JP2019531888A - 粉砕ローラー - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、岩、石炭、セメントクリンカー、又はいかなる他の関連材料(スラグなど)の材料を粉砕するための垂直軸破砕機のための粉砕ローラーに関する。これらのローラーは特に、ローラーの作用表面の近くに配置された特別な形状の強化インサートのおかげで耐摩耗性であり、全作用表面にわたる一定で均一な摩耗を可能にし、従って長い寿命を可能にする。
垂直軸破砕機のための粉砕ローラーは、当業者には周知である。これらのローラーは一般的に、比較的延性の鋳鉄から作られており、その中に、極めて耐摩耗性の材料(一般的には、クロム鋳鉄であり、これは時にはセラミック粒子を含む)から作られたインサートが、粉砕中に最も応力を受ける表面を強化するために含まれている。
本発明は、インサートによって強化されたローラーであって、その輪郭が特定の設計から利益を得ており、局所的で断続的な摩耗を回避しながら、ローラーの全作用表面の一定の摩耗を生じさせるローラーを提案する。これらのローラーは、故障の危険性を最小化して製造コストを低下させながらも、長期間の間、破砕機の満足できる性能を維持することを可能にする。
本発明は、金属マトリックスの鋳物鋳造によって製造された、垂直軸破砕機のための粉砕ローラーであって、前記粉砕ローラーは、その周囲に複数の強化インサートを含み、同じインサートの周囲表面の複数の部分は、摩耗応力に基づいて作用表面(work surface)から距離d1又はd2に配置されており、前記粉砕ローラーは、
− 高い摩耗応力を受ける少なくとも一つの領域Z1であって、前記粉砕ローラーの作用表面の近くに距離d1で配置されているインサートの少なくとも一つの部分を有する領域と;
− 低い摩耗応力を受ける領域Z2であって、前記粉砕ローラーの前記作用表面に対して引っ込ませられた(set back)距離d2で配置されているインサートの部分を有する領域
とを含み、d1<d2であることを特徴とする粉砕ローラーを開示する。
− 前記粉砕ローラーが、領域Z1と領域Z2を接続する少なくとも一つの中間領域Z3を含む;
− d1が10mm未満、好ましくは5mm未満であり、d2が10mmより大きいか又は10mmに等しく、好ましくは20mmより大きい;
− d1=0である;
− 前記粉砕ローラーが、対称的に使用されることを意図されるローラーのために、低い摩耗応力を受ける領域Z2の両側に配置された二つの高い摩耗応力を受ける領域Z1を含む;
− インサートが、作用表面に向かって配向された面の上にセラミック強化材を含む;
− インサートが、60体積%までのセラミック粒子を含む;
− セラミック粒子が、アルミナ、ジルコニア、アルミナ−ジルコニア、及び/又は金属炭化物を含む;
− 前記粉砕ローラーが、切頭円錐形である。
垂直軸破砕機は、当業者には公知である。様々なタイプのものがあるが、それらは一般的に、粉砕させるべき材料が供給される垂直軸の周りに回転するテーブルを含む。破砕機は、複数の極めて重い大歯車を備えている。これらは一般的に、円筒形であるか又は切頭円錐形であり、「ローラー」と称され、テーブルの上に配置される。テーブルが回転すると、粉砕されるべき材料は、遠心力によってその外側に向かって駆動され、ローラーとテーブルの間を通過する。
・ 溶接によって再充填されることができる鋼鉄のローラーの使用。この解決策は、最大の摩耗を受けた場所においてローラーを再充填して、ローラーの元の輪郭を少なくとも部分的に再確立することを可能にする。この解決策の欠点は、作業に関連するコスト及び生産性の損失、及びローラーを再充填するための中断時間である。さらに、作業ごとに破壊の危険性が増大すると仮定すると、可能な再充填の数は、制限される。
・ セラミック粒子を埋め込まれた高クロム含有量の鋼鉄のローラーも、寿命を増大させるために使用されている。しかし、高クロム含有量の鋼鉄のローラーは、脆く、作動中に破損することがある。さらに、局所的な摩耗、及びそれに関連する出力損失の問題は、解決されないままである。
・ EP1570905A1は、複数の周囲インサートを含む粉砕ローラーを開示する。これらのインサートは、高い耐摩耗性及び高い硬度を有する材料から作られており、延性材料から作られた鋳造マトリックス中に機械的に封止されており、高い摩耗応力を受ける第1領域及び低い摩耗応力を受ける第2領域を有する。第1領域において、ローラーは、隣接部分を含むインサートをその周囲面に有し、第2領域において、ローラーは、非隣接部分を有する。この提案は、特にセメント破砕機では、期待される結果をもたらさない。
− 少ない量の高クロム鋼(HiCr)しか必要でない。なぜなら、インサートの輪郭は今や、摩耗に徐々に対向する「有用な」輪郭に従って構成されているからである。これに対して、従来技術のローラーは、その全厚さにわたって不必要に強化されていた。従って、製造コストは低く、ローラーは破損に対して一層抵抗性である。
− 上述のように、その全幅にわたるローラーの均一な摩耗は、インサートにおける摩耗の開始が観察されるときにローラーをテーブルの近くにもってくることを可能にする。これは、粉砕出力を増大させる。
2.インサート
3.ローラーの作用表面
Z1:ローラーの使用開始時の最大摩耗応力領域
Z2:ローラーの使用開始時の最小摩耗応力領域
Z3:領域Z1と領域Z2の間の移行領域
d1:元の強化表面(新しい、新品の未使用の状態におけるローラーの周囲表面)と領域Z1における強化インサートとの間の距離
d2:元の強化表面(新しい、新品の未使用の状態におけるローラーの周囲表面)と領域Z2における強化インサートとの間の距離
Claims (9)
- 金属マトリックスの鋳物鋳造によって製造された、垂直軸破砕機のための粉砕ローラー(1)であって、前記粉砕ローラー(1)は、その周囲に複数の強化インサート(2)を含み、同じインサートの周囲表面の複数の部分は、摩耗応力に基づいて作用表面(3)から距離d1又はd2に配置されており、前記粉砕ローラー(1)は、
− 高い摩耗応力を受ける少なくとも一つの領域Z1であって、前記粉砕ローラーの作用表面(3)の近くに距離d1で配置されているインサート(2)の少なくとも一つの部分を有する領域と;
− 低い摩耗応力を受ける領域Z2であって、前記粉砕ローラーの前記作用表面(3)に対して引っ込ませられた距離d2で配置されているインサートの部分を有する領域
とを含み、d1<d2であることを特徴とする粉砕ローラー。 - 領域Z1と領域Z2を接続する少なくとも一つの中間領域Z3を含むことを特徴とする、請求項1に記載の粉砕ローラー(1)。
- d1が10mm未満、好ましくは5mm未満であり、d2が10mmより大きいか又は10mmに等しく、好ましくは20mmより大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の粉砕ローラー(1)。
- d1=0であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の粉砕ローラー(1)。
- 対称的に使用されることを意図されるローラーのために、低い摩耗応力を受ける領域Z2の両側に配置された二つの高い摩耗応力を受ける領域Z1を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の粉砕ローラー(1)。
- インサート(2)が、作用表面(3)に向かって配向された面の上にセラミック強化材を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の粉砕ローラー(1)。
- インサート(2)が、60体積%までのセラミック粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の粉砕ローラー(1)。
- セラミック粒子が、アルミナ、ジルコニア、アルミナ−ジルコニア、及び/又は金属炭化物を含むことを特徴とする、請求項7に記載の粉砕ローラー(1)。
- 前記粉砕ローラーが、切頭円錐形であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の粉砕ローラー(1)。
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