JP2019519691A - 繊維拡張 - Google Patents

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Abstract

繊維を拡張する方法であって、初期幅Waを有する連続した繊維束を提供するステップと、繊維束を、引張手段を通って、流体流れ手段を越えてまたはそれを通って進行方法に進ませるステップとを含み、引張手段が、繊維束の張力を断続的に変化させ、流体流れ手段が、繊維束において張力が変化するときに、繊維束を通る流体流れを作り出し、繊維束の幅が拡張幅Wbに増大される、方法が開示される。また、装置(1)も開示され、その装置(1)は、繊維束(2)の張力を断続的に変化させるための引張手段(3)と、束(2)を通る流体の流れを作り出すための流体流れ手段(4)とを備えている。

Description

本発明は全般的に繊維拡張に関する。より詳細には、これだけではないが、本発明は繊維を拡張する方法、繊維を拡張するための装置、および拡張された繊維シートに関する。さらにより詳細には、これだけではないが、本発明は、ガラスまたは炭素繊維を拡張する方法、ガラスまたは炭素繊維を拡張する装置、および拡張されたガラスまたは炭素繊維のシートに関する。
炭素およびガラスなどの繊維は、典型的には、バインダ材料、例えばエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル樹脂、またはフェノール樹脂によって、全体的に互いに平行に拘束された複数の連続したフィラメント繊維を備える繊維束として販売される。繊維束は、典型的には、ボビン周りに巻かれて保管および輸送される。繊維束は一般的に、全体的に平行なフィラメント繊維のトウを備えており、そのフィラメント繊維のいくつかは、絡まる、および/もしくはねじれる、または他の態様で繊維束の他のフィラメント繊維に対して非平行な向きで配置されることがある。市販されている繊維束は、典型的には何千ものフィラメント繊維を含んでいる。
繊維補強複合材料は一般的に、繊維と、前記繊維が中で保持される母材との両方の材料特性を組み合わせた物品を作り出すために製造される。例えば、母材が樹脂、例えばエポキシ樹脂である炭素繊維補強シートを製造することが知られている。そのような炭素繊維補強シートは、炭素繊維の低比重、高比引張強度、および高比弾性係数を、樹脂母材の可撓性および/または廉価性と組み合わせて、相対的に高い強度重量比を有する相対的に安価な物品を作り出す。
繊維補強複合シートは、一般的に、繊維束が相対的に幅広く、薄くなるように(例えば多くの層を含まないように)それらを拡張し、次いで層を合わせて母材材料内で結合することによって形成される。典型的には、繊維束は、母材材料によって結合される前に、ともに織られる、または他の態様で他の繊維束に対して整合される。複合シートを形成する前に繊維束を拡張することは、有益なことに、前記シートを形成するのに必要な前記繊維束の量を低減させ、その結果、費用が低減され、および/または拡張された繊維がより均質になる。さらに、複合シートを形成する前に繊維束を拡張することによって、前記形成されたシートが、拡張されていない繊維束を用いて形成されたシートよりも薄く、軽くなり得る。さらに、複合シートを形成する前に、相対的に薄い繊維束を形成するように繊維束を拡張することによって、繊維束に母材材料をしみ込ませるのに必要な時間が相対的に短くなり、その結果、加工費用が低減される。
繊維束が、相対的に幅広いが、同時にその幅にわたる繊維の相対的に均質な分配および相対的に均一な厚さを有するように、繊維束を拡張することが特に有益である。最終的には、フィラメント繊維の単一層が形成されるように繊維束を拡張し、したがって拡張された繊維束はその幅にわたってフィラメント繊維間に隙間がないことが理想的であり得る。しかし、相対的に多数のフィラメント繊維を含む繊維束は、少ない数のフィラメント繊維を含む繊維束よりも、絡まりやすいおよび/またはねじれやすい、または他の態様で乱雑に配置されやすい傾向にある。その結果、相対的に多数のフィラメント繊維を含む繊維束を拡張することの利益は、(より大きい拡張幅を実現することによって)より有意義なものになるが、絡まり曲がっている繊維、および/またはねじれに起因して、前記拡張の困難さもより大きい。さらに、繊維束を拡張するときに、前記繊維束のフィラメント繊維の損傷を最小限にし、さらに可能な限りフィラメント繊維の機械的特性を保持することが重要である。それに加えて、(特にガラスまたは炭素繊維束を加工するときに)空気中の繊維廃棄物の発生が最小限になるまたは防止されるようにして、繊維拡張機械の周りに安全な環境を提供することが重要である。
繊維束を拡張するための先行技術の方法および装置は、開始幅に対して不十分な幅に拡張された、開始厚さに対して充分に薄くない、拡張幅にわたって均一な厚さではない、拡張幅にわたって隙間を含んでいる、ならびに/または物理的および/もしくは機械的特性が相対的に低減したフィラメント繊維を含んでいる拡張繊維束を作り出すことが明らかになっている。例えば、国際公開第2005/002819号パンフレットでは、束の幅を最大で8倍に増大させる繊維束を拡張する方法が開示されており、その幅は、複数の拡張束が組み合わされたときには、さらに相対的に低減される。
したがって、本発明の第1の非排他的な目的は、上記の問題のうちの1つまたは複数を少なくとも部分的に緩和する、繊維を拡張するための方法および装置を提供することである。本発明のさらなる非排他的な目的は、より幅広く拡張された繊維および/またはより均一に拡張された繊維を作り出す、繊維を拡張するための方法および装置を提供することである。
したがって本発明の第1の態様は、繊維を拡張する方法であって、幅Wを有する連続した繊維束を提供するステップと、繊維束を、繊維束の張力を断続的に増大させるように配置された引張手段にわたってまたはそれを通って、進行方法に進ませ、繊維束において張力がそれぞれ下降および上昇するときに、繊維束を、流体流れ手段に通し、例えば流体流れ手段に近づけるおよびそれから離すように進ませるステップと、を備えており、それにより繊維束の幅Wが増大される、方法を提供する。
本発明の第2の態様は、繊維を拡張するための装置であって、上流の引張手段と、下流の流体流れ手段とを備えており、引張手段が、そこを通過する連続した繊維束の張力を断続的に増減させるように、および前記繊維束を前記流体流れ手段に近づけるおよびそれから離すように配置されており、それにより繊維束の幅が増大される、装置を提供する。
流体流れ手段に近づけられ、およびそれから離される繊維束は、繊維束を通る可変流体流れを作り出すステップを備えてもよい。
本発明のさらなる態様は、繊維を拡張する方法であって、初期幅Wを有する連続した繊維束を提供するステップと、繊維束を、引張手段を通って、流体流れ手段を越えてまたはそれを通って進行方法に進ませるステップとを備えており、引張手段が、繊維束の張力を断続的に変化させ、流体流れ手段が、繊維束において張力が変化するときに、繊維束を通る可変流体流れを作り出し、それにより繊維束の幅が拡張幅Wに増大される、方法を提供する。
最も好ましくは、流体流れ手段は、引張手段の下流(例えば引張手段の部分的にまたは全体的に下流に)位置してもよい。
繊維束は、前記流体流れ手段を通って進められてもよく、流体流れ手段を画成しているハウジング内に留められてもよい。
本発明のさらなる態様は、繊維を拡張するための装置であって、引張手段と、引張手段の下流にある流体流れ手段とを備えており、引張手段が、そこを通過する連続した繊維束の張力を断続的に増大させるように配置されており、流体流れ手段が、そこを通過する前記繊維束において張力が変化するときに、繊維束を通る可変流体流れを作り出すように配置されており、それにより繊維束の幅が初期幅Wから拡張幅Wに増大される、装置を提供する。
拡張幅Wは、5:1より大きい、例えば約6:1〜20:1、例えば約6:1〜15:1、例えば約6:1〜12:1、例えば約6:1〜12:1、好ましくは約8:1〜12:1の対初期幅Wに対する比を有してもよい。
繊維束を進ませるステップは、繊維束を、例えばディスペンサもしくは供給ボビン、および/または排出もしくは繰り出しシステムから、排出または引き出すステップを備えてもよい。繊維束は、ディスペンサもしくは供給ボビン、および/または排出もしくは繰り出しシステムから供給されてもまたは供給可能であってもよい。ディスペンサもしくは供給ボビン、および/または排出もしくは繰り出しシステムは、駆動されてもよく、例えば回転駆動されてもよい。ディスペンサもしくは供給ボビン、および/または排出もしくは繰り出しシステムは、繊維束を、装置を通って進行方向に進ませるまたはそれを可能にするように構成されてもよい。
繊維束は、好ましくは、複数の連続したフィラメント繊維を備えている。繊維束は、炭素繊維、および/またはガラス繊維、および/またはセラミック繊維、および/または芳香族ポリアミド繊維、および/または任意の他の適切な繊維を備えてもよい。それぞれの個々のフィラメント繊維は、例えば約2μm(2×10−6m)〜50μm、例えば約4μm〜30μm、例えば約5μm〜25μmであり得る直径を有してもよい。繊維束は、約100〜50,000本のフィラメント繊維、例えば約500〜50,000本のフィラメント繊維、例えば約1,000〜50,000本のフィラメント繊維を備えてもよい。繊維束は、例えばフィラメント繊維をその中でともに結合するように構成されたバインダまたはバインダ樹脂を備えてもよい。バインダまたはバインダ樹脂は、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル樹脂、またはフェノール樹脂、または任意の他の適切な材料を備えてもよい。例えば、直径7μmの繊維12,000本の繊維束は、理論的な「単一層」の幅84mmを有することになる。
繊維束は、(例えばその初期幅Wに直交する)平均初期厚さTを有してもよい。拡張繊維束は、(例えばその拡張幅Wに直交する)平均拡張厚さTを有してもよい。繊維束の平均拡張厚さTは、約4:1〜1:1、例えば約3:1〜1:1、例えば約2:1〜1:1、例えば約1.5:1〜1:1の個々のフィラメント繊維の直径に対する比を有してもよい。
引張手段は、繊維束の進行方向に並進移動してもよく、例えば少なくとも部分的に並進移動してもよい。引張手段は、使用中、そこを通過している繊維束の進行方向に並進移動するように配置されてもよい。引張手段は、張力解放システムを備えてもよい。好ましくは、引張手段は、1つまたは複数の動くもしくは動くことが可能である要素、例えば繊維束を動かし、それによりその張力を断続的に増減させるように構成された要素を備る。1つまたは複数の動くもしくは動くことが可能である要素は、繊維束に接触し、例えばそれにより張力が増大された方へおよび/または張力が低減された方へ繊維束を断続的に付勢するように構成されてもよく、またはそのように構成可能であってもよい。1つまたは複数の動くもしくは動くことが可能である要素は、好ましくは、回転してもよく、または回転可能であってもよい。
1つまたは複数の動くもしくは動くことが可能である要素は、1つまたは複数の引張ローラを備えてもよい。1つまたは複数の引張ローラは、繊維束の張力を断続的に増減させるように動いてもよく、または動くことが可能であってもよい。1つまたは複数の引張ローラのうちの少なくとも1つは、繊維束に断続的に接触するように動いてもよく、または動くことが可能であってもよい。1つまたは複数の引張ローラは、引張手段を通る繊維束経路の長さ、例えばその中の引張ローラ間の長さが、継続的に増減されるように動いてもよく、または動くことが可能であってもよい。その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラは、そのまたはそれらの中心軸周りに回転してもよく、または回転可能であってもよい。
最も好ましくは、2つ以上の引張ローラが存在する。引張ローラのいくつかまたはすべては、繊維束に断続的に接触するように動いてもよく、または動くことが可能であってもよい。2つ以上の引張ローラが設けられる場合には、最も下流にある引張ローラと最も上流にある引張ローラとの間の繊維束経路の長さが断続的に増減されるように、前記引張ローラのいくつかまたはすべてが動いてもよく、または動くことが可能であってもよい。
その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラは、例えば繊維束に接触するための接触面を備えていてもよい。接触面は滑らかであってもよく、例えば実質的に滑らかであってもよい。それに加えてまたはその代わりに、接触面は、ざらついていてもよく、および/または、複数の突起を含んでいてもよい。接触面は円筒形であってもよく、またはエンタシス(entasis)もしくはエントシス(entosis)形状のものであってもよい。
引張手段は、1つまたは複数の引張クリールもしくはハブをさらに備えてもよい。その、またはそれぞれの引張クリールもしくはハブは、(設けられる場合には)引張ローラのうちの1つまたは複数を備えてもよい。その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張クリールもしくはハブは、中心軸周りに、例えばそのまたはそれらの中心軸周りに、回転してもよく、または回転可能であってもよい。
その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラは、1つまたは複数の引張クリールもしくはハブのある中心軸、またはその中心軸周りで動いてもよく、または動くことが可能であってもよい(例えば回転してもよく、回転可能であってもよい)。その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラは、1つまたは複数の引張クリールもしくはハブのある中心軸、またはその中心軸周りで自由に動いてもよく、または動くことが可能であってもよい(例えば自由に回転してもよく、または回転可能であってもよい)。その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラは、1つまたは複数の引張クリールもしくはハブのある中心軸、またはその中心軸周りで動くように(例えば回転するように)駆動されてもよく、または駆動可能であってもよい。
その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラの中心軸は、引張クリールもしくはハブのある中心軸、またはその中心軸から離間していてもよい。その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラの中心軸は、その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張クリールもしくはハブの中心軸から離間していてもよい。好ましくは、2つ以上の引張クリールもしくはハブが設けられる。2つ以上の引張クリールもしくはハブが設けられる場合には、引張クリールもしくはハブのうちの1つ、いくつか、またはすべてが、1つまたは複数の引張ローラを備えてもよい。その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張クリールもしくはハブが2つ以上の引張ローラを備えている場合には、引張ローラの中心軸のうちのいくつかまたはそれぞれは、クリールもしくはハブの中心軸から同様の距離だけ離間してもよく、または異なる距離だけ離間してもよい。
その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張クリールもしくはハブは、例えばそれらの中心軸周りに自由に回転してもよいまたは回転可能であってもよい第1および第2の引張ローラを備えてもよい。その、またはそれぞれの引張クリールもしくはハブの回転軸からの第1の引張ローラの間隔、例えば第1の引張ローラの中心軸の間隔は、その、またはそれぞれの引張クリールもしくはハブの中心軸からの第2の引張ローラの間隔、例えば第2の引張ローラの中心軸の間隔と同様の距離であってもよく、または異なる距離であってもよい。その、またはそれぞれの引張クリールもしくはハブの中心軸は、第1および第2の引張ローラの中心軸によって画成される平面に位置してもよい。あるいは、その、またはそれぞれの引張クリールもしくはハブの中心軸は、第1および第2の引張ローラの中心軸によって画成される平面外に位置してもよい。
2つ以上の引張クリールもしくはハブが設けられる場合には、それぞれが、繊維束の進行方向に対して同じ方向に回転してもよく、または回転可能であってもよい。あるいは、1つまたは複数の引張クリールもしくはハブは、繊維束の進行方向に対して1つまたは複数の他の引張クリールもしくはハブとは異なる方向に回転してもよく、または回転可能であってもよい。
引張手段および/または装置は、例えば拡張繊維束を巻き取るまたは回収するように構成された巻取り、または回収、または引出しリールをさらに備えてもよい。巻取り、または回収、または引出しリールは、駆動されてもよく、例えば回転駆動されてもよい。好ましくは、巻取り、または回収、または引出しリールは、装置を通って、例えば引張手段および/または流体流れ手段を通って、進行方向に繊維束を進めるように構成される。
流体流れ手段は、(例えば流体流れ手段内でまたは流体流れ手段において)繊維束を断続的に曲げ、例えばそれにより繊維束を拡張するように構成されてもよく、または構成可能であってもよい。流体流れ手段は、繊維束が進行方向に並進移動するときに、繊維束が往復して動く方向に流れ経路を画成してもよい。繊維束は、前記繊維束内で張力が変化することによって、流れ経路内で動かされてもよく、または動くことができるようにされてもよく、例えば往復して動いてもよい。流体流れの圧力および/または速度は、流れ経路に沿って変化してもよい。繊維束の張力が(例えば引張手段の作用によって)低減することによって、繊維束が流れ経路内の流体流れの低圧力および/または高速度の方に、またはそれに向かって動かされてもよく、または動くことができるようにされてもよい。繊維束の張力が(例えば引張手段の作用によって)増大することによって、繊維束が流れ経路内の流体流れの高圧力および/または低速度の方に、またはそれに向かって動かされてもよく、または動くことができるようにされてもよい。引張手段は、流体流れ手段によって画成されたその流れ経路またはある流れ経路内で繊維束を動かす、または動くことができるようにする、例えば往復して動かすように配置されてもよい。引張手段は、流体流れの相対的に高速度および/または相対的に低圧力の領域に出入りするように繊維束を往復して動かす、または動くことができるようにするように配置されてもよい。保持部材を使用することによって、繊維束の増大された幅が流れ経路内で保持または維持されてもよい。
流体流れ手段は、能動的ゾーンおよび受動的ゾーンを備えてもよく、例えば能動的ゾーンに近づくことによって、繊維束の幅が拡張される。引張手段は、受動的ゾーンから能動的ゾーンへまたはそれに向かって、繊維束、例えば繊維束の一部分を動かす、または動くことができるようにするように配置されてもよい。引張手段は、能動的ゾーンから受動的ゾーンへまたはそれに向かって、繊維束、例えば繊維束の一部分を動かす、または動くことができるようにするように配置されてもよい。引張手段は、能動的ゾーンから受動的ゾーンへまたはそれに向かい、再び戻るように、繊維束を動かす、または動くことができるようにする、例えば繰り返し動かすように、配置されてもよい。
流体流れ手段および/または引張手段は、例えば繊維束の拡張幅を保持または維持する(例えば実質的に保持または維持する)ように構成されていてもよい保持部材を備えてもよい。
好ましくは、流体流れ手段はハウジングを備える。実施形態では、保持部材はハウジング内に位置する。保持部材は、例えば繊維束の進行方向に直交する方向に、ハウジング内で往復することが可能であってもよい。保持部材は、自由に動いてもよく、駆動されてもよい。保持部材は、繊維束が進行方向に進むときにハウジング内で繊維束を保持してもよい。
流体流れは、空気、水、および/または任意の他の適切な流体もしくは流体の組合せを備えてもよい。流体流れは、負圧または正圧によって駆動されてもよい。好ましくは、流体流れは負圧によって駆動される。流体流れは、能動的ゾーンよりも受動的ゾーンにおいてより低い圧力を有してもよい。流体流れは、受動的ゾーンよりも能動的ゾーンにおいてより高い速度を有してもよい。
流体流れ手段は、例えば繊維束の進行方向に直交するまたは実質的に直交する流体流れ経路を備えてもよい。あるいは、流体流れ経路は、繊維束の進行方向に対して鋭角を画成してもよい。流体流れ手段は、例えば流体出口と流体連通している流体入口を備えるハウジングを備えてもよい。流体流れ経路は、例えば流体入口を通って流体出口の方へ、および/または流体出口を通って、ハウジングを通過してもよい。ハウジングは、(設けられる場合には)受動的ゾーンおよび/または能動的ゾーンを備えてもよい。受動的ゾーンは、能動的ゾーンよりも相対的に流体入口に近くてもよい。能動的ゾーンは、受動的ゾーンよりも相対的に流体出口に近くてもよい。ハウジングは、開口部または開口端部と、例えばハウジングの部分的な封止を提供するように構成された蓋とをさらに備えてもよい。蓋は、ハウジングの開口部または開口端部の約50%〜90%、例えば約50%〜80%、例えば約50%〜70%を覆うように構成されてもよい。流体流れ手段またはハウジングは、例えば流体入口と流体出口との間に先細部または狭まった部分を備えてもよい。設けられる場合には、能動的ゾーンは、先細部または狭まった部分内に少なくとも部分的に位置してもよい。設けられる場合には、受動的ゾーンは、先細部または狭まった部分の完全に外側に位置してもよい。受動的ゾーンは、先細部または狭まった部分の内側に位置してもよく、例えば少なくとも部分的に位置してもよい。能動的ゾーンおよび受動的ゾーンが両方とも先細部または狭まった部分内に位置する、例えば少なくとも部分的に位置する場合には、能動的ゾーンは、受動的ゾーンよりも、先細部または狭まった部分の相対的により狭い部分または広くない部分内に位置してもよい。
流体流れ手段は、2つの側壁および2つの端壁を備えてもよい。側壁は互いに対向しており、実質的に平行であってもよい。端壁も互いに対向しており、実質的に平行であってもよい。それぞれの端壁は内側表面を備えている。実施形態では、端壁の一方または両方は、線形に(すなわち直線状に)先細であってもよく、または湾曲した(すなわち曲線状の)内側表面を備えていてもよく、湾曲した内側表面は凹状である。湾曲した内側表面は、流体流れ出口に向かって先細であってもよい。実施形態では、湾曲した内側表面を備える端壁は、実質的に垂直な端壁の反対側にあってもよい。流れ経路は、流体流れ手段によって画成され、流体流れ手段の形状によって、流れ経路の任意の所与の点において流体流れの圧力および/または速度が決定される。端壁の湾曲した内側表面は、流体流れ出口に対する流体流れ入口の大きさの有利な比を提供する。その結果、流れ経路の流体流れは、流体流れ出口に向かって相対的に低い圧力および高い速度を有し、流れ経路の流体流れは、流体流れ入口に向かって相対的に高い圧力および低い速度を有する。流体流れ入口と流体流れ出口との間の流れ経路の間に、圧力の負の勾配および速度の正の勾配が存在する。その結果、引張手段によって繊維束の張力が変化した結果として流体流れ出口に向かって繊維束の一部分が動くことによって、繊維束のその部分は、相対的に高い速度および/または相対的に低い圧力を有する流れ経路の流体流れに入るように動く。有利なことに、引張手段が繊維束の張力を変化させるときに繊維束を通るこの可変流体流れによって、繊維束内の最適な拡張幅Wが作り出される。実施形態では、断面積が50、60、または70%超、例えば50〜90%、例えば60〜85%だけ低減されてもよい。
流体流れ手段は、(設けられる場合には)巻取り、または回収、または引出しリールに隣接して位置してもよい。流体流れ手段がハウジングを備える場合には、ハウジングは、巻取り、または回収、または引出しリールの近くにハウジングを位置決めすることを可能にするように構成された端壁をさらに備えてもよい。端壁は、少なくとも部分的に湾曲した外側表面を備えていてもよく、例えば湾曲は、巻取り、または回収、または引出しリールの湾曲した外側表面に合わさるように構成されている。
方法および/または装置において、繊維束は、前記流体流れ手段を通って進められてもよく、流体流れ手段を画成しているハウジング内に留められてもよい。好ましい実施形態では、ハウジングは、繊維束がその下を通るリテーナを備えており、リテーナは、好ましくは、繊維束が進行方向に並進移動するときに、ハウジングの範囲内に繊維束が確実に残るように作用する。実施形態では、リテーナは、張力が増減するときに上昇および下降する。実施形態では、張力が低減するときに、繊維束はハウジング内に入るように動き、張力が増大するときに、繊維束はハウジングから離れるように、またはハウジングから離れる方向に動く。
誤解を避けるために、本明細書に記述される特徴のうちの任意のものは、本発明の任意の態様に等しく当てはまる。それに加えて、方法は、装置の記述された特徴を利用するのに必要な任意の動作またはステップを備えてもよい。
本発明のさらなる態様は、繊維を拡張する方法であって、初期幅Wを有する連続した繊維束を提供するステップと、繊維束を、引張手段および接触手段を通って進行方法に進ませるステップとを備えており、引張手段が、繊維束の張力を断続的に変化させ、接触手段が、繊維束に接触するように配置されたマイクロファイバ生地を備えており、繊維束の幅が拡張幅Wに増大される、方法を提供する。
本発明のさらなる態様は、繊維を拡張するための装置であって、引張手段と、接触手段とを備えており、引張手段が、そこを通過する連続した繊維束の張力を断続的に変化させるように配置されており、接触手段が、繊維束に接触するように配置されたマイクロファイバ生地を備えており、それにより繊維束の幅が初期幅Wから拡張幅Wに増大される、装置を提供する。
引張手段が1つまたは複数の引張ローラを備える場合には、マイクロファイバ生地は、1つもしくは複数の引張ローラのうちのその、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラ上におよび/もしくはその周りに、例えばその外側表面上におよび/もしくはその周りに位置してもよい。
マイクロファイバ生地は、複数の突出繊維がそこから、例えばそこから実質的に直交して、突き出ている主本体を備えていてもよい。突出繊維は、全体的にフック形状であってもよく、例えばそれらの自由端にまたはそこに向かって、湾曲した部分を備えていてもよい。マイクロファイバ生地は、突出繊維の複数の束を備えていてもよい。マイクロファイバ生地はナップを備えていてもよく、例えば突出繊維は同様の方向に配向されていてもよい(例えばそれぞれの突出繊維の湾曲部分が同様の方向に配向されてもよい)。マイクロファイバ生地は、繊維束の進行方向とは反対の、例えば実質的に反対の方向に配置されたナップを備えていてもよい。マイクロファイバ生地は、マイクロファイバ生地のナップが(またはその一部分が)、繊維束の進行方向とは反対の、例えば実質的に反対の方向に面するように、例えば(設けられる場合には)その、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラ上におよび/またはその周りに配向されてもよい。
装置および/または引張手段は、(バインダが提供される場合には)繊維束内および/または繊維束上の前記バインダを破壊するおよび/または弱くするように構成されたバインダブレーカ手段をさらに備えてもよい。バインダブレーカ手段は、繊維束がそこを通って進むまたは進むように構成されたうねった経路を画成してもよい。うねった経路は、例えば回転軸周りに自由に回転することができる一連の張力ロールを備えてもよい。バインダブレーカ手段は、例えば配向または案内チャネルを画成する配向または案内要素をさらに備えてもよい。配向または案内チャネルは、(設けられる場合には)供給ボビンおよび/または繰り出しシステムから供給される繊維束の進行方向を(少なくとも部分的に)画成するように位置してもよくおよび/または配向されてもよい。
装置および/または引張手段は、例えば(設けられる場合には)バインダブレーカ手段の下流および/または(設けられる場合には)1つまたは複数の引張ローラの上流に、テンショナをさらに備えてもよい。テンショナは、繊維束を、例えばその進行方向に全体的に直交する方向に向かって付勢する(例えば弾性的に付勢する)ように構成されてもよい。
繊維束の幅は、繊維束が引張手段を通過した後に制限されてもよい。装置は、例えば引張手段の下流および/または(設けられる場合には)巻取り、または回収、または引出しリールの上流に位置するアキュムレータをさらに備えてもよい。アキュムレータは、例えば繊維束がそこを通過するときに、繊維束の幅を制限する、または減少させる、または集めるように構成されてもよく、または構成可能であってもよい。アキュムレータは、第1の狭窄部を備えてもよく、例えばそこを通って進むように繊維束が構成される。第1の狭窄部は、例えば繊維束がそこを通過するときに、繊維束の幅を制限する、または減少させる、または集めるように構成されてもよく、または構成可能であってもよい。アキュムレータは、例えば繊維束がそこを通過するときに、例えば繊維束の幅をさらに制限する、または減少させる、または集めるように構成された第2の狭窄部をさらに備えてもよい。第1の狭窄部は、例えば繊維束の進行方向に沿って、第2の狭窄部から離間していてもよい。アキュムレータは、第1の狭窄部と第2の狭窄部との間に引張ピンまたはアームを備えてもよく、例えば引張アームは、繊維束の張力を(例えば引張手段によって生成された通りに)維持する(例えば実質的に維持する)または保持するように構成されてもよく、または構成可能であってもよい。
装置は、例えば(設けられる場合には)引張手段の下流、および/または流体流れ手段の下流、および/または接触手段の下流に、測定手段をさらに備えてもよい。測定手段は、繊維束を測定するように、例えばその1つまたは複数のパラメータを測定するように、構成されてもよい。1つまたは複数のパラメータは、繊維束の幅および厚さを備えてもよい。測定手段は、1つまたは複数の測定スケールを備えてもよい。測定手段は、複数の測定装置を備えてもよい。測定装置のうちの少なくとも1つは、繊維束に隣接して、および/またはその進行方向を横切るように配設されてもよい。
本発明のさらなる態様は、上述した方法または装置によって拡張された拡張繊維束を提供する。
本発明のさらなる態様は、上述した方法または装置によって拡張された1つまたは複数の拡張繊維束を備えるシートを提供する。シートは、結合母材、例えば結合樹脂、をさらに備えてもよい。
本明細書の範囲内で、上の段落、特許請求の範囲、ならびに/または以下の記述および図面で説明される様々な態様、実施形態、例、および代替形態、ならびに特にそれらの個々の特徴は、独立して受け取られてもよく、または任意の組合せで受け取られてもよいことが、明確に想定される。本発明の一態様または一実施形態と関連して記述された特徴は、そのような特徴が不適合でない限り、すべての態様または実施形態に適用可能である。例えばマイクロファイバ生地は、流体流れ手段が提供される装置/方法において使用されてもよい。
ここで本発明の実施形態が、添付図面を参照しながら単なる例として記述される。
本発明の第1の実施形態による装置の側面図である。 図1の装置の平面図である。 第1の状態にある図1の装置の構成要素の側面図である。 図2のA−Aにより示される平面で切り取られた側方断面図である。 図4に示されている装置の構成要素の平面図である。 図4に示されている装置の構成要素の斜視図である。 第2の状態にある図1の装置の構成要素の側面図である。 本発明による、クリール上へのローラの様々な配置を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態による装置の側面図である。 図7の装置の平面図である。 図10のB−Bによって示される平面に沿って切り取られた側方断面図である。 図10に示されている構成要素の端面図である。 エリアCから切り取られた、図9の部分断面図である。 図8に示されているマイクロファイバ生地のSEM顕微鏡写真である。 マイクロファイバ生地上を進んでいる繊維束の写真である。 繊維拡張の結果を示すグラフである。
ここで図1および図2を参照すると、本発明の第1の実施形態による繊維を拡張するための装置1が示されており、装置1は、連続した繊維束2を供給するためのボビン20と、引張装置3と、流体流れ装置4とを備える。
繊維束2は、実施形態において、結合材によってともに拘束された複数の連続した炭素繊維を備えている。繊維束2は、以下でさらに記述されるように、供給ボビン20から供給され、装置1を通って巻取りリール5へと進む。
引張装置3は、第1、第2、および第3の引張クリール30a、30b、30cを備えており、そのそれぞれが、第1および第2の引張ローラ31a、31bを備えている。また引張装置3は、引張クリール30a、30b、30cの上流に位置する減衰機構32も備えており、その減衰機構32は、1対の自由に回転可能な減衰ローラ32a、32bを含んでいる。供給ボビン20、引張クリール30a、30b、30cのそれぞれ、引張ローラ31a、31bのそれぞれ、減衰ローラ32a、32b、および巻取りリール5を通る回転軸(+によって示される)は、互いに平行であり、したがって繊維束2の進行方向Rに直交している。
第1、第2、および第3の引張クリール30a、30b、30cは、引張クリール30a、30b、30cのそれぞれの回転を独立して駆動するように動作可能なモータ(図示せず)にそれぞれ連結されている。引張クリール30a、30b、30cのそれぞれの第1および第2の引張ローラ31a、31bは、自由に回転可能であり、駆動されない。第3の引張クリール30cは、(進行方向Rにおいて)第1の引張クリール30aの下流にあり、それらの間に第2の引張クリール30bが位置する。
ここで図3を参照すると、図1に示されている装置1の引張クリール30a、30b、30cの図が示されている。アセタールから形成され、滑らかな主周囲表面を有する引張ローラ31a、31bは、円筒形であり、それぞれ直径「d」を有する。第2の引張クリール30bの回転軸は、第1および第3の引張クリール30a、30cの回転軸により画成される平面「P」から距離「a」だけずれている。第1の引張クリール30aの回転軸は、第3の引張クリール30cの回転軸から距離「b」だけ離間している。第2の引張クリール30bの回転軸は、第1と第3の引張クリール30a、30cの回転軸の間で等距離に位置する。第1および第2の引張ローラ31a、31bは、第1の引張クリール30aの周辺に向かって位置する。第1および第2の引張ローラ31a、31bの回転軸は、第1および第2の引張ローラ31a、31bの回転軸によって画成される平面に第1の引張クリール30aの回転軸が位置するように、第1の引張クリール30a内に位置する。第1および第2の引張ローラ31a、31bの回転軸は、第1の引張クリール30aの回転軸からそれぞれ距離「c」だけ離間している。第1の引張クリール30a上の第1および第2の引張ローラ31a、31bの配置だけを記述しているが、第1および第2の引張ローラ31a、31bは、第2および第3の引張クリール30b、30c上にも同様に配置されており、したがって本明細書においてこれ以上は記述されないことが、理解されよう。
上述した寸法a、b、c、および/またはdは、加工される繊維束2の特定のタイプに適合するように選択されてもよい。いかなる特定の理論に束縛されることも望まないが、私たちは、繊維束2と引張ローラ31a、31bとの間の任意の2つの接触点間の距離を広げることによって、繊維束2の拡張量が変わると考えている。さらに、繊維束2と引張ローラ31a、31bの接触点間の距離を、閾値を超えて広げると、繊維束2の拡張フィラメントが再び合着する、例えば拡張解消(de-spreading)されることになり得る。寸法a、b、c、および/またはdは、例えば加工される繊維束2、および/またはバインダ内容物、および/またはフィラメント量、および/または前記繊維束2の直径のプロファイル(例えば断面プロファイル)に少なくとも部分的に基づいて、選択されてもよい。
ここで図4、図5、および図6を参照すると、図1および図2に示されている流体流れ装置4の様々な図が示されている。流体流れ装置4は、基部41と、側壁42と、端壁43と、蓋44とを備えるハウジング40を含んでいる。端壁43のうちの1つは、流体流れ装置4を巻取りリール5に近接して位置することができるように、湾曲した外側面43aを有する。ハウジング40の基部41を通る流体流れ出口45は、真空源(図示せず)に流体連結されている。流体流れ装置4は、ハウジング40の側壁42の向かい合う部分にある対向した垂直スロット47内にその両端で嵌合している保持バトンまたは部材46をさらに含んでいる。保持バトンまたは部材46は、スロット47内で流体流れ出口45に向かうようにおよびそれから離れるように(この図では垂直方向に)自由に動く。
ハウジング40は開放上部を有しており、蓋44は、それを部分的に覆いそれに対する部分的な封止を提供するように構成されており、それにより流体流れ入口48が提供される。流体流れ入口48は、流体流れ出口45と流体連通しており、それにより流体流れ経路Fが画成される。流体流れの圧力および速度は流れ経路Fに沿って変化し、流体流れ出口45に向かうにつれて相対的に圧力が低くなり、速度が大きくなる。蓋44は実質的に平坦であり、平面において全体的に長方形の形状を備えており、その一辺から2つの三角形の羽根が突出している。蓋44は、ハウジング40の側壁42と蓋44との間を繊維束2が進むときに、繊維束2が実質的に自由に妨げられずに通ることを可能にするように構成されている。端壁43の内側表面43bは、(図6に示されているように)流体流れ出口45に向かって先細になっている。都合がよいことには、端壁43の内側表面43bは、入口48から出口45まで湾曲していてもよく、またはそれらは線形に先細になっていてもよい。いずれの場合にも、穴の断面積は、ハウジング入口48から流体流れ経路の方向に減少している。実施形態では、断面積は50、60、または70%超、例えば50〜90%、例えば60〜85%減少してもよい。
巻取りリール5は円筒形であり、巻取りリール5の回転を駆動するように動作可能なモータ(図示せず)に連結される。流体流れ装置4は、図1および図2では巻取りリール5から離間しているものとして示されているが、この間隔は、装置1をより明確に示すために提供されており、実際には流体流れ装置4は、巻取りリール5に直に隣接して(例えばそれから最小限の距離で)位置していてもよいことが理解されよう。
装置1は、繊維束2の自由端を減衰機構32の減衰ローラ32a、32bの間に供給し、第1の引張クリール30aの上、第2の引張クリール30bの下、第3の引張クリール30cの上を通して流体流れ装置4のハウジング40に入れ、保持バトンまたは部材46の下を通し、流体流れ装置4のハウジング40から出し、巻取りリール5上に到達させ、その巻取りリール5に、繊維束2の自由端が取り付けられることによって、使用できるように準備される。
使用中、繊維束2は、巻取りリール5のモータ駆動された回転によって、進行方向Rに装置1を通って引かれ、その一方で繊維束2は、同時に供給ボビン20から、モータ(図示せず)により駆動されたその回転によって供給される。流体流れ装置4は、真空源(図示せず)に連結されており、第3の引張クリール30cは、モータ(図示せず)によって(図1の矢印によって示されるように)時計回り方向に回転される。こうして、繊維束2と第3の引張クリール30cの引張ローラ31a、31bとの接触点において、第3の引張クリール30cは繊維束2の進行方向Rに回転する。
繊維束2が装置1を通って引かれるので、第1および第2の引張クリール30a、30b、およびすべての引張クリール30a、30b、30cの引張ローラ31a、31bは、繊維束2と引張ローラ31a、31bの外側表面との間の摩擦力によって回転される。あるいは、第1および/または第2の引張クリール30a、30bは、モータ(図示せず)によって回転されてもよく、例えば、第1の引張クリール30aは第3の引張クリール30cと同じ方向に回転し、かつ/または第2の引張クリール30bは反対方向に回転する。いかなる特定の理論に束縛されることも望まないが、私たちは、相対的に高い結合材の割合を有し、かつ/または相対的により強くフィラメント繊維をともに結合するように構成されたタイプの結合材を有する繊維束2は、第3の引張クリール30c以外の引張クリールも駆動回転させることによって、より効果的に拡張され得ると考えている。
ここで図7を参照すると、装置1の引張クリール30a、30b、30cを示している図3と同様の図が示されている。図7では、引張クリール30a、30b、30cのそれぞれは、図3に示されているそれらの配向に対してそれらの回転軸周りに90度回転している。したがって、各引張クリール30a、30b、30cの引張ローラ31a、31bの回転軸も移動しており、それによりこの場合は、第1の引張クリール30a上の第1の引張ローラ31aの回転軸から第2の引張クリール30b上の第2の引張ローラ31bの回転軸までの距離eが、相対的に減少している。それに加えて、第2の引張クリール30b上の第2の引張ローラ31bの回転軸から、第3の引張クリール30c上の第1の引張ローラ31aの回転軸までの距離fが、相対的に減少している。
図7に示されている引張ローラ31a、31bの配向では、引張装置3を通る繊維束2の経路長さは、図3に示されている引張ローラ31a、31bの配向よりも短くなっている。その結果、引張ローラ31a、31bの配向が図3に示されている配向に向かって動いたとき、繊維束2の張力は相対的に増大する。引張ローラ31a、31bの配向が図7に示されている配向に向かって動いたとき、繊維束2の張力は相対的に低減する。
図3および図7において、引張ローラ31a、31bの2つの配向だけが示されているが、使用中、引張クリール30a、30b、30cのそれぞれが回転するときに、引張ローラ31a、31bは、一連の継続的に変化する配向を経ることを、当業者は理解するであろう。さらに、図3および図7に示されている引張ローラ31a、31bの配向は、説明を目的としたものであるに過ぎず、実際には、引張ローラ31a、31bは、図3および図7に示されている特定の配向を実際に通らなくてもよいことが理解されよう。さらに、引張クリール30a、30b、30cは、すべてが同じ角速度で回転しなくてもよく、したがって図7に示されている引張クリール30a、30b、30cは、図3に示されている配向に対して同じ角度(すなわち90度)回転したものとして示されているが、これは説明を目的としたものに過ぎないことが、理解されよう。実際に、引張クリール30a、30b、30cのうちのいくつかは、使用中に装置1が平衡状態に入ったら全く回転しなくてもよい。例えば、引張クリール30aおよび/または30bがモータによって駆動されていない場合、前記引張クリール30a、30bの一方または両方は、装置が平衡状態にあるときには回転しなくてもよい。
引張クリール30a、30b、30cの上述した回転によって、繊維束2の張力は断続的に増減される。さらに引張ローラ31a、31bは、例えば引張ローラが両方とも繊維束を同時に搬送しかつ引っ張るように、繊維束2の進行方向Rに並進移動する。有利なことには、繊維束2の進行方向Rに並進移動する引張手段(例えば引張ローラ31a、31b)が設けられた装置は、前記繊維束2内のフィラメント繊維の損傷を少なくとも部分的に緩和することが見いだされている。さらに、繊維束2の進行方向Rに並進移動するそのような引張手段を設けることによって、引張手段が前記繊維束2の進行方向Rに並進移動しないシステムに比べて、繊維束2において生成される張力の変動に対する制御の程度をより大きくすることができる。
減衰機構32は、繊維束2が供給ボビン20に向かって上流へ引き戻されるのを防止し、同時に、そこに生成される断続的に増減する張力によって繊維束2に生成される任意の振動を、少なくとも部分的に緩和する。減衰機構32は、引張クリール30a、30b、30cに向かう繊維束2に対する配向ガイドとしてさらに機能する。
繊維束2は、第3の引張クリール30cから、流体流れ装置4へと下流に進む。繊維束2の張力が相対的に低減されると、流体流れ装置4内の繊維束2のその部分は、例えば中を通る空気流の影響によって、および/または繊維束2に対して作用する保持バトンまたは部材46の質量によって、流れ経路F内の流体流れの低圧力で高速度の方に、またはそれに向かって動かされ、または動くことができるようになる。その結果、保持バトンまたは部材46は、スロット47内で流体流れ出口45に向かって、繊維束2と協調して自由に移動する。流体流れ装置4内にある繊維束のその部分は、それを通るおよびそれに当たる空気流の作用によって拡張され、例えばさらに拡張される。
繊維束2の張力が、引張装置3によって相対的に増大されると、流体流れ装置4内の繊維束2の部分は、例えば繊維束2内の相対的に増大した張力により引かれることによって、流れ経路F内の流体流れの高圧力および低速度の方に、またはそれに向かって動かされる。保持バトンまたは部材46は、そのスロット47内で繊維束2と協調して蓋44に向かって引かれる。いかなる特定の理論に束縛されることも望まないが、保持バトンまたは部材46の表面と繊維束2との間の摩擦力は、繊維束2をそのさらなる拡張幅で(例えば流体流れ装置4においてさらに拡張される前の繊維束2の幅よりも大きい幅で)実質的に保持すると考えられる。さらに、保持バトンまたは部材46は滑らかな表面を提供し、それに当たっておよび/もしくはその下を繊維束2が進むおよび/または引っ張られる。さらに、保持バトンまたは部材46に当たって旋回することによって、繊維束2が(引張装置によって)張力の増大した状態のとき、繊維束2は実質的に蓋44のない状態であってもよい。したがって保持バトンまたは部材46は、流体流れ装置4と引張装置3の一方または両方の一部分であるとみなされてもよい。
こうして拡張された繊維束2は、次いで流体流れ装置4を出て、巻取りリール5上に回収され、場合によっては、拡張繊維の繋がったプライ間に、紙で形成された連続したリリースシート(図示せず)が位置する。
いかなる特定の理論に束縛されることも望まないが、ハウジング40の形状、および/または流体流れ出口45に対する流体流れ入口48の大きさの比によって生じ得る流体流れ装置4内の圧力差が存在すると考えられる。その結果、流れ経路F内の空気流は、流体流れ出口45に向かうにつれて相対的に低い圧力を有する。その結果、流体流れ装置4内の流体経路F内の空気流の速度は、流体流れ出口45に向かうにつれて相対的に大きくなる。したがって、繊維束2のある部分を流体流れ出口45に向かって動かすことによって、繊維束2のその部分が、相対的に大きい速度を有する流れ経路Fの空気流内に動かされる。この空気流は、有利なことに、フィラメント繊維を曲げるように作用し、そのフィラメント繊維に対して、空気流は、前記フィラメント繊維間を通る前に作用する。空気流が繊維束2を通過することは、フィラメント繊維間に隙間を生成するように作用し、それにより個々のフィラメント繊維をそれらの長さに垂直に(例えば幅方向に)動かし、結果的に繊維束2を拡張する。流体流れ装置4を使用することによって、有利なことに、空気中の繊維束2の廃棄物の発生が最小限になり、それはそのような廃棄物がその代わりに流体流れ装置4を通るように引き込まれるからである。
試験結果
直径がそれぞれ7μmの12,000本の連続したフィラメント炭素繊維をそれぞれ備える、バインダにより結合された複数の繊維束2が、上述した装置1および方法を用いて拡張された。
繊維束2は、7mmの初期幅Wを有し、引張装置を通過した後25mmの中間幅Wまで拡張され、その後、流体流れ装置を通過した後に70mmの最終拡張幅Wまで拡張され、巻取りリール5上に回収された。拡張幅Wは、初期幅Wに対して10:1の比を有する。繊維束2は、8.4μmの平均拡張厚さTを有し、個々のフィラメント繊維の直径に対して1.2:1の比を有しており、この簡単な装置が、ほぼ単一層の拡張を実現することができることを証明している。
流体流れ装置4を引張装置3の下流に提供することが、特に有益であることが見いだされている。流体流れ装置4の前に繊維束2を引張装置3を通って進めることによって、前記繊維束2が、流体流れ装置4に入る前に少なくとも部分的に拡張される。いかなる特定の理論に束縛されることも望まないが、引張装置3を通ることによって繊維束2のバインダが少なくとも部分的に破壊および/または除去されることが考えられる。したがって、繊維束2が流体流れ装置4を通って進むとき、繊維束2はより効果的に拡張され、その結果、(バインダが予め少なくとも部分的に破壊および/または除去されなかった状態に比べて)より広い幅に拡張される。さらに、繊維束2を流体流れ装置4を通って進める前にそれを少なくとも部分的に予め拡張することによって、流体流れ装置4の効果が向上すると考えられる。
ここで図8を参照すると、引張クリール30上への引張ローラ31の様々な適切な配置が示されており、それぞれの引張クリール30に、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つの引張ローラ31が設けられている。これらの配置は図解を目的として提供されているに過ぎず、クリール30上の引張ローラ31の数および/または位置決めは、示されている配置とは異なってもよいことが、当業者には理解されよう。
ここで図9および図10を参照すると、本発明の第2の実施形態による、繊維を拡張するための装置11が示されており、(先頭の「1」によって特定される)同様の参照符号は、同様の特徴部を描いており、本明細書においてはこれ以上記述されない。この装置は、接触要素6およびアキュムレータ7を含んでいるが流体流れ装置を含んでいない点が、図1および図2に示されている装置とは異なる。
繊維束12は、バインダ樹脂によってともに拘束された複数の連続したガラス繊維を備えている。
引張装置13は、流体流れ装置4を備えていない点が、図1および図2に示されている実施形態の引張装置3とは異なる。さらに、装置11は、バインダブレーカ33およびテンショナ34も含んでいる。
図11および図12に示されているバインダブレーカ33は、自由端においてハウジング33bに取り付けられた一連の張力ロール33aを含んでいる。張力ロール33aは、アルミニウムから形成され、繊維束12がその上を通るときに繊維束12の損傷を防止するためにPTFEでコーティングされている。張力ロール33aは、それらの回転軸周りに自由に回転可能であり、連続した張力ロール33aの上と下のうねった経路を繊維束12が辿るように、配置されている。バインダブレーカ33は、滑らかな丸い内側表面を有しハウジング33bの外側表面に位置する配向ループ33cをさらに含んでいる。
テンショナ34は、進行方向Rに全体的に直交する方向に繊維束2を付勢するように構成されたばねに連結されたフックまたはロールを含んでいる。
アキュムレータ7は、その主表面から直交して突き出ている案内部70を有する梁を含んでおり、案内部間の距離によって、(繊維束2の進行方向Rに対して横向きの)知られている幅の狭窄部が提供される。
アキュムレータ7は、引張装置13の下流で、巻取りリール15の上流に位置する。テンショナ34は、引張クリール130a、130b、130cの上流で、供給ボビン120の下流に位置する。バインダブレーカ33は、テンショナ34の上流で、供給ボビン120の下流に位置する。
接触要素6は、マイクロファイバ生地60を備えている。マイクロファイバ生地60は、引張ローラ131a、131bのそれぞれの外側表面上におよびその周りに位置する。実施形態では、(クリール130a、130b、130cのそれぞれに支持されている)ローラ131a、131bのそれぞれには、マイクロファイバ生地60が設けられている。それほど好ましくないが、他の実施形態では、1つまたは複数のクリール130a、130b、130c上の少なくともいくつかのローラ131a、131bに、マイクロファイバ生地60が設けられる。
図13に示されているように、マイクロファイバ生地60は、マイクロファイバ生地60の主表面62から全体的に直交して突き出ている複数の突出繊維61を備えている。突出繊維61は、全体的に同様の方向に配向されており、これはマイクロファイバ生地のナップと呼ばれる(図11において矢印Nによって示されている)。マイクロファイバ生地60は、そのナップが繊維束12の進行方向Rとは反対側に面するように、引張ローラ131a、131bのそれぞれ上に配向されている。マイクロファイバ生地60の画像が、図14に示されており、突出繊維61は、主表面62から約1mm突出している。この実施形態では、突出繊維61は、ともに複数の束にまとめられているが、必ずしもこの限りではないことが、当業者には理解されよう。
装置11は、供給ボビン120から繊維束12の自由端を供給し、配向ループ33cに通し、バインダブレーカ33の張力ロール33a間のうねった経路に沿わせて供給ボビン120周りに戻し、次いでテンショナ34のフックまたはロールの下、第1のクリール130aの上、第2のクリール130bの下、第3のクリール130cの上を通し、アキュムレータ7を通し、巻取りリール15まで到達させ、その巻取りリールに、繊維束12の自由端が取り付けられることによって、使用できるように準備される。
使用中、繊維束12は、(上述したように)巻取りリール15のモータ駆動された回転によって進行方向Rに、装置11を通って引かれ、その一方で繊維束2は、同時に供給ボビン120から、モータ(図示せず)によって駆動されたその回転によって供給される。3つのべてのクリール130a、130b、130cは、モータ(図示せず)によって回転駆動される。第1および第3のクリール130a、130cは、(例えば反時計回りに駆動される)第2のクリール130bとは異なる方向(例えば時計回り)に駆動される。回転軸周りに自由に回転することができる引張ローラ131a、131bは、上述した態様で繊維束12に断続的に接触する。いかなる理論に束縛されることも望まないが、私たちは、引張ローラ131a、131b周りに位置するマイクロファイバ生地60が繊維束12の進行方向Rと同じ方向に動くことが特に有利であることを見いだしており、その理由は、これにより(繊維束12の進行方向Rとは反対に動くことに比べて)繊維束12内のフィラメント繊維への損傷を相対的に低減させることができるからである。
引張装置13によって繊維束12に生成される断続的に増減する張力は、図1および図2に示されている実施形態に関して上述されたように、繊維束12を拡張する。それに加えて、マイクロファイバ生地60の突出繊維61が、繊維束12をさらに拡張するように作用する。
繊維束12をバインダブレーカ33に通すことによって、有利なことに、繊維束12の個々の繊維を当初ともに結合しているバインダが破壊される(または少なくとも破壊され始める)。それに加えて、バインダブレーカ33を通ることによって、繊維束12がさらに引っ張られる。テンショナ34は、繊維束12の張力を強化および/または維持する。テンショナ34は、繊維束12の張力を最小レベルに維持してもよい。いかなる特定の理論に束縛されることも望まないが、上述した機構システムによりバインダを破壊する(またはバインダを破壊し始める)ことによって、熱分解によりバインダが破壊される繊維束12に比べて、物理的および/または機械的特性が改善した(例えばそれほど損なわれていない)フィラメント繊維を有する繊維束12が作り出されると考えられる。熱分解後の繊維は、一般的により脆く、破壊されやすい。さらに、上述した機械的に生じさせるバインダの破壊は、環境に有害である溶媒を使用してバインダを破壊することとは対照的に、環境に悪影響を与えない。
いかなる特定の理論に束縛されることも望まないが、マイクロファイバ生地60の突出繊維61は、繊維束12がその上を進むときに、(図15に示されているように)繊維束12に押し当てられ、場合によってはそれに押し通されると考えられる。こうして、マイクロファイバ生地60の突出繊維61は、有利なことに、繊維束12の隣接した繊維を分離し、その結果、前記繊維束12を拡張する、例えばさらに拡張する。いかなる理論に束縛されることも望まないが、私たちは、マイクロファイバ生地60のナップNを繊維束12の進行方向Rとは反対の方向に配向することによって、それに当たるマイクロファイバ生地60の効果が少なくとも部分的に向上すると考えている。
過度に拡張された状態にあり得る(すなわち所望の拡張レベルを超えて、例えば理想的な単一層を越えて拡張された)繊維束12は、繊維束12を低減されたまたは所望の拡張幅Wになるように案内するアキュムレータ7の狭窄部を通過する。拡張された繊維束12は次いで、好ましくはその下に紙のリリースシート(図示せず)がある状態で、巻取りローラ15上に回収される。アキュムレータ7は、隣接したガラス繊維間の隙間を減らすように作用することができる。
試験結果
0.5%w/wのエポキシ樹脂のバインダにより結合されたそれぞれ24μmの直径を有するガラス繊維の複数の繊維束12が、上述した装置11および方法を用いて拡張された。巻取りリール15は、3rpmの角速度で回転するように駆動され、その一方で第1、第2、および第3の引張クリール130a、130b、130cは、それぞれ70、40、および80rpmの角速度で回転するように駆動された。
複数の繊維束12の加工から得られた平均結果により、繊維束12は、初期幅W4.09mmを有し、アキュムレータ7を通過し巻取りリール15で回収された後の最終拡張幅W25.54mmを有していることが明らかになった。拡張幅は、初期幅に対して6.24:1の比を有している。しかし、バインダの存在および繊維束の物理条件に起因して、拡張される束が理想的な繊維束ではなく、各繊維が隣接した繊維と密着している。実際には、各繊維は、24μmの直径を有しており、これは個々のフィラメント繊維の直径に対する平均拡張厚さTの比が2:1未満であることになり、拡張された繊維束が、理想的な「単一層」であった、またはそれに近づいていたことを意味している。結果を図16に示す。
引張クリールにマイクロファイバが設けられていない比較試験では、最大繊維拡張は約3倍であり、明らかにマイクロファイバの有効性が証明された。
引張試験
上述した装置11によって拡張された繊維束12が切断されて、それぞれ50mmの長さの30個のサンプルが形成された。それに加えて、供給されたままの(すなわち拡張されていない)繊維束12が切断されて、それぞれ500の長さのサンプルが形成された。次いでそれぞれのサンプルは、インストロン5566引張試験器を用いて0.2mm/分のクロスヘッド速度で、室温における破断が試験された。
結果:非拡張繊維束12の平均ピーク負荷は984Nであり、拡張繊維束12の平均ピーク負荷は878Nであった。したがって拡張繊維束12は、非拡張繊維束12よりも低い引張強度を呈しており、その差は平均106Nまたは12%の減少である。したがって拡張繊維束と非拡張繊維束12の引張強度の差は、ごくわずかであることが見いだされた。いかなる特定の理論に束縛されることも望まないが、非拡張繊維束12は、非拡張繊維束12内にねじれおよび絡まりがあることに少なくとも部分的に起因して(これらのねじれおよび/または絡まりは拡張中に解消される)、相対的に高い引張強度を有すると考えられる。非拡張繊維束12の繊維が破壊されると、自由な破壊された端部が、隣接したねじれている繊維の中で絡むことがあり、それにより非拡張繊維束12からの前記破壊された端部の後退が、少なくとも部分的に妨げられる。その結果、非拡張繊維束12の破壊された糸が、引張負荷に対して部分的な抵抗力を提供し続けることができる。それとは対照的に、拡張繊維束12の破壊された繊維は、隣接した繊維の間で絡まる可能性が実質的に低く、その結果、破壊された繊維は、引張負荷に対して部分的な抵抗力を提供しないことがある。その結果、本発明に従って繊維束を拡張することによって、最小限の損傷および機械的特性の低減を有する拡張繊維束12がもたらされる。
理解されるように、上記の実施形態のそれぞれの特徴は、繊維を拡張するための単一の装置内で組み合わされてもよい。例えば、上述した特徴および/または以下の特徴のうちの任意のものが、本発明の第1の実施形態内に、またはそれとともに含まれ得ることが、大いに考えられる。すなわちアキュムレータ7、接触要素6、バインダブレーカ33、および/またはテンショナ34である。
本発明の範囲から逸脱することなく、前述した実施形態に対するいくつかの変形形態が想定されることが、当業者には理解されよう。例えば、真空源(例えば負圧の発生源)が記述されたが、必ずしもこの限りではなく、流体流れ装置4はそれに加えて、またはその代わりに、1つもしくは複数の正圧の発生源を備えてもよい。それに加えてまたはその代わりに、流体は上記の実施形態において空気として記述されているが、必ずしもこの限りではなく、それに加えてまたはその代わりに流体は、水もしくは他の適切な流体であってもよい。
それに加えてまたはその代わりに、引張装置3、13は、4つ以上の引張クリール30a、30b、30c、130a、130b、130c、例えば4つ、5つ、6つ、7つまたはそれ以上の引張クリールを備えてもよい。4つ以上の引張クリールが設けられる場合には、いくつかのまたはすべての追加的な引張クリールがモータによって回転駆動されてもよく、またはすべての追加的な引張クリールが回転駆動されなくてもよい。それに加えてまたはその代わりに、引張クリール30a、30b、30c、130a、130b、130cのそれぞれは、1つの引張ローラ31a、31b、131a、131bのみを備えてもよく、または(例えば図8に示されているように)3つ以上の引張ローラ31a、31b、131a、131bを備えてもよい。3つ以上の引張ローラ31a、31b、131a、131bが、1つの、いくつかの、またはすべての引張クリール30a、30b、30c、130a、130b、130cに設けられる場合には、引張ローラ31a、31b、131a、131bは、それぞれの引張クリール30a、30b、30c、130a、130b、130cの回転軸まわりに任意の適切な配向で配置されてもよい。それに加えてまたはその代わりに、引張ローラ31a、31b、131a、131bは、アセタールから形成されなくてもよく、代わりに任意の適切な物質、例えばプラスチック、または金属、または、プラスチックもしくは任意の他の適切なコーティング剤によってコーティングされた金属もしくは他の材料から形成されてもよい。
それに加えてまたはその代わりに、流体流れ装置4のスロット47は、垂直であるものとして上述されているが、そうではなくてもよく、その代わりに、任意の他の適切な配向を有していてもよい。それに加えてまたはその代わりに、スロット47は、それらの長さの少なくとも1つまたは複数の部分において、湾曲または円弧を画成してもよい。それに加えてまたはその代わりに、保持バトンまたは部材46は、付勢手段、例えばばねによって、スロット47内で流体流れ出口45に向かうようにまたはそれから離れるように付勢されてもよい。それに加えてまたはその代わりに、保持バトンまたは部材46は、例えばアクチュエータによって、スロット47内で流体流れ出口45に向かうようにまたはそれから離れるように駆動されてもよく、または駆動可能であってもよい。
それに加えてまたはその代わりに、図1および図2に示されている実施形態に関して1つの流体流れ装置4のみが記述されているが、必ずしもこの限りではなく、その代わりに任意の適切な数の流体流れ装置4が設けられてもよい。さらに、2つ以上の流体流れ装置4が設けられる場合、追加的な流体流れ装置は、装置1と同じもしくは同様の位置に設けられてもよく、または代替的な位置、例えば引張装置3の上流に位置してもよい。
それに加えてまたはその代わりに、図8および図9に示されている実施形態では、1つのアキュムレータのみが示されているが、必ずしもこの限りではなく、その代わりに、任意の適切な数、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアキュムレータが設けられてもよい。2つ以上のアキュムレータが設けられる場合には、装置11は、各アキュムレータの間に位置する引張アームをさらに含んでもよく、その引張アームは、繊維束12の張力を維持または保持するように構成されてもよい。
それに加えてまたはその代わりに、装置1、11は、1つまたは複数の測定装置を含んでもよく、測定装置は、引張装置の下流、および/または(設けられる場合には)流体流れ装置の下流、または任意の適切な位置に位置してもよい。測定装置は、繊維束2、12の1つまたは複数のパラメータ、例えばその幅または厚さ、を測定するように構成されてもよい。
それに加えてまたはその代わりに、図1および図2に示されている実施形態に関して上述されている繊維束2は、複数の連続した炭素繊維を含むものとして記述されているが、必ずしもこの限りではなく、その代わりに、繊維束2は、任意の適切なタイプの繊維、例えばガラス繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維、またはそれらの任意の(炭素繊維を含むまたは含まない)組合せを含んでもよい。それに加えてまたはその代わりに、図8および図9に示されている実施形態に関して上述されている繊維束12は、複数の連続したガラス繊維を含むものとして記述されているが、必ずしもこの限りではなく、その代わりに、繊維束12は、任意の適切なタイプの繊維、例えば炭素繊維、セラミック繊維、芳香族ポリアミド繊維、またはそれらの任意の(ガラス繊維を含むまたは含まない)組合せを含んでもよい。
また、前述した特徴および/または添付図面に示されている特徴の任意の数の組合せは、先行技術に勝る明らかな利点を提供し、したがって本明細書に記述されている本発明の範囲内にあることも、当業者には理解されよう。
1 装置
2 繊維束
3 引張装置
4 流体流れ装置
5 巻取りリール
6 接触要素
7 アキュムレータ
11 装置
12 繊維束
13 引張装置
15 巻取りリール
20 供給ボビン
30 引張クリール
30a、30b、30c 引張クリール
31 引張ローラ
31a、31b 引張ローラ
32 減衰機構
32a、32b 減衰ローラ
33 バインダブレーカ
33a 張力ロール
33b ハウジング
33c 配向ループ
34 テンショナ
40 ハウジング
41 基部
42 側壁
43 端壁
43a 湾曲した外側面
43b 内側表面
44 蓋
45 流体流れ出口
46 保持バトンまたは部材
47 スロット
48 流体流れ入口
60 マイクロファイバ生地
61 突出繊維
62 主表面
70 案内部
120 供給ボビン
130a、130b、130c 引張クリール
131a、131b 引張ローラ

Claims (46)

  1. 繊維を拡張する方法であって、初期幅Wを有する連続した繊維束を提供するステップと、前記繊維束を、引張手段を通って、流体流れ手段を越えてまたはそれを通って進行方法に進ませるステップとを含み、前記引張手段が、前記繊維束の張力を断続的に変化させ、前記流体流れ手段が、前記繊維束において前記張力が変化するときに、前記繊維束を通る流体流れを作り出し、それにより前記繊維束の前記幅が拡張幅Wに増大される、方法。
  2. 前記流体流れ手段が、前記引張手段の下流に位置する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記流体流れ手段は、流体流れ経路を画成し、前記繊維束が前記進行方向に並進移動するときに、前記繊維束を前記流体流れ経路の方向に往復して動かす、または動くことができるようにする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記繊維束内の前記張力を変化させることによって、前記繊維束を前記流れ経路内で往復して動かす、または動くことができるようにするステップを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記流体流れの圧力および/または速度が前記流体流れ経路に沿って変化する、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記繊維束の前記張力を低減させて、前記流体流れ経路内の流体流れの低圧力および/または高速度の方に、またはそれに向かって、前記繊維束を動かす、または動くことができるようにするステップを含む、請求項3、4、または5に記載の方法。
  7. 前記繊維束の前記張力を増大させて、前記流れ経路内の流体流れの高圧力および/または低速度の方に、またはそれに向かって、前記繊維束を動かす、または動くことができるようにするステップを含む、請求項3から6のいずれかに記載の方法。
  8. 保持部材を使用して、前記流体流れ経路内の前記繊維束の増大した幅を保持または維持するステップを含む、請求項3から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記繊維束を前記保持部材または保持部材の下で進ませることによって、前記流体流れ経路を画成または提供しているハウジング内で前記繊維束を保持するステップを含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 繊維を拡張する方法であって、初期幅Wを有する連続した繊維束を提供するステップと、前記繊維束を、引張手段および接触手段を通って進行方法に進ませるステップとを備えており、前記引張手段が、前記繊維束の前記張力を断続的に変化させ、前記接触手段が、前記繊維束に接触するように配置されたマイクロファイバ生地を備えており、それにより前記繊維束の前記幅が拡張幅Wに増大される、方法。
  11. 前記マイクロファイバ生地が、前記繊維束の前記進行方向とは反対の方向に配置されたナップを備えている、請求項10に記載の方法。
  12. 前記繊維束内および/または前記繊維束上のバインダを破壊するまたは弱くするように構成されたバインダブレーカ手段をさらに備える、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記繊維束が前記引張手段を通過した後、前記繊維束の幅を制限するステップを含む、請求項10、11、または12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記繊維束がガラス繊維を含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 5:1より大きい、例えば約6:1〜20:1、例えば約6:1〜15:1、例えば約6:1〜12:1、例えば約6:1〜12:1、好ましくは約8:1〜12:1の拡張幅W対前記初期幅Wの比を生じさせるまたはもたらすステップを含む、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記繊維束が、それぞれが直径を有する複数のフィラメント繊維を備えており、前記繊維束が平均拡張厚さTを備えており、前記方法が、約4:1〜1:1、例えば約3:1〜1:1、例えば約2:1〜1:1、例えば約1.5:1〜1:1の前記平均拡張厚さT対個々のフィラメント繊維の直径の比を生じさせるまたはもたらすステップを含む、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記引張手段を前記繊維束の前記進行方向に並進移動させるステップを含む、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
  18. 繊維を拡張するための装置であって、引張手段と、前記引張手段の下流にある流体流れ手段とを備えており、前記引張手段が、そこを通過する連続した繊維束の前記張力を断続的に増大させるように配置されており、前記流体流れ手段が、そこを通過する前記繊維束において前記張力が変化するときに、前記繊維束を通る流体流れを作り出すように配置されており、それにより前記繊維束の前記幅が初期幅Wから拡張幅Wに増大される、装置。
  19. 前記引張手段が、前記流体流れ手段によって画成された流れ経路内で前記繊維束を往復して動かす、または動くことができるようにするように配置されている、請求項18に記載の装置。
  20. 前記引張手段が、前記流体流れの相対的に高速度のおよび/または相対的に低圧力の領域に前記繊維束を往復して動かして出入りさせる、または出入りできるようにするように配置されている、請求項18または19に記載の装置。
  21. 前記流体流れ手段が、前記繊維束の拡張幅を保持または維持するように構成された保持部材を備えている、請求項18から20のいずれか一項に記載の装置。
  22. 保持部材または前記保持部材が、前記流体流れ手段から出る前記繊維束の動きを抑制する、請求項18から21のいずれか一項に記載の装置。
  23. 前記流体流れ手段が、前記流体流れ経路の方向に低減している断面積を有するハウジングを備えている、請求項18から22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記流体流れ手段が、開口部と、前記開口部から前記流体流れ経路の方向に先細になっている穴とを有するハウジングを備えている、請求項18から23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 繊維を拡張するための装置であって、引張手段と、接触手段とを備えており、前記引張手段が、そこを通過する連続した繊維束の前記張力を断続的に変化させるように配置されており、前記接触手段が、前記繊維束に接触するように配置されたマイクロファイバ生地を備えており、それにより前記繊維束の前記幅が初期幅Wから拡張幅Wに増大される、装置。
  26. 前記マイクロファイバ生地が、前記繊維束の前記進行方向とは反対の方向に配置されたナップを備えている、請求項25に記載の装置。
  27. 前記マイクロファイバ生地が、引張ローラ、前記引張ローラ、1つもしくは複数の引張ローラのうちの前記引張ローラ、1つの引張ローラ、いくつかの引張ローラ、またはそれぞれの引張ローラ上に、および/またはその周りに位置する、請求項25または26に記載の装置。
  28. 前記繊維束内および/または前記繊維束上のバインダを破壊するまたは弱めるように構成されたバインダブレーカ手段をさらに備える、請求項25、26、または27のいずれかに記載の装置。
  29. 前記バインダブレーカ手段が、前記繊維束がそこを進むまたは進むように構成されているうねった経路を備えている、請求項28に記載の装置。
  30. 前記装置が、前記繊維束の幅を制限するように構成されたアキュムレータを備えている、請求項25から29のいずれか一項に記載の装置。
  31. 前記アキュムレータが、前記引張手段の下流に位置する、請求項30に記載の装置。
  32. 前記拡張幅Wが、5:1より大きい、例えば約6:1〜20:1、例えば約6:1〜15:1、例えば約6:1〜12:1、例えば約6:1〜12:1、好ましくは約8:1〜12:1の前記初期幅Wに対する比を有する、請求項18から31のいずれかに記載の装置。
  33. 前記繊維束が、それぞれが直径を有する複数の連続したフィラメント繊維を備えており、前記繊維束が、平均拡張厚さTを備えている、請求項18から32のいずれかに記載の装置。
  34. 前記平均拡張厚さTが、約4:1〜1:1、例えば約3:1〜1:1、例えば約2:1〜1:1、例えば約1.5:1〜1:1の前記個々のフィラメント繊維の直径に対する比を有する、請求項33に記載の装置。
  35. 前記引張手段が、使用中に、そこを通る前記繊維束の前記進行方向に並進移動するように配置された、請求項18から34のいずれかに記載の装置。
  36. 前記引張手段が、前記繊維束の張力を断続的に増減させるように動く、または動くことが可能である1つまたは複数の引張ローラを備える、請求項18から35のいずれかに記載の装置。
  37. 1つの、前記、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラが、そのもしくはそれらの中心軸周りに回転する、または回転可能である、請求項36に記載の装置。
  38. 前記引張手段が、そのもしくはそれらの軸周りに回転するまたは回転可能である1つまたは複数の引張クリールを備える、請求項18から37のいずれかに記載の装置。
  39. 前記、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張クリールが、1つまたは複数の引張ローラを備える、請求項36または37に従属したときの請求項38に記載の装置。
  40. 前記、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張ローラの前記中心軸が、前記、1つの、いくつかの、またはそれぞれの引張クリールの前記中心軸から離間している、請求項39に記載の装置。
  41. 前記引張手段が、巻取りリールをさらに備える、請求項18から40のいずれかに記載の装置。
  42. 前記巻取りリールが、前記繊維束を、前記装置を通って進行方向に進ませるように構成されている、請求項41に記載の装置。
  43. 請求項1から17のいずれかに記載の方法により、または請求項18から42のいずれかに記載の装置により、拡張された拡張繊維束。
  44. 幅Wを有する繊維束から形成された拡張繊維束であって、前記束のそれぞれの繊維が、直径Dを有し、前記拡張繊維束が、幅Wおよび厚さTを有し、W>5Wであり、T<2Dである、拡張繊維束。
  45. ガラス繊維、アラミド繊維、または炭素繊維を備える拡張繊維束。
  46. 請求項43、44、または45に記載の1つまたは複数の拡張繊維束を備えるシート。
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