JP2020008796A - 現像装置、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】予備撹拌路に配置されている予備部材の螺旋状の羽根が連続して形成されている場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる現像装置、及び画像形成装置を得る。【解決手段】トナーが補給される予備撹拌路84に配置された搬送羽根92は、第一搬送羽根94と第二搬送羽根96とに分離されている。そして、第二搬送羽根96よって搬送されるトナーTは、第一搬送羽根94と第二搬送羽根96との間で、一旦減速して撹拌されるようになっている。【選択図】図1

Description

本発明は、現像装置、及び画像形成装置に関する。
特許文献1に記載の現像剤供給装置は、本体部と、搬送部材と、トナー補給口とを備え、循環路は、現像ローラに近接して配される第1循環路と、第1循環路の両端部と連通する第2循環路とから構成され、搬送部材は、第1および第2循環路にそれぞれ配され螺旋状フィンが形成されて軸回転する細長い第1搬送スクリューと第2搬送スクリューとからなる。
特開2006−113401号公報
現像装置には、現像剤を撹拌させるための撹拌路と、現像剤を現像ロールに供給するための供給路とが形成されており、現像剤は、撹拌路と供給路とを循環している。さらに、現像装置には、現像装置に補給されたトナーを循環路まで撹拌しながら搬送する予備撹拌路が、撹拌路を延長することで形成されている。この予備撹拌路には、軸と、軸に形成された螺旋状の搬送羽根とを有する予備部材が配置されている。この螺旋状の搬送羽根は、軸に連続して形成されている。
ここで、供給路から撹拌路へ受け渡される現像剤が、予備撹拌路に入り込んでしまうことがある(オーバーラン)。そして、予備撹拌路に入り込んでしまった現像剤と、補給されたトナーとの撹拌が不十分であることに起因して、トナー画像に濃度むらが生じる場合がある。
本発明の課題は、予備撹拌路に配置されている予備部材の螺旋状の羽根が連続して形成されている場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することである。
本発明の請求項1に係る現像装置は、回転しながら像保持体の潜像に現像剤を受け渡す回転部材と、前記回転部材の軸方向に延びている供給路に配置されている供給部材と、前記軸方向に対して交差する方向で前記供給路と並ぶと共に前記軸方向に延びている撹拌路に配置され、前記軸方向に延びている撹拌軸と、前記撹拌軸を有し回転しながら前記供給路と前記撹拌路との間で現像剤を循環させて撹拌する撹拌部材と、前記撹拌路において前記撹拌部材が前記供給部材から現像剤が受け渡される側の部分から延長されることで形成されると共に外部からトナーが補給される予備撹拌路に配置され、前記撹拌軸が延長された延長軸と前記延長軸に形成されている螺旋状の搬送羽根とを有する予備部材であって、前記搬送羽根は第一搬送羽根と前記第一搬送羽根を挟んで前記撹拌軸の反対側に配置されている第二搬送羽根とに分離されており、回転しながら前記撹拌路にトナーを搬送する前記予備部材と、を備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る現像装置は、請求項1に記載の現像装置において、前記予備撹拌路において前記供給路からの現像剤が侵入する侵入領域で、前記搬送羽根が分離されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る現像装置は、請求項1又は2に記載の現像装置において、前記第一搬送羽根のピッチと、前記第二搬送羽根のピッチとは同様で、前記第一搬送羽根の位相と、前記第二搬送羽根の位相とがずれていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る現像装置は、請求項3に記載の現像装置において、前記第一搬送羽根の端部と、前記第二搬送羽根の端部とが、前記延長軸の周方向に離れていることで、前記第一搬送羽根の位相と、前記第二搬送羽根の位相とがずれていることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る現像装置は、請求項4に記載の現像装置において、前記延長軸の周方向において前記第一搬送羽根の端部と前記第二搬送羽根の端部との間には、前記延長軸の周面から前記延長軸の径方向に板状の板状部材が突出していることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る現像装置は、請求項5に記載の現像装置において、前記板状部材の板面は、前記周方向に向いていることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る現像装置は、請求項1〜6の何れか1項に記載の現像装置において、前記供給部材は、前記軸方向に延びている供給軸と前記供給軸に形成された螺旋状の供給羽根とを有し、前記撹拌部材は、前記撹拌軸と、前記撹拌軸に形成された螺旋状の撹拌羽根とを有し、前記供給路と前記撹拌路とを仕切ると共に現像剤を前記供給部材から前記撹拌部材に受け渡すための一対の開口の間に形成された仕切部材を備え、前記供給軸には、前記供給羽根に対して逆方向に巻かれた螺旋状の逆羽根が前記軸方向で前記供給羽根と並んで形成されており、前記軸方向において前記逆羽根に対して前記供給羽根側で、かつ、前記軸方向に対して交差する方向において前記開口と対向した領域で、前記撹拌羽根と、前記第一搬送羽根とが分離されていることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る現像装置は、請求項7に記載の現像装置において、前記撹拌羽根のピッチと、前記第一搬送羽根のピッチとは同様で、前記撹拌羽根の位相と、前記第一搬送羽根の位相とがずれていることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る現像装置は、請求項8に記載の現像装置において、前記撹拌羽根の端部と、前記第一搬送羽根の端部とが、前記撹拌軸の周方向に離れていることで、前記撹拌羽根の位相と、前記第一搬送羽根の位相とがずれていることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る現像装置は、請求項9に記載の現像装置において、前記撹拌軸の周方向において前記撹拌羽根の端部と前記第一搬送羽根の端部との間には、前記撹拌軸の周面から前記撹拌軸の径方向に板状の他の板状部材が突出していることを特徴とする。
本発明の請求項11に係る現像装置は、請求項10に記載の現像装置において、前記他の板状部材の板面は、前記周方向に向いていることを特徴とする。
本発明の請求項12に係る画像形成装置は、潜像を保持する像保持体と、前記像保持体の潜像を現像する請求項1〜11の何れか1項に記載の現像装置とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項1の現像装置によれば、予備撹拌路に配置されている予備部材の羽根が連続して形成されている場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項2の現像装置によれば、搬送羽根が侵入領域の外部で分離されている場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項3の現像装置によれば、第一搬送羽根の位相と、第二搬送羽根の位相とが合っている場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項4の現像装置によれば、延長軸の周方向において第一搬送羽根の端部と第二搬送羽根の端部との間が連続した曲面である場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項5の現像装置によれば、板状部材を設けない場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項6の現像装置によれば、板状部材の板面が延長軸の周方向に対して傾斜する方向に向いている場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項7の現像装置によれば、撹拌羽根と第一搬送羽根とが分離されている部分と、開口とが軸方向において異なる位置である場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項8の現像装置によれば、撹拌羽根の位相と、第一搬送羽根の位相とが合っている場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項9の現像装置によれば、撹拌軸の周方向において撹拌羽根の端部と第一搬送羽根の端部との間が連続した曲面である場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項10の現像装置によれば、板状部材を設けない場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項11の現像装置によれば、他の板状部材の板面が撹拌軸の周方向に対して傾斜する方向に向いている場合と比して、トナー画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項12の画像形成装置によれば、予備撹拌路に配置されている予備部材の羽根が連続して形成されている現像装置を備える場合と比して、出力画像に濃度むらが生じるのを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る現像装置の予備撹拌路等を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る現像装置の予備撹拌路に配置された予備部材の一部を示した拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係る現像装置の供給路、撹拌路、及び予備撹拌路等を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る現像装置の予備撹拌路等を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る現像装置を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。 (A)(B)本発明の実施形態に係る現像装置の撹拌部材、及び予備部材を示した正面図、及び側面図である。 (A)(B)本発明の実施形態に係る現像装置の予備部材を示した正面図、及び側面図である。 本発明の実施形態に係る現像装置の評価結果をグラフで示した図面である。 本発明の比較形態に係る現像装置の評価結果をグラフで示した図面である。 本発明の比較形態に係る現像装置の予備撹拌路に配置された予備部材の一部を示した拡大斜視図である。 本発明の比較形態に係る現像装置の供給路、撹拌路、及び予備撹拌路等を示した断面図である。
本発明の実施形態に係る現像装置、画像形成装置の一例について図1〜図10に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
(画像形成装置10)
画像形成装置10には、図6に示されるように、上下方向の下方から上方へ向けて、記録媒体としてのシート部材Pが収容される収容部14と、収容部14に収容されたシート部材Pを搬送する搬送部16と、収容部14から搬送部16によって搬送されるシート部材Pに画像形成を行う画像形成部20とが、この順で備えられている。さらに、画像形成装置10には、各部を制御する制御部44が備えられている。
〔収容部〕
収容部14には、画像形成装置10の装置本体10aから装置奥行方向の手前側に引き出し可能な収容部材26が備えられており、この収容部材26にシート部材Pが積載されている。さらに、収容部14には、収容部材26に積載された最上位のシート部材Pを、搬送部16を構成する搬送経路28に送り出す送出ロール30が備えられている。
〔搬送部〕
搬送部16には、搬送経路28に沿ってシート部材Pを搬送する複数の搬送ロール32が備えられている。
〔画像形成部〕
画像形成部20には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット18Y、18M、18C、18Kが備えられている。なお、以後の説明では、Y,M,C,Kを区別して説明する必要がない場合は、Y,M,C,Kを省略して記載することがある。
さらに、画像形成部20には、各色の画像形成ユニット18に備えられた像保持体36に各色の露光光を照射する露光装置42が備えられている。また、各色の画像形成ユニット18には、図5に示されるように、前述した像保持体36と、像保持体36の表面を帯電させる帯電部材38とが備えられている。さらに、画像形成部20には、前述した露光装置42が帯電した像保持体36の表面を露光することで形成された静電潜像を現像してトナー画像として可視化する現像装置40が備えられている。
また、画像形成部20には、図6に示されるように、各色の画像形成ユニット18によって形成されたトナー画像が転写される無端状の転写ベルト22と、転写ベルト22に画像形成ユニット18によって形成されたトナー画像を転写する一次転写ロール24とが備えられている。さらに、画像形成部20には、転写ベルト22に転写されたトナー画像をシート部材Pに転写する二次転写ロール46が備えられている。また、画像形成部20には、シート部材P上のトナー画像を加熱・加圧してシート部材Pに定着する定着装置34が備えられている。なお、現像装置40の構成については詳細を後述する。
(画像形成装置の作用)
画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
先ず、電圧が印加された各色の帯電部材38は、各色の像保持体36の表面と接触して像保持体36の表面を予定の電位で一様にマイナス帯電する。続いて、外部から入力されたデータに基づいて露光装置42は、帯電した各色の像保持体36の表面に露光光を照射して静電潜像を形成する。
これにより、画像データに対応した静電潜像が夫々の像保持体36の表面に形成される。さらに、各色の現像装置40は、この静電潜像を現像し、トナー画像として可視化する。また、一次転写ロール24は、各色の像保持体36の表面に形成されたトナー画像を、転写ベルト22に転写する。
そこで、送出ロール30は、収容部材26に積載された最上位のシート部材Pを搬送経路28へ通して転写ベルト22と二次転写ロール46とが接触する転写位置Tへ送り出す。転写位置Tでは、二次転写ロール46が、転写ベルト22との間でシート部材Pを挟持搬送することで、転写ベルト22の表面のトナー画像をシート部材Pに転写する。
さらに、定着装置34は、シート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する。そして、トナー画像が定着されたシート部材Pは、搬送ロール32によって装置本体10aの外部へ排出される。
(要部構成)
次に、本実施形態に係る現像装置40の構成を説明する。
現像装置40は、図5に示されるように、各構成部材を収容する筐体60を有している。この筐体60内には、トナーT及びキャリアCを含む現像剤Gを収容可能な現像剤収容室66が形成されている。
〔筐体60〕
筐体60には、図5に示されるように、像保持体36側に向かって開口する開口部64が形成されている。この開口部64から一部が露出するようにして、装置奥行方向を軸方向として、現像剤Gを像保持体36へ受け渡す現像ロール68が筐体60の内部に収容されている。現像ロール68は、回転部材の一例である。
さらに、筐体60には、現像剤Gを搬送しながら現像剤Gを現像ロール68へ供給するための供給路80が、装置奥行方向へ延びて形成されている。具体的には、装置奥行方向から見て、現像ロール68を挟んで像保持体36の反対側に、供給路80が、形成されている。さらに、この供給路80の断面は、上方が開放したU字状とされている。
この供給路80には、図3に示すように、回転しながら現像剤Gを装置奥行方向の手前側(図中右側)から装置奥行方向の奥側(図中左側)へ向けて搬送し、現像剤Gを現像ロール68に供給する供給部材74が、装置奥行方向に延びて配置されている。
さらに、筐体60には、図5に示されるように、搬送しながら現像剤Gを撹拌するための搬送路78が、装置奥行方向へ延びて形成されている。具体的には、搬送路78は、供給路80と比して現像ロール68から離れており、供給路80に対して装置幅方向(現像ロール68の軸方向に対して交差する方向)に並んで配置されている。さらに、この搬送路78の断面は、上方が開放したU字状とされている。
装置奥行方向に延びている搬送路78は、図3に示されるように、現像剤Gを搬送しながら撹拌するための撹拌路82と、外部からトナーTが筐体60の内部に補給される予備撹拌路84とを有している。予備撹拌路84は、撹拌路82において供給部材74から現像剤が受け渡される側(詳細は後述)である装置奥行方向の奥側の部分を延長することで形成されている。
また、予備撹拌路84の装置奥行方向の長さは、撹拌路82の装置奥行方向の長さと比して短くされており、撹拌路82と予備撹拌路84とは、この順番で装置奥行方向の手前側から奥側に並んで繋がっている。具体的には、搬送路78において、装置幅方向で供給路80と並んでいる部分が、撹拌路82とされている。換言すれば、装置幅方向で撹拌路82は、供給路80と並んでいる。
この搬送路78には、回転しながら現像剤Gを装置奥行方向の奥側(図中左側)から装置奥行方向の手側(図中右側)へ向けて搬送しながら撹拌する搬送部材72が、装置奥行方向に延びて配置されている。
さらに、筐体60には、外部からトナーTを筐体60の内部に補給するためのトナー補給口62が、予備撹拌路84において装置奥行方向の奥側の部分に対して上方に形成されている。換言すれば、トナー補給口62を通して筐体60の内部に補給されるトナーTは、予備撹拌路84において装置奥行方向の奥側の部分に補給されるようになっている。つまり、トナー補給口62が、予備撹拌路84において撹拌路82側の部分とは反対側の分に対して上方に形成されている。
さらに、筐体60には、供給路80及び撹拌路82の装置奥行方向における両端部分を除いて、供給路80と撹拌路82とを仕切る仕切部材76が、装置奥行方向に延びて形成されている。この仕切部材76に対して装置奥行方向の奥側には、供給路80と撹拌路82との間で現像剤Gの移動を可能とする移動路86aが形成されている。また、この仕切部材76に対して装置奥行方向の手前側には、供給路80と撹拌路82との間で現像剤Gの移動を可能とする移動路86bが形成されている。移動路86a及び移動路86bは、開口の一例である。
そして、搬送路78において、移動路86aの装置奥行方向の奥側の端部に対して装置奥行方向の手前側の領域(図中領域H1)が、撹拌路82とされている。これに対して、搬送路78において、撹拌路82に対して装置奥行方向の奥側の領域(図中領域H2)が、予備撹拌路84とされている。
〔現像ロール68〕
現像ロール68は、装置奥行方向に延びて配置されており、図5に示されるように、筐体60に回転可能に支持された導電性を有する円筒状のスリーブ68aと、筐体60に固定された円柱状のマグネットロール68bとを備えている。スリーブ68aの回転軸の端部には、図示しないギアが固定されており、図示しないモータからの回転力が該ギアへ伝達され、該ギアを介してスリーブ68aが図中矢印A方向へ回転するようになっている。
また、現像ロール68を挟んで像保持体36の反対側で、現像ロール68と対向する位置には、現像ロール68上の現像剤Gの量を規制する規制部材70が配置されている。
この構成において、現像ロール68は、現像剤G中に含まれたキャリアCを磁力で吸着し、表面に現像剤Gの磁気ブラシを形成し、規制部材70によって現像剤Gの量が規制され、現像剤Gを像保持体36と対向する位置へ搬送する。そして、像保持体36上に形成された静電潜像が、現像ロール68上の現像剤Gによってトナー画像として可視化される。
〔供給部材74〕
供給部材74は、図3に示されるように、供給路80に配置されている。そして、供給部材74は、装置奥行方向に延びている供給軸74aと、供給軸74aの周面に形成されている螺旋状の供給羽根74bと、供給羽根74bの巻き方向とは逆方向に巻かれた逆羽根74cとを有している。
供給軸74aの両端部は、筐体60の壁部に回転可能に支持されており、供給軸74aの一方の端部には、駆動源から回転力が伝達されるギア(図示省略)が固定されている。
供給羽根74bは、装置幅方向において移動路86aと対向している部分の供給軸74aから、装置幅方向において移動路86bと対向している部分の供給軸74aまで形成されている。
逆羽根74cは、供給羽根74bに対して装置奥行方向の奥側に形成されている。本実施形態では、逆羽根74cの外径は、供給羽根74bの外径と同様とされており、逆羽根74cのピッチは、供給羽根74bのピッチと比して小さくされている。
この構成において、回転する供給部材74において供給羽根74bが形成された部分は、供給路80の現像剤Gを搬送しながら、装置奥行方向の手前側から装置奥行方向の奥側へ搬送し、現像剤Gを現像ロール68に供給するようになっている。また、回転する供給部材74において逆羽根74cが形成された部分は、供給羽根74bが形成された部分によって搬送される現像剤Gの搬送方向を変えて移動路86aを通して、搬送部材72を構成する撹拌部材88に現像剤Gを受け渡すようになっている。
〔搬送部材72〕
搬送部材72は、図3に示されるように、撹拌路82と予備撹拌路84とを有する搬送路78に配置されている。そして、搬送部材72は、撹拌路82に配置されている撹拌部材88と、予備撹拌路84に配置されている予備部材90とを有している。
−撹拌部材88−
撹拌部材88は、図3に示されるように、装置奥行方向に延びている撹拌軸88aと、撹拌軸88aの周面に形成されている螺旋状の撹拌羽根88bとを有している。
撹拌軸88aの装置奥行方向の手前側の端部は、筐体60の壁部に回転可能に支持されており、撹拌軸88aの装置奥行方向の奥側の端部は、予備部材90を構成する延長軸90aに連結されている。換言すれば、撹拌軸88aの装置奥行方向の奥側を延長することで、延長軸90aが形成されている。つまり、撹拌軸88aと延長軸90aとは、一体的に形成されている。さらに、延長軸90aの装置奥行方向の奥側の端部は、筐体60の壁部に回転可能に支持されている。
そして、撹拌軸88aの装置奥行方向の奥側の端部には、駆動源から回転力が伝達されるギア(図示省略)が固定されている。本実施形態では、撹拌軸88aの外径は、供給軸74aの外径と同様とされ、撹拌羽根88bの外径は、供給羽根74bの外径と同様とされている。さらに、撹拌羽根88bのピッチは、供給羽根74bのピッチと同様とされている。
また、撹拌羽根88bにおける装置奥行方向の奥側(予備撹拌路84側)については、図1に示されるように、装置幅方向で移動路86aの中間部分と対向する位置まで形成されている。さらに、撹拌羽根88bにおいて予備撹拌路84側の端面89は、軸方向から見て、撹拌軸88aの径方向に延びている。端面89は、端部の一例である。
この構成において、図3に示す回転する撹拌部材88が、装置奥行方向の奥側の移動路86aを通して供給部材74から受け渡された現像剤Gを撹拌しながら搬送するようになっている。具体的には、回転する撹拌部材88が、現像剤Gを撹拌しながら、装置奥行方向の奥側から装置奥行方向の手前側に現像剤Gを搬送するようになっている。
さらに、撹拌羽根88bによって搬送された現像剤Gが、筐体60の壁面によって堰き止められる。そして、回転する撹拌部材88は、装置奥行方向の手前側の移動路86bを通して、現像剤Gを供給部材74において供給羽根74bが形成された部分へ受け渡す。このようにして、現像剤Gは、供給路80と撹拌路82との間で循環するようになっている(図中矢印参照)。
一方、回転する供給部材74から、移動路86aを通して撹拌路82側へ移動する現像剤Gの一部は、撹拌部材88に受け渡されることなく、予備撹拌路84の侵入領域R1(所謂オーバーラン領域)へ侵入する。
ここで、この侵入領域R1について、図4を用いて説明する。先ず、上方から見て、供給軸74aの中心線C1と供給羽根74bの先端縁とが交差する交点K1における、供給羽根74bの先端縁の接線(図中S1)を引く。また、上方から見て、接線S1に対して交点K1で直交する直交線(図中S2)を引く。さらに、直交線S2と、中心線C1との成す角度において、鋭角となっている角度(図中θ1)を求める。
次に、上方から見て、移動路86aにおける予備撹拌路84側の端部K2を通り、中心線C1との成す角度が角度θ1となる直線(図中S3)を引く。そして、予備撹拌路84を形成する筐体60の壁面と、直線S3とが交差する交点K3に対して、撹拌路82側の領域が、予備撹拌路84の侵入領域R1となる。なお、直線S3と交差する位置まで筐体の壁面が延びていない場合は、筐体の壁面を延長させた仮想壁面と、直線S3とが交差する点が交点K3となる。
−予備部材90−
予備部材90は、図3に示されるように、撹拌軸88aの装置奥行方向の奥側を延長することで形成されている延長軸90aと、延長軸90aの周面に形成されている螺旋状の搬送羽根92とを有している。搬送羽根92の巻き方向は、撹拌羽根88bの巻き方向と同様の方向とされている。
また、搬送羽根92は、図1に示されるように、予備撹拌路84の侵入領域R1で、第一搬送羽根94と第二搬送羽根96とに分離されている。第一搬送羽根94は、撹拌羽根88b側に配置され、第二搬送羽根96は、第一搬送羽根94を挟んで撹拌羽根88bの反対側に配置されている。換言すると、第一搬送羽根94と第二搬送羽根96とはこの順番で、撹拌羽根88bから離間するように装置奥行方向に並んでいる。
また、本実施形態では、第一搬送羽根94の外径、及び第二搬送羽根96の外径は、撹拌羽根88bの外径と同様とされている。さらに、第一搬送羽根94のピッチ、及び第二搬送羽根96のピッチは、撹拌羽根88bのピッチと同様とされている。
さらに、第一搬送羽根94において撹拌羽根88b側の部分は、撹拌路82まで延びており、撹拌軸88aの外周面に形成されている。また、第一搬送羽根94において撹拌羽根88b側の端面94aは、軸方向から見て、撹拌軸88aの径方向に延びている。そして、第一搬送羽根94の端面94aと、撹拌羽根88bの端面89とは、撹拌軸88aの周方向で離れている。換言すれば、撹拌軸88aの周方向において、第一搬送羽根94の端面94aと、撹拌羽根88bの端面89との間には、撹拌軸88aの周面87が連続して繋がる領域が形成されている。端面94aは端部の一例である。
このようにして、撹拌羽根88bと第一搬送羽根94とは分離されている。具体的には、装置奥行方向(軸方向)において逆羽根74cに対して供給羽根74b側で、かつ、装置幅方向(供給路80と撹拌路82との並び方向)において移動路86aと対向した領域で、撹拌羽根88bと、第一搬送羽根94とが分離されている。
さらに、撹拌軸88aの軸方向から見て、第一搬送羽根94の端面94aが延びている方向と、撹拌羽根88bの端面89が延びている方向とは、交差している。本実施形態では、撹拌軸88aの軸方向から見て、第一搬送羽根94の端面94aが延びている方向と、撹拌羽根88bの端面89が延びている方向との成す角度は、90〔度〕とされている(図7(A)(B)参照)。
このように、撹拌羽根88bの端面89と、第一搬送羽根94の端面94aとが、撹拌軸88aの周方向に離れていることで、撹拌羽根88bの位相と、第一搬送羽根94の位相とがずれている。換言すれば、撹拌羽根88bを第一搬送羽根94側に延長させた場合でも、この延長部分と、第一搬送羽根94とは、撹拌軸88aの周方向でずれている。ここで、「周方向に離れている」とは、部品の成形ばらつき等を考慮して、撹拌軸88aの軸方向において、撹拌羽根88bの端面89の先端位置と、第一搬送羽根94の端面94aの先端位置ずれが2〔mm〕以内で、端面89と端面94aとが周方向で離れていることをいう。
この構成において、第一搬送羽根94によって搬送されるトナーTは、第一搬送羽根94と撹拌羽根88bとの間で、一旦減速するようになっている。つまり、第一搬送羽根94と撹拌羽根88bとの間は、搬送されるトナーGが一旦減速する一旦減速領域とされている。
また、撹拌軸88aの周方向において撹拌羽根88bの端面89と、第一搬送羽根94の端面94aとの間には、撹拌軸88aの周面87から突出している板状の板状部材106が形成されている。また、撹拌軸88aの軸方向においては、板状部材106の少なくとも一部が、端面89の基端から端面94aの基端までの領域に形成されている。板状部材106は、他の板状部材の一例である。
板状部材106は、装置幅方向に並んで一対形成されており、周面87から撹拌軸88aの径方向に突出している。そして、板状部材106の板面は、撹拌軸88aの径方向に延びた矩形状とされており、撹拌軸88aの周方向に向いている。なお、板状部材106の撹拌軸88aの周面87からの高さは、撹拌羽根88bの撹拌軸88aの周面87からの高さと同様とされている。
さらに、撹拌軸88aを挟んで一対の板状部材106の反対側には、周面87から突出する一対の板状部材108が形成されている。この一対の板状部材108は、一対の板状部材106と同様の形状とされている。
また、第一搬送羽根94において第二搬送羽根96側の端面94bは、軸方向から見て、延長軸90aの径方向に延びている。さらに、第二搬送羽根96において第一搬送羽根94側の端面96aは、軸方向から見て、延長軸90aの径方向に延びている。端面94b、及び端面96aは、端部の一例である。
そして、第二搬送羽根96の端面96aと、第一搬送羽根94の端面94bとは、延長軸90aの周方向で離れている。また、延長軸90aの軸方向から見て、第二搬送羽根96の端面96aが延びている方向と、第一搬送羽根94の端面94bが延びている方向とは、交差している。本実施形態では、延長軸90aの軸方向から見て、第二搬送羽根96の端面96aが延びている方向と、第一搬送羽根94の端面94bが延びている方向との成す角度は、90〔度〕とされている(図8(A)(B)参照)。
このように、第一搬送羽根94の端面94bと、第二搬送羽根96の端面96aとが、延長軸90aの周方向に離れていることで、第一搬送羽根94の位相と、第二搬送羽根96の位相とがずれている。換言すれば、第一搬送羽根94を第二搬送羽根96側に延長させた場合でも、この延長部分と第二搬送羽根96とは、延長軸90aの周方向でずれている。ここで、「周方向に離れている」とは、部品の成形ばらつき等を考慮して、延長軸90aの軸方向において、第一搬送羽根94の端面94bの先端位置と、第二搬送羽根96の端面96aの先端位置ずれが2〔mm〕以内であり、端面94bと端面96aとが周方向で離れていることをいう。
この構成において、第二搬送羽根96よって搬送されるトナーTは、第一搬送羽根94と第二搬送羽根96との間で、一旦減速するようになっている。つまり、第一搬送羽根94と第二搬送羽根96との間は、搬送されるトナーGが一旦減速する一旦減速領域とされている。
また、図1、図2に示されるように、延長軸90aの周方向において第一搬送羽根94の端面94bと第二搬送羽根96の端面96aとの間には、延長軸90aの周面91から突出している板状の板状部材102が形成されている。また、延長軸90aの軸方向においては、板状部材102の少なくとも一部が、端面94bの基端から端面96aの基端までの領域に形成されている。
板状部材102は、装置幅方向に並んで一対形成されており、周面91から延長軸90aの径方向に突出している。そして、板状部材102の板面は、延長軸90aの径方向に延びた矩形状とされており、延長軸90aの周方向に向いている。なお、板状部材102の延長軸90aの周面91からの高さは、搬送羽根92の延長軸90aの周面91からの高さと同様とされている。
さらに、延長軸90aに対して一対の板状部材102の反対側には、周面91から突出する一対の板状部材104が形成されている。この一対の板状部材104は、一対の板状部材102と同様の形状とされている。
(要部構成の作用)
次に、現像装置40の作用について説明する。
図3に示す現像装置40の筐体60の内部では、回転する撹拌部材88が形成されている部分が、装置奥行方向の奥側の移動路86aを通して供給部材74から受け渡された現像剤Gを撹拌しながら搬送する。具体的には、回転する撹拌部材88が、現像剤Gを撹拌しながら、装置奥行方向の奥側から装置奥行方向の手前側へ搬送する。
さらに、撹拌羽根88bによって搬送された現像剤Gが、筐体60の壁面によって堰き止められる。そして、回転する撹拌部材88は、装置奥行方向の手前側の移動路86bを通して、現像剤Gを供給部材74へ受け渡す。
また、回転する供給部材74は、受け渡された現像剤Gを装置奥行方向の手前側から奥側へ搬送しながら、現像ロール68に現像剤Gを供給する。
さらに、回転する供給部材74は、現像剤Gの搬送を変えて移動路86aを通して、回転する撹拌部材88に現像剤Gを受け渡す。このようにして、供給路80と撹拌路82との間で、現像剤Gが循環する(図中矢印参照)。
また、図5に示す現像ロール68に供給された現像剤Gは、マグネットロール68bの磁力によって、現像ロール68の表面に磁気ブラシ(図示省略)を形成した状態で保持される。そして、回転するスリーブ68aは、現像剤Gを像保持体36と対向する位置まで搬送する。像保持体36と対向する位置まで搬送された現像剤Gに含まれるトナーTが像保持体36に形成された静電潜像に付着し、静電潜像がトナー画像として可視化される。
一方、図3に示す回転する供給部材74から、移動路86aを通して撹拌路82側へ移動する現像剤Gの一部は、撹拌部材88に受け渡されることなく、予備撹拌路84の侵入領域R1(図4参照)へ侵入する。
ここで、供給路80と撹拌路82との間で循環する現像剤G中のトナーTが減少した情報を、制御部44(図6参照)が図示せぬ検出手段から受け取ると、制御部44は、収容部に収容されたトナーTを、図1に示すトナー補給口62を通して予備撹拌路84に補給する。
そして、回転する予備部材90において第二搬送羽根96が形成された部分は、補給されたトナーT、及び予備撹拌路84の侵入領域R1へ侵入した現像剤Gを撹拌路82側へ搬送する。第二搬送羽根96によって搬送されるトナーT及び現像剤Gは、第二搬送羽根96に対して分離されている第一搬送羽根94との間で一旦減速する。
さらに、回転する予備部材90において、第二搬送羽根96の第一搬送羽根94側の部分、第一搬送羽根94の第二搬送羽根96側の部分、及び板状部材102、104が、停止しているトナーT及び現像剤Gを撹拌する。撹拌されたトナーT及び現像剤Gは、回転する予備部材90において第二搬送羽根96が形成された部分で搬送されるトナーT及び現像剤Gに押されて第一搬送羽根94側へ移動する。
さらに、回転する予備部材90において第一搬送羽根94が形成された部分は、第一搬送羽根94側へ移動したトナーT及び現像剤Gを撹拌路82側へ搬送する。第一搬送羽根94よって搬送されるトナーT及び現像剤Gは、第一搬送羽根94に対して分離されている撹拌羽根88bとの間で一旦減速する。
そして、回転する予備部材90において第一搬送羽根94の撹拌羽根88b側の部分、回転する撹拌部材88において撹拌羽根88bの第一搬送羽根94側の部分、及び板状部材106、108が、停止しているトナーT及び現像剤G等を撹拌する。撹拌された現像剤Gは、回転する予備部材90において第一搬送羽根94が形成された部分で搬送されるトナーT及び現像剤Gに押されて撹拌羽根88b側へ移動する。
さらに、回転する撹拌部材88は、撹拌羽根88b側へ移動した現像剤Gを装置奥行方向の手前側へ撹拌しながら搬送する。
(評価)
次に、本実施形態に係る現像装置40と比較形態に係る現像装置240とに対して夫々評価を行ったため、この評価について説明する。評価には、画像形成装置として富士ゼロックス社製の「DocuPrint C3450 d」を用い、この画像形成装置の現像装置を本実施形態の現像装置40と、比較形態の現像装置240とに交換して評価を行った。先ず、比較形態に係る現像装置240の構成について、現像装置40と異なる部分を主に説明し、その後、評価方法等を説明する。
〔現像装置240〕
現像装置240は、図12に示されるように、筐体60の内部の供給路80に配置されている供給部材74と、搬送路78に配置されている搬送部材272とを備えている。この搬送部材272において、撹拌路82に配置されている撹拌部材288と、予備撹拌路84に配置されている予備部材290とは、同様の構成とされている。
具体的には、搬送部材272は、搬送軸272aと、搬送軸272aの周面に形成されている螺旋状の搬送羽根272bとを有している。搬送軸272aは、装置奥行方向に亘って搬送路78に配置されており、搬送羽根272bは、搬送軸272aの一端側から他端側まで連続して形成されている。つまり、搬送羽根272bは、分離されることなく搬送軸272aの周面に連続して形成されており(図11参照)、撹拌路82及び予備撹拌路84に配置されている。
搬送軸272aの外径は、供給軸74aの外径と同様とされ、搬送羽根272bの外径は、供給羽根74bの外径と同様とされている。また、搬送羽根272bのピッチは、供給羽根74bのピッチと同様とされている。
〔評価方法・評価項目〕
各色の現像装置40、240の供給路80及び撹拌路82に規定量の現像剤Gを貯留させ、さらに、予備撹拌路84に2〔g〕のトナーTを補給する。この状態で、現像装置40、240を稼動させて、撹拌路82において装置奥行方向の手前側の部分(図3の部分M1)でトナー濃度をトナー濃度計を用いて測定する。
〔評価結果〕
図10には現像装置240の評価結果がグラフで示され、図9には現像装置40の評価結果がグラフで示されている。各グラフの縦軸には、トナー濃示が示され、横軸には、経過時間が示されている。また、各グラフの経過時間A1〜A5、については、予備撹拌路84に補給されたトナーTが、部分M1を通過する時間である。つまり、経過時間A1は、予備撹拌路84に補給されたトナーTが部分M1を最初に通過する時間であり、経過時間A2は、予備撹拌路84に補給されたトナーTが供給路80及び撹拌路82を循環して部分M1を2度目に通過する時間である。同様に、経過時間A3は、補給されたトナーTが部分M1を3度目に通過する時間であり、経過時間A4は、補給されたトナーTが部分M1を4度目に通過する時間である。また、経過時間A5は、補給されたトナーTが部分M1を5度目に通過する時間である。
図10のグラフに示されるように、現像装置240では、補給されたトナーTが部分M1を1度目〜3度目に通過したときのトナーの濃度は、上昇している。つまり、補給されたトナーTが部分M1を3度目に通過した状態で、補給されたトナーTと現像剤Gとの撹拌が不充分であることが分かる。
これに対して、図9のグラフに示されるように、現像装置40では、補給されたトナーTが部分M1を1度目に通過したときのトナーの濃度は、上昇している。しかし、2度目以降については、トナーの濃度の上昇が確認できない。つまり、補給されたトナーTが部分M1を2度目に通過した状態で、補給されたトナーTと現像剤Gとの撹拌が充分であることが分かる。
〔考察〕
現像装置240の搬送部材272の搬送羽根272bは、搬送軸272aの一端側から他端側まで連続して形成されている。つまり、撹拌路82及び予備撹拌路84に配置されている搬送部材272の搬送羽根272bは分離されることなく形成されている。このため、現像装置240では、予備撹拌路84に補給されたトナーTが回転する搬送部材272から受ける力については、搬送される力が強く、撹拌される力は弱いと考察する。
これに対して、現像装置40の搬送部材72は、撹拌路82に配置されている撹拌部材88と、予備撹拌路84に配置されている予備部材90とを有している。そして、予備部材90の搬送羽根92は、予備撹拌路84の侵入領域R1で、第一搬送羽根94と第二搬送羽根96とに分離されている。さらに、予備部材90の第一搬送羽根94と、撹拌部材88の撹拌羽根88bとは分離されている。そして、分離された部位には、板状部材102、104、106、108が配置されている。このため、現像装置40では、予備撹拌路84に補給されたトナーTが回転する予備部材90から受ける力については、撹拌される力が強く、搬送される力は弱いと考察する。
このため、前述した評価結果に示されるように、現像装置40では、現像装置240と比して、補給されたトナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなる。
(まとめ)
以上説明したように、現像装置40では、搬送羽根92は、第一搬送羽根94と第二搬送羽根96とに分離されている。このため、現像装置240と比して、補給されたトナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなることで、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、現像装置40では、搬送羽根92は、現像剤Gの一部が侵入する侵入領域R1で、第一搬送羽根94と第二搬送羽根96とに分離されている。このため、搬送羽根が侵入領域R1の外部で分離されている場合と比して、補給されたトナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなることで、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、現像装置40では、第一搬送羽根94の位相と、第二搬送羽根96の位相とがずれている。このため、第一搬送羽根の位相と、第二搬送羽根の位相とが合っている場合と比して、補給されたトナーTと現像剤Gとの搬送タイミングが変化することで、トナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなり、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、現像装置40では、第一搬送羽根94の端面94bと、第二搬送羽根96の端面96aとが、延長軸90aの周方向に離れていることで、第一搬送羽根94の位相と、第二搬送羽根96の位相とがずれている。これにより、第一搬送羽根94と第二搬送羽根96とが、延長軸90aの軸方向に離れることで、第一搬送羽根94の位相と、第二搬送羽根96の位相とがずれている場合と比して、羽根から撹拌力を受けることができない領域が減ることで、トナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなり、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、現像装置40では、延長軸90aの周方向において第一搬送羽根94の端面94bと第二搬送羽根96の端面96aとの間には、延長軸90aの周面91から突出している板状部材102が形成されている。このため、延長軸90aの周方向において第一搬送羽根94の端面94bと第二搬送羽根96の端面96aとの間が連続した曲面である場合と比して、補給されたトナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなることで、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、現像装置40では、板状部材102の板面は、延長軸90aの周方向に向いている。このため、板状部材の板面が延長軸の周方向に対して傾斜する方向に向いている場合と比して、補給されたトナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなることで、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、現像装置40では、装置奥行方向において逆羽根74cに対して供給羽根74b側で、かつ、装置幅方向において移動路86aと対向した領域で、撹拌羽根88bと、第一搬送羽根94とが分離されている。このため、撹拌羽根88bと第一搬送羽根94とが分離されている部分と移動路86aとが、装置奥行方向(軸方向)において異なる位置である場合と比して、補給されたトナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなることで、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、現像装置40では、装置奥行方向において逆羽根74cに対して供給羽根74b側で、かつ、装置幅方向において移動路86aと対向した領域で、撹拌羽根88bと、第一搬送羽根94とが分離されている。このため、第一搬送羽根94よって搬送されるトナーT及び現像剤Gは、第一搬送羽根94に対して分離されている撹拌羽根88bとの間で一旦減速して、滞留する。これにより、一旦減速しない場合と比して、予備撹拌路84で撹拌されるトナーT及び現像剤Gの量が増加する。換言すれば、現像剤を滞留させることで、供給部材から受け渡されるトナーT及び現像剤Gが予備撹拌経路側により多くあふれ、予備撹拌に供するトナーT及び現像剤Gの量が増加する。
また、現像装置40では、撹拌羽根88bの位相と、第一搬送羽根94の位相とがずれている。このため、撹拌羽根の位相と、第一搬送羽根の位相とが合っている場合と比して、補給されたトナーTと現像剤Gとの搬送タイミングが変化することで、トナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなり、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、現像装置40では、撹拌羽根88bの端面89と、第一搬送羽根94の端面94aとが、撹拌軸88aの周方向に離れていることで、撹拌羽根88bの位相と、第一搬送羽根94の位相とがずれている。これにより、撹拌羽根88bと第一搬送羽根94とが、撹拌軸88aの軸方向に離れることで、撹拌羽根88bの位相と、第一搬送羽根94の位相とがずれている場合と比して、羽根から撹拌力を受けることができない領域が減ることで、トナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなり、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、現像装置40では、撹拌軸88aの周方向において撹拌羽根88bの端面89と第一搬送羽根94の端面94aとの間には、撹拌軸88aの周面87から突出している板状部材106が形成されている。このため、撹拌軸88aの周方向において撹拌羽根88bの端面89と第一搬送羽根94の端面94aとの間が連続した曲面である場合と比して、補給されたトナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなることで、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、現像装置40では、板状部材106の板面は、撹拌軸88aの周方向に向いている。このため、板状部材の板面が撹拌軸の周方向に対して傾斜する方向に向いている場合と比して、補給されたトナーTと現像剤Gとの撹拌に要する時間が短くなることで、トナー画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
また、画像形成装置10においては、現像装置40を備えることで、現像装置240を備えている場合と比して、出力画像に濃度むらが生じるのが抑制される。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、補給口からトナーTが補給されたが、トナーTとキャリアCとが補給されてもよい。
また、上記実施形態では、搬送羽根92が侵入領域R1で分離されたが、搬送羽根92が侵入領域R1の外部で分離されてもよい。この場合には、搬送羽根92が侵入領域R1で分離されることで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、第一搬送羽根94の位相と、第二搬送羽根96の位相とはずれていたが、位相がずれていなくてもよい。この場合には、第一搬送羽根94の位相と、第二搬送羽根96の位相とがずれていることで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、第一搬送羽根94の端面94bと、第二搬送羽根96の端面96aとが、延長軸90aの周方向に離れていることで、第一搬送羽根94の位相と、第二搬送羽根96の位相とがずれていた。しかし、延長軸90aの軸方向に離れていることで、第一搬送羽根の位相と、第二搬送羽根の位相とがずれてもよい。この場合には、第一搬送羽根94の端面94bと、第二搬送羽根96の端面96aとが、延長軸90aの周方向に離れていることにより、第一搬送羽根94の位相と、第二搬送羽根96の位相とがずれることで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、撹拌羽根88bの位相と、第一搬送羽根94の位相とはずれていたが、位相がずれていなくてもよい。この場合には、撹拌羽根88bの位相と、第一搬送羽根94の位相とがずれていることで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、撹拌羽根88bの端面89と、第一搬送羽根94の端面94aとが、撹拌軸88aの周方向に離れていることで、撹拌羽根88bの位相と、第一搬送羽根94の位相とがずれていた。しかし、撹拌軸88aの軸方向に離れていることで、撹拌羽根の位相と、第一搬送羽根の位相とがずれてもよい。この場合には、撹拌羽根88bの端面89と、第一搬送羽根94の端面94aとが、撹拌軸88aの周方向に離れていることにより、撹拌羽根88bの位相と、第一搬送羽根94の位相とがずれることで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、板状部材102、104、106、108の板厚については特に説明しなかったが、基端から先端まで同様の板厚であってもよいし、板厚が変化してもよい。
10 画像形成装置
36 像保持体
40 現像装置
60 筐体
68 現像ロール(回転部材の一例)
74 供給部材
74a 供給軸
74b 供給羽根
74c 逆羽根
76 仕切部材
80 供給路
82 撹拌路
84 予備撹拌路
86a 移動路(開口の一例)
86b 移動路(開口の一例)
87 周面
88 撹拌部材
88a 撹拌軸
88b 撹拌羽根
89 端面(端部の一例)
90 予備部材
90a 延長軸
91 周面
92 搬送羽根
94 第一搬送羽根
94a 端面(端部の一例)
94b 端面(端部の一例)
96 第二搬送羽根
96a 端面(端部の一例)
102 板状部材
106 板状部材
R1 侵入領域

Claims (12)

  1. 回転しながら像保持体の潜像に現像剤を受け渡す回転部材と、
    前記回転部材の軸方向に延びている供給路に配置されている供給部材と、
    前記軸方向に対して交差する方向で前記供給路と並ぶと共に前記軸方向に延びている撹拌路に配置され、前記軸方向に延びている撹拌軸と、前記撹拌軸を有し回転しながら前記供給路と前記撹拌路との間で現像剤を循環させて撹拌する撹拌部材と、
    前記撹拌路において前記撹拌部材が前記供給部材から現像剤が受け渡される側の部分から延長されることで形成されると共に外部からトナーが補給される予備撹拌路に配置され、前記撹拌軸が延長された延長軸と前記延長軸に形成されている螺旋状の搬送羽根とを有する予備部材であって、前記搬送羽根は第一搬送羽根と前記第一搬送羽根を挟んで前記撹拌軸の反対側に配置されている第二搬送羽根とに分離されており、回転しながら前記撹拌路にトナーを搬送する前記予備部材と、
    を備える現像装置。
  2. 前記予備撹拌路において前記供給路からの現像剤が侵入する侵入領域で、前記搬送羽根が分離されている請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記第一搬送羽根のピッチと、前記第二搬送羽根のピッチとは同様で、前記第一搬送羽根の位相と、前記第二搬送羽根の位相とがずれている請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記第一搬送羽根の端部と、前記第二搬送羽根の端部とが、前記延長軸の周方向に離れていることで、前記第一搬送羽根の位相と、前記第二搬送羽根の位相とがはずれている請求項3に記載の現像装置。
  5. 前記延長軸の周方向において、前記第一搬送羽根の端部と前記第二搬送羽根の端部との間には、前記延長軸の周面から前記延長軸の径方向に板状の板状部材が突出している請求項4に記載の現像装置。
  6. 前記板状部材の板面は、前記周方向に向いている請求項5に記載の現像装置。
  7. 前記供給部材は、前記軸方向に延びている供給軸と前記供給軸に形成された螺旋状の供給羽根とを有し、
    前記撹拌部材は、前記撹拌軸と、前記撹拌軸に形成された螺旋状の撹拌羽根とを有し、
    前記供給路と前記撹拌路とを仕切ると共に現像剤を前記供給部材から前記撹拌部材に受け渡すための一対の開口の間に形成された仕切部材を備え、
    前記供給軸には、前記供給羽根に対して逆方向に巻かれた螺旋状の逆羽根が前記軸方向で前記供給羽根と並んで形成されており、
    前記軸方向において前記逆羽根に対して前記供給羽根側で、かつ、前記軸方向に対して交差する方向において前記開口と対向した領域で、前記撹拌羽根と、前記第一搬送羽根とが分離されている請求項1〜6の何れか1項に記載の現像装置。
  8. 前記撹拌羽根のピッチと、前記第一搬送羽根のピッチとは同様で、前記撹拌羽根の位相と、前記第一搬送羽根の位相とがずれている請求項7に記載の現像装置。
  9. 前記撹拌羽根の端部と、前記第一搬送羽根の端部とが、前記撹拌軸の周方向に離れていることで、前記撹拌羽根の位相と、前記第一搬送羽根の位相とがずれている請求項8に記載の現像装置。
  10. 前記撹拌軸の周方向において、前記撹拌羽根の端部と前記第一搬送羽根の端部との間には、前記撹拌軸の周面から前記撹拌軸の径方向に板状の他の板状部材が突出している請求項9に記載の現像装置。
  11. 前記他の板状部材の板面は、前記周方向に向いている請求項10に記載の現像装置。
  12. 潜像を保持する像保持体と、
    前記像保持体の潜像を現像する請求項1〜11の何れか1項に記載の現像装置と、
    を備える画像形成装置。
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