JP2020008322A - 活性金属処理装置および活性金属処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水を用いることなく活性金属を安全に安定化することができる活性金属処理技術を提供する。【解決手段】活性金属処理装置1は、溶融塩を保持する反応槽2と、酸化剤を保持し反応槽2内の溶融塩に酸化剤を供給する酸化剤供給部3と、活性金属を保持し反応槽2内の溶融塩に活性金属を供給する活性金属供給部4と、反応槽2内の溶融塩を撹拌する撹拌部5とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、活性金属処理装置および活性金属処理方法に関する。
原子力施設の廃止措置時には、多種多様な廃棄物が発生する。我が国では、高速増殖炉もんじゅが廃炉とされる方針が決定し、廃棄物処理が課題となっている。高速炉では、金属ナトリウムが冷却材として大量に使用されている。例えば、もんじゅでは1520t、仏国のスーパーフェニックスでは4700tの金属ナトリウムが使用されている。この金属ナトリウムはアルカリ金属で非常に反応性が高く、我が国では消防法にて第3類危険物(自然発火性物質および禁水性物質)に指定されている。廃止措置時には、大量の金属ナトリウムを安全に安定な状態へ処理する必要がある。このような処理技術として、金属ナトリウムを酸化ナトリウムとしてガラス固化する方法が知られている。また、溶融した金属ナトリウムを、水を含む炭酸ガスと反応させて炭酸ナトリウムに転換する方法が知られている。
特開2004−37458号公報 特開2000−15215号公報
本発明が解決しようとする課題は、水を用いることなく活性金属を安全に安定化することができる活性金属処理技術を提供することである。
本発明の実施形態に係る活性金属処理装置は、溶融塩を保持する反応槽と、酸化剤を保持し前記反応槽内の前記溶融塩に前記酸化剤を供給する酸化剤供給部と、活性金属を保持し前記反応槽内の前記溶融塩に前記活性金属を供給する活性金属供給部と、前記反応槽内の前記溶融塩を撹拌する撹拌部と、を備える。
本発明の実施形態により、水を用いることなく活性金属を安全に安定化することができる活性金属処理技術が提供される。
活性金属処理装置を示す構成図。 反応槽を示す平面図。 活性金属処理方法を示す処理フロー図。 活性金属処理方法を示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら、活性金属処理装置および活性金属処理方法の実施形態について詳細に説明する。図1の符号1は、本実施形態の活性金属処理装置である。この活性金属処理装置1は、金属ナトリウムなどの活性金属を安定化させるための装置である。
活性金属は、水と接触させ反応させることでより安定な物質にすることができるが、水との反応は爆発的で、制御が難しい。そこで、本実施形態の活性金属処理装置1は、溶融塩中で活性金属を酸化させ、より安定な酸化物を形成させる。
本実施形態において、活性金属は金属ナトリウムであるものとする。また、溶融塩とは、高温で溶融した塩からなる液体である。溶融塩は、金属塩を溶解させることができ、高温であるため溶質の反応速度が速い。さらに、溶融塩は、耐放射線性が高く、不純物を除去することで再利用が可能であるという利点がある。高速炉の廃止措置時には、大量の金属ナトリウムを処理する必要があるが、本実施形態の活性金属処理装置1では、金属ナトリウムを安定的かつ連続的に処理することが可能である。
溶融塩として、例えば以下の塩の組合せが用いられる。塩化ナトリウム−塩化リチウム、塩化ナトリウム−塩化カリウム、塩化ナトリウム−塩化カルシウム、または塩化ナトリウム−塩化バリウム。
酸化剤は、活性金属を酸化させる酸素を含む酸化物であり、溶融塩に活性金属とともに投入され、活性金属を酸化させる。本実施形態では、酸化剤として酸化亜鉛(ZnO)を例示する。なお、その他の酸化剤を適用しても良い。例えば、酸化剤として、二酸化ケイ素、酸化鉄、酸化スズ、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化鉛、または酸化銅を適用しても良い。なお、酸化剤には、その還元物の融点が活性金属処理装置1の運転温度以下となるものを選択する。
本実施形態では、活性金属として、アルカリ金属のナトリウム(Na)を例示するが、その他のアルカリ金属またはアルカリ土類金属としての活性金属を適用いても良い。例えば、活性金属として、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、またはバリウムを適用しても良い。
図1に示すように、活性金属処理装置1は、反応槽2と酸化剤供給部3と活性金属供給部4と撹拌部5とを備える。反応槽2は、溶融塩を保持する。酸化剤供給部3は、酸化剤を保持し、反応槽2内の溶融塩に酸化剤を供給する。活性金属供給部4は、活性金属を保持し、反応槽2内の溶融塩に活性金属を供給する。撹拌部5は、反応槽2内の溶融塩を撹拌する。
また、活性金属処理装置1は、供給制御部6と溶融塩純化部7と亜鉛酸化部8と熱交換器9とを備える。供給制御部6は、酸化剤供給部3からの酸化剤の供給量と活性金属供給部4からの活性金属の供給量との比率を制御する。
溶融塩純化部7は、溶融塩中から酸化された活性金属を除去する機器、すなわち溶融塩中から酸化ナトリウムを除去する機器である。酸化亜鉛によって金属ナトリウムが酸化されることで生じた酸化ナトリウムは、溶融塩中に溶解している。溶融塩純化部7は、例えば、反応槽2から取り出された溶融塩中の酸化ナトリウムを析出させ、ろ過し、酸化ナトリウムを除去する濾過装置を備える。
亜鉛酸化部8は、活性金属と反応して還元された酸化剤を再び酸化させて酸化物とする機器である。酸化亜鉛は溶融塩に溶解し、金属ナトリウムと反応して亜鉛となり、亜鉛は溶融塩に溶解した状態で存在する。亜鉛酸化部8では、溶融塩から分離された亜鉛を酸化し、酸化亜鉛を生成し、再び酸化剤とする。
熱交換器9は、溶融塩純化部7に送られる溶融塩から熱を回収し、回収された熱を反応槽2内の溶融塩に送る。
さらに、活性金属処理装置1は、ナトリウムトラップ10,11と亜鉛トラップ12と廃棄部13とを備える。ナトリウムトラップ10,11は、反応槽2から取り出された溶融塩または溶融亜鉛から金属ナトリウムを回収する機器である。例えば、反応槽2と溶融塩純化部7との間に設けられる。
亜鉛トラップ12は、反応槽2から取り出された溶融塩から亜鉛を回収する機器である。例えば、反応槽2と溶融塩純化部7との間に設けられ、溶融塩と亜鉛の比重差を利用して、溶融塩中に沈殿した亜鉛を回収する。亜鉛トラップ12によって溶融塩から回収された亜鉛は、亜鉛酸化部8によって酸化されることとなる。
廃棄部13は、溶融塩純化部7の下流側に設けられ、溶融塩純化部7で溶融塩から取り除かれた酸化ナトリウムを廃棄するために保管する容器である。
反応槽2は、例えば、上面側が開口された箱型を成す。この反応槽2内の溶融塩が溜められる。なお、反応槽2が置かれる部屋の空間全体が不活性ガスで満たされる。反応槽2の外周面には、槽ヒータ14が取り付けられる。活性金属処理装置1の起動時には、槽ヒータ14を駆動して反応槽2内の溶融塩が所定の運転温度になるまで加熱を行う。
反応槽2内は、複数のバッファ板15により反応区画R1と相分離区画R2と取合区画R3とに仕切られている。酸化剤供給部3および活性金属供給部4は、反応区画R1に対して酸化剤および金属ナトリウムを供給する。撹拌部5は、反応区画R1の溶融塩の撹拌を行う。
図2に示すように、本実施形態では、2枚のバッファ板15が互い違いに設けられる。これらのバッファ板15は、反応槽2内で互いに異なる内面に接続される。そのため、溶融塩が蛇行して流れる経路が確保される。そして、図1に示すように、溶融塩は、反応区画R1から相分離区画R2を介して取合区画R3まで流れるようになっている。
活性金属供給部4は、供給用ヒータ16と活性金属供給管17とを備える。供給用ヒータ16は、固体または粉体の金属ナトリウムを加熱して液体にする。また、活性金属供給管17は、反応槽2の上方位置から溶融塩内まで延びる。この活性金属供給管17は、反応槽2内の溶融塩の液面18よりも低い位置に開口され、溶融塩に金属ナトリウムを供給する開口部19を備える。
加熱されて液体になった金属ナトリウムは、活性金属供給管17を介して反応槽2内に投入される。このようにすれば、仮に、反応槽2の上方側の空間に水分を含む空気などの気体が存在している場合であっても、この気体と触れさせずに金属ナトリウムを反応槽2内の溶融塩に供給することができる。
酸化剤供給部3は、酸化剤供給管20を備える。酸化剤供給管20は、反応槽2の上方位置から下方に向かって延びる。この酸化剤供給管20は、反応槽2内の溶融塩の液面18よりも高い位置に開口され、溶融塩に酸化亜鉛を供給する開口部21を備える。なお、酸化剤供給管20の開口部21は、活性金属供給管17の開口部19よりも高い位置に設けられる。本実施形態では、酸化剤供給管20の開口部21と活性金属供給管17の開口部19とが、所定の距離Dを空けて高さが異なる位置に設けられる。酸化亜鉛は、粉末の状態で反応槽2に供給される。
反応槽2に保持された溶融塩中に金属ナトリウムと酸化亜鉛を添加し、酸化還元反応を生じさせると、金属ナトリウムが非金属形態の化合物へと転換される。活性金属が金属ナトリウム(Na)、酸化剤がZn0(酸化亜鉛)、溶融塩がNaCl−KClの場合は、以下の反応式(1)で酸化還元反応が進行する。
2Na + ZnO = NaO + Zn (1)
このように、金属ナトリウム(Na)は液体状の酸化ナトリウム(NaO)に酸化され、安定的な非金属形態となる。また、酸化亜鉛(ZnO)は亜鉛(Zn)に還元される。
本実施形態では、活性金属を活性金属供給部4で溶融させてから、反応槽2に投入しているが、活性金属は固体のまま反応槽2に供給しても良い。酸化された活性金属は、溶融塩中に溶解するため、活性金属の固体表面は、常に未反応の活性金属が露出し、酸化剤と反応することになる。すなわち、固体のまま反応槽2に供給された活性金属であっても、内部までむら無く酸化される。
一般に酸化ナトリウムを液体に維持するためには、その温度を1132℃以上に維持する必要がある。しかし、本実施形態の溶融塩、NaCl−KCl(50:50mol%、融点645℃)を用いることで、酸化ナトリウムの融点よりも低い温度で酸化ナトリウムを溶質として液体の状態とすることができる。また、溶融塩中にある金属ナトリウムは酸素に触れることが無く、一般的な気相中での酸化還元反応で想定される発火を防ぐことができる。
ここで、金属ナトリウム、溶融塩、酸化ナトリウム、酸化亜鉛、金属亜鉛の比重は、金属ナトリウム<溶融塩<酸化ナトリウム<酸化亜鉛<金属亜鉛という関係である。そのため、比重の違いにより、反応層2内で各物質は鉛直方向の分布に偏りが生じやすい。金属ナトリウムと酸化亜鉛の反応が、酸化ナトリウムの分布によって進みにくくなる可能性がある。
図1に示すように、本実施形態では、複数の撹拌部5が設けられる。それぞれの撹拌部5は、モータ22で回転駆動されるインペラ23を備える。これらのインペラ23が反応槽2内の溶融塩を撹拌する。また、インペラ23の回転により反応槽2の底面に向かう溶融塩の流れが生じる。そのため、金属ナトリウムは酸化亜鉛と接触しやすくなり、反応が促進される。
また、酸化亜鉛は、溶融塩の液面18よりも高い位置から投入される。そのため、溶融塩に供給された酸化亜鉛は沈降する間に、上昇する金属ナトリウムと混ざるようになる。本実施形態では、酸化剤供給管20の開口部21と活性金属供給管17の開口部19とが、所定の距離Dを空けて設けられるので、より効率的に金属ナトリウムと酸化亜鉛とが混ざる領域を確保できる。
また、反応槽2内の流体を撹拌することで、底部に溜まった溶融亜鉛を巻き上げるようにしても良い。このようにすれば、還元されて溶融塩中に拡散している金属亜鉛の微粒子をトラップして凝集し、すみやかに回収することができる。
活性金属供給管17の開口部19と酸化剤供給管20の開口部21との配置により、金属ナトリウムを溶融塩中にできるだけ保持し、不活性な場に閉じ込めつつ、酸化反応を完了させることができる。そのため、安全性を高めることができる。
本実施形態では、供給制御部6が設けられることで、活性金属を適切に処理できるように供給量の制御を行うことができる。この供給制御部6は、酸化剤が活性金属よりも過剰となる比率に制御する。このようにすれば、反応槽内で常に活性金属が反応して安定化させることができ、未反応の活性金属を低減することができる。
活性金属供給部4と酸化剤供給部3のそれぞれは、供給量計量機構、供給量制御機構を備える。そして、活性金属供給部4および酸化剤供給部3は、供給制御部6による制御により、反応槽2内が常に酸化亜鉛が過剰な状態となるように供給量が制御される。安全性の観点から、反応系内において金属ナトリウムが余剰とならないように制御される。
活性金属処理装置1の起動時には、反応槽2内が溶融塩で満たされる。処理を開始して所定時間経過すると、還元物としての亜鉛が溶融された状態で反応槽2の底部に溜まる。つまり、溶融塩に混じった溶融亜鉛が比重さにより沈降し、反応槽2内が溶融塩相24と亜鉛相25とに分かれる。ここで、溶融塩は溶融亜鉛よりも密度が小さいので、その比重さにより、上方の溶融塩相24と下方の亜鉛相25との間に境界面26が生じる。
溶融塩および溶融亜鉛は、反応区画R1から相分離区画R2に流れる間に上下に分離される。さらに、溶融塩および溶融亜鉛は、分離した状態で取合区画R3まで流れるようになっている。なお、相分離区画R2と取合区画R3とに、境界面26を隔てるフロート板27を設けるようにしても良い。これらのフロート板27は、溶融亜鉛よりも軽く、溶融塩よりも重い材質で形成される。さらに、フロート板27とバッファ板15との間に隙間を設けるようにし、溶融塩と溶融亜鉛との分離を行い易くしても良い。これらのフロート板27が設けられることで、異相間のコンタミネーションが防がれる。
反応槽2の取合区画R3では、境界面26よりも、上方位置から溶融塩が取り出され、下方位置から溶融亜鉛が取り出される。特に、溶融塩は、溶融塩相24における低い位置から抜き出すと良い。このようにすれば、未反応の金属ナトリウムの混入が防止される。また、溶融亜鉛は、亜鉛相25における低い位置から抜き出すと良い。このようにすれば、溶融塩または酸化ナトリウムの混入が防止される。
反応槽2から取り出された溶融亜鉛(Zn)は、ナトリウムトラップ11を介して亜鉛酸化部8に送られる。なお、ナトリウムトラップ11では、活性の高い金属ナトリウムが分離される。例えば、金属ナトリウムと亜鉛の密度差を利用して分離される。ナトリウムトラップ11で回収した金属ナトリウムは、活性金属供給部4に送られ、再び反応槽2に供給される。
本実施形態の亜鉛酸化部8は、金属ナトリウムと反応した後の酸化剤の還元物である亜鉛に酸素を含むガスを接触させる。そして、再び酸化亜鉛を得る。そして、この酸化亜鉛を再び反応槽2に供給する(図3参照)。このようにすれば、活性金属と反応した後の酸化剤を再生して繰り返し反応に用いることができる。また、酸素を含むガスを亜鉛に接触させることで、活性金属と反応した後の酸化剤を容易に再生させることができる。そして、再び酸化剤として用いることで廃棄物の発生量を低減させることができる。
ここで、金属亜鉛の融点は420℃であり、溶融塩中では液体として反応槽2の底部に溜まる。これを溶融塩中から回収し、酸化させることで酸化亜鉛とし、再び酸化剤として利用する。以下の反応式(2)で酸化反応が進行する。
2Zn + O = 2ZnO (2)
亜鉛酸化部8では、例えば、溶融亜鉛を溶湯として引き回し、液相界面に酸素を含むガスを吹き付けることで、界面表面に酸化亜鉛を形成する。そして、酸化亜鉛を収集して粉砕することで、酸化亜鉛粉末として再生することができる。また、他の実施形態として、亜鉛を気化させて、この気化した亜鉛に酸素を含むガスを接触させても良い。
再生された酸化亜鉛は、酸化剤供給部3を通じて再び反応槽2に戻される。このように酸化剤は、繰り返し酸化処理に供することができるので、資源の使用量を低減させたり、廃棄物を低減させたりすることができる。
なお、亜鉛の酸化反応時には熱が発生する。例えば、1モルのZnOが生成されるときに、少なくとも350kJ以上の生成熱が生じる。この熱を有する酸化亜鉛を回収し、酸化亜鉛自身の加熱または溶融塩の加熱に用いる熱源の一部または全部としても良い。本実施形態では、亜鉛酸化部8で生成した酸化亜鉛を、酸化剤供給部3を介して反応槽2に供給することで、酸化反応時の熱を反応槽2の溶融塩に送るようにしている。このようにすれば、反応により生じた熱を回収できるので、活性金属の処理に必要なエネルギーの投入量を低減させることができる。さらに、亜鉛酸化部8で生じる熱を回収して反応槽2に送る機構を設けるようにしても良い。
本実施形態では、活性金属処理装置1の起動時には、槽ヒータ14を駆動して反応槽2内の溶融塩を加熱しているが、所定時間経過後に槽ヒータ14を停止する。つまり、反応槽2で酸化還元反応が進んだとき、または亜鉛酸化部8で酸化反応が進んだときに、槽ヒータ14を停止する。その後は、反応により生じる自己発熱で反応槽2内の反応を進めるようにする。
反応槽2内で酸化還元反応により生成される酸化ナトリウムは、溶融塩中に溶解して次第に蓄積されてゆく。そして、飽和溶解度を超えた分については、溶解されることなく溶融塩中に析出される。そのため、溶融塩の粘度が高まったり、金属ナトリウムの酸化反応の進行を妨げたりする場合がある。また、溶融塩の混濁または溶融塩の液面18の被覆のような酸化亜鉛と金属ナトリウムの間の酸化還元反応の阻害要因が生じる。
そこで、本実施形態では、酸化ナトリウムが溶解した溶融塩を反応槽2から連続的に回収し、溶融塩純化部7において、酸化ナトリウムをはじめとした不純物を分離して除去するようにする(図3参照)。このようにすれば、反応槽2内の処理能力低下要因を排除することができる。
図1に示すように、反応槽2から取り出された溶融塩は、ナトリウムトラップ10および亜鉛トラップ12を介して溶融塩純化部7に送られる。なお、ナトリウムトラップ10では、金属ナトリウムが分離される。ここで回収された金属ナトリウムは、活性金属供給部4に送られ、再び反応槽2に供給される。また、亜鉛トラップ12で回収された亜鉛は、亜鉛酸化部8に送られ、再び酸化亜鉛となる。
溶融塩純化部7には熱交換器9が接続される。この熱交換器9は溶融塩純化部7を挟み、溶融塩純化部7の上流側と下流側で熱交換を行う。つまり、熱交換器9は、反応槽2から抜き出された溶融塩と、溶融塩純化部7から反応槽2へ戻される溶融塩との間で熱交換を行う。このようにすれば、熱損失を低減させることができる。また、反応槽2にて反応により生じた熱を回収できるので、活性金属の処理に必要なエネルギーの投入量、例えば槽ヒータ14にかかる電気量を低減させることができる。
なお、熱交換器9では、溶融塩純化部7にて純化され、かつ温度が下がった溶融塩が内側の細管を通過する。このようにすれば、細管の目詰まりを防止して熱交換効率を高められる。
溶融塩純化部7は、溶融塩の温度を下げて、溶融塩から酸化ナトリウムなどの不純物を意図的に析出させる。そして、この析出させた酸化ナトリウムを溶融塩から取り除く。このようにすれば、溶融塩から不純物を容易に取り除くことができ、不純物の無い溶融塩を得ることができる。また、溶融塩の溶解度を回復させることができ、酸化ナトリウムの意図しない析出を回避することができる。
また、純化された溶融塩を再び反応槽2に送って再利用することができる。また、反応槽2内の反応により生じた不純物を処理後の生成物、つまり、廃棄物として得ることができる。この廃棄物は、廃棄部13に送られて適切な処理がなされる。
なお、溶融塩純化部7で純化された溶融塩は、反応槽2に戻して再利用する(図3参照)。このようにすれば、処理能力低下を抑制しつつ、廃棄物の発生量を低減させることができる。このように、亜鉛の酸化還元、溶融塩への酸化ナトリウムの溶解と除去とを組み合わせることにより、省資源および低廃棄物量で環境負荷の低い、活性金属処理装置1を構築することができる。
なお、金属ナトリウムまたは亜鉛を溶融塩純化部7に導くと、配管閉塞またはその他のトラブルの原因となる。そのため、溶融塩純化部7の手前にナトリウムトラップ10と、亜鉛トラップ12を設けている。そして、密度差などにより溶融塩とその他の物質を分離する。
溶融塩純化部7にて純化された溶融塩は、再び反応槽2の反応区画R1に戻され、反応区画R1の溶融塩の溶解度を回復する。そして、反応場または酸化ナトリウムの溶媒としての役割を果たすようになる。この構成により、反応槽2内からの酸化ナトリウムの除去と安定した連続処理が可能となる(図3参照)。
なお、溶融塩純化部7では、酸化ナトリウムだけでなく、その他の酸化物または放射性物質などの不純物を回収しても良い。
図1に示すように、反応槽2にバッファ板15により画定された相分離区画R2を設けられることで、反応区画R1から取合区画R3までの移動時間を確保することができる。そして、各物質の密度差による相分離を促進し、取合区画R3からの溶融塩または溶融亜鉛の取り出し時において、目的外の物質の混入が抑制される。
次に、活性金属処理装置1が実行する活性金属処理方法について図4のフローチャートを用いて説明する。なお、図1および図3を適宜参照する。
図4に示すように、まず、ステップS11において、反応槽2に溶媒としての溶融塩を供給し、この反応槽2に溶融塩を溜める。次のステップS12において、反応槽2内の溶融塩に酸化剤としての酸化亜鉛を供給する。
次のステップS13において、反応槽2内の溶融塩に活性金属としての液体金属ナトリウムを供給する。次のステップS14において、撹拌部5を駆動して反応槽2内の溶融塩を撹拌する。ここで、酸化亜鉛と金属ナトリウムとの反応が進行する。
次のステップS15において、反応槽2の底部に溜まった溶融亜鉛を取り出して亜鉛酸化部8に送る。次のステップS16において、亜鉛酸化部8にて溶融亜鉛を酸化させて酸化亜鉛を生成する。そして、この酸化亜鉛を再び反応槽2に送る。
次のステップS17において、反応槽2内において、酸化ナトリウムを含む溶融塩を取り出して、溶融塩純化部7に送る。次のステップS18において、溶融塩純化部7にて溶融塩から酸化ナトリウムを析出させる。そして、溶融塩と酸化ナトリウムを分離し、溶融塩を純化させる。そして、純化された溶融塩を再び反応槽2に送る。
次のステップS19において、溶融塩純化部7にて溶融塩から分離された酸化ナトリウムが廃棄部13に送られて廃棄される。そして、前述のステップS11に戻る。
本実施形態では、活性金属である金属ナトリウムが溶融塩中に溶けることで、活性金属の分子と酸化剤の分子との反応を促進することができる。仮に、活性金属を所定の溶媒に溶かさずに酸化剤と反応させようとした場合、活性金属が微細な塊となり、その塊の表面のみが反応してしまい、その内部まで反応な進まなくなる。活性金属を溶媒に溶かすことで、常に金属ナトリウムの分子が酸化剤と接触できるようになるので、反応を促進することができる。
なお、本実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。
なお、本実施形態では、活性金属処理装置1を廃棄物の処理工程の一部として用いているが、廃棄物の処理のみならず、活性金属を再利用する処理工程の一部として用いても良い。
なお、本実施形態では、活性金属供給部4が活性金属供給管17を備えているが、活性金属供給管17を設けない構成としても良い。例えば、活性金属供給部4の供給側の出口となる開口部を、反応槽2の内面に設けるようにし、この開口部を反応槽2内の溶融塩の液面18よりも低い位置とすれば良い。このようにすれば、仮に、反応槽2の上方側の空間に水分を含む空気などの気体が存在している場合であっても、この気体と触れさせずに金属ナトリウムを反応槽2内の溶融塩に供給することができる。
また、高速炉炉心を直接冷却するナトリウムを処理する場合、ナトリウム中に放射性物質が含まれる可能性がある。そのため、活性金属処理装置1は、生体遮蔽の役割を果たす遮蔽壁をさらに備えても良い。
以上説明した実施形態によれば、溶融塩を保持する反応槽を備えることにより、水を用いることなく活性金属を安全に安定化することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…活性金属処理装置、2…反応槽、3…酸化剤供給部、4…活性金属供給部、5…撹拌部、6…供給制御部、7…溶融塩純化部、8…亜鉛酸化部、9…熱交換器、10,11…ナトリウムトラップ、12…亜鉛トラップ、13…廃棄部、14…槽ヒータ、15…バッファ板、16…供給用ヒータ、17…活性金属供給管、18…液面、19…開口部、20…酸化剤供給管、21…開口部、22…モータ、23…インペラ、24…溶融塩相、25…亜鉛相、26…境界面、27…フロート板、D…距離、R1…反応区画、R2…相分離区画、R3…取合区画。

Claims (12)

  1. 溶融塩を保持する反応槽と、
    酸化剤を保持し前記反応槽内の前記溶融塩に前記酸化剤を供給する酸化剤供給部と、
    活性金属を保持し前記反応槽内の前記溶融塩に前記活性金属を供給する活性金属供給部と、
    前記反応槽内の前記溶融塩を撹拌する撹拌部と、
    を備える活性金属処理装置。
  2. 前記反応槽内の前記溶融塩の液面よりも低い位置に開口され、前記溶融塩に前記活性金属を供給する開口部を備える請求項1に記載の活性金属処理装置。
  3. 前記活性金属の酸化物を前記溶融塩中から取り除く純化部を備える請求項1または請求項2に記載の活性金属処理装置。
  4. 前記純化部は、前記溶融塩から前記活性金属の酸化物を析出させて取り除く請求項3に記載の活性金属処理装置。
  5. 前記純化部に送られる前記溶融塩から熱を回収し、この回収された熱を前記反応槽内の前記溶融塩に送る熱交換器を備える請求項3または請求項4に記載の活性金属処理装置。
  6. 前記酸化剤供給部による前記酸化剤の供給量と前記活性金属供給部による前記活性金属の供給量との比率を制御する供給制御部を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の活性金属処理装置。
  7. 前記供給制御部は、前記酸化剤が前記活性金属よりも過剰となる比率に制御する請求項6に記載の活性金属処理装置。
  8. 前記酸化剤が前記活性金属を酸化させる酸素を含み、前記活性金属と反応した後の前記酸化剤を再び酸化させる酸化部を備える請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の活性金属処理装置。
  9. 前記酸化部は、前記活性金属と反応した後の前記酸化剤に酸素を含むガスを接触させる請求項8に記載の活性金属処理装置。
  10. 前記活性金属は金属ナトリウムであり、
    前記酸化剤は酸化亜鉛であり、
    前記溶融塩は塩化ナトリウムおよび塩化リチウムの混合物である請求項1に記載の活性金属処理装置。
  11. 前記活性金属は、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、またはバリウムのいずれか1つであり、
    前記酸化剤は、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、酸化鉄、酸化スズ、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化鉛、および酸化銅のうち少なくともいずれか1つを含有し、
    前記溶融塩は、塩化ナトリウムおよび塩化リチウムの混合物、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの混合物、塩化ナトリウムおよび塩化カルシウムの混合物、または塩化ナトリウムおよび塩化バリウムの混合物である請求項1に記載の活性金属処理装置。
  12. 溶融塩を反応槽に保持するステップと、
    前記反応槽内の前記溶融塩に酸化剤を供給するステップと、
    前記反応槽内の前記溶融塩に活性金属を供給するステップと、
    前記反応槽内の前記溶融塩を撹拌するステップと、
    を含む活性金属処理方法。
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