本発明の第1の態様は、式(I)、(II)、(III)、または(IV):
[式中:
R1は、F、Cl、−OH、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−7シクロアルキル、C3−7フルオロシクロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、C2−4ヒドロキシアルコキシ、C3−6シクロアルコキシ、(C1−3アルコキシ)−(C1−3アルキレン)、(C1−3アルコキシ)−(C1−3フルオロアルキレン)、(C1−3フルオロアルコキシ)−(C1−3フルオロアルキレン)、(C1−3デューテロアルコキシ)−(C1−3デューテロアルキレン)、(C1−3フルオロアルコキシ)−(C1−3アルキレン)、−(CH2)nO(フェニル)、−(CH2)nNRaRa、−C(O)O(C1−6アルキル)、−C(O)NRaRa、−C(O)NRbRb、−NH2、−NH(C1−6アルキル)、−N(C1−6アルキル)2、−NH(C1−6ヒドロキシアルキル)、アゼチジニル、ピロリジニル、フラニル、ピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、−S(O)2(C1−3アルキル)、−S(O)2NRaRa、C1−3アルキルチオ、またはC1−3フルオロアルキルチオであり;
R2は、各々独立して、H、F、Cl、Br、−OH、−CN、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、C1−3アミノアルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−7シクロアルキル、C3−7フルオロシクロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−3フルオロアルコキシ、C1−3アルキルチオ、C1−3フルオロアルキルチオ、(C1−3アルコキシ)−(C1−3アルキレン)、(C1−3フルオロアルコキシ)−(C1−3アルキレン)、−C(O)NH2、−C(O)NH(C1−6アルキル)、−C(O)N(C1−6アルキル)2、−C(O)O(C1−6アルキル)、−C(O)NH(CH2CH2O(C1−3アルキル))、−C(O)NRbRb、−C(O)(ピペリジニル)、−CH(OH)(C3−6シクロアルキル)、−CH(OH)(フェニル)、−CH(OH)(ピリジル)、−S(O)2(C1−3アルキル)、−S(O)2NRaRa、またはフェニル、5−ないし6−員のヘテロアリール、および5−ないし7−員のヘテロシクリルより選択される環状基であり、ここで該環状基は、F、Cl、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−3アルコキシ、C1−3フルオロアルコキシ、シクロプロピル、または−CNより独立して選択される0〜5個の置換基で置換され;
R3は
であり;
R4は、H、F、Cl、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、C1−3アルコキシ、C1−3フルオロアルコキシ、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、または−CNであり;
環Bは、2個の炭素原子が一緒になり、それを通して結合した、3ないし7員のシクロアルキル、あるいは窒素、酸素または硫黄原子を有する5ないし7員のヘテロサイクルであり、ここで該シクロアルキルおよびヘテロサイクルは0−4個のRdで置換され;
R5は、HまたはC(O)NRaR6であり;
R6は、H、C1−4アルキル、フェニル、あるいは5または6員のヘテロアリール(1〜3個の窒素原子および0−1個の酸素または硫黄原子を含有する)であり、該フェニルまたはヘテロアリールは0−2個のR7で置換されるか、またはフェニルは0−2個のR7で置換され;
R7は、CN、ヒドロキシ、NRaRa、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4−ヒドロキシアルキル、C1−4−ヒドロキシフルオロアルキル、C(O)Ra、C(O)ORa、C(O)NRaRc、S(O)2NRaRc、およびS(O)2Ra、−O−C1−4アルキル、−S−C1−4アルキル、−O−C1−4−ヒドロキシアルキル、−O−C1−4−アミノアルキル、−O−C1−4−ヒドロキシフルオロアルキル、O−C1−4フルオロアルキル、O−PO3 −2、−C1−4アルキル−O−PO3 −2、−C1−4フルオロアルキル−O−PO3 −2、−O−C1−4アルキル−O−PO3 −2、−O−C1−4フルオロアルキル−O−PO3 −2、−N(Ra)−C1−4ヒドロキシアルキル、または−N(Ra)−C1−4ヒドロキシフルオロアルキルであり;
R8は、H、F、Cl、またはCH3であり;
R9は、H、CN、ヒドロキシル、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、シクロプロピル、またはハロゲンであり;
Raは、H、C1−4アルキル、またはC1−4フルオロアルキルであり;
2個のRbは、それらの結合する窒素原子と一緒になって、4−ないし7−員のヘテロシクロ環(1〜2個の窒素原子および0−1個の酸素または硫黄原子を含有する)を形成し;
Rcは、H、C1−4アルキル、またはC1−4ヒドロキシアルキルであり;
Rdは、F、Cl、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−4ヒドロキシアルキル、C1−3アルコキシ、C1−3フルオロアルコキシ、C1−3アルキルチオ、シクロプロピル、−CN、C(O)Ra、C(O)ORa、C(O)NRaRc、S(O)2NRaRc、またはS(O)2Raであり;および
nは1〜3である]
で示される、少なくとも1つの化合物またはその塩を提供する。
本発明の第2の態様は、式(I)、(II)、(III)または(IV)の化合物、またはその塩であって、ここで
R1が、メチル、メトキシ、エトキシ、OCHF2、または−CH2OCH3であり;
R2が、F、Cl、CN、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシ、またはジフルオロメチルであり;
R3が
であり;
R4がHまたはFであり;
環Bが、2個の炭素原子が一緒になり、それを通して結合した、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、またはピペラジニルであり、その各々が0−3個のRdで置換され;
R5がC(O)NHR6であり;
R6が、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルであり、これらの各々が0−2個のR7で置換され;
R7が、F、Cl、CN、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキルC1−4−ヒドロキシアルキル、C(O)ORa、C(O)NRaRc、−O−C1−4アルキル、−S−C1−4アルキル、−O−C1−4−ヒドロキシアルキル、O−C1−4フルオロアルキル、−O−PO3、−C1−4アルキル−O−PO3、または−O−C1−4アルキル−O−PO3であり;
R8がHまたはFであり;
R9がH、F、Cl、CH3、またはCHF2であり;
RaがH、またはC1−4アルキルであり;
RcがH、C1−4アルキル、またはC1−4ヒドロキシアルキルであり;および
RdがF、C1−4アルキル、C(O)O−C1−4アルキル、C1−4フルオロアルキル、C1−3アルコキシ、またはC1−3フルオロアルコキシである、
化合物またはその塩を提供する。
本発明の第3の態様は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、または上記したいずれかの態様の化合物、あるいはその塩であって、ここで
R1が、メトキシまたはエトキシであり;
R2がF、Cl、CN、またはメチルであり;
R3が
であり;
R4がHまたはFであり;
環Bが、2個の炭素原子が一緒になり、それを通して結合した、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、これらの各々が0−2個のRdで置換され;
R5がC(O)NHR6であり;
R6が、ピリジニル、またはピリミジニルであり、これらの各々が0−2個のR7で置換され;
R7が、F、Cl、CN、ヒドロキシ、メチル、CF3、CHF2、CH2OH、CH2CH2OH、−OCH2CH2OH、−OCH3、−OCF3、−OCHF2、−CH2CH(CH3)OH、−O−CH2CH(CH3)OH、−O−PO3 −2、CH2O−PO3 −2、CH2CH2O−PO3 −2、−OCH2CH2O−PO3 −2、CH2CH(CH3)O−PO3 −2、または−O−CH2CH(CH3)O−PO3 −2であり;
R8がHまたはFであり;
R9がHであり;および
RdがFまたはメチルである、
化合物またはその塩を提供する。
本発明の第4の態様は、R3が
である、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の化合物、または上記したいずれかの態様の化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第5の態様は、
である、式(I)の化合物、または上記したいずれかの態様の化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第6の態様は、
である、式(I)の化合物、または上記したいずれかの態様の化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第7の態様は、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の、または上記したいずれかの態様の化合物、または第6の態様のいずれかの化合物、あるいはその塩であって、ここで
R1が、メトキシまたはエトキシであり;
R2が、F、Cl、CN、またはメチルであり;
R4がFであり;
環Bが、2個の炭素原子が一緒になり、それを通して結合した、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、これらの各々が0−2個のRdで置換され;
R5がC(O)NHR6であり;
R6がピリジニルまたはピリミジニルであり、これらの各々が0−2個のR7で置換され;
R7がF、Cl、CN、ヒドロキシ、メチル、CF3、CHF2、CH2OH、CH2CH2OH、−OCH2CH2OH、−OCH3、−OCF3、−OCHF2、−CH2CH(CH3)OH、または−O−CH2CH(CH3)OHであり;
R8がHであり;
R9がHであり;
Rdが、H、メチル、またはC(O)O−C1−4アルキルである、
化合物またはその塩を提供する。
本発明の第8の態様は、
R3が
である、
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の、または上記したいずれかの態様の化合物、または第6の態様のいずれかの化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第9の態様は、
R7が、F、Cl、CN、ヒドロキシ、メチル、CF3、CHF2、CH2OH、CH2CH2OH、−OCH2CH2OH、−OCH3、−OCF3、−OCHF2、−CH2CH(CH3)OH、または−O−CH2CH(CH3)OHである、
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の、または上記したいずれかの態様の化合物、または第6の態様のいずれかの化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第10の態様は、実施例1−104の化合物、またはその塩を提供する。
本発明の第11の態様は、式(I):
で示されるか、または上記したいずれかの態様の化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第12の態様は、式(II):
で示されるか、または上記したいずれかの態様の化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第13の態様は、式(III):
で示されるか、または上記したいずれかの態様の化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第14の態様は、式(IV):
で示されるか、または上記したいずれかの態様の化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第15の態様は、
R3が
である、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の、または上記したいずれかの態様の化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第16の態様は、
R3が
である、式(I)、(II)、(III)、または(IV)の、または上記したいずれかの態様の化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第17の態様は、
環Bが、2個の炭素原子が一緒になり、それを通して結合した、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、その各々が0−2個のRdで置換される、
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の、または上記したいずれかの態様の化合物、または第6の態様のいずれかの化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第18の態様は、
R6がピリジニルまたはピリミジニルであり、その各々が0−2個のR7で置換される、
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の、または上記したいずれかの態様の化合物、または第6の態様のいずれかの化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第19の態様は、
R6がピリミジニルであり、0−2個のR7で置換される、
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の、または上記したいずれかの態様の化合物、または第6の態様のいずれかの化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明の第20の態様は、
R6がピリジニルであり、0−2個のR7で置換される、
式(I)、(II)、(III)、または(IV)の、または上記したいずれかの態様の化合物、または第6の態様のいずれかの化合物、あるいはその塩を提供する。
本発明は、その精神または本質的特性から逸脱することなく、他の特定の形態において具体化されうる。本発明は、本明細書に記載の発明の態様および/または実施態様のあらゆる組み合わせを包含する。本発明のありとあらゆる態様および/または実施態様は、いずれかの他の態様および/または実施態様と組み合わさってさらなる実施態様を記載しうると理解される。また、該実施態様の各々個々の要素はいずれかの実施態様から由来のありとあらゆる他の要素と組み合わさって、さらなる実施態様を記載することも理解されるものとする。
定義
本発明の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読むと、当業者によってより容易に理解され得る。明瞭にするために、別個の実施態様に関連して上記および下記される本発明の特定の特徴を合わせ、単一の実施態様を形成してもよいことを理解すべきである。反対に、簡潔にするために、単一の実施態様に関連して記載されるように、発明の種々の特徴はまた、そのサブコンビネーションを形成するために組み合わされてもよい。本明細書にて典型的または好ましいものとして同定される実施態様は例示的であり、限定することを意図としない。
本明細書にて特記されない限り、単数形での言及は複数形を含んでもよい。例えば、「a」および「an」は、1、あるいは1または複数のいずれを言うものであってもよい。
本明細書にて使用される場合の「化合物」なる語は、少なくとも1つの化合物をいう。例えば、式(I)の化合物は式(I)の化合物および式(I)の2またはそれ以上の化合物を包含する。
特に断りがなければ、原子価が満たされないヘテロ原子はいずれも原子価を満たすのに十分な水素原子を有するものと考えらえる。
本明細書に記載の定義は、出典明示により本明細書に組み込まれている特許、特許出願、および/または特許出願の刊行物のいずれに記載されている定義にも優先する。
本発明を記載するのに使用される種々の用語の定義を下記に列挙する。これらの定義は、個々に、またはより大きな基の部分として、いずれであっても、(特定の場合に限定されると特記されない限り)それらが明細書を通して使用されるものとして、該用語に適用される。
明細書を通して、その基および置換基は、安定した部分および化合物を提供するように、当業者によって選択されてもよい。
該分野にて使用される慣例に従って、
は、本明細書の構造式において、基または置換基がコアまたは骨格構造と連結する点である、結合手を示すように使用される。
本明細書で使用される場合の「ハロ」および「ハロゲン」なる語は、F、Cl、Br、およびIをいう。
「シアノ」なる語は基−CNをいう。
「アミノ」なる語は基−NH2をいう。
本明細書で使用される場合の「アルキル」なる語は、例えば、1ないし12個の炭素原子、1ないし6個の炭素原子、および1ないし4個の炭素原子を含有する、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基をいう。アルキル基の例として、限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例、n−プロピルおよびi−プロピル)、ブチル(例、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、およびt−ブチル)、およびペンチル(例、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、3−メチルペンチル、および4−メチルペンチルが挙げられる。記号「C」の後に下付きで数字がある場合、その下付き文字は特定の基が有する炭素原子の数をより具体的に規定する。例えば、「C1−4アルキル」は1ないし4個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖のアルキル基を意味する。
本明細書で使用される場合の「フルオロアルキル」なる語は、1またはそれ以上のフッ素原子で置換される、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含するものとする。例えば、「C1−4フルオロアルキル」は、1または複数のフッ素原子で置換される、C1、C2、C3、およびC4アルキル基を包含するものとする。フルオロアルキル基の代表例は、限定されないが、−CF3および−CH2CF3を包含する。
本明細書で使用される場合の「アミノアルキル」なる語は、1またはそれ以上のアミノ基で置換される、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含するものとする。例えば、「C1−4アミノアルキル」は、1または複数のアミノ基で置換される、C1、C2、C3、およびC4アルキル基を包含するものとする。アミノアルキル基の代表例は、限定されないが、−CH2NH2、−CH2CH2NH2、および−CH2CH(NH2)CH3を包含する。
「ヒドロキシアルキル」なる語は、1またはそれ以上のヒドロキシル基で置換される、分岐鎖および直鎖の両方の飽和アルキル基を包含する。例えば、「ヒドロキシアルキル」は−CH2OH、−CH2CH2OH、およびC1−4ヒドロキシアルキルを包含する。
「ヒドロキシ−デューテロアルキル」なる語は、1またはそれ以上のヒドロキシル基で置換され、1または複数の重水素原子を有する、分岐鎖および直鎖の両方の飽和アルキル基を包含する。ヒドロキシ−デューテロアルキル基の代表例は、限定されないが、−CD2OHおよび−CH(CD3)2OHを包含する。
「ヒドロキシ−フルオロアルキル」なる語は、1またはそれ以上のヒドロキシル基で置換され、1または複数のフッ素原子を有する、分岐鎖および直鎖の両方の飽和アルキル基を包含する。ヒドロキシ−フルオロアルキル基の代表例は、限定されないが、−CF2OHおよび−CF2CH2OHを包含する。
本明細書で使用される場合の「アルキレン」なる語は、一般式:−(CH2)n、(式中、nは1ないし10である)で示される二価のアルキル基をいう。限定されないが、例として、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、およびヘキサメチレンが挙げられる。例えば、「C1−6アルキレン」は、1ないし6個の炭素原子を有する、直鎖および分岐鎖のアルキレン基を意味する。さらに、例えば、「C0−4アルキレンは、結合手、ならびに1ないし4個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖のアルキレン基を意味する。
本明細書で使用される場合の「デューテロアルキレン」なる語は、1または複数の水素原子が重水素原子と置き換えられているところのアルキレン基をいう。例えば、「C1−6デューテロアルキレン」は、1ないし6個の炭素原子を有する、直鎖および分岐鎖のデューテロアルキレン基を意味する。
本明細書で使用される場合の「フルオロアルキレン」なる語は、1または複数のフッ素原子で置換されるアルキレン基をいう。例えば、「C1−6フルオロアルキレン」は、1ないし6個の炭素原子を有する、直鎖および分岐鎖のフルオロアルキレン基を意味する。
「アルケニル」なる語は、2ないし12個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素−炭素の二重結合を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基をいう。代表的なかかる基として、エテニルまたはアリルが挙げられる。例えば、「C2−6アルケニル」は、2ないし6個の炭素原子を有する、直鎖および分岐鎖のアルケニル基を意味する。
「アルキニル」なる語は、2ないし12個の炭素原子と、少なくとも1つの炭素−炭素の三重結合を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基をいう。代表的なかかる基として、エチニルが挙げられる。例えば、「C2−6アルキニル」は、2ないし6個の炭素原子を有する、直鎖および分岐鎖のアルキニル基を意味する。
本明細書で使用される場合の「シクロアルキル」なる語は、炭素原子の飽和環より1個の水素原子を取り除くことによって非芳香族単環または多環式炭化水素分子より誘導される基をいう。シクロアルキル基の代表例は、限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルを包含する。記号「C」の後に下付きで数字がある場合、その下付き文字は特定のシクロアルキル基が有する炭素原子の数をより具体的に規定する。例えば、「C3−6シクロアルキル」は、3ないし6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
「フルオロシクロアルキル」なる語は、1または複数の水素原子がフルオロ基と置き換えられているところのシクロアルキル基をいう。
「シクロアルキルアルキレン」なる語は、アルキレン基を通して、親分子の一部に結合するシクロアルキル基をいう。例えば、「(C3−6シクロアルキル)−(C0−2アルキレン)」は、結合手またはC1−2アルキレンを通して、親分子の一部に結合するC3−6シクロアルキル基を意味する。
本明細書で使用される場合の「アルコキシ」なる語は、酸素原子を介して親分子の一部に結合したアルキル基、例えば、メトキシ基(−OCH3)をいう。例えば、「C1−3アルコキシ」は1ないし3個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。
「フルオロアルコキシ」および「−O(フルオロアルキル)」なる語は、酸素連結(−O−)を通して結合した上記のフルオロアルキル基を表す。例えば、「C1−4フルオロアルコキシ」はC1、C2、C3、およびC4フルオロアルコキシ基を包含するものとする。
「ヒドロキシアルコキシ」なる語は、酸素連結(−O−)を通して結合した上記のヒドロキシアルキル基を表す。例えば、「C1−4ヒドロキシアルコキシ」はC1、C2、C3、およびC4ヒドロキシアルコキシ基を包含するものとする。
本明細書で使用される場合の「シクロアルコキシ」なる語は、酸素原子を通して親分子の一部と結合したシクロアルキル基、例えば、シクロプロポキシ基(−O(シクロプロピル))をいう。
本明細書で使用される場合の「アルコキシアルコキシ」なる語は、アルコキシ基を通して親分子の一部と結合したアルコキシ基をいう。例えば、「(C1−3アルコキシ)−(C1−6アルコキシ)」は、C1−3アルコキシ基を通して親分子の一部と結合したC1−6アルコキシ基を意味する。
本明細書で使用される場合の「アルコキシアルキレン」なる語は、アルキレン基を通して親分子の一部と結合したアルコキシ基をいう。例えば、「(C1−3アルコキシ)−(C1−3アルキレン)」はC1−3アルキレンを通して親分子の一部と結合したC1−3アルコキシ基を意味する。
本明細書で使用される場合の「フルオロアルコキシアルキレン」なる語は、アルキレン基を通して結合したフルオロアルコキシ基をいう。例えば、「(C1−2フルオロアルコキシ)−(C1−2アルキレン)」は、C1−2アルキレンを通して親分子の一部と結合したC1−2フルオロアルコキシ基を意味する。
本明細書で使用される場合の「アルコキシ−フルオロアルキレン」なる語は、フルオロアルキレンを通して親分子の一部と結合したアルコキシ基をいう。例えば、「(C1−3アルコキシ)−(C1−3フルオロアルキレン)」は、C1−3フルオロアルキレンを通して親分子の一部と結合したC1−3アルコキシを意味する。
本明細書で使用される場合の「デューテロアルコキシ−デューテロアルキレン」なる語は、デューテロアルキレン基を通して親分子の一部と結合したデューテロアルコキシ基をいう。例えば、「(C1−3デューテロアルコキシ)−(C1−3デューテロアルキレン)」はC1−3デューテロアルキレンを通して親分子の一部と結合したC1−3デューテロアルコキシを意味する。
本明細書で使用される場合の「アルキルチオ」なる語は、硫黄原子を介して親分子の一部と結合したアルキル基、例えば、メチルチオ基(−SCH3)をいう。例えば、「C1−3アルキルチオ」は、1ないし3個の炭素原子を有するアルキルチオ基を意味する。
本明細書で使用される場合の「アリール」なる語は、芳香族環と結合する1つの水素を取り外すことにより、芳香族環を含有する分子から誘導される基をいう。アリール基の代表例は、限定されないが、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニル、および1,2,3,4−テトラヒドロナフタ−5−イルを包含する。そのアリール環は、置換されていなくても、あるいは結合価が許す限り、1または複数の置換基を含有してもよい。
本明細書で使用される場合の「ベンジル」なる語は、1の水素原子がフェニル基により置き換えられているところのメチル基をいう。そのフェニル環は、置換されていなくても、あるいは結合価が許す限り、1または複数の置換基を含有してもよい。
「アリールオキシ」なる語は、酸素基を通して結合したアリール基をいう。
本明細書で使用される場合の「フェノキシ」なる語は、酸素基を通して結合したフェニル基(−O−フェニル)をいう。そのフェニル環は、置換されていなくても、あるいは結合価が許す限り、1または複数の置換基を含有してもよい。
「ヘテロ原子」なる語は、酸素(O)、硫黄(S)、および窒素(N)をいう。
「ヘテロシクロ」または「ヘテロシクリル」なる語は互換的に使用されてもよく、非芳香族の3ないし7員の単環基および6ないし11員の二環基をいい、ここで該環の少なくとも1つは少なくとも1個のヘテロ原子(O、SまたはN)を有し、そのヘテロ原子含有の環は、O、Sおよび/またはNより独立して選択される1ないし3個のヘテロ原子を有するのが好ましい。ヘテロ原子を含有するそのような基の各環は、1または2個の酸素または硫黄原子、および/または1ないし4個の窒素原子を含有することができる:ただし、各環におけるヘテロ原子の総数は4以下であり、さらには該環は少なくとも1個の炭素原子を含有するものとする。窒素および硫黄原子は、所望により、酸化されてもよく、窒素原子は、所望により、四級化されてもよい。二環基で完成する縮合環は炭素原子だけを含有してもよく、飽和、部分飽和または不飽和であってもよい。ヘテロシクロ基は利用可能ないずれかの窒素または炭素原子と結合してもよい。ヘテロシクロ環は置換されていなくても、あるいは結合価が許す限り、1または複数の置換基を含有してもよい。
代表的な単環式ヘテロサイクリル基は、オキセタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソラン、およびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルを包含する。代表的な二環式ヘテロシクロ基はキニクリジニルを包含する。
「ヘテロアリール」なる語は、置換および非置換の5または6員の単環基、ならびに9または10員の二環基であって、該環の少なくとも1つにおいて少なくとも1個のヘテロ原子(O、SまたはN)を有し、そのヘテロ原子含有の環は、好ましくは、O、Sおよび/またはNより独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を有する基をいう。ヘテロ原子を含有するヘテロアリール基の各環は、1または2個の酸素または硫黄原子、および/または1ないし4個の窒素原子を含有することができる:ただし、各環におけるヘテロ原子の総数は4以下であり、各環は少なくとも1個の炭素原子を含有する。。二環基で完成する縮合環は炭素原子だけを含有してもよく、飽和、部分飽和または不飽和であってもよい。窒素および硫黄原子は、所望により、酸化されてもよく、窒素原子は、所望により、四級化されてもよい。二環または三環であるヘテロアリールは少なくとも1つの完全な芳香族環を含んでいなければならないが、他の縮合環は芳香族であっても芳香族でなくてもよい。ヘテロアリール基はいずれかの環の利用可能ないずれかの窒素または炭素原子と結合してもよい。ヘテロアリール環系は置換されていなくても、あるいは1または複数の置換基を含有してもよい。
代表的な単環式ヘテロアリール基は、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、およびトリアジニルを包含する。
代表的な二環式ヘテロアリール基は、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、ジヒドロイソインドリル、およびテトラヒドロキノリニルを包含する。
本明細書で使用される場合の「ヘテロアリールオキシ」なる語は、酸素基を通して親分子の一部と結合した、ヘテロアリール基をいう。
「アリールアルキレン」なる語は、アルキレン基を通して親分子の一部と結合した、アリール基をいう。例えば、「アリール(C1−2アルキレン)」は、C1−2アルキレンを通して親分子の一部と結合した、アリール基をいう。
「ヘテロアリールアルキレン」なる語は、アルキレン基を通して親分子の一部と結合した、ヘテロアリール基をいう。例えば、「ヘテロアリール(C1−2アルキレン)」は、C1−2アルキレンを通してしたヘテロアリール基をいう。
「アリールオキシアルキレン」なる語は、アルキレン基を通して親分子の一部と結合したアリールオキシ基をいう。例えば、「アリールオキシ−(C1−2アルキレン)」は、C1−2アルキレンを通して親分子の一部と結合したアリールオキシ基をいう。
「ヘテロアリールオキシアルキレン」なる語は、アルキレン基を通して親分子の一部と結合したヘテロアリールオキシ基をいう。例えば、「ヘテロアリールオキシ−(C1−2アルキレン)」は、C1−2アルキレンを通して親分子の一部と結合した、ヘテロアリールオキシ基をいう。
本発明の化合物は非晶質固体または結晶固体として提供され得る。凍結乾燥操作を利用して該化合物を非晶質固体として提供し得る。
さらには、本発明の化合物の溶媒和物(例、水和物)も本発明の範囲内にあることを理解すべきである。「溶媒和物」なる語は、式(I)ないし(IV)の化合物と、1または複数の有機または無機溶媒のいずれかの溶媒分子との物理的結合を意味する。この物理的結合は水素結合を包含する。ある場合には、例えば、1または複数の溶媒分子が結晶固体の結晶格子に組み込まれている場合、溶媒和物は単離能を有するであろう。「溶媒和物」は液相と単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物として、水和物、エタノール和物、メタノール和物、イソプロパノール和物、アセトニトリル溶媒和物、および酢酸エチル溶媒和物が挙げられる。溶媒和の方法は当該分野にて知られている。
加えて、式(I)ないし(IV)の化合物は、その調製の後に、単離し、精製して、式(I)ないし(IV)の化合物を99重量%以上の量で含有する(実質的に純粋な)組成物を得ることができ、次にそれを本明細書に記載されるように使用または処方する。かかる「実質的に純粋な」式(I)ないし(IV)の化合物も、本発明の一部として本明細書に記載されるものと考えられる。
「医薬的に許容される」なる語は、本明細書にて、妥当な医学的判断の範囲内にあり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、および/または他の問題または合併症がなく、利益/リスクの合理的割合と整合性があって、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適する、それらの化合物、材料、組成物、および/または剤形をいうのに利用される。
式(I)ないし(IV)の化合物は、その酸または塩基塩であってもよい。本明細書で使用されるように、「医薬的に許容される塩」は、開示される化合物の誘導体であって、その親化合物がその酸または塩基塩を製造することで修飾される、誘導体をいう。医薬的に許容される塩の例として、限定されないが、アミンなどの塩基性基の鉱酸または有機酸塩;およびカルボン酸などの酸性基のアルカリまたは有機塩基塩を包含する。医薬的に許容される塩は、例えば、非毒性の無機または有機酸より形成される、親化合物の慣用的な非毒性塩または四級アンモニウム塩を包含する。例えば、かかる慣用的な非毒性の塩として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、および硝酸などの無機酸より誘導される塩;および酢酸、プロピオン酸、スクシン酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、およびイセチオン酸等などの有機酸より調製される塩が挙げられる。他の医薬的に許容されない塩の形態は、該化合物の製造および/または精製にて利用されるかもしれない。
本発明の塩および医薬的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から、慣用的な化学的方法によって合成され得る。一般に、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水中にて、または有機溶媒中にて、あるいはその2種類の混合液中にて反応させることにより調製され得る;一般に、非水性媒体、例えば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルが好ましい。適当な塩のリストが、Allen, L.V., Jr.編、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd Edition, Pharmaceutical Press, London, UK (2012) にて記載されており、その開示を出典明示により本明細書に組み込むものとする。
「安定した化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度まで単離し、効能のある治療剤に処方して活性であるのに十分に頑強である化合物を示すものとする。本発明は安定した化合物を具現化するものとする。
本発明の化合物は、本発明の化合物にある原子のすべての同位体を包含するものとする。同位体は原子番号は同じであるが、質量数の異なるそれらの原子を包含する。一般例であり、制限することを目的としないで、水素の同位体として、重水素(D)および三重水素(T)が挙げられる。炭素の同位体は13Cおよび14Cである。本発明の同位体標識された化合物は、一般に、当業者に公知の慣用的技法により、あるいはさもなければ利用される標識されていない試薬の代わりに同位体標識された適切な試薬を用い、本明細書に記載の方法と同様の方法により調製され得る。例えば、メチル(−CH3)はまた、−CD3などの重水素化メチル基を包含する。
生物学
「PAR4アンタゴニスト」なる語は、PAR4と結合し、PAR4の切断および/またはシグナル化を阻害する血小板凝集の阻害剤を意味する。典型的には、PAR4活性は、対照細胞でのかかる活性と比べて、用量依存的に、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%まで下げられる。対照細胞は該化合物で処理されていない細胞である。PAR4活性は、本明細書に記載の方法(例えば、PAR4発現細胞でのカルシウム動員、血小板凝集、例えば、カルシウム動員、p−セレクチンまたはCD40L放出を測定する血小板活性化アッセイ、あるいは血栓形成および止血モデル)を含め、当該分野にて標準的ないずれかの方法により測定される。ある実施態様において、血小板の活性化は、血小板細胞質における変化により、血小板細胞膜の変化により、血小板により放出される分析物のレベルにおける変化により、血小板の形態における変化により、全血の流れまたは攪拌の中で血小板の血栓または血小板凝集体を形成する能力により、関連リガンド(例えば、フォン・ヴィレブランド因子、コラーゲン、フィブリノーゲン、他の細胞外マトリックスタンパク質、いずれかのタンパク質の合成フラグメント、またはそれらのいずれかの組み合わせ)より誘導される静的表面に付着する血小板の能力により、血小板の形状の変化により、あるいはそれらのいずれかの組み合わせによって測定される。一の実施態様において、血小板の活性化は、血小板によって放出される1または複数の分析物のレベルにおける変化により測定される。例えば、血小板によって放出される1または複数の分析物は、P−セレクチン(CD62p)、CD63、ATP、またはそれらのいずれかの組み合わせとすることができる。特定の実施態様において、血小板は、フィブリノーゲンまたはGPIIbIIIa抗体の血小板との結合のレベルによって測定される。他の実施態様において、血小板の活性化は、血小板の活性化に対する血管拡張剤刺激のリンタンパク質(VASP)のリン酸化度により測定される。さらにもう一つ別の実施態様において、血小板−白血球の凝集体のレベルにより測定される。ある実施態様において、血小板の活性化はプロテオミクスプロファイリングにより測定される。「PAR4アンタゴニスト」なる語はまた、PAR1およびPAR4の両方を阻害する化合物を包含する。
好ましくは、本発明の化合物は、(下記の)PAR4 FLIPRアッセイにおいて、約10μMの、好ましくは1μM以下の、より好ましくは100nM以下の、さらにより好ましくは10nM以下のIC50を有する。本発明の化合物についてのPAR4 FLIPRアッセイのデータを表に示す。
ある実施態様において、本発明は、医薬的に許容される担体、および治療的に効果的な量の式(I)〜(IV)の化合物、好ましくは実施例の一つから、より好ましくは実施例1〜104から選択される化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体、医薬的に許容される塩、またはその溶媒和物を単独で、またはもう一つ別の治療剤と組み合わせて含む、医薬組成物を提供する。
ある実施態様において、本発明は、もう一つ別の治療剤をさらに含む、医薬組成物を提供する。好ましい実施態様において、そのさらなる治療剤が、抗血小板剤またはその組み合わせである、医薬組成物を提供する。好ましくは、抗血小板剤は、P2Y12アンタゴニストおよび/またはアスピリンである。好ましくは、P2Y12アンタゴニストはクロピドグレル、チカグレロールまたはプラスグレルである。もう一つ別の好ましい実施態様において、本発明は、さらなる治療剤が、抗凝血剤またはその組み合わせである、医薬組成物を提供する。好ましくは、抗凝血剤は、FXa阻害剤、トロンビン阻害剤、またはFXIa阻害剤である。好ましくは、FXa阻害剤はアピキサバン、リバロキサバン、またはエドキサバンである。好ましくは、トロンビン阻害剤はダビガトランである。
以下に例として挙げられるが、それに限定されない、1つまたは複数の以下のカテゴリー:(a)経口バイオアベイラビリティ、半減期およびクリアランスを含む薬物動態学的特徴;(b)薬理学的特徴;(c)必要な用量;(d)血中濃度の最高最低間特性を低減する因子;(e)受容体と活性である薬物の濃度を上げる因子;(f)臨床における薬剤−薬剤間相互作用の不利益を下げる因子;(g)選択性vs.他の生物学的標的を含む、有害な副作用の可能性を低減する因子;(h)出血する傾向の小さな治療指数の改善、および(i)製造のコストまたは成否の可能性を改善する因子において、既知の抗血小板剤と比べて有利かつ改善された特性を有する化合物を見出すことが望ましい。
本明細書で使用される時の「患者」なる語はすべての哺乳動物種を包含する。
本明細書で使用される時の「対象」なる語は、PAR4アンタゴニストを用いる処理から利益を受ける可能性のあるいずれのヒトまたはヒト以外の生物をもいう。典型的な対象として、心血管疾患についての危険因子を有するどのような年齢のヒトも、あるいは心血管疾患の1のエピソードを既に経験した患者が挙げられる。共通する危険因子は、限定されないが、年齢、男性であること、高血圧、喫煙または喫煙の経歴、トリグリセリドが高いこと、総合コレステロールまたはLDLコレステロールが高いことを包含する。
ある実施態様において、対象は二元的PAR1/PAR4血小板受容体レパートリーを有する種である。本明細書で使用する時の「二元的PAR1/PAR4血小板受容体レパートリー」なる語は、対象が血小板またはその先駆体でPAR1およびPAR4を発現することを意味する。二元的PAR1/PAR4血小板受容体レパートリーを有する典型的な対象として、ヒト、ヒト以外の霊長類、およびモルモットが挙げられる。
他の実施態様において、対象は二元的PAR3/PAR4血小板受容体レパートリーを有する種である。本明細書で使用する時の「二元的PAR3/PAR4血小板受容体レパートリー」なる語は、対象が血小板またはその先駆体でPAR3およびPAR4を発現することを意味する。二元的PAR3/PAR4血小板受容体レパートリーを有する典型的な対象として、齧歯動物およびウサギが挙げられる。
本明細書にて用いられる場合、「治療する」または「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患状態の治療を包含し、(a)疾患状態を阻害すること、即ち、その進行を止めること;および/または(b)疾患状態を軽減すること、即ち、疾患状態の退縮を引き起こすことを包含する。
本明細書中で用いられる場合、「予防」または「防止」は、臨床的疾患状態の発症の可能性を減少させることを目的として、哺乳動物、特にヒトにおける無症候性疾患状態の防止処置に及ぶ。患者は、防止治療のために、一般的集団と比べて、臨床的な疾患状態に罹患する危険性を増大させることが分かっている因子に基づいて選択される。「予防」治療は(a)一次防止および(b)二次防止に分類できる。一次防止は、未だ臨床的疾患状態を発症していない対象における処置と定義され、それに対して二次防止は、同じまたは類似の臨床的疾患状態の2回目の発症を防止するものとして定義される。
本明細書中で用いられ場合の「リスクの軽減」は、臨床的疾患状態の発症率を低下させる治療に及ぶ。一次および二次防止の治療それ自体がリスク軽減の例である。
「治療上の有効量」は、PAR4を阻害および/または拮抗するように、および/または本明細書に列挙示される障害を防止もしくは治療するように単独でまたは併用して投与された場合に効果的である本発明の化合物の量を包含するものとする。併用に適用される場合、該用語は、組み合わせて、連続して、または同時に投与されるかどうかで防止または治療効果をもたらす活性成分を組み合わせた量をいう。
本明細書中で使用される場合の「血栓症」なる語は、血管により供給される組織にて虚血または梗塞を惹起し得る、血管内での血栓の形成または出現をいう。本明細書で用いられる場合の「塞栓形成」なる語は、血流によりその堆積部位に運搬された凝血槐または異物による動脈の突然の遮断をいう。本明細書で使用される場合の「血栓塞栓形成」なる語は、血流によりその起源部位から運搬されて別の血管を塞ぐ血栓性物質による血管の閉塞をいう。「血栓塞栓性障害」なる語は、「血栓性」および「塞栓性」障害(上と同義)を含意する。
本明細書で使用される場合の「血栓塞栓性障害」なる語は、動脈性心血管系血栓塞栓性障害、静脈性心血管系または脳血管血栓塞栓性障害、および心臓チャンバーまたは末梢血液循環における血栓塞栓性障害を含む。本明細書で使用される場合の「血栓塞栓性障害」なる語はまた、限定されないが、不安定狭心症もしくは他の急性冠症候群、心房細動、初回もしくは再発性心筋梗塞、虚血性突然死、一過性脳虚血発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓症、深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、動脈塞栓症、冠状動脈血栓症、大脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎塞栓症、肺塞栓症、ならびに医療用インプラント、デバイス、または血栓症を促進するような人工物の表面に血液を曝露する操作による血栓症から選択される特定の障害を含む。医療用インプラントまたはデバイスは、限定されないが、人工弁、人造弁、留置カテーテル、ステント、血液酸素付加装置、シャント、血管アクセスポート、心室補助装置、および人工心臓もしくは心臓チャンバー、ならびに血管移植片である。操作は、限定されないが、心肺バイパス術、経皮的冠動脈形成術、および血液透析を包含する。別の実施態様において、「血栓塞栓性障害」なる語は、急性冠症候群、脳卒中、深部静脈血栓症、および肺塞栓症を含む。
別の実施態様において、本発明は、血栓塞栓性障害(ここで、血栓塞栓性障害は、不安定狭心症、急性冠症候群、心房細動、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓症、深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、動脈塞栓症、冠状動脈血栓症、大脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎塞栓症、肺塞栓症、ならびに医療用インプラント、デバイス、または血液が血栓症を促進する人工物の表面に曝されるような操作により引き起こされる血栓症から選択される)の治療方法を提供する。別の実施態様において、本発明は、血栓塞栓性障害(ここで、血栓塞栓性障害は、急性冠症候群、脳卒中、静脈血栓症、心房細動、ならびに医療用インプラントおよびデバイスにより引き起こされる血栓症から選択される)の治療方法を提供する。
別の実施態様において、本発明は、血栓塞栓性障害(ここで、血栓塞栓性障害は、不安定狭心症、急性冠症候群、心房細動、心筋梗塞、虚血性突然死、一過性脳虚血発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓症、深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、動脈塞栓症、冠状動脈血栓症、大脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎塞栓症、肺塞栓症、ならびに医療用インプラント、デバイス、または血液が血栓症を促進する人工物の表面に曝されるような操作により引き起こされる血栓症から選択される)の一次予防のための方法を提供する。別の実施態様において、本発明は、血栓塞栓性障害(ここで、血栓塞栓性障害は、急性冠症候群,脳卒中、静脈血栓症、ならびに医療用インプラントおよびデバイスにより引き起こされる血栓症から選択される)の一次予防のための方法を提供する。
別の実施態様において、本発明は、血栓塞栓性障害(ここで、血栓塞栓性障害は、不安定狭心症、急性冠症候群、心房細動、再発性心筋梗塞、一過性脳虚血発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓症、深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、動脈塞栓症、冠状動脈血栓症、大脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎塞栓症、肺塞栓症、ならびに医療用インプラント、デバイス、または血液が血栓症を促進する人工物の表面に曝されるような操作により引き起こされる血栓症から選択される)の二次予防のための方法を提供する。別の実施態様において、本発明は、血栓塞栓性障害(ここで、血栓塞栓性障害は、急性冠症候群、脳卒中、心房細動および静脈血栓症から選択される)の二次予防のための方法を提供する。
本明細書で使用される場合の「脳卒中」なる語は、総頸動脈、内頸動脈、または脳内動脈における閉塞性血栓により起こる塞栓性脳卒中またはアテローム血栓性脳卒中をいう。
血栓症が血管の閉塞(例えば、バイパス手術後の)および再狭窄(例えば、経皮的冠動脈形成術中または後の)を含むことに留意する。血栓塞栓性障害は、限定されないが、アテローム動脈硬化症、外科手術または外科合併症、長期に亘る安静、心房細動、後天性血栓素因、がん、糖尿病、薬物療法またはホルモンの作用、および妊娠合併症の病状により引き起こされることもある。
血栓塞栓性障害はアテローム動脈硬化症の患者と関連付けられることが多い。アテローム動脈硬化症の危険因子は、限定されないが、男性であること、年齢、高血圧、脂質障害、糖尿病を包含する。アテローム動脈硬化症の危険因子は、同時に、アテローム動脈硬化症の合併症、即ち、血栓塞栓性障害の危険因子である。
同様に、心房細動は血栓塞栓性障害と関連付けられることが多い。心房細動およびそれに続く血栓塞栓性障害の危険因子は、循環器疾患、リウマチ性心疾患、非リウマチ性僧帽弁疾患、高血圧性循環器疾患、慢性肺疾患、ならびに多岐に亘る様々な心臓の異常および甲状腺中毒症を包含する。
真性糖尿病はアテローム動脈硬化症および血栓塞栓性障害と関連付けられることが多い。よく見られる2型のものの危険因子は、限定されないが、家族暦、肥満、運動不足、人種/民族性、空腹時血糖または糖負荷試験におけるこれまでの異常、妊娠真性糖尿病の病歴もしくは「ビッグ・ベイビー」の分娩暦、高血圧、低HDLコレステロール、および多嚢胞性卵巣症候群を包含する。
血栓症は、様々なタイプの腫瘍、例えば、膵臓がん、乳がん、脳腫瘍、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、消化器悪性腫瘍、およびホジキン病または非ホジキンリンパ腫と関連付けられる。近年の研究により、血栓症を伴う患者の頻度が一般集団において特定のタイプのがんの頻度を反映することが示唆された(Levitan,N.ら、Medicine (Baltimore), 78(5):285-291 (1999);Levine M.ら、N.Engl.J.Med., 334 (11):677-681 (1996);Blom,J.W.ら、JAMA, 293 (6):715-722 (2005))。即ち、男性において血栓症に付随する最も多いがんは前立腺がん、大腸がん、脳がんおよび肺がんであり、女性においては、乳がん、卵巣がん、および肺がんである。がん患者において観察される静脈血栓塞栓形成(VTE)速度は有意である。異なる腫瘍型の間でのVTE速度の違いは、患者集団の選択と関連している可能性が最も高い。血栓症のリスクのあるがん患者は、以下の危険因子のいずれかまたは全てを有する可能性がある:(i)がんの段階(即ち、転移の存在)、(ii)中心静脈カテーテルの存在、(iii)外科手術および化学療法を含む抗がん療法、(iv)ホルモン類および抗血管新生薬。故に、血栓塞栓性障害を防止するために腫瘍の進行した患者にヘパリンまたは低分子ヘパリンを投与することは一般的な臨床的業務である。多くの低分子量ヘパリン製剤がこれらの症状用にFDAで認可されている。
本明細書で使用される場合の「医薬組成物」なる語は、少なくとも1つの治療的または生物学的に活性な薬剤を含有し、患者に投与するのに適するいずれの組成物も意味する。これらの製剤はいずれも当該分野にて周知の方法および許容された方法により調製され得る。例えば、Gennaro, A.R.編、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、20th Edition, Mack Publishing Co., Easton, Pa.(2000)を参照のこと。
本発明は、PAR4に結合し、PAR4の切断および/またはシグナル伝達を阻害する化合物(本明細書において「PAR4アンタゴニスト」または「治療用化合物」と称される)を含む、医薬組成物を対象に投与することを含む。
医薬組成物は当該分野において既知の方法を用いて投与される。好ましくは、該化合物は、経口的に、経直腸的に、経鼻的に、吸入により、局所的に、または非経口的に、例えば、皮下的に、腹腔内に、筋肉内に、および静脈内に投与される。該化合物は、所望により、血栓塞栓性障害を治療するための治療薬のカクテルの成分として処方されてもよい。1の実施態様において、医薬組成物は経口的に投与される。
本明細書に記載の治療用化合物は慣用的方法を利用して医薬組成物に処方される。例えば、PAR4アンタゴニストは経口投与用のカプセルまたは錠剤に処方される。カプセルは、ゼラチンまたはセルロースなどの標準的ないずれの医薬的に許容される材料を含有してもよい。錠剤は治療用化合物と固形担体または滑沢剤との混合物を圧縮することで慣用的操作に従って処方されてもよい。固形担体の例として、澱粉および糖、ベントナイトが挙げられる。化合物は、結合剤、例えば、ラクトースまたはマンニトール、慣用的な充填剤、および錠剤化剤を含有する、ハード殻錠剤またはカプセルの形態にて投与される。他の製剤は、軟膏、坐剤、ペースト、スプレー、パッチ、クリーム、ゲル、吸収性スポンジ、または泡沫体を包含する。かかる製剤は当該分野にて周知の方法を用いて生成される。本発明の組成物はまた、静脈内、皮下、筋肉内、および腹腔内などの非経口投与にも有用である。非経口投与に適する製剤の例として、活性成分の等張生理食塩水中、5%グルコース溶液中、または他の標準的な医薬的に許容される賦形剤中水溶液が挙げられる。PVPまたはシクロデキストリンなどの標準的可溶化剤も治療用化合物をデリバリーするための医薬賦形剤として利用される。
PAR4アンタゴニストの好ましい用量は、生物学的に活性な用量である。生物学的に活性な用量は、PAR4の切断および/またはシグナル伝達を阻害し、抗血栓形成作用を有するであろう用量である。望ましくは、PAR4アンタゴニストは、PAR4の活性を、未処理の対照レベルよりも下で、少なくとも、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、または100%以上低下させる能力を有する。PAR4の血小板中レベルは、例えば、受容体結合アッセイ、血小板凝集、血小板活性化アッセイ(例えば、FACSによるp−セレクチン発現)、PAR切断感受的抗体を用いるウェスタンブロットまたはELISA解析を含め、当該分野にて公知のいずれかの方法により測定される。あるいはまた、PAR4の生物学的活性は、PAR4により惹起される細胞シグナル伝達を評価することにより測定される(例えば、カルシウム動員または他の第2メッセンジャーアッセイ)。
ある実施態様において、PAR4化合物の効果的な量は、好ましくは、約100mg/kg、50mg/kg、10mg/kg、5mg/kg、1mg/kg、または1mg/kg未満である。より好ましい実施態様において、PAR4化合物の治療的に効果的な量は5mg/kg未満である。最も好ましい実施態様において、PAR4化合物の治療的に効果的な量は1mg/kg未満である。効果的な用量は、当業者により理解されるように、投与経路および賦形剤の利用に応じて変化する。
本発明のPAR4アンタゴニストの活性は種々のインビトロアッセイにて測定され得る。代表的なアッセイを以下に示す。
蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)アッセイは、本発明のPAR4アンタゴニスト活性を測定するための、代表的なインビトロアッセイである。このアッセイにおいては、細胞内カルシウム動員がPAR4アゴニストによりPAR4発現細胞にて誘導され、カルシウム動員をモニター観察する。
AYPGKFは既知のPAR4アゴニストである。別のPAR4アゴニストが、H−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2である。WO2013/163279の実施例Bに示されるように、H−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2がFLIPRアッセイにてPAR4アゴニストであると確認された。約180種の化合物のIC50値のサイド・バイ・サイド比較をAYPGKF vs. H−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2を用いて行った。結果は2つのアッセイの間に強い相関関係のあることを示した。加えて、H−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2は、AYPGKFと比べて、EC50が、FLIPRアッセイにおいてAYPGKFのEC50よりも10倍低い、改善されたアゴニスト活性を有する。H−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2は当業者に周知の方法を用いて合成され得る。
FLIPRアッセイは、PAR1およびPAR4の両方を発現する細胞株において、アゴニスト活性またはPAR1アンタゴニスト活性を試験するためのカウンタースクリーンとしても使用され得る。PAR1アンタゴニスト活性は、該化合物の、PAR1アゴニストペプチドSFLLRNまたは他のPAR1アゴニストペプチドにより誘発されるカルシウム動員の阻害能により試験され得る。
本発明の化合物は、下記に示されるように、ガンマ−トロンビンにより誘発される血小板凝集を阻害するその能力についてインビトロにて試験され得る。ガンマ−トロンビンは、PAR1ともはや相互作用しない、アルファ−トロンビンのタンパク質分解生成物であり、PAR4を選択的に切断し、活性化する(Soslau, G.ら、「糖タンパク質Ibによって媒介されるトロンビン誘発の血小板凝集の独特な経路(Unique pathway of thrombin - induced platelet aggregation mediated by glycoprotein Ib)」、J. Biol. Chem., 276:21173-21183(2001))。血小板凝集は96ウェルマイクロプレート凝集アッセイフォーマットにて、または標準的な血小板凝集計を用いてモニター観察され得る。凝集アッセイを利用して、化合物の、PAR4アゴニストペプチド、PAR1アゴニストペプチド、ADP、またはトロンボキサンアナログU46619により誘発される血小板凝集を阻害することについてその選択性を試験することもできる。
本発明の化合物は、下記に示されるように、アルファ−トロンビンによって誘発される血小板凝集を阻害するその能力についてインビトロにて試験され得る。アルファ−トロンビンはPAR1とPAR4の両方を活性化する。本発明の選択的PAR4アンタゴニストの血小板凝集阻害能は、標準的な光学血小板凝集測定装置を用いて、測定され得る。
本発明の化合物は、下記に示されるように、組織因子によって誘発される血小板凝集を阻害するその能力についてインビトロにて試験され得る。このアッセイにおける条件は血栓を形成する間の生理学的事象を模倣する。このアッセイにおいて、ヒト多血小板血漿(PRP)での血小板凝集は組織因子およびCaCl2を添加することで始まる。組織因子、外因系凝固カスケードの開始剤がヒト動脈硬化性プラークにおいて非常に多く存在する。血液がアテローム性動脈硬化部位で組織因子に曝されると、トロンビンのロバストな生成がもたらされ、閉塞性血栓の形成が誘発される。
本発明のPAR4アンタゴニストの活性はまた、種々のインビボアッセイにて測定され得る。本発明のPAR4アンタゴニストの抗血栓剤としての効能を試験するための血栓形成および止血のモデルを提供しうる典型的な哺乳類として、限定されないが、モルモットおよび霊長類が挙げられる。関連する効能のモデルとして、限定されないが、電気誘発性頸動脈血栓形成、FeCl3誘発性頸動脈血栓形成、および動静脈シャント血栓形成が挙げられる。腎臓にて出血する時間、腎出血時間および他の出血時間を測定する実験を用いて本発明に記載の抗血栓剤の出血のリスクを評価することができる。
アッセイ
材料
1)PAR1およびPAR4アゴニストペプチド
SFFLRRは既知のアフィニティの高いPAR1選択的アゴニストペプチドである。(Reference:Seiler, S.M., 「トロンビン受容体アンタゴニスト(Thrombin receptor antagonists)」, Seminars in Thrombosis and Hemostasis, 22(3):223-232(1996))。PAR4アゴニストペプチドであるAYPGKFおよびH−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2を合成した。H−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2は、AYPGKFと比べて、FLIPRアッセイにて(H−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2について8μMの、およびAYPGKFについて60μMのEC50値)、および洗浄血小板凝集アッセイ(H−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2について0.9μMの、およびAYPGKFについて12μMのEC50値)にて、改善されたPAR4アゴニスト活性を示した。
2)PAR4発現細胞
PAR4を安定して発現するHEK293細胞を、ヒトPAR4(F2R23)cDNA発現ベクターをトランスフェクトする標準的方法によって産生し、PAR4タンパク質発現またはmRNA発現に基づいて選択した。これらの細胞がPAR4アゴニストペプチド誘発の細胞内カルシウム上昇に対して機能的応答を示すことをFLIPR(登録商標)(Fluorometric Imaging Plate Reader;Molecular Devices Corp.)を用いて明らかにした。これらの細胞はまた、内因性PAR1を発現し、PAR1アゴニストペプチドでの刺激に対してカルシウムシグナルを惹起しうる。従って、その同じ細胞はPAR1に拮抗する選択性および両方の受容体に対するアゴニスト活性を測定するのにも使用された。HEK293 PAR4クローン1.2Aからの細胞(BMS Arctic ID383940)を増殖させてカルシウム動員実験に用いた。
3)多血小板血漿(PRP)の調製
ヒト血液を血液(9ml)に付き1mlの割合で3.8%クエン酸ナトリウム中に集め、ソルバール(Sorvall)(登録商標)RT6000B遠心分離機で室温(RT)にて15分間にわたって900の毎分回転数(rpm)で遠心分離に付した。PRPを集め、凝集アッセイに用いた。レフルダン(Refludan)(Berlex Labs, Wayne, NJ)、組換えヒルジンを1単位/mLの最終濃度で試料に加え、残りのアルファ−トロンビン汚染により誘発されるPAR1活性化を選択的に防止した。残りの血液試料を室温で5分間にわたって2500rpmで遠心分離に付し、血小板に乏しい血漿(PPP)を集めた。
4)洗浄血小板(WP)の調製
ヒト血液を血液(10ml)に付き1.4mlの割合でACD(85mM クエン酸トリナトリウム、78mMクエン酸、110mM D−グルコース、pH4.4)中に集めた。170gで14分間遠心分離に付すことでPRPを単離し、1300gで6分間遠心分離に付すことで血小板をさらにペレット状にした。1mg/mlのウシ血清アルブミンを含有するACD(10ml)で血小板を1回洗浄した。血小板をタイロード緩衝液(137mM NaCl、2mM KCl、1.0mM MgCl2、1mM CaCl2、5mMグルコース、20mM HEPES pH7.4)に約2.5x108/mlで再懸濁させた。
PAR4発現性HEK293細胞でのFLIPRアッセイ
FLIPRをベースとするカルシウム動員アッセイをHEK293細胞にて用い、PAR4アンタゴニスト、アゴニスト作用およびPAR1に拮抗する選択性を測定した。本発明のPAR4アンタゴニストの活性を、PAR4を発現する細胞にて、H−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2誘発の細胞内カルシウム動員をモニター観察することにより試験した。アゴニスト活性およびPAR1アンタゴニスト活性についてのカウンタースクリーンも行った。簡単には、PAR1/PAR4発現のHEK293細胞を、10%熱不活化TBS、1%ペニシリン−ストレプトマイシン、10μg/mLのブラストサイジン、および100μg/mLのゼオシン(Zeocin)を含有するDMEM(Life Technology, Grand Island, NY)中、37℃にて5%CO2と共に培養した。実験の前に、細胞を、黒色の384ウェルのピュアコートアミン(Purecoat Amine)透明底部プレート(Becton Dickinson Biosciences, San Jose, CA)に10000細胞/ウェルで30μLの成長培地に一夜置き、加湿チャンバーにて37℃で5%CO2と共に一夜インキュベートした。化合物を添加する前に、細胞培地を40μlの1Xカルシウムおよびマグネシウム含有のハンク平衡生理食塩水溶液(HBSS)(20mM HEPESを含む)および1:1000希釈の蛍光性カルシウムインジケータ(Cordex Biosolutions, Gaithersburg, MD)と交換した。37℃で30分間インキュベートし、さらに室温で30分間インキュベートし、平衡時間を経過した後、(1X HBSS緩衝液中に希釈した)20μLの試験化合物を様々な濃度で、0.17%ジメチルスルホキシド(DMSO)の最終濃度で添加した。蛍光強度の変化を機能的薬物スクリーニングシステム(Functional Drug Screening System)(FDSS, Hamamatsu, Japan)を用いて測定し、アゴニスト活性を決定した。次に、細胞を室温で30分間インキュベートし、つづいてアンタゴニスト活性の測定のために20μlのアゴニストペプチドを添加した。PAR4アゴニストペプチド(H−Ala−Phe(4−F)−Pro−Gly−Trp−Leu−Val−Lys−Asn−Gly−NH2)およびPAR1アゴニストペプチド(SFFLRR)を規定通りに試験し、該アッセイにおける適切な応答をEC50値(PAR4アゴニストペプチドについては約5μMおよびPAR1アゴニストペプチドについては約2μM)で確保した。化合物の強度は11点の濃度応答曲線より誘導された。
ガンマトロンビン誘発性血小板凝集アッセイ
本発明の化合物の、ガンマトロンビンによって誘発される血小板凝集の阻害能を、96ウェルのマイクロプレート凝集アッセイフォーマットにて試験した。簡単に言えば、90μLのPRPまたは洗浄血小板を3倍で連続して希釈した試験化合物と共に37℃で5分間プレインキュベートし、それをジメチルスルホキシド(DMSO)中に100倍ストック溶液として調製した。10μLのガンマトロンビン(Haematologic Technologies, Inc. Essex Junction, VT)を添加し、50−100nMの最終濃度で凝集が始まり、それを日々滴定して、80%の血小板凝集を達成した。次にプレートをスペクトラマックス(登録商標)プラスプレートリーダー(Spectra Max R Plus Plate Reader)に37℃で置いた。血小板凝集を動態解析モードを用いて405nmの波長でモニター観察した。最初のデータを収集する時点の前に、プレートを10秒間震盪し、完全に混合させた。その後で10秒毎に合計で7分間にわたってデータを収集した。データはソフトマックス(SoftMax)(登録商標)5.4.1ソフトウェアを用いて収集し、解析するのにマイクロソフトエクセルに転送した。アゴニスト単独で75%の血小板の活性化を達成する時点での光学密度(OD)値を解析するのに用いた。何ら処置していないPRP試料からのOD値をOD最大とし、血小板不含のPPP試料からのOD値をOD最小とした。血小板凝集の阻害(IPA)は、式:
に基づいて算定された。試験化合物のIC50値は、%IPA値をワン−サイト濃度応答式:
に、32ビットのエクセル(登録商標)バージョン2ビルド30(ID Business Solutions Limited)に適合するXLを用いて、適合させることにより算定された。
凝集アッセイはまた、PAR1に対してSFFLRRを、コラーゲン受容体に対してコラーゲン(Chrono-Log、Havertown, PA)を、P2Y1およびP2Y12に対してADPを、およびトロンボキサン受容体に対してU46619(Cayman Chemical、Ann Arbor, MI)を用いることで、他の血小板受容体に対する化合物の選択性を試験した。
アルファトロンビン誘発性血小板凝集アッセイ
PAR4アンタゴニストの、アルファトロンビンにより誘発される血小板凝集の阻害能は、ヒト洗浄血小板を用いて試験され得る。アンタゴニストを洗浄血小板と一緒に20分間プレインキュベートする。1.5nMのアルファトロンビン(Haematologic Technologies、Essex Junction, VT)を、1000rpmの攪拌速度の洗浄血小板(300μl)に添加することで凝集を開始させる。光学凝集測定装置(Optical Aggregometer)(Chrono-Log、Havertown, PA)を用いて血小板凝集をモニター観察し、6分間の曲線下面積(AUC)を測定する。IC50値はベヒクル対照を0%阻害として用いて計算される。
組織因子誘発性血小板凝集アッセイ
PAR1またはPAR4アンタゴニストの、内因性トロンビンにより誘発される血小板凝集の阻害能は、組織因子を用いる凝集アッセイにて試験され得る。CaCl2および組換えヒト組織因子を添加することにより凝集が始まり、それが血漿中の血液凝固経路を活性することでトロンビンの生成がもたらされる。コーン・トリプシン阻害剤(Haematologic Technologies、Essex Junction, VT)などの抗凝血剤を50μg/mlで、およびPEFABLOC(登録商標)FG(Centerchem、Norwalk, CT)もサンプルに加え、実験の間のフィブリン血塊形成を防止した。血小板凝集を光学凝集測定装置またはインピーダンス凝集測定装置を含む標準的な装置類を用いてモニター観察する。
カニクイザル電解傷害誘発性頸動脈血栓症モデル
この研究には健康なカニクイザルが使用される。これらのサルは他の薬物動態学研究および薬力学的研究から退いており、少なくとも4週間のウォッシュ・アウト期間を設けた。研究を行う日には、実験する1ないし2時間前に、化合物またはベヒクルを経口投与させた。次に、0.2mg/kgのアトロピン、5mg/kgのテラゾール(TELAZOL)(チレタミン/ゾラゼパム)および0.1mg/kgのヒドロモルフォンを筋肉内投与することによりサルを落ち着かせ、気管内チューブが容易に配置されるようにする。静脈内カテーテルを左腕頭静脈に入れて流体を投与し、脱水を防止する。次に、動物に吸入麻酔薬、イソフルラン(1−5%で効果がある)および酸素を投与し、換気し、サーモスタット制御の加熱パッド上に置き、体温を37℃に維持した。イソフルランおよび酸素の吸入を通して全身麻酔が手術レベルで維持される。左上腕動脈にカニューレを挿入し、血圧および心拍数を記録する。血圧および心拍数をモニター観察し、正常なバイタルサインを維持する。サルにおける頸動脈血栓症モデルは、Wongらによって記載されるように、ウサギ動脈血栓症モデルに基づくものであった(Wong, P.C.ら、「非ペプチド因子Xa阻害剤:II. 電気的に誘発された頸動脈血栓症のウサギモデルにおける抗血栓性評価(Nonpeptide factor Xa inhibitors: II. Antithrombotic evaluation in a rabbit model of electrically induced carotid artery thrombosis)、J. Pharmacol. Exp. Ther., 295: 212-218 (2002))。サル血栓症モデルは、最近になって、Wongらにより報告された(Wong, P.C.ら、「P2Y1受容体アンタゴニストのMRS2500はカニクイザルにおいて頸動脈血栓症を防止する(The P2Y1 receptor antagonist MRS2500 prevents carotid artery thrombosis in cynomolgus monkeys)、J. Thromb. Thrombolysis, 41:514-521 (2016))。血栓症は外部ステンレス−スチールの双極性電極を用いて頸動脈を10mAで5分間電気刺激することによって誘発される。適切な大きさのTRANSONICフロープローブと、TRANSONIC血管周囲フローメーター(TS420 Model、Transonic Systems Inc., Ithaca, NY)を用いて頸動脈血流を測定する。それは90分間にわたって連続的に記録され、血栓誘発性閉塞をモニター観察する。積分頸動脈血流(integrated carotid blood flow)は流量−時間曲線下面積によって測定される。それは全制御頸動脈血流の割合として表され、それが制御血流が90分間にわたって連続的に維持されているかどうかの結果となる。加えて、損傷した動脈から血栓を除去し、秤量紙上で2回ブロットし、残りの流体を除去して秤量する。
以下の表は、PAR4 FLIPRアッセイにて試験した、本発明の種々の化合物を用いて得られた結果を示す。
表に示されるデータ値は2桁の有効数字で報告されている。
調製方法
本発明の化合物は有機合成の分野の当業者に公知の多くの方法で調製され得る。本発明の化合物は、以下に記載の方法を合成有機化学の分野で公知の合成方法と共に用いて、あるいは当業者に明らかなようにそれに変形を加えて合成することができる。好ましい方法は、限定されないが、以下に記載の方法を包含する。該反応混合物は、使用される試薬および材料に適し、変換がなされるのに適する溶媒または混合溶媒中で行われる。分子上に存在する官能基が提案される変換に適合する必要のあることは有機合成の分野における当業者によって理解される。このことは、時には、本発明の所望の化合物を得るために、合成工程の順序を修飾するか、一の特定のプロセスのスキームを他のスキームの中から選択する判断を要求することとなる。
この分野における合成経路の計画にて別に主として考慮することは、本発明の化合物にある反応性官能基を保護するのに使用される保護基の賢明な選択であることも理解されよう。多くの変形を熟練者に示す信頼できる文献が、Wutsら(Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, Wiley-Interscience(2006))である。
式Iの化合物は、スキーム1に示される、式Ibのアリールボロン酸と、ハライドR3−Xとのパラジウム触媒のクロスカップリングより製造され得る。
スキーム1
式IaおよびIbのキノキサリンの位置特異的合成がスキーム2に示される。保護オルト−ニトロアニリンIeをブロモ酢酸メチルでアルキル化し、化合物Ifを得る。化合物Ifの脱保護、および化合物Igの還元は、環化をもたらし、化合物Ihを生じさせる。化合物Ihは、式Iiのキノキサリン−2−オンに酸化され、それはオキソホスホラスハライドで中間体のIjに変換され得る。化合物IjにあるハライドはR1基を含有する求核基と置き換えられ、化合物Iaとなり、その式Iaの化合物は、スズキ−ミヤウラ反応を介して対応する式Ibのボロン酸に変換され得る。中間体Iiはまた、K2CO3などの塩基の存在下にて、クロロジフルオロ酢酸ナトリウムとの縮合反応に供することによりIkに変換され得る。ジフルオロアルコキシ基はR1基を含有する求核基と置き換えられ、化合物Iaにされてもよい。
スキーム2
2−ハロベンゾチアゾールXXIの合成がスキーム3にて示される。適宜置換されたアニリンXIXより開始し、チオシアナートの付加および酸化的環化を介して、2−アミノベンゾチアゾールXXを形成する。次にサンドマイヤー化学反応を利用して所望の2−ハロベンゾチアゾールXXIを生成する。その生成したXXIを用い、スズキクロスカップリングを介して、ボロン酸Ibとで、構造式XXIIaで示される式Iの種々の化合物が製造される。ベンゾチアゾール以外の二環式R3基を含有する化合物を調製するための中間体は、商業的に入手可能であるか、あるいは当業者によって製造され得、スキーム3にて示されるように、クロスカップリング化学反応を介して組み込まれ得る。
スキーム3
シス−2−ハロベンゾチアゾール環状ジオール中間体の合成がスキーム3において示される。適宜置換された2−ハロベンゾチアゾールを環状アルファ−ハロケトンと反応させることで合成を開始し、環状ケトンが形成され、それをL−セレクトライド(L-Selectride)によってシス−ヒドロキシ環状エーテルの中間体に還元する。
スキーム3
トランス−2−ハロベンゾチアゾール環状ジオール中間体の合成がスキーム4において示される。適宜置換された2−ハロベンゾチアゾールを環状エポキシドと反応させることで合成を開始し、トランス−ヒドロキシエーテルの中間体IVcを形成する。
スキーム4
いくつかの例の化合物の合成をスキーム5に示す。適当な環状ジオールの中間体Vaとボロン中間体Vbとで開始し、Pd触媒のクロスカップリングにより、ビアリール中間体のVcを形成する。これらの化合物はホスゲンと反応してクロロホルマートVdを形成し、それはアミンと反応することでカルバマートVeに変換される。
スキーム5
上記のスキームにおいて記載される「R」基は、例示として記載されるものであり、必ずしも他のどこかで記載かつ請求される「R」基と対応するものではない。
一般的方法
以下の方法は、特記される場合を除き、実施例にて使用された。
生成物は、ディスカバリー(Discovery)VPソフトウェアを実行する、島津分析性HPLCシステムで次の方法:
方法A:フェノメネックス(PHENOMENEX)(登録商標)ルナ(Luna)C18カラム(4.6x50mmまたは4.6x75mm)を、2、4または8分間の100%Aから100%Bへの勾配(A:10%メタノール、89.9%水、0.1%TFA;B:10%水、89.9%メタノール、0.1%TFA、UV:220nm)で4mL/分にて溶出
方法B:フェノメネックス(登録商標)ルナ C18カラム(4.6x50mm)を、4分間の100%Aから100%Bへの勾配(A:10%アセトニトリル、89.9%水、0.1%TFA;B:10%水、89.9%アセトニトリル、0.1%TFA、UV:220nm)で4mL/分で溶出
方法C:フェノメネックス(登録商標)ルナ C18カラム(4.6x50mmまたは4.6x75mm)を、2、4または8分間の100%Aから100%Bへの勾配(A:10%メタノール、89.9%水、0.1%H3PO4;B:10%水、89.9%メタノール、0.1%H3PO4、UV220nm)で4mL/分で溶出
方法D:フェノメネックス(登録商標)ルナ C18カラム (4.6x50mmまたは4.6x75mm)を、2、4または8分間の100%Aから100%Bへの勾配(A:10%メタノール、89.9%水、0.1%NH4OAc;B:10%水、89.9%メタノール、0.1%NH4OAc、UV220nm)で4mL/分で溶出
方法E:BEH C18 2.1x50mm;A:水+0.05%TFA;B:アセトニトリル+0.05%TFA;波長 220nm;流速 0.8mL/分;1分で0%Bから100%Bとする、勾配時間 1.5分間
方法F:BEH C18 2.1x50mm;A:水+0.05%TFA;B:アセトニトリル+0.05%TFA;波長 220nm;流速 0.8mL/分;1分で0%Bから50%Bとする、勾配時間 1.5分間
方法G:BEH C18 2.1x50mm;A:水+0.05%TFA;B:アセトニトリル+0.05%TFA;波長 220nm;流速 0.8mL/分;1分で50%Bから100%Bとする、勾配時間 1.5分間
の1つを用いて逆相分析性HPLCを実施することにより解析された。
逆相分取性HPLCは、ディスカバリーVPソフトウェアを実行する、島津分取性HPLCシステムで次の方法:
方法A:フェノメネックス(登録商標)アキシア・ルナ(Axia Luna)5μm C18 30x75mmカラムを10分間の100%Aから100%Bへの勾配で40mL/分にて溶出する(A:10%アセトニトリル、89.9%水、0.1%TFA;B:10%水、89.9%アセトニトリル、0.1%TFA、UV:220nm)
方法B:YMCサンファイアー(Sunfire)5μm C18 30x100mmカラムを10分間の100%Aから100%Bへの勾配で40mL/分にて溶出する(A:10%メタノール、89.9%水、0.1%TFA;B:10%水、89.9%メタノール、0.1%TFA、UV:220nm)
方法C:エックスブリッジ(XBridge)C18、19x200mmカラム、5μm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;流速:20mL/分
方法D:ウェーター・エックスブリッジ(Water XBridge)C18、19x100mmカラム、5μm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;流速:20mL/分
方法E:フェノメネックス(登録商標)ルナ 5μm C18 30x100mmカラム 40mL/分で10分間の勾配で100%Aから100%Bとする(A:10%アセトニトリル、89.9%水、0.1%TFA;B:10%水、89.9%アセトニトリル、0.1%TFA、UV 220nm)
方法F:フェノメネックス(登録商標)ルナ 5μm C18 30x100mmカラム 40mL分で10分間の勾配で100%Aから100%Bとする(A:10%メタノール、89.9%水、0.1%TFA;B:10%水、89.9%メタノール、0.1%TFA、UV 220nm)
方法G: ウォーターズ・エックスブリッジ(Waters XBridge)C18、19x200mm、5μm;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%ギ酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%ギ酸;流速:20mL/分
の1つを用いて実施された。
LCMSクロマトグラムは、ディスカバリーVPソフトウェアを実行する島津HPLCシステムを、マスリンクス(MassLynx)バージョン3.5ソフトウェアを実行するウォーターズ(Waters)ZQ質量分析計とカップリングさせ、次の方法を用いて得られた:
方法A:線形勾配:溶媒A(10%アセトニトリル、90%水、0.1%TFA)および溶媒B(90%アセトニトリル、10%水、0.1%TFA)を用い;2分間にわたって0−100%の溶媒Bとし、次に100%の溶媒Bで1分間保持する:カラム:フェノメネックス(登録商標)ルナ 3μ C18(2)(2.0x30mm):流速は5ml/分であり、UV検出は220nmに設定された。LCカラムは室温で維持された。
方法B:線形勾配:溶媒A(10%メタノール、90%水、0.1%TFA)および溶媒B(90%メタノール、10%水、0.1%TFA)を用い;4分間にわたって0−100%の溶媒Bとし、次に100%の溶媒Bで1分間保持する:カラム:フェノメネックス(登録商標)ルナ 5μ C18(4.5x30mm):流速は4ml/分であり、UV検出は220nmに設定された。LCカラムは室温で維持された。
方法C:線形勾配:溶媒A(10%メタノール、90%水、 0.1%TFA)および溶媒B(90%メタノール、10%水、0.1%TFA)を用い;2分間にわたって0−100%の溶媒Bとし、次に100%の溶媒Bを1分間にわたって保持する:カラム:フェノメネックス(登録商標)ルナ 3μ C18(2)(2.0x30mm):流速は1ml/分であり;UV検出は220nmに設定された。LCカラムは室温で維持された。
方法D:線形勾配:溶媒A(10%メタノール、90%水、0.1%TFA)および溶媒B(90%メタノール、10%水、0.1%TFA)を用い;2分間にわたって0−100%の溶媒Bとし、次に100%の溶媒Bを1分間にわたって保持する。カラム:フェノメネックス(登録商標)ルナ 3μ C18(2)(4.5x30mm):流速は5ml/分であり;UV検出は220nmに設定された。LCカラムは室温で維持された。
方法E:ウォーターズ・エックスブリッジ 4.6x50mm、5μm C18を用い、流速1.2mL/分で8分間にて水中30−95%アセトニトリル+0.1%TFAとし、UV検出は220nmに設定された。LCカラムは室温で維持された。
方法F:フェノメネックス(登録商標)オニックス・モノリティック(Onyx Monolithic)4.6x100mm 5μm C18を用い、流速2.0mL/分で10分間にて水中10−95%メタノール+0.1%TFAとし、UV検出は220nmに設定された。LCカラムは室温で維持された。.
方法G:
ウォーターズ・エックスブリッジ 2.1x50mm、5μm C18を用い、流速1.0mL/分で6分間にて水中5−95%アセトニトリル、10mMの修飾剤とし、UV検出は220nmに設定された。LCカラムは室温で維持された。
方法H:BEH C18 2.1x50mm;A:水+0.05%TFA;B:アセトニトリル+0.05%TFA;波長 220nm;流速 0.8mL/分;1.5分間の勾配時間で2から98%Bとする。
方法I:BEH C18 2.1x50mm;A:水+0.05%TFA;B:アセトニトリル+0.05%TFA;波長 220nm;流速 0.8mL/分;1.5分間の勾配時間で2から52%Bとする。
方法J:BEH C18 2.1x50mm;A:水+0.05%TFA;B:アセトニトリル+0.05%TFA;波長 220nm;流速 0.8mL/分;1.5分間の勾配時間で48から98%Bとする。
方法K:カラム:ウォーターズ・アクイティ(Waters Acquity)UPLC BEH C18、2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.75分間保持する;流速:1.11mL/分;検出:UV(220nm)
方法L:カラム:ウォーターズ・アクイティ(Waters Acquity)UPLC BEH C18、2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;温度:50℃;勾配:3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.75分間保持する;流速:1.11mL/分;検出:UV(220nm)
加えて、次のHPLC直交条件を用いて化合物の純度をチェックした:
方法A:2つの解析性LC/MS注入を用いて最終純度を測定した。注入条件1:線形勾配:溶媒A(5%アセトニトリル、95%水、0.05%TFA)および溶媒B(95%アセトニトリル、5%水、0.05%TFA)を用い;10分間にわたって10−100%の溶媒Bとし、次に100%の溶媒Bで5分間保持する:カラム:サンファイアー C18 3.5μm(4.6x150mm):流速は2ml/分であり、UV検出は220nmに設定された。LCカラムは室温で維持された。注入条件2:線形勾配:溶媒A(5%アセトニトリル、95%水、0.05%TFA)および溶媒B(95%アセトニトリル、5%水、0.05%TFA)を用い;10分間にわたって10−100%の溶媒Bとし、次に100%の溶媒Bで5分間保持する:エックスブリッジ・フェニル(Xbridge Phenyl)3.5μm(4.6x150mm):流速は2ml/分であり、UV検出は220nmに設定された。LCカラムは室温で維持された。
方法B:2つの解析性LC/MS注入を用いて最終純度を測定した。注入1の条件:カラム:ウォーターズ・アクイティ UPLC BEH C18、2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+10mM酢酸アンモニウム;移動相B:95:5 アセトニトリル+10mM酢酸アンモニウム;温度:50℃;勾配:3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.75分間保持する;流速:1.11mL/分;検出:UV(220nm);注入2の条件:カラム:ウォーターズ・アクイティ UPLC BEH C18、2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸;温度:50℃;勾配:3分間にわたって0−100%Bとし、次に100%Bで0.75分間保持する;流速:1.11mL/分;検出:UV(220nm)
調製方法
本発明の化合物は有機合成の分野の当業者に公知の多くの方法で調製され得る。本発明の化合物は、以下に記載の方法を合成有機化学の分野で公知の合成方法と共に用いて、あるいは当業者に明らかなようにそれに変形を加えて合成することができる。好ましい方法は、限定されないが、以下に記載の方法を包含する。該反応は、使用される試薬および材料に適し、変換がなされるのに適する溶媒または混合溶媒中で行われる。分子上に存在する官能基が提案される変換に適合する必要のあることは有機合成の分野における当業者によって理解される。このことは、時には、本発明の所望の化合物を得るために、合成工程の順序を修飾するか、一の特定のプロセスのスキームを他のスキームの中から選択する判断を要求することとなる。
この分野における合成経路の計画にて別に主として考慮することは、本発明の化合物にある反応性官能基を保護するのに使用される保護基の賢明な選択であることも理解されよう。多くの変形を熟練者に示す信頼できる文献が、Wutsら(Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, Wiley-Interscience(2006))である。
中間体I−01
rac−シス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンタノール
中間体I−01A:2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンタノン
2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−オール(168mg、0.677ミリモル)(中間体I−19)、2−クロロシクロペンタノン(120mg、1.016ミリモル)、および炭酸カリウム(187mg、1.354ミリモル)のDMF(2mL)中混合物を60℃で1時間攪拌した。室温に冷却した後、その反応混合物をシリカゲルカラム(24g)にロードし、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出した。所望のフラクションを集め、溶媒を除去し、2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンタノン(208mg、0.630ミリモル、収率93%)を無色の油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.69(d,J=11.0Hz,1H)、7.55(d,J=7.5Hz,1H)、4.67−4.60(m,1H)、2.50(m,1H)、2.45−2.36(m,2H)、2.27−2.10(m,2H)、2.01−1.89(m,1H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −131.79(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.90分間、MS(ESI) m/z:330.0および332.0(M+H)+
中間体I−01:
中間体I−01A(578mg、1.751ミリモル)をTHF(10mL)に溶かし、N2下で−78℃に冷却した。この溶液に、L-Selectride(2.101mL、2.101ミリモル)を−78℃で滴下して加えた。3時間攪拌した後、該混合物を室温までの加温に供し、14滴の水性水酸化ナトリウム(水性、2N)および10滴の35%過酸化水素を該混合物に加え、その混合物を酢酸エチル(40mLx2)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、真空下で濃縮して油を得た。残りの油をシリカゲルクロマトグラフィー(12g サイズカラム、0−100%EtOAc/ヘキサン)に付して精製し、表記化合物を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.73(d,J=11.0Hz,1H)、7.45(d,J=7.5Hz,1H)、4.45−4.38(m,1H)、3.99(d,J=7.5Hz,1H)、2.23(d,J=5.9Hz,1H)、2.11−1.91(m,2H)、1.84−1.64(m,4H)、1.50−1.34(m,2H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −131.68(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.94分間、MS(ESI) m/z:332.0および334.1(M+H)+
中間体I−02
rac−シス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキサノール
中間体I−02A:2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキサノン
中間体I−02A(1.1g、3.2ミリモル、収率80%)は、I−01Aについて記載される操作を介して2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−オール(1.0g、4.03ミリモル)(I−19)および2−クロロシクロヘキサノン(1.069g、8.06ミリモル)より製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 7.70(1H,d,J=11.00Hz)、7.31(1H,d,J=7.70Hz)、4.67(1H,dd,J=9.68、5.28Hz)、2.59−2.72(1H,m)、2.41(2H,dd,J=10.56、4.84Hz)、1.98−2.23(3H,m)、1.68−1.93(2H,m);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ ppm −131.73(1F,s);LC−MS:方法H、RT=1.04分間、MS(ESI) m/z:343.9および345.9(M+H)+
中間体I−02:
中間体I−02(201mg、0.581ミリモル、収率95%)は、I−01について記載されるのと同じ操作を介してI−02Aより黄色の固体として製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.71(d,J=10.8Hz,1H)、7.43(d,J=7.5Hz,1H)、4.44−4.35(m,1H)、3.97(d,J=7.5Hz,1H)、2.21(d,J=5.9Hz,1H)、2.10−1.87(m,2H)、1.81−1.62(m,4H)、1.49−1.32(m,2H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −131.68(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.94分間、MS(ESI) m/z:346.0および348.1(M+H)+
中間体I−03
rac−トランス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンタノール
I−19(100mg、0.403ミリモル)および6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(1mL、0.403ミリモル)をバイアルにて混合した。K2CO3(55.7mg、0.403ミリモル)を添加し、該混合物を100℃で一夜攪拌した。その翌日に、該反応物を30mLのEtOAcおよび20mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、水層をEtOAc(15mLx2)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(24g シリカゲルカラム、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配)に付して精製した。溶媒を除去し、I−03(48.5mg、0.146ミリモル、収率36.2%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.69(d,J=11.0Hz,1H)、7.43(d,J=7.7Hz,1H)、4.61−4.54(m,1H)、4.40(m,1H)、2.30−2.09(m,2H)、1.95−1.80(m,3H)、1.76−1.63(m,2H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −132.68(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.98分間、MS(ESI) m/z:332.0および334.0(M+H)+
中間体I−04
rac−シス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキサノール
中間体I−04A:2−ブロモ−4,4−ジフルオロシクロヘキサノン
4,4−ジフルオロシクロヘキサノン(5g、37.3ミリモル)をCHCl3(60ml)に溶かし、0℃に冷却した。Br2(2.017ml、39.1ミリモル)/CHCl3(30mL)を反応溶液に滴下して加えた。該混合物を室温で2時間攪拌した。該反応をTLC(10分で、臭素の色は消え、該反応物は透明な黄色の溶液に変化した)で追跡した。次に、泡立ちが発生しなくなるまで、NaHCO3(水性)飽和溶液を該反応物に攪拌しながらゆっくりと添加した。層を分離し、有機相をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮してI−04A(8.40g、39.4ミリモル、収率106%)を黄色の油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 4.70(dd,J=11.1、6.3Hz,1H)、3.09−2.94(m,1H)、2.87(m,1H)、2.74−2.55(m,2H)、2.52−2.22(m,2H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ ppm −101.01、−94.88(2F,m)
中間体I−04B:2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキサノン
I−04A(2.061g、9.67ミリモル)を2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−オール(1.2g、4.84ミリモル)(中間体I−19)と無水DMF(10mL)中で混合した。K2CO3(1.003g、7.26ミリモル)を加えた。該混合物を50℃で6時間攪拌した。LC/MSは少量の出発材料が残ったことを示した。別の0.4当量の2−ブロモ−4,4−ジフルオロシクロヘキサノン(0.412g、1.935ミリモル)を添加した。該混合物を50℃でさらに1時間攪拌した。50mLのEtOAcおよび30mLの水を添加することで該反応物を希釈した。分離を行った後、水層を30mLのEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲル(80)カラムに加え、0−100%EtOAc/ヘキサンで溶出した。溶媒を所望のフラクションから除去し、I−04B(1.81g、4.76ミリモル、収率98%)を生成物として得た。LC−MS:方法H、RT=1.02分間、MS(ESI) m/z:380.0および382.0(M+H)+
中間体I−04:
I−04Bを無水THF(100mL)に溶かし、N2下で−78℃に冷却した。L-Selectride(16.79mL、16.79ミリモル/THF)を滴下して加えた。該混合物を−78℃で3時間攪拌し、次に該反応物を室温までゆっくりと加温させた。同時に、40滴のNaOH(水性、2N)を、つづいて20滴の35%H2O2(水性)を該反応物に滴下して加えた。次に100mLのEtOAc、および50mLの飽和NH4Cl(水性)を該反応物に添加した。分離を行った後、水層をEtOAc(50mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲル(220g)カラムに加え、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出した。溶媒を所望のフラクションから除去し、I−04(4.8g、12.56ミリモル、収率79%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 7.74(1H,d,J=10.78Hz)、7.45(1H,d,J=7.48Hz)、4.41(1H,m)、4.21−4.28(1H,m)、4.05−4.18(1H,m)、2.36−2.52(2H,m)、2.13(2H,s)、1.85−2.04(1H,m)、1.64−1.81(1H,m);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ ppm −108.38〜−84.16(2F,m)、−131.47(1F,s);LC−MS:方法H、RT=0.99分間、MS(ESI) m/z:381.9および384.0(M+H)+
中間体I−05
(1R,2S)−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキサノール
中間体I−06
(1S,2R)−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキサノール
中間体I−04(686mg、1.8ミリモル)をキラルSFC(超臨界流体クロマトグラフィー)により分離し、I−05(170mg、24.8%、ピーク2、保持時間:9.53分間、>99%ee)およびI−06(165mg、24%、ピーク1、保持時間:7.96分間、>99%ee)を得た:カラム:Chiralcel OJ-H、30x250mm、5ミクロン;移動相:20%MeOH/80%CO2;流れ条件:100mL/分間、150バール、40℃、検出器波長:220nm;注入の詳細:1mlのMeOH中に約27mgで含め0.6mLを注入。I−06の絶対立体化学が、Flack法を用いる変則的分散シグナルより、x線回折によって割り当てられた。
中間体I−07
rac−シス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブタノール
中間体I−07A:2−ブロモシクロブタノン
シクロブタノン(3.0g、42.8ミリモル)をCHCl3(60mL)に溶かし、0℃に冷却し、Br2(2.205mL、42.8ミリモル)/CHCl3(40mL)を滴下して加えた。添加後、該反応物を室温までの加温に供し、室温で一夜攪拌した。その翌日に、30mLの飽和NaHCO3をゆっくりと添加し、該混合物を10分間攪拌し、次に層を分離した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その粗生成物を精製することなく次の工程に用いた(5.9g、39.5ミリモル、収率95%)。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 5.07−4.94(m,1H)、3.29−3.13(m,2H)、2.74(m,1H)、2.31−2.19(m,1H)
中間体I−07B:2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブタノン
I−07B(0.810g、2.56ミリモル、収率63.6%)は、I−04Bについて記載される操作を介して、I−07AおよびI−19より製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.70(d,J=11.0Hz,1H)、7.54(d,J=7.5Hz,1H)、5.47−5.19(m,1H)、2.99(d,J=10.3Hz,2H)、2.75−2.60(m,1H)、2.39−2.28(m,1H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −132.29(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.97分間、MS(ESI) m/z:316.0および317.8(M+H)+
中間体I−07:
中間体I−07(0.54g、1.697ミリモル、収率66.2%)は、I−04について記載される操作を介して、I−07B(0.81g、2.56ミリモル)より白色の固体として製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.71(d,J=11.0Hz,1H)、7.25(d,J=7.7Hz,1H)、4.86−4.75(m,1H)、4.61−4.49(m,1H)、2.66(d,J=8.6Hz,1H)、2.40−2.27(m,2H)、2.25−2.10(m,2H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −132.86(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.90分間、MS(ESI) m/z:318.0および320.0(M+H)+
中間体I−08
シス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブタノール エナンチオマー1
中間体I−09
シス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブタノール エナンチオマー2
I−07(740mg、1.8ミリモル)をキラルSFCにより分離し、I−08(ピーク1、243mg、33%、保持時間:8.38分間、>99%ee)およびI−09(ピーク2、261mg、35%、保持時間:13.14分間、>99%ee)を得た。カラム:Chiralcel AD−H、30x250mm、5ミクロン;移動相:20%MeOH/80%CO2;流れ条件:85mL/分間、150バール、40℃;検出器波長:220nm;注入の詳細:1mLのMeOH/ACN(4:1)中に35mgで含め1mLを注入
中間体I−10
rac−シス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロペンタノール
中間体I−10A:(シクロペンタ−3−エン−1−イルオキシ)トリイソプロピルシラン
シクロペンタ−3−エノール(2.1g、24.97ミリモル)をCH2Cl2(30mL)に溶かした。TIPS−Cl(10.58mL、49.9ミリモル)を、つづいてイミダゾール(3.40g、49.9ミリモル)を添加した。該混合物を室温で2日間攪拌した。白色の固体を濾過し、少量のDCMで洗浄した。有機溶液を蒸発させ、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(80 g シリカゲルカラム、0−50%EtOAc/ヘキサンの勾配)に付して精製した。溶媒を除去し、(シクロペンタ−3−エン−1−イルオキシ)トリイソプロピルシラン(4.92g、20.46ミリモル、収率82%)を無色の油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ ppm 5.67(2H,s)、4.63(1H,t,J=3.63Hz)、2.62(2H,dd,J=14.97、6.82Hz)、2.20−2.45(2H,m)、1.00−1.13(21H,m)
中間体I−10B:シス−4−((トリイソプロピルシリル)オキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール
(シクロペンタ−3−エン−1−イルオキシ)トリイソプロピルシラン(4.9g、20.46ミリモル)をTHF(50ml)/水(6ml)に溶かした。NMO(2.88g、24.55ミリモル)を、つづいて四酸化オスミウム(1.605ml、0.205ミリモル)を加えた。該混合物を室温で一夜攪拌した。(TLCを用いて反応を追跡した。)その翌日に、50mLのEtOAcおよび40mLのNa2S2O3(水性)飽和溶液を添加することで該反応物を希釈した。5分間攪拌した後、層を分離し、有機相をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した(注意:生成物は昇華する)。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(80g、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配)に付して精製した。溶媒を除去し、シス−4−((トリイソプロピルシリル)オキシ)シクロペンタン−1,2−ジオール(4.86g、17.71ミリモル、収率87%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ ppm 4.53(1H,dt,J=6.77、3.33Hz)、4.30(2H,brs)、2.20(2H,s)、1.98−2.10(2H,m)、1.85−1.98(2H,m)、0.96−1.14(21H,m)
中間体I−10C:トリイソプロピル((シス−(3a,6a)−2−フェニルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)オキシ)シラン
I−10B(2.18g、7.94ミリモル)の室温でのDCM(35mL)中の攪拌溶液に、(ジメトキシメチル)ベンゼン(1.788mL、11.91ミリモル)およびピリジン 4−メチルベンゼンスルホナート(PPTS)(0.794ミリモル)を添加した。該溶液を室温で4時間攪拌した。次に該反応混合物ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(120g シリカゲルカラム、0−50%EtOAc/ヘキサンの勾配)に付して精製した。溶媒を除去し、トリイソプロピル((シス−(3a,6a)−2−フェニルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)オキシ)シラン(3.03g、8.36ミリモル、収率105%)を油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ 7.50−7.42(m,2H)、7.42−7.37(m,3H)、5.61(s,1H)、4.76−4.65(m,3H)、2.32(dd,J=14.2、6.1Hz,2H)、1.73−1.62(m,2H)、1.12−1.01(m,21H)
中間体I−10D:シス−(3a,6a)−2−フェニルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−オール
I−10C(3.0g、8.27ミリモル)をTHF(30mL)に溶かした。TBAF(12.41mL、12.41ミリモル)溶液を添加した。該混合物を加熱して1時間還流させた。室温に冷却した後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲル(80g)カラムに加え、0−100%EtOAc/ヘキサンで溶出した。所望のフラクションを集め、蒸発させてシス−(3a,6a)−2−フェニルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−オール(1.46g、7.08ミリモル、収率86%)を生成物として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 7.45−7.51(2H,m)、7.35−7.44(3H,m)、5.62(1H,s)、4.71−4.74(2H,m)、4.68(1H,s)、2.38(2H,dd,J=14.31、5.94Hz)、1.60−1.75(3H,m)
中間体I−10E:シス−(3a,6a)−2−フェニルジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5(4H)−オン
I−10D(1.46g、7.08ミリモル)をDCM(30mL)に溶かし、0℃に冷却し、炭酸水素ナトリウム(1.784g、21.24ミリモル)を、つづいてDess−Martinペルヨージナン(3.60g、8.50ミリモル)を添加した。該混合物を室温で2時間攪拌した。次に該反応物を30mLのDCMおよび30mLのNaS2O3(水性)飽和水溶液を添加することで希釈した。10分間攪拌した後、層を分離し、水層をDCM(30mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲル(80g)カラムに加え、0−50%EtOAc/ヘキサンで溶出した。所望のフラクションを集め、溶媒を除去し、シス−(3a,6a)−2−フェニルジヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5(4H)−オン(1.10g、5.39ミリモル、収率76%)を油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 7.46(2H,d,J=3.74Hz)、7.38−7.42(3H,m)、5.88(1H,s)、4.97(2H,d,J=0.88Hz)、2.63−2.68(4H,m)
中間体I−10F:シス−(3a,6a)−5,5−ジフルオロ−2−フェニルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール
I−10E(1.29g、6.32ミリモル)のDCM(20mL)中溶液に、DeoxoFluor(3.49mL、18.95ミリモル)を添加し、その反応混合物を室温で42時間攪拌した。次に5mLの水をゆっくりと添加し、該混合物を5分間攪拌した。該反応物を30mLのDCMおよび30mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、水層をDCM(30mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(40g、0−50%EtOAc/ヘキサンの勾配)に付して精製した。溶媒を除去してシス−(3a,6a)−5,5−ジフルオロ−2−フェニルテトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール(1.04g、4.60ミリモル、収率72.8%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ ppm 7.50−7.58(2H,m)、7.37−7.45(3H,m)、5.70(1H,d,J=0.66Hz)、4.73−4.85(2H,m)、2.49−2.66(2H,m)、2.23−2.44(2H,m);19F NMR(376MHz、CDCl3):−86.87〜−90.15(m,1F)、−92.38〜−97.06(m,1F)
中間体I−10G:シス−4,4−ジフルオロシクロペンタン−1,2−ジオール
I−10F(1.04g、4.60ミリモル)のMeOH(30mL)中溶液に、Pd−C(0.489g、0.460ミリモル)を添加した。脱気処理に付した後、その反応混合物をH2(1atm)を用いて室温で18時間処理した。その翌日に、触媒をセライトパッドを用いて濾過した。濾過ケーキをMeOHで洗浄した。濾液を蒸発させてシス−4,4−ジフルオロシクロペンタン−1,2−ジオール(628mg、4.55ミリモル、収率99%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ ppm 4.12−4.36(2H,m)、2.24−2.53(4H,m)、1.39−2.07(2H,br);19F NMR(376MHz、CDCl3):−81.58〜−87.32(dd,2F)
中間体I−10H:シス−4,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)シクロペンタノール
I−10G(242mg、1.752ミリモル)を無水THF(10mL)に溶かし、0℃に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(177mg、1.577ミリモル)を数回に分けて添加した。30分間攪拌した後、1,2−ジフルオロ−4−ニトロベンゼン(251mg、1.577ミリモル)/THF(3ml)を滴下して加えた。該混合物を室温で24時間攪拌した。その翌日に、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残渣をEtOAcおよび水に溶かし、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲルカラム(24g)に加え、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出した。所望のフラクションを蒸発させてシス−4,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)シクロペンタノール(291mg、1.050ミリモル、収率59.9%)を生成物として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 7.89−8.17(2H,m)、7.02−7.16(1H,m)、5.14(1H,t,J=4.84Hz)、4.86(1H,d,J=5.06Hz)、4.42−4.62(1H,m)、2.49−2.92(4H,m);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ ppm −89.30〜−81.35(2F,m)、−127.76(1F,s)
中間体I−10I:シス−2−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−4,4−ジフルオロシクロペンタノール
I−10H(290mg、1.046ミリモル)をMeOH(20mL)に溶かした。脱気処理に付した後、該混合物をH2(1atm)で3時間処理し、それをPd−C(55.7mg、0.052ミリモル)を用いて触媒作用に付した。次に触媒をセライトで濾過した。濾過ケーキを少量のMeOHで洗浄し、該溶液を蒸発させてシス−2−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−4,4−ジフルオロシクロペンタノール(259mg、1.046ミリモル、収率100%)を粗生成物として得、精製することなく次の工程に用いた。LC−MS:方法H、RT=0.55分間、MS(ESI) m/z:248.1(M+H)+
中間体I−10J:シス−2−((2−アミノ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロペンタノール
I−10I(53mg、0.214ミリモル)のアセトニトリル(5mL)中溶液に、チオシアン酸アンモニウム(19.58mg、0.257ミリモル)を添加した。該混合物を、すべてのNH4SCNが溶解するまで、室温で10分間攪拌し、つづいて三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム(100mg、0.257ミリモル)/ACN(1ml)を添加した。該溶液は黄色に変化し、多量の固体が沈殿し、次に経時的に徐々に白色に変色した。該混合物を室温で一夜攪拌した。その翌日に、該混合物を飽和NaHCO3(水性、10mL)およびEtOAc(20mL)で希釈し、水層をEtOAc(10mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲル(12g)カラムに加え、0−100%EtOAc/ヘキサンで溶出した。所望のフラクションから溶媒を除去し、シス−2−((2−アミノ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロペンタノール(23mg、0.076ミリモル、収率35%)を得た。LC−MS:方法H、RT=0.62分間、MS(ESI) m/z:305.1(M+H)+
中間体I−10:
亜硝酸tert−ブチル(11.69mg、0.113ミリモル)を臭化銅(II)(25.3mg、0.113ミリモル)/乾燥アセトニトリル(2mL)にN2下で添加した。該混合物を室温で10分間攪拌した。シス−2−((2−アミノ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロペンタノール(23mg、0.076ミリモル)のアセトニトリル(2mL)中懸濁液を該反応物にピペットを用いてゆっくりと添加した。その反応混合物を室温で1時間攪拌した。その反応混合物をEtOAc(20mL)および10mLの0.5M HCl(水性)で希釈した。分離を行った後、該有機層を0.5N HCl(10mL)、飽和ブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して粗生成物を得た。該粗生成物をシリカゲル(12g)カラムに加え、0−100%EtOAc/ヘキサンで溶出した。所望のフラクションから溶媒を除去し、シス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロペンタノール(12mg、0.033ミリモル、収率43.1%)を生成物として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ ppm 7.75(1H,d,J=10.78Hz)、7.41(1H,d,J=7.70Hz)、4.74(1H,d,J=4.84Hz)、4.45−4.55(1H,m)、2.40−2.71(5H,m);19F NMR(376MHz、CDCl3):ppm −88.86〜−80.22(255F,m)、−131.58(165F,s);LC−MS:方法H、RT=0.93分間、MS(ESI) m/z:367.9および369.9(M+H)+
中間体I−11
(シス)−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロペンタノール エナンチオマー1
中間体I−12
(シス)−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロペンタノール エナンチオマー2
I−10(82mg、0.22ミリモル)はキラルSFCにより分離され、I−11(ピーク1、保持時間:8.00分間、16mg、20%、>99%ee)およびI−12(ピーク2、保持時間:9.46分間、18mg、24%、>99%ee)が得られた:カラム:Chiralpak ID、20x250mm、5ミクロン;移動相:15%MeOH/85%CO2;流れ条件:45mL/分間、150バール、40℃;検出器波長:220nm;注入の詳細:1mLのMeOH中に11mgを0.5mL
中間体I−13
rac−シス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジメチルシクロペンタノール
中間体I−13A:ジメチル 3,3−ジメチルペンタンジオアート
3,3−ジメチルペンタン二酸(4g、24.97ミリモル)をMeOH(40mL)に溶かし、−5℃で冷却した。塩化チオニル(4mL、54.8ミリモル)を滴下して加えた。添加した後、その反応混合物を室温で4時間攪拌した。次にメタノールを真空下の室温で除去し、残渣を50mLのEtOAcに溶かした。50mLのNaHCO3(水性)溶液を攪拌しながら添加した。5分間攪拌した後、層を分離した。有機相をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮してジメチル 3,3−ジメチルペンタンジオアート(4.5g、23.91ミリモル、収率96%)を無色の油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ ppm 3.66(6H,s)、2.43(4H,s)、1.12(6H,s)
中間体I−13B:((4,4−ジメチルシクロペンタ−1−エン−1,2−ジイル)ビス(オキシ))ビス(トリメチルシラン)
ナトリウム(0.660g、28.7ミリモル、予め小片に切断されている)を、予め乾燥させた500mLの三口丸底フラスコ中、無水トルエン(50mL)に分散させた。、還流温度で、TMS−Cl(4.07mL、31.9ミリモル)をシリンジを介して速やかに添加した。次にI−13A(1g、5.31ミリモル)/無水トルエン(10mL)を該反応物に15分間にわたって添加した。該混合物を一夜還流させた。その翌日に、室温に冷却した後、その反応混合物をセライトパッドに通した。濾過ケーキをEtOAcで数回洗浄した。次に有機溶液を合わせ、ロータリーエバポレーターで蒸発させ、残渣を80g シリカゲルカラムにロードした。該生成物を0−100%EtOAc/ヘキサンで溶出した。所望のフラクションを集め、蒸発させて((4,4−ジメチルシクロペンタ−1−エン−1,2−ジイル)ビス(オキシ))ビス(トリメチルシラン)(1.04g、3.82ミリモル、収率71.8%)を無色の油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 2.07(5H,s)、1.09(7H,s)、0.19(18H,s)
中間体I−13C:2−ヒドロキシ−4,4−ジメチルシクロペンタノン
I−13B(1.04g、3.82ミリモル)をTHF(10mL)に溶かし、HCl(0.382mL、1M)水溶液を添加した。該混合物を3時間還流させた。1当量のNa2CO3固体を加えた。その混合物を室温で5分間攪拌した。次に該反応物を30mLのDCMおよび20mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、有機相をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して2−ヒドロキシ−4,4−ジメチルシクロペンタノン(199mg、1.553ミリモル、収率40.7%)を無色の油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 4.22−4.34(1H,m)、2.27(2H,dt,J=3.36、1.51Hz)、2.10(1H,s)、2.05(1H,s)、1.20(3H,s)、1.17(3H,s)
中間体I−13D:4,4−ジメチル−2−オキソシクロペンチル メタンスルホナート
メシル−Cl(0.288mL、3.70ミリモル)を、2−ヒドロキシ−4,4−ジメチルシクロペンタノン(237mg、1.849ミリモル)の、N2下で0℃に冷却した、無水ピリジン(4mL)中溶液に滴下して加えた。該混合物を0℃で3時間攪拌した。次に該反応物を30mLのDCMを添加することで希釈し、水、1N HCl(15mLx2)、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して4,4−ジメチル−2−オキソシクロペンチル メタンスルホナート(322mg、1.561ミリモル、収率84%)を無色の油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 5.09(1H,dd,J=9.68、9.02Hz)、3.21(3H,s)、2.39(1H,ddd,J=13.15、8.75、1.87Hz)、2.16−2.33(2H,m)、1.95(1H,dd,J=12.98、10.12Hz)、1.24(3H,s)、1.16(3H,s)
中間体I−13E:2−クロロ−4,4−ジメチルシクロペンタノン
4,4−ジメチル−2−オキソシクロペンチル メタンスルホナート(241mg、1.168ミリモル)をエーテル(4mL)に溶かした。テトラブチル塩化アンモニウム・水和物(1383mg、4.67ミリモル)を添加した。該混合物を25℃で一夜攪拌した。その翌日に、該反応物を20mLのEt2Oおよび15mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、有機相をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して2−クロロ−4,4−ジメチルシクロペンタノン(101mg、0.689ミリモル、収率59.0%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):δ ppm 4.10−4.20(1H,m)、2.23−2.32(1H,m)、2.10(2H,d,J=3.30Hz)、1.80(1H,dd,J=13.42、10.12Hz)、1.09(3H,s)、0.96(3H,s)
中間体I−13F:2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジメチルシクロペンタノン
2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−オール(50mg、0.202ミリモル)を、2−クロロ−4,4−ジメチルシクロペンタノン(100mg、0.682ミリモル)と、無水DMF(2mL)中で混合した。K2CO3(111mg、0.806ミリモル)を加えた。該混合物を60℃で5時間攪拌した。室温に冷却した後、その反応混合物を20mLのEtOAcを添加することで希釈し、15mLの水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(24g カラム、0−100%EtOAc/ヘキサン)に付して精製した。所望するフラクションを集め、蒸発させて2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジメチルシクロペンタノン(20mg、0.056ミリモル、収率27.7%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 7.69(1H,d,J=10.78Hz)、7.56(1H,d,J=7.70Hz)、4.78(1H,t,J=8.69Hz)、2.38(1H,dd,J=13.31、8.47Hz)、2.32(2H,s)、2.04(1H,dd,J=13.20、9.02Hz)、1.28(3H,s)、1.19(3H,s);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ ppm −131.80(1F,s);LC−MS:方法H、RT=1.13分間、MS(ESI) m/z:358.0および360.0(M+H)+
中間体I−13:
中間体I−13(20mg、0.056ミリモル、収率100%)は、I−04について記載されるのと同じ操作を介して中間体I−13F(20mg、0.056ミリモル)より得られた。LC−MS:方法H、RT=1.13分間、MS(ESI) m/z:360.0および362.0(M+H)+
中間体I−14
rac−シス−5−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−2,2−ジメチルシクロペンタノール
中間体I−14A:5−クロロ−2,2−ジメチルシクロペンタノン
2,2−ジメチルシクロペンタノン(1.0g、8.92ミリモル)の0℃でのDCM(20mL)中溶液に、塩化スルフリル(0.797mL、9.81ミリモル)をゆっくりと添加した。添加後、その反応混合物を室温で一夜攪拌した。その翌日に、その反応混合物を20mLのDCMを添加することで希釈し、30mLのNaHCO3(水性)飽和溶液/氷中に注いだ。10分間攪拌した後、該混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、有機相を20mLのNaHCO3(水性)飽和溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して5−クロロ−2,2−ジメチルシクロペンタノン(1.46g、9.96ミリモル、収率112%)を得、それを精製することなく次の工程に用いた。
中間体I−14B:5−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−2,2−ジメチルシクロペンタノン
I−14B(78mg、0.218ミリモル、収率40.6%)は、I−01Aについて記載される操作を介して、I−19(133mg、0.536ミリモル)およびI−14A(1.4g、9.55ミリモル)より製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.69(d,J=11.0Hz,1H)、7.57(d,J=7.5Hz,1H)、4.72(dd,J=9.2、8.1Hz,1H)、2.46(m,1H)、2.21−2.08(m,1H)、2.08−1.98(m,1H)、1.79(ddd,J=13.1、10.7、6.7Hz,1H)、1.18(d,J=4.4Hz、6H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −131.71(s,1F);LC−MS:方法H、RT=1.12分間、MS(ESI) m/z:358.0および360.0(M+H)+
中間体I−14:
I−14(36mg、0.100ミリモル、収率49.7%)は、I−01と同じ操作に従って、I−14B(0.072g、0.201ミリモル)より製造された。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ ppm 7.95(1H,d,J=8.36Hz)、7.86(1H,d,J=11.66Hz)、4.77−4.84(1H,m)、4.64(1H,d,J=5.94Hz)、3.70(1H,t,J=5.28Hz)、2.09−2.23(1H,m)、1.72−1.85(1H,m)、1.58−1.71(1H,m)、1.34(1H,ddd,J=12.54、9.24、6.38Hz)、1.01(6H,d,J=2.42Hz);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ ppm −132.99(1F,s);LC−MS:方法H、RT=1.12分間、MS(ESI) m/z:360.0および362.0(M+H)+
中間体I−15
rac−シス−4−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)テトラヒドロフラン−3−オール
中間体I−15A:トランス−4−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)テトラヒドロフラン−3−オール
攪拌棒を装着したしたバイアルにおいて、I−19(300mg、1.209ミリモル)を、炭酸カリウム(251mg、1.814ミリモル)と、3,6−ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(2mL、1.209ミリモル)/DMF(1mL)中で混合した。該混合物を100℃で1時間攪拌した。該反応物を30mLのEtOAcおよび20mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、水層をEtOAc(20mLx3)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄して濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(24g カラム、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配)に付して精製した。所望のフラクションを集め、溶媒を除去し、トランス−4−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)テトラヒドロフラン−3−オール(207mg、0.619ミリモル、収率51.2%)を白色の固体として得た。19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ −133.27(s,1F);1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 7.97(d,J=1.5Hz,1H)、7.97(d,J=18.0Hz,1H)、5.53(d,J=4.0Hz,1H)、4.77(d,J=4.0Hz,1H)、4.30(brs,1H)、4.07(d,J=4.2Hz,1H)、3.95(d,J=4.6Hz,1H)、3.62(dd,J=9.5、2.0Hz,1H);LC−MS:方法H、RT=0.80分間、MS(ESI) m/z:334.0および335.9(M+H)+
中間体I−15B:4−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)ジヒドロフラン−3(2H)−オン
I−15A(202mg、0.604ミリモル)をCH2Cl2(5mL)に懸濁させ、Dess−Martinペルヨージナン(385mg、0.907ミリモル)を用いて室温で18時間処理した。次に該反応物を15mLのDCMを添加することで希釈し、飽和Na2S2O3(水性、10mLx2)溶液、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(40g カラム、0−100%EtOAc/ヘキサン)に付して精製した。所望のフラクションを集め、溶媒を除去し、4−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)ジヒドロフラン−3(2H)−オン(183mg、0.551ミリモル、収率91%)を生成物として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 8.09(d,J=8.1Hz,1H)、7.98(d,J=11.4Hz,1H)、5.25(t,J=7.4Hz,1H)、4.66(dd,J=9.9、7.3Hz,1H)、4.24−4.08(m,2H)、4.03(dd,J=9.8、7.4Hz,1H);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ −133.15(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.89分間、MS(ESI) m/z:331.9および334.0(M+H)+
中間体I−15:
I−15(178mg、0.533ミリモル、収率97%)は、I−01について記載されるのと同じ操作に従って、I−15B(182mg、0.55ミリモル)より白色の固体として製造された。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 8.01(d,J=8.4Hz,1H)、7.92(d,J=11.4Hz,1H)、5.18(d,J=5.9Hz,1H)、4.86(d,J=5.3Hz,1H)、4.54−4.44(m,1H)、4.09(dd,J=9.6、5.6Hz,1H)、3.93(dd,J=8.7、5.8Hz,1H)、3.82(dd,J=9.6、4.5Hz,1H)、3.62(dd,J=8.8、5.5Hz,1H);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ −132.88(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.76分間、MS(ESI) m/z:334.0および335.9(M+H)+
中間体I−16
rac−シス−3−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール
中間体I−16:
I−16は、白色の固体を得るためにI−14について記載されるのと同じ操作に従って、市販のジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オンより製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.73(d,J=10.8Hz,1H)、7.49(d,J=7.5Hz,1H)、4.37(dt,J=6.6、3.3Hz,1H)、4.18(brs,1H)、4.03−3.88(m,2H)、3.71(dd,J=11.9、3.3Hz,1H)、3.65−3.55(m,1H)、2.37(d,J=5.5Hz,1H)、2.13−2.02(m,1H)、1.97−1.85(m,1H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −131.18(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.78分間、MS(ESI) m/z:348.0および349.8(M+H)+
中間体I−17
rac−シス−tert−ブチル 3−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート
中間体I−17A:tert−ブチル 3−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4−オキソピペリジン−1−カルボキシラート
商業的に入手可能なtert−ブチル 3−クロロ−4−オキソピペリジン−1−カルボキシラート(565mg、2.419ミリモル)を、I−19(500mg、2.016ミリモル)とDMF(10mL)中で混合した。K2CO3(836mg、6.05ミリモル)を該反応物に添加した。該混合物を60℃で4時間攪拌した。室温に冷却した後、該反応物を50mLのEtOAcおよび30mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、水層を20mLのEtOAcで2回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(40g カラム、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配)に付して精製した。所望のフラクションを集め、溶媒を除去し、tert−ブチル 3−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4−オキソピペリジン−1−カルボキシラート(779mg、1.749ミリモル、収率87%)を得た。LC−MS:方法H、RT=1.1分間、MS(ESI) m/z:445.0および447.0(M+H)+
中間体I−17:
I−17A(779mg、1.749ミリモル)を無水THF(10mL)に溶かし、N2下で−78℃に冷却した。L-Selectride(1.749mL、1.749ミリモル)を滴下して加えた。該反応物を−78℃で2時間攪拌した。次に該反応物を室温までの加温に供した。同時に、該反応物をNH4Cl(水性)飽和溶液をゆっくりと添加することによりクエンチさせ、30mLのEtOAcを添加することで希釈した。分離を行った後、有機相をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物(634mg、1.4ミリモル、収率81%)を精製することなく用いた。LC−MS:方法H、RT=1.1分間、MS(ESI) m/z:447.0および449.1(M+H)+
中間体I−18
トランス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキサノール
DMF(1mL)中、I−19(200mg、0.806ミリモル)を7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(1mL、0.806ミリモル)およびCs2CO3(315mg、0.967ミリモル)と混合した。該混合物を100℃で1時間攪拌した。室温に冷却した後、該反応物を20mLのEtOAc、および20mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、水層をEtOAc(10mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過して濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(24g、0−100%EtOAc/ヘキサン)に付して精製した。溶媒を除去し、I−18(35mg、0.101ミリモル、収率12.54%)を白色の固体として得た。LC−MS:方法H、RT=1.00分間、MS(ESI) m/z:345.9および348.0(M+H)+
中間体I−19
2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−オール
中間体I−19A:5−フルオロ−6−メトキシベンゾ[d]チアゾール−2−アミン
3−フルオロ−4−メトキシアニリン(2.1g、14.88ミリモル)のアセトニトリル(50mL)中溶液に、チオシアン酸アンモニウム(1.472g、19.34ミリモル)を添加した。該混合物を、すべてのNH4SCNが溶けるまで、室温で10分間攪拌し、つづいて三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム(5.80g、14.88ミリモル)を添加した。該反応溶液は直ちに黄色に変色し、多量の固体が沈殿し、時間の経過と共に、徐々に白色になった。該反応物を二夜攪拌した。次に大部分の溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、100mLの飽和NaHCO3を該混合物に加え、30分間にわたって激しく攪拌した。固体を濾過し、水で洗浄した。固体を集め、トルエンと共に2回コエバポレーションに供し、残りの水を除去した。ついで該固体をHVACを用いて(高真空で)乾燥させ、中間体のI−19A(3.16g、15.94ミリモル、収率107%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 7.51(d,J=8.6Hz,1H)、7.35(s,2H)、7.17(d,J=12.3Hz,1H)、3.80(s,3H);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ −137.92(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.55分間、MS(ESI) m/z:199.1(M+H)+
中間体I−19B:2−ブロモ−5−フルオロ−6−メトキシベンゾ[d]チアゾール
亜硝酸tert−ブチル(1.686g、16.35ミリモル)を臭化銅(II)(3.65g、16.35ミリモル)/乾燥アセトニトリル(50mL)にN2下で添加した。該混合物を室温で10分間攪拌した。I−19A(2.16g、10.9ミリモル)のアセトニトリル(40mL)中懸濁液を滴下して加えた。その反応混合物を室温で6時間攪拌した。LC/MSはクリーンな反応を示した。該反応物を真空下濃縮して略乾固させ、EtOAc(100mL)および50mLの0.5M HCl(水性)で希釈した。分離を行った後、有機層を0.5N HCl(40mLx2)、飽和ブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して粗生成物を得た。これをEtOAc(40mL)に溶かし、シリカゲル上に乾燥ロードし、精製(80g シリカゲルカラム、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配)した。溶媒を除去し、I−19B(1.42g、5.42ミリモル、収率49.7%)を白色の固体として得た。LC−MS:方法H、RT=0.97分間、MS(ESI) m/z:262.0、264.0(M+H)+
中間体I−19:
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、I−19B(502mg、1.915ミリモル)を無水CH2Cl2(10mL)に0℃で溶かした。三臭化ホウ素溶液(5.75mL、5.75ミリモル)を0℃にて5分間にわたって注意して滴下して加えた。添加する間に多量の白色固体が沈殿した。該反応物を室温までの加温に供し、次に一夜攪拌した。その翌日に、該反応物を氷中に注ぎ、30mLのEtOAcを用いてそのフラスコを洗浄した。該混合物を10分間攪拌し、次に層を分離し、水層をEtOAc(30mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮してI−19(468mg、1.887ミリモル、収率98%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 10.48(s,1H)、7.84(d,J=11.4Hz,1H)、7.62(d,J=8.4Hz,1H);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ −135.05(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.85分間、MS(ESI) m/z:248.0、249.9(M+H)+
中間体I−20
(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ボロン酸
中間体I−20A:tert−ブチル N−(2−ブロモ−4−メチル−6−ニトロフェニル)−N−[(tert−ブトキシ)カルボニル]カルバマート
2−ブロモ−4−メチル−6−ニトロアニリン(9.6g、41.6ミリモル)のTHF(60mL)中溶液に、DMAP(0.508g、4.16ミリモル)を、つづいてBoc2O(22.67g、104ミリモル)を固体として添加した。該混合物を室温で一夜攪拌した。溶媒を真空操作で除去した。該粗生成物を少量のクロロホルムに溶かし、120gのシリカゲルカートリッジ(2セパレートカラム)に充填し、それをヘキサン中5%EtOAcで4分間、次にヘキサン中5%〜30%EtOAcの勾配で溶出した。所望のフラクションを合わせ、濃縮して中間体I−20A(17.12g、39.7ミリモル、収率96%)を白色の固体として得た。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 7.80−7.79(m,1H)、7.73(dd,J=1.9、0.8Hz,1H)、2.48(s,3H)、1.42(s,18H);LC−MS:方法A、RT=1.90分間、MS(ESI) m/z:230.0および232.0(M−2Boc)+
中間体I−20B:tert−ブチル (2−ブロモ−4−メチル−6−ニトロフェニル)カルバマート
中間体I−20A(17.1g、39.6ミリモル)のジクロロメタン(60mL)中溶液に、TFA(6.11mL、79ミリモル)を添加し、その混合物を室温で1.0時間攪拌した。その反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウムを添加することでクエンチさせ、ジクロロメタン(3x)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、中間体I−20B(12.88g、収率88%)が黄色の固体として得られた。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 7.71(d,J=1.1Hz,1H)、7.68(dd,J=1.9、0.8Hz,1H)、2.42(s,3H)、1.51(s,9H);LC−MS:方法A、RT=1.53分間、MS(ESI) m/z:231.0および233.0(M−Boc)+
中間体I−20C:メチル 2−((2−ブロモ−4−メチル−6−ニトロフェニル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アセタート
中間体I−20B(12g、26.3ミリモル)をDMF(80mL)に溶かし、水浴で冷却した。Cs2CO3(25.8g、79ミリモル)を加えた。その暗褐色の溶液を室温で10分間攪拌し、次に2−ブロモ酢酸メチル(4.37mL、47.6ミリモル)を滴下して加えた。ブロモ酢酸メチルの添加後、褐色は黄色に色あせた 該混合物を室温で1.0時間攪拌し、EtOAcで希釈し、水でクエンチさせた。有機層を集め、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、該粗生成物を少量のクロロホルムに溶かし、330gのシリカゲルカートリッジに充填し、それを5分間にわたってヘキサン中5%EtOAcで溶出し、次にヘキサン中5%〜50%EtOAcにて12分間の勾配で溶出した。所望のフラクションを合わせ、濃縮して中間体I−20C(15.2g、37.7ミリモル、収率95%)を黄色の油として得た。1H NMR(500MHz、CDCl3)は回転異性体の混合物を示した:δ 7.75−7.67(m,2H)、4.61−3.97(m,2H)、3.76および3.69(s,3H)、2.48および2.43(s,3H)、1.55および1.37(s,9H);LC−MS:方法A、RT=1.70分間、MS(ESI) m/z:303.0および305.0(M−Boc)+
中間体I−20D:メチル 2−((2−ブロモ−4−メチル−6−ニトロフェニル)アミノ)アセタート
中間体I−20C(15.2g、37.7ミリモル)に、ジオキサン中4.0N HCl(47.1ml、188ミリモル)を添加し、該混合物を室温で一夜攪拌した。溶媒を真空下で除去し、EtOAc(2x)で追い出し、中間体I−20D(13.6g、40.1ミリモル、収率106%)を黄色の固体として得た。1H NMR(500MHz、CD3OD) δ 7.88(dd,J=1.9、0.6Hz,1H)、7.80(dd,J=1.9、0.6Hz,1H)、4.47(d,J=17.3Hz,1H)、4.08(d,J=17.1Hz,1H)、3.69(s,3H)、2.46(s,3H);LC−MS:方法A、RT=1.94分間、MS(ESI) m/z:303.1および305.1(M+H)+
中間体I−20E:5−ブロモ−7−メチル−3,4−ジヒドロキノキサリン−2(1H)−オン
水浴を用いて冷却した1Lフラスコ中、中間体I−20D(13.6g、40.1ミリモル)のMeOH(100mL)中溶液に、濃HCl(13.35mL、160ミリモル)を、つづいて塩化スズ(II)・二水和物(36.1g、160ミリモル)を添加した。混合物を68℃で2.5時間攪拌した。MeOHを真空下で除去した。粗製物を水(100mL)/EtOAc(200mL)の間に分配し、そのpHを4.0N NaOH(約90mL)で中性に調整した。形成した白色の沈殿物は、濾過による取り出しが極めて困難である、非常に細かな粒子であった。その混合物を分離漏斗に移した。有機層を集めた。水層をEtOAc(2x200mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、水(2x)およびブライン(2x)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、中間体I−20E(8.36g、34.7ミリモル、収率87%)が淡黄色の固体として得られた。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 10.37(s,1H)、6.87(dd,J=1.8、0.7Hz,1H)、6.56(dd,J=1.1、0.6Hz,1H)、5.46(s,1H)、3.76(d,J=2.2Hz,2H)、2.14(s,3H);LC−MS:方法A、RT=1.66分間、MS(ESI) m/z:241.0および243.0(M+H)+
中間体I−20F:5−ブロモ−7−メチルキノキサリン−2−オール
1Lフラスコ中の中間体I−20E(6.7g、27.8ミリモル)のMeOH(50mL)中懸濁液に、30%過酸化水素(28.4mL、278ミリモル)を、つづいて4.0N NaOH(20.84mL、83ミリモル)を添加した。該混合物を室温で5分間攪拌し、次に60℃で穏やかに加熱した。15分間加熱した後、反応混合物は激しく熱を放出するようになり、それは反応の開始を示唆する。加熱浴を取り外し、混合物が完全に透明になるまで攪拌を30分間続けた。水浴を用いて室温に冷却した後、MeOHを真空操作で除去した。該混合物を次に氷冷しながら2.0N HClで(pH2−3に)中和した。沈殿物を形成し、それを濾過で集め、水で洗浄し、減圧下の空気中で1.0時間、次に真空下にて60℃で2.0時間、そして高真空下で乾燥させて中間体I−20F(6.55g、27.4ミリモル、収率99%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 12.52(brs,1H)、8.17(s,1H)、7.49(d,J=1.1Hz,1H)、7.08(s,1H)、2.40(s,3H);LC−MS:方法A、RT=1.62分間、MS(ESI) m/z:239.0および241.0(M+H)+
中間体I−20G:5−ブロモ−2−(ジフルオロメトキシ)−7−メチルキノキサリン
中間体I−20F(7.4g、26.9ミリモル)および炭酸カリウム(18.56g、134ミリモル)のDMF(120mL)中混合物を100℃で5分間加熱した。ナトリウム 2−クロロ−2,2−ジフルオロアセタート(16.40g、107.6ミリモル)を一度に加え、該混合物を100℃で10分間攪拌した。該混合物は黄色のスラリーから褐色に変化した。該混合物を室温に冷却し、EtOAcおよび水で希釈し、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、その粗生成物を少量のクロロホルム/トルエンに溶かし、330g ISCOカラムに付し、ヘキサン中5%ジクロロメタンで3分間、次に5−70%DCM/ヘキサンで40分間(12分間の勾配時間)溶出して精製した。所望のフラクションを合わせ、濃縮して中間体I−20G(6.0g、20.76ミリモル、収率77%)を若干黄色の固体として得た。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 8.64(s,1H)、7.89(d,J=1.7Hz,1H)、7.68(dd,J=1.8、1.0Hz,1H)、7.63(t,JHF=71.80Hz,1H)、2.59(s,3H);19F NMR(471MHz、CDCl3) δ −89.82(s,2F);LC−MS:方法A、RT=2.09分間、MS(ESI) m/z:289.0および291.0(M+H)+
中間体I−20H:5−ブロモ−2−メトキシ−7−メチルキノキサリン
中間体I−20G(3.13g、10.83ミリモル)を室温でTHF(20mL)およびMeOH(15mL)に溶かし、それにMeOH中4.3Mナトリウムメトキシド(7.55mL、32.5ミリモル)を添加した。その反応混合物を室温で一夜攪拌した。メタノールを真空下で除去した。該反応混合物をEtOAcで希釈し、0.5N HCl(30.0mL)でクエンチさせた。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して中間体I−20H(2.7g、10.67ミリモル、収率99%)を若干黄色の固体として得た。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 8.48(s,1H)、7.72(d,J=1.7Hz,1H)、7.60(dd,J=1.8、1.0Hz,1H)、4.10(s,3H)、2.53(s,3H);LC−MS:方法A、30〜100%B;RT=1.71分間、MS(ESI) m/z:253.0および255.0(M+H)+
中間体I−20:
攪拌棒を装着した密封した管において、I−20H(2.54g、10.04ミリモル)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(5.10g、20.07ミリモル)、および酢酸カリウム(1.970g、20.07ミリモル)を1,4−ジオキサン(20mL)中で混合した。N2を10分間通気して脱気処理に付した後、PdCl2(dppf)−CH2Cl2アダクト(0.410g、0.502ミリモル)を添加した。該管を密封し、120℃で120分間加熱した。室温に冷却した後、該反応物を20mLのEtOAc、つづいて100mLのNH4Cl(水性)の飽和溶液を添加することで希釈した。室温で15分間攪拌した後、沈殿した固体を濾過し、少量の水で洗浄した。次に濾過ケーキを集め、凍結乾燥させてI−20(1.85g、8.49ミリモル、収率85%)を灰色の固体として得た。1H NMR(500MHz、CD3OD) δ 8.41(s,1H)、7.69(brs,1H)、7.49(brs,1H)、4.10(s,3H)、2.56(s,3H);LC−MS:方法H、RT=0.88分間、MS(ESI) m/z:218.8(M+H)+
中間体I−21
2−ブロモ−6−フルオロ−5−メトキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン
中間体I−21A:N−((5−フルオロ−6−メトキシピリジン−3−イル)カルバモチオイル)ベンズアミド
5−フルオロ−6−メトキシピリジン−3−アミン(0.100g、0.704ミリモル)のアセトン(1mL)中溶液に、イソチオシアン酸ベンゾイル(0.104mL、0.774ミリモル)を滴下して加えた。その反応混合物を室温で3時間攪拌させた。その反応混合物を水およびEtOAcで希釈した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して中間体I−21A(0.215g、0.704ミリモル、収率100%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 12.48(brs,1H)、9.12(brs,1H)、8.06(d,J=2.0Hz,1H)、8.01(dd,J=10.8、2.2Hz,1H)、7.91(d,J=1.1Hz,1H)、7.89(d,J=1.5Hz,1H)、7.71−7.65(m,1H)、7.60−7.54(m,2H)、4.06(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.18分間、MS(ESI) m/z:306.1(M+H)+
中間体I−21B:1−(5−フルオロ−6−メトキシピリジン−3−イル)チオ尿素
中間体I−21A(0.215g、0.704ミリモル)のテトラヒドロフラン(1mL)中溶液に、ナトリウムメトキシド(MeOH中0.5M)(2.112mL、1.056ミリモル)を滴下して加えた。その反応混合物を室温で18時間攪拌させた。その反応混合物を水およびEtOAcで希釈した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をEt2Oでトリチュレートし、固体を集めて中間体I−21B(0.09g、0.447ミリモル、収率63.5%)を淡黄色の固体として得た。LC−MS:方法H、RT=0.81分間、MS(ESI) m/z:202.1(M+H)+;1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.86(d,J=2.2Hz,1H)、7.63(brs,2H)、7.32(s,1H)、4.03(s,3H)
中間体I−21C:6−フルオロ−5−メトキシチアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−アミン
中間体I−21B(0.078g、0.338ミリモル)のテトラヒドロフラン(1mL)中溶液に、三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム(0.151g、0.388ミリモル)を添加した。その反応混合物を室温で2時間攪拌させた。その反応混合物を水およびEtOAcで希釈した。層を分離し、有機層を飽和水性NaHCO3、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。その反応混合物を分取性HPLCに付し、方法Aを用いて精製し、中間体I−21C(0.028g、0.141ミリモル、収率36.3%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.87(brs,2H)、7.59(d,J=9.7Hz,1H)、4.05(s,3H)LC−MS:方法H、RT=0.84分間、MS(ESI) m/z:200.1(M+H)+
中間体I−21:
臭化銅(II)(0.055g、0.247ミリモル)および亜硝酸t−ブチル(0.029mL、0.247ミリモル)をMeCN(0.582mL)に溶かし、10分間攪拌させた。中間体I−21C(0.029g、0.146ミリモル)をMeCN(0.873mL)に溶かし、銅溶液を添加した。その反応混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl、飽和水性NaHCO3、次にブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して中間体I−21(0.035g、0.133ミリモル、収率91%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.86(d,J=9.9Hz,1H)、4.09(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.23分間、MS(ESI) m/z:263.0(M+H)+
中間体I−22
2−アミノ−6−フルオロチアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−オール・2臭化水素酸塩
中間体I−21C(0.500g、2.510ミリモル)を酢酸中HBr(1.704mL、15.06ミリモル)に溶かし、該反応物を130℃で3時間攪拌した。該反応物を減圧下で濃縮して中間体I−22(0.422g、1.216ミリモル、収率48.5%)を黄褐色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CD3OD) δ 7.67(d,J=9.7Hz,1H);LC−MS:方法H、RT=0.44分間、MS(ESI) m/z:186.1(M+H)+
中間体I−23
(2−(ジフルオロメトキシ)−7−メチルキノキサリン−5−イル)ボロン酸
中間体I−20G(3.85g、13.32ミリモル)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(5.07g、19.98ミリモル)、酢酸カリウム(3.27g、33.3ミリモル)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの複合体(1:1)(0.435g、0.533ミリモル)のジオキサン(60mL)中混合物を、圧力容器にて、アルゴンを10分間通気することにより脱気処理に付した。圧力容器を密封し、90℃で一夜加熱した。室温に冷却した後、その反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで希釈し、室温で10分間攪拌した。該混合物を湿式のセライトパッドを介して濾過した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(トルエンにロード、120g シリカゲルカートリッジを用い、20分間にわたってヘキサン中5%〜100%EtOAc(1%MeOHを含有する)とする)に付して精製した。所望のフラクションを合わせ、濃縮して2.5gの粗生成物を得た。該粗生成物をアセトニトリルでトリチュレートした。その沈殿物を濾過で集め、1.0gの所望の生成物を得た。濾液を蒸発させ、分取性HPLC(C18 Phenomenex Luna AXIA カラム(30mmx75cm、5m)をUV検出器(220nmに設定)と一緒に装着)に付して精製した。勾配方法(10分間にわたって30−100%Bとし;次に2分間にわたって100%Bとする:流速:40mL/分;溶媒B=90%アセトニトリル−10%水−0.1%TFAおよび溶媒A=10%アセトニトリル−90%水−0.1%TFA;RT=6分間)を用いて分離を行った。所望のフラクションをSpeedVacに一夜入れて溶媒を除去し、次に凍結乾燥させてさらなる生成物(1.0g)を得た。生成物を合わせ、中間体I−23(2.0g、7.87ミリモル、収率59.1%)を固体として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 8.88(s,2H)、8.81(s,1H)、8.04(d,J=1.9Hz,1H)、7.86(t,JHF=71.6Hz,1H)、7.83−7.79(m,1H)、2.57(s,3H);LC−MS:方法H、RT=0.80分間、MS(ESI) m/z:225.00(M+H)+
中間体I−24
7−クロロ−2−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノキサリン
中間体I−24A:2−ブロモ−4−クロロ−6−ニトロアニリン
4−クロロ−2−ニトロアニリン(10g、57.9ミリモル)の酢酸(50mL)中溶液を氷浴で0℃に冷却した。臭素(3.28mL、63.7ミリモル)を滴下して加え、該混合物を室温で1時間攪拌し、次に氷水に注いだ。その沈殿した固体を濾過し、水で数回で洗浄した。濾過ケーキをEtOAcに再び溶かし、硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、真空下で濃縮して表記化合物(14.66g、100%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 8.08(d,J=2.4Hz,1H)、8.02(d,J=2.6Hz,1H)、7.27(brs,2H);LC−MS:方法H、RT=1.15分間、MS(ESI) m/z:250.9および252.9(M+H)+
中間体I−24B:tert−ブチル N−(2−ブロモ−4−クロロ−6−ニトロフェニル)−N−[(tert−ブトキシ)カルボニル]カルバマート
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、中間体I−24A(5g、19.88ミリモル)をTHF(30mL)に溶かした。DMAP(0.243g、1.988ミリモル)を、つづいてジ−tert−ブチル ジカルボナート(11.54mL、49.7ミリモル)を添加した。その反応混合物を室温で1時間攪拌し、次に溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(120g シリカゲルカラム、0−100%EtOAc/ヘキサンで溶出)に付して精製し、表記化合物(8.2g、18.1ミリモル、91%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):7.97(d,J=2.4Hz,1H)、7.90(d,J=2.4Hz,1H)、1.42(s,18H);LC−MS:方法H、RT=1.04分間、MS(ESI) m/z:250.9および252.9(M+H−2Boc)+
中間体I−24C:tert−ブチル (2−ブロモ−4−クロロ−6−ニトロフェニル)カルバマート
中間体I−24B(8.2g、18.15ミリモル)のDCM(50mL)中溶液に、TFA(2.80mL、36.3ミリモル)を添加し、その混合物を室温で1時間攪拌した。飽和NaHCO3(水性30mL)を該混合物に添加した。室温で10分間攪拌した後、層を分離し、水層をDCM(30mLx2)で抽出した。有機溶液を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して表記化合物(6.32g、18.0ミリモル、99%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 9.45(brs,1H)、8.24(d,J=2.4Hz,1H)、8.12(d,J=2.4Hz,1H)、1.43(brs,9H);LC−MS:方法H、RT=0.82分間、MS(ESI) m/z:250.9および252.9(M+H−Boc)+
中間体I−24D:メチル 2−((2−ブロモ−4−メチル−6−ニトロフェニル)アミノ)アセタート
中間体I−24C(6.32g、18.0ミリモル)のDMF(30mL)中溶液に、Cs2CO3(14.64g、44.9ミリモル)を添加した。2−ブロモ酢酸メチル(5.50g、36.0ミリモル)を滴下して加え、その混合物を室温で30分間攪拌した。その反応混合物を100mLのEtOAcおよび50mLの水を添加して希釈した。分離を行った後、水層をEtOAc(50mL)で抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄して濃縮した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(120g シリカゲルカラム、0−50%EtOAc/ヘキサンで溶出)に付して精製し、表記化合物(7.55g、17.8ミリモル、99%)を黄色の油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.92−7.81(m,2H)、4.58(d,J=17.6Hz,1H)、3.99(d,J=17.4Hz,1H)、3.69(s,3H)、1.38(s,9H);LC−MS:方法H、RT=1.23分間、MS(ESI) m/z:366.9および368.9(M+H−56)+
中間体I−24E:メチル 2−((2−ブロモ−4−クロロ−6−ニトロフェニル)アミノ)アセタート・TFA塩
中間体I−24D(5.6g、13.22ミリモル)をDCM(30mL)に溶かし、TFA(10.18mL、132ミリモル)を用いて室温で一夜処理した。その翌日に、溶媒を除去し、該粗生成物を精製することなく次の工程に用いた。LC−MS:方法H、RT=1.22分間、MS(ESI) m/z:323.0および324.9(M+H)+
中間体I−24F:5−ブロモ−7−クロロ−3,4−ジヒドロキノキサリン−2(1H)−オン
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、中間体I−24E(6.0g、18.55ミリモル)をMeOH(60mL)に溶かし、濃HCl(4.64mL、55.6ミリモル)を添加し、つづいてSnCl2(14.07g、74.2ミリモル)を加えた。その反応混合物を60℃で一夜攪拌した。その翌日に、室温に冷却した後、さらに別の2当量のSnCl2を反応混合物に添加した。60℃で2時間経過した後、その反応混合物を室温に冷却し;その沈殿物を濾過し、少量のMeOHで洗浄し、乾燥させて白色の固体を所望の生成物として得た。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、次に150mLのEtOAcと30mLの水との間に分配した。次に、4M NaOH(水性)を加え、そのpHを12に調整した。固体をセライトパッドで濾過し、濾過ケーキをEtOAcで洗浄した。層を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。有機相を合わせ、飽和NaHCO3(水性)、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮してさらなる生成物を得た。材料を合わせ、5−ブロモ−7−クロロ−3,4−ジヒドロキノキサリン−2(1H)−オン(3.55g、13.58ミリモル、収率73.2%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 10.53(s,1H)、7.12(d,J=2.2Hz,1H)、6.85−6.66(m,1H)、5.83(s,1H)、3.82(d,J=2.0Hz,2H);LC−MS:方法H、RT=1.02分間、MS(ESI) m/z:261.0および263.0(M+H)+
中間体I−24G:5−ブロモ−7−クロロキノキサリン−2−オール
攪拌棒を装着した1Lの丸底フラスコにて、中間体I−24F(3.84g、14.7ミリモル)をMeOH(50mL)に懸濁させ、H2O2(15.00mL、147ミリモル、水中30%)を添加し、つづいて4N NaOH(11.01mL、44.1ミリモル)を加えた。該混合物を室温で5分間攪拌し、次に60℃で15分間加熱した。加熱具を取り外し、その反応混合物を室温で週末の間攪拌した。さらに別の5mLのH2O2を添加し、その混合物を室温で2時間攪拌した。該反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。残りの混合物を氷浴で冷却し、6N HClを加え、そのpH値を2−3に調整し、つづいて200mLのEtOAcを添加した。振盪および分離を行った後、水層をEtOAc(50mL x2)で抽出した。有機相を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、真空下で溶媒を除去し、表記化合物(2.51g、9.70ミリモル、66%)を褐色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6):12.63(brs,1H)、8.23(s,1H)、7.73(d,J=2.0Hz,1H)、7.31(d,J=2.0Hz,1H);LC−MS:方法H、RT=1.01分間、MS(ESI) m/z:258.9および260.9(M+H)+
中間体I−24H:5−ブロモ−7−クロロ−2−メトキシキノキサリン
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、中間体I−24G(1.60g、6.17ミリモル)をPOCl3(10mL、107ミリモル)に懸濁させ、該混合物を2時間還流させた。過剰量のPOCl3をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を真空下で30分間乾燥させ、褐色の固体を得た。この褐色の固体をMeOH(30mL)に懸濁させ、無水K2CO3(1.704g、12.33ミリモル)を加えた。該混合物を室温で10分間攪拌し、次に2時間還流させた。室温に冷却した後、溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去した。残渣を100mlのEtOAcに溶かし、水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(80g シリカゲルカラム、0−50%EtOAc/ヘキサン)に付して精製し、中間体I−24H(1.02g、3.73ミリモル、収率60.5%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):8.53(s,1H)、7.87−7.83(m,2H)、4.12(s,3H);LC−MS:方法J、RT=0.96分間、MS(ESI) m/z:273.0および275.0(M+H)+
中間体I−24:
攪拌棒を装着したマイクロ波バイアルにおいて、中間体I−24H(330mg、1.207ミリモル)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(460mg、1.810ミリモル)、および酢酸カリウム(296mg、3.02ミリモル)を1,4−ジオキサン(10mL)と混合した。N2を10分間通気して脱気処理に付した後、PdCl2(dppf)−CH2Cl2アダクト(49.3mg、0.060ミリモル)を加えた。該バイアルを密封し、マイクロ波によって120℃で60分間加熱した。室温に冷却した後、その反応混合物を40mLのEtOAcおよび30mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、水層をEtOAc(20mLx2)で抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカラム、10分間にわたって0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配とし、100%EtOAcで10分間とする)に付して精製し、中間体I−24(293mg、76%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3):8.53(s,1H)、7.92−7.85(m,2H)、4.08(s,3H)、1.45(s,12H);LC−MS:方法H、RT=1.09分間、MS(ESI) m/z:239.1(M+H−82)+
中間体I−25
3−メトキシ−8−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノキサリン−6−カルボニトリル
中間体I−25A:8−ブロモ−3−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−6−カルボニトリル
中間体I−25Aは、中間体I−24について記載される経路を介して、4−アミノ−3−ニトロベンゾニトリルより合成された。LC−MS:方法I、RT=0.94分間、MS(ESI) m/z:252.0および253.9(M+H)+
中間体I−25B:8−ブロモ−3−オキソ−3,4−ジヒドロキノキサリン−6−カルボニトリル
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、中間体I−25A(394mg、1.563ミリモル)をDMF(10mL)に懸濁させ、二酸化マンガン(1359mg、15.63ミリモル)を添加した。該混合物を室温で60分間攪拌した。LC/MSは出発材料が残っていることを示した。さらに別の10当量の二酸化マンガン(1359mg、15.63ミリモル)を添加し、該混合物を室温で一夜攪拌した。その翌日に、固体を濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、HVACで乾燥させ、表記化合物(100mg、0.400ミリモル、収率25.6%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 8.32(s,1H)、7.95(d,J=2.6Hz,1H)、7.65(s,1H);LC−MS:方法A、RT=2.42分間、MS(ESI) m/z:248.0および250.0(M+H)+
中間体I−25:
中間体I−25は、中間体I−24について記載される経路を介して、中間体I−25Bより2工程で合成された。LC−MS:方法A、RT=0.97分間、MS(ESI) m/z:230.1 ボロン酸の(M+H)+
中間体I−26
(7−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシキノキサリン−5−イル)ボロン酸
中間体I−26A:4−ブロモ−2−クロロ−6−ニトロアニリン
4−ブロモ−2−ニトロアニリン(10.82g、49.9ミリモル)およびNCS(8.32g、62.3ミリモル)のDMF(100mL)中混合物を100℃で1時間加熱した。室温に冷却した後、該溶液を氷水中に注いだ。黄色の沈殿物を濾過で集め、水で洗浄した。固体をジクロロメタン(100mL)に溶かし、有機相を水およびブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、濃縮して表記化合物(11.54g、45.9ミリモル、収率92%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.26(d,J=2.2Hz,1H)、7.67(d,J=2.2Hz,1H)、6.57(brs,2H)
中間体I−26B:tert−ブチル N−(4−ブロモ−2−クロロ−6−ニトロフェニル)−N−[(tert−ブトキシ)カルボニル]カルバマート
中間体I−26B(11.75g、87%)は、中間体I−20Aと同じ操作を介して、中間体I−26A(7.52g、29.9ミリモル)より黄色の固体として製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.08(d,J=2.2Hz,1H)、7.89(d,J=2.2Hz,1H)、1.42(s,18H)
中間体I−26C:tert−ブチル (4−ブロモ−2−クロロ−6−ニトロフェニル)カルバマート
中間体I−26C(5.2g、14.8ミリモル、98%)は、中間体I−20Bと同じ操作を介して、中間体I−26B(6.8g、15.0ミリモル)より褐色のワックス状固体として製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.00(d,J=2.2Hz,1H)、7.81(d,J=2.2Hz,1H)、6.92(brs,1H)、1.50(s,9H)
中間体I−26D:メチル 2−((4−ブロモ−2−クロロ−6−ニトロフェニル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アセタート
中間体I−26D(5.4g、12.8ミリモル、87%)は、中間体I−20Cと同じ操作を介して、中間体I−26C(5.2g、14.8ミリモル)より黄色の油として製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.99(d,J=2.2Hz,1H)、7.88−7.85(m,1H)、4.49(d,J=17.4Hz,1H)、4.07(d,J=17.4Hz,1H)、3.71−3.67(m,3H)、1.37(s,9H);LC−MS:方法H、RT=1.04分間、MS(ESI) m/z:323.0および325.0(M+H−100)+
中間体I−26E:メチル 2−((4−ブロモ−2−クロロ−6−ニトロフェニル)アミノ)アセタート
中間体I−26E(4.15g、12.8ミリモル、100%)は、中間体I−20Dと同じ操作を介して、中間体I−26D(5.44g、12.8ミリモル)より褐色の油として製造された。LC−MS:方法H、RT=1.0分間、MS(ESI) m/z:323.1および325.0(M+H)+
中間体I−26F:7−ブロモ−5−クロロ−3,4−ジヒドロキノキサリン−2(1H)−オン
中間体I−26F(3.02g、11.55ミリモル、73%)は、中間体I−20Eと同じ操作を介して、中間体I−26E(5.1g、15.8ミリモル)より白色の固体として製造された。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 10.54(s,1H)、7.10(d,J=2.0Hz,1H)、6.83(d,J=2.2Hz,1H)、6.02(s,1H)、3.82(d,J=1.8Hz,2H);LC−MS:方法H、RT=0.84分間、MS(ESI) m/z:261.0および263.0(M+H)+
中間体I−26G:7−ブロモ−5−クロロキノキサリン−2(1H)−オン
中間体I−26G(3.40g、13.10ミリモル、70%)は、中間体I−20Eと同じ操作を介して、中間体I−26F(4.85g、18.5ミリモル)よりオフホワイトの固体として製造された。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 7.76(s,1H)、7.21(d,J=2.2Hz,1H)、7.11(d,J=2.2Hz,1H);LC−MS:方法H、RT=1.08分間、MS(ESI) m/z:259.1および261.1(M+H)+
中間体I−26H:7−ブロモ−5−クロロ−2−メトキシキノキサリン
中間体I−26H(2.13g、7.79ミリモル、86%)は、中間体I−20Hと同じ操作を介して、中間体I−26G(2.34g、9.02ミリモル)より黄色の固体として製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.55(s,1H)、7.98(d,J=2.2Hz,1H)、7.80(d,J=2.0Hz,1H)、4.12(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.07分間、MS(ESI) m/z:273.1および275.1(M+H)+
中間体I−26I:5−クロロ−2−メトキシ−7−ビニルキノキサリン
攪拌棒を装着したバイアルに、中間体I−26H(0.7g、2.56ミリモル)、カリウム ビニルトリフルオロボラート(0.377g、2.82ミリモル)、炭酸セシウム(1.668g、5.12ミリモル)、(S)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン(0.159g、0.256ミリモル)およびジアセトキシパラジウム(0.029g、0.128ミリモル)を添加した。真空とし、N2を再び充填する工程を3回行った後、DMF(10mL)を加え、N2を該溶液に10分間吹き込んだ。該バイアルを密封し、室温で10分間攪拌し、次に80℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、その反応混合物を60mLのEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(12分間にわたって0−50%EtOAc/ヘキサンとし、6分間にわたって50−100%EtOAc/ヘキサンとする、40 g シリカゲルカラム)に付して精製し、表記化合物(470mg、2.130ミリモル、収率83%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.51(s,1H)、7.79(d,J=2.0Hz,1H)、7.73(d,J=1.8Hz,1H)、6.83(dd,J=17.5、10.9Hz,1H)、5.96(d,J=17.4Hz,1H)、5.48(d,J=11.0Hz,1H)、4.12(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.02分間、MS(ESI) m/z:221.1
中間体I−26J:8−クロロ−3−メトキシキノキサリン−6−カルバルデヒド
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、中間体I−26I(470mg、2.130ミリモル)をTHF(20mL)/水(6mL)に溶かし、過ヨウ素酸ナトリウム(1367mg、6.39ミリモル)および四酸化オスミウム(水中4重量%)(0.271mL、0.043ミリモル)で処理した。該混合物を室温で4時間攪拌し、次に反応混合物を40mLのEtOAcおよび20mLの水を添加することで希釈した。有機相を飽和Na2S2O3(水性、3x)およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、表記化合物(457mg、2.053ミリモル、収率96%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 10.17(s,1H)、8.67(s,1H)、8.27(d,J=1.8Hz,1H)、8.16(d,J=1.8Hz,1H)、4.17(s,3H);LC−MS:方法H、RT=0.88分間、MS(ESI) m/z:223.2
中間体I−26K:(8−クロロ−3−メトキシキノキサリン−6−イル)メタノール
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、中間体I−26J(421mg、1.89ミリモル)をトルエン(10mL)に溶かし、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(882mg、4.16ミリモル)と混合した。該混合物を60℃で4時間攪拌した。室温に冷却した後、溶媒をロータリーエバポレーターを用いて除去した。残渣を30mLのEtOAcおよび20mLの水に溶かした。有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して表記化合物(0.415g、1.847ミリモル、収率98%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.55(s,1H)、7.79−7.75(m,1H)、7.70(d,J=1.8Hz,1H)、4.89(s,2H)、4.12(s,3H)、1.94(brs,1H);LC−MS:方法H、RT=0.75分間、MS(ESI) m/z:225.2
中間体I−26:
マイクロ波管に、Pd2(dba)3(48.9mg、0.053ミリモル)、X−Phos(102mg、0.214ミリモル)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(814mg、3.21ミリモル)、および酢酸カリウム(315mg、3.21ミリモル)を充填した。該管に蓋をし、次にエバキュエートし、アルゴンで3回埋め戻した。中間体I−26K(240mg、1.068ミリモル)/1,4−ジオキサン(10mL)をシリンジを通して加え、つづいて該反応混合物をN2で10分間フラッシュさせた。その反応混合物をマイクロ波反応器において110℃で30分間加熱した。室温に冷却した後、その反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲル、0−100%EtOAc、次に0−10%MeOH/DCM)に付して精製し、中間体I−26(121mg、0.517ミリモル、収率48.4%)を灰色の固体として得た。LC−MS:方法H、RT=0.75分間、MS(ESI) m/z:235.2
中間体I−27
5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−オール
中間体I−27A:2−(2−(ジフルオロメトキシ)−7−メチルキノキサリン−5−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−オール
マイクロ波バイアルに、中間体I−23(80mg、0.314ミリモル)、中間体I−19(65mg、0.262ミリモル)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンとの複合体(1:1)(17.12mg、0.021ミリモル)を充填した。トルエン(1638μl)、EtOH(546μl)および2.0M Na2CO3(197μl、0.393ミリモル)の混合溶媒を次に添加し、得られた溶液をアルゴンで10分間スパージし、その後で密封し、次にマイクロ波にて130℃で30分間加熱した。粗反応混合物をEtOAcで希釈し、セライトを通して濾過し、その後で濃縮してISCO(24g、0−100%EtOAc/ヘキサン、16分間)に付して精製し、中間体I−27A(95mg、0.252ミリモル、収率96%)を暗黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d) δ 8.76(d,J=2.0Hz,1H)、8.69(s,1H)、7.84(d,J=10.8Hz,1H)、7.80(s,1H)、7.66(t,J=71.8Hz,1H)、7.55(d,J=8.4Hz,1H)、5.30(d,J=5.1Hz,1H)、2.68(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.06分間、MS(ESI) m/z:378.2(M+H)+
中間体I−27:
中間体I−27A(20mg、0.053ミリモル)のTHF(1mL)中溶液に、MeOH中0.5M NaOMe溶液(0.530mL、0.265ミリモル)を添加した。1時間後、その反応混合物をEtOAcで希釈し、1.0N HClでクエンチさせた。有機相を抽出し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して中間体I−27(18mg、0.053ミリモル、収率99%)を黄色の固体として得た。この材料はさらに精製することなく使用された。LC−MS:方法H、RT=1.08分間、MS(ESI) m/z:342.2(M+H)+;1H NMR(400MHz、THF) δ 8.95(brs,1H)、8.70(d,J=1.3Hz,1H)、8.54(s,1H)、7.80−7.67(m,2H)、7.46(d,J=8.6Hz,1H)、4.10(s,3H)、2.63(s,3H)
中間体I−28
3−メトキシ−6−メチル−8−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノリン
中間体I−28A:メチル 2−アミノ−3−ブロモ−5−メチルベンゾアート
2−アミノ−3−ブロモ−5−メチル安息香酸(3.8g、16.5ミリモル)をMeOH(33.0mL)に溶かした。塩化チオニル(3.62mL、49.6ミリモル)を注意して滴下して加え、該反応物を65℃で加熱した。8日間攪拌した後、該反応物を真空下で濃縮した。その粗材料をEtOAcに再び溶かし、1N NaOH、水、次にブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空下で濃縮して中間体I−28A(3.38g、13.9ミリモル、84%)を橙色の油として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d) δ 7.66(d,J=1.1Hz,1H)、7.43(d,J=1.8Hz,1H)、6.14(brs,2H)、3.88(s,3H)、2.22(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.18分間、MS(ESI) m/z:244/246(M+H)+
中間体I−28B:(2−アミノ−3−ブロモ−5−メチルフェニル)メタノール
中間体I−28A(3.38g、13.8ミリモル)をTHF(46.2mL)に溶かした。水素化ホウ素リチウム(0.603g、27.7ミリモル)を加え、該反応物を50℃に加熱した。1時間後、該反応物を水で希釈し、30分間攪拌した。水素化ホウ素リチウムのすべてがすべて溶解したわけではなく、それで濃HClを注意して加え、プロセスのクエンチをスピードアップさせた。該反応物を次にEtOAcで3回抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空下で濃縮して中間体I−28B(2.85g、13.2ミリモル、95%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d) δ 7.23(d,J=1.1Hz,1H)、6.84(d,J=1.3Hz,1H)、4.65(s,2H)、4.53(brs,2H)、2.22(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.00分間、MS(ESI) m/z:216/218(M+H)+
中間体I−28C:2−アミノ−3−ブロモ−5−メチルベンズアルデヒド
中間体I−28B(2.85g、13.2ミリモル)をCHCl3(88mL)に溶かした。二酸化マンガン(6.88g、79ミリモル)を加え、該反応物を40℃に加熱した。一夜加熱した後、該反応物をセライトを通して濾過し、真空下で濃縮して中間体I−28C(2.72g、12.7ミリモル、96%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d) δ 9.78(s,1H)、7.47(d,J=1.5Hz,1H)、7.28−7.26(m,1H)、6.49(brs,2H)、2.28(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.26分間、MS(ESI) m/z:214/216(M+H)+
中間体I−28D:3−(ベンジルオキシ)−8−ブロモ−6−メチルキノリン
中間体I−28C(2.72g、12.7ミリモル)、2−(ベンジルオキシ)アセトアルデヒド(1.91g、12.7ミリモル)、およびナトリウムメトキシド(MeOH中0.5M、28.0mL、13.98ミリモル)をMeOH(50.8mL)に溶かし、加熱して還流させた。一夜加熱した後、該反応物を飽和NH4Clで希釈し、真空下で部分的に濃縮し、EtOAcで希釈した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空下で濃縮した。該粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO、220g シリカゲルカラム、41分間にわたってヘキサン中0〜40%EtOAcの勾配とする)に付して精製し、中間体I−28D(1.86g、5.67ミリモル、45%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d) δ 8.79(d,J=2.9Hz,1H)、7.74(d,J=1.5Hz,1H)、7.51−7.46(m,2H)、7.45−7.40(m,3H)、7.39−7.33(m,2H)、5.20(s,2H)、2.49(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.22分間、MS(ESI) m/z:328/330(M+H)+
中間体I−28E:8−ブロモ−6−メチルキノリン−3−オール
中間体I−28D(1.86g、5.67ミリモル)およびペンタメチルベンゼン(5.88g、39.7ミリモル)をDCM(113mL)に溶かし、−78℃に冷却した。三塩化ホウ素(ヘプタン中1M、14.7mL、14.7ミリモル)を加え、該反応物をゆっくりと室温までの加温に供した。一夜攪拌した後、該反応物をヘプタンおよび1N HClで希釈し、1時間攪拌した。LC/MSによれば水層は未だに生成物を含有した。水層をpHが約7になるまでNaOHで中和し、多量の沈殿物を形成した。その沈殿物を吸引濾過で集め、中間体I−28E(829mg、3.48ミリモル、62%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz、メタノール−d4) δ 8.50(d,J=2.6Hz,1H)、7.72(s,1H)、7.51(s,1H)、7.43(d,J=1.8Hz,1H)、2.47(s,3H);LC−MS:方法H、RT=0.82分間、MS(ESI) m/z:238/240(M+H)+
中間体I−28F:8−ブロモ−3−メトキシ−6−メチルキノリン
中間体I−28E(200mg、0.728ミリモル)、K2CO3(302mg、2.18ミリモル)、およびヨウ化メチル(91μl、1.46ミリモル)をアセトン(7.29mL)に溶かし、密封した管中にて50℃に加熱した。一夜加熱した後、該反応物をEtOAcで希釈し、水で、次にブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空下で濃縮して中間体I−28F(207mg、0.82ミリモル、100%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d) δ 8.71(d,J=2.9Hz,1H)、7.74(d,J=1.8Hz,1H)、7.46(s,1H)、7.29(d,J=2.9Hz,1H)、3.95(s,3H)、2.50(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.06分間、MS(ESI) m/z:252/254(M+H)+
中間体I−28:
中間体I−28F(183mg、0.726ミリモル)、ビスピナコラトジボロン(369mg、1.45ミリモル)、酢酸カリウム(178mg、1.82ミリモル)、およびPdCl2(dppf)−CH2Cl2アダクト(47.4mg、0.058ミリモル)をHIVACで15分間貯蔵し、次に乾燥1,4−ジオキサン(7.26mL)に溶かし、アルゴンを通気することで15分間脱気処理に付した。該反応物をマイクロ波にて130℃で40分間加熱した。該反応物をEtOAcで希釈し、水で、次にブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ、濾過し、真空下で濃縮した。該粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO、24g シリカゲルカラム、19分間にわたってDCM中0〜100%EtOAcの勾配とし、次にDCM中0〜20%MeOHとする)に付して精製し、中間体I−28(108mg、0.36ミリモル、50%)を褐色の固体として得た。LC−MS:方法H、RT=0.80分間、MS(ESI) m/z:218.0(ボロン酸で観察、M+H)+
中間体I−29
6−クロロ−3−メトキシ−8−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キノリン
中間体I−29は、中間体I−28について記載される操作を介して、メチル 2−アミノ−5−クロロベンゾアートより製造された。LC−MS:方法H、RT=0.84分間、MS(ESI) m/z:238.0(ボロン酸で観察、M+H)+
中間体I−30
2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)ピリミジン−5−アミン
中間体I−30A:2−((5−ニトロピリミジン−2−イル)オキシ)エタノール
2−クロロ−5−ニトロピリミジン(1g、6.27ミリモル)をエチレングリコール(8ml、143ミリモル)と混合し、DIEA(3.28ml、18.81ミリモル)を添加した。該混合物を80℃で20分間攪拌し、次に30mLの氷水に注いだ。40mLのEtOAcを該混合物に加え、つづいて20mLの1N水性HClを添加した。EtOAc(30mLx3)を用いて水層を抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮してI−30Aを定量的収量にて黄色の油として得た。該生成物をさらに精製することなく先に持ち越した。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 9.33(s,2H)、4.73−4.51(m,2H)、4.08−3.96(m,2H)、2.41(brs,1H)
中間体I−30B:2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)−5−ニトロピリミジン
I−30A、(1.23g、6.64ミリモル)をtert−ブチルクロロジメチルシラン(2.003g、13.29ミリモル)とDCM(20ml)中で混合した。イミダゾール(0.905g、13.29ミリモル)を該反応混合物に加え、反応混合物を室温で30分間攪拌した。固体を濾過し、濾過ケーキを少量のDCMで洗浄した。濾液を30gのシリカゲルと混合し、蒸発乾固させ、精製用のシリカゲルクロマトグラフィー(80g カラム、0−50%EtOAc/ヘキサン)に付して精製した。所望の生成物を含有するフラクションを集め、濃縮してI−30B、(1.73g、5.78ミリモル、収率87%)を明黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 9.30(2H,s)、4.61(2H,dd,J=5.50、4.62Hz)、4.02(2H,dd,J=5.61、4.73Hz)、0.88(9H,s)、0.09(6H,s);LC−MS:方法H、MS(ESI) m/z:300.0(M+H)+
中間体I−30:
I−30B(1.73g、5.78ミリモル)をTHF(40ml)に溶かした。湿式Pd−C(0.307g、0.289ミリモル、10重量%)を次に該溶液に添加した。該混合物を次にエバキュエーションおよび水素での埋め戻し(3x)に供し、該混合物を1atmのH2の下で室温にて7時間攪拌した。触媒をセライトパッドを通して濾過し、それを少量のEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮し、I−30、(1.53g、5.68ミリモル、収率98%)を灰色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 8.05(2H,s)、4.35(2H,t,J=5.50Hz)、3.97(2H,t,J=5.61Hz)、1.69(2H,d,J=5.06Hz)、0.89(9H,s)、0.08(6H,s);LC−MS:方法H、MS(ESI) m/z:270.1(M+H)+
中間体I−31
(R)−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ピリミジン−5−アミン
この中間体は、下記のI−32について記載されるのと同じ方法にて、(R)−エチル 2−ヒドロキシプロパノアートより製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.97(s,2H)、4.20−4.06(m,2H)、4.01−3.93(m,1H)、3.29(brs,2H)、1.17(d,J=6.2Hz、3H)、0.81(s,9H)、0.01(d,J=6.2Hz、6H);LC−MS:方法H、MS(ESI) m/z:284.2(M+H)+
中間体I−32
(S)−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ピリミジン−5−アミン
中間体I−32A:(S)−エチル 2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパノアート
エチル (S)−2−ヒドロキシプロパノアート(1.50g、12.70ミリモル)、イミダゾール(2.2当量)およびTBS−Cl(2.0当量)をDCM(0.1M)に溶かした。該反応物を室温で18時間攪拌させた。その反応混合物を次に1.5Mジカリウムホスファート溶液で希釈し、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(1x)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残渣を少量の塩化メチレンに溶かし、シリカゲルクロマトグラフィーに付して精製し、I−32A(2.3g、9.90ミリモル、収率78%)を透明な油として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 4.35−4.28(m,1H)、4.18(t,J=7.5Hz,2H)、1.40(d,J=6.8Hz、3H)、1.28(t,J=7.2Hz、3H)、0.91(s,9H)、0.10(s,3H)、0.07(s,3H)
中間体I−32B:(S)−2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパン−1−オール
I−32A(2.2g、9.47ミリモル)をTHF(100ml)に溶かし、該溶液を−78℃に冷却した。その反応混合物に、DIBAL−H(23.67ml、23.67ミリモル)を加え、その反応混合物を室温までの加温に供し、室温で3時間攪拌し、その後で飽和Rochelle塩でクエンチさせた。そのクエンチした反応混合物を室温で18時間攪拌し、次にEtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮してI−32Bを定量的収量にて得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 3.87−3.77(m,J=2.6Hz,1H)、3.46−3.37(m,1H)、3.32−3.21(m,1H)、1.03(d,J=6.4Hz、3H)、0.82(s,9H)、0.00(s,6H)
中間体I−32C:(S)−5−ブロモ−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ピリミジン
トリフェニルホスフィン(2.88g、10.98ミリモル)をTHF(143ml)に溶かし、該溶液を0℃に冷却した。 DIAD(1.941ml、9.98ミリモル)を加え、反応混合物を0℃で5分間攪拌させた。I−32B(1.9g、9.98ミリモル)を該反応混合物に加え、その反応混合物をを0℃で10分間攪拌させた。5−ブロモピリミジン−2−オール(1.5g、8.57ミリモル)を次に反応混合物に添加し、それをゆっくりと室温までの加温に供し、室温で72時間攪拌した。その反応混合物を次に水で希釈し、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(1x)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。その得られた残渣を少量の塩化メチレンに溶かし、その後で80g シリカゲルカートリッジに充填し、それをヘキサン中0−100%EtOAcの勾配で30分間溶出した。所望の生成物を含有するフラクションを集め、濃縮してI−32C(1.9g、5.47ミリモル、収率55%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.52(s,2H)、4.34−4.26(m,1H)、4.18(s,1H)、4.15−4.05(m,1H)、1.24(d,J=6.2Hz、3H)、0.87(s,9H)、0.07(d,J=8.1Hz、5H);LC−MS:方法H、MS(ESI) m/z:349.1(M+H)+
中間体I−32D:(S)−2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)−N−(ジフェニルメチレン)ピリミジン−5−アミン
I−32C(1.0当量)、酢酸パラジウム(II)(0.1当量)、BINAP(0.2当量)、炭酸セシウム(1.2当量)およびジフェニルメタニミン(1.1当量)を含有するバイアルに、トルエン(0.5M)を添加した。該バイアルを密封し、エバキュエーションおよびアルゴンでの埋め戻しを3回行い、その反応混合物を105℃で18時間加熱した。その反応混合物を次にEtOAcで希釈し、1M水性NaOH(1x)およびブライン(1x)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残渣を塩化メチレンに溶かし、その後でシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製し、I−32D(収率78%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 7.95(s,2H)、7.78−7.71(m,2H)、7.53−7.30(m,6H)、7.16−7.06(m,2H)、4.31−4.11(m,2H)、4.08−4.01(m,1H)、1.22(d,J=5.9Hz、3H)、0.87(s,9H)、0.05(d,J=9.9Hz、6H);LC−MS:方法H、MS(ESI) m/z:448.2(M+H)+
中間体I−32:
I−32D(1.9g、4.24ミリモル)を90:10:0.1MeOH/水/TFA(14ml)に溶かし、該溶液を室温で15分間攪拌し、次に1.5Mリン酸二カリウム溶液で塩基性にし、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し(1x)、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。その得られた残渣を塩化メチレンに溶かし、80g シリカゲルカートリッジに充填し、それを塩化メチレン中0−15%MeOHの勾配で30分間溶出した。所望の生成物を含有するフラクションを濃縮してI−32(210mg、0.741ミリモル、収率17%)を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 7.92(s,2H)、4.93(s,2H)、4.16−3.83(m,J=7.4、5.6Hz、3H)、1.12(d,J=6.2Hz、3H);LC−MS:RT=1.01分間、LC−MS:方法H、MS(ESI) m/z:284.2(M+H)+
実施例001
(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例001A:(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキサノール
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、I−05(183mg、0.479ミリモル)をI−20(157mg、0.718ミリモル)と1,4−ジオキサン(2.5mL)中で混合した。Na2CO3溶液(水性、1.5mL、2M)を、つづいてPdCl2(dppf)−CH2Cl2アダクト(19.55mg、0.024ミリモル)を添加した。該混合物を90℃で30分間攪拌した。室温に冷却した後、その反応混合物を30mLのEtOAcおよび20mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、水層を20mLのEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(SiO2、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配)に付して精製した。溶媒を除去し、実施例001A(163mg、0.343ミリモル、収率71.6%)を黄色の固体として得た。LC−MS:方法H、RT=1.25分間、MS(ESI) m/z:476.1(M+H)+
実施例001B:(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル カルボノクロリダート
実施例001A(163mg、0.343ミリモル)を無水THF(5ml)に溶かし、ホスゲンのトルエン中溶液(2.447ml、3.43ミリモル)で処理し、ピリジン(27.1mg、0.343ミリモル)による触媒作用に供した。該反応物を室温で一夜攪拌した。その翌日に、溶媒を除去した。残渣をHVACで乾燥させ、粗製物として次の工程に用いた。LC−MS:方法J、RT=1.17分間、MS(ESI) m/z:538.0(M+H)+
実施例001C:(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例001B(18.83mg、0.035ミリモル)/無水DCM(1mL)を中間体I−30(14.14mg、0.053ミリモル)およびピリジン(5.66μl、0.070ミリモル)の無水DCM(1mL)中溶液に滴下して加えた。該混合物を室温で3時間攪拌した。次にその反応混合物をシリカゲルカラム(12g シリカ)にロードし、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出した。所望のフラクションを集め、蒸発させてシス−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート(18mg、0.023ミリモル、収率66.7%)を表記化合物として得た。LC−MS:方法J、RT=1.36分間、MS(ESI) m/z:771.0(M+H)+
実施例001:
実施例001C(18mg、0.023ミリモル)をTHF(1mL)に溶かし、THF中TBAF溶液(0.467mL、0.467ミリモル)を用いて室温で30分間処理した。次に20mLのEtOAcおよび10mLの水を添加することで反応物を希釈した。分離を行った後、有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物を分取性LC/MSに次の条件:カラム:ウォーターズ(Waters)エックスブリッジ(XBridge)C18、19x200mm、5μm粒子;移動相A:5:95 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:95:5 アセトニトリル:水+0.1%トリフルオロ酢酸;勾配:20分間にわたって40−100%Bとし、次に100%Bで5分間保持する;流速:20mL/分に付して精製した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心分離による蒸発を介して乾燥させて表記化合物(8.2mg、0.012ミリモル、収率51%)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 8.65(2H,s)、8.62(1H,d,J=1.98Hz)、8.56(1H,s)、7.84(1H,d,J=11.44Hz)、7.78(1H,dd,J=1.98、0.88Hz)、7.60(1H,d,J=7.70Hz)、6.79(1H,brs)、5.44(1H,brs)、4.57(1H,d,J=10.12Hz)、4.50(2H,dd,J=5.17、3.63Hz)、4.14(3H,s)、3.96−4.04(2H,m)、2.66(3H,s)、2.58(2H,brs)、2.24−2.36(1H,m)、2.02−2.19(2H,m)、1.81−1.94(1H,m)、1.27(1H,t,J=7.15Hz);19F NMR(376MHz、CDCl3)ppm −95.90〜−80.92(2F,m)、−132.44(1F,s);LC−MS:方法H、RT=1.10分間、MS(ESI) m/z:657.2(M+H)+
実施例002〜014
次のさらなる実施例は、実施例001および上記の実施例について記載される方法を用いて、対応する環状ジオールおよびアニリン中間体より、製造され、単離かつ特徴付けられた。
実施例015
(1R、2S)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(3−メトキシ−6−メチルキノリン−8−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例015は、実施例001および上記の実施例について記載される方法を用いて、中間体のI−20の代わりにI−28を利用して、製造され、単離かつ特徴付けられた。
1H NMR(500MHz、DMSO−d6)ppm 9.77−10.01(1H,m)、8.78(1H,brs)、8.59(3H,m)、8.12(1H,d,J=7.63Hz)、7.93(1H,d,J=11.29Hz)、7.86(2H,d,J=3.36Hz)、5.34(1H,m)、4.89(1H,m)、4.23(2H,m)、3.98(3H,s)、3.67(2H,m)、2.60(3H,s)、2.54(3H,m)、2.13(3H,m)、1.94(1H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) ppm −96.82〜−85.75(2F,m)、−133.46(1F,s);LC−MS:方法L、RT=1.92分間、MS(ESI) m/z:656.25(M+H)+
実施例016
(1R,2S)−2−((2−(6−クロロ−3−メトキシキノリン−8−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキシル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例016は、実施例001および上記の実施例について記載される方法を用いて、中間体のI−20の代わりにI−29を利用して、製造され、単離かつ特徴付けられた。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)ppm 9.86−9.99(1H,m)、8.90(1H,d,J=2.86Hz)、8.64(1H,d,J=2.42Hz)、8.58(2H,s)、8.22(1H,d,J=2.42Hz)、8.17(1H,d,J=8.14Hz)、7.93−8.06(2H,m)、5.34(1H,brs)、4.92(1H,brs)、4.86(1H,t,J=5.61Hz)、4.21(2H,t,J=4.95Hz)、4.00(3H,s)、3.62−3.71(2H,m)、2.55(2H,d,J=1.98Hz)、2.03−2.21(3H,m)、1.84−2.00(1H,m);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) ppm −88.51〜−90.36(2F,m)、−133.05(1F、brs);LC−MS:方法H、RT=1.14分間、MS(ESI) m/z:676.1(M+H)+
実施例017
(1R,2S)−2−((2−(6−クロロ−3−メトキシキノリン−8−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキシル(2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例017は、実施例001および上記の実施例について記載される方法を用いて、中間体のI−20の代わりにI−29を利用して、製造され、単離かつ特徴付けられた。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 10.03(brs,1H)、8.87(brs,1H)、8.70(brs,2H)、8.62(s,1H)、8.19(s,1H)、8.15(d,J=7.9Hz,1H)、8.02−7.89(m,2H)、5.35(brs,1H)、4.92(brs,1H)、3.99(s,3H)、2.62−2.56(m,2H)、2.54(s,3H)、2.15(brs,3H)、1.95(d,J=6.7Hz,1H);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −89.30〜−86.27(1F,m)、−96.31〜−92.88(1F,m)、−133.04(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=2.38分間、MS(ESI) m/z:630.1(M+H)+
実施例018
(1R,2S)−2−((2−(2−エトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキシル(2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例018A:(1R,2S)−2−((2−(2−(ジフルオロメトキシ)−7−メチルキノキサリン−5−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキサノール
攪拌棒を装着したバイアルにおいて、I−05(25mg、0.065ミリモル)をI−23(19.94mg、0.078ミリモル)と1,4−ジオキサン(1mL)中で混合した。Na2CO3(0.5ml、1.000ミリモル)の水溶液を、つづいてPdCl2(dppf)−CH2Cl2アダクト(5.34mg、6.54マイクロモル)を添加した。該混合物を90℃で1時間攪拌した。室温に冷却した後、その有機相を取り出し、蒸発させた。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12g シリカカラム、0−100%EtOAc/ヘキサン)に付して精製した。所望のフラクションを蒸発させて018A(28mg、0.055ミリモル、収率84%)を黄色の固体として得た。LC−MS:方法H、RT=1.21分間、MS(ESI) m/z:512.1(M+H)+
実施例018B:(1R,2S)−2−((2−(2−エトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキサノール
THF(2mL)/エタノール(2mL)に、NaH(5.32mg、0.133ミリモル、60%)をゆっくりと添加した。泡立ちが止んでから、中間体018A(34mg、0.066ミリモル)/THF(1mL)を添加した。該混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を15mLのEtOAcに溶かし、水、ブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて中間体の018B(25mg、0.051ミリモル、収率77%)を白色の固体として得た。LC−MS:方法H、RT=1.10分間、MS(ESI) m/z:490.0(M+H)+
実施例018C:(1R,2S)−2−((2−(2−エトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキシル カルボノクロリダート
攪拌棒を装着したバイアルにおいて、中間体018B(25mg、0.051ミリモル)を無水THF(2mL)に溶かし、ホスゲン(0.364mL、0.511ミリモル)/トルエンで処理した。ピリジン(8.26μl、0.102ミリモル)を加えた。該混合物を室温で18時間攪拌した。その翌日に、溶媒を除去し、粗生成物を精製することなく次の工程に用いた。LC−MS:方法J、RT=1.25分間、MS(ESI) m/z:552.1(M+H)+
実施例018:
攪拌棒を装着したバイアルにて、中間体018C(22.5mg、0.041ミリモル)をDCM(2mL)に溶かした。2−メチルピリミジン−5−アミン(17.79mg、0.163ミリモル)を、つづいてピリジン(0.016mL、0.204ミリモル)を添加した。該混合物を室温で1時間攪拌した。粗材料を分取性LC/MS(方法C)に付して精製した。所望の生成物を含有するフラクションを合わせ、遠心分離による蒸発を介して乾燥させて実施例018(8.0mg、0.013ミリモル、収率31.4%)を表記化合物として得た。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ ppm 8.83(2H,s)、8.57(1H,d,J=1.65Hz)、8.49(1H,s)、7.80(2H,d,J=11.28Hz)、7.71(1H,s)、7.57(1H,d,J=7.70Hz)、5.42(1H,brs)、4.56(3H,q、J=6.97Hz)、2.71(3H,s)、2.62−2.63(3H,m)、2.51−2.59(1H,m)、2.36−2.51(1H,m)、2.29(1H,d,J=14.31Hz)、2.06(2H,brs)、1.85(1H,brs)、1.50(3H,t,J=7.02Hz);19F NMR(471MHz、CDCl3 ) δ ppm −100.34〜−72.99(2F,m)、−132.45(1F,d,J=8.58Hz);LC−MS:方法L、RT=2.53分間、MS(ESI) m/z:625.15(M+H)+
実施例019
(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(2−(2−(ホスホノオキシ)エトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例019A:(1R,2S)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(2−(2−((ビス(2−(トリメチルシリル)エトキシ)ホスホリル)オキシ)エトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例001(362mg、0.551ミリモル)の無水DCM(40mL)中懸濁液に、 ビス−(2−(トリメチルシリル)エチル)ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.416mL、1.654ミリモル)を、つづいて1H−テトラゾール(116mg、1.654ミリモル)を室温で添加した。30分後、該反応物を0℃に冷却し、過酸化水素(0.536mL、5.51ミリモル)を添加した。その反応混合物を室温までの加温に供し、該溶液をクリーンアップした。30分後、その反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和Na2S2O3で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲル(40g)カラム(1%TEA/ヘキサンで予めフラッシュさせた)に加え、0−100%EtOAc/DCMで溶出した。フラクションを集め、蒸発させて実施例019A(301mg、0.321ミリモル、収率58.3%)を生成物として得た。LC−MS:方法H、RT=1.40分間、MS(ESI) m/z:937.2(M+H)+
実施例019:
中間体019A(300mg、0.320ミリモル)のDCM(5mL)中溶液に、TFA(1mL、12.98ミリモル)を添加した。該混合物を室温で10分間攪拌した。ついで該溶媒を除去し、該残渣を分取性HPLC、方法Bに付して精製した。フラクションを集め、蒸発させ、凍結乾燥させ、実施例019(120mg、0.160ミリモル、収率49.9%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.97(1H,brs)、8.74(1H,s)、8.61(2H,brs)、8.57(1H,d,J=1.76Hz)、8.15(1H,d,J=8.14Hz)、7.97(1H,d,J=11.66Hz)、7.84(1H,s)、5.35(1H,brs)、4.79−5.03(1H,m)、4.37(2H,brs)、4.09(5H,s)、3.34(7H,brs)、2.02−2.29(3H,m)、1.69−1.99(1H,m);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ ppm −98.15〜−83.91(2F,m)、−133.18(1F,s);LC−MS:方法H、RT=1.07分間、MS(ESI) m/z:736.9(M+H)+
実施例020
rac−(シス)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(2−(2−(ホスホノオキシ)エトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例020A:2−((2−アミノ−6−フルオロチアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキサノン
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、中間体I−22(200mg、0.576ミリモル)をDMF(5mL)に溶かした。K2CO3(319mg、2.305ミリモル)を添加した。該混合物を室温で10分間攪拌し、次に2−クロロ−4,4−ジフルオロシクロヘキサノン(486mg、2.88ミリモル)を添加した。該混合物を70℃で3時間攪拌した。室温に冷却した後、該反応物を40mLのEtOAcおよび20mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、水層をEtOAc(20mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(24g シリカゲル、0−100%EtOAc/DCM)に付して精製した。溶媒を除去し、実施例020A(146mg、0.460ミリモル、収率80%)を生成物として得た。LC−MS:方法H、RT=0.79分間、MS(ESI) m/z:318.1(M+H)+
実施例020B:2−((2−クロロ−6−フルオロチアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキサノン
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、塩化銅(II)(93mg、0.690ミリモル)および亜硝酸tert−ブチル(71.2mg、0.690ミリモル)を無水アセトニトリル(2ml)に溶かし、10分間攪拌させた。実施例020A(146mg、0.460ミリモル)をアセトニトリル(3mL)に溶かし、それに銅溶液の混合物を添加した。4時間攪拌した後、該反応物をEtOAcを添加することで希釈し、飽和NH4Cl、飽和NaHCO3、次にブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(24gカラム、0−100%EtOAc/ヘキサン、次に0−10%MeOH/DCM)に付して精製した。所望のフラクションを集め、溶媒を除去して実施例020B(63mg、0.187ミリモル、収率40.7%)を生成物として得た。LC−MS:方法H、RT=1.07分間、MS(ESI) m/z:337.1(M+H)+
実施例020C:rac−シス−2−((2−クロロ−6−フルオロチアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロヘキサノール
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、実施例020B(63mg、0.187ミリモル)をN2下で無水THF(5ml)に溶かし、−78℃に冷却した。L-Selectride(0.187ml、0.187ミリモル)を滴下して加えた。該混合物を−78℃で3時間攪拌した。次に該反応物を室温までの加温に供し、5mLのNH4Cl飽和水溶液を添加することでクエンチさせ、EtOAc(20mLx3)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗実施例020C(59mg、0.174ミリモル、収率93%)を油として得た。LC−MS:方法H、RT=1.04分間、MS(ESI) m/z:339.0(M+H)+
実施例020D:rac−シス−4,4−ジフルオロ−2−((6−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル)オキシ)シクロヘキサノール
攪拌棒を装着したバイアルにおいて、実施例020C(59mg、0.174ミリモル)をI−20と1,4−ジオキサン(2mL)中で混合した。Na2CO3(0.5mL、2M)水溶液を加え、つづいてPdCl2(dppf)−CH2Cl2アダクト(7.11mg、8.71マイクロモル)を添加した。該混合物を100℃で1時間攪拌した。室温に冷却した後、該反応物を20mLのEtOAcおよび10mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、水層をEtOAcで2回抽出した(10mLx2)。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(12シリカゲルカラム、0−100%EtOAc/ヘキサン、100%EtOAcで5分間保持する)に付して精製した。所望のフラクションから溶媒を除去し、実施例020D(29mg、0.061ミリモル、収率34.9%)を生成物として得た。LC−MS:方法H、RT=1.30分間、MS(ESI) m/z:477.1(M+H)+
実施例020:
実施例020D(29mg、0.061ミリモル)を無水THF(3ml)に溶かし、ホスゲン(0.434ml、0.609ミリモル)を用い、室温で4日間処理した。次に溶媒を除去し、残渣をDCM(3mL)に溶かした。2−メチルピリミジン−5−アミン(26.6mg、0.243ミリモル)を添加し、つづいてピリジン(0.025ml、0.304ミリモル)を加えた。該混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を分取性HPLCに付し、方法Dで精製し、乾燥させて実施例020(5.5mg、0.008ミリモル、14.5%)を生成物として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.95(1H,brs)、8.64(2H,m)、8.56(1H,s)、8.42(1H,s)、8.34(1H,d,J=10.68Hz)、7.75(1H,s)、5.65(1H,m)、5.36(1H,m)、4.04(3H,s)、2.62(2H,d,J=13.73Hz)、2.57(3H,s)、2.43(3H,s)、2.16(3H,m)、1.95(1H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −88.9(2F,m)、−139.81(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=2.483分間、MS(ESI) m/z:612.30(M+H)+
実施例021
rac−シス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンタノール
実施例021(557mg、1.309ミリモル、収率64.0%)は、実施例001Aについて記載される操作を介して、I−20(491mg、2.252ミリモル)およびI−01(680mg、2.047ミリモル)より黄色の固体として製造された。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 8.98(s,1H)、8.89(d,J=1.8Hz,1H)、8.56(d,J=2.0Hz,1H)、8.04(d,J=8.4Hz,1H)、8.00(d,J=11.7Hz,1H)、4.73(d,J=5.1Hz,1H)、4.69(m,1H)、4.29−4.21(m,1H)、4.14(s,3H)、2.10−2.01(m,1H)、1.93−1.76(m,3H)、1.72(m,1H)、1.56(m,1H);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ −132.53(s,1F);LC−MS:方法H、RT=1.21分間、MS(ESI) m/z:426.1(M+H)+
実施例022
(1R,2S)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (6−メトキシピリジン−3−イル)カルバマート
実施例022A:(1R,2S)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンタン−1−オール
実施例022A(185mg、0.435ミリモル、収率33.2%、ピーク1、保持時間 10.47分間)が、実施例021(557mg、1.309ミリモル)をキラル分離(装置:Berger Multigram II SFC;カラム:Chiralpak IA、21x250mm、5ミクロン;移動相:35%EtOH/65%CO2;流れ条件:45mL/分間、150バール、40℃;検出器波長:220nm)に付すことで得られた。割り当てられたキラリティは、この中間体を別の経路でキラル合成することにより実証された。(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル アセタートから出発し、I−09とのミツノブ(Mitsunobu)反応に、つづいてI−20とスズキ(Suzuki)クロスカップリング反応に供し、それに伴ってアセタート保護基を除去し、実施例022Aのサンプルを得、それはキラルHPLC保持時間を含め、あらゆる点で実施例021をキラル分離することで得られるものと同じであった。
実施例022B:(1R,2S)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル カルボノクロリダート
実施例022Bは、実施例001Bについて記載される操作を介して、実施例022Aより製造された。LC−MS:方法H、RT=1.19分間、MS(ESI) m/z:488.0(M+H)+
実施例022:
実施例022は、実施例001Cについて記載される操作を介して、実施例022Bより製造された。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.60(d,J=1.5Hz,1H)、8.55(s,1H)、7.97(d,J=2.9Hz,1H)、7.80(d,J=11.2Hz,1H)、7.78−7.76(m,1H)、7.66(d,J=7.7Hz,1H)、7.56−7.50(m,1H)、6.64(d,J=8.8Hz,1H)、6.43(brs,1H)、5.25(d,J=4.0Hz,1H)、5.00−4.85(m,1H)、4.14(s,3H)、3.81(s,3H)、2.66(s,3H)、2.16−2.06(m,4H)、1.71(d,J=7.5Hz,2H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −78.5(m,2F)、−133.28(brs,1F);LC−MS:方法H、RT=1.22分間、MS(ESI) m/z:576.3(M+H)+
実施例023〜038
以下のさらなる実施例は、0220について、上記の実施例について記載される方法を用いて、対応する環状ジオールおよびアニリン中間体から製造され、単離かつ特徴付けられた。
実施例040
rac−5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)−6−((シス−2−メトキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]チアゾール
実施例021(8.0mg、0.019ミリモル)のアセトニトリル(0.5mL)およびヨウ化メチル(500μl、8.00ミリモル)中溶液を、酸化銀(350mg、1.510ミリモル)の存在下、密封した管にて60℃で3時間攪拌した。室温に冷却した後、該反応物を2mLのDCMを添加することで希釈し、固体を濾過で除去し、濾液を濃縮した。該残渣を逆相分取性HPLC、方法Cに付して精製し、実施例040(0.9mg、0.002ミリモル、収率10%)を生成物として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 8.78(s,1H)、8.63(s,1H)、8.10−7.97(m,2H)、7.89(s,1H)、4.93(m,1H)、4.15(s,3H)、3.96(m,1H)、3.33(s,3H)、2.69(s,3H)、2.10(m,1H)、1.86(m,4H)、1.65(m,1H);LC−MS:方法L、RT=2.662分間、MS(ESI) m/z:440.15(M+H)+
実施例041
rac−トランス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンタノール
実施例041(7.3mg、0.017ミリモル、18%)は、実施例001Aについて記載される操作を介して、I−03(30.5mg、0.092ミリモル)およびI−20(20mg、0.092ミリモル)より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 8.62(s,1H)、8.47(brs,1H)、7.93−7.82(m,2H)、7.75(brs,1H)、4.59(m,1H)、4.14(m,1H)、4.04(s,3H)、3.65(s,1H)、2.58(s,3H)、2.24−2.13(m,1H)、1.98−1.86(m,1H)、1.81−1.63(m,3H)、1.57(d,J=4.6Hz,1H);LC−MS:方法L、RT=2.396分間、MS(ESI) m/z:426.10(M+H)+
実施例042
rac−5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)−6−((トランス−2−メトキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]チアゾール
実施例042(1.8mg、0.004ミリモル、24%)は、実施例040の操作に従って、実施例041(7.0mg、0.016ミリモル)より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 8.69(s,1H)、8.54(s,1H)、7.98−7.90(m,2H)、7.80(s,1H)、4.77(m,1H)、4.06(s,3H)、3.88(m,1H)、3.29(s,3H)、2.61(s,3H)、2.15(d,J=6.4Hz,1H)、1.97(dd,J=12.8、6.4Hz,1H)、1.78−1.60(m,4H);LC−MS:方法L、RT=2.857分間、MS(ESI) m/z:440.10(M+H)+
実施例043
rac−トランス−2−((5−フルオロ−2−(7−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンタノール
実施例043(1.3mg、0.003ミリモル、11%)は、実施例001Aについて記載される操作に従って、I−03(8.5mg、0.026ミリモル)およびI−26(6mg、0.026ミリモル)より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 8.74(s,1H)、8.71(s,1H)、8.02−7.88(m,4H)、5.74−5.58(m,1H)、4.81(d,J=5.5Hz、3H)、4.62(brs,1H)、4.16(brs,1H)、4.08(s,3H)、2.02−1.84(m,1H)、1.83−1.61(m,3H)、1.58(brs,1H);LC−MS:方法L、RT=1.78分間、MS(ESI) m/z:442.10(M+H)+
実施例044
rac−シス−2−((5−フルオロ−2−(7−(ヒドロキシメチル)−2−メトキシキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル ピリジン−3−イルカルバマート
実施例044A:(1S,2R)−2−((2−クロロ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル ピリジン−3−イルカルバマート
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、I−01(75mg、0.226ミリモル)を無水THF(5mL)に溶かし、ホスゲン(1.611mL、2.258ミリモル)を添加した。該混合物を室温で一夜攪拌した。その翌日に、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣をHVACで20分間乾燥させた。粗製物のクロロホルマートをDCM(2mL)に溶かした。DIEA(0.100mL、0.570ミリモル)を、つづいてピリジン−3−アミン(42.9mg、0.456ミリモル)を添加した。該混合物を室温で週末にわたって攪拌した。次の月曜日に、その反応混合物をシリカゲルカラム(12g)にロードし、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出した。所望のフラクションを集め、溶媒を除去して実施例044A(24mg、0.059ミリモル、収率51.6%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.45(d,J=2.4Hz,1H)、8.32(d,J=4.0Hz,1H)、7.82(d,J=7.9Hz,1H)、7.63(d,J=10.8Hz,1H)、7.36(d,J=7.7Hz,1H)、7.23(dd,J=8.4、4.6Hz,1H)、6.63(brs,1H)、5.30−5.19(m,1H)、4.93−4.80(m,1H)、2.21−1.97(m,5H)、1.73(d,J=9.2Hz,1H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −131.97(brs,1F);LC−MS:方法H、RT=0.82分間、MS(ESI) m/z:442.10(M+H)+
実施例044:
実施例044(1.1mg、0.002ミリモル、収率11%)は、実施例001Aについて記載される操作により、実施例044A(8.4mg、0.021ミリモル)およびI−26(4mg、0.015ミリモル)より製造された。LC−MS:方法L、RT=1.632分間、MS(ESI) m/z:562.15(M+H)+
実施例045
rac−シス−2−((2−(7−シアノ−2−メトキシキノキサリン−5−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (5−シアノピリジン−3−イル)カルバマート
実施例045A:8−(5−フルオロ−6−((シス−2−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−3−メトキシキノキサリン−6−カルボニトリル
実施例045A(21mg、0.046ミリモル、収率38.4%)は、実施例001について記載される操作に従って、中間体I−01(40mg、0.120ミリモル)およびI−25(52.4mg、0.169ミリモル)より黄色の固体として製造された。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 8.98(s,1H)、8.89(d,J=1.8Hz,1H)、8.56(d,J=2.0Hz,1H)、8.04(d,J=8.4Hz,1H)、8.00(d,J=11.7Hz,1H)、4.73(d,J=5.1Hz,1H)、4.69(m,1H)、4.29−4.21(m,1H)、4.14(s,3H)、2.10−2.01(m,1H)、1.93−1.76(m,3H)、1.72(m,1H)、1.56(m,1H);19F NMR(376MHz、DMSO−d6):δ −132.53(s,1F);LC−MS:方法H、RT=1.14分間、MS(ESI) m/z:437.1(M+H)+
実施例045B:シス−2−((2−(7−シアノ−2−メトキシキノキサリン−5−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル カルボノクロリダート
実施例045A(20.0mg、0.046ミリモル)/無水THF(2mL)をホスゲン(0.327mL、0.458ミリモル)を用いて室温で8時間処理した。溶媒を除去し、残渣を精製することなく使用した。LC−MS:方法H、RT=1.28分間、MS(ESI) m/z:499.1(M+H)+
実施例045:
実施例045(2.5mg、0.004ミリモル、収率17%)は、実施例001Cについて記載される方法によって、実施例045B(12.5mg、0.025ミリモル)および5−アミノニコチノニトリル(14.89mg、0.125ミリモル)より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 10.16(1H,brs)、8.89(1H,s)、8.75(1H,s)、8.69(1H,s)、8.50(1H,s)、8.42(1H,s)、8.07(1H,brs)、8.02(1H,d,J=8.24Hz)、7.91(1H,d,J=11.60Hz)、5.26(1H,m)、5.09(1H,m)、4.11(3H,s)、2.22(1H,m)、2.10(1H,m)、1.84−2.02(3H,m)、1.69(1H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −132.73(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=2.36分間、MS(ESI) m/z:582.15(M+H)+
実施例046
rac−シス−2−((2−(7−シアノ−2−メトキシキノキサリン−5−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例046(2.2mg、0.004ミリモル、収率15%)は、実施例001Cについて記載される方法により、実施例045B(12.47mg、0.025ミリモル)および2−メチルピリミジン−5−アミン(13.64mg、0.125ミリモル)より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.79−9.94(1H,m)、8.89(1H,s)、8.76(1H,s)、8.60(2H,s)、8.49(1H,s)、8.02(1H,d,J=7.93Hz)、7.91(1H,d,J=11.60Hz)、5.25(1H,m)、5.05(1H,m)、4.10(3H,s)、2.36(3H,s)、2.22(1H,d,J=6.41Hz)、2.01−2.16(1H,m)、1.78−1.99(3H,m)、1.68(1H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −132.86(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=2.151分間、MS(ESI) m/z:572.15(M+H)+
実施例047
メチル 5−(((((1R,2S)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル)オキシ)カルボニル)アミノ)ピコリナート
実施例047(77.7mg、0.123ミリモル、収率85%)は、実施例001について記載される方法によって、実施例022A(60mg、0.145ミリモル)より黄色の固体として製造された。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ ppm 10.18(1H,s)、8.71(1H,s)、8.60(1H,d,J=2.42Hz)、8.53(1H,s)、8.01(1H,d,J=8.14Hz)、7.76−7.94(4H,m)、5.26(1H,d,J=4.18Hz)、5.09(1H,d,J=4.84Hz)、4.10(3H,s)、3.72(3H,s)、2.63(3H,s)、2.17−2.29(1H,m)、2.09(1H,m)、1.84−2.02(3H,m)、1.70(1H,m);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ ppm −133.39(1F、brs);LC−MS:方法H、RT=1.17分間、MS(ESI) m/z:604.2(M+H)+
実施例048
(1R,2S)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (6−(メチルカルバモイル)ピリジン−3−イル)カルバマート
攪拌棒を装着したバイアルにおいて、実施例047(11mg、0.018ミリモル)をTHF(0.5mL)に溶かした。メタナミン(0.5mL、0.018ミリモル)/メタノールを加えた。該混合物を60℃に加熱し、20時間攪拌した。その翌日に、溶媒を除去し、残渣を逆相分取性HPLCに付し、方法Dを用いて精製し、実施例048(6.9mg、0.011ミリモル、収率63%)を生成物として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 10.01(1H,brs)、8.64(1H,s)、8.50(1H,s)、8.47(1H,s)、8.38(1H,brs)、7.95(1H,d,J=7.93Hz)、7.81−7.89(2H,m)、7.75−7.80(2H,m)、5.23(1H,brs)、5.07(1H,brs)、4.06(3H,s)、3.16(1H,brs)、2.67(3H,d,J=4.27Hz)、2.59(3H,s)、2.19(1H,brm)、2.06(1H,d,J=12.21Hz)、1.91(2H,brm)、1.69(1H,brm);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −133.48(1F,s);LC−MS:方法H、RT=1.16分間、MS(ESI) m/z:603.1(M+H)+
実施例049
(1R,2S)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (6−カルバモイルピリジン−3−イル)カルバマート
攪拌棒を装着したバイアルにおいて、実施例047(10mg、0.017ミリモル)をTHF(0.5mL)に溶かした。アンモニア(1mL、7.00ミリモル)/メタノール(7N)を加えた。該混合物を60℃で20分間加熱した。その翌日に、溶媒を除去し、残渣を逆相分取性HPLCに付し、方法Dを用いて精製し、実施例049(5.2mg、0.009ミリモル、収率53%)を生成物として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 10.07(1H,brs)、8.62(1H,s)、8.52(1H,s)、8.44(1H,s)、7.93(1H,d,J=7.93Hz)、7.78−7.90(4H,m)、7.76(1H,s)、7.31(1H,brs)、5.25(1H,m)、5.03(1H,m)、4.04(3H,s)、2.57(3H,s)、2.18(1H,m)、1.99−2.13(1H,m)、1.82−1.98(2H,m)、1.67(1H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −133.48(1F,s);LC−MS:方法L、RT=2.266分間、MS(ESI) m/z:589.2(M+H)+
実施例050
(1R,2S)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (6−(ジメチルカルバモイル)ピリジン−3−イル)カルバマート
攪拌棒を装着したバイアルにおいて、実施例047(11mg、0.018ミリモル)をTHF(0.5mL)に溶かし、ジメチルアミン(0.5mL、1.000ミリモル)/MeOHを添加した。塩化マグネシウム(8.68mg、0.091ミリモル)を加え、60℃に加熱し、20時間攪拌した。その翌日に、溶媒を除去し、残渣をDMFに溶かした。固体を濾過し、粗生成物を逆相分取性HPLCに付し、方法Dを用いて精製し、実施例050(6.2mg、0.010ミリモル、収率55%)を生成物として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 10.05(1H,brs)、8.64(1H,s)、8.50(1H,brs)、8.46(1H,s)、7.97(1H,d,J=8.24Hz)、7.83−7.92(2H,m)、7.76(1H,s)、7.46(1H,d,J=8.55Hz)、5.27(1H,m)、5.04(1H,m)、4.05(3H,s)、2.91(3H,s)、2.83(3H,s)、2.58(3H,s)、2.22(1H,m)、2.11(1H,m)、1.84−2.02(3H,m)、1.69(1H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −133.43(1F、brs);LC−MS:方法H、RT=1.15分間、MS(ESI) m/z:617.2(M+H)+
実施例051
メチル 5−(((((1R,2S)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル)オキシ)カルボニル)アミノ)ピリミジン−2−カルボキシラート
実施例051(17mg、0,028ミリモル、収率42%)は、実施例001について記載される方法により、実施例022A(28mg、0.066ミリモル)およびメチル 5−アミノピリミジン−2−カルボキシラート(17.07mg、0.111ミリモル)より黄色の固体として製造された。19F NMR(376MHz、CDCl3) δ ppm −133.45(1F,s);1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 8.98(2H,s)、8.55(1H,s)、8.51(1H,s)、7.73(2H,s)、7.49(1H,d,J=7.70Hz)、7.26(1H,brs)、5.25−5.30(1H,m)、4.91(1H,d,J=4.40Hz)、4.13(3H,s)、3.98(3H,s)、2.64(3H,s)、1.95−2.22(5H,m)、1.66−1.79(1H,m);LC−MS:方法H、RT=1.16分間、MS(ESI) m/z:605.1(M+H)+
実施例052
(1R,2S)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (2−カルバモイルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例052(14.5mg、0.023ミリモル、収率95%)は、実施例049について記載される方法により、実施例051(15mg、0.025ミリモル)より製造された。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ ppm 10.27−10.48(1H,m)、8.88(2H,s)、8.74(1H,s)、8.55(1H,d,J=1.76Hz)、8.07(1H,d,J=8.36Hz)、8.00(1H,s)、7.93(1H,d,J=11.44Hz)、7.84(1H,d,J=0.88Hz)、7.60(1H,brs)、5.32(1H,d,J=4.18Hz)、5.07(1H,m)、4.09(3H,s)、2.63(3H,s)、2.05−2.29(2H,m)、1.94(3H,brs)、1.60−1.77(1H,m);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ ppm −133.60(1F、brs);LC−MS:方法H、RT=1.09分間、MS(ESI) m/z:590.1(M+H)+
実施例053
rac−トランス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(6−メトキシピリジン−3−イル)カルバマート
実施例053A:rac−トランス−2−((2−クロロ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(6−メトキシピリジン−3−イル)カルバマート
I−18(34mg、0.098ミリモル)をTHF(1mL)に溶かし、ホスゲン(0.704mL、0.982ミリモル)を用いて室温で一夜処理した。その翌日に、溶媒を除去し、残渣を無水THF(1mL)に溶かし、6−メトキシピリジン−3−アミン(25.9mg、0.209ミリモル)/THF(1mL)を加え、つづいてピリジン(4.22μl、0.052ミリモル)を添加した。該混合物を室温で30分間攪拌した。次にその反応混合物をシリカゲルカラム(12g)にロードし、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出した。所望のフラクションを集め、溶媒を除去して実施例053A(19mg、0.042ミリモル、収率81%)を生成物として得た。LC−MS:方法H、RT=1.07分間、MS(ESI) m/z:451.8(M+H)+
実施例053:
実施例053(9.7mg、0.016ミリモル、収率39%)は、実施例001Aについて記載される方法により、実施例053A(19mg、0.042ミリモル)およびI−20(13.8mg、0.063ミリモル)より黄色の固体として製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.36−9.57(1H,m)、8.70(1H,s)、8.54(1H,s)、8.14(1H,m)、8.04(1H,d,J=7.02Hz)、7.90(1H,d,J=11.29Hz)、7.80(1H,s)、7.70(1H,m)、6.72(1H,m)、4.85−4.97(1H,m)、4.49(1H,d,J=3.66Hz)、4.07(3H,s)、3.74(3H,brs)、2.61(3H,s)、2.20(1H,brs)、2.06(1H,d,J=7.32Hz)、1.72(2H,brs)、1.33−1.61(4H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −133.17(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=2.616分間、MS(ESI) m/z:590.0(M+H)+
実施例054
rac−トランス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例054(2.3mg、0.004ミリモル、収率9%)は、実施例053について記載される方法によって、I−18より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.83(1H,m)、8.72(1H,s)、8.68(1H,m)、8.55(1H,s)、8.06(1H,d,J=7.63Hz)、7.91(1H,d,J=11.60Hz)、7.83(1H,s)、4.87−5.07(1H,m)、4.53(1H,m)、4.09(3H,s)、2.63(3H,s)、2.56(3H,s)、2.25(1H,d,J=12.82Hz)、2.09(1H,d,J=8.85Hz)、1.75(2H,m)、1.34−1.64(4H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −133.15(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=2.44分間、MS(ESI) m/z:575.1(M+H)+
実施例055
rac−シス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル ピリジン−3−イルカルバマート
実施例055A:シス−2−((2−ブロモ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル カルボノクロリダート
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、I−02(200mg、0.578ミリモル)を無水THF(5mL)に懸濁させ、ホスゲン(4.12mL、5.78ミリモル)を用いて室温で一夜処理し。その翌日に、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣をHVACで2日間にわたって乾燥させた。該粗生成物を次の工程に使用した。LC−MS:方法H、RT=1.20分間、MS(ESI) m/z:364.0(M+H)+
実施例055B:シス−2−((2−クロロ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル ピリジン−3−イルカルバマート
攪拌棒を装着したバイアルにて、実施例055A(0.078g、0.192ミリモル)をDCM(2mL)に溶かした。DIEA(0.168mL、0.960ミリモル)を、つづいてピリジン−3−アミン(0.072g、0.768ミリモル)を添加した。該混合物を室温で一夜攪拌した。その翌日に、後処理することなく、その反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(12g シリカゲルカラム、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配)に付して精製した。所望のフラクションより溶媒を除去し、実施例055B(0.037g、0.088ミリモル、収率45.7%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ 8.47(d,J=2.6Hz,1H)、8.32(dd,J=4.7、1.4Hz,1H)、7.88(d,J=6.4Hz,1H)、7.66(d,J=10.8Hz,1H)、7.38(d,J=7.7Hz,1H)、7.26−7.22(m,1H)、6.62(brs,1H)、5.08(d,J=9.7Hz,1H)、4.64(brs,1H)、2.31−2.02(m,2H)、1.91−1.69(m,4H)、1.52(brs,2H);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ −131.17(s,1F);LC−MS:方法H、RT=0.86分間、MS(ESI) m/z:422.1(M+H)+
実施例055:
実施例055(11.2mg、0.02ミリモル、収率59%)は、実施例001Aについて記載される方法によって、実施例055B(14.05mg、0.033ミリモル)およびI−20(10mg、0.033ミリモル)より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 9.86(brs,1H)、8.64(s,1H)、8.60(brs,1H)、8.49(s,1H)、8.16(d,J=4.3Hz,1H)、8.01(d,J=8.2Hz,1H)、7.90(d,J=11.6Hz,1H)、7.85(d,J=7.3Hz,1H)、7.76(s,1H)、7.28(dd,J=8.1、4.7Hz,1H)、5.11(brs,1H)、4.82(brs,1H)、4.04(s,3H)、2.58(s,3H)、2.00(d,J=8.5Hz,2H)、1.79(brm,2H)、1.66(brm,2H)、1.48(brm,2H);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ −133.30(brs,1F);LC−MS:方法L、RT=2.182分間、MS(ESI) m/z:560.20(M+H)+
実施例056
rac−シス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル ピリジン−4−イルカルバマート
実施例056(7.8mg、0.014ミリモル、収率41%)は実施例055について記載される方法によって製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 10.11(s,1H)、8.64(s,1H)、8.49(s,1H)、8.32(d,J=5.2Hz,2H)、8.00(d,J=8.2Hz,1H)、7.89(d,J=11.6Hz,1H)、7.76(s,1H)、7.41(d,J=5.5Hz,2H)、5.12(brm,1H)、4.81(br.m,1H)、4.04(s,3H)、2.58(s,3H)、2.11−1.92(m,2H)、1.79(brm,2H)、1.66(brm,2H)、1.48(brm,2H);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ −133.31(brs,1F);LC−MS:方法L、RT=2.208分間、MS(ESI) m/z:560.20(M+H)+
実施例057
rac−シス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル(6−メトキシピリジン−3−イル)カルバマート
実施例057(8.6mg、0.014ミリモル、収率42%)は実施例055について記載される方法によって製造された。1H NMR(500MHz、CDCl3) δ 8.61(s,1H)、8.54(s,1H)、8.03(s,1H)、7.82(d,J=8.0Hz,1H)、7.77(s,1H)、7.72(s,1H)、7.54(s,1H)、6.68(s,1H)、6.47(s,1H)、5.08(m,1H)、4.71(m,1H)、4.14(s,3H)、3.86(s,3H)、2.66(s,3H)、2.17(m,2H)、1.81(m,4H)、1.51(m,2H);19F NMR(471MHz、CDCl3) δ −132.49(s,1F);LC−MS:方法H、RT=1.30分間、MS(ESI) m/z:590.3(M+H)+
実施例058
シス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル ピリジン−3−イルカルバマート(エナンチオマー1)
実施例059
シス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロヘキシル ピリジン−3−イルカルバマート(エナンチオマー2)
実施例055(10.6mg、0.019ミリモル)をキラルSFC(PIC Solution 200 SFC、Chiralpak IAカラム、21x250mm、5ミクロン、40%EtOH/60%CO2;45mL/分間、150バール、40℃、220nm)に付して分離し、実施例058(ピーク1、5.1mg、0.009ミリモル、保持時間:10.7分間、>99%ee)および実施例059(ピーク2、4.8mg、0.008ミリモル、保持時間 :12.9分間、>99%ee)を生成物として得た。
実施例058:1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 9.88(brs,1H)、8.75(s,1H)、8.63(brs,1H)、8.59(d,J=2.0Hz,1H)、8.19(brs,1H)、8.08(d,J=8.6Hz,1H)、7.96(d,J=11.4Hz,1H)、7.85(s,2H)、7.32−7.26(m,1H)、5.12(m,1H)、4.85(m,1H)、4.09(s,3H)、2.64(s,3H)、2.04(m,2H)、1.81(m,2H)、1.68(m,2H)、1.49(m,2H);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ −133.31(s,1F);LC−MS:方法H、RT=1.07分間、MS(ESI) m/z:560.2(M+H)+
実施例059:1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 9.88(s,1H)、8.75(s,1H)、8.62(s,1H)、8.59(d,J=2.0Hz,1H)、8.18(d,J=4.8Hz,1H)、8.08(d,J=8.4Hz,1H)、7.96(d,J=11.7Hz,1H)、7.85(s,2H)、7.29(dd,J=8.3、4.5Hz,1H)、5.14(m,1H)、4.86(m,1H)、4.09(s,3H)、2.64(s,3H)、2.05(m,2H)、1.81(m,2H)、1.70(m,2H)、1.51(m,2H);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ −133.31(s,1F);LC−MS:方法H、RT=1.07分間、MS(ESI) m/z:560.2(M+H)+
実施例060
シス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブタノール(ホモキラル)
実施例60(84mg、0.204ミリモル、収率76%)は、実施例001Aについて記載される方法によって、I−09(86mg、0.270ミリモル)およびI−20(88mg、0.405ミリモル)より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 8.69(s,1H)、8.54(s,1H)、7.92(d,J=11.6Hz,1H)、7.80(s,1H)、7.76(d,J=8.2Hz,1H)、4.79(brs,1H)、4.53(brs,1H)、4.06(s,3H)、2.54(s,3H)、2.28−2.07(m,3H)、1.93(m,1H);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ −133.75(brs,1F);LC−MS:方法H、RT=1.16分間、MS(ESI) m/z:412.0(M+H)+
実施例061
rac−シス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブチル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例061(5.6mg、0.10ミリモル、35%)は、実施例055について記載される方法によって、I−07およびI−20より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.86−10.00(1H,m)、8.71(1H,s)、8.59(2H,s)、8.53(1H,d,J=1.22Hz)、7.92(1H,d,J=11.60Hz)、7.77−7.86(2H,m)、5.44(1H,d,J=3.66Hz)、5.15(1H,d,J=3.05Hz)、4.08(3H,s)、2.63(3H,s)、2.39−2.45(1H,m)、2.35(3H,brs)、2.20−2.32(2H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −138.91(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=2.20分間、MS(ESI) m/z:547.30(M+H)+
実施例062
シス−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブチル (2−((R)−2−ヒドロキシプロポキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート(ホモキラル)
実施例062は、実施例001について記載される方法によって、I−08およびI−31より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.78(1H,brs)、8.69(1H,s)、8.52(1H,brs)、8.43(2H,brs)、7.92(1H,d,J=11.90Hz)、7.80(2H,brs)、5.44(1H,brs)、5.15(1H,brs)、4.08(3H,s)、3.91(1H,brs)、3.82(2H,brs)、3.36(1H,d,J=11.29Hz)、2.62(3H,s)、2.42(1H,brs)、2.34(1H,brs)、2.19−2.31(2H,m)、1.04(3H,brs);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −133.81(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=2.19分間、MS(ESI) m/z:607.0(M+H)+
実施例063〜073は、実施例001について、上記の実施例について記載される方法を用いて、対応する環状ジオールおよびアニリン中間体から製造され、単離かつ特徴付けられた。
実施例074
シス−2−((5−フルオロ−2−(3−メトキシ−6−メチルキノリン−8−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブチル (2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート(ホモキラル)
実施例074A:シス−2−((2−クロロ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブチル カルボノクロリダート
I−08(80mg、0.251ミリモル)をTHF(5mL)に溶かし、ホスゲン(1.795mL、2.51ミリモル)を用いて室温で18時間処理した。その翌日に、溶媒を除去し、残渣をHVACで1時間乾燥させた。該粗生成物を次の工程に精製することなく使用した。LC−MS:方法H、RT=1.09分間、MS(ESI) m/z:336.0(M+H)+
実施例074B:シス−2−((2−クロロ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブチル (2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、中間体I−30(0.135g、0.502ミリモル)をDCM(4mL)に溶かし、ピリジン(0.061mL、0.753ミリモル)と混合した。該混合物に、実施例074A(0.084g、0.251ミリモル)/DCM(2mL)を滴下して加えた。その混合物を室温で3時間攪拌した。次に溶媒を除去し、残渣を精製することなく次の工程に使用した。LC−MS:方法H、RT=1.27分間、MS(ESI) m/z:569.0(M+H)+
実施例074C:シス−2−((2−クロロ−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロブチル (2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例074B(0.142g、0.25ミリモル)をTHF(10mL)に溶かし、HCl(ジオキサン中4M)(1mL、4.00ミリモル)を添加した。該混合物を室温で1時間攪拌した。LC/MSは部分的な反応物を示した。該反応物を室温で一夜攪拌した。その翌日に、溶媒を除去し、該生成物を精製することなく使用した。LC−MS:方法H、RT=0.85分間、MS(ESI) m/z:455.0(M+H)+
実施例074:
攪拌棒を装着したバイアルにおいて、実施例074A(11.37mg、0.025ミリモル)を1,4−ジオキサン(1mL)に溶かした。I−28(11.22mg、0.038ミリモル)を添加し、つづいてNa2CO3(0.30mL、0.600ミリモル)およびPdCl2(dppf)−CH2Cl2アダクト(2.042mg、2.500マイクロモル)を加えた。該混合物を80℃で30分間攪拌した。室温に冷却した後、該反応物をEtOAc(10mL)/H2O(5mL)によって希釈した。分離を行った後、有機相をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物を逆相分取性HPLC、方法Dに付して精製し、実施例074(5.0mg、0.008ミリモル、収率34%)を生成物として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.69−9.87(1H,m)、8.78(1H,d,J=2.44Hz)、8.58(1H,s)、8.46(2H,brs)、7.92(1H,d,J=11.60Hz)、7.86(2H,d,J=3.05Hz)、7.82(1H,d,J=8.24Hz)、5.44(1H,brs)、5.15(1H,brs)、4.07(2H,brs)、3.99(3H,s)、3.59(1H,brs)、3.37(2H,brs)、2.61(3H,s)、2.19−2.46(4H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −134.39〜−133.94(1F,m);LC−MS:方法H、RT=0.95分間、MS(ESI) m/z:592.1(M+H)+
実施例075〜083
以下のさらなる実施例は、実施例074について、上記の実施例について記載される方法を用いて、対応する環状ジオールおよびボロン酸/エステル中間体から製造され、単離かつ特徴付けられた。
実施例084
(シス)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジメチルシクロペンチル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート エナンチオマー1
実施例085
(シス)−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジメチルシクロペンチル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート エナンチオマー2
実施例083(7mg、0.012ミリモル)を、キラルSFC(Waters Berger MGII SFC、Chiralpak IB、30x250mm、5ミクロン カラム;35%MeOH/EtOH(1:1)/65%CO2、85mL/分間、150バール、40℃、220nm)に付して分離した。
(保持時間:7.41分間)で溶出した、第1立体異性体が実施例084である:1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 8.67(2H,s)、8.59(1H,d,J=1.76Hz)、8.55(1H,s)、7.80(1H,d,J=11.44Hz)、7.77(1H,s)、7.49(1H,d,J=7.70Hz)、6.56(1H,brs)、5.38(1H,d,J=3.96Hz)、4.95−5.03(1H,m)、4.14(3H,s)、2.66(3H,s)、2.60(3H,s)、1.94−2.13(4H,m)、1.27(3H,s)、1.15(3H,s);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ ppm −133.34(1F,s);LC−MS:方法H、RT=1.27分間、MS(ESI) m/z:589.2(M+H)+
(保持時間:11.47分間)で溶出した、第2立体異性体が実施例085である:1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 8.67(2H,s)、8.59(1H,d,J=1.76Hz)、8.55(1H,s)、7.79(1H,d,J=11.44Hz)、7.77(1H,s)、7.48(1H,d,J=7.70Hz)、6.57(1H,brs)、5.28−5.52(1H,m)、4.99(1H,q、J=4.77Hz)、4.14(3H,s)、2.65(3H,s)、2.60(3H,s)、1.94−2.13(4H,m)、1.26(3H,s)、1.15(3H,s);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ ppm −133.35(1F、brs);LC−MS:方法H、RT=1.27分間、MS(ESI) m/z:589.2(M+H)+
実施例086
rac−シス−4−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)テトラヒドロフラン−3−イル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例086は、実施例001について記載される方法によって、I−15およびI−20より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 10.14−9.98(m,1H)、8.73(s,1H)、8.60(s,2H)、8.54(d,J=1.4Hz,1H)、8.04(d,J=8.3Hz,1H)、7.92(d,J=11.6Hz,1H)、7.83(s,1H)、5.56(q,J=5.2Hz,1H)、5.30(d,J=5.2Hz,1H)、4.25(dd,J=9.6、5.8Hz,1H)、4.12(dd,J=9.9、5.5Hz,1H)、4.08(s,3H)、3.94(ddd,J=9.8、7.6、4.5Hz,2H)、2.62(s,3H)、2.39(s,3H);LC−MS:方法L、RT=1.781分間、MS(ESI) m/z:563.15(M+H)+
実施例087
rac−シス−4−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)テトラヒドロフラン−3−イル (6−メトキシピリジン−3−イル)カルバマート
実施例087は、実施例001について記載される方法によって、I−15およびI−20より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 9.68(brs,1H)、8.67(s,1H)、8.49(s,1H)、8.05(brs,1H)、7.98(d,J=8.2Hz,1H)、7.89(d,J=11.6Hz,1H)、7.77(s,1H)、7.60(d,J=7.3Hz,1H)、6.64(d,J=8.8Hz,1H)、5.52(d,J=4.9Hz,1H)、5.26(d,J=4.9Hz,1H)、4.24(dd,J=9.5、5.8Hz,1H)、4.11(dd,J=9.8、5.5Hz,1H)、4.05(s,3H)、3.92(d,J=4.3Hz,2H)、3.65(brs,3H)、2.59(s,3H);LC−MS:方法H、RT=1.15分間、MS(ESI) m/z:578.3(M+H)+
実施例088
rac−シス−3−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル (6−メトキシピリジン−3−イル)カルバマート
実施例088は、実施例053について記載される方法によって、I−16およびI−20より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 9.57(brs,1H)、8.66(s,1H)、8.50(s,1H)、8.10(brs,1H)、8.00(d,J=7.9Hz,1H)、7.94(s,1H)、7.91(d,J=11.6Hz,1H)、7.77(s,1H)、7.65(brs,1H)、5.19(d,J=8.5Hz,1H)、4.87(brs,1H)、4.05(s,3H)、3.89(brs,1H)、3.74(d,J=11.6Hz,1H)、3.65−3.58(m,1H)、2.88(s,4H)、2.15(d,J=9.8Hz,1H)、1.89(d,J=10.1Hz,1H);LC−MS:方法L、RT=2.01分間、MS(ESI) m/z:592.05(M+H)+
実施例089
rac−シス−3−((2−(7−シアノ−2−メトキシキノキサリン−5−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル (6−メトキシピリジン−3−イル)カルバマート
実施例089は、実施例053について記載される方法によって、I−16およびI−25より製造された。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ 8.95(s,1H)、8.85(d,J=1.8Hz,1H)、8.55(d,J=1.8Hz,1H)、8.13−8.05(m,2H)、8.00(d,J=11.4Hz,1H)、7.65(brs,1H)、6.66(d,J=8.8Hz,1H)、5.21(brs,1H)、4.92(brs,1H)、4.13(s,3H)、4.02(brs,1H)、3.88(brs,1H)、3.67(s,3H)、2.17(d,J=10.1Hz,1H)、1.90(d,J=8.4Hz,1H);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ −132.28(brs,1F);LC−MS:方法L、RT=1.04分間、MS(ESI) m/z:603.2(M+H)+
実施例090
rac−トランス−ベンジル 3−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシラート
窒素雰囲気下、I−27(72mg、0.211ミリモル)をベンジル 6−オキサ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキシラート(185mg、0.844ミリモル)と一緒にDMF(1mL)中で混合した。無水Cs2CO3(103mg、0.316ミリモル)を添加した。該混合物を80℃で6時間攪拌した。室温に冷却した後、該反応物を20mLのEtOAcおよび20mLの水を添加することで希釈した。分離を行った後、水層をEtOAc(20mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。該粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(24g シリカ)に付し、0−100%EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出して精製した。所望のフラクションを集め、溶媒を除去して実施例090(177mg、0.316ミリモル、収率150%)を黄色の固体として得、それは未反応の出発材料をいくらか含有する。1H NMR(400MHz、CDCl3) δ ppm 8.62(1H,d,J=1.76Hz)、8.56(1H,s)、7.84(1H,d,J=11.44Hz)、7.78(1H,s)、7.49(1H,d,J=7.70Hz)、7.31−7.43(5H,m)、5.18(2H,brs)、4.78(1H,brs)、4.58(1H,brs)、4.14(3H,s)、3.82−3.99(2H,m)、3.80(1H,s)、3.63(1H,dd,J=19.81、11.88Hz)、2.66(3H,s);19F NMR(376MHz、CDCl3) δ ppm −140.59〜−128.86(1F,m);LC−MS:方法H、RT=1.27分間、MS(ESI) m/z:561.1(M+H)+
実施例091
rac−シス−tert−ブチル 3−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4−(((2−メチルピリミジン−5−イル)カルバモイル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例091は、実施例001について記載される方法によって、I−17およびI−20より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 8.72−8.68(m,1H)、8.67(s,2H)、8.52(brs,1H)、8.04(d,J=6.7Hz,1H)、7.93(brs,1H)、7.78(s,1H)、5.15(m,1H)、4.94(m,1H)、4.33(m,1H)、4.05(s,3H)、3.32−3.20(m,1H)、3.06−2.96(m,1H)、2.59(s,3H)、2.54(s,3H)、2.14−1.98(m,2H)、1.93−1.81(m,2H)、1.00(s,9H);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ −133.36(s,1F);LC−MS:方法L、RT=2.427分間、MS(ESI) m/z:676.2(M+H)+
実施例092
rac−シス−tert−ブチル 3−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4−(((6−メトキシピリジン−3−イル)カルバモイル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシラート
実施例092は、実施例001について記載される方法によって、I−17およびI−20より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 8.70(s,1H)、8.55(brs,1H)、8.18(brs,1H)、8.05(brs,1H)、7.97(d,J=11.6Hz,1H)、7.81(s,1H)、7.72(brs,1H)、6.73(d,J=8.2Hz,1H)、5.14(m,1H)、4.94(m,1H)、4.35(m,1H)、4.07(s,3H)、3.74(s,3H)、3.27(d,J=15.3Hz,1H)、3.09−2.94(m,1H)、2.61(s,3H)、2.07(m,1H)、1.88(m,1H)、1.40(m,2H)、1.02(s,9H);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ −133.30(brs,1F);LC−MS:方法M、RT=2.677分間、MS(ESI) m/z:691.20(M+H)+
実施例093
rac−シス−3−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)ピペリジン−4−イル (6−メトキシピリジン−3−イル)カルバマート
実施例092(37mg、0.054ミリモル)をDCM(2mL)に溶かし、TFA(500μl、6.49ミリモル)を用いて室温で1時間処理した。次に溶媒を除去し、該残渣を逆相分取性HPLC、方法Dに付して精製し、実施例093(2.5mg、0.004ミリモル、収率8%)を生成物として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.53(1H,brs)、8.63(1H,s)、8.48(1H,s)、8.08(1H,brs)、7.98(1H,d,J=7.93Hz)、7.90(1H,d,J=11.29Hz)、7.77(1H,s)、7.64(1H,brs)、6.67(1H,d,J=8.85Hz)、5.15(1H,brs)、4.79(1H,brs)、4.04(4H,s)、3.24(1H,brs)、3.05(1H,d,J=12.51Hz)、2.92−3.01(1H,m)、2.81(1H,brs)、2.54(6H,s)、1.97−2.11(1H,m)、1.80−1.88(1H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −132.44(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=1.757分間、MS(ESI) m/z:590.45(M+H)+
実施例094
rac−シス−1−アセチル−3−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)ピペリジン−4−イル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例094A:シス−3−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)ピペリジン−4−イル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート・TFA塩
攪拌棒を装着した丸底フラスコにて、実施例091(136mg、0.201ミリモル)をDCM(2mL)に溶かし、TFA(1mL、12.98ミリモル)を用いて室温で30分間処理した。次に溶媒を真空下で除去し、残渣をHVACで2時間乾燥させて粗生成物を得、それを精製することなく用いた。LC−MS:方法H、RT=0.85分間、MS(ESI) m/z:576.1(M+H)+
実施例094:
攪拌棒を装着したバイアルにおいて、実施例094A(35mg、0.051ミリモル)をTHF(1mL)に溶かし、ピリジン(0.012mL、0.152ミリモル)を添加し、つづいてAc2O(4.79μl、0.051ミリモル)を加えた。該混合物を室温で1時間攪拌した。次に溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、該残渣を逆相分取性HPLC、方法Dに付して精製し、実施例094(11.7mg、0.019ミリモル、収率37%)を生成物として得た。LC−MS:方法L、RT=1.968分間、MS(ESI) m/z:618.30(M+H)+
実施例095
rac−シス−3−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−1−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
攪拌棒を装着したバイアルにおいて、実施例094A(13mg、0.023ミリモル)をDCM(1mL)に懸濁させ、塩化メタンスルホニル(12.94mg、0.113ミリモル)を、つづいてDIEA(0.032mL、0.181ミリモル)を添加した。該混合物を室温で30分間攪拌した。次に溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を逆相分取性HPLCに付し、方法Dを用いて精製し、実施例095(5.2mg、0.008ミリモル、収率35%)を生成物として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.96(1H,brs)、8.64(3H,d,J=13.12Hz)、8.49(1H,s)、8.05(1H,d,J=7.93Hz)、7.92(1H,d,J=11.29Hz)、7.78(1H,s)、5.17(1H,d,J=7.32Hz)、4.98(1H,brs)、4.05(3H,s)、3.69−3.83(1H,m)、3.20−3.34(1H,m)、2.97(3H,s)、2.59(3H,s)、2.39(3H,s)、2.20(1H,d,J=9.46Hz)、2.01(1H,brs)、1.03(1H,d,J=5.80Hz);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −132.69(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=2.031分間、MS(ESI) m/z:654.25(M+H)+
実施例096
rac−シス−3−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例096は実施例095の製造のための反応における副生成物として単離された。LC−MS:方法L、RT=2.272分間、MS(ESI) m/z:672.5(M+H)+
実施例097
rac−シス−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート)
実施例097は、実施例053について記載される方法によって、I−10およびI−20より製造された。1H NMR(400MHz、DMSO−d6) δ ppm 10.02(1H,brs)、8.75(1H,s)、8.63(2H,s)、8.56(1H,d,J=1.76Hz)、8.09(1H,d,J=8.14Hz)、7.96(1H,d,J=11.66Hz)、7.85(1H,s)、5.53(1H,d,J=4.40Hz)、5.32(1H,d,J=4.62Hz)、4.10(3H,s)、2.82−2.99(1H,m)、2.71−2.81(1H,m)、2.64(3H,s)、2.54−2.62(2H,m)、2.39(3H,s);19F NMR(376MHz、DMSO−d6) δ ppm −85.28〜−78.90(2F,m)、−133.42(1F,s);LC−MS:方法H、RT=1.13分間、MS(ESI) m/z:597.0(M+H)+
実施例098
rac−シス−2−((2−(6−クロロ−3−メトキシキノリン−8−イル)−5−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−4,4−ジフルオロシクロペンチル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例098は、実施例053について記載される方法によって、I−10および中間体I−29より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 8.88−8.83(m,1H)、8.74(brs,2H)、8.62−8.55(m,1H)、8.17(d,J=1.8Hz,1H)、8.09(d,J=8.2Hz,1H)、8.00(d,J=11.3Hz,1H)、7.92(d,J=2.7Hz,1H)、5.37(brs,1H)、5.17(brs,1H)、3.98(s,3H)、2.98−2.80(m,2H)、2.52(s,3H)、2.41−2.27(m,1H)、2.25−2.12(m,1H);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ −82.56〜−84.40(m,2F)、−133.53(s,1F);LC−MS:方法L、RT=2.442分間、MS(ESI) m/z:616.20(M+H)+
実施例099
(シス)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート(ホモキラル)
実施例099は、実施例053について記載される方法によって、I−12およびI−20より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 9.98(brs,1H)、8.65(s,1H)、8.58(s,2H)、8.47(s,1H)、8.00(d,J=8.2Hz,1H)、7.89(d,J=11.6Hz,1H)、7.78(s,1H)、5.49(brs,1H)、5.32(brs,1H)、4.06(s,3H)、2.98−2.68(m,2H)、2.63(m,2H)、2.60(s,3H)、2.33(s,3H);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ −81.18〜−85.01(m,2F)、−133.36(s,1F);LC−MS:方法L、RT=2.271分間、MS(ESI) m/z:597.10(M+H)+
実施例100
(シス)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート(ホモキラル
実施例099は、実施例053について記載される方法によって、I−11およびI−20より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.95(1H,brs)、8.64(1H,s)、8.56(2H,s)、8.46(1H,s)、7.99(1H,d,J=7.93Hz)、7.87(1H,d,J=11.60Hz)、7.77(1H,s)、5.39−5.55(1H,m)、5.30(1H,brs)、4.04(3H,s)、2.85(1H,d,J=16.48Hz)、2.66−2.78(1H,m)、2.58(2H,m)、2.54(3H,s)、2.32(3H,s);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −84.29〜−81.53(2F,m)、−133.53〜−133.25(1F,s);LC−MS:方法L、RT=2.270分間、MS(ESI) m/z:597.0(M+H)+
実施例101
(シス)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(3−メトキシ−6−メチルキノリン−8−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート(ホモキラル)
実施例101は、実施例053について記載される方法によって、I−12、I−20および中間体I−30より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 9.85(brs,1H)、8.67(s,1H)、8.50(s,1H)、8.47(brs,2H)、8.03(d,J=7.9Hz,1H)、7.92(d,J=11.6Hz,1H)、7.79(s,1H)、5.49(m,1H)、5.30(m,1H)、4.10(m,2H)、4.06(s,3H)、3.58(m,2H)、2.95−2.67(m,2H)、2.60(m,2H)、2.54(s,3H);LC−MS:方法L、RT=2.19分間、MS(ESI) m/z:643.0(M+H)+
実施例102
(シス)−4,4−ジフルオロ−2−((5−フルオロ−2−(3−メトキシ−6−メチルキノリン−8−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)シクロペンチル (2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジン−5−イル)カルバマート ホモキラル
実施例102は、実施例053について記載される方法によって、I−11、I−20および中間体I−30より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ 9.82(brs,1H)、8.63(s,1H)、8.46(m,3H)、7.99(d,J=8.2Hz,1H)、7.89(d,J=11.3Hz,1H)、7.76(s,1H)、5.48(m,1H)、5.29(m,1H)、4.06(m,2H)、4.04(s,3H)、3.51(m,2H)、2.95−2.65(m,2H)、2.63−2.59(m,2H)、2.58(s,3H);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ −81.43〜−84.12(m,2F)、−133.23(s,1F);LC−MS:方法L、RT=2.20分間、MS(ESI) m/z:665.0(M+Na)+
実施例103
rac−シス−5−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−2,2−ジメチルシクロペンタノール
実施例103は、実施例001Aについて記載される方法によって、I−14およびI−20より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 8.70(1H,s)、8.55(1H,s)、7.88−7.97(2H,m)、7.80(1H,s)、4.87(1H,d,J=6.71Hz)、4.68(1H,d,J=5.80Hz)、4.07(3H,s)、3.73(1H,t,J=5.34Hz)、2.61(3H,s)、2.19(1H,d,J=7.93Hz)、1.80(1H,d,J=5.19Hz)、1.59−1.72(1H,m)、1.37(1H,dd,J=12.66、6.56Hz)、1.03(6H,d,J=2.44Hz) ;LC−MS:方法M、RT=2.716分間、MS(ESI) m/z:454.20(M+H)+
実施例104
rac−シス−5−((5−フルオロ−2−(2−メトキシ−7−メチルキノキサリン−5−イル)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)オキシ)−2,2−ジメチルシクロペンチル (2−メチルピリミジン−5−イル)カルバマート
実施例104(10.8mg、0.017ミリモル、収率32%)は、実施例055について記載される操作を介して、実施例103(28mg、0.054ミリモル)より製造された。1H NMR(500MHz、DMSO−d6) δ ppm 9.84(1H,brs)、8.63(1H,s)、8.58(2H,brs)、8.45(1H,s)、7.91(1H,d,J=7.93Hz)、7.81(1H,d,J=11.60Hz)、7.74(1H,s)、5.14(1H,d,J=6.41Hz)、4.83(1H,brs)、4.02(3H,s)、2.56(3H,s)、2.46(3H,brs)、2.37(2H,d,J=5.80Hz)、1.86(1H,brs)、1.73(1H,brs)、1.44−1.56(1H,m)、1.05−1.15(6H,m);19F NMR(471MHz、DMSO−d6) δ ppm −133.68(1F、brs);LC−MS:方法L、RT=2.521分間、MS(ESI) m/z:589.20(M+H)+