JP2020004616A - 拡散層の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性ペーストと拡散層基材との間に侵入するエアの量を調整することができ、裏抜けを防止し適切な導電性ペーストの塗工を行うことができる拡散層の製造装置を提供する。【解決手段】拡散層基材2の表面2aに導電性ペースト3を塗工して拡散層1を作製する拡散層1の製造装置10であって、拡散層基材2を搬送する搬送機構11と、拡散層基材2に導電性ペースト3を塗工する塗工機構12と、拡散層基材2の表面2aの塗面状態を検出する検出機構13とを備え、塗工機構12は拡散層基材2の搬送方向の下流側に位置する下流側リップ42と、搬送方向の上流側に位置する上流側リップ41とを有し、上流側リップ41と塗工機構12の底面43aとのなす角度θが、検出機構13により検出された塗面状態に応じて変化するように上流側リップ41が回動する。【選択図】図2
Description
本発明は、拡散層基材に導電性ペーストを塗工して拡散層を作製する拡散層の製造装置に関する。
この種の製造装置として、バックロールにより搬送される電極シートに導電性ペーストを塗工する塗工装置が開示されている(特許文献1参照)。この塗工装置は、電極シートに向けて導電性ペーストを吐出する吐出部と、吐出部を電極シートに近づける方向および離隔する方向に移動させる移動部と、吐出部から吐出された導電性ペーストが電極シートに接する部分であるビードの抵抗値を測定する抵抗測定部とにより構成されている。また、塗工装置は、抵抗測定部により測定された抵抗値からビードの長さを算出する制御部を有しており、制御部で算出されたビードの長さに基づいて、移動部により吐出部を移動させ、吐出部と電極シートとの間の距離などの塗工条件が最適化されるように構成されている。
しかしながら、特許文献1に記載の製造装置を構成する塗工装置は、リチウムイオン二次電池などの電極を形成する電極シートに導電性ペーストを塗工するように構成されている。この塗工装置を燃料電池を構成する拡散層基材に用いると、導電性ペーストの塗りむらの問題や導電性ペーストが塗工面の裏側に抜けてしまう、いわゆる裏抜けの問題が生じ、適切な塗面状態を維持することができないおそれが生じてしまうという問題がある。特許文献1に記載の電極シートに対して、燃料電池を構成する拡散層基材は、多孔質の材料で形成されているので、拡散層基材に導電性ペーストを塗工する際に導電性ペーストと拡散層基材との間に空気が侵入してしまう、いわゆるエア巻込みが発生し、塗りむらおよび裏抜けが起きてしまう。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、導電性ペーストと拡散層基材との間に侵入するエアの量を調整することができ、裏抜けを防止し適切な導電性ペーストの塗工を行うことができる拡散層の製造装置を提供することを課題とする。
本発明に係る拡散層の製造装置は、拡散層基材の表面に導電性ペーストを塗工して拡散層を作製する拡散層の製造装置であって、前記拡散層基材を搬送する搬送手段と、前記拡散層基材に前記導電性ペーストを塗工する塗工手段と、前記拡散層基材の前記表面の塗面状態を検出する検出手段と、を備え、前記塗工手段は前記拡散層基材の搬送方向の下流側に位置する下流側リップと、前記搬送方向の上流側に位置する上流側リップとを有し、前記上流側リップと前記塗工手段の底面とのなす角度が、前記検出手段により検出された前記塗面状態に応じて変化するように前記上流側リップが回動することを特徴とする。
本発明に係る拡散層の製造装置は、搬送手段、塗工手段、検出手段を備えており、検出手段により検出された塗面状態に応じて、上流側リップと塗工手段の底面とのなす角度が変化するように上流側リップが回動するように構成されている。この構成により、検出手段により検出された塗面状態に応じて上流側リップが回動すると、塗工ヘッド内の導電性ペーストの液面が変動する。導電性ペーストの液面の変動に伴って、拡散層基材と導電性ペーストの接触範囲が増減し、拡散層基材と導電性ペーストとの間に侵入するエアの量が調整され、適正な塗面状態が維持される。
本発明によれば、導電性ペーストと拡散層基材との間に侵入するエアの量を調整することができ、裏抜けを防止し適切な導電性ペーストの塗工を行うことができる拡散層の製造装置を提供することができる。
本発明に係る拡散層の製造装置を適用した実施形態に係る拡散層1の製造装置10について図面を参照して説明する。まず、実施形態に係る拡散層1の構成について説明する。
本実施形態に係る拡散層1は、図1に示すように、拡散層基材2と拡散層基材2の表面に塗工された導電性ペースト3とにより構成されており、図示しない燃料電池のガス拡散層(GDL:Gas Diffusion Layer)を構成する。拡散層1は、水素ガス(H2)や酸素ガス(O2)を拡散させて均一にし、触媒層に行き渡らせる機能を有している。
拡散層基材2は、ガス透過性および導電性を有する材料、例えば、カーボンペーパーやカーボン布などの炭素繊維や黒鉛繊維からなる多孔質の繊維基材であり、所定の幅および厚みを有するシートからなる。拡散層基材2はロール状に巻回され、シートロールを形成している。
導電性ペースト3は、所定の溶媒にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの撥水性材料およびカーボン粉末などの導電性材料を混合させて調製した粘性のある液体で構成されている。
次いで、実施形態に係る製造装置10について図面を参照して説明する。製造装置10は、拡散層基材2の表面2aに導電性ペースト3を塗工して拡散層1を作製するものであり、図2に示すように、拡散層基材2を搬送する搬送機構11と、拡散層基材2に導電性ペースト3を塗工する塗工機構12と、拡散層基材2の塗面状態を検出する検出機構13と、回動機構14とを備えている。
さらに、製造装置10は、導電性ペースト3を貯留する図示しない貯留タンクと、貯留タンク内の導電性ペースト3を塗工機構12に供給する供給管と、供給管に設けられ導電性ペースト3を塗工機構12に送り込むポンプと、拡散層基材2のシートロールから拡散層基材2を搬送機構11に向けて供給する供給機構と、製造装置10の各構成要素の動作を制御するコントローラとを備えている。
なお、本実施形態に係る製造装置10の搬送機構11は、本発明に係る拡散層の製造装置における搬送手段に対応し、同様に、塗工機構12は、塗工手段に対応し、検出機構13は、検出手段に対応する。
搬送機構11は、図2に示すように、塗工機構12と対向して配置されたバックロール21と、拡散層基材2を搬送する搬送方向(以下、単に搬送方向という。)で、バックロール21に対して上流側に配置され、供給機構から供給された拡散層基材2を搬送する第1ロール22および第2ロール23とを備えている。
また、搬送機構11は、バックロール21に対して搬送方向の下流側に配置された第3ロール24を備えている。第3ロール24は、バックロール21から送り出され、導電性ペースト3が塗工された拡散層基材2を次工程の焼成炉に向けて送り出すように構成されている。バックロール21および第3ロール24はコントローラの制御により矢印で示す反時計回りに回転駆動されるように構成されている。
塗工機構12は、バックロール21の下方に配置されている。塗工機構12は、塗工ヘッド31と、塗工ヘッド31および回動機構14を連結する図示しない連結部と、塗工ヘッド31および供給管を接続する接続部とを備えている。
塗工ヘッド31は、底面43aを有するヘッド本体43と、ヘッド本体43に対して拡散層基材2の搬送方向の上流側に位置するように設けられる上流側リップ41と、ヘッド本体43に対して拡散層基材2の搬送方向の下流側に位置するように設けられる下流側リップ42と、ヘッド本体43内に形成され導電性ペースト3を流通させる流路44と、流路44に設けられ導電性ペースト3を貯留する流路貯留部45と、上流側リップ41、下流側リップ42およびヘッド本体43で囲まれた領域に導電性ペースト3を貯留するヘッド貯留部46とを備えている。バックロール21により搬送される拡散層基材2の表面2aと下流側リップ42との間には塗工ギャップGが形成されている。ヘッド貯留部46の上方は開放されて、バックロール21の下面に対向して配置されている。
塗工ヘッド31は、接続部および流路44を介して供給される導電性ペースト3をヘッド貯留部46に貯留し、ヘッド貯留部46に貯留された導電性ペースト3の液面3aが、バックロール21によって搬送される拡散層基材2の表面2aに接するように構成されている。この構成により、バックロール21により搬送される拡散層基材2の表面2aに所定量の導電性ペースト3が塗工される。また、塗工ヘッド31は、連結部を介して回動機構14によりヘッド本体43の底面43aと上流側リップ41とのなす角度θが変化する方向に、上流側リップ41を回動移動することで、塗工圧力を調整し、拡散層基材2の表面2aに塗工する導電性ペースト3の所定の量が調整されるように構成されている。
例えば、角度θを大きくする方向に上流側リップ41を回動移動することで、ヘッド貯留部46に貯留される導電性ペースト3の液面3aの高さを上昇させることができ、塗工圧力を上昇させることができる。また、角度θを小さくする方向に上流側リップ41を回動移動することで、ヘッド貯留部46に貯留される導電性ペースト3の液面3aの高さを下降させることができ、塗工圧力を下降させることができる。
なお、拡散層基材2の表面2aに塗工される導電性ペースト3の所定の量は、拡散層基材2の大きさ、構造、材質、搬送速度、導電性ペースト3の特質などの設定諸元および実験値やデータに基づいて適宜選択される。
検出機構13は、バックロール21と第3ロール24との間に設置されており、表面観察カメラ51と、裏抜け観察カメラ52とを備えている。表面観察カメラ51は、拡散層基材2に塗工された導電性ペースト3の表面を観察するよう、導電性ペースト3の表面側に位置している。
表面観察カメラ51は、公知のCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子で構成されている。表面観察カメラ51は、導電性ペースト3の表面を連続的に、または搬送速度に応じて所定時間間隔で撮像し、撮影データをコントローラに送信するように構成されている。表面観察カメラ51により導電性ペースト3の塗面状態を観察することができる。
裏抜け観察カメラ52も、表面観察カメラ51と同様、公知のCCDやCMOSのイメージセンサやCMOSなどの撮像素子で構成されており、拡散層基材2の裏面2bを観察するよう、拡散層基材2の裏面2b側に位置している。
裏抜け観察カメラ52は、表面観察カメラ51と同様、拡散層基材2の裏面2bを連続的に、または搬送速度に応じて所定時間間隔で撮像し、撮影データをコントローラに送信するように構成されている。裏抜け観察カメラ52により、導電性ペースト3が拡散層基材2の裏面2bに抜けてしまう、いわゆる裏抜けの状態を観察することができる。
回動機構14は、コントローラの制御により動作するサーボモータなどの駆動部を備えており、なす角度θが変化するように連結部を介して上流側リップ41を回動させるように構成されている。
コントローラは、演算処理を行う中央処理装置および制御プログラムを格納したメモリを備え、表面観察カメラ51および裏抜け観察カメラ52から送信された撮影データに基づいて、塗工ヘッド31のなす角度θを演算し、回動機構14の回動制御サーボモータを動作させて上流側リップ41を回動させるように構成されている。
コントローラは、図3に示すように、表面観察カメラ51および裏抜け観察カメラ52から送信された撮影データに基づいて、回動機構14の回動制御サーボモータ14aのフィードバック制御を行う。具体的には、コントローラは、表面観察カメラ51の撮影データから導電性ペースト3の表面の塗面状態が良好でないと判断すると、回動機構14を介してなす角度θが大きくなるように上流側リップ41を回動させるように構成されている。また、裏抜け観察カメラ52の撮影データから拡散層基材2の裏面2bに裏抜けがあると判断すると、回動機構14を介してなす角度θが小さくなるように上流側リップ41を回動させるように構成されている。
また、コントローラは、搬送機構11による拡散層基材2の搬送速度、導電性ペースト3を塗工機構12に送り込むポンプの動作、拡散層基材2を搬送機構11に向けて供給する供給機構の動作を制御するように構成されている。
次いで、実施形態に係る拡散層1の製造装置10による塗工開始から塗工終了までの工程の流れについて図面を参照して説明する。
コントローラは、搬送機構11による拡散層基材2の搬送速度、塗工流量即ち導電性ペースト3のポンプによるヘッド貯留部46への供給量および図2、図5(a)、図5(b)に示す塗工ギャップG、即ち下流側リップ42と、拡散層基材2との間の隙間の距離を所定の値に設定する(ステップS1)。所定の値は、拡散層基材2の大きさ、構造、材質、導電性ペースト3の特質などの設定諸元および実験値のデータに基づいて適宜選択される。
コントローラは、搬送速度、塗工流量および塗工ギャップGを設定すると、貯留タンクから供給管を介して塗工ヘッド31のヘッド貯留部46に導電性ペースト3が供給され、シートロールから拡散層基材2が搬送機構11に供給されるとともに搬送機構11により拡散層基材2の搬送が開始されて、塗工が開始される(ステップS2)。
続いて、表面観察カメラ51により導電性ペースト3の表面が撮影され、撮影データがコントローラに送信される(ステップS3)。
コントローラは、表面観察カメラ51の撮影データに基づいて、導電性ペースト3の表面が所定の判断基準を満たしているか否かの表面検査を行う(ステップS4)。所定の判断基準は、拡散層基材2の大きさ、構造、材質、導電性ペースト3の特質などの設定諸元および実験値やデータに基づいて適宜選択される。例えば塗りむらの有無が判断される。
コントローラは、導電性ペースト3の表面が所定の判断基準を満たしていないと判断した場合には、塗工が行われている図5(a)に示す上流側リップ41の位置から、なす角度θ1が大きくなる方向に、上流側リップ41を回動機構14により所定の角度だけ回動させる。
即ち、コントローラは、上流側リップ41を図5(b)に示す上流側リップ41のなす角度、即ち上流側リップ角度がθ2の位置に回動させる(ステップS5)。所定の角度は、拡散層基材2の大きさ、構造、材質、導電性ペースト3の特質などの設定諸元および実験値や表面観察カメラ51の撮影データに基づいて適宜選択される。
この回動により、図5(a)、図5(b)に示すように、上流側リップ41の導電性ペースト3の液面3aがT1からT2に上昇し、塗工の際の導電性ペースト3の圧力も増大する。圧力が増大することで、上流側リップ41からのエアの巻込みに対して強くなるように調整される、即ちエアの巻込みが抑制される。
また、導電性ペースト3が、拡散層基材2の表面2aに接触する長さである接液長がL1からL2に増大する。接液長で表される塗工幅の調整が可能となる。上流側リップ41の回動が完了すると、ステップS3に戻り、再度表面観察カメラ51により導電性ペースト3の表面が撮影され、撮影データがコントローラに送信される。
コントローラは、ステップS4で、導電性ペースト3の表面が所定の判断基準を満たしていると判断した場合には、裏抜け観察カメラ52により拡散層基材2の裏面2bが撮影され、撮影データがコントローラに送信される(ステップS6)。
コントローラは、裏抜け観察カメラ52の撮影データに基づいて、拡散層基材2の裏面2bが所定の判断基準を満たしているか否かの裏抜け検査を行う(ステップS7)。所定の判断基準は、拡散層基材2の大きさ、構造、材質、導電性ペースト3の特質などの設定諸元および実験値やデータに基づいて適宜選択される。
コントローラは、拡散層基材2の裏面2bが所定の判断基準を満たしていないと判断した場合には、塗工が行われている図5(a)に示す上流側リップ41の位置から、図6に示す上流側リップ41のなす角度θ1が小さくなる方向に、上流側リップ41を回動機構14により所定の角度だけ回動させる。即ち、コントローラは、上流側リップ41を図6に示す上流側リップ41のなす角度、即ち上流側リップ角度がθ3の位置に回動させる(ステップS8)。所定の角度は、拡散層基材2の大きさ、構造、材質、導電性ペースト3の特質などの設定諸元および実験値や表面観察カメラ51の撮影データに基づいて適宜選択される。
この回動により、図5(a)、図6に示すように、上流側リップ41の導電性ペースト3の液面3aがT1からT3に下降し、下流側リップ42における導電性ペースト3に加わる圧力が減少する。圧力が減少することで、導電性ペースト3の裏抜けが抑制される。
また、導電性ペースト3が、拡散層基材2の表面2aに接触する長さである接液長がL1からL3に減少し、導電性ペースト3の裏抜けが抑制される。接液長で表される塗工幅の調整が可能となる。上流側リップ41の回動が完了すると、ステップS6に戻り、再度裏抜け観察カメラ52により拡散層基材2の裏面2bが撮影され、撮影データがコントローラに送信される。
次いで、コントローラは、ステップS7で、拡散層基材2の裏面2bが所定の判断基準を満たしていると判断した場合には、ステップS7の裏抜け検査で拡散層基材2の裏面2bが所定の判断基準を満たしていないと判断したことが有るか否かを判定する(ステップS9)。コントローラは、裏抜け検査で拡散層基材2の裏面2bが所定の判断基準を満たしていないと判断したことが無いと判定した場合には、塗工が継続される(ステップS10)。
次いで、コントローラは、所定の塗工が完了したか否かを判定し(ステップS11)、所定の塗工が完了したと判定した場合には、塗工を終了する。所定の塗工が完了していないと判定した場合には、塗工が継続される(ステップS10)。
コントローラは、裏抜け検査で拡散層基材2の裏面2bが所定の判断基準を満たしていないと判断したことが有ると判定した場合には、表面観察カメラ51により導電性ペースト3の表面が撮影され、撮影データがコントローラに送信される(ステップS12)。
コントローラは、表面観察カメラ51の撮影データに基づいて、導電性ペースト3の表面が所定の判断基準を満たしているか否かの表面検査を行う(ステップS13)。導電性ペースト3の表面が所定の判断基準を満たしていると判断した場合には、塗工が継続される(ステップS10)。導電性ペースト3の表面が所定の判断基準を満たしていないと判断した場合には、塗工が中止され、メンテナンスや修正などの点検が行われる。
以上のように構成された実施形態に係る拡散層1の製造装置10の効果について説明する。
本実施形態に係る拡散層1の製造装置10は、搬送機構11、塗工機構12、検出機構13および回動機構14により構成されており、検出機構13により検出された塗面状態に応じて上流側リップ41が回動機構14によりなす角度θが変化する方向に回動するように構成されている。この構成により、検出機構13により検出された塗面状態に応じて上流側リップ41が回動すると塗工ヘッド31内の導電性ペースト3の液面3aが変動する。導電性ペースト3の液面3aの変動に伴って、拡散層基材2と導電性ペースト3の接触範囲が増減し、拡散層基材2と導電性ペースト3との間に侵入するエアの量が調整され、適正な塗面状態が維持されるという効果が得られる。
本実施形態に係る拡散層1の製造装置10においては、上流側リップ41がなす角度θが大きくなる方向に回動すると、図5(a)、図5(b)に示すように、上流側リップ41の導電性ペースト3の液面3aがT1からT2に上昇し、下流側リップ42における導電性ペースト3に加わる圧力が増大する。液面3aが上昇し、圧力が増大することで、上流側リップ41からのエアの巻込みに対して強くなる、即ちエアの巻込みが抑制されるという効果が得られる。
本実施形態に係る拡散層1の製造装置10においては、上流側リップ41のなす角度θが小さくなる方向に、上流側リップ41を回動機構14により所定の角度だけ回動すると、図5(a)、図6に示すように、上流側リップ41の導電性ペースト3の液面3aがT1からT3に下降し、下流側リップ42における導電性ペースト3に加わる圧力が減少する。液面3aが下降し、圧力が減少することで、導電性ペースト3の裏抜けが抑制されるという効果が得られる。
本実施形態に係る拡散層1の製造装置10においては、塗工ギャップGを変えずに上記の効果を得ることができる。特に、導電性ペースト3の塗りむらや塗り残しが無く、液面性状が良好となり、塗工幅を所定の規格内で収めることができ、拡散層基材2の裏面2bへの裏抜けが無いという塗工を両立させることが可能となるという効果が得られる。
また、応力や環境の変化などの外乱の影響を受けてしまうことを阻止する特質、いわゆるロバスト性が向上するという効果が得られる。なお、バックロール21の直径を小さくすることで、本実施形態に係る拡散層1の製造装置10と同様の効果が得られることが考えられる。しかしながら、塗工中または塗工毎にバックロール21を交換することは実用性がない。なお、上流側リップ41の長さを変えることで、上記の本実施形態に係る拡散層1の製造装置10と同様の効果が見込まれる。
本実施形態に係る拡散層1の製造装置10においては、拡散層基材2のバラつきや塗工中の導電性ペースト3の粘度のバラつきに対して、柔軟に対応することができ、拡散層1を量産する際の不良率の低減を図ることができるという効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1・・・拡散層、2・・・拡散層基材、2a・・・表面、2b・・・裏面、3・・・導電性ペースト、3a・・・液面、10・・・製造装置、11・・・搬送機構(搬送手段)、12・・・塗工機構(塗工手段)、13・・・検出機構(検出手段)、14・・・回動機構、21・・・バックロール、22・・・第1ロール、23・・・第2ロール、24・・・第3ロール、31・・・塗工ヘッド、41・・・上流側リップ、42・・・下流側リップ、43・・・ヘッド本体、43a・・・底面、44・・・流路、45・・・流路貯留部、46・・・ヘッド貯留部、51・・・表面観察カメラ、52・・・裏抜け観察カメラ、θ,θ1,θ2,θ3・・・なす角度
Claims (1)
- 拡散層基材の表面に導電性ペーストを塗工して拡散層を作製する拡散層の製造装置であって、
前記拡散層基材を搬送する搬送手段と、
前記拡散層基材に前記導電性ペーストを塗工する塗工手段と、
前記拡散層基材の前記表面の塗面状態を検出する検出手段と、を備え、
前記塗工手段は前記拡散層基材の搬送方向の下流側に位置する下流側リップと、前記搬送方向の上流側に位置する上流側リップとを有し、前記上流側リップと前記塗工手段の底面とのなす角度が、前記検出手段により検出された前記塗面状態に応じて変化するように前記上流側リップが回動することを特徴とする拡散層の製造装置。
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