JP2020007054A - 医療材料管理システムおよび医療材料管理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
他方、医療材料にデータラベルを貼り付けて管理することが知られている(特許文献1)。
本発明において「RFIDインレイ」は、比較的近距離の無線通信を行うためのアンテナ付きのICチップであり、RFIDタグ、無線タグともいう。
本発明において「倉庫」とは、医療材料を保管するための保管場所を意味する。
(1−1)医療材料管理システムの概要
先ず、従来の医療材料管理システムと本実施形態の医療材料管理システムの相違について、図1および図2を参照して説明する。図1は、従来の医療材料管理システムによる作業手順を説明する概略図である。図2は、本実施形態の医療材料管理システムによる作業手順を説明する概略図である。
手術室において患者の手術予定が決定されると、手術室において手術予定表が発行され、倉庫に配布される(作業S1)。手術予定表は、手術ごとに、手術予定日時、主治医名、患者情報(患者氏名や患者ID等)、術式、麻酔方法(全身、局所)、ルーム(手術を実施する部屋番号等)、看護師名等の情報が記載されている帳票である。
検品作業で問題がなければ、例えば手術前日に、出庫した医療材料を含む複数のトレイをカートCTに載せ(作業S5)、手術室まで搬送する(作業S6)。手術によっては2以上のカートCTが必要となる場合もある。なお、カートCTの進捗状況は、別の帳票を用いて手書きで行われる。
先ず、物流センターから病院に順次納入される医療材料に対して1点ずつ、必要な情報が記録されたRFID(Radio Frequency Identification)ラベルを取り付ける作業が行われ(作業S12)、その後に病院内の倉庫(院内SPD倉庫)の在庫棚に配置される。
作業S4aでは、各トレイ内の医療材料に対する目視による検品作業ではなく、リーダライタ装置を用いた一括スキャンによって検品処理を行う。医療材料ごとにRFIDラベルが取り付けられているため、RFIDラベルに記録されているデータをリーダライタ装置が読み取ることで目視による検品の煩雑な作業が解消される。
作業S9aでは、各トレイ内の医療材料に対する目視による回収作業ではなく、リーダライタ装置を用いた一括スキャンによって回収処理を行う。当該回収処理において読み取られたデータと、検品処理において読み取られたデータとをコンピュータ上で比較することで、手術での医療材料ごとの使用数の情報(使用実績)を得ることができる。
複数の物品がセットで1つのパッケージ(袋や箱等)に含まれている場合、当該パッケージにRFIDラベルを取り付ける場合には当該パッケージが1アイテムであり、当該パッケージから複数の物品を取り出して物品ごとにRFIDラベルを取り付ける場合には、1物品が1アイテムとなる。例えば1袋に10本の針が含まれている場合に、当該袋から10本の針を取り出して各針にRFIDラベルを取り付けるときには、1本ずつの針が1アイテムに相当する。要するに、RFIDラベルによって管理の対象となる医療材料の単位が1アイテムに相当する。
図2に示したように、本実施形態の医療材料管理システムでは、アイテムに対して1点ずつ、必要な情報が記録されたRFIDラベル(以下、単に「ラベル」という。)を取り付ける作業が行われる(図2の作業S12)。
以下では、図3〜図7を参照して、本実施形態の医療材料管理システムにおいてラベルを発行するときの処理について説明する。
図3は、本実施形態の医療材料管理システムにおいて、ラベルの発行方法の一例を説明する図である。図4は、ラベルに含まれるRFIDインレイを説明する図である。図5は、本実施形態の医療材料管理システムにおいて、ラベルの発行方法の別の例を説明する図である。図6は、図5に示す医療材料管理システムのブロック図である。図7は、本実施形態の医療材料管理システムにおいて、ラベルの発行方法のさらに別の例を説明する図である。
図3に示すように、物流センターから病院に納入されるアイテムIMには、アイテムラベルILが取り付けられている。アイテムラベルILには、アイテム名、メーカー、アイテムの詳細情報(コード番号、アイテム名、有効期限、ロット番号、シリアル番号等)の情報が記載されているとともに、これらの情報を含むコード情報(例えば、バーコードや2次元コード等)が記載されている。
なお、図3は、アイテムに取り付けられているラベルにアイテムの情報が含まれている場合について例示するが、アイテムの情報の取得元はその限りではない。アイテムにラベルが取り付けられていない場合には、アイテム若しくはアイテムの外装品に直接表示されている場合がある。
また、複数のアイテムが梱包された単一のパッケージの表面、あるいは当該パッケージに取り付けられたラベルに、各アイテムの情報が記載されている場合もある。そのため、アイテムに関する情報は、アイテムの包装単位に応じて、個装(最小の包装単位)、販売包装単位(中レベルの包装単位)、元梱包単位(ダンボール等の大レベルの包装単位)のいずれかから取得してもよい。
あるいは、アイテムに関する情報は、アイテムの納品書若しくは請求書の役割を有するオーダーカードやオーダーラベルから取得してもよい。
プリンタ7は、RFIDインレイが内蔵されたラベルLを発行する。コードリーダ8は、アイテムラベルILのコード情報を読み取ってプリンタ7に送信する。プリンタ7は、コードリーダ8から受信したコード情報をラベルL内のRFIDインレイに書き込み、発行する。ラベルLの発行に際してプリンタ7は、コード情報に含まれるアイテムの情報をラベルLの印字面に印字してもよい。
図4に示すように、アイテムデータの一例は、コード番号、アイテム名、ロット番号、有効期限、および、出庫回数の各データを含む。コード番号、アイテム名、ロット番号、有効期限の各データは、アイテムラベルILのコード情報から得られた情報であり、プリンタ7によってRFIDインレイINLに書き込まれる。出庫回数のデータについては後述するが、在庫棚から出庫された回数を意味しており、後述する回収処理において書き込まれる。
ストレージ72は、例えばSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。ストレージ72には、各ラベルLにアイテムの情報を印字するときの印字フォーマットの情報を格納してもよい。
モータ駆動部73は、制御部21からの搬送要求に応じて、当該搬送要求によって指定される搬送方向(順方向あるいは逆方向)および搬送量で連続紙を搬送させる。指定された搬送方向および搬送量は、例えばステッピングモータの回転方向およびステップ数に対応している。モータ駆動部73は、当該回転方向およびステップ数に基づいてステッピングモータを駆動する。
制御部21は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM,ROM)を含み、携帯端末2の動作を制御する。携帯端末2には、第1の管理アプリケーションプログラム(以下、単に「第1の管理アプリケーション」という。)がインストールされている。
ストレージ22は、例えばSSD等の記憶装置であり、上記第1の管理アプリケーションが格納されている。制御部21は、ストレージ22から第1の管理アプリケーションを読み出して実行する。制御部21は、第1の管理アプリケーションの実行結果を表示部24に表示する。
操作入力部23は、担当者の操作入力を受け付ける入力インタフェースである。携帯端末2がタブレット端末の場合、操作入力部23に含まれるタッチパネル画面が操作入力部23に対応する。表示部24は、例えば液晶表示パネルと表示駆動回路を有する。
通信部25は、プリンタ7およびサーバ5と通信を行うための通信インタフェースである。
制御部51は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM,ROM)を含み、サーバ5の動作を制御する。ストレージ52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置であり、各種データベースが格納されている。各種データベースには、各アイテムのアイテム番号に対応付けてアイテムの詳細データが記述されたアイテムデータベース(図示せず)が含まれる。
制御部51は、携帯端末2からの要求に応じてストレージ52にアクセスし、アイテムデータベースにデータを記憶し、あるいはアイテムデータベースからデータを読み出して携帯端末2に送信する。
・材料区分…例えば、「医療材料」、「医薬品」
・薬事法承認番号…薬事法による医療用具の承認番号および許可番号
・分類名(大分類)…例えば、「治療用器材」、「診断および検査用記載」
・分類名(中分類)…例えば、「ドレ−ン及びドレナ−ジセット」、「造影用器材」
・分類名(小分類)…例えば、「腹部用ドレナ−ジセット」、「血管造影用ガイドワイヤー」
・特徴・用途…例えば、「膵腸吻合法用チューブ」、「ガイドワイヤー」
・素材…例えば、「ポリ塩化ビニル」、「アルミニウム」、「アロイ」、「ポリウレタン」
・課税区分…「課税」、「非課税」
・医療機器クラス分類…例えば、「クラスII、「クラスIV」
・生物由来製品…例えば、「通常品」、「生物由来」
・定価
・償還価格(国が定めた価格)
・保険請求区分…例えば、「条件償還」、「償還価格」
・棚番(例えば、在庫棚の中の配置エリアを示すロケーションデータ)
・特定器材コード(「レセ電算コード」や「支払い基金コード」ともいう。)
・UID(シリアル番号)
・患者ID
・オーダー登録担当ID(オーダー登録を行った担当者のID)
・ピッキング担当ID(検品処理をした担当者のID)
・搬送担当ID(搬送処理をした担当者のID)
・回収担当ID(回収処理をした担当者のID)
・報告担当ID(報告処理をした担当者のID)
・作業日時
・不動日数(在庫棚に停滞したままの状態の継続日数)
・切迫期限(有効期限から所定月または所定日前に設定された期限)
・有効期限
・出庫回数
・ロット番号
・ロケーションID(例えば、グローバルロケーション番号(GLN))
・コード番号
・アイテム名
・製造者名
要求メッセージを受信した携帯端末2は、当該要求メッセージをサーバ5に送信する。サーバ5は、要求メッセージに含まれるコード番号をキーとしてアイテムデータベースを検索し、コード番号に対応する詳細データを読み出す。サーバ5は、読み出したアイテムの詳細データを携帯端末2に送信する。携帯端末2は、受信したアイテムの詳細データをプリンタ7に送信する。
プリンタ7の制御部71は、アイテムのアイテムラベルから読み取った情報(コード番号、アイテム名、有効期限、ロット番号、シリアル番号等)のほか、サーバ5から取得した詳細データの少なくとも一部を、アイテムデータとしてラベルLのRFIDインレイINLに書き込むようにRFIDリーダライタ76を制御する。
アイテムに関連する様々なデータをRFIDインレイINLに書込み、当該RFIDインレイINLを含むラベルLをアイテムに貼付することで、病院内の様々な医療行為あるいは医事業務に必要となるデータを適時に収集することが可能となる。
次に、マスタ登録、オーダー登録、検品処理、回収処理の各処理(プロセス)を実行する医療材料管理システム1Dについて、図8〜図13を参照して説明する。
図8は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいてマスタ登録、オーダー登録、検品処理、回収処理を行う場合のシステム構成を示す図である。図9は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて検品処理後の作業を説明する図である。図10は、図8に示す医療材料管理システム1Dのブロック図である。図11は、手術セットマスタデータベースのデータ構成例を示す図である。図12は、オーダーデータベースのデータ構成例を示す図である。図13は、検品データベースのデータ構成例を示す図である。
図11に示すように、手術セットマスタデータベースには、手術の術式を識別する術式ID(方式識別情報の例)ごとに、診療科、術式、各トレイ(T1,T2,…)に含まれるべきアイテムとその数量の各フィールドのデータが記述されている。以下の説明では、手術セットマスタデータベースの各レコードのデータ(術式IDごとのデータ)を「マスタデータ」という。後述するように、術式セットごとのマスタ登録は、特定の術式の手術に必要となる複数のアイテムをトレイごとにスキャンしてアイテムデータを読み取ることによって行われる。
特定の手術の術式に対するマスタデータは、同一の術式の手術のオーダーに対する検品処理を行うときの基準となる。いったん特定の手術の術式に対するマスタデータが作成されれば、それ以降、同一の術式の手術のオーダーに対する検品処理において同じマスタデータを参照することができる。マスタデータは随時、編集あるいは消去可能である。
なお、本実施形態ではマスタ登録をトレイ単位で行う場合を例示するが、その限りではない。
図12に示すように、オーダーデータベースは、手術を特定するオーダー番号(オーダーNo.)ごとに、手術予定日時(提供日時の例)、診療科、ルーム(手術を実施する部屋番号)、患者を識別する患者ID、主治医を識別するドクターID、術式ID、プロセスステータスの各フィールドのデータが記述されている。以下の説明では、オーダーデータベースの各レコードのデータを「オーダーデータ」(オーダー情報の例)という。
・「準備」…術前(つまり、医療行為が前記患者に提供される前)の検品処理の開始前の状態(第1オーダー状態の例)
・「検品」…術前の検品処理の開始後の状態(第2オーダー状態の例)
・「搬送」…術前の検品処理が完了した後、術後に手術に使用されなかったアイテムに対する回収処理を開始する前の状態(第3オーダー状態の例)
・「回収」…術後の回収処理の開始後の状態(第4オーダー状態の例)
・「報告」…術後の回収処理が完了し、医事報告書が提出された状態
本実施形態の医療材料管理システム1Dでは、リーダライタ装置3によるスキャン結果がサーバ5内の検品データベースに保存される。
・「期限切れ」(第1状態の例):現在時刻を基準としてアイテムの有効期限が経過済みである状態
・「期限切迫」(第2状態の例):現在時刻を基準としてアイテムの有効期限が近い(つまり、現在時刻を基準として有効期限までの時間が所定時間以下である)状態
・「出庫過多」(第3状態の例):在庫棚から出庫された回数(出庫回数)が所定値以上の状態
・「過剰」(第4状態の例):マスタデータによって記述されるアイテム数量(つまり、必要となるアイテム数量)よりも、スキャン結果で得られたアイテムの数量が多い(過剰である)状態、または、ピッキングすべきでない別のアイテムが含まれた状態
・「欠品」(第5状態の例):マスタデータによって記述されるアイテム数量よりも、スキャン結果で得られたアイテムの数量が少ない(不足している)状態、または、アイテムが検品されていない状態
・「正常」(第6状態の例):上記のいずれの状態にも該当せず、アイテムに問題がない状態
携帯端末2、リーダライタ装置3、および管理装置4は、それぞれサーバ5と例えばローカルエリアネットワーク(LAN)等のネットワークNWを介して通信可能である。
医療材料管理システム1Dでは、ピッキング担当者は、ピッキングリストにおいてトレイ単位に分けて記述されている複数のアイテムを在庫棚から取り出し(出庫し)、ピッキングリストで指定されているトレイごとにアイテムを配置する。そして、トレイ単位でリーダライタ装置3を使用して、検品処理が行われる。検品処理後には、図9に示すように、複数のトレイT1〜T5がカートCTに載せられて手術室まで搬送される。
医療材料管理システム1Dでは、回収担当者は、手術室から戻されたカートCTに含まれる各トレイを対象として、リーダライタ装置3を使用して回収処理を行う。検品処理の具体的な内容については後述する。
管理装置4は、現在の日付を基準に手術予定日時が近い1または複数のオーダーについて、オーダー内容、プロセスステータス、アイテムステータスが一目で分かるように表示するように構成されている。
医療材料管理システム1Dでは、サーバ5のストレージ52は、手術セットマスタデータベース、オーダーデータベース、および、検品データベースを格納する。
制御部31は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM,ROM)を含み、リーダライタ装置3の動作を制御する。
読み書き部32(読取部、書込部の一例)は、検品処理を行うときに制御部31による制御の下、収容部3h(図8参照)に収容されたアイテムに貼付されたラベルのRFIDインレイを読み取る。収容部3hには、複数のアイテムが配置されたトレイが配置される。読み書き部32は、当該トレイ内のアイテムに対応するRFIDインレイから一括してアイテムデータを読み取る。
通信部33は、サーバ5と通信を行うための通信インタフェースである。通信部33は、読み書き部32によるスキャン結果(読み取り結果)をサーバ5に送信する。
制御部41は、マイクロコンピュータおよびメモリ(RAM,ROM)を含み、管理装置4の動作を制御する。管理装置4には、第2の管理アプリケーションプログラム(以下、単に「第2の管理アプリケーション」という。)がインストールされている。第2の管理アプリケーションと、携帯端末2にインストールされている第1の管理アプリケーションとは、サーバ5の各データベースを参照して、各オーダーの情報、各オーダーのプロセスステータス、各オーダーにおけるアイテムステータスを表示する点では共通するが、後述するように表示態様が異なる。
操作入力部43は、担当者の操作入力を受け付ける入力インタフェースである。例えば、管理装置4を起動するボタン操作や、第2の管理アプリケーションを読み出す操作等の操作入力を受け付ける。表示部44は、例えば液晶表示パネルと表示駆動回路を有する。
通信部45は、サーバ5と通信を行うための通信インタフェースである。
さらにサーバ5の制御部51(第2判定部の例)は、オーダーデータベースに記録されている各オーダーが「準備」、「検品」、「搬送」、「回収」、「報告」のいずれのプロセスステータスであるか判定する。判定結果としてのプロセスステータスは、オーダーデータベースの「プロセスステータス」フィールドに書き込まれる。
サーバ5の制御部51は、リーダライタ装置3から送信されるスキャン結果がマスタ登録において行われた場合には、当該スキャン結果を術式IDと対応付けて手術セットマスタデータベースに書き込む。サーバ5の制御部51は、リーダライタ装置3から送信されるスキャン結果が検品処理において行われた場合には、当該スキャン結果をオーダー番号と対応付けて検品データベースに書き込む。
次に、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて、各プロセスにおける処理フローと表示態様について、図14〜図29を参照して説明する。
以下、マスタ登録の処理について図14および図15を参照して説明する。図14は、本実施形態の医療材料管理システムにおいてマスタ登録を行うときのシーケンスチャートである。図15は、本実施形態の医療材料管理システムにおいてマスタ登録を行うときの携帯端末の画面遷移を例示する図である。
なお、入力部i1においてトレイごとのロケーションデータ(棚番等、倉庫内の位置に関する情報)を入力できるようにしてもよい。その場合、マスタデータには、各トレイのロケーションデータが含まれる。
携帯端末2はスキャン結果を受信すると、例えば図15の画面g2に示すようにスキャン結果を表示する(ステップS26)。画面g2は、入力部i1に対する入力結果を表示する第1表示領域A11と、登録指示を受け付けるボタンb3(「登録」)を表示する第2表示領域A12と、スキャン結果を表示する第3表示領域A13と、を含む。
画面g2においてボタンb3(「登録」)が操作されると(ステップS27:YES)、携帯端末2は、登録要求(第1要求の例)をサーバ5に送信する(ステップS28)。
登録要求に応じてサーバ5は、ステップS24で受信したスキャン結果を、ステップS21で受信したスキャン指示に含まれる診療科、術式名、トレイIDのデータと関連付けて、手術セットマスタデータベースに記録する(ステップS27)。このとき、未登録の術式名については新たな術式IDが設定され、術式IDと対応付けて、診療科、術式名、トレイID、スキャン結果を含むレコードがマスタデータとして記録される(図11の例では、術式ID:「HC−2」)。
マスタデータの記録が完了すると、サーバ5は、携帯端末2に対して登録結果の応答を返す(ステップS30)。
次に、オーダー登録の処理について図16〜図18を参照して説明する。図16は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいてオーダー登録を行うときのシーケンスチャートである。図17は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいてオーダー登録を行うときの携帯端末の画面遷移を例示する図である。図18は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいてオーダー登録を行った後の管理装置の画面例を示す図である。
オーダー登録要求を受信したサーバ5は、オーダー登録要求に含まれる入力データを基に、オーダーデータベース(オーダーDB)に対して新たなレコードを追加する(ステップS36)。図12のオーダーデータベースでは、オーダー番号が「Q12」のレコードが追加された例が示される。オーダー登録を行う段階では、対応する手術は検品開始前の状態であるため、新たなレコードにおいて「プロセスステータス」のフィールドには「準備」が書き込まれる。
携帯端末2は、受信したオーダーデータを図17の画面g4に示す表示態様で表示する(ステップS40)。画面g4は、現時点で処理中のオーダーの一覧を表示する基本画面であり、日付表示部tdとオーダー表示部100aを含む。
オーダー表示部100aは、プロセスステータス表示部101aと詳細表示部102aを有する。プロセスステータス表示部101aには、新たに登録されたオーダーのプロセスステータスが表示される。詳細表示部102aには、新たに登録されたオーダーの詳細な内容が表示される。
日付表示部tdには初期値として現在日付が表示されるが、日付は矢印ボタンdc1,dc2によって変更可能である。日付を変更することで、別の日付のオーダーを表示させることができる。
管理装置4の表示画面には、倉庫内の複数の担当者が現在の進捗状況を確認できるように、日付表示部TDに表示される現在日付を基準として、現時点で処理中の複数のオーダーが表示される。
画面の左部分LA(第2部分の例)は、現在時刻を基準として例えば前日(所定の第2期間内の例)が手術予定日時である1または複数のオーダーを表示する部分である。つまり、画面の左部分LAには、術後のオーダーが表示される。左部分LAは、術後の1または複数のオーダーの進捗状況のパーセント表示P2を含む。パーセント表示P2は、術後のすべてのオーダーのうち、処理が完了しているオーダーの割合を示す。
画面の右部分RA(第1部分の例)は、現在時刻を基準として例えば2日後(所定の第1期間内の例)が手術予定日時である1または複数のオーダーを表示する部分である。つまり、画面の右部分RAには、術前のオーダーが表示される。なお、所定日は任意に設定可能である。右部分RAは、術前の1または複数のオーダーの進捗状況のパーセント表示P1を含む。パーセント表示P1は、術前のすべてのオーダーのうち、処理が完了しているオーダーの割合を示す。
第1期間および第2期間は任意の値に設定することが可能である。
次に、検品処理について図19〜図22を参照して説明する。図19は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて検品処理を行うときのシーケンスチャートである。図20は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて検品処理を行うときの携帯端末の画面遷移を例示する図である。図21は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて検品処理を行うときの携帯端末の画面遷移を例示する図である。図22は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて検品処理中における管理装置の画面例を示す図である。
画面g6は、術式名と選択されたトレイとともにボタンb6(「スキャン開始」)を表示する第1表示領域A21と、アイテムステータスごとのアイテム数を表示する第2表示領域A22と、選択されたトレイに含まれるべきアイテムリストを表示する第3表示領域A23と、を含む。
なお、アイテムリストを表示するために、携帯端末2は、サーバ5が有する手術セットマスタデータベースにアクセスしてもよい。
また、各アイテムのアイテムデータにロケーションIDが記録されている場合、または、各アイテムが配置されるトレイのロケーションデータ(棚番等)が記録されている場合には、ロケーションIDやロケーションデータを、各アイテムと対応付けて表示してもよい。
作業者は、胃全摘術セットにおいてトレイT1に配置すべきすべてのアイテムをトレイT1に載せた後に、トレイT1をリーダライタ装置3の収容部3h内に配置する。すると、自動的に、あるいは所定のリーダライタ装置3に対する操作に応じて、リーダライタ装置3はトレイT1内のすべてのアイテムの一括読み取りを実行し(ステップS54)、スキャン結果をサーバ5に返す(ステップS56)。なお、ステップS54では、必要に応じて各アイテムにデータを書き込んでもよい。例えば、後述する第3の実施形態では、各アイテムに患者IDが書き込まれる。
さらにサーバ5は、オーダーデータベースにおいて当該オーダー番号のレコードの「プロセスステータス」フィールドの値を「準備」から「検品」に書き換えるようにして、オーダーデータベース(オーダーDB)を更新する(ステップS61)。なお、最初のトレイに対する検品処理が開始された時点で、プロセスステータスが更新される。
具体的には、ステップS58では、サーバ5は、マスタデータのうち対応するトレイに含まれるべきアイテムのデータ(コード番号、アイテム名、数量)と、スキャン結果に含まれるアイテムのデータ(コード番号、アイテム名、数量)とを比較し、スキャン結果に含まれるアイテムの過不足の有無を決定する。さらに、サーバ5は、当該過不足の有無と、スキャン結果に含まれる各アイテムの有効期限および出庫回数の値とを基に、アイテムステータスを決定する。アイテムステータスは、「正常」、「期限切れ」、「期限切迫」、「過剰」、「欠品」、「出庫過多」のいずれかの状態である。
サーバ5は、ステップS60において新たに追加したレコードに、受信したスキャン結果に含まれる各アイテムのデータを書き込むとともに、ステップS58で決定した各アイテムのアイテムステータスを書き込む。
携帯端末2は、受信した検品結果を図21の画面g7に示す表示態様で表示する(ステップS64)。画面g7は、画面g6と同様の表示態様である。
画面g7の第2表示領域A22には、受信した検品結果に基づき、アイテムステータスごとのアイテム数が含まれる。
画面g7の第3表示領域A23には、受信した検品結果に基づき、選択されたトレイに含まれているアイテムのスキャン結果が表示される。第3表示領域A23の「数量」の欄において、分子がスキャン結果に基づく数の値である。画面g7に示す例では、表示されている各アイテムについて、マスタデータにおける数量とスキャン結果に基づく数量とが一致しており、表示されている各アイテムが過不足なくトレイT1に含まれていることがわかる。
第2表示領域A22では、各アイテムステータスの数量をアイテムステータスの優先順位の順番で表示させることが好ましい。
強調表示は、警告出力の一例であるとともに、アイテムステータスに応じて異なる表示態様とする一例である。例えば、アイテムステータスごとに異なる色、模様、若しくは輝度を対応付け、第3表示領域A23のアイテムリストのうちアイテムステータスが「正常」ではないアイテムの行を、当該アイテムステータスに対応付けられた色、模様、若しくは輝度で表示してもよい。
画面g8には、ボタンb7(「搬送」)を含む。ボタンb7(「搬送」)は、すべてのトレイに対するスキャンを行って検品処理が終了した場合に操作されるボタンである。
なお、画面G2には、他のオーダーとして、術後のオーダーに対するオーダー表示部100Bと、術前のオーダーに対するオーダー表示部100Cとが例示されている。
次に、搬送処理について図23〜図26を参照して説明する。図23は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて検品処理が終了した後の携帯端末の画面例を示す図である。図24は、ピッキングリストの一例を示す図である。図25は、ピッキングヘッダの一例を示す図である。図26は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて検品処理が終了した後の管理装置の画面例を示す図である。
ボタンb8は、ピッキングリストを出力するためのボタンである。携帯端末2をプリンタ(図示せず)に接続した状態でボタンb8を操作することで、ピッキングリストがプリンタから印字出力される。図24に例示するように、ピッキングリストには、検品処理を経た各トレイT1,T2,…に含まれるアイテムの一覧が記載されている。ピッキングリストは、手術前に手術室に提出される帳票である。図24に例示するピッキングリストでは、1つずつのアイテムに対応して1行にアイテムのロット番号および有効期限を含むように表示する例であるが、その限りではない。同一のアイテム(つまり、同一のコード番号のアイテム)については、まとめて1行で表示し、ロット番号および有効期限の表示に代えて数量を表示してもよい。
ボタンb9は、ピッキングヘッダを出力するためのボタンである。携帯端末2をプリンタ(図示せず)に接続した状態でボタンb9を操作することで、図25に例示するピッキングヘッダがプリンタから印字出力される。ピッキングヘッダは、トレイを収容したカートCT(図9参照)に作業者によって貼付される。カートCTにピッキングヘッダを貼付することで、病院内を搬送されるカートCTがどの手術に使用されるアイテムを収容しているのか認識することができる。
次に、回収処理について図27〜図29を参照して説明する。図27は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて回収処理を行うときのシーケンスチャートである。図28は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて回収処理を行うときの携帯端末の画面遷移を例示する図である。図29は、本実施形態の医療材料管理システム1Dにおいて回収処理中における管理装置の画面例を示す図である。
携帯端末2が実行する第1の管理アプリケーション上で、回収対象となるオーダー表示部を選択操作すると、図28の画面g10に示すように、トレイリストが表示される。画面g10には、対応するオーダーの術式名の手術に必要となる複数のトレイのいずれかを選択入力するための入力部i4が含まれる。ここで、例えばトレイT1が選択された場合、画面g11が表示される。
画面g11は、術式名と選択されたトレイとともにボタンb10(「スキャン開始」)を含む。
作業者は、手術室から搬送されたカートCTからトレイT1を取り出してリーダライタ装置3の収容部3h内に配置する。すると、自動的に、あるいは所定のリーダライタ装置3に対する操作に応じて、リーダライタ装置3はトレイT1内のすべてのアイテムの一括読み取りを実行するとともに、各アイテムに書き込みを行う(ステップS74)。各アイテムに対する書き込みは、各アイテムのアイテムデータ(図4参照)のうち「出庫回数」の値を1つ増加させる処理である。つまり、手術室から返却されたアイテムは手術で使用されずに在庫棚に戻す(再度入庫する)アイテムであるため、在庫棚から出庫された回数(出庫回数)を1つ増加させる。
サーバ5は、ステップS76で受信したスキャン結果を、オーダー番号に対応する検品データと照合し(ステップS78)、手術室で使用されたアイテム(使用実績)を特定する(ステップS80)。さらにサーバ5は、オーダーデータベースにおいて当該オーダー番号のレコードの「プロセスステータス」フィールドの値を「搬送」から「回収」に書き換えるようにして、オーダーデータベース(オーダーDB)を更新する(ステップS82)。なお、最初のトレイに対する回収処理が開始された時点で、プロセスステータスが更新される。
携帯端末2は、受信した回収結果を、図28の画面g12に示す表示態様で表示する(ステップS86)。画面g12は、検品時の画面g7と同様の表示態様である。画面g12の第2表示領域A32には、受信した回収結果に基づき、選択されたトレイに含まれているアイテムのスキャン結果が表示される。 第2表示領域A32では、各アイテムステータスの数量をアイテムステータスの優先順位の順番で表示させることが好ましい。
第3表示領域A33は、選択されたトレイに対応するアイテムリストのアイテムごとのスキャン結果が表示される。第3表示領域A33には、各アイテムの有効期限や出庫回数の値が含まれる。第3表示領域A33の「数量」の欄では、分母が検品データに基づく数の値であり、分子がスキャン結果に基づく数の値である。
なお、「数量」の欄の内容に基づいて、各行の表示態様を異ならせてもよい。例えば、画面g12では、リーダライタ装置3によって少なくとも1個読み取られたアイテムに対応する行を強調表示する例が示される。
「数量」の欄の内容に基づいて各行の表示態様を異ならせる他の方法として、リーダライタ装置3によって少なくとも1個読み取られたアイテムに対応する行を、1個も読み取らなかったアイテムに対応する行と比較して異なる色、模様、若しくは輝度とする方法が挙げられる。
画面G4では、画面G3に対して、オーダー表示部100Aのプロセスステータス表示部101Aが「搬送」から「回収」に切り替わっている。また、詳細表示部102Aでは、回収の進捗状況が棒状に表示される(図29の例では、「回収中(4/5)」)。回収の進捗状況は、例えば、スキャン対象となるトレイの総数に対するスキャン済みのトレイの数で表される。
最後に、すべてのトレイ上にあるアイテムを在庫棚に戻す作業(図2の作業S10)を行うことで、1回の手術に対するアイテムの管理が終了する。なお、アイテムのアイテムデータにロケーションIDやロケーションデータが含まれている場合には、図28の画面g12において各アイテムに対応付けてロケーションIDやロケーションデータを表示することが好ましい。それによって、アイテムを、ロケーションIDやロケーションデータによって特定される倉庫内の位置に円滑に返却することが可能となる。
本実施形態の医療材料管理システムによれば、手術の術式IDごとに、当該手術に必要となる複数のアイテムデータをマスタデータとしてサーバ5に記録するように構成される。そのため、いったんマスタデータが作成されれば、それ以降、同一の術式の手術のオーダーに対する検品処理において同じマスタデータを参照することができるため、検品処理の手間が従来よりも格段に削減される。
本実施形態の医療材料管理システムによれば、検品データをサーバ5に保存し、術後の残りのアイテムを一括スキャンした結果と、当該検品データとを比較することで、アイテムの使用実績が情報処理によって直ちに特定できる。そのため、回収処理の手間が従来よりも格段に削減される。
次に、第2の実施形態について、図30〜図32を参照して説明する。図30は、本実施形態の医療材料管理システムにおけるピッキングヘッダの一例を示す図である。図31は、本実施形態の医療材料管理システムにおいて使用されるリストバンドの平面図である。図32は、本実施形態の医療材料管理システムのシステム概要を示す図である。
そのために本実施形態の医療材料管理システムでは、カートに貼付されるピッキングヘッダと、患者との間で術前に照合をとるように構成される。
図30に示すピッキングヘッダ500(第2記録媒体の一例)は、図25に示したものと比較して、バーコードbc1が追加された点で異なる。バーコードbc1が示す情報には、少なくとも患者ID(第2患者識別情報の一例)が含まれるが、オーダー番号、ルーム、術式ID、ドクターID等の他の情報が含まれていてもよい。図30のピッキングヘッダ500がカートCTに貼付されて手術室まで搬送される。
図31に示すように、リストバンド9の本体部91(第1記録媒体の一例)には、患者の名前や患者ID等の患者情報91aと、当該患者情報を含むコード情報であるバーコード91bとが印字されている。リストバンド9は、複数設けられている突起92のいずれか2つを孔93に挿入(セット)することで患者の手首に装着するように構成されている。
バーコード91bには、少なくとも患者ID(第1患者識別情報)が含まれるが、オーダー番号、ルーム、術式ID、ドクターID等の他の情報が含まれていてもよい。
本実施形態では、携帯端末2は、図6に示した構成に加え、バーコードリーダを備える。バーコードリーダは、ピッキングヘッダ500に含まれるバーコードbc1と、リストバンド9に含まれるバーコード91bとをスキャンして各コードから患者IDを読み出すように構成されている。
本実施形態の医療材料管理システム1Eでは、ピッキングヘッダ500が貼付されたカートCTが手術室に搬送されると、患者PAとの照合が行われる。具体的には、携帯端末2の制御部21は、バーコードbc1から得られた患者IDと、バーコード91bから得られた患者IDとが一致する場合には、照合結果がOKと判断し、一致しない場合には照合結果がNGと判断して表示部24(出力部の一例)に対して警告出力を行う。
なお、図32に示した例では、ピッキングヘッダ500とリストバンド9に設けられたバーコード同士を照合する例を示したが、照合を行うための記録媒体はバーコードに限られず、2次元コードであってもよい。他の記録媒体として、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、RFID、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信を利用する記録媒体を利用してもよい。その場合、ピッキングヘッダとリストバンドのそれぞれに近距離無線通信を利用した記録媒体を取り付け、当該記録媒体に患者IDを記録しておく。そして、ピッキングヘッダとリストバンドの各々に取り付けられた記録媒体と携帯端末2との間で無線通信を行うことにより、携帯端末2においてピッキングヘッダとリストバンドの間の患者IDの照合を行うように構成する。
以下、第3の実施形態について説明する。
本実施形態の医療材料管理システムでは、手術の術前の検品処理から術後の回収処理まで、当該手術を受ける患者と、当該手術に使用するアイテムとを紐付けることで、病院内でどの患者向けのアイテムであるのか容易に認識でき、病院内でのトレーサビリティを確保できるようにする。また、回収処理において各アイテムに対応する患者IDが認識できるため、請求額や保険請求額を誤って算出することが防止される。
そのために先ず、検品処理では、リーダライタ装置3がトレイ内のアイテムの一括読み取りを行うとともに、各アイテムに対して患者IDの書き込みを行う。つまり、医療材料データとしてのアイテムデータは、医療材料を用いた医療行為が提供される患者を識別する患者識別情報として患者IDを含む。
携帯端末2は患者IDを受信すると、例えば図19のステップS50において、当該患者IDを、各アイテムに取り付けられたラベルのRFIDインレイに書き込むことを含むスキャン指示をサーバ5に送信する。サーバ5は当該スキャン指示をリーダライタ装置3に送信し、スキャン指示に応じてリーダライタ装置3は患者IDをRFIDインレイに書き込む。
以下、第4の実施形態について説明する。
カートCTを用いてアイテムを手術室に搬送した後、手術室においてアイテムを誤開封し、あるいは破損させて当該アイテムが使用不可となる場合、または、手術室において血液や薬品によってアイテムを汚染された結果、当該アイテムが使用不可となる場合がある。そのようなアイテムをトレイに載せて返却して回収処理を行ったとしたならば、患者に対する請求額や保険請求額が適正な額にならない虞がある。そこで、本実施形態の医療材料管理システムでは、術後に回収処理を行うためにトレイに戻すアイテムと、使用不可となったアイテムとを分離して処理することを特徴とする。
他方、手術において未使用であって再利用不可能なアイテムに対しては、以下の処理(i), (ii)のいずれかの処理を行うようにする。
(ii) 再利用不可能なアイテムを特別管理用のトレイに載せ、手術室外においてリーダライタ装置3が当該トレイを一括スキャンする(一括して読み取る)。そして、リーダライタ装置3はスキャン結果を携帯端末2またはサーバ5に送信する。
例えば、上述した各実施形態では、医療行為が手術の場合について説明したが、手術を伴わない他の医療行為についても適用可能である。
上述した実施形態では、図20の画面g5および図28の画面g10に示すように、トレイ単位でアイテムリストを表示する例について説明したが、その限りではない。トレイ単位で処理を行わない場合には、トレイを選択する処理は必要ない。
検品処理時にサーバ5に送信されるスキャン結果(図19のステップS56)および回収処理にサーバ5に送信されるスキャン結果(図27のステップS76)には、各アイテムのRFIDインレイの固有のID(例えば、UID(Unique ID),TID(Tag ID)等)が含まれていてもよい。その場合、検品データベースには、各アイテムに対応付けてRFIDインレイの固有のIDが記録される。
Claims (4)
- 医療材料を管理する医療材料管理システムであって、
医療材料に関するデータである医療材料データを記憶するサーバと、情報処理装置と、を含み、
前記情報処理装置は、
前記医療材料データを前記サーバから取得するデータ取得部と、
前記取得部によって取得された医療材料データをRFIDインレイに書き込む書込部と、を備えた、
医療材料管理システム。 - 医療材料に取り付けられ、前記医療材料が倉庫から出庫された回数である出庫回数のデータを記憶するRFIDインレイと、
前記医療材料を前記倉庫に再度入庫させる前に、前記出庫回数の値が1増加するように新たな出庫回数のデータを書き込むリーダライタ装置と、
を備えた医療材料管理システム。 - 情報処理端末と、前記リーダライタ装置および前記情報処理端末と通信可能なサーバと、をさらに有し、
前記サーバは、前記リーダライタ装置が前記RFIDインレイから読み取った前記出庫回数のデータに基づき、前記出庫回数が所定値以上であるか否か判定する判定部を備え、
前記情報処理端末は、前記サーバの判定部により前記出庫回数が前記所定値以上であると判定された場合に警告出力を行う出力部を備える、
請求項2に記載された医療材料管理システム。 - 医療材料を管理する医療材料管理方法であって、
サーバが、医療材料に関するデータである医療材料データを記憶部に記録し、
情報処理装置が、前記医療材料データを前記サーバから取得し、
前記情報処理装置が、前記取得した医療材料データをRFIDインレイに書き込む、
医療材料管理方法。
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