JP2020002853A - 密閉型圧縮機及びそれを備える冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】騒音を低減することができる密閉型圧縮機を提供する。【解決手段】密閉型圧縮機100は、本体部110と、前記本体部を収容し、且つ、内底面に第1曲面152が形成された密閉容器102と、を備え、前記本体部は、シリンダ部131の内部空間において往復運動するピストン133を有する圧縮要素130と、前記圧縮要素を駆動する電動要素120と、前記圧縮要素及び前記電動要素を支持し、且つ、前記第1曲面に当接する第2曲面154が形成された支持部150を有し、前記第1曲面の曲率半径が前記第2曲面の曲率半径よりも大きい。【選択図】図1
Description
本発明は、密閉型圧縮機及びそれを備える冷凍装置に関する。
従来の密閉型圧縮機として、例えば、特許文献1の密閉型圧縮機が知られている。この密閉型圧縮機では、圧縮機本体が密閉容器に収容されている。この圧縮機本体は、その下部に曲面が形成されており、曲面が密閉容器の内底面に当接することにより密閉容器に対して揺動可能に支持されている。
上記特許文献1の密閉型圧縮機では、密閉型圧縮機が傾斜した状態で設置されると、圧縮機本体が密閉容器よりもさらに大きく傾く。これにより、圧縮機本体が密閉容器に接触すると、騒音が発生する。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、騒音を低減することができる密閉型圧縮機及びそれを備える冷凍装置を提供することを目的としている。
本発明のある態様に係る密閉型圧縮機は、本体部と、前記本体部を収容し、且つ、内底面に第1曲面が形成された密閉容器と、を備え、前記本体部は、シリンダ部の内部空間において往復運動するピストンを有する圧縮要素と、前記圧縮要素を駆動する電動要素と、前記圧縮要素及び前記電動要素を支持し、且つ、前記第1曲面に当接する第2曲面が形成された支持部を有し、前記第1曲面の曲率半径が前記第2曲面の曲率半径よりも大きい。
本発明は、密閉型圧縮機及びそれを備えた冷凍装置において騒音を低減することができるという効果を奏する。
第1の発明に係る密閉型圧縮機は、本体部と、前記本体部を収容し、且つ、内底面に第1曲面が形成された密閉容器と、を備え、前記本体部は、シリンダ部の内部空間において往復運動するピストンを有する圧縮要素と、前記圧縮要素を駆動する電動要素と、前記圧縮要素及び前記電動要素を支持し、且つ、前記第1曲面に当接する第2曲面が形成された支持部を有し、前記第1曲面の曲率半径が前記第2曲面の曲率半径よりも大きい。
これにより、密閉容器に対する本体部の揺動を阻害することなく、密閉型圧縮機が傾斜した場合であっても密閉容器に対する本体部の傾きを小さく抑えることができる。これにより、本体部が密閉容器に接触し、騒音が発生することを低減することができる。
第2の発明に係る密閉型圧縮機は、第1の発明において、前記第2曲面の曲率半径が前記本体部の高さの0.7倍以上であり、前記第1曲面の曲率半径が前記本体部の高さの1倍以上4倍以下であってもよい。
これにより、密閉容器に対する本体部の変位を小さく抑え、本体部と密閉容器との間隔を確保することができる。よって、密閉容器に対する本体部の接触をより確実に抑制し、騒音の低減化を向上することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明の密閉型圧縮機において、前記第1曲面の曲率と前記第2曲面の曲率との差の逆数である等価半径は、前記本体部の高さの2倍以上8倍以下であってもよい。
これにより、第1曲面の曲率半径と第2曲面の曲率半径との差が小さくなりすぎることによって本体部の転がり(揺動)が阻害されることを軽減することができる。よって、本体部から密閉容器への振動を低減することができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明の密閉型圧縮機において、前記電動要素は、商用電源の周波数より低い回転数が含む複数の回転数でインバータにより駆動されていてもよい。これによれば、低回転数で電動要素が駆動されている場合であっても、本体部の振動を低減することができる。
第5の発明は、第1〜4のいずれか1つの発明の密閉型圧縮機を備えていてもよい。これによれば、密閉型圧縮機の振動が低いので、これを備える冷凍装置の振動による騒音を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
<密閉型圧縮機の構成>
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る密閉型圧縮機100は本体部110、及び、本体部110を収容する密閉容器102を備えている。密閉容器102は、内側の底(内底面104)に第1曲面152を有している。内底面104の詳細については後述する。
<密閉型圧縮機の構成>
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る密閉型圧縮機100は本体部110、及び、本体部110を収容する密閉容器102を備えている。密閉容器102は、内側の底(内底面104)に第1曲面152を有している。内底面104の詳細については後述する。
密閉容器102には、冷媒ガスが充填され、下部にはオイル106が貯留されている。冷媒ガスには、例えば、地球温暖化係数の低いR600a(イソブタン)等が用いられる。オイル106には、密閉型圧縮機100の消費電力を低減する観点から、粘度グレードがVG8以下のオイルが用いられ、好ましくは、VG5程度の粘度が低いオイルが用いられる。
本体部110は、電動要素120、圧縮要素130及びこれらを支持する支持部150を備え、支持部150により内底面104上に支持されている。この支持部150の詳細に関しては後述する。
電動要素120は、圧縮要素130を駆動し、例えば、突極集中巻方式のDCブラシレスモータであって、固定子121と、固定子121の内側に配置され且つ永久磁石を内蔵した回転子122とを有している。
固定子121の巻線は、電源端子108を経由して密閉型圧縮機100外の商用電源と導線により接続されている。この電源端子108と商用電源との間には制御回路及びインバータが設けられている。インバータによって、電動要素120は、商用電源の周波数より低い回転数を含む複数の回転数で駆動される。
圧縮要素130は、例えば、電動要素120の上方に配置され、クランクシャフト134、シリンダブロック132及びピストン133を備えている。クランクシャフト134は主軸部134a及び偏心軸部134bを有しており、主軸部134aは鉛直方向に延び、下部が回転子122に圧入固定されている。
偏心軸部134bは、主軸部134aに対し偏心して形成されており、ピストン133とコンロッド142によって連結されている。このコンロッド142は、偏心軸部134bの回転運動をピストン133の往復運動に変換している。
シリンダブロック132は、軸受部135及びシリンダ部131を有している。軸受部135は、主軸部134aを軸支している。シリンダ部131は、略円筒形状であって、内部空間を有している。このシリンダ部131の一端側から内部空間にピストン133が往復自在に挿入され、シリンダ部131の他端にバルブプレート137が取り付けられている。これにより、シリンダ部131、ピストン133及びバルブプレート137により囲まれた円柱形状の圧縮室136が形成されている。
バルブプレート137は、吸入ポート137a及び吐出ポート137bを備え、シリンダヘッド138によりシリンダブロック132に押さえ付けて固定されている。この吸入ポート137aを介して圧縮室136に低圧の冷媒ガスが吸入され、吐出ポート137bを介して圧縮室136で圧縮された高圧の冷媒ガスが吐出される。
圧縮室136は吸入ポート137aを経由して吸入マフラ140と連通している。また、吸入マフラ140は、上部がシリンダヘッド138に把持されており、内部に消音空間140aを有し、密閉容器102の内部とを連通している。この密閉容器102には、吸入配管141が取り付けられ、密閉容器102外の冷凍サイクルに接続されている。
シリンダヘッド138は、内部に高圧室を形成している。高圧室は、シリンダブロック132に形成された吐出マフラと連通している。吐出マフラは吐出配管139に接続されて、吐出配管139は、密閉容器102に取り付けられた出口管に接続され、密閉容器102の外部の冷凍サイクルに接続されている。
<内底面の構成>
密閉容器102の内底面104における第1曲面152は、下方へ突出するように湾曲している。例えば、図3に示すように、第1曲面152は、曲率中心O1を中心とする曲率半径R1の球面に沿った形状である。第1曲面152の曲率は0を含む。
密閉容器102の内底面104における第1曲面152は、下方へ突出するように湾曲している。例えば、図3に示すように、第1曲面152は、曲率中心O1を中心とする曲率半径R1の球面に沿った形状である。第1曲面152の曲率は0を含む。
<支持部の構成>
図1に示すように、支持部150は、本体部110の荷重に耐えられる強度を有する材料で形成され、例えば、鉄板等の金属板のプレス加工品、又は、樹脂の射出成形品等が用いられる。鉄板のプレス加工品を用いた支持部150では、容易に製造でき、製造コストを低く抑えることができる。また、樹脂の射出成型品を用いた支持部150では、支持部150と密閉容器102との衝突音を低減することができる。
図1に示すように、支持部150は、本体部110の荷重に耐えられる強度を有する材料で形成され、例えば、鉄板等の金属板のプレス加工品、又は、樹脂の射出成形品等が用いられる。鉄板のプレス加工品を用いた支持部150では、容易に製造でき、製造コストを低く抑えることができる。また、樹脂の射出成型品を用いた支持部150では、支持部150と密閉容器102との衝突音を低減することができる。
支持部150は、本体部110における下部に設けられ、本体部110の上部にある電動要素120及び圧縮要素130をスペーサ151を介して密閉容器102に対して支持している。スペーサ151は、圧縮要素130の主軸部134aの下部の周囲を取り囲むように形成されている。スペーサ151は、主軸部134aに平行な方向に延び、上端が固定子121に接続され、下端が支持部150に接続されている。
支持部150は、下方に湾曲する板状体であって、主軸部134aと内底面104の第1曲面152との間に配置されている。支持部150は、その下面(第2曲面154)が第1曲面152に対向し、第2曲面154の反対側の上面が主軸部134aに対向するように配置されている。
例えば、図3に示すように、第2曲面154は、曲率中心O2を中心とする曲率半径R2の球面に沿った形状である。このため、第2曲面154は当接部156にて第1曲面152と点接触し、本体部110は第2曲面154に沿って揺動可能である。
第2曲面154の曲率中心O2は、第1曲面152及び第2曲面154からの高さが本体部110の重心Gよりも高くなるように配置されている。例えば、密閉型圧縮機100が水平に配置された状態では、曲率中心O2が重心Gの鉛直方向の上方に設けられ、本体部110は自立する。なお、第2曲面154の曲率中心O2の位置は、必ずしも、本体部110の重心Gの鉛直方向の上方でなくてもよい。
第1曲面152の曲率半径R1は第2曲面154の曲率半径R2よりも大きく、R1>R2である。このため、第1曲面152は第2曲面154よりも緩やかに湾曲している。
第2曲面154の曲率半径R2は、第1曲面152に対する第2曲面154の当接部156から本体部110の重心Gまでの距離(重心高さ)HGよりも大きい。このため、本体部110は自立状態が安定的に維持される。
本体部110の重心Gは本体部110のほぼ中心にある。本体部110の高さH2は、密閉型圧縮機100が水平に配置された状態における下端から上端までの高さであって、重心高さHGの2倍であり、H2=2HGとなっている。
<密閉型圧縮機の動作>
商用電源から供給された電力は、制御回路及びインバータから電源端子108を経由して電動要素120に供給される。これにより、電動要素120の回転子122は任意の複数の設定回転数で回転する。複数の設定回転数のうち少なくとも一つには、商用電源周波数よりも低い回転数、例えば、20Hz〜30Hzの周波数による設定回転数が含まれる。
商用電源から供給された電力は、制御回路及びインバータから電源端子108を経由して電動要素120に供給される。これにより、電動要素120の回転子122は任意の複数の設定回転数で回転する。複数の設定回転数のうち少なくとも一つには、商用電源周波数よりも低い回転数、例えば、20Hz〜30Hzの周波数による設定回転数が含まれる。
そして、回転子122に固定された主軸部134aが回転し、主軸部134aに接続された偏心軸部134bが主軸部134aに対して偏心回転する。この偏心軸部134bの回転運動がコンロッド142によってピストン133の往復運動に変換され、ピストン133により規定される圧縮室136の容積が変化する。
圧縮室136の容積が増加するようにピストン133が移動すると、低圧の冷媒ガスが、吸入配管141を通して密閉容器102内に導かれ、吸入マフラ140から吸入ポート137aを経由して、圧縮室136に吸入される。圧縮室136において冷媒ガスは、圧縮室136の容積が減少するようにピストン133が移動することにより圧縮される。その後、冷媒ガスは、吐出ポート137bを経由して高圧室に吐出され、さらに吐出配管139及び出口管を通って密閉容器102外の冷凍サイクルへ吐出される。
<支持部の作用>
図1及び図3に示すように、密閉容器102が傾いていない水平な静的平衡状態では、本体部110の第2曲面154は密閉容器102の第1曲面152と当接部156(P)にて当接する。この当接部156は、本体部110の重心Gの鉛直下方に位置し、密閉容器102に対して本体部110が所定の姿勢で自立する。
図1及び図3に示すように、密閉容器102が傾いていない水平な静的平衡状態では、本体部110の第2曲面154は密閉容器102の第1曲面152と当接部156(P)にて当接する。この当接部156は、本体部110の重心Gの鉛直下方に位置し、密閉容器102に対して本体部110が所定の姿勢で自立する。
この所定の姿勢において、例えば、本体部110と密閉容器102との間隔が最大になるように設定されている。このため、本体部110は密閉容器102に間隔を空けて配置されるため、密閉容器102との接触が防止されている。よって、接触による騒音、及び、接触による本体部110から密閉容器102への振動の伝達を低減することができる。
そして、ピストン133の往復運動による反作用によって、ピストン133の往復方向の周期的な加振力が本体部110に作用する。これにより、本体部110は揺動する。
この際、本体部110は、第2曲面154が内底面104の第1曲面に沿って、当接部156を瞬間中心として回転しながら揺動する。このため、本体部110から密閉容器102に振動が伝わり難く、密閉型圧縮機100の振動を低減することができる。
図1の密閉容器102の底面が水平な静的平衡状態から、図2及び図3に示すように、角度αだけ傾いた場合、本体部110は角度βだけさらに傾斜する。すなわち、密閉容器102の傾斜角度αに対して、本体部110の傾斜角度はα+βである。
この角度βは、静的平衡状態における当接部156(P)に対する第1曲面152の曲率中心O1の方向(すなわち、密閉容器102における局所的な中心軸(鉛直方向))と、当接部156(P)に対する第2曲線154の曲率中心O2の方向との間の角度である。つまり、角度βは、当接部156(P)及び曲率中心O1を通る直線と、当接部156(P)及び曲率中心O2を通る直線とのなす角である。
曲率半径R2よりも大きい曲率半径R1の第1曲面152によって、傾斜角度βは、内底面が平坦な場合の本体部110の傾斜角度よりも小さい。これにより、内底面が平坦な場合よりも密閉容器102に対する本体部110の姿勢は所定の姿勢に近くなるため、密閉容器102と本体部110との間隔が確保される。よって、密閉容器102と本体部110との接触が抑制され、接触による騒音、及び、接触による本体部110から密閉容器102への振動の伝達を低減することができる。
また、本体部110は密閉容器102よりもさらに大きく傾斜する。これにより、本体部110の重心がGからG′に変位し、当接部156も第2曲面154においてPからP′に変位する。そして、当接部156(P′)が重心G′の鉛直方向の下方に位置するとき、密閉容器102に対して本体部110が平衡状態となる。
この際、第1曲面152と第2曲面154の間に滑りがない場合、中心O1、O2に対する当接部156(P)と当接部156(P′)の角度θ1(=∠PO1P′)、θ2(=∠PO2P′)の関係は、R1θ1=R2θ2となる。また、本体部110の傾きβ(=∠O1PO2)は、β=θ2−θ1で表される。
ここで、曲率中心O1及び接触点P′を通る直線の鉛直方向に対する角度γを、γ=α−θ1とし、δ=∠O1P′G′とする。このとき、静的平衡状態では重心G′が接触点P′の鉛直方向の上方に位置するため、γ=δとなる。
また、第2曲面154の曲率中心O2と重心Gとの距離RG(=R2−HG)を用いると、δについて正弦定理より次式(1)及び式(2)を得る。
sinδ/RG=(sin(π−δ−θ2))/R2 式(1)
R2sin(α―θ1)−RGsin(α+(R1−R2)θ1/R2)=0 式(2)
この式(1)及び式(2)を解くことにより、密閉容器102が角度αだけ傾斜した時の角度θ1及びその他のパラメータを求めることができる。
R2sin(α―θ1)−RGsin(α+(R1−R2)θ1/R2)=0 式(2)
この式(1)及び式(2)を解くことにより、密閉容器102が角度αだけ傾斜した時の角度θ1及びその他のパラメータを求めることができる。
さらに、例えば、ピストン133が往復運動する方向における重心Gの変位を、本体部110の変位として表す。この場合、変位の大きさXは次式(3)で表される。
X=(R1−R2)sinγ+RGsin(γ+θ2)−(R1−R2+RG)sinα
式(3)
例えば、所定の姿勢の本体部110と密閉容器102との間隔は、運転時の接触防止及び輸送時の破損防止の観点から、7mm程度に設定されている。このため、密閉容器102に対する本体部110の変位Xを所定値(例えば、5mm)以下にすることにより、密閉容器102と本体部110との接触を防止することができる。
式(3)
例えば、所定の姿勢の本体部110と密閉容器102との間隔は、運転時の接触防止及び輸送時の破損防止の観点から、7mm程度に設定されている。このため、密閉容器102に対する本体部110の変位Xを所定値(例えば、5mm)以下にすることにより、密閉容器102と本体部110との接触を防止することができる。
図4は、密閉型圧縮機100の傾斜角度αを15度とした場合の、曲率半径R1及びR2に対する重心Gの変位Xを示す特性図である。図4の2点鎖線で示すFLATは、従来の密閉容器のような内底面が平坦である場合の重心Gの変位Xを示す。なお、傾斜角度αの値の15度は、幅及び奥行きが約600mmで、高さが約1800mmの一般的な冷蔵庫が転倒しない程度の角度であり、密閉型圧縮機100の設置で想定される最大の傾きよりも大きい。
図4に示すように、曲率半径R2よりも大きな曲率半径R1の第1曲面152によって、図1の密閉型圧縮機100の変位Xを、従来の密閉型圧縮機の変位Xよりも小さくすることができる。また、R1/H2を1以上4以下(曲率半径R1が高さH2の1倍以上4倍以下)であって、且つ、R2/H2を0.7以上(曲率半径R2が高さH2の0.7倍以上)に設定すれば、変位Xを小さく抑えることができる。これにより、密閉容器102と本体部110との間隔を確保することができる。よって、密閉容器102と本体部110との接触を抑制し、接触による騒音を低減することができる。
図5は、密閉容器102に対する本体部110の変位Xと、等価半径REとの関係を示すグラフである。なお、等価半径REは、第1曲面152の曲率1/R1と第2曲面154の曲率1/R2との差の逆数(1/RE=1/R2−1/R1)である。
図5に示すように、本体部110の変位XはR1及びR2の組み合わせによらず、同じ曲線上にのる。このため、等価半径REを本体部110の高さH2の2倍以上8倍以下の範囲に設定することにより、変位Xを所定値(例えば、5mm)未満の1mm以上4mm以下にとどめることができる。よって、密閉容器102と本体部110との接触を抑制し、接触による騒音を低減することができる。
図5に示すように、等価半径REが大きくなるほど変位Xは小さくなっている。この場合、等価半径REが大きくなるほど、第1曲面152の曲率半径R1と第2曲面154の曲率半径R2との差が小さくなる。
例えば、図7(b)の場合は図7(a)の場合よりも、等価半径REが大きく、第1曲面152の曲率半径R1と第2曲面154の曲率半径R2との差が小さい。なお、図7(b)の曲率半径R2は、図7(a)の曲率半径R2よりも大きい。
このように、等価半径REが大きく、曲率半径R1と曲率半径R2と差が小さいほど、密閉型圧縮機100が傾斜した際の本体部110の傾斜が小さくなる。このため、本体部110の変位Xは小さくなる。しかしながら、第1曲面152に対して第2曲面154が揺動しにくくなり、本体部110から密閉容器102に振動が伝わりやすくなる。
さらに、第1曲面152と第2曲面154との間にオイル106が介在すると、オイル106の抵抗によって本体部110から密閉容器102に振動がさらに伝達されやすくなる。
よって、等価半径REを本体部110の高さH2の8倍以下に設定することにより、曲率半径R1と曲率半径R2と差が小さくなりすぎることによる振動の伝達を低減することができる。
また、図6は、図5で示した等価半径REが高さH2の2倍以上8倍以下である範囲を、図4と同じ変位X−R2/H2のグラフに示したものである。図6において斜線で示す範囲における変位Xは、図4において斜線で示した範囲の変位Xよりも小さく抑制することができる。よって、密閉容器102と本体部110との接触をより確実に抑制し、接触による騒音の低減化をさらに向上することができる。
このように、等価半径REを本体部110の高さH2の2倍以上8倍以下の範囲に設定する。これにより、密閉容器102に対する本体部110の変位Xを所定値(例えば、5mm)以下に制限しながら、本体部110の揺動を阻害しない。よって、密閉容器102と本体部110との接触を抑制すると共に、本体部110から密閉容器102への振動伝達を軽減することができる。
なお、第1曲面152及び第2曲面154を球面に沿って形成したが、球面以外の円柱面等の曲面でもよく、又は、方向によって異なる曲率を有する曲面でもよい。また、第1曲面152と第2曲面154とが異なる形状の曲面であってもよい。例えば、第1曲面152が円柱面であり、第2曲面154が球面である等、異なる形状の曲面を組み合わせであってもよい。また、密閉容器102の内底部に第1曲面152を形成する代わりに、第1曲面152を有する部材を設置してもよい。これらの場合も、上記と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る冷凍装置は、図8に示すように、実施の形態1の密閉型圧縮機100を有している。以下では、冷凍装置の一例として冷蔵庫200について説明するが、冷凍装置はこれに限定されない。冷凍装置としては、例えば、家庭用電気冷凍冷蔵庫、エアーコンディショナー、冷凍ショーケース、自動販売機、及びその他の装置等が例示される。
本発明の実施の形態2に係る冷凍装置は、図8に示すように、実施の形態1の密閉型圧縮機100を有している。以下では、冷凍装置の一例として冷蔵庫200について説明するが、冷凍装置はこれに限定されない。冷凍装置としては、例えば、家庭用電気冷凍冷蔵庫、エアーコンディショナー、冷凍ショーケース、自動販売機、及びその他の装置等が例示される。
冷蔵庫200は断熱箱体280を備えている。断熱箱体280は、正面が開口する本体280a、及び、開口部を開閉可能に本体280aに取り付けられた扉部を有している。本体280aの内部空間(庫内)は、複数の空間284、285、286、287、288に仕切られている。この各空間284、285、286、287、288に対応して回転式又は引き出し式の扉部289、290、291、292、293が設けられている。各空間は284、285、286、287、288は用途に応じた温度が設定されている。また、庫内には温度センサ(図示せず)が配置されている。
本体280a及び扉部のそれぞれは、断熱壁を有している。断熱壁は、内箱281、外箱282、及び、この間の空間に発泡充填された断熱体283を有している。
内箱281は、例えば、ABS等の樹脂から成り、真空成型により形成されている。外箱282は、例えば、プリコート鋼板等の金属材料から成る。断熱体283は、例えば、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム及びスチレンフォーム等の発泡材から成る。発泡材として、ハイドロカーボン系のシクロペンタンは、地球温暖化防止の観点から好ましい。
例えば、本体280aの背面の上側角部には、凹み部294が設けられている。この凹み部294に、密閉型圧縮機100が弾性支持材295を介して載置されている。密閉型圧縮機100は、冷凍サイクルに接続されている。
冷凍サイクルは、密閉型圧縮機100、凝縮器(図示せず)、キャピラリ296、ドライヤ(図示せず)、蒸発器298及び吸入配管(図示せず)を有し、これらはこの順で環状に接続されている。凝縮器は本体280aの側面等に配置されている。キャピラリ296は減圧器であって、ドライヤは水分を除去する装置である。蒸発器298の近傍には冷却ファン297が設けられている。
この冷凍サイクルでは、庫内の設定温度及び温度センサの検知温度に応じた制御基板(図示せず)からの信号に基づいて冷却運転が行われる。冷却運転が開始されると、密閉型圧縮機100は圧縮動作により高温高圧の冷媒ガスを吐出する。この冷媒ガスは、凝縮器において放熱して凝縮液化してから、キャピラリ296で減圧されて低温低圧の冷媒液となり、蒸発器298に至る。
冷媒液は、蒸発器298において庫内の空気と熱交換し蒸発気化され、冷媒ガスとなる。ここで、冷却ファン297により庫内の空気が循環され、冷却された空気はダンパ(図示せず)等を介して各空間に送られる。
上記構成によれば、密閉型圧縮機100において、ピストン133(図1)の往復運動による振動が低減されている。このため、密閉型圧縮機100を備える冷蔵庫200における騒音も減少させることができる。
例えば、冷蔵庫200の上部に配置されている密閉型圧縮機100は、立っている人間の耳の近くに配置される。このような場合、騒音の低減効果はさらに効果を発揮する。また、密閉型圧縮機100を冷蔵庫200の下部に配置した場合には、床面へ伝達される振動が減少し、騒音を低減することができる。
また、密閉型圧縮機100における電動要素120(図1)の回転数が商用電源の周波数より低い低回転運転時に、密閉型圧縮機100の振動が冷蔵庫200に伝わりやすい。これに対し、低回転時における密閉型圧縮機100の振動を大幅に低減することができる。しかも、低回転運動により密閉型圧縮機100及び冷蔵庫200の消費電力を低減することができる。
本発明の密閉型圧縮機及びそれを備えた冷凍装置は、騒音を低減することができる密閉型圧縮機及びそれを備えた冷凍装置等として有用である。
100 :密閉型圧縮機
102 :密閉容器
104 :内底面
110 :本体部
120 :電動要素
130 :圧縮要素
131 :シリンダ部
133 :ピストン
150 :支持部
152 :第1曲面
154 :第2曲面
200 :冷蔵庫(冷凍装置)
102 :密閉容器
104 :内底面
110 :本体部
120 :電動要素
130 :圧縮要素
131 :シリンダ部
133 :ピストン
150 :支持部
152 :第1曲面
154 :第2曲面
200 :冷蔵庫(冷凍装置)
Claims (5)
- 本体部と、
前記本体部を収容し、且つ、内底面に第1曲面が形成された密閉容器と、を備え、
前記本体部は、
シリンダ部の内部空間において往復運動するピストンを有する圧縮要素と、
前記圧縮要素を駆動する電動要素と、
前記圧縮要素及び前記電動要素を支持し、且つ、前記第1曲面に当接する第2曲面が形成された支持部を有し、
前記第1曲面の曲率半径が前記第2曲面の曲率半径よりも大きい、密閉型圧縮機。 - 前記第2曲面の曲率半径が前記本体部の高さの0.7倍以上であり、
前記第1曲面の曲率半径が前記本体部の高さの1倍以上4倍以下である、請求項1に記載の密閉型圧縮機。 - 前記第1曲面の曲率と前記第2曲面の曲率との差の逆数である等価半径は、前記本体部の高さの2倍以上8倍以下である、請求項1又は2に記載の密閉型圧縮機。
- 前記電動要素は、商用電源の周波数より低い回転数が含む複数の回転数でインバータにより駆動される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機を備えている、冷凍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018122488A JP2020002853A (ja) | 2018-06-27 | 2018-06-27 | 密閉型圧縮機及びそれを備える冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018122488A JP2020002853A (ja) | 2018-06-27 | 2018-06-27 | 密閉型圧縮機及びそれを備える冷凍装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020002853A true JP2020002853A (ja) | 2020-01-09 |
Family
ID=69099669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018122488A Pending JP2020002853A (ja) | 2018-06-27 | 2018-06-27 | 密閉型圧縮機及びそれを備える冷凍装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020002853A (ja) |
-
2018
- 2018-06-27 JP JP2018122488A patent/JP2020002853A/ja active Pending
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