JP2020003053A - 保持器付きころおよび遊星歯車支持構造 - Google Patents

保持器付きころおよび遊星歯車支持構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ピーリングの発生を抑制することで長寿命化を図ることが可能な保持器付きころおよび遊星歯車支持構造を提供すること。【解決手段】保持器付きころは、ころと、保持器(3)とを備え、保持器(3)は、一対の環状部(30)と、複数の柱部(31)と、ポケット部(40)とを有する。柱部は、軸方向中央部に位置する柱中央部(32)と、軸方向端部に位置する柱端部(33)と、柱端部においてポケット部側に突出し、ころの径方向外側の移動を規制する外爪(39)と、保持器の径方向内側から柱中央部に供給される潤滑油を、柱中央部から外爪に向かって案内する油案内面(36)とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、保持器付きころおよび遊星歯車支持構造に関する。
保持器付き針状ころにおいて、転動面に潤滑油を保持するために、転動面の潤滑不良を改善するための工夫が従来から知られている。そのような技術が特許文献1(特開2009−115300号公報)および特許文献2(特開2004−316670号公報)に開示されている。
特許文献1に記載の保持器のうち一対の環状部を連結する柱部には、軸方向中央部に位置する中央板部において、周方向に向けて幅狭となる幅狭部が形成されている。この幅狭部によって、保持器ところの転動面との間には、潤滑油の流路となる隙間が形成され、潤滑油が保持器の外径側へ効率よく流動される。
特許文献2に記載の保持器は、ポケットを形成している支柱の径方向内側において、軸線方向に対して、一様に傾斜した多数の螺旋状の油溝を備えている。
特開2009−115300号公報 特開2004−316670号公報
保持器付きころにおいて、ころ転動面のうち両端部は外爪と摺接して摩耗する上、軌道面との接触面圧が高いためピーリングが発生しやすい。特に、特許文献1の保持器では、軸方向中心部から流出された潤滑油が、幅狭部を経由して軸受の外径側に通過してしまい、効率よく外爪に潤滑油を供給することができず、当該外爪ところが摩耗するおそれがある。
また、特許文献2の保持器では、支柱に螺旋状の油溝を形成すると、軸方向中心から径方向内側に吐出される潤滑油を、軸受の軸方向一方側に送り出してしまい、潤滑油が供給されにくい軸受の軸方向他方側が摩耗するおそれがある。
保持器付きころは、たとえば、自動車の変速機内において、歯車を歯車軸に支持する軸受として用いられる。特に近年では、自動車の省燃費化のために、変速機の多段化が進んでおり、保持器付きころを用いた遊星歯車支持構造のニーズが高くなっている。また、自動車の省燃費化のために、変速機で使用される潤滑油が少量化するとともに、動粘度の低い潤滑油を使用する傾向にもある。この場合、保持器付きころに供給される潤滑油の量が少なくなり、油膜が形成されにくくなるため、外爪ところが油膜を介することなく直接接触することも考えられ、外爪ところが互いに摩耗するおそれがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ピーリングの発生を抑制することで長寿命化を図ることが可能な保持器付きころおよび遊星歯車支持構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る保持器付きころは、ころと、保持器とを備える保持器付きころにおいて、保持器は、一対の環状部と、軸方向に延びて一対の環状部を連結する複数の柱部と、隣り合う柱部の間に形成されてころを収容するポケット部と、を有している。柱部は、軸方向中央部に位置する柱中央部と、軸方向端部に位置する柱端部と、柱端部においてポケット部側に突出し、ころの径方向外側の移動を規制する外爪と、保持器の径方向内側から柱中央部に供給される潤滑油を、柱中央部から外爪に向かって案内する油案内面とを有する。
好ましくは、油案内面は、ころからの周方向の距離が、柱中央部から柱端部に向かって徐々に広がるように傾斜する少なくとも1つの傾斜面を含む。
好ましくは、傾斜面は、径方向外側に位置する一方縁を含み、一方縁は、柱端部から柱中央部に向かうにつれて、径方向外側に向かって傾斜している。
好ましくは、傾斜面は、柱端部から柱中央部に向かって周方向に突出する。
好ましくは、柱部は、外爪よりも径方向内側に位置してポケット部側に突出し、ころの径方向内側への移動を規制する内爪をさらに有し、少なくとも1つの傾斜面は、一対の傾斜面であり、内爪は、一対の傾斜面の間に位置する。
好ましくは、柱部は、外爪よりも径方向内側に位置してポケット部側に突出し、ころの径方向内側への移動を規制する一対の内爪をさらに有し、傾斜面は、一対の内爪の間に位置する。
好ましくは、本発明の一態様に係る遊星歯車支持構造は、内歯歯車と、内歯歯車の中心に配置された太陽歯車と、内歯歯車と太陽歯車に噛合する複数の遊星歯車と、遊星歯車を支持するキャリアとを備え、遊星歯車がキャリアに設けられたピニオン軸に転がり軸受を介して回転自在に支持された遊星歯車機構の遊星歯車支持構造において、転がり軸受は、上述の保持器付きころである。
本発明によれば、ピーリングの発生を抑制することで長寿命化を図ることが可能な保持器付きころおよび遊星歯車支持構造を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る保持器付きころを遊星歯車支持構造に用いた状態を示す図であって、(A)は遊星歯車支持構造の概略図であり、(B)は歯車の部分の断面図である。 本発明の実施の形態1における保持器を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における保持器を示す平面図である。 図3のIV−IV線に沿う部分断面図である。 図4の矢印Vから見た部分斜視図である。 本発明の実施の形態2における保持器を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2における保持器を示す平面図である。 図7のVIII−VIII線に沿う部分断面図である。 図8の矢印IXから見た部分斜視図である。 本発明の実施の形態2における柱中央部の一部破断側面図である。 本発明の実施の形態3における保持器を示す平面図である。 本発明の実施の形態3における柱中央部の一部破断側面図である。 本発明の実施の形態3における柱中央部の変形例を示す一部破断側面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(遊星歯車支持構造の概要)
はじめに、図1を参照して、本実施の形態に係る保持器付きころ1が用いられる遊星歯車機構(プラネタリギア)100の概要について説明する。
遊星歯車機構100は、たとえば、自動車の変速機などに用いられ、その遊星歯車機構100におけるピニオンギア(遊星歯車)103を回転可能に支持するために、保持器付きころ1が使用されている。すなわち、本実施の形態に係る保持器付きころ1は、自動車用保持器付きころである。
遊星歯車機構100は、内歯を有し外周を取り囲むリングギア(内歯歯車)101と、外歯を有しリングギア101の中心に配置されるサンギア(太陽歯車)102と、外歯を有しリングギア101とサンギア102の間に配置される複数のピニオンギア(遊星歯車)103とを備える。ピニオンギア103は、リングギア101およびサンギア102と噛合し、係合穴に設置されるピニオン軸105に保持器付きころ1によって回転可能に支持される。各々のピニオン軸105は、キャリア104に設けられ(連結され)、キャリア104からピニオンギア103の公転に相当する回転が入出力される。
図1(B)を参照して、各ピニオンギア103は、本実施の形態に係る保持器付きころ1を介して、ピニオン軸105上に回転自在に支持されている。つまり、保持器付きころ1は、ピニオンギア103をピニオン軸105を回転可能に支持するものであり、遊星歯車支持構造は、ピニオンギア103と、ピニオン軸150と、保持器付きころ1とを備える。具体的には、保持器付きころ1は、たとえば、複数のころ2と保持器3とで構成され、ピニオン軸105の外周面を内側軌道面とし、ピニオンギア103の内周面を外側軌道面としている。本実施の形態の保持器3は、外輪案内で用いられている。本実施の形態のころ2は、針状ころである。
ピニオン軸105の内部には、潤滑油を供給するための通油孔106が形成されている。このように、ピニオン軸105の内部に形成した通油孔106を通じて潤滑油をピニオン軸105の外周面に導くことにより、ころ2の潤滑を行っている。具体的には、通油孔106は、図1の紙面上の右方から軸方向に延在する第1通油孔106aと、ピニオン軸105の軸方向中央付近で外周面と連通する第2通油孔106bとを含む。ピニオン軸105の通油孔106a,106bから供給された潤滑油は、図1(B)の矢印F1に示すように、保持器3の軸方向両側に向かって、保持器3の環状部30の内周とピニオン軸105の外周との間を通過して外部へと流出する。また、同様に、ピニオン軸105の通油孔106a,106bから供給された潤滑油は、図1(B)の矢印F2に示すように、柱部31ところ2の隙間を抜けて、ころ2の外周面を潤滑する。
なお、多段化が進む自動車の変速機に遊星歯車機構100が使用された場合、自動車の更なる燃費向上のために保持器付きころ1へと供給される潤滑油量が少量化したり、低粘度の潤滑油が供給されることがある。このような自動車の燃費向上のために用いられる潤滑油の動粘度は、たとえば、100℃で2センチストークス(cSt)〜8センチストークス(cSt)である。
(実施の形態1)
次に、図2〜図5を参照して、本実施の形態における保持器3について説明する。
保持器3は、一対の環状部30と、一対の環状部30を互いに連結する複数の柱部31とを有する。一対の環状部30と柱部31とは、柱部31の周方向長さよりも細いくびれ部11によって連結されている。隣り合う柱部31の間には、ころ2(図1(B))を収容するためのポケット部40が設けられている。ポケット部40は、周方向に間隔をあけて複数設けられる。なお、以下の説明では、保持器付きころ1の中心軸に沿った方向を「軸方向」、中心軸に対して直交する方向を「径方向」、中心軸周りの円周方向を「周方向」と呼ぶ。
本実施の形態の柱部31は、その軸方向中央部領域で相対的に径方向内側に位置する柱中央部32と、軸方向端部領域で相対的に径方向外側に位置する一対の柱端部33と、柱中央部32および一対の柱端部33それぞれの間に位置する一対の柱傾斜部34とを含む。
図4,図5を特に参照して、柱中央部32は、ポケット部40を構成する側壁面において、平面35と、平面35の径方向下方に位置する一対の傾斜面36とを含む。平面35には、径方向下方において、ころ2のピッチ円形PCDよりも内径側に設けられる内爪(内径側のころ止め部)37が設けられる。柱中央部32に内爪37を設けることで、ころ2が内径側へ脱落するのを有効に防止し、ころ2が小径であっても、ころ2の遊隙量を十分に確保することができる。
傾斜面36の周方向の突出量は、軸方向中央部が最も大きく、柱傾斜部34に近づくにつれ徐々に小さくなる。つまり、一対の傾斜面36は、ころ2からの距離が、柱中央部32から一対の柱傾斜部34に向かって徐々に広がるように傾斜する面である。傾斜面36の柱中央部32における径方向の長さは、幅方向中央部が最も小さく、柱傾斜部34に近づくにつれ徐々に大きくなる。また、傾斜面36は、径方向外側に位置する一方縁136と、径方向内側に位置する他方縁135とを含む。一方縁136は、一対の傾斜面36と平面35との境界線である。一方縁136は、柱中央部32の軸方向中央部付近から両端部に向かって延びており、径方向内側から外側に向かって傾斜している。また、一対の傾斜面36は、径方向内側を向いている。つまり、一対の傾斜面36は、柱中央部32の周方向幅を狭める方向に向かって斜め下方に延びている。
一対の傾斜面36は、内爪37を挟んで設けられている。つまり、内爪37は、一対の傾斜面36の間に位置する。換言すると、一対の傾斜面36は、柱中央部32の軸方向中心部において径方向に延びる線に対して対称に設けられる。
上述のように、ピニオン軸105(図1(B))の内部には、潤滑油を保持器3の内径側から柱中央部32に供給するための第2通油孔106bが設けられているため、一対の傾斜面36が柱中央部32の軸方向中央部付近に位置することで、第2通油孔106bからの潤滑油を効率よく一対の傾斜面36に供給し、柱傾斜部34に導くことで、結果として一対の柱端部33に潤滑油を供給することができる。これにより、一対の傾斜面36は、軸方向中央部に位置する柱中央部32から一対の柱端部33に向かって潤滑油を案内する油案内面となる。
一対の傾斜面36は、たとえば、面取りによって形成される平坦な平面である。なお、一対の傾斜面36は、平坦な平面に限定されず、たとえば凹部曲面、凸部曲面、その他種々の形状を組み合わせた面であってもよい。
図2,図3を参照して、一対の柱端部33は、柱中央部32および一対の柱傾斜部34の分だけ、軸方向に間隔をあけて設けられている。一対の柱端部33は、ポケット部40を構成する側壁面において、ポケット部40に向かって周方向に突出する外爪(外径側ころ止め部)39がそれぞれ設けられている。つまり、柱端部33は、内周面から外周面に向かうにつれて、周方向の長さが大きくなるように傾斜することで外爪39を形成している。外爪39は、内爪37よりも径方向外側に位置する。具体的には、柱部31の外周面における柱端部33の周方向の寸法は、柱中央部32および柱傾斜部34の周方向の寸法よりも大きい。このように、柱端部33に外爪39を設けることで、ころ2が外径側へ脱落するのを有効に防止し、ころ2が小径であっても、針状ころ2の遊隙量を十分に確保することができる。
柱傾斜部34の周方向幅は、柱中央部32および一対の柱端部33の周方向幅よりも小さい。柱傾斜部34と柱中央部32の周方向における境界部には、ポケット部40を構成する側壁面において、段差が設けられている。これにより、一対の傾斜面36に供給された潤滑油が柱傾斜部34に導かれやすくなる。
このように、柱中央部32から一対の柱端部33に向かって潤滑油を案内する油案内面を、柱部31に設けることにより、柱部31の軸方向中央部から供給された潤滑油が一対の傾斜面36に供給され、柱傾斜部34に導かれた後、柱端部33の外爪39に供給される。これにより、潤滑環境の厳しい外爪39へ潤滑油を効率よく供給することができ、外爪39ところの摩耗を抑制することで、ころ2にピーリングが発生することを抑制することができ、保持器付きころ1の長寿命化を図ることができる。
本実施の形態によれば、潤滑油を外爪39へと供給し易くなり保持器付きころ1の長寿命化を図ることができるため、省燃費化に伴い軸受の潤滑環境が厳しくなっている自動車の変速機における遊星歯車支持構造に適用した場合の効果は大きい。
(実施の形態2)
図6〜図10を参照して、実施の形態2に係る保持器3Aについて説明する。実施の形態2に係る保持器3Aは、実施の形態1の保持器3と基本的には同様の構成を備えているが、柱中央部32Aの形状において主に異なっている。そのため、実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を繰り返さない。
図9に示すように、本実施の形態の柱中央部32Aは、ポケット部40を構成する側壁面において、平面35Aと、平面35Aの径方向下方に位置する一対の傾斜面36Aと、平面35Aの軸方向両端に位置する一対の溝部38Aと、一対の溝部38Aの軸方向両端に位置する一対の内爪37Aとを含む。
平面35Aは、柱中央部32Aの軸方向中央部に位置し、径方向下端部に一対の傾斜面36Aが設けられている。一対の傾斜面36Aは、ころ2からの周方向の距離が、柱中央部32Aから一対の溝部38Aに向かって徐々に広がるように傾斜する面である。つまり、傾斜面36Aの周方向の突出量は、軸方向中央部が最も大きく、溝部38Aに近づくにつれ徐々に小さくなる。傾斜面36Aの柱中央部32Aにおける径方向の長さは、幅方向中央部が最も小さく、溝部38Aに近づくにつれ徐々に大きくなる。また、傾斜面36Aは、径方向外側に位置する一方縁136Aと、径方向内側に位置する他方縁135Aとを含む。一方縁136Aは、一対の傾斜面36と平面35Aとの境界線である。一方縁136Aは、柱中央部32Aの軸方向中央部付近から両端部に向かって延びており、径方向内側から外側に向かって傾斜している。また、一対の傾斜面36Aは、径方向内側を向いている。つまり、一対の傾斜面36Aは、柱中央部32Aの周方向幅を狭める方向に向かって斜め下方に延びている。一対の傾斜面36Aは、柱中央部32Aの軸方向中心部において径方向に延びる線に対して対称に設けられており、軸方向中央部が接している。
一対の溝部38Aは、平面35Aを挟んで設けられている。溝部38Aは、平面35Aより周方向に凹んで設けられている。一対の傾斜面36Aを挟むように一対の溝部38Aを設けることで、軸方向中央部から供給された潤滑油が一対の傾斜面36Aを経由して一対の溝部38Aが導かれる。
一対の内爪37Aは、一対の溝部38Aを挟んで設けられている。つまり、一対の内爪37Aは一対の溝部38Aの軸方向両端部に設けられる。図10に示すように、一対の内爪37Aは、平面35Aの幅方向中央部よりも長さL1だけ周方向に突出している。
このような構成により、柱部31Aの軸方向中央部から供給された潤滑油が一対の傾斜面36Aに導かれ、溝部38Aを経由して柱傾斜部34に導かれた後、柱端部33の外爪39に供給される。また、溝部38Aが形成されることで、軸方向中央部から供給された潤滑油が一対の傾斜面36Aに供給された後、溝部38Aに向かって勢いよく流れるため、実施の形態1と比較して、潤滑環境の厳しい外爪39に潤滑油を効率良く供給することができる。これにより、保持器付きころ1の使用用途(ここでは、自動車の変速機)において、省燃費化を図るための潤滑油の少量化及び潤滑油の低粘度化が行われていたとしても、ころ2の外周面の油膜切れを防止することができる。
(実施の形態3)
図11,図12を参照して、実施の形態3に係る保持器3Bについて説明する。実施の形態2と同様に、実施の形態3に係る保持器3Bもまた、実施の形態1の保持器3と基本的には同様の構成を備えているが、柱中央部32の形状において主に異なっている。そのため、実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を繰り返さない。
本実施の形態の柱中央部32Bは、一対の傾斜面36Bと、一対の内爪37Bとを含む。一対の傾斜面36Bは、ころ2からの周方向の距離が、柱中央部32Bから柱端部33に向かって徐々に広がるように傾斜している。つまり、一対の傾斜面36Bは、柱端部33から柱中央部32Bに向かって周方向に突出する。具体的には、一対の傾斜面36Bは、柱中央部32Bにおいて連続しており、平面視においてなだらかな円弧状であり、柱中央部32Bの軸方向中央部が周方向に突出している。一対の傾斜面36Bは、柱中央部32の軸方向中心部において周方向に延びる線に対して対称に設けられる。
一対の内爪37Bは、一対の傾斜面36Bを挟むように設けられている。つまり、一対の内爪37Bは、一対の傾斜面36Bの両端に位置する。一対の内爪37Bの周方向における突出長さは、傾斜面36Bの突出長さより短く形成されている。一対の内爪37Bは、柱中央部32Bの幅方向中央部よりも長さL2だけ周方向に突出している。
傾斜面36Bの軸方向端部と内爪37Bとの境界には、段差部137Bが設けられている。図12に示すように、傾斜面36Bは、軸方向端部に向かって徐々に狭くなるように形成されているため、供給された潤滑油が一対の傾斜面36Bに導かれ、内爪37Bを経由して柱部31Bの側方に導かれる。これにより、潤滑環境の厳しい外爪39へ潤滑油を効率よく供給することができる。
(実施の形態3の変形例)
図12に示すように、上記実施の形態の一対の傾斜面36Bの境界部分は、平面視においてなだらかな円弧形状であった。しかし、図13に示すように、本実施の形態の柱中央部32Cは、傾斜面36Cが交わるの境界部が角張っていてもよい。これにより、上記実施の形態の柱中央部32Bと比較して、潤滑油を勢いよく側方に導くことができる。
なお、上記実施の形態において、油案内面としての一対の傾斜面36,36A,36B,36Cは、柱中央部32,32A,32B,32Cに設けられるとして説明した。しかし、油案内面は、柱中央部32,32A,32B,32Cから柱端部33に向かって潤滑油を案内するものであればよく、柱傾斜部34または柱端部33に設けられていてもよいし、柱中央部32,32A,32B,32Cから柱端部33にまたがって設けられていてもよい。
また、上記実施の形態において、一対の傾斜面36,36A,36B,36Cは、柱中央部32,32A,32B,32Cの軸方向中央部に設けられるとして説明したが、たとえば第2通油孔106bが軸方向中央部からずれて設けられている場合は、一対の傾斜面36は、第2通油孔106bの位置に合わせて、軸方向中央部からずれて設けられていてもよい。
また、上記実施の形態において、傾斜面36,36A,36B,36Cは、一対設けられていたが、少なくとも1つ設けられていればよい。
また、上記実施の形態において、一対の傾斜面36,36A,36B,36Cは、柱中央部32,32A,32B,32Cにおいて、軸方向中央部に対して対称に設けられているとしたが、必ずしも対称に設けられていなくてもよく、たとえば、一方の傾斜面36,36A,36B,36Cが他方の傾斜面36,36A,36B,36Cよりも傾斜角度が大きく設けられていてもよい。
また、上記実施の形態において、ポケット部40に収容するころ2は、針状ころを用いたが、これに限らず、たとえば、円筒ころ、棒状ころなどを用いても構わない。
また、上記実施の形態において、保持器3,3A,3Bは、一対の環状部を有するいわゆるM型保持器であったが、これに限らず、一対の環状部30を有しない、いわゆるV型保持器、柱部31が屈曲しないストレート型保持器であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 保持器付きころ、2 ころ、3,3A,3B 保持器、30 環状部、31,31A,31B 柱部、32,32A,32B,32C 柱中央部、33 柱端部、36,36A,36B,36C 傾斜面(油案内面)、37,37A,37B 内爪、39 外爪、40 ポケット部、100 遊星歯車機構、101 リングギア(内歯歯車)、102 サンギア(太陽歯車)、103 ピニオンギア(遊星歯車)、104 キャリア、105 ピニオン軸、136,136A 一方縁。

Claims (7)

  1. ころと、保持器とを備える保持器付きころにおいて、
    前記保持器は、一対の環状部と、軸方向に延びて前記一対の環状部を連結する複数の柱部と、隣り合う前記柱部の間に形成されて前記ころを収容するポケット部と、を有し、
    前記柱部は、軸方向中央部に位置する柱中央部と、軸方向端部に位置する柱端部と、前記柱端部において前記ポケット部側に突出し、前記ころの径方向外側の移動を規制する外爪と、前記保持器の径方向内側から前記柱中央部に供給される潤滑油を、前記柱中央部から前記外爪に向かって案内する油案内面とを有する、保持器付きころ。
  2. 前記油案内面は、前記ころからの周方向の距離が、前記柱中央部から前記柱端部に向かって徐々に広がるように傾斜する少なくとも1つの傾斜面を含む、請求項1に記載の保持器付きころ。
  3. 前記傾斜面は、径方向外側に位置する一方縁を含み、
    前記一方縁は、前記柱中央部から前記柱端部に向かうにつれて、径方向外側に向かって傾斜している、請求項2に記載の保持器付きころ。
  4. 前記傾斜面は、前記柱端部から前記柱中央部に向かって周方向に突出する、請求項2または3に記載の保持器付きころ。
  5. 前記柱部は、前記外爪よりも径方向内側に位置して前記ポケット部側に突出し、前記ころの径方向内側への移動を規制する内爪をさらに有し、
    前記少なくとも1つの傾斜面は、一対の傾斜面であり、
    前記内爪は、前記一対の傾斜面の間に位置する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の保持器付きころ。
  6. 前記柱部は、前記外爪よりも径方向内側に位置して前記ポケット部側に突出し、前記ころの径方向内側への移動を規制する一対の内爪をさらに有し、
    前記傾斜面は、前記一対の内爪の間に位置する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の保持器付きころ。
  7. 内歯歯車と、前記内歯歯車の中心に配置された太陽歯車と、前記内歯歯車と前記太陽歯車に噛合する複数の遊星歯車と、前記遊星歯車を支持するキャリアとを備え、前記遊星歯車が前記キャリアに設けられたピニオン軸に転がり軸受を介して回転自在に支持された遊星歯車機構の遊星歯車支持構造において、
    前記転がり軸受は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の保持器付きころである、遊星歯車支持構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111895062A (zh) * 2020-07-09 2020-11-06 北京精密机电控制设备研究所 一种行星滚柱丝杠副

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