JP2020007195A - レンズ加熱装置及びレンズ加熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1には、第1実施形態のレンズ加熱装置の一例としてのレンズアニール装置10が示されている。レンズアニール装置10は、後述するレンズ12をアニールする装置である。アニールとは、レンズ12を加熱することで、レンズ12の残留応力を取り除き、均一な屈折分布を得ることを意味する。
図3Aに示すレンズ12は、一例として、遮光膜を設ける前であり且つレンズアニール装置10(図1参照)においてアニールされる前の状態で示されている。レンズ12は、一例として、ガラス製のメニスカスレンズとして構成されている。レンズ12の熱膨張率としての線膨張係数は、9×10−6/Kである。レンズ12の熱伝導率は、1W/m・Kである。また、レンズ12は、一例として、光学中心Cを有する円形のレンズとされている。
次に、レンズアニール装置10について説明する。
本体部20は、一例として、収容室24を構成する筐体22と、収容室24を開放及び閉塞する蓋部材23とを有する。本体部20の全体は、一例として、中空の直方体状に形成されている。また、本体部20は、図示しない設置台の上に載せられている。
筐体22は、底壁22A、左側壁22B、右側壁22C、後側壁22D及び上壁22Eを有する。底壁22A及び上壁22Eは、一例として、X方向を長手方向としY方向を短手方向とする矩形の板状に形成されている。また、底壁22A及び上壁22Eは、同じ大きさとされ、Z方向を厚さ方向として間隔をあけて配置されている。左側壁22B、右側壁22C及び後側壁22Dは、底壁22Aの外周部からZ方向に直立されており、それぞれ底壁22Aと上壁22EとをZ方向に繋いでいる。底壁22A、左側壁22B、右側壁22C、後側壁22D及び上壁22Eによって、収容室24が形成(構成)されている。換言すると、収容室24の内側には、−Y側に向けて開口された空間部25が形成されている。
蓋部材23は、筐体22の−Y側の開口全体を覆う大きさ及び形状を有する。また、蓋部材23は、左側壁22Bの−Y側端部に、Z方向を軸方向とする図示しない蝶番を用いて設けられている。つまり、蝶番の軸周りに蓋部材23の右端部を−Y側に回転移動させることで、収容室24が開放される。また、蓋部材23の右端部をY側に回転移動させることで、収容室24が閉塞される。蓋部材23は、収容室24を囲む4つの側壁の1つを構成している。なお、蓋部材23を移動させる構造は、観音開き構造、スライド構造などの他の構造であってもよい。
収容室24のX方向の長さをL1(単位mm)とし、Y方向の長さをL2(単位mm)とし、Z方向の長さ(高さ)をL3(単位mm)とする。長さL1、L2、L3は、一例として、L3<L2<L1となっている。収容室24における底壁22Aの上面において、−X側且つ−Y側の端点を基準点Aと称する。基準点Aの座標(X、Y、Z)は、A(0、0、0)である。また、収容室24内の中央に位置する点を中央点Bと称する。中央点Bの座標は、長さL1、長さL2及び長さL3を用いて表すと、B((L1)/2、(L2)/2、(L3)/2)となる。
台座部30は、収容室24の内側で且つ底壁22A上に設けられている。台座部30には、レンズ12が、K方向を載置方向として載せられる。台座部30は、一例として、セラミクス製(例えば、ネオアーク(登録商標):ニチアス株式会社製)とされている。台座部30の熱膨張率としての線膨張係数は、5.6×10−6/Kである。台座部30の熱伝導率は、0.6W/m・Kである。なお、レンズ12の熱伝導率は、台座部30の熱伝導率よりも大きい。
図4Bに示す底板32は、円板状に形成されている。さらに、底板32は、底壁22A(図1参照)の上面にZ方向を厚さ方向として固定されている。具体的には、底板32の外形は、Z方向から見た場合に、点OAを中心とする円形とされている。また、底板32の外形の真円度は、一例として、20μm以下とされている。真円度とは、円形形体を二つの同心の幾何学的円で挟んだ場合に、同心二円の間隔が最小となる場合の二円の半径の差によって表される(JIS B 0621)。換言すると、底板32は、光軸Kに対して光軸対称に形成されている。
図4Aに示す筒体34は、Z方向(K方向)を中心軸方向とする円筒体とされている。また、筒体34は、光軸Kに対して光軸対称に形成されている。筒体34の中心軸は、中心OA(図4B参照)を通っている。
図5に示す上端部35は、一例として、D方向の中央部分を構成する上端面35Aと、上端面35Aに対してD方向の内側端に形成された接触面35Bと、上端面35Aに対してD方向の外側端に形成された外側端面35Cとを有する。上端面35Aは、Z方向(K方向)から見た場合に円環状に形成されている。また、上端面35Aは、X−Y面に沿った平面とされている。外側端面35Cは、曲面状に形成されている。
図2に示す加熱部40は、一例として、操作パネル42と、複数組のヒータ44及びリフレクタ46と、温度センサ48とを有する。操作パネル42は、筐体22に設けられたタッチパネルと電子回路とで構成されている。操作パネル42では、収容室24内の加熱目標温度及び加熱時間を含む加熱プログラムの設定、ヒータ44の加熱動作の開始及び停止が操作される。本実施形態では、収容室24内の温度が加熱目標温度に到達した後に、ヒータ44の出力は低下されるが、継続して加熱が行われる。換言すると、加熱目標温度に到達した後は、ヒータ44は停止されずに、収容室24内の温度が徐々に低下される構成となっている。
カバー部材50は、収容室24の内側の空間部25を、レンズ12及び台座部30が配置された内側空間部25Aと、加熱部40が配置された外側空間部25Bとに仕切っている。また、カバー部材50は、金属製の一例として、SUS製(ステンレス鋼製)とされている。カバー部材50の熱膨張率としての線膨張係数は、17×10−6/Kである。また、カバー部材50の線膨張係数は、台座部30(底板32)の線膨張係数よりも大きい。カバー部材50の熱伝導率は、15W/m・Kである。つまり、カバー部材50の熱膨張率は、底板32(台座部30)の熱膨張率よりも大きい。また、カバー部材50の熱伝導率は、台座部30の熱伝導率よりも大きい。
図6及び図7Bに示す側壁52は、Z方向を中心軸方向とする円筒体とされている。また、側壁52は、光軸対称に形成されている。ここで、カバー部材50の中心軸をGとする。中心軸Gは、Z方向に沿った直線で表され、台座部30の中心OA(図4B参照)を通っている。
図7Aに示す上壁54は、円板状に形成されている。上壁54をZ方向から見た場合のD方向の外径に相当する長さをL15(単位mm)とする。長さL15は、側壁52の長さL13(図7B参照)と同じとされている。また、上壁54は、側壁52の上面にZ方向を厚さ方向として固定されている。具体的には、上壁54の外形は、Z方向から見た場合に、点OBを中心とする円形とされている。また、上壁54の外形の真円度は、一例として、20μm以下とされている。換言すると、上壁54は、光軸Kに対して光軸対称に形成されている。上壁54の中心OBは、Z方向から見た場合に、底板32の中心OA(図4B参照)と重なっている。
図8に示すレンズアニール装置10において、中心軸G及び光軸Kは、左側壁22B及び右側壁22Cからのそれぞれの距離が等しくなる位置に配置されている。具体的には、X方向において、光軸Kと左側壁22Bとの距離L16(単位mm)は、光軸Kと右側壁22Cとの距離L17(単位mm)と等しくされ、L16=L17=(L1)/2とされている。光軸Kは、Y方向に対向する蓋部材23及び後側壁22Dからの距離が等しくなる位置に配置されている。具体的には、Y方向において、光軸Kと蓋部材23との距離L18(単位mm)は、光軸Kと後側壁22Dとの距離L19(単位mm)と等しくされ、L18=L19=(L2)/2とされている。なお、Y方向は、D方向のうちX方向と直交する他の方向の一例である。
次に、第1実施形態のレンズアニール装置10及びレンズ加熱処理方法の作用について説明する。なお、以下の説明では、個別の図番の記載を省略する場合がある。
図12には、底板32の長さL5(図4A参照)と、筒体34の長さL6(図4A参照)との比(L5/L6)を変えた場合における、レンズ12の外形ランク及びカバー部材50の不具合の評価結果が示されている。なお、L5/L6=1/6、1/5、1/4、1/3、1/2の5種類の台座部30を用いた。
次に、第2実施形態に係るレンズ加熱装置及びレンズ加熱処理方法の一例について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して、構造及び作用の説明を省略する。また、第1実施形態と同様の製造方法については、説明を省略する。
本体部70は、一例として、収容室74を構成する筐体72と、収容室74を開放及び閉塞する蓋部材73とを有する。本体部70の全体は、一例として、中空の直方体状に形成されている。また、本体部70は、図示しない設置台の上に載せられている。
筐体72は、底壁72A、左側壁72B、右側壁72C、後側壁72D及び上壁72Eを有する。底壁72A及び上壁72Eは、一例として、X方向を長手方向としY方向を短手方向とする矩形の板状に形成されている。また、底壁72A及び上壁72Eは、同じ大きさとされ、Z方向を厚さ方向としてZ方向に間隔をあけて配置されている。左側壁72B、右側壁72C及び後側壁72Dは、底壁72Aの外周部からZ方向に直立されており、それぞれ底壁72Aと上壁72EとをZ方向に繋いでいる。底壁72A、左側壁72B、右側壁72C、後側壁72D及び上壁72Eによって、収容室74が構成されている。換言すると、収容室74の内側には、−Y側に向けて開口された空間部75が形成されている。
蓋部材73は、筐体72の−Y側の開口全体を覆う大きさ及び形状を有する。また、蓋部材73は、左側壁72Bの−Y側端部に、Z方向を軸方向とする図示しない蝶番を用いて設けられている。つまり、蝶番の軸周りに蓋部材73の右端部を−Y側に回転移動させることで、収容室74が開放される。また、蓋部材73の右端部をY側に回転移動させることで、収容室74が閉塞される。蓋部材73は、収容室74を囲む4つの側壁の1つを構成している。なお、蓋部材73を移動させる構造は、観音開き構造、スライド構造などの他の構造であってもよい。
収容室74は、一例として、収容室24(図1参照)がZ方向にカバー部材50の高さの2倍に相当する高さ分だけ拡大された構成とされている。収容室74のX方向及びY方向の大きさは、一例として、収容室24のX方向及びY方向の大きさと同じとされている。
加熱部80の基本構成は、加熱部40(図1参照)と同様であるが、ヒータ44及びリフレクタ46の組数が増えている点が、加熱部40とは異なっている。複数組のヒータ44及びリフレクタ46は、収容室74内において、左側壁72Bに対する+X側と、右側壁72Cに対する−X側とに配置され、且つZ方向に間隔をあけて配置されている。そして、加熱部80の複数のヒータ44は、X方向から、3つのカバー部材50に向けて加熱を行う構成とされている。
次に、第2実施形態のレンズアニール装置60及びレンズ加熱処理方法の作用について説明する。
図11には、第1実施形態の上端部35(図5参照)に換えて、上端部95が設けられた台座部30及びレンズ12が示されている。上端部95は、位置決め部の一例である。
レンズアニール装置10は、台座部30にレンズ12の位置決めのための上端部35が設けられておらず、筒体34の上端面にレンズ12を載せる構成であってもよい。上端部35は、筒体34に形成された構成に限らず、筒体34とは別体とされ、筒体34に取付けられた構成であってもよい。また、レンズアニール装置10は、上端部35がレンズ12の外周部16と接触される構成であってもよい。
Claims (11)
- 収容室の内側に設けられレンズが光軸方向を載置方向として載せられた台座部と、
前記収容室の内側の気体を加熱する加熱部と、
前記収容室の内側の空間部を前記レンズ及び前記台座部が配置された内側空間部と前記加熱部が配置された外側空間部とに仕切る金属製の仕切部材と、
を有し、
前記仕切部材は、中空且つ前記光軸方向から見た場合に光軸対称に形成され、前記レンズの光軸を中心軸として前記収容室内に配置され、
前記光軸方向と直交する直交方向における前記レンズから前記仕切部材までの長さが、前記光軸方向における前記レンズから前記仕切部材までの長さよりも短くされ、
前記加熱部が前記直交方向から前記仕切部材を加熱するレンズ加熱装置。 - 前記台座部には、前記レンズと接触されることで、前記光軸と前記中心軸とが一致する位置に前記レンズを位置決めさせる位置決め部が設けられている請求項1に記載のレンズ加熱装置。
- 前記位置決め部は、前記レンズの有効径範囲の外側で且つ該有効径範囲の内側の曲面と連続する被位置決め部と接触される請求項2に記載のレンズ加熱装置。
- 前記レンズは、前記光軸方向に突出された光学面を有し、
前記レンズの径方向において、前記光軸から前記台座部の外周までの長さは、前記光軸から前記光学面の外周までの長さよりも長い請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレンズ加熱装置。 - 前記台座部は、
前記直交方向から見た場合に光軸対称に形成され、常温において前記仕切部材と前記直交方向に接触する接触部と、
前記接触部から前記光軸方向に直立され前記レンズを支持する支持部と、
を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレンズ加熱装置。 - 前記光軸方向における前記接触部の厚さに相当する第1長さは、前記直交方向における前記仕切部材の厚さに相当する第2長さよりも長く、且つ前記光軸方向における前記支持部の高さに相当する第3長さよりも短い請求項5に記載のレンズ加熱装置。
- 前記仕切部材の熱膨張率は、前記接触部の熱膨張率よりも大きい請求項5又は請求項6に記載のレンズ加熱装置。
- 前記レンズの熱伝導率は、前記台座部の熱伝導率よりも大きくされ、
前記仕切部材の熱伝導率は、前記台座部の熱伝導率よりも大きい請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のレンズ加熱装置。 - 前記収容室は、前記中心軸の軸方向から見た場合に四角形状に配置された4つの側壁に囲まれ、
前記中心軸は、前記直交方向のうち一方向に対向する2つの前記側壁からの距離が等しくなる位置で、且つ該一方向と直交する他の方向に対向する2つの前記側壁からの距離が等しくなる位置に配置されている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のレンズ加熱装置。 - 前記加熱部は、前記一方向の一方側と他方側とに配置され且つ前記光軸に対して対称に配置された複数のヒータを有する請求項9に記載のレンズ加熱装置。
- 光軸を囲む側面を有するレンズを収容室の内側に設けられた台座部に光軸方向に沿って載せる工程と、
前記光軸に対して対称に形成された仕切部材を用いて、前記収容室の内側の空間部を、前記レンズ及び前記台座部が配置された内側空間部と、加熱部が配置された外側空間部とに仕切る工程と、
前記レンズを覆った前記仕切部材を、前記光軸方向と直交する直交方向に前記加熱部が加熱することで、前記側面を加熱する工程と、
を有するレンズ加熱処理方法。
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JP2018131098A JP6968039B2 (ja) | 2018-07-10 | 2018-07-10 | レンズ加熱装置及びレンズ加熱処理方法 |
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CN112631052A (zh) * | 2021-01-20 | 2021-04-09 | 范聪洁 | 一种光学设备加温保护系统 |
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