JP2019513876A - クラッキング炉用の反応器 - Google Patents

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Abstract

本発明は、炭化水素をクラッキングするための、内壁を有する反応器であって、前記内壁がその内壁の表面に埋め込まれた複数の凹型の窪みを備えることを特徴とする反応器に関する。

Description

本明細書では、炭化水素をクラッキングするための反応器、該炭化水素をクラッキングするための反応器を備える炉、および軽質オレフィンを炭化水素供給原料から製造する方法が提供される。
発明の背景
石油化学産業において、前駆体供給原料からより小さなオレフィンが熱的クラッキング法によって製造される。このクラッキング法は、より大きな炭化水素を含む前駆体供給原料を加熱することを必要とする。熱的エネルギーの増大の結果として、該前駆体供給原料中に存在する炭素結合が破断されることとなり、それにより長鎖の炭化水素分子はより短鎖のより小さな炭化水素分子へと変換される。クラッキング法を開始するのに必要な温度は、供給される炭化水素および所望されるクラッキング後の最終生成物によっては1000℃にまで達することがある。通常、可能な限り高い収率を得るために、滞留時間、希釈、流動、圧力等のその他のクラッキング法条件が調整され得る。
通例では、スチームクラッキング法は、反応器を外側から加熱する大きなガス燃焼炉中に懸架された反応器内部で行われる。しばしば、数千キロトン毎年(kta)にまで生産能力を高めるために、これらの数十から数百の反応器が1つの炉内に一緒に積み上げられる。これらの反応器(時々、クラッキングチューブと呼ばれる)は、生産能力を高め、該方法の選択性、収率および/または熱効率を改善するように多くの種々の形状およびサイズで製作される。
スチームクラッキングの間に、ガス状態で供給された前駆体供給原料は、反応器へと高速で流れ、そこで該供給原料はスチームで希釈され、酸素の存在無くして加熱される。しかしながら、この過程の結果としてコークス、すなわち炭素から構成される固体残分の沈着が反応器の内壁上に形成されることがある。このコークスの沈着は、これらの反応器の生産性に幾つかの悪影響を及ぼす。
(1)コークスは、低い熱伝導率を有するため、コークスの沈着は該システムの熱効率を下げることがあり、それはまた同じ水準の生産を維持するために燃料流速を高めることを必要とし、こうしてさらにコークス沈着速度が高まることとなる。さらに、共通の炉内に懸架された一連の反応器にわたる異なるコークス沈着速度は、所望の生産選択性を維持するために必要とされる適切な温度制御を妨げることとなる。コークス層の低い熱伝導率は、より高いチューブ金属温度をももたらし、それにより使用される合金のデザイン限界に達することがある。
(2)コークスの沈着の持続は、供給原料ガスのために利用可能な反応器の断面積を減少させることがあり、こうして、より高いプロセスガス速度および反応器にわたるより高い圧力降下が引き起こされる。この圧力降下を補償するために、反応器内の全圧力を増加させる必要がある。その圧力増加は偶発的に、軽質オレフィンに対する方法選択性の低下を招くが、それは該オレフィン間の二次反応の率が増加するからである。
(3)コークスの存在は、クラッキング法の炭素収率を低下させる。それというのも、それにもかかわらず軽質オレフィンとして回収されることとなる炭素原子のすべてが、その代わりにコークス中に取り込まれることで失われるからである。
時間の経過に伴うコークス沈着の悪影響を制限するためには、該反応器の脱コークス化のために定期的な運転停止が必要とされる。脱コークス化過程は、コークス沈着物を酸化し、それらをすべての反応器の内壁から除去するために、全炉を1日以上にわたりオフラインにする必要がある。したがって、脱コークス化過程は、連続運転時間を中断することにより炉の生産性を激しく低下させ、脱コークス化過程を実施し、その後にクラッキング過程を再開するために必要とされる材料費用およびエネルギー費用がかさむことにより生産コストを増大させる。さらに、脱コークス化の発熱的性質のため、脱コークス化の間に反応器に熱的損傷が生ずることがある。
英国特許第969796号明細書(GB969796)に記載されるような内側フィンは、内部表面積の増加により改善された熱伝達を達成することができる。しかしながら、曝される反応器表面積が増加するので、層流層が反応器壁と接触する。この層内で高い滞留時間と高い温度とが組み合わさって、有用な生成物収率の大幅な損失がもたらされる。さらに、より多くの反応器壁が曝されて、コークス沈着物が形成される。したがって、チューブの熱的性能は改善され得るが、その一方で、コークス形成および連続運転時間に対しては悪影響さえも及ぼされ得る。
米国特許第5950718号明細書(US5950718)は、これらの問題点を、層流層を破壊するとともに乱流混合を促進するために反応器壁に凸型要素を設けることにより解決することを目的としている。そのような装置は熱伝達係数を改善し得る一方で、それらは一般的に、圧力の形のポテンシャルエネルギーが乱流運動エネルギーへと変換されるので過剰の抗力に見舞われる。さらに、流動中のそのような障害物は、局所的に高い滞留時間を伴う再循環流動パターンを引き起こすため、コークス形成が起こりやすい。各々の要素の個別の溶接は、追加的な保全リスクを増やす。それというのも、上記要素は、それらが高い局所的な熱応力およびせん断応力に曝されるため破損し得るからである。
したがって、スチームクラッキング用反応器および炉の連続運転時間の増加を可能にする新たな技術が求められている。また、熱化学的プロセスの間のオレフィン選択性を改善することを目的とする技術も求められている。また、熱伝達を改善することを目的とする技術も求められている。また、熱応力を減少させることを目的とする技術も求められている。また、最高プロセスガス温度の増大によるより高い過酷度での運転を目的とする技術も求められている。また、最高負荷量の増大によるより高い処理量での運転を目的とする技術も求められている。また、圧力降下の発生および/または大きさを制限することを目的とする技術も求められている。
発明の概要
本明細書に記載される発明は、上述の要求の1つ以上への解決策を提供する。本明細書に記載される発明の好ましい実施形態は、上述の要求の1つ以上への解決策を提供する。
第1の態様によれば、本発明は、炭化水素をクラッキングするための、内壁を有する反応器であって、前記内壁がその内壁の表面に埋め込まれた複数の凹型の窪みを備えることを特徴とする反応器に関する。好ましくは、該反応器は、熱分解用反応器、熱的クラッキング用反応器、またはスチームクラッキング用反応器である。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記複数の凹型の窪みのそれぞれの凹型の窪みは、少なくとも0.01cmで大きくても1.0cm、好ましくは少なくとも0.1cmで大きくても0.5cmである窪み深さeを特徴とする。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記複数の凹型の窪みのそれぞれの凹型の窪みは、少なくとも0.1cmで大きくても5.0cm、好ましくは少なくとも0.5cmで大きくても2.0cmである窪み直径dを特徴とする。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記複数の凹型の窪みのそれぞれの凹型の窪みはさらに、少なくとも0.01で大きくても0.5、好ましくは少なくとも0.05で大きくても0.4、より好ましくは少なくとも0.1で大きくても0.3である、
DDR=e/d
として定義される深さ対直径比(DDR)を特徴とする。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記複数の凹型の窪みのそれぞれの窪みの形状は、1つの幾何学的特徴、好ましくは滑らかな輪郭または湾曲した輪郭、例えば球形状、長球形状、卵形状、または涙滴形状の少なくとも1つの区分を特徴とする。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記複数の窪みの少なくとも1つの窪みは、主凹面とは異なる曲率半径の2つ以上の第2曲面領域を備え、その際、該第2曲面領域は、前記主凹面の縁部にまたはその内側に位置している。図3は、そのような第2曲面領域を例示している。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記複数の凹型の窪みの少なくとも1つの部分は、1つ以上のパターンで配置されており、その際、好ましくは該パターンは、線状型、千鳥型、および/または交差型である。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記内壁の少なくとも1つの部分は平坦であり、すなわちは凹型の窪みにより一切覆われておらず、さらに
AC(%)=窪みにより覆われた内壁の全面積/内壁の全面積×100
として定義される、少なくとも1%で高くても99%の、好ましくは少なくとも20%で高くても90%の面積被覆率(AC)を特徴とする。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記反応器は、管形状を有するとともに、
− 少なくとも10m〜大きくても400mの全反応器長さと、
− 少なくとも2cm〜大きくても20cmの、好ましくは少なくとも3cmで大きくても15cmの内径と、
− 前記内径より大きい、少なくとも3.0cmで大きくても22.0cmの、好ましくは少なくとも5.0cmで大きくても17.0cmの外径と、
− 前記外径と前記内径との間の差の半分として定義される、少なくとも0.3cmで大きくても2.0cmの、好ましくは少なくとも0.5cmで大きくても1cmの壁厚と、
を特徴とする。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記壁厚は、窪み深さeの2倍(2×e)より大きく、その際、好ましくは該壁厚は、3×eより大きい。一般的に該壁厚は、窪み深さeよりも常に大きい。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記内壁は、金属、金属合金、セラミック、および/またはそれらの組み合わせを含む。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記複数の凹型の窪みのそれぞれの窪みは、前記反応器と同じ材料を含む。
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様、およびその好ましい実施形態による反応器を備える炉に関する。
第3の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様、およびその好ましい実施形態による反応器の製造方法であって、以下の工程:
− 成形、
− 遠心鋳造、
− 掘削、および/または
− 堆積
のいずれか1つを含む方法に関する。
第4の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様、およびその好ましい実施形態による反応器中で、または本発明の第2の態様、およびその好ましい実施形態による炉中で軽質オレフィンを製造する方法であって、炭化水素供給原料を少なくとも700℃で高くても900℃の温度で軽質オレフィンへとクラッキングする工程を含む方法に関する。
図面の説明
以下の番号は、(100)反応器(熱分解用、熱的クラッキング用、またはスチームクラッキング用)、(150)反応器の内壁(表面)、(200)窪み(凹型)を指す。
図1は、反応器の内表面上に形成される窪みの配置の1つの実施形態を図解するための本発明のチューブの内表面の展開図である。この図において、パラメーターdは、窪みの直径(流動方向で測定される)を指す。t2は、互いに千鳥角度γで配置された流動方向における連続する窪みの行間の距離である。パラメーターt1は、隣接する窪み間の方位距離であり、断面当たりの窪みの個数nおよびチューブ直径DからπD/nとして計算することができる。 図2は、個々の窪みの種々のパラメーターを図解するための湾曲した円筒形表面上の窪みの断面図である(実施例1にさらに記載される)。この図において、半径Rおよび壁厚tを有するチューブが示されており、そのチューブ面に球面形状および半径rを有する窪みが刻み込まれている。角度αおよびβは、それぞれ窪み中心およびチューブ中心に対する窪みの弧の中心角に相当する。円筒形チューブの湾曲した表面のため、流動方向における窪み直径dは、方位方向における見掛け直径d’とは異なる。さらに、見掛け深さε+eは、チューブの曲率のため真の窪み深さよりも大きい場合がある。 図3は、各々の曲率1/r1、−1/r2および−1/r3を有する3つの同心の曲面領域S1、S2およびS3の適用により圧力損失が減少され得る窪みのデザインを図解している。この場合に、窪み深さeおよび直径dは、最終窪み形状の極値となるように計算され得る。 図4は、球面形(a)、涙滴形(b)、長球形(c)、および傾斜長球形(d)の窪みデザインを含む種々の窪み形状を図解するための本発明のチューブの内表面の展開図(上方)および半径断面(下方)である。傾斜長球形の窪みに関しては、角度δは、流動方向とその長球の長軸との間の角度として定義される。 図5は、様々な窪みパラメーターの組み合わせに関する参照ベアチューブおよび先行技術のチューブと比較した圧力損失および熱伝達の増大を示すグラフである(実施例2でさらに記載される)。 図6は、先行技術のチューブと比較した本発明の2つの実施形態に関する相対熱伝達の増大および圧力損失に関するレイノルズ数の依存性を示すグラフである(実施例3にさらに記載される)。 図7(a)は、t=0.8sおよびt=2.0sの間の時間平均のラージエディーシミュレーションデータを使用して得られた0.45の窪みの深さ対直径比を有する窪んだ表面上での流線のプロットである(実施例5にさらに記載される)。 図7(b)は、図7(a)に示される「左」および「右」の位置での瞬間流動方向速度を示すグラフである(実施例5にさらに記載される)。
発明の詳細な説明
本発明のシステムおよび方法を記載する前に、本発明は、記載される特定のシステムおよび方法または組み合わせに限定されるものではないと解釈されるべきである。それというのも、そのようなシステムおよび方法ならびに組み合わせは、当然のように変動し得るからである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は、限定することを意図しないものと解釈されるべきである。
本明細書で使用される場合に、単数形「a」、「an」、および「the」は、特に文脈が他のことを明らかに規定しない限りは、単数および複数の指示対象の両方を含む。本明細書で使用される用語「含んでいる(comprising)」、「含む(comprises)」、および「から構成される(comprised of)」は、「包含している(including)」、「包含する(includes)」または「含有している(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、かつ包括的またはオープンエンド型式であり、追加の列挙されていない構成員、要素または方法工程を排除するものではない。本明細書で使用される用語「含んでいる(comprising)」、「含む(comprises)」、および「から構成される(comprised of)」は、用語「からなっている(consisting of)」、「なる(consists)」、および「からなる(consists of)」を含むものと理解されたい。
端点による数値範囲の列挙は、それぞれの範囲内に包含されるすべての数および分数、ならびに列挙された端点を含む。本明細書においてパラメーター、量、時間的期間等のような計測可能な値に対して使用される用語「約」または「ほぼ」は、特定の値のおよび特定の値からの±10%以下の、好ましくは±5%以下の、より好ましくは±1%以下の、さらにより好ましくは±0.1%以下の変動を含むことを意味するが、それは、開示された発明において、そのような変動を行うことが適切である場合に限る。特にかつ好ましくは、修飾語「約」または「ほぼ」が指す値それ自身も開示されていると理解されるべきである。
用語「1つ以上」または「少なくとも1つ」、例えば構成員の群の1つ以上または少なくとも1つの構成員はさらなる例示によりそれ自体明確であるが、その用語は、とりわけ前記構成員のいずれか1つ、または前記構成員のいずれか2つ以上、例えば前記構成員のいずれか3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上または7つ以上等、そしてすべての前記構成員までを含む。
本明細書で引用されるすべての参考文献は、参照によりその全体が本明細書で援用される。特に、本明細書で具体的に参照されたすべての参考文献の教示は、参照により援用される。
特に定義されない限り、本発明の開示に使用される技術用語および科学用語を含むすべての用語は、本発明の属する技術分野における当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。さらなる指示により、用語の定義は、本発明の教示をより良く理解するために含まれる。
以下の節において、本発明の種々の態様がより詳細に定義される。こうして定義されたそれぞれの態様は、明らかにその他のことが指摘されない限りは、任意のその他の1つ以上の態様と組み合わせることができる。特に、好ましいものとして、または有利なものとして指摘される任意の特徴または実施形態は、好ましいものとして、または有利なものとして指摘される任意のその他の特徴または実施形態と組み合わせることができる。
本明細書全体を通した「1つの実施形態」、または「1実施形態」への参照は、該実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味している。したがって、「1つの実施形態において」、または「1実施形態において」という文言が本明細書全体を通して様々な箇所で現れることは、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではないが、それを指している場合もある。さらに、それらの特定の特徴、構造、または特性は、当業者には本開示から明らかであるので、1つ以上の実施形態において任意の適切な様式で組み合わされていてよい。さらに、本明細書に記載される幾つかの実施形態が、その他の実施形態に含まれる幾つかの特徴を含むが、その他の特徴を含まない場合に、種々の実施形態の特徴の組み合わせは、当業者により理解されるように本発明の範囲内であり、異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、添付の特許請求の範囲において、特許請求の範囲に記載された実施形態のいずれも任意の組み合わせで使用することができる。
本発明の詳細な説明において、その一部を形成し、本発明が実施され得る特定の実施形態を説明するために示されているにすぎない添付の図面が参照される。それぞれの要素に添えられる括弧付けされたまたは太字の参照番号は、それらの要素を単に例として例示するものであって、それによりそれぞれの要素を限定することを意図するものではない。その他の実施形態を利用することができ、かつ本発明の範囲から逸脱することなく構造変化または論理変化を行うことができると理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で取られるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により規定される。
用語「スチームクラッキング法」は、前駆体供給原料内に含まれる1つ以上の炭素結合を熱的エネルギーにより破断して、前駆体供給原料の大きな分子をより短い、好ましくは不飽和の生成物分子へと分割する化学反応を指す。用語「熱分解」は、高められた温度での酸素の不存在下(または一切のハロゲンの不存在下)での有機材料の熱化学的分解を指し、それは、加熱分解の1つの形態であり、当業者により関連しているまたは同義であるとみなされ得るあらゆる用語を含む。スチームクラッキングについてのさらなる詳細は、Zimmermann,H.;Walzl,R.,Ethylene.In Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA:2000;pp 469−493に見出すことができ、参照によりその全内容が本明細書で援用される。
用語「前駆体供給原料」は、熱化学的分解を受けることで生成物へと変換される反応器に供給される1群の有機化合物を指し、好ましくは前駆体供給原料は、スチームクラッキング法により(軽質)オレフィンへと分割される炭化水素を含む。適切な前駆体供給原料の例は、エタン、プロパン、ブタン、LPG、(再生可能)ナフサ、軽質ガス油、真空ガス油、ガスコンデンセート、(水素化)原油等を含む群から選択することができ、かつ/またはそれらの組み合わせの共クラッキングであってよい。コークス化(分解)を示すあらゆる供給原料が、本発明から特に有益であることとなる。
用語「生成物」は、熱化学的反応により前駆体供給原料が変換された後に反応器から得られる1群の有機化合物を指す。好ましくは、該生成物は、スチームクラッキング法により分解された炭化水素から得られた(軽質)オレフィンを含む。所望な生成物の例は、エチレン、プロピレン、ベンゼン、ブタジエン等、および/またはそれらの組み合わせを含む群から選択され得る。
本明細書で使用される用語「反応器」は、化学反応を収容するための本発明による装置または構造物を指し、好ましくは、前記化学反応は、オレフィン生産のためのスチームクラッキングを含む。本明細書で使用される用語「内壁」は、反応器構造内に含まれる、好ましくは化学反応が行われる空間と接する表面領域を指す。本明細書で使用される用語「外壁」は、反応器構造外に含まれる、好ましくは熱的エネルギーが反応器に供給される空間と接する表面領域を指す。反応器チューブの様々な形状の例は、van Goethem,M.W.M.;Jelsma,E.,Numerical and experimental study of enhanced heat transfer and pressure drop for high temperature applications.Chem.Eng.Res.Des.2014,92(4),663−671に見出され、参照によりその全体は本明細書で援用される。
本明細書で使用される用語「炉」は、「オーブン」としても知られ、化学反応を収容するための本発明による1つ以上の反応器を備える装置または構造物を指し、好ましくは、前記化学反応は、オレフィン生産のためのスチームクラッキングを含む。該炉は、(非常に)高温の加熱のために適切であるように適合される。炉の基本構造は当該技術分野で知られており、加熱および熱分布のために構成される1つ以上の構造物、例えば加熱場または炉床、煙突、連結管等をさらに備え得る。スチームクラッキングのために適した炉のデザインについてのさらなる詳細は、Zimmermann,H.;Walzl,R.,Ethylene.In Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA:2000;pp 482−491に見出すことができ、参照によりその全内容が本明細書で援用される。
本明細書で使用される用語「窪み」は、反応器内壁の表面における凹型の陥凹を指し、その際、好ましくは前記窪みは、凹型の陥凹であり、好ましくは、前記窪みは、反応器の内側領域に対して窪んでいる。本明細書で使用される用語「凹型」は、球面または長球の内側のような内側に湾曲する表面領域を指し、それは陥凹、凹み、内向等の用語を含む。本明細書で使用される用語「パターン」は、モデルまたはデザインにより区別することができる規則的な繰り返し型式での窪みの整然とした配置を指す。
レイノルズ数(Re)は、モーメント(または慣性)力の粘性力に対する比率として定義され、こうしてしたがって、所定の流動条件の場合のこれらの2つの種類の力の相対的な重要性を定量化する。モーメント力は、流速および長さスケールに関連し得る。円筒形チューブの場合には、これは、以下の定義:Re=uD/v(vは、動粘度である)という結果につながる。
第1の態様によれば、本発明は、炭化水素をクラッキングするための、内壁を有する反応器であって、前記内壁がその内壁の表面に埋め込まれた複数の凹型の窪みを備えることを特徴とする反応器を包含する。すべての窪みは凹型であることが好ましい。好ましくは、該反応器は、熱分解用反応器、熱的クラッキング用反応器、またはスチームクラッキング用反応器である。幾つかの実施形態においては、前記反応器は、熱化学的反応器である。幾つかの実施形態においては、前記反応器は、加熱分解用の反応器、より好ましくは熱分解用の反応器である。最も好ましい実施形態においては、前記反応器は、スチームクラッキング用反応器である。
好ましくは、反応器壁は、本質的に触媒を含まず、好ましくは反応器内に触媒位置を有さない。例えば、改質用反応器においては、該反応器は、一般的に反応器内に配置された触媒を含むこととなる。熱分解用反応器、熱的クラッキング用反応器、またはスチームクラッキング用反応器は、通常は、反応器の内側に触媒を含まない。しかしながら、その反応器壁自体は、触媒活性を有する元素を含んでもよい。
好ましくは、該反応器は、700℃〜1200℃の温度に耐えるように構成されている。熱分解用反応器、熱的クラッキング用反応器、またはスチームクラッキング用反応器は、通常は、そのような温度に耐えるように構成されている。例えば、該反応器は、CrNi+鋼、Cr+鋼、またはAl合金から作製され得る。
好ましくは、前記反応器は、脱コークス化システムを備える。適切な脱コークス化システムは、米国特許出願公開第20130239999号明細書(US20130239999A1)の段落[0008]および[0009]に見出すことができる。これらの段落は、参照により本明細書で援用される。適切な脱コークス化システムは、国際公開第2016032730号パンフレット(WO2016032730A)の段落[0006]に見出すこともできる。この段落は、参照により本明細書で援用される。
幾つかの実施形態においては、脱コークス化システムは、空気入口および/または空気出口を備える。幾つかの実施形態においては、脱コークス化システムは、スチーム入口および/またはスチーム出口を備える。幾つかの実施形態においては、脱コークス化システムは、空気入口およびスチーム入口、好ましくはまた空気出口およびスチーム出口を備える。該出口は、空気および/またはスチームを大気中に放出し得る。
該反応器は、「内側領域」を「外側領域」から部分的に密閉する反応器壁を備え、好ましくは反応器壁は、少なくとも1つの入口点および出口点を有し、それらは分子流動を反応器中に通過させることを可能にする。それを通じて前駆体供給原料が反応器に供給される入口点は、それにより「入口」と呼ばれ、それを通じて生成物が排出および/または回収される出口点は、それにより「出口」と呼ばれる。反応器は、それぞれの出口点に対して複数の入口点からなり得る。これらの入口点に接続された反応器壁は、該入口点の下流にある1箇所以上で1または複数のマニホルド構造により接合されている。
幾つかの実施形態においては、前記反応器は、該反応器の内側領域と空間的に繋がっている内壁を有し、好ましくは、その内側領域は、熱化学的反応が行われる空間であり、より好ましくは、熱的クラッキングが行われる空間である。幾つかの実施形態においては、前記反応器は、該反応器の外側領域と空間的に繋がっている外壁を有し、好ましくは外側領域は、そこからエネルギーが反応器へと供給される空間であり、より好ましくは、該エネルギーは、熱の形で供給され、最も好ましくは、該エネルギーは、炉により熱の形で供給される。
好ましくは、前記内壁は、複数の凹型の窪みを含む。幾つかの実施形態においては、前記反応器内壁は、複数の窪んだ窪みを備え、好ましくは、該窪みは、内壁中に内向きに陥凹され、最も好ましくはその窪みは凹型である。幾つかの実施形態においては、前記反応器内壁は、該内壁が、その内壁の表面に埋め込まれた複数の凹型の窪みを備え、好ましくは、該窪みは、内壁表面の一部を形成することを特徴としている。
幾つかの実施形態においては、前記反応器は、内壁が、その内壁の表面に埋め込まれた複数の凹型の窪みを備えることを特徴としている。
反応器の内壁の内側に窪みを設けることにより、幾つかの利点、例えば熱伝達の向上および沈着速度の低下が得られる。反応器中での熱伝達を増大することによって、より高い過酷度で、すなわちより高いエチレン選択性および全オレフィン選択性を可能にし得る温度で、同じ処理量および連続運転時間を維持しながら作動し、かつ/または同じ連続運転時間および過酷度の場合により高い処理量を可能にし得る高められた負荷量で作動することが可能となり得る。さらに、コークス沈着を低減することにより、反応器についての連続運転時間を高め、それにより反応器の生産性を高め、スチームクラッキングの費用効率およびエネルギー効率を高め、そして炭素の沈着されたコークスへの損失を低下させることによってより高い収率を得ることが可能となり得る。さらに、反応器中の熱伝達を高めることにより、低下された反応器壁温度で作動し、それにより浸炭を減少させ、反応器材料の寿命を増加させることが可能となり得る。
実施例で実証されるように、二次流動パターンが前記窪みにより発生し、それによりコークスの除去が促進される。この流動パターンは、空洞内部の低圧帯域の発生による吸引力によって窪み中にプロセスガスを連行することを特徴とする。さらに、回転流動がその空洞内部に発生し、その後に、高温のプロセスガスが再びチューブの芯部に向かって放出される。この放出された流体は、主要流に対して接線方向で窪みを出て行くことができ、該プロセスガスの半径方向および接線方向の混合の両方を高める(図7)。このようにして、高い局所的滞留時間および温度を有する帯域の存在は、流体が連続的に放出されるので回避され得る。この改善された滞留時間の分布は、実施例4により実証されるように改善された生成物収率をもたらすと期待され得る。
記載されたパターンは、振動運動を示してもよい。これは、平均流が軸方向を辿る一方で、反応器壁の近くの流体が、固定間隔で自立的に方向を変える接線成分を有することを意味する。流動方向の変化は、これらの反応器中の付着物のために重要な影響を及ぼし得る。表面上のせん断方向は連続的に変化するので、壁面に形成されるあらゆるコークスが、窪みのためより容易に取り去られると予想される。このように、窪みを有する実施形態は、「自浄」効果を示すと予想される。これは実施例5で実証されており、そこから表面パラメーターが、この好ましい流動パターンを得るために重要な役割を担うことを理解することができる。
幾つかの実施形態においては、前記反応器は、熱化学的反応器である。幾つかの実施形態においては、前記反応器は、加熱分解用の反応器、より好ましくは熱分解用の反応器である。最も好ましい実施形態においては、前記反応器は、スチームクラッキング用反応器である。
幾つかの実施形態においては、それぞれの窪みは、窪み深さeおよび窪み直径dを特徴としている。好ましくは、複数の凹型の窪みのそれぞれの窪みは、窪み深さeおよび窪み直径dを特徴としている。等しい窪み深さeを共有する複数の窪みからなる窪みの部分集合は、それにより「共通の窪み深さ」を有する窪みと呼ばれる。等しい窪み直径dを共有する複数の窪みからなる窪みの部分集合は、それにより「共通の窪み直径」を有する窪みと呼ばれる。
窪み深さeは、円筒形内壁表面とその円筒形表面から最も遠く離れたその窪みの内側の最も深い点との間の距離として測定され、好ましくは、その最も深い点は、窪みの中心と一致しているが、任意の二次構造がその窪み内に位置すべき場合には、そうである必要はない。幾つかの実施形態においては、窪み深さeは、少なくとも0.01cmで大きくても1.0cmであり、好ましくは少なくとも0.05cmで大きくても0.8cmであり、最も好ましくは少なくとも0.1cmで大きくても0.5cmである。
窪み直径dは、窪みの縁部にあり、直線の線分として走るが、窪みの中心を通過する窪みの2つの対心点の間の、すなわち直径の反対側の点の間の最大距離として測定される。幾つかの実施形態においては、窪み直径dは、少なくとも0.1cmで大きくても5.0cmであり、好ましくは少なくとも0.2cmで大きくても3.0cmであり、最も好ましくは少なくとも0.5cmで大きくても2.0cmである。
幾つかの実施形態においては、複数の窪みの少なくとも1つの部分は、共通の窪み深さおよび共通の窪み直径を有し、幾つかの実施形態においては、複数の窪みにおけるどの窪みも、共通の窪み深さおよび共通の窪み直径を有する。幾つかの実施形態においては、複数の窪みの少なくとも1つの部分は、共通の窪み深さを有するが、異なる窪み直径を有してよく、幾つかの実施形態においては、複数の窪みにおけるどの窪みも、共通の窪み深さを有するが、前記複数の窪みの少なくとも1つの部分は、異なる窪み直径を有する。幾つかの実施形態においては、複数の窪みの少なくとも1つの部分は、共通の窪み直径を有するが、異なる窪み深さを有してよく、幾つかの実施形態においては、複数の窪みにおけるどの窪みも、共通の窪み直径を有するが、前記複数の窪みの少なくとも1つの部分は、異なる窪み深さを有する。幾つかの実施形態においては、複数の窪みの少なくとも1つの部分は、異なる窪み深さおよび異なる窪み直径を有し、幾つかの実施形態においては、複数の窪みにおけるどの窪みも、異なる窪み深さおよび異なる窪み直径を有する。
幾つかの実施形態においては、複数の窪みを構成する窪みの2つ以上の部分は、共通の窪み深さおよび共通の窪み直径を有する。好ましくは、共通の窪み深さおよび共通の窪み直径を有する複数の窪みを構成する2つ以上の部分は、それらが異なる窪みパラメーターから利益を得ることとなる反応器内壁の異なる領域に含まれるように構成される。異なる直径および/または深さを有する窪みの部分を与えることによって、その窪みの割合は、反応器の一定の領域に調整され得、例えば、より高い速度のスチームクラッキング、コークス沈着、より高い分子流動、および/または圧力降下がある、反応器の屈曲部または湾曲部の近くの一定のホットスポットは、より低速の反応器出口の近くの領域より深いかつ/またはより広い窪みからより利益を得ることができる。例えば、浅い窪み、すなわち0.1cmの窪み深さは、反応器が屈曲部を形成する領域に位置してよいが、その一方で、より深い窪み、すなわち0.3cmの窪み深さは、反応器が真っ直ぐ走る領域に位置していてよい。例えば、浅い窪みが、反応器の入口チューブ中に位置していてよく(より低いプロセス温度は、圧力降下を減少させる)、一方で、より深い窪みが、ホットスポット中にまたは出口チューブ中に位置していてよい。この窪みパラメーターのカスタム化は、反応器の連続運転時間、選択性、熱伝達、圧力降下、処理量、およびライフサイクルに関して利点を有し得る。
幾つかの実施形態においては、前記複数の凹型の窪みの幾つかの窪みはさらに、
DDR=窪み深さe/窪み直径d(またはDDR=e/d)
として定義される深さ対直径比(DDR)を特徴とする。
さらなる実施形態においては、複数の窪みを構成するそれぞれの窪みは、1つのDDRを特徴とする。
好ましくは、DDRは、少なくとも0.01で大きくても0.5であり、好ましくは少なくとも0.05で大きくても0.3であり、より好ましくは少なくとも0.1で大きくても0.2であり、より好ましくは少なくとも0.15で大きくても0.25であり、例えば約0.20である。幾つかの実施形態においては、DDRは、少なくとも0.01で大きくても0.5であり、好ましくは少なくとも0.05で大きくても0.4であり、より好ましくは少なくとも0.1で大きくても0.3である。共通の窪み深さおよび共通の窪み直径を共有する複数の窪みからなる窪みのすべての部分は、それにより「共通の窪みDDR」を有する窪みと呼ばれる。
窪みに関するDDRの大きさは、窪み内表面の凹型の度合いに関連する。凹型の水準は、窪みと反応器の内側区分に存在する分子との相互作用に影響を及ぼし得る。凹型の水準の変更は、反応器の連続運転時間、熱伝達、処理量に関して利点を有し得る。
幾つかの実施形態においては、1つ以上の窪みの形状は、1つの幾何学的特徴を特徴とし、さらなる実施形態においては、複数の窪みのそれぞれの窪みの形状は、1つの幾何学的特徴を特徴とする。好ましくは、その幾何学的特徴はさらに、非線形の輪郭、例えば滑らかな輪郭、丸められた輪郭、または湾曲した輪郭、好ましくは球形状、長球形状、卵形状、涙滴形状の少なくとも1つの区分またはその組み合わせを特徴とする。幾つかの実施形態においては、複数の窪みを構成する窪みの少なくとも1つの部分は、1つの類似の幾何学的特徴を特徴とする。幾つかの実施形態においては、複数の窪みを構成するそれぞれの窪みは、1つの類似の幾何学的特徴を特徴とする。
幾つかの実施形態においては、軸方向区分が出っ張っている涙滴形状は、助変数方程式x(t)=a・cos(t)、y(t)=b・sin(t)sinm(t/2)(式中、mは、少なくとも0.5で大きくても5である)を特徴とし得る。その他の好ましい形状は、梨状曲線x(t)=a・(1+sin(t))、y(t)=b・cos(t)・(1+sin(t))、または亜鈴状曲線x(t)=a・t、y(t)=a・t2・(1−t2(-1/2)を含む。
幾つかの好ましい実施形態においては、複数の窪みを構成する窪みの2つ以上の部分は、1つの類似の幾何学的特徴を特徴とする。好ましくは、類似の幾何学的特徴を特徴とする複数の窪みを構成する窪みの2つ以上の部分は、それらが異なる窪み形状から利益を得ることとなる反応器内壁の異なる領域に含まれるように構成される。異なる幾何学的特徴を有する窪みの部分を与えることによって、その窪みの形状は、反応器の一定の領域に調整され得、例えば、より高速のスチームクラッキング、コークス沈着、より高い分子流動、および/または圧力降下が起こる反応器の屈曲部または湾曲部の近くの一定のホットスポットは、より低速の反応器出口の近くの領域よりも球形の窪みを必要とし得る。例えば、球形の窪みは、反応器が屈曲部を形成する領域に位置し得るが、その一方で、涙滴形または卵形の窪みは、反応器が真っ直ぐ走る領域に位置し得る。この幾何学的特性のカスタム化は、反応器の連続運転時間、熱伝達、処理量、およびライフサイクルに関して利点を有し得る。
幾つかの実施形態においては、1つ以上の窪み、好ましくは1つ以上の凹型の窪みは、2つ以上の第2曲面領域を有し、その際、第2曲面領域は、1つ以上のその他の凹型の窪みとは異なる曲率半径を有し、その際、該第2曲面領域は、1つ以上の凹型の窪みの周りにまたはその上に位置している。例示的な実施形態においては、追加の突出した半円が窪みを取り囲んでいてよく、好ましくは、これらの半円は、ガス流に対して凸状にそれらの丸められた縁部を有する窪みの縁部と平行に並べられている。もう一つの例示的な実施形態においては、追加的な平らな領域または凸型の領域が、窪み内に位置していてよいが、窪みの表面領域の外側には突出していないことが好ましい。
2つ以上の曲面領域を窪みの周りまたは内側に設けることで、同様の圧力損失の場合に第2曲面領域を有さない複数の窪みを与える場合に報告される利点に加えて、反応器の連続運転時間、熱伝達、処理量について追加の利点がもたらされ得る。
幾つかの実施形態においては、複数の窪みの少なくとも1つの部分は、1つのパターンで配置されている。幾つかの実施形態においては、複数の窪みのすべての窪みは、1つのパターンで配置されている。幾つかの実施形態においては、複数の窪みの少なくとも1つの部分は、2つ以上のパターンで配置されている。複数のパターンの適用は、例えば反応器の入口、中心領域、または出口について異なるパターンを用いて、反応器内の一定の領域に限定され得、またはその一方で、反応器内の反対側で、例えば反応器の屈曲部もしくは捩り部を通じて、1つのパターンが、長い屈曲上で使用され得、もう1つのパターンが、反対側の短い屈曲部上で使用され得る。幾つかの実施形態においては、2つ以上のパターンが混ざり合ってよく、それにより新たなパターンデザインが形成される。幾つかの実施形態においては、パターンは、反応器チューブ内のガス流を、例えば、反応器壁に沿った線状のパターンで案内するように使用することもできる。
適切なパターンの例は、線状型パターン、千鳥型パターン、交差型パターン等を含む。一定のパターンは、熱伝達、圧力降下、または沈着速度に対する効果の改善または低下をもたらし得る。内壁に沿ったパターンへの窪みの配置は、反応器の連続運転時間、選択性、熱伝達、処理量について追加の利点をもたらし得る。
反応器内壁の一切窪みにより覆われていない部分は、本明細書では「平坦」と述べられる。幾つかの実施形態においては、内壁の少なくとも1つの部分は、平坦である。反応器内の特定の領域については、窪みを設けることによっても、有益な効果はほとんどない、ないし全くないことがあり、そのような領域は、低い濃度の沈着前駆体または沈着速度を示し得る。これらの領域に窪みを設けても、反応器をより高価なものにすることとなるだけであるため、平坦な領域を与えることが、生産および生産コストにとって有利である場合がある。さらに、反応器の一定の領域は、内壁が薄くなるため構造的完全性の低下を被ることがあるため、したがって、これらの領域を、意図的に平坦なままにすることで、反応器損傷の機会を減らし、前記反応器の寿命を延ばすことができる。
幾つかの実施形態においては、特定の領域は、窪みおよび窪みパターンの特定の利点をより良く与えるために平坦であるように構成され得る。例えば、一定の流動方向は、1つのパターンで窪みを使用することにより、一定の反応器壁領域から流れを逸らして、その流れが平坦な領域の方向を辿るように向け直すことができる。幾つかの実施形態においては、隅部、屈曲部、または捩り部等の一定の領域は、プロセスガスの流れを改善するために平坦な領域を必要とし得る。
本明細書で使用される用語「面積被覆率」は、AC(%)=窪みにより覆われた内壁の全面積/内壁の全面積×100として定義される、窪みにより覆われた内壁の全面積の百分率である。幾つかの好ましい実施形態においては、前記ACは、少なくとも1%で高くても99%であり、より好ましくは少なくとも20%で高くても90%である。前記ACは、必ずしも決定的なデザインパラメーターでない場合もあるが、窪み直径およびパターンに関連する連続する窪み間の距離、ならびに/または反応器領域、すなわち入口、出口、屈曲部、捩り部、隅部等に応じた窪みおよび平坦な領域の上記デザインの結果であり得る。
幾つかの実施形態においては、前記反応器は、一定の反応器長さ、内径、外径、および壁厚を有する管形状を有する。最高の生成物選択性のための好ましい実施形態においては、管形反応器は、線形状を有する。しかしながら、その他の実施形態では、熱効率および反応器ライフサイクルの理由のため、そのような管形反応器が屈曲部、捩り部等により複数個連結された複数の経路を有する管形反応器が存在する。
該反応器は、1つの反応器長さを特徴とすることができ、その際、好ましくはその長さは、少なくとも10mで大きくても400mであり、例えば大きくても100mである。該反応器はさらに、該反応器の内壁に沿った2つの対心点からの直径と一致する1つの内径を特徴とすることができる。該内径は、好ましくは少なくとも2cm〜大きくても49cmであり、より好ましくは少なくとも2.5cmで大きくても29cmであり、最も好ましくは少なくとも3cmで大きくても15cmである。該反応器はさらに、該反応器の外壁に沿った2つの対心点からの直径と一致する1つの外径を特徴とすることができる。該外径は、好ましくは少なくとも3cmで大きくても50cmであり、より好ましくは少なくとも4cmで大きくても30cmであり、最も好ましくは少なくとも5cmで大きくても17cmである。前記反応器はさらに、外径と内径との間の差の半分に相当する1つの壁厚を特徴とすることができ、その際、該壁厚は、好ましくは少なくとも0.3cmで大きくても2.0cmであり、より好ましくは少なくとも0.4cmで大きくても1.5cmであり、最も好ましくは少なくとも0.5cmで大きくても1cmである。前記長さ、内径および外径、そしてさらに言うと壁厚は、プロセス最適化、連続運転時間、選択性、および熱効率の理由のために調節することができる。
幾つかの実施形態においては、前記内壁は、窪み深さeよりも本質的に厚く、さもなくば、熱的クラッキング法の間に存在する強力な熱的エネルギーに起因して、構造的完全性および材料完全性が損なわれる可能性がある。
より厚い反応器壁は、より低い熱効率をもたらすことがあり、さらに製造、輸送および取付けをより高価なものにし、より困難にすることがある。したがって、最適なデザインは、最大窪み深さまたは平均窪み深さに対して壁厚を最適化するように努められることとなる。
本発明者等は、当初のデザインの壁厚によらず一定の最小の壁厚を維持すること、すなわちt−e≒t0で、構造的完全性と熱効率との間の最良のトレードオフが示されることを見出した。
幾つかの好ましい実施形態においては、反応器内壁は、金属、金属合金、セラミック、および/またはそれらの組み合わせを含み得る。好ましい実施形態においては、反応器内壁は、Ni−Cr−Fe−Al合金、またはセラミックを含み得る。
幾つかの実施形態においては、前記内壁は、該内壁上の固体材料の沈着を減らすとともに、連続運転時間および反応器のライフサイクルの両方を増大するために、酸化物層のコーティングの形での追加の製造後処理を含み得る。バリアコーティング層は、触媒サイトの不動態化に寄与することができ、こうして触媒的沈着過程が減少する。触媒的コーティング層は、既に沈着された層のガス化により寄与することもある。あるいはまた適切なコーティングが化学企業、例えばBASF Qtech社またはGE(ゼネラルエレクトリック)社から調達され得る。
幾つかの実施形態においては、前記反応器内壁は、反応器、反応器壁および/または反応器外壁と同じ材料を含む。
幾つかの好ましい実施形態においては、1つの窪みおよび/または複数の窪みは、金属、金属合金、セラミック、および/またはそれらの組み合わせを含み得る。幾つかの好ましい実施形態においては、複数の窪みは、反応器と同じ材料を含み、より好ましくは、Ni−Cr−Fe−Al合金またはセラミックを含む。
幾つかの好ましい実施形態においては、前記窪みは、複数の行で配置されており、好ましくは6角形パターンで配置されている。6角形のパターンは、1行内での2つの窪み間の距離t1(図1に示される)、または窪みの互い違いの行間の距離t2(図1に示される)により定義され得る。特定の実施形態においては、パラメーターt1は、隣接する窪み間の方位距離であり、断面当たりの窪みの個数nおよびチューブ直径DからπD/nとして計算することができ、t2は、互いの千鳥角度γで配置される流動方向における連続する窪み行間の距離を指す。
幾つかの実施形態においては、前記窪みの深さe(図2に示される)は、少なくとも0.5mm、好ましくは少なくとも1.0mm、好ましくは少なくとも1.5mm、好ましくは少なくとも2.0mm、例えば少なくとも2.5mmである。幾つかの実施形態においては、前記窪みの直径d(図1、2および3に示される)は、少なくとも5.0mm、好ましくは少なくとも7.5mm、好ましくは少なくとも10.0mm、好ましくは少なくとも12.5mm、例えば少なくとも15.0mmである。幾つかの実施形態においては、前記距離t1は、少なくとも5.0mm、好ましくは少なくとも10.0mm、好ましくは少なくとも15.0mm、好ましくは少なくとも20.0mm、好ましくは少なくとも25.0mm、例えば少なくとも30.0mm、例えば少なくとも35.0mmである。幾つかの実施形態においては、断面当たりの窪みの個数は、少なくとも3個、好ましくは少なくとも5個、例えば少なくとも8個である。幾つかの実施形態において、前記距離t2は、少なくとも5.0mmで大きくても30mmであり、好ましくは少なくとも10.0mmで大きくても20mmであり、例えば約15.0mmである。そのような実施形態は、改善された熱伝達特性を有する。
幾つかの実施形態においては、前記窪みの深さe(図2に示される)は、大きくても2.5mm、好ましくは大きくても2.0mm、好ましくは大きくても1.5mm、好ましくは大きくても1.0mm、例えば大きくても0.5mmである。幾つかの実施形態においては、前記窪みの直径d(図1、2および3に示される)は、大きくても15.0mm、好ましくは大きくても12.5mm、好ましくは大きくても10.0mm、好ましくは大きくても7.5mm、例えば大きくても5.0mmである。幾つかの実施形態においては、断面当たりの窪みの個数は、多くても64個、好ましくは多くとも16個、例えば多くとも8個である。幾つかの実施形態においては、前記距離t1は、大きくても35.0mm、好ましくは大きくても30.0mm、好ましくは大きくても25.0mm、好ましくは大きくても20.0mm、好ましくは大きくても15.0mm、例えば大きくても10.0mm、例えば大きくても5.0mmである。幾つかの実施形態において、前記距離t2は、大きくても15.0mm、好ましくは大きくても10.0mm、例えば大きくても5.0mmである。そのような実施形態は、かなりの摩擦係数を保持する。
幾つかの実施形態においては、前記窪みの深さe(図2に示される)は、少なくとも1.0mm、好ましくは少なくとも1.5mm、好ましくは少なくとも2.0mm、例えば少なくとも2.5mmである。幾つかの実施形態においては、前記窪みの直径d(図1、2および3に示される)は、少なくとも5.0mm、好ましくは少なくとも7.5mm、好ましくは少なくとも10.0mm、好ましくは少なくとも12.5mm、例えば少なくとも15.0mmである。幾つかの実施形態においては、断面当たりの窪みの個数は、少なくとも3個、好ましくは少なくとも5個、例えば少なくとも8個である。幾つかの実施形態において、前記距離t2は、少なくとも5.0mmで大きくても30mmであり、好ましくは少なくとも10.0mmで大きくても20mmであり、例えば約15.0mmである。幾つかの実施形態においては、前記距離t1は、少なくとも5.0mm、好ましくは少なくとも10.0mm、好ましくは少なくとも15.0mm、好ましくは少なくとも20.0mm、好ましくは少なくとも25.0mm、例えば少なくとも30.0mm、例えば少なくとも35.0mmである。幾つかの実施形態においては、前記窪みは、少なくとも10%で高くても90%のACを有する。幾つかの実施形態においては、前記窪みは、少なくとも15%で高くても40%のACを有する。幾つかの実施形態においては、前記窪みは、少なくとも50%で高くても90%のACを有する。そのような実施形態は、改善された熱的増大係数を有する。
第2の態様によれば、本発明は、前記第1の態様、およびその好ましい実施形態による反応器を備える炉に関する。幾つかの実施形態においては、本発明の範囲内に記載される複数の窪みをそれぞれの内壁上に備える1つ以上の反応器は、共通の炉内に懸架されている。
数十から数百の前記反応器を一緒に1つの炉内に導入することにより、生産能力は、熱的コスト、すなわち反応器を加熱するためのコストを適切な熱効率を維持するのに十分に低く維持しながら、数万キロトン毎年(kta)にまで高めることができる。大きな炉は、1日当たりに500トン〜700トンの高価な化学物質を生産可能であり得る。高められた連続運転時間は、5kta〜20ktaの追加の生産と一致する5回〜10回の間の脱コークス化サイクルを回避することにより1年間で追加の10日〜30日の生産日数をもたらし得る。
第3の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様、およびその好ましい実施形態による反応器を製造する方法に関する。幾つかの実施形態においては、前記複数の窪みは、反応器の内壁上に、
− 成形、
− 回転鋳造、
− 掘削、および/または
− 堆積
の方法により形成され得る。
成形の製造方法は、反応器を窪みと一緒に製造することができるので、製造時間に関して有益性を有し得る。第1工程においては、反応器は、まず好ましい材料を、反転された窪みを含む反応器型中に鋳造することにより製造することができ、次いで後続工程において、該反応器を、折り畳むことで、熱的クラッキングのために使用される管形反応器の管形状特性を形成することができる。
回転鋳造の製造方法は、内側の反応器を回転キャニスタ中で個別に形成し、該キャニスタの外壁に対して遠心力により押し付けることが可能であるので、製造時間に関して追加の有益性を有し得る。この方法は、低い不純物レベル、したがってより良好な構造的完全性を有する反応器を得るにあたり特に効果的である。
掘削の製造方法は、反応器壁をまず最初に形成し、引き続き自動式機械を使用して窪みを掘削することを可能にすることにより、製造の容易さに関する有益性を有し得る。この方法は、凹型の窪みを作製するためにより適している場合がある。
堆積の製造方法は、反応器壁を、複数の凹型の窪みを含む層から個別に形成することを可能にし得る。その後に、反応器壁と個別の層とを、任意に熱的接合によって組み合わせて1つの構造物にすることができる。結果として、その個別の層は、接合後に反応器の内壁を形成することができる。この方法は、両方の構造物を同時に製造することを可能にすることにより製造の容易さおよび製造の速度に関して有益性を有し得る。好ましい実施形態においては、反応器および個別の層の両方は、熱的クラッキングの間に反応器チューブの構造的完全性を脅かす異なる熱膨張率が避けられるように同じ材料を含む。
前記方法の間の選択は、反応器材料(例えば、Ni−Cr−Fe−Al合金またはセラミック)の選択に関連し得る。例えば、回転鋳造の方法は、金属製反応器の製造のために特に十分に適しているが、セラミック製反応器のためにはあまり適していない。しかしながら、特定の方法は、製造方法の間に材料の組み合わせを必要とし得る。例えば、セラミック型鋳造は、型材料としてセラミックを使用する1群の金属鋳造法を含む方法である。
前記方法の間の選択は、所望の反応器寸法および構造特性にも関連し得る。例えば、回転鋳造または成形の方法は、少なくとも10m〜大きくても400mの長さを有する反応器の製造のために適切であり得るが、掘削の方法は、製造時間が増大するため非常に長い(300m超の)反応器の製造のためにはあまり適していない場合がある。
第4の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様、およびその好ましい実施形態による反応器中で、または本発明の第2の態様、およびその好ましい実施形態による炉中で軽質オレフィンを製造する方法に関する。好ましくは、前記方法は、少なくとも700℃で高くても900℃の温度で炭化水素供給原料を軽質オレフィンへとクラッキングする工程を含む。より高い温度を使用することにより、より軽質のオレフィンに対する選択性を得ることができる。低圧(ほぼ2bar〜4barの間)でスチームの存在下で前記方法を実施することは、不所望な二次反応を減らし、生成物選択性を改善することをさらに促進する。リン含有化合物、硫黄含有化合物またはケイ素含有化合物の形の追加の添加剤は、これをさらに一層減らすことができる。スチームクラッキング条件についてのさらなる詳細は、Zimmermann,H.;Walzl,R.,Ethylene.In Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA:2000;pp 469−482に見出すことができ、参照によりその全内容が本明細書で援用される。
幾つかの実施形態においては、前記方法は、脱コークス化工程を含む。適切な脱コークス化工程は、米国特許出願公開第20130239999号明細書(US20130239999A1)の段落[0008]および[0009]に見出すことができる。これらの段落は、参照により本明細書で援用される。適切な脱コークス化工程は、国際公開第2016032730号パンフレット(WO2016032730A)の段落[0006]に見出すこともできる。この段落は、参照により本明細書で援用される。
幾つかの実施形態においては、前記脱コークス化は、空気を反応器中に導入することを含む。幾つかの実施形態においては、前記脱コークス化は、スチームを反応器中に導入することを含む。幾つかの実施形態においては、前記脱コークス化は、空気およびスチームを反応器中に導入することを含む。
幾つかの実施形態においては、前記方法は、プロピレンを製造するための方法である。
本発明の実施形態は、より高い作業温度の使用を可能とし、こうして反応器処理量または生成物選択性を高めることができる。作業圧力の増大は、沈着速度の低下のため、運転の後期段階で圧力の低下の可能性を伴うとしても、デザインパラメーターの慎重な選択で最小値を保持することが予想される。
実施例
実施例1:窪みの特性および寸法
実施例をより良く説明するために、窪みデザインの特性および寸法を示す図2および図3が参照される。特に、図2は、湾曲した円筒形表面上の窪みの断面図を示し、図3は、各々の曲率1/r1、−1/r2および−1/r3を有する3つの同心の曲面領域S1、S2およびS3の適用による窪みのデザインを図解している。
球形窪み(200)を形成する円の半径(r)は、弓形の理論
Figure 2019513876
に従って計算される。
接線方向の交差は、それぞれ球表面および円筒チューブからなる方程式の系:
を解くことによって計算することができる。
Figure 2019513876
横断面において、解答の一般性に影響を及ぼすことなく、以下の代入を行うことができ、
Figure 2019513876
そこから、窪みの角度βおよび幅(d)が容易に理解される。
Figure 2019513876
窪みにより覆われた表面の百分率は、交差を、長軸が円筒表面上の円弧βRであり、単軸が窪み直径(d)である楕円と仮定して、それに窪みの個数を掛けて、非修飾型の円筒表面により割ることにより見積もることができる。
Figure 2019513876
実施例2:窪みの例示的な実施形態
窪みデザインの本発明による例示的な実施形態のために、球面形(a)、涙滴形(b)、長球形(c)、および傾斜長球形(d)の窪みデザインを含む4種の窪み形状の反応器内壁の内表面の展開図(上図)および半径断面(下図)を示す図4が参照される。
第1表は、試験される窪みデザインの主要な物理的特性の概要を表す。第1表中の「先行技術」チューブは、リブがチューブ直径に対して0.04の最大高さを有する半円凸形状を有するとともに、さらにリブがチューブ内表面に軸流方向に対して65°の角度で取り付けられている螺旋形リブ付きチューブを含み、該チューブは、内側に向けられた螺旋形フィンの存在により層流を周期的に破壊しようとするKubota社の「熱交換チューブ」(米国特許第5950718号明細書(US5950718)に記載され、「先行技術1」としても印される)と類似している。
第1表:試験された窪みデザインの特性
Figure 2019513876
実施例3:試験された窪みデザインの結果
実施例2(第1表を参照)中に表される様々な窪みデザインを、熱伝達および摩擦特性に関して11000のレイノルズ数(Re)で試験し、結果を、以下の第2表に示す。それらの結果をより良く説明するために、図5は、参照チューブ(すなわち、窪みを有さないベアチューブ)および先行技術と比較した圧力損失および熱伝達増大を示すグラフを示す。さらに、図6は、実施例2に記載される先行技術と比較した、本発明の2つの実施形態に関する相対熱伝達の増大および圧力損失に関するReの依存性を図解している。
Reに対する減少された感度は、特にレイノルズ数のより高い区分において、先行技術よりも広い範囲の流動条件にわたり最適な性能をもたらし得る。
Nu/Nu0は、熱伝達増大特性であり、Cf/Cf,0は、摩擦増大係数であり、かつ(Nu/Nu0)/(Cf/Cf,01/3は、等しいポンプ出力での増大された表面の熱的増大係数である。
第2表:試験された窪みデザインの結果
Figure 2019513876
実施例4:スチームクラッカー中でのオレフィン収率に対する影響
反応性CFDシミュレーションを、一連の種々の窪み構成に関して、既存の先行技術による構成と共に実施した。形状R1、R2、R3を、従来のベアチューブ形反応器、ならびに長手方向のフィン付きの反応器(英国特許第969796号明細書に記載され、「先行技術2」としても印される)、および流動方向に対して垂直に与えられた凸型リブを有する反応器(米国特許第5950718号明細書のデザインと類似しており、「先行技術3」として印される)と比較した。これらのデザインのパラメーターは、第1表に列挙されている。
シミュレーションは、オープンソースCFDパッケージOpenFOAMを使用して、十分に検証されたkω−SST乱流モデルおよびプロパンのクラッキングに適合されたフリーラジカル反応ネットワークを使用して実施した。シミュレーションされた工業的形状は、30.2mmの反応器直径および10.56mの長さを有する単流ミリ秒型の形状である。
第3表は、得られた結果を列記しており、そこでは先行技術を使用した場合を上回る利点が指摘されている。チューブ金属温度およびコークス化速度に対する好ましい効果は、圧力降下における不利益がリブ付きデザインの場合よりも大幅に低く達成され得ることが明らかである。フィン付きのデザインは良好な熱伝達をもたらすが、その露出の高められた表面積は、参照形状とほぼ等しい付着速度をもたらす。さらに、フィンの間に高温の大きな帯域があり、そこで不所望な二次反応が生じるため、収率が失われる。
第3表:試験された窪みデザインの結果
Figure 2019513876
実施例5:窪みを有するデザインの自浄性効果
単一の窪み上の流動のラージエディーシミュレーション(LES)の間に、結果的に平均流動に対して45°の角度で流体が窪みから出る流動パターンが発生し、こうしてチューブ内の接線混合が増強されることが観察された(図7(a))。より重要なことには、この現象は不安定であるが、自立的であり、それにより一定の振動数で流動方向を自動的に切り替えられる。反応器を通じた流動の時間規模(ms)およびコークス形成の時間規模(時間)の間にある時間規模で振動挙動が生ずる。このため、小粒子のコークスは連続的に剥がれ落とされ得るため、このようにして表面の一種の「自浄性」効果が達成されると予想される。この挙動は、より多くの剥離が作動へのより素早い復帰および低減された中断時間を可能にするのでコークス除去の過程において望ましいと考えられる。作動の間の高められた剥離は、下流にある装置が剥離されたコークスの破片を扱うことができるのであれば望ましいこともある。これに該当するのであれば、反応器の脱コークス化の間に経過する時間は本質的に延長され、生産性は改善されることとなる。
シミュレーションは、同一の時間依存的な入口条件を、3つのシミュレーションに対して様々な窪みの深さ対直径比(DDR)で適用するラージエディーシミュレーションフレームワークを使用して実施した。固定された直径を有する単一の窪み上の流動を、高さh/d=0.33のチャネルにおいて考慮した。時間依存的な速度を、凹型の窪みの左と右の後縁の両方で、平均流動と45°の相対角度でモニタリングし、それらを、振動の時間規模よりも短い期間にわたり時間平均された流動の図示と共に図7(a)に図解した。図7(b)は、最高のDDR比についての瞬間速度を示しており、窪みから放出された流体の方向の変化を明らかに図解している。第4表は、20000の等しいレイノルズ数で得られた4つの試験されたデザインについての定量的結果を列記している。DDRの増加に伴い、振動流動の振動数および振幅の両方に対する好ましい影響を確認することができる。最も浅い窪みの構成の場合に、その流動は依然として窪みを接線方向に出ていくが、すべての時間で対称的に留まり、大規模な振動は確認されなかった。
第4表:試験された窪みデザインの自浄性効果
Figure 2019513876
さらに、その流動は、特定の振動数で左と右の間で方向を切り替える。そのような切り替えは、熱伝達を改善し、付着物を除去する。深い窪みは、より高い振動数でより大きな振動を有する。
図7は、2Hzの振動数で0.26の深さ対直径比DDRの場合のこの切り替えを図解している。
100 反応器、 150 反応器内壁、 200 窪み

Claims (15)

  1. 炭化水素をクラッキングするための、内壁を有する熱分解用反応器、熱的クラッキング用反応器、またはスチームクラッキング用反応器であって、前記内壁がその内壁の表面に埋め込まれた複数の凹型の窪みを備えることを特徴とする反応器。
  2. 前記反応器は、スチームクラッキング用反応器である、請求項1記載の反応器。
  3. 前記複数の凹型の窪みのそれぞれの凹型の窪みは、少なくとも0.01cmで大きくても1.0cmであり、好ましくは少なくとも0.1cmで大きくても0.5cmである窪み深さeを特徴とする、請求項1または2記載の反応器。
  4. 前記複数の凹型の窪みのそれぞれの凹型の窪みは、少なくとも0.1cmで大きくても5.0cmであり、好ましくは少なくとも0.5cmで大きくても2.0cmである窪み直径dを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の反応器。
  5. 前記複数の凹型の窪みのそれぞれの凹型の窪みはさらに、少なくとも0.01で大きくても0.5であり、好ましくは少なくとも0.05で大きくても0.4であり、より好ましくは少なくとも0.1で大きくても0.3である、
    DDR=e/d
    として定義される深さ対直径比(DDR)を特徴とする、請求項3または4記載の反応器。
  6. 前記複数の凹型の窪みのそれぞれの窪みの形状は、1つの幾何学的特徴、好ましくは滑らかな輪郭または湾曲した輪郭、例えば球形状、長球形状、卵形状、または涙滴形状の少なくとも1つの区分を特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の反応器。
  7. 前記複数の窪みの少なくとも1つの窪みは、該窪みの周り、該窪みの面上、または該窪みの内側に位置している、該窪みとは異なる曲率半径の2つ以上の第2曲面領域をさらに備えている、請求項6記載の反応器。
  8. 前記複数の凹型の窪みの少なくとも1つの部分は、1つ以上のパターンで配置されており、その際、好ましくは該パターンは、線状型、千鳥型、および/または交差型である、請求項1から7までのいずれか1項記載の反応器。
  9. 前記内壁の少なくとも1つの部分は平坦であり、すなわちは凹型の窪みにより一切覆われておらず、さらに
    AC(%)=窪みにより覆われた内壁の全面積/内壁の全面積×100
    として定義される、少なくとも1%で高くても99%の、好ましくは少なくとも20%で高くても90%の面積被覆率(AC)を特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の反応器。
  10. 前記反応器は、管形状を有するとともに、
    − 少なくとも10m〜大きくても400mの全反応器長さと、
    − 少なくとも2cm〜大きくても20cmの、好ましくは少なくとも3cmで大きくても15cmの内径と、
    − 前記内径より大きい、少なくとも3.0cmで大きくても22.0cmの、好ましくは少なくとも5.0cmで大きくても17.0cmの外径と、
    − 前記外径と前記内径との間の差の半分として定義される、少なくとも0.3cmで大きくても2.0cmの、好ましくは少なくとも0.5cmで大きくても1cmの壁厚と、
    を特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の反応器。
  11. 前記壁厚は、窪み深さeの2倍より大きく、その際、好ましくは該壁厚は、3×eより大きい、請求項10記載の反応器。
  12. 前記内壁は、金属、金属合金、セラミック、および/またはそれらの組み合わせを含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の反応器。
  13. 前記複数の凹型の窪みのそれぞれの窪みは、前記反応器と同じ材料を含む、請求項12記載の反応器。
  14. 請求項1から13までのいずれか1項記載の1つ以上の反応器を備える炉。
  15. 請求項1から13までのいずれか1項記載の反応器、または請求項14記載の炉中で軽質オレフィンを製造する方法であって、炭化水素供給原料を少なくとも700℃で高くても900℃の温度で軽質オレフィンへとクラッキングする工程を含む、方法。
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