JP2020000189A - 作業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】円滑な自動走行による作業を行わせるとともに、圃場を荒らし難くした作業車両を提供すること。【解決手段】作業車両は、位置情報取得装置により取得した自車位置情報に基づき、走行車体を自動走行させる走行処理を実行するとともに、作業装置を駆動しての作業処理を実行する制御装置を備え、制御装置は、走行車体を圃場の外周を周回させることで、圃場の外形を導出可能な圃場位置情報を取得するとともに、走行車体を直進させながら作業処理を同時に実行する単位作業行程を、圃場内で複数回繰り返して実行可能であり、単位作業行程における作業走行中に、走行車体が圃場端に接近したことを検出すると、所定のタイミングで操舵装置を駆動して走行車体を旋回させ、かつ旋回直前の前行程で作業走行していた直進経路との間に、単位作業行程分の作業幅を設けて次行程に移行する。【選択図】図6

Description

本発明は、作業車両に関する。
従来、作業車両として、たとえば、走行車体の後部に苗植付部を連結し、圃場を走行しながら苗の植付作業を行う苗移植機がある。かかる苗移植機の中でも、自車両の位置を示す自車位置情報と圃場位置情報とに基づいて自動操舵により自動走行しながら植付作業を可能としたものがある(たとえば、特許文献1を参照)。
特開2016−24540号公報
しかしながら、従来の自動走行する苗移植機は、旋回する場合、たとえば湿田であれば機体が泥濘にはまったりするおそれがある。また、旋回の際の曲率半径が小さければ圃場を荒らすおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、圃場を荒らし難く、かつ圃場を円滑に自動走行することのできる作業車両を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の作業車両(10)は、複数の走行車輪(11),(12)を備え、圃場(100)を走行可能な走行車体(1)と、前記走行車輪(11),(12)に駆動力を供給する駆動源(6)と、前記走行車輪(11)を操舵する操舵装置(4)と、水平方向へ回転自在となるように前記走行車体(1)に取付けられた資材貯留部(15)と、前記資材貯留部(15)の一側に昇降装置(19)を介して昇降自在に連結された作業装置(2)と、自車両の位置を示す自車位置情報を取得する位置情報取得装置(5)と、前記位置情報取得装置(5)により取得した前記自車位置情報に基づき、前記走行車体(1)を自動走行させる走行処理を実行するとともに、前記作業装置(2)を駆動しての作業処理を実行する制御装置(3)と、を備え、前記制御装置(3)は、前記走行車体(1)を前記圃場(100)の外周を周回させることで、前記圃場(100)の外形を導出可能な圃場位置情報を取得するとともに、前記走行車体(1)を直進させながら前記作業処理を同時に実行する単位作業行程を、前記圃場(100)内で複数回繰り返して実行可能であり、前記単位作業行程における作業走行中に、前記走行車体(1)が圃場端に接近したことを検出すると、所定のタイミングで前記操舵装置(4)を駆動して前記走行車体(1)を旋回させ、かつ旋回直前の前行程で作業走行していた直進経路との間に、前記単位作業行程分の作業幅(S1)を設けて次行程に移行することを特徴とする。
請求項2に記載の作業車両(10)は、請求項1において、前記走行車体(1)を旋回させる前記所定のタイミングは、前記圃場端から前記走行車体(1)までの間の距離が、前記作業幅(S1)の倍の長さになったときとしたことを特徴とする。
請求項3に記載の作業車両(10)は、請求項1または2において、前記制御装置(3)は、前記自動走行における走行処理を、前進走行のみで行うことを特徴とする。
請求項4に記載の作業車両(10)は、請求項1から3のいずれかにおいて、前記制御装置(3)は、前記圃場(100)内における前記走行車体(1)の位置および作業状況に応じて、車速を変更することを特徴とする。
請求項5に記載の作業車両(10)は、請求項1から4のいずれかにおいて、前記作業装置(2)は、苗植付機構(21)を備え、前記圃場(100)における全面の苗植付作業には、前記単位作業行程をそれぞれ複数回繰り返す往路作業と復路作業とが含まれており、前記制御装置(3)は、前記往路作業における作業走行速度を少なくとも通常の作業走行速度よりも低速の第1の速度に設定する一方、前記復路作業における作業走行速度を前記第1の速度よりも高速の第2の速度に設定することを特徴とする。
請求項6に記載の作業車両(10)は、請求項5において、前記第2の速度は、苗植付作業において規定される最高車速よりも低速であることを特徴とする。
請求項1に記載の作業車両によれば、旋回する際の曲率半径を比較的に大きくとれるため、圃場を荒らすおそれが抑制され、なおかつ圃場を円滑に自動走行することができる。また、走行車輪が泥濘に嵌り難いため、作業が中断するおそれも大きく減少する。
請求項2に記載の作業車両によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、作業車両が圃場端に達した際に、停止して後進し、さらにその位置から旋回するといった煩雑な動作が不要となるとともに、減速することなく旋回することも可能となるため作業時間の短縮に寄与することができる。
請求項3に記載の作業車両によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、後進するために必要な停止動作が不要になるため、制御が容易となる。
請求項4に記載の作業車両によれば、請求項1から3のいずれかの効果に加えて、圃場内における作業を円滑に行うことが可能となる。
請求項5に記載の作業車両によれば、請求項1から4のいずれかの効果に加えて、圃場全面への苗の植付作業を、苗列を乱すことなく円滑に行うことができる。
請求項6に記載の作業車両によれば、請求項5に記載の発明の効果をより高めることができる。
図1は、実施形態に係る作業車両であるロボット苗移植機を含む農作業システムの概略説明図である。 図2は、同上のロボット苗移植機の側面視による説明図である。 図3は、同上のロボット苗移植機の背面視による説明図である。 図4は、同上のロボット苗移植機のコントローラを中心とするブロック図である。 図5は、同上の農作業システムにおけるロボット苗移植機の作業状況を示す説明図である。 図6は、同上のロボット苗移植機の走行処理の一例を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態に係る作業車両を、無人で自動走行しながら田植作業を行うことのできる、いわゆるロボット苗移植機として図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形したり、各実施形態を組み合わせて実施したりすることができる。また、以下ではロボット苗移植機の走行車体、あるいは走行車体と作業部とを含む苗移植機の全体を指して機体と呼ぶ場合がある。
図1は、実施形態に係る作業車両であるロボット苗移植機を含む農作業システムの概略説明図である。図示するように、作業車両としてのロボット苗移植機(以下「苗移植機10」とする)は、所定の圃場100において、無人で自動走行しながら苗Nの植付作業を行うことができる。なお、図1において、符号Lは、苗移植機10の作業経路を示し、符号Nは、苗移植機10により移植された苗Nからなる苗列を示す。
苗移植機10は、後述する制御装置であるコントローラ3(図4参照)を備えており、このコントローラ3によって自動走行が制御される。コントローラ3は、自動走行を開始する場合、圃場100の外形を導出可能な圃場位置情報を取得するために、予め、圃場100を、圃場端に沿って一周走行する。
苗移植機10は、コントローラ3を搭載する略正方形の走行車体1を備え、走行車体1には、複数の走行車輪が設けられる。本実施形態に係る苗移植機10の走行車輪は、駆動輪であり、かつ転動輪である4つの車輪11,11,12,12を備える。すなわち、苗移植機10は、いわゆる4WD(四輪駆動)であり、かつ4WS(四輪操舵)の転舵駆動輪を備える作業車両である。なお、以下では、各一組の第1の車輪11,11および第2の車輪12,12を、それぞれまとめて車輪11,12、あるいは駆動輪11,12または転舵輪11,12等と記す場合がある。
本実施形態に係る車輪11,12は、平面視で略正方形の走行車体1に規定された仮想円の周上に90度間隔で4つ設けられる。かかる仮想円の中心は、資材貯留部として苗マットなどを収容するタンク部15の回転中心と一致する。
ここでは、この回転中心上に受信アンテナ51を設置し、この受信アンテナ51によって上空を周回している航法衛星300からの電波を受信することにより、苗移植機10の自動走行がなされる。すなわち、苗移植機10の自動走行は、図1に示すように、コントローラ3が自身の位置情報を取得し、取得した位置情報と、圃場100の外形を導出するために取得した圃場位置情報と、後述する舵角検出装置42(図4参照)により取得した車輪11,12の舵角とに基づき行われる。
また、タンク部15の一辺側には、苗植付装置2が昇降装置19を介して昇降自在に連結されている。したがって、苗植付装置2は、走行車体1の走行フレーム16の周りを360度回転自在に設けられている。なお、苗植付装置2は、走行フレーム16の一端側に設けることもできる。
このように、本実施形態に係る農作業システムでは、苗移植機10を自動走行させながら、タンク部15内に収容した苗マットを苗植付装置2に送り、苗植付装置2によって苗Nを圃場100に自動的に植付けることができる。また、作業途中で苗マットなどが不足する場合は、苗マットを収容するとともに、畦道110などを走行可能とした4輪キャリー800を、オペレータが携行するリモコンなどのオペレータ側処理装置900(図4参照)を用いて適当な場所へ移動させ、随時苗マットを苗移植機10に補充することができる。
ここで、図2〜図4を参照しながら、本実施形態に係る苗移植機10の構成をより具体的に説明する。図2は、苗移植機10の側面視による説明図、図3は、苗移植機10の背面視による説明図である。また、図4は、苗移植機10のコントローラ3を中心とするブロック図である。
図2に示すように、苗移植機10は、圃場100を走行可能な走行車体1と、走行車体1に取付けられたタンク部15と、作業装置である苗植付装置2と、タンク部15の内部に設けられた資材供給装置14とを備える。走行車体1は、複数の車輪11,12を備える。タンク部15は、水平方向へ回転自在(矢印A1参照)となるように走行車体1上に設けられている。また、苗植付装置2は、タンク部15の一側に昇降装置19を介して昇降自在に連結されるとともに、タンク部15の回転に伴い走行車体1の周りを360度回転可能に設けられている。
車輪11,12は、前述したように、駆動輪であってかつ転舵輪ともなるもので、かかる4つの車輪11,11,12,12への動力は、それぞれ独立した駆動モータを内蔵した動力伝達ケース170,180から伝達される。ここでは、第1の動力伝達ケース170から一対の第1ファイナルケース17,17を介して第1の車輪11,11に伝達される。また、第2の動力伝達ケース180から一対の第2ファイナルケース18,18を介して第2の車輪12,12に伝達される。第1の車輪11,11は、第1の車軸17a,17aを介して第1ファイナルケース17,17に連結され、第2の車輪12,12は、第2の車軸18a,18aを介して第2ファイナルケース18,18に連結される。
また、動力伝達ケース170,180には転舵軸(不図示)が設けられており、転舵輪である車輪11,12は、それぞれ独立して転舵軸周りに90度以上の舵角で回動する。また、車輪11,12は、それぞれ独立して車軸17a,18a回りに駆動輪11,12として回動する。
また、走行車体1には、動力伝達ケース170,180の他に、後述する肥料散布機161などを含む苗植付装置2の各装置を駆動させるためのモータやギヤケース等を含む動力伝達機構(不図示)を備えている。
苗植付装置2は、基本的には周知の構成を利用している。すなわち、図2に示すように、苗植付装置2は、苗載台20の下部側に、苗載台20から苗Nを取り出して圃場100に移植する一対の植付爪22を備える苗植付機構21を備えるとともに、圃場100を均すロータ24を備えている。
また、苗植付装置2は、作業部リフト装置7c(図4)を備える昇降装置19によって上下方向へ直線状に昇降可能に連結される。すなわち、昇降装置19は、タンク部15の一部に固設された枠体内に配設された作業部リフト装置7cを備えており、かかる作業部リフト装置7cに基端が連結された連結杆190の先端に苗植付装置2の外枠が連結されている。
こうして、苗植付装置2は、図2に示すように、コンパクトな構成で上下方向へ直線状に昇降する(矢印A2参照)。また、かかる構成により、苗移植機10の全長も短縮できる。
また、苗植付装置2の苗載台20には、苗Nを検出する第1苗センサ8a(図4)が設けられる。第1苗センサ8aは、苗載台20と苗マットとの間の間隙の寸法あるいは密着度合を検出する。この第1苗センサ8aにより、コントローラ3は苗マットの滑り具合を判定し、滑りが悪く苗マットの下降不良などが生じるおそれがある場合、オペレータへ警報信号を出力する。なお、苗マットの下降不良が検出された場合、コントローラ3はその解消を図るために、作業部リフト装置7cを駆動して苗植付装置2を上下動させることもできる。
また、苗植付装置2の苗植付機構21の近傍には、植付爪22の動作を検出する第2苗センサ8b(図4)が設けられる。すなわち、植付爪22が苗Nの取り損ねが所定回数以上連続するような場合、コントローラ3がオペレータへ警報信号を出力する。
第1苗センサ8aや第2苗センサ8bは、イメージセンサなどを適宜用いることができる。いずれの場合でも、検出結果に基づきコントローラ3から出力される警報信号は、たとえば、オペレータが所持する端末装置などに送信することができる。
苗移植機10が自動走行するに際し、当該苗移植機10の自車位置情報は、走行車体1に設けられた受信アンテナ51により取得される。図2および図3に示すように、受信アンテナ51は、タンク部15の外殻13の天井部略中央に設けられている。なお、受信アンテナ51は、図4に示すように、位置情報取得装置5の一部を構成する。位置情報取得装置5としては、たとえば、GNSS(Global Navigation Satellite System)制御装置あるいはGPS(Global Positioning System)制御装置がある。
ところで、苗移植機10は、自動運転のみならず、遠隔操作で走行させることもできる。たとえば、所定の圃場100を自動運転させるための走行経路をティーチングするために、オペレータによって遠隔操作して所定の圃場100を圃場端に沿って周回させ、自動運転の際の圃場100の外形を圃場位置情報として取得して記憶させることができる。
また、苗移植機10の走行車体1に、たとえばリモコンを設けた運転台を取付可能とし、オペレータが運転台に座して操縦して走行させることもできる。かかる構成により、格納庫(不図示)などから所定の圃場100に至るまでの農道200については、オペレータのリモコン操作により走行させることもできる。
タンク部15の外殻13は、図3に示すように、一側に枢支連結されて開閉自在に構成されており(矢印A3参照)、内部に設けた資材供給装置14のメンテナンスなどを容易に行うことができる。
タンク部15に配設された資材供給装置14は、圃場100へ植付けるための苗Nが多列に配列された複数の苗マットを載置状態で収容するとともに、これらの苗マットを、苗植付装置2の苗載台20へ順次、送給することができる。なお、タンク部15の一側には資材(苗N)を投入するための開口が形成され、他側には苗植付装置2に対峙するように資材排出口が形成される。また、タンク部15の下縁部には、たとえば資材供給装置14の異常や苗マット切れを報知することができる表示ランプ600が設けられる。
資材供給装置14は、図2に示すように、苗マットの搬送に適したコンベヤ装置の構成を具備する上段搬送機構141と下段搬送機構142とを備える。上段搬送機構141と下段搬送機構142とは、たとえばモータ駆動のローラコンベアやベルトコンベアなどのように、複数の苗マットを載置した状態で容易に搬送することができるように構成されており、これらが所定間隔をあけて上下に配設されている。このように、コンベヤ装置を用いて搬送することで、苗マットの端部などがまくれたりすることなく、安定した状態で搬送することができる。
なお、資材供給装置14は、苗移植機10の対応条数に応じた複数列分を配設するとよい。たとえば、苗移植機10が4条植えであって、苗植付装置2が備える苗載台20に4列の苗マットを載置することができるのであれば、資材供給装置14もタンク部15内に4列配設するとよい。
また、図2に示すように、タンク部15の外殻13の一部には透明部材で形成された窓部133が設けられている。そのため、資材供給装置14の作動状況は、タンク部15の外からでも目視により確認することができる。
また、外殻13の開放端部の下方位置には、図3に示すように、肥料を貯留する肥料貯留部160が引出自在に設けられている。かかる肥料貯留部160は、引き出し状に形成された上面開口の箱体であり、タンク部15から引き出して、肥料を適宜補充することができる。
さらに、図2に示すように、走行フレーム16の下部には、肥料貯留部160からの肥料を圃場100へ散布するための肥料散布機161が設けられている。この肥料散布機161には、苗植付装置2の後部側に終端が開口する肥料送給チューブ162の一端が接続される。なお、肥料散布機161に動力を伝達する不図示の動力伝達機構は、前述したようにコントローラ3により制御される。
かかる構成により、苗移植機10は、十分な量の肥料を貯留することができるとともに、苗Nの植付作業中に、圃場100への肥料供給、あるいは苗マットに保持されている苗Nに対して直接的に肥料散布することができる。
苗移植機10が備える制御装置であるコントローラ3は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理部や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶部、さらには入出力部を備える。これらは互いに接続されて互いに信号の受け渡しが可能であり、記憶部には苗移植機10を制御するためのコンピュータプログラムが格納される。
図4に示すように、コントローラ3には、車輪11,12に駆動力を供給する駆動源となる走行用モータ6や、前述の資材供給装置14を駆動する資材搬送モータ7a、タンク部15を水平回転させるためのタンク回転モータ7bなどの他に、苗植付装置2を昇降させる作業部リフト装置7cが接続される。
さらに、コントローラ3には、苗移植機10が備える各種の装置を駆動させるための各種アクチュエータ400が接続される。各種アクチュエータ400としては、たとえば、肥料散布機161の動力機構、苗植付装置2に設けられる各種モータ、たとえば、植付クラッチを作動させる植付クラッチモータなどがある。
また、コントローラ3には、前述の表示ランプ600、第1苗センサ8a、第2苗センサ8bやカメラ9、さらには各種センサ500が接続される。
本実施形態では、複数のカメラ9が搭載されており、たとえば、走行車体1の前後左右位置にそれぞれ一対のカメラ9を設けてフロントセンサ、リヤセンサ、左右のサイドセンサとして機能させ、進行を阻害する障害物などを検出している。また、これらフロントセンサ、リヤセンサ、左右のサイドセンサは、畦際などとの接触を回避するための接触センサとしても機能する。さらに、カメラ9は、苗移植機10の進行方向とは反対側における苗Nの植付けがなされた圃場を撮像し、撮像した画像データをオペレータなどが視認することで、欠株の存在あるいは植付作業状況を判断することができる。
また、苗移植機10は、自動操舵装置4と、位置情報取得装置5とを備えており、図4に示すように、これらはコントローラ3と接続され、コントローラ3により制御される。
自動操舵装置4は、動力伝達ケース170,180に内蔵され、コントローラ3により駆動を制御される駆動モータおよび転舵輪11,12を回動させて操舵するためのモータ等を含むステアリング機構41と舵角検出装置42とを備えている。そして、コントローラ3による制御によって、自動操舵装置4は苗移植機10の自動操舵を可能にしている。たとえば、コントローラ3は、図示しない起動スイッチがONになると、予め取得した圃場位置情報と、位置情報取得装置5が取得した位置情報と、舵角検出装置42の検出結果とに基づき、自動操舵装置4を介して走行車体1の自動運転を開始する。
位置情報取得装置5は、GNSSやGPSで使用される航法衛星300からの信号を受信する受信アンテナ51を有し、地球上における苗移植機10の位置情報(座標情報)を取得し、取得した位置情報をコントローラ3に送信する。
かかる位置情報取得装置5で取得した機体の位置データから、コントローラ3は、苗移植機10の実速度を導出することもできる。すなわち、一定時間内における機体の移動量から実走行速度を逐次算出することができる。したがって、コントローラ3は、圃場100における作業位置に応じて、苗Nの植付作業に最適な速度に適宜速度を変更しながら自動走行することができる。また、位置情報取得装置5で取得した機体の位置データから車速を導出した場合、たとえば車輪11や車輪12がスリップなどした場合でも、車輪12の回転量と関係なく、苗移植機10の実車速を取得することができる。
こうして、苗移植機10は、コントローラ3により、舵角検出装置42が検出した転舵輪11の舵角と、取得した圃場位置情報および自車位置情報とに基づいてステアリング機構41を制御しながら、最も適した作業経路L(図1参照)にそって自動走行しつつ、苗Nの植付作業、さらには施肥作業などを自動的に実行することができる。
また、コントローラ3には、通信部700が接続されており、この通信部700を介してオペレータが携行するリモコンなどのオペレータ側処理装置900との間で所定の無線通信規格により無線通信することが可能である。なお、オペレータ側処理装置900は、専用装置でもよいが、携帯電話やタブレット端末装置で代用することもできる。
本実施形態に係る苗移植機10は、上述してきたように、無人で自動走行、苗移植作業を行うことができるロボット苗移植機である。そのため、走行車体1には、操縦席などは廃止されているが、前述したように、着脱自在とした運転台を用意しておき、必要に応じてオペレータによるマニュアル運転も可能にすることができる。
図5は、農作業システムにおける苗移植機10の作業状況の一例を示す説明図である。本実施形態に係る苗移植機10は、走行車体1を直進させながら苗Nを圃場100に植付ける作業を同時に実行する単位作業行程を、圃場100内で複数回繰り返して実行し、圃場100の略全領域に苗Nの植付けが可能である。
本実施形態では、図5に示すように、4つの畔101,102,103,104に囲まれた略矩形形状の圃場100において、短辺をなす畦101,102に沿った直線経路における苗植付作業を単位作業行程としている。すなわち、圃場100の一側短辺をなす畦101に設けられた圃場出入口120から進入した苗移植機10は、単位作業行程を複数回繰り返しながら、対向する他側短辺をなす畦102に向かう往路Qを進む。
そして、単位作業行程における作業走行中に、走行車体1が進行方向における圃場端に接近したことを検出すると、コントローラ3は、自動操舵装置4のステアリング機構41を駆動して走行車体1を旋回させる。
すなわち、図5において、圃場出入口120から進入した苗移植機10が、畦101に沿って、圃場100の長辺をなす畦104に向かって走行した後、右側へ旋回し(矢印A4参照)、もう一つの長辺をなす畦103に向かって走行しながら苗移植を行う単位作業行程がなされるとする。この場合、進行方向における圃場端である畦103が接近したことを検出したコントローラ3は、自動操舵装置4のステアリング機構41を駆動して走行車体1を旋回させる。このとき、コントローラ3は、次行程の直進経路と、旋回直前の前行程に相当する第1の単位作業行程P1で作業走行していた直進経路との間に、単位作業行程分の作業幅S1を設けて機体を旋回させるようにしている。
すなわち、コントローラ3は、機体を比較的に緩やかに旋回させ、往路Qにおける各単位作業行程の間には、単位作業行程における作業幅S1の苗Nの未植付領域を設けるようにしている。かかる苗Nの未植付領域には、復路Rにおいて苗Nが移植されることになる。このように、本実施形態における農作業システムでは、苗移植機10は、往路Qと復路Rとにおいて、単位作業行程の後に緩やかな旋回をして次行程の単位作業行程に移行するジグザグ走行を繰りかえすことになる。なお、復路Rにおける作業走行においても、コントローラ3は、往路Qと同様な制御を行う。
このように、作業走行を往路Qと復路Rとに分けて行い、旋回する際の曲率半径を比較的に大きくとるため、圃場100を荒らすおそれが抑制される。また、車輪11,12が泥濘に嵌り難いため、作業が中断するおそれも大きく減少する。
また、走行車体1を旋回させる所定のタイミングは、圃場端から走行車体1までの間の距離が、距離M2の長さになったときとしている。すなわち、コントローラ3は、図5において、第1の単位作業行程P1において、畦103から枕地二つ分の距離M2の位置に達したタイミングT1で旋回を開始させる。なお、本実施形態では、枕地一つ分の距離M1は、単位作業行程分の作業幅S1と略等しい長さとしている。すなわち、コントローラ3は、畦103から作業幅S1の倍の位置に達したタイミングT1で旋回を開始させるのである。したがって、緩やかな旋回が可能となるため、圃場100を荒らすことのないまま、車速を減速せずに旋回することも可能となるため作業時間の短縮に寄与することができる。
苗移植機10は、上述のように制御されて往路Qにおける植付作業を行った後、最後の単位作業行程を終えると引き続き復路R(図5における破線を参照)を進行する。この復路Rでは、往路Qにおいて植付けられた苗列の間には、前述したように、単位作業行程分の作業幅S1があいているため、余裕をもって植付作業を行うことができる。
ところで、コントローラ3は、往路Qにおける走行速度、すなわち往路作業における作業走行速度を、少なくとも通常の作業走行速度よりも低速の第1の速度に設定する一方、復路Rにおける走行速度、すなわち復路作業における作業走行速度を第1の速度よりも高速の第2の速度に設定している。ここで、通常の作業走行速度とは、有人であれ無人であれ、従来の田植機が苗Nの植付作業を行う際の走行速度を指し、安全面などを考慮して所定の範囲内に設定される。
したがって、往路Qにおける往路作業では、苗Nの植付作業を、列を乱すことなく整然と行うことができ、また、苗列が乱れていないため、復路Rでは、隣の苗Nなどに接触することなく、復路作業を行うことができる。
このとき、復路Rにおける第2の速度として、コントローラ3は、往路Qにおける第1の速度よりも高速とはいえ、通常の苗植付作業において規定される最高車速よりは低速に設定している。すなわち、通常の苗植付作業において設定される通常車速範囲のうち、第1の速度は、通常車速の最低速度よりも遅く設定され、第2の速度は、通常車速の最高速度よりは低く設定されることになる。
したがって、本実施形態における苗移植機10の作業走行速度は、通常の苗植付速度を超えることはなく、無人でありながら、安全かつ円滑な作業を行うことができる。
このように、コントローラ3が上述してきた制御を行うため、従来のいわゆるロボット田植機ように、機体が圃場100の長辺側の圃場端である畦103や畦104に達すると、一端停止した後に後進し、後進した位置から旋回するといった煩雑な制御動作が不要となる。しかも、緩やかな旋回が可能となるため、圃場100を荒らすことのないまま、車速を減速せずに旋回することも可能となるため作業時間の短縮に寄与することができる。
本実施形態における苗移植機10の復路Rにおける作業走行について、図5を参照しながら説明を加える。図5に示すように、復路Rにおけるジグザグ走行を終えた後、機体は、圃場端である畦際から枕地一つ分の距離M1をあけて、長辺をなす畦103に沿って進行しながら苗Nの植付作業を行う。
そして、往路Qの最後の2列の単位作業行程間に残された第2の単位作業行程を走行しながら苗Nの植付作業を行い、今度は、長辺をなす畦104に沿って、畦際から枕地一つ分の距離M1をあけて畦101に向かって進行しながら苗Nの植付作業を行う。
次いで、苗移植機10は、畦際から枕地一つ分と略等しい作業幅S1をあけて、短辺をなす畦101に沿って畦103に向かって進行しながら苗Nの植付作業を行う。そして最後に、苗移植機10は、畦101、102、104に沿って圃場100の最外周を一周しながら苗Nの植付作業を行い、未植付領域をなくして圃場出入口120から退出する。
なお、苗移植機10は、苗Nの植付作業を行っている間に、タンク部15内に収容していた苗マットが所定量よりも少なくなると、その減少状況を各種センサ500の中の一つである苗マットセンサが検出し、コントローラ3に検出信号を送る。コントローラ3は、受信した検出信号に基づき、表示ランプ600を点灯あるいは点滅表示する。
表示ランプ600の作動を認識した作業者は、オペレータ側処理装置900を用いて4輪キャリー800を、苗移植機10に近い畦に移動させ、苗マットの補給を円滑に行うことができる。なお、4輪キャリー800の動作制御をコントローラ3が行えるようにしておくことで、苗マットセンサからの検出信号を受信したコントローラ3は、表示ランプ600を作動させると同時に、作業者の手を介することなく、4輪キャリー800を直接所定位置まで移動させることもできる。あるいは、農作業システムとして、苗移植機10の走行経路に合わせて4輪キャリー800が追従してくるようなシステム構成としてもよい。
ところで、コントローラ3は、自動走行における走行処理を、前進走行のみで行うように走行用モータ6(図4参照)を制御している。しかも、コントローラ3は、圃場100内における走行車体1の位置および作業状況に応じて、車速を変更する。
たとえば、コントローラ3は、単位作業行程を終えて旋回の開始から終了までは、直進時よりも車速を落とすようにする。こうして、旋回時には車速を所定の速度まで落とすことにより、旋回性が向上する。
あるいは、圃場100の最外周に設けられる枕地を走行する場合、コントローラ3は、車速を所定速度まで落として走行させるようにすることができる。この場合、圃場100が荒れている場合、枕地も相応に荒れていることが考えられるため、車速を落とすことで、ロータ24を利用した整地作業では整地性能を向上させることができる。このとき、ロータ24の高さは、通常の圃場よりも低位置まで下げることが好ましい。
また、苗Nの植付作業を行う場合であれば、苗Nの植付姿勢を良好にすることができる。このとき、苗移植機10が備える油圧経路の油圧感度は硬側にすることが好ましい。すなわち、苗植付装置2の油圧昇降シリンダ(不図示)の油圧感度を硬い側(=鈍感側)に補正することで、図示しないフロートを効果的に作用させることで、整地性や苗Nの植付姿勢を良好にすることが可能となる。また、フロートに例えばポテンショメータを設けておき、フロートの動きを検出して、動きが一定レベル以上に頻繁であると判定される場合、フロートが浮き気味と推定できるので、油圧昇降シリンダの油圧感度を鈍感側に補正することができる。逆に、フロートが浮いたままであることを検出すると、コントローラ3は、油圧昇降シリンダの油圧感度を敏感側に補正することになる。当然ながら、その逆の制御も可能である。
このような制御を実践することにより、苗移植機10は、後進するために必要な停止動作が不要になるとともに、たとえば、走行車体1の位置および作業状況と車速とを対応付けてテーブル化などしておけば、走行用モータ6の制御も簡単となるため、全体的な制御が容易となる。
ここで、図6を参照しながら、コントローラ3による苗移植機10の運転制御の流れの一例について説明する。図6は、苗移植機10の走行処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、苗移植機10は、既に圃場出入口120から圃場100内に進入しており、単位作業行程が開始されている状態にある場合としている。
図6に示すように、コントローラ3は、圃場端を検出したか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、コントローラ3は、自車両の前方に畦が接近するまで機体を直進走行させるが(ステップS11:No)、圃場端を検出すると(ステップS11:Yes)、圃場端までの距離が枕地2つ分か否かを判定する(ステップS12)。
すなわち、コントローラ3は、圃場端が接近した中で、圃場端までの距離が枕地2つ分になるまでは機体を直進させる(ステップS12:No)。そして、圃場端までの距離が枕地2つ分になったことを検出すると(ステップS12:Yes)、コントローラ3は、自動操舵装置4を制御して機体を旋回させる(ステップS13)。
次いで、コントローラ3は、旋回前の直進路に対し1作業行程分の距離だけ離隔したかどうかを判定する(ステップS14)。すなわち、コントローラ3は、旋回直前の前行程に相当する第1の単位作業行程P1(図5参照)で作業走行していた直進経路との間に、単位作業行程分の作業幅S1ができるまで旋回を継続し(ステップS14:No)、作業幅S1になったと判定すると(ステップS14:Yes)、直進させて作業を再開する(ステップS15)。すなわち、ステップS15では、コントローラ3は、作業部リフト装置7cを駆動して苗植付装置2を降下させ、各種アクチュエータ400の中で必要なアクチュエータを駆動して苗Nの植付作業を再開する。
上述の苗移植機10は、いわゆるロボット苗植付機であるが、さらに次に示す機能を備えさせることができる。
たとえば、畦際などに位置した際に、機体を停止した状態で苗植付機構21の植込杆を回転させて植え付けを行わせる畔際自動苗植付機能を有する苗移植機10とすることができる。この場合、畔際自動苗植付機能のオン・オフを切り替えるスイッチも併せて備えさせておき、自動走行による苗Nを植付作業は、スイッチがオフの場合にのみ行なわせる構成とするとよい。
すなわち、スイッチがオンの場合は、畦際に未植付領域を残すことなくぎりぎりまで苗Nを植えることができ、一枚の圃場を、手植えの手間なくきれいに仕上げることができるし、自動走行による作業では、意図せぬタイミングで例えば植付クラッチなどが作動することを未然に防止することができる。なお、自動走行による作業中は、スイッチがオンになることを受け付けないような機械的構成にしたり、あるいはソフト的に制御したりすることが好ましい。
また、スイッチの受付位置によって、畔際自動苗植付機能が作動しているのか、あるいは自動走行による作業なのかを、表示ランプ600や図示しないブザーなどを用いて視覚的あるいは聴覚的に報知できるようにすることもできる。あるいは、作業者が所持するリモコンなどのオペレータ側処理装置900において報知させるようにしてもよい。
また、各種センサ500の中の一つとして、苗植付機構21の植付爪22に対物センサを取付けておき、苗Nの植付けがうまくいかずに圃場面からそのまま持ち上げたりした場合、コントローラ3は作業を中止するように制御することができる。この場合も、表示ランプ600や図示しないブザーやオペレータ側処理装置900を用いて、視覚的あるいは聴覚的に植付異常を報知できるようにするとよい。
また、苗移植機10を、たとえば、インターネットなどのネットワークと接続を介して天気予報データを自動的に受信できるようにしておき、雨が予想される場合は、コントローラ3が、肥料散布機161による施肥作業を中止させるように制御することもできる。
また、苗移植機10は、天気予報データを取得するのではなく、たとえば湿度計を備えておき、雨天時と同等な湿度を検出した場合に、コントローラ3が肥料散布機161による施肥作業を中止させるように制御することもできる。
また、肥料散布機161に関連し、各種センサ500の中の一つである肥料センサにより、減り方が標準値よりも小さくなった場合、肥料送給チューブ162の詰まりなど、肥料散布機161に異常が発生したことが考えらえるため、コントローラ3は、苗移植機10を自動的に停止させることもできる。なお、この場合も、表示ランプ600や図示しないブザーやオペレータ側処理装置900を用いて、視覚的あるいは聴覚的に報知できるようにするとよい。
また、肥料散布機161に関連するが、本苗移植機10は、肥料が撒かれる溝を圃場100に形成する搾孔器(不図示)を備えており、かかる搾孔器に肥料センサを設けておき、搾孔器における肥料詰まりが検出された場合、ロータ24の高さ位置を低くするように制御することもできる。これは、搾孔器の詰まりが多くなると、圃場100の粘度が高いことが推定されるため、植付爪22が苗Nを植付けることなく持上げてしまうことを可及的に抑制するためである。また、同様に、コントローラ3は、このような状況においては苗Nを深植えするように苗植付装置2を制御することもできる。
また、施肥量を調整する際に、減肥している間は、苗Nの植付けを深植えとするとよい。これは、肥料の効きが少ないと考えられるため、深植えにして活着を良くするためである。また、圃場100の温度を検出して、温度が低い場合も深植えにして活着を良くすることが好ましい。
また、圃場100の粘土が高いと判断したコントローラ3は、苗植付装置2の油圧昇降シリンダ(不図示)の油圧感度を軟い側(=敏感側)に補正するとよい。
なお、苗移植機10が左右のフロートを備える場合、かかるフロートにポテンショメータなどを設けておき、コントローラ3は、左右のフロートが同じ角度となるように、機体の水平姿勢を調整できるように制御することもできる。そして、ポテンショメータの検出結果により、フロートの動きが頻繁である場合、あるいはフロートが下がったままと判断されれば浮き気味と判断し、深植えにすることもできる。また、反対にフロートが浮いたままの状態であると判断すれば、浅植えにする。また、左右のフロートの高さが均等でない場合も深植えにするとよい。
また、コントローラ3は、自動走行による作業開始時には、苗Nの植付深さを自動的に浅植えになるように制御することもできる。これは、苗移植機10の発進時には、機体が前上がり状態になって深植えになる傾向があり、これを抑制するためである。逆に、自動走行による作業終了直前には、苗Nの植付深さを自動的に深植えになるように制御することができる。これは、苗移植機10の停止時には、機体が前のめり状態になって浅植えになる傾向があり、これを抑制するためである
また、圃場100の土壌面や水面の高さを検知可能な超音波センサを機体の左右に設けておき、左右の超音波センサの検出結果の差が大きいときは、機体の傾きが大きいと推定できるため、深植えにすることもできる。また、左右の差の大小のみならず、差のバラつきが多い場合も機体のふらつきが多いと推定できるため、深植えにするとよい。
また、苗植付装置2を駆動するモータ類の負荷が大きい場合は圃場100が深いと判断できるため、浅植えにするとよい。逆に、モータ類の負荷が小さい場合は圃場100が浅いと判断できるため、深植えにするとよい。
上述した実施形態から以下の苗移植機10が実現する。
(1)複数の車輪11,12を備え、圃場100を走行可能な走行車体1と、車輪11,12に駆動力を供給する走行用モータ6と、車輪11を操舵する自動操舵装置4と、水平方向へ回転自在となるように走行車体1に取付けられたタンク部15と、タンク部15の一側に昇降装置19を介して昇降自在に連結された苗植付装置2と、自車両の位置を示す自車位置情報を取得する位置情報取得装置5と、位置情報取得装置5により取得した自車位置情報に基づき、走行車体1を自動走行させる走行処理を実行するとともに、苗植付装置2を駆動しての作業処理を実行するコントローラ3と、を備え、コントローラ3は、走行車体1を圃場100の外周を周回させることで、圃場100の外形を導出可能な圃場位置情報を取得するとともに、走行車体1を直進させながら作業処理を同時に実行する単位作業行程を、圃場100内で複数回繰り返して実行可能であり、単位作業行程における作業走行中に、走行車体1が圃場端に接近したことを検出すると、所定のタイミングで自動操舵装置4を駆動して走行車体1を旋回させ、かつ旋回直前の前行程で作業走行していた直進経路との間に、単位作業行程分の作業幅S1を設けて次行程に移行する苗移植機10。
(2)上記(1)において、走行車体1を旋回させる所定のタイミングは、圃場端から走行車体1までの間の距離が、作業幅S1の倍の長さになったときとした苗移植機10。
(3)上記(1)または(2)において、コントローラ3は、自動走行における走行処理を、前進走行のみで行う苗移植機10。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、コントローラ3は、圃場100内における走行車体1の位置および作業状況に応じて、車速を変更する苗移植機10。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、苗植付装置2は、苗植付機構21を備え、圃場100における全面の苗植付作業には、単位作業行程をそれぞれ複数回繰り返す往路作業と復路作業とが含まれており、コントローラ3は、往路作業における作業走行速度を少なくとも通常の作業走行速度よりも低速の第1の速度に設定する一方、復路作業における作業走行速度を第1の速度よりも高速の第2の速度に設定する苗移植機10。
(6)上記(5)において、第2の速度は、苗植付作業において規定される最高車速よりも低速である苗移植機10。
上述してきた実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、表示要素などのスペック(構造、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質など)は、適宜に変更して実施することができる。また、作業車両を、上述の実施形態では、作業装置を苗植付装置2として説明したが、作業装置としては何ら限定されるものではない。
1 走行車体
2 苗植付装置(作業装置)
3 コントローラ(制御装置)
4 自動操舵装置
5 位置情報取得装置
6 走行用モータ(駆動源)
7c 作業部リフト装置(リフト機構)
8a 第1苗センサ(滑動検出部)
10 苗移植機(作業車両)
11 車輪(走行車輪)
12 車輪(走行車輪)
15 タンク部(資材貯留部)
21 苗植付機構
100 圃場

作業幅

Claims (6)

  1. 複数の走行車輪を備え、圃場を走行可能な走行車体と、
    前記走行車輪に駆動力を供給する駆動源と、
    前記走行車輪を操舵する操舵装置と、
    水平方向へ回転自在となるように前記走行車体に取付けられた資材貯留部と、
    前記資材貯留部の一側に昇降装置を介して昇降自在に連結された作業装置と、
    自車両の位置を示す自車位置情報を取得する位置情報取得装置と、
    前記位置情報取得装置により取得した前記自車位置情報に基づき、前記走行車体を自動走行させる走行処理を実行するとともに、前記作業装置を駆動しての作業処理を実行する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記走行車体を前記圃場の外周を周回させることで、前記圃場の外形を導出可能な圃場位置情報を取得するとともに、前記走行車体を直進させながら前記作業処理を同時に実行する単位作業行程を、前記圃場内で複数回繰り返して実行可能であり、
    前記単位作業行程における作業走行中に、前記走行車体が圃場端に接近したことを検出すると、所定のタイミングで前記操舵装置を駆動して前記走行車体を旋回させ、かつ旋回直前の前行程で作業走行していた直進経路との間に、前記単位作業行程分の作業幅を設けて次行程に移行する
    ことを特徴とする作業車両。
  2. 前記走行車体を旋回させる前記所定のタイミングは、
    前記圃場端から前記走行車体までの間の距離が、前記作業幅の倍の長さになったときとした
    ことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記制御装置は、
    前記自動走行における走行処理を、前進走行のみで行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両。
  4. 前記制御装置は、
    前記圃場内における前記走行車体の位置および作業状況に応じて、車速を変更する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車両。
  5. 前記作業装置は、苗植付機構を備え、
    前記圃場における全面の苗植付作業には、前記単位作業行程をそれぞれ複数回繰り返す往路作業と復路作業とが含まれており、
    前記制御装置は、
    前記往路作業における作業走行速度を少なくとも通常の作業走行速度よりも低速の第1の速度に設定する一方、前記復路作業における作業走行速度を前記第1の速度よりも高速の第2の速度に設定する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車両。
  6. 前記第2の速度は、
    苗植付作業において規定される最高車速よりも低速である
    ことを特徴とする請求項5に記載の作業車両。
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