JP2020007841A - トンネルの更生方法、更生トンネル構造及び連結装置 - Google Patents

トンネルの更生方法、更生トンネル構造及び連結装置 Download PDF

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Abstract

【課題】既設トンネルを更生管によって更生する際に、製管後の更生管を位置調整可能とするトンネル更生方法及び更生トンネル構造を提供する。【解決手段】既設トンネルの覆工を、少なくとも外周支保工2が露出されるまで撤去する。撤去後の坑内空間に更生管3を製管する。連結対象間の間隔を調節可能な連結装置10によって、更生管3と外周支保工2とを連結する。更生管3の外周側の環状間隙1dには、裏込め材5を充填する。【選択図】図1

Description

本発明は、既設トンネルの更生方法、更生トンネル構造、及びトンネル更生に用いる連結装置に関し、特に支保工と覆工を備えた既設トンネルに適した更生方法等に関する。
老朽化した既設のトンネル(地中埋設管などのトンネル状構造物を含む)内に更生管を設置して更生する工法は公知である。
例えば特許文献1の更生工法においては、既設の下水道管等の地中埋設管の内周に沿って鉄筋かご状の鋼製フレームを構築する。続いて、複数の長板状の内面材を、鋼製フレームの内周面の周方向及び管軸方向に並べて取り付けることで、更生管を構築する。地中埋設管の内周面と更生管との間の環状間隙にはモルタル等が充填される。
特許文献2には、ボックスカルバートなどの異形断面の地中埋設管の更生方法が記載されている。該更生方法においては、ボックスカルバートの4方向の内面にそれぞれ多孔箱状のスペーサを設置する。各スペーサの内部には多孔管が配管されている。4つのスペーサどうしの内側に合成樹脂製の帯状部材(プロファイル)からなる矩形断面の螺旋管(更生管)を製管する。その後、多孔管からモルタルを吐出する。
非特許文献1には、既設トンネルの更生方法が記載されている。該更生方法においては、工場において、既設トンネルの断面よりわずかに小さい相似形断面の内張鋼板(更生管)を複数の分割板に分割して加工・製作する。これら分割板を台車によって既設トンネルへ運搬して、既設トンネルの覆工の内周面に沿って据え付け、隣接する分割板どうしを溶接によって接合する。覆工と内張鋼板との間の空隙にはエアモルタルを充填する。
非特許文献2には、自走式の製管機を用いて、異形断面の地中埋設管の内面に沿って螺旋管を製管する工法(SPR工法)が開示されている。製管機は、地中埋設管の内周形状に合わせた形状のガイドフレームと、該ガイドフレームに沿って移動可能な嵌合ローラを含む。帯状部材(プロファイル)をガイドフレームに沿って螺旋状に巻回しながら、該帯状部材の隣接する縁どうしを嵌合ローラで挟んで嵌合させることによって、ガイドフレームの形状に合わせた断面形状の螺旋管を製管する。
特開2002−310378号公報 特許第3516784号公報
土地改良事業計画設計基準(水路トンネル)、第10章保全管理(鋼板内張工法)、569〜571ページ 自由断面SPR工法カタログ、日本SPR工法協会
前掲先行技術文献の何れにおいても、製管後の更生管を位置調整するようになっていない。例えば特許文献1における更生管はモルタル充填時の浮力で浮くことはあり得ても、積極的な位置調節はしていない。特許文献2においては、4方向の多孔箱状のスペーサによって更生管の位置が決まる。非特許文献1の更生管は、既設トンネルの覆工の内周面に張り付く位置で固定される。非特許文献2では、特許文献1と同様にモルタル充填時の浮力で更生管が浮かないよう処置することはあっても、積極的な位置調節する記載は無い。
本発明は、かかる事情に鑑み、外周支保工を含む既設トンネルを更生管によって更生する際に、製管後の更生管を位置調整可能とすることを目的とする。
既設トンネルとしては鋼製の支保工を有するものが知られている。かかる既設トンネルを更生する場合、支保工を利用して更生管を位置調節等することが考えられる。
本発明は、かかる着想に基づいてなされたものであり、本発明方法は、トンネル周方向に沿う外周支保工と、該外周支保工を内周側から覆う覆工とを含む既設トンネルを更生するトンネル更生方法であって、
前記覆工を、少なくとも前記外周支保工が露出されるまで撤去する工程と、
前記撤去後の坑内空間に更生管を製管する工程と、
連結対象間の間隔を調節可能な連結装置によって、前記更生管と前記外周支保工とを連結する工程と、
前記坑内空間における前記更生管の外周側の環状間隙に裏込め材を充填する工程と、
を備えたことを特徴とする。
前記更生管と外周支保工とが、前記連結装置の連結対象となる。
更生管の製管後、前記連結装置によって更生管と外周支保工とを間隔調節しながら連結する。これによって、製管後の更生管を位置調節することができる。かつ付随的効果として、連結装置を介して更生管を既設トンネルの外周支保工に支持させることができる。このため、裏込め材の打設時に更生管の内部に腹起しなどの内部支保工を構築しなくて済む。ないしは、前記内部支保工を簡略化できる。この結果、工期を短縮できる。
裏込め材の充填によって、外周支保工を含む既設トンネルと更生管とが裏込め材を介して強度的に一体化される。ひいては、既設トンネルを更生できる。連結装置における環状間隙内に配置されている部分は、裏込め材に埋設される。
前記更生管があるスパンだけ製管されるごとに前記連結工程を行うことが好ましい。これによって、前記スパンごとに更生管の位置調節できる。
外周支保工の配置スパンごとに前記連結工程を行うことがより好ましい。
本発明構造は、トンネル周方向に沿う外周支保工を含む更生トンネル構造であって、
前記外周支保工の内側に設置された更生管と、
前記更生管を前記外周支保工に位置調節可能に連結する連結装置と、
前記更生管の外周を囲む環状間隙に充填された裏込め材と、
を備えたことを特徴とする。
当該更生トンネル構造は、既設トンネルを更生することによって構築される。好ましくは更生前の既設トンネルは、前記外周支保工と、該外周支保工を内周側から覆う覆工を含む。更生施工の際、前記覆工の少なくとも一部が撤去されて、前記外周支保工が露出される。該外周支保工と、その内側の坑内空間に設置した更生管とを連結装置によって連結する。このとき、前記連結装置によって、更生管を外周支保工に対して位置調節できる。更生管は、連結装置及び外周支保工によって外周側から支持される。したがって、前記坑内空間の内壁(覆工撤去跡面)と更生管との間の環状間隙に裏込め材を充填する際、腹起しなど内部支保工の構築作業を省略ないしは簡略化できる。
前記連結装置が、前記更生管と係着される内端係着部と、前記外周支保工と係着される外端係着部と、前記環状間隙内においてトンネル軸方向と直交するトンネル内外方向へ延びるように配置されて前記内端係着部と前記外端係着部とを接近離間可能に連結する連結部材とを備えたことが好ましい。
更生施工の際、製管後の更生管と外周支保工とを連結装置によって連結するとともに、連結装置の連結部材を介して内端係着部と外端係着部とを接近離間されることによって、更生管を位置調節できる。前記連結部材における前記環状間隙内に配置された部分は、前記裏込め材に埋設される。
前記連結装置が、トンネル軸方向及びトンネル周方向に互いに間隔を置いて配置された複数の連結ユニットを含み、各連結ユニットが、前記外端係着部と前記内端係着部と前記連結部材とを有していることが好ましい。
これによって、更生管をトンネル軸方向及びトンネル周方向の複数箇所において外周側から支持できる。各連結ユニットの配置位置における更生管と外周支保工の間隔を調節することで、更生管の位置調節だけでなく、更生管の形状を任意に調整することができる。裏込めに際しては、腹起しなどの内部支保工を確実に省略ないしは簡略化できる。
前記更生管が、複数の管構成部を含み、隣接する管構成部どうしが嵌合部を介して接合されており、
前記内端係着部が、前記更生管に宛がわれた当接板を含み、
前記嵌合部に対応する連結ユニットの当接板は、前記嵌合部を跨ぐように配置されていることが好ましい。
これによって、嵌合部に大きな負荷がかかるのを防止でき、嵌合部が外れないよう保護できる。
例えば、前記更生管が螺旋管の場合、螺旋状のひと巻き部分(一周部分)が各管構成部となる。隣接するひと巻き部分どうしは、螺旋状の巻回方向に一体に連続するとともに、これら隣接するひと巻き部分どうしにおけるトンネル軸方向に対向する縁どうし間に嵌合部が形成される。
前記更生管が、トンネル周方向及びトンネル軸方向に複数の板状の管構成部に分割されていてもよい。
前記更生管が、トンネル軸方向に複数のリング状の管構成部に分割されていてもよい。
前記嵌合部に対応する連結ユニットにおける前記嵌合部を挟んで互いに近接する位置に、それぞれ前記連結部材が配置されていることが好ましい。
これによって、更生管の嵌合部を挟んで両側の管構成部をそれぞれ連結部材を介して外周支保工に支持させることができる。
前記連結部材は、前記嵌合部を避けて配置されることが好ましい。前記連結部材は、前記嵌合部における管構成部どうしの嵌合を解除ないしは破壊しないように配置されることが好ましい。
本発明装置は、前記外周支保工と更生管とを連結する連結装置であって、
前記外周支保工と係着される外端係着部と、
前記更生管と係着される内端係着部と、
トンネル軸方向と直交するトンネル内外方向へ延び、前記外端係着部と前記内端係着部とを接近離間可能に連結する連結部材と
を備えたことを特徴とする。
当該連結装置によって、外周支保工と更生管とを連結するとともに、外周支保工と更生管とをトンネル内外方向に接近させたり離間させたりすることで、更生管を位置調節できる。
前記連結部材が、前記外端係着部及び前記内端係着部とそれぞれねじ結合されるねじ部材を含むことが好ましい。
連結部材と外端係着部とのねじ込み量、及び連結部材と内端係着部とのねじ込み量を調節することによって、更生管を外周支保工に対して位置調節することができる。
前記連結部材が、前記外端係着部と内端係着部とを結ぶように延びるワイヤを含んでいてもよい。
ワイヤに張力を付与することによって、更生管を連結装置を介して外周支保工に支持させることができる。
本発明によれば、支保工を含む既設トンネルを更生管によって更生する際に、製管した更生管を位置調整することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る更生トンネルを示し、図2のI−I線に沿う正面断面図である。 図2は、図1のII−II線に沿う、前記更生トンネルの側面断面図である。 図3は、図2の円部IIIを拡大して示す断面図である。 図4は、図2の円部IVを拡大して示す断面図である。 図5(a)は、前記更生トンネルの更生管を構成する帯状部材の断面図である。図5(b)〜同図(c)は、前記帯状部材を螺旋状に製管する様子を示す断面図である。 図6は、更生施工前の既設トンネルの正面断面図である。 図7は、前記既設トンネルの更生施工方法における覆工撤去工程を示す正面断面図である。 図8は、前記既設トンネルの更生施工方法における更生管の製管工程を示す正面断面図である。 図9は、前記既設トンネルの更生施工方法における連結工程を示す正面断面図である。 図10は、前記既設トンネルの更生施工方法における連結工程を示す側面断面図である。 図11は、図10の円部XIの拡大断面図である。 図12は、本発明の第2実施形態に係る連結装置を、連結工程後、裏込め工程前の状態で示す側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<既設トンネル1>
図6は、更生前の既設トンネル1を示したものである。トンネル1の用途及び大きさ(断面積)は、特に限定が無く、例えば車両、人、鉄道などを通す交通用トンネルのほか、水力発電導水用トンネル、農業用水用トンネル、上水道用トンネル、下水道用トンネルなどが挙げられる。
図6に示すように、既設トンネル1は、鋼製の外周支保工2と、既設覆工4を含む。支保工2及び覆工4によって地山6が支えられている。外周支保工2は、トンネル1の軸方向(図6の紙面と直交する方向)に一定間隔置きに設置されている(図2参照)。各外周支保工2は、アーチ支保工20と、インバートストラット40を含む。
図3に示すように、アーチ支保工20は、外周側フランジ21と、ウエブ22と、内周側フランジ23を含むH型鋼によって構成されている。図6に示すように、該アーチ支保工20が、トンネル1の底部より上側部分の周方向に沿うように部分環状に延びている。
図4に示すように、インバートストラット40は、外周側フランジ41と、ウエブ42と、内周側フランジ43を含むH型鋼によって構成されている。図6に示すように、該インバートストラット40が、トンネル1の底部に沿って配置され、アーチ支保工20の一対の下端部間に架け渡されている。
図6に示すように、外周支保工2の内周側に覆工4が設けられている。覆工4は、鉄筋コンクリート又は無筋コンクリートによって構成されている。覆工4の内部に外周支保工2が埋まっている。
<更生トンネル1A>
図1及び図2は、老朽化した既設トンネル1を更生してなる更生トンネル1A(更生トンネル構造)を示したものである。
更生トンネル1Aにおいては、既設トンネル1の外周支保工2が残置され、覆工4の少なくとも一部(図1及び図2においては全部)が撤去されている。
図1及び図2に示すように、更生トンネル1Aは、前記外周支保工2に加えて、更生管3と、連結装置10を備えている。
更生管3は、外周支保工2の内側に設置され、図1の紙面と直交するトンネル軸方向へ延びている。更生管3の内部が、更生トンネル1Aにおける坑道(トンネル内空間)となっている。更生管3の外周を囲む環状間隙1dには裏込め材5が充填されている。裏込め材5を介して、外周支保工2を含む既設トンネル1の残置構造部と更生管3とが強度的に一体化されている。
更生管3の断面形状は、閉環状であれば特に限定はなく、真円形でもよく非真円の異形円形でもよく、四角形その他の多角形でもよく。図1においては、更生管3の断面は、非真円の異形円形となっている。好ましくは、更生管3の断面形状は、既設トンネル1の覆工4の内周形状(図1)と一致又は近似されている。更生管3の断面形状が前記覆工4の内周形状(図1)とは異なっていてもよい。
図2に示すように、更生管3は、帯状部材30(プロファイル)を螺旋状に製管した螺旋管によって構成されている。図5(a)に示すように、帯状部材30は、帯本体31と、補強帯材32とを含む。帯本体31は、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂によって一定の断面に成形されている。帯本体31の帯幅方向(図5において左右)の一端部には、凹状のメスロック33と、該メスロック33から外方へ斜めに延びる板状のサブロック36とが形成されている。帯本体31の帯幅方向の他端部には、凸状のオスロック34が形成されている。帯本体31におけるメスロック33とオスロック34の間には複数のリブ37が設けられている。2つのリブ37どうし間に補強帯材32が挟まれている。補強帯材32は、鋼鉄などの金属によって例えばW字状の断面形状に形成されている。
なお、帯状部材30の断面形状は、図示したものに限定されるものではなく適宜改変できる。補強帯材32が省略されていてもよい。帯状部材30が、合成樹脂部31だけで構成されていてもよい。
図5(b)及び同図(c)に示すように、螺旋管からなる更生管3における、互いに隣接する螺旋状のひと巻き部分3a,3a(管構成部)の対向するメスロック33とオスロック34どうしが嵌合されて、嵌合部35が形成されている。かつ、前記隣接するひと巻き部分3a,3aの対向するサブロック36とリブ37Aの先端部どうしが嵌合されている。
なお、前記ひと巻き部分3a,3aどうしは、螺旋状の巻回方向に沿って一体に連続している。
図1及び図2に示すように、外周支保工2と更生管3との間には、連結装置10が設けられている。連結装置10によって、更生管3が外周支保工2に連結されている。連結装置10は、連結対象2,3間の間隔を調節可能である。
連結装置10は、複数の連結ユニット19を含む。連結ユニット19は、更生トンネル1Aの周方向及びトンネル軸方向に互いに間隔を置いて配置されている。図2に示すように、トンネル軸方向における連結ユニット19の配置位置は、外周支保工2の配置位置と一致している。
図3及び図4に示すように、各連結ユニット19は、一対(複数)の連結部材11と、一対(複数)の外端係着部12と、内端係着部13を含む。各連結部材11は、全体に雄ネジが形成された寸切ボルト(ねじ部材)によって構成されている。なお、連結部材11の両端部だけに雄ネジが形成されていてもよい。連結部材11の軸長方向は、トンネル軸方向と直交するトンネル内外方向(図3及び図4において上下)へ向けられている。連結ユニット19の一対の連結部材11が、互いにトンネル軸方向(図3及び図4において左右)に離れて平行に並べられている。各連結部材11の両端部を除く部分が、環状間隙1d内に配置されて裏込め材5に埋設されている。
各連結部材11の外端部(図3において上端部、図4において下端部)は、外周支保工2の内周側フランジ23,43を貫通している。内周側フランジ23,43には、それぞれ連結部材11を通すための貫通孔23b,43bが形成されている。
連結部材11の内端部(図3において下端部、図4において上端部)は、更生管3を貫通している。更生管3には、連結部材11を通すための貫通孔3bが形成されている。
前記連結部材11の両端部が係着部12,13とねじ結合されている。
詳しくは、一対の外端係着部12は、それぞれナットによって構成されている。各外端係着部12が、対応する連結部材11にねじ込まれるとともに、内周側フランジ23,43に突き当てられている。これによって、外端係着部12が外周支保工2と係着されている。
内端係着部13は、当接板14と、一対(複数)のナット15を含む。当接板14は、たとえば長方形の平板状に形成されている。当接板14の長手方向は、トンネル軸方向(図3及び図4において左右)へ向けられている。該当接板14が、更生管3の内周面に宛がわれている。当接板14が更生管3の内周面の曲率に合わせて湾曲されていてもよい。
2つの連結部材11の内端部(図3において下端部、図4において上端部)が、それぞれ当接板14を貫通している。当接板14には、これら連結部材11を通す2つ(複数)の貫通孔14bが形成されている。
各連結部材11の内端部における当接板14から突出された先端部分に、ナット15がねじ込まれている。該ナット15が当接板14のトンネル内周側面に突き当てられている。これによって、内端係着部13が更生管3と係着されている。
図3に示すように、嵌合部35に対応する連結ユニット19の当接板14は、好ましくは、嵌合部35を跨いで両側のひと巻き部分3a,3aどうし間に架け渡されるように配置されている。前記両側のひと巻き部分3a,3aを連結部材11がそれぞれ貫通している。言い換えると、嵌合部35に対応する連結ユニット19においては、嵌合部35を挟んで互いに近接する位置にそれぞれ連結部材11が配置されることが好ましい。
或いは、図4に示すように、連結ユニット19の各連結部材11は、嵌合部35をできるだけ避けて配置されていてもよい。連結部材11は、メスロック33とオスロック34の嵌合を解除ないしは破壊しないように配置されていることが好ましい。
<更生方法>
老朽化した既設トンネル1が次のようにして更生されて、更生トンネル1Aが構築される。
図7に示すように、まず、既設トンネル1の覆工4を撤去する。必ずしも覆工4の全部を撤去する必要は無く、少なくとも外周支保工2が露出されるまで撤去すればよい。好ましくは、内周側フランジ23,43が露出されるまで覆工4を撤去する。
老朽化によって覆工4が劣化している場合は、その劣化部分を撤去するか、覆工4の全体を撤去してもよい。
既設トンネル1における覆工撤去後の坑内空間1cの内周面を覆工撤去跡面1bと称す。外周支保工2の少なくとも一部が、坑内空間1cに面して、覆工撤去跡面1bの一部を画成する。
続いて、図8に示すように、坑内空間1c内に更生管3を製管する。図示しない製管機を坑内空間1cに配置し、該製管機によって、帯状部材30を螺旋状に巻回するとともに、互いに隣接するひと巻き部分3a,3aのメスロック33とオスロック34どうしを嵌合させるとともに、サブロック36とリブ37Aの先端部どうしを嵌合させる。製管機としては、例えば特許文献2又は非特許文献2などに記載の自走式製管機を用いることができる。
覆工撤去跡面1bと更生管3との間には、環状間隙1dが形成される。
図9及び図10に示すように、更生管3があるスパンだけ製管されるごとに、連結装置10によって更生管3と外周支保工2とを連結する連結工程を行う。好ましくは、外周支保工2の配置スパンごとに連結工程を行う。
詳しくは、図11に示すように、外周支保工2に貫通孔23b,43bを形成するとともに、更生管3に貫通孔3bを形成する。次に、連結部材11を環状間隙1dに差し入れ、かつ該連結部材11の両端部を貫通孔23b又は43bに通して係着部12,13と螺合させて連結する。
これら連結部材11及び係着部12,13からなる連結ユニット19を、外周支保工2及び更生管3の周方向に間隔を置いて配置する。これによって、更生管3が、連結装置10を介して外周支保工2に支持される。
さらに、各連結ユニット19のナット12,15のねじ込み量を調節する。これによって、係着部12,13どうしが接近離間され、各連結ユニット19の配置場所における更生管3と外周支保工2との間隔が調節される。この結果、更生管3を外周支保工2に対して所望の位置に調節することができる。下水道などの液体流下管の場合は、更生管3に適切な流下勾配を付けることもできる。しかも、トンネル周方向の複数箇所において更生管3と外周支保工2との間隔を調節することによって、更生管3の断面形状を所望になるように調整することができる。
更生管3の製管後、環状間隙1dに裏込め材5を充填する。これによって、連結装置10における環状間隙1d内に配置されている部分が裏込め材5に埋設される。
更生管3は、連結装置10及び外周支保工2によって外周側から保持されているから、裏込め材5の打設に先立って更生管3の内部に腹起しなどの内部支保工を構築する必要が無い。したがって、更生施工の工期を短縮できる。
裏込め材5が硬化することによって、既設トンネル1の外周支保工2を含む残置構造部と更生管3とが裏込め材5を介して強度的に一体化される。ひいては、既設トンネル1を更生した更生トンネル1Aが構築される。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態>
図12は、本発明の第2実施形態を示したものである。
第2実施形態においては、連結装置10Bの連結部材50が、ワイヤ51(張力条体)と、外端連結部52と、内端連結部53を有している。ワイヤ51は、ワイヤ本体51aと、外端係止部51bと、内端係止部51cを含む。
ワイヤ本体51aは、トンネル内外方向(図12において上下)に沿って線状に延びている。ひいては、ワイヤ51が、外端係着部12と内端係着部13とを結ぶように延びている。
ワイヤ本体51aのトンネル外周側(図12において上側)の端部に外端係止部51bが一体に設けられている。ワイヤ本体51aのトンネル内周側(図12において下側)の端部に内端係止部51cが一体に設けられている。外端係止部51b及び内端係止部51cは、それぞれ球形状になっている。係止部51b,51cの直径は、ワイヤ本体51aの直径より大径である。
外端連結部52は、寸切ボルトによって構成されている。外端連結部52の長さは、第1実施形態(図3)の連結部材50より短い。外端連結部52におけるトンネル内周側(図12において下側)の端部には、係止凹部52cが形成されている。係止凹部52cに外端係止部51bが嵌め込まれて係止されている。
外端連結部52は貫通孔23bに通されている。外端連結部52にねじ込まれた外端係着部12が内周側フランジ23に係着されている。
内端連結部53は、外端連結部52と同程度の長さの寸切ボルトによって構成されている。内端連結部53におけるトンネル外周側(図12において上側)の端部には、係止凹部53cが形成されている。係止凹部53cに内端係止部51cが嵌め込まれて係止されている。
内端連結部53は貫通孔3b,14bに通され、かつ該内端連結部53に内端係着部13のナット15がねじ込まれている。これによって、内端係着部13が更生管3に係着されている。
ナット12,15のねじ込みによって、ワイヤ51に張力が働く。これによって、更生管3を外周支保工2に対して位置調節可能に連結でき、更には更生管3の断面形状を調整できる点は、第1実施形態と同様である。
なお、図12においては、外周支保工2としてアーチ支保工20が示されているが、インバートストラット40(図1参照)においても同様の連結構造になっている。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、連結装置10の各連結ユニット19における連結部材11の数は、一対(2つ)に限られず、3つ以上でもよく、1つだけであってもよい。
更生管は螺旋管に限られない。更生管が、管構成部として複数の板材を含み、これら板材がトンネル周方向及びトンネル軸方向に並べられ、かつ隣接する板材どうしが直接又は接続部材を介して嵌合されていてもよい(特許文献1参照)。この場合、トンネル周方向に隣接する板材どうしの嵌合部(継ぎ目)に配置される連結ユニット19の一対の連結部材は、前記嵌合部(継ぎ目)を挟んでトンネル周方向に離れて配置されていることが好ましい。前記板材が、長手方向をトンネル軸方向へ向けた長板材であってもよい。
更生管が、管構成部として複数のリング部材を含み、これらリング部材がトンネル軸方向に並べられ、隣接するリング部材どうしが直接又は接続部材を介して嵌合されていてもよい。
本発明は、老朽化した既設トンネルの更生に適用できる。
1 既設トンネル
1A 更生トンネル(更生トンネル構造)
1b 覆工撤去跡面
1c 坑内空間
1d 環状間隙
2 外周支保工
3 更生管
3a ひと巻き部分(管構成部)
3b 貫通孔
4 覆工
5 裏込め材
6 地山
10,10B 連結装置
11 連結部材
12 外端係着部
13 内端係着部
14 当接板
19 連結ユニット
20 アーチ支保工
30 帯状部材
35 嵌合部
40 インバートストラット
50 連結部材
51 ワイヤ
51a ワイヤ本体
51b 外端係止部
51c 内端係止部
52 外端連結部
52c 係止凹部
53 内端連結部
53c 係止凹部

Claims (10)

  1. トンネル周方向に沿う外周支保工と、該外周支保工を内周側から覆う覆工とを含む既設トンネルを更生するトンネル更生方法であって、
    前記覆工を、少なくとも前記外周支保工が露出されるまで撤去する工程と、
    前記撤去後の坑内空間に更生管を製管する工程と、
    連結対象間の間隔を調節可能な連結装置によって、前記更生管と前記外周支保工とを連結する工程と、
    前記坑内空間における前記更生管の外周側の環状間隙に裏込め材を充填する工程と、
    を備えたことを特徴とするトンネル更生方法。
  2. 前記更生管があるスパンだけ製管されるごとに前記連結工程を行うことを特徴とする請求項1に記載のトンネル更生方法。
  3. トンネル周方向に沿う外周支保工を含む更生トンネル構造であって、
    前記外周支保工の内側に設置された更生管と、
    前記更生管を前記外周支保工に位置調節可能に連結する連結装置と、
    前記更生管の外周を囲む環状間隙に充填された裏込め材と、
    を備えたことを特徴とする更生トンネル構造。
  4. 前記連結装置が、前記更生管と係着される内端係着部と、前記外周支保工と係着される外端係着部と、前記環状間隙内においてトンネル軸方向と直交するトンネル内外方向へ延びるように配置されて前記内端係着部と前記外端係着部とを接近離間可能に連結する連結部材とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の更生トンネル構造。
  5. 前記連結装置が、トンネル軸方向及びトンネル周方向に互いに間隔を置いて配置された複数の連結ユニットを含み、各連結ユニットが、前記外端係着部と前記内端係着部と前記連結部材とを有していることを特徴とする請求項4に記載の更生トンネル構造。
  6. 前記更生管が、複数の管構成部を含み、隣接する管構成部どうしが嵌合部を介して接合されており、
    前記内端係着部が、前記更生管に宛がわれた当接板を含み、
    前記嵌合部に対応する連結ユニットの当接板は、前記嵌合部を跨ぐように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の更生トンネル構造。
  7. 前記嵌合部に対応する連結ユニットにおける前記嵌合部を挟んで互いに近接する位置に、それぞれ前記連結部材が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の更生トンネル構造。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の外周支保工と更生管とを連結する連結装置であって、
    前記外周支保工と係着される外端係着部と、
    前記更生管と係着される内端係着部と、
    トンネル軸方向と直交するトンネル内外方向へ延び、前記外端係着部と前記内端係着部とを接近離間可能に連結する連結部材と
    を備えたことを特徴とする連結装置。
  9. 前記連結部材が、前記外端係着部及び前記内端係着部とそれぞれねじ結合されるねじ部材を含むことを特徴とする請求項8に記載の連結装置。
  10. 前記連結部材が、前記外端係着部と内端係着部とを結ぶように延びるワイヤを含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の連結装置。
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