JP2020001668A - 車両の走行制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】衛星航法および自律航法のそれぞれの測位結果に含まれる誤差の大きさが変化することに対応する走行制御システムを提供する。【解決手段】走行制御システムは、車両の前方を撮像した画像に基づき車線形状および車両位置を含むカメラ認識情報を算出する外部環境認識装置と、衛星航法部および自律航法部の測位結果に基づき車線形状および車両位置を含むロケータ認識情報を算出するロケータユニットと、前記カメラ認識情報を用いて前記ロケータ認識情報中の測位誤差を補正する自車位置推定部と、前記自車位置推定部による補正が行われていない状態における走行が、所定の距離または所定の時間継続している場合に、運転者によるステアリングホイールの保持を必要としない前記自動走行制御を終了する走行制御装置と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の自動走行制御を実施する走行制御システムに関する。
自動車等の車両においては、例えば特開2007−196809号公報に開示されているように、運転者によるステアリングホイールの保持を前提とせずに車両の自動運転を行う走行制御システムが知られている。運転者によるステアリングホイールの保持を前提としない自動運転とは、SAEによる定義(SAE J3016_201609)のレベル3以上に相当する。
また、衛星測位システムを用いた測位結果と地図情報との比較結果を用いて車両を車線に沿って走行させる、いわゆる衛星航法を用いた自動運転の技術が知られている。また、
自動運転に用いられる測位技術として、車両に設けられた速度センサ、加速度センサおよびジャイロセンサを用いた自律航法が知られている。
特開2007−196809号公報
衛星航法は、信号を受信可能な衛星の数や位置関係の変化により測位誤差が大きくなる場合がある。また、自律航法は、各センサによる検出結果を積分することにより測位を行うため、積分を行う期間が長くなるほど測位結果に含まれる誤差が大きくなる。
このため、車両の自動運転を行う走行制御システムは、衛星航法および自律航法のそれぞれの測位結果に含まれる誤差の大きさが変化することに対応する必要がある。
本発明は前述した問題を解決するものであり、衛星航法および自律航法のそれぞれの測位結果に含まれる誤差の大きさが変化することに対応する走行制御システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様の走行制御システムは、車両に搭載され、前記車両の操舵および加減速の制御を含む自動走行制御を行う走行制御システムであって、前記車両の前方を撮像した画像に基づいて、前記車両が走行中である車線の形状の情報と、当該車線に対する前記車両の相対的な位置および姿勢の情報と、を含むカメラ認識情報を算出する外部環境認識装置と、地図情報を出力する地図情報出力部と、衛星測位システムを用いて前記車両の測位を行う衛星航法部と、自律航法により前記車両の測位を行う自律航法部と、前記衛星航法部および前記自律航法部の一方または両方の測位結果に基づいて、前記地図情報上における前記車両が走行中である車線の形状の情報と、当該車線に対する前記車両の相対的な位置および姿勢の情報と、を含むロケータ認識情報を算出するロケータユニットと、前記衛星航法部の測位誤差が所定の閾値を超える場合に、前記ロケータ認識情報中の前記自律航法部による測位誤差を、前記カメラ認識情報および前記地図情報を用いて補正する補正処理を実行する自車位置推定部と、前記カメラ認識情報および前記ロケータ認識情報に基づき、前記車両の運転者によるステアリングホイールの保持を前提とした前記自動走行制御を実施する第1運転支援モード、および運転者によるステアリングホイールの保持を必要としない前記自動走行制御を実施する第2運転支援モード、を選択的に実行してする走行制御装置と、を含み、前記走行制御装置は、前記第2運転支援モードの実行時において、前記自車位置推定部による前記補正処理が行われていない状態における前記車両の走行が、所定の距離以上継続している場合または所定の時間以上継続していると判定した場合に、前記第2運転支援モードを終了して前記第1運転支援モードを実行する。
本発明によれば、衛星航法および自律航法のそれぞれの測位結果に含まれる誤差の大きさが変化することに対応する走行制御システムを提供することができる。
走行制御システムの構成図である。 ロケータ認識情報の信頼度判定処理を示すフローチャートである。
以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
図1において、符号1は、自動車等の車両の走行制御システムであり、車両の自律的な自動運転を含む走行制御を実施する。以下では、走行制御システム1が搭載される車両のことを自車両と称する。
自車両は、運転者が運転操作を行うための操作部201を備える。操作部201は、アクセルペダル201a、ブレーキペダル201bおよびステアリングホイール201sを含む。操作部201には、自車両の手動運転と自動運転を切り替える操作を行うスイッチが含まれていてもよい。
走行制御システム1は、走行制御装置100を中心として、状態量検出装置10、外部環境認識装置20、加減速制御装置30、操舵制御装置40、操作検出装置50、警報制御装置60、地図情報出力部70およびロケータユニット80等が情報通信ネットワーク150を介して互いに接続されて構成されている。
状態量検出装置10は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサおよび舵角センサ等を備え、自車両の車速、前後方向の加速度、ヨーレート、舵角等の状態量を検出する。なお、状態量検出装置10に含まれる複数のセンサの少なくとも一部は、自車両が備える他の装置に付属するセンサを共用する形態であってもよい。例えば、状態量検出装置10に含まれる自車両のヨーレートを検出する角速度センサは、自車両が備える横滑り防止装置が備える角速度センサと共用であってもよい。
外部環境認識装置20は、自車両の外部環境を認識するセンサ等からの情報に基づいて自車両前方の道路形状、および自車両の周囲に存在する物体の位置や形状を認識し、当該認識結果を出力する。
本実施形態の外部環境認識装置20は、自車両の前方を撮像した画像に基づいて、自車両が走行中である道路の車線(走行レーン)を認識し、当該車線の形状と、当該車線に対する自車両の相対的な位置および姿勢と、を検出する。本実施形態の外部環境認識装置20は、一例として、ステレオカメラ20aおよび画像処理装置20bを備える。外部環境認識装置20は、ステレオカメラ20aにより撮像された画像を画像処理装置20bにより処理した結果に基づき、自車両が走行中である道路の車線を認識し、当該車線の形状と、当該車線に対する自車両の相対的な位置および姿勢と、を検出する。なお、外部環境認識装置20は、単眼のカメラにより撮像された画像に基づき、自車両が走行中である車線の形状と、当該車線に対する自車両の相対的な位置および姿勢を認識する形態であってもよい。
より具体的には、外部環境認識装置20は、自車両が走行中である車線の曲率を算出して出力する。また、外部環境認識装置20は、自車両を真上から見た場合における、自車両に固定された基準点の、車線の中心線に対する横方向(自車両の幅方向)の相対的な位置と、自車両の前後軸および車線の中心線の間の角度と、の情報を算出して出力する。すなわち、外部環境認識装置20は、車線の中心線に対する自車両の横方向の位置ずれ量と、車線の中心線に対する自車両の進行方向のヨー方向の角度ずれ量を算出して出力する。
以下では、外部環境認識装置20が出力する、自車両が走行中である車線の形状と、当該車線に対する自車両の相対的な位置および姿勢と、の情報のことを、カメラ認識情報と称する。
加減速制御装置30は、運転者による操作部201の操作および後述する走行制御装置100から出力される指示に基づき、自車両が備える原動機および制動装置の動作を制御する電子制御装置である。加減速制御装置30は、自車両の加速および減速と発進および停止を制御する。言い換えれば、加減速制御装置30は、自車両の前後方向の運動を制御する。
自車両が備える原動機は、1つまたは複数の内燃機関であってもよいし、1つまたは複数の電動モータであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。また、制動装置は、自車両の運動エネルギーを熱エネルギーに変換して制動力を発生する形態に限られず、自車両の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する形態のものであってもよい。
なお、実際の加減速制御装置30は、原動機を制御する電子制御装置および制動装置を制御する電子制御装置等の複数の電子制御装置を含み、これらが情報通信ネットワーク150等を介して協調動作することにより実現されている。
操舵制御装置40は、運転者による操作部201の操作および後述する走行制御装置100から出力される指示に基づき、自車両が備える操舵装置の動作を制御する電子制御装置である。なお、操舵装置は、舵角の変更によって自車両にヨーモーメントを付加する形態の装置に加えて、左右輪における制動力差または駆動力差の発生によって自車両にヨーモーメントを付加する形態の装置をさらに備えていてもよい。操舵制御装置40は、操舵装置の動作により発生する自車両のヨーモーメントを制御する。すなわち、操舵制御装置40は、自車両の左右方向の運動を制御する。
操作検出装置50は、運転者による操作部201の操作を検出する。操作検出装置50は、アクセルペダル201aの操作を検出するアクセルペダルセンサ50a、ブレーキペダル201bの操作を検出するブレーキペダルセンサ50b、およびステアリングホイール201sの操作を検出するステアリングセンサ50sを含む。操作検出装置50の一部または全部の構成は、状態量検出装置10の構成を兼ねていてもよい。
アクセルペダルセンサ50aは、例えばアクセルペダル201aの踏み込み量を検出するセンサである。また、ブレーキペダルセンサ50bは、例えばブレーキ液圧を検出するセンサである。また、ステアリングセンサ50sは、例えば、運転者がステアリングホイール201sに加えるトルクを検出する操舵トルクセンサである。
なお、ブレーキペダルセンサ50bは、自車両のブレーキランプの点灯を制御するためのブレーキペダル201bの操作を検出するスイッチを含んでいてもよい。また、ステアリングセンサ50sは、ステアリングホイール201sに設けられたタッチセンサを含んでいてもよい。
警報制御装置60は、運転者に向けた警報を発生する報知装置を制御する電子制御装置である。報知装置は、例えば画像や文字を表示する表示装置、光を発する発光装置、音を発するスピーカ、振動を発するアクチュエータ、またはこれらの組み合わせ、を含む。
地図情報出力部70は、道路の形状を示す地図情報を記憶し出力する。地図情報出力部70は、予め用意された所定の国や地域内の地図情報を記憶している形態であってもよいし、自車両の外に存在するサーバに記憶されている地図情報の一部を、自車両が走行する予定の経路に応じて路車間通信や移動体通信ネットワーク等を介して受信し、これを一時的に記憶する形態であってもよい。
地図情報出力部70が記憶する地図情報は、自車両の自動運転を行う際に必要とされる車線データを含む。車線データは、例えば車線中心の座標(緯度および経度)、車線の幅、および車線の方位角等を含む。
ロケータユニット80は、衛星航法および自律航法の一方または両方を用いて自車両の現在位置情報を算出する。また、ロケータユニット80は、算出した自車両の現在位置情報と、地図情報出力部70が記憶する地図情報とに基づいて、地図情報上における自車両の現在位置の情報を算出して出力する。ロケータユニット80が出力する地図情報上における自車両の現在位置の情報には、自車両が走行中である車線の形状と、当該車線に対する自車両の相対的な位置および姿勢と、の情報が含まれる。
以下では、ロケータユニット80が出力する、自車両が走行中である車線の形状と、当該車線に対する自車両の相対的な位置および姿勢と、の情報のことを、ロケータ認識情報と称する。
より詳細に、ロケータユニット80は、衛星航法部82、自律航法部83および自車位置推定部85を含む。また、ロケータユニット80は、所定のプログラムを実行するプロセッサを備えたコンピュータを含む。
衛星航法部82は、一般に、GNSS、GPS等と称される衛星測位システムを用いた測位を行い、自車両の現在位置情報を検出する。衛星測位システムは公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。なお、衛星航法部82は、衛星から送信される信号に加えて、地上に固定された施設から送信される信号を併用して測位を行う形態であってもよい。
また、衛星航法部82は、測位結果に含まれる誤差の見積り値を算出し、測位結果と共に出力する。以下では、測位結果に含まれる誤差の見積り値のことを、測位誤差と称する。測位誤差は、水平方向の測位誤差の情報を少なくとも含む。水平方向の測位誤差は、例えば誤差円の半径として表される。測位誤差の値は、測位信号を受信可能な衛星の数の変化や、衛星航法部82のアンテナと各衛星との位置の変化等に応じて変化する。
自律航法部83は、衛星測位システムや路車間通信等の外部から受信する信号を用いずに測位する、いわゆる自律航法を行う。自律航法部83は、状態量検出装置10の検出結果に基づき、所定の地点に対する自車両の相対的な現在位置を検出する。例えば、自律航法部83は、状態量検出装置10により検出される自車両の3軸方向の速度および3軸方向の角速度を積分することにより、自車両の現在位置情報を検出する。
自車位置推定部85は、自車両の現在位置情報と地図情報出力部70が記憶する地図情報とをマッチングする。自車位置推定部85は、自車両の現在位置情報および地図情報に基づき、ロケータ認識情報を算出する。
衛星航法部82の測位誤差が所定の閾値以下である場合には、自車位置推定部85は、衛星航法部82による測位結果を用いて自車両の現在位置情報を検出し、当該現在位置情報に基づきロケータ認識情報を算出する。
衛星航法部82による測位誤差が所定の閾値を超えている場合には、自車位置推定部85は、衛星航法部82による測位結果と自律航法部83による測位結果とを併用して自車両の現在位置情報を検出し、当該現在位置情報に基づきロケータ認識情報を算出する。また、この場合、自車位置推定部85は、外部環境認識装置20から出力されるカメラ認識情報と地図情報との比較結果に基づいて、自律航法部83による測位結果に含まれる誤差を補正する補正処理を実行する。自車位置推定部85が実行する補正処理には、前後位置補正、横位置補正および方位角補正が含まれる。
前後位置補正処理とは、自車両の前後方向、すなわち車線に沿う方向についての自律航法部83による測位誤差を補正することである。また、横位置補正処理とは、自車両の横方向、すなわち車線に直交する方向についての自律航法部83による測位誤差を補正することである。また、方位角補正処理とは、自車両の進行方位についての自律航法部83による測位誤差を補正することである。
前後位置補正処理は、外部環境認識装置20(ステレオカメラ20a)を用いて認識可能であり、かつ地図情報に基づき位置を認識可能な特徴点が、車線または車線の近傍に存在する場合に実行可能である。外部環境認識装置20により認識可能な特徴点とは、本実施形態では一例として車線の曲がり形状である。なお、外部環境認識装置20により認識可能な特徴点とは、交差点や道路の周囲に存在する建造物等であってもよい。
前後位置補正処理では、自車位置推定部85は、自律航法部83により検出された過去の自車両の走行軌跡の形状と、外部環境認識装置20が検出した車線の形状と、に基づき、自車両が走行中である車線の曲がり形状を算出する。そして、前後位置補正処理では、自車位置推定部85は、算出した車線の曲がり形状と、車線データ(地図情報)が含む車線の形状と、を比較し、自車両の現在位置を推定する。そして、前後位置補正処理では、自車位置推定部85は、推定した自車両の現在位置を用いて、自律航法部83による測位結果の前後方向のズレを補正する。自車位置推定部85は、自車両が直線状の車線を走行中である場合には、前後位置補正処理を実行しない。
横位置補正処理は、外部環境認識装置20を用いて自車両が走行中である車線の中心が認識可能である場合に実行可能である。言い換えれば、横位置補正処理は、外部環境認識装置20を用いて自車両が走行中である車線の左右の境界が認識可能である場合に実行可能である。
横位置補正処理では、自車位置推定部85は、外部環境認識装置20により認識される車線の中心線に対する自車両の幅方向の位置ずれ量を用いて、自律航法部83による測位結果の横方向のズレを補正する。
方位角補正処理は、自車両が直線路を走行中であり、かつ外部環境認識装置20を用いて自車両が走行中である車線の中心が認識可能である場合に実行可能である。すなわち、自車位置推定部85は、自車両が曲線状の車線を走行中である場合には、方位角補正処理を実行しない。
方位角補正処理では、自車位置推定部85は、外部環境認識装置20により認識される車線の中心線に対する自車両の進行方向のヨー方向の角度ずれ量と、車線データが含む車線の方位と、に基づいて、自律航法部83による測位結果の方位のズレを補正する。
走行制御装置100は、加減速制御装置30および操舵制御装置40を制御する電子制御装置であり、自車両の走行制御を行う。走行制御装置100は、状態量検出装置10、外部環境認識装置20、地図情報出力部70、ロケータユニット80および操作検出装置50から出力される情報に基づき、加減速制御装置30および操舵制御装置40を制御する。すなわち、走行制御装置100は、自車両の状態量、カメラ認識情報、ロケータ認識情報および運転者による操作、に基づいて加減速制御装置30および操舵制御装置40を制御する。
本実施形態の走行制御装置100は、手動運転モード、第1運転支援モードおよび第2運転支援モードを含む複数の運転モード(動作モード)を備え、これらを選択的に実行して自車両の走行制御を行う。
ここで、自車両の走行制御とは、自車両の加減速および操舵の制御が少なくとも含まれる。また、自車両の走行制御には、自車両の外部環境の認識結果に対する反応の実行も含まれる場合もある。
手動運転モードは、運転者が、操作部201を用いて、自車両の加減速および操舵の一方または両方を制御する運転モードである。すなわち、手動運転モードは、運転者が自車両の走行制御の全てを実施する場合と、運転者が自車両の走行制御の一部を実施し残りの走行制御を走行制御装置100が実施する場合と、を含む。前者の場合は、自動車の自動運転レベルの定義のうちの、いわゆるSAEによる定義のレベル0に相当し、後者の場合はレベル1に相当する(SAE J3016_201609)。以下では、SAEによる定義の自動運転レベルについて、SAEレベル0、SAEレベル1等と称するものとする。
また、手動運転モードでは、運転者に、自車両の外部環境の認識と、当該外部環境の認識結果への反応の決定が求められる。
第1運転支援モードは、SAEレベル2に相当する。すなわち、第1運転支援モードは、走行制御装置100が自車両の加減速および操舵の両方を制御するが、運転者による自車両の外部環境の認識と、当該外部環境の認識結果への反応の決定と、の実行が必要とされる運転モードである。
具体的に本実施形態では、走行制御装置100は、第1運転支援モードを実行する際に、運転者によるステアリングホイール201sの保持を要求する。言い換えれば、本実施形態では、走行制御装置100は、ステアリングセンサ50sにより、運転者によるステアリングホイール201sの保持を検出している場合に、第1運転支援モードを実行することができる。したがって、第1運転支援モードとは、運転者によるステアリングホイール201sの保持を前提とした自動走行制御である。
第2運転支援モードは、SAEレベル3または4に相当する。すなわち、第2運転支援モードは、走行制御装置100が自車両の加減速および操舵の両方を制御し、また走行制御装置100が自車両の外部環境の認識と、当該外部環境の認識結果への反応の決定も実行する運転モードである。
すなわち、第2運転支援モードとは、運転者によるステアリングホイール201sの保持を必要としない自動走行制御である。
走行制御装置100、例えば運転者が操作部201を用いることによって入力される指示に応じて、手動運転モード、第1運転支援モードおよび第2運転支援モードを選択的に実行する。
本実施形態では一例として、第2運転支援モードはSAEレベル3に相当するものとする。したがって、走行制御装置100による第2運転支援モードの実行時において、自動運転の継続が困難となった場合には、走行制御装置100による第2運転支援モードの走行制御動作は縮退運転状態となり、運転者による走行制御の一部または全部の引き継ぎが必要とされる。
第2運転支援モードの実行時において、自動運転の継続が困難となる場合とは、例えば外部環境認識装置20による車線の認識が不可能となる場合や、ロケータユニット80が出力するロケータ認識情報の信頼度が低下した場合等に発生し得る。
第2運転支援モードの実行時において、自動運転の継続が困難となった場合には、走行制御装置100は、第2運転支援モードの実行を終了して手動運転モードまたは第1運転支援モードを実行する。そして、第2運転支援モードの終了時には、走行制御装置100は、警報制御装置60を制御して、運転者に第2運転支援モードの終了と走行制御の引き継ぎ要求を運転者に報知する。
また、第2運転支援モードの実行時において、運転者による操作部201を用いた走行制御への介入操作を検出した場合に、走行制御装置100は、第2運転支援モードの実行を終了して手動運転モードまたは第1運転支援モードを実行する。自動運転中の自車両の走行制御への運転者による介入操作は、オーバーライド等と称される。
図2は、第2運転支援モードの実行時において、ロケータユニット80が出力するロケータ認識情報の信頼度を判定する処理のフローチャートである。走行制御装置100は、図2に示す処理を、第2運転支援モードの実行時において、所定の周期で繰り返し実行する。
図2に示す処理では、まず、ステップS10において、走行制御装置100は、衛星航法部82による測位誤差が所定の閾値以下であるか否かを判定する。
ステップS10の判定において、衛星航法部82による測位誤差が所定の閾値以下である場合には、走行制御装置100は、ステップS20に移行する。ステップS20では、走行制御装置100は、ロケータユニット80が出力するロケータ認識情報の信頼度を第2レベル(高)であると判定する。ステップS20の次に、ステップS30において、走行制御装置100は、第2運転支援モードの実行が継続可能であると判定する。
一方、ステップS10の判定において、衛星航法部82による測位誤差が所定の閾値を超えている場合には、走行制御装置100は、ステップS100に移行する。すなわち、ロケータユニット80が、衛星航法部82による測位結果と、自律航法部83による測位結果と、の双方に基づきロケータ認識情報を算出している場合には、ステップS100に移行する。
ステップS100では、走行制御装置100は、前後位置補正処理が行われていない状態における自車両の走行が、所定の距離以上または所定の時間以上継続したか否かを判定する。前述のように、ロケータユニット80の自車位置推定部85は、自車両が直線状の車線を走行中である場合には、前後位置補正処理を実行しない。
ステップS100の判定において、前後位置補正処理が行われていない状態における自車両の走行が、所定の距離以上継続している場合または所定の時間以上継続している場合には、走行制御装置100は、ステップS200に移行する。
ステップS200では、ステップS200では、走行制御装置100は、ロケータユニット80が出力するロケータ認識情報の信頼度を第1レベル(低)であると判定する。そして、ステップS210において走行制御装置100は、第2運転支援モードの実行の継続が不可能であると判定する。ステップS210の実行後、走行制御装置100は、第2運転支援モードを終了して第1運転支援モードの実行を開始する。
なお、第2運転支援モードを終了する際には、走行制御装置100は、警報制御装置60を制御し、第2運転支援モードが終了することを報知装置を用いて運転者に報知する。
一方、ステップS100の判定において、前後位置補正処理が行われていない状態における自車両の走行が、所定の距離未満である場合または所定の時間未満である場合には、走行制御装置100は、ステップS110に移行する。
ステップS110では、走行制御装置100は、方位角補正処理が行われていない状態における自車両の走行が、所定の距離以上または所定の時間以上継続したか否かを判定する。前述のように、ロケータユニット80の自車位置推定部85は、自車両が曲線状の車線を走行中である場合には、方位角補正処理を実行しない。
ステップS110の判定において、方位角補正処理が行われていない状態における自車両の走行が、所定の距離以上継続している場合または所定の時間以上継続している場合には、走行制御装置100は、ステップS200に移行する。前述したように、ステップS200では、走行制御装置100は、ロケータユニット80が出力するロケータ認識情報の信頼度を第1レベル(高)であると判定する。そして、ステップS210において、走行制御装置100は、第2運転支援モードの実行の継続が不可能であると判定する。
一方、ステップS110の判定において、方位角補正処理が行われていない状態における自車両の走行が、所定の距離未満である場合または所定の時間未満である場合には、走行制御装置100は、ステップS20に移行する。前述のように、ステップS20では、走行制御装置100は、ロケータユニット80が出力するロケータ認識情報の信頼度を第2レベル(高)であると判定する。そして、ステップS30において、走行制御装置100は、第2運転支援モードの実行が継続可能であると判定する。
以上に説明したように、本実施形態の走行制御装置100は、衛星航法部82の測位誤差が所定の閾値を超えており、ロケータ認識情報に自律航法部83による測位結果が含まれている場合であっても、自車位置推定部85による補正処理が最後に行われてからの走行が所定の距離未満である場合または所定の時間未満である場合には、ロケータ認識情報の信頼度が高く、第2運転支援モードの実行が継続可能であると判定する。
言い換えれば、本実施形態の走行制御装置100は、自車位置推定部85による自律航法部83の測位誤差の補正処理が定期的に繰り返し実行されている期間中は、衛星航法部82の測位誤差が所定の閾値を超えていたとしても、ロケータ認識情報の信頼度が高く、第2運転支援モードの実行が継続可能であると判定する。
一般に、衛星航法の測位誤差は、頭上に位置する障害物の有無の変化により大きく変化する。このため、ロケータ認識情報の信頼度の判定を、衛星航法の測位誤差の大きさのみに基づいて行った場合、頻繁に第2運転支援モードを終了しなければならなくなることが考えられる。このような従来技術に対し、本実施形態の走行制御装置100では、自律航法部83の測位誤差の補正処理を最後に行った時点からの走行距離または走行時間に基づき、ロケータ認識情報の信頼度の判定を行うため、衛星航法部82の測位誤差が大きい期間が比較的長く続いたとしても、第2運転支援モードを従来よりも長時間継続することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の走行制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1 走行制御システム、
10 状態量検出装置、
20 外部環境認識装置、
20a ステレオカメラ、
20b 画像処理装置、
30 加減速制御装置、
40 操舵制御装置、
50 操作検出装置、
50a アクセルペダルセンサ、
50b ブレーキペダルセンサ、
50s ステアリングセンサ、
60 警報制御装置、
70 地図情報出力部、
80 ロケータユニット、
82 衛星航法部、
83 自律航法部、
85 自車位置推定部、
100 走行制御装置、
150 情報通信ネットワーク、
201 操作部、
201a アクセルペダル、
201b ブレーキペダル、
201s ステアリングホイール。

Claims (3)

  1. 車両に搭載され、前記車両の操舵および加減速の制御を含む自動走行制御を行う走行制御システムであって、
    前記車両の前方を撮像した画像に基づいて、前記車両が走行中である車線の形状の情報と、当該車線に対する前記車両の相対的な位置および姿勢の情報と、を含むカメラ認識情報を算出する外部環境認識装置と、
    地図情報を出力する地図情報出力部と、
    衛星測位システムを用いて前記車両の測位を行う衛星航法部と、
    自律航法により前記車両の測位を行う自律航法部と、
    前記衛星航法部および前記自律航法部の一方または両方の測位結果に基づいて、前記地図情報上における前記車両が走行中である車線の形状の情報と、当該車線に対する前記車両の相対的な位置および姿勢の情報と、を含むロケータ認識情報を算出するロケータユニットと、
    前記衛星航法部の測位誤差が所定の閾値を超える場合に、前記ロケータ認識情報中の前記自律航法部による測位誤差を、前記カメラ認識情報および前記地図情報を用いて補正する補正処理を実行する自車位置推定部と、
    前記カメラ認識情報および前記ロケータ認識情報に基づき、前記車両の運転者によるステアリングホイールの保持を前提とした前記自動走行制御を実施する第1運転支援モード、および運転者によるステアリングホイールの保持を必要としない前記自動走行制御を実施する第2運転支援モード、を選択的に実行してする走行制御装置と、
    を含み、
    前記走行制御装置は、前記第2運転支援モードの実行時において、前記自車位置推定部による前記補正処理が行われていない状態における前記車両の走行が、所定の距離以上継続している場合または所定の時間以上継続していると判定した場合に、前記第2運転支援モードを終了して前記第1運転支援モードを実行する
    ことを特徴とする走行制御システム。
  2. 前記補正処理は、前記カメラ認識情報に含まれる車線の曲がり形状と、前記地図情報に含まれる車線の曲がり形状との比較結果に基づいて、前記自律航法部による前記車両の前後方向についての測位誤差を補正する前後位置補正処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の走行制御システム。
  3. 前記補正処理は、前記カメラ認識情報に含まれる車線に対する前記車両のヨー方向の角度ずれ量と、前記地図情報に含まれる車線の方位との比較結果に基づいて、前記自律航法部による前記車両の進行方位についての測位誤差を補正する方位角補正処理を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の走行制御システム。
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