JP2019529735A - 長く均一な組換えタンパク質繊維 - Google Patents
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Abstract
本開示は、望ましい物理特性を有する改善された長く均一な組換えタンパク質繊維を提供する。本開示はまた、長く均一な組換えタンパク質繊維由来の組成物を提供する。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2016年9月14日に出願された米国仮特許出願第62/394,683号の恩典を主張し、この開示は参照により本明細書に組み入れられる。
本出願は、2016年9月14日に出願された米国仮特許出願第62/394,683号の恩典を主張し、この開示は参照により本明細書に組み入れられる。
技術分野
本開示は、概して、組換えタンパク質繊維に関する。具体的には、本開示は、組換えタンパク質繊維の物理特性、機械特性および化学特性の、増加した均一性に関する。
本開示は、概して、組換えタンパク質繊維に関する。具体的には、本開示は、組換えタンパク質繊維の物理特性、機械特性および化学特性の、増加した均一性に関する。
背景
スパイダーシルク中のポリペプチドから合成されるものなどの、組換えタンパク質繊維は、商業規模での製作における困難、ならびにスレッド、糸および布へ製造可能である繊維の生成における技術的課題のために、市販されていない。
スパイダーシルク中のポリペプチドから合成されるものなどの、組換えタンパク質繊維は、商業規模での製作における困難、ならびにスレッド、糸および布へ製造可能である繊維の生成における技術的課題のために、市販されていない。
様々な有用な特性を有する、生成され得る多くのタイプの組換えタンパク質繊維がある。
一例は、スパイダーシルクタンパク質およびタンパク質断片を改変することによって設計されたタンパク質から作製された、組換えタンパク質繊維である。スパイダーシルクは、カイコシルクに適用される同じ方法を使用して商業的に飼育および採取することができない。これは一部、攻撃的で縄張りを持つクモの性質による。従って、合成的に生成されるスパイダーシルクが、ほぼ間違いなく費用効果が高く、実行可能な商業化への道筋である。
クモの一種は様々な繊維を作り出し、そのそれぞれが、異なる機能のために使用される。これらの異なる機能の例には、ドラグライン、クモの巣の捕獲渦、獲物の固定、および卵嚢を保護するためのシルクが含まれる。ドラグラインシルクはひときわ優れた機械特性を有する。これらは、その重量および直径の割には非常に強く、また、高い伸び率と共に高い最大引張強度の組み合わせを示す。
アミノ酸組成およびタンパク質構造は、シルクのタイプおよびクモの種類の間でかなり異なる。例えば、円網を張るクモは、環境ニッチまたはライフサイクルニッチに適合するように調整された繊維へと重合される異なるシルクポリペプチド配列を生成する、6つの特有のタイプの腺を有する。繊維は、それらが生じる腺にちなんで名付けられ、ポリペプチドには、腺の略記が付けられる(例えば、スピドロイン(クモフィブロインの短縮形)については「Sp」)。円網を張るクモの場合、例には、大瓶状腺(Major Ampullate)(MaSp、ドラグラインとも呼ばれる)、小瓶状腺(Minor Ampullate)(MiSp)、鞭状腺(Flagelliform)(Flag)、葡萄状腺(Aciniform)(AcSp)、管状腺(Tubuliform)(TuSp)、および梨状腺(Pyriform)(PySp)が含まれる。
繰り返しドメインが、(おそらくαヘリックスおよび/またはβターンを含む)繊維の非晶領域に関連するグリシンリッチ領域と、繊維のβシート結晶領域に関連するポリアラニン領域とを含む、円網を張るクモのMaSpドラグラインシルク(例えば、ネフィラ・クラヴィペス(Nephila clavipes)MaSp1)の一般的なクラスが存在する。アミノ酸組成および配列、ならびに繊維形成の詳細のいずれもが繊維の機械特性に影響を与える。
現在、組換えシルク繊維は市販されておらず、ひと握りの例外はあるが、大腸菌(Escherichia coli)および他のグラム陰性原核生物以外の微生物においては生成されていない。現在までに生成された組換えシルクは、大部分が、時にはNTDおよび/またはCTDと組み合わせられた、重合された短いシルク配列モチーフまたは天然繰り返しドメインの断片のいずれかからなるものであった。これらの方法は、細胞内発現およびクロマトグラフィーまたはバルク析出による精製を用いて、小規模の組換えシルクポリペプチド(実験室規模で数ミリグラム、バイオプロセッシング規模で数キログラム)を生成することができるが、商業生産に必要な体積の規模になっていない。シルクポリペプチドを作るために利用された追加の産生宿主には、トランスジェニックヤギ、トランスジェニックカイコ、および植物が含まれる。同様に、これらの宿主は、商業規模のシルクの生産を可能にしていない。
組換えタンパク質繊維についての連続紡糸法の開示がある。いくつかの参考文献は、組換えタンパク質繊維の連続紡糸システムを一般に開示しているが、いずれの参考文献も、連続法によって生成される繊維の実施例を実際には開示していない。参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第7,868,146号(特許文献1)、同第7,335,739号(特許文献2)、同第8,979,992号(特許文献3)、同第9,023,142号(特許文献4)、同第9,051,453号(特許文献5)、PCT/JP2013/062429(特許文献6)、および米国特許出願公開第2003/0201560号(特許文献7)、同第2007/0256250号(特許文献8)、同第2005/0054830号(特許文献9)を参照のこと。全ての実施例(例えば、PCT/JP2013/062429(特許文献6)、および米国特許出願公開第20050054830号(特許文献9)の実施例)が、長い連続繊維に必要な体積を分配することができるより大きな容器ではなく、シリンジから分配される紡糸ドープを使用して生成されている。その結果として、繊維は、不十分な均一性、不十分な再現性またはその両方に見舞われる。
実験室規模でのシリンジベースのアプローチは、非常に可変的な機械特性を有する繊維を生成する。例えば、ワイオミング大学、アリゾナ州立大学、サンディア国立研究所およびユタ州立大学の共同研究は、4つの異なるスパイダーシルク由来タンパク質を、大腸菌(E. coli)を使用して小規模で産生した研究を公表した。An et al., Biomacromolecules 2012, 13, 3938-3948(非特許文献1)。精製のために使用された細胞懸濁液体積はおよそ800mLであり、紡糸装置は1mLシリンジを利用し、ここから繊維を紡糸した。このアプローチは、2〜3m長の繊維を生じさせた。次いで、これらの繊維は、目に見える大きな欠陥を排除するために眼によって検査され、2cm長の部分が分析のために選択された。これらの小規模方法によって生成された紡糸されたままの(as-spun)繊維の機械特性は、強度について40%、伸びについて36%、および靭性について59%の、平均変動係数(CV)を有した。これらの小規模方法によって生成された延伸された(即ち、ストレッチされた)繊維の機械特性は、強度について35%、伸びについて88%、および靭性について97%の、平均変動係数(CV)を有した。平均CVは、この場合、紡糸ドープ中に使用された4つの異なるタンパク質の平均CVを指す。さらに、これらの繊維の平均強度は、商業的な糸およびファブリック生産に不十分であった。
哺乳動物細胞を使用して少量でスパイダーシルク由来タンパク質を生成した別の研究も、非常に可変的な機械特性を有する繊維を生成した。Lazaris et al., Science 295, Jan 18, 2002, 472-476(非特許文献2)。同じ生成方法由来の7つの繊維が試験され、0.895gpdの平均靭性、および61%のCVを有した。
繊維、糸およびファブリックについて開発された種々の試験法が存在する。米国繊維化学技術・染色技術協会(American Association of Textile Chemists and Colorists)(AATCC)は、繊維および布についての一連の試験を開発した。標準AATCC試験は、布分野の当業者に公知であり、2016 AATCC技術マニュアル(ISBN 978-1-942323-01-3)(非特許文献3)に見出すことができ、参照によりそれらの全体が組み入れられる。
組換えタンパク質繊維を含む商品を製造するために、大量の均一な繊維を低コストで製造するための方法が必要である。必要なものは、従って、均一な特性を有する組換えタンパク質繊維を製造するための大規模な方法であり、ここで、それらの特性は、商業的な紡糸および布生産に適しているものである。
下記は本発明を実施するための具体的な態様の実施例である。実施例は、説明の目的のためにのみ提供され、本発明の範囲を限定するようには決して意図されない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確度を保証する努力がなされたが、当然ながら、いくらかの実験誤差および偏差が許容されるべきである。
実施例において用いられる試薬は、一般に市販されているか、または当技術分野において公知の市販されている機器、方法もしくは試薬を使用して調製され得る。前述の実施例は、本明細書に記載される様々な局面および本明細書に記載される方法の実施を説明する。実施例は、本発明の多くの異なる態様の網羅的な記載を提供するようには意図されない。従って、前述の発明は明瞭な理解の目的のために説明および例によって多少詳細に記載されたが、当業者は、多くの変更および改変が、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなくなされ得ることを容易に理解するだろう。
An et al., Biomacromolecules 2012, 13, 3938-3948
Lazaris et al., Science 295, Jan 18, 2002, 472-476
2016 AATCC技術マニュアル(ISBN 978-1-942323-01-3)
概要
いくつかの態様において、少なくとも600mの連続繊維長を含む、長く均一な組換えタンパク質繊維であって、ここで、繊維の平均特性が:12cN/tex以上のテナシティー;6dtex以下の線密度;長さに沿って15%未満のテナシティーの変動係数;および、長さに沿って20%未満の線密度の変動係数を含み、ここで、テナシティーがASTM D3822-14を使用して測定され、かつ、線密度がASTM D1577を使用して測定される、長く均一な組換えタンパク質繊維を、本明細書に提供する。
いくつかの態様において、少なくとも600mの連続繊維長を含む、長く均一な組換えタンパク質繊維であって、ここで、繊維の平均特性が:12cN/tex以上のテナシティー;6dtex以下の線密度;長さに沿って15%未満のテナシティーの変動係数;および、長さに沿って20%未満の線密度の変動係数を含み、ここで、テナシティーがASTM D3822-14を使用して測定され、かつ、線密度がASTM D1577を使用して測定される、長く均一な組換えタンパク質繊維を、本明細書に提供する。
いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維の長さは少なくとも50mである。いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維の長さは少なくとも650mである。
いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維のテナシティーは、組換えタンパク質繊維の長さに沿って10%未満の変動係数を有する。いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維の線密度は、組換えタンパク質繊維の長さに沿って15%未満の変動係数を有する。
いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維の平均破壊点伸びは25%より大きく、かつ、組換えタンパク質繊維の破壊点伸びは組換えタンパク質繊維の長さに沿って35%未満の変動係数を有する。
いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維の平均初期モジュラスは480cN/texより大きく、かつ、組換えタンパク質繊維の初期モジュラスは、長さに沿って5%未満の変動係数を有する。
いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維の平均伸びは24%より大きく、かつ、組換えタンパク質繊維の伸びは、組換えタンパク質繊維の長さに沿って45%未満の変動係数を有する。
いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維の平均破断仕事量は3cN*cmより大きく、かつ、組換えタンパク質繊維の破断仕事量は組換えタンパク質繊維の長さに沿って50%未満の変動係数を有する。
いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維の平均破断点力は7cNより大きく、かつ、組換えタンパク質繊維の破断点力は組換えタンパク質繊維の長さに沿って25%未満の変動係数を有する。
いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維は、組換えタンパク質パウダーを含むドープを湿式紡糸することによって生成される。いくつかの態様において、組換えタンパク質パウダーは、65質量%未満のタンパク質性ブロックコポリマーである。
いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維は、繰り返し単位を含むタンパク質配列を含み、各繰り返し単位は、2〜20個の準繰り返し単位を含む配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、
各準繰り返し単位は、{GGY-[GPG-X1]n1-GPS-(A)n2}を含む組成を有し、ここで、各準繰り返し単位について、X1は、SGGQQ、GAGQQ、GQGPY、AGQQ、およびSQからなる群より独立して選択され;かつ、n1は4〜8であり、かつn2は6〜10である。いくつかの態様において、n1は、準繰り返し単位の少なくとも半数について4〜5である。いくつかの態様において、n2は、準繰り返し単位の少なくとも半数について5〜8である。
各準繰り返し単位は、{GGY-[GPG-X1]n1-GPS-(A)n2}を含む組成を有し、ここで、各準繰り返し単位について、X1は、SGGQQ、GAGQQ、GQGPY、AGQQ、およびSQからなる群より独立して選択され;かつ、n1は4〜8であり、かつn2は6〜10である。いくつかの態様において、n1は、準繰り返し単位の少なくとも半数について4〜5である。いくつかの態様において、n2は、準繰り返し単位の少なくとも半数について5〜8である。
いくつかの態様において、各準繰り返し単位は、MaSp2ドラグラインシルクタンパク質サブ配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの態様において、繰り返し単位はSEQ ID NO: 1を含む。
いくつかの態様において、組換えタンパク質配列は、アラニンリッチ領域およびグリシンリッチ領域を含み、ここで:アラニンリッチ領域は、複数のナノ結晶性βシートを形成し;かつ、グリシンリッチ領域は、複数のβターン構造を形成する。
いくつかの態様において、組換えタンパク質繊維の線密度およびテナシティーは、FAVIMAT繊維引張試験装置モデルFavimat+およびRobot2を使用して測定される。
いくつかの態様において、組換え繊維は、MaSp2ドラグラインシルクタンパク質ではない。
いくつかの態様において、本明細書に提供される組換えタンパク質繊維を含む糸を本明細書においてさらに提供し、ここで、糸はフィラメント糸である。いくつかの態様において、糸は紡績糸である。いくつかの態様において、糸はブレンド糸である。
いくつかの態様において、本明細書に提供される組換えタンパク質繊維を含む糸を含む布を本明細書においてさらに提供し、ここで、布は編み布である。いくつかの態様において、布は、丸編みの布、平編みの布、または経編みの布である。
いくつかの態様において、本明細書に提供される組換えタンパク質繊維を含む糸を含む布を本明細書においてさらに提供し、ここで、布は織布である。いくつかの態様において、布は、平織りの布、ドビー織りの布、またはジャカード織りの布である。
いくつかの態様において、本明細書に提供される組換えタンパク質繊維を含む糸を含む布を本明細書においてさらに提供し、ここで、布は不織布である。いくつかの態様において、布は、ニードルパンチ布、スパンレース布、湿式布、乾式布、メルトブロー布、または3Dプリントされた不織布である。
図は、説明の目的のためにのみ、本開示の様々な態様を描写する。当業者は、本明細書において説明される構造および方法の代替の態様が、本明細書に記載される原理から逸脱することなく用いられ得ることを、以下の議論から容易に認識するだろう。
定義
組換えタンパク質繊維(RPF)は、組換えタンパク質から生成される繊維である。いくつかの場合においては、RPFを構成するタンパク質は、連結された繰り返し単位および準繰り返し単位を含有し得る。繰り返し単位は、ポリペプチド内で正確に繰り返されるアミノ酸配列として定義される。準繰り返しは厳密ではない繰り返しであり、即ち、準繰り返しと準繰り返しとの間でいくらかの配列変化が存在する。各繰り返しは、連結された準繰り返しから構成され得る。
組換えタンパク質繊維(RPF)は、組換えタンパク質から生成される繊維である。いくつかの場合においては、RPFを構成するタンパク質は、連結された繰り返し単位および準繰り返し単位を含有し得る。繰り返し単位は、ポリペプチド内で正確に繰り返されるアミノ酸配列として定義される。準繰り返しは厳密ではない繰り返しであり、即ち、準繰り返しと準繰り返しとの間でいくらかの配列変化が存在する。各繰り返しは、連結された準繰り返しから構成され得る。
アミノ酸は一文字表記または三文字表記によって言及することができる。一文字表記、アミノ酸名、および三文字表記は以下の通りである:G - グリシン(Gly)、P - プロリン(Pro)、A - アラニン(Ala)、V - バリン(Val)、L - ロイシン(Leu)、I - イソロイシン(Ile)、M - メチオニン(Met)、C - システイン(Cys)、F - フェニルアラニン(Phe)、Y - チロシン(Tyr)、W - トリプトファン(Trp)、H - ヒスチジン(His)、K - リジン(Lys)、R - アルギニン(Arg)、Q - グルタミン(Gln)、N - アスパラギン(Asn)、E - グルタミン酸(Glu)、D - アスパラギン酸(Asp)、S - セリン(Ser)、T - トレオニン(Thr)。
フィラメント糸は、糸の全長に及ぶ2本以上の繊維フィラメントから構成される糸である。フィラメント糸はマルチフィラメント糸とも呼ばれ得る。フィラメント糸の構造は、撚りの量、およびいくつかの場合においては繊維テクスチャード加工によって影響される。フィラメント糸の特性は、糸の構造、構成繊維の繊維間の摩擦、および構成繊維の特性によって影響され得る。いくつかの態様において、糸の構造およびRPFは、結果として生じる糸に様々な特徴を与えるように選択される。糸の特性はまた、糸中の繊維(即ち、フィラメント)の数によって影響され得る。本願におけるフィラメント糸はマルチフィラメント糸であり得る。本開示の全体にわたって、「フィラメント糸」は、フラットフィラメント糸、テクスチャード加工フィラメント糸、延伸フィラメント糸、未延伸フィラメント糸、または任意の構造のフィラメント糸を指し得る。
紡績糸は、まとまりのある1本の糸(またはスレッド、または「シングル」)を作るためにステープルファイバーを撚り合わせることによって作られる。紡績糸の構造は紡績法のパラメータによって影響される。紡績糸の特性は、糸の構造、繊維間の摩擦、構成繊維の特性などのパラメータによって影響される。
混合糸は、一緒に混合される様々な繊維を含む糸のタイプである。異なる態様において、RPFは、綿、ウール、他の動物繊維、ポリアミド、アクリル、ナイロン、リネン、ポリエステル、および/またはそれらの組み合わせと混合され得る。RPFは、非組換えタンパク質繊維と、または2種以上の他のタイプの非組換えタンパク質繊維と混合され得る。RPFはまた、第1のタイプのRPFとは異なる特性を有する第2のタイプのRPFと混合され得る。本開示において、混合糸とは、具体的には、RPFが非RPFまたは第2のタイプのRPFと混合されて糸にされたものを指す。スパンデックスは、一般に、上述の他の混合糸とは多少異なる方法および構造を使用して糸へ組み入れられるが(例えば、ラップドRPF/スパンデックス糸は、布においてスパンデックスを視界から隠すためにRPFでラップされたスパンデックスコアを有する)、複合RPF/スパンデックス糸は、従って、混合糸の別の例である。
「テクスチャード加工」繊維または糸は、真っすぐなフィラメントを捲縮された、コイル状の、またはループ状のフィラメントへアレンジするプロセスに供された繊維または糸である。テクスチャード加工繊維および糸を加工処理するために使用される方法のいくつかの例は、エアジェットテクスチャード加工、仮撚りテクスチャード加工、またはスタッファーボックステクスチャード加工である。
単繊維の引張特性を測定するための標準試験法は、ASTM D3822-14である。シングルストランド法によって糸(またはトウ中の複数の繊維)の引張特性を測定するための標準試験法は、ASTM D2256-10である。本開示において測定される全ての繊維機械特性および糸機械特性は、これらの標準法のうちの1つを使用して測定される。
本開示における繊維の機械特性のいくつかを、MPa(即ち、106N/m2、または単位面積当たりの力)の単位で報告し、いくつかをcN/tex(線密度当たりの力)の単位で報告する。MPaで報告される繊維機械特性の測定値を、リニアアクチュエーターおよび較正ロードセル(calibrated load cell)を含むカスタム機器を使用して得、繊維直径を光学顕微鏡検査によって測定した。cN/texで報告される繊維機械特性の測定値を、FAVIMAT試験設備(具体的には、Favimat+およびRobot2モデル)を使用して得、これは、振動方法(例えば、ASTM D1577に従う)を使用する繊維線密度の測定値を含む。測定値をMPaからcN/texへ正確に変換するために、繊維の嵩密度(例えば、g/cm3)の推定値を使用する。g/cm3での嵩密度「BD」を使用して、MPaでの単位面積当たりの力「FA」を、cN/texでの線密度当たりの力「FLD」へ変換するために使用され得る式は、FLD = FA/(10*BD)である。組換えシルクの嵩密度は変化し得るため、MPaでの繊維テナシティーの所与の値は、cN/texでの繊維テナシティーの所与の値へ変換されない。しかしながら、組換えシルクの嵩密度が1.1〜1.4g/cm3であると仮定される場合、機械特性値は、一定の誤差範囲内で一方の単位のセットから他方へ変換することができる。例えば、100MPaの最大引張応力は、繊維の質量密度が1.1g/cm3である場合は約9.1cN/texに等しく、100MPaの最大引張応力は、繊維の質量密度が1.4g/cm3である場合は約7.1cN/texに等しい。
繊維または糸の「破壊仕事量」とは、プレテンション荷重点から破断荷重点までに行われる仕事量である。繊維または糸を破断荷重へもっていくために必要とされるエネルギーは、荷重-伸び曲線下の面積から得ることができる。従って、破壊仕事量の単位はcN*cmであり得る。繊維または糸の「靭性」は、繊維または糸を破壊するために必要とされる単位質量当たりのエネルギーである。靭性は、応力-歪み曲線の積分であり、試験される繊維または糸のサンプルの質量で破壊仕事量を割ることによって計算され得る。従って、靭性の単位はcN/texであり得る。
本開示の全体にわたって、および特許請求の範囲において、アミノ酸のパーセンテージが記載される場合、そのパーセンテージは、モル分率パーセンテージを示す(重量分率パーセンテージでなはい)。
本開示の全体にわたって、および特許請求の範囲において、方法のステップが記載される場合、操作可能な方法が生じる限り、ステップが行われる順序は、それらが記載されている順序とは異なり得る。
本開示の全体にわたって、「繊維の長さに沿って」は、繊維の長さに沿って一定の間隔で取られるサンプルを指す。いくつかの態様において、「繊維の長さに沿って」は、例えば、1メートル当たり1つ、2メートル当たり1つ、5メートル当たり1つ、20メートル当たり1つ、50メートル当たり1つ、または100メートル当たり1つの間隔で取られるサンプルを指すことができる。繊維が布または衣服からサンプリングされる場合、「繊維の長さに沿って」はまた、例えば、1cm2当たり1つ、または2cm2当たり1つ、または5cm2当たり1つ、または10cm2当たり1つ、または20cm2当たり1つ、または50cm2当たり1つ、または100cm2当たり1つ、または200cm2当たり1つ、または500cm2当たり1つの間隔で布または衣服の異なる領域から取られるサンプルを指すことができる。
母集団の定量的特性の変動係数は、母集団の特性の平均値によって割られた母集団の特性の標準偏差として、当業者に知られている。変動係数について議論する場合、十分なサンプルを繊維、糸または布から取り、人為的に低いCVへの低サンプルバイアスを十分に軽減する。本開示に記載される全ての態様において、CVを計算するために使用されるサンプルの総数は、20個以上である。いくつかの態様において、サンプルの総数は、20個、または40個、または60個、または80個、または100個であるか、または100個を超える。
値の範囲、例えば、「X〜Y」が本開示において記載される場合、範囲は範囲の端を含み、即ち、範囲はXおよびYを含む。
詳細な説明
組換えタンパク質繊維の操作
組換えタンパク質繊維(即ち、RPF)は、種々の機械特性、構造特性、化学特性、および生物特性を有するように操作することができる。種々の特性のために長く均一なRPFを操作するためのいくつかの方法は、タンパク質配列設計(例えば、弾性を改善するためのポリアラニンに対するGPGのより高い比率、ここで、グリシンはポリペプチドの25〜50%である)、および/または微生物株設計および/または増殖条件および/またはタンパク質精製、および/または繊維紡糸条件(例えば、繊維直径を調整するためにスピナレット直径を変えること)である。
組換えタンパク質繊維の操作
組換えタンパク質繊維(即ち、RPF)は、種々の機械特性、構造特性、化学特性、および生物特性を有するように操作することができる。種々の特性のために長く均一なRPFを操作するためのいくつかの方法は、タンパク質配列設計(例えば、弾性を改善するためのポリアラニンに対するGPGのより高い比率、ここで、グリシンはポリペプチドの25〜50%である)、および/または微生物株設計および/または増殖条件および/またはタンパク質精製、および/または繊維紡糸条件(例えば、繊維直径を調整するためにスピナレット直径を変えること)である。
本開示の態様は長く均一なRPFを含む。いくつかの態様において、「長く均一なRPF」は、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さ、ならびに、繊維の長さに沿って均一である、物理特性(例えば、線密度、直径)、機械特性(例えば、最大テナシティー、初期モジュラス、伸び率、靭性)、化学特性(例えば、吸湿性、水分率)および/または生物特性(例えば、抗菌性)を有し、ここで、物理特性、機械特性および/または化学特性は、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%の、繊維の長さに沿ってのCVを有する。多くの態様において、長く均一なRPFは、様々な改善された機械特性、構造特性、化学特性、および生物特性を含むように操作される。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、糸、布および/またはプロダクトを作るために使用される。態様において、糸、布および/またはプロダクトの構造ならびに長く均一なRPFの特性は、長く均一なRPFから製作される結果として生じる糸、布および/またはプロダクトに様々な特徴を与えるように選択される。
いくつかの態様において、長く均一なRPFの親水性および/または吸湿は、タンパク質配列を変えることによって操作され得る。いくつかの態様において、RPFの親水性および/または吸湿率は、ポリアラニンストレッチのような繊維形成特徴を妨害することなく、配列中の実質的に疎水性のアミノ酸に対する実質的に親水性のアミノ酸の比率を増加させることによって、増加される。組換えスパイダーシルクポリペプチド配列中の比較的極性の(比較的親水性の)アミノ酸の例は、グルタミン、セリンおよびチロシンであり、一方、グリシンおよびアラニンは比較的疎水性である。いくつかの態様において、親水性RPFを含む長く均一なRPFは、25%を超えるグリシン、または30%を超えるグリシン、または35%を超えるグリシン、または40%を超えるグリシン、または45%を超えるグリシン、または25%〜45%もしくは25%〜40%もしくは25%〜35%のグリシン、または35%〜45%のグリシン、または35%〜40%のグリシン、または40%〜45%のグリシンを含む。いくつかの態様において、親水性RPFを含む長く均一なRPFは、5%を超えるグルタミン、または10%を超えるグルタミン、または15%を超えるグルタミン、または20%を超えるグルタミン、または25%を超えるグルタミン、または5%〜10%のグルタミン、または10%〜15%のグルタミン、または15%〜20%のグルタミン、または20%〜25%のグルタミンを含む。いくつかの態様において、高吸湿性RPFを含む長く均一なRPFは、25%を超えるグリシン、または30%を超えるグリシン、または35%を超えるグリシン、または40%を超えるグリシン、または45%を超えるグリシン、または25%〜45%もしくは25%〜40%もしくは25%〜35%のグリシン、または35%〜45%のグリシン、または35%〜40%のグリシン、または40%〜45%のグリシンを含む。いくつかの態様において、高吸湿性RPFを含む長く均一なRPFは、5%を超えるグルタミン、または10%を超えるグルタミン、または15%を超えるグルタミン、または20%を超えるグルタミン、または25%を超えるグルタミン、または5%〜10%のグルタミン、または10%〜15%のグルタミン、または15%〜20%のグルタミン、または20%〜25%のグルタミンを含む。いくつかの態様において、高吸湿性RPFは、21℃+/-1℃の温度で水中に浸漬させると、10%より大きい、または15%より大きい、または20%より大きい、または25%より大きい、または30%より大きい、または35%より大きい、または40%より大きい、または45%より大きい、または50%より大きい、または60%より大きい、または70%より大きい、または80%より大きい、または90%より大きい、または10%〜20%の、または20%〜30%の、または30%〜40%の、または40%〜50%の、または50%〜60%の、または60%〜70%の、または70%〜80%の、または80%〜90%の、または90%〜100%の、または20%〜35%の、または15%〜40%の、または15%〜35%の直径変化中央値または平均値を有し得る。
いくつかの態様において、布のウィッキング性(wickability)は、布を構成する繊維の紡績パラメータを変えることによって、操作され得る。いくつかの態様において、繊維断面形状は、凝固浴中での滞留時間を変えることによって、または凝固浴中のタンパク質溶媒対タンパク質非溶媒の比率を変えることによって、変えることができる。開示される範囲の上限の(例えば、60秒間より長い)凝固浴滞留時間で加工処理された本開示の長く均一なRPFは、ひだ状断面をもたらす。即ち、各繊維が、繊維の外面に配置された複数のひだ(あるいは「溝」)を有する。これらのひだの各々は、ひだが配置されている対応する繊維の長手方向軸に平行である。これらのひだは、水を含む液体のウィッキングを助けるためのチャネルとして作用し得る。調整された断面を有するこれらの長く均一なRPFはまた、フィラメント糸、または紡績糸、または混合糸へ形成され得る。調整された断面を有する長く均一なRPFを含有するフィラメント糸、または紡績糸、または混合糸は、より高いウィッキング速度のような、調整された湿気輸送特性を有する布を作るために使用され得る。
いくつかの態様において、抗菌性タンパク質モチーフが、結果として生じる長く均一なRPFに抗菌特性を与えるために、ならびに長く均一なRPFを含むフィラメント糸、または紡績糸、または混合糸、およびファブリックの抗菌特性を改善するために、タンパク質配列へ付加される。抗菌性タンパク質配列モチーフのいくつかの例は、ヒト抗菌性ペプチドであるヒト好中球デフェンシン2(HNP-2)、ヒト好中球デフェンシン4(HNP-4)およびヘプシジンである。これらの抗菌性アミノ酸配列は、スパイダーシルク由来ポリペプチド配列に、1準繰り返し単位毎、または2準繰り返し単位毎、または3準繰り返し単位毎、または4準繰り返し単位毎、または5準繰り返し単位毎、または6準繰り返し単位毎、または7準繰り返し単位毎、または8準繰り返し単位毎、または9準繰り返し単位毎、または10準繰り返し単位毎、または12準繰り返し単位毎、または14準繰り返し単位毎、または16準繰り返し単位毎、または18準繰り返し単位毎、または20準繰り返し単位毎、または30準繰り返し単位毎、または40準繰り返し単位毎、または50準繰り返し単位毎、または60準繰り返し単位毎、または70準繰り返し単位毎、または80準繰り返し単位毎、または90準繰り返し単位毎、または100準繰り返し単位毎にその後ろに付加され得る。いくつかの態様において、そのような抗菌性アミノ酸配列を有する長く均一なRPFを含むフィラメント糸、または紡績糸、または混合糸を含む、布は、AATCC試験法100-2012を使用して試験され、24時間で100倍未満のコロニー形成単位の増加を有するか、または24時間で500倍未満のコロニー形成単位の増加を有するか、または24時間で1000倍未満のコロニー形成単位の増加を有するか、または24時間で100倍の減少から1000倍の増加までのコロニー形成単位の変化を有する。
いくつかの態様において、長く均一なRPFの伸び率は、タンパク質配列中のポリアラニンに対するGPGの比率を増加させることによって増加される。いくつかの態様において、高い伸度(例えば、3%より大きい、または10%より大きい、または20%より大きい、または30%より大きい、または3〜30%の、または3〜100%の伸び率)を有する長く均一なRPFは、25%を超えるグリシン、または30%を超えるグリシン、または35%を超えるグリシン、または40%を超えるグリシン、または45%を超えるグリシン、または25%〜45%のグリシン、または25%〜40%のグリシン、または25%〜35%のグリシン、または35%〜45%のグリシン、または35%〜40%のグリシン、または40%〜45%のグリシンを含む。
いくつかの態様において、長く均一なRPFの最大引張強度は、長く均一なRPFを構成するタンパク質の単分散度を増加させることによって増加される。いくつかの態様において、長く均一なRPFを構成するタンパク質の単分散度は、組換えタンパク質を産生するために使用される微生物の株を、タンパク質を分泌するように操作することによって改善される。そして、改善された単分散度は、長く均一なRPFの最大引張強度を改善する。いくつかの態様において、高い引張強度(例えば、10cN/texより大きい)を有する長く均一なRPFを産生するために用いられる、本開示のポリペプチドのいずれかから構成される紡糸ドープ(spin dope)のタンパク質(その合成は、WO2015042164 A2、特に段落114〜134に記載されており、これらは参照により本明細書に組み入れられる)は、実質的に単分散である。本開示において、「実質的に単分散の」とは、紡糸ドープ中のタンパク質の>50%、または>55%、または>60%、または>65%、または>70%、または>75%、または>80%、または>85%、または>90%、または>95%、または>99%(パーセンテージはここでは質量パーセンテージである)が、コードタンパク質の完全長分子量の>50%、または>55%、または>60%、または>65%、または>70%、または>75%、または>80%、または>85%、または>90%、または>95%、または>99%の分子量を有することであり得る。本開示において、「実質的に単分散の」とはまた、紡糸ドープ中のタンパク質の50%〜100%、または60%〜100%、または70%〜100%、または80%〜100%、または90%〜100%、または50%〜99%、または60%〜99%、または70%〜99%、または80%〜99%、または90%〜99%(パーセンテージはここでは質量パーセンテージである)が、コードタンパク質の完全長分子量の50%〜100%、または60%〜100%、または70%〜100%、または80%〜100%、または90%〜100%、または50%〜99%、または60%〜99%、または70%〜99%、または80%〜99%、または90%〜99%の分子量を有する、紡糸ドープ混合物を包含する。
破壊仕事量は、靭性の指標であり、弾性およびテナシティーを組み合わせたものである。従って、いくつかの態様において、長く均一なRPFの靭性は、本開示に記載されるように、弾性およびテナシティーを同時に増加させるようにタンパク質配列操作および株操作を組み合わせることによって、増加される。いくつかの態様において、高度の靭性(例えば、ASTM D3822-14を使用して測定して100cN/texより大きい)を有する長く均一なRPFは、25%を超えるグリシン、または30%を超えるグリシン、または35%を超えるグリシン、または40%を超えるグリシン、または45%を超えるグリシン、または25%〜45%もしくは25%〜40%もしくは25%〜35%のグリシン、または35%〜45%のグリシン、または35%〜40%のグリシン、または40%〜45%のグリシンを含む。いくつかの態様において、高い破壊仕事量(例えば、ASTM D3822-14を使用して測定して0.5cN*cmより大きい)を有する長く均一なRPFは、25%を超えるグリシン、または30%を超えるグリシン、または35%を超えるグリシン、または40%を超えるグリシン、または45%を超えるグリシン、または25%〜45%もしくは25%〜40%もしくは25%〜35%のグリシン、または35%〜45%のグリシン、または35%〜40%のグリシン、または40%〜45%のグリシンを含む。いくつかの態様において、高度の靭性(例えば、ASTM D3822-14を使用して測定して100cN/texより大きい)または高い破壊仕事量(例えば、ASTM D3822-14を使用して測定して0.5cN*cmより大きい)を有するRPFを含む、本開示のポリペプチドのいずれかから表される紡糸ドープのタンパク質(その合成は、WO2015042164 A2、特に段落114〜134に記載されており、これらは参照により本明細書に組み入れられる)は、実質的に単分散である。
いくつかの態様において、長く均一なRPFの初期モジュラスは、より良好な分子間力を有するようにタンパク質を操作することによって増加される。いくつかの態様において、分子間力は、繊維を構成する分子間に水素結合および架橋結合を提供するタンパク質ブロックを付加することによって、増加される。分子間力を改善するタンパク質モチーフの一例は、分子間結晶化のためにポリアラニンセグメントの数を増加させることによるものである。分子間力を増加させるためのポリペプチド操作の別の例は、システインのジスルフィド架橋のような共有結合的に架橋することができるアミノ酸の付加によるものである。調整された分子間力を有する長く均一なRPFは、高い初期モジュラスを有し得る。いくつかの態様において、上述の操作されたポリペプチドを有する長く均一なRPFは、50cN/texより大きい、または115cN/texより大きい、または200cN/texより大きい、または400cN/texより大きい、または550cN/texより大きい、または600cN/texより大きい、または800cN/texより大きい、または1000cN/texより大きい、または2000cN/texより大きい、または3000cN/texより大きい、または4000cN/texより大きい、または5000cN/texより大きい、または200〜900cN/texの、または100〜7000cN/texの、または500〜7000cN/texの、または50〜7000cN/texの、または100〜5000cN/texの、または500〜5000cN/texの、または50〜5000cN/texの、または100〜2000cN/texの、または500〜2000cN/texの、または50〜2000cN/texの、または100〜1000cN/texの、または500〜1000cN/texの、または50〜1000cN/texの、または50〜500cN/texの、または100〜1000cN/texの、または500〜1000cN/texの、または100〜700cN/texの、高い初期モジュラスを有し得る(ASTM D3822-14を使用して測定される)。
いくつかの態様において、長く均一なRPFの初期モジュラスは、紡糸中の繊維の延伸倍率を増加させることによって増加される。いくつかの態様において、高い初期モジュラスを有する長く均一なRPFは、1.5倍より大きい、または2倍より大きい、または3倍より大きい、または4倍より大きい、または5倍より大きい、または6倍より大きい、または8倍より大きい、または10倍より大きい、または15倍より大きい、または20倍より大きい、または25倍より大きい、または30倍より大きい、または1.5倍〜30倍の、または1.5倍〜20倍の、または1.5倍〜15倍の、または1.5倍〜10倍の、または1.5倍〜6倍の、または1.5倍〜4倍の、または2倍〜30倍の、または2倍〜20倍の、または2倍〜15倍の、または2倍〜10倍の、または2倍〜6倍の、または2倍〜4倍の、または4倍〜30倍の、または4倍〜20倍の、または4倍〜15倍の、または4倍〜10倍の、または4倍〜6倍の、または6倍〜30倍の、または6倍〜20倍の、または6倍〜15倍の、または6倍〜10倍の、または10倍〜30倍の、または10倍〜20倍の、または10倍〜15倍の延伸倍率を有する。
いくつかの態様において、長く均一なRPFの断面形状は、スピナレットオリフィス形状を変えることによって変えられる。いくつかの態様において、長く均一なRPFの直径または線密度は、スピナレットオリフィス直径を増加または減少させることによって、増加または減少される。繊維の柔軟性は、直径または線密度によって大いに影響され、いくつかの態様において、スピナレット直径はまた、繊維の繊度を減少させることによって長く均一なRPFの柔軟性を調整するために使用され得る。いくつかの態様において、長く均一なRPFの線密度は、1.5倍より大きい、または2倍より大きい、または3倍より大きい、または4倍より大きい、または5倍より大きい、または6倍より大きい、または8倍より大きい、または10倍より大きい、または15倍より大きい、または20倍より大きい、または25倍より大きい、または30倍より大きい、または1.5倍〜30倍の、または1.5倍〜20倍の、または1.5倍〜15倍の、または1.5倍〜10倍の、または1.5倍〜6倍の、または1.5倍〜4倍の、または2倍〜30倍の、または2倍〜20倍の、または2倍〜15倍の、または2倍〜10倍の、または2倍〜6倍の、または2倍〜4倍の、または4倍〜30倍の、または4倍〜20倍の、または4倍〜15倍の、または4倍〜10倍の、または4倍〜6倍の、または6倍〜30倍の、または6倍〜20倍の、または6倍〜15倍の、または6倍〜10倍の、または10倍〜30倍の、または10倍〜20倍の、または10倍〜15倍の紡糸中の延伸倍率を使用することによって、10decitex(即ちdtex)未満、または5dtex未満、または1dtex未満、または1〜20dtex、または1〜10dtexへ調整され得る。いくつかの態様において、良好な柔軟性を有する布は、10dtex未満、または5dtex未満、または1dtex未満、または1〜20dtex、または1〜10dtexの繊維線密度を有する長く均一なRPFを含有する。ファブリックのドレープは、ファブリックを構成する繊維の線密度または直径によって大いに影響され、いくつかの態様において、スピナレット直径または延伸倍率はまた、ファブリックを構成する長く均一なRPFの繊度を増加または減少させることによってファブリックのドレープを調整するために使用され得る。いくつかの態様において、望ましいドレープを有する布は、10dtex未満、または5dtex未満、または1dtex未満、または1〜20dtex、または1〜10dtexの繊維線密度を有する長く均一なRPFを含むフィラメント糸、または紡績糸、または混合糸を含有する。
いくつかの態様において、長く均一なRPFの断面形状は、凝固浴中での滞留時間を変えることによって、または凝固浴中のタンパク質溶媒対タンパク質非溶媒の比率を変えることによって、変えることができる。開示される範囲の上限の凝固浴滞留時間で加工処理された本開示の長く均一なRPFは、ひだ状断面をもたらす。即ち、各長く均一なRPFは、繊維の外面に配置された複数のひだ(あるいは「溝」)を有する。これらのひだの各々は、ひだが配置されている対応する繊維の長手方向軸に平行である。繊維の光沢もまた、前記面の平滑度によって大いに影響される。より滑らかな面を有する長く均一なRPFは、より高い光沢を有し、いくつかの態様において、繊維の光沢もまた、凝固浴の滞留時間または凝固浴の化学的性質を変えることによって調整され得る。フィラメント糸、または紡績糸、または混合糸はまた、低光沢または高光沢を有する糸を生成するために、調整された断面を有する長く均一なRPFを含有し得る。
組換えタンパク質繊維のタンパク質設計
長く均一なRPFは、以下のタンパク質と方法を用いて産生することができる。
長く均一なRPFは、以下のタンパク質と方法を用いて産生することができる。
本開示の態様は、例えばアルギオペ・ブルエンニチ(Argiope bruennichi)種からの、MaSp2に由来する組換えスパイダーシルクタンパク質断片配列に基づく合成タンパク質性コポリマーから合成された繊維を含む。各合成繊維は、2〜20個の繰り返し単位を含むタンパク質分子を含有し、ここで、各繰り返し単位の分子量は約20kDalより大きい。コポリマーの各繰り返し単位内に、約60個を超えるアミノ酸残基があり、これらは、いくつかの「準繰り返し単位」に構造化される。いくつかの態様において、本開示に記載されるポリペプチドの繰り返し単位は、MaSp2ドラグラインシルクタンパク質配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する。
より少数の長い正確な繰り返し単位を有する長いポリペプチドを利用することは、組換えスパイダーシルク繊維を生成するためにより多数のより短い正確な繰り返し単位を有するポリペプチドを利用することと比べて、多くの利点を有する。重要な相違は、「長い正確な繰り返し」が、その中に連結されたより短い正確な繰り返しを有さないアミノ酸配列、と定義されることである。長い正確な繰り返しを有する長いポリペプチドは、より多数の短い繰り返しを有する長いポリペプチドと比べて、より容易に加工処理される。何故ならば、それらは、DNA断片化を引き起こす相同組換えを受けることが少なく、それらは、アモルファスドメイン対結晶ドメインの組成ならびにナノ結晶ドメインの平均サイズおよびサイズ分布に対してより多くの制御を提供し、かつ、それらは、繊維形成前の中間処理ステップ中の望ましくない結晶化を受けないためである。本開示の全体にわたって、用語「繰り返し単位」とは、より大きな配列内で正確に繰り返されるサブ配列を指す。
本開示の全体にわたって、値の範囲が記載される場合はいつも、その範囲は、あたかも明示的に記載されているかのように範囲内に入る全ての値を含み、かつ、範囲の境界を示す値をさらに含む。従って、「X〜Y」の範囲は、XとYとの間に入る全ての値を含み、かつXおよびYを含む。
パーセント「同一性」という用語は、2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈において、下記に記載される配列比較アルゴリズム(例えば、BLASTPおよびBLASTNまたは当業者に入手可能な他のアルゴリズム)のうちの1つを使用してまたは目視検査によって測定されるような、最大一致について比較およびアライメントした場合に同じであるヌクレオチドまたはアミノ酸残基の指定のパーセンテージを有する2つ以上の配列またはサブ配列を指す。用途に依存して、パーセント「同一性」は、比較される配列のある領域(即ち、サブ配列)にわたって、例えば機能的ドメインにわたって存在し得、あるいは、比較される2つの配列の完全長にわたって存在し得る。本開示内で、「領域」は、ポリペプチド内の連続ストレッチ中の6個以上のアミノ酸であると見なされる。
配列比較について、典型的に、1つの配列は、試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列および参照配列をコンピューターへ入力し、必要に応じて、サブ配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列と比べた試験配列についてのパーセント配列同一性を計算する。
比較についての配列の最適なアライメントは、例えば、Smith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981)の局所相同性アルゴリズムによって、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970)の相同性アライメントアルゴリズムによって、Pearson & Lipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)の類似性検索法によって、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実行(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, Wis.中のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)によって、または目視検査(一般にAusubel et al., 下記を参照のこと)によって、行うことができる。
パーセント配列同一性および配列類似性を決定するために適しているアルゴリズムの一例は、Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990)に記載されている、BLASTアルゴリズムである。BLAST解析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通して公に入手可能である。そのようなソフトウェアはまた、ポリペプチド配列内にまたはそのような配列のドメイン内に見出される任意の指定のアミノ酸のモルパーセンテージを決定するために使用することができる。当業者が認識するように、そのようなパーセンテージはまた、検査および手動の計算によって決定することができる。
図1は、一態様における、本開示のコポリマー分子の例を図示する。本開示のブロックコポリマー分子は、各繰り返し単位において、60個を超える、もしくは100個を超える、もしくは150個を超える、もしくは200個を超える、もしくは250個を超える、もしくは300個を超える、もしくは350個を超える、もしくは400個を超える、もしくは450個を超える、もしくは500個を超える、もしくは600個を超える、もしくは700個を超える、もしくは800個を超える、もしくは900個を超える、もしくは1000個を超えるアミノ酸残基、または60〜1000個、もしくは100〜1000個、もしくは200〜1000個、もしくは300〜1000個、もしくは400〜1000個、もしくは500〜1000個、もしくは150〜1000個、もしくは150〜400個、もしくは150〜500個、もしくは150〜750個、もしくは200〜400個、もしくは200〜500個、もしくは200〜750個、もしくは250〜350個、もしくは250〜400個、もしくは250〜500個、もしくは250〜750個、もしくは250〜1000個、もしくは300〜500個、もしくは300〜750個のアミノ酸残基を含む。本開示のポリペプチド分子の各繰り返し単位は、20kDal〜100kDalの、または20kDalより大きい、または10kDalより大きい、または5kDalより大きい、または5〜60kDalの、または5〜40kDalの、または5〜20kDalの、または5〜100kDalの、または5〜50kDalの、または10〜20kDalの、または10〜40kDalの、または10〜60kDalの、または10〜100kDalの、または10〜50kDalの、または20〜100kDalの、または20〜80kDalの、または20〜60kDalの、または20〜40kDalの、または20〜30kDalの分子量を有し得る。本開示のコポリマー分子は、各繰り返し単位において、300個を超えるアミノ酸残基を含み得る。本開示のコポリマー分子は、各繰り返し単位において、約315個のアミノ酸残基を含み得る。これらのアミノ酸残基は、分子内でいくつかの異なるレベルで構造化される。本開示のコポリマー分子は、繰り返し単位の2〜20回の出現を含む。繰り返し単位を連結した後、本開示のポリペプチド分子は、20kDal〜2000kDal、または20kDalより大きい、または10kDalより大きい、または5kDalより大きい、または5〜400kDal、または5〜300kDal、または5〜200kDal、または5〜100kDal、または5〜50kDal、または5〜500kDal、または5〜1000kDal、または5〜2000kDal、または10〜400kDal、または10〜300kDal、または10〜200kDal、または10〜100kDal、または10〜50kDal、または10〜500kDal、または10〜1000kDal、または10〜2000kDal、または20〜400kDal、または20〜300kDal、または20〜200kDal、または40〜300kDal、または40〜500kDal、または20〜100kDal、または20〜50kDal、または20〜500kDal、または20〜1000kDal、または20〜2000kDalであり得る。図1に示されるように、コポリマー繊維の各「繰り返し単位」は、2〜20個の「準繰り返し」単位を含む(即ち、n3は2〜20である)。準繰り返しは、正確な繰り返しである必要はない。各繰り返しは、連結された準繰り返しから構成され得る。式1は、本開示に従う準繰り返し単位の組成を示す。
{GGY-[GPG-X1]n1-GPS-(A)n2}n3 (式1)
{GGY-[GPG-X1]n1-GPS-(A)n2}n3 (式1)
可変組成要素X1(「モチーフ」と呼ばれる)は、式2に示される下記のアミノ酸配列のいずれか1つに従い、X1は、各準繰り返し単位内で無作為に変わる。
X1 = SGGQQまたはGAGQQまたはGQGPYまたはAGQQまたはSQ (式2)
X1 = SGGQQまたはGAGQQまたはGQGPYまたはAGQQまたはSQ (式2)
式1を再び参照して、式1における「GGY-[GPG-X1]n1-GPS」によって示される準繰り返し単位の組成要素は、「第1領域」と呼ばれる。準繰り返し単位は、一部分において、準繰り返し単位内で第1領域を4〜8回繰り返すことによって、形成される。即ち、n1の値は、単一の準繰り返し単位内で繰り返される第1領域単位の数を示し、n1の値は4、5、6、7または8のいずれか1つである。「(A)n2」によって示される組成要素は、「第2領域」と呼ばれ、各準繰り返し単位内でアミノ酸配列「A」をn2回繰り返すことによって形成される。即ち、n2の値は、単一の準繰り返し単位内で繰り返される第2領域単位の数を示し、n2の値は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のいずれか1つである。いくつかの態様において、本開示のポリペプチドの繰り返し単位は、式1および2によって記載される準繰り返しを含有する配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する。いくつかの態様において、本開示のポリペプチドの繰り返し単位は、式1および2によって記載される準繰り返しを含有する配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。
式1中に記載される第1領域は、グリシンリッチ領域と見なされる。配列内の6個以上の連続アミノ酸が45%超グリシンである場合、領域はグリシンリッチであり得る。配列内の12個以上の連続アミノ酸が45%超グリシンである場合、領域はグリシンリッチであり得る。配列内の18個以上の連続アミノ酸が45%超グリシンである場合、領域はグリシンリッチであり得る。配列内の4個以上、または6個以上、または10個以上、または12個以上、または15個以上、または20個以上、または25個以上、または30個以上、または40個以上、または50個以上、または60個以上、または70個以上、または80個以上、または100個以上、または150個以上の連続アミノ酸が、30%超、もしくは40%超、もしくは45%超、もしくは50%超、もしくは55%超グリシン、または60%超グリシン、または70%超グリシン、または80%超グリシン、または30%〜80%、もしくは40%〜80%、もしくは45%〜80%、もしくは30%〜55%、もしくは30%〜50%、もしくは30%〜45%、もしくは30%〜40%、もしくは40%〜50%、もしくは40%〜55%、もしくは40%〜60%グリシンである場合、領域はグリシンリッチであり得る。配列内の5〜150個、または10〜150個、または12〜150個、または12〜100個、または12〜80個、または12〜60個、または20〜60個の連続アミノ酸が、30%超、もしくは40%超、もしくは45%超、もしくは50%超、もしくは55%超グリシン、または60%超グリシン、または70%超グリシン、または80%超グリシン、または30%〜80%、もしくは40%〜80%、もしくは45%〜80%、もしくは30%〜55%、もしくは30%〜50%、もしくは30%〜45%、もしくは30%〜40%、もしくは40%〜50%、もしくは40%〜55%、もしくは40%〜60%グリシンである場合、領域はグリシンリッチであり得る。さらに、グリシンリッチ領域は、10%未満、もしくは20%未満、もしくは30%未満、もしくは40%未満のアラニン、または約0%〜10%、もしくは約0%〜20%、もしくは約0%〜30%、もしくは約0%〜40%のアラニンを有し得る。配列内の4個以上、または6個以上、または8個以上、または10個以上の連続アミノ酸が、70%超、もしくは75%超、もしくは80%超、もしくは85%超、もしくは90%超アラニン、または70%〜約100%、もしくは75%〜約100%、もしくは80%〜約100%、もしくは85%〜約100%、もしくは90%〜約100%アラニンである場合、領域はアラニンリッチであり得る。配列内の4〜10個、または4〜12個、または4〜15個、または6〜10個、または6〜12個、または6〜15個、または4〜20個、または6〜20個の連続アミノ酸が、70%超、もしくは75%超、もしくは80%超、もしくは85%超、もしくは90%超アラニン、または70%〜約100%、もしくは75%〜約100%、もしくは80%〜約100%、もしくは85%〜約100%、もしくは90%〜約100%アラニンである場合、領域はアラニンリッチであり得る。本開示に記載される繰り返しは、6個の、または2個を超える、または4個を超える、または6個を超える、または8個を超える、または10個を超える、または15個を超える、または20個を超える、または2〜25個の、または2〜10個の、または4〜10個の、または2〜8個の、または4〜8個のアラニンリッチ領域を有し得る。本開示に記載される繰り返しは、6個の、または2個を超える、または4個を超える、または6個を超える、または8個を超える、または10個を超える、または15個を超える、または20個を超える、または2〜25個の、または2〜10個の、または4〜10個の、または2〜8個の、または4〜8個のグリシンリッチ領域を有し得る。
いくつかの態様において、長く均一なRPFは、式1および式2に記載される配列を含有するタンパク質を含むRPFを含有する。いくつかの態様において、タンパク質を含む長く均一なRPFは、繰り返し単位を有する組換えタンパク質繊維を含有し、ここで、各繰り返し単位は、2〜20個の準繰り返し単位を含む配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、かつ、各準繰り返し単位は、{GGY-[GPG-X1]n1-GPS-(A)n2}の組成を有し、かつ、各準繰り返し単位について、X1は、SGGQQ、GAGQQ、GQGPY、AGQQ、およびSQからなる群より独立して選択され、かつ、n1は4〜8であり、かつn2は6〜10である。
下記にさらに記載されるように、コポリマー分子の一例は、3つの「長い」準繰り返し、続いて3つの「短い」準繰り返し単位を含む。「長い」準繰り返し単位は、連続して3回以上、または繰り返し単位中で3回以上、同じX1構成要素(式2に示される通り)を使用しない、準繰り返し単位から構成される。各「短い」準繰り返し単位は、式2において特定されるアミノ酸配列のいずれかを含むが、使用されるアミノ酸配列にかかわらず、同じ配列が分子内の同じ位置にある。さらに、この例のコポリマー分子において、6個のうちの3個以下の準繰り返しが同じX1を共有する。「短い」準繰り返し単位は、n1=4または5であるものである(式1に示される通り)。長い準繰り返し単位は、n1=6、7または8であるものと定義される(式1に示される通り)。
いくつかの態様において、コポリマーの繰り返し単位は、Xqr個の準繰り返し単位から構成され、ここで、Xqrは2〜20の数であり、かつ短い準繰り返し単位の数はXsqrであり、かつ長い準繰り返し単位の数はXlqrであり、ここで、
Xsqr + Xlqr = Xqr (式3)
かつXsqrは1〜(Xqr-1)の数であり、かつXlqrは1〜(Xqr-1)の数である。
Xsqr + Xlqr = Xqr (式3)
かつXsqrは1〜(Xqr-1)の数であり、かつXlqrは1〜(Xqr-1)の数である。
別の態様において、n1は、準繰り返し単位の少なくとも半数について4〜5である。さらに別の態様において、n2は、準繰り返し単位の少なくとも半数について5〜8である。
本開示のコポリマー分子の一つの特徴は、ナノ結晶領域(これらは、理論によって拘束されることを望まないが、βシート領域のスタッキングから形成すると考えられる)、およびアモルファス領域(αヘリックス構造、βターン構造、またはそれら両方から構成される)の形成である。分子中のポリアラニン領域(またはいくつかの種においては(GA)n領域)は、大瓶状腺(major ampullate)(MA)繊維内で結晶性βシートを形成する。大瓶状腺および鞭状腺(flagelliform)スパイダーシルクの繰り返し単位内の他の領域(例えば、GPGGX、GPGQQ、GGX(ここで、X = A、SまたはY)、GPG、SGGQQ、GAGQQ、GQGPY、AGQQ、およびSQを含有する)は、αヘリックスおよびβターン含有構造を含むアモルファスゴム様構造を形成し得る。さらに、二次、三次および四次構造が、アミノ酸の配列および長さを介して、ならびに繊維が形成され、処理され、後処理される条件を介して、繊維のモルフォロジーに対して与えられる。材料特徴付け技法(例えば、NMR、FTIRおよびx線回析)により、天然MAスパイダーシルクおよびMAスパイダーシルク配列由来の組換えシルク内のポリアラニン結晶ドメインは、典型的に非常に小さい(<10nm)ことが示唆された。繊維は、高度に結晶性もしくは高度にアモルファスであるか、または結晶領域およびアモルファス領域の両方の混合であり得、しかし、最適な機械特性を有する繊維は、10〜40体積%の結晶性物質から構成されると推測された。いくつかの態様において、本開示に記載されるポリペプチドの繰り返し単位は、MAドラグラインシルクタンパク質配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの態様において、本開示に記載されるポリペプチドの繰り返し単位は、MaSp2ドラグラインシルクタンパク質配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの態様において、本開示に記載されるポリペプチドの繰り返し単位は、スパイダードラグラインシルクタンパク質配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの態様において、本開示に記載されるポリペプチドの準繰り返し単位は、MAドラグラインシルクタンパク質配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの態様において、本開示に記載されるポリペプチドの準繰り返し単位は、MaSp2ドラグラインシルクタンパク質配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。いくつかの態様において、本開示に記載されるポリペプチドの準繰り返し単位は、スパイダードラグラインシルクタンパク質配列に対して少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも99%の配列同一性を有する。
理論によって拘束されることを望まないが、スパイダーシルク内のタンパク質の構造特性は、繊維の機械特性と関連すると理論付けられる。繊維中の結晶領域は繊維の引張強度と関連付けられ、一方、アモルファス領域は繊維の伸び率と関連付けられた。大瓶状腺(MA)シルクは、鞭状腺シルクと比べてより高い強度およびより低い伸び率を有する傾向があり、同様に、MAシルクは、鞭状腺シルクと比較してより高い体積分率の結晶領域を有する。さらに、スパイダーシルクタンパク質の結晶領域およびアモルファス領域の分子動力学に基づく理論モデルは、結晶領域は繊維の引張強度と関連付けられ、一方、アモルファス領域は繊維の伸び率と関連付けられるという主張を支持している。さらに、理論モデリングは、RPFの機械特性に対する二次、三次および四次構造の重要性を支持している。例えば、ランダムな、パラレルなおよび連続的な空間分布でのナノ結晶ドメインの集合、ならびに、アモルファス領域内の絡み合った鎖間の相互作用力の強度、およびアモルファス領域とナノ結晶領域との間の相互作用力の強度は両方とも、結果として生じる繊維の理論的な機械特性に影響を及ぼした。
良好な機械特性を有する繊維を形成するタンパク質性ブロックコポリマーの繰り返し単位は、シルクポリペプチドの一部を使用して合成され得る。本開示のタンパク質性ブロックコポリマー中の繰り返しとして使用され得るいくつかの例示的な配列を表1に示す。これらのポリペプチド繰り返し単位は、アラニンリッチ領域およびグリシンリッチ領域を含有し、150アミノ酸長以上である。これらの例示的な配列は、共有するPCT公開公報WO 2015042164において教示されるようなピキア(Pichia)発現系を使用して発現されることが実証された。
一態様において、良好な機械特性を有する繊維を形成するブロックコポリマーポリペプチド繰り返し単位は、SEQ ID NO. 1を使用して合成される。この繰り返し単位は、6個の準繰り返しを含有し、これらの各々は、本明細書に記載されるように、組成が異なるモチーフを含む。この繰り返し単位は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20回連結され、20kDal〜535kDalの、または20kDalより大きい、または10kDalより大きい、または5kDalより大きい、または5〜400kDalの、または5〜300kDalの、または5〜200kDalの、または5〜100kDalの、または5〜50kDalの、または5〜600kDalの、または5〜800kDalの、または5〜1000kDalの、または10〜400kDalの、または10〜300kDalの、または10〜200kDalの、または10〜100kDalの、または10〜50kDalの、または10〜600kDalの、または10〜800kDalの、または10〜1000kDalの、または20〜400kDalの、または20〜300kDalの、または20〜200kDalの、または20〜100kDalの、または20〜50kDalの、または40〜300kDalの、または40〜500kDalの、または20〜600kDalの、または20〜800kDalの、または20〜1000kDalのポリペプチド分子が形成され得る。このポリペプチド繰り返し単位はまた、ナノ結晶領域に関連するポリアラニン領域、および結晶性のより低い領域を含有するβターンに関連するグリシンリッチ領域を含有する。他の態様において、繰り返しは、SEQ ID No: 2〜97として列挙される配列のいずれかより選択される。
いくつかの態様において、長く均一なRPFは、SEQ ID No: 1〜97のリストからの1つまたは複数の配列を含むタンパク質を含む。
いくつかの態様において、ポリペプチドの準繰り返し単位は、式{GGY-[GPG-X1]n1-GPS-(A)n2}によって記載され得、ここで、X1は、SGGQQ、GAGQQ、GQGPY、AGQQ、およびSQからなる群より独立して選択され、n1は4〜8の数であり、かつn2は6〜20の数である。繰り返し単位は複数の準繰り返し単位から構成される。追加の態様において、3つの「長い」準繰り返しの後に、3つの「短い」準繰り返し単位が続く。上述したように、短い準繰り返し単位は、n1=4または5であるものである。長い準繰り返し単位は、n1=6、7または8であるものと定義される。いくつかの態様において、短い準繰り返しの全ては、繰り返し単位の各準繰り返し単位内の同じ位置に同じX1モチーフを有する。いくつかの態様において、6個のうちの3個以下の準繰り返しが同じX1モチーフを共有する。
追加の態様において、繰り返し単位は、繰り返し単位内で連続して3回以上同じX1の出現を使用しない準繰り返し単位から構成される。追加の態様において、繰り返し単位は、準繰り返し単位から構成され、ここで、準繰り返しのうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個は、繰り返し単位の単一の準繰り返し単位中で3回以上同じX1を使用しない。
いくつかの態様において、記載されるポリペプチドから形成される繊維の構造は、βシート構造、βターン構造、またはαヘリックス構造を形成する。いくつかの態様において、形成された繊維の二次、三次および四次タンパク質構造は、ナノ結晶性βシート領域、アモルファスβターン領域、アモルファスαヘリックス領域、非結晶性マトリックス中に埋め込まれた無作為に空間的に分布されたナノ結晶領域、または非結晶性マトリックス中に埋め込まれた無作為に配向されたナノ結晶領域を有すると記載される。
いくつかの態様において、本明細書に記載されるような機械特性を有する繊維を形成するために利用されるポリペプチドは、4〜20アミノ酸長のポリアラニン領域と連結された20〜100アミノ酸長のグリシンリッチ領域を含む。いくつかの態様において、良好な機械特性を有する繊維を形成するために利用されるポリペプチドは、5〜25%のポリアラニン領域(4〜20個のポリアラニン残基)を含む。いくつかの態様において、良好な機械特性を有する繊維を形成するために利用されるポリペプチドは、25〜50%のグリシンを含む。いくつかの態様において、良好な機械特性を有する繊維を形成するために利用されるポリペプチドは、15〜35%のGGXを含み、ここでXは任意のアミノ酸である。いくつかの態様において、良好な機械特性を有する繊維を形成するために利用されるポリペプチドは、15〜60%のGPGを含む。いくつかの態様において、良好な機械特性を有する繊維を形成するために利用されるポリペプチドは、10〜40%のアラニンを含む。いくつかの態様において、良好な機械特性を有する繊維を形成するために利用されるポリペプチドは、0〜20%のプロリンを含む。いくつかの態様において、良好な機械特性を有する繊維を形成するために利用されるポリペプチドは、10〜50%のβターンを含む。いくつかの態様において、良好な機械特性を有する繊維を形成するために利用されるポリペプチドは、10〜50%のαヘリックス組成を含む。いくつかの態様において、これらの組成範囲の全てが同じポリペプチドに当てはまる。いくつかの態様において、これらの組成範囲のうちの2つ以上が同じポリペプチドに当てはまる。
組換えタンパク質繊維の紡糸ドープおよび紡糸パラメータ
長く均一なRPFは、以下のプロセシング条件および方法を使用して生成することができる。
長く均一なRPFは、以下のプロセシング条件および方法を使用して生成することができる。
いくつかの態様において、本開示のポリペプチドのいずれかから表されるタンパク質を含有する紡糸ドープを合成する。紡糸ドープは、WO2015042164 A2、特に段落114〜134に見られるもののような公開された技法を使用して調製される。いくつかの態様において、標準混合技法を用いて、ギ酸ベースの紡糸溶液中に精製および乾燥されたブロックコポリマーポリペプチドを含むパウダー(本明細書以下において「組換えポリペプチドパウダー」)を溶解することによって、繊維紡糸液を調製した。態様に依存して、組換えポリペプチドパウダーは、様々な不純物を含み得、質量による組換えタンパク質(即ち、タンパク繊維を形成するタンパク質性ブロックコポリマー)の量によって表されるような組換えタンパク質パウダーの純度は、30〜100%、40〜90%、50〜90%、60〜90%、30〜70%、30〜40%および/または30〜65%の範囲であり得る。目視検査によって決定されるようにポリペプチドが完全に溶解されるまで、紡糸ドープを混合した。紡糸ドープを脱気し、溶解しない微粒子を遠心分離によって除去した。
一態様において、意図される長さの少なくともいくらかのパーセンテージ(例えば、80%)であるタンパク質の割合を、サイズ分離プロセスの結果の定量分析によって決定する。一態様において、サイズ分離プロセスはサイズ排除クロマトグラフィーを含み得る。一態様において、サイズ分離プロセスはゲル電気泳動を含み得る。定量分析は、クロマトグラムまたは濃度測定スキャンピークの面積を積分することによって、指定されるサイズ範囲に入る全タンパク質の割合を決定することを含み得る。例えば、サンプルをサイズ分離プロセスに通し、完全長、60%完全長および20%完全長に対応するピーク下の相対面積が3:2:1である場合、完全長である割合は、合計6質量部のうちの3質量部=50%質量比に対応する。
いくつかの態様において、本開示のポリペプチドのいずれかから表される紡糸ドープのタンパク質は、実質的に単分散である。いくつかの態様において、本開示のポリペプチドのいずれかから表される紡糸ドープのタンパク質は、コードタンパク質の分子量の5%〜99%、または5%〜50%、または50%〜99%、または20%〜80%、または40%〜60%、または5%〜30%、または70%〜99%、または5%〜20%、または5%〜10%、または80%〜99%、または90%〜99%の分子量を有する、5%〜99%、または5%〜50%、または50%〜99%、または20%〜80%、または40%〜60%、または5%〜30%、または70%〜99%、または5%〜20%、または5%〜10%、または80%〜99%、または90%〜99%のタンパク質を紡糸ドープ中に有する。「コードタンパク質」は、タンパク質発現において利用されるDNAによってコードされるポリペプチドアミノ酸配列と定義される。換言すれば、「コードタンパク質」は、タンパク質産生中の任意の段階で不完全なプロセス(例えば、転写エラー、タンパク質分解、相同組換え、切断、タンパク質断片化、タンパク質凝集)が存在しなかった場合に産生されるであろうポリペプチドである。紡糸ドープ中のタンパク質のより高い単分散度、換言すれば、より高い純度は、より高い初期モジュラス、より高い伸び率、より高い極限引張強度、およびより高い最大引張強度のような、より良好な機械特性を有する繊維を生成するという利点を有し得る。
他の態様において、紡糸ドープ中のタンパク質の<10%、または<15%、または<20%、または<25%、または<30%、または<35%、または<40%、または<45%、または<50%が、タンパク質発現において利用されるDNAによってコードされるタンパク質の分子量の>50%、または>55%、または>60%、または>65%、または>70%、または>75%、または>80%、または>85%、または>90%、または>95%、または>99%の分子量を有する、低い単分散度を有する繊維は、依然として、良好な機械特性を有する繊維を生成することができた。低純度紡糸ドープから形成された繊維による、本明細書に記載される機械特性(例えば、高い初期モジュラスおよび/または伸び率)は、本開示中の他のところに記載される、長いポリペプチド繰り返し単位、好適なポリペプチド組成、ならびに紡糸ドープおよび繊維紡糸パラメータの使用によって達成された。
他の態様において、タンパク質は、微生物、例えば、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、大腸菌、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、または哺乳動物細胞からの分泌を介して産生される。任意で、分泌速度は、少なくとも20mg/gDCW/hr(DCW = 乾燥細胞重量)である。任意で、タンパク質を、次いで、回収し、分離し、そして溶媒を含有する紡糸ドープを使用して繊維へと紡糸する。紡糸ドープ中で使用され得る溶媒のクラスのいくつかの例は、エタノール、メタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、酢酸エチル、およびエチレングリコールを含むがこれらに限定されない、水性、無機性または有機性のものである。WO2015042164 A2、特に段落114〜134に見出されるもののような、組換えタンパク質性ブロックコポリマーを合成するための様々な方法が、公開されている。
いくつかの態様において、繊維は、スピナレットを通して押し出され、例えば長さが20mより長い、長く均一なRPFが形成される。連続繊維製造は以下のプロセスを含む:ポンピング、濾過、繊維形成、および任意で、繊維処理。紡糸ドープは、フィルターを通って、そしてその後、小さな穴を含有するスピナレットを通って、ポンピングされる。フィルターおよびスピナレットを通る流体路中の抵抗力は、これらの構成要素の各々を横切る圧力低下をもたらす。必要とされるポンピング圧力およびポンプタイプは、システム構成要素の固有の流体力学的特性、それらを相互連結するために使用される経路、および紡糸ドープ液体の粘度によって決定される。濾過は、繊維の欠陥をもたらすか、またはスピナレットホールの1つの閉塞をもたらすであろう粒子をふるいにかけて排除するために使用される。いくつかの態様において、スクリーン濾過または深層タイプ濾過システムが使用される。RPFは、湿式紡糸を使用して形成され、紡糸ドープは、スピナレットホールを離れる際に凝固浴中で凝固する。凝固した繊維と凝固剤との間の摩擦に起因して、連続繊維製造は、他の紡糸プロセス(例えば、溶融紡糸または乾式紡糸)について使用されるものと比べてより低い紡糸速度を用いる。いくつかの態様において、冷延伸または熱延伸のような、紡糸後繊維処理が使用される。延伸は、繊維中のより高度のポリマー配向を与え、これは改善された機械特性をもたらす。
いくつかの態様において、当技術分野において公知のプロセスの構成要素を用いて、ポリペプチド溶液を繊維へと紡糸する。これらのプロセスとしては、例えば、湿式紡糸、乾湿式紡糸、および乾式紡糸が挙げられる。好ましい湿式紡糸態様において、フィラメントが液体凝固浴中へオリフィスを通って押し出される。一態様において、フィラメントは、凝固浴と接触する前にエアギャップを通って押し出され得る。乾湿式紡糸法において、紡糸液は、凝固浴に入る前に、不活性非凝固性流体、例えば空気中で、細められ引き伸ばされる。適切な凝固流体は、湿式紡糸法において使用されるものと同じである。
他の態様において、湿式紡糸についての凝固浴条件は、ある特定の機械特性を有する繊維形成を促進するように選択される。任意で、凝固浴は、0〜90℃、より好ましくは20〜60℃の温度で維持される。任意で、凝固浴は、約60%、70%、80%、90%、またはさらには100%のアルコール、好ましくは、イソプロパノール、エタノール、またはメタノールを含む。任意で、凝固浴は、体積で95:5、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、65:35、60:40、55:45または50:50のメタノール:水である。任意で、凝固浴は、20〜60℃の温度で、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、または他のタンパク質沈殿塩を含む添加剤のような、繊維の機械特性を増強するための添加剤を含有する。
いくつかの態様において、押し出されたフィラメントまたは繊維は、2つ以上の浴槽に通される。2つ以上の浴槽が使用される態様について、異なる浴槽は、異なるまたは同じ化学組成を有する。いくつかの態様において、押し出されたフィラメントまたは繊維は、2つ以上の凝固浴に通される。2つ以上の凝固浴が使用される態様について、異なる凝固浴は、異なるまたは同じ化学組成を有する。滞留時間は、凝固剤浴中で2秒間〜100分間のように、機械特性を改善するために調整され得る。巻取り/延伸速度は、0.1〜100メートル/分の速度のように、繊維の機械特性を改善するために調整され得る。
任意で、フィラメントまたは繊維はまた、残留溶媒および/または凝固剤を除去するために1つまたは複数のリンス浴に通される。好ましくは最終の水浴まで、減少する塩またはアルコール濃度のリンス浴が、塩またはアルコール浴の後に好ましくは続く。
押し出し後、フィラメントまたは繊維は延伸され得る。延伸は、フィラメントのコンシステンシー、軸配向および靭性を改善し得る。延伸は、凝固浴の組成によって増強され得る。延伸はまた、水、グリセロールまたは塩溶液などの可塑剤を含有する延伸浴において行われ得る。延伸はまた、グルタルアルデヒドまたはホルムアルデヒドなどの架橋剤を含有する延伸浴において行われ得る。延伸は、繊維特性を変えるために25〜100℃の温度で、好ましくは60℃で行われ得る。連続処理において一般的であるように、延伸は、前述した凝固、洗浄、可塑化、および/または架橋手順の間、同時に行われ得る。延伸率は、処理されるフィラメントに依存する。いくつかの態様において、延伸速度は、凝固浴からの巻取り速度の約4倍、または5倍、または6倍、または7倍、または8倍、または9倍、または10倍、または11倍、または12倍、または13倍、または14倍、または15倍である。
本発明のある態様において、フィラメントは、押し出し後または延伸後にスプール上に巻かれる。巻き速度は一般に1〜500m/分、好ましくは10〜50m/分である。
延伸倍率はまた、繊維の機械特性を改善するために調整され得る。異なる態様において、延伸倍率は1.5倍〜6倍であった。一態様において、より低い延伸倍率は、繊維の伸び率を改善した。一態様において、より高い延伸倍率は、繊維の最大引張強度を改善した。延伸はまた、溶液中、加湿空気中、または高温でのような、異なる環境において行われ得る。
開示される範囲の上限の凝固浴滞留時間で加工処理された本開示の繊維は、ひだ状断面をもたらす。即ち、各繊維は、繊維の外面に配置された複数のひだ(あるいは「溝」)を有する。これらのひだの各々は、ひだが配置されている対応する繊維の長手方向軸に平行である。凝固浴中でより高いエタノール含有量で加工処理された本開示の繊維は、中空コア繊維をもたらす。即ち、繊維は、内面および外面を含む。内面は、繊維の長手方向軸に平行な中空コアを画定する。
いくつかの態様において、凝固浴または第1凝固浴は、以下の化学物質のクラスを含むがこれらに限定されない、水、酸、溶媒および塩のうちの1つまたは複数の組み合わせを使用して調製される:ブレンステッド-ローリー酸、ルイス酸、二元水素化物酸、有機酸、金属陽イオン酸、有機溶媒、無機溶媒、アルカリ金属塩、およびアルカリ土類金属塩。凝固浴または第1凝固浴の調製において使用される酸のいくつかの例は、希塩酸、希硫酸、ギ酸および酢酸である。第1凝固浴の調製において使用される溶媒のいくつかの例は、エタノール、メタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、酢酸エチル、およびエチレングリコールである。凝固浴または第1凝固浴の調製において使用される塩の例としては、LiCl、KCl、BeCl2、MgCl2、CaCl2、NaCl、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、および硝酸、硫酸またはリン酸の他の塩が挙げられる。
いくつかの態様において、凝固浴または第1凝固浴の化学組成および押し出しパラメータは、繊維が凝固浴または第1凝固浴中で半透明のままであるように選択される。いくつかの態様において、凝固浴または第1凝固浴の化学組成および押し出しパラメータは、凝固浴または第1凝固浴中の繊維の凝固速度を減速させるように選択され、これは、結果として生じる繊維がその後の延伸ステップにおいて延伸する能力を改善する。様々な態様において、これらのその後の延伸ステップは、湿潤、乾燥、および加湿空気環境を含む、異なる環境において行われる。湿潤環境の例は、1つまたは複数の追加の浴槽または凝固浴を含む。いくつかの態様において、繊維は、第1凝固浴後に1つまたは複数の浴槽を通って移動する。態様において、1つまたは複数の追加の浴槽または凝固浴は、以下の化学物質のクラスを含むがこれらに限定されない、水、酸、溶媒および塩のうちの1つまたは複数の組み合わせを使用して調製される:ブレンステッド-ローリー酸、ルイス酸、二元水素化物酸、有機酸、金属陽イオン酸、有機溶媒、無機溶媒、アルカリ金属塩、およびアルカリ土類金属塩。第2の浴槽または凝固剤浴の調製において使用される酸のいくつかの例は、希塩酸、希硫酸、ギ酸および酢酸である。第2凝固剤浴の調製において使用される溶媒のいくつかの例は、エタノール、メタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、酢酸エチル、およびエチレングリコールである。第2の浴槽または凝固浴の調製において使用される塩のいくつかの例としては、LiCl、KCl、MgCl2、CaCl2、NaCl、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、および硝酸、硫酸またはリン酸の他の塩が挙げられる。いくつかの態様において、2つの凝固浴があり、ここで、第1凝固浴は第2凝固浴とは異なる化学組成を有し、第2凝固浴は第1凝固浴と比べてより高濃度の溶媒を有する。いくつかの態様において、3つ以上の凝固浴があり、第1凝固浴は第2凝固浴とは異なる化学組成を有し、第2凝固浴は第1凝固浴と比べてより低濃度の溶媒を有する。いくつかの態様において、2つの浴槽があり、第1のものは凝固浴であり、第2のものは洗浄浴である。いくつかの態様において、第1凝固浴は第2洗浄浴とは異なる化学組成を有し、第2洗浄浴は第1浴槽と比べてより高濃度の溶媒を有する。いくつかの態様において、3つ以上の浴槽があり、第1浴槽は第2浴槽とは異なる化学組成を有し、第2浴槽は第1浴槽と比べてより低濃度の溶媒を有する。
いくつかの態様において、紡糸ドープは、以下の化学物質のクラスを含むがこれらに限定されない、水、酸、溶媒および塩のうちの1つまたは複数の組み合わせを使用してさらに調製される:ブレンステッド-ローリー酸、ルイス酸、二元水素化物酸、有機酸、金属陽イオン酸、有機溶媒、無機溶媒、アルカリ金属塩、およびアルカリ土類金属塩。紡糸ドープの調製において使用される酸のいくつかの例は、希塩酸、希硫酸、ギ酸および酢酸である。紡糸ドープの調製において使用される溶媒のいくつかの例は、エタノール、メタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、酢酸エチル、およびエチレングリコールである。紡糸ドープの調製において使用される塩のいくつかの例は、LiCl、KCl、MgCl2、CaCl2、NaCl、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、および硝酸、硫酸またはリン酸の他の塩である。
いくつかの態様において、スピナレットは、繊維の機械特性を増強するように選択される。スピナレットの寸法は、長さ0.001cm〜5cm、直径25〜200umであり得る。いくつかの態様において、スピナレットは、同時に複数の繊維を紡糸するために複数のオリフィスを含む。いくつかの態様において、スピナレットの断面は、オリフィスでの最小の直径へ向かって徐々に先細になり、真っすぐな壁となり、次いでオリフィスへ向かって急激に先細になるか、または複数の狭窄を含む。スピナレットからの紡糸ドープの押し出し圧力はまた、10〜1000psiの範囲において、繊維の機械特性に影響を与えるように変わり得る。繊維特性と押し出し圧力との相互作用は、紡糸ドープ粘度、延伸/巻取り速度、および凝固浴の化学的性質によって影響され得る。
紡糸ドープ中の溶媒に対するタンパク質の濃度もまた、重要なパラメータである。いくつかの態様において、タンパク質重量/重量の濃度は、残りを構成する溶媒および他の添加剤を有する溶液中で、20%、または25%、または30%、または35%、または40%、または45%、または50%、または55%、または20%〜55%、または20%〜40%、または30%〜40%、または30%〜55%、または30%〜50%である。
長く均一な組換えタンパク質繊維の紡糸ドープおよび紡糸パラメータ
長く均一なRPFをプロセシングする方法を記載する。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さ、ならびに、繊維の長さに沿って均一である、物理特性、機械特性および/または化学特性を有する。いくつかの態様において、物理特性、機械特性および/または化学特性は、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%の、繊維の長さに沿ってのCVを有する。長く均一なRPFを紡糸する場合、以下のプロセスパラメータおよび条件が有用なガイドラインである。紡糸ドープは、粘度傾斜/不均質性を最小限にするために混合されるべきである。紡糸ドープ粘度変化は、紡糸事象の期間中に著しく変わらないように最小限にされるべきである。紡糸ドープは気泡および微粒子を欠いているべきであり、これらは、経時的にフィルターを覆い隠すか、スピナレットオリフィスを詰まらせるか、またはその後のプロセシング工程中に(例えば、延伸工程中に)破壊点となる欠陥を繊維中に導入する。押出圧力は、紡糸事象の期間中に一貫しているべきである(例えば、押出圧力は非拍動性であるべきである)。凝固浴配合物もまた、紡糸事象中に感知できるほどに変化しないべきである(例えば、浴成分のうちの1つの優先的な蒸発、吸水、または浴成分間の化学反応に起因する)。
長く均一なRPFをプロセシングする方法を記載する。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さ、ならびに、繊維の長さに沿って均一である、物理特性、機械特性および/または化学特性を有する。いくつかの態様において、物理特性、機械特性および/または化学特性は、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%の、繊維の長さに沿ってのCVを有する。長く均一なRPFを紡糸する場合、以下のプロセスパラメータおよび条件が有用なガイドラインである。紡糸ドープは、粘度傾斜/不均質性を最小限にするために混合されるべきである。紡糸ドープ粘度変化は、紡糸事象の期間中に著しく変わらないように最小限にされるべきである。紡糸ドープは気泡および微粒子を欠いているべきであり、これらは、経時的にフィルターを覆い隠すか、スピナレットオリフィスを詰まらせるか、またはその後のプロセシング工程中に(例えば、延伸工程中に)破壊点となる欠陥を繊維中に導入する。押出圧力は、紡糸事象の期間中に一貫しているべきである(例えば、押出圧力は非拍動性であるべきである)。凝固浴配合物もまた、紡糸事象中に感知できるほどに変化しないべきである(例えば、浴成分のうちの1つの優先的な蒸発、吸水、または浴成分間の化学反応に起因する)。
紡糸ドープは、高温ならびに高せん断混合アプローチ(穏やかな撹拌と対照的)を使用して、粘度傾斜/不均質性を最小限にするために混合することができる。高温は、22℃を上回りかつドープ溶媒の引火点を下回るものを含む。いくつかの高せん断混合方法は、インペラーベースの混合、均質化、音波混合、およびプラネタリー混合を含む。
紡糸ドープ粘度変化は、連続および/またはインライン撹拌、分子鎖運動性を減らすためのドープの温度制御(例えば、4℃〜22℃、またはおよそ15℃、またはおよそ7℃)、およびシルク鎖水素結合を妨害するための1つまたは複数のカオトロピック剤(例えば、尿素、MgCl2、LiCl、LiBr、および/またはドデシル硫酸ナトリウム)の添加などの方法を使用することによって、紡糸事象の期間中に著しく変わらないように最小限にすることができる。いくつかの態様において、1つまたは複数のカオトロピック剤を、15wt%(即ち、重量パーセント)未満、10wt%未満、5wt%未満、4wt%未満、3wt%未満、2wt%未満、または1wt%未満、または0.1wt%〜15wt%、0.1wt%〜10wt%、0.1wt%〜5wt%、0.1wt%〜2wt%、または0.1wt%〜1wt%の濃度で紡糸ドープへ添加することができる。
経時的にフィルターを覆い隠すか、スピナレットオリフィスを詰まらせるか、またはその後のプロセシング工程中に(例えば、延伸工程中に)破壊点となる欠陥を繊維中に導入する気泡および微粒子を回避するために、様々な方法を使用することができる。気泡は、真空下での紡糸ドープの脱気、紡糸ドープの遠心分離、および紡糸ドープの音波処理などの方法を使用して除去することができる。最初から気泡の発生を最小限にするためのいくつかの方法には、パウダーの表面下添加によって気泡の導入を最小限にすること、および混合中の紡糸ドープ上の頭上のエアギャップの除去が含まれる。微粒子(非シルク微粒子、溶解しないシルクパウダー)は、濾過、および高い相対遠心力(RCF)での遠心分離などの方法を使用して除去することができる。いくつかの態様において、遠心分離は、5000〜20000RCFで、15分〜30分の期間中、4℃〜22℃の温度で行われる。いくつかの態様において、遠心分離は、16000RCFで、15分を超える期間中、4℃〜22℃の温度で、または7000RCFで、15分を超える期間中、4℃〜22℃の温度で、行われる。
スピナレットを通してのドープの流れは、拍動性であるポンプ(例えば、蠕動ポンプ)ではなく、容積式ポンプを使用することによって、紡糸事象の期間中、連続的(即ち、非拍動性)とすることができる。容積式ポンプのいくつかの例は、スクリューポンプ、ギアポンプ、およびピストンポンプである。
凝固浴配合物は、クロマトグラフィーまたは分光技術などの定量的技術で浴成分をモニターし、そして凝固浴配合物のインライン調節を使用して凝固浴成分の変化を補正することなどの方法を使用して、紡糸事象中、感知できるほどに一貫に保持することができる(例えば、浴成分のうちの1つの優先的な蒸発、吸水、または浴成分間の化学反応に起因する)。いくつかの態様において、凝固浴配合物の成分の濃度の許容できる変動は、+/-10%絶対濃度、または+/-5%絶対濃度である。例示的な態様において、20%ギ酸および80%エタノールのターゲット濃度を有する凝固浴について、ギ酸濃度の許容できる範囲は10%〜40%であり得、配合物の残りはエタノールを含み、または15%〜25%であり得、配合物の残りはエタノールを含む。いくつかの態様において、吸収される水の許容できる濃度は、10%未満、または5%未満、または2%未満、または1%未満であり得る。
長く均一な組換えタンパク質繊維
本開示の態様は、20mより大きい長さを有するRPFを含む。いくつかの態様において、RPFは、先行技術の繊維と比較して、様々な改善された機械特性、物理特性、化学特性、および生物特性を含むように操作される。長い繊維は、繊維の長さに沿っての機械特性の低い変動係数(CV)によって記載されるように、均一な機械特性を有することができる。長く均一なRPFの物理特性のいくつかの例は、線密度、断面形状および直径である。長く均一なRPFの機械特性のいくつかの例は、最大テナシティー、初期モジュラス、伸び率、靭性および破断仕事量である。長く均一なRPFの化学特性のいくつかの例は、吸湿性、水分率および含水率である。長く均一なRPFの生物特性の例は、抗菌作用である。
本開示の態様は、20mより大きい長さを有するRPFを含む。いくつかの態様において、RPFは、先行技術の繊維と比較して、様々な改善された機械特性、物理特性、化学特性、および生物特性を含むように操作される。長い繊維は、繊維の長さに沿っての機械特性の低い変動係数(CV)によって記載されるように、均一な機械特性を有することができる。長く均一なRPFの物理特性のいくつかの例は、線密度、断面形状および直径である。長く均一なRPFの機械特性のいくつかの例は、最大テナシティー、初期モジュラス、伸び率、靭性および破断仕事量である。長く均一なRPFの化学特性のいくつかの例は、吸湿性、水分率および含水率である。長く均一なRPFの生物特性の例は、抗菌作用である。
変動係数について議論する場合、十分なサンプルを繊維、糸または布から取り、人為的に低いCVへの低サンプルバイアスを十分に軽減する。いくつかの態様において、人為的に低いCVへの低サンプルバイアスを排除するために十分な量で、繊維の長さ、もしくは糸の長さに沿って、または布の領域にわたって一定間隔でサンプルを取る。いくつかの態様において、サンプルの総数は、10個、または20個、または40個、または60個、または80個、または100個であるか、または100個を超える。
いくつかの態様において、RPFは、改善された機械特性、例えば、高い初期モジュラス、高い伸び率、高いテナシティー、および高い靭性を有し、これらの特性のうちの1つまたは複数は、繊維の長さに沿って均一である(例えば、30%未満の変動係数を有する)。いくつかの態様において、長さに沿って均一である改善された機械特性を有するRPFは、改善された物理特性、例えば、低い線密度(低いdtex)、小さな直径、操作された断面形状および低い多孔性を有する。いくつかの態様において、長さに沿って均一である改善された機械特性を有するRPFは、改善された化学特性、例えば、親水性を有する。いくつかの態様において、長さに沿って均一である改善された機械特性を有するRPFは、改善された生物特性を有し、例えば、抗菌性である。
いくつかの態様において、長いRPF(例えば、20mより大きい長さを有する)は、改善された機械特性、例えば、高い初期モジュラス、高い伸び率、高いテナシティー、および高い靭性を有し、これらは繊維の長さに沿って均一である(例えば、30%未満の変動係数を有する)。いくつかの態様において、長いRPF(例えば、20mより大きい長さを有する)は、改善された物理特性、例えば、高い繊度(低いdtex)、操作された断面形状および多孔性を有し、これらは繊維の長さに沿って均一である(例えば、30%未満の変動係数を有する)。いくつかの態様において、長いRPF(例えば、20mより大きい長さを有する)は、改善された化学特性を有し、例えば、湿気を効果的に吸収し(例えば、水中に浸漬させた場合、10%より大きい直径変化を有する)、これらは繊維の長さに沿って均一である(例えば、30%未満の変動係数を有する)。いくつかの態様において、長いRPF(例えば、20mより大きい長さを有する)は、改善された生物特性を有し、例えば、抗菌性であり、これらは繊維の長さに沿って均一である(例えば、30%未満の変動係数を有する)。
いくつかの態様において、長いRPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有する。
長く均一なRPFの物理特性の操作
いくつかの態様において、長く均一なRPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、かつ、20dtex未満、または15dtex未満、または10dtex未満、または5dtex未満、または3dtex未満、または2dtex未満、または1.5dtex未満、または1.5dtexより大きい、または1.7dtexより大きい、または2dtexより大きい、または1〜30dtex、または1〜20dtex、または1〜15dtex、または1〜10dtex、または1〜5dtex、または1〜3dtex、または1.5〜2dtex、または1.5〜2.5dtex、または0.1〜30dtex、または0.1〜20dtex、または0.1〜10dtex、または0.1〜5dtex、または0.1〜3dtex、または0.1〜2dtexの線密度平均値または中央値を有し、かつ、線密度は、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%の、繊維の長さに沿ってのCVを有する。長く均一なRPFから生成された糸は、ロープ、布および衣服、室内装飾品またはリネンの構築のような、無数の適用において有用である。
いくつかの態様において、長く均一なRPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、かつ、20dtex未満、または15dtex未満、または10dtex未満、または5dtex未満、または3dtex未満、または2dtex未満、または1.5dtex未満、または1.5dtexより大きい、または1.7dtexより大きい、または2dtexより大きい、または1〜30dtex、または1〜20dtex、または1〜15dtex、または1〜10dtex、または1〜5dtex、または1〜3dtex、または1.5〜2dtex、または1.5〜2.5dtex、または0.1〜30dtex、または0.1〜20dtex、または0.1〜10dtex、または0.1〜5dtex、または0.1〜3dtex、または0.1〜2dtexの線密度平均値または中央値を有し、かつ、線密度は、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%の、繊維の長さに沿ってのCVを有する。長く均一なRPFから生成された糸は、ロープ、布および衣服、室内装飾品またはリネンの構築のような、無数の適用において有用である。
いくつかの態様において、長く均一なRPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、かつ、100ミクロン未満、または75ミクロン未満、または50ミクロン未満、または25ミクロン未満、または20ミクロン未満、または15ミクロン未満、または10ミクロン未満、または5ミクロン未満、または2ミクロン未満、または100ミクロンより大きい、または75ミクロンより大きい、または50ミクロンより大きい、または25ミクロンより大きい、または20ミクロンより大きい、または15ミクロンより大きい、または10ミクロンより大きい、または5ミクロンより大きい、または1ミクロンより大きい、または1〜100ミクロン、または1〜75ミクロン、または1〜50ミクロン、または1〜25ミクロン、または1〜20ミクロン、または1〜15ミクロン、または1〜10ミクロン、または1〜5ミクロン、または5〜100ミクロン、または5〜75ミクロン、または5〜50ミクロン、または5〜25ミクロン、または5〜20ミクロン、または5〜15ミクロン、または5〜10ミクロンの直径平均値または中央値を有し、かつ、直径は、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%の、繊維の長さに沿ってのCVを有する。
マイクロファイバーは、約1dtex(即ち、直径約10μm)未満の繊度を有する繊維の分類である。H.K., Kaynak and O. Babaarslan, Woven Fabrics, Croatia: InTech, 2012。いくつかの態様において、本明細書において議論される長い長さ、機械特性、線密度、および低い変動係数のうちの1つまたは複数を有する長く均一なRPFの線密度中央値または平均値は、1dtex(即ち、直径約15ミクロン)未満である。いくつかの態様において、フィラメント糸、または紡績糸、またはブレンド糸を構成するRPFの線密度中央値または平均値は、約0.5dtex(直径約10ミクロン)未満である。マイクロファイバーの小さな直径は、消費者に望ましい様々な品質および特徴をマイクロファイバー糸およびファブリックに与える。マイクロファイバーは、本質的により柔軟であり(曲げは繊維直径に反比例する)、従って、柔らかな感触、低い剛性および高いドレープ性(drapeability)を有する。マイクロファイバーはまた、高い繊維密度(糸断面積当たり、より多くの繊維)を有するフィラメント糸へ形成され、同様の寸法の他の糸と比較してより高い強度をマイクロファイバー糸に与えることができる。マイクロファイバーはまた、糸内の個別の応力緩和に寄与し、しわの寄らないファブリックをもたらす。さらに、マイクロファイバーは、糸内で高い圧縮効率を有し、これは、他の防水および防風技術(例えば、ポリビニルコーティング)と比較して通気性を維持しながらファブリック防水性および防風性を改善する。マイクロファイバーファブリック内の高い繊維密度は、繊維間のマイクロチャネル構造を生じさせ、これは、毛細管効果を促進し、ウィッキングおよび速乾特徴を与える。マイクロファイバー糸の体積に対する高い表面積により、より明るくかつより鮮明に染色することが可能となり、印刷されたファブリックは、同様に、より明確かつより鮮明なパターン保持を有する。現在、組換えシルク繊維は、マイクロファイバータイプの特徴を有するシルクを生じさせるために十分に小さな繊度を有していない。米国特許出願公開第2014/0058066号は、一般に、5〜100μmの繊維直径を開示しているが、5μmと同程度に小さな直径を有する繊維のいかなる実施例も実際には開示していない。
いくつかの態様において、長く均一なRPFは、長手方向軸、内面および外面を有し、内面は、繊維の長手方向軸に平行な中空コアを画定する。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、長手方向軸および外面を有し、外面は複数のひだを含み、複数の各ひだは繊維の長手方向軸に平行であるかまたは実質的に平行である。実質的に平行とは、25°未満または20°未満または15°未満または10°未満または5°未満の、長手方向繊維軸を規定する線とひだの軸を規定する線との間の角度偏差を意味する。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、長手方向軸と、長手方向軸を横切る、実質的に円形であるか、または実質的に三角形であるか、または実質的に二葉形であるか、または実質的に三葉形であるか、または実質的に卵形であるか、または実質的にc形状である、断面形状とを有する。
表面積対体積の比率は、繊維が滑らかな表面および円形断面を有する場合、比較的小さい。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、1000cm-1より大きい、または1000〜3x105cm-1の、または1x104cm-1より大きい、または1x105cm-1より大きい表面積対体積比率を有する。表面積対体積の比率は、繊維が粗い表面および/または非円形断面を有する場合、例えば繊維に筋がある場合、実質的により大きくなり得る。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、1000〜3x107cm-1の、または1x106cm-1より大きい、または1x107cm-1より大きい表面積対体積比率を有する。高い表面積対体積比率を有する繊維は、生物医学的適用、フィルター、および衣服において有用であり得る。
長く均一なRPFの機械特性の操作
いくつかの態様において、RPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、ここで、繊維の特性平均値または中央値は、50cN/texより大きい、または115cN/texより大きい、または200cN/texより大きい、または400cN/texより大きい、または550cN/texより大きい、または600cN/texより大きい、または800cN/texより大きい、または1000cN/texより大きい、または2000cN/texより大きい、または3000cN/texより大きい、または4000cN/texより大きい、または5000cN/texより大きい、または200〜900cN/tex、または100〜7000cN/tex、または500〜7000cN/tex、または50〜7000cN/tex、または100〜5000cN/tex、または500〜5000cN/tex、または50〜5000cN/tex、または100〜2000cN/tex、または500〜2000cN/tex、または50〜2000cN/tex、または100〜1000cN/tex、または500〜1000cN/tex、または50〜1000cN/tex、または50〜500cN/tex、または100〜1000cN/tex、または500〜1000cN/tex、または100〜700cN/texの初期モジュラス、および/または、0.5cN/texより大きい、または1cN/texより大きい、または2cN/texより大きい、または4cN/texより大きい、または6cN/texより大きい、または7.7cN/texより大きい、または8cN/texより大きい、または10cN/texより大きい、または15cN/texより大きい、または20cN/texより大きい、または25cN/texより大きい、または30cN/texより大きい、または40cN/texより大きい、または50cN/texより大きい、または60cN/texより大きい、または70cN/texより大きい、または80cN/texより大きい、または90cN/texより大きい、または100cN/texより大きい、または0.5cN/tex〜120cN/tex、または1cN/tex〜120cN/tex、または6cN/tex〜120cN/tex、または6cN/tex〜50cN/tex、または6cN/tex〜30cN/tex、または6cN/tex〜20cN/texの最大引張強度、および/または、1%より大きい、または3%より大きい、または5%より大きい、または10%より大きい、または20%より大きい、または30%より大きい、または100%より大きい、または200%より大きい、または300%より大きい、または400%より大きい、または1%〜400%、または1〜200%、または1〜100%、または1〜20%、または1〜30%、または1〜40%、または10〜200%、または10〜100%、または10〜50%、または10〜20%、または10%〜20%、または50%〜150%、または100%〜150%、または300%〜400%の伸び率を含み、かつ、繊維の長さに沿っての初期モジュラス、最大引張強度および/または伸び率のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。単繊維の引張特性を測定するための標準試験法は、ASTMD3822-14である。これらの繊維機械特性はまた、産業用の繊維延伸および糸形成方法における繊維の使用を可能にする。長く均一なRPFから生成された糸は、ロープ、布および衣服、室内装飾品またはリネンの構築のような、無数の適用において有用である。高いモジュラス、最大テナシティー、および/または伸び率を有する長く均一なRPFを含むフィラメント糸、または紡績糸、またはブレンド糸は、以下を含む多くの適用において使用され得る:敷物類およびカーペット裏地、産業用繊維製品(例えば、タイヤコードおよびタイヤファブリック、シートベルト、産業用ウェビングおよびテープ、テント、釣り糸および網、ロープ、ならびにテープ補強材)、衣類用ファブリック(例えば、女性用の薄い靴下類、下着、寝巻き、足首丈の靴下およびソックス、ならびに種々の衣類用ファブリック)、ならびにインテリアおよび家庭用品(例えば、ベッド用ティッキング、家具装飾品、カーテン、ベッドカバー、シーツ、およびドレープリー)。
いくつかの態様において、RPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、ここで、繊維の特性平均値または中央値は、50cN/texより大きい、または115cN/texより大きい、または200cN/texより大きい、または400cN/texより大きい、または550cN/texより大きい、または600cN/texより大きい、または800cN/texより大きい、または1000cN/texより大きい、または2000cN/texより大きい、または3000cN/texより大きい、または4000cN/texより大きい、または5000cN/texより大きい、または200〜900cN/tex、または100〜7000cN/tex、または500〜7000cN/tex、または50〜7000cN/tex、または100〜5000cN/tex、または500〜5000cN/tex、または50〜5000cN/tex、または100〜2000cN/tex、または500〜2000cN/tex、または50〜2000cN/tex、または100〜1000cN/tex、または500〜1000cN/tex、または50〜1000cN/tex、または50〜500cN/tex、または100〜1000cN/tex、または500〜1000cN/tex、または100〜700cN/texの初期モジュラス、および/または、0.5cN/texより大きい、または1cN/texより大きい、または2cN/texより大きい、または4cN/texより大きい、または6cN/texより大きい、または7.7cN/texより大きい、または8cN/texより大きい、または10cN/texより大きい、または15cN/texより大きい、または20cN/texより大きい、または25cN/texより大きい、または30cN/texより大きい、または40cN/texより大きい、または50cN/texより大きい、または60cN/texより大きい、または70cN/texより大きい、または80cN/texより大きい、または90cN/texより大きい、または100cN/texより大きい、または0.5cN/tex〜120cN/tex、または1cN/tex〜120cN/tex、または6cN/tex〜120cN/tex、または6cN/tex〜50cN/tex、または6cN/tex〜30cN/tex、または6cN/tex〜20cN/texの最大引張強度、および/または、1%より大きい、または3%より大きい、または5%より大きい、または10%より大きい、または20%より大きい、または30%より大きい、または100%より大きい、または200%より大きい、または300%より大きい、または400%より大きい、または1%〜400%、または1〜200%、または1〜100%、または1〜20%、または1〜30%、または1〜40%、または10〜200%、または10〜100%、または10〜50%、または10〜20%、または10%〜20%、または50%〜150%、または100%〜150%、または300%〜400%の伸び率を含み、かつ、繊維の長さに沿っての初期モジュラス、最大引張強度および/または伸び率のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。単繊維の引張特性を測定するための標準試験法は、ASTMD3822-14である。これらの繊維機械特性はまた、産業用の繊維延伸および糸形成方法における繊維の使用を可能にする。長く均一なRPFから生成された糸は、ロープ、布および衣服、室内装飾品またはリネンの構築のような、無数の適用において有用である。高いモジュラス、最大テナシティー、および/または伸び率を有する長く均一なRPFを含むフィラメント糸、または紡績糸、またはブレンド糸は、以下を含む多くの適用において使用され得る:敷物類およびカーペット裏地、産業用繊維製品(例えば、タイヤコードおよびタイヤファブリック、シートベルト、産業用ウェビングおよびテープ、テント、釣り糸および網、ロープ、ならびにテープ補強材)、衣類用ファブリック(例えば、女性用の薄い靴下類、下着、寝巻き、足首丈の靴下およびソックス、ならびに種々の衣類用ファブリック)、ならびにインテリアおよび家庭用品(例えば、ベッド用ティッキング、家具装飾品、カーテン、ベッドカバー、シーツ、およびドレープリー)。
いくつかの態様において、長く均一なRPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、ここで、繊維の特性平均値または中央値は、10dtex未満、または5dtex未満、または3dtex未満、または2dtex未満、または1.5dtex未満、または1.5dtexより大きい、または1.7dtexより大きい、または2dtexより大きい、または1〜15dtex、または1〜10dtex、または1〜5dtex、または1〜3dtex、または1.5〜2dtex、または1.5〜2.5dtexの線密度、および、0.5cN/texより大きい、または1cN/texより大きい、または2cN/texより大きい、または4cN/texより大きい、または6cN/texより大きい、または7.7cN/texより大きい、または8cN/texより大きい、または10cN/texより大きい、または15cN/texより大きい、または20cN/texより大きい、または25cN/texより大きい、または30cN/texより大きい、または40cN/texより大きい、または50cN/texより大きい、または60cN/texより大きい、または70cN/texより大きい、または80cN/texより大きい、または90cN/texより大きい、または100cN/texより大きい、または0.5cN/tex〜120cN/tex、または1cN/tex〜120cN/tex、または6cN/tex〜120cN/tex、または6cN/tex〜50cN/tex、または6cN/tex〜30cN/tex、または6cN/tex〜20cN/texの最大引張強度を含み、かつ、繊維の長さに沿っての線密度および/または最大引張強度のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。
いくつかの態様において、RPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、ここで、繊維の特性平均値または中央値は、0.1cN*cmより大きい、または0.2cN*cmより大きい、または0.3cN*cmより大きい、または0.4cN*cmより大きい、または0.5cN*cmより大きい、または0.6cN*cmより大きい、または0.7cN*cmより大きい、または0.8cN*cmより大きい、または0.9cN*cmより大きい、または1cN*cmより大きい、または1.3cN*cmより大きい、または2cN*cmより大きい、または5cN*cmより大きい、または10cN*cmより大きい、または0.1〜10cN*cm、または0.1〜5cN*cm、または0.1〜2cN*cm、または0.2〜5cN*cm、または0.2〜10cN*cm、または0.2〜2cN*cm、または0.3〜2cN*cm、または0.4〜10cN*cm、または0.4〜5cN*cm、または0.4〜2cN*cm、または0.4〜1cN*cm、または0.5〜2cN*cm、または0.5〜1.3cN*cm、0.6〜2cN*cm、または0.7〜1.1cN*cmの破断仕事量を含み、かつ、繊維の長さに沿っての破断仕事量(work or rupture)のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。
いくつかの態様において、RPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、ここで、繊維の特性平均値または中央値は、2cN/texより大きい、または0.5〜70cN/texの、または3cN/texより大きい、または4cN/texより大きい、または5cN/texより大きい、または7.5cN/texより大きい、または10cN/texより大きい、または20cN/texより大きい、または30cN/texより大きい、または40cN/texより大きい、または50cN/tex、60cN/texより大きい、または70cN/texより大きい、または2〜3cN/tex、または3〜4cN/tex、または4〜5cN/tex、または5〜7.5cN/tex、または7.5〜10cN/tex、または10〜20cN/tex、または20〜30cN/tex、または30〜40cN/tex、または40〜50cN/tex、または50〜60cN/tex、または60〜70cN/texの靭性を含み、かつ、繊維の長さに沿っての靭性のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。高い靭性を有する長く均一なRPFを含むフィラメント糸、または紡績糸、またはブレンド糸は、以下を含む多くの適用において使用され得る:敷物類およびカーペット裏地、産業用繊維製品(例えば、タイヤコードおよびタイヤファブリック、シートベルト、産業用ウェビングおよびテープ、テント、釣り糸および網、ロープ、ならびにテープ補強材)、衣類用ファブリック(例えば、女性用の薄い靴下類、下着、寝巻き、足首丈の靴下およびソックス、ならびに種々の衣類用ファブリック)、インテリアおよび家庭用品(例えば、ベッド用ティッキング、家具装飾品、カーテン、ベッドカバー、シーツ、およびドレープリー)。
長く均一なRPFの湿気特性の操作
繊維の別の湿気関連の特徴は、水中に浸漬させた場合の膨潤度である。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、高吸湿特性を有する。いくつかの態様において、RPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、ここで、繊維の特性平均値または中央値は、5%より大きい、または0.1%〜100%の、または1%より大きい、または2%より大きい、または4%より大きい、または6%より大きい、または8%より大きい、または10%より大きい、または15%より大きい、または20%より大きい、または25%より大きい、または30%より大きい、または35%より大きい、または40%より大きい、または45%より大きい、または50%より大きい、または60%より大きい、または70%より大きい、または80%より大きい、または90%より大きい、または5%〜10%、または10%〜20%、または20%〜30%、または30%〜40%、または40%〜50%、または50%〜60%、または60%〜70%、または70%〜80%、または80%〜90%、または90%〜100%、または20%〜35%、または15%〜40%、または15%〜35%の、21℃+/-1℃の温度で水中に浸漬させた場合の直径変化を含み、かつ、繊維の長さに沿っての、21℃+/-1℃の温度で水中に浸漬させた場合の直径変化のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。そのような長く均一なRPFは、フィラメント糸、紡績糸またはブレンド糸に作ることができ、そのようなフィラメント糸、紡績糸、またはブレンド糸は、アクティブウェア衣類のような、湿気が皮膚から離れるように移動することが望ましいスキンニットまたは織物のような布および衣服において有用である。いくつかの態様において、これらのフィラメント糸、または紡績糸、またはブレンド糸は、組み糸もしくは布、またはダブルニット生地へと構築され得る。いくつかの態様において、これらの布は、吸収された湿気が容易に蒸発することを可能にするために、布および/または衣服の外面に面した位置に配置され得る。繊維直径の変化は、光学顕微鏡法を使用して直接測定され得る。
繊維の別の湿気関連の特徴は、水中に浸漬させた場合の膨潤度である。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、高吸湿特性を有する。いくつかの態様において、RPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、ここで、繊維の特性平均値または中央値は、5%より大きい、または0.1%〜100%の、または1%より大きい、または2%より大きい、または4%より大きい、または6%より大きい、または8%より大きい、または10%より大きい、または15%より大きい、または20%より大きい、または25%より大きい、または30%より大きい、または35%より大きい、または40%より大きい、または45%より大きい、または50%より大きい、または60%より大きい、または70%より大きい、または80%より大きい、または90%より大きい、または5%〜10%、または10%〜20%、または20%〜30%、または30%〜40%、または40%〜50%、または50%〜60%、または60%〜70%、または70%〜80%、または80%〜90%、または90%〜100%、または20%〜35%、または15%〜40%、または15%〜35%の、21℃+/-1℃の温度で水中に浸漬させた場合の直径変化を含み、かつ、繊維の長さに沿っての、21℃+/-1℃の温度で水中に浸漬させた場合の直径変化のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。そのような長く均一なRPFは、フィラメント糸、紡績糸またはブレンド糸に作ることができ、そのようなフィラメント糸、紡績糸、またはブレンド糸は、アクティブウェア衣類のような、湿気が皮膚から離れるように移動することが望ましいスキンニットまたは織物のような布および衣服において有用である。いくつかの態様において、これらのフィラメント糸、または紡績糸、またはブレンド糸は、組み糸もしくは布、またはダブルニット生地へと構築され得る。いくつかの態様において、これらの布は、吸収された湿気が容易に蒸発することを可能にするために、布および/または衣服の外面に面した位置に配置され得る。繊維直径の変化は、光学顕微鏡法を使用して直接測定され得る。
繊維の他の2つの湿気関連の特徴は、環境からの水蒸気の取り込みを測定する、水分率および含水率である。一つのタイプの測定において、サンプルは、既知の相対湿度(例えば、60〜70%相対湿度)および温度(例えば、20〜25℃)を有する環境中で平衡化させ、次いで、水を追い出すために(例えば、100℃を僅かに上回る温度で)加熱する。熱重量分析(TGA)システムのようなツールを使用して、(いくらかの水を含有する)最初の馴化質量(conditioned mass)、最終乾燥質量、および質量変化が経時的に測定され得る。繊維の水分率は、乾燥質量で割った失われた水質量と定義される。RPFの含水率は、馴化質量で割った失われた水質量と定義される。いくつかの態様において、RPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、ここで、繊維の特性平均値または中央値は、22℃にて65%相対湿度環境での平衡馴化質量から測定され、そして大体の平衡乾燥質量が達成されるまで110℃で加熱された場合、1%より大きい、または2%より大きい、または3%より大きい、または4%より大きい、または5%より大きい、または6%より大きい、または7%より大きい、または8%より大きい、または9%より大きい、または10%より大きい、または12%より大きい、または14%より大きい、または16%より大きい、または18%より大きい、または20%より大きい、または1%〜30%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%、または5%〜15%、または5%〜10%の水分率または含水率を含み、かつ、繊維の長さに沿っての水分率または含水率のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。
繊維と水との相互作用を特徴付けるための多くの異なる測定基準がある。一つのそのような方法は、水との接触角によって特徴付けられる、繊維の表面の親水性を測定することである。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、繊維張力計で測定した場合、水が充填された張力計での標準アッセイを使用して試験した場合、90度未満、または80度未満、または70度未満、または60度未満、または60〜90度または60〜80度、または60〜70度、または70〜90度、または70〜80度、または80〜90度の張力計接触角中央値または平均値を有し、かつ、繊維の長さに沿っての張力計接触角のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。そのような長く均一なRPFは糸に作ることができ、そのような糸は、皮膚から湿気を引き離して着用者に対してより多くの快適さを与えるため使用される繊維特性および糸構築を使用する布において有用である。いくつかの態様において、これらのフィラメント糸、または紡績糸、またはブレンド糸は、組み糸もしくは布、またはダブルニット生地へと構築され得る。いくつかの態様において、これらの布は、吸収された湿気が容易に蒸発することを可能にするために、布および/または衣服の外面に面した位置に配置され得る。
いくつかの態様において、長く均一なRPFは、高モイスチャーウィッキング特性を有する。ウィッキング速度を測定する標準方法は、布の垂直ウィッキングについてはAATCC試験法197-2011であり、布の水平ウィッキングについてはAATCC試験法198-2011である。いくつかの態様において、長く均一なRPFを含むフィラメント糸、または紡績糸、またはブレンド糸を含む、72本/cmの経糸密度および40ピック/cmのピック密度を有する平織1/1布は、AATCC試験法197-2011を使用して試験され、かつ、1mm/sより大きい、または0.1〜100mm/sの、または0.1mm/sより大きい、または0.2mm/sより大きい、または0.4mm/sより大きい、または0.6mm/sより大きい、または0.8mm/sより大きい、または2mm/sより大きい、または4mm/sより大きい、または6mm/sより大きい、または8mm/sより大きい、または10mm/sより大きい、または15mm/sより大きい、または20mm/sより大きい、または40mm/sより大きい、または60mm/sより大きい、または80mm/sより大きい、または100mm/sより大きい、または0.1mm/s〜1mm/s、または1mm/s〜10mm/s、または10mm/s〜20mm/s、または20mm/s〜30mm/s、または30mm/s〜40mm/s、または40mm/s〜50mm/s、または50mm/s〜60mm/s、または60mm/s〜70mm/s、または70mm/s〜80mm/s、または80mm/s〜90mm/s、または90mm/s〜100mm/sの水平ウィッキング速度中央値または平均値を有し、かつ、布の領域にわたっての水平ウィッキング速度のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。長く均一なRPFを含有するそのようなフィラメント糸、または紡績糸、またはブレンド糸は、アクティブウェア衣類のような、湿気が皮膚から離れるようにウィッキングすることが望ましいスキンニットまたは織物のような布および衣服において有用である。いくつかの態様において、これらのフィラメント糸、または紡績糸、またはブレンド糸は、組み糸もしくは布、またはダブルニット生地へと構築され得る。いくつかの態様において、これらの布は、吸収された湿気が容易に蒸発することを可能にするために、布および/または衣服の外面に面した位置に配置される。
長く均一なRPFの特性の組み合わせ
異なる態様において、いくつかの繊維、糸および布の特徴は、合わせてグループ化され得る。例えば、繊維は、高い吸湿を有しかつ高い伸び率を有するように操作され得る。実際に、本開示において議論される繊維、糸および布の特性の全ては、互いと組み合わせられ得る。しかしながら、いくつかの場合においては、繊維、糸または布の特性の定量化、および特性が得られる方法は両方とも重要であり、どの特性が組み合わされ得るかを変え得る。例えば、吸湿は、タンパク質配列中のグリシンリッチ領域に対するポリアラニン領域の比率を増加させることによって繊維へ与えられ得るが、タンパク質配列中のポリアラニン領域の比率を増加させることは、繊維の伸長性をより低くする傾向がある。表2は、互いに排他的ではない繊維、糸および布の特性(Y)、ならびに互いに排他的である繊維の特性(N)の組み合わせを示す。
異なる態様において、いくつかの繊維、糸および布の特徴は、合わせてグループ化され得る。例えば、繊維は、高い吸湿を有しかつ高い伸び率を有するように操作され得る。実際に、本開示において議論される繊維、糸および布の特性の全ては、互いと組み合わせられ得る。しかしながら、いくつかの場合においては、繊維、糸または布の特性の定量化、および特性が得られる方法は両方とも重要であり、どの特性が組み合わされ得るかを変え得る。例えば、吸湿は、タンパク質配列中のグリシンリッチ領域に対するポリアラニン領域の比率を増加させることによって繊維へ与えられ得るが、タンパク質配列中のポリアラニン領域の比率を増加させることは、繊維の伸長性をより低くする傾向がある。表2は、互いに排他的ではない繊維、糸および布の特性(Y)、ならびに互いに排他的である繊維の特性(N)の組み合わせを示す。
長く均一なRPFの物理特性、機械特性および湿気特性の組み合わせの一例は、線密度、最大引張強度、および水中に浸漬させた場合の直径変化である。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、20mより大きい、または50mより大きい、または100mより大きい、または200mより大きい、または300mより大きい、または400mより大きい、または500mより大きい、または750mより大きい、または1000mより大きい、または1500mより大きい、または2000mより大きい、または5000mより大きい、または10000mより大きい、または20〜2000m、または50〜2000m、または100〜2000m、または200〜2000m、または500〜2000m、または20〜5000m、または50〜5000m、または100〜5000m、または200〜5000m、または500〜5000m、または20〜10000m、または50〜10000m、または100〜10000m、または200〜10000m、または500〜10000mの長さを有し、ここで、繊維の特性平均値または中央値は、10dtex未満、または5dtex未満、または3dtex未満、または2dtex未満、または1.5dtex未満、または1.5dtexより大きい、または1.7dtexより大きい、または2dtexより大きい、または1〜15dtex、または1〜10dtex、または1〜5dtex、または1〜3dtex、または1.5〜2dtex、または1.5〜2.5dtexの線密度、および、0.5cN/texより大きい、または1cN/texより大きい、または2cN/texより大きい、または4cN/texより大きい、または6cN/texより大きい、または7.7cN/texより大きい、または8cN/texより大きい、または10cN/texより大きい、または15cN/texより大きい、または20cN/texより大きい、または25cN/texより大きい、または30cN/texより大きい、または40cN/texより大きい、または50cN/texより大きい、または60cN/texより大きい、または70cN/texより大きい、または80cN/texより大きい、または90cN/texより大きい、または100cN/texより大きい、または0.5cN/tex〜120cN/tex、または1cN/tex〜120cN/tex、または6cN/tex〜120cN/tex、または6cN/tex〜50cN/tex、または6cN/tex〜30cN/tex、または6cN/tex〜20cN/texの最大引張強度、および、5%より大きい、または0.1%〜100%の、または1%より大きい、または2%より大きい、または4%より大きい、または6%より大きい、または8%より大きい、または10%より大きい、または15%より大きい、または20%より大きい、または25%より大きい、または30%より大きい、または35%より大きい、または40%より大きい、または45%より大きい、または50%より大きい、または60%より大きい、または70%より大きい、または80%より大きい、または90%より大きい、または5%〜10%、または10%〜20%、または20%〜30%、または30%〜40%、または40%〜50%、または50%〜60%、または60%〜70%、または70%〜80%、または80%〜90%、または90%〜100%、または20%〜35%、または15%〜40%、または15%〜35%の、21℃+/-1℃の温度で水中に浸漬させた場合の直径変化を含み、かつ、繊維の長さに沿っての、線密度および/または最大引張強度および/または21℃+/-1℃の温度で水中に浸漬させた場合の直径変化のCVは、50%未満、または40%未満、または30%未満、または20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または0.1%〜50%、または0.1%〜40%、または0.1%〜30%、または0.1%〜20%、または0.1%〜15%、または0.1%〜10%、または1%〜50%、または1%〜40%、または1%〜30%、または1%〜20%、または1%〜15%、または1%〜10%である。
組換えタンパク質繊維の糸および布を形成する方法
個々のRPFは、布において使用される糸にされる。長く均一なRPFから糸を形成する種々の方法があり、長く均一なRPFを含む糸から布を形成する種々の方法があり、これらは、種々の構造および特性を有する糸および布を生成する。
個々のRPFは、布において使用される糸にされる。長く均一なRPFから糸を形成する種々の方法があり、長く均一なRPFを含む糸から布を形成する種々の方法があり、これらは、種々の構造および特性を有する糸および布を生成する。
所望の糸のタイプに依存して、いくつかのフィラメント糸形成方法が、長く均一なRPFを含有するフィラメント糸を作るために使用され得る。これらの方法は、絹撚糸装置または連続紡績を使用してフラットフィラメント繊維を単純に撚ることを含み得る。長く均一なRPFを含むテクスチャード加工フィラメント糸は、嵩、テクスチャーまたはストレッチを得るために、真っすぐなフィラメントを捲縮された、コイル状の、またはループ状のフィラメントへアレンジするプロセスにさらに供され得る。長く均一なRPFを含むテクスチャード加工フィラメント糸を加工処理するために使用される方法のいくつかの例は、エアジェットテクスチャード加工、仮撚りテクスチャード加工、またはスタッファーボックステクスチャード加工である。フィラメント糸はまた、仮撚りテクスチャード加工、エアジェットテクスチャード加工またはスタッファーボックス装置を使用して、紡績中にテクスチャー加工され得る。加熱、化学結合形成または合撚を用いてもよい。
いくつかの態様において、長く均一なRPFを含む糸を、リング紡績装置を使用して作製する。いくつかの態様において、長く均一なRPFを含む糸を、オープンエンド紡績装置を使用して作製する。いくつかの態様において、長く均一なRPFを含む糸を、エアジェット紡績装置を使用して作製する。ある態様において、糸の所望の機械特性、構造特性または他の特性について最適化された撚角度を生じさせる撚りを適用する。ある態様において、糸の内部コアへ適用される撚りは、糸の外皮とは異なる撚角度を有する。本開示の全体にわたって、「紡績」糸は、リング紡績糸、オープンエンド紡績糸、エアジェット紡績糸、ボルテックス紡績糸、または任意の他の糸製造方法を指し得、ここで、糸はステープルファイバーを含む。
いくつかの態様において、長く均一なRPFおよび/または非RPFを含む混合糸を、紡績によって作製する。紡績糸の構造は紡績法パラメータによって影響される。紡績糸の特性は、糸の構造、ならびに構成繊維によって影響される。態様において、混合糸の構造および長く均一なRPFの特性、ならびにRPFと混合される非RPFのタイプは、全て、結果として生じる糸に様々な特徴を与えるために選択される。いくつかの態様において、混合糸を、リング紡績装置を使用して作製する。いくつかの態様において、混合糸を、オープンエンド紡績装置を使用して作製する。いくつかの態様において、混合糸を、エアジェット紡績装置を使用して作製する。多くの態様において、混合糸の機械特性を最適化するために、ある特定の撚角度の撚りを適用する。多くの態様において、糸の内部コアへ適用される撚りは、混合糸の外皮とは異なる撚角度を有する。
いくつかの態様において、紡績糸を作る方法が用いられ、ここで、複数のRPFが提供され、繊維はステープルへと切断され、繊維は紡績装置へ運搬され、そして撚りが提供されて繊維が糸へと紡績される。いくつかの態様において、紡績装置はリング紡績装置である。いくつかの態様において、紡績装置はオープンエンド紡績装置である。いくつかの態様において、紡績装置はエアジェット紡績装置である。いくつかの態様において、繊維を紡績前にカーディングする。いくつかの態様において、繊維を紡績前にコーミングする。
いくつかの態様において、混紡糸を作る方法が用いられ、ここで、複数の長く均一なRPFおよび非RPFが提供され、繊維はステープルへと切断され、繊維は紡績装置中へ装填され、そして撚りが提供されて繊維が糸へと紡績される。いくつかの態様において、紡績装置はリング紡績装置である。いくつかの態様において、紡績装置はオープンエンド紡績装置である。いくつかの態様において、紡績装置はエアジェット紡績装置である。いくつかの態様において、繊維を紡績前にカーディングする。いくつかの態様において、繊維を紡績前にコーミングする。
いくつかの態様において、長く均一なRPFを含む糸は、例えば織ることまたは編むことによって、布へと作製される。いくつかの態様において、長く均一なRPFを含む糸は、丸編み装置、経編み装置、平編み装置、ワンピース編み装置、または3D編み装置を使用して、編むことによって布へと作製される。いくつかの態様において、長く均一なRPFを含む糸は、平織り機、ドビー織り機またはジャカード織り機を使用して織ることによって、布へと作製される。いくつかの態様において、長く均一なRPFは、3D印刷法を使用して布へと作製される。いくつかの態様において、長く均一なRPFまたは長く均一なRPFを含む糸は、ウェット・レイイング、スピン・ボンディング、ステッチ・ボンディング、スパンレーシング(即ち、水流交絡)、またはニードルパンチングのような技法を使用して、不織布へと作製される。態様において、布の構築、糸の構造および長く均一なRPFの特性は、結果として生じる糸および布に様々な特徴を与えるように選択される。
実施例1:組換えタンパク質繊維の紡糸
この実施例におけるコポリマーは、公開された技法、即ち、WO2015042164 A2、段落114〜134に記載されるものを使用して、組換えDNAの発現のために一般的に使用されるピキア・パストリスから分泌された。この実施例における繊維紡糸のために利用されたコポリマーポリペプチドは、ポリペプチドのC末端へ結合された3X FLAG配列:
を有する、3回連結されたSEQ ID NO. 1であった。分泌されたタンパク質を、標準技法を使用して、精製し、乾燥した。乾燥したポリペプチドパウダーを、ギ酸ベースの紡糸溶媒中に溶解させ、均質な紡糸ドープを作製した。
この実施例におけるコポリマーは、公開された技法、即ち、WO2015042164 A2、段落114〜134に記載されるものを使用して、組換えDNAの発現のために一般的に使用されるピキア・パストリスから分泌された。この実施例における繊維紡糸のために利用されたコポリマーポリペプチドは、ポリペプチドのC末端へ結合された3X FLAG配列:
を有する、3回連結されたSEQ ID NO. 1であった。分泌されたタンパク質を、標準技法を使用して、精製し、乾燥した。乾燥したポリペプチドパウダーを、ギ酸ベースの紡糸溶媒中に溶解させ、均質な紡糸ドープを作製した。
紡糸ドープを、およそ15秒間の滞留時間で、20%ギ酸を含む室温のアルコールベースの凝固浴中へ、1:1比の長さ対直径を有する125μm直径オリフィスを通して押し出すことによって、この実施例におけるRPFを紡糸した。繊維を張力下で凝固浴から引き上げ、次いでそれらの長さを3倍延伸し、続いて乾燥させた。スピナレットからの体積流速はおよそ45uL/分であった。紡糸事象(即ち、紡糸実行)の期間はおよそ10分間であった。紡糸事象において消費された紡糸ドープの体積はおよそ0.45mLであった。単一の紡糸事象において生成された繊維の長さはおよそ200mであった。
実施例2:長く均一な組換えタンパク質繊維の機械特性
図2および3は、1800mのRPFからのテナシティーおよび線密度データを示す。この実施例における繊維を、実施例1に記載される方法によって生成した。紡糸ドープの2つの異なるバッチを、各々200mの9つの別個の紡糸実行において使用した。23〜25個のサンプルを、所定の紡糸実行由来の200m繊維の長さに沿って一定間隔で収集し、テナシティーおよび線密度について測定した。
図2および3は、1800mのRPFからのテナシティーおよび線密度データを示す。この実施例における繊維を、実施例1に記載される方法によって生成した。紡糸ドープの2つの異なるバッチを、各々200mの9つの別個の紡糸実行において使用した。23〜25個のサンプルを、所定の紡糸実行由来の200m繊維の長さに沿って一定間隔で収集し、テナシティーおよび線密度について測定した。
各パラメータについての、平均値、標準偏差および変動係数(CV)を決定するために、モンテカルロ法を使用し、ここで、データを、440の異なる回数、25個のデータポイントのセットへ無作為にグループ化した。結果として生じたデータを図2および3にプロットした。図2は、最大テナシティーについての25個の各群の平均値、標準偏差およびCVの分布を示す。図3は、線密度についての25個の各群の平均値、標準偏差およびCVの分布を示す。
このアプローチを使用して、最大テナシティーについての平均平均値は9.24cN/texであり、平均標準偏差は0.50cN/texであり、平均CVは5.40%であった。25測定値の440個の無作為化群の全てからの平均最大テナシティーは9cN/tex〜9.5cN/texであったことも、データから観察することができる。同様に、25測定値の440個の無作為化群についての最大テナシティーの標準偏差は0.3cN/tex〜0.7cN/texであり、25測定値の440個の無作為化群についての最大テナシティーのCVは3.5%〜7.7%であった。
上記のアプローチを使用して、線密度についての平均平均値は8.84dtexであり、平均標準偏差は0.93dtexであり、平均CVは10.54%であった。25測定値の440個の無作為化群の全てからの平均線密度は8.3dtex〜9.3dtexであったことも、データから観察することができる。同様に、25測定値の440個の無作為化群についての線密度の標準偏差は0.6dtex〜1.4dtexであり、25測定値の440個の無作為化群についての線密度のCVは6.5%〜16%であった。
換言すれば、サンプリング統計に起因して、かつ、1800mの繊維内の25個のデータポイントのグループ化に依存して、平均測定パラメータは変動し得る。しかし、適切な統計を使用して、平均パラメータの値を高い信頼度まで決定することができる。例えば、この実施例における長く均一なRPFデータについて、テナシティーについてのCV(回数の95%)は4.15%〜6.90%であり、線密度についてのCV(回数の95%)は7.45%〜13.72%であった。
この実施例は、複数の紡糸ドープを異なる紡糸事象のために使用し、線密度(繊維の物理特性)についての平均CVおよびテナシティー(繊維の機械特性)についての平均CVがそれぞれ約10.4%および5.4%であったために、長く均一な繊維を生成するための本開示に記載されるプロセスが、ロバストかつ再現可能であったことを説明する。
実施例3:長く均一な組換えタンパク質繊維の機械特性
この実施例における紡糸ドープを、実施例1に記載される方法によって生成した。この実施例におけるRPFを、紡糸ドープを、およそ28秒間の滞留時間で、20%ギ酸を含む室温のアルコールベースの凝固浴中へ、1:1比の長さ対直径を有する50穴スピナレット(ここで各オリフィスは127μm直径であった)を通して押し出すことによって、紡糸した。繊維を張力下で凝固浴から引き上げ、次いで純粋なアルコール洗浄浴中においてそれらの長さを4倍延伸した。続いて、繊維を200℃オーブンに通過させ、張力下でスプール上に収集した。スピナレットからの体積流速はおよそ0.8mL/分であった。紡糸事象の期間はおよそ30分間であった。紡糸事象において消費された材料の総体積はおよそ23mLであった。
この実施例における紡糸ドープを、実施例1に記載される方法によって生成した。この実施例におけるRPFを、紡糸ドープを、およそ28秒間の滞留時間で、20%ギ酸を含む室温のアルコールベースの凝固浴中へ、1:1比の長さ対直径を有する50穴スピナレット(ここで各オリフィスは127μm直径であった)を通して押し出すことによって、紡糸した。繊維を張力下で凝固浴から引き上げ、次いで純粋なアルコール洗浄浴中においてそれらの長さを4倍延伸した。続いて、繊維を200℃オーブンに通過させ、張力下でスプール上に収集した。スピナレットからの体積流速はおよそ0.8mL/分であった。紡糸事象の期間はおよそ30分間であった。紡糸事象において消費された材料の総体積はおよそ23mLであった。
図4は、本明細書に記載される組成を有し、かつ、上記に記載される方法によって生成された、23本の繊維の応力歪み曲線を示す。この実施例における繊維は、20cN/texより大きい最大引張応力を有し、23本の繊維の最大引張応力の平均値は約18.6cN/texであった。このセットの繊維を、800m長であった50フィラメントトウからサンプリングし、従って、単一の紡糸事象において40,000mの繊維を生成した。最大引張応力は約17〜21cN/texの範囲であり、この実施例における最大引張応力の標準偏差は約1.0cN/texであった。23本の繊維の平均初期モジュラスは約575cN/texであり、この実施例における標準偏差は約6.7cN/texであった。23本の繊維の平均最大伸びは約10.2%であり、この実施例における標準偏差は約3.6%であった。23本の繊維の平均線密度は約3.1dtexであり、この実施例における標準偏差は約0.11dtexであった。
この特定の紡糸事象、ならびに使用された紡糸ドープ材料の条件およびバッチについて、このセットの繊維についての最大引張強度の変動係数は約5.4%であり、このセットの繊維についての初期モジュラスの変動係数は約1.2%であり、このセットの繊維についての線密度の変動係数は約3.5%であった。
この実施例は、20cN/texを上回るテナシティーを有する長く均一なRFPが、本開示に記載される方法を使用して生成されたことを説明する。
実施例4:組換え18Bポリペプチドパウダーの純度
この実施例におけるコポリマーを、実施例1に関して上記で議論されたように、生成しそしてパウダー(「18Bパウダー」)へ乾燥させた。モノマー18Bおよび凝集物18B(即ち、タンパク質性ブロックコポリマー)と比較しての高分子量、低分子量および中間分子量の不純物の相対量を特徴付けるデータを、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して収集した。18Bパウダーを5Mチオシアン酸グアニジン中に溶解し、Yarra SEC-3000 SEC-HPLCカラム上へ注入し、分子量に基づいて成分を分離した。屈折率を検出法として使用した。18B凝集物、18Bモノマー、低分子量(1〜8kDa)不純物、中間分子量不純物(8〜50kDa)および高分子量不純物(110〜150kDa)を定量化した。関連する組成を質量%および領域%として報告した。全てのタンパク質の>90%が互いの約7%内のdn/dc値(屈折率の応答因子)を示すと仮定して、BSAを一般的なタンパク質標準として使用した。ポリ(エチレンオキシド)を保持時間標準として使用し、BSAキャリブレータを、方法の一貫した性能を保証するためのチェック標準として使用した。
この実施例におけるコポリマーを、実施例1に関して上記で議論されたように、生成しそしてパウダー(「18Bパウダー」)へ乾燥させた。モノマー18Bおよび凝集物18B(即ち、タンパク質性ブロックコポリマー)と比較しての高分子量、低分子量および中間分子量の不純物の相対量を特徴付けるデータを、サイズ排除クロマトグラフィーを使用して収集した。18Bパウダーを5Mチオシアン酸グアニジン中に溶解し、Yarra SEC-3000 SEC-HPLCカラム上へ注入し、分子量に基づいて成分を分離した。屈折率を検出法として使用した。18B凝集物、18Bモノマー、低分子量(1〜8kDa)不純物、中間分子量不純物(8〜50kDa)および高分子量不純物(110〜150kDa)を定量化した。関連する組成を質量%および領域%として報告した。全てのタンパク質の>90%が互いの約7%内のdn/dc値(屈折率の応答因子)を示すと仮定して、BSAを一般的なタンパク質標準として使用した。ポリ(エチレンオキシド)を保持時間標準として使用し、BSAキャリブレータを、方法の一貫した性能を保証するためのチェック標準として使用した。
表3(下記)は、SECを使用して定量化された異なる成分の領域%ならびにその凝集物およびモノマー形態の18Bの質量%を列挙する。示されるように、18Bパウダーの質量による全体的な純度は59.86%であった。
実施例5:紡糸ドープ調製および紡糸ドープのレオロジー
18Bパウダーを、ギ酸中に溶解し、1600RPMでThinky Planetary Centrifugal Mixer 400ARE-TWINを使用して混合し、紡糸ドープを作製した。溶解前に、18Bパウダーを焼き、パウダーの含水率を4%未満へ減少させた。
18Bパウダーを、ギ酸中に溶解し、1600RPMでThinky Planetary Centrifugal Mixer 400ARE-TWINを使用して混合し、紡糸ドープを作製した。溶解前に、18Bパウダーを焼き、パウダーの含水率を4%未満へ減少させた。
Malvern Kinexus Lab+ Rotational Rheometerは、紡糸ドープの複素粘度および位相角を測定するためであった。パラメータを温度22℃、周波数100〜0.1Hz、および歪み1%に設定した。3ポイント/ディケイドの間隔を使用し、所定の周波数についての平均値を決定した。
下記表は、紡糸ドープ中の18Bパウダーの重量による濃度、10Hzで測定した場合の複素粘度および位相角を含む。125-FACUについてはデータを収集しなかった。
実施例6:延伸条件
実施例4において言及された18Bタンパク質パウダーを、伝統的な技法を使用して繊維へ湿式紡糸した。紡糸ドープを、67%ギ酸(重量による)および33% 18Bパウダー(重量による)を使用して調製した。紡糸ドープを、FlackTek SpeedMixer DAC 600.2 VAC-LR真空ミキサーを使用して混合した。
実施例4において言及された18Bタンパク質パウダーを、伝統的な技法を使用して繊維へ湿式紡糸した。紡糸ドープを、67%ギ酸(重量による)および33% 18Bパウダー(重量による)を使用して調製した。紡糸ドープを、FlackTek SpeedMixer DAC 600.2 VAC-LR真空ミキサーを使用して混合した。
紡糸ドープを、1.25ml/分の速度で、直径が50μmであるスピナレットを通して、室温にて、100%エタノールから構成された凝固浴中へ直接押し出し、前駆体繊維を形成した。スピナレットおよび凝固浴の両方を室温で維持した。次いで、前駆体繊維を、3.2メートル/分の巻取り速度でアップテイクゴデットのセット上に収集した。次いで、前駆体繊維を、81インチの間隔を置かれたアップテイクゴデットと加熱されたゴデットとの間で延伸した。加熱されたゴデットの巻取り速度は19.8メートル/分であり、6.19Xの延伸率を与えた。延伸された繊維を、次いで、139インチの間隔を置かれた加熱されたゴデットと最終ゴデットとの間で延伸した。最終ゴデットのアップテイク速度は22メートル/分であり、1.12Xの延伸率を与えた。
加熱されたゴデットと最終ゴデットとの間で、延伸された繊維を、200℃へ加熱された40インチチューブ炉に通過させた。99重量%で200%プルーフエタノールおよびSetol(登録商標)を含む潤滑剤を、1.1mL/分の速度で、延伸され加熱処理された繊維へ適用した。次いで、繊維をさらなる分析のためにスプール上に巻いた。
実施例7:長く均一な組換えタンパク質繊維の機械特性
引張特性および線密度を特徴付けるデータを、実施例5および6に記載される方法に従って単一の紡糸実行において生成された繊維のおよそ700Mスプール(プラスまたはマイナス50M)から収集した。データを作るために、繊維を、スプールの異なる領域を各々が示すおよそ50mの16個のセグメントに分割した。スプールの長さの無作為サンプルを示す16個のセグメントのうちの11個を、FAVIMAT繊維引張試験装置モデルFavimat+およびRobot2を使用して試験し、ここで、1セグメント当たり5本のトウおよび1トウ当たり4本のフィラメントを使用し、合計220個のサンプルを作り、ここから12個のアウトライヤーを差し引き、208個のサンプルを作った。線密度をASTM D1577に従って試験した。引張特性をASTM D3822-14に従って試験した。下記表5は、11個のセグメントから取られた208個のサンプルから計算された特性を列挙する。
引張特性および線密度を特徴付けるデータを、実施例5および6に記載される方法に従って単一の紡糸実行において生成された繊維のおよそ700Mスプール(プラスまたはマイナス50M)から収集した。データを作るために、繊維を、スプールの異なる領域を各々が示すおよそ50mの16個のセグメントに分割した。スプールの長さの無作為サンプルを示す16個のセグメントのうちの11個を、FAVIMAT繊維引張試験装置モデルFavimat+およびRobot2を使用して試験し、ここで、1セグメント当たり5本のトウおよび1トウ当たり4本のフィラメントを使用し、合計220個のサンプルを作り、ここから12個のアウトライヤーを差し引き、208個のサンプルを作った。線密度をASTM D1577に従って試験した。引張特性をASTM D3822-14に従って試験した。下記表5は、11個のセグメントから取られた208個のサンプルから計算された特性を列挙する。
追加の考慮
本開示の態様の前述の記載は、説明の目的のために提示され、網羅的であるようにも、開示される厳密な形態へ特許請求の範囲を限定するようにも意図されない。当業者は、上記の開示を考慮して多くの改変および変形が可能であることを認識することができる。
本開示の態様の前述の記載は、説明の目的のために提示され、網羅的であるようにも、開示される厳密な形態へ特許請求の範囲を限定するようにも意図されない。当業者は、上記の開示を考慮して多くの改変および変形が可能であることを認識することができる。
本明細書において使用される言語は、主に、読みやすさおよび教育の目的のために選択されており、本発明の主題を定めたり、限定したりするために選択されたものであってはならない。従って、本開示の範囲は、この詳細な説明によっては限定されず、しかしむしろ、この詳細な説明に基づいて出願時に生じるいずれかの請求項によって限定されることが意図される。従って、態様の開示は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するのではなく、説明するように意図される。
Claims (29)
- 少なくとも600mの連続繊維長を含む、長く均一な組換えタンパク質繊維であって、
該繊維の平均特性が:
12cN/tex以上のテナシティー;
6dtex以下の線密度;
長さに沿って15%未満のテナシティーの変動係数;および
長さに沿って20%未満の線密度の変動係数
を含み、
テナシティーがASTM D3822-14を使用して測定され、かつ、線密度がASTM D1577を使用して測定される、長く均一な組換えタンパク質繊維。 - 長さが少なくとも50mである、請求項1記載の組換えタンパク質繊維。
- 長さが少なくとも650mである、請求項1記載の組換えタンパク質繊維。
- テナシティーが長さに沿って10%未満の変動係数を有する、請求項1〜3のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 線密度が長さに沿って15%未満の変動係数を有する、請求項1〜4のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 平均破壊点伸びが25%より大きく、かつ、破壊点伸びが長さに沿って35%未満の変動係数を有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 平均初期モジュラスが480cN/texより大きく、かつ、初期モジュラスが長さに沿って5%未満の変動係数を有する、請求項1〜6のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 平均伸びが24%より大きく、かつ、伸びが長さに沿って45%未満の変動係数を有する、請求項1〜7のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 平均破断仕事量が3cN*cmより大きく、かつ、破断仕事量が長さに沿って50%未満の変動係数を有する、請求項1〜8のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 平均破断点力が7cNより大きく、かつ、破断点力が長さに沿って25%未満の変動係数を有する、請求項1〜9のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 組換えタンパク質繊維が、組換えタンパク質パウダーを含むドープを湿式紡糸することによって生成される、請求項1〜10のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 組換えタンパク質パウダーが、65質量%未満のタンパク質性ブロックコポリマーである、請求項11記載の組換えタンパク質繊維。
- 組換えタンパク質繊維が、繰り返し単位を含むタンパク質配列を含み、
各繰り返し単位が、2〜20個の準繰り返し単位を含む配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有し、
各準繰り返し単位が、{GGY-[GPG-X1]n1-GPS-(A)n2}を含む組成を有し、ここで、各準繰り返し単位について、
X1は、SGGQQ、GAGQQ、GQGPY、AGQQ、およびSQからなる群より独立して選択され;かつ
n1は4〜8であり、かつn2は6〜10である、
請求項1〜12のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。 - n1が、準繰り返し単位の少なくとも半数について4〜5である、請求項13記載の組換えタンパク質繊維。
- n2が、準繰り返し単位の少なくとも半数について5〜8である、請求項13〜14のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 各準繰り返し単位が、MaSp2ドラグラインシルクタンパク質サブ配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項13〜15のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 組換えタンパク質配列が、アラニンリッチ領域およびグリシンリッチ領域を含み、ここで:
アラニンリッチ領域が、複数のナノ結晶性βシートを形成し;かつ
グリシンリッチ領域が、複数のβターン構造を形成する、
請求項13〜16のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。 - 繰り返し単位がSEQ ID NO: 1を含む、請求項13〜17のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 線密度およびテナシティーが、FAVIMAT繊維引張試験装置モデルFavimat+およびRobot2を使用して測定される、請求項1〜18のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- 組換え繊維はMaSp2ドラグラインシルクタンパク質ではないことを条件とする、請求項1〜20のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維。
- フィラメント糸である、請求項1〜20のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維を含む、糸。
- 紡績糸である、請求項1〜20のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維を含む、糸。
- ブレンド糸である、請求項1〜20のいずれか一項記載の組換えタンパク質繊維を含む、糸。
- 編み布である、請求項21〜23のいずれか一項記載の糸を含む、布。
- 丸編みの布、平編みの布、および経編みの布からなる群より選択される、請求項24記載の布。
- 織布である、請求項21〜23のいずれか一項記載の糸を含む、布。
- 平織りの布、ドビー織りの布、およびジャカード織りの布からなる群より選択される、請求項26記載の布。
- 不織布である、請求項21〜23のいずれか一項記載の糸を含む、布。
- ニードルパンチ布、スパンレース布、湿式布、乾式布、メルトブロー布、および3Dプリントされた不織布からなる群より選択される、請求項28記載の布。
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