本発明は、1つ又は複数の配達ドローン位置をモニタしながら、品物を遠隔アドレスに配達するシステムに向けられたものであり、これは、上述の欠点の少なくとも1つを少なくとも部分的に解消できるか、あるいは、消費者に有用な又は商業上の選択肢を提供できるであろう。
以上に鑑み、本発明の本質は、一形態において、概して、配達ドローンであって、
a)モータ駆動の無人航空機と、
b)配達ドローンへの情報の送信と配達ドローンからの情報の受信とを可能にする無線通信モジュールと、
c)リアルタイム又はほぼリアルタイムでドローンの位置を示す位置データを取得する少なくとも1つの位置特定受信機と、
d)顧客識別送信信号を受信する信号受信機と、
e)配達中に1つ又は複数の品物を格納するようにドローンに取り付けられており、配達ドローンが配達位置に到着して、且つ、顧客識別送信信号が受信されて認証されると、格納されていた品物を顧客に渡すための配達ユニットと、を備えた配達ドローンにある。
この配達ドローンは、ナビゲーション用及び衝突回避用のソフトウェアを用いて構成されたオンボードコンピュータを更に備えていてもよい。
この配達ドローンは、ナビゲーション及び衝突回避のためにローカルの環境における特徴を検出する少なくとも1つの検出装置を更に備えていてもよい。
無人航空機(unmanned aerial vehicle:UAV)に取り付けられた配達ユニットは、望ましくは、展開可能部分を備えており、この展開可能部分は、配達中に1つ又は複数の品物を格納する格納位置と、展開可能部分が少なくとも部分的に配達ユニットの外側に在り、それによって、顧客がこの中に格納された品物を取り出すことができるサービス位置と、の間で移動可能である。
UAVは、望ましくは、無人航空機が少なくとも1つの可視インジケータを備えており、この可視インジケータは変化して配達ドローンの配達状態を示す。
配達ドローンのオンボードコンピュータは、ドローンとその構成部分との動作を制御するオンボードソフトウェアアプリケーションを動作させることが望ましい。
この配達ドローンは自律型又は部分的に自律型であってもよく、あるいは、操縦者が周知の技術を用いてこのドローンを操縦してもよい。
別の一形態において、本発明は、
a)配達ドローンであり、モータ駆動の無人航空機と、ナビゲーション用及び衝突回避用のソフトウェアを用いて構成されたオンボードコンピュータと、配達ドローンへの情報の送信と配達ドローンからの情報の受信とを可能にする無線通信モジュールと、リアルタイム又はほぼリアルタイムでドローンの位置を示す位置データを取得する少なくとも1つの位置特定受信機と、顧客識別送信信号を受信する信号受信機と、配達中に1つ又は複数の品物を格納するようにドローンに取り付けられており、配達ドローンが配達位置に到着して、且つ、顧客識別送信信号が受信されて認証されると、格納されていた品物を顧客に渡すための配達ユニットと、を備えた配達ドローンと、
b)実質的に人間の介入なしに動作する1つ又は複数の処理システムであり、配達ドローンへの情報の送信及び配達ドローンからの情報の受信を可能にする通信モジュールを備えており、ホームベースから配達位置まで及びホームベースに戻るまでのナビゲーションについて及び移動中の衝突回避について配達ドローンを支援するように構成された前記1つ又は複数の処理システムと、を備えた配達ドローンシステムを含む。
本発明の配達ドローンは、任意のタイプの品物の配達に利用できる。本明細書の記載においては、配達ドローンを、出来立ての食品又は調理済み食品、特に食品調理店によって提供される食べ物のホームデリバリに関して述べる。このドローンは、食品調理店で調理された温かい及び/又は冷たい食品を配達できる。本発明の目的について、「食品」という用語には飲み物も含まれている。
一般的に、配達ドローンには、ホームベースにおいて、通常、食品調理店において、調理済み食品が積み込まれて、配達位置がドローンに通知される。次に、このドローン又は配達ユニットが、「ロック」されて、食品調理店を出て、1つ又は複数の配達位置にまで自律的にナビゲートして、そこで、適切な認証処理が行なわれた後に顧客がその食品にアクセスしてそれを取り出すことができ、次に、この配達ドローンは、ナビゲートしてホームベースに戻り(あるいは、1つ又は複数の別の配達位置に向かって行き、その次に、ホームベースに戻り)、新たに配備されるか、あるいは、格納庫に入れられる。
本発明のドローンは一般的に無人航空機を利用しており、この無人航空機は、1つの位置から別の位置に移動するために、実用可能な技術を利用して、望ましくはナビゲーションと衝突回避のソフトウェアを装備している。このドローンは、通常、セルフナビゲーション(self navigation)と衝突回避とを可能にする実質的な人工知能になるようにソフトウェア制御され、あるいは、そのような人工知能を装備していてもよいが、ソフトウェアでは解決できない状況においては、人間の介入も可能である。
一般的に、ドローンは、比較的小さく、およその1m×1mの占有面積を有するが、UAVのサイズは、明らかに、運搬すべき平均的な積み荷の重量とサイズとに従って決定される。
ドローンは、任意のタイプであってもよいが、一般的に電気ドローンであるが、別の動力装置を備えていてもよい。望ましい実施形態に従えば、ドローンは通常1つ又は複数のオンボード蓄電池を備えており、このオンボード蓄電池は、1つ又は複数の電気モータに電力を供給してプロペラを駆動するように再充電できる。
以上からも比較的明らかなように、このドローンは、一般的に、自己動作して自己ナビゲートする。このドローンは、一般的に、かなりの距離、望ましくは最高で約20〜30kmに亘って動作可能である。このドローンは、見通し外でも動作可能である。
一般的に、ドローンは少なくとも1つの、一般的に一定数の相異なる光源を備えており、これらの光源は相異なる目的で設けられている。望ましくは、照明装置が、確認と位置特定の目的で下方を照らすためにドローンの下側に設けられている。ドローンは、該ドローンが容易に識別できる又は合図できるように、あるいは、ナビゲーション及び/又は衝突回避について又は姿の確認について使用されるように、前方に向けられた照明装置及び/又は後方に向けられた照明装置を備えていてもよい。
一般的に光源を設ける一方で、その他の視覚的なしるし、例えば、反射する部分、冷光を発する部分、光冷光を発する部分などを設けることによって、低照度状態であってもドローンが良好に識別されて明確に見られるようにすることも望ましい。
ドローンが配達途中にある間に、一般的に、その周囲をモニタする及び/又は記録するために、1つ又は複数のカメラ又はその他の撮像装置をドローンに設けてもよい。通常、これは、動画記録による、リアルタイムの、望ましくは実質的に連続的な画像の記録である。記録済み画像は、モニタリング及び/又は表示の目的で遠隔位置に送信されてもよく、及び/又は、オンボードで記憶されてもよい。これによって、操縦者は、ドローンを配達位置にまで操縦できることがある。これは、ドローン操縦者に配達位置のGPS座標を提供することによって、支援され得る。これらのGPS座標は、望ましくは、注文が入れられるパーソナルコンピュータ装置からの注文の一部分として得られてもよい。
本発明のドローンは、ナビゲーション及び衝突回避用のソフトウェアが設定されたオンボードコンピュータを備えていることが望ましい。このオンボードのソフトウェアは、このソフトウェアによっては解決できない状況について人間の介入が必要である場合でなければ、実質的に人間の介入なしで、ホームベースから1つ又は複数の配達位置に移動してホームベースに戻る自律型の運転を可能にすることがある。
通常、オンボードコンピュータは、無線通信モジュール、位置特定受信機及び少なくとも1つの検出装置と関連付けられており、一般的に、これらの構成部分からの入力及び/又は出力を用いて、移動中の衝突回避を含むナビゲーションによって、自律的にホームベースから少なくとも1つの配達位置までナビゲートしてホームベースに戻るようにする。
オンボードコンピュータは、一般的に、ナビゲーション及び衝突回避のソフトウェアを動作させるが、また、オンボードコンピュータは、一般的に、各々の配達位置において、展開可能部分が展開される前に、顧客識別認証処理を遂行する又はこれに参加するソフトウェアアプリケーションを備えている。従って、オンボードコンピュータは1つ又は複数の別個のサブシステムを備えており、そのうち、少なくとも1つのサブシステムが、1つ又は複数の配達位置へのドローンの自律型のナビゲーションと衝突回避とを可能にするハードウェア及びソフトウェアを備えており、そして、少なくとも1つのサブシステムが配達ユニットに対するアクセスを制御するハードウェア及びソフトウェアを備えている。
オンボードコンピュータは、一般的に、配達処理に必要な又はそれに役立つ1つ又は複数の配達位置及び/又はその他の情報を得るために、販売場所又は店の管理コンピュータシステムから配達指令を受信できる。また、オンボードコンピュータは、ナビゲーション及び/又は衝突回避に使用されるリアルタイムの地図又はルーティングの情報を取得できる、あるいは、提供され得ることが望ましい。
本発明の配達ドローンは、該ドローンへの通信及び/又は該ドローンからの通信を可能にする少なくとも1つの無線通信モジュールも備えている。これによって、配達ドローンは、自己の位置と状態とに関する情報を送受信でき、より効率的な動作及び/又は配達を可能にする更新を受けることができる。通常、この少なくとも1つの無線通信モジュールを介して、配達ドローンのオンボードコンピュータに指令が出される。また、この少なくとも1つの無線通信モジュールを介して、ドローンからの、別の情報又は指令についての要求が送信でき、更新が実質的にリアルタイムで受信でき、そして、重要な点として、ドローンの位置と速度、及び/又は、ベクトルデータに関する1秒毎のデータが配達ドローンから遠隔モニタリングシステムに提供できる。望ましくは、この少なくとも1つの無線通信モジュールは、ドローンの位置及び速度とベクトルデータとに関する1秒毎のデータを少なくとも1つの遠隔位置に、通常、モニタリングシステムに送信することによって、このモニタリングシステムが、後述の如く、この情報をホームベースに伝えることができ(この情報は直接ホームベースに送信することもできる)及び/又はこの情報をその他の関係者、例えば、注文している顧客に伝えることができる。
本発明の配達ドローンは、ナビゲーション及び衝突回避のためにローカルの環境における特徴を検出する少なくとも1つの検出装置も備えている。1つ又は複数の検出装置が使用でき、そして任意のタイプ又は組み合わせの検出装置が使用できる。特に、配達ドローンが、レーダ、ライダ、例えばGPSのような位置特定技術、オドメトリ(odometry)、及び/又は、コンピュータ支援ビジョン、バーチャルリアリティ又は増補リアリティ技術を用いて、ナビゲートして物体を識別できるようにする装置が望ましい。
本発明の配達ドローンは、UAVに取り付けられた配達ユニットも備えており、この配達ユニットは、配達中に1つ又は複数の品物を格納しており、配達ドローンが配達位置に到着して顧客識別送信信号が受信されて認証されると、顧客が配達ユニット内に格納されている品物を取り出すことができるようにする。前述の如く、配達ユニットは、一般的にUAVに取り付けられており、通常、UAVの下側に取り付けられている。
配達ユニットは、外側筐体を備えていることが望ましい。この外側筐体は、通常、配達ユニットの外側形状を画定し、審美的な理由で少なくとも部分的に弓形であることが望ましい。この筐体は、実質的に平坦な前方壁と後方壁とを備えていてもよい。1つ又は複数の電灯を前方壁及び/又は後方壁に設置してもよい。
配達ユニットの外側筐体は、一般的に、少なくとも部分的に中空であり、内側容積を画定している。少なくとも1つの展開可能部分は、配達ユニットの内側容積内に配置される。この少なくとも1つの展開可能部分は、配達中はこの内側容積内に配置されており、部分的に外側筐体の外側に在る位置にまで選択的に展開可能であり、それによって、顧客は、望ましくは、この少なくとも1つの展開可能部分内に格納されている食品にアクセスしてこれを取り出すことができる。望ましい実施形態において、展開可能部分は、外側筐体を基準にして実質的に鉛直方向に、配達のために降下して、収容のために上昇することが望ましく、これは、ドローンの安定性を維持することに貢献するためである。
複数の展開可能部分が設けられてもよく、その場合、各々の展開可能部分は相異なる方向に展開してもよいが、これは、一般的に、各々の展開可能部分の容積に悪影響を及ぼすので、単一の展開可能部分の設置が望ましい。
少なくとも1つの展開可能部分は、内側で1つ又は複数の区画に分割されてもよい。これらの設けられた区画は個別にアクセス可能であってもよく、各々に対するアクセスは、望ましくは、オンボードのコンピュータ及びソフトウェアによって、ドローンが実施している特定の配達の構成に従って、制御されてもよい。例えば、各々の区画にはロック可能なドアを設けてもよく、どの区画に対するアクセスも、一般的に、認証処理によって制御される。認証によって、展開可能部分の展開と区画ドアのロック解除とがトリガされてもよい。
更に望ましくは、少なくとも1つの展開可能部分は、例えば、相異なる機能に分割されてもよく、一部の区画は、加熱された食品を一時的に格納するように構成された加熱された又は温かい区画であってもよく、そして、一部の区画は、冷却された又は冷凍された食品を一時的に格納するように構成された冷却された又は冷たい区画であってもよい。これらの相異なる機能が同一の展開可能部分に設けられる場合には、望ましくは、例えば、相異なる機能を表すカラーコーディング(colour coding)を用いて、視覚的に互いに区別できるようにしてもよい。望ましい一実施形態において、顧客が容易に区画の機能を識別できるようにするために、冷やかな又は冷たい区画には青いカラーリング又はハイライトが施されて、温かい又は熱い区画には赤いカラーリング又はハイライトが施されてもよい。このようにして、顧客が温かい又は熱い区画に触れる前に顧客にこれらの区画について注意させることによって、装置の安全性も向上することがある。
一般的に、加熱された又は熱い区画は、絶縁されており、それによって、熱を受動的に維持することがあり、あるいは、その代わりに、これらの区画に、1つ又は複数の能動的な加熱構成部分を設けることもできる。同様に、冷却された又は冷たい区画は、絶縁されており、冷たさを受動的に維持することがあり、あるいは、その代わりに、これらの区画に、1つ又は複数の能動的な冷却構成部分を設けることもできる。一部の実施形態においては、絶縁と能動的な構成部分との組み合わせを実施できる。能動的な加熱及び/又は冷却構成部分が設けられる場合、これらは、通常、ドローンの電源から電力供給を受けるが、これは、電力の使用に悪影響を及ぼすことがある。
特に望ましい一実施形態において、配達ユニットは、一般的に、配達位置に到着して、顧客識別認証処理が完了すると、展開する。通常、展開が始まる前に、両方のパラメータが満たされる必要がある。この認証処理は、一般的に、認証コード又は識別子が、顧客によって配達ドローンに、望ましくは、オンボードコンピュータ上で動作しているソフトウェアに提供されることによって、注文時に提供された認証コード又は識別子と照合されることを通じて、実施される。一般的に、この認証コード又は識別子は、発注顧客が注文に対する支払いを済ませた時に作成及び/又は発行され、一般的に、支払い完了時に、発注顧客に提供される。これは、一般的に、例えばタブレット又はスマートフォンなどのようなパーソナルコンピュータ装置を用いて実現され、現在、大多数の発注顧客が、オンライン注文インタフェースを用いて、このタイプの配達を注文している。この場合、認証コード又は識別子は、直接、発注顧客のパーソナルコンピュータ装置に提供できる。注文が非モバイルコンピュータ装置で入れられる場合、顧客は、その認証コード又は識別子をモバイル又はパーソナルコンピュータ装置に転送してもらうことを選択できる。別の一選択肢として、認証コード又は識別子は、中央サーバ又はコンピュータネットワークから提供できる。例えば、顧客が、可能性としてオンライン注文インタフェース又はモニタリングインタフェースを介して、中央サーバ又はコンピュータネットワークにメッセージ又は信号を送信してもよく、次に、中央サーバ又はコンピュータネットワークは、展開可能部分を展開するようにドローンに信号を送信してもよい。
その他の認証システムが使用されてもよい。例えば、顧客に固有の生体計測データを伴う1つ又は複数の認証システムが使用されてもよい。例えば、固有の指紋、オプティカルスキャン(optical scan)、あるいは、例えば息又は皮膚のような身体的なサンプルを含むメカニズムでさえも使用されてもよい。この構成で実施される場合、各々の顧客は、一般的に、各々の顧客に固有である少なくとも1つの生体計測制御サンプルを記憶した固有のプロファイルを作成する必要がある。この生体計測制御サンプルは任意の方法で作成又は記録でき、一般的に、顧客が、自己の固有の顧客プロファイルに関して記憶されるべき生体計測制御サンプルを提供する。通常、このプロファイルは、1つ又は複数の処理システムによってアクセス可能な少なくとも1つのデータベースに記憶される。認証処理時に、配達ドローンは、一般的に、発注顧客の固有のプロファイルにアクセスすることによって、顧客が認証処理時に提供した生体計測サンプルを、固有の顧客プロファイル内に記憶されている少なくとも1つの生体計測制御サンプルと照合して、一致した場合、展開可能部分が一般的に開き、一致しなかった場合、顧客に対して再試行を促すことができ、及び/又は、一致する生体計測サンプルを提供できなかった結果として展開可能部分はロックされたままであり、状況によっては、配達ドローンはホームベースに戻る。
一般的に、発注顧客は、配達ドローンから食品を受け取るために、注文を入れた装置、あるいは、認証コード又は識別子が転送されたモバイル又はパーソナルコンピュータ装置を携帯する。認証処理は、様々な方法で開始できるが、1つの方法では、単純に、食品配達ドローンに対するモバイル又はパーソナルコンピュータ装置の近接によって開始されてもよい。換言すれば、モバイル又はパーソナルコンピュータ装置が食品配達ドローンの有効範囲内に入ると、認証処理が自動的に開始されてもよい。別の一選択肢として、認証処理は、顧客が食品配達ドローンに近づいた時に、顧客によって手動で、例えば、パーソナルコンピュータ装置上に生成されたインタフェースとのインタラクション(例えば「ボタン」を押すこと)によって、開始されてもよい。
望ましくは、配達ドローンの少なくとも1つの無線通信モジュールが、顧客のモバイル又はパーソナルコンピュータ装置との通信に使用されてもよい。そうするための1つのメカニズムは、Bluetooth(登録商標)又はWiFiである。例えば、Bluetoothによって電子装置の互いに対する識別が可能になり、配達ドローンが顧客のモバイル又はパーソナルコンピュータ装置を「発見する」ことができ、あるいは、その逆もできる。通信経路が装置相互間で確立されると、認証コードが、顧客のモバイル又はパーソナルコンピュータ装置から配達ドローンに送信されてもよい。配達ドローンのオンボードコンピュータによって受信された認証コードは、顧客によって注文に対する支払いが為された時に作成及び/又は発行された認証コードと照合でき、これらの認証コードが互いに一致する場合には、展開可能部分が展開する。認証コードが一致しない場合には、展開可能部分は展開せずに、配達ドローン内で安全に保たれたままである。
認証処理には、多要素認証が含まれてもよい。例えば、認証処理は、認証コードを含んでいてもよく、それに加えて、注文が入れられた特定のモバイルコンピュータ装置が配達ドローンに対する特定の至近距離以内に存在することを必要としてもよく、このようにして、配達ドローンが、このコードと、このコードがこの特定のモバイルコンピュータ装置に対して発行されたこと、及び、このコードがこの特定のモバイルコンピュータ装置から取得されたことと、を認証できるようにする。
認証コードの作成及び/又は発行は一般的にソフトウェアアプリケーションによって実施されるが、このソフトウェアアプリケーションは、顧客が、配達されるべき品物を注文するソフトウェアアプリケーションに随伴しているか、あるいは、関連付けられていてもよい。この認証コードのソフトウェアは、認証コードが第3者に送信又は転送されるようにでき、それによって、第3者が注文済み食品の配達を受け取ることを可能にしてもよい。例えば、親が、住居のアドレスから遠く離れた位置にいる場合に、子供たちのための食品配達を、住居のアドレスにいる子供たちに、届けるように注文してもよく、従って、認証コードを子供たちに転送することによって、子供たちが、配達ドローンにアクセスして、親によって注文された食品の配達を受け取ることを可能にしてもよい。
認証処理が完了すると、即ち、顧客によって(望ましくはパーソナルコンピュータ装置を介して)配達ドローンに提供された認証コードが、注文用ソフトウェアによって提供された、特定の配達に関する認証コードと一致すると、展開可能部分が展開して、それによって、顧客が、展開可能部分から品物を取り出すことを可能にする。次に、展開可能部分が、再び筐体内に保管されるように、閉じてロック状態になる。この閉じるプロセスは、品物の取り出しによって始動するように構成されてもよく、従って、展開可能部分における重量の変化を検知するために1つ又は複数の重量センサが設けられてもよく、あるいは、その代わりに、顧客が、食品を取り出した後に展開可能部分を閉じることができるように、手動で始動させることを可能にするボタン又はそれに類似するものが、展開可能部分の側部に設けられてもよい。一般的に、顧客又は第3者の怪我を最小限にするために、展開可能部分の閉じ方が早過ぎることを防止するための安全装置が設けられる。
配達ドローンは、配達位置に到着して、認証が特定時間以内に開始されなかった場合に、ドローンが顧客に直接連絡する機能を更に備えていてもよい。これには、「あなたへの配達品が到着しましたので、お受け取りをお待ちしています」のような自動化メッセージを用いてテキストメッセージ又はテレフォンによって実施することが含まれてもよい。一般的に、連絡の詳細事項は、注文情報と共に配達ドローンに提供され、オンボードコンピュータが、配達位置に到着して、認証が特定時間以内に開始されなかった場合に、この連絡を実施してもよい。
配達ドローンは、望ましくは、少なくとも1つの可視インジケータを備えており、この少なくとも1つの可視インジケータは変化して食品配達ドローンの配達状態を示す。この少なくとも1つの可視インジケータによって、一般的に、顧客と第3者は、配達ドローンが配達位置へ行く途中であることと、認証が実施されようとしている時と、配達ドローンが顧客への配達完了後にホームベースへ帰る途中である時と、を識別できる。一般的に、少なくとも1つの可視インジケータには1つ又は複数のライト又はそれに類似するものが含まれ、望ましくは、これらのライトは、配達の特定の段階相互間の識別のために種々の色に点灯させることができる。色が相異なる複数のライトを設けることができ、また、相異なる色に点灯させることができる1つのライトシステム(light system)を設けてもよい。
任意の色体系が使用され得るが、望ましい色体系は配達サービスの事業者の企業カラーにデザインされてもよい。例えば、赤色を使用して配達ドローンが配達位置への往路行程の途中であることを示すことができ、また、配達ドローンが認証処理を実施している時に青色を使用でき、また、白色を使用して配達ドローンがホームベースへの復路行程の途中であることを示すことができる。
状態の可視表示に使用されるライティングシステム(lighting system)が、展開可能部分に又はこれに関連付けられて、設けられることが望ましい。特に望ましい実施形態において、ライティングストリップ(lighting strip)が、配達ユニットの頂上部の展開可能部分の上部辺りの周囲に少なくとも部分的に設けられており、その理由は、この位置であれば、このライティングストリップが、一般的に、遠くからでも容易に見られるからである。
配達ユニットには、一般的に、配達サービスの事業者を示す広告も設けられており、この広告は照明されることが望ましい。
本発明の配達ドローンには、一般的に、配達ユニット内の食品及び/又はドローン自体についての盗難又はいたずらを防止するために、1つ又は複数の盗難防止又はいたずら防止の手段も設けられている。例えば、食品配達ドローンが途中で妨害されたり、あるいは、予定された又は選択された配達経路からそらされたり、あるいは、そのように妨害する又はそらす試みが為されると、1つ又は複数の警報又は警告がトリガされてもよい。一般的に、警告は、可聴的及び/又は可視的に発せられて、もしその警告が効果的でなかったならば、大きな可聴的な警報が発せられる。
勿論、少なくとも1つの位置特定受信機を用いてドローンの位置をリアルタイム又はほぼリアルタイムで追跡できる。また、ドローンは、このドローンをそらすいたずら又は試みが為されると、自動的に、ホームベースに、あるいは、モニタリングシステムのような第3者に、あるいは、警察のような当局に通知する機能も備えていてもよい。
配達ドローンは、配達ユニットに加えられる恐れのある何らかの損傷を最小限にするために、及び、認証処理が実施されない場合に展開可能部分及び/又はその中にある食品に対するアクセスを防止するために、頑丈であることが望ましい。
また、配達用に食品が入れられる展開可能部分は、その配達の途中の間に、その食品を準備又は調理できてもよい。例えば、様々な食品の調理時間は、通常、非常に正確に特定できる。例えば、ピザを特定の温度で調理するのに要する時間は、一般的に、ほぼ確定している。一般的に述べると、ピザを調理するのに要する時間は、そのピザを実際に配達するのに要する時間よりも短く、例えば、1枚のピザが、調理に8分を要して、配達位置への到着に20分を要する場合には、そのピザは可能な限り出来立てではなく、その理由は、そのピザが、店内で調理された後に20分の間、食品配達ドローン内にあるからである。一実施形態において、本発明の展開可能部分は、配達過程の間に、食品を調理してもよい。食品は、特定の店又はホームベース位置で準備されて、未調理状態で展開可能部分内に積み込まれてもよく、次に、この展開可能部分がロックされる。次に、オンボードソフトウェアが、配達位置への推定到着時間を与えられて、配達中に適切な時点で調理を始めるように指示されてもよい。換言すれば、ピザが生の形態で展開可能部分内に積み込まれて、そして、調理過程が、配達位置に着くまで約8分ある時点で、自動的に開始して、それによって、ピザが、調理過程の終了と実質的に同時に、配達位置に到着できる。このようにして、顧客は可能な限り出来立ての食品を受け取ることができ、食品の品質が時々非常に急速に悪化し得る、調理から顧客が食品の配達を受け取るまでの「デッド」タイム(dead time)を最小限にできる。本発明のドローンは、調理時間についてプログラムすることができ、また、配達位置への推定到着時間も計算できるので、このドローンは、確実に食品が調理過程の終了と実質的に同時に配達位置に到着するように、配達中における調理の開始と食品の調理とを担当できる。
本発明のシステムに従えば、オンボードソフトウェアに加えて、1つ又は複数の処理システムが命令と制御とについて設けられてもよい。本システムは、配達ドローンの位置及び状態のリアルタイムの追跡とその管理とを提供することが望ましい。
指令及び/又は更新を1つ又は複数の処理システムからオンボードコンピュータ及び/又はソフトウェアに送信して、このオンボードコンピュータ及び/又はソフトウェアを動作させることができる。例えば、基本の指令に対する取り消しを発することができ、あるいは、ドローンがホームベースに警報を発することができ、あるいは、ナビゲーションを支援する及び/又は変更するための1つ又は複数の外部システムを設けることができ、及び/又は、衝突回避システムをドローン内に設けることができる。更に加えて、この1つ又は複数の処理システムは、配達をより効率的に計画するために活発なデータ更新を提供でき、及び/又は、配達ルートを計画して、それらを配達ドローンに転送してもよい。
本発明のシステムは、食品配達ドローンのリアルタイム又はほぼリアルタイムのモニタリング用のサブシステムを備えていてもよく、このサブシステムは、各々の食品配達ドローンに関連付けられたドローン被搭載装置と、中央サーバ処理システムと、食品配達ドローンのホームベースに配置されたホームベースワークステーションと、を備えており、
a)ドローン被搭載装置は、
i.リアルタイム又はほぼリアルタイムで配達ドローンの位置を示す位置データを取得する少なくとも1つの位置特定受信機と、
ii.位置データに関する情報を転送する無線通信モジュールと、
iii.ドローン被搭載装置を電力供給システムに接続する少なくとも1つ電気接続アセンブリと、
を備えており、
少なくとも1つの識別ツールが、ドローン被搭載装置に関連付けられており、システム内でドローン被搭載装置を固有に識別し、
b)中央サーバ処理システムは、各々のドローン被搭載装置から位置データを受信して、該位置データに基づいて、各々のドローンのリアルタイム又はほぼリアルタイムの位置に関する情報をホームベースワークステーションに転送し、
c)ホームベースワークステーションは、
i.地図インタフェースを表示する少なくとも1つの電子ディスプレイであり、地図インタフェースが、中央サーバ処理システムから転送される情報によってリアルタイム又はほぼリアルタイムで更新されて地図インタフェース上に配達ドローンのリアルタイム又はほぼリアルタイムの位置を示す、少なくとも1つの電子ディスプレイと、
ii.ホームベースワークステーションへのデータの入力用の少なくとも1つの入力装置と、
iii.各々の配達ドローン被搭載装置に関連付けられた固有の識別ツールを読み込んで、システム内で、ドローン被搭載装置と、ドローン被搭載装置に関係する情報及びデータと、を識別する少なくとも1つの識別ツールリーダと、
を備えている。
このサブシステムは、配達ドローンと、配達されようとしている配達品とのリアルタイムのモニタリングに向けられている。本システムは、第3者によって所有される専有のシステムであってもなくてもよい自動化されたドローン位置特定システムとのインタラクションに基づいている。
このサブシステムは、配達ドローンを、ドローン被搭載装置を通じて、リアルタイム又はほぼリアルタイムで位置特定することが望ましい。ドローン被搭載装置は、1秒毎に収集される情報と、ドローンの行動をコンパイルして分析するベクトルデータと、に基づく配達ドローンの位置特定を可能にすることが特に望ましい。この収集された情報は、収集された時に送信されてもよいし、あるいは、一定の期間、望ましくは短期間に亘って収集された1パケットの情報が周期的に送信されてもよい。1秒毎のデータ及びベクトルデータのために、ドローン位置特定システムは、一般的に、使用されるデータの有用性によって、食品配達ドローンの位置のみならず、ドローンの進行方向及びドローンの速度も特定できる。
このサブシステムには、複数の構成部分が含まれており、これらの構成部分は、協働して、ドローン被搭載装置を介して配達ドローンの位置を追跡し、また、配達ドローンに取り付けられた各々の装置から得られるデータを記録することによって、ホームベースワークステーションに情報を通知し、及び/又は、各々の食品配達ドローンに関するデータをログ記録する。これは、食品配達ドローンの追跡のみならず、食品配達ドローンと、発送管理を含む配達自体と、安全性記録管理と、メンテナンス記録と、何らかの問題又はトラブルが生じた場合における管理側の法廷用検査と、の管理も可能にする。
このサブシステムは、各々のドローンに関連付けられたドローン被搭載装置を備えている。このドローン被搭載装置は、一時的にドローンに取り付けられていてもよいが、恒常的に取り付けられていることが望ましい。
このドローン被搭載装置には、配達ドローンの位置をリアルタイムで示す位置データを取得する少なくとも1つの位置特定受信機が含まれている。前述の如く、通常、1秒毎のデータとベクトルデータとが提供され、これによって、ドローンの位置と進行方向とが実質的にリアルタイム又はほぼリアルタイムで特定でき、これは、本システムの処理能力とコネクティビティ(connectivity)とによってのみ限定される。
少なくとも1つの位置特定受信機は、一般的に、位置特定ネットワークとインタアクトして位置特定受信機の位置を特定し、それによって、ドローンの位置を特定する。特に望ましい形態においては、この少なくとも1つの位置特定受信機はGPS受信機である。
この位置は、可能な限りリアルタイムに接近して特定されることが望ましい。これは、1秒毎のデータ又は小刻みのデータに基づく場合に、特に効果的であり、その理由は、これによって、5秒以上も区切られ得る特定の時間段階でしか位置データを収集できない従来技術システムに比べて、かなり正確に、且つ、望ましくは時の経過と共に動的に、位置の追跡が可能になるからである。それらのシステムでは、それらの時間段階の相互間で生じたことについてのフィードバックが得られない。これとは対照的に、1秒毎のデータの供給は、1秒毎の情報の記録を可能にする。収集されるデータは一般的に位置であるが、あるいは、高度を含む位置データが可能であるが(これは、追加のハードウェアを必要とすることもあるが、ドローンが送信機とiOSD及び/又はカメラを備えている場合には、周知のシステムがドローンのリアルタイムの高度を算定できる)、1秒毎のデータのために、これによって、このデータに基づく速度と方向との算定も可能になる。
ドローン被搭載装置には、位置データに関する情報を転送する無線通信モジュールも含まれていることが望ましい。この無線通信モジュールは、この情報を本発明の中央サーバ処理システムに転送することが望ましい。この無線通信モジュールは、位置特定受信機と一体化されていてもよいし、あるいは、これに対して分離されていてもよい。この無線通信モジュールと位置特定受信機とは、互いに分離されている場合でも、一般的に、同じ筐体内に設けられている。これによって、一般的に、無線通信モジュールと位置特定受信機とが、電力を同じ供給源から引き出すことが可能になるが、このことは厳密には必要ではない。
無線通信モジュールは、任意の無線システム、例えば、携帯電話ネットワーク、無線ネットワーク、データネットワークなどに基づいて動作できる。最も一般的には、位置はGPSを用いて特定され、無線通信モジュールは、ドローンから無線受信機までのSMS、GPRS、衛星又は地上無線に基づいている。また、GSM(登録商標)が最もよく利用されているサービスであり、その理由は、自動化されたドローンの位置特定に必要なデータレートが低く、そして、これらのネットワークが低コストであり、且つ、ほぼユービキタス(ubiquitous)の性質を有するからである。また、帯域幅の要件も低いので、衛星技術によって、若干より高いコストではあるが、遠隔測定データを、地上無線又はパブリックキャリア(public carrier)によってはあまり良好にカバーされないような広域のサービスエリアに亘り、非常に遠い位置でも、受信できる。
無線通信モジュールは、一般的に、この無線通信モジュールからの1つ又は複数の無線通信経路以外にも、電力供給源に対するハード有線接続と、位置特定受信機との任意の相互接続と、を有している。
ドローン被搭載装置には、このドローン被搭載装置を配達ドローンの電力供給システムに接続する少なくとも1つ電気接続アセンブリも含まれていることが望ましい。これによって、配達ドローンが、このドローン被搭載装置とその構成部分とに動作電力を供給できることが望ましい。一般的に、ハード有線接続が、配達ドローンの電力供給システムとこのドローン被搭載装置との間に設けられている。通常、適切なアダプタを備えたケーブル又はそれに類似するものが、ドローンの電力供給システムに取り付けられているか、あるいは、接続される。
1つ又は複数のバッテリ装置又はバッテリシステムが、ドローン被搭載装置及び/又は構成部分の完全なパワーダウンを防止するために、あるいは、少なくともに一時的に電力を供給するために、ドローン被搭載装置に設けられてもよい。
望ましくは、特にこの一時的な配達ドローン実施形態において、全ての構成部分が、一般的に、主要なドローン筐体内に設置されている。
サブシステムには、ドローン被搭載装置に関連付けられており、本システム内でドローン被搭載装置を固有に識別する少なくとも1つの識別ツールも含まれていることが望ましい。前述の如く、この識別ツールは、ドローン被搭載装置に取り付けられていてもよく、あるいは、その代わりに、ドローン被搭載装置とは別個に設けられていてもよいが、ドローン被搭載装置には関連付けられている。一部の実施形態において、本システムは、例えばGPS受信機のような本システムの特定の構成部分を識別でき、その識別を用いて本システム内でドローン被搭載装置を固有に識別できる。
任意のタイプの識別ツールを使用でき、その構成は、一般的にドローン被搭載装置のタイプに依存する。この識別ツールは、バーコード装置、無線周波数識別チップ又はタグ、あるいは、その他のタイプの装置であり得るか、あるいは、このような装置を備えることができ、このような装置は、このツールを固有に識別して、それによって、本システム内でドローン被搭載装置を固有に識別するための固有の識別コード又はそれに類似するものを有しているか、あるいは、そのようなものに関連付けられている。この識別ツールは、1つのドローン被搭載装置に関して収集された情報が、その特定のドローン被搭載装置に関連付けられていると識別できる、あるいは、その特定のドローン被搭載装置から収集されたものであると識別できるようにすることが望ましい。
この識別ツールは、ドローン被搭載装置を識別して、そのドローン被搭載装置を通じて配達ドローンを識別するのに使用される。この識別ツールは、通常、それが関連付けられている特定のドローン被搭載装置の恒常的な識別を可能にする。
本発明のシステムは中央サーバ処理システムも備えており、この中央サーバ処理システムは、各々のドローン被搭載装置から位置データを受信して、その位置データに基づいて、各々のドローンのリアルタイムの位置に関する情報をホームベースワークステーションに転送する。この中央サーバ処理システムは、通常、ホームベースワークステーション及びそれぞれのドローン被搭載装置から離れて配置されている。また、この中央サーバ処理システムは、一般的に、この中央サーバ処理システムに情報を提供する自動ドローン位置特定システムに関連付けられている。このシステムは、イベント起動型追跡システムではなく、各々のドローン被搭載装置の少なくとも1つの位置特定受信機から提供される1秒毎の位置データの提供に基づく自動ドローン位置特定システムであることが望ましい。従って、この中央サーバ処理システムは、自動ドローン位置特定システム機能に加えて管理機能を備えており(これは単に外部システムから採用してもよい)、それによって、特定の会社が、各々が特定のホームベースに関連付けられている全ドローンを管理できるようにすることが望ましい。
ドローン位置特定システムは、配達ドローンのオペレータとは別のシステム管理者によって操作又は管理されていてもよい。通常、ドローン位置特定アルゴリズムがサーバ又はウェブプラットホーム上に置かれており、位置情報が自動ドローン位置特定システムによって使用され、サーバ又はウェブプラットホームが、次に、各々のドローンのリアルタイムの位置に関する情報を、その特定のドローンのホームベースワークステーションに、送信する。従って、中央サーバ処理システムの一部分であるか、あるいは、中央サーバ処理システムによってアクセスされるドローン位置特定システムは、一般的に、「ファットクライアント(fat client)」であり、コンピュータネットワーク又はサーバによって、あるいは、コンピュータネットワーク又はサーバ上で情報の処理と記憶とを実施して、次に、その情報を本発明の中央サーバ処理システムに提供する。
ホームベースワークステーションは、中央サーバ処理システムから情報を受信することが望ましい。ホームベースワークステーションは、例えば、ログインに関する情報、あるいは、ドローン被搭載装置と特定のドローン及び/又はドライバとの関連付けに関する情報を中央サーバ処理システムに提供してもよい。
中央サーバ処理システムは、本システムのその他の構成部分とインタアクトして、本システムのその他の構成部分との間で情報を転送及び/又は受信してもよい。最も望ましい実施形態に従えば、中央サーバ処理システムは、一定数の相異なるホームベースのホームベースワークステーショと交信して、それぞれのホームベースの企業マネージャによってアクセス可能な情報ログに情報を記憶する、あるいは、情報が記憶されるようにする。従来の配達ネットワークにおいては、各々のドローンは、一般的にホームベースから出動し、各々のホームベースは、個々に定められた配達領域を有している。従って、各々のドローンに関する情報は、配達ネットワークの全体のマネージャと同様に、各々のホームベースにおいても入手できるはずである。
前述の如く、自動ドローン位置特定システムは、通常、特定の配達会社の外部にあり、配達会社は、単に中央サーバ処理システムを介して自動ドローン位置特定システムにアクセスする。中央サーバ処理システムを介する配達会社と自動ドローン位置特定システムとの間の通信は、ミドルウェアを介して行われてもよい。
前述の如く、自動ドローン位置特定システムに関連付けられた中央サーバ処理システムは、一般的に、本システム内でドローンの位置を特定することと、それに関する情報を処理することと、を担当しており、本システムのその他の構成部分、望ましくはホームベースワークステーションが「シンクライアント(thin client)」又は少なくとも、この中央サーバ処理システムに比べて「シンナクライアント(thinner client)」になり得るようにする。従って、情報の処理と記憶との大部分は、望ましくは、ホームベースワークステーションではなく、中央サーバ処理システム及び/又は自動ドローン位置特定システムにおいて実施され、しかしながら、ホームベースワークステーションは、一般的に、少なくとも一部の処理とデータ記憶とを行うことができる。
情報は、一般的に、本システム内において中央サーバ処理システムを介してアクセスされる。クエリは、一般的に、中央サーバ処理システムに送信され、情報を記憶しているデータベースが、一般的に、必要に応じて又は要求に従って、中央サーバ処理システムを介してアクセスされる。望ましくは、自動ドローン位置特定システムの特定の動作は本発明の一部分を形成しておらず、この一部分は、むしろ、本発明内において、特にホームベースワークステーションによる、配達会社の管理の一部分としての、情報の使用に向けられている。
本発明のシステムには、地図インタフェースを表示する少なくとも1つの電子ディスプレイを備えたホームベースワークステーションも含まれており、この地図インタフェースは、中央サーバ処理システムから転送される情報によってリアルタイムで更新されてこの地図インタフェース上にドローンのリアルタイムの位置を示す。情報は、ホームベースワークステーションからの要求に従ってではなく、中央サーバ処理システムからホームベースワークステーションに押し込まれることが望ましい。
特に望ましい実施形態に従えば、複数のホームベースワークステーションが配達ネットワーク内に設けられており、各々のホームベースワークステーションには、通常、特にそのホームベースワークステーションに関連付けられた一定数のドローン被搭載装置がある。例えば、ある1つの会社が一定数の店を有しており、各々の店が、その各々の店から商品を配達することを担う一定数のドローンを備えていることがある。それらのドローンの各々は、通常、それに割り当て可能なドローン被搭載装置を備えている。従って、各々の店におけるホームベースワークステーションは、一般的に、その店から配達する各々のドローンの位置を追跡する機能を備えている。その会社も、一般的に、各々の店から出た各々のドローンの位置を追跡する管理機能、各々の店から出た各々のドローンに関する情報を維持及び管理する管理機能、更に、各々の店に対して、そして望ましくは、任意の1つ又は複数の店における各々のドローン及び/又はドライバに対してドリルダウン(drill down)する管理機能を備えている。一般的に、本システムは、各々のドローンの位置をそのそれぞれのホームベースワークステーションに報告するが、必ずしもその位置をその他のホームベースワークステーションに報告するわけではない。
提供された情報によって、一般的に、ホームベースワークステーションは、そのホームベースの各々のドローンの位置を、電子ディスプレイ上の地図インタフェース上に、リアルタイムで示すことが可能になる。
少なくとも1つの電子ディスプレイは、任意のタイプのものでよい。一般的に、電子ディスプレイは、モニタ又はビュースクリーンのような装置である。この電子ディスプレイは、本システムが動作している間では実質的に常時、地図インタフェースのみを表示することが望ましい。通常、電子ディスプレイは、この電子ディスプレイを介する本システムとの如何なるインタラクションをも許すことなく、ドローンの位置を地図インタフェース上に表示する。
電子ディスプレイ上に表示される地図インタフェースは、ドローンが出動するホームベースの特定の配達領域に限定されているか、あるいは、境界が明確に描かれた、ホームベースの特定の配達領域を有していることが望ましい。境界を明確に描写する特に望ましい1つの方法は、配達領域を十分な色と解像度とで示し、更に、配達領域の外側の領域を、暗くされた又は不明瞭にされた表示形態で表示し、その表示形態は、地図インタフェース上でまだ見えるが、明らかに配達領域の外側であると分かるようにする。この特定の配達領域は、更に、この配達領域を仕切るために、それを取り囲んでいる境界を有していてもよい。本発明に従えば、特定のホームベース内のストアマネージャ又はその他のオペレータが、配達ドローンがその特定の店についての配達領域から外側に出て迷っていないかを識別できるようにするために、配達領域の境界を地理的フェンスとして定めることが特に望ましい。
地図インタフェースは、一般的に、中央サーバ処理システムから、特に自動ドローン位置特定システムから受信された情報に基づいて、ローカルのワークステーションによって又はローカルのワークステーションにおいて、作成される。
地図インタフェースは、一般的に、既存の地図プロバイダを用いて作成される。最も普及している地図プロバイダは、一般的にグーグルマップ(Google Maps)であろう。本発明のシステムは、一般的に、グーグルマップのような既存の地図プロバイダから取得された情報を用いて、地図インタフェースをディスプレイ上に生成する。既存の地図プロバイダから取得された情報には、同じく配達の管理に一般的に有用であるその他の情報が一般的に含まれている。地図インタフェースは、航空視点像、3次元像、衛星視点像又はそれらに類似するものであってもよい。
また、地図インタフェースは自動ズーム機能を備えていることが望ましい。当然のことであるが、ドローン被搭載装置を備えた1つのドローンが配達途中である時もあれば、ドローン被搭載装置を備えた複数のドローンが配達途中である時もある。地図インタフェースは、一般的に、自動的にズームイン及び/又はズームアウトして、配達途中のドローンに関する配達領域を示す。ドローンが1つだけ配達途中にある場合、地図インタフェースは、一般的にその特定の領域にズームインして、次に、より多くのドローンが配達に出発すると、拡がり、次に、配達ドローンが引き返す及び/又は出発すると、必要に応じて形とフォーカスとを広げる/狭める/変化させる。
本発明のシステムは、進行中の実際の配達のみを地図インタフェース上に示すように動作する。情報は、一般的に、リアルタイム、又は、ほぼリアルタイムで更新される地図インタフェース上にリアルタイムで提供される。地図インタフェースは、静止状態又は固定された状態であってもよく、1つ又は複数のオーバレイ状に表示されて入れ替わる。通常、アイコンが、各々の配達ドローンについて設けられている。各々のドローンについての配達途中の経過時間を観察する管理を可能にするために、トリップタイマ(trip timer)及び/又はレッグタイマ(leg timer)が設けられてもよい。通常、配達行程における変化は、通常、前述の如くドローンからドローン被搭載装置を介して収集されたドローンのイグニション状態における変化を通じて、特定される。
一般的に、一定数の相異なる行程があり、これらは、本システムによってログ記録され、また、地図インタフェース又は関連インタフェース上に示されてもよく、それによってホームベースの管理が配達の効率性を判定できる。特に、一般的に、配達ドローンが店を出発して配達地点への途中である「往路行程」がある。これは、一般的に、地図インタフェース上に、特定の態様で、通常、特定の色を使用して示される。往路行程については、緑色が特に望ましい色である。このサブシステムは、展開可能部分の展開によって検出される食品の積み込みと配達とを通じて、その配達が往路行程にあることを特定することが望ましい。例えば、従業員が食品を食品配達ドローンに積み込むと、通常、「配達開始」の起動があり、これは、ドローンが飛び立つ際の位置データを用いて確認できる。
第2に、配達ドローンが配達地点に到着すると「納品行程」が始まる。これは、一般的に、地図インタフェース上に、特定の態様で、通常、往路行程の色とは異なる特定の色を使用して示される。ドローンが配達地点にあることを示すには、暗青色が特に望ましい色である。望ましくは、本システムは、位置データを用いて配達品が配達地点にあることを特定し、これは、認証処理が始まれば、確認でき、次に、一般的に、展開可能部分が、閉じて、配達が完了したことを信号で通知すると、「納品」行程が終了し、これは、ドローンが飛び立つ際の位置データを用いて確認できる。
第3に、ドローンがホームベースに向かって出発する際に「復路」行程が始まる。これは、一般的に、地図インタフェース上に、特定の態様で、通常、往路行程と納品行程とにそれぞれ使用される色とは異なる特定の色を使用して示される。配達ドローンが復路行程にあることを示すには、オレンジ色が特に望ましい色である。望ましくは、本システムは、位置データを用いて、配達ドライバが復路行程にあり、ホームベースに戻ろうとしていることを特定し、この復路行程は、この位置データがホームベースの位置と一致した時に終了する。
また、例えば、配達ドローンが1度の運航で複数の配達を実施するような更なる行程が設けられてもよい。これが実施される場合には、一般的に、「納品」行程と復路行程との間に1つ又は複数の中間配達行程が存在する。本システムは、1つのドローンが1度の配達運航で複数の配達を割り当てられるタイミングを一般的に調整できる注文品発送システム又は注文管理システムとのインタラクションを一般的に実施する。
配達ドローンを示す望ましいアイコンの外観は、通常、その配達ドローンの現在の特定の行程に従って調整されることが望ましい。望ましくは、配達ドローンを示すその望ましいアイコンは、注文が配達ドローンに割り当てられた時に地図インタフェース上に現れてもよいが、そのドローンが実際に運航を開始した時にのみ現れることが望ましい。
配達ドローンの状態は、望ましくは、地図インタフェース上に相異なる態様で示され、それによって、ホームベースのマネージャが容易に現在進行中の各々の配達の行程を確認して区別できるようになる。これによって、ホームベースのマネージャは、一般的に、商品についての配達順序及び/又は準備時間を更に容易に管理できるようになる。前述の如く、配達ドローンの状態とそのドローンの特定の行程とは、通常、地図インタフェース上に色を使用して示されるが、その他の任意の識別形態を使用してもよい。
また、ドローンの速度が、地図インタフェース上において、その配達ドローンを示す望ましいアイコン上に又はその望ましいアイコンに関連して示されることが更に望ましい。望ましいアイコンは、特定の位置及び/又はドローン指示符号も示してもよい。更に、ドローンには、運航についての高さ制限がある場合もある。例えば、運航の高さの上限と運航の高さの下限とがある場合もあり、ドローンは、一般的に、実質的にこれらの制限内で配達目的の運航を行う。また、離陸と着陸とは、実質的に食品調理店で行われることが望ましい。ドローンは、配達中、たとえ展開可能ユニットが展開される時でさえも、空中に留まることが望ましい。
地図インタフェースは、ドローンが配達の目的地点又は最終配達先に到着するまでは、その目的地点又は最終配達先を示さなくてもよい。到着時点で、配達の状態が一般的に変化して、アイコンの表示が一般的にそれに応じて変化する。地図インタフェースは、一般的に、配達ドローンがホームベースの店に到着するまでは、ドローンによって取られる経路、通常、往路行程と復路行程とを示し、その際、これらの相異なる行程は相異なる態様で示され、次に、サインイン(sign in)が為されると、地図インタフェースは、一般的に、取られた経路をリフレッシュして取り除く。また、ホームベースにおけるETA(到着推定時刻)が、往路行程の長さに基づいて及び/又は地図プロバイダから取得される優勢的な状況に基づいて算定されて、地図インタフェース上に表示されてもよい。
通常、調整済みドローン被搭載装置を備えたドローンが、配達を割り当てられずに、店を出発すると、地図インタフェース上のアイコンは、一般的に、これを識別する。通常、そのアイコンは、例えば赤く発色して、そのドローンが配達を割り当てられずに店を出発したことを示す。
更に、非割り当て済みドローン被搭載装置、換言すれば、割り当てシステムによってドローンに未だ関連付けられていないドローン被搭載装置が店を出発すると、地図インタフェース上のアイコンが、一般的に、これを識別する。同じく、このアイコンは、例えば赤く発色するようにしてもよい。これによって、ホームベースのマネージャは、ドローンが、配達なしで、あるいは、ドローン被搭載装置が適切にドローンに割り当てられずに、店を出発したことを容易に識別できるようになる。場合によっては、ドローンに配達を割り当てることは、ドローンがホームベースを出発する前に必要な先行ステップになることがあり、その理由は、その割り当てが実施されるまで、ドローンは、一般的に、配達位置を有しておらず、配達の割り当ての結果としてのみ配達位置を取得するからである。
別の機能が地図インタフェースに追加されてもよい。例えば、地図インタフェースは、配達途中にあるドローンの動作又は行動に関するリアルタイムのアラート(alert)によって更新されてもよい。例えば、リアルタイムのアラートは、ドローンが制限速度を超えた場合に、発せられてもよい。望ましくは、例えば、段階的なリアルタイムのアラートがあってもよく、あるいは、ドローンが、10秒間、使用可能な公示制限速度を10km超過した場合にリアルタイムのアラートが発せられてもよく、あるいは、その代わりに、ドライバが、制限速度の超過の時間に関係なく、任意の時点で制限速度を15km超過した場合にリアルタイムのアラートが発せられてもよい。一般的に、使用可能な公示制限速度は、既存の地図プロバイダからも取得される。
更にまた、本システムは、ドローンが危険な態様で動作している場合を1秒毎のデータによって特定するように構成されていることが望ましい。
ホームベースワークステーション、更に詳しくは、ホームベースワークステーション上で動作するソフトウェアアプリケーションは、一般的に、注文品発送ソフトウェアアプリケーション及び/又は配達管理アプリケーションとインタアクトする。これらのアプリケーションは、ホームベースワークステーションとは異なるネットワークであり、且つ、このホームベースワークステーションによってアクセス可能であるネットワーク上で動作してもよく、あるいは、全てのアプリケーションによってアクセス可能である単一のネットワーク上で動作してもよい。
一般的に、配達品が配達用に準備できると、店内のオペレータがその配達をドローンに割り当てる。本発明のシステムに従えば、配達が注文管理システム内で割り当てられると、情報が、望ましくは、ドローン被搭載コンピュータ装置と中央サーバ処理システム上で動作する自動ドローン位置特定システムとによって共有され始めて、それによって、配達に関する情報がログ記録される。望ましくは、中央サーバ処理システムが、通常、特定の注文又は配達を特定のドローンに割り当てて、その後、一般的に、その特定の注文又は配達に関連して、情報がドローン被搭載装置を介して収集される。
ホームベースワークステーションは、望ましくは、これに関連付けられたプロセッサを備えており、それによって、地図インタフェースを生成して表示し、また、少なくとも1つの入力装置から入力を受信し、それによって、地図インタフェースの見え方を制御すると共に、ホームベースワークステーション上で又はホームベースワークステーションと共同して動作するソフトウェアアプリケーションとインタアクトする。
また、ホームベースワークステーションは、一般的に、このホームベースワークステーションにデータを入力するための少なくとも1つの入力装置も備えている。前述の如く、ホームベースワークステーションは、通常、少なくとも1つのプロセッサを備えている。ホームベースワークステーションに対する入力又はホームベースワークステーションとのインタラクションを可能にする任意の数の、及び、任意のタイプの入力装置が設けられてもよい。
特に望ましい実施形態に従えば、ホームベースワークステーションの一部分としてプロセッサに関連付けられたタッチスクリーン制御パネルが設けられる。これは、通常、識別ツールリーダ(identification tool reader)を補うものである。更に、ホームベースワークステーションの一部分としてプロセッサに関連付けられた、例えばキーボードのようなその他の入力装置及び/又は例えばマウスのようなポインタ装置が設けられてもよい。タッチスクリーンコントロールパネルとキーボード及び/又はマウスとを設けることによって、望ましくは、ホームベースワークステーションにおけるオペレータが、主にこのタッチスクリーンコントロールパネルを通じて、そして、地図インタフェースを備えた電子ディスプレイが表示用のみであれば、必要に応じてキーボード及び/又はポインタ装置を通じて、本システムとインタアクトできるようになる。
望ましくは、タッチスクリーンコントロールパネルは、ホームベースワークステーションのコンピュータプロセッサを制御するために使用されてもよい。前述の如く、ホームベースワークステーションは、通常、中央サーバ処理システムに比べて機能がより制限されているが、ホームベースワークステーションにおいて管理目的用にアクセス可能な機能があることが望ましい。
特に、ホームベースワークステーションのコンピュータプロセッサは、一般的に、1つ又は複数のタッチ操作可能「ボタン」を生成して、タッチスクリーン制御パネル上に表示する。例えば、一般的に、各々の利用可能な配達ドローンについて、店管理用にその利用可能な配達ドローンを識別して、スタッフが各々の利用可能な配達ドローン及び本システムとインタアクトできるようにするボタンが設けられる。これらのボタンは、一般的に、ホームベースワークステーションのコンピュータプロセッサと共同して動作する位置特定装置によって、配達ドローンがホームベースに戻ったことが検出された際に、タッチスクリーン制御パネル上に現れる。
特定の配達ドローンボタンは、通常、その配達ドローンの状態も示す。例えば、配達途中のドローンは、一般的に、割り当てされておらず且つ利用可能であるドローンとは視覚的に区別される。これによって、一般的に、どのドローンが利用可能であり、そして、どのドローンが利用可能でないかを容易に識別する管理が可能になる。通常、スタッフは、注文をドローンに関連付ける又は割り当てるために、一般的に、識別ツールを使用して、識別ツールリーダによってこのドローンを本システム用に識別する。このステップ時に得られた情報は、一般的に、中央サーバ処理システムにも提供されて、自動ドローン位置特定システムによって使用される。
一般的に、アドレス検索機能用「ボタン」とアドミニストレーション用「ボタン」も設けられる。
アドミニストレータ、通常、ストアマネージャは、一般的に、タッチスクリーン制御パネル上で動作しているアプリケーションのアドミニストレーション部分を使用して、必要に応じて、ドローンを、選択可能なものから、除外できる。例えば、一般的に、故障している又は点検修理中であるドローンのような、配達に現在利用できないドローンを、選択可能なものから、除外することが賢明である。一般的に、アドミニストレータは、通常、その特定のドローンを、それが本システムに再度加えられるまで、選択できないものとして特徴付けることによって、これを行う。
また、タッチスクリーン制御パネル上で動作しているアプリケーションのアドミニストレーション部分を使用してディスプレイ上の地図インタフェースのズームレベルを手動で調節することもできる。このアプリケーションのアドミニストレーション部分を通じてアクセスできる「設定」機能によって、その他のパラメータを調節できるようにしてもよい。
1つ又は複数のウェイポイント(waypoint:途中通過目標地点)がドローンに設定されてもよい。複数のアドレスを調べて、本システムに1度の配達運航で複数のアドレスについての最適な配達ルートを決定させることが可能なこともある。
タッチスクリーン制御パネルは、一般的に、その上に地図インタフェースを表示し、その地図インタフェースは、配達状態と同じく、地図インタフェースを基準にしたドローンの位置を示すこともできる。この地図インタフェースは、一般的に、ホームベースワークステーションの電子ディスプレイ上に表示される地図インタフェースと類似しているが、ホームベースワークステーションにおける電子ディスプレイが、配達の位置を示す地図インタフェースを常時表示している点で、ホームベースワークステーションにおける電子ディスプレイ上に表示される地図インタフェースとは異なる。
このタッチスクリーン制御パネルは、中央サーバ処理システム及び/又は自動ドローン位置特定システムに対する接続状態も示してもよい。
本発明のホームベースワークステーションには、本システム内で、各々のドローン被搭載装置の識別ツールを読み込んで、このドローン被搭載装置と、このドローン被搭載装置に関係する情報及びデータと、を固有に識別する少なくとも1つの識別ツールリーダも含まれていることが望ましい。本質的に、本発明のシステムは、ドローン被搭載装置のアイデンティティ(identity:識別)と、個別のドローンに対する各々のドローン被搭載装置の関連付けと、に基づいて、情報を維持及び管理する。
本システム内の各々のドローンは、固有のプロファイルを有していてもよく、この固有のプロファイルは、一般的に、本システムに関連付けられたデータベース内に記憶されている。ホームベースのアドミニストレータ、マネージャ又はストアマネージャは、通常、プロファイルを認定する能力を有する。
前述の如く、ドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムは、配達管理システムと融合されていることが望ましい。また、ドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムは、配達されるべき商品を提供する会社によって提供されているオンライン注文システムと融合されていることも望ましい。特に、ドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムから得られる情報の一部分がオンライン注文システムに提供されてもよく、それによって、顧客が、配達中の注文品の位置についてのリアルタイムの更新を受信できるようになる。
望ましい形態に従えば、一般的に、配達品が顧客又は配達地点からの特定の離間距離以内で移動すると、その顧客又は配達地点を基準にして配達品の位置を示すインタフェースが、ドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムから得られる情報に基づいて、生成される。これによって、ユーザは、配達品が実際にどれくらい離れているかを確認でき、それによって、配達品に対する準備ができる。最も望ましい形態に従えば、複数の配達が実施されている場合には、提供される情報は、一般的に、その特定の顧客の配達についてだけであり、全体の実施についてではない。
例えばタブレット又はスマートフォン上で中央サーバ処理システムに対する外部からのアクセスを可能にするミドルウェアソフトウェアアプリケーションが設けられてもよい。このミドルウェアアプリケーションによって、例えばストアマネージャ又はフランチャイズ加盟店の店主が、ホームベースワークステーションからもアクセスされる本システムの管理部分にアクセスできるようになることが望ましい。
特に望ましい形態において、配達を示す位置特定インタフェースの生成を可能にする組込み型機能を備えたソフトウェアアプリケーションが設けられる。通常、この組込み型機能は、オンライン注文及び配達追跡システムに関する構成概念の全体の一部分である。この機能は、一般的に、本発明のドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムの拡張機能として動作し、このドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムから収集された情報が、一般的に、オンライン注文及び配達追跡システムに関する構成概念の全体に提供される。これは、一般的に、例えばスマートフォン又はタブレットのような顧客のパーソナルコンピュータ装置にダウンロードできる1つ又は複数のダウンロード可能ソフトウェアアプリケーションを備えたウェブベースのシステムである。
また、顧客が、オンライン注文システムを利用して、ドローンによる品物の配達を希望するか否かを示すことができることも望ましい。これは料金を伴うこともある。
ドローンが配達アドレスに到着して、通知が、顧客に、通常、注文を入れるのに使用した例えばスマートフォン又はタブレットのようなパーソナルコンピュータ装置上に、送信されると、顧客は、注文した品物を受け取ることが望ましく、その場合、このユーザは、外に出て、ドローンの位置を視覚的に確認して、認証処理を開始して、その品物にアクセスできる。
ここに記載されたいずれの特徴も、本発明の適用範囲以内で、ここに記載された1つ又は複数のその他の任意の特徴と、任意の組み合わせで、組み合わされてもよい。
この明細書における任意の従来技術についての言及は、その従来技術が一般的な共通の知識の一部を形成しているという認識ではなく、あるいは、それを示唆したいかなる形態でもなく、また、そのような認識である、あるいは、それを示唆した形態であると解釈すべきではない。
本発明の望ましい特徴、実施形態及び変形形態は、当業者が本発明を実施するのに十分な情報を提供する次の詳細な説明から分かるであろう。この詳細な説明は、決して、上述の発明の概要の適用範囲を限定していると解釈すべきではない。この詳細な説明は、次の幾つかの図面に言及する。
本発明の特に望ましい実施形態に従えば、配達ドローン100が提供される。
特に図4〜6に例示された望ましい実施形態において、配達ドローン100は、
a)モータ駆動の無人航空機と、
b)この配達ドローンへの情報の送信とこの配達ドローンからの情報の受信とを可能にする無線通信モジュールと、
c)リアルタイム又はほぼリアルタイムでこのドローンの位置を示す位置データを取得する少なくとも1つの位置特定受信機と、
d)顧客識別送信信号を受信する信号受信機と、
e)配達中に1つ又は複数の品物を格納するようにこのドローンに取り付けられており、この配達ドローンが配達位置に到着して、且つ、顧客識別送信信号が受信されて認証されると、格納されていた品物を顧客に渡すための配達ユニット101と、を備えている。
この無人航空機(unmanned aerial vehicle)(UAV)に取り付けられた配達ユニット101は、望ましくは、展開可能コンテナ102を備えており、この展開可能コンテナ102は、配達中における配達ユニット101を基準にした格納位置と、この展開可能部分102が少なくとも部分的に配達ユニット101の外側に在り、それによって、顧客がこの中に格納された品物を取り出す又はこの展開可能コンテナ自体を取り外すことができるサービス位置と、の間で移動可能である。この望ましい実施形態において、展開可能コンテナ102は、この展開可能コンテナ102をケーブル又はそれに類似する物に装着するための装着ポイント103を備えており、このケーブル又はそれに類似する物は、配達ドローンが配達位置に到着して、且つ、顧客識別送信信号が受信されて認証されると、ドローン100が空中に浮かんでいる間に、配達ユニットが展開可能コンテナ102を解放して顧客の所にまで降下させることを可能にする。
配達ドローンのオンボードコンピュータは、ドローンとその構成部分との動作を制御するオンボードソフトウェアアプリケーションを動作させることが望ましい。
この望ましい実施形態の配達ドローンは、発送位置から配達位置まで、周知の技術を用いて、人間の操縦によって、操縦される。
別の一形態において、本発明は配達ドローンシステムを含み、この配達ドローンシステムは、
c)配達ドローンであって、モータ駆動の無人航空機と、ナビゲーション用及び衝突回避用のソフトウェアを用いて構成されたオンボードコンピュータと、この配達ドローンへの情報の送信及びこの配達ドローンからの情報の受信を可能にする無線通信モジュールと、リアルタイム又はほぼリアルタイムでこのドローンの位置を示す位置データを取得する少なくとも1つの位置特定受信機と、顧客識別送信信号を受信する信号受信機と、配達中に1つ又は複数の品物を格納するようにこのドローンに取り付けられており、この配達ドローンが配達位置に到着して、且つ、顧客識別送信信号が受信されて認証されると、格納されていた品物を顧客に渡すための配達ユニットと、を備えている該配達ドローンと、
d)実質的に人間の介入なしに動作する1つ又は複数の処理システムであって、配達ドローンへの情報の送信及び配達ドローンからの情報の受信を可能にする通信モジュールを備えており、ホームベースから配達位置まで及びホームベースに戻るまでのナビゲーションについて及び移動中の衝突回避について配達ドローンを支援するように構成された該1つ又は複数の処理システムと、
を備えている。
本発明の配達ドローン100は、任意のタイプの品物の配達に利用できる。本明細書の記載においては、配達ドローンを、出来立ての食品又は調理済み食品、特に食品調理店によって提供される食べ物のホームデリバリに関して述べる。このドローンは、食品調理店で調理された温かい及び/又は冷たい食品を配達できる。本発明の目的について、「食品」という用語には飲み物も含まれている。
一般的に、配達ドローンには、ホームベースにおいて、通常、食品調理店において、調理済み食品を収めた展開可能コンテナ102が積み込まれて、配達位置がドローンに通知される。次に、このドローン又は配達ユニットが、「ロック」されて、食品調理店を出て、1つ又は複数の配達位置にまで操縦され、そこで、適切な認証処理が行なわれた後に顧客がその食品にアクセスしてそれを取り出すことができ、次に、この配達ドローンは、操縦されてホームベースに戻されて(あるいは、1つ又は複数の別の配達位置に向かって行き、その次に、ホームベースに戻されて)、新たに配備されるか、あるいは、格納庫に入れられる。
本発明のドローンは一般的に無人航空機を利用しており、この無人航空機は、1つの位置から別の位置に移動するために、実用可能な技術を利用して、望ましくはナビゲーションと衝突回避のソフトウェアを装備している。このドローンは、セルフナビゲーション(self navigation)と衝突回避とを可能にする実質的な人工知能になるようにソフトウェア制御されてもよく、あるいは、そのような人工知能を装備していてもよいが、ソフトウェアでは解決できない状況においては、人間による操縦及び/又は介入も可能である。
一般的に、ドローンは、比較的小さく、およその1m×1mの占有面積を有するが、UAVのサイズは、明らかに、運搬すべき平均的な積み荷の重量とサイズとに従って決定される。
ドローンは、任意のタイプであってもよいが、一般的に電気ドローンであるが、別の動力装置を備えていてもよい。特に図4に例示された望ましい実施形態に従えば、ドローンは通常1つ又は複数のオンボード蓄電池を備えており、このオンボード蓄電池は、1つ又は複数の電気モータに電力を供給してプロペラを駆動するように再充電できる。
ドローンは、一般的に、かなりの距離、望ましくは最高で約20〜30kmに亘って動作可能である。ドローンは、見通し外でも動作可能である。
一般的に、ドローンは少なくとも1つの、一般的に一定数の相異なる光源を備えており、これらの光源は相異なる目的で設けられている。望ましくは、照明装置が、確認と位置特定の目的で下方を照らすためにドローンの下側に設けられている。ドローンは、該ドローンが容易に識別できる又は合図できるように、あるいは、ナビゲーション及び/又は衝突回避について又は姿の確認について使用されるように、前方に向けられた照明装置及び/又は後方に向けられた照明装置を備えていてもよい。
一般的に光源を設ける一方で、その他の視覚的なしるし、例えば、反射する部分、冷光を発する部分、光冷光を発する部分などを設けることによって、低照度状態であってもドローンが良好に識別されて明確に見られるようにすることも望ましい。
ドローンが配達途中にある間に、一般的に、その周囲をモニタする及び/又は記録するために、1つ又は複数のカメラ又はその他の撮像装置をドローンに設けてもよい。ドローンが人間の操縦者によって操縦される場合、操縦者がドローンを操縦できるようにするために、カメラフィード(camera feed)がリアルタイムで操縦者に送信されることが望ましい。このリアルタイムのカメラフィードは、第三者及び/又は顧客に送信することもできる。通常、これは、動画記録による、リアルタイムの、望ましくは実質的に連続的な画像の記録である。記録済み画像は、モニタリング及び/又は表示の目的で遠隔位置に送信されてもよく、及び/又は、オンボードで記憶されてもよい。これによって、操縦者は、ドローンを配達位置にまで操縦できることがある。これは、ドローン操縦者に配達位置のGPS座標を提供することによって、支援され得る。これらのGPA座標は、望ましくは、注文が入れられるパーソナルコンピュータ装置からの注文の一部分として得られてもよい。
本発明のドローンは、ナビゲーション及び衝突回避用のソフトウェアが設定されたオンボードコンピュータを備えていることが望ましい。このオンボードのソフトウェアは、このソフトウェアによっては解決できない状況について人間の介入が必要である場合でなければ、実質的に人間の介入なしで、ホームベースから1つ又は複数の配達位置に移動してホームベースに戻る実質的に自律型の運転を可能にすることがある。
通常、オンボードコンピュータは、無線通信モジュール、位置特定受信機及び少なくとも1つの検出装置と関連付けられており、一般的に、これらの構成部分からの入力及び/又は出力を用いて、移動中の衝突回避を含むナビゲーションによって、自律的にホームベースから少なくとも1つの配達位置までナビゲートしてホームベースに戻るようにする。
オンボードコンピュータは、一般的に、ナビゲーション及び衝突回避のソフトウェアを動作させるが、また、オンボードコンピュータは、一般的に、各々の配達位置において、展開可能部分が展開される前に、顧客識別認証処理を遂行する又はこれに参加するソフトウェアアプリケーションを備えている。従って、オンボードコンピュータは1つ又は複数の別個のサブシステムを備えており、そのうち、少なくとも1つのサブシステムが、1つ又は複数の配達位置へのドローンの自律型のナビゲーションと衝突回避とを可能にするハードウェア及びソフトウェアを備えており、そして、少なくとも1つのサブシステムが配達ユニットに対するアクセスを制御するハードウェア及びソフトウェアを備えている。
オンボードコンピュータは、一般的に、配達処理に必要な又はそれに役立つ1つ又は複数の配達位置及び/又はその他の情報を得るために、販売場所又は店の管理コンピュータシステムから配達指令を受信できる。また、オンボードコンピュータは、ナビゲーション及び/又は衝突回避に使用されるリアルタイムの地図又はルーティングの情報を取得できる、あるいは、提供され得ることが望ましい。
本発明の配達ドローンは、該ドローンへの通信及び/又は該ドローンからの通信を可能にする少なくとも1つの無線通信モジュールも備えている。これによって、配達ドローンは、自己の位置と状態とに関する情報を送受信でき、より効率的な動作及び/又は配達を可能にする更新を受けることができる。通常、この少なくとも1つの無線通信モジュールを介して、配達ドローンのオンボードコンピュータに指令が出される。また、この少なくとも1つの無線通信モジュールを介して、ドローンからの、別の情報又は指令についての要求が送信でき、更新が実質的にリアルタイムで受信でき、そして、重要な点として、ドローンの位置と速度、及び/又は、ベクトルデータに関する1秒毎のデータが配達ドローンから遠隔モニタリングシステムに提供できる。望ましくは、この少なくとも1つの無線通信モジュールは、ドローンの位置及び速度とベクトルデータとに関する1秒毎のデータを少なくとも1つの遠隔位置に、通常、モニタリングシステムに送信することによって、このモニタリングシステムが、後述の如く、この情報をホームベースに伝えることができ(この情報は直接ホームベースに送信することもできる)及び/又はこの情報をその他の関係者、例えば、注文している顧客に伝えることができる。
本発明の配達ドローンは、ナビゲーション及び衝突回避のためにローカルの環境における特徴を検出する少なくとも1つの検出装置も備えている。1つ又は複数の検出装置が使用でき、そして任意のタイプ又は組み合わせの検出装置が使用できる。特に、配達ドローンが、レーダ、ライダ、例えばGPSのような位置特定技術、オドメトリ(odometry)、及び/又は、コンピュータ支援ビジョン、バーチャルリアリティ又は増補リアリティ技術を用いて、ナビゲートして物体を識別できるようにする装置が望ましい。
本発明の配達ドローンは、UAVに取り付けられた配達ユニットも備えており、この配達ユニットは、配達中に1つ又は複数の品物を格納しており、配達ドローンが配達位置に到着して顧客識別送信信号が受信されて認証されると、顧客が配達ユニット内に格納されている品物を取り出すことができるようにする。前述の如く、配達ユニットは、一般的にUAVに取り付けられており、通常、UAVの下側に取り付けられている。
配達ユニット101は、外側筐体を備えていることが望ましい。この外側筐体は、通常、配達ユニット101の外側形状を画定し、審美的な理由で少なくとも部分的に弓形であることが望ましいが、展開可能コンテナ102をより密接に受け入れるように、図示の如く、矩形であってもよい。この筐体は、実質的に平坦な前方壁と後方壁とを備えていてもよい。1つ又は複数の電灯を前方壁及び/又は後方壁に設置してもよい。
配達ユニット101の外側筐体は、一般的に、少なくとも部分的に中空であり、内側容積を画定している。少なくとも1つの展開可能コンテナ102は、配達ユニット101の内側容積内に配置される。展開可能コンテナ102は、配達中はこの内側容積内に配置されており、部分的に外側筐体の外側に在る位置にまで選択的に展開可能であり、それによって、顧客は、コンテナ102にアクセスして、望ましくは、この少なくとも1つの展開可能コンテナ102内に格納されている食品を取り出すことができ、及び/又は、この展開可能コンテナ102をドローン100に取り付けているケーブル又はその類似物からこの展開可能コンテナ102を分離する又は取り外すことができる。望ましい実施形態において、展開可能コンテナ102は、外側筐体を基準にして実質的に鉛直方向に、配達のために降下して、収容のために上昇することが望ましく、これは、ドローンの安定性を維持することに貢献するためである。
展開可能コンテナ102は、内側で1つ又は複数の区画に分割されてもよい。これらの設けられた区画は個別にアクセス可能であってもよく、相異なる品物が相異なる区画に格納されてもよい。
更に望ましくは、展開可能コンテナ102は、例えば、相異なる機能に分割されてもよく、一部の区画は、加熱された食品を一時的に格納するように構成された加熱された又は温かい区画であってもよく、そして、一部の区画は、冷却された又は冷凍された食品を一時的に格納するように構成された冷却された又は冷たい区画であってもよい。これらの相異なる機能が同一の展開可能部分に設けられる場合には、望ましくは、例えば、相異なる機能を表すカラーコーディング(colour coding)を用いて、視覚的に互いに区別できるようにしてもよい。望ましい一実施形態において、顧客が容易に区画の機能を識別できるようにするために、冷やかな又は冷たい区画には青いカラーリング又はハイライトが施されて、温かい又は熱い区画には赤いカラーリング又はハイライトが施されてもよい。このようにして、顧客が温かい又は熱い区画に触れる前に顧客にこれらの区画について注意させることによって、装置の安全性も向上することがある。
一般的に、加熱された又は熱い区画は、絶縁されており、それによって、熱を受動的に維持することがある。同様に、冷却された又は冷たい区画は、絶縁されており、冷たさを受動的に維持することがある。
特に望ましい一実施形態において、配達コンテナ102は、一般的に、配達位置に到着して、顧客識別認証処理が完了すると、展開される。通常、展開が始まる前に、両方のパラメータが満たされる必要がある。この認証処理は、一般的に、認証コード又は識別子が、顧客によって配達ドローンに、望ましくは、オンボードコンピュータ上で動作しているソフトウェアに提供されることによって、注文時に提供された認証コード又は識別子と照合されることを通じて、実施される。一般的に、この認証コード又は識別子は、発注顧客が注文に対する支払いを済ませた時に作成及び/又は発行され、一般的に、支払い完了時に、発注顧客に提供される。これは、一般的に、例えばタブレット又はスマートフォンなどのようなパーソナルコンピュータ装置を用いて実現され、現在、大多数の発注顧客が、オンライン注文インタフェースを用いて、このタイプの配達を注文している。この場合、認証コード又は識別子は、直接、発注顧客のパーソナルコンピュータ装置に提供できる。注文が非モバイルコンピュータ装置で入れられる場合、顧客は、その認証コード又は識別子をモバイル又はパーソナルコンピュータ装置に転送してもらうことを選択できる。別の一選択肢として、認証コード又は識別子は、中央サーバ又はコンピュータネットワークから提供できる。例えば、顧客が、可能性としてオンライン注文インタフェース又はモニタリングインタフェースを介して、中央サーバ又はコンピュータネットワークにメッセージ又は信号を送信してもよく、次に、中央サーバ又はコンピュータネットワークは、展開可能部分を展開するようにドローンに信号を送信してもよい。
その他の認証システムが使用されてもよい。例えば、顧客に固有の生体計測データを伴う1つ又は複数の認証システムが使用されてもよい。例えば、固有の指紋、オプティカルスキャン(optical scan)、あるいは、例えば息又は皮膚のような身体的なサンプルを含むメカニズムでさえも使用されてもよい。この構成で実施される場合、各々の顧客は、一般的に、各々の顧客に固有である少なくとも1つの生体計測制御サンプルを記憶した固有のプロファイルを作成する必要がある。この生体計測制御サンプルは任意の方法で作成又は記録でき、一般的に、顧客が、自己の固有の顧客プロファイルに関して記憶されるべき生体計測制御サンプルを提供する。通常、このプロファイルは、1つ又は複数の処理システムによってアクセス可能な少なくとも1つのデータベースに記憶される。認証処理時に、配達ドローンは、一般的に、発注顧客の固有のプロファイルにアクセスすることによって、顧客が認証処理時に提供した生体計測サンプルを、固有の顧客プロファイル内に記憶されている少なくとも1つの生体計測制御サンプルと照合して、一致した場合、展開可能部分が一般的に開き、一致しなかった場合、顧客に対して再試行を促すことができ、及び/又は、一致する生体計測サンプルを提供できなかった結果として展開可能部分はロックされたままであり、状況によっては、配達ドローンはホームベースに戻る。
一般的に、発注顧客は、配達ドローンから食品を受け取るために、注文を入れた装置、あるいは、認証コード又は識別子が転送されたモバイル又はパーソナルコンピュータ装置を携帯する。認証処理は、様々な方法で開始できるが、1つの方法では、単純に、食品配達ドローンに対するモバイル又はパーソナルコンピュータ装置の近接によって開始されてもよい。換言すれば、モバイル又はパーソナルコンピュータ装置が配達ドローンの有効範囲内に入ると、認証処理が自動的に開始されてもよい。別の一選択肢として、認証処理は、顧客が配達ドローンに近づいた時に、顧客によって手動で、例えば、パーソナルコンピュータ装置上に生成されたインタフェースとのインタラクション(例えば「ボタン」を押すこと)によって、開始されてもよい。
望ましくは、配達ドローンの少なくとも1つの無線通信モジュールが、顧客のモバイル又はパーソナルコンピュータ装置との通信に使用されてもよい。そうするための1つのメカニズムは、Bluetooth又はWiFiである。例えば、Bluetoothによって電子装置の互いに対する識別が可能になり、配達ドローンが顧客のモバイル又はパーソナルコンピュータ装置を「発見する」ことができ、あるいは、その逆もできる。通信経路が装置相互間で確立されると、認証コードが、顧客のモバイル又はパーソナルコンピュータ装置から配達ドローンに送信されてもよい。配達ドローンのオンボードコンピュータによって受信された認証コードは、顧客によって注文に対する支払いが為された時に作成及び/又は発行された認証コードと照合でき、これらの認証コードが互いに一致する場合には、展開可能コンテナ102が展開される。認証コードが一致しない場合には、展開可能部分は展開せずに、配達ドローン内で安全に保たれたままである。
認証処理には、多要素認証が含まれてもよい。例えば、認証処理は、認証コードを含んでいてもよく、それに加えて、注文が入れられた特定のモバイルコンピュータ装置が配達ドローンに対する特定の至近距離以内に存在することを必要としてもよく、このようにして、配達ドローンが、このコードと、このコードがこの特定のモバイルコンピュータ装置に対して発行されたこと、及び、このコードがこの特定のモバイルコンピュータ装置から取得されたことと、を認証できるようにする。
認証コードの作成及び/又は発行は一般的にソフトウェアアプリケーションによって実施されるが、このソフトウェアアプリケーションは、顧客が、配達されるべき品物を注文するソフトウェアアプリケーションに随伴しているか、あるいは、関連付けられていてもよい。この認証コードのソフトウェアは、認証コードが第3者に送信又は転送されるようにでき、それによって、第3者が注文済み食品の配達を受け取ることを可能にしてもよい。例えば、親が、住居のアドレスから遠く離れた位置にいる場合に、子供たちのための食品配達を、住居のアドレスにいる子供たちに、届けるように注文してもよく、従って、認証コードを子供たちに転送することによって、子供たちが、配達ドローンにアクセスして、親によって注文された食品の配達を受け取ることを可能にしてもよい。
認証処理が完了すると、即ち、顧客によって(望ましくはパーソナルコンピュータ装置を介して)配達ドローンに提供された認証コードが、注文用ソフトウェアによって提供された、特定の配達に関する認証コードと一致すると、展開可能コンテナ102が展開されて、それによって、顧客が、展開可能コンテナ102から品物を取り出すことを可能にし、及び/又は、展開可能コンテナ102を取り外すことを可能にする。次に、ケーブルが引き戻されることが望ましい。この引き戻し処理は、品物の取り出しによって始動するように構成されてもよく、従って、展開可能部分における重量の変化を検知するために1つ又は複数の重量センサが設けられてもよく、あるいは、その代わりに、顧客が、食品を取り出した後にケーブルの引き戻しを行わせることができるように、手動で始動させることを可能にするボタン又はそれに類似するものが、ケーブルの端部に設けられてもよい。一般的に、顧客又は第3者の怪我を最小限にするために、ケーブルの引き戻しが早過ぎることを防止するための安全装置が設けられる。
配達ドローンは、配達位置に到着して、認証が特定時間以内に開始されなかった場合に、ドローンが顧客に直接連絡する機能を更に備えていてもよい。これには、「あなたへの配達品が到着しましたので、お受け取りをお待ちしています」のような自動化メッセージを用いてテキストメッセージ又はテレフォンによって実施することが含まれてもよい。一般的に、連絡の詳細事項は、注文情報と共に配達ドローンに提供され、オンボードコンピュータが、配達位置に到着して、認証が特定時間以内に開始されなかった場合に、この連絡を実施してもよい。
図7に概略的に例示されているように、配達ドローン10は、使用時に、ホームベース16において、通常、食品調理店17において、オペレータ18によって調理済み食品が積み込まれて、配達位置情報が提供される。次に、配達ドローン10は、「ロック」され、食品調理店を出発し、1つ又は複数の配達位置19にまで操縦され、その配達位置において適切な認証処理が実施された後に顧客14が食品にアクセスしてそれを取り出すことができ、そして次に、ドローン10が、操縦されてホームベース16に戻り(あるいは、1つ又は複数の別の配達位置に行った後にホームベースに戻り)、別の展開に使用されるか、あるいは、入庫される。
前述の如く、配達ユニット101は、一般的にUAVの下側に取り付けられる。
例示の如く、配達ユニット101は、この配達ユニット101の外側形状を画定する外側筐体を備えている。
特に望ましい一実施形態において、配達コンテナ102は、配達位置19に到着して、顧客識別認証処理が完了すると、展開される。
この認証処理は、望ましくは、認証コード又は識別子が、顧客によって配達ドローン10に、望ましくは、オンボードコンピュータ上で動作しているソフトウェアに提供されることによって、注文時に提供された認証コード又は識別子と照合されることを通じて、実現される。一般的に、この認証コード又は識別子は、発注顧客が注文に対する支払いを済ませた時に作成及び/又は発行され、一般的に、支払い完了時に、発注顧客に提供される。これは、一般的に、例えばスマートフォン26のようなパーソナルコンピュータ装置を用いて実現され、現在、大多数の発注顧客がこのタイプの配達を注文している。この場合、この認証コード又は識別子は、一般的に管理サーバ27上で動作しているソフトウェアアプリケーションによって割り当てられると、直接、発注顧客のスマートフォン26に提供できる。注文が非モバイルコンピュータ装置で入れられる場合には、顧客は、その認証コード又は識別子をモバイル又はパーソナルコンピュータ装置に転送してもらうことを選択できる。
一般的に、発注顧客は、配達ドローン10から食品を受け取るために、注文を入れたスマートフォン26を携帯する。認証処理は、様々な方法で開始できるが、1つの方法では、単純に、配達ドローン10に対するスマートフォン26の近接によって開始されてもよい。換言すれば、スマートフォン26が配達ドローン10の有効範囲内に入ると、認証処理が自動的に開始されてもよい。別の一選択肢として、認証処理は、顧客が配達ドローン10に近づいた時に、顧客によって手動で開始されてもよい。
望ましくは、配達ドローンの少なくとも1つの無線通信モジュールが、顧客のモバイル又はパーソナルコンピュータ装置との通信に使用されてもよい。そうするための1つのメカニズムはBluetoothである。例えば、Bluetoothによって電子装置の互いに対する識別が可能になり、配達ドローンが顧客のモバイル又はパーソナルコンピュータ装置を「発見する」ことができ、あるいは、その逆もできる。通信経路が装置相互間で確立されると、認証コードが、顧客のモバイル又はパーソナルコンピュータ装置から配達ドローンに送信されてもよい。配達ドローンのオンボードコンピュータによって受信された認証コードは、顧客によって注文に対する支払いが為された時に作成及び/又は発行された認証コードと照合でき、これらの認証コードが互いに一致する場合には、展開可能部分が展開する。認証コードが互いに一致しない場合には、展開可能部分は展開せずに、配達ドローン10内で安全に保たれたままである。
認証処理には、多要素認証が含まれてもよい。例えば、認証処理は、認証コードを含んでいてもよく、それに加えて、注文が入れられた特定のスマートフォン26が配達ドローンに対する特定の至近距離以内に存在することを必要としてもよく、このようにして、配達ドローン10が、このコードと、このコードがこの特定のモバイルコンピュータ装置に対して発行されたこと、及び、このコードがこの特定のモバイルコンピュータ装置から取得されたことと、を認証できるようにする。
認証コードの作成及び/又は発行は一般的にソフトウェアアプリケーションによって実施されるが、このソフトウェアアプリケーションは、顧客が食品を注文するソフトウェアアプリケーションに随伴しているか、あるいは、関連付けられていてもよい。この認証コードのソフトウェアは、認証コードが第3者に送信又は転送されるようにでき、それによって、第3者が注文済み食品の配達を受け取ることを可能にしてもよい。例えば、親が、住居のアドレスから遠く離れた位置にいる場合に、子供たちのための食品配達を、住居のアドレスにいる子供たちに、届けるように注文してもよく、従って、認証コードを子供たちに転送することによって、子供たちが、配達ドローンにアクセスして、親によって注文された食品の配達を受け取ることを可能にしてもよい。
認証処理が完了すると、即ち、顧客14によって(望ましくはスマートフォン26を介して)配達ドローン10に提供された認証コードが、注文用ソフトウェアによって提供された、特定の配達に関する認証コードと一致すると、展開可能コンテナ102が展開されて、それによって、顧客14が、ケーブル104から展開可能コンテナ102を取り外すことを可能にする。次に、ケーブル104が引き戻される。この引き戻し処理は、品物の取り出しによって始動するように構成されてもよく、従って、展開可能部分における重量の変化を検知するために1つ又は複数の重量センサが設けられてもよい。一般的に、顧客又は第3者の怪我を最小限にするために、ケーブルの引き戻しが早過ぎることを防止するための安全装置が設けられる。
配達ドローンは、配達位置に到着して、認証が特定時間以内に開始されなかった場合に、ドローンが顧客に直接連絡する機能を更に備えていてもよい。これには、「あなたへの配達が到着しましたので、お受け取りをお待ちしています」のような自動化メッセージを用いて、テキストメッセージ又はテレフォンによって、あるいは、クラウド28のようなコンピュータネットワークを介して、実施することが含まれてもよい。一般的に、連絡の詳細事項は、注文情報と共に配達ドローン10に提供され(あるいは、サーバ27上に記憶されており、必要に応じて転送され)、オンボードコンピュータが、配達位置に到着して、認証が特定時間以内に開始されなかった場合に、連絡を実施してもよい。
配達ドローン10は可視インジケータを備えていてもよく、この可視インジケータは変化して食品配達ドローン10の配達状態を示す。この可視インジケータによって、顧客と第3者は、配達ドローン10が配達位置へ行く途中であることと、認証が実施されようとしている時と、配達ドローンが顧客への配達完了後にホームベースへ帰る途中である時と、を識別できる。
もちろん、GPS受信機のような少なくとも1つの位置特定受信機を用いて、GPSネットワークにおける1つ又は複数の衛星29との通信を通じて、リアルタイム、又は、ほぼリアルタイムでドローンの位置を追跡できる。また、ドローンは、いたずら又は奪おうとする企てによってドローンの進路が変えられた場合に、自動的に、ホームベースか、モニタリングシステムのような第3者か、あるいは、警察のような当局か、に通知する機能を備えていてもよい。
図7に概略的に例示された望ましい実施形態のシステムに従えば、オンボードソフトウェアに加えて、1つ又は複数の処理システムが、命令と制御とについて設けられてもよい。この1つ又は複数の処理システムは、望ましくは、実質的に人間の介入なしに動作し、配達ドローンへの情報の送信及び配達ドローンからの情報の受信を可能にする通信モジュールを備えており、ホームベースから配達位置まで及びホームベースに戻るまでのナビゲーションについて及び移動中の衝突回避について配達ドローンを支援するように構成されている。
本システムは、配達ドローンの位置及び状態のリアルタイムの追跡とその管理とを提供することが望ましい。
指令及び/又は更新を1つ又は複数の処理システムからオンボードコンピュータ及び/又はソフトウェアに送信して、このオンボードコンピュータ及び/又はソフトウェアを動作させることができる。例えば、基本の指令に対する取り消しを発することができ、あるいは、ドローンがホームベースに警報を発することができ、あるいは、ナビゲーションを支援する及び/又は変更するための1つ又は複数の外部システムを設けることができ、及び/又は、衝突回避システムをドローン内に設けることができる。更に加えて、この1つ又は複数の処理システムは、配達をより効率的に計画するために活発なデータ更新を提供でき、及び/又は、配達ルートを計画して、それらを食品配達ドローンに転送してもよい。
本発明のシステムは、食品配達ドローンのリアルタイム又はほぼリアルタイムのモニタリング用のサブシステムを備えていてもよく、このサブシステムは、各々の食品配達ドローンに関連付けられたドローン被搭載装置と、中央サーバ処理システムと、食品配達ドローンのホームベースに配置されたホームベースワークステーションと、を備えており、
a)ドローン被搭載装置は、
i.リアルタイム又はほぼリアルタイムで配達ドローンの位置を示す位置データを取得する少なくとも1つの位置特定受信機と、
ii.位置データに関する情報を転送する無線通信モジュールと、
iii.ドローン被搭載装置を電力供給システムに接続する少なくとも1つ電気接続アセンブリと、
を備えており、
少なくとも1つの識別ツールが、ドローン被搭載装置に関連付けられており、システム内でドローン被搭載装置を固有に識別し、
b)中央サーバ処理システムは、各々のドローン被搭載装置から位置データを受信して、該位置データに基づいて、各々のドローンのリアルタイム又はほぼリアルタイムの位置に関する情報をホームベースワークステーションに転送し、
c)ホームベースワークステーションは、
i.地図インタフェースを表示する少なくとも1つの電子ディスプレイであり、地図インタフェースが、中央サーバ処理システムから転送される情報によってリアルタイム又はほぼリアルタイムで更新されて地図インタフェース上に配達ドローンのリアルタイム又はほぼリアルタイムの位置を示す、少なくとも1つの電子ディスプレイと、
ii.ホームベースワークステーションへのデータの入力用の少なくとも1つの入力装置と、
iii.各々の配達ドローン被搭載装置に関連付けられた固有の識別ツールを読み込んで、システム内で、ドローン被搭載装置と、ドローン被搭載装置に関係する情報及びデータと、を識別する少なくとも1つの識別ツールリーダと、
を備えている。
このサブシステムは、食品配達ドローンと、配達されようとしている配達品とのリアルタイムのモニタリングに向けられている。本システムは、第3者によって所有される専有のシステムであってもなくてもよい自動化されたドローン位置特定システムとのインタラクションに基づいている。
このサブシステムは、食品配達ドローンを、ドローン被搭載装置を通じて、リアルタイム又はほぼリアルタイムで位置特定することが望ましい。ドローン被搭載装置は、1秒毎に収集される情報と、ドローンの行動をコンパイルして分析するベクトルデータと、に基づく配達ドローンの位置特定を可能にすることが特に望ましい。この収集された情報は、収集された時に送信されてもよいし、あるいは、一定の期間、望ましくは短期間に亘って収集された1パケットの情報が周期的に送信されてもよい。1秒毎のデータ及びベクトルデータのために、ドローン位置特定システムは、一般的に、使用されるデータの有用性によって、食品配達ドローンの位置のみならず、ドローンの進行方向及びドローンの速度も特定できる。
このサブシステムには、複数の構成部分が含まれており、これらの構成部分は、協働して、ドローン被搭載装置を介して配達ドローンの位置を追跡し、また、配達ドローンに取り付けられた各々の装置から得られるデータを記録することによって、ホームベースワークステーションに情報を通知し、及び/又は、各々の食品配達ドローンに関するデータをログ記録する。これは、食品配達ドローンの追跡のみならず、食品配達ドローンと、発送管理を含む配達自体と、安全性記録管理と、メンテナンス記録と、何らかの問題又はトラブルが生じた場合における管理側の法廷用検査と、の管理も可能にする。
このサブシステムは、各々のドローンに関連付けられたドローン被搭載装置を備えている。このドローン被搭載装置は、一時的にドローンに取り付けられていてもよいが、恒常的に取り付けられていることが望ましい。
このドローン被搭載装置には、配達ドローンの位置をリアルタイムで示す位置データを取得する少なくとも1つの位置特定受信機が含まれている。前述の如く、通常、1秒毎のデータとベクトルデータとが提供され、これによって、ドローンの位置と進行方向とが実質的にリアルタイム又はほぼリアルタイムで特定でき、これは、本システムの処理能力とコネクティビティ(connectivity)とによってのみ限定される。
少なくとも1つの位置特定受信機は、一般的に、位置特定ネットワークとインタアクトして位置特定受信機の位置を特定し、それによって、ドローンの位置を特定する。特に望ましい形態においては、この少なくとも1つの位置特定受信機はGPS受信機である。
この位置は、可能な限りリアルタイムに接近して特定されることが望ましい。これは、1秒毎のデータ又は小刻みのデータに基づく場合に、特に効果的であり、その理由は、これによって、5秒以上も区切られ得る特定の時間段階でしか位置データを収集できない従来技術システムに比べて、かなり正確に、且つ、望ましくは時の経過と共に動的に、位置の追跡が可能になるからである。それらのシステムでは、それらの時間段階の相互間で生じたことについてのフィードバックが得られない。これとは対照的に、1秒毎のデータの供給は、1秒毎の情報の記録を可能にする。収集されるデータは一般的に位置であるが、あるいは、高度を含む位置データが可能であるが(これは、追加のハードウェアを必要とすることもあるが、ドローンが送信機とiOSD及び/又はカメラを備えている場合には、周知のシステムがドローンのリアルタイムの高度を算定できる)、1秒毎のデータのために、これによって、このデータに基づく速度と方向との算定も可能になる。
ドローン被搭載装置には、位置データに関する情報を転送する無線通信モジュールも含まれていることが望ましい。この無線通信モジュールは、この情報を本発明の中央サーバ処理システムに転送することが望ましい。この無線通信モジュールは、位置特定受信機と一体化されていてもよいし、あるいは、これに対して分離されていてもよい。この無線通信モジュールと位置特定受信機とは、互いに分離されている場合でも、一般的に、同じ筐体内に設けられている。これによって、一般的に、無線通信モジュールと位置特定受信機とが、電力を同じ供給源から引き出すことが可能になるが、このことは厳密には必要ではない。
無線通信モジュールは、任意の無線システム、例えば、携帯電話ネットワーク、無線ネットワーク、データネットワークなどに基づいて動作できる。最も一般的には、位置はGPSを用いて特定され、無線通信モジュールは、ドローンから無線受信機までのSMS、GPRS、衛星又は地上無線に基づいている。また、GSMが最もよく利用されているサービスであり、その理由は、自動化されたドローンの位置特定に必要なデータレートが低く、そして、これらのネットワークが低コストであり、且つ、ほぼユービキタス(ubiquitous)の性質を有するからである。また、帯域幅の要件も低いので、衛星技術によって、若干より高いコストではあるが、遠隔測定データを、地上無線又はパブリックキャリア(public carrier)によってはあまり良好にカバーされないような広域のサービスエリアに亘り、非常に遠い位置でも、受信できる。
無線通信モジュールは、一般的に、この無線通信モジュールからの1つ又は複数の無線通信経路以外にも、電力供給源に対するハード有線接続と、位置特定受信機との任意の相互接続と、を有している。
ドローン被搭載装置には、このドローン被搭載装置を食品配達ドローンの電力供給システムに接続する少なくとも1つ電気接続アセンブリも含まれていることが望ましい。これによって、配達ドローンが、このドローン被搭載装置とその構成部分とに動作電力を供給できることが望ましい。一般的に、ハード有線接続が、配達ドローンの電力供給システムとこのドローン被搭載装置との間に設けられている。通常、適切なアダプタを備えたケーブル又はそれに類似するものが、ドローンの電力供給システムに取り付けられているか、あるいは、接続される。
1つ又は複数のバッテリ装置又はバッテリシステムが、ドローン被搭載装置及び/又は構成部分の完全なパワーダウンを防止するために、あるいは、少なくともに一時的に電力を供給するために、ドローン被搭載装置に設けられてもよい。
望ましくは、特にこの一時的な配達ドローン実施形態において、全ての構成部分が、一般的に、主要なドローン筐体内に設置されている。
サブシステムには、ドローン被搭載装置に関連付けられており、本システム内でドローン被搭載装置を固有に識別する少なくとも1つの識別ツールも含まれていることが望ましい。前述の如く、この識別ツールは、ドローン被搭載装置に取り付けられていてもよく、あるいは、その代わりに、ドローン被搭載装置とは別個に設けられていてもよいが、ドローン被搭載装置には関連付けられている。一部の実施形態において、本システムは、例えばGPS受信機のような本システムの特定の構成部分を識別でき、その識別を用いて本システム内でドローン被搭載装置を固有に識別できる。
任意のタイプの識別ツールを使用でき、その構成は、一般的にドローン被搭載装置のタイプに依存する。この識別ツールは、バーコード装置、無線周波数識別チップ又はタグ、あるいは、その他のタイプの装置であり得るか、あるいは、このような装置を備えることができ、このような装置は、このツールを固有に識別して、それによって、本システム内でドローン被搭載装置を固有に識別するための固有の識別コード又はそれに類似するものを有しているか、あるいは、そのようなものに関連付けられている。この識別ツールは、1つのドローン被搭載装置に関して収集された情報が、その特定のドローン被搭載装置に関連付けられていると識別できる、あるいは、その特定のドローン被搭載装置から収集されたものであると識別できるようにすることが望ましい。
この識別ツールは、ドローン被搭載装置を識別して、そのドローン被搭載装置を通じて配達ドローンを識別するのに使用される。この識別ツールは、通常、それが関連付けられている特定のドローン被搭載装置の恒常的な識別を可能にする。
本発明のシステムは中央サーバ処理システムも備えており、この中央サーバ処理システムは、各々のドローン被搭載装置から位置データを受信して、その位置データに基づいて、各々のドローンのリアルタイムの位置に関する情報をホームベースワークステーションに転送する。この中央サーバ処理システムは、通常、ホームベースワークステーション及びそれぞれのドローン被搭載装置から離れて配置されている。また、この中央サーバ処理システムは、一般的に、この中央サーバ処理システムに情報を提供する自動ドローン位置特定システムに関連付けられている。このシステムは、イベント起動型追跡システムではなく、各々のドローン被搭載装置の少なくとも1つの位置特定受信機から提供される1秒毎の位置データの提供に基づく自動ドローン位置特定システムであることが望ましい。従って、この中央サーバ処理システムは、自動ドローン位置特定システム機能に加えて管理機能を備えており(これは単に外部システムから採用してもよい)、それによって、特定の会社が、各々が特定のホームベースに関連付けられている全ドローンを管理できるようにすることが望ましい。
ドローン位置特定システムは、食品配達ドローンのオペレータとは別のシステム管理者によって操作又は管理されていてもよい。通常、ドローン位置特定アルゴリズムがサーバ又はウェブプラットホーム上に置かれており、位置情報が自動ドローン位置特定システムによって使用され、サーバ又はウェブプラットホームが、次に、各々のドローンのリアルタイムの位置に関する情報を、その特定のドローンのホームベースワークステーションに、送信する。従って、中央サーバ処理システムの一部分であるか、あるいは、中央サーバ処理システムによってアクセスされるドローン位置特定システムは、一般的に、「ファットクライアント(fat client)」であり、コンピュータネットワーク又はサーバによって、あるいは、コンピュータネットワーク又はサーバ上で情報の処理と記憶とを実施して、次に、その情報を本発明の中央サーバ処理システムに提供する。
ホームベースワークステーションは、中央サーバ処理システムから情報を受信することが望ましい。ホームベースワークステーションは、例えば、ログインに関する情報、あるいは、ドローン被搭載装置と特定のドローン及び/又はドライバとの関連付けに関する情報を中央サーバ処理システムに提供してもよい。
中央サーバ処理システムは、本システムのその他の構成部分とインタアクトして、本システムのその他の構成部分との間で情報を転送及び/又は受信してもよい。最も望ましい実施形態に従えば、中央サーバ処理システムは、一定数の相異なるホームベースのホームベースワークステーショと交信して、それぞれのホームベースの企業マネージャによってアクセス可能な情報ログに情報を記憶する、あるいは、情報が記憶されるようにする。従来の配達ネットワークにおいては、各々のドローンは、一般的にホームベースから出動し、各々のホームベースは、個々に定められた配達領域を有している。従って、各々のドローンに関する情報は、配達ネットワークの全体のマネージャと同様に、各々のホームベースにおいても入手できるはずである。
前述の如く、自動ドローン位置特定システムは、通常、特定の配達会社の外部にあり、配達会社は、単に中央サーバ処理システムを介して自動ドローン位置特定システムにアクセスする。中央サーバ処理システムを介する配達会社と自動ドローン位置特定システムとの間の通信は、ミドルウェアを介して行われてもよい。
前述の如く、自動ドローン位置特定システムに関連付けられた中央サーバ処理システムは、一般的に、本システム内でドローンの位置を特定することと、それに関する情報を処理することと、を担当しており、本システムのその他の構成部分、望ましくはホームベースワークステーションが「シンクライアント(thin client)」又は少なくとも、この中央サーバ処理システムに比べて「シンナクライアント(thinner client)」になり得るようにする。従って、情報の処理と記憶との大部分は、望ましくは、ホームベースワークステーションではなく、中央サーバ処理システム及び/又は自動ドローン位置特定システムにおいて実施され、しかしながら、ホームベースワークステーションは、一般的に、少なくとも一部の処理とデータ記憶とを行うことができる。
情報は、一般的に、本システム内において中央サーバ処理システムを介してアクセスされる。クエリは、一般的に、中央サーバ処理システムに送信され、情報を記憶しているデータベースが、一般的に、必要に応じて又は要求に従って、中央サーバ処理システムを介してアクセスされる。望ましくは、自動ドローン位置特定システムの特定の動作は本発明の一部分を形成しておらず、この一部分は、むしろ、本発明内において、特にホームベースワークステーションによる、配達会社の管理の一部分としての、情報の使用に向けられている。
本発明のシステムには、地図インタフェースを表示する少なくとも1つの電子ディスプレイを備えたホームベースワークステーションも含まれており、この地図インタフェースは、中央サーバ処理システムから転送される情報によってリアルタイムで更新されてこの地図インタフェース上にドローンのリアルタイムの位置を示す。情報は、ホームベースワークステーションからの要求に従ってではなく、中央サーバ処理システムからホームベースワークステーションに押し込まれることが望ましい。ホームベースに提供された情報は、更に、第3者及び/又は顧客にも提供されてもよい。
特に望ましい実施形態に従えば、複数のホームベースワークステーションが配達ネットワーク内に設けられており、各々のホームベースワークステーションには、通常、特にそのホームベースワークステーションに関連付けられた一定数のドローン被搭載装置がある。例えば、ある1つの会社が一定数の店を有しており、各々の店が、その各々の店から商品を配達することを担う一定数のドローンを備えていることがある。それらのドローンの各々は、通常、それに割り当て可能なドローン被搭載装置を備えている。従って、各々の店におけるホームベースワークステーションは、一般的に、その店から配達する各々のドローンの位置を追跡する機能を備えている。その会社も、一般的に、各々の店から出た各々のドローンの位置を追跡する管理機能、各々の店から出た各々のドローンに関する情報を維持及び管理する管理機能、更に、各々の店に対して、そして望ましくは、任意の1つ又は複数の店における各々のドローン及び/又はドライバに対してドリルダウン(drill down)する管理機能を備えている。一般的に、本システムは、各々のドローンの位置をそのそれぞれのホームベースワークステーションに報告するが、必ずしもその位置をその他のホームベースワークステーションに報告するわけではない。
提供された情報によって、一般的に、ホームベースワークステーションは、そのホームベースの各々のドローンの位置を、電子ディスプレイ上の地図インタフェース上に、リアルタイムで示すことが可能になる。
少なくとも1つの電子ディスプレイは、任意のタイプのものでよい。一般的に、電子ディスプレイは、モニタ又はビュースクリーンのような装置である。この電子ディスプレイは、本システムが動作している間では実質的に常時、地図インタフェースのみを表示することが望ましい。通常、電子ディスプレイは、この電子ディスプレイを介する本システムとの如何なるインタラクションをも許すことなく、ドローンの位置を地図インタフェース上に表示する。
電子ディスプレイ上に表示される地図インタフェースは、ドローンが出動するホームベースの特定の配達領域に限定されているか、あるいは、境界が明確に描かれた、ホームベースの特定の配達領域を有していることが望ましい。境界を明確に描写する特に望ましい1つの方法は、配達領域を十分な色と解像度とで示し、更に、配達領域の外側の領域を、暗くされた又は不明瞭にされた表示形態で表示し、その表示形態は、地図インタフェース上でまだ見えるが、明らかに配達領域の外側であると分かるようにする。この特定の配達領域は、更に、この配達領域を仕切るために、それを取り囲んでいる境界を有していてもよい。本発明に従えば、特定のホームベース内のストアマネージャ又はその他のオペレータが、配達ドローンがその特定の店についての配達領域から外側に出て迷っていないかを識別できるようにするために、配達領域の境界を地理的フェンスとして定めることが特に望ましい。
地図インタフェースは、一般的に、中央サーバ処理システムから、特に自動ドローン位置特定システムから受信された情報に基づいて、ローカルのワークステーションによって又はローカルのワークステーションにおいて、作成される。
地図インタフェースは、一般的に、既存の地図プロバイダを用いて作成される。最も普及している地図プロバイダは、一般的にグーグルマップ(Google Maps)であろう。本発明のシステムは、一般的に、グーグルマップのような既存の地図プロバイダから取得された情報を用いて、地図インタフェースをディスプレイ上に生成する。既存の地図プロバイダから取得された情報には、同じく配達の管理に一般的に有用であるその他の情報が一般的に含まれている。地図インタフェースは、航空視点像、3次元像、衛星視点像又はそれらに類似するものであってもよい。
また、地図インタフェースは自動ズーム機能を備えていることが望ましい。当然のことであるが、ドローン被搭載装置を備えた1つのドローンが配達途中である時もあれば、ドローン被搭載装置を備えた複数のドローンが配達途中である時もある。地図インタフェースは、一般的に、自動的にズームイン及び/又はズームアウトして、配達途中のドローンに関する配達領域を示す。ドローンが1つだけ配達途中にある場合、地図インタフェースは、一般的にその特定の領域にズームインして、次に、より多くのドローンが配達に出発すると、拡がり、次に、配達ドローンが引き返す及び/又は出発すると、必要に応じて形とフォーカスとを広げる/狭める/変化させる。
本発明のシステムは、進行中の実際の配達のみを地図インタフェース上に示すように動作する。情報は、一般的に、リアルタイム、又は、ほぼリアルタイムで更新される地図インタフェース上にリアルタイムで提供される。地図インタフェースは、静止状態又は固定された状態であってもよく、1つ又は複数のオーバレイ状に表示されて入れ替わる。通常、アイコンが、各々の配達ドローンについて設けられている。各々のドローンについての配達途中の経過時間を観察する管理を可能にするために、トリップタイマ(trip timer)及び/又はレッグタイマ(leg timer)が設けられてもよい。通常、配達行程における変化は、通常、前述の如くドローンからドローン被搭載装置を介して収集されたドローンのイグニション状態における変化を通じて、特定される。
一般的に、一定数の相異なる行程があり、これらは、本システムによってログ記録され、また、地図インタフェース又は関連インタフェース上に示されてもよく、それによってホームベースの管理が配達の効率性を判定できる。特に、一般的に、配達ドローンが店を出発して配達地点への途中である「往路行程」がある。これは、一般的に、地図インタフェース上に、特定の態様で、通常、特定の色を使用して示される。往路行程については、緑色が特に望ましい色である。このサブシステムは、展開可能部分の展開によって検出される食品の積み込みと配達とを通じて、その配達が往路行程にあることを特定することが望ましい。例えば、従業員が食品を食品配達ドローンに積み込むと、通常、「配達開始」の起動があり、これは、ドローンが飛び立つ際の位置データを用いて確認できる。
第2に、配達ドローンが配達地点に到着すると「納品行程」が始まる。これは、一般的に、地図インタフェース上に、特定の態様で、通常、往路行程の色とは異なる特定の色を使用して示される。ドローンが配達地点にあることを示すには、暗青色が特に望ましい色である。望ましくは、本システムは、位置データを用いて配達品が配達地点にあることを特定し、これは、認証処理が始まれば、確認でき、次に、一般的に、展開可能部分が、閉じて、配達が完了したことを信号で通知すると、「納品」行程が終了し、これは、ドローンが飛び立つ際の位置データを用いて確認できる。
第3に、ドローンがホームベースに向かって出発する際に「復路」行程が始まる。これは、一般的に、地図インタフェース上に、特定の態様で、通常、往路行程と納品行程とにそれぞれ使用される色とは異なる特定の色を使用して示される。配達ドローンが復路行程にあることを示すには、オレンジ色が特に望ましい色である。望ましくは、本システムは、位置データを用いて、配達ドライバが復路行程にあり、ホームベースに戻ろうとしていることを特定し、この復路行程は、この位置データがホームベースの位置と一致した時に終了する。
また、例えば、配達ドローンが1度の運航で複数の配達を実施するような更なる行程が設けられてもよい。これが実施される場合には、一般的に、「納品」行程と復路行程との間に1つ又は複数の中間配達行程が存在する。本システムは、1つのドローンが1度の配達運航で複数の配達を割り当てられるタイミングを一般的に調整できる注文品発送システム又は注文管理システムとのインタラクションを一般的に実施する。
配達ドローンを示す望ましいアイコンの外観は、通常、その配達ドローンの現在の特定の行程に従って調整されることが望ましい。望ましくは、配達ドローンを示すその望ましいアイコンは、注文が配達ドローンに割り当てられた時に地図インタフェース上に現れてもよいが、そのドローンが実際に運航を開始した時にのみ現れることが望ましい。
配達ドローンの状態は、望ましくは、地図インタフェース上に相異なる態様で示され、それによって、ホームベースのマネージャが容易に現在進行中の各々の配達の行程を確認して区別できるようになる。これによって、ホームベースのマネージャは、一般的に、商品についての配達順序及び/又は準備時間を更に容易に管理できるようになる。前述の如く、配達ドローンの状態とそのドローンの特定の行程とは、通常、地図インタフェース上に色を使用して示されるが、その他の任意の識別形態を使用してもよい。
また、ドローンの速度が、地図インタフェース上において、その配達ドローンを示す望ましいアイコン上に又はその望ましいアイコンに関連して示されることが更に望ましい。望ましいアイコンは、特定の位置及び/又はドローン指示符号も示してもよい。更に、ドローンには、運航についての高さ制限がある場合もある。例えば、運航の高さの上限と運航の高さの下限とがある場合もあり、ドローンは、一般的に、実質的にこれらの制限内で配達目的の運航を行う。また、離陸と着陸とは、実質的に食品調理店で行われることが望ましい。ドローンは、配達中、たとえ展開可能ユニットが展開される時でさえも、空中に留まることが望ましい。
地図インタフェースは、ドローンが配達の目的地点又は最終配達先に到着するまでは、その目的地点又は最終配達先を示さなくてもよい。到着時点で、配達の状態が一般的に変化して、アイコンの表示が一般的にそれに応じて変化する。地図インタフェースは、一般的に、配達ドローンがホームベースの店に到着するまでは、ドローンによって取られる経路、通常、往路行程と復路行程とを示し、その際、これらの相異なる行程は相異なる態様で示され、次に、サインイン(sign in)が為されると、地図インタフェースは、一般的に、取られた経路をリフレッシュして取り除く。また、ホームベースにおけるETA(到着推定時刻)が、往路行程の長さに基づいて及び/又は地図プロバイダから取得される優勢的な状況に基づいて算定されて、地図インタフェース上に表示されてもよい。
通常、調整済みドローン被搭載装置を備えたドローンが、配達を割り当てられずに、店を出発すると、地図インタフェース上のアイコンは、一般的に、これを識別する。通常、そのアイコンは、例えば赤く発色して、そのドローンが配達を割り当てられずに店を出発したことを示す。
更に、非割り当て済みドローン被搭載装置、換言すれば、割り当てシステムによってドローンに未だ関連付けられていないドローン被搭載装置が店を出発すると、地図インタフェース上のアイコンが、一般的に、これを識別する。同じく、このアイコンは、例えば赤く発色するようにしてもよい。これによって、ホームベースのマネージャは、ドローンが、配達なしで、あるいは、ドローン被搭載装置が適切にドローンに割り当てられずに、店を出発したことを容易に識別できるようになる。場合によっては、ドローンに配達を割り当てることは、ドローンがホームベースを出発する前に必要な先行ステップになることがあり、その理由は、その割り当てが実施されるまで、ドローンは、一般的に、配達位置を有しておらず、配達の割り当ての結果としてのみ配達位置を取得するからである。
別の機能が地図インタフェースに追加されてもよい。例えば、地図インタフェースは、配達途中にあるドローンの動作又は行動に関するリアルタイムのアラート(alert)によって更新されてもよい。例えば、リアルタイムのアラートは、ドローンが制限速度を超えた場合に、発せられてもよい。望ましくは、例えば、段階的なリアルタイムのアラートがあってもよく、あるいは、ドローンが、10秒間、使用可能な公示制限速度を10km超過した場合にリアルタイムのアラートが発せられてもよく、あるいは、その代わりに、ドライバが、制限速度の超過の時間に関係なく、任意の時点で制限速度を15km超過した場合にリアルタイムのアラートが発せられてもよい。一般的に、使用可能な公示制限速度は、既存の地図プロバイダからも取得される。
更にまた、本システムは、ドローンが危険な態様で動作している場合を1秒毎のデータによって特定するように構成されていることが望ましい。
ホームベースワークステーション、更に詳しくは、ホームベースワークステーション上で動作するソフトウェアアプリケーションは、一般的に、注文品発送ソフトウェアアプリケーション及び/又は配達管理アプリケーションとインタアクトする。これらのアプリケーションは、ホームベースワークステーションとは異なるネットワークであり、且つ、このホームベースワークステーションによってアクセス可能であるネットワーク上で動作してもよく、あるいは、全てのアプリケーションによってアクセス可能である単一のネットワーク上で動作してもよい。
一般的に、配達品が配達用に準備できると、店内のオペレータがその配達をドローンに割り当てる。本発明のシステムに従えば、配達が注文管理システム内で割り当てられると、情報が、望ましくは、ドローン被搭載コンピュータ装置と中央サーバ処理システム上で動作する自動ドローン位置特定システムとによって共有され始めて、それによって、配達に関する情報がログ記録される。望ましくは、中央サーバ処理システムが、通常、特定の注文又は配達を特定のドローンに割り当てて、その後、一般的に、その特定の注文又は配達に関連して、情報がドローン被搭載装置を介して収集される。
ホームベースワークステーションは、望ましくは、これに関連付けられたプロセッサを備えており、それによって、地図インタフェースを生成して表示し、また、少なくとも1つの入力装置から入力を受信し、それによって、地図インタフェースの見え方を制御すると共に、ホームベースワークステーション上で又はホームベースワークステーションと共同して動作するソフトウェアアプリケーションとインタアクトする。
また、ホームベースワークステーションは、一般的に、このホームベースワークステーションにデータを入力するための少なくとも1つの入力装置も備えている。前述の如く、ホームベースワークステーションは、通常、少なくとも1つのプロセッサを備えている。ホームベースワークステーションに対する入力又はホームベースワークステーションとのインタラクションを可能にする任意の数の、及び、任意のタイプの入力装置が設けられてもよい。
特に望ましい実施形態に従えば、ホームベースワークステーションの一部分としてプロセッサに関連付けられたタッチスクリーン制御パネルが設けられる。これは、通常、識別ツールリーダ(identification tool reader)を補うものである。更に、ホームベースワークステーションの一部分としてプロセッサに関連付けられた、例えばキーボードのようなその他の入力装置及び/又は例えばマウスのようなポインタ装置が設けられてもよい。タッチスクリーンコントロールパネルとキーボード及び/又はマウスとを設けることによって、望ましくは、ホームベースワークステーションにおけるオペレータが、主にこのタッチスクリーンコントロールパネルを通じて、そして、地図インタフェースを備えた電子ディスプレイが表示用のみであれば、必要に応じてキーボード及び/又はポインタ装置を通じて、本システムとインタアクトできるようになる。
望ましくは、タッチスクリーンコントロールパネルは、ホームベースワークステーションのコンピュータプロセッサを制御するために使用されてもよい。前述の如く、ホームベースワークステーションは、通常、中央サーバ処理システムに比べて機能がより制限されているが、ホームベースワークステーションにおいて管理目的用にアクセス可能な機能があることが望ましい。
特に、ホームベースワークステーションのコンピュータプロセッサは、一般的に、1つ又は複数のタッチ操作可能「ボタン」を生成して、タッチスクリーン制御パネル上に表示する。例えば、一般的に、各々の利用可能な配達ドローンについて、店管理用にその利用可能な配達ドローンを識別して、スタッフが各々の利用可能な配達ドローン及び本システムとインタアクトできるようにするボタンが設けられる。これらのボタンは、一般的に、ホームベースワークステーションのコンピュータプロセッサと共同して動作する位置特定装置によって、配達ドローンがホームベースに戻ったことが検出された際に、タッチスクリーン制御パネル上に現れる。
特定の配達ドローンボタンは、通常、その配達ドローンの状態も示す。例えば、配達途中のドローンは、一般的に、割り当てされておらず且つ利用可能であるドローンとは視覚的に区別される。これによって、一般的に、どのドローンが利用可能であり、そして、どのドローンが利用可能でないかを容易に識別する管理が可能になる。通常、スタッフは、注文をドローンに関連付ける又は割り当てるために、一般的に、識別ツールを使用して、識別ツールリーダによってこのドローンを本システム用に識別する。このステップ時に得られた情報は、一般的に、中央サーバ処理システムにも提供されて、自動ドローン位置特定システムによって使用される。
一般的に、アドレス検索機能用「ボタン」とアドミニストレーション用「ボタン」も設けられる。
アドミニストレータ、通常、ストアマネージャは、一般的に、タッチスクリーン制御パネル上で動作しているアプリケーションのアドミニストレーション部分を使用して、必要に応じて、ドローンを、選択可能なものから、除外できる。例えば、一般的に、故障している又は点検修理中であるドローンのような、配達に現在利用できないドローンを、選択可能なものから、除外することが賢明である。一般的に、アドミニストレータは、通常、その特定のドローンを、それが本システムに再度加えられるまで、選択できないものとして特徴付けることによって、これを行う。
また、タッチスクリーン制御パネル上で動作しているアプリケーションのアドミニストレーション部分を使用してディスプレイ上の地図インタフェースのズームレベルを手動で調節することもできる。このアプリケーションのアドミニストレーション部分を通じてアクセスできる「設定」機能によって、その他のパラメータを調節できるようにしてもよい。
1つ又は複数のウェイポイント(waypoint:途中通過目標地点)がドローンに設定されてもよい。複数のアドレスを調べて、本システムに1度の配達運航で複数のアドレスについての最適な配達ルートを決定させることが可能なこともある。
タッチスクリーン制御パネルは、一般的に、その上に地図インタフェースを表示し、その地図インタフェースは、配達状態と同じく、地図インタフェースを基準にしたドローンの位置を示すこともできる。この地図インタフェースは、一般的に、ホームベースワークステーションの電子ディスプレイ上に表示される地図インタフェースと類似しているが、ホームベースワークステーションにおける電子ディスプレイが、配達の位置を示す地図インタフェースを常時表示している点で、ホームベースワークステーションにおける電子ディスプレイ上に表示される地図インタフェースとは異なる。
このタッチスクリーン制御パネルは、中央サーバ処理システム及び/又は自動ドローン位置特定システムに対する接続状態も示してもよい。
本発明のホームベースワークステーションには、本システム内で、各々のドローン被搭載装置の識別ツールを読み込んで、このドローン被搭載装置と、このドローン被搭載装置に関係する情報及びデータと、を固有に識別する少なくとも1つの識別ツールリーダも含まれていることが望ましい。本質的に、本発明のシステムは、ドローン被搭載装置のアイデンティティ(identity:識別)と、個別のドローンに対する各々のドローン被搭載装置の関連付けと、に基づいて、情報を維持及び管理する。
本システム内の各々のドローンは、固有のプロファイルを有していてもよく、この固有のプロファイルは、一般的に、本システムに関連付けられたデータベース内に記憶されている。ホームベースのアドミニストレータ、マネージャ又はストアマネージャは、通常、プロファイルを認定する能力を有する。
前述の如く、ドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムは、配達管理システムと融合されていることが望ましい。また、ドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムは、配達されるべき商品を提供する会社によって提供されているオンライン注文システムと融合されていることも望ましい。特に、ドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムから得られる情報の一部分がオンライン注文システムに提供されてもよく、それによって、顧客が、配達中の注文品の位置についてのリアルタイムの更新を受信できるようになる。
望ましい形態に従えば、一般的に、配達品が顧客又は配達地点からの特定の離間距離以内で移動すると、その顧客又は配達地点を基準にして配達品の位置を示すインタフェースが、ドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムから得られる情報に基づいて、生成される。これによって、ユーザは、配達品が実際にどれくらい離れているかを確認でき、それによって、配達品に対する準備ができる。最も望ましい形態に従えば、複数の配達が実施されている場合には、提供される情報は、一般的に、その特定の顧客の配達についてだけであり、全体の実施についてではない。
一例として、図1に例示されているようなリアルタイムのインタフェース111が、顧客の例えばスマートフォン110又はタブレットのようなパーソナルコンピュータ装置上に生成されて表示されてもよく、このリアルタイムのインタフェース111は、配達ドローンのリアルタイムの位置に関して収集された情報に基づいて、アイコン112を介してドローンのリアルタイムの位置を示しており、これによって、顧客が、配達ドローンの位置、並びに、推定到着時間113(これは、ドローンの位置と配達位置とドローンの移動速度とに基づいて算定される)、ドローンの速度114及び/又はドローンの高度115を確認できる。
ドローンが配達位置に到着すると(これは一般的にGPSの座標の一致によって特定される)、ドローン又は中央サーバ又はネットワークが、ドローンが配達位置にいることを知らせて顧客に展開及び/又は顧客識別認証を開始するように提示する又は促す通知を発行して、あるいは、この通知が発行されるようにして、この通知を顧客の例えばスマートフォン又はタブレットのようなパーソナルコンピュータ装置に送信する。この展開と顧客識別認証とは、別々のステップとして実施されてもよく、あるいは、その代わりに、顧客による一度の指令又は操作によって、両方が開始されてもよい。通常、顧客識別認証の実施後に展開コンテナの展開が実施される。図2と図3に例示されている望ましい実施形態において、インタフェース120が、顧客の例えばスマートフォン又はタブレットのようなパーソナルコンピュータ装置上に生成されて表示され、このインタフェース120には、顧客が顧客識別認証及び/又は展開を開始するために使用できるアクションボタン121が備えられている。
例えばタブレット又はスマートフォン上で中央サーバ処理システムに対する外部からのアクセスを可能にするミドルウェアソフトウェアアプリケーションが設けられてもよい。このミドルウェアアプリケーションによって、例えばストアマネージャ又はフランチャイズ加盟店の店主が、ホームベースワークステーションからもアクセスされる本システムの管理部分にアクセスできるようになることが望ましい。
特に望ましい形態において、配達を示す位置特定インタフェースの生成を可能にする組込み型機能を備えたソフトウェアアプリケーションが設けられる。通常、この組込み型機能は、オンライン注文及び配達追跡システムに関する構成概念の全体の一部分である。この機能は、一般的に、本発明のドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムの拡張機能として動作し、このドローンのリアルタイムのモニタリング用のシステムから収集された情報が、一般的に、オンライン注文及び配達追跡システムに関する構成概念の全体に提供される。これは、一般的に、例えばスマートフォン又はタブレットのような顧客のパーソナルコンピュータ装置にダウンロードできる1つ又は複数のダウンロード可能ソフトウェアアプリケーションを備えたウェブベースのシステムである。
また、顧客が、オンライン注文システムを利用して、ドローンによる品物の配達を希望するか否かを示すことができることも望ましい。これは料金を伴うこともある。
本明細書及び(もし有れば)特許請求の範囲の請求項において、「comprising (備えている)」という単語と、「comprises(備えている)」及び「comprise(備えている)」を含むその派生語と、は、記載された要素の各々を含有しているが、1つ又は複数のその他の要素の含有を排除してはいない。
この明細書全体を通しての「one embodiment(1つの実施形態)」又は「an embodiment(一実施形態)」についての言及は、その実施形態に関して記載された特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味している。従って、この明細書全体を通しての様々な箇所における「in one embodiment(1つの実施形態において)」又は「in an embodiment(一実施形態において)」という表現の使用は、必ずしも全てが同一の実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造又は特性は、任意の好適な態様で、1つ又は複数の組み合わせで、組み合わされてもよい。
以上、法規に従って、本発明を、構造的な特徴又は方法の特徴にある程度特有の言葉で、説明した。ここに記載した手段は本発明を実施する望ましい形態を備えているが、本発明がここに示した又は記載した具体的な特徴には限定されないことを理解されたい。従って、当業者によって適切に理解される(もし有れば)ここに付け加える特許請求の範囲の請求項の適切な適用範囲内で、本発明の権利を、その任意の形態又は修正について、主張する。