JP2019532461A - 走査イオン注入システムにおけるインサイチュでのイオンビーム電流の監視および制御 - Google Patents

走査イオン注入システムにおけるインサイチュでのイオンビーム電流の監視および制御 Download PDF

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Abstract

イオンビーム電流および当該イオンビーム電流の均一性の関数として、イオン注入システムを制御するためのシステムおよび方法。イオン注入システムは、イオンビームが輸送される場合にイオンビームを選択的にステアリングおよび/または整形する光学素子を含む。イオンビームは、イオンビーム電流サンプルを供給するために、高周波数でサンプリングされる。次に、イオンビーム電流サンプルは、当該イオンビーム電流サンプル間の変動、不均一性、または予測されない辺かを検出するために分析される。これらのビーム電流サンプルは、所定の閾値レベルおよび/または予測された不均一性レベルと比較される。これにより、複数のイオンビーム電流密度サンプルにおいて検出された不均一性が所定の閾値を超えた場合に、制御信号を生成できる。制御システムは、(i)ビーム輸送をインターロックするための、または、(ii)ビーム電流の変化を制御するために少なくとも1つの光学素子に対する入力を変化させるための、制御信号を生成する。

Description

発明の詳細な説明
〔関連出願の参照〕
本出願は、「走査イオン注入システムにおけるインサイチュでのイオンビーム電流の監視および制御」(IN SITU ION BEAM CURRENT MONITORING AND CONTROL IN SCANNED ION IMPLANTATION SYSTEMS)というタイトルが付された米国特許出願第15/258,723号(2016年9月7日出願)による利益を主張する。当該出願の全体の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
〔本発明の分野〕
本発明は、全般的には、イオン注入システムに関する。より具体的には、本発明は、イオン注入システムに対する制御を提供するための、インサイチュ(in situ)(その場)でのリアルタイムなイオンビーム電流のサンプリング(標本化)および監視のためのシステムおよび方法に関する。
〔本発明の背景〕
半導体デバイスの製造において、イオン注入は、典型的には基材(基板)の形態で提供されるワークピース(例:シリコンウェハまたはガリウム砒素ウェハ)をドープ(ドーピング)するために使用される。基材の電気的特性を変更する、あるいは当該基材を形質転換(transform)させるために、ウェハには不純物またはドーパントが衝突させられ、当該ウェハの結晶構造内にドーパントが注入される。このように、イオン注入システムは、(i)イオンビームに由来するイオンをワークピースに注入することによって当該ワークピースにイオンをドープするために利用される、または、(ii)集積回路の製造時にパッシベーション層を形成するために利用される、主要な装置として、半導体製造分野において周知である。半導体ウェハをドーピングするために使用される場合、イオン注入システムは、所望の外因性材料を生成するために、選択されたイオン種をワークピースに注入する。
典型的なイオン注入システムは、イオン化可能なソース材料から荷電(帯電)イオンを生成する(発生させる)ためのイオン源を含んでいる。生成されたイオンは、ビームへと形成され、所定のビーム経路に沿って注入エンドステーションに沿って導かれる(方向付けられる)ように、強電界に助成されて加速させられる。例えば、アンチモン、ヒ素、またはリン等のソース材料から生成されたイオンを注入することにより、「n型」の外因性材料ウェハが得られる。これに対し、「p型」の外因性材料ウェハは、多くの場合、ホウ素(ボロン)、ガリウム、またはインジウム等のソース材料から生成されたイオンによって得られる。
イオン注入システムは、イオン源とエンドステーションとの間に配置された、ビーム形成、ステアリング(操向)、偏向(deflecting)、整形(shaping)、フィルタリング、および、帯電のサブシステム(例えば、ビーム光学素子またはビーム光学系)を含んでいてよい。ビーム光学素子は、イオンが通過する細長い内部キャビティまたは通路(例:ビームライン)に沿って、イオンビームを操作および維持する。イオンビームは、当該通路を介して、ワークピースが配置されるエンドステーションまでの経路を通過する。
大部分のイオン注入の用途では、注入プロセスの目的は、精密に制御された量のドーパントを、ワークピースまたはウェハの表面の全領域に亘って均一に供給することである。この処理のための最も広く受け入れられているアプローチは、いわゆるシリアル注入アーキテクチャにおいて実施される。シリアル注入アーキテクチャでは、個々のワークピースは、イオンビームによる注入のために、エンドステーションへと順次に提供される。ワークピース領域(面積)よりも小さいサイズを有するイオンビームを用いて均一なドーピングを達成するために、イオンビームとウェハとは、互いに相対的に移動させられる。これにより、ビームをウェハの表面領域全体に衝突させることができる。このタスクを実現するための、1つの周知のシステムアーキテクチャは、例えば、米国特許第6,956,923号に開示されている「2次元(two dimensional)(2−D)メカニカルスキャン(機械的走査)」として知られている。2−Dメカニカルスキャンでは、ウェハは、固定された「スポット」イオンビームに概ね直交する2つの寸法線(dimensions)によって走査される。2−Dメカニカルスキャンを使用することにより、ウェハは、いわゆる「ファストスキャン(高速走査)」方向において固定されたイオンビームの正面(前面)にて、高速で(迅速に)走査される。その一方で、ウェハは、直交する「スロースキャン(低速走査)」方向において、低速で(ゆっくりと)走査される。その結果、概ね移動するジグザグパターンによって、イオンビームの正面においてウェハを輸送することにより、イオンによってウェハを「塗装」できる。あるいは、イオン注入システムにおいて使用される別の周知のシリアルシステムアーキテクチャは、いわゆる「ハイブリッド走査システム」である。ハイブリッド走査システムでは、ある方向の軸に沿って、ラスタ状にイオンビームを前後に掃引(スイープ)または走査することにより、リボン状のビームを形成する。そして、ワークピースは、走査イオンビームの軸に直交する方向に沿って、機械的に移動させられる。
半導体製造の分野における継続的なトレンドは、様々な半導体ワークピースのサイズ(例:デバイスのさらなる高密度化と関連した、直径300mmのウェハ)に関連する。ワークピースのサイズの大型化は、個々のワークピースのコストを増加させる。デバイスの高密度化は、プロセスのコスト、および各ワークピースの関連する値を増加させる。結果として、イオンビームおよび他のパラメータに関する注入の均一性を制御することは、ワークピースの廃棄(scrapping)に関連するコストを回避または軽減する場合に、これまで以上にさらに重要となる。
注入プロセスの均一性を維持するために、多くの場合、イオンビーム電流の総量が、注入時に測定される。サンプリングカップ(典型的には、1つまたは複数のファラデーカップ)が、イオンビームの経路に沿って(典型的には、ウェハの正面(前方)、ウェハに近接(隣接)して、またはウェハの後ろに)配置される。走査ビームアーキテクチャの場合と同様に、ビーム走査幅は、ファラデーカップの位置によって決定されることが一般的である。これにより、ウェハに近接するいわゆるサイドカップ上において、イオンビームは、完全にまたは少なくとも部分的に走査される。その結果、十分に信頼性の高いビーム電流測定値(測定結果)が得られる。また、1つまたは複数のチューニングカップ(調整カップ)は、ワークピースが存在しないか、またはイオンビームの少なくとも一部がウェハに衝突しない位置にある場合に、イオンビームを調整するために、ワークピースの典型的な位置の上流または下流に配置されてもよい。さらに、走査されたイオンビームの一端から他端まで、ワークピース位置の正面においてファラデーカップが移動するように設定されているので、移動(travelling)ファラデーカップ、または、いわゆる「プロファイリング」ファラデーカップを使用して、イオンビームを監視してもよい。プロファイリングファラデーは、マルチカップ構造の形態で提供されてもよいし、あるいは、カップ構造毎に単一のマルチファラデーの形態で提供されてもよい。従来、このようなサンプリングカップの全て(または一部)は、イオンビームに対するワークピースの注入率(注入速度)および露出時間を調整すべく、エンドステーションに侵入するイオンビームの総電流を監視するために利用されている。例えば、米国特許第4,922,106号では、ファラデー検出器(ファラデーディテクタ)は、積分されたビーム電流またはドーズ(線量)の測定値を、当該ファラデー検出器の位置の関数として生成するように、低速で移動させられる。これにより、イオンビーム強度を示す信号が提供される。この信号は、積分されたビーム強度が均一になるように、振動する走査電圧を調整するために使用されてよい。当該特許では、検知されたビーム電流の時間積分値が、ビーム走査素子の動作を制御するためのドーズコントローラに印加されるフィードバック信号として使用されている。
現時点において認識されている1つの問題は、ビーム電流密度または角度が、注入サイクルにおいて(時には単一のイオンビーム走査経路において)(また、時には単一の走査経路の過程(コース)において、複数回に亘って)、予測不可能に変化することである。これらの変化は、時間経過に伴うビームラインコンポーネントの長期的な劣化(wear)の現れである可能性がある。または、これらの変化は、複数のイオン注入サイクルのコースにおける(または単一のイオン注入サイクルにおける)、電源の電圧のドリフトの現れである可能性もある。これらの変化は、他の要因の中でも、ビーム形状および/または角度の不均衡、イオンビーム内のビーム分布のシフト、システムノイズ、またはイオンビーム内の粒子汚染によって引き起こされる、電流分布の短期的な変動または「スパイク」の現れである可能性もある。他の要因には、ビームライン圧力の変化、ビームに暴露される素子からの発光、および、ウェハがビームを通過して移動する場合の当該ウェハとのビーム相互作用が含まれる。ビーム電流の一部の変化は、イオンビームのいわゆる予測不均一性(予測された不均一性)(predicted nonuniformity)(PNU)として、予想および許容されうる。しかしながら、ビーム電流の多くのタイプの変化は、イオン注入の均一性に著しく影響を及ぼしうるため、許容されない(受け入れがたい)。
本発明は、高周波サンプリングによってイオンビーム電流を監視することにより、イオンビームの走査時にリアルタイムのインサイチュビーム電流を示す波形を生成することによって、これらの問題に対処する。生成された波形は、リアルタイムで格納(記憶)および/または表示されてよい。これにより、ビームの均一性に関するグラフの形態によって、イオンビーム電流情報についての視覚的表現を提供できる。また、ビーム電流サンプリングは、イオン注入システムを制御するための制御信号を生成するために、分析(解析)および使用されてよい。1つの例示的な制御信号は、(i)ビーム電流のドリフト、変化、および/または変動が、以前の電流サンプルに対して所定の閾値レベルを超えた場合、または、(ii)ビーム電流が当該ビーム電流の予測不均一性(PNU)の範囲外となった場合に、所定の注入サイクルを中断(abort)させることができる。さらに、収集されたサンプルデータは、上流のビーム光学素子または当該ビーム光学素子に関連付けられた電源のうちの少なくとも1つを変化させるためのフィードバック信号を提供するために、使用されてよい。これにより、ワークピースに対し、より均一なビーム電流密度を提供できる。
〔本発明の概要〕
本発明の各実施形態は、イオン注入システムにおけるイオンビーム均一性を監視および制御するための方法を含む。当該方法は、イオンビームを生成する工程(ステップ)と、上記イオンビームをワークピースに向けて輸送する工程と、走査経路に沿ってイオンビームを走査し、時間変化するポテンシャル(電位)を有する走査波形の関数としての走査スポットビームを生成する工程(上記時間変化するポテンシャルの値は、上記走査経路上のイオンビームの位置に対応している)と、上記イオンビームが上記ワークピースに向けて輸送されるときに、上記イオンビームを選択的にステアリングおよび/または整形するように少なくとも1つのビーム光学素子(上記少なくとも1つのビーム光学素子は、上記イオンビームの有効断面形状を変化させる)を設ける工程と、上記走査波形と同期して上記イオンビームをサンプリングし、上記ワークピース上の位置および走査方向の関数としての複数のイオンビーム電流密度サンプルを供給する工程と、上記複数のイオンビーム電流密度サンプルを分析し、その(上記複数のイオンビーム電流密度サンプルの)不均一性を検出する工程と、上記複数のイオンビーム電流密度サンプルにおいて検出された任意の不均一性を、所定の閾値不均一性(threshold nonuniformity)と比較する工程と、を含んでいる。上記ビーム電流のドリフト、変化、および/または変動が、(i)以前の電流サンプルに関する所定の閾値レベルを超える場合、または、(ii)上記ビーム電流が当該ビーム電流のいわゆる予測不均一性(predicted nonuniformity)(PNU)から逸脱する(外れる)場合、ビーム電流サンプリングは、所定の注入サイクルを停止させるために分析および使用されてもよい。
本発明の一実施形態では、イオン注入システムにおけるイオンビーム均一性を制御するための方法が提供される。当該方法は、イオンビームを生成する工程と、上記イオンビームをワークピースに向けて輸送する工程と、上記イオンビームを第1軸に沿って走査して走査イオンビームを発生させる工程と、上記イオンビームが上記ワークピースに向けて輸送されるときに、上記イオンビームを選択的にステアリングおよび/または整形する、少なくとも1つのビーム光学素子を設ける工程と、を含んでいる。当該方法は、上記イオンビームをサンプリングして複数のイオンビーム電流サンプルを供給する工程と、上記イオンビーム電流サンプルを走査電流と関連付けて(相関させて)、走査された上記イオンビームに対応する位置および方向の情報(位置・方向情報)を供給する工程と、をさらに含んでいる。上記複数のイオンビーム電流サンプルは、その不均一性を検出するために分析される。その結果、制御信号が生成する。
本発明の別の実施形態では、イオン注入システムおよび対応する制御システムが開示されている。当該イオン注入システムは、イオンビームを発生させるためのイオン源と、ワークピースを保持するエンドステーションに向かうビーム経路に沿って上記イオンビームを輸送(搬送)するビームラインと、上記ビームラインに沿って配置されており、かつ、上記イオンビームが上記ワークピースに向けて輸送される場合に、上記イオンビームを選択的にステアリング、偏向、および/または整形する複数のビーム光学素子と、上記イオンビームをサンプリングし、複数のイオンビーム電流サンプルを提供するビームサンプリングシステムと、を含んでいる。上記制御システムは、コントローラを含んでいる。上記コントローラは、上記ビーム電流密度サンプルを分析してその不均一性を検出するとともに、検出された不均一性に応じて制御信号を生成する。
本発明の別の実施形態は、ワークピースにイオンを均一に注入するための方法を含んでいる。当該方法は、イオンビームを発生させる工程と、ビーム経路に沿って上記イオンビームを輸送する工程と、上記ビーム経路に沿って上記イオンビームが輸送される場合に、上記イオンビームに作用する少なくとも1つのビーム光学素子、または、当該ビーム光学素子に関連する電源を設ける工程と、イオンビームを走査して走査イオンビームを発生させる工程と、上記走査イオンビームをサンプリングして、上記イオンビームが上記ワークピースの表面において走査される場合に、複数の異なるイオンビーム電流密度サンプルを取得する(得る)ことによって、ビーム電流密度の変動を検出する工程と、上記複数の異なるイオンビーム電流密度サンプルを、上記ワークピースに対する上記イオンビームの位置に関連付ける工程と、を含んでいる。上記方法は、上記イオンビーム電流密度サンプルおよび上記イオンビームの関連位置(相関位置)(correlated position)を分析して、それぞれの関連位置における上記イオンビームの電流密度および/または角度を決定する工程と、現在のイオンビーム電流密度サンプルを先行するイオンビーム電流密度サンプルと比較する工程(比較工程)と、上記比較工程に応じて制御信号を生成する工程と、をさらに含んでいる。
本発明のさらに別の実施形態では、イオン注入システムが開示されている。当該イオン注入システムは、ワークピースを保持するエンドステーションに向かうビーム経路に沿ってイオンビームを導く(方向付ける)ビームラインと、ファストスキャン方向に上記ワークピースの表面を横断(交差)させるようにイオンビームを走査する走査システムと、上記イオンビームが走査される上記エンドステーションに向かって導かれている場合に、上記イオンビームを曲げ、偏向し、集束し、または修正する少なくとも1つのビーム光学素子と、を含んでいる。イオン注入システムは、上記イオンビームがファストスキャン方向に走査される場合に、上記イオンビームのビーム電流密度をサンプリングするビームサンプリングシステムをさらに含んでいる。上記ビームサンプリングシステムは、上記ワークピースの周囲に配置された複数のサイドファラデーカップと、上記ビーム経路に沿って上記ワークピースの下流に配置されたチューニングファラデーカップと、を含んでいる。上記ビームサンプリングシステムは、上記複数のサイドファラデーカップおよび/または上記チューニングファラデーカップによって生成された出力信号を分析するとともに、上記出力信号を上記走査システムと関連付け、上記ワークピースに対する上記イオンビームの位置に関するビーム電流密度値を供給する。コントローラは、ビームサンプリングシステムに結合されている。上記コントローラは、イオンビームの予測線量均一性(予測ドーズ均一性)および/または全体線量(全体ドーズ)を算出する。さらに、上記コントローラは、サンプリングされたイオンビーム値が上記予測線量均一性と整合(一致)しない場合、制御信号を供給する。
このように、本開示は、複数のワークピースが横断するイオン注入システムにおける、連続的、リアルタイム、かつインサイチュな、ビーム電流密度に対する測定を提供する。これにより、イオンビームの特性の変化を特定するために使用される、さらにはイオン注入システムの制御を提供するために使用される、豊富なデータを提供できる。
そこで、上述の目的および関連する目的を達成するために、本発明は、以下に十分に説明され、特に特許請求の範囲に記載された構成を含む。以下の記述および添付の図面は、特定の例示的な実施形態を詳細に開示する。しかしながら、これらの実施形態は、本発明の原則が採用されうる種々の方法のうちの一部のみを示す。本発明の他の目的、利点、および新規な構成は、図面と共に考慮されることにより、本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、本発明の様々な態様に係る例示的なイオン注入システムのブロック図である。
図2Aは、図1のイオン注入システムにおいて使用されうるタイプのスキャナの一実施形態である。
図2Bは、図2Aの走査コイルへの入力のための三角形の走査電流波形の一実施形態である。
図2Cは、図2Bの走査電流波形によって生成された、図2Aのスキャナにおいて得られた磁界波形の一実施形態である。
図2Dは、複数の離散的な時点において、図2Aのシステム内のワークピースに衝突する走査イオンビームを示す斜視図である。
図3は、本開示の一例において、ワークピースの表面に衝突するイオンビームの平面図である。
図4は、本発明の別の態様において、サイドファラデーカップおよびチューニングファラデーに関連する測定ビーム電流波形を示す。
図5は、ワークピースに供給されるビーム電流の均一性に影響を及ぼしうる様々な断面形状を有するイオンビームを示す図である。
図6および図7は、離散的な時点におけるスポットビームの例示的な特異サンプルを示す。当該特異サンプルでは、ビームが、その両端間に不均一な電流密度を有する。
図6Aおよび図7Aはそれぞれ、図6および図7の断面イオンビーム形状に関連するイオンビームプロファイルを示す。
図8は、グラフィックユーザインターフェースデバイスからの例示的なスクリーンキャプチャであり、左側ファラデーカップおよび右側ファラデーカップによって生成される波形と、チューニングカップによって生成される波形とを示し、スキャナに入力される走査電流波形をさらに示す。
図9は、グラフィックユーザインタフェースデバイスからの例示的なスクリーンキャプチャであり、左側ファラデーカップおよび右側ファラデーカップによって生成された波形を、チューニングカップによって生成された、ウェハ上のビーム電流サンプルの位置の関数としての波形と組み合せて示す。
図10は、本発明の一態様において、イオン注入システムの制御のためにビーム電流サンプルを分析および監視するための方法を示す。
図11は、本発明の別の態様において、ビーム電流サンプルを分析および監視し、かつ、走査イオンビーム注入器にイオンを均一に注入するための別の方法を示す。
〔本発明の詳細な説明〕
本発明は、全般的に、イオン注入システム内のワークピースにイオンを均一に注入するための、または、イオンビーム均一性の監視に基づいて当該イオン注入システムに制御を提供するための、システム、機器、および方法に関する。従って、本発明は、添付の図面に示される例示的なイオン注入システムを参照して説明される。全体を通して、同様の参照番号は同様の部材を指すために使用されてよい。これらの態様についての説明は単に例示であり、限定的な意味で解釈されるべきではないことを理解されたい。以下の記載では、説明のために、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部が開示されている。しかし、これらの具体的な細部の一部がなくとも、本本明を実施できることは、当業者には明らかであろう。
図1は、例示的なイオン注入システム110を示す。イオン注入システム110では、イオンビームおよび/またはシステムが、本明細書において説明される通り制御されうる。システム110は、例示の目的のために提示されている。本発明の各態様は、記載されたイオン注入システムに限定されず、他の好適なイオン注入システムも採用できることが理解される。図1の例示的なシステムは、いわゆる「ハイブリッド」または「走査スポットビーム」イオン注入システムアーキテクチャを表している。但し、本発明は、例えば米国特許第7,701,230号(参照によって本明細書に組み込まれている)に開示されている、周知の「2次元メカニカルスキャン」イオン注入システムアーキテクチャに対しても、同様に適用可能であることが理解されるであろう。実際に、本発明は、リボンビームシステムと同様に、1次元(single dimension)メカニカルスキャンにも適用されうる。
大まかな概観として、システム110は、ターミナル112、ビームラインアセンブリ114、およびエンドステーション116によって構成されている。ターミナル112は、イオン源120を含んでいる。イオン源120は、高電圧電源122によって給電されている。イオン源120は、イオンビーム124を生成し、当該イオンビームをビームラインアセンブリ114へと送出する。イオン源120は、荷電イオンを生成する。当該荷電イオンは、引き出されて、イオンビーム124へと形成される。イオンビーム124は、ビームラインアセンブリ114内のビーム経路に沿って、エンドステーション116に向けて導かれる。ターミナル112は、時には、ビームラインの一部を含むものとして説明することができる。この場合、ビームラインの当該部分は、ターミナル電位にある。
イオンを発生させるために、イオン化すべきドーパント材料(不図示)が、イオン源120の生成チャンバ(generation chamber)121内に設けられている。一例として、ドーパントガスは、ガス源(不図示)からチャンバ121へと供給されてよい。イオン発生チャンバ121内の自由電子を励起するために、電源122に加えて、任意の数の適切な機構(いずれも不図示)を使用できることが理解されるであろう。当該機構は、例えば、(i)高周波励起源またはマイクロ波励起源、(ii)電子線入射源、(iii)電磁気源、および/または、(iv)チャンバ内にアーク放電を発生させるカソードである。励起された電子は、ドーパントガス分子と衝突する。その結果、イオンが生成される。一般的には、正イオンが生成される。但し、本開示は、負イオンが生成されるシステムに対しても、同様に適用されうる。
チャンバ121内において発生したイオンは、イオン引出アセンブリ123によって、開口またはいわゆる「アークスリット」118を通じて、制御可能に引き出される(抽出される)。一般に、イオン引出アセンブリ123は、高密度のイオン線またはイオンビーム124の形態でイオンを引き出すための、複数の引出電極および/または抑制電極を含んでいる。当該複数の引出電極および/または抑制電極は、アークスリット118の両側に位置する概ね対称な電極対125aおよび125bによって構成されている。一例として、引出アセンブリ123は、引出電極および/または抑制電極125aおよび125bをバイアスするための、別個の引出電源(不図示)を含んでいてもよい。これにより、(i)イオンビーム124の形態での生成チャンバ121からのイオン抽出を誘導するとともに、(ii)ビームラインアセンブリ114の方向に、イオンビーム124を下流へと加速させることができる。
イオンビーム124は、同様の荷電粒子(同極性に荷電された粒子)を含む。このため、ビーム内において当該同様な荷電粒子が互いに反発し合う傾向がある。それゆえ、ビームは、半径方向外向きに膨張または「ブローアップ」する傾向を有しうることが理解されるであろう。ビームのブローアップは、多数の同様の荷電粒子が同じ方向に比較的低速で移動する、低エネルギー、高電流(高パービアンス)のビームにおいて悪化しうる。その結果、同様の荷電粒子間に大きい反発力が生じる。但し、ビーム経路の方向への粒子の運動を維持する粒子運動量は、小さいことも理解されるであろう。このため、引出アセンブリ123は、ビームが高エネルギーで抽出されるように構成されることが一般的である。その結果、ビームはブローアップしない(すなわち、粒子がビームブローアップを生じさせうる反発力に打ち勝つための十分な運動量を有する)。低エネルギードリフトの用途が知られており、当該用途は本発明において有用でありうる。但し、一般的には、システム全体を通じて比較的高エネルギーでイオンビーム124を輸送することが好都合である。この場合、ビーム輸送中のビーム閉じ込めを促進するように、イオンビームのエネルギーは、ワークピース130に衝突する直前に低減させられる。比較的高いエネルギーで輸送され、かつ、より低い等価エネルギーで注入されうる分子またはクラスターイオンを生成および輸送することも有利でありうる。分子またはクラスターのエネルギーが、分子のドーパント原子間において分割(分配)されるためである。
ターミナル112から下流へと移動する。ビームラインアセンブリ114は、一般的に、質量分析器ユニット126とビームガイド132とを含む。ビームガイド132は、当該ビームガイド132の出口において、分解開口134を画定する。ビームラインアセンブリは、一般的に、様々なビーム集束および/またはステアリングコンポーネント(beam focusing and/or steering component)138、走査システム135、パラレライザ(平行化器)139、および角度エネルギーフィルタ157をさらに含む(個別のビーム光学素子をさらに含んでいてもよいし、総称的(集合的)なビーム光学系(beam optics)をさらに含んでいてもよい)。また、ビーム光学系は、電荷中和サブシステム160を含んでいてもよい。電荷中和サブシステム160は、ビームラインおよび/または注入を受けるワークピースに電荷(例:電荷)を提供する。その結果、イオンビーム電流をワークピースの電流に等しい電子電流と整合させ、全体的な電荷中性を有するイオンビームを発生させることにより、ビームブローアップおよび他の帯電問題を打ち消す(counteract)ことができる。これらの様々なビームラインコンポーネントは、本明細書では、総称的にビーム光学系またはビーム光学素子と呼称される。
例示された実施形態では、質量分析器126は、双極子(ダイポール)磁界を発生させる役割を果たす1つまたは複数の磁石(マグネット)を含む。ビーム124が質量分析器126内に進入すると、当該ビームは磁界に応じて曲げられる。これにより、不適切な電荷対質量比のイオンが、イオンビームから排除される(rejected)。より具体的には、過大または過小な電荷対質量比を有するイオンは、質量分析器126の側壁127に偏向させられる。一方、所望の電荷対質量比を有するビーム124内のイオンは、質量分析器126を通過し、分解開口134を通って出ることが許容される。
本例における走査システム135は、静電的または磁気的な走査素子136と、随意的な集束および/またはステアリング素子138とを含んでいてよい。それぞれの電源149、150は、走査素子136および集束・ステアリング素子138と(より具体的には、走査素子136および集束・ステアリング素子138内のそれぞれの電極136a・136bおよび138a・138bと)、操作可能に接続されている。集束・ステアリング素子138は、比較的狭いプロファイルを有する質量分析後のイオンビーム124(例:いわゆる「スポット」または「ペンシル」ビーム)を受ける。そして、電源150によってプレート138aおよび138bに印加される電圧は、好ましくは所望の走査点(例:走査素子136の走査頂点151)に向けて、ビームを集束およびステアリングさせるように動作する。電源149によってスキャナプレート136aおよび136bに供給される連続的に変化させることが可能な電流波形は、イオンビーム124を前後に偏向および走査させる。その結果、細長い「リボン状」のイオンビーム(例:走査スポットビーム)が生成される。当該イオンビームは、当該イオンビームによって注入されるワークピース130と少なくとも同じ幅、または、当該ワークピースよりも広い幅を有していることが好ましい。
集束および/またはステアリング素子138は、1つまたは複数の素子および/またはサブシステムによって構成されてよいことが理解できるであろう。当該集束および/またはステアリング素子は、粒子イオンを集束させる場合に広く使用されている四重極磁石(quadrupole magnet)の形態によって、一般に提供される。一例として、飛行中のイオンを集束または偏向させるためのイオンビーム光学系を提供するために、様々な代替的な部材(例:アインゼルレンズ、あるいは、他の単ポテンシャルまたは多ポテンシャルのレンズ構造)が設けられてもよい。上記イオンの集束または偏向は、様々なビーム光学素子の電極に印加される電圧を変化させることにより、イオンの経路中の電界または磁界を操作することによって実現される。
ビームが走査システム136を通過した後、走査ビーム124は、パラレライザ139を通過する。例示された実施形態では、パラレライザ139は、2つの双極子磁石139a、139bを含む。図示された例では、双極子は、等しい角度および対向する曲げ方向を有する。これにより、当該双極子は、ほぼ台形状であり、かつ、互いに鏡像関係となるように配向される。その結果、ビーム124をほぼ「s」字状の経路に沿って曲げることができる。双極子の主な目的は、スキャナ136から発せられた発散したビームレットを平行化することである。これにより、ほぼ平行なビームレットを有するリボン状のビームを形成できる。2つの対称な双極子を使用することにより、ビームレット経路長と、1次およびより高次の集束特性とに関して、リボンビームと交差する方向における対称的な特性がもたらされる。パラレライザ139は、特定のビームレットがスキャナから出る走査角度によらず、ビーム124がビーム軸に平行に進むように、走査ビーム124の経路を変化させる。これにより、ビームレットがワークピース130に衝突する注入角度が、ワークピース130の表面において比較的均一となる。
ビームの減速は必要ではないが、本例では、1つ以上の減速ステージ157が、平行化コンポーネント139の下流(後段)に配置されている。上述のように、システム110のこの点(位置)に至るまで、ビーム124は、ビームのブローアップが生じる傾向を緩和するために、比較的高いエネルギーレベルで輸送されることが一般的である。一例として、ビームのブローアップが生じる傾向は、ビーム密度が増加する位置において(例:例えば分解開口134において)、特に高くなりうる。減速ステージ157は、ビーム124を減速するように動作可能な1つ以上の電極157a、157bを含む。電極157は、典型的には、ビームが通過する開口であり、図1における直線として描画されてよい。減速ステージ157を構成するコンポーネントとして、一対の電極が図示され説明されている。但し、システム110のビーム光学系を構成する任意のコンポーネントは、任意の適切な数の電極を備えてもよいことが理解されるであろう。当該電極は、(i)イオンを加速および/または減速させるように、または、(ii)イオンビーム124を集束、曲げ、偏向、収束、発散、走査、平行化、および/または汚染除去するように、配置およびバイアスされている。加えて、ビーム光学系を構成する任意のコンポーネントは、イオンビームの軌跡を操作できる、または、当該軌跡に影響を及ぼしうる、静電偏向プレート(例:静電偏向プレートの1つ以上のペア)、アインゼルレンズ、四重極素子、および/または他の素子を含んでいてもよい。
イオンビームラインは、電荷中和サブシステム(例;プラズマ電子フラッドデバイス160)を含んでいてもよい。プラズマ電子フラッドデバイス160は、イオンビーム内の電荷蓄積を打ち消すために、イオンビームが通過する領域内において中和電子(neutralizing electrons)を発生させる。従って、イオンビーム内の電荷は、イオンビームおよび注入されるべきワークピースとは反対の極性を有する電荷を提供することによって、補償されうる。例えば、正に帯電したイオンビームの場合、ワークピースに供給される単位時間毎のイオンの量に等しい量の電子を供給することが、一般的な手法である。これにより、イオンビーム電流を、ワークピースにおける等しい電子電流と一致(整合)させることができる。この手法は、典型的には、電子発生プロセス(例:熱電子放出、二次放出、放電、またはRF電界)によって電子を発生させるデバイスによって実現される。当該デバイスでは、電子は、イオンビームに向けられるか、またはワークピースに直接的に向けられる。これらのデバイスは、典型的には、電子銃、二次電子フラッド、プラズマ電子フラッド等と称される。さらに、マイクロ波放電およびRF放電(例:RFプラズマ電子フラッド)は、大容量のスケーリング(scale)が可能である。但し、これらの放電は、整合回路および高価な高周波の電力生成を必要とするため、維持を試みるにはより煩雑(複雑)かつ高価となる。
エンドステーション116へと、さらに下流に移動する。エンドステーション116は、イオンビーム124を受け、かつ、当該ビームをワークピース130に向けて導くためのプロセスチャンバを提供する。注入器(注入装置)110において、様々なタイプのエンドステーション116を使用されてよいことが理解されるであろう。図示された例におけるエンドステーション116は、注入のために、ビーム経路に沿って単一のワークピース130を支持する、「シリアル」タイプのエンドステーションである。「シリアル」タイプのエンドステーションは、注入のために、ビーム経路に沿って単一のワークピース130を支持する。当該エンドステーションでは、複数のワークピース130が一度に1つずつシリアルに(逐次的に)注入される。それぞれのワークピース130は、次のワークピース130の注入が開始される前に、完全に注入される。走査ビームシリアルタイプのシステムの場合、ワークピース130の全体にビーム124を供給するために、(i)当該ワークピース130が第1方向(Y方向またはスロースキャン方向)に機械的に移動させられるとともに、(ii)当該ビームが第2方向(X方向またはファストスキャン方向)に前後に(往復して)走査される。
ワークピース130に対するイオン注入前およびイオン注入中に、イオンビームの様々な特性およびパラメータ(ビーム電流、ビーム電流密度、ビーム電流分布、ならびにプロセス制御および他の理由でワークピースに注入されると予想されるイオンの一般的な線量を含む)を決定(判定)するために、イオンビームを監視することが望ましい。さらに、ビーム角度およびダイバージェンス(発散)、ならびにサイズ(ビーム幅および高さ)等のパラメータが、監視されてもよい。そこで、ビームサンプリングシステム155および他の関連するハードウェアコンポーネントは、所定の周波数(250kHzのオーダーであってよい)でイオンビームを監視およびサンプリングするために、エンドステーション116に統合(一体化)されている。これにより、分析のための複数の離散的なビーム電流サンプルの測定値が提供される。例示的なシステムでは、1つまたは複数のサイドファラデーカップ158A、158B(サンプリングカップとも呼ばれる)が、走査イオンビーム124のファストスキャン軸に沿って、ウェハ130にほぼ近接して設けられている。イオンビームが走査されて1つまたは複数のサイドファラデーカップを通過するときに、当該イオンビームの1つまたは複数の特性(例:ビーム電流)がサンプリングおよび測定される。一例として、ビームサンプリングシステム155は、1つ以上のサイドファラデーカップ158A、158Bから、複数の一連のビームサンプルを含む信号164を取得(受信)する。そして、ビームサンプリングシステム155は、一般的に、イオンビーム124の1つ以上の特性について測定されたサンプルを、制御システム154に出力する。時間および位置に依存する(時間・位置依存の)ビーム電流情報を制御システムに供給するために、これらのサンプルの収集は、走査されるワークピース130の位置に供給される走査電流波形と、スキャナ136に供給される走査電流波形と、に同期させられる。
本例では、1つ以上のサイドファラデーカップ158A、158Bは、走査イオンビーム124が、ワークピース130の平面とほぼ同じ平面内において当該ワークピース130を横切って走査されるとき、走査イオンビーム124の経路に沿って、ワークピース130に概ね近接するように、当該ワークピース130の外側に(例:当該ワークピースの外周の外側に)配置される。従って、走査ビームは、(i)ワークピースの寸法を超えて延在し、かつ、(ii)当該ワークピースの外周の外側に配置された1つまたは複数のサイドファラデーカップ158A、158B上を走査イオンビーム124の全体が通過するように成形された、幅(走査幅)を有することが好ましい。
さらに、チューニングファラデーカップ170が、ワークピース130の「背後」かつ下流に設けられている。ビームサンプリングシステム155は、チューニングファラデーカップ170から高周波サンプルをさらに取得する。そして、ビームサンプリングシステム155は、イオンビーム124の1つまたは複数の特性についての測定結果を、制御システム154に一般的に出力する。一例として、(i)(イオン注入サイクルの前に)(スロースキャンシーケンスのいずれかの1端において)走査経路の完全に外側に、ワークピース130が存在しない場合、または、(ii)ワークピースが走査経路の少なくとも部分的に外側に位置するように配置されている場合(例:イオンビームまたは当該イオンビームの一部が、ワークピース130から下流に位置するチューニングカップへと到達することができる位置に向けて、当該ワークピースが走査される場合)、チューニングファラデーカップ170は、従来と同様に使用される。再び、このサンプリングされたビーム測定結果は、時間・位置依存のイオンビームのビーム電流プロファイルを提供するために、スキャナ136に供給される走査電流波形と、走査されたワークピース130の位置に供給される走査電流波形とに同期させられることが一般的である。ビームサンプリングシステム155は、時間・位置依存の走査イオンビームのビーム電流波形と、走査電流波形と、システムオペレータに関連する他の情報と、を表示するためのプレゼンテーション画面(スクリーン)またはグラフィックユーザインターフェースを含んでいてよい。
ビームサンプリングシステムは、サイドファラデーカップ158A、158Bおよびチューニングファラデーカップ170に加えて、1つまたは複数の移動(トラベリング)プロファイラ156からの入力を含んでいてもよい。本例では、移動プロファイラ156は、走査ビームの電流密度を測定する電流密度センサ(例:ファラデーカップ)を有していてよい。移動プロファイラ156の電流密度センサは、走査ビームにほぼ直交するように移動するため、典型的には、リボン状の走査イオンビームの幅を横断する。これらのプロファイラ信号は、典型的には、注入サイクルの前または後に生成される。プロファイラ156は、イオン注入サイクルの間および/または後に、データおよびフィードバックをイオン注入システムに提供するために、走査イオンビームの正面に移動させられる。サイドファラデーカップ158A、158Bおよびチューニングファラデーカップ170と同様に、時間・位置依存のイオンビームのビーム電流プロファイルを提供するために、移動プロファラによって提供される監視およびサンプリングされたビーム電流測定値は、スキャナ136に供給される走査電流波形と移動プロファラの位置に供給される走査電流波形とに、概ね関連付けられていてもよい。
制御システム154は、イオン注入システム110の様々なコンポーネントおよびサブシステムと通信し、当該コンポーネントおよびサブシステムを制御および/または調整するために、ビームサンプリングシステム155に接続されている。当該コンポーネントおよびサブシステムは、(i)イオン源120および当該イオン源に関連する電極125、(ii)質量分析器127、(iii)ビームステアリングおよび集束システム138、(iv)走査素子136、(v)パラレライザ139、(vi)エネルギーフィルタ159、および、(vii)電荷中和システム160を含む(すなわち、総称的に、任意の少なくとも1つのビーム光学素子を含む)。制御システム154は、コンピュータ、マイクロプロセッサ等を含んでいてよい。制御システム154は、ビーム特性(例:ビーム電流またはビーム密度)の測定値を格納し、ビーム光学素子のうちの任意の1つに印加(適用)されるパラメータ(例:バイアス電圧、ガス圧力)を調整するように動作可能であってよい。従って、これらのビーム光学素子はいずれも、所望のイオンビーム特性を促進するように、制御システム154によって調整されてよい。例えば、質量分析器126内において発生した磁界(field)の強度は、所望のイオンビームの経路の曲率を変化させるために、界磁巻線(field windings)を流れる電流の量を調節することによって、調整されてよい。さらに、または代替的に、注入角は、例えばステアリング素子138に印加される電圧を調整することによって、さらに制御されてよい。ここで、ウェハ130に供給される電流密度は、注入角(例:ビームとワークピースの機械的表面との間の相対的な配向(方位)、および/またはビームとワークピースの結晶格子構造との間の相対的な配向)の関数でありうることが理解されよう。さらに別の代替例では、任意の1つのビーム光学素子に印加される瞬時的な電圧は、ビームサンプリングシステム155によって検出されるビーム電流の変動に応じて、即座に(瞬時的に)変化させられてもよい。従って、本発明によれば、ビームサンプリングシステム155および制御システム154は協働して、ビーム電流および/またはビーム電流密度が監視されるインサイチュビーム電流サンプリングを提供し、イオン注入システムの制御をさらに提供する。ある好適な実施形態では、ビームサンプリングシステム155および制御システム154は協働して、顕著な(有意な)ビーム電流不均一イベント(事象)が発生した場合に、イオンビームの輸送をインターロック、中止、または停止させるための、制御信号を生成してよい。別の好ましい実施形態では、ビームサンプリングシステム155および制御システム154は協働して、電源出力を調整するための制御信号を生成して、イオン注入システムの様々なビームラインコンポーネントおよびビーム光学素子に印加される電圧および電流を、反復的手段または増分的手段によって、選択的に変化させてもよい。
上述のように、注入器110は、様々なタイプの走査システムを使用できる。例えば、静電的または磁気的な走査システムが、本発明において使用されてよい。図2Aにより詳細に示されるように、スキャナは、比較的狭いプロファイルを有する質量分析後イオンビーム124(例:いわゆる「スポット」又は「ペンシル」ビーム)を受ける。図2Aの例示的な走査システムは、ビーム124の両側に位置する第1磁極136aおよび第2磁極136bを有するスキャナ領域を含む磁気走査システムである。各磁極(poles)は、真空を含むギャップ(空隙)によって離間させられている。ビーム経路124は、当該ギャップを通過する。一実施形態では、磁極136aおよび136bは、電磁石コイルを含んでいてよい。電流波形は、コイル136a、136bを流れる電流を変化させるように動作する。これにより、ビーム124をX方向(走査方向)に前後に走査させるとともに、細長い「リボン型」ビーム(例:走査スポットビーム)を生成できる。当該リボン型ビームは、好ましくは注入を受けるワークピースの幅と少なくとも同じ、X方向の有効幅(典型的には、ワークピースの幅よりも広いX方向の有効幅)を有する。走査ビーム124は、ビーム124aがイオン注入のためにウェハに衝突するように、エンドステーション16に向けられることが理解されよう。走査ビームは、ビームサンプリングシステム155に接続された測定センサ(ファラデーカップ)にも衝突する。本説明の目的のために、全ての異なるタイプの走査システムは等価であり、図2Aの磁気走査システムは説明のためにのみ使用される。実際、本発明は、周知の2Dメカニカルスキャンスポットビームシステム(1Dメカニカルスキャンリボンビームシステムについても同様)を含む、様々なアーキテクチャのイオン注入システムに適用されてよい。
磁極136aおよび136bは、電流源149に接続されていることが理解されよう。図2Bの波形ダイアグラム202に示されるように、電流源149は、磁極136aおよび136bに交流電流を供給するように構成されている。図2Cの波形ダイアグラムに示されるように、時間的に変化する磁極間の電流は、時間的に変化する磁界204を形成する。当該磁界204は、ビーム経路を横切ってコイルから外向きに延びる。当該磁界204によって、ビーム124は、走査方向(例:図2AのX方向)に沿って曲げられるかまたは偏向される(例:走査される)。スキャナ磁界が磁極136aから磁極136bへ向かう方向に存在しているとき(例:図2Cにおける「g」〜「e」の時間)、ビーム124のイオンは、正のX方向に横方向の力を受ける。磁極136aおよび136bがゼロ電流にさらされると、スキャナ136にはゼロ磁界が存在する(例:図2Cの時間「d」等)。この場合、ビーム124は修正されずにスキャナ136を通過する。磁界が磁極136bから磁極136aへ向かう方向に存在しているとき(例:図2Cにおける「a」〜「c」の時間)、ビーム124のイオンは、負のX方向に横方向の力を受ける。
図2Dは、図2B〜図2Cに示す対応する時間においてワークピース130に衝突する、走査および平行化されたビーム124を示す。磁極間を流れる電流が最大および最小(例:負の最大)であるとき、対応する磁界強度は最大および最小(例えば、負の最大)である。このため、ビーム経路の両端(例;ワークピース130の外周を越えた右端および左端)において、ビームが見いだされうる。図2Dには、図2Bの対応する時間「a」〜「g」における走査電流に対応する、ワークピース130を横切るX方向における単一のほぼ水平な走査に対しての、走査ビーム124a〜124gの離散点が示されている。スキャナ磁界が磁極136bから磁極136aへ向かう方向に存在しているとき、ビーム124のイオンは、負のX方向に横方向の力を受けることになる。これにより、走査ビームが図2Dに示す走査ビーム124a〜124gの離散点の方向を逆転(反転)させ、負のX方向にワークピース130を横切る単一のほぼ水平な走査を生じさせる。
図3および図5は、本開示をより十分に理解するために、ビームが走査されるときに起こりうるビーム電流密度の変化を例示している。当該ビーム電流密度の変化は、例えば、イオンビームの断面形状の変化によって引き起こされうる。当該イオンビームの断面形状の変化は、イオンビームがワークピースの表面上を走査させられるときに、コイルを流れる走査電流の変化によって誘発(誘導)される。イオンビームの断面形状の変化は、イオンビームのビーム電流密度が変化し得る一要因(one way)に過ぎない。イオンビームの断面形状の変化は、ビーム電流密度がどのように変化し得るかについての限定的な例を意図するものではないことが理解されよう。また、本明細書にて言及されるように、イオンビームの断面形状の変化は、イオンビームの断面形状に対する任意の変化を含みうることも理解されるであろう。例えば、ビームの断面形状の変更は、対称的または非対称的な様式で、イオンビームを、より大きく、より小さく、より広く、またはより狭くすることを含みうる。
図3に示すように、例示的なイオンビーム経路302は、(イオンビーム124の軌道から見て)ワークピース130上を走査させられる。図3は、経路302に沿った特定の位置におけるイオンビームの断面形状の変化を示す。特に、イオンビームは、3つの異なる例示的な位置306、308、310において図示されている。これらの位置はそれぞれ、3つの異なる時点における、ワークピース130に対するイオンビームの位置を表す。3つの例示的な位置のそれぞれにおけるイオンビームは、仮想的に(ファントムによって)(in phantom)図示されている。当該図示は、走査中にイオンビーム断面形状が変化する場合の、イオンビームの3つの例示的な断面形状を表す。図3に示すように、イオンビームにおける断面形状の変化は、任意の方向に生じうる。例えば、ビームおよび当該ビームのプロファイルは、高さおよび/または幅に変化が生じうる。上述したように、イオンビーム124における断面形状の変化は、ウェハ130におけるビーム電流密度の変化をもたらす。
さらに、一実施形態におけるファストスキャン軸314に沿ったファストスキャンの走査速度が第1走査周波数にある間、ビーム光学素子のうちの任意の1つが、第1周波数よりも十分に高い第2周波数で、イオンビームの断面形状に変化を引き起こしうる。一実施形態では、イオンビームの断面形状は、ファストスキャン方向とは異なる方向を有する軸に沿って変化することもある。この場合、修正された実効高さを有するイオンビーム(例:スロースキャン方向とほぼ平行な方向にイオンビームの形状を延ばすビーム変化)を生じさせる。この構成は、図5に関連して最もよく理解される。図5では、第1ビーム形状308aが第1寸法316を有しており、第2ビーム形状308bがより大きい第2寸法318を有している。このように、スロースキャン方向312に沿って拡大された寸法を有するビーム(すなわち、スロースキャン方向312におけるより大きい有効ビーム形状)がもたらされる。
図3には、ワークピース130上において走査中のイオンビーム124の平面図が示されている。本例では、スポットイオンビーム124がファストスキャン軸154に沿って走査されるときに、ワークピースが当該スポットイオンビーム124に曝される(露光される)ようにスロースキャン軸151に沿って走査されるように設定されている。制御システム154は、ワークピース130の全表面が所定の方式(例:所定の走査パターン150)でイオンビームに曝されるように、(i)スロースキャン軸151に沿って走査されるときのワークピース130の速度、(ii)ファストスキャン軸154に沿って走査されるときの当該走査イオンビームの速度、および、(iii)走査イオンビームの走査幅を制御するように、構成されている。図3の所定の走査パターン150は、ほぼ一定の走査幅152を有する例である。様々な他の走査パターンが本開示の範囲内に含まれると考慮されていることに留意されたい。例えば、ワークピース130がスロースキャン軸151に沿って移動中に、走査イオンビーム124の走査幅152が変化させられてもよい。その結果、走査イオンビームは、ワークピースの外周156から所定の距離において、方向を反転させる(例:走査イオンビームは、ワークピースの形状に従う)。さらに、本明細書にて説明したように、走査イオンビーム144の走査幅152は、サイドカップ158Aおよび158Bを利用してイオンビームの様々な特性の測定を達成するためなどの、他の目的のために変更されてもよい。
図3は、ワークピース130を横切るビーム124の直線的な走査を例示している。図3において、機械的駆動(不図示)は、スキャナ36によるX(ファストスキャン)方向の走査時に、ワークピース130をY(スロースキャン)方向に移動させる。それにより、ビーム24は、ワークピース30の露出面全体に照射される。イオンビーム124は、スキャナ36に進入する前には、典型的には、非ゼロのXおよびY寸法の幅および高さプロファイルをそれぞれ有している。ビームのXおよびY寸法の一方または両方は、典型的には、空間電荷および他の作用に起因して、輸送中に変化する。一例として、ビーム124がビーム経路に沿ってワークピース130に向けて輸送されるとき、当該ビーム124は、ビーム幅および/または高さ、あるいは幅と高さの比率を変化させうる、様々な電界および/または磁界とデバイスとに遭遇する。さらに、空間電荷作用(正に荷電したビームイオンの相互反発を含む)は、対策を講じなければ、ビームを発散させる傾向がある(例:増大したXおよびY寸法を生じさせうる)。
また、スキャナ136の形状および動作電圧は、ワークピース130に実際に供給されるビーム124に対して、ある集束特性を提供する。従って、完全に対称なビーム124がスキャナ136に入ると仮定しても、スキャナ136によるビーム124の曲げは、ビームの集束性を変化させる。入射ビームは、典型的には、X方向における横方向の縁部において集束性がより高くなるが(例:図2Dの124aおよび124g)、X方向における当該横方向の縁部間の各点(例:図2Dの124c、124d、および214e)においては、集束性がより低くなる(例:より広くなる、またはより発散する)。
図4は、本発明をより十分に理解するために、単一のビーム走査経路において測定される、理想的な時間依存(または位置依存)ビーム電流波形を示す。図4は、理想的な状況を示す。図4では、トレース166によって示されるビーム電流は、イオンビームがワークピース130を横切るときに、比較的一定かつ均一なままであることが分かる。ビームがそれぞれのサイドファラデーカップ158A、158Bを越えて進むにつれて、ビーム電流は各走査の端部において上向きまたは下向きに傾斜(ramp)する。このビーム電流波形は、所定の走査経路に亘ってワークピースを横切ることが予想されるビーム電流の測定値を提供するように、イオンビームをサイドファラデーカップ158A、158Bに曝すことによる、予測ビーム電流波形の形態で表わされてよい。あるいは、ビーム電流波形は、イオンビームを、(i)移動プロファイラ156、または、(ii)図1に示されるサイドチューニングファラデーカップ170のうちの1つ、に曝露することによって、提供されてよい。
本発明では、図4で示される理想的なビーム電流は、イオン注入システムの典型的な動作中にワークピースに与えられる実際のビーム電流を一般的には表さないと考えている。例えば、上述したように、ビーム124がビーム経路に沿ってワークピース130に向けて輸送される場合、ビーム124は、(i)ビームの形状を変化させうる、または、(ii)ビームの均一性に様々な影響を及ぼしうる、様々な電界および/または磁界とデバイスとに遭遇する。さらに、空間電荷作用(正に荷電したビームイオンの相互反発を含む)は、対策を講じなければ、ビームを発散させる傾向がある。また、エンドステーションの特定の位置におけるウェハの存在または不存在は、イオンビームに摂動を生じさせる場合があり、当該摂動に関連した電流密度を生じさせうることも見出された。また、粒子汚染は、ビームプロファイルおよび/またはビーム電流の短期間の変動を引き起こしうる。従って、実際には、イオンビーム電流、電流密度、および/または電流分布は、不均一である。これらは、所定の走査経路全体に亘って、または、注入サイクル全体を通じた複数の走査経路全体に亘って、変動する可能性がある。また、これらは、異なるワークピースの異なるイオン注入サイクルに亘って、変動する可能性がある。イオンビームを制御するための機器および方法に関する本発明の実施形態は、(i)イオンビームの複数のビーム電流測定の検知結果に基づいてイオン注入器内のイオンビームを制御するためのビームサンプリングシステムおよび制御システムの一体化と、(ii)複数のビーム電流測定値に基づいてイオンビーム電流の変動または揺らぎを特定するための複数のサンプルの解析とを考慮している。所定の閾値(絶対値または相対値)を超える特定された変化(変化量)は、すなわち、以前のビーム電流測定との比較により、(i)イオン注入システムを停止させるか、(ii)または少なくともイオンビームの輸送を中止させるための、制御信号をもたらすことができる。また、システムは、イオン注入処理中におけるイオンビームの変化をインサイチュで閾値レベル未満に低減すべく、ビーム電流の特定された変化量に応じてイオンビームを調整して変化を低減する調整コンポーネントを含んでいてもよい。そこで、制御システム154は、イオンビームの変化が閾値を上回った場合に、イオン注入器におけるパラメータの調整を中止または実行するための所定の制御信号を生成するように構成される。
さらに、ターゲット表面上のイオンビーム電流分布に影響を及ぼしうる、多くの要因が存在していることが理解される。例えば、従来の設計のイオン注入器は、低エネルギーレベルにおいて不十分な(低い)(poor)透過率を示す。このような不十分な透過率は、ドーパントに依存して変化しうる。なお、イオンビーム光学系の異なる原理を組み込むことにより、この低エネルギー透過問題は解決されうる。しかしながら、その場合、ビームの均一性に関する他の問題を引き起こす可能性がある。上述したように、別の例では、高エネルギー輸送とライン終端減速との組合せは、空間電荷作用を緩和し、かつ、より高いビーム電流レベルを達成するために、イオンビームをより高いエネルギーで抽出かつ輸送することを可能とする。しかしながら、当該組み合わせは、イオンをウェハ表面に対して広い入射角で基材に衝突させる空間的不均一性に関連する他の問題を生じさせうる。さらに別の例では、(モノマー(単量体)イオンに対する)注入される種としての分子イオンによるイオン注入は、それ自体の独自のセット(組)の注入不均一性を誘発する。ビーム電流の不均一性をもたらす他の例は、とりわけ、ビームデューティファクタ制御、電極アークのクエンチ(消弧)(quenching)、電源変調(modulation)を含む。
電流の不均一性がイオン注入システムにおいて固有であるという事実は、特定のビーム電流またはイオン注入の仕様(規格)(specifications)に対して、予測可能な不均一性(predictable non-uniformity)(PNU)の仕様をもたらす。従って、1つまたは複数のPNUは、実験、経験的データ、およびその他の方法によって、特定のイオン注入システムおよび特定の注入条件下での統合的な特性として決定できる。従って、特定のイオン注入システムおよび特定の注入条件下で許容可能であると特定されうるビーム電流に関連する、何らかの予測可能な不均一性(PNU)特性が存在しうる。
本発明は、これらのPNUの制約に従って、当該PNUの制約の範囲内で、および/または、ビーム電流の変化または変動が所定の閾値レベルの範囲を越えると特定されたときに、イオン注入システムに対する制御を提供するように動作してよい。図5は、ビーム電流または密度に生じうる変化および変動についての単純化された図を提供する。当該変化および変動は、イオンビームがビームラインを通って輸送され、本明細書に記載されるようにビームラインの多数の光学素子を通過し、ワークピースの表面に注入されるとき、ビーム電流の例示的な変化(とりわけ、イオンビームの断面形状の変化によって引き起こされうる)に起因して生じうる。図5に示すように、イオンビームの断面形状の変化は、任意の方向に生じうる。上述したように、(例:焦点の変化による)イオンビーム121の断面形状の変化は、ビーム電流、電流密度および/または電流分布の変動をもたらす。これらの変動は、ビーム電流における不整合性、不均一性、またはスパイクとして観察されるであろう。その結果、図4に示される時間または位置に対する理想的なビーム電流波形は、不均一性を含むであろう。当該不均一性は、(i)ビーム電流の漸進的な不均一性を示す上向きまたは下向きの傾向を表すスロープ(傾斜)、または、(ii)ビーム電流に影響を及ぼす高速インパルスイベントを示す鋭い上向きまたは下向きのスパイクを含みうる。総ビーム電流Iの変動に少なくとも部分的に起因して、プロファイルされたビーム電流が変調されていることが分かる。ビーム電流の不均一性または変動として現れうるこれらの変化は、様々な不整合、変動、または不規則性に起因して生じうる。当該様々な不整合、変動、または不規則性は、注入サイクル中のイオンビームの輸送中に、プロセス環境における制御されない変化の範囲に亘って起こる可能性がある。当該制御されない変化は、温度の変化、真空レベルの変化、粒子エクスカーション(回遊)、予期しない電源出力、ビームラインに沿って配置された1つまたは複数の光学素子に影響を及ぼすハードウェアの中断または故障によって引き起こされる可能性がある(これら全てが所定の時間においてビーム電流に影響を及ぼす可能性がある)。ビーム電流のこうした変化は、イオンビームの様々な特性によって影響を受けることがある。イオンビームの様々な特性は、ビーム角度、ビーム形状、ビームダイバージェンス、およびビーム平行度を含むが、これらに限定されない。これらは全て、ウェハにおける不整合かつ不均一なビーム電流密度を生じさせうる。
説明および例示の目的で、ビーム電流の変動および/または不均一性が提示されており、ビーム形状の変化と関連して論じられている。但し、イオンビームの断面形状の変化は、イオンビームの電流、電流密度、および/または分布が変化し得る1つの要因に過ぎない。ビーム形状は、ビーム電流またはビーム電流密度または分布がどのように変化または変動しうるかの限定的な例として意図されていないことが理解されるであろう。本明細書にて言及されるように、イオンビームの断面形状の変化は、イオンビームの断面形状の任意の変化を含みうることも理解されるであろう。例えば、ビームの断面形状の変化は、対称的または非対称的な様式で、かつ、体系的または非体系的な様式で、イオンビームを大きく、小さく、広く、または狭くする変化を含んでいてよい。
一例として、イオンビームの断面形状は、イオンビームのファストスキャン方向に対してほぼ交差(横断)する方向を有する軸に沿って対称に変化する。これにより、変更された実効高さを有する時間平均イオンビームが生成される。例えば、何らかの事情により(inadvertently)、ビーム集束素子がスロースキャン方向とほぼ平行な方向にイオンビームの形状を延ばす場合、より大きい高さを有する時間平均イオンビームが生じるであろう。この例は、図5に関連して最もよく理解される。図5では、第1ビーム形状308aが第1寸法316を有し、第2ビーム形状208bがより大きい第2寸法318を有している。その結果、スロースキャン方向312に沿って拡大された寸法を有する時間平均ビームが得られる。逆に、何らかの事情により、イオンビームの形状が、スロースキャン方向とほぼ平行な方向において切り取られた場合、ビーム形状308cによって示されるように、より小さい高さを有する時間平均イオンビームが生じる。その結果、スロースキャン方向312に沿って小さい寸法を有する時間平均ビームが生じる。図3に示されるように、(イオンビーム121から見た)ワークピース130上を走査させられる例示的なイオンビーム経路302に戻る。これらの可変ビーム形状は、経路302に沿った特定の位置において、イオンビームの断面形状に変化を生じさせうる。特に、イオンビームは、3つの異なる例示的な位置306、308、310において示されている。これらはそれぞれ、3つの異なる時点における、ワークピース130に対するイオンビームの位置を表す。3つの例示的な位置のそれぞれにおけるイオンビームは、仮想的に図示されている。当該図示は、1つ以上のビーム集束/整形素子がスキャン中にイオンビーム断面の形状を変化させる場合の、イオンビームの3つの断面形状の例を表す。
図6〜図7に移行する。図6〜図7には、ビーム形状およびビーム電流密度分布における、より現実的な、非対称かつ非系統的な変動が示されている。上述したように、イオンビームの断面形状の変化は、時間経過に伴い、イオンビームに対して異なるビームプロファイルを有する、複数の異なる瞬間的なビーム電流密度を提供する。例えば、第1断面ビーム形状は、第1ビームプロファイルを有していてよい。当該ビームプロファイルは、ビームプロファイルに沿った第1位置において、電流「スパイク」を有する。第2断面ビーム形状は、第2ビームプロファイルを有していてよい。当該第2ビームプロファイルは、ビームプロファイルに沿った、第1位置とは異なる第2位置において、電流スパイクを有する。さらに、第3断面ビーム形状は、第3ビームプロファイルを有していてよい。当該第3ビームプロファイルは、ビームプロファイルに沿った複数の位置において、複数のスパイクを有する。例えば、図6および図6Aは、第1イオンビーム形状に関連するビーム電流プロファイル408を示す。ビーム電流プロファイル408は、位置Pにおいて振幅Aを有する電流ピーク/スパイクを含む。図7および図7Aは、ワークピースに入射する第2イオンビーム形状を示す。また、図7および図7Aは、当該第2イオンビーム形状に関連するビーム電流プロファイル410を示す。ビーム電流プロファイル410は、位置Pにおいて振幅Aを有する電流ピーク/スパイクを含む。イオンビームの断面形状の急速な変化(これらは、イオン注入システムに関連する様々な要因によって引き起こされうる)は、ウェハに対するファストスキャンの過程(コース)にて、異なるビームプロファイル間においてビーム電流密度を変化させうる。従って、イオンビームの断面形状が急速に変化すると、様々な変動するビーム電流プロファイルおよびビーム電流プロファイルを有する、多数の様々な変動するビーム電流密度およびビーム電流密度を、ワークピースは受ける。
上述したように、イオン注入前およびイオン注入中にイオンビームを監視して、プロセス制御および他の理由に応じた、イオンビームの様々な特性およびパラメータ(ビーム電流、ビーム電流密度、ビーム電流分布、およびワークピースに注入されると予想されるイオンの一般的なドーズ量を含む)を決定することが望ましい。そこで、本発明は、250kHzオーダの所定の周波数によってイオンビームをサンプリングするための、ハードウェアと関連する電子機器および制御システムとを含む。これにより、ビームがワークピースを横切って走査される場合に、複数の離散ビーム電流サンプルの測定値を提供できる。但し、注入時のビームの走査と比較して、より多くのサンプルを測定できる限り、こうした比較的高い周波数のサンプリングレートは必要ではないことに留意されたい。5kHzまたは500Hzもの低いサンプリングレートも、一部の用途では有用でありうる。本明細書に開示される例示的なシステムでは、サイドサンプリングカップおよびチューニングカップが提供されている。ビーム電流は、スポットイオンビームがこれらのカップ上を通過するときに、サンプリングおよび測定される。これらのカップからの出力測定値は、ビームサンプリングシステムに供給される。当該ビームサンプリングシステムは、ビーム電流波形のグラフィック表現をリアルタイムで提供するための表示素子155aを一般に含む。監視(モニタ)されたサンプルは、スキャナに入力される走査電流波形と同期化される(走査されたワークピースの位置に入力される走査電流波形についても同様)。これにより、リアルタイムで閲覧可能な、時間・位置依存のイオンビームのビーム電流プロファイルを提供できる。監視されたサンプルを走査電流波形と同期させることは、走査方向に関する情報をも提供する。当該情報は、規定された制御出力を決定する場合に有用でありうる。
図8には、表示素子155aからの例示的なスクリーンキャプチャが提供されている。図8は、チューニングカップ804・814によって生成された波形と組み合わせて、左側ファラデーカップおよび右側ファラデーカップ(ウェハの左から右への走査では802・806、ウェハの右から左への走査では816・812)によって生成された波形を示す。図8はまた、スキャナに入力される走査電流波形820を示す。これらの波形は、(i)時間0から12500u(μ)Sec(マイクロ秒)までにおいて第1方向にビームが走査される場合(走査波形が正の勾配を有する場合)、および、(ii)時間12500uSecから25000uSecまでにおいて、第1方向とは反対の第2方向にビームが走査される場合(走査波形成が負の勾配を有する場合)の、ビーム電流サンプルを、波形の形態にて示す。本発明は、全ての範囲における走査時間および周波数に対し、等しく適用されることが理解されるであろう。監視されたビームサンプルを走査電流波形と同期させることによって、時間および位置に依存するイオンビームのビーム電流波形を表示できる。監視されたサンプルを走査電流波形と同期させることは、走査方向に関する情報をも提供する。当該情報は、本発明に基づき規定された制御出力を決定する場合に有用でありうる。
図8に示すイオンビームのビーム電流波形は、チューニングカップ804、814によってキャプチャ(捕捉)された比較的安定した均一なビーム電流波形を示す。当該ビーム電流波形は、(i)左側カップ802、812によってキャプチャされた比較的不均一なビーム電流波形と、(ii)左側カップ806、816によってキャプチャされた比較的不均一なビーム電流波形と、の間に挟まれている。図8に例示されているイオンビームのビーム電流波形は、ビームが第1方向に沿って走査され、次いで第2方向(逆方向)に走査されるときにキャプチャされる、比較的対称なビーム電流波形を示すことが分かる。例えば、右側カップによってキャプチャされた波形806、816は、(i)ビームがサイドカップの左端から右端まで進む場合にビーム電流のわずかな増加を示し、(ii)次いで、ビームがサイドカップの右端から左端まで進む方向を反転させた場合に、ビーム電流のほぼ等価なわずかな減少を示す。この場合、すなわち、右側カップによって捕捉された波形806、816では、ビーム電流の変化が分析されてよく、当該変化が予測された均一性測定値内、または上述したPNU内にあると判定されうる。この場合、制御システムによる補正動作(corrective action)は必要とされないであろう。しかし、電流変動の対称的な特性(サイドカップの右端側で電流密度の測定値が高くなったことを示す)を考慮すると、制御システムは、規定された走査電流範囲(走査範囲の右端側へのイオンビームの走査に関連する電流範囲)内で動作するスキャナに関する系統的な問題を特定してもよい。この場合、制御システムは、ビーム光学素子のうちの1つまたは複数に対する補正信号を生成するように構成されてもよい。あるいは、制御システムは、ウェハに対するさらなる注入を防止するために、ロックアウト信号を生成してもよい。
別の例では、波形802、812は、左側カップによってキャプチャされた電流信号を表す。これらの波形セグメントは、(i)ビームが左側カップの左端から右端へ移動するときのビーム電流の著しいスパイク(波形802)、および、(ii)ビームが自身の移動方向を「左から右」から「右から左」へ反転させた後の、ビーム電流の実質的に等価なスパイク(波形812)、を示す。この場合、すなわち、左側カップによってキャプチャされた波形802、812では、ビーム電流の変化が分析されてよく、電流スパイクがビーム均一性測定閾値の外側にあると判定されうる。この場合、制御システムによる補正動作が必要とされるであろう。ビーム電流ドリフト、変化、および/または変動が、ビーム電流の絶対値としての、または以前の電流サンプルと比較した相対値としての、所定の閾値レベルを超える場合、ビーム電流サンプルが分析され、所定の注入サイクルを停止させるために使用されてもよい。例えば、制御システムは、(i)ウェハに対するさらなる注入を防止するためのロックアウト信号を生成するように、または、(ii)ビーム電流の変動を許容範囲内に低減するための動的(ダイナミック)フィードバック信号を1つまたは複数の光学素子に提供するように、構成されてよい。
図9には、表示素子からの別の例示的なスクリーンキャプチャが提供されている。図9は、ビームが第1方向および第2方向に複数回走査されるときに、チューニングカップによって生成された複数の波形904と組み合わせて、左側ファラデーカップおよび右側ファラデーカップによって生成された複数の波形902、906を示す。図9のケースでは、ビームが第1方向および逆の第2方向に進む場合、キャプチャされた波形は、互いに重ね合わされ、かつ、折り畳まれるように示される。この波形は、図8において示される波形の逐次的(直列的)な配置とは対照的である。時間および位置に依存するイオンビーム電流のビーム電流波形が表示されるように、複数のビーム電流測定値は、走査電流波形と同期させられる。さらに、監視されたビームサンプルを走査電流波形と同期させつつ、これらの波形を互いに重ね合わせることにより、走査方向に依存するビーム電流波形を生成できる。従って、例示的な実施形態では、表示素子155aは、好ましくは、カラー表示画面の形態によって提供される。右から左へのビームの走査動作に関連する波形は、第1色によって表示されてよく、左から右へのビームの走査動作に関連する波形は、第2色によって表示されてよい。
図9の代表的なスクリーンキャプチャでは、例えば、チューニングカップによってキャプチャされた波形904の中央部904a付近において、顕著なビーム電流変動が生じることが理解されよう。このことは、すでに記載したように、いわゆるゼロ磁界アノマリー(異常)に関連し、磁気スキャナシステムに関連する周知の問題である。あるいは、部分904aにおいて示されている変動は、ビームライン内の任意の様々なビーム光学コンポーネントに関連する他の要因と関連付けられてもよい。さらに、図9の代表的なスクリーンキャプチャは、例えば、ビームがチューニングカップの右側を通過するときのビーム電流に関連する波形セグメント904cが、波形セグメント904bとは対照的に有意に変化することを示す。波形セグメント904bも、ビームがチューニングカップの右側を通過するときのビーム電流と関連付けられる。これらの異なる波形部分は、ビームが第2方向に進行する期間における、第1方向におけるビームの進行と比較してのコントラストを表しうる。波形セグメント904bと波形セグメント904cとの間の変化は、例えば、走査されたビームが、ガス放出(ガス抜け)(outgassing)を引き起こすエンドステーションの右側の領域に衝突する(すなわち、ビームがエンドステーションの右側に存在するフォトレジスト汚染物質に衝突する)問題を示しうる。従って、ビームが方向を反転するが後続のビーム走査に至るほど長くない時間に亘って生じる短期間のガス放出エクスカーション中に、ビーム電流が負の(不利益な)影響を受けることがある。こうしたガス放出エクスカーションは、エンドステーション内において圧力サージまたは圧力降下を引き起こしうる。このことは、ある走査経路から次の走査経路までの比較的固定された時間中の、ビーム均一性における不整合(不一致)として現れうる。ビーム電流のこのような不均一性および/または変動は、(特に、第2方向のビームの動作に関連する部分での、スキャナから下流のビーム光学コンポーネントにおいて)ビームライン内の様々なビーム光学コンポーネントに関連する他の要因に関連付けられうることが理解されよう。本発明は、ビーム光学素子のうちの1つまたは複数への入力としての補正フィードバック信号の生成を含む、イオン注入システムの制御とともに、ビーム電流のサンプリングおよび高レベル解析を可能とする。あるいは、制御システムは、補足的な補正動作がなされうるように、ウェハに対するさらなる注入を防止するためのロックアウト信号を生成してもよい。
本発明の監視およびサンプリングシステムによってキャプチャされたビーム電流変動および/またはビーム電流変化は、イオン注入システムを動作させるように構成された制御システムへの入力として使用されてよいことが理解されよう。制御システムがない場合、イオンビームは、高ビーム電流または低ビーム電流もしくはイオンドーズスパイクによって生じた、ビーム電流の周期的変動を受けることがある。これらのスパイクは、散発的である場合もある。あるいは、これらのスパイクは、イオン注入器内の異なるソースから生成されうるビーム電流における周期的な変動により生じることもある。例えば、粒子汚染物質またはビーム形状の変動は、ビーム電流の予期せぬ急激かつ突発的な変動(変調)を誘発することがある。あるいは、機械的ソース(例:レンズ等のビーム処理コンポーネントにおける振動)が、系統的かつ反復可能な(反復的な)ビーム電流の変動(変調)を誘発することがある。特に、ビームラインコンポーネント(例:静電コンポーネント、磁気コンポーネント、または機械コンポーネント)内での変動は、基材におけるイオンビーム強度の変化を引き起こしうる。場合によっては、ビーム位置、ビームサイズ、および/またはビームダイバージェンスとビーム方向とは、イオンビームがビームラインを通って伝播するにつれて変動しうる。その結果、ビーム電流の変動(変調)をもたらすことがある。
制御システムは、(i)ビーム変化量を検出し、かつ、(ii)基材処理を中断させるためにイオン注入システムをインターロックおよび/またはシャットダウンさせる制御信号をトリガする(生成する)ことによって、これらの変動に対処してよい。あるいは、制御システムは、(i)ビーム変動を検出し、かつ、(ii)基材への不均一なイオン線量(イオンドーズ)の提供を回避するために、1つ以上のビーム光学コンポーネントに関連する1つ以上の電源に対する調整を誘導する診断ルーティングを可能にする制御信号をトリガすることによって、これらの変動に対処してもよい。特に、様々な実施形態において、システムは、ビーム電流変調を低減または排除するために、イオン注入器のパラメータを動的に調整できるように構成されている。その結果、より均一なイオンドーズが基材に提供される。従って、動的に調整されたイオンビームが基材に提供されてもよい。好ましくは、単位面積毎のイオンドーズが基材において均一となる、均一なイオンドーズがもたらさせる。
理解されるように、図1の制御システム154は、例えば、ビーム電流密度プロファイルおよびイオンビームの関連位置を分析し、かつ、それぞれの関連位置において基材に提供されるイオンビーム電流密度を決定するように構成されている。そして、制御システム154は、予測ドーズ均一性をさらに算出するように構成されている。コントローラは、予測ドーズ均一性が注入均一性基準と整合しない場合に、補正動作を実行するように、さらに構成されている。ある例示的な実施形態では、コントローラ154は、ビーム光学素子のうちの任意の1つを調整するように構成されてもよい。これによって、イオン注入サイクルの過程中に、リアルタイムで、またはインサイチュで、イオンビーム電流または電流密度を動的に調整できる。同様に、コントローラは、ビーム光学系の調整が、注入均一性基準における特定された不整合または不均一性を補正できない場合に、注入を停止するようにさらに構成されてよい。
そこで、図10に示すように、本開示は、ワークピースにイオンを均一に注入するための方法をさらに提供する。本明細書では、例示的な方法は、一連の動作またはイベントとして例示および説明されるが、本発明は、そのような動作またはイベントの例示された順序に限定されないことに留意されたい。一部のステップは、本明細書に図示および説明されたステップとは異なる順序で、および/または、本明細書には図示および説明されていない別のステップと同時に実行されうるためである。さらに、本発明に係る方法を実施するために、図示された全ての工程が必ずしも要求されなくともよい。さらに、当該方法は、本明細書において図示および説明されたシステムに関連して、また、例示されていない他のシステムとも関連して、実施されてもよい。当業者であれば、方法は、一連の相互に関係する状態またはイベントとして(例:状態図として)代替的に表されうることを理解および認識するであろう。
図10は、本発明に係るイオン注入システムの制御およびビーム電流均一性の制御のための、第1の例示的なフロー図1000を示す。フローは、ブロック1002から始まる。ブロック1002において、イオンビームが生成される。ブロック1004において、イオンビームは、複数のビーム光学素子によって輸送される。複数のビーム光学素子は、(静電的または磁気的な)スキャナを含む。複数のビーム光学素子は、イオン源引出・抑制電極(引出および抑制電極)、質量分析器、分解開口、ビーム集束素子、走査電極または他の偏向システム、平行化システム、角度エネルギーフィルタ、および/または電荷中和システムをさらに含んでいてもよい。ブロック1006において、複数の離散的なビーム電流測定値を提供するために、複数のビーム電流測定値がサンプリングされる。ある例示的な実施形態では、ビーム電流測定は、約250kHz以上のレートで実行されてもよい。ステップ1008において、これらの複数の離散的なビーム電流測定値は、それぞれの離散的なビーム電流測定値に応じた位置情報を提供するために、走査電流と関連(相関)付けられる。このビーム電流サンプルは、ビーム電流および位置を提供するために、走査電流の関数として収集される。例えば、サイドファラデーカップおよびチューニングファラデーカップが、イオンビームの位置およびワークピースの物理的寸法に基づいてイオンビームに露出されるように、動作1006はイオンビームの走査と同時に実行される。その結果、動作1008において、ビーム電流密度プロファイルは、(i)ワークピースと、(ii)複数のサイドファラデーカップおよびチューニングファラデーカップと、に対するイオンビームの位置と関連付けられる。
次に、フローはブロック1010に進む。ブロック1010では、イオンビームサンプル測定値に対する分析が実行される。ステップ1012において、現在の電流サンプルが先行する(前の)電流サンプルに対して閾値を超えているか否かについての判定がなされる。判定結果がnoである場合(すなわち、閾値を超えていない場合)、フローは進む。そして、後続のビーム電流測定値が、サンプリングおよび分析される。判定結果がyesである場合(すなわち、閾値を超えている場合)、フローはブロック1014に進む。ブロック1014では、イオン注入プロセスがインターロックまたは停止される。
図11は、本発明に係るイオン注入システムの制御およびビーム電流均一性の制御のための、例示的な代替のフロー図1100を示す。図10に示されたフロー図と同様に、フローはブロック1102から始まる。ブロック1102では、イオンビームが生成される。ブロック1104では、図10に関して説明した方法と同様に、イオンビームが複数のビーム光学素子によって輸送される。ブロック1106において、ビーム電流サンプルの位置を決定するために、複数のビーム電流測定値が、走査システムの走査電流と同期してサンプリングされる(ブロック1108)。次に、フローはブロック1110に進む。ブロック1110では、イオンビームサンプル測定値に対する分析が実行されてよい。ステップ1112では、ブロック1110において実行された分析に基づいて、現在の電流サンプルが先行する電流サンプルに対して閾値を超えているか否かの判定がなされる。判定結果がyesである(すなわち、閾値を超えている場合)、フローはブロック1114に進む。ブロック1114では、ビームライン上の光学素子のうちの少なくとも1つに印加されるバイアス電圧を変化させるための制御信号が生成される。従って、この処理のフローによれば、ドーズ均一性が所定の注入均一性基準と整合(一致)しない場合、イオンビームを動的に修正できる。図11に示すように、不均一性閾値による判定は、ステップ1112に戻るように循環する(場合によっては、ステップ1106に戻り信号を再測定および再分析する)ことにより、継続することが理解されよう。ビーム光学系の調整によって注入均一性基準の逸脱(違反)が補正されなかった場合に、注入が図10に関して説明した方法によって停止されるように、制御信号が生成された後、注入は停止される。このように、適切な制御信号を生成するために複数の試行がなされてよい。これにより、イオン注入器のパラメータを適切に調整できる。試行回数が所定の回数を超えた場合、フローは、イオン注入プロセスがインターロックまたは停止されるステップに進んでよい。
理解されるように、本発明を利用して、複数のワークピースに亘るイオンビームのビーム電流密度プロファイルおよび関連位置を分析し、かつ、それぞれの関連位置におけるイオンビームのビーム電流均一性を決定できる。コントローラは、ドーズ均一性が注入均一性基準を逸脱した場合に、補正動作を実行するように、さらに構成されている。本発明をさらに利用して、様々なビーム光学素子を調整できる。これにより、ドーズ均一性が注入均一性基準を逸脱した場合に、イオンビームを動的に修正できる。同様に、本発明をさらに利用して、光学素子の調整によって注入均一性基準を補正できなかった場合に、注入プロセスを停止させてもよい。
本発明は、所定の好ましい1つまたは複数の実施形態に関して図示および説明されているが、本明細書および添付の図面を読み理解すれば、同等の変更および修正が当業者によって想到されることは自明である。特に、上述のコンポーネント(アセンブリ、装置、回路等)によって実行される様々な機能に関して、そのようなコンポーネントを説明するために使用されるターム(「手段」(means)への言及を含む)は、特に明示されない限り、たとえ本明細書にて図示された例示的な実施形態において上記機能を実行する開示された構成と構造的に同等ではない場合においても、説明されたコンポーネントの特定された機能を実行する(すなわち、機能的に同等である)任意のコンポーネントに対応することが意図されている。さらに、複数の実施形態のうちの1つだけに関して、本発明の特定構成が開示されているが、このような構成は、任意の所定または特定の用途に望ましく好都合であれば、他の実施形態の1つまたは複数の他の構成と組み合わせられてよい。
本発明の様々な態様に係る例示的なイオン注入システムのブロック図である。 図1のイオン注入システムにおいて使用されうるタイプのスキャナの一実施形態である。 図2Aの走査コイルへの入力のための三角形の走査電流波形の一実施形態である。 図2Bの走査電流波形によって生成された、図2Aのスキャナにおいて得られた磁界波形の一実施形態である。 複数の離散的な時点において、図2Aのシステム内のワークピースに衝突する走査イオンビームを示す斜視図である。 本開示の一例において、ワークピースの表面に衝突するイオンビームの平面図である。 本発明の別の態様において、サイドファラデーカップおよびチューニングファラデーに関連する測定ビーム電流波形を示す。 ワークピースに供給されるビーム電流の均一性に影響を及ぼしうる様々な断面形状を有するイオンビームを示す図である。 離散的な時点におけるスポットビームの例示的な特異サンプルを示す(当該特異サンプルでは、ビームが、その両端間に不均一な電流密度を有する)。 図6の断面イオンビーム形状に関連するイオンビームプロファイルを示す。 離散的な時点におけるスポットビームの例示的な特異サンプルを示す(当該特異サンプルでは、ビームが、その両端間に不均一な電流密度を有する)。 図7の断面イオンビーム形状に関連するイオンビームプロファイルを示す。 グラフィックユーザインターフェースデバイスからの例示的なスクリーンキャプチャであり、左側ファラデーカップおよび右側ファラデーカップによって生成される波形と、チューニングカップによって生成される波形とを示し、スキャナに入力される走査電流波形をさらに示す。 グラフィックユーザインタフェースデバイスからの例示的なスクリーンキャプチャであり、左側ファラデーカップおよび右側ファラデーカップによって生成された波形を、チューニングカップによって生成された、ウェハ上のビーム電流サンプルの位置の関数としての波形と組み合せて示す。 本発明の一態様において、イオン注入システムの制御のためにビーム電流サンプルを分析および監視するための方法を示す。 本発明の別の態様において、ビーム電流サンプルを分析および監視し、かつ、走査イオンビーム注入器にイオンを均一に注入するための別の方法を示す。

Claims (23)

  1. イオン注入システムにおけるイオンビーム均一性を制御するための方法であって、
    イオンビームを発生させる工程と、
    上記イオンビームをワークピースに向けて輸送する工程と、
    走査イオンビームを発生させるために、第1軸に沿って上記イオンビームを走査する工程と、
    上記イオンビームが上記ワークピースに向けて輸送される場合に当該イオンビームを選択的にステアリングおよび/または整形する、少なくとも1つのビーム光学素子を設ける工程と、
    複数のイオンビーム電流サンプルを供給するために、上記イオンビームをサンプリングする工程と、
    上記走査イオンビームに対応する位置および方向の情報を供給するために、上記イオンビーム電流サンプルを走査電流と関連付ける工程と、
    上記複数のイオンビーム電流サンプルの不均一性を検出するために、当該複数のイオンビーム電流サンプルを分析する工程と、
    上記分析する工程に応じて制御信号を生成する工程と、
    を含んでいる、方法。
  2. 上記制御信号は、上記イオン注入システムにおけるイオンビーム輸送をインターロックするための信号を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  3. 上記制御信号は、上記イオンビームの有効断面形状の変化を制御するために、上記少なくとも1つのビーム光学素子に対する入力を変化させるための信号を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  4. 上記分析する工程は、上記複数のイオンビーム電流サンプルのうちの少なくとも1つを、以前のイオンビーム電流サンプルと比較する工程を含んでおり、
    上記複数のイオンビーム電流サンプルにおいて検出された不均一性が所定の閾値を超えた場合に、上記生成する工程が開始される、請求項1に記載の方法。
  5. 上記分析する工程は、上記複数のイオンビーム電流サンプルのうちの少なくとも1つを、予測不均一性仕様と比較する工程を含んでおり、
    上記複数のイオンビーム電流サンプルにおいて検出された不均一性が上記予測不均一性仕様を超えた場合に、上記生成する工程が開始される、請求項1に記載の方法。
  6. (i)上記複数のビーム電流密度サンプルと、(ii)複数のワークピースに対する複数の走査に応じた上記イオンビームの関連位置と、を記憶する工程をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  7. 上記少なくとも1つのビーム光学素子は、上記イオンビームの有効断面形状を変化させる、請求項1に記載の方法。
  8. イオン注入システムであって、
    イオンビームを発生させるためのイオン源と、
    ワークピースを保持するエンドステーションに向かうビーム経路に沿って、上記イオンビームを輸送するビームラインと、
    上記ビームラインに沿って配置されており、かつ、上記イオンビームが上記ワークピースに向けて輸送される場合に当該イオンビームを選択的にステアリング、偏向、および/または整形する、複数のビーム光学素子と、
    複数のイオンビーム電流サンプルを供給するために、上記イオンビームをサンプリングするビームサンプリングシステムと、
    上記ビーム電流密度サンプルを分析して当該ビーム電流密度サンプルの不均一性を検出するとともに、検出された不均一性に応じて制御信号を生成するコントローラと、
    を備えている、イオン注入システム。
  9. 上記ビームサンプリングシステムは、上記イオンビームと交わる複数のファラデーカップをさらに含んでいる、請求項8に記載のイオン注入システム。
  10. 上記複数のファラデーカップは、上記ワークピースの周囲に近接して配置された、少なくとも1つのサイドファラデーカップを含んでいる、請求項9に記載のイオン注入システム。
  11. 上記複数のファラデーカップは、上記ビーム経路に沿って上記ワークピースの下流に配置された、少なくとも1つのチューニングファラデーカップを含んでいる、請求項9に記載のイオン注入システム。
  12. 上記コントローラは、上記ワークピースに対する上記イオンビームの位置を関連付ける、請求項8に記載のイオン注入システム。
  13. 上記ワークピースに対する上記イオンビームの上記位置に関連付けられたビーム電流密度プロファイルを記憶する記憶デバイスをさらに含んでいる、請求項12に記載のイオン注入システム。
  14. 上記コントローラは、上記複数のイオンビーム電流密度サンプルにおいて検出された不均一性が所定の閾値を超えたことに応じて、制御信号を生成する、請求項8に記載のイオン注入システム。
  15. 上記制御信号は、上記イオン注入システムにおけるイオンビーム輸送を中断させるためのインターロック信号を含んでいる、請求項14に記載のイオン注入システム。
  16. 上記制御信号は、上記イオンビームの有効断面形状の変化を制御するために、上記複数のビーム光学素子のうちの少なくとも1つに対する入力を変化させるための信号を含んでいる、請求項14にイオン注入システム。
  17. 上記複数のビーム光学素子は、上記イオンビームの有効断面形状を変化させる、請求項8に記載のイオン注入システム。
  18. ワークピースにイオンを均一に注入するための方法であって、
    イオンビームを発生させる工程と、
    ビーム経路に沿って上記イオンビームを輸送する工程と、
    上記イオンビームが上記ビーム経路に沿って輸送される場合に当該イオンビームに作用する、少なくとも1つのビーム光学素子を設ける工程と、
    走査イオンビームを発生させるために上記イオンビームを走査する工程と、
    上記イオンビームが上記ワークピースの表面に対して走査される場合に、複数の異なるイオンビーム電流密度サンプルを取得することにより、ビーム電流密度の変動を検出するために上記走査イオンビームをサンプリングする工程と、
    上記複数の異なるイオンビーム電流密度サンプルを、上記ワークピースに対する上記イオンビームの位置と関連付ける工程と、
    それぞれの関連位置における上記イオンビーム電流密度を決定するために、上記イオンビーム電流密度サンプルおよび上記イオンビームの関連位置を分析する工程と、
    現在のイオンビーム電流密度サンプルを先行するイオンビーム電流密度サンプルと比較する工程と、
    上記比較する工程に応じて制御信号を生成する工程と、
    を含んでいる、方法。
  19. 上記制御信号は、
    上記比較する工程が、上記先行するイオンビーム電流密度サンプルに関する閾値を超える現在のイオンビーム電流密度サンプル値をもたらす場合に、上記注入を停止させるための信号を含んでいる、請求項18に記載の方法。
  20. 上記制御信号は、
    上記イオンビームが上記ビーム経路に沿って輸送される場合に、当該イオンビームに作用する少なくとも1つのビーム光学素子に印加されるバイアス電圧を調整するための信号を含んでいる、請求項18に記載の方法。
  21. 上記制御信号は、
    上記比較する工程が、予測イオンビーム電流密度波形と整合しないイオンビーム電流密度サンプル値をもたらす場合に、上記注入を停止させるための信号を含んでいる、請求項18に記載の方法。
  22. 上記制御信号は、
    上記比較する工程が、予測イオンビーム電流密度波形と整合しないイオンビーム電流密度サンプル値をもたらす場合に、上記イオンビームが上記ビーム経路に沿って輸送されるときに、当該イオンビームに作用する少なくとも1つのビーム光学素子に印加されるバイアス電圧を調整するための信号を含んでいる、請求項18に記載の方法。
  23. イオン注入システムであって、
    ワークピースを保持するエンドステーションに向かうビーム経路に沿って、イオンビームを導くビームラインと、
    ファストスキャン方向にワークピースの表面を横断させるようにイオンビームを走査する走査システムと、
    上記イオンビームが走査される上記エンドステーションに向けて導かれている場合に当該イオンビームを曲げ、偏向させ、集束させ、または修正する、少なくとも1つのビーム光学素子と、
    上記イオンビームが上記ファストスキャン方向に走査される場合に、当該イオンビームのビーム電流密度をサンプリングするビームサンプリングシステムと、
    コントローラと、を備えており、
    上記ビームサンプリングシステムは、
    上記ワークピースの周囲に配置された複数のサイドファラデーカップと、
    上記ビーム経路に沿って上記ワークピースの下流に配置されたチューニングファラデーカップと、を有しており、
    上記コントローラは、
    (i)上記ワークピースに対する上記イオンビームの位置に関するビーム電流密度値を供給するために、上記ビームサンプリングシステムの出力を分析し、かつ、当該出力を上記走査システムと関連付けるとともに、
    (ii)上記イオンビームの予測線量均一性を算出し、
    上記コントローラは、さらに、
    サンプリングされたイオンビーム値が上記予測線量均一性と整合しない場合、制御信号を供給する、イオン注入システム。

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