本発明の一実施形態である介護支援システム1について、図1乃至図12を参照して詳細に説明する。介護支援システム1は、介護を支援するための管理サーバ2と、介護施設3側に備えられており、文字表記及びバーコードが併記されている複数のラベルLAと、複数のラベルLAが記載されており、冊子に纏められている入力用冊子4と、ラベルLAのバーコードを読み取って記録データRDを作成する携帯スキャナ5と、介護施設3に備えられ、通信ネットワーク6を介して管理サーバ2に接続されていると共に、携帯スキャナ5の記録データRDを管理サーバ2に送信する施設側端末7と、介護施設3に設けられている施設内ネットワーク8を介して施設側端末7と接続されている閲覧端末9と、各介護施設3を運営している運営者が管理している運営者設備10に備えられており、通信ネットワーク6を介して管理サーバ2に接続されている運営者側端末11と、を備えている。
また、介護支援システム1は、各介護施設3において配備されている複数の車両12と、各車両12に夫々備えられており、複数のラベルLAが記載されていると共に冊子に纏められている車載入力用冊子13と、車両12を運転するための鍵と一緒に備えられており、ラベルLAのバーコードを読み取って記録データRD1を作成する外出用携帯スキャナ14と、外出用携帯スキャナ14の記録データRD1を管理サーバ2に送信する運行用施設側端末15と、を備えている。
ここで、通信ネットワーク6は、インターネット、電話通信網、有線放送通信網、等である。また、施設内ネットワーク8は、有線や無線による通信網である。施設側端末7及び運行用施設側端末15は、施設内ネットワーク8及び通信ネットワーク6を介して管理サーバに接続される。本実施形態では、複数の運営者が夫々管理している運営者設備10が、通信ネットワーク6を介して管理サーバ2に接続されている。また、本実施形態では、一つの運営者設備10が、複数の介護施設3を運営しており、夫々の介護施設3に施設側端末7や携帯スキャナ5等が備えられている。
管理サーバ2は、CPUや記憶装置等を備えた汎用のコンピュータにより構成されている。管理サーバ2は、機能的構成として、記憶装置に記憶されている基本リストBLや記録データRD等のデータベース21と、支援データを作成するための支援データ作成部22と、ラベルLAを作成するためのラベル作成部23と、通信ネットワーク6を介して施設側端末7へ支援データ等を送信するためのデータ送信部24と、通信ネットワーク6を介して施設側端末7や運行用施設側端末15からの記録データRD等を受信するためのデータ受信部25と、キーボード、マウス、ディスプレイ、及びプリンタが接続されている入出力部26と、を備えている。
また、管理サーバ2は、運行記録を作成するための運行記録作成部27と、メールを作成して送信するメール送信部28と、を備えている。
基本リストBLは、ラベルLAに記載されているバーコードのバーコードリストBL1と、本介護支援システム1を利用している運営者の運営者リストBL2と、各運営者が管理している運営者設備10内の介護施設3の介護施設リストBL3と、各介護施設3内で働くスタッフのスタッフリストBL4と、各介護施設3を利用している被介護者の被介護者リストBL5と、有している。バーコードリストBL1は、運営者リストBL2、介護施設リストBL3、スタッフリストBL4、被介護者リストBL5、車両リストBL6、等と関連付けられている。
ラベルLAは、介護施設3内や介護施設3外の場所を示す文字表記及びバーコードが併記されている場所ラベルLA1と、介護施設3で働くスタッフを示す文字表記及びバーコードが併記されているスタッフラベルLA2と、介護施設3において介護を受ける被介護者を示す文字表記及びバーコードが併記されている被介護者ラベルLA3と、介護施設3における業務内容を示す文字表記及びバーコードが併記されている複数の業務ラベルLA4と、被介護者の状態内容を示す文字表記及びバーコードが併記されている複数の状態ラベルLA5と、被介護者の言動内容を示す文字表記及びバーコードが併記されている複数の言動ラベルLA6と、携帯スキャナ5や施設側端末7等に対する制御内容を示す文字表記及びバーコードが併記されている制御ラベルLA7と、を有している。
また、ラベルLAは、車両12を示す文字表記及びバーコードが併記されている車両ラベルLA8と、介護施設3外における外出業務の内容を示す文字表記及びバーコードが併記されている複数の外出業務ラベルLA9と、車両12による外出業務の運行状況を示す文字表記及びバーコードが併記されている複数の運行ラベルLA10と、を有している。
場所ラベルLA1は、居室、共有スペース、スタッフスペース、外出先、の四つの項目に分けられている。居室、共有スペース、スタッフスペース、の項目の場所ラベルLA1は、介護施設3内の該当する各場所に夫々備えられている。具体的には、介護施設3内において、居室(居室入口、居室内、ベッド横、等)、共有スペース(玄関、居間、廊下、食堂、トイレ、浴室、台所、中庭、等)、スタッフスペース(事務室、休憩室、更衣室、等)、に場所ラベルLA1が備えられている。また、外出先の場所ラベルLA1は、車載入力用冊子13に記載されている。外出先は、被介護者の自宅、医療機関、行政機関、金融機関、食料品店、衣料品店、家電製品店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ガソリンスタンド、等が含まれている。
スタッフラベルLA2は、各スタッフに夫々備えられている。スタッフラベルLA2は、スタッフが身に着けているIDカードや名札に備えられている。被介護者ラベルLA3は、被介護者に夫々備えられている。被介護者ラベルLA3は、被介護者に装着されている、或いは、被介護者のベッド、被介護者の居室の出入口付近、等に備えられている。通所介護を受ける被介護者の被介護者ラベルLA3は、当該被介護者が送迎を含めて介護施設3内に来所している時には当該被介護者に装着されており、それ以外の時には事務室に備えられている。
業務ラベルLA4は、ケア業務、スタッフ業務、勤務状況、の三つの項目に分けられている。ケア業務は、一人の被介護者に対して行う業務であり、安否確認、介助、介護、バイタル測定、等が含まれている。スタッフ業務は、複数の被介護者や介護施設3に対して行う業務であり、調理、配膳、掃除、事務、洗濯、接客、等が含まれている。勤務状況は、スタッフ個人の勤務に関する状況であり、出勤、休憩、退勤、等が含まれている。
状態ラベルLA5は、被介護者の状態として、様子、ADL、IADL、表情、健康状態、行動障害、の六つの項目に分けられている。様子は、テレビを見ている、食事をしている、眠っている、等が含まれている。ADL(日常生活動作)は、ふらつき、むせ込む、失禁、等が含まれている。IADL(手段的日常生活動作)は、食事を作る、掃除をする、買い物に行く、等が含まれている。表情は、にこにこ、怒る、不安、等が含まれている。健康状態は、認知の進行、痛み、下痢、等が含まれている。行動障害は、暴言、妄想、徘徊、等が含まれている。
言動ラベルLA6は、被介護者が発する様々の言葉が、その意味に基づいて分類されており、その分類には、気遣い、元気、好き、嬉しい、自慢、頼み、心配、困惑、諦め、不快、恥じ、疑い、怒り、驚き、恐怖、悲しみ、苦痛、幻覚、等がある。言動ラベルLA6として、例えば、「驚き」の分類には、「びっくりした」、「あんた誰?」、「大きな音!」、「何の音?」、等が含まれている(図5を参照)。
制御ラベルLA7は、START、END、データ入力、データ削除、設定、等が含まれている。
業務ラベルLA4や制御ラベルLA7には、一の位、十の位、百の位、西暦、月、日、時間、分、秒、コンマ、ドット、コロン、等のバイタル測定の数値や日時を入力するための数字や記号が含まれている。
車両ラベルLA8は、車両1、車両2・・・車両n、救急車、バイク、自転車、等が含まれている(図6を参照)。
外出業務ラベルLA9は、送迎業務、訪問支援業務、営業、その他の業務、等に分けられている。送迎業務は、送迎介助、乗車拒否、不在・応答なし、準備介助、等が含まれている。訪問支援業務は、安否確認、服薬支援、健康チェック、病院受診介助、緊急対応、起床介助、就寝介助、食事・水分介助、排泄介助、移動・移乗介助、支援入浴、支援買物、支援調理、支援洗濯、支援掃除、等が含まれている。営業は、求人営業、利用営業、等が含まれている。その他の業務は、購買業務、手続業務、サービス担当者会議、地域ケア会議、初回訪問、モニタリング、退院カンファレンス、地域行事参加、等が含まれている。
運行ラベルLA10は、施設出発、施設到着、目的地到着、目的地出発、送迎迎え、送迎送り、訪問、外出、等が含まれている。
入力用冊子4には、業務ラベルLA4、状態ラベルLA5、言動ラベルLA6、制御ラベルLA7、及び制御ラベルLA7が記載されている。入力用冊子4は、介護施設3内の多数箇所(例えば、施設側端末7付近、共有スペース、スタッフスペース、等)に備えられている。入力用冊子4は、業務ラベルLA4、状態ラベルLA5、言動ラベルLA6、及び制御ラベルLA7が、夫々順番に、各項目毎に纏められている。入力用冊子4は、図5に示すように、一つのページに複数種類のラベルLAが印刷されている。入力用冊子4は、各ページの夫々に綴じ穴が形成されており、綴じ穴に挿通された綴じ具により一冊の冊子に纏められている。これにより、汚れたり破損したりしたページを交換したり、新たにラベルLAを追加した時にページを増やしたりすることができる。この入力用冊子4には、車両ラベルLA8、外出業務ラベルLA9、及び運行ラベルLA10が、更に記載されていても良い。
本実施形態では、場所ラベルLA1、スタッフラベルLA2、被介護者ラベルLA3の表面や、入力用冊子4におけるラベルLAが記載されているページの全面に、艶消しのクリア処理が施されている。これにより、ラベルLAの表面の光沢を抑えて、表記されている文字を読み易くしていると共に、携帯スキャナ5によるラベルLAのバーコードを読み取り易くしている。
携帯スキャナ5は、図2(b)に示すように、バーコードへ照射した光の反射によりバーコードを読み取るバーコード読取部31と、読み取ったバーコードをデコードするデコード部32と、日時を計測している時計部33と、デコードされたバーコードを時計部33の日時と関連付けて記録データRDとして記憶する記憶部34と、記憶部34に記憶された記録データRDを、USBケーブルCAを介して施設側端末7へ出力するためのUSB接続部35と、を備えている。
また、携帯スキャナ5は、図示は省略するが、バーコード読取部31によりバーコードを読み取らせるための読取ボタンと、バーコード読取部31によりバーコードが読み取られたことを知らせる発音部と、USB接続部35を介してバスパワーやセルフパワーにより充電される蓄電部と、携帯用のストラップと、を備えている。携帯スキャナ5は、読取ボタンを長押しすることで、電源をON/OFFすることができる。携帯スキャナ5は、スタッフの掌に収まる大きさに形成されている。
施設側端末7は、図2(c)に示すように、施設内ネットワーク8及び通信ネットワーク6(以下では単に通信ネットワーク6とも称す)を介して管理サーバ2へデータを送信するためのデータ送信部41と、通信ネットワーク6を介して管理サーバ2からのデータを受信するためのデータ受信部42と、管理サーバ2から送信されたデータや携帯スキャナ5から転送された記録データRD等を記憶する記憶部43と、キーボード、マウス、ディスプレイ、及びプリンタ等が接続されている入出力部44と、USBケーブルCAを介して携帯スキャナ5と接続するためのUSB接続部45と、を備えている。
施設側端末7のデータ送信部41及びデータ受信部42は、施設内ネットワーク8を介して閲覧端末9にもデータを送受信する。施設側端末7は、CPUや記憶装置等を備えた汎用のコンピュータにより構成されている。
閲覧端末9は、CPU、記憶装置、及び通信装置等を備えたタブレット型の汎用のコンピュータにより構成されている。閲覧端末9は、施設内ネットワーク8を介して施設側端末7と接続されており、入力するためのタッチパネルが備えられている。
運営者側端末11は、施設側端末7と同様に、CPUや記憶装置等を備えた汎用のコンピュータにより構成されている。運営者側端末11は、通信ネットワーク6を介して管理サーバ2へデータを送信するためのデータ送信部と、通信ネットワーク6を介して管理サーバ2からのデータを受信するためのデータ受信部と、管理サーバ2から送信されたデータを記憶する記憶部と、キーボード、マウス、ディスプレイ、及びプリンタ等が接続されている入出力部と、を備えている。
車載入力用冊子13には、運行ラベルLA10、外出先の場所ラベルLA1、車両ラベルLA8、及び外出業務ラベルLA9が記載されている。車載入力用冊子13は、上述した入力用冊子4と同じ構造である。外出用携帯スキャナ14は、上述した携帯スキャナ5と、同じ構成のものであり、以下では各構成に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。外出用携帯スキャナ14は、チェーン、ワイヤ、紐、等を介して車両12を運転するための鍵に繋げられている。或いは、外出用携帯スキャナ14を、車両12を運転するための鍵と一体にしていても良い。運行用施設側端末15は、上述した施設側端末7と同じ構成のものであり、以下では各構成に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態の介護支援システム1を用いた介護支援方法について説明する。運営者設備10の運営者側端末11において、通信ネットワーク6を介して管理サーバ2に対して、当該運営者設備10の介護施設3に対応したラベルLAの出力を要求する。管理サーバ2では、運営者側端末11からラベルLAの出力の要求を受信すると、データベース21に記憶されている基本リストBLのバーコードリストBL1と、運営者リストBL2、介護施設リストBL3、スタッフリストBL4、被介護者リストBL5、及び車両リストBL6とから、当該運営者設備10の介護施設3に対応したラベルLAのデータを抽出して運営者側端末11に送信する。そして、運営者側端末11では、管理サーバ2から送信されたラベルLAのデータを受信すると、入出力部のプリンタによりラベルLAを印刷する。運営者側端末11において印刷されたラベルLAは、各介護施設3へ送られる。
印刷されたラベルLAを受取った介護施設3では、居室、共有スペース、スタッフスペースの場所ラベルLA1を介護施設3内の該当する場所に備え、スタッフラベルLA2及び被介護者ラベルLA3を、スタッフ及び被介護者に夫々備える。また、業務ラベルLA4、状態ラベルLA5、言動ラベルLA6、及び制御ラベルLA7は、ページ状に印刷されており、それらを綴じて入力用冊子4を形成する。
更に、介護施設3では、外出先の場所ラベルLA1、車両ラベルLA8、外出業務ラベルLA9、及び運行ラベルLA10が、ページ状に印刷されており、それらを綴じて車載入力用冊子13を形成する。車載入力用冊子13は、車両12内における運転するスタッフの手の届き易い位置に備える。
また、介護施設3では、スタッフが携帯する携帯スキャナ5や車両の鍵に繋げられている外出用携帯スキャナ14のUSB接続部35に、施設側端末7のUSB接続部45(バスパワー)、或いは、商用電源(セルフパワー)、に接続されたUSBケーブルCAを、接続して充電する。そして、充電した携帯スキャナ5に対して、各種の設定を実施する。携帯スキャナ5では、設定に関する制御ラベルLA7のバーコードを読み取らせることで、日時、音、読取ボタン(トリガー)、等を設定することができると共に、記録データRDを削除することができる。携帯スキャナ5の設定が完了したら、介護施設3側での準備が完了した状態となる。
そして、スタッフが介護施設3において業務を行う場合、スタッフが携帯スキャナ5を携帯し、場所ラベルLA1、被介護者ラベルLA3、入力用冊子4に記載されている各種のラベルLA、のバーコードを携帯スキャナ5により読み取らせる。詳述すると、スタッフが出勤すると、携帯スキャナ5を携帯し、スタッフラベルLA2のバーコードを読み取らせた上で、「出勤」の文字表記された業務ラベルLA4のバーコードを読み取らせる。その後、「START」と文字表記された制御ラベルLA7のバーコードを読み取らせて、業務を開始する。
業務として、例えば、被介護者の居室を巡回して安否確認するケア業務を行う場合は、居室の前に移動したら、携帯スキャナ5により居室の入口に備えられている場所ラベルLA1のバーコードを読み取らせた上で、当該居室の入口に備えられている被介護者ラベルLA3のバーコードを読み取らせる。居室に入室しない場合は、入力用冊子4に記載されている「安否確認室外」と文字表記された業務ラベルLA4のバーコードを読み取らせた上で、被介護者の状態や言動に応じた状態ラベルLA5や言動ラベルLA6のバーコードを読み取らせ、次の居室へ移動する。一方、居室に入室する場合は、居室内に備えられている場所ラベルLA1のバーコードを読み取らせた上で、入力用冊子4に記載されている「安否確認室内」と文字表記された業務ラベルLA4のバーコードを読み取らせる。そして、被介護者に対して行ったケア業務に対応する業務ラベルLA4のバーコード、被介護者の状態や言動に応じた状態ラベルLA5や言動ラベルLA6のバーコードを読み取らせ、次の居室へ移動する。
また、例えば、朝食の準備をするスタッフ業務を行う場合は、台所へ移動したら、携帯スキャナ5により台所に備えられている場所ラベルLA1のバーコードを読み取らせた上で、入力用冊子4に記載されている「朝食準備」と文字表記された業務ラベルLA4のバーコードを読み取らせる。更に、スタッフが休憩する場合は、携帯スキャナ5により休憩室に備えられている場所ラベルLA1のバーコードを読み取らせた上で、入力用冊子4に記載されている「休憩開始」と文字表記された業務ラベルLA4のバーコードを読み取らせて休憩を開始する。そして、休憩を終了する際には、入力用冊子4に記載されている「休憩終了」と文字表記された業務ラベルLA4のバーコードを読み取らせる。
そして、その日の業務が終了したら、携帯スキャナ5により「退勤」と文字表記された業務ラベルLA4のバーコードを読み取った上で、「END」と文字表記された制御ラベルLA7のバーコードを読み取らせる。このようにして携帯スキャナ5により読み取られたラベルLAのバーコードは、時系列順に並んだ状態で記録データRDとして記憶部34に記憶されることとなる。
記録データRDは、図8に示すように、バーコード読取部31により読み取られたバーコードをデコード部32によりデコードされたデータ(例えば、JAN−13の規格に基づいたデータ)が、先頭からスタッフ名(スタッフ)、出勤(業務)、START(制御)、と続き、最後にEND(制御)のデータが並んだ構成に形成されている。また、記録データRDは、STARTとENDの二つの制御のデータの間に、場所のデータにより仕切られるように、被介護者、業務、状態、言動、等のデータが時系列で並んでいる。記録データRDを構成している各データには、バーコードを読み取った時の日時が付加されている。
次に、携帯スキャナ5の記憶部34に記憶されている記録データRDを、施設側端末7へ転送する場合は、まず、施設側端末7において転送用のソフトウエアを実行させると共に、携帯スキャナ5のUSB接続部35と施設側端末7のUSB接続部45とをUSBケーブルCAにより接続する。そして、携帯スキャナ5により「データ入力」と文字表記された制御ラベルLA7のバーコードを読み取らせると、携帯スキャナ5の記憶部34に記憶されている記録データRDが、施設側端末7の記憶部43に転送されて記憶される。携帯スキャナ5は、施設側端末7に接続されたUSBケーブルCAや、商用電源に接続されたUSBケーブルCAを介して、蓄電部に充電することができる。
施設側端末7の記憶部43に記憶された記録データRDは、データ送信部41から通信ネットワーク6を介して管理サーバ2に送信され、管理サーバ2のデータ受信部25で受信されてデータベース21に記憶される。
管理サーバ2では、受信した記録データRDをデータベース21に記憶させる際に、記録データRDを場所のデータ毎に分割すると共に、分割した各分割データに記録データRDの先頭のスタッフのデータを夫々付加し、各分割データを、被介護者の介護にかかる介護記録、スタッフのスタッフ業務にかかるスタッフ記録、介護記録及びスタッフ記録の何れにも該当しない不明記録、の何れかに区分する処理を実行して記憶させる。
詳述すると、管理サーバ2におけるデータベース21に記録データRDを記憶させる処理は、図9に示すように、まず、施設側端末7から送信された記録データRDに対して、STARTのデータとENDのデータの間を、場所のデータ毎に分割し、分割した各分割データに、夫々先頭のスタッフのデータを付加する(ステップS11)。次に、夫々の分割データに対して被介護者のデータを有しているか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12において、分割データに被介護者のデータが有ると判定された場合(YES)は(例えば、図8において、[1]、[2]、[3]、[6]、の分割データのように、被介護者のデータが有る場合は)、次に、当該分割データに場所のデータ及び被介護者のデータ以外が無いか否かを判定する(ステップS13)。
このステップS13において、分割データに場所のデータ及び被介護者のデータ以外が無いと判定された場合(YES)は(図8において、[3]の分割データの場合は)、当該分割データを一つ後ろの分割データと結合し(ステップS14)、ステップS15へ進む。一方、ステップS13において、分割データに場所のデータ及び被介護者のデータ以外が有ると判定された場合(NO)は(例えば、図8において、[1]、[2]、[6]、の分割データの場合は)、ステップS15へ移動する。
また、ステップS12において、分割データに被介護者のデータが無いと判定された場合(NO)は(図8において、[5]、[7]、の場合、なお、ステップS11以降の分割データの処理は、先頭から順番に行うため、[4]の分割データはステップS14により[3]と結合されている)、次に、当該分割データにケア業務のデータ又は状態内容のデータが有るか否かを判定する(ステップS16)。
そして、ステップS16において、ケア業務のデータ又は状態内容のデータが有と判定された場合(YES)は(図8において、[5]の場合は)、ステップS17へ進む。ステップS17では、当該分割データの場所のデータが「居室」であるか否かを判定する。このステップS17において、当該分割データの場所のデータが「居室」であると判定された場合(YES)は、その「居室」に入居している被介護者に対する「ケア業務」であるとして、当該「場所」に対応した被介護者のデータをデータベース21の基本リストBLから抽出して当該分割データに付加し(ステップS18)、ステップS15へと進む。
ステップS15では、分割データにケア業務のデータが無いか否かを判定し、ケア業務のデータが無と判定された場合(YES)は(図8において、[6]の分解データの場合は)、ステップS19へ進む。ステップS19では、当該分割データ内の状態内容のデータ又は言動内容のデータに基づいてデータベース21の基本リストBLから対応するケア業務のデータを抽出し、そのケア業務のデータを当該分割データに付加した上で、ステップS20へ進む。一方、ステップS15において、分割データにケア業務のデータが有ると判定された場合(NO)は(図8において、[1]、[2]、[3]+[4]、[6]、の分割データの場合は)、ステップS20へ進む。そして、ステップS20では、分割データを記録データRDにおける介護記録に区分してデータベース21に記憶させ、処理を終了する。
ところで、ステップS16において、当該分割データにケア業務のデータ又は状態内容のデータが無いと判定された場合(NO)は(図8において、[7]の場合は)、ステップS21へ進み、当該分割データが「スタッフ業務」であるとして、記録データRDにおけるスタッフ業務に区分してデータベース21に記憶させた後に、処理を終了する。
また、ステップS17において、当該分割データの場所のデータが「居室」でないと判定された場合(NO)は、ステップS22へ進み、分割データを記録データRDにおける不明記録に区分してデータベース21に記憶させた後に、処理を終了する。
このように、管理サーバ2では、記録データRDを、介護記録、スタッフ記録、不明記録、の何れかに区分してデータベース21に記憶される。また、スタッフが携帯スキャナ5により、被介護者ラベルLA3や業務ラベルLA4のバーコードを読み取ることを忘れても、管理サーバ2において可能な範囲で自動的に修正してデータベース21に記憶させることができる。これにより、施設側端末7や運営者側端末11から、通信ネットワーク6を介して支援データ作成の要求を受信した時に、必要なデータをデータベース21から抽出し易いものとすることができる。
介護支援システム1では、施設側端末7や閲覧端末9、或いは、運営者側端末11において、管理サーバ2のデータベース21に記憶された記録データRDを、支援データとして閲覧することができる。作成される支援データとしては、被介護者の介護施設内での生活記録、スタッフの業務記録、被介護者のバイタル記録、介護施設での月間や年間等の期間記録、介護施設毎の記録、スタッフ毎の記録、被介護者毎の記録、場所毎の記録、等の内容がある。
支援データを閲覧する場合は、スタッフや運営者に対して個々に付与されているIDとパスワードを、施設側端末7、閲覧端末9、及び運営者側端末11の何れかから、通信ネットワーク6を介して管理サーバ2に送信して、管理サーバ2にログインする。そして、施設側端末7等において、どのような内容の支援データを作成するかを選択し、支援データの作成の要求を管理サーバ2に送信する。
作成の要求(閲覧)が可能な支援データの内容は、スタッフや運営者の役職や権限等に応じて制限されている。例えば、運営者では、運営者が運営している全ての介護施設、その介護施設を利用している被介護者や働いているスタッフ、に関する支援データを閲覧することができるのに対して、他の運営者に関する支援データを閲覧することはできない。また、スタッフでは、スタッフ本人に関する支援データ、当該スタッフが関わっている被介護者に関する支援データ、等の限られた内容しか閲覧することができない。管理サーバ2では、受信したIDから、作成(閲覧)可能な支援データの内容を、データベース21から抽出し、その内容を施設側端末7等側へ送信し、施設側端末7等に作成可能な支援データの内容を表示させて選択させる。
管理サーバ2では、支援データの要求を受信すると、支援データ作成部22において、データベース21に記憶されている基本リストBLと記録データRDとから、要求された内容に応じた支援データを作成する。そして、管理サーバ2は、作成した支援データを、データ送信部24から通信ネットワーク6を介して送信元の施設側端末7等側へ送信し、施設側端末7等において支援データを出力(表示や印刷)させる。
スタッフや運営者側では、管理サーバ2のデータベース21において、不明記録に区分されているデータを、支援データとして作成させて、閲覧することができる。この支援データとしての不明記録には、スタッフ、場所、日時、業務内容、等が記録されているため、スタッフや被介護者等に確認することで、明確な記録とすることが可能となる。そして、特定の権限を有したスタッフや運営者により管理サーバ2にアクセスして、当該不明記録を正しい記録に修正して、介護記録又はスタッフ記録に区分された状態でデータベース21に記憶させる。これにより、データベース21に記憶されている記録データRDの正確性を高めることができ、作成される支援データの有用性を向上させることができる。
ところで、運営者設備10において、新たなラベルLAを追加したい場合は、新たなラベルLAの追加要求として、新たなラベルLAに記載する文字表記の内容を、運営者側端末11から通信ネットワーク6を介して管理サーバ2に送信する。管理サーバ2では、新たなラベルLAの追加要求を受信すると、新たなラベルLAの文字表記が、データベース21に記憶されているか否かを確認し、既にデータベース21に記憶されている場合は、基本リストBL(バーコードリストBL1)から当該ラベルLAのデータを抽出して、運営者側端末11に送信する。
一方、データベース21に新たなラベルLAの文字表記が記憶されていない場合は、ラベル作成部23により、当該文字表記と併記されるバーコードを作成してラベルLAのデータを作成し、作成した新たなラベルLAのデータを、運営者側端末11に送信する。この際に、新たなラベルLAのバーコードや、新たなラベルLAにかかるスタッフ、被介護者、業務内容等を、データベース21の基本リストBLに追加する。
運営者側端末11では、管理サーバ2から送信された新たなラベルLAのデータを受信すると、入出力部のプリンタにより新たなラベルLAを印刷し、各介護施設3へ送る。そして、各介護施設3では、新たなラベルLAを、該当する場所、スタッフ、被介護者、入力用冊子4等に備えさせて使用する。これにより、スタッフや被介護者が入れ替わったり、業務や状態や言動等の内容を追加又は変更したりした時に、速やかに対応することができる。
続いて、スタッフが介護施設3外において外出業務を行う場合について説明する。外出業務として、例えば、被介護者を自宅から介護施設3へ送迎するように送迎業務の場合、送迎を担当するスタッフ(車両12を運転するスタッフ)が、事務所内から送迎する被介護者の被介護者ラベルLA3と、送迎に使用する車両12の鍵とを所持した上で、当該車両12に乗車する。この車両12を運転するスタッフは、送迎を専門とするスタッフであっても良いし、介護や事務等を担当するスタッフであっても良い。
そして、車両12の鍵に繋げられている外出用携帯スキャナ14を使用して、車両12に備えられている車載入力用冊子13に記載されている運行ラベルLA10の「送迎迎え」と文字表記されたバーコードを読み取る。次に、外出用携帯スキャナ14により、自身が所持しているスタッフラベルLA2のバーコードを読み取ると共に、車載入力用冊子13の車両ラベルLA8の該当するバーコードを読み取り、運行ラベルLA10の「施設出発」と文字表記されたバーコードを読み取ってから出発する。なお、別のスタッフが同乗する場合は、「施設出発」のバーコードを読み取る前に、同乗するスタッフのスタッフラベルLA2のバーコードを読み取る。
被介護者の自宅に到着したら、外出用携帯スキャナ14により運行ラベルLA10の「目的地到着」と文字表記されたバーコードを読み取る。そして、当該被介護者に対して外出業務として送迎介助を行って、被介護者を車両12に乗車させる。その後、外出用携帯スキャナ14により、乗車させた被介護者の被介護者ラベルLA3のバーコードを読み取ると共に、車載入力用冊子13に記載されている外出業務ラベルLA9の「送迎介助」と文字表記されているバーコードを読み取る。被介護者に対して、「送迎介助」以外の外出業務を行った場合は、該当する内容のバーコードを読み取る。外出業務ラベルLA9のバーコードを読み取ったら、運行ラベルLA10の「目的地出発」と文字表記されているバーコードを読み取って、次の目的地へ出発する。
このような作業を各被介護者毎に繰り返す。そして、最後に介護施設3に帰着したら、運行ラベルLA10の「施設到着」と文字表記されているバーコードを読み取った上で、使用した車両の車両ラベルLA8のバーコードを読み取ると共に、自身のスタッフラベルLA2のバーコードを読み取る。これにより、スタッフが送迎に使用した車両12、送迎した被介護者、外出業務、等が記録データRD1(図10を参照)として外出用携帯スキャナ14に記憶されることとなる。
記録データRD1は、図10に示すように、バーコード読取部31により読み取られたバーコードをデコード部32によりデコードされたデータ(例えば、JAN−13の規格に基づいたデータ)が、先頭から運行、スタッフ名(スタッフ)、車両、運行、と続き、最後に運行、車両、スタッフ名(スタッフ)のデータが並んだ構成に形成されている。また、記録データRD1は、各データが外出用携帯スキャナ14によってバーコードを読み込んだ順に、時系列で並んでいる。記録データRD1を構成している各データには、バーコードを読み取った時の日時が付加されている。
上記では、送迎業務について説明したが、被介護者の自宅において支援や介助を行う訪問支援業務も、送迎業務と同様の手順により被介護者や実施した訪問支援業務の該当するバーコードを外出用携帯スキャナ14により読み取る。従って、訪問支援業務の記録データも、送迎業務の記録データRD1と同様の構成である。
一方、外出業務として、被介護者を送迎したり支援したりしない営業やその他の業務の場合、上記の送迎業務の手順において、被介護者ラベルLA3のバーコードの読み取りに換えて、車載入力用冊子13に記載されている場所ラベルLA1における外出先の該当する場所が文字表記されているバーコードを、外出用携帯スキャナ14により読み取る。従って、外出業務における営業やその他の業務の記録データは、送迎業務の記録データRD1において、被介護者のデータが場所のデータに置き換った構成となる。
そして、外出業務を行ったスタッフは、介護施設3に帰着したら、直ちに、外出用携帯スキャナ14に記憶されている記録データRD1を、運行用施設側端末15に転送する。外出用携帯スキャナ14から運行用施設側端末15への記録データRD1の転送は、上述した、携帯スキャナ5から施設側端末7への記録データRDの転送と、同じ手順で行い、運行用施設側端末15の記憶部43に転送して記憶させる。
運行用施設側端末15の記憶部43に記憶された記録データRD1は、データ送信部41から通信ネットワーク6を介して管理サーバ2に送信され、管理サーバ2のデータ受信部25で受信されてデータベース21に記憶される。
そして、管理サーバ2では、外出業務ラベルLA9のデータが含まれている記録データRD1等を受信すると、運行記録OR(図12を参照)を作成し、汎用のPDF形式に変換した上で、メールに添付してスタッフの管理者や車両12の管理者に送信する。
詳述すると、管理サーバ2において運行記録ORを作成する処理は、図11に示すように、記録データRD1等を受信する(ステップS31においてYES)と、当該記録データRD1等に外出業務ラベルLA9のデータを有しているか否かを判定する(ステップS32)。そして、ステップS32において、外出業務ラベルLA9のデータを有していると判定された場合(YES)は、次のステップS33に進む。一方、該主業務ラベルLA9のデータを有していないと判定された場合(NO)は、本処理を終了する。
ステップS33では、記録データRD1等から、運行にかかる部位を抽出し、データベース21に記憶されている基本リストBLを参照しながら運行記録ORを作成する。ステップS33において作成された運行記録ORは、データベース21に記憶される。このステップS33で作成された運行記録ORは、図12に示すように、外出用携帯スキャナ14により読み取られたデータが時系列で並べられていると共に、各被介護者に対する所要時間や、移動時間が表示されている。また、運行記録ORの最後には、外出時間、所要時間、及び移動時間の合計が表示されている。
そして、運行記録ORが作成されると、当該運行記録ORのスタッフのデータを用いて、データベース21から当該スタッフにかかる送付先としての管理者のメールアドレスを抽出する(ステップS34)。また、運行記録ORが作成されると、汎用のファイル形式としてPDF形式に運行記録ORを変換する(ステップS35)。
ステップS34において管理者のメールアドレスを抽出したら、当該管理者宛のメールを作成(ステップS36)した上で、そのメールにステップS35において変換された運行記録ORのファイルを添付(ステップS37)する。その後、運行記録ORが添付されたメールを送信(ステップS38)して処理を終了する。
このように、外出業務を行ったスタッフが、介護施設3に帰着したら、直ちに、外出用携帯スキャナ14に記憶されている記録データRD1を運行用施設側端末15に転送することで、その記録データRD1が管理サーバ2に送信されて、運行記録ORが作成されると共に、当該運行記録ORが管理者にメールで送信される。従って、介護施設3等の管理種は、スタッフによる外出業務の内容を速やかに把握することができると共に、当該介護施設3に迎え入れた被介護者を把握することができる。
また、運行記録ORは、支援データの閲覧と同様に、施設側端末7、閲覧端末9、運営者側端末11、及び運行用施設側端末15の何れかを用いて閲覧することができる。
このように、本実施形態によれば、スタッフに備えられている携帯スキャナ5により、場所ラベルLA1、スタッフラベルLA2、被介護者ラベルLA3、業務ラベルLA4、状態ラベルLA5、言動ラベルLA6、の夫々のラベルLAのバーコードを読み取らせることで、スタッフ、場所、被介護者、業務内容、介護記録、等を、時間と一緒に記録データRDとして入力することができるため、キーボードを用いて入力する場合と比較して、入力作業を容易にすることができ、スタッフの負担を軽減することができると共に、入力にかかる時間を短縮させることができる。
また、入力作業を容易にすることができるため、スタッフに対して、場所を移動したり介護等の業務を実施したりする都度に、ラベルLAのバーコードを携帯スキャナ5で読み取らせるようにしても、スタッフにかかる負担を抑制することができる。また、その都度、携帯スキャナ5でラベルLAのバーコードを読み取らせるようにしているため、実施した場所や業務内容等の詳細を忘れる前に入力させることが可能となり、実施した業務内容等の抜けが生じ難いものとすることができ、記録データRDの内容を正確なものとすることができる。
また、夫々のラベルLAには、バーコードと一緒に文字表記が併記されているため、その文字表記により入力内容を確認することができ、入力内容を間違え難いものとすることができる。また、夫々のラベルLAに文字表記が併記されているため、文字表記に他言語の文字を列記することで、使用する言語が異なるスタッフが混在していても、容易に対応することができる。
更に、本実施形態では、業務ラベルLA4、状態ラベルLA5、及び言動ラベルLA6等を、入力用冊子4として纏めて冊子にしていることから、業務内容や介護記録等を入力する際に、単純に入力用冊子4を捲って所望のラベルLAが記載されているページを開けば良いため、入力作業を容易なものとすることができ、スタッフの負担を小さくすることができると共に、入力するためのコストを低減させることができる。
また、各場所に場所ラベルLA1を備え、場所ラベルLA1のバーコードをスタッフが携帯している携帯スキャナ5で読み取り、携帯スキャナ5からの記録データRDの送信は、通信ネットワーク6に接続された施設側端末7を介して行うようにしているため、各場所に施設内ネットワーク8に接続されたスキャナを設置する必要がなく、システムの構築にかかるコストの増加を抑制させることができる。また、場所ラベルLA1のバーコードを読み取らせることで場所を特定することができるため、介護施設3内の多様な場所に場所ラベルLA1を備えて読み取らせることで、よりきめ細かく場所を特定することができる。
更に、上記のように、正確な場所、業務内容や介護記録等の記録データRDを管理サーバ2のデータベース21に記憶させることができ、施設側端末7等からの要求により、データベース21に記憶された記録データRDや基本リストBLを用いて、支援データ作成部22により支援データを作成しているため、被介護者やスタッフの管理やアセスメント等に利用できる正確な支援データを作成することができ、被介護者やスタッフ等を支援することができる。
また、スタッフに備えられている携帯スキャナ5によりラベルLAのバーコードを読み取るようにしていることから、被介護者やスタッフにカメラが向けられることはないため、被介護者に不快感を与えてしまうことはないと共に、被介護者等のプライバシーを侵害してしまうことはない。
更に、携帯スキャナ5の記憶部34に記憶される記録データRDにおいて、業務内容や状態内容等のデータの前に、必ず場所のデータが存在することとなるため、業務内容等の前にある場所のデータをみることで、当該業務内容等が実施された場所を確実に特定することができ、管理サーバ2のデータベース21に記憶される記録データRDの正確性を高めることができる。
また、携帯スキャナ5により記憶される記録データRDを、先頭にスタッフのデータを配置し、STARTとENDの二つの制御のデータの間に、場所のデータにより仕切られるように、被介護者、業務、状態、言動、等のデータが時系列で並んだ構成としていると共に、各データにバーコードを読み取った時の日時を付加するようにしているため、誰が、何時、何処で、何をした、のかを明確に記録することができる。従って、データベース21に記憶されている記録データRDの正確性を高めることができ、作成される支援データの有用性を向上させることができる。
更に、車両12の鍵に繋げられている外出用携帯スキャナ14により、被介護者ラベルLA3、スタッフラベルLA2、運行ラベルLA10、場所ラベルLA1、車両ラベルLA8、外出業務ラベルLA9、の夫々のラベルのバーコードを読み取らせることで、スタッフ、場所、被介護者、外出業務内容、運行内容、等を、時間と一緒に記録データRD1として入力することができるため、キーボードを用いて入力する場合と比較して、入力作業を容易にすることができ、スタッフの負担を軽減させことができると共に、入力にかかる時間を短縮することができる。
また、入力作業を容易にすることができるため、スタッフに対して、目的地へ移動したり外出業務を実施したりする都度に、ラベルのバーコードを外出用携帯スキャナ14で読み取らせるようにしても、スタッフにかかる負担を抑制することができる。そして、その都度、外出用携帯スキャナ14でラベルのバーコードを読み取らせることにより、目的地の場所や実施した外出業務の内容等の詳細を忘れる前に入力させることとなるため、実施した外出業務内容等の抜けが生じ難いものとすることができ、記録データRD1の内容を正確なものとすることができる。
更に、運行ラベルLA10、場所ラベルLA1、車両ラベルLA8、及び外出業務ラベルLA9を、車載入力用冊子13として纏めて冊子にしていることから、外出業務の内容や目的地等を入力する際に、単純に冊子を捲って所望のラベルが記載されているページを開けば良いため、入力作業を容易なものとすることができ、スタッフの負担を小さくすることができると共に、車両側端末を備える場合と比較して、入力するためのコスト、ひいては介護支援システム1かかるコストを低減させることができる。
また、外出用携帯スキャナ14を、車両12の鍵に繋げているため、車両12を使用する際に、外出用携帯スキャナ14を介護施設3に置き忘れてしまうことを防止することができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、外出用携帯スキャナ14に記憶された記録データRD1を、介護施設3内の業務にかかる記録データRDが転送される施設側端末7とは別途に備えられている運行用施設側端末15に転送しているため、施設側端末7にかかる負荷を軽減させることができ、運行記録ORの作成にかかる時間を短縮することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、ラベルLAに併記されるバーコードとして、一次元のものを示したが、これに限定するものではなく、二次元のバーコードとしても良い。
また、上記の実施形態では、管理サーバ2において、記録データRDをデータベース21に記憶させる際に、記録データRDを場所のデータ毎に分割した上で、介護記録、スタッフ記録、及び不明記録、の何れかに区分するものを示したが、これに限定するものではなく、受信した記録データRDをそのままデータベース21に記憶させ、支援データを作成する時に、記録データRDを場所のデータ毎に分割した上で、介護記録、スタッフ記録、及び不明記録、の何れかに区分するようにしても良い。
また、上記の実施形態では、車両12の鍵に繋げられている外出用携帯スキャナ14を使用して、外出業務ラベルLA9等のバーコードを読み取って記録データRD1を作成するものを示したが、これに限定するものではなく、各スタッフが携帯している携帯スキャナ5を使用しても良い。この場合でも、当該スタッフが介護施設3に帰着したら、直ちに、運行用施設側端末15を介して携帯スキャナ5に記憶されている記録データRDを管理サーバ2へ送信することで、管理サーバ2において、受信した記録データRD内の外出業務にかかる部位を抽出して運行記録ORを作成することができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
更に、上記の実施形態では、外出用携帯スキャナ14に記憶されている記録データRD1を、施設側端末7とは別途の運行用施設側端末15に転送して、管理サーバ2に送信するものを示したが、これに限定するものではなく、記録データRD1を、施設側端末7に転送して管理サーバ2に送信するようにしても良い。
また、上記の実施形態では、管理サーバ2において、外出業務にかかる記録データRD1から運行記録ORを作成するものを示したが、これに限定するものではなく、管理サーバ2のデータベース21から必要なリストを受信して運行用施設側端末15において、運行記録ORを作成するようにしても良い。
また、上記の実施形態では、介護施設3内での携帯スキャナ5による記録データRDを用いて支援データを作成するものを示したが、これに限定するものではなく、介護施設3内での携帯スキャナ5による記録データRDに加えて、外出用携帯スキャナ14による記録データRD1も用いて支援データを作成するようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、外出用携帯スキャナ14を用いて介護施設3におけるスタッフの外出や被介護者の送迎等の運行記録を作成するものを示したが、外出用携帯スキャナ14により読み取るバーコードを適宜設定することにより、例えば、学校、病院、旅館やホテル、飲食店、等での送迎にかかる運行記録の作成に用いることができる。