JP2020008407A - 検査用具及び検査システム - Google Patents

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正太郎 小原
Shotaro Kobaru
正太郎 小原
延彦 乾
Nobuhiko Inui
延彦 乾
一彦 今村
Kazuhiko Imamura
一彦 今村
辰典 ▲高▼松
辰典 ▲高▼松
Tatsunori Takamatsu
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Abstract

【課題】液体試薬を効率よく使用することができる、検査用具を提供する。【解決手段】流体が送液されるマイクロ流路2が設けられた検査用具1であって、内部に液体試薬が配置されている、フィルムパック10と、フィルムパック10を収納するための試薬収納部3と、試薬収納部3に連ねられている、送液流路2bと、を備え、フィルムパック10内が、内部に液体試薬が配置されるパック本体と、該液体試薬を送液流路2bに送液するための送液口を有する送液部とに区画されており、パック本体の外周縁がシールされることによりパック本体の内部が密封されており、パック本体の外周縁のうち送液部と区画される部分の少なくとも一部は、外力や内圧変化によって他のシール部より容易に剥離可能な易剥離シール部とされており、送液口が、送液流路2b側に配置されている、検査用具1。【選択図】図1

Description

本発明は、検査用具及び該検査用具を用いた検査システムに関する。
近年、微細なマイクロ流路が設けられた検査用具が、生化学分析などに用いられている。このような検査用具内には、液体試薬が予め内包されていることがある。例えば、下記の特許文献1では、液体試薬を内包したブリスターパックが内蔵されたマイクロチップが提案されている。このマイクロチップは、液体試薬が、検体や他試薬と混合される空間を有する。マイクロチップの使用に際しては、ブリスターパックを押圧することによりブリスターパックが破れ、液体試薬が放出される。上記押圧の圧力により、放出された液体試薬がマイクロ流路に送液され、検体や他試薬と混合される空間に流入する。
特許第5466745号公報
特許文献1に記載のマイクロチップでは、ブリスターパックを押圧する圧力が、液体試薬を送液する駆動力となっている。しかしながら、ブリスターパックを用いる方法では、ブリスターパック内に多量の液残りが生じることがある。また、ブリスターパックが収納される試薬収納部にも多量の液残りが生じることがあり、効率よく液体試薬を使用できないという問題がある。従って、微量の液体試薬を用いた場合には、検査に必要な液体試薬を供給できない場合がある。
本発明の目的は、液体試薬を効率よく使用することができる、検査用具及び該検査用具を用いた検査システムを提供することにある。
本発明に係る検査用具は、流体が送液されるマイクロ流路が設けられた検査用具であって、内部に液体試薬が配置されている、フィルムパックと、前記フィルムパックを収納するための試薬収納部と、前記試薬収納部に連ねられている、送液流路と、を備え、前記フィルムパック内が、内部に前記液体試薬が配置されるパック本体と、前記液体試薬を前記送液流路に送液するための送液口を有する送液部とに区画されており、前記パック本体の外周縁がシールされることにより前記パック本体の内部が密封されており、前記パック本体の前記外周縁のうち前記送液部と区画される部分の少なくとも一部は、外力や内圧変化によって他のシール部より容易に剥離可能な易剥離シール部とされており、前記送液口が、前記送液流路側に配置されている。
本発明に係る検査用具のある特定の局面では、前記送液口が、前記送液流路に連ねられるように配置されている。
本発明に係る検査用具の他の特定の局面では、前記送液部が、前記送液流路に入り込んでいる突出部を有し、前記突出部に前記送液口が設けられている。
本発明に係る検査用具のさらに他の特定の局面では、前記易剥離シール部のシール強度が、前記他のシール部より弱くされている。
本発明に係る検査用具のさらに他の特定の局面では、前記易剥離シール部のシール幅が、前記他のシール部より狭くされている。
本発明に係る検査用具のさらに他の特定の局面では、凹部を有する基板と、前記基板上に設けられており、前記基板の前記凹部を閉成するように設けられている、カバー部材と、を備え、前記基板の前記凹部が前記カバー部材によって閉成されることにより、前記試薬収納部が構成されている。
本発明に係る検査用具のさらに他の特定の局面では、前記カバー部材が、弾性部材により構成されている。
本発明に係る検査システムは、本発明に従って構成される検査用具と、前記カバー部材を押圧することにより、前記カバー部材を変形させ、前記カバー部材を介して前記フィルムパックを押圧することによって、前記パック本体を開封し、前記液体試薬を前記送液流路に送液する押圧機構と、を備える。
本発明によれば、液体試薬を効率よく使用することができる、検査用具及び該検査用具を用いた検査システムを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る検査用具を示す模式的平面図である。 図1のA−A線に沿う部分の模式的断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る検査用具を構成するフィルムパックを拡大して示す模式的平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る検査用具を示す模式的平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る検査用具を示す模式的斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る検査用具を構成するフィルムパックを拡大して示す模式的平面図である。 比較例1の検査用具を構成するフィルムパックを示す模式的平面図である。 比較例2の検査用具を構成するブリスターパックを示す模式的断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
[検査用具]
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る検査用具を示す模式的平面図である。図2は、図1のA−A線に沿う部分の模式的断面図である。また、図3は、本発明の第1の実施形態に係る検査用具を構成するフィルムパックを拡大して示す模式的平面図である。なお、図1においては、検査用具1の内部を破線で示している。
図1に示すように、検査用具1は、内部に流体が送液されるマイクロ流路2が設けられたマイクロチップである。マイクロ流路2の途中には、試薬収納部3が設けられている。この試薬収納部3内にフィルムパック10が配置されている。
図2に示すように、検査用具1は、板状の基板4と、カバー部材5とを有する。基板4は、対向し合う第1の主面4a及び第2の主面4bを有する。基板4の第1の主面4a側には、凹部4cが設けられている。凹部4cは、第1の主面4a側に開口するように設けられている。検査用具1では、板状の基板4とカバー部材5との接合体が横置きされている。
基板4を構成する材料は、特に限定されず、例えば、合成樹脂、ゴム、金属などを用いることができる。なかでも、基板4は、合成樹脂の成形体からなることが好ましい。より好ましくは、合成樹脂の射出成形体からなることが望ましい。もっとも、基板4は、複数枚の合成樹脂のシートを積層することにより形成されていてもよい。また、基板4は、ベースシートと、ベースシート上に設けられた貫通孔を有する基材本体とにより構成されていてもよい。
合成樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。なかでも、合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、シクロオレフィンポリマー、環状オレフィンコポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、又はアモルファスポリオレフィンであることがより好ましい。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
基板4の第1の主面4a上には、カバー部材5が設けられている。カバー部材5は、基板4の凹部4cを閉成するように設けられている。カバー部材5が、基板4の凹部4cを閉成することにより、試薬収納部3が構成されている。
カバー部材5は、例えば、弾性部材により構成されていることが好ましい。弾性部材としては、特に限定されないが、エラストマーであることが好ましい。なお、カバー部材5は、樹脂フィルムであってもよい。また、本発明において、基板4とカバー部材5とは、一体的に構成されていてもよい。
基板4内に、マイクロ流路2が設けられている。マイクロ流路2とは、流体の搬送に際し、マイクロ効果が生じるような微細な流路をいう。このようなマイクロ流路2では、液体は、表面張力の影響を強く受け、通常の大寸法の流路を流れる液体とは異なる挙動を示す。
マイクロ流路2の横断面形状及び大きさは、上記のマイクロ効果が生じる流路であれば特に限定はされない。例えば、マイクロ流路2に流体を流す際、ポンプや重力を用いる場合には、流路抵抗を低下させる観点から、マイクロ流路2の横断面形状がおおむね長方形(正方形を含む)の場合には、小さい方の辺の寸法で、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。検査用具1を用いたマイクロ流体デバイスのより一層小型化の観点より、小さい方の辺の寸法で、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
また、マイクロ流路2の横断面形状がおおむね円形の場合には、直径(楕円の場合には、短径)が、20μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。上記マイクロ流体デバイスのより一層小型化の観点より、直径(楕円の場合には、短径)は、5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
一方、例えば、マイクロ流路2に流体を流す際、毛細管現象を有効に活用する場合には、マイクロ流路2の横断面形状がおおむね長方形(正方形を含む)の場合には、小さい方の辺の寸法で、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、小さい方の辺の寸法で、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。
マイクロ流路2の途中に、上述の試薬収納部3が設けられている。マイクロ流路2は、上流側流路2aと、下流側流路2bとを有する。上流側流路2a及び下流側流路2bは、基板4の表面に設けられた凹部が、カバー部材5で閉成されることにより形成されている。
上流側流路2aは、試薬収納部3より、上流側に設けられている上流側マイクロ流路である。上流側流路2aの一端は、試薬収納部3に接続されている。一方、上流側流路2aの他端が設けられている入口側から、流体やガスを流入させることができる。なお、複数の流体やガスを試薬収納部3に流入させる場合は、全て同じ入口から流入してもよく、流入する流体やガスごとに個別の入口や上流側流路2aが設けられていてもよい。
下流側流路2bは、試薬収納部3より、下流側に設けられている下流側マイクロ流路である。下流側流路2bの一端は、試薬収納部3に接続されている。下流側流路2bは、下流側に設けられている他端から、流体やガスを他の部位に送り出すことができる送液流路である。なお、上流側流路2aと、下流側流路2b以外に必要に応じてその他の流路が接続されていてもよい。また、マイクロ流路2の形状としては、特に限定されず、目的の検査、反応に合わせて流路、混合・反応部等を配置することができる。
試薬収納部3は、底面を有する。本実施形態では、基板4の凹部4cにおける底面4dが、試薬収納部3の底面となっている。この底面4d上に、容器としてのフィルムパック10が設けられている。
フィルムパック10は、袋状のフィルムパックである。ここでは、フィルムパック10は、可撓性の合成樹脂フィルム10a1及び合成樹脂フィルム10a2が重ね合わされており、さらに一部の開口部を除く外周縁が貼り合わされることにより構成されている。もっとも、1枚の可撓性の合成樹脂フィルムが折り曲げられ、または湾曲され、さらに一部の開口部を除く外周縁が貼り合わされることにより構成されていてもよい。外周縁は、例えば、ヒートシールや超音波シールにより貼り合わせることができる。貼り合わせ方法としては、特に限定されず、上記以外にも必要に応じて接着剤を使用する方法等、各種接着方法を用いることができる。
なお、可撓性のフィルムとしては、合成樹脂フィルムに限らず、可撓性を有する金属箔などを用いてもよい。また、フィルムパック10を構成するフィルムは、積層フィルムであってもよい。この場合、合成樹脂フィルム同士の積層体や、合成樹脂フィルム又は合成樹脂フィルムの積層体に金属の蒸着膜が形成されたものなどを用いることができる。また、フィルムパック10を構成するフィルムは、少なくとも1層のガスバリア層を有していてもよい。この場合、ガスバリア層の酸素及び水蒸気の透過率が、5×10−1cc/m・day以下であることが望ましい。なお、酸素透過率は、JIS K7126に準拠して測定することができる。また、水蒸気透過率は、JIS K7129に準拠して測定することができる。
図3に示すように、フィルムパック10内は、パック本体12と、送液部13とに区画されている。パック本体12の内部には、液体試薬11が収納され、密封されている。なお、パック本体12内は、複数のパック部に区画され、各パック部に異なる液体試薬が充填されていてもよい。送液部13は、液体試薬11を外部に送液するための送液口16を有する。
パック本体12の平面形状は、試薬収納部3の平面形状と同様に略平行四辺形である。このパック本体12の外周縁12aがシールされ、易剥離シール部14及び他のシール部15が設けられている。それによって、パック本体12内に配置された液体試薬11が、密封されている。この外周縁12aのシール方法が、上述したヒートシールや超音波シールである。
易剥離シール部14は、パック本体12の外周縁12aのうち送液部13と区画される部分に設けられている。易剥離シール部14は、外力や内圧変化によって、他のシール部15より容易に剥離可能なシール部である。本実施形態においては、パック本体12の外周縁12aを構成する一辺が、易剥離シール部14とされている。また、本実施形態では、易剥離シール部14のシール強度が他のシール部15より弱くされており、それによって、易剥離シール部14が他のシール部15より容易に剥離可能とされている。易剥離シール部14のシール強度は、例えばヒートシールの場合は、ヒートシールの温度を低くすることにより他のシール部15より弱くすることができる。なお、本発明において、易剥離シール部14を他のシール部15より容易に剥離可能とする手段は、特に限定されず、後述する第4の実施形態のように他の手法を用いてもよい。
送液部13は、フィルムパック10全体の平面形状が、略平行四辺形となるように形成されている。もっとも、本実施形態においては、送液部13の一部が下流側流路2b側に突出している突出部13aが設けられており、突出部13aが下流側流路2bに入り込んでいる。突出部13aには、液体試薬11をフィルムパック10の外部に排出するための送液口16が設けられている。送液口16は、送液部13の外周縁13bの一部に設けられている。なお、本実施形態では、送液口16が開口しているが、送液口16にも易剥離シールがなされていてもよい。その場合、フィルムパック10保存時における異物混入をより一層確実に防止することができる。
突出部13aが下流側流路2bに入り込んでいる部分の長さは、特に限定されないが、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上、好ましくは10mm以下である。この場合、フィルムパック10から放出された液体試薬11の試薬収納部3への液残りをより一層抑制することができる。
下流側流路2bの幅は、特に限定されないが、送液口16の幅と比較して、0.1mm以上、3mm以下大きいことが好ましい。上記下限値より小さい場合、フィルムパック10を配置することが難しい場合がある。また、上記上限値より大きい場合、フィルムパック10から放出された液体試薬11の試薬収納部3や下流側流路2bへの液残りが多くなる場合がある。
下流側流路2bの深さは、特に限定されないが、2mm以下であることが好ましい。下流側流路2bの深さが上記上限値より大きい場合、フィルムパック10から放出された液体試薬11の試薬収納部3や下流側流路2bへの液残りが多くなる場合がある。
フィルムパック10では、カバー部材5側から図示しない押圧部材などを用いて押圧することにより、易剥離シール部14を開封させることができる。それによって、液体試薬11を下流側流路2b側に速やかに供給することができる。押圧部材の平面形状は、試薬収納部3の平面形状と同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。押圧部材及び試薬収納部3の平面形状は、特に限定されず、例えば、矩形状、円状、楕円状が挙げられる。押圧部材としては、例えば、押圧ピンなどが挙げられる。また、押圧部材は、人間の指であってもよく、ガスなどにより加圧する手段であってもよい。
このように、フィルムパック10では、パック本体12の外周縁12aのシール部の一部が、易剥離シール部14とされている。そのため、カバー部材5側から押圧部材などを用いて押圧することにより、容易に易剥離シール部14を開封させることができる。フィルムパック10では、易剥離シール部14において選択的に開封することができるので、開封位置や送液方向を制御することができる。また、フィルムパック10を用いているので、ブリスターパックなどを用いた場合と比較して、パック内の液残りを少なくすることができる。また、下流側流路2bに入り込んでいる突出部13aに送液口16が設けられているので、液体試薬11を下流側流路2b側に確実に送液することができる。そのため、試薬収納部3にも液残りが生じ難い。
このように、検査用具1では、フィルムパック10内や試薬収納部3内に液体試薬11の液残りが生じ難い。従って、液体試薬11を効率よく使用することができる。液体試薬11を効率よく使用することができるので、微量の液体試薬11を用いた場合にも、検査に必要な液体試薬を検査部に確実に供給することができる。
また、本実施形態では、パック本体12の平面形状が平行四辺形であり、平行四辺形を構成する内角Aが、鈍角である。そして、鈍角である内角Aを構成する一辺に易剥離シール部14が設けられている。この場合、フィルムパック10を押圧することにより易剥離シール部14のうち鈍角である内角A周辺を選択的に開封させることができる。そのため、開封位置や送液方向をより一層効果的に制御することができる。このように、本発明においては、略平行四辺形などの略多角形を構成する内角のうち少なくとも1つが鈍角であり、鈍角を形成する1辺のうち少なくとも鈍角を形成している部分が、易剥離シール部14であることが好ましい。この場合、上述したように、フィルムパック10の開封位置や送液方向をより一層効果的に制御することができる。このように、本発明においては、平行四辺形などの多角形を構成する内角のうち少なくとも1つが、90度より大きく、180度より小さい角であることが好ましい。なお、鈍角を構成する角部は、丸みを帯びていてもよい。また、本発明においては、略平行四辺形などの略多角形を構成する内角が全て鋭角であってもよい。
なお、検査用具1は、さらに送液手段を備えていてもよい。送液手段としては、特に限定されず、例えば、マイクロポンプが挙げられる。具体的には、マイクロポンプを用いて、上流側流路2aに液体や空気、又は所定のガスを送り込むことにより、試薬収納部3においてフィルムパック10から放出された液体試薬11を下流側流路2b側へ送液する手段である。この場合、マイクロポンプは、検査用具1の内部に設けられていてもよいし、検査用具1の外部に設けられていてもよい。
また、他の送液手段としては、上流側流路2aより上流側に連結された空間に配置されたガス発生部材が挙げられる。ガス発生部材とは、光や熱等の外力によりガスを発生する部材である。ガス発生部材に所定のタイミングで外力を加えることによりガスを発生させ、上流側流路2aにガスを送り込むことができる。それによって、試薬収納部3においてフィルムパック10から放出された液体試薬11を下流側流路2b側へ送液することができる。ガス発生部材としては、例えば、ガス発生テープが挙げられる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る検査用具を示す模式的断面図である。図4に示すように、検査用具21では、上流側流路2aが設けられていない。また、フィルムパック10を構成する送液部13に突出部13aが設けられていない。もっとも、検査用具21においても、送液部13の外周縁13bの一部に送液口16が設けられている。送液口16は、下流側流路2bに連ねられるように配置されている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態のように、上流側流路2aが設けられていなくてもよい。また、送液部13に突出部13aが設けられていなくてもよい。送液口16が、下流側流路2b側に配置されていればよい。その場合においても、液体試薬11を下流側流路2b側に確実に送液することができる。そのため、試薬収納部3にも液残りが生じ難く、液体試薬11を効率よく使用することができる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る検査用具を示す模式的斜視図である。なお、図5では、基板4内の構造を破線で示している。図5に示すように、検査用具31は、第1の実施形態と同じ、板状の基板4とカバー部材5との接合体により構成されている。もっとも、検査用具31では、板状の基板4とカバー部材5との接合体が縦置きされている。
検査用具31では、試薬収納部3の深さ方向が重力方向と同じ方向である。そして、上流側流路2aが、試薬収納部3の重力方向上側に接続されている。また、下流側流路2bが、試薬収納部3の重力方向下側に接続されている。フィルムパック10は、カバー部材5側から見たときに略平行四辺形の形状となるように、試薬収納部3に収納されている。また、突出部13aの送液口16が、重力方向の下側に配置されるように設けられている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
第3の実施形態においても、下流側流路2bに入り込んでいる突出部13aに送液口16が設けられている。従って、液体試薬11を下流側流路2b側に確実に送液することができる。そのため、試薬収納部3にも液残りが生じ難く、液体試薬11を効率よく使用することができる。
また、第3の実施形態では、突出部13aの送液口16が、重力方向の下側に設けられているので、試薬収納部3に液残りがより一層生じ難く、液体試薬11をより一層効率よく使用することができる。
第3の実施形態のように、板状の基板4とカバー部材5との接合体が縦置きされていてもよい。この場合、図5に示すように、試薬収納部3の重力方向下側の面に接するようにフィルムパック10が配置されていることが好ましい。これにより試薬収納部3への逆流がより一層起こり難く、試薬収納部3への液残りをより一層少なくすることができる。
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態に係る検査用具を構成するフィルムパックを拡大して示す模式的平面図である。図6に示すように、フィルムパック40の平面形状は、長方形である。フィルムパック40では、パック本体12の外周縁12aのうち送液部13と区画される部分においてシール幅が一方の端部から他方の端部に向かって狭くなっている。それによって、シール幅の狭い易剥離シール部14が構成されている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
第4の実施形態のように、フィルムパック40の平面形状は、略長方形であってもよく、フィルムパックの平面形状は特に限定されない。なお、フィルムパックの平面形状は、略平行四辺形、略三角形、略台形などの略多角形であってもよい。この場合、略多角形を構成する内角のうち少なくとも1つが、鈍角であってもよい。
また、第4の実施形態で示すように、シール幅が他のシール部15より狭くされることで、易剥離シール部14が構成されていてもよい。パック本体12の外周縁12aのうち送液部13と区画される部分の少なくとも一部に易剥離シール部14が設けられていればよい。
第4の実施形態においても、下流側流路2bに入り込んでいる突出部13aに送液口16が設けられている。従って、液体試薬11を下流側流路2b側に確実に送液することができる。そのため、試薬収納部3にも液残りが生じ難く、液体試薬11を効率よく使用することができる。
[検査システム]
本発明の検査システムは、上述の検査用具と、押圧機構とを備える。以下、検査用具として、第1の実施形態の検査用具1を用いた場合について説明する。
上記押圧機構は、カバー部材5を変形させ、カバー部材5を介してフィルムパック10を押圧することによって、パック本体12を開封し、液体試薬11を下流側流路2bに送液する機構である。押圧機構では、上述の押圧部材等を用いることができる。
上記検査システムでは、押圧機構によってカバー部材5側から押圧することにより、容易に易剥離シール部14を開封させることができる。フィルムパック10では、易剥離シール部14において選択的に開封することができるので、開封位置や送液方向を制御することができる。また、フィルムパック10を用いているので、ブリスターパックなどを用いた場合と比較して、パック内の液残りを少なくすることができる。また、下流側流路2bに入り込んでいる突出部13aに送液口16が設けられている。従って、液体試薬11を下流側流路2b側に確実に送液することができる。そのため、試薬収納部3にも液残りが生じ難い。
このように、本発明の検査システムでは、試薬収納部に液残りが生じ難く、液体試薬を効率よく使用することができる。そのため、微量の液体試薬を用いた場合にも、検査に必要な液体試薬を検査部に供給し、確実に検査をすることができる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、第1の実施形態の検査用具1を作製した。
具体的には、基板4を構成する材料として、シクロオレフィンポリマー(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノア1420R」)を用い、これを射出成形することにより、凹部4cを有する基板4を作製した。
次に、PET/PE/Al/PEの層構成からなる厚み74μmのアルミラミネートフィルムを折り曲げ、パック本体12となる外周縁12aを貼り合わせることによりフィルムパック10を作製した。フィルムパック10は、その平面形状が鈍角である内角Aを有する平行四辺形(底辺12mm,高さ20mm)となるように形成し、内部には水100μLを充填した。パック本体12の外周縁12aのうち送液部13と区画形成される部分は、110℃で3秒加熱し、易剥離シール部14(弱シール部)を作製した。また、外周縁12a及び送液部13の送液口16以外の外周縁13bの他の開封部は、130℃で2秒加熱し、他のシール部15(強シール部)を作製した。
次に基板4の凹部4cに、作製したフィルムパック10を配置し、カバー部材5として厚さ0.2mmのエチレンプロプレンジエンゴムを用い、基板4の凹部4cを閉成することにより検査用具1を作製した。
作製した検査用具1を、カバー部材5側から、底辺13mm、高さ21mmの平行四辺形型ステンレス製押圧ピンにより押圧して、フィルムパック10の易剥離シール部14を開封させて水を放出させた際の、フィルムパック及び試薬収納部内の液残り量を測定した。結果を下記の表1に示す。
(比較例1)
PET/PE/Al/PEの層構成からなる厚み74μmのアルミラミネートフィルムを折り曲げその外周縁を貼り合わせることにより、長方形(底辺12mm、短辺20mm)のフィルムパックを作成し内部に100μLの水を充填した。長方形の底辺一辺を110℃で3秒加熱し、易剥離シール部を作製した。また、外周縁部分の他の開封部を130℃で2秒加熱し、他のシール部を作製した。それによって、図7に示すフィルムパック100を作製した。その他の点は、実施例1と同様にして、検査用具を作製し、フィルムパック100内及び試薬収納部分の液残り量を測定した。
(比較例2)
0.3mm厚のPPシートを用いて、図8に示すブリスターパック110を作製した。なお、ブリスターパック110は、ポケット部111と、ポケット部111の開口を閉成する蓋部112からなる。
具体的には、まず、ポケット部111が図8に示すような形状となるように、直径12mm、深さ3mmの形状に合わせた成型面を有する凸部を有する上型と、凹部を有する下型に挟みこみ加熱プレスすることにより、ブリスターパック110のポケット部111を作製した。
このポケット部111に水100μLを充填し、蓋部112であるカバーフィルムとしてのPPシーラント塗布されたアルミ箔をかぶせてポケット部111の周囲を熱シールすることで、水100μLが充填されたブリスターパック110を作製した。
ブリスターパック110のカバーフィルム部(蓋部112)を突起物で突き破って開封することを想定し、カバーフィルム部の直径10mmの円の中心部に針で穴をあけ、20mm角の鉄板で100Nの力で5秒間、25℃でプレスした際の、ブリスターパック及び試薬収納部内の液残り量を求めた。結果を下記の表1に示す。
Figure 2020008407
実施例1における液残り量は、いずれも5%(5μL)以下であり、本発明の検査用具を適用することで、比較例1,2に比べて、パック及び試薬収納部内における液残り量が少ないことが確認できた。
なお、上記のように、ブリスターパックは、ポケット部と蓋部からなり、蓋部を突起物等で突き破って開封させる。具体的には、蓋部を下にして、中心部に針で穴をあけた状態から荷重をかけて水を放出させる。従って、フィルムパックのように完全に押し潰すことができないので、ブリスターパックでは多くの液体がパック内に残存したものと考えられる。
1,21,31…検査用具
2…マイクロ流路
2a…上流側流路
2b…下流側流路
3…試薬収納部
4…基板
4a,4b…第1,第2の主面
4c…凹部
4d…底面
5…カバー部材
10,40…フィルムパック
10a1,10a2…合成樹脂フィルム
11…液体試薬
12…パック本体
12a,13b…外周縁
13…送液部
13a…突出部
14…易剥離シール部
15…他のシール部
16…送液口

Claims (8)

  1. 流体が送液されるマイクロ流路が設けられた検査用具であって、
    内部に液体試薬が配置されている、フィルムパックと、
    前記フィルムパックを収納するための試薬収納部と、
    前記試薬収納部に連ねられている、送液流路と、
    を備え、
    前記フィルムパック内が、内部に前記液体試薬が配置されるパック本体と、前記液体試薬を前記送液流路に送液するための送液口を有する送液部とに区画されており、
    前記パック本体の外周縁がシールされることにより前記パック本体の内部が密封されており、
    前記パック本体の前記外周縁のうち前記送液部と区画される部分の少なくとも一部は、外力や内圧変化によって他のシール部より容易に剥離可能な易剥離シール部とされており、
    前記送液口が、前記送液流路側に配置されている、検査用具。
  2. 前記送液口が、前記送液流路に連ねられるように配置されている、請求項1に記載の検査用具。
  3. 前記送液部が、前記送液流路に入り込んでいる突出部を有し、前記突出部に前記送液口が設けられている、請求項1又は2に記載の検査用具。
  4. 前記易剥離シール部のシール強度が、前記他のシール部より弱くされている、請求項1〜3のいずれかに記載の検査用具。
  5. 前記易剥離シール部のシール幅が、前記他のシール部より狭くされている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査用具。
  6. 凹部を有する基板と、
    前記基板上に設けられており、前記基板の前記凹部を閉成するように設けられている、カバー部材と、
    を備え、
    前記基板の前記凹部が前記カバー部材によって閉成されることにより、前記試薬収納部が構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の検査用具。
  7. 前記カバー部材が、弾性部材により構成されている、請求項6に記載の検査用具。
  8. 請求項6又は7に記載の検査用具と、
    前記カバー部材を押圧することにより、前記カバー部材を変形させ、前記カバー部材を介して前記フィルムパックを押圧することによって、前記パック本体を開封し、前記液体試薬を前記送液流路に送液する押圧機構と、
    を備える、検査システム。
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