機が、前記サーバに記録されたリスク−コントロールデータベースから所定の項目に関する情報を抽出し、業務記述書を作成する業務記述書作成手段として機能することを特徴とする上述の文書作成支援システムとして構成してもよい。
かかる構成によれば、業務記述書の自動作成が可能となるため、文書作成の効率化、容易化が可能となる。
更にまた、所定のネットワークを介して、前記リスク−コントロールデータベース記録手段に記録されたリスク−コントロールデータベースにアクセス可能な監査用端末機を更に有する上述の文書作成支援システムとして構成としてもよい。
かかる構成によれば、個々の業務プロセスチャート作成によって蓄積されるリスク−コントロールデータベースを、監査法人等の監査主体が所定のネットワークを介して閲覧、監査可能であるため、内部統制状況についての監査・評価をより的確かつ効率的に行うことが可能となる。
以上述べたとおり、本発明によれば、業務プロセスチャートを作成する過程において、チャートを確認しながら個々の業務に潜むリスクを検証することができ、同時にこのリスクに対する具体的な統制手法を、同様に業務プロセスを目視確認しながら設定していくことができる。更にここで入力されたリスクプロパティ、コントロールプロパティの情報を、相互の関係性とともに記録する手段を備えていることから、現実の業務の流れを確認しつつ個々の業務の問題点、解決策をも集約することが容易に行うことができ、内部統制の可視化と評価の効率化、容易化を図ることができる。更には適切な内部統制の運用にも寄与しうる。
更には、業務プロセスチャートの作成過程に伴い入力されるリスク、コントロールに関する内容をデータベースに保存する構成を有することにより、内部統制を可視化し評価するために必要な複数種類の書類の作成に必要な内容を、相互に関連付けて集積することができる。そのため、操作者によるRCM作成の指示入力、或いは業務記述書作成の指示入力に基づき、蓄積された情報から所定の情報を抽出することで、各書面を自動的に作成可能となっていることから、文書作成の効率化、容易化が一層図られる。
更に、業務プロセスチャートの作成過程或いは承認過程において、リスクの性質につき信号機の形状という極めて理解しやすいかたちでの表示を行うことから、より適切なコントロールの設定が促され、単に内部統制の可視化・評価の効率化、容易化という効果だけでなく、内部統制の運用の適切化にも寄与しうる。
本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて以下具体的に説明する。
<第1の実施例>
この実施形態は、単体のコンピュータに本件発明にかかる文書作成支援プログラムを読み込ませることにより実現される文書作成支援装置Aに関するものである。
図1は、本件発明にかかる文書作成支援プログラムを、図2に図示するハードウェア構成を有するコンピュータと協働させることにより実現される文書作成支援装置Aの機能を概略的に説明した機能構成図である。すなわち、文書作成支援装置Aは、図2に示すようなCPU201、内部メモリ202、ハードディスクドライブ(HDD)203、キーボードやマウス等の入力デバイス204、ディスプレイ等の出力デバイス205(プリンタ等の外部接続機器を含む)等を備えた汎用コンピュータを利用するものである。具体的には、HDD203等に所定の文書作成支援プログラムを記憶させ、CPU201をはじめとする各内部機器及び外部接続機器を動作させることによりこのコンピュータを、業務プロセスチャート入力部1、リスクプロパティ入力部2、リスク評価部3、リスク評価マトリクス格納部4、コントロールプロパティ入力部5、リスク−コントロールデータベース(R/CDB)格納部6、リスク評価表示部7、業務プロセスチャート出力部8、RCM出力部9、業務記述書出力部10として機能させるようにしている。
業務プロセスチャート入力部1は、内部統制の対象業務の個別具体的な業務フローを入力する構成としての機能を奏する。業務フローの入力にあたっては、HDD203等に予め読み込まれている描画用プログラム(例えばMicrosoft(登録商標)Visio(商標))を起動させる。本件発明にかかる文書作成支援プログラムは、描画プログラムと連携して機能するように構成されている。一般に描画用プログラムにおいては、図面上に配置する図形の候補を表示するメニュー領域を有しており、このメニュー領域に表示された図形から所望の図形を選択して図面上に配置することにより描画作業を進めていく。ここで、本件発明にかかる文書作成支援プログラムが描画用プログラムと連携し、CPU201は、メニュー領域に業務プロセスチャートを作成するのに適切な図形(例えば個々の業務機能を表示する図形や、後述するリスク領域を指定する図形、或いは後述する図13に表されたコントロールの内容を表す図形)を表示するよう出力デバイス205を制御する。業務フローは、これら業務プロセスチャートを構成する個々の図形を選択し配置することにより作成される。
リスクプロパティ入力部2は、特定の業務機能におけるリスクの分類、性質、具体的内容などを入力する構成としての機能を奏する。上述の業務プロセスチャートの作成において、入力デバイス204を介して業務運営上のリスクが潜んでいる業務機能を含む業務フローの領域をリスク領域として領域指定されると、CPU201は、出力デバイス205を介して、リスクプロパティ入力画面を表示する。なおこの領域指定は、リスクが潜んでいると判断される業務機能を表す図形のうえにリスク領域を表す図形を配置することにより行われる。
リスク評価部3は、リスクプロパティ入力部2において入力されたリスクの内容と、予めHDD203等の所定領域に設けられたリスク評価マトリクス格納部4に格納されたリスク評価マトリクスとを照合することにより、リスク評価を判定する機能を奏する。その詳細については後述する。
コントロールプロパティ入力部5は、上記指定されたリスク領域に存在する業務上のリスクに対して、如何なる統制手法を執るべきであるかを入力するためのものであり、内部統制の具体的手法を入力する構成としての機能を奏する。上述の業務プロセスチャートの作成において、入力デバイス204を介してコントロールが必要な業務機能を表す図形の上に所定のコントロールを表す図形をドラッグ−ドロップ等の手段により配置すると、CPU201は、出力デバイス205を介して、コントロールプロパティ入力画面を表示する。
リスク−コントロールデータベース格納部6は、既述の業務プロセスチャート入力部1、リスクプロパティ入力部2、リスク評価部3及びコントロールプロパティ入力部5において入力ないし判定された各情報を相互に集積し、相互に関連付けて格納する機能を奏する。
リスク評価表示部7は、上述のリスク評価部3において判定されたリスク評価を出力デバイス205を介して表示する機能を奏する。また業務プロセスチャート出力部8、RCM出力部9、業務記述書出力部10は、リスク−コントロールデータベース格納部6に集積された情報のうち、各々の文書を構成する項目に関する情報を抽出し、出力デバイス205を介して出力する機能を奏する。
次に、内部統制を可視化し評価するにあたっての総体的な手順につき、本発明がその過程においてどのように機能するかを説明する。
図3は、内部統制の可視化及び評価の一般的な作業手順をフローとして示したものである。まず、全社レベルにおける内部統制の可視化を行うとともに、評価範囲の決定を行う(ステップS301)。このために、業務プロセスを階層構造的に把握した上で行うことが適切である。
図4は、業務プロセスの階層構造的な把握の状況を示す概念図である。
最上位レベルL0は、評価対象範囲として選定された会社(または事業等)と関係相手先をモデル化したものである。業務プロセスの把握にあっては、外部の関係先、例えば得意先や仕入先、外注業者等との関係を明確にすることが必要である。そこで、対象領域を中央に位置づけ、この周囲に外部の関係先を位置づけ、相互間の書類、モノ、カネの流れを把握する。図5(a)はL0階層におけるモデル化として、例えば「XX会社」のアパレル事業を対象領域として捉えた概念図である。
ところで、業務プロセスには、大きく「業務処理プロセス」と「会計処理プロセス」があると捉えることが、法制対応としては整合的である。そこで中間レベルL1においては、L0における書類、モノ、カネの流れを「業務処理プロセス(L1B)」と「会計処理プロセス(L1A)」とに峻別する。同時に、外部主体とのやり取りに伴って発生する、対象領域内での業務の流れを、部署相互の関係性とともに大枠で把握する。
図5(b)は、図5(a)のうち業務処理プロセスについて下位階層を示した概念図である。例えば「商品企画部」が「商品を企画する」という業務を行うにあたっては、外部主体である生地メーカーに対し素材についてのヒアリングを行う必要がある。また「商品を企画する」という業務に基づいて、各営業部には「販売計画を立案する」という業務が発生し、商品部には「商品を発注する」という業務が発生する。商品の発注は外部主体である「付属品メーカー」「タグメーカー」「縫製工場」に対して行われる。これに伴い、別部署である物流部には「商品を入荷する」という業務を生じる。
そして、上述の「商品を企画する」「販売計画を立案する」「商品を発注する」といった個々の業務について、さらにきめ細やかに業務のステップを捉え、参照すべきマニュアル、必要な書類、潜在的なリスク等を洗い出していく(図4のL2)。図3のフローチャートにおける点線枠囲みB(ステップS302、S303)がそれにあたり、本発明の文書作成支援プログラムが有効に機能する部分である。
そこで次に、図6から図13を用いてL2における業務プロセスチャート作成の具体的手順、及びリスク評価の判定について説明する。
図6は、本発明にかかる文書作成支援プログラムを用いて行う業務プロセス作成のフローを示したものであり、図3のステップS302の詳細を表したものに相当する。ここでは、中間レベルL1における「商品を発注する」という業務の詳細を記述した図7に表した業務プロセス(L2)を例にとりつつ説明する。
まず、「商品を発注する」というL1階層における業務を、更に詳細の業務機能に分割、抽出し、その業務の実際の手順にそってチャート上に配置する(ステップS601)。ここで業務機能とは、個々の作業であって一つの単位として捉えられる一連の業務の括りのことをいい、図7における701が単一の業務機能を表す図形である。この業務機能を表す図形は、後述する図11に明らかな通り、上段にその一連の作業の業務の括りを示す業務分類欄1101が設けられ、下段には個々の作業内容を具体的に記述する業務機能欄1102が設けられている。また業務機能欄の右下には後述するコントロール記号1103を配置・表示するためのスペースが設けられている。
次に、各業務機能の結果出力される帳票や各業務機能にかかる業務の遂行にあたって使用するアプリケーションシステム等のツールを現実の業務を勘案しつつ抽出し、関連する各業務機能の近傍に配置する(ステップS602)。例えば、図7の702は発注準備という業務機能にあたっては所定の縫製発注アプリケーションシステムを用いて行うことを表す記号であり、704は前記アプリケーションを用いて縫製発注を行った結果、帳票として工場別発注依頼集計表が出力されることを表す記号である。このように、個々の業務機能において如何なるツールを使用し、また個々の業務機能を実行した結果如何なるアウトプットが生じるかが、業務の流れに沿って見た目にわかりやすいように作成・表示される。なお、記号703は、業務プロセスが複数のL2階層プロセスにまたがる場合の接続を示すものであり、相互に関連しあう業務同士の仕事の流れも容易に把握できる形で作成・表示が可能である。
次に、リスク領域の指定を行う(ステップS603)。リスク領域とは、単一又は複数の業務機能において、業務遂行上何らかの不都合、不具合、不採算、不適切な状況が発生しうると想定される場合に、その業務機能を囲む図形のことであり、図7における図形705がリスク領域である。ここで「業務遂行上何らかの不都合、不具合、不採算、不適切な状況」としては、例えば、(1)業務の有効性又は効率性を阻害するリスク、(2)財務報告の信頼性を阻害するリスク、(3)事業活動に関わる法令等の遵守を阻害するリスク、(4)資産の保全を阻害するリスク、などが挙げられる。この場合、「発注登録/縫製の発注を登録する」「発注登録/発注リストを出力する」「発注登録/発注リストと発注依頼集計表を照合する」の一連の業務機能がリスク領域として指定されている。
このリスク領域の指定は、描画用ソフト上のメニュー領域(図示しない)に予め配されているリスク領域を表す図形705を、対象の業務機能上にドラッグ−ドロップすることにより指定できる。
図形705を配置すると、対称の業務機能が有しているリスクの具体的内容を入力するためのリスクプロパティ入力画面がポップアップ表示され、リスクプロパティの入力を行うこととなる(ステップS604)。図8は、リスクプロパティ入力用のフォーマットである。この入力用のフォーマットは、作成作業中である業務プロセスチャートが表示される画面と同時に視認可能な状態で表示される。従って、業務の流れを目視確認しながら、その流れの中に内在するリスクを想起しながら入力することができるため、より具体的かつ詳細なリスク内容の入力が可能となる。
ここで図8のリスクプロパティ入力用のフォーマットにつき説明する。リスク番号801は、リスク領域指定時に自動採番される。「『L1プロセスコード』−『L2プロセスコード』−『R(通し番号)』」の形式で採番される。ここでは「103−02−R1」が採番されている。このリスク番号は後述するリスク−コントロールデータベースにおいて、業務プロセスチャート上の業務機能、業務機能に存在するリスク、及びこれに対応するコントロールを相互に関連付ける役割を果たす。
内容ボックス802には、プロセスの目的を阻害するリスクの具体的な内容を入力する。分類ボックス803には、そのリスクの分類(財務報告/財務報告以外/両者)をドロップダウン形式で入力する。勘定科目ボックス804には、分類が財務報告に該当する場合、該当する勘定科目を入力する。アサーション欄805では、「発生・実在性」「網羅性」「権利と義務の帰趨」「評価の妥当性」「表示の適正性」「期間帰属の適正性・適時性」の6項目のうち、当てはまるアサーションを選択する(複数選択可能である)。リスク評価・影響の大きさ欄806では、当該リスクの影響の大きさを大・中・小の3段階の中から選択しチェックする。なおその影響度に関し説明を記述するボックスも設けられている。リスク評価・発生可能性欄807では、当該リスクの発生可能性を高・中・低の3段階の中から選択しチェックする。同様に発生可能性に関して説明を記述するボックスが設けられている。
リスクの影響度、発生可能性につき入力がなされると、図9に示すように、図示されているリスク領域のリスク評価を3つ目の信号機で表示するリスク評価表示901と、上述のリスクプロパティ入力フォーマットにおいて入力された内容を表示するリスク内容表示902が、対応するリスク領域と関連付けられた形で表示される。ここでリスク評価表示901として表示される表示内容は、上述のリスクプロパティ入力フォーマットのうち、リスク評価・影響の大きさ欄806及びリスク評価・発生可能性欄807で選択された大・中・小及び高・中・低の各3段階評価のうちの各々一つの選択結果と、予めHDD203等の所定領域に設けられたリスク評価マトリクス格納部4に格納されているリスク評価マトリクスとを照合させることにより決定される。この決定過程は、図3におけるリスク評価(ステップS303)に該当する。
例えば、「影響の大きさ」として「大」が、「発生可能性」として「低」が選択されていた場合、図10のリスク評価マトリクスの概念図(B(青色)、Y(黄色)、R(赤色))においてYに該当する。これに基づき、リスク評価表示901としては、黄色を表す真ん中の目が点灯しているように表示される。このように、業務プロセスチャートの作成過程、及び作成後の両方において、所定の業務機能におけるリスクの評価が一見把握容易な形式で表示されることから、後述するコントロール手法の設定にあたって適切な注意を払うことを作成者に促すことができるとともに、チャート作成後の経常業務に際しても、内部統制の実効を図ることができる。
次に、リスク領域として指定された業務機能に対して、対応するコントロールを表す図形を配置する(ステップS605)。図7においては図形706が「照合」というコントロールタイプを表す図形である。照合とは、請求書と納品書、総勘定元帳と在庫元帳など、2つの項目が一致・整合しているかを確認するコントロールをいう。ここでは「発注リスト」と「発注依頼集計表」とを照合するコントロールを表示している。
コントロールを表す図形も上述の各図形と同様、メニュー領域に予め表示されているものをドラッグ−ドロップにより配置できる。この操作を行うと、図12に示すコントロールプロパティ入力フォーマットがポップアップにて表示される。このコントロールプロパティ入力フォーマットも、業務プロセスチャートと同時に視認可能な状態で表示されるため、業務プロセスチャートを目視確認し、現実の業務の流れを思い浮かべながら具体的なコントロール手法として適切なものを配置することができる。
図12において、リスク番号1201は、対応するリスク領域705において自動的に採番されたものと同一の番号が呼び出される。コントロールコード1202は、選択したコントロール手法に応じたコードが表示される。内容ボックス1203にはコントロールの具体的な内容を記述する。以下統制の頻度(日常的/月次/四半期 など)、コントロールの種類(予防的/発見的)、ITコントロール目標(準拠性、網羅性など)、当該コントロールについて説明している規定類やマニュアル名、参照箇所を記載する関連文書欄、当該コントロールと補完的な関係にあるコントロールがある場合にリスクNo.とコントロールNo.を入力する(ステップS606)。
なお、ここではコントロールタイプの一つである「照合」を取り上げて説明したが、図13は照合も含めたコントロールタイプの一覧を示したものである。承認(Ap)は、ある行為に対して権限を有する上位者が同意するコントロールであり、例えば承認限度額の設定や支払行為への承認などのコントロールを設定する場合に配置する。レビュー(Rv)は、作業の当事者以外の者が内容をレビューするコントロールであり、例えば滞留・陳腐化在庫報告書の吟味などのコントロールを設定する場合に配置する。業務分掌(Jb)は、組織・個人に割り当てる職務と権限を分けるコントロールであり、例えば販売責任者と在庫管理者の分離などのコントロールを設定する場合に配置する。システムセットアップ(St)は、システムの利用前提となる各種パラメータの設定やマスターの設定によりシステム側で実施するコントロールであり、例えば受注時にチェックする与信限度額などの設定のコントロールを設定する場合に配置する。例外・整合性チェック(Er)は、所定の基準を逸脱した場合やデータ・ファイル間の不整合に関するレポートを出力しフォローさせるコントロールであり、例えば売掛金の長期未回収リスト出力などのコントロールを設定する場合に配置する。システムインターフェース(Si)は、一方のシステムから別のシステムへデータを完全かつ正確に転送するコントロールであり、例えば会計伝票の転記などのコントロールを設定する場合に配置する。システムセキュリティ(Sc)は、システムを利用するユーザーの権限に応じてアクセス可能なデータの制限を設定するコントロールであり、パスワードによるシステムメニューの制限などのコントロールを設定する場合に配置する。
このように業務プロセスチャートの作成においては、詳細な個々の業務機能を一つひとつ追いかけるように業務プロセスを作成し、個々の業務機能に潜むリスクを洗い出し、これを可視化するとともに、このリスクに対する具体的な統制を設定することにより、より適切な内部統制の実現、これに基づく業務効率の向上を実現することができる。本発明においては、業務機能を細分化した上で、個々の業務機能に潜むリスクをリスク領域という形で可視化し、これに対して設定されている統制もまたコントロール記号によって表現する。これにより、業務プロセスチャート作成過程においても、リスクと対応するコントロールの存在が視認可能な形で表れ、また事後の見直しにあたってもこれら可視化されたリスク、リスクの評価及び対応するコントロールの把握が迅速に行うことができることから、作業効率の向上に寄与する。
上記の通り業務プロセスのリスク洗い出し、これに対するコントロールの設定が行われると、再び図3に戻り、整備・運用状況の評価を行う(ステップS304)。これは、一連の作業によって把握されたリスクに対して設定されたコントロールが適切に業務に適用され、継続して機能しているか否かを点検する一方、上記作業において看過されていたリスクの存在の有無、更には業務環境の変動によって生じた新たなリスクの把握とこれに対するコントロールの設定の検討を行うためのモニタリングである。このモニタリングにより、リスクに対する適切なコントロールの設定がされていないと判断された場合には、既存のコントロールの設定の見直しを行い(ステップS305)、業務プロセスチャートの修正(再作成)を行う。これにより、把握が困難な潜在的リスクを可視化することが可能となり、より適切な統制の実現に近づけていくことができる。
また、リスク−コントロールデータベース格納部6に格納された情報から所定の項目に対応する情報を抽出することにより、RCM、業務記述書といった一般に提出が求められている文書の他、自己点検用の書面をも簡便に作成することができる。図14は、リスク−コントロールデータベースに記録されている項目と、ここから所定の書面を出力するに当たって抽出される項目との対照表であり、図15(a)は出力されるRCMのイメージ図であり、図15(b)は出力される業務記述書のイメージ図である。出力されるRCM及び業務記述書は、表計算プログラム(例えばMicrosoft(登録商標)Excel(商標))を用いて構成されたテンプレートに、上述の抽出項目に対応する情報をテンプレート上の所定セルにインポートすることによって作成される。
図1からも明らかな通り、リスク−コントロールデータベースへの入力情報の蓄積は、業務プロセスチャート作成に伴って行われていることから、個々の文書を改めて作成する必要がなく、かつ相互に整合性のとれた文書の作成が可能であり、報告書面作成の効率化が図られる。なお、これら作成された文書は、内部メモリ201などに保存するように構成可能である。
以上述べてきたとおり、本発明の第1の実施例においては、予めハードウェアに読み込まれた描画用プログラム及び表計算プログラムと連携することで、業務プロセスチャートの作成の容易化が図られるとともに、業務プロセスチャートを作成するだけで、他の報告文書たるRCM及び業務記述書が自動的に作成され、文書作成の効率が著しく向上する。また作成された業務プロセスチャートも、業務機能に潜むリスクの内容が容易に把握できるとともに、信号機という一見視認容易性の高い構成によってリスク評価が表示され、内部統制の改善にあたっての着目点が明確となり、内部統制の効果的・効率的な改善に資する。
<第2の実施例>
なお、上述の第1の実施例においては、単体のコンピュータ上での文書作成作業を行う場合を例に挙げて説明したが、本発明の実施形態はこれに限られない。すなわち、図16は本発明にかかる文書作成支援システムを構成するネットワークを示す図である。サーバ1601は、イントラネット1602を介して組織内の複数のクライアント1603・・・1603と接続されている。複数のクライアント1603は、図1における業務プロセスチャート入力部1、リスクプロパティ入力部2、コントロールプロパティ入力部5、リスク評価表示部7、業務プロセスチャート出力部8、RCM出力部9、業務記述書出力部10として機能する。またサーバ1601には、図1におけるリスク評価マトリクス格納部4及びリスク−コントロールデータベース格納部6が配置されており、またイントラネット1602を介して伝達される、クライアント1603から送信されたリスクプロパティをリスク評価マトリクス格納部4に格納されているリスク評価マトリクスと照合することによりリスク評価を判定するリスク評価部3としての役割を果たす。更には、クライアント1603からの出力要求信号を受け、クライアント1603が各種文書(業務プロセスチャート、RCM、業務記述書)を出力するのに必要な情報をリスク−コントロールデータベース格納部6から適宜抽出して出力要求を発信したクライアント1603に対して抽出した情報を送信する。
このように、複数のクライアントとサーバとを接続したネットワークにより文書作成を支援するシステムとして現出する本発明によれば、全社的対応が必要な内部統制につき、機動的かつ効率的に作業を行うことができ、更には複数の人間が関与しながらも入力情報の蓄積・管理を一元的に行うことが可能となる。
また、本実施例においては、監査主体1605とインターネット1604を介して任意に接続することができる。ここで監査主体とは、内部統制の整備・運用状況を定期的に監査する主体をいい、例えば社外の監査法人がこれにあたる。かかる構成により、逐次更新されるリスク−コントロールデータベースに格納された情報を適宜チェックすることが可能であり、より適切な内部統制の実現にむけたアドバイスをすることができ、ひいては内部統制の効果的・効率的な改善に繋がる。
なお、上記各実施例は本発明を実現するにあたっての一つの形態に過ぎず、特に本発明を限定するものではない。また本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
本発明の一の実施例であり、本発明の文書作成支援プログラムがコンピュータと協働することにより構築される文書作成支援装置の概略的な機能構成図である。 本発明にかかる文書作成支援プログラムが協働するコンピュータの構成の概略的なブロック図である。 内部統制作業の手順の一例を表したフローチャートである。 業務プロセスを階層構造的に把握した場合における、階層相互の関係図である。 (a)業務プロセスを階層構造的に把握した際のL0プロセスチャートである。(b)業務プロセスを階層構造的に把握した際のL1プロセスチャートである。 業務プロセスチャートの作成作業手順を表すフローチャートである。 作成される業務プロセスチャートの具体例を示した図である。 リスクプロパティ入力フォーマットの具体例を示した図である。 リスク評価表示とリスク内容表示が、対応するリスク領域と関連付けられて表示される具体例を示した図である。 リスク評価マトリクスの概念図である。 業務機能を示す図形を示した図である。 コントロールプロパティの入力フォーマットの具体例を示した図である。 コントロールを表す図形とその図形が意味するコントロールの具体的内容との対照表である。 リスク−コントロールデータベースの蓄積情報の項目と、各文書作成にあたって抽出される項目との対照表である。 (a)RCMの出力イメージ図である。(b)業務記述書の出力イメージ図である。 本発明の別異の実施例であり、本発明にかかる文書作成支援システムのシステム構成図である。
符号の説明
1 業務プロセスチャート入力部
2 リスクプロパティ入力部
3 リスク評価部
4 リスク評価マトリクス格納部
5 コントロールプロパティ入力部
6 リスク−コントロールデータベース格納部
7 リスク評価表示部
8 業務プロセスチャート出力部
9 RCM出力部
10 業務記述書出力部
201 CPU
202 内部メモリ
203 HDD
204 入力デバイス
205 出力デバイス
705 リスク領域
706 コントロール図形
806 リスク評価・影響の大きさ
807 リスク評価・発生可能性
901 リスク評価表示手段
1601 サーバ
1602 イントラネット
1603 クライアント
1604 インターネット
1605 監査主体

Claims (15)

  1. 描画用プログラム、表計算プログラムと連携して内部統制を可視化し評価するための文書作成支援プログラムであって、
    コンピュータを、
    少なくとも一以上の業務機能及び個々の業務機能を相互の関係に基づいて接続することで構成される業務プロセスチャートを描画する手段、
    前記業務プロセスチャート上の所定の領域をリスク領域として指定するリスク領域指定手段、
    前記リスク領域のリスク内容、リスク分類、リスクの影響度、リスクの発生可能性を入力するリスクプロパティ入力手段、
    予め、リスクの影響度及びリスクの発生可能性に応じてリスク評価を判定するリスク評価マトリクスを記憶しておくリスク評価マトリクス記憶手段、
    前記入力されたリスクプロパティを前記予め記憶されたリスク評価マトリクスと照合することによりリスク評価を行うリスク評価手段、
    前記リスク評価を表示するリスク評価表示手段、
    前記指定されたリスク領域内に位置する業務機能を指定することによりコントロールを付与するコントロール付与手段、
    前記付与されたコントロールのプロパティを入力するコントロールプロパティ入力手段、
    前記リスク領域内に存在する業務機能、前記入力されたリスクプロパティ及び前記入力されたコントロールプロパティを相互に関連付けて記録するリスク−コントロールデータベース記録手段、
    として機能させることを特徴とする文書作成支援プログラム。
  2. コンピュータを、
    前記記録されたリスク−コントロールデータベースから所定の項目に関する情報を抽出しリスクコントロールマトリクス(RCM)を作成するRCM作成手段、
    として更に機能させることを特徴とする、請求項1に記載の文書作成支援プログラム。
  3. コンピュータを、
    前記記録されたリスク−コントロールデータベースから所定の項目に関する情報を抽出し業務記述書を作成する業務記述書作成手段、
    として更に機能させることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の文書作成支援プログラム。
  4. コンピュータを、
    前記作成された業務プロセスチャート、RCM及び業務記述書のいずれか又は全てを保存する文書保存手段
    として更に機能させることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の文書作成支援プログラム。
  5. 前記リスクプロパティ入力手段における入力領域、前記コントロールプロパティ入力手段における入力領域、前記リスク評価表示手段によって表示されるリスク評価は、いずれも、業務プロセスチャートが表示される画面と同時に視認可能な状態で表示されることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の文書化支援プログラム。
  6. 前記リスク評価マトリクスによって判定されるリスク評価は、三段階の評価段階で構成されており、
    前記リスク評価表示手段は、三つ目の信号機の形状を表示し、前記三段階の評価段階のいずれに属するかに応じて信号機の点消灯表示を行う
    ことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかに記載の文書作成支援プログラム。
  7. 前記リスク評価マトリクスは、各々3段階からなるリスクの影響の大きさとリスクの発生可能性との2つの軸から構成され、
    これらの組合せに応じて前記三段階の評価段階が判定されることを特徴とする、請求項6に記載の文書作成支援プログラム。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の文書作成支援プログラムをコンピュータに読み込ませることにより構築される文書作成支援装置。
  9. 内部統制を可視化し評価するための文書作成支援システムであって、
    少なくとも一以上の入力者用端末機と、
    前記入力者用端末機と所定のネットワークを介して接続されたサーバとを備え、
    前記入力者用端末機は、
    少なくとも一以上の業務機能及び個々の業務機能を相互の関係に基づいて接続することで構成される業務プロセスチャートを描画する手段、
    前記業務プロセスチャート上の所定の領域をリスク領域として指定するリスク領域指定手段、
    前記リスク領域のリスク内容、リスク分類、リスクの影響度、リスクの発生可能性を入力するリスクプロパティ入力手段、
    前記指定されたリスク領域内に位置する業務機能を指定することによりコントロールを付与するコントロール付与手段、
    前記付与されたコントロールのプロパティを入力するコントロールプロパティ入力手段
    として機能し、
    前記サーバは、
    前記入力者用端末機から所定のネットワークを介して送信された業務プロセスチャート情報、リスク領域情報、リスクプロパティ情報、付与コントロール情報及びコントロールプロパティ情報を記録する各種情報記録手段、
    前記リスク領域情報に応じてリスク番号を採番するリスク番号採番手段、
    予め、リスクの影響度及びリスクの発生可能性に応じてリスク評価を判定するリスク評価マトリクスを記憶しておくリスク評価マトリクス記憶手段、
    前記入力者用端末機から送信されたリスクプロパティ情報を前記予め記憶されたリスク評価マトリクスと照合することによりリスク評価を行うリスク評価手段、
    前記入力者用端末機から送信された各種情報、前記リスク番号採番手段により採番されたリスク番号、及び、前記リスク評価手段により判定されたリスク評価を、相互に関連付けて記録するリスク−コントロールデータベース記録手段、
    として機能する
    ことを特徴とする文書作成支援システム。
  10. 前記入力者用端末機は、前記サーバにおけるリスク評価を受信して表示するリスク評価表示手段を有することを特徴とする、請求項9に記載の文書作成支援システム。
  11. 前記リスク評価マトリクスによって判定されるリスク評価は、三段階の評価段階で構成されており、
    前記リスク評価表示手段は、三つ目の信号機の形状を表示し、前記三段階の評価段階のいずれに属するかに応じて信号機の点消灯表示を行う
    ことを特徴とする、請求項9又は請求項10に記載の文書作成支援システム。
  12. 前記リスク評価マトリクスは、各々3段階からなるリスクの影響の大きさとリスクの発生可能性との2つの軸から構成され、
    これらの組合せに応じて前記三段階の評価段階が判定されることを特徴とする、請求項11に記載の文書作成支援システム。
  13. 前記入力者用端末機は、前記サーバに記録されたリスク−コントロールデータベースから所定の項目に関する情報を抽出し、RCMを作成するRCM作成手段として機能することを特徴とする、請求項9から請求項12のいずれかに記載の文書作成支援システム。
  14. 前記入力者用端末機は、前記サーバに記録されたリスク−コントロールデータベースから所定の項目に関する情報を抽出し、業務記述書を作成する業務記述書作成手段として機能することを特徴とする、請求項9から請求項13のいずれかに記載の文書作成支援システム。
  15. 所定のネットワークを介して、前記リスク−コントロールデータベース記録手段に記録されたリスク−コントロールデータベースにアクセス可能な監査用端末機を更に有することを特徴とする、請求項9から請求項14のいずれかに記載の文書作成支援システム。
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