JP2019522755A - ピン歯サイクロイド減速機および産業用ロボット - Google Patents

ピン歯サイクロイド減速機および産業用ロボット Download PDF

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Abstract

【課題】ピン歯サイクロイド減速機、およびそれを備える産業用ロボットを提供する。【解決手段】ピン歯サイクロイド減速機は、軸方向に配置された第1サイクロイド構造システムおよび第2サイクロイド構造システムを備える。第1サイクロイド構造システムは偏心軸上にスリーブ接続され、それぞれのサイクロイド構造システムは軸方向において少なくとも1つのサイクロイド構造を有する。サイクロイド構造は、サイクロイドディスクと、周方向に配列された複数のピン歯と、ピン歯ハウジングと、を備え、それらの構成要素は径方向において内側から外側に連続的に配置される。複数のピン歯は、ピン歯ハウジングに回転可能な状態で固定され、サイクロイドディスクは複数のピン歯と係合する。ピン歯サイクロイド減速機に含まれる複数のピン歯ハウジングは、すべて同軸上に配置される。第2サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも1つのサイクロイドディスクと、第1サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも1つのサイクロイドディスクとは、周方向に固定され、それらの周方向に固定された複数のサイクロイドディスクは、同軸上に配置される。偏心軸から、第1サイクロイド構造システムに含まれるサイクロイドディスクへと動力を伝達する際に、ピン歯サイクロイド減速機に第1の減速が生じる。次に、そのサイクロイドディスクから、第2サイクロイド構造システムに含まれるピン歯ハウジングへと動力を伝達する際に、ピン歯サイクロイド減速機に第2の減速が生じる。このようにして減速が実現される。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に減速機の技術分野に関し、具体的には、ピン歯サイクロイド減速機および産業用ロボットに関する。
産業用ロボットは、製造プロセス中の人間による労働に代わって、さまざまな運動または処理を行い得る機械である。産業用ロボットは、さまざまな働きをする目的で、アクチュエータと、そのアクチュエータを駆動する動力源と、を備える。減速機は、通常、動力源とアクチュエータとの間に配置され、モータや、内燃機関等からアクチュエータへと高速に動力を出力することにより、速度を低下させ、トルクを増大させる。
現在のところ、日本のナブテスコ株式会社の製造によるRV型減速機(ピン歯車サイクロイド減速機)が、そのコンパクトな構造と強力な伝達能力により、産業用ロボットの分野において最も広く普及した減速機となっている。RV型減速機は、一般に、ピン歯ハウジングと、そのピン歯ハウジング内でサイクロイド運動が可能なサイクロイドディスクと、ピン歯ハウジング―サイクロイドディスク間に配置された複数のピン歯と、を有する。サイクロイドディスクは、ピン歯ハウジング内でサイクロイド運動を行うことにより、減速を実現する。RV型減速機は、遊星キャリアをさらに有する。遊星キャリアは、偏心軸を介してサイクロイドディスクに接続される。これにより、サイクロイドディスクのサイクロイド運動が遊星キャリアに伝わり、遊星キャリアに回転が生じることにより、動力を出力する。
しかし研究によれば、このようなRV型減速機は、部品の点数が比較的多く、構造も複雑であり、かつ部品間加工精度も非常に高いので、歩留まりが低くなることが分かっている。また、調査結果によれば、このようなRV型減速機は、使用中に破損しやすい(特に遊星キャリアとサイクロイドディスクとの間に配置される偏心軸にはその傾向が強い)こと、さらに応力が集中することにより摩耗し、破損しやすいことも分かってきている。
したがって、出力用に遊星キャリアを用いない新しいタイプのサイクロイド減速機であって、構造が比較的単純で、製造も容易であり、さらに遊星キャリアを用いないため、その構成部品が使用中に簡単に破損することもない、新しいタイプのサイクロイド減速機が今求められている。
本開示の実施の形態によれば、製造が容易であり、かつ簡単に破損することのない、新しいタイプのピン歯サイクロイド減速機が提供される。
軸方向に配置された第1サイクロイド構造システムおよび第2サイクロイド構造システムを備える、ピン歯サイクロイド減速機が提供される。上記第1サイクロイド構造システムは、偏心軸上にスリーブ接続され、それぞれのサイクロイド構造システムは上記軸方向において少なくとも1つのサイクロイド構造を有する。上記サイクロイド構造は、サイクロイドディスクと、周方向に配列された複数のピン歯と、ピン歯ハウジングと、を備える。これらサイクロイドディスク、複数のピン歯、およびピン歯ハウジングは、径方向において内側から外側に連続的に配置される。上記複数のピン歯は上記ピン歯ハウジングに回転可能な状態で固定され、上記サイクロイドディスクは上記複数のピン歯と係合する。上記ピン歯サイクロイド減速機に含まれる複数のピン歯ハウジングは、すべて同軸上に配置される。上記第2サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも1つのサイクロイドディスクと、上記第1サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも1つのサイクロイドディスクは、周方向に固定され、それらの周方向に固定されたサイクロイドディスクは、同軸上に配置される。上記偏心軸が回転すると、上記第1サイクロイド構造システムに含まれる上記サイクロイドディスクは、対応する上記ピン歯ハウジングに対して第1角度αだけ回転し、上記第2サイクロイド構造システムに含まれる上記サイクロイドディスクは、対応する上記ピン歯ハウジングに対して第2角度βだけ回転する。ここで、上記第1角度αは上記第2角度βに等しくない。
ある実施の形態において、上記第2サイクロイド構造システムは、上記偏心軸上にスリーブ接続される。
ある実施の形態では、上記第1サイクロイド構造システムにおいてサイクロイド構造が1つ配置され、上記第2サイクロイド構造システムにおいてサイクロイド構造が1つ配置される。
ある実施の形態において、上記第1サイクロイド構造システムおよび上記第2サイクロイド構造システムは、共に上記軸方向に順に配置された少なくとも2つのサイクロイド構造を有する。上記第1サイクロイド構造システムに含まれる上記少なくとも1つのサイクロイドディスクの個数は、上記第2サイクロイド構造システムに含まれる上記少なくとも1つのサイクロイドディスクの個数と等しい。上記第1サイクロイド構造システムに含まれる上記少なくとも1つのサイクロイドディスクおよび上記第2サイクロイド構造システムに含まれる上記少なくとも1つのサイクロイドディスクは、周方向において一対一に対応するように固定接続される。
ある実施の形態では、上記第1サイクロイド構造システムおよび上記第2サイクロイド構造システムにおいて、上記軸方向における間隔が最短である2つのサイクロイドディスクが周方向に固定され、その他のサイクロイドディスクは周方向に固定される。
ある実施の形態において、上記偏心軸は複数の偏心部を有し、それら複数の偏心部から選択されたいずれか2つの偏心部の偏心位相は、同相または逆相である。
ある実施の形態において、上記複数の偏心部の個数は偶数であり、上記複数の偏心部のうち半分はそれらのすべてが第1方向に面し、上記複数の偏心部の残り半分は第2方向に面し、上記第1方向および上記第2方向は互いに逆方向である。
ある実施の形態において、上記ピン歯サイクロイド減速機は、上記サイクロイドディスクの周方向における固定接続を実現する、少なくとも1つのコネクタをさらに備える。
ある実施の形態において、上記少なくとも1つのコネクタの個数は複数であり、それら複数のコネクタは上記周方向において一定の間隔で配列される。
ある実施の形態において、上記コネクタは、ピン、ボルトおよびネジからなる群から選択される。
ある実施の形態において、上記周方向に固定されたサイクロイドディスクは、一体構造を有する。
ある実施の形態において、上記コネクタは、上記軸方向においてこの順に配置された第1接続部および第2接続部を備える。上記第1接続部は上記第1サイクロイド構造システムに含まれる上記サイクロイドディスクに接続され、上記第2接続部は上記第2サイクロイド構造システムに含まれる上記サイクロイドディスクに接続される。上記第1接続部および上記第2接続部は、同一直線上には配置されない。これにより、上記周方向に固定された複数のサイクロイドディスクは、上記周方向において角度差を有する。
ある実施の形態において、上記減速機に含まれる少なくとも1つのサイクロイド構造において、上記ピン歯ハウジングの内周面上にピン歯切欠きが形成され、上記複数のピン歯は、上記ピン歯切欠き内に配置される。
ある実施の形態において、上記ピン歯サイクロイド減速機は、制限部材をさらに備える。上記制限部材は上記ピン歯切欠きにおける上記複数のピン歯の軸方向移動を制限するように構成される。
ある実施の形態において、上記制限部材は、上記偏心軸上にスリーブ接続された環状隔離板を備える。上記環状隔離板は、上記ピン歯切欠きの軸方向一端に固定配置される。
ある実施の形態では、上記減速機に含まれる少なくとも1つのサイクロイド構造において、上記複数のピン歯は、上記軸方向に少なくとも2つの列を形成するように構成される。それらの列のうち同一の列に含まれる複数のピン歯は、周方向に配列される。
ある実施の形態では、上記第1サイクロイド構造システムにおいて、上記サイクロイドディスクの歯数は、10本から55本の範囲内であり、上記ピン歯ハウジングの歯数も10本から55本の範囲内であり、および/または、上記第2サイクロイド構造において、上記サイクロイドディスクの歯数は、10本から55本の範囲内であり、上記ピン歯ハウジングの歯数も10本から55本の範囲内である。
ある実施の形態では、上記減速機に含まれる上記少なくとも1つのサイクロイド構造において、上記サイクロイドディスクと上記ピン歯ハウジングとは、一対一に対応するように配置されるか、または、上記減速機に含まれる上記少なくとも1つのサイクロイド構造において、1つのサイクロイドディスクが少なくとも2つのピン歯ハウジングに対応するか、または、上記第1サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも2つの隣接するサイクロイド構造が、同一のピン歯ハウジングを共有するか、または、上記第2サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも2つの隣接するサイクロイド構造が、同一のピン歯ハウジングを共有する。
ある実施の形態では、上記第1サイクロイド構造システムにおいて、複数のピン歯ハウジングがすべて固定接続される。または、上記第1サイクロイド構造システムに含まれる上記少なくとも1つのサイクロイド構造が、同一のピン歯ハウジングを共有する。
ある実施の形態では、上記第2サイクロイド構造システムにおいて、複数のピン歯ハウジングがすべて固定接続される。または、上記第2サイクロイド構造システムに含まれる上記少なくとも1つのサイクロイド構造が、同一のピン歯ハウジングを共有する。
ある実施の形態では、上記第1サイクロイド構造システムにおいて、少なくとも1つのサイクロイドディスクが上記偏心軸に軸受けを介して接続される。
ある実施の形態では、上記第2サイクロイド構造システムにおいて、少なくとも1つのサイクロイドディスクが上記偏心軸に軸受けを介して接続され、かつ/または、少なくとも1つのピン歯ハウジングが上記偏心軸に軸受けを介して接続される。
ある実施の形態において、上記軸受けは、ケージと、上記ケージ内に配置された複数のローラと、を備える。上記複数のローラは、上記偏心軸および上記サイクロイドディスクに接触する。
ある実施の形態において、上記ピン歯サイクロイド減速機は、外装をさらに備える。上記第1サイクロイド構造システムに含まれる上記ピン歯ハウジングは、上記外装上に固定配置される。
ある実施の形態では、上記第2サイクロイド構造システムにおいて、少なくとも1つのピン歯ハウジングが、上記軸受けを介して上記外装に接続される。
ある実施の形態において、上記ピン歯サイクロイド減速機は、オイルシールをさらに備える。上記オイルシールは、上記ピン歯ハウジングと、上記外装との間に配置される。上記ピン歯ハウジングおよび上記外装は軸受けを介して互いに接続される。
ある実施の形態において、上記ピン歯サイクロイド減速機はカバー板をさらに備える。上記カバー板、上記第1サイクロイド構造システムに含まれる上記ピン歯ハウジング、および上記外装は、上記軸方向に連続的に配置される。上記第1サイクロイド構造システムに含まれる上記ピン歯ハウジングは、上記外装と上記カバー板との間で軸方向に固定される。上記カバー板は、上記軸受けを介して上記偏心軸に接続される。
動力源と、アクチュエータと、を備え、上記ピン歯サイクロイド減速機をさらに備える、産業用ロボットがさらに提供される。この産業用ロボットにおいては、上記動力源の回転速度を低下させ、そのようにして低下させた速度を上記アクチュエータに出力するように構成された上記ピン歯サイクロイド減速機が、上記動力源と上記アクチュエータとの間に固定配置される。
本開示の実施の形態は、従来の技術に対し、次のような効果を奏する。
本開示の実施の形態によれば、ピン歯サイクロイド減速機に含まれる第1サイクロイド構造システムおよび第2サイクロイド構造システムは、軸方向に配置され、第1サイクロイド構造システムに含まれるサイクロイドディスク、および第2サイクロイド構造システムに含まれるサイクロイドディスクは、周方向に固定され、かつ偏心軸上に回転可能な状態で配置される。偏心軸が回転すると、第1サイクロイド構造システムに含まれるサイクロイドディスクが、ピン歯ハウジング内でサイクロイド運動を行う。このようにして、偏心軸の回転運動が、その軸を中心としたサイクロイドディスクの回転を含むサイクロイド運動と、偏心軸を中心とした旋回運動とに変換される。第2サイクロイド構造システムに含まれるサイクロイドディスクは、対応するピン歯ハウジングと連動して、ピン歯ハウジングを駆動し、その軸を中心として回転させる。これにより、サイクロイドディスクのサイクロイド運動が、ピン歯ハウジングの軸を中心とした回転へと変換される。
偏心軸から、第1サイクロイド構造システムに含まれるサイクロイドディスクへと動力を伝達する際に、ピン歯サイクロイド減速機に第1の減速が生じる。さらに、そのサイクロイドディスクから、第2サイクロイド構造システムに含まれるピン歯ハウジングへと動力を伝達する際に、ピン歯サイクロイド減速機に第2の減速が生じる。このようにして減速と、トルクの向上とが実現され得る。さらに、その軸を中心としたピン歯ハウジングの回転運動は、偏心軸の運動を変化させることがないので、出力端として動力を直接に出力可能とする。
また、本開示の実施の形態によれば、ピン歯サイクロイド減速機においてサイクロイド運動を回転運動へと変換する際に、遊星キャリアを用いることはないので、従来の技術と比べて、構造が比較的単純になり、製造が容易になり、歩留まりが向上する。またこれにより、ピン歯サイクロイド減速機が使用時に容易に破損することもなくなり、製品の品質向上にもつながる。
図1は、本開示のある実施の形態によるピン歯サイクロイド減速機内での運動伝達関係を模式的に示す図である。 図2は、本開示のある実施の形態によるピン歯サイクロイド減速機の構造を模式的に示す図である。 図3は、図2に示すピン歯サイクロイド減速機の模式的な分解斜視図である。 図4は、本開示のある実施の形態によるピン歯サイクロイド減速機内での運動伝達関係を模式的に示す図である。 図5は、本開示のある実施の形態によるピン歯サイクロイド減速機の構造を模式的に示す図である。 図6は、図5に示すピン歯サイクロイド減速機の模式的な分解斜視図である。 図7は、図5に示すピン歯サイクロイド減速機において周方向に固定接続されたサイクロイドディスクの一部を模式的に示す図である。
従来の産業用ロボットでは、動力源からアクチュエータへとトルクを出力し、アクチュエータを駆動することにより、対応する動作を実行させるためには、モータや内燃機関のような動力源の高い回転速度を低い回転速度へと低下させることが通常必要になる。現時点では、ピン歯サイクロイド減速機は、回転速度を低下させるように構成される。ピン歯サイクロイド減速機の主要構成要素としては、サイクロイド構造が挙げられる。サイクロイド構造は、その主要構成要素として、径方向の内側から外側へと連続的に配置される、サイクロイドディスク、複数のピン歯、およびピン歯ハウジングを備える。
偏心軸が、入力端としてのサイクロイドディスクを貫通する。偏心軸が回転すると、サイクロイドディスクは、ピン歯ハウジングにより囲まれた領域内においてサイクロイド運動を行うことにより、減速を実現する(すなわち、偏心軸の回転速度を低下させる)。しかしながら、サイクロイドディスクのサイクロイド運動には、その軸を中心としたサイクロイドディスクの回転運動と、旋回軸を中心としたその旋回運動とが含まれる。したがって、サイクロイドディスクは、動力出力端として動力を直接的に出力することができない。
そこで従来の技術では、サイクロイドディスクのサイクロイド運動を、出力動力として利用可能な回転運動へと変換するために、遊星キャリアが設けられるのが一般的である。遊星キャリアとピン歯ハウジングとは同軸上に配置され、遊星キャリアとサイクロイドディスクとは、別に設けられた偏心軸を介して接続される。またそれら複数の偏心軸は、通常、周方向に沿って設けられる。したがって、サイクロイドディスクが回転するにつれて、遊星キャリアを動力出力端としてその軸を中心として回転駆動させることにより、動力を出力することが可能になる。
しかしながら、研究によれば、この種の減速機に用いる高精度部品を製造するには非常に厳しい要求が課せられることが分かってきている。一例を挙げれば、その場合、遊星キャリアとサイクロイドディスクとの間に配置される複数の偏心軸は、互いに厳密に平行である必要がある。それらの偏心軸のいずれか2本の間に角度差が生じると、応力の集中が起こり、それがひいては摩耗や破損につながることになる。また、高精度部品を製造する際の要求が厳しいため、実際の使用にあたっては、特別な注意を払わなければならない。いったん外力が加わったり、誤動作が発生したりすると、減速機は簡単に破損し得る。
そこで本開示では、ピン歯サイクロイド減速機の運動変換を、上述した遊星キャリアを用いることなく達成可能とする、新規で創意あるピン歯サイクロイド減速機を提供する。
具体的には、元々設けられているサイクロイド構造(以下、「第1サイクロイド構造」と称する)に基づき、別のサイクロイド構造(以下、「第2サイクロイド構造」と称する)を軸方向に沿って配置し、第1サイクロイド構造に含まれる第1サイクロイドディスクを、第2サイクロイド構造に含まれる第2サイクロイドディスクに固定接続する。
偏心軸が入力端として、その軸を中心として回転し、第1サイクロイドディスクを駆動することにより、サイクロイド運動を行うとき、その第1サイクロイドディスクが第2サイクロイドディスクを駆動することにより、サイクロイド運動を行う。第2サイクロイドディスクは、第2サイクロイド構造に含まれる第2ピン歯ハウジングと連動して、第2ピン歯ハウジングを駆動することにより、その軸を中心として回転させる。そして出力端としての第2ピン歯ハウジングが動力を出力することにより、運動形態の変換が実現される。
したがって、本開示によれば、軸方向に配置された第1サイクロイド構造システムおよび第2サイクロイド構造システムを備える、ピン歯サイクロイド減速機が提供される。ここで、第1サイクロイド構造システムは、偏心軸上にスリーブ接続され、それぞれのサイクロイド構造システムは軸方向において少なくとも1つのサイクロイド構造を有する。
サイクロイド構造は、サイクロイドディスクと、周方向に配列された複数のピン歯と、ピン歯ハウジングと、を備える。これらサイクロイドディスク、複数のピン歯、およびピン歯ハウジングは、径方向において内側から外側に連続的に配置される。複数のピン歯はピン歯ハウジングに回転可能な状態で固定され、サイクロイドディスクは上記複数のピン歯と係合する。
ピン歯サイクロイド減速機に含まれる複数のピン歯ハウジングは、すべて同軸上に配置される。第2サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも1つのサイクロイドディスクと、第1サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも1つのサイクロイドディスクは、周方向に固定され、それらの周方向に固定されたサイクロイドディスクは、同軸上に配置される。
偏心軸が回転すると、第1サイクロイド構造システムに含まれる複数のサイクロイドディスクはそれぞれ、対応する上記ピン歯ハウジングに対して第1角度αだけ回転し、第2サイクロイド構造システムに含まれる複数のサイクロイドディスクはそれぞれ、対応する上記ピン歯ハウジングに対して第2角度βだけ回転する。ここで、第1角度αは第2角度βに等しくない。すなわち、α≠βである。
本開示によれば、第1サイクロイド構造システムは、サイクロイド構造を1つだけ備えてもよいし、複数のサイクロイド構造を備えてもよい。同様に、第2サイクロイド構造システムも、サイクロイド構造を1つだけ備えてもよいし、複数のサイクロイド構造を備えてもよい。いずれにせよ、第1サイクロイド構造システムに含まれる複数のサイクロイドディスクの1つが、同軸上に配置された第2サイクロイド構造システムに含まれる複数のサイクロイドディスクの1つに固定接続される限り、動力伝達は実現可能であり、運動形態の変換も達成可能である。
また、偏心軸が回転する際に、仮に、第1サイクロイド構造システムに含まれる異なる複数のサイクロイドディスクが、対応する各ピン歯ハウジングに対してそれぞれ異なる角度だけ回転したとする、または、第2サイクロイド構造システムに含まれる異なる複数のサイクロイドディスクが、対応する各ピン歯ハウジングに対してそれぞれ異なる角度だけ回転したとすると、それぞれ異なる回転速度を有する複数のサイクロイドディスクが互いに干渉することになり、ひいては、そのようなピン歯サイクロイド減速機は、通常動作ができなくなってしまう。
したがって、第1サイクロイド構造システムに含まれる複数のサイクロイド構造はすべて、対応する各ピン歯ハウジングに対して、同じ第1角度αだけ回転する必要があり、第2サイクロイド構造システムに含まれる複数のサイクロイド構造はすべて、対応する各ピン歯ハウジングに対して、同じ第2角度βだけ回転する必要がある。またこれら第1角度αおよび第2角度βは等しくないことも必要である。そうでなければ、運動を動力として出力できないからである。
以上に述べた本開示のさまざまな目的、特徴および効果については、添付の図面を参照して以下に述べる具体的な実施の形態の詳細な説明を読めば、より明瞭になるであろう。
ある実施の形態では、第1サイクロイド構造システムにはサイクロイド構造が1つだけ配置され、第2サイクロイド構造システムにもサイクロイド構造が1つだけ配置される。
図1、図2および図3に示すように、ピン歯サイクロイド減速機100は、軸方向に配置された第1サイクロイド構造システムIと、第2サイクロイド構造システムIIとを備える。第1サイクロイド構造システムIは第1サイクロイド構造10を備え、第2サイクロイド構造システムIIは、第2サイクロイド構造20を備える。
第1サイクロイド構造10は、第1サイクロイドディスク11と、周方向に配列された複数の第1ピン歯12と、第1ピン歯ハウジング13とを備える。これら第1サイクロイドディスク11、複数の第1ピン歯12、および第1ピン歯ハウジング13は、径方向において内側から外側へと連続的に配置される。複数の第1ピン歯12は、第1ピン歯ハウジング13に回転可能な状態で固定され、第1サイクロイドディスク11は複数の第1ピン歯12と係合する。
第2サイクロイド構造20は、第2サイクロイドディスク21と、周方向に配列された複数の第2ピン歯22と、第2ピン歯ハウジング23とを備える。これら第2サイクロイドディスク21、複数の第2ピン歯22、および第2ピン歯ハウジング23は、径方向において内側から外側へと連続的に配置される。複数の第2ピン歯22は、第2ピン歯ハウジング23に回転可能な状態で固定され、第2サイクロイドディスク21は複数の第2ピン歯22と係合する。
ピン歯サイクロイド減速機100は、偏心軸30をさらに備える。偏心軸30は偏心部31を有する。偏心軸の軸方向において、偏心部31は、軸方向のそれぞれの位置で同じ偏心位相を有し、同じ偏心度を有する。第1サイクロイドディスク11は、偏心部31上に回転可能な状態でスリーブ接続される。
ある実施の形態において、第1ピン歯ハウジング13と第2ピン歯ハウジング23とは同軸上に配置され、第1サイクロイドディスク11と第2サイクロイドディスク21とは周方向に固定され、同軸上に配置される。偏心軸30が回転すると、第1サイクロイドディスク11は、第1ピン歯ハウジング13に対して第1角度αだけ回転し、第2サイクロイドディスク21は、第2ピン歯ハウジング23に対して第2角度βだけ回転する。ここで、第1角度αは第2角度βに等しくない。
したがって、偏心軸30が入力端として回転すると、偏心部31に配置された第1サイクロイドディスク11が、第1ピン歯ハウジング13の境界により囲まれた領域においてサイクロイド運動を行う(すなわち、第1サイクロイドディスクはその軸を中心として回転し、かつ偏心軸を中心として旋回する)。さらに、第1サイクロイドディスク11は、周方向において固定接続された第2サイクロイドディスク21を駆動することによってもサイクロイド運動を行い、第2ピン歯ハウジング23は、第2サイクロイドディスク21と第2ピン歯ハウジング23との連動により、その軸を中心として回転し始める。とはいうものの、その軸を中心とした第2ピン歯ハウジング23の回転が、偏心軸30の運動(それらのすべては個々の軸を中心とする回転である)に影響を及ぼすことはないので、第2ピン歯ハウジング23は、出力端として動力を直接的に出力することができる。
具体的には、偏心軸30により第1サイクロイド構造10へと動力が伝達される際に、第1ピン歯ハウジング13を周方向に固定し続けた場合、偏心軸30の回転速度をVとし、第1ピン歯ハウジング13の歯数をM1とし、第1サイクロイドディスク11の歯数をN1(ここでM1>N1である)とすると、第1サイクロイドディスク11の回転速度V1は、V1=V/(M1/(M1−N1))により求められる。第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21が周方向に固定される場合、第2サイクロイドディスク21の回転速度V1もまたV1=V/(M1/(M1−N1))により求められる。第2ピン歯ハウジング23の歯数がM2とし、第2サイクロイドディスク21の歯数をN2(ここでM2>N2である)とすると、第2ピン歯ハウジング23の回転速度V2は、V2=V/(M2/(M2−N2))−V/(M1/(M1−N1))により求められる。
したがって、i1=M1/(M1−N1)の場合、i2=M2/(M2−N2)となる。
i1=i2である場合、第2ピン歯ハウジング23の回転速度はV2=0となる。この場合、第2ピン歯ハウジング23は、第1ピン歯ハウジング13に対して周方向に固定され、動力出力としては使用不可となる。
一方、i1<i2である場合、第2ピン歯ハウジング23の回転速度はV2=V/i2−V/i1となる。この場合、第2ピン歯ハウジング23は、第1ピン歯ハウジング13に対して周方向に回転し、動力出力として使用可能になる。その結果、減速が実現でき、第2ピン歯ハウジング23の回転方向は、偏心軸30の回転方向と反対になる。
また、i1>i2である場合、第2ピン歯ハウジング23の回転速度はV2=V/i2−V/i1となる。この場合、第2ピン歯ハウジング23は、第1ピン歯ハウジング13に対して周方向に回転し、動力出力として使用可能になる。その結果、減速が実現でき、第2ピン歯ハウジング23の回転方向は、偏心軸30の回転方向と同じになる。
このサイクロイド構造において、M−Nは歯数差を表す。すなわち、ピン歯ハウジングの歯数と、サイクロイドディスクの歯数との差を表す。
M−N=1である場合、歯数差は1となる。すなわち、この場合、サイクロイドディスクがピン歯ハウジングに対して一回転するたびに、サイクロイドディスクは、ピン歯ハウジングに対して1歯だけ進むことになる。同様に、M−N=2である場合、歯数差は2となる。すなわち、この場合、サイクロイドディスクがピン歯ハウジングに対して一回転するたびに、サイクロイドディスクは、ピン歯ハウジングに対して2歯だけ進むことになる。この伝で言うと、これらの要件によれば、サイクロイド構造を具体的な歯数差に基づいて設計可能ということになる。
ある実施の形態において、第1サイクロイド構造10の歯数差が1であり、かつ第2サイクロイド構造20の歯数差も1である場合、偏心軸30の回転速度はVとなる。
したがって、第1サイクロイドディスク11の回転速度V1はV1=V/M1となり、第2サイクロイドディスク21の回転速度もV1=V/M1となり、第2ピン歯ハウジング23の回転速度V2は、V2=V/M2−V/M1により求められる。
ここで、M1=M2である場合、第2ピン歯ハウジング23は、動力出力としては使用不可となる。M1<M2である場合、第2ピン歯ハウジング23の回転方向は偏心軸30の回転方向の反対となる。M1>M2である場合、第2ピン歯ハウジング23の回転方向は偏心軸30の回転方向と同じになる。
上述した例では、第1サイクロイド構造10および第2サイクロイド構造20の両者において、歯数差が1であるとしたが、別の実施の形態では、第1サイクロイド構造10は、歯数差が2以上であってもよく、第2サイクロイド構造20も、歯数差が2以上であってもよい。
また、第1サイクロイド構造システムIが複数のサイクロイド構造を有する場合、複数のサイクロイドディスクが互いに干渉しないようにするためには、偏心軸が回転する際に、それらすべてのサイクロイド構造において、複数のサイクロイドディスクは、対応するそれぞれのピン歯ハウジングに対して、同じ第1角度αだけ回転する必要があるが、異なる複数のサイクロイド構造は、互いに異なる歯数差を有してもよい。同様に、第2サイクロイド構造システムIIが複数のサイクロイド構造を有する場合、複数のサイクロイドディスクが互いに干渉しないようにするためには、偏心軸が回転する際に、それらすべてのサイクロイド構造において、複数のサイクロイドディスクは、対応するそれぞれのピン歯ハウジングに対して、同じ第2角度βだけ回転する必要があるが、異なる複数のサイクロイド構造は、互いに異なる歯数差を有していてもよい。
ある実施の形態において、ピン歯サイクロイド減速機は、遊星キャリアを用いずに、サイクロイド運動を回転運動に変換する。したがって、全体的な構造は比較的単純であり、製造も容易である。これにより歩留まりを向上させることができる。また、遊星機構が必須でなくなるので、ピン歯サイクロイド減速機が使用中に容易に破損することもなくなる。したがって、製品の品質を向上させることも可能である。
なお、サイクロイド構造において、サイクロイドディスクとピン歯ハウジングとは、一対一に対応させて配置しても良いし、1つのサイクロイドディスクを、2つ以上のピン歯ハウジングに対応させてもよい。また、1列のピン歯のみをサイクロイドディスクとピン歯ハウジングとの間に配置してもよいし、2列以上のニードル歯を周方向に沿って配置してもよい。
ある実施の形態において、第1サイクロイド構造10は、第1ピン歯ハウジング13を1つ、第1ピン歯12を1列だけ有し、第2サイクロイド構造20は、第2ピン歯ハウジング23を1つ、第2ピン歯22を1列だけ有する。
図1に示すように、偏心軸30は、第2サイクロイド構造20を軸方向に貫通する。すなわち、第1サイクロイド構造10および第2サイクロイド構造20は共に、偏心軸30上にスリーブ接続される。具体的には、第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21が、偏心部31上に回転可能な状態でスリーブ接続されることにより、第1サイクロイドディスク11と第2サイクロイドディスク21が同軸上に配置されるようにする。一方、偏心軸30の非偏心部は、第1ピン歯ハウジング13および第2ピン歯ハウジング23それぞれの中心位置を貫通することにより、第1ピン歯ハウジング13と第2ピン歯ハウジング23とが同軸上に配置されるようにする。
ある実施の形態では、偏心軸30は、第1サイクロイド構造10だけを貫通していることもある。その場合、偏心軸30と同一直線上に位置するピニオン軸が、第2ピン歯ハウジング23を貫通することにより、第1ピン歯ハウジング13および第2ピン歯ハウジング23の同軸配置を実現する。その場合、第2サイクロイドディスク21は、第1サイクロイドディスク11上に直接固定される。これにより、第1サイクロイドディスク11と第2サイクロイドディスク21とが同軸上に配置される。
図2および図3に示すように、ピン歯サイクロイド減速機100は、少なくとも1つのコネクタ40をさらに備える。この少なくとも1つのコネクタ40は、第1サイクロイドディスク11と第2サイクロイドディスク21とを周方向に固定接続するように構成される。具体的には、第1サイクロイドディスク11は軸方向に形成された第1取り付け穴41を有し、第2サイクロイドディスク21は軸方向に形成された第2取り付け穴42を有し、これら第1取り付け穴41および第2取り付け穴42は軸方向に対向する。少なくとも1つのコネクタ40が第1取り付け穴41および第2取り付け穴42にそれぞれ挿入されることによって、第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21を周方向に固定する。
少なくとも1つのコネクタ40は、ピン、ボルト、ネジまたはこれらの組み合わせであり得る。具体的には、第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21が対向配置された第1取り付け穴41および第2取り付け穴42をそれぞれ一個ずつ有する場合、少なくとも1つのコネクタ40は、ピン、ネジまたはボルトのいずれか1つの形態をとり得る。一方、第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21が対向配置された複数の第1取り付け穴41および複数の第2取り付け穴42をそれぞれ有する場合、少なくとも1つのコネクタ40は、ピン、ネジまたはボルトのいずれか1つまたはそれらの任意の組み合わせの形態をとり得る。
ある実施の形態において、第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21をより確実に周方向に固定するためには、少なくとも1つのコネクタ40を設け、その少なくとも1つのコネクタ40を周方向に一定の間隔で配列すればよい。その場合、これに応じて、第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21には、やはり周方向に一定の間隔で配列された複数の第1取り付け穴41および複数の第2取り付け穴42がそれぞれ設けられる。
なお上記少なくとも1つのコネクタ40は、第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21を周方向に固定するはたらきをするが、第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21を別のやり方で周方向に固定してもよい。例えば、第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21は一体構造を有してもよいし、第2サイクロイドディスク21を第1サイクロイドディスク11上にスナップ止め、または接着剤の使用により固定してもよい。
図3に示すように、複数の第1ピン歯切欠き14を第1ピン歯ハウジング13の内周面上に形成した上で、複数の第1ピン歯12が第1ピン歯ハウジング13に対して回転可能な状態で固定される。ここで、複数の第1ピン歯切欠き14は、複数の第1ピン歯12のそれぞれと一対一に対応して配置される。なお複数の第1ピン歯12は複数の第1ピン歯切欠き14内に固定配置されるが、複数の第1ピン歯12そのものは自らを中心として回転可能である。
第1サイクロイドディスク11が第1ピン歯ハウジング13内でサイクロイド運動を行うとき、第1サイクロイドディスク11は複数の第1ピン歯12と係合可能であるが、第1サイクロイドディスク11と複数の第1ピン歯2との間には相対的な滑りが生じることはなく、複数の第1ピン歯12が回転することにより、第1サイクロイドディスク11と第1ピン歯ハウジング13との間に相対的な回転が生じる。
同様に、複数の第2ピン歯切欠き24を第2ピン歯ハウジング23の内周面上に形成した上で、複数の第2ピン歯22が第2ピン歯ハウジング23に対して回転可能な状態で固定される。ここで、複数の第2ピン歯切欠き24は、複数の第2ピン歯22のそれぞれと一対一に対応して配置される。なお複数の第2ピン歯22は複数の第2ピン歯切欠き24内に固定配置されるが、複数の第2ピン歯22そのものは自らを中心として回転可能である。
第1サイクロイド構造10において、第1サイクロイドディスク11の歯数および第1ピン歯ハウジング13の歯数は、各種要件に基づいて設定可能である。ある実施の形態では、第1サイクロイドディスク11および第1ピン歯ハウジング13の製造を容易にするために、第1サイクロイドディスク11の歯数は、10〜55本の範囲内で設定され、第1ピン歯ハウジング13の歯数も10〜55本の範囲内で設定される。
同様に、第2サイクロイド構造20においても、第2サイクロイドディスク21の歯数および第2ピン歯ハウジング23の歯数は、各種要件に基づいて設定可能である。ある実施の形態では、第2サイクロイドディスク21および第2ピン歯ハウジング23の製造を容易にするために、第2サイクロイドディスク21の歯数は、10〜55本の範囲内で設定され、第2ピン歯ハウジング23の歯数も10〜55本の範囲内で設定される。
図2および図3に示すように、第1軸受け51が第1サイクロイドディスク11と偏心部31との間に配置される。すなわち、第1サイクロイドディスク11を回転可能な状態で偏心部31上にスリーブ接続可能とするために、第1サイクロイドディスク11は第1軸受け51を介して偏心部31に接続される。同様に、第2軸受け52が第2サイクロイドディスク21と偏心部31との間に配置される。すなわち、第2サイクロイドディスク21を回転可能な状態で偏心部31上にスリーブ接続可能とするために、第2サイクロイドディスク21は第2軸受け52を介して偏心部31に接続される。
第1軸受け51は、ケージと、そのケージ内に配置された複数のローラとを備える。第1軸受け51に含まれる複数のローラは、偏心部31および第1サイクロイドディスク11とそれぞれ接触する。同様に、第2軸受け52も、ケージと、そのケージ内に配置された複数のローラとを備える。第2軸受け52に含まれる複数のローラは、偏心部31および第2サイクロイドディスク21とそれぞれ接触する。換言すれば、第1サイクロイド構造10および第2サイクロイド構造20の径方向寸法をより縮小するために、第1軸受け51にも第2軸受け52にも、内側リングや外側リングが設けられていない。
なお第1軸受け51および第2軸受け52を一個の軸受けとして設計してもよい。すなわち、第1サイクロイドディスク11および第2サイクロイドディスク21を同一の軸受け上にまとめてスリーブ接続してもよい。あるいは、第1軸受け51および第2軸受け52に内側リングおよび外側リングを設けてもよい。そのようにしても、本開示の実現に特に影響が及ぶことはない。
また、第3軸受け53が、第2ピン歯ハウジング23と偏心軸30との間に配置される。すなわち、第2ピン歯ハウジング23を回転可能な状態で偏心軸30にスリーブ接続可能とするため、第2ピン歯ハウジング23は、第3軸受け53を介して偏心軸30に接続される。こうすることで、第2ピン歯ハウジング23と第1ピン歯ハウジング13を確実に同軸上に配置可能とする一方で、偏心軸30を入力端として構成し、第2ピン歯ハウジング23を出力端として構成する場合において、それら偏心軸30および第2ピン歯ハウジング23がそれぞれ異なる回転速度を有することも可能となる。
ある実施の形態において、ピン歯サイクロイド減速機100は、外装60をさらに備える。第1サイクロイド構造10、第2サイクロイド構造20、および偏心軸30は、外装60内に固定配置される。第2ピン歯ハウジング23と外装60との間には、第4軸受け54が配置される。第2ピン歯ハウジング23は、第4軸受け54を介して外装60の内周面に接続されることにより、第2ピン歯ハウジング23は、動力出力端として、外装60に対して回転可能となる。
ピン歯サイクロイド減速機100が動作しているとき、ピン歯サイクロイド減速機100の内側には、通常、動いている各部品間の潤滑のために、潤滑油が注される。潤滑油が外部に漏れないようにするため、かつ異物をピン歯サイクロイド減速機100内に混入させないために、オイルシール61が、外装60と第2ピン歯ハウジング23との間に配置される。
具体的には、オイルシール61は、環状の封止リングである。外装60には環状溝が設けられ、環状の封止リングはその環状溝内に固定配置される。しかしこれは一例であり、封止効果が得られる限り、オイルシールとして他の種類の封止部材を用いてもよい。
サイクロイド減速機100は、カバー板62をさらに備える。カバー板62、第1ピン歯ハウジング13、および外装60は、軸方向に連続的に配置される。ネジ63により、第1ピン歯ハウジング13の径方向外周縁が、外装60とカバー板62との間で軸方向に固定される。カバー板62は中央に穴を有し、偏心軸30はその穴を通る。第5軸受け55が、カバー板62と偏心軸30との間に配置される。カバー板62は、第5軸受け55を介して、偏心軸30の外周面に接続される。これにより、偏心軸30は、動力入力端として、カバー板62に対して回転可能となる。
ある実施の形態において、第3軸受け53、第4軸受け54、および第5軸受け55には、内側リングや外側リングを設けてもよいし、設けなくてもよい。いずれにせよ、この技術的解決手段の実現に特に影響が及ぶことはない。
ピン歯サイクロイド減速機100は、制限部材25をさらに備える。制限部材25は、偏心軸30上にスリーブ接続される環状の隔離板である。この環状隔離板は、ネジ26を用いて第2ピン歯ハウジング23の軸方向一端に固定配置される。これにより、複数の第2ピン歯22が第2ピン歯切欠き24から軸方向に滑り出ないようにする。複数の第2ピン歯22の軸方向他端においては、第2ピン歯ハウジング23が制限部材として作用することにより、複数の第2ピン歯22が第2ピン歯切欠き24の他端から軸方向に滑り出ないようにする。
また、この環状隔離板は、第4軸受け54と接することにより、第4軸受け54の軸方向の移動を制限し、第4軸受け54が軸方向に振動しないようにする。
第1ピン歯12の軸方向両端には、第4軸受け54と、カバー板62とがそれぞれ設けられる。すなわち、第4軸受け54およびカバー板62は、複数の第1ピン歯12に対する制限部材として作用し、複数の第1ピン歯12が第1ピン歯切欠き14から軸方向に滑り出ないようにする。
ある実施の形態において、環状板を複数の第1ピン歯12の軸方向両端に制限部材25としてそれぞれ設けることにより、複数の第1ピン歯12が第1ピン歯切欠き14から軸方向に滑り出ないようにしてもよい。あるいは、環状板を複数の第2ピン歯22の軸方向両端に制限部材25としてそれぞれ設けることにより、複数の第2ピン歯22が第2ピン歯切欠き24から軸方向に滑り出ないようにしてもよい。
ある実施の形態では、産業用ロボットが提供される。この産業用ロボットは、動力源と、アクチュエータと、上に述べたピン歯サイクロイド減速機100と、を備える。ピン歯サイクロイド減速機100は、動力源とアクチュエータとの間に固定配置される。動力源は偏心軸30に接続されることにより、偏心軸30を回転駆動する。第2ピン歯ハウジング23がアクチュエータに接続されることにより、アクチュエータを駆動し、動作させる。第2ピン歯ハウジング23の回転速度は偏心軸30の回転速度よりも低い。これにより、動力源の回転速度を低下させたうえでアクチュエータへと出力させる。
ある実施の形態において、第1サイクロイド構造システムIは、上記サイクロイド構造を2つ含み、第2サイクロイド構造システムIIも、上記サイクロイド構造を2つ含む。
次に、図4、図5および図6を参照する。これらの図に示すように、ピン歯サイクロイド減速機100は、軸方向に配置された第1サイクロイド構造システムIと、第2サイクロイド構造システムIIとを備える。第1サイクロイド構造システムIは、第1サイクロイド構造10aと、第2サイクロイド構造10bと、を備える。偏心軸30が回転すると、第1サイクロイド構造10aおよび第2サイクロイド構造10bに含まれる複数のサイクロイドディスクは、第1角度αだけ回転する。第2サイクロイド構造システムIIは、第3サイクロイド構造20aと、第4サイクロイド構造20bと、を備える。偏心軸30が回転すると、第3サイクロイド構造20aおよび第4サイクロイド構造20bに含まれる複数のサイクロイドディスクは、第2角度βだけ回転する。第1角度αは第2角度βに等しくない。
偏心軸30は、偏心部を2つ有する(以下、それぞれ「第1偏心部31」および「第2偏心部32」と称する)。これら第1偏心部31および第2偏心部32の偏心位相は互いに逆相である。
図4に示すように、第1ピン歯ハウジング13a、第2ピン歯ハウジング13b、第3ピン歯ハウジング23a、および第4ピン歯ハウジング23bは、すべて同軸上に配置される。第2サイクロイドディスク11bおよび第3サイクロイドディスク21aは、周方向に固定され、第1偏心部31上に同軸上でスリーブ接続される。第1サイクロイドディスク11aおよび第4サイクロイドディスク21bは、周方向に固定され、第2偏心部32上に同軸上でスリーブ接続される。
第1偏心部31の偏心位相と第2偏心部32の偏心位相とは互いに逆相であるため、偏心軸30が回転すると、第1サイクロイドディスク11aおよび第2サイクロイドディスク11bは、偏心軸30の径方向両側に対称的に位置する。また、第3サイクロイドディスク21aおよび第4サイクロイドディスク21bも、偏心軸30の径方向両側に対称的に位置する。これにより、ピン歯サイクロイド減速機100の動的つり合いを向上させることができる。特に偏心軸30が高い回転速度と大きな負荷を有する場合、ピン歯サイクロイド減速機100の振動を効果的に低減可能となる。
偏心軸30が入力端として回転するとき、第1偏心部31に配置された第2サイクロイドディスク11bは、第2ピン歯ハウジング13bの境界により囲まれた領域においてサイクロイド運動を行い、第2偏心部32に配置された第1サイクロイドディスク11aは、第1ピン歯ハウジング13aの境界により囲まれた領域においてサイクロイド運動を行う。
第1サイクロイドディスク11aおよび第2サイクロイドディスク11bは、同じ回転速度を有し、第3サイクロイドディスク21aおよび第4サイクロイドディスク21bを駆動することにより、同一の回転速度でサイクロイド運動を実行する。
第3サイクロイドディスク21aおよび第4サイクロイドディスク21bは、第3ピン歯ハウジング23aおよび第4ピン歯ハウジング23bを、それぞれの軸を中心として同じ回転速度で回転させることができる。したがって、第3ピン歯ハウジング23aおよび第4ピン歯ハウジング23bは、出力端として、動力を直接的に出力できる。
具体的には、ある実施の形態において、第1ピン歯ハウジング13aおよび第2ピン歯ハウジング13bは、同一のピン歯ハウジングである。換言すれば、その場合、第1サイクロイド構造10aおよび第2サイクロイド構造10bは、同一のピン歯ハウジングを共有する。同様に、第3ピン歯ハウジング23aおよび第4ピン歯ハウジング23bも、同一のピン歯ハウジングである。換言すれば、その場合、第3サイクロイド構造20aおよび第4サイクロイド構造20bは、同一のピン歯ハウジングを共有する。
次に、図5および図6に示すように、第2偏心部32は、第1偏心ブロック32aと、第2偏心ブロック32bと、を有する。第1偏心ブロック32aおよび第2偏心ブロック32bは、第1偏心部31の軸方向両側にそれぞれ配置される。第1サイクロイドディスク11aは、第1偏心ブロック32a上に回転可能な状態でスリーブ接続され、第4サイクロイドディスク21bは、第2偏心ブロック32b上に回転可能な状態でスリーブ接続される。
すなわち、第1サイクロイドディスク11aおよび第4サイクロイドディスク21bは、第2サイクロイドディスク11bおよび第3サイクロイドディスク21aの軸方向両側にそれぞれ配置される。このようにして、軸方向の間隔が最短である第2サイクロイドディスク11bおよび第3サイクロイドディスク21aが周方向に固定接続される。周方向に固定するやり方については、既に述べた実施の形態の説明を参照されたい。具体的には、周方向の固定は、少なくとも1つのコネクタを用いる方法か、または一体成形法で行うことができる。
軸方向の間隔が最長である第1サイクロイドディスク11aおよび第4サイクロイドディスク21bは、周方向に固定接続される。周方向に固定するやり方については、既に述べた実施の形態の説明を参照されたい。具体的には、周方向の固定は、少なくとも1つのコネクタを用いる方法で行うことができる。ただし、第2サイクロイドディスク11bおよび第3サイクロイドディスク21aは、第1サイクロイドディスク11aと、第4サイクロイドディスク21bとの間に配置される。第1サイクロイドディスク11aと、第4サイクロイドディスク21bとがコネクタを用いて接続される場合、そのコネクタは第2サイクロイドディスク11bおよび第3サイクロイドディスク21aを貫通する必要がある。したがって、コネクタが第2サイクロイドディスク11bおよび第3サイクロイドディスク21aを貫通できるように、貫通孔を設ける必要がある。
ある実施の形態において、ピン歯サイクロイド減速機100は、第1コネクタ40aと、第2コネクタ40bとを備える。第1コネクタ40aは、第2サイクロイドディスク11bおよび第3サイクロイドディスク21aを周方向に固定接続するように構成される。第2コネクタ40bは、第1サイクロイドディスク11aおよび第4サイクロイドディスク21bを周方向に固定接続するように構成される。
具体的には、第2サイクロイドディスク11bは軸方向に延びる第1貫通孔41bを有し、第3サイクロイドディスク21aは軸方向に延びる第2貫通孔42bを有する。第1貫通孔41bおよび第2貫通孔42bは、軸方向に対向配置される。第2コネクタ40bが第1貫通孔41bおよび第2貫通孔42bを貫通することにより、第1サイクロイドディスク11aおよび第4サイクロイドディスク21bを周方向に固定可能となる。
また、偏心軸30が回転すると、第1サイクロイドディスク11aと第2サイクロイドディスク11bとの間に相対的運動が生じ、第3サイクロイドディスク21aと第4サイクロイドディスク21bとの間にも相対的運動が生じる。したがって、第1貫通孔41bおよび第2貫通孔42bが動作時に第2コネクタ40bに干渉することがないように、第1貫通孔41bおよび第2貫通孔42bは、第2コネクタ40bの直径よりも大きな径を有する必要がある。これにより、サイクロイドディスクの運動への妨害が回避可能となる。
次に図7を参照する。図7は、この実施の形態において第1コネクタにより相互に接続される第1サイクロイドディスクおよび第3サイクロイドディスクの構造の一部を模式的に示す図である。第1コネクタ40aは、第1接続部43aと、第2接続部44aとを有する。第1接続部43aは第2サイクロイドディスク11bに固定接続され、第2接続部44aは第3サイクロイドディスク21aに固定接続される。第1接続部43aおよび第2接続部44aは、同一直線上に位置しない。このため、第1接続部43aと、第2接続部44aとの間には、距離的なずれ(錯位距離)Δが生じる。したがって、第2サイクロイドディスク11bと、第3サイクロイドディスク21aとの間には周方向に角度差が発生する。これにより、第2サイクロイドディスク11bの歯と、第3サイクロイドディスク21aの歯とは軸方向に完全に直線配置されるわけではなく、周方向に角度差を有する。
ここで、第1サイクロイド構造10aおよび第2サイクロイド構造10bは同一のピン歯ハウジングを共有するので、第1サイクロイドディスク11aおよび第4サイクロイドディスク21bが周方向に角度差を有しない場合、あるいは、第1サイクロイドディスク11aと第4サイクロイドディスク21bとの間の周方向における角度差が、第2サイクロイドディスク11bと第3サイクロイドディスク21aとの間の周方向における角度差と等しくない場合、第3サイクロイドディスク21aと第4サイクロイドディスク21bとの間にも角度差が生じることになる。
また、第3サイクロイド構造20aおよび第4サイクロイド構造20bは同一のピン歯ハウジングを共有するので、第3サイクロイドディスク21aと第4サイクロイドディスク21bとの間に角度差が生じると、第3サイクロイドディスク21aと第4サイクロイドディスク21bとはピン歯ハウジングを介してより緊密に係合することになる。一方、第3サイクロイドディスク21aおよび第4サイクロイドディスク21bは、コネクタを介して第2サイクロイドディスク11bおよび第1サイクロイドディスク11aに作用を及ぼすので、第1サイクロイドディスク11aと第2サイクロイドディスク11bとの間に角度差が生じ、第1サイクロイドディスク11aと第2サイクロイドディスク11bとはピン歯ハウジングを介してより緊密に係合することになる。
サイクロイド構造の製造プロセスにおいて、複数のピン歯を噛み合わせる位置においては、必然的に隙間が生じる。上に述べた構成によれば、複数のピン歯を噛み合わせる位置において、そのような隙間を埋めることができる。また同時に、複数のピン歯を噛み合わせる位置において摩耗により生じる隙間を埋めることも可能になる。その結果、サイクロイドディスクと複数のピン歯とは、ピン歯ハウジングと緊密に係合する。
同様に、第2コネクタ40bもまた2つの接続部を備え、それら2つの接続部が同一直線上に位置しないように設計してもよい。その結果、それら2つの接続部とそれぞれ接続する第1サイクロイドディスク11aおよび第4サイクロイドディスク21bは、周方向に角度差を有することになる。あるいは、第1コネクタ40aが同一直線上に位置しない2つの接続部を有する一方で、第2コネクタ40bも同一直線上に位置しない2つの接続部を有してもよい。その結果、第2サイクロイドディスク11bおよび第3サイクロイドディスク21aは周方向に角度差を有し、第1サイクロイドディスク11aおよび第4サイクロイドディスク21bも周方向に角度差を有することになる。
なお、ある実施の形態において、偏心軸30は2つの偏心部を有する。その場合、第1サイクロイド構造システムIは2つのサイクロイド構造を有し、第2サイクロイド構造システムIIも2つのサイクロイド構造を有する。また、別の実施の形態では、偏心軸30は、偏心方向が同じであるか逆方向である、さらに多くの偏心部を有する。その場合、第1サイクロイド構造システムIは複数のサイクロイド構造を有し得、それら複数のサイクロイド構造の個数は偏心部の個数と同じでよい。第2サイクロイド構造システムIIは複数のサイクロイド構造を有し得、それら複数のサイクロイド構造の個数は偏心部の個数と同じでよい。
複数の偏心部の配置については、この実施の形態について既に述べた説明を参照されたい。すなわち、各偏心部が2つの偏心ブロックを有し、それら2つの偏心ブロックは、その他の偏心部の軸方向両側にそれぞれ配置される。第1サイクロイド構造システムIに含まれる1つのサイクロイド構造は、それらの偏心ブロックの一方の上に配置され、第2サイクロイド構造システムIIに含まれる1つのサイクロイド構造は、それらの偏心ブロックの他方の上に配置される。換言すれば、第1サイクロイド構造システムIおよび第2サイクロイド構造システムIIにおいて、軸方向の間隔が最短である2つのサイクロイドディスクが周方向に固定され、その他のサイクロイドディスクは、周方向に連続的に固定される。
ある実施の形態において、偏心部についていうと、同一の偏心方向を有する偏心部の個数は、上に述べた逆の偏心方向を有する偏心部の個数に等しい。すなわち、偏心部の個数が偶数である場合、それらのうち半分の偏心部は第1方向を向き、残り半分の偏心部は、第2方向を向き、第1方向は第2方向とは逆方向である。このような構成によれば、ピン歯サイクロイド減速機100の動的つり合いを向上させることが可能であり、ピン歯サイクロイド減速機100の振動を効果的に低減可能となる。
第1サイクロイド構造システムIが複数のサイクロイド構造を有する場合、第1サイクロイド構造システムIにおいて、すべてのピン歯ハウジングを互いに固定接続させてもよいし、すべてのサイクロイド構造が同一のピン歯ハウジングを共有してもよい。同様に、第2サイクロイド構造システムIIが複数のサイクロイド構造を有する場合、第2サイクロイド構造システムIIにおいて、すべてのピン歯ハウジングを互いに固定接続させてもよいし、すべてのサイクロイド構造が同一のピン歯ハウジングを共有してもよい。
また、ある実施の形態において、第1偏心部31および第2偏心部32を以下のように配置することも可能である。すなわち、第1偏心部31および第2偏心部32のめいめいが2つの偏心ブロックを有してもよい。その場合、第1偏心部31の2つの偏心ブロックおよび第2偏心部32の2つの偏心ブロックは、軸方向に交互に配置される。
また、第1偏心部31および第2偏心部32は同じ偏心位相を有していてもよい。すなわち、第1偏心部31および第2偏心部32は同じ方向に面してもよい。第1偏心部31および第2偏心部32が同じ偏心度を有する場合、第1サイクロイドディスク11a、第2サイクロイドディスク11b、第3サイクロイドディスク21a、および第4サイクロイドディスク21bは、同一の偏心部上にスリーブ接続される。このようにして、第1サイクロイドディスク11a、第2サイクロイドディスク11b、第3サイクロイドディスク21a、および第4サイクロイドディスク21bを周方向に固定接続することが可能になる。
第1偏心部31および第2偏心部32が異なる偏心度を有する場合、第1サイクロイドディスク11a、第2サイクロイドディスク11b、第3サイクロイドディスク21a、および第4サイクロイドディスク21bは、異なる方法で設計可能となる。偏心方向が逆である場合の説明を参照されたい。
図5および図6に示すように、ある実施の形態では、第1軸受け51が第1サイクロイドディスク11aと第1偏心ブロック32aとの間に配置され、第2軸受け52が第2サイクロイドディスク11bと第1偏心部31との間に配置され、第3軸受け53が第3サイクロイドディスク21aと第1偏心部31との間に配置され、第4軸受け54が第4サイクロイドディスク21bと第2偏心ブロック32bとの間に配置される。第1軸受け51、第2軸受け52、第3軸受け53および第4軸受け54には、内側リングも外側リングも設けられない。これにより、第1サイクロイド構造システムIおよび第2サイクロイド構造システムIIは、より小さな径方向の寸法を有し得る。
さらに、第5軸受け55が、第2サイクロイド構造システムIIに含まれる複数のピン歯ハウジング(すなわち、第3ピン歯ハウジング23aおよび第4ピン歯ハウジング23b)と、偏心軸30との間に配置される。これにより、複数のピン歯ハウジングが偏心軸30上に回転可能な状態でスリーブ接続され、第1サイクロイド構造システムIに含まれる複数のピン歯ハウジング(すなわち、第1ピン歯ハウジング13aおよび第2ピン歯ハウジング13b)と同軸上に配置される。
ある実施の形態において、ピン歯サイクロイド減速機100は、外装60をさらに備える。第1サイクロイド構造システムI、第2サイクロイド構造システムIIおよび偏心軸30は、外装60内に固定配置され、第6軸受け56が、第2サイクロイド構造システムIIにおいて、複数のピン歯ハウジングと外装60との間にさらに配置される。
ピン歯サイクロイド減速機100内部の潤滑油が外部に漏れないようにするため、あるいは、異物をピン歯サイクロイド減速機100内に混入させないため、第2サイクロイド構造システムIIにおいて、オイルシール61が複数のピン歯ハウジングと、外装60との間に配置される。
ピン歯サイクロイド減速機100は、さらにカバー板62を備える。ネジ63により、第1サイクロイド構造システムIに含まれる第1ピン歯ハウジングの径方向外縁は、外装60とカバー板62との間で、軸方向に固定される。カバー板62は中央に穴を有し、偏心軸30がその中央の穴を貫通する。カバー板62と偏心軸30との間には、第7軸受け57がさらに配置される。
ある実施の形態において、第1サイクロイド構造10aおよび第2サイクロイド構造10bは、複数の第1ピン歯12を共有する。複数の第1ピン歯12は、第1サイクロイド構造システムIにおいて、ピン歯ハウジングのピン歯切欠き内に固定配置される。第3サイクロイド構造20aおよび第4サイクロイド構造20bもまた、複数の第2ピン歯22を共有する。複数の第2ピン歯22は、第2サイクロイド構造システムIIにおいて、ピン歯ハウジングのピン歯切欠き内に固定配置される。
また、ピン歯サイクロイド減速機100は、制限部材25をさらに備える。制限部材25は、偏心軸30上にスリーブ接続された環状の隔離板である。この環状の隔離板が、ネジ26により複数の第2ピン歯22の軸方向一端に固定配置されることにより、複数の第2ピン歯22がピン歯切欠きから軸方向に滑り出ないようにする。
以上、本開示を好ましい実施の形態に基づいて説明したが、以上の開示は単なる例を示すものにすぎず、それらに限定されることを意図するものではないことは理解されたい。むしろ、以上に述べた実施の形態を、本開示の範囲内で変形し改変することは、当業者には容易である。

Claims (28)

  1. 軸方向に配置された第1サイクロイド構造システムおよび第2サイクロイド構造システムを備える、ピン歯サイクロイド減速機であって、
    前記第1サイクロイド構造システムは偏心軸上にスリーブ接続され、それぞれのサイクロイド構造システムは前記軸方向において少なくとも1つのサイクロイド構造を有し、
    前記サイクロイド構造は、サイクロイドディスクと、周方向に配列された複数のピン歯と、ピン歯ハウジングと、を備え、前記サイクロイドディスク、前記複数のピン歯、および前記ピン歯ハウジングは、径方向において内側から外側に連続的に配置され、前記複数のピン歯は前記ピン歯ハウジングに回転可能な状態で固定され、前記サイクロイドディスクは前記複数のピン歯と係合し、
    前記ピン歯サイクロイド減速機に含まれる複数のピン歯ハウジングは、すべて同軸上に配置され、
    前記第2サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも1つのサイクロイドディスクと、前記第1サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも1つのサイクロイドディスクとは、周方向に固定され、それらの周方向に固定された複数のサイクロイドディスクは、同軸上に配置され、
    前記偏心軸が回転すると、前記第1サイクロイド構造システムに含まれる前記サイクロイドディスクは、対応する前記ピン歯ハウジングに対して第1角度αだけ回転し、前記第2サイクロイド構造システムに含まれる前記サイクロイドディスクは、対応する前記ピン歯ハウジングに対して第2角度βだけ回転し、前記第1角度αは前記第2角度βに等しくない、
    ピン歯サイクロイド減速機。
  2. 前記第2サイクロイド構造システムは、前記偏心軸上にスリーブ接続される、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  3. 前記第1サイクロイド構造システムにはサイクロイド構造が1つ配置され、前記第2サイクロイド構造システムにもサイクロイド構造が1つ配置される、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  4. 前記第1サイクロイド構造システムおよび前記第2サイクロイド構造システムは、その各々が前記軸方向に順に配置された少なくとも2つのサイクロイド構造を有し、
    前記第1サイクロイド構造システムに含まれる前記少なくとも1つのサイクロイドディスクの個数は、前記第2サイクロイド構造システムに含まれる前記少なくとも1つのサイクロイドディスクの個数と等しく、前記第1サイクロイド構造システムに含まれる前記少なくとも1つのサイクロイドディスクおよび前記第2サイクロイド構造システムに含まれる前記少なくとも1つのサイクロイドディスクは、周方向において一対一に対応するように固定接続される、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  5. 前記第1サイクロイド構造システムおよび前記第2サイクロイド構造システムにおいて、前記軸方向における間隔が最短である2つのサイクロイドディスクが周方向に固定され、その他のサイクロイドディスクも周方向に固定される、請求項4に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  6. 前記偏心軸は複数の偏心部を有し、前記複数の偏心部から選択されたいずれか2つの偏心部の偏心位相は、同相または逆相である、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  7. 前記複数の偏心部の個数は偶数であり、前記複数の偏心部のうち半分はそれらのすべてが第1方向に面し、前記複数の偏心部の残り半分は第2方向に面し、前記第1方向および前記第2方向は互いに逆方向である、請求項6に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  8. 前記サイクロイドディスクの周方向における固定接続を実現する、少なくとも1つのコネクタをさらに備える、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  9. 前記少なくとも1つのコネクタの個数は複数であり、それら複数のコネクタは前記周方向において一定の間隔で配列される、請求項8に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  10. 前記コネクタは、ピン、ボルトおよびネジからなる群から選択される、請求項8に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  11. 前記周方向に固定されたサイクロイドディスクは、一体構造を有する、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  12. 前記コネクタは、前記軸方向においてこの順に配置された第1接続部および第2接続部を備え、前記第1接続部は前記第1サイクロイド構造システムに含まれる前記サイクロイドディスクに接続され、前記第2接続部は前記第2サイクロイド構造システムに含まれる前記サイクロイドディスクに接続され、
    前記第1接続部および前記第2接続部は、同一直線上には配置されないことにより、前記周方向に固定された複数のサイクロイドディスクは、前記周方向において角度差を有する、請求項8に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  13. 前記減速機に含まれる少なくとも1つのサイクロイド構造において、前記ピン歯ハウジングの内周面上にピン歯切欠きが形成され、前記複数のピン歯は、前記ピン歯切欠き内に配置される、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  14. 制限部材をさらに備え、
    前記制限部材は、前記ピン歯切欠きにおける前記複数のピン歯の軸方向移動を制限するように構成される、請求項13に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  15. 前記制限部材は、前記偏心軸上にスリーブ接続された環状隔離板(隔板)を備え、前記環状隔離板は、前記ピン歯切欠きの軸方向一端に固定配置される、請求項14に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  16. 前記減速機に含まれる少なくとも1つのサイクロイド構造において、前記複数のピン歯は、前記軸方向に少なくとも2つの列を形成するように構成され、前記少なくとも2つの列のうち同一の列に含まれる複数のピン歯は、周方向に配列される、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  17. 前記第1サイクロイド構造システムにおいて、前記サイクロイドディスクの歯数は、10本から55本の範囲内であり、前記ピン歯ハウジングの歯数も10本から55本の範囲内であり、および/または
    前記第2サイクロイド構造において、前記サイクロイドディスクの歯数は、10本から55本の範囲内であり、前記ピン歯ハウジングの歯数も10本から55本の範囲内である、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  18. 前記減速機に含まれる前記少なくとも1つのサイクロイド構造において、前記サイクロイドディスクと前記ピン歯ハウジングとは、一対一に対応するように配置されるか、または、
    前記減速機に含まれる前記少なくとも1つのサイクロイド構造において、1つのサイクロイドディスクが少なくとも2つのピン歯ハウジングに対応するか、または、
    前記第1サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも2つの隣接するサイクロイド構造が、同一のピン歯ハウジングを共有するか、または、
    前記第2サイクロイド構造システムに含まれる少なくとも2つの隣接するサイクロイド構造が、同一のピン歯ハウジングを共有する、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  19. 前記第1サイクロイド構造システムにおいて、複数のピン歯ハウジングがすべて固定接続されるか、または、前記第1サイクロイド構造システムに含まれる前記少なくとも1つのサイクロイド構造が、同一のピン歯ハウジングを共有する、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  20. 前記第2サイクロイド構造システムにおいて、複数のピン歯ハウジングがすべて固定接続されるか、または、前記第2サイクロイド構造システムに含まれる前記少なくとも1つのサイクロイド構造が、同一のピン歯ハウジングを共有する、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  21. 前記第1サイクロイド構造システムにおいて、少なくとも1つのサイクロイドディスクが前記偏心軸に軸受けを介して接続される、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  22. 前記第2サイクロイド構造システムにおいて、少なくとも1つのサイクロイドディスクが前記偏心軸に軸受けを介して接続され、かつ/または、少なくとも1つのピン歯ハウジングが前記偏心軸に軸受けを介して接続される、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  23. 前記軸受けは、ケージと、前記ケージ内に配置された複数のローラと、を備え、前記複数のローラは、前記偏心軸および前記サイクロイドディスクに接触する、請求項21または22に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  24. 外装をさらに備え、
    前記第1サイクロイド構造システムに含まれる前記ピン歯ハウジングは、前記外装上に固定配置される、請求項1に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  25. 前記第2サイクロイド構造システムにおいて、少なくとも1つのピン歯ハウジングが、軸受けを介して前記外装に接続される、請求項24に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  26. オイルシールをさらに備え、
    前記オイルシールは、前記ピン歯ハウジングと前記外装との間に配置され、前記ピン歯ハウジングおよび前記外装は軸受けを介して互いに接続される、請求項25に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  27. カバー板をさらに備え、
    前記カバー板、前記第1サイクロイド構造システムに含まれる前記ピン歯ハウジング、および前記外装は、前記軸方向に連続的に配置され、
    前記第1サイクロイド構造システムに含まれる前記ピン歯ハウジングは、前記外装と前記カバー板との間で軸方向に固定され、前記カバー板は、軸受けを介して前記偏心軸に接続される、請求項24に記載のピン歯サイクロイド減速機。
  28. 動力源と、アクチュエータと、を備え、請求項1から27のいずれか1つに記載の前記ピン歯サイクロイド減速機をさらに備える、産業用ロボットであって、前記動力源の回転速度を低下させ、そのようにして低下させた速度を前記アクチュエータに出力するように構成された前記ピン歯サイクロイド減速機が、前記動力源と前記アクチュエータとの間に固定配置される、産業用ロボット。
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