JP2019511252A - 熱安定性のフレッシュチーズ - Google Patents

熱安定性のフレッシュチーズ Download PDF

Info

Publication number
JP2019511252A
JP2019511252A JP2019506337A JP2019506337A JP2019511252A JP 2019511252 A JP2019511252 A JP 2019511252A JP 2019506337 A JP2019506337 A JP 2019506337A JP 2019506337 A JP2019506337 A JP 2019506337A JP 2019511252 A JP2019511252 A JP 2019511252A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
starch
whey
cheese
fresh cheese
bound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019506337A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6828137B2 (ja
Inventor
ハルム ヤープ ヘルメンズ
ハルム ヤープ ヘルメンズ
イェルーン フランデレン
イェルーン フランデレン
Original Assignee
コオペラティ・アヴェベ・ユー・エイ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コオペラティ・アヴェベ・ユー・エイ filed Critical コオペラティ・アヴェベ・ユー・エイ
Publication of JP2019511252A publication Critical patent/JP2019511252A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6828137B2 publication Critical patent/JP6828137B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/02Making cheese curd
    • A23C19/028Making cheese curd without substantial whey separation from coagulated milk
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/02Making cheese curd
    • A23C19/05Treating milk before coagulation; Separating whey from curd
    • A23C19/054Treating milk before coagulation; Separating whey from curd using additives other than acidifying agents, NaCl, CaCl2, dairy products, proteins, fats, enzymes or microorganisms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/06Treating cheese curd after whey separation; Products obtained thereby
    • A23C19/068Particular types of cheese
    • A23C19/076Soft unripened cheese, e.g. cottage or cream cheese
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/06Treating cheese curd after whey separation; Products obtained thereby
    • A23C19/068Particular types of cheese
    • A23C19/076Soft unripened cheese, e.g. cottage or cream cheese
    • A23C19/0765Addition to the curd of additives other than acidifying agents, dairy products, proteins except gelatine, fats, enzymes, microorganisms, NaCl, CaCl2 or KCl; Foamed fresh cheese products
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/06Treating cheese curd after whey separation; Products obtained thereby
    • A23C19/09Other cheese preparations; Mixtures of cheese with other foodstuffs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/06Treating cheese curd after whey separation; Products obtained thereby
    • A23C19/09Other cheese preparations; Mixtures of cheese with other foodstuffs
    • A23C19/0912Fried, baked or roasted cheese products, e.g. cheese cakes; Foamed cheese products, e.g. soufflés; Expanded cheese in solid form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y204/00Glycosyltransferases (2.4)
    • C12Y204/01Hexosyltransferases (2.4.1)
    • C12Y204/010254-Alpha-glucanotransferase (2.4.1.25)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Dairy Products (AREA)
  • Confectionery (AREA)
  • Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

本発明は、クリームチーズのようなホエーバウンドフレッシュチーズ、ならびに顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンおよび/または乳化剤を用いたその安定化、ならびにそのようなフレッシュチーズを作製する方法に関係する。これらの付加的な成分を含むホエーバウンドフレッシュチーズは増強された安定性を示し、加熱食品における適用に好適なものとなる。さらに、本発明は、そのようなホエーバウンドフレッシュチーズを含む食品、およびこれらの食品を作製する方法、ならびにホエーバウンドフレッシュチーズの安定化のための顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンの使用を指向する。

Description

本発明は、ホエーバウンド(whey-bound)フレッシュチーズ、およびホエーバウンドフレッシュチーズを作製する方法に関連する。本発明は、チーズケーキフィリングのようなホエーバウンドフレッシュチーズに基づくベーカリー製品のためのフィリングの調製、ならびにベーカリー製品のためのフィリングおよびそのようなフィリングを含むベーカリー製品にも関連する。
全てのチーズは、脂肪とタンパク質と水とを含む、エマルジョンである。従来的なチーズは、乳脂肪および乳タンパク質、例えば牛乳、ヤギ乳またはヒツジ乳を含むが、これらの要素が部分的または完全に他のタンパク質または脂肪源と置き換えられたチーズが知られている。
チーズは多くの基準に基づいて分類することができる。例えば、食感または硬さに基づいて、チェダーチーズやグラナパルミジャーノチーズのようなハードチーズ、ゴーダチーズまたはエダムチーズのようなセミハードチーズ、そしてフェタチーズ、モッツァレラチーズまたはブリーチーズのようなソフトチーズを識別することができる。別の区分は、酸による凝固のみによって調製されたチーズか、レンネットを用いて凝乳にされたチーズかという点で識別できる。それらが熟成された方法に基づいてチーズを識別することも可能である。チーズはマンステールチーズもしくはブリックチーズのようにウォッシュタイプのリンド(外皮)を有することができ、カマンベールチーズやブリーチーズのように白カビリンドを有することができ、ゴーダチーズのように天然に熟成されたリンドを有することができ、またはクリームチーズ、カッテージチーズもしくはソフトカードチーズを含むフレッシュチーズのようにリンドが全くないものもあり得る。
フレッシュチーズは典型的に酸による凝固によって、および/または例えばラクトコッカス属(Lactococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、もしくはストレプトコッカス属(Streptococcus)の細菌のような細菌スターターカルチャーを用いて調製される。凝固後、典型的にはホエーがカード(凝乳)から分離され、該カードが採取されて熟成され、その結果フレッシュチーズが得られる。典型的に、フレッシュチーズの生産はレンネットの使用には関与しないか、またはいずれの場合も、よりハードなタイプのチーズに用いるものに比べて酸に対して低い割合のレンネットを用いる。生産における凝乳段階は、例えばクエン酸のような酸を用いて成しとげられる。フレッシュチーズは、柔らかく、塗ることができるほど(スプレッド様)の食感、そして弱い酸味を有する。
フレッシュチーズは調理やベーキングにおいて頻繁に使われる。あるレシピにおいては、加熱または焼成(ベイク)の際にフレッシュチーズがその形状および食感を保持することが重要である。例えば、チーズケーキはしばしば、クリームチーズ(フレッシュチーズの一種)、砂糖および卵、ならびに小麦粉および他の成分に基づくフィリングを含有し、ケーキを冷却および包装する以前に焼成される。
近年、ホエーがカードから分離されていないフレッシュチーズが、従来的なフレッシュチーズに勝る生産上の利点を与えることが見出された。これらの利点は例えば、分離された酸ホエーを廃棄する必要がなくなるため廃水流が大きく減少するということを含む。したがって、そのようなホエーバウンド(ときには「ホエーレス」とも呼ばれる)フレッシュチーズは、ホエーおよびカードの双方を含む。ホエー画分が分離されていないため、ホエーバウンドフレッシュチーズの特性は、ホエーがチーズ産物から分離されている従来的なフレッシュチーズの特性とは異なる。
ホエーバウンドフレッシュチーズは、ほんの少ししか熱安定性がないという欠点を有する。
従来的なフレッシュチーズは加熱食品に通常適用できるが、通常のホエーバウンドフレッシュチーズの適用ではひどいシネレシスが生じ、究極的にはフレッシュチーズの崩壊が生じる。加熱工程の間、フレッシュチーズ成分の温度は容易に100℃に達し、それは明らかにフレッシュチーズの安定性に影響する。
フレッシュチーズの熱安定性を改善するために、多くの添加剤および/または成分が提案されてきた。そのような添加剤および/または成分の例はイヌリン、ペクチン、ゼラチン、ローカストビーンガムもしくはキサンタンガムのような様々なタイプのガム(例えばEP 1 579 769(特許文献1)を参照のこと)、または付加的なホエータンパク質および任意にデンプンと組み合わせたマルトデキストリン(米国特許第2008/0160133号(特許文献2)を参照のこと)を含む。しかし今日まで、加熱または焼成の間十分に安定性のホエーバウンドフレッシュチーズの製造を可能にする十分有効な解決法は与えられていない。
EP 1 579 769 米国特許第2008/0160133号
参照と比較したクリームチーズ1、クリームチーズ2、およびクリームチーズ3についての食感解析の結果。 チーズケーキについての食感解析を行った位置。 実施例2において説明されるチーズケーキの最大ピーク力。 実施例4において説明されるチーズケーキの最大ピーク力。 4重量%の顆粒状デンプンおよび4重量%のアミロマルターゼ処理デンプンを含む、ホエーバウンドクリームチーズに基づいたフィリングを含むチーズケーキ。(a)上面図(b)側面図。 デンプン顆粒を示すためにヨウ素を用いて染色した、顆粒状デンプン(4重量%Eliane SE 460)を含むチーズケーキ断面の光学顕微鏡画像。
詳細な説明
本発明は、第一のデンプンタイプとして顆粒状デンプンを、第二のデンプンとしてアミロマルターゼ [EC 2.4.1.25] 処理デンプンを含み、チーズの重量に基づいて1〜6重量%の乳タンパク質を有する、ホエーバウンドフレッシュチーズを開示する。フレッシュチーズは、リンドのない、熟成されていない、または短期間のみ熟成されたチーズと定義付けられる。フレッシュチーズは例えばマスカルポーネチーズ、リコッタチーズ、シェヴレ、フェタチーズ、クリームチーズ、クワルクおよびカテージチーズを含む。本状況において好ましいフレッシュチーズはクリームチーズおよびカテージチーズであり、最も好ましくはクリームチーズである。クリームチーズは口当たりのよい、酸によって凝固された保存処理されていないチーズである。それはスプレッドの形態であってよく、またはより硬い、バター様の形態であってもよい。
スプレッド様のクリームチーズは比較的粘性の低い、凝集層を形成するような、圧力をかけると容易に形状が変化するクリームチーズである。バター様のクリームチーズはスプレッド様のクリームチーズより粘性が高く、凝集層よりも塊に容易に分けられる。
クリームチーズは一般的に脂肪含量が6〜36重量%である。バター様のクリームチーズは36重量%もの脂肪含量になることがあるように、一般的にバター様のクリームチーズの方がスプレッド様のクリームチーズより脂肪含量が高い。スプレッド様のクリームチーズの脂肪率は一般的に最高で24重量%である。これらのタイプのクリームチーズは当技術分野においては周知のものであり、いずれも本発明の適用について特定の標的となる。
本明細書においてホエーバウンドフレッシュチーズは、通常のフレッシュチーズのようにホエー画分が分離されておらず、フレッシュチーズ産物中に(少なくとも部分的に、好ましくは完全に)ホエー画分が含まれているようなフレッシュチーズと定義付けられる。ホエーバウンドフレッシュチーズはそのタンパク質含量がより低いことで通常のフレッシュチーズから識別することができる。本状況におけるホエーバウンドフレッシュチーズの乳タンパク質含量は、チーズの重量に基づいて1〜6重量%、好ましくは1.5〜5重量%、より好ましくは2〜4.5重量%である。通常のフレッシュチーズは例えば6〜15重量%のように、乳タンパク質含量がより高い。従来的なフレッシュチーズと比べて、そして他のホエー濃縮フレッシュチーズタイプと比べても、ホエーバウンドフレッシュチーズのタンパク質含量の方がより低くなり得る(およびそのためホエー含量がより高くなり得る)ことは本発明の利点である。
驚くべきことに、顆粒状形態のデンプンの存在によってホエーバウンドフレッシュチーズの熱安定性が有意に改善できることがここで見出された。さらに、得られるフレッシュチーズの硬さも増強される。したがって本発明は、第一のデンプンとして顆粒状デンプンを含む、チーズの重量に基づいて1〜6重量%の乳タンパク質を有するホエーバウンドフレッシュチーズを指向する。
ホエーバウンドフレッシュチーズの(正味、総)タンパク質含量は当技術分野において公知のようにケルダール(Kjeldahl)法によって、乳製品における総窒素の約5%となる非タンパク質窒素成分の存在について補正されるケルダール窒素含量に換算係数6.36をかける計算によって決定できる。本方法によっては、乳タンパク質だけではなくタンパク質総量が決定されるため、ホエーバウンドフレッシュチーズに付加的なタンパク質が加えられていない場合にはホエーバウンドフレッシュチーズ中の乳タンパク質の量が正確に決定される。ホエーバウンドフレッシュチーズは上記に決められるように1〜6重量%の乳タンパク質を含むと定義付けられ、ホエーバウンドフレッシュチーズに付加的な非乳由来のタンパク質が加えられている場合は、同じレシピであるが添加タンパク質を含まないフレッシュチーズについて決定される。正味の総タンパク質含量は、例えばSprint(商標) 高速タンパク質分析装置を用いてさらに正確に決定できる。
本発明に従ったホエーバウンドフレッシュチーズは、シネレシスに対する改善された耐性、改善された硬さ、改善された凍結/解凍安定性、改善された熱安定性および/または改善された焼成安定性のような増強された安定性を有し、好ましくは、改善された熱安定性または焼成安定性を少なくとも有する。熱安定性は加熱一般にフレッシュチーズが耐える能力であり、焼成安定性はフレッシュチーズが例えば少なくとも10重量%の量で構成要素のうちの1つの成分として存在するときに熱に耐える能力である。
本発明は、ホエーバウンドフレッシュチーズの安定性を改善するため、特に、フレッシュチーズの凍結/解凍安定性、熱安定性および焼成安定性のうち1つまたは複数を改善するための、顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンの使用にも関連する。好ましくは、改善された安定性は改善された熱安定性または焼成安定性を含む。
デンプンはグリコシド結合によって結合されたグルコース単位に基づく天然の炭水化物である。それはほとんどの緑色植物においてエネルギー貯蔵物質として機能する。デンプンは植物によって異なる比率のアミロースおよびアミロペクチンポリマーを含有する。典型的に、デンプンはデンプン重量に基づく重量パーセントで15〜30重量%のアミロースおよび70〜85重量%のアミロペクチンを含有する。しかし、ワキシータイプのデンプンはもっと高い比率のアミロペクチン、またはアミロペクチンだけでさえも含有し得る。同様に、デンプンの重量に基づく重量パーセントでアミロース比率が40重量%にもなり得るような高アミロースタイプのデンプンも存在し、超高アミロースデンプンは最高で75重量%ものアミロースを含有し得る。
植物においてデンプン分子は半結晶顆粒となっている。各々の植物種は特有のデンプン顆粒サイズを有する。米は約2μmと比較的小さな顆粒を有する一方、ジャガイモデンプンの顆粒サイズは約100μmであり大幅に大きい。
その顆粒状形態においてデンプンは水には溶解しないが、懸濁液を形成する。加熱されると、デンプン顆粒が膨張し崩壊する。半結晶構造は失われ、粘性が増加する。この過程はデンプンの糊化と呼ばれる。調理の間にデンプンはペースト状になり、粘性がさらに高まる。該ペーストの冷却または長期的な貯蔵の間には半結晶構造が部分的に回復し、デンプンペーストが濃縮される。この過程は老化と呼ばれる。
言及されたように、本発明に従ってデンプンがホエーバウンドフレッシュチーズ中に顆粒状形態で存在することが重要である。ヨウ素溶液でチーズを染色し、続いて光学顕微鏡でチーズの目視検査を行うことによって、ホエーバウンドフレッシュチーズ中に存在するデンプンが顆粒状かどうかを確認することができる。もし顆粒状デンプンが存在する場合は、当業者には容易に認識できるように、デンプンのタイプに依存してデンプン顆粒およびその潜在能のある断片が青色/紫色または赤色/茶色に染色される。しかし厳しい工程条件への適用後、デンプン顆粒断片の一部分、顆粒断片が非断片化顆粒状デンプンの効果と同じようにホエーバウンドフレッシュチーズに対する安定化効果を有することも可能である。デンプン顆粒がある程度まで断片化された場合においても同じように、非断片化顆粒状デンプンの少なくとも一部分は残るため、本文脈における顆粒状デンプンは顆粒状デンプン断片をも含むと定義付けられる。当技術分野において公知のように(全体の)デンプン顆粒の形状およびサイズは、デンプンの起源を同定するために用いることができる。
したがって、ある態様においてデンプンは化学的、物理的または酵素的のどんな方法でも修飾されていない。そのような非修飾デンプンは天然型デンプンと呼ばれる。しかし、該修飾によって該デンプンの顆粒状構造が破壊されない範囲で修飾デンプンを使用することは好ましい。可能な修飾の例はアニーリング、架橋、アセチル化、ヒドロキシプロピル化、漂白(例えば国際公開公報第2014/053833号において説明される)、超乾燥および高温条件下における(例えば米国特許第6,221,420号において説明される)、またはアルコール中における温度上昇下での(例えば米国特許第2013/309386号において説明される)加熱アルカリ化デンプンである。これらの修飾の組み合わせを使用することもできる。
好ましい態様においては、特にホエーバウンドフレッシュチーズが厳しい工程条件に供される場合に、顆粒状架橋デンプンを使用する。本文脈における厳しい工程条件は、当技術分野においては周知のように、例えば高せん断または高圧に関する工程条件を指す。そのような条件はフレッシュチーズのホモジナイゼーション(均質化)中に、または完成されたチーズが供される、低温殺菌のようなその後の工程の間に生じ得る。厳しい工程条件は例えばホモジナイゼーションの間に、局所的に経験される圧力が20バールを超える、または50バールを超える、またはおよそ160バールもしくはそれ以上のように100バールをも超えるような工程条件を指すことができる。代替としてもしくは付加的に、厳しい工程条件は50℃を超える、好ましくは65℃を超える、より好ましくは75℃を超える温度のような温度上昇の適用を指すことができる。そのような条件は少なくとも1分間、または特に厳しい工程においては5分間もしくはそれ以上にもなるように、少なくとも30秒間は維持され得る。
架橋デンプンは、好ましくはアジピン酸、オキシ塩化リン、メタリン酸塩、クエン酸、ジメチロールエチレン尿素または塩化シアヌル架橋デンプンであってよい。好ましい架橋デンプンは、アジピン酸架橋デンプン、メタリン酸塩架橋デンプン、またはオキシ塩化リン架橋デンプンである。
必要とされる架橋の程度はせん断または圧力に依存し、厳しい高せん断条件下でデンプンの顆粒状構造が保持されるようなものであるべきである。当業者には所定の程度の架橋を有するデンプンを得る方法が知られている。
架橋は、例えば周知の条件下において0.003〜0.024重量%の無水アジピン酸を0.01〜0.25重量%のトリメタリン酸ナトリウムと共に、または0.0001〜0.01重量%のオキシ塩化リンと共に用いて行うことができる。
別の好ましい態様において、顆粒状デンプンは安定化デンプンであってよく、好ましくはアセチル化またはヒドロキシプロピル化デンプンであってよく、好ましくはアセチル化デンプンについてはアンヒドログルコース1モル当たりに最高で0.091モル酢酸までの程度の置換(「DS」)、またはヒドロキシプロピル化デンプンについてはアンヒドログルコース1モル当たりに最高で0.21モルヒドロキシプロピルまでの程度の置換があってよい。当業者には所定の程度の置換を有するデンプンを得る方法が知られている。
もっと好ましい態様においては、特に厳しい工程条件に供されるフレッシュチーズについて、顆粒状デンプンは上記に定義付けられるように架橋され、さらに上記に定義付けられるように安定化されてよい。
これらの修飾は、それ自体公知であり、デンプンの顆粒状構造が保持される限り、任意の公知の方法で実行することができる。言及された修飾の多くについては、デンプンが溶解または糊化されその顆粒状構造が失われるような工程において成しとげられる可能性があることに留意されるべきである。このように修飾が実行された場合には、本発明の状況において使用できるような顆粒状デンプンは生じないことが理解される。
本発明に従って任意の植物源に由来する顆粒状デンプンを使用することができる。例にはジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、米デンプン、タピオカデンプン、エンドウ豆デンプン、サツマイモデンプン、サゴデンプンおよびコムギデンプンが含まれる。根茎または塊茎のデンプンが好ましく、ジャガイモデンプンが最も好ましい。ワキシーデンプンのようなアミロペクチン含量の高いデンプンか、アミロース含量の高いデンプン、およびアミロペクチンに対して通常の比率のアミロースを有するデンプンの使用が実現可能であることが見出された。好ましくは、顆粒状デンプンはワキシーデンプンである、即ち、アミロペクチン含量が90重量%を超える、好ましくは95重量%を超える、より好ましくは98重量%を超えるデンプンである。
本発明に従ったホエーバウンドフレッシュチーズは一般的に、チーズの重量に基づいて約0.5〜約10重量%の、上記に定義付けられた顆粒状デンプンを含む。好ましくは、ホエーバウンドフレッシュチーズ中における顆粒状デンプンの量は、フレッシュチーズの重量に基づいて1〜7.5重量%、より好ましくは1.5〜6重量%である。
ホエーバウンドフレッシュチーズを作製する工程は当業者には公知である。ある態様においては、ホエーバウンドフレッシュチーズはホエーとカードを分離するために適用される発酵工程によって調製される。発酵は当技術分野において公知であるように、例えば好適な乳酸菌を適用することによって成しとげることができる。この場合、例えば乳とクリームの混合物が所望の脂肪濃度で調製され、発酵によって凝固が生じると、フレッシュチーズが得られる。
他の態様において、ホエーバウンドフレッシュチーズは発酵させずに調製することができる。この場合、例えば乳とクレームフレーシュ(既に発酵している乳製品)の混合物を所望の脂肪濃度で混合し、好適な酸を加えることによって凝固させ、その結果フレッシュチーズを得ることができる。
一般的に、本発明に従ったホエーバウンドフレッシュチーズを調製する工程は、クリームまたはクレームフレーシュのような脂肪源と乳のようなホエー源を混合して所望の初期脂肪濃度を有する乳製品混合物とする段階、結果的に生じる混合物をホモジナイズする段階、乳酸菌接種材料および/またはクエン酸のような好適な酸を添加する段階、ならびに結果的に生じる混合物をインキュベートして凝固を生じさせる段階を含み、該方法は顆粒状デンプンを混ぜ合わせる段階およびアミロマルターゼ処理デンプンを混ぜ合わせる段階を含む。したがって、顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンは乳製品混合物に混合される。任意で、凝固混合物の二度目のホモジナイズを行い、さらに任意で、クリームチーズ産物が形成された後に低温殺菌を行う。
顆粒状デンプンおよび/またはアミロマルターゼ処理デンプンは、最終フレッシュチーズ産物が得られた後を含む、生産工程の任意の時点で乳製品混合物に加えることができる。顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンは、例えば生産工程の異なる時点で別々に、または同時に加えることができる。したがって、顆粒状デンプンおよび/またはアミロマルターゼ処理デンプンは、脂肪源とホエー源の混合中もしくは混合後に乳製品混合物に加えることができ、または混合前に脂肪源もしくはホエー源に加えることもできる。また、顆粒状デンプンおよび/またはアミロマルターゼ処理デンプンはホモジナイゼーション段階の前、最中または後に加えることもでき、インキュベーション段階の前、最中または後に加えることもできる。顆粒状デンプンおよび/またはアミロマルターゼ処理デンプンは、第一のホモジナイゼーション段階後に加えられることが好ましい。さらに好ましくは、顆粒状デンプンはもしあるならば第二のホモジナイゼーション段階前に加えられる。
脂肪源は例えば無水乳脂肪、濃縮乳脂肪(即ちクリームもしくはクレームフレーシュ)、バターまたはその他の乳製品脂肪であってよい。任意で、食用植物油を脂肪源として使用することができる、または乳製品脂肪と組み合わせて使用することができる。植物油の好適な例はパーム油、キャノーラ油、ヤシ油、大豆油等を含む。任意で、ホエー乾燥粉末、ホエータンパク質濃縮物、濃縮乳、原乳および脱脂粉乳のような他の乳タンパク質源を脂肪源と一緒に加えることができる。しかし好ましくは、乳タンパク質は比較的高価であるため、混合物にはさらに加えない。
ホエー源はホエータンパク質濃縮物、ホエータンパク質アイソレート、スイートホエー、酸ホエー、乳、またはその組み合わせであってよい。または粉乳、スキムミルク粉末、乳タンパク質濃縮物、乳タンパク質アイソレートまたはその組み合わせをホエー源としてよい。タンパク質粉末を水に混合し、好ましいタンパク質濃度のホエーバウンドフレッシュチーズを得る。好ましくは、ホエー源は乳である。乳は牛乳、ヤギ乳、羊乳、またはチーズの調製のために典型的に用いられる任意の他のタイプの乳であってよい。
脂肪源とホエー源をある比率で組み合わせ、所望の初期脂肪濃度を得る。初期脂肪濃度はいずれのフレッシュチーズについても6〜36重量%の間であってよい。特に、クリームチーズの作製のための初期脂肪濃度は、スプレッド様クリームチーズについては6〜24重量%、バター様クリームチーズについては24〜36重量%である。脂肪濃度は使用される成分の脂肪パーセンテージから計算することができるが、当技術分野において公知のようにゲルベル乳脂計を用いた分析によって決定することもできる。
ホエー源と脂肪源を混合する段階において水を加えることも可能である。典型的に、これは混合物の重量に基づいて約10〜約50重量%となる。
脂肪源とホエー源の混合物をその後ホモジナイズする。好ましくは、脂肪源とホエー源の混合物、好ましくはクリームと乳の混合物は、ホモジナイゼーション段階後に低温殺菌される。低温殺菌は70〜75℃の温度まで約15〜30秒間加熱することによって好適に実行され得るが、当業者には多くの他の好適な方法が知られている。
ホモジナイズされた混合物は好ましくは、そのpHが所望の凝固を成しとげるよう調整される前に典型的には15〜35℃、好ましくは20〜30℃の好適な沈殿温度にまで冷却される。凝固は適切な乳酸菌スターターカルチャー、食用酸、またはその2つの組み合わせを用いて成しとげることができる。この機能について知られる他の化合物、とりわけグルコノデルタラクトンも好適である。好適な乳酸菌スターターカルチャーは典型的にラクトコッカス属、ラクトバチルス属、またはストレプトコッカス属の細菌である。使用できる好適な食用酸の例はクエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、塩酸、硫酸、リン酸およびその組み合わせを含む。好ましくは乳酸が使用される。この段階においては、pHが好ましくは約5.5またはそれ未満の値に、より好ましくは約3.5〜5.3に、およびさらにより好ましくは4.3〜5.0にまで調整される。これによって凝固を成しとげるためのインキュベーションが始められる。
インキュベーション段階の継続時間は条件および調製されるフレッシュチーズのタイプによって異なる。一般的に、インキュベーション段階は6〜16時間、好ましくは9〜13時間続く。インキュベーション段階中の温度は好ましくは15〜35℃、好ましくは20〜30℃である。
一旦凝固が所望の程度まで起これば、得られた混合物をホエー画分とカード画分に分離して、通常の(非ホエーバウンド)フレッシュチーズを得ることができる。しかし本状況においてホエーは(少なくとも部分的に、しかし好ましくは完全に)保持される。本段階においては、第二のホモジナイゼーション段階を含むことが好ましい。フレッシュチーズを得た後、使用するまでは1〜15℃、好ましくは2〜10℃のように室温未満に温度が保たれれば好ましい。もっと好ましい代替の態様においては、フレッシュチーズは生産工程中または生産工程後に、好ましくは生産工程後に低温殺菌される。好ましくはこの最終低温殺菌段階の前に顆粒状デンプンおよび/またはアミロマルターゼ処理デンプンが添加される。しかし、顆粒状デンプンおよび/またはアミロマルターゼ処理デンプンはフレッシュチーズ生産工程の任意の時点で加えることができる。
本状況におけるフレッシュチーズの安定性、特に熱安定性または焼成安定性は、ホエーバウンドフレッシュチーズ、好ましくはホエーバウンドクリームチーズを含むチーズケーキの特性を評価することによって確認できる。説明されるような顆粒状デンプンの添加によってホエーバウンドフレッシュチーズの安定性が向上し、本発明のホエーバウンドフレッシュチーズを用いたチーズケーキの調製が可能になることが見出された。
本状況においては、説明されるように顆粒状デンプンを含むホエーバウンドフレッシュチーズをチーズケーキフィリングにおいて使用することができるが、ケーキフィリングバッターの作製に従来的なホエーバウンドクリームチーズを使用し、顆粒状デンプンを該ケーキフィリングバッターと混合することもできる。後者の場合、より硬いチーズケーキが得られる。前者の場合、生産効率がより高く、熱安定性および焼成安定性は従来的な非ホエーバウンドクリームチーズのものと非常に似通っており、以前はときに不可能であった、加熱を必要とする食品の適用においてホエーバウンドフレッシュチーズを使用することができるようになるため利益が与えられる。
ホエーバウンドフレッシュチーズを含むチーズケーキフィリングはあまりに液状になりすぎて(「流れやすく」)、および/またはケーキの上面か底部、もしくはその両方において水や脂肪の著しい損失を示すため、顆粒状デンプンを加えないでホエーバウンドフレッシュチーズを用いて調製されたチーズケーキは満足できるようなチーズケーキにはならない。水の損失はシネレシスとも呼ばれる。焼成の際のフィリングの液化は、液状、ソース状のフィリングを含んだびしょぬれの産物をもたらし、それはチーズケーキとしては認められない、または好適ではない。
しかし、上記に説明されるように顆粒状デンプンを加えることによって、水や脂肪を失っていない、またはほとんど失っていない、固形のフィリングを含んだチーズケーキができる。
テクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems、イギリス)によるチーズケーキの食感の評価によって、様々なタイプのフレッシュチーズに基づいたフィリングを用いて作製されたチーズケーキの食感を定量的に比較することができる。顆粒状デンプンを含まないチーズケーキと比べて、ホエーバウンドフレッシュチーズおよび顆粒状デンプンを含むチーズケーキが、大幅に改善された食感を有することが認められた。
さらに、感覚評価および顕微鏡分析から、チーズケーキの品質における改善が明らかに示された。これらの改善、および該改善を確かめるために使用される方法を、実施例において説明している。
さらに、顆粒状デンプンのフレッシュチーズへの添加は、フレッシュチーズ自体の食感にも影響する。顆粒状デンプンを含むホエーバウンドフレッシュチーズは、顆粒状デンプンを含まないホエーバウンドフレッシュチーズと比べて粘性がより高く、より硬い。
本発明のホエーバウンドフレッシュチーズは付加的に、第二のデンプンとしてアミロマルターゼ処理デンプンを含む。アミロマルターゼ処理デンプンの調製は、該文書がアミロマルターゼ処理デンプンの調製について説明する範囲で参照される、欧州特許出願第0 932 444号において説明されている。
手短にいうと、アミロースを含むデンプンをα-1-4,α-1-4グルカノトランスフェラーゼ(アミロマルターゼ、EC 2.4.1.25)によって、鎖の長いアミロペクチンに転換する。アミロマルターゼの典型的な関連活性は、該酵素によって2つのグルコース単位の間のα-1,4結合が切断され、その後新しいα-1,4結合が形成されるというものである。このアミロマルターゼはデンプンを分解しないが、アミロースをアミロペクチンに再付着させる。アミロースがアミロペクチンに再付着して結果的に望ましい産物が得られる。
アミロマルターゼ処理デンプンの調製に好適なデンプンは上記に定義付けられるようなものである。そのようにジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、米デンプン、タピオカデンプン、エンドウ豆デンプン、サツマイモデンプン、サゴデンプンおよびコムギデンプンが好適なデンプンの例である。ジャガイモデンプンが好ましい。アミロース含量の高いデンプン、およびアミロース対アミロペクチンの通常の比率を有するデンプンの使用が実現可能であることが見出された。好ましくは、アミロマルターゼ処理デンプンは通常のデンプンである、即ち、アミロース対アミロペクチンの天然の比率を有している。
または、アミロマルターゼ処理デンプンはアミロース豊富なデンプンとアミロペクチン豊富なデンプンの混合物に由来することができる。アミロース豊富なデンプンは高アミローストウモロコシ、エンドウまたは豆のようなデンプン植物の天然に存在する突然変異体に由来することができる。それはまた、アミロースを優先的に産生するように操作されたジャガイモのような遺伝子組換え植物種から得ることもできる。
アミロペクチン豊富なデンプンは例えばワキシートウモロコシ、ワキシーコムギ、ワキシー米、アミロペクチンジャガイモ、アミロペクチンタピオカ、アミロペクチンサツマイモまたはアミロペクチンサゴのデンプンであってよい。アミロペクチンデンプンはアミロペクチンを選択的に産生する植物に由来するもの、ならびに/または、アミロペクチンを選択的に産生するように操作されたジャガイモおよびタピオカのような遺伝子組換え植物種に由来するものであってよい。
例として、アミロマルターゼ処理デンプンを調製するのに好適なある方法は、水に入れた通常のジャガイモデンプンの懸濁液(19〜20%w/w)の調製に関与する。デンプンを溶解するために、この懸濁液を150〜160℃でジェット加熱する。真空中で70℃にまで産物を冷却する。フラッシュ冷却が好ましい選択肢である。例えば6N 硫酸を用いてpHを6.2に調整する。その後アミロマルターゼ(2 ATU/gデンプン)を加える。溶液を70℃で2〜20時間かき混ぜる。その後溶液を130℃において短時間、例えば1〜20秒間ジェット加熱し、例えばCompactモデルスプレードライヤー(Anhydro、デンマーク)を用いて噴霧乾燥する。当業者には該工程における温度、反応時間、デンプン濃度および酵素濃度の変化が連関しており、これらの変数を用いて好適な産物を作製できることは明らかである。さらに、活性炭処理またはイオン交換によって酵素を取り除くことができる。他の乾燥技術も可能である。
アミロマルターゼ処理デンプンは好ましくは0.5〜5 ATU/g、より好ましくは1〜4 ATU/g、より好ましくは1.5〜3 ATU/gのアミロマルターゼで処理された。
好ましくは、0.5〜10重量%、好ましくは1〜6重量%の量のアミロマルターゼ処理デンプンがホエーバウンドフレッシュチーズ中に存在する。アミロマルターゼ処理デンプンは生産工程の任意の時点で加えることができるが、好ましくはホモジナイゼーション以前に加えられる。
ホエーバウンドフレッシュチーズの安定性、特に熱安定性または焼成安定性が有意にさらに増強されることが、顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンの双方を含むホエーバウンドフレッシュチーズの利点である。これは顆粒状デンプンの添加について上記に説明されるものと同様の実験によって認められる。顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンの双方の添加によるチーズケーキの食感に対する効果は、等量の各デンプンを別々に含む場合の効果を組み合わせたものよりも強いことが明らかに示された。したがって、顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンの双方の添加によるチーズケーキの食感に対する効果は相乗的であり、それは予想外のことである。
ホエーバウンドフレッシュチーズについてのものと同じ条件を用いた、通常の非ホエーバウンドフレッシュチーズへの顆粒状デンプンの添加について、同様の硬さ増強効果が認められる。通常のフレッシュチーズにおける効果はホエーバウンドフレッシュチーズにおけるものほど強くはなかったが、ホエーバウンドフレッシュチーズについて認められた効果と一致して、顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンを組み合わせて通常のフレッシュチーズに添加することによる硬さ増強効果も同様に認めることができる。
例えば、ホエーバウンドクリームチーズならびに4重量%の顆粒状デンプンおよび4重量%のアミロマルターゼ処理デンプンを含むフィリングを用いて作製したチーズケーキはシネレシスを示さず、固形であり、口当たりや食感がよかった。
ホエーバウンドフレッシュチーズ中に顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンの双方が存在する場合、顆粒状デンプンとアミロマルターゼ処理デンプンの重量の比率は、好ましくは1:5〜5:1、好ましくは1:4〜4:1、より好ましくは1:3〜3:1、および最も好ましくは1:2〜2:1である。
特に好ましい態様において、本発明のホエーバウンドフレッシュチーズは乳化剤をさらに含む。乳化剤は、例えばレシチン、ポリソルベートまたはポリペプチド乳化剤のような、食品適用のために好適な公知の任意の乳化剤であってよい。ポリペプチド乳化剤が好ましい。ポリペプチド乳化剤は好ましくは、例えば根茎または塊茎に由来するポリペプチド、特にジャガイモポリペプチドのような植物由来のポリペプチド乳化剤であってよい。ジャガイモポリペプチドのうち、パタチン画分およびプロテアーゼインヒビター画分は特に好適であり、特にプロテアーゼインヒビター画分は好適である。
別の好ましい乳化剤は、好ましくはレシチンのような卵由来の乳化剤であってよい。卵由来の乳化剤は例えば卵、卵白または卵黄を添加することによって本発明のホエーバウンドフレッシュチーズ中に存在し得る。または、卵、卵白および/もしくは卵黄は、卵内に存在する余分な水が加わることを避けるために乾燥粉末形態で含まれてよい。
乳化剤が使用される態様では、ホエーバウンドフレッシュチーズにおいて上記に説明されるよりも低い比率の顆粒状デンプンおよび/またはアミロマルターゼ処理デンプンを使用するのが好ましく、例えば1〜6重量%、好ましくは1.5〜4.5重量%の顆粒状デンプン、および/または1〜6重量%、好ましくは1.5〜4.5重量%のアミロマルターゼ処理デンプンを使用するのが好ましい。
ポリペプチド乳化剤は一般的に天然のものであるべきである。ポリペプチド乳化剤は公知の方法で得ることができ、商品として得られる。好ましくは、ポリペプチド乳化剤は乾燥材料に基づいて少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、なおもより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%の純度を有する。ポリペプチド乳化剤の純度は上記に説明されるようにケルダール法によって、換算係数6.36の代わりに6.25を用いて決定することができ、Sprint(商標)高速タンパク質分析装置を用いて成しとげることもできる。
乳化剤を用いた態様において、乳化剤は任意の好適な量で存在してよく、例えばホエーバウンドフレッシュチーズの重量に基づいて0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは1〜5重量%であってよい。乳化剤がポリペプチド乳化剤である場合、ホエーバウンドフレッシュチーズの量当たりのポリペプチドの重量%として表された約0.2〜5重量%の量でポリペプチド乳化剤が存在することが好ましい。0.5〜4重量%の量がより好ましく、1.5〜3重量%が最も好ましい。
さらに、本発明のホエーバウンドフレッシュチーズは従来的な添加物、例えば着色剤、付臭剤、安定剤、保存料等を含み得る。好適な安定剤はイヌリン、ペクチン、ゼラチン、および様々なタイプのガム、例えばローカストビーンガムまたはキサンタンガムを含む。
本発明は上記に説明されるようなホエーバウンドフレッシュチーズを含む食品に等しく関係する。好ましくは、食品は例えばベーカリー製品のように、冷却状態において消費されるものであっても消費前には加熱されるべき食品である。本文脈における加熱とは少なくとも80℃、好ましくは少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも130℃の温度で少なくとも15分間、好ましくは少なくとも30分間、より好ましくは少なくとも45分間、なおもより好ましくは少なくとも60分間の時間を指す。
本発明に従った食品の好適な例は、該チーズケーキフィリングが本発明に従ったホエーバウンドフレッシュチーズを含むようなチーズケーキもしくはチーズケーキフィリング、上記に説明されるようなホエーバウンドフレッシュチーズを充填した魚もしくは野菜、本発明に従ったホエーバウンドフレッシュチーズを含むペストリーロール、または本発明に従ったフレッシュチーズに基づくクワルクパイもしくはクワルクパイフィリングである。
最も好ましくは、本発明の食品は、本発明に従ったホエーバウンドフレッシュチーズ、好ましくはクリームチーズを含むチーズケーキフィリング、または該フィリングを含むチーズケーキである。
本発明は、ホエーバウンドフレッシュチーズの安定性を改善するための、上記に説明されるような顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンおよび他の成分の使用にさらに関係する。本文脈における安定性は、凍結/解凍安定性、熱安定性または焼成安定性のうち1つまたは複数であり、好ましくは熱安定性または焼成安定性である。
本発明は、第一のデンプンとして顆粒状デンプンを含みかつ第二のデンプンとしてアミロマルターゼ処理デンプンを含むホエーバウンドフレッシュチーズと、さらなる従来的な成分との混合物を提供し、フィリングを調製する段階、該フィリングをペストリーまたはペストリー生地の上または中に適用(充填)する段階、および該充填済みペストリーまたは充填済みペストリー生地を焼成してベーカリー製品を得る段階を含む、ベーカリー製品を調製する方法にさらに関係する。好ましくは、該フィリングはチーズケーキフィリングであり、該ベーカリー製品はチーズケーキである。
本発明は、例えばチーズケーキのようなベーカリー製品の調製における、上記に定義付けられるような顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンを含むホエーバウンドフレッシュチーズの使用にさらに関連する。顆粒状デンプンまたはアミロマルターゼ処理デンプンを既に含んでいないホエーバウンドフレッシュチーズが使用される場合、ベーカリー製品の調製中に該フレッシュチーズと顆粒状デンプンおよび/またはアミロマルターゼ処理デンプンを組み合わせることも本発明の範囲内にある。ある態様においては、安定性の増強を最大化するために、フィリングバッターに顆粒状デンプンおよび/またはアミロマルターゼ処理デンプンを加えることが好ましい;他の態様においては、通常の非ホエーバウンドクリームチーズに基づくチーズケーキと同等の増強された安定性を有するフレッシュチーズを得るために、フレッシュチーズの生産中または生産後に顆粒状デンプンおよび/またはアミロマルターゼ処理デンプンをフレッシュチーズに加えることが好ましい。
この点においてフィリングは、特定の食味または構造要素を産物に与えるために通常含まれる、任意の別々に識別できるベーカリー製品の成分、または部分である。したがってフィリングは、例えば内部がフィリングからなる場合、または別々に識別できるフィリングの塊がベーカリー製品全体に分布している場合のように、ベーカリー製品の内部に存在し得る。しかし、フィリングは例えばベーカリー製品の上面または側面のように、ベーカリー製品の側に代替的または付加的に存在することもできる。
フィリングは塩、砂糖、増粘剤、結合剤、卵白および/または卵黄、小麦粉、果実または果汁、風味材料のような他の従来的な材料、ならびにフィリングの技術分野において公知の他の成分をさらに含み得る。
フィリングは別々に調製することができ、その調製は好ましくは焼成を含み、その後予め調製されているペストリーの上または中に適用してベーカリー製品を得ることができる。または、フィリングはベーカリー製品がこれから調製されるペストリー生地の上または中に適用されてよい。フィリングおよびペストリー生地はその後好ましくは従来的な条件下においてオーブンで焼成され、ベーカリー製品が得られる。
明確さや正確な説明のために、本明細書においては同じまたは別々の態様の一部としてその特徴が説明されるが、説明される特徴の全てまたは一部の組み合わせを有する態様が本発明の範囲に含まれ得ることが理解される。
本発明はここで、以下の非限定的な実施例によってさらに例証される。
実施例1:顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンの添加のホエーバウンドクリームチーズに対する効果
ホエーバウンドクリームチーズの調製
フォアベルク(Vorwerk)社のサーモミックス(Thermomix)において成分を混合することによってホエーバウンドクリームチーズを調製した。クリームおよびクレームフレーシュを脂肪含量が31%となるまで混合し、0.6%の塩を加えた。適用可能な場合、サーモミックスにおけるホモジナイゼーション直前にアミロマルターゼ処理デンプン(ETENIA 457、Avebe、オランダ)を4重量%で混ぜ合わせた。本混合物を、乳酸を用いてpH 4.7にまで酸性化した。その後クリームチーズを55℃まで加熱し、50バール(Niro Soavi Twin Pandaホモジナイザー)でホモジナイズした。引き続きクリームチーズを82℃にまで加熱し、適用可能な場合、顆粒状デンプン(ELIANE SE 460、アジピン酸架橋アセチル化ワキシージャガイモデンプン、Avebe、オランダ、から入手可能)をクリームチーズに加え(4重量%)、よく混ぜた。クリームチーズを82℃で1分間維持して低温殺菌し、その後プラスチック容器に充填し、ブラストチラーによって4℃にまで冷却し、冷蔵庫で4℃にて一晩保存した。
参照クリームチーズはデンプンを加えないクリームチーズである。
クリームチーズ1:アミロマルターゼ処理デンプン(4重量%ETENIA 457)のみ
クリームチーズ2:顆粒状デンプン(4重量%ELIANE SE 460)のみ
クリームチーズ3:4重量%の顆粒状デンプンおよび4重量%の添加アミロマルターゼ処理デンプン
食感解析
以下の設定でテクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems、イギリス)を用いてクリームチーズの食感解析を行った。
プローブ - 直径0.5インチ(エボナイト)
テスト速度 - 1.5 mm/秒(プレテスト1.5 mm/秒、ポストテスト10 mm/秒)
挿入 - 10 mm
トリガー - 自動、0.10 N
クリームチーズの食感はクリームチーズサンプルにプローブを差し込むことによって決定された。
結果
結果は図1において示される。食感解析によって決定されたように、顆粒状デンプンのみを添加すると、クリームチーズの硬さが参照の硬さよりも増強された。アミロマルターゼ処理デンプンのみの添加によっても、クリームチーズの硬さが参照のものより増強された。顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンを両方加えると、硬さは全ての他のクリームチーズのものよりもはるかに増強された。これによって、2つのデンプンタイプがクリームチーズの硬さに相乗的に影響することが示される。
実施例2:顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンの添加のチーズケーキに対する効果
クリームチーズの調製
フォアベルクのサーモミックスにおいて成分を混合することによってホエーバウンドクリームチーズを調製した。クリームおよび乳を脂肪含量が31%になるまで混ぜた。サーモミックスにおいて、適用可能な場合、ホモジナイゼーション(50℃および50バールでのホモジナイゼーション)直前に、指示された量でアミロマルターゼ処理デンプン(「AMデンプン」、ETENIA 457、Avebe 、オランダ)を混ぜ合わせた。2リットルのSchottガラス瓶に移す前に混合物を72℃で1分間低温殺菌し、水道水を流しかけることによって21℃にまで冷却した。瓶をラミナーフローキャビネットに移し、フレッシュチーズ10リットル当たり1単位のCSK Z944.6(CSK Food Enrichment CV、オランダ)を接種した。瓶を26℃のウォーターバスに入れ、一晩発酵させた。翌日、pH電極を用いてpHを測定した。発酵が成功したと見なされるためにはpHが4.7より低い、またはそれ以下となるべきである。最終フレッシュチーズには、0.6重量%の塩を加えた。
その結果生じたクリームチーズを82℃まで加熱し、適用可能な場合、顆粒状デンプン(ELIANE SE 460、アジピン酸架橋アセチル化ワキシージャガイモデンプン、Avebe、オランダ、から入手可能)および/またはポリデキストロース(Sta-Lite R90、Tate&Lyle、オランダ)を、指示された量でクリームチーズに加えた。クリームチーズは82℃を1分間維持して低温殺菌した。その後それをプラスチック容器に移し、ブラストチラーによって4℃にまで冷却し、冷蔵庫で4℃にて一晩保存した。
地域のスーパーマーケットで得られた参照Mon Chouクリームチーズ(Campina、オランダ)を通常の参照チーズケーキとして使用した。Mon Chouチーズは31重量%の脂肪および6.8%のタンパク質を含有していた。
チーズケーキの調製
以下の手順を用いてチーズケーキを調製した。
ケーキ底部の調製:
直径18cmのケーキ型を、溶かしたバター脂肪およびベーキングペーパーで被覆した。Peppingミルでビスケットを砕き、その後、溶かしたバターおよび砂糖を加えて手で混ぜ、生地を作製した。平たいプラスチック器具を用いて生地をケーキ型の底面に押し付けた。
ケーキフィリングバッターの調製:
Hobartミキサーによって(速度3段階のうち2で)クリームチーズを砂糖およびバニラシュガーと混ぜた。Hobartミキサーによって(速度3段階のうち1で)、低温殺菌した卵液(De Roode Hen、オランダ)をケーキフィリングバッターに混ぜた。ケーキフィリングバッターをケーキ型の生地の上に注ぎ入れた。Probat Domino Plusオーブンで、163℃(325゜F)において65分間チーズケーキを焼成した。表1において示される、伝統的なKraftチーズケーキレシピを用いた。
示されるように、ホエーバウンドクリームチーズに必要とされるものと同じ量の顆粒状デンプンおよび任意でアミロマルターゼ処理デンプンが、チーズの量に対して同じ量でチーズケーキフィリングバッターに加えられるならば、デンプンを加えないホエーバウンドクリームチーズを使用することができた。
(表1)8インチケーキ焼き型用の伝統的なKraftチーズケーキレシピ
Figure 2019511252
食感解析
以下の設定でテクスチャーアナライザー(Stable Micro Systems、イギリス)を用いてチーズケーキの食感解析を行った。
プローブ - 直径0.5インチ(エボナイト)
試験速度 - 1.5 mm/秒(プレテスト1.5 mm/秒、ポストテスト10 mm/秒)
挿入 - 10 mm
トリガー - 自動、0.10 N
チーズケーキの食感解析は、ケーキを室温で2時間、および4℃で22時間休ませた後に、図2において示される位置にて行った。90度角でケーキ直径の半分の2つの切断部と、ケーキ周囲(クラスト)の4分の1とを有する四つ切りケーキを得られるように、ケーキの4分の1を切り出した。90度角と四つ切りケーキ周囲の中間点とを結ぶ線上において、中間(「中間」)の位置、90度角から2.5 cmの位置(「中央」)、およびクラストから2.5 cmの位置(「外側」)の3箇所で測定を行った。最大ピーク力として食感を表し、「g」で記録した。
感覚評価
3〜8人の熟練したパネリストによって感覚評価を行った。最初にチーズケーキの写真を撮った。チーズケーキの上面からの写真と、チーズケーキ片の側面からの写真を撮った。その後、パネリストによって目視観察および食味属性についてチーズケーキの品質がスコアリング(採点)された。表2において説明される性状を1〜10のスケールでスコアリングした。該表において各スコアについての説明が与えられる。
(表2)チーズケーキについての感覚属性
Figure 2019511252
結果
様々なホエーバウンドクリームチーズを含むフィリングを用いて、チーズケーキ1〜12を調製した。調製中にチーズケーキフィリングのバッターかクリームチーズのいずれかにデンプンを加えた。比較のために、ポリデキストロースを用いて乾燥材料含量を等しくしたものも調製した(ポリデキストロースが顆粒状デンプンと共にクリームチーズに加えられた。チーズケーキ8〜10を参照のこと)。さらに、顆粒状デンプン量を減らしたチーズケーキ(11)を調製した。同じレシピで通常のMon Chou フィリングに基づいた参照チーズケーキ(12)も調製した。
(表3)チーズケーキに用いられたクリームチーズ
Figure 2019511252
a 本ケーキは177℃で75分間焼成された。クリームチーズは実施例4において説明されたようにEliane CE 390を用いて調製された。
結果は表4および5、ならびに図3において示される。
(表4)食感解析および水分保持についての結果
Figure 2019511252
表4から、クリームチーズにおける顆粒状デンプンのみの添加によってチーズケーキフィリングの硬さが増強し、より高い熱安定性および焼成安定性が示されることが明らかである。AMデンプンの添加についても同じことが言える。しかし、2つのデンプンタイプは組み合わせにおいて、通常のクリームチーズのもの(チーズケーキ2〜4)と同等な程度まで硬さを増強させる効果がある。デンプンの組み合わせによる効果は別々の効果を足した合計よりも大幅に強く、相乗効果があることが示唆される。
調製中、クリームチーズの代わりにクリームチーズフィリングバッターにデンプンを加えても、クリームチーズフィリングの熱安定性および焼成安定性に大きな増強が生じる。しかしこの場合、硬さは参照Mon Chouクリームチーズに基づくチーズケーキ(チーズケーキ5〜7)の硬さを上回る。
ポリデキストロースの添加によって、認められる効果が特定のデンプンの組み合わせによるものであり、より高い乾燥材料含量によるものではないことが確認された(チーズケーキ8〜10)。
(表5)目視検査および試食の結果
Figure 2019511252
表5の結果は、顆粒状デンプンの添加によって、ホエーバウンドクリームチーズに基づくフィリングを含むチーズケーキの焼成後の外観および食味が向上することを示す。しかし、アミロマルターゼ処理デンプンと組み合わせると、チーズケーキの品質が通常のMon Chouタイプのクリームチーズに基づくチーズケーキと同等な品質までさらに改善する。
実施例3:デンプン源における変更
ホエーバウンドクリームチーズ参照は、下記に説明されるような小さな改変を加えた実施例2において説明されるプロトコールに従って6重量%のアミロマルターゼ処理デンプン(「ETENIA 457」)を用いて作製される。ある例においては、クリームチーズは顆粒状デンプンを加えないで調製された(クリームチーズa)。
同じプロトコールに従って顆粒状デンプンを含むクリームチーズを作製した。この場合、クリームチーズ生産の最終段階において加えた4重量%の架橋ヒドロキシプロピル化タピオカデンプン(Farinex VA 70T、Avebe、オランダ)と組み合わせて4重量%のアミロマルターゼ処理デンプンを使用し、焼成安定性を増強させた(クリームチーズb)。
双方のクリームチーズにおいて、クリームチーズを72℃にまで加熱し、NIRO Soavi Type NS2002H ホモジナイザーによってホモジナイズした。クリームチーズは160バールの圧力でホモジナイズした。ホモジナイゼーション後、クリームチーズを200 mlのプラスチック容器に注ぎ入れ、分析まで冷蔵庫で4℃にて保存した。
(表6)アミロマルターゼ処理デンプンを含むホエーバウンドクリームチーズへの顆粒状タピオカデンプンの添加の効果
Figure 2019511252
表6から、顆粒状デンプンをホエーバウンドフレッシュチーズに添加すると、ホエーバウンドフレッシュチーズにおいて、フレッシュチーズのシネレシスに耐える、より高い能力がもたらされるということが言える。
本実施例における上記のプロトコールに従って調製されたものではあるが、他のデンプンタイプを用いているクリームチーズに基づく3つの付加的なチーズケーキを調製した。
チーズケーキ13および14において使われたクリームチーズは本実施例における前出のもの(クリームチーズaおよびb)と同様に調製された。
チーズケーキ15〜17のクリームチーズは、4重量%のアミロマルターゼ処理デンプン(ETENIA 457、Avebe、オランダ)ならびにクリームチーズ生産の発酵後の第二のホモジナイゼーション段階および低温殺菌前に加えられた顆粒状デンプンを含むホエーバウンドクリームチーズである。
チーズケーキ15において使用されたクリームチーズは、4重量%の天然型顆粒状アミロペクチンジャガイモデンプン(Eliane 100、Avebe、オランダ)を含み、160バールでホモジナイズされた一方、チーズケーキ16および17で使用されたクリームチーズは天然型顆粒状タピオカデンプン(SMS、タイ)およびトウモロコシデンプン(Ingredion、米国)を各々含み、圧力をかけずにホモジナイズされた。加えて、本実施例において先に説明された参照クリームチーズ(クリームチーズa)を含むが、該クリームチーズを調製した後チーズケーキフィリングバッターの調製中に顆粒状デンプン(Eliane 100、Avebe、オランダ)を加えられたチーズケーキ18を調製した。表7を参照のこと。
(表7)様々なホエーバウンドクリームチーズに基づくチーズケーキフィリング
Figure 2019511252
チーズケーキのレシピは表8において示される。
(表8)
Figure 2019511252
チーズケーキは以下の工程を用いて調製された:
・直径18 cmのケーキ型を、溶かしたバター脂肪とベーキングペーパーで被覆した。
・ホバート(Hobart)ミキサーでビスケットを砕き、その後、溶かしたバターおよび砂糖を加えて手で混ぜ、生地を作製した(表7)。
・生地を平たいプラスチック器具でケーキ型の底面に押し付けた。
・ケーキフィリングを調製するために:
1.電動ハンドミキサーでクリームチーズを砂糖およびバニラシュガーと混ぜた。
2.電動ハンドミキサーでサワークリームをケーキフィリングに混ぜ合わせた。
3.電動ハンドミキサーで卵をケーキフィリングに混ぜ合わせた。
・ケーキフィリングをケーキ型の生地上面に注ぎ入れた。
・190℃で50分間、チーズケーキを焼成した。
上記に説明されたように目視観察および食味属性についてケーキの品質をスコアリングした。顆粒状デンプン含有フィリングを用いた、または用いていないチーズケーキの結果は表9において示される。
(表9)様々なチーズケーキの外観および食味
Figure 2019511252
ホエーバウンドフレッシュチーズ、この場合クリームチーズ、および顆粒状デンプンを含むチーズケーキフィリングが、該顆粒状デンプンがクリームチーズの生産中に加えられたのかそれとも後に加えられたのかということには関わらず、チーズケーキのシネレシス、熱安定性および焼成安定性に対して有益な影響をもたらすことが表9から明らかである。これは様々な植物源のデンプンについて言える。
実施例4:デンプン比率における変更および乳化剤の添加
クリームチーズの調製
実験室規模のクリームチーズの調製は実施例2と同じであった。しかし、幾つかのクリームチーズにはクリームチーズの生産工程開始時に、アミロマルターゼ処理デンプンと共に乳化性ペプチド(Solanic 300、天然型ジャガイモタンパク質、Avebe、オランダから入手可能)を加えた。
発酵後、顆粒状デンプン(Eliane CE390、POCl3架橋アセチル化ワキシージャガイモデンプン、Avebe、オランダ)を加え、サーモミックスにおいてクリームチーズを82℃にまで加熱し、82℃で1分間維持した。その後、クリームチーズを50/150バールでホモジナイズし、プラスチック容器に充填した。ブラストチラーによってこれらを4℃にまで冷却し、冷蔵庫で4℃にて一晩保存した。
チーズケーキの調製
実施例2において説明されるものと同じ調製工程を用いて、様々な比率の顆粒状デンプンおよび架橋デンプンを用いてチーズケーキを調製し、付加的に乳化性ペプチド(Solanic 300、天然型ジャガイモタンパク質、Avebe、オランダ、から入手可能)を含むチーズケーキも調製した。しかしながら本実施例においては、チーズケーキを355゜F/177℃において65分間焼成した。
結果
実施例2において説明されるように実施された食感解析の結果が図4において示される。本結果は、顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンを様々な比率で使用でき、チーズケーキの硬さに対する有益な効果が得られることを示す。さらに、本結果から乳化性ペプチドの添加にはケーキの硬さに対する付加的な増強効果があることが示される。図4におけるMon Chou参照チーズケーキは図3のケーキ12と同じケーキである。

Claims (14)

  1. 第一のデンプンタイプとして顆粒状デンプン、および第二のデンプンとしてアミロマルターゼ[EC 2.4.1.25]処理デンプンを含み、チーズの重量に基づいて1〜6重量%の乳タンパク質を有する、ホエーバウンドフレッシュチーズ。
  2. 顆粒状デンプンが架橋デンプンである、請求項1記載のホエーバウンドフレッシュチーズ。
  3. 顆粒状デンプンが、アジピン酸、オキシ塩化リン、メタリン酸塩、クエン酸、ジメチロールエチレン尿素、または塩化シアヌル架橋デンプンである、請求項2記載のホエーバウンドフレッシュチーズ。
  4. 顆粒状デンプンが安定化デンプンである、請求項1〜3のいずれか一項記載のホエーバウンドフレッシュチーズ。
  5. 乳化剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項記載のホエーバウンドフレッシュチーズ。
  6. 顆粒状デンプンの量が、チーズの重量に基づいて1〜10重量%である、請求項1〜5のいずれか一項記載のホエーバウンドフレッシュチーズ。
  7. 顆粒状デンプンが、デンプンの重量に基づいて少なくとも90重量%のアミロペクチンを含むワキシーデンプンである、請求項1〜6のいずれか一項記載のホエーバウンドフレッシュチーズ。
  8. 顆粒状デンプンが、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、米デンプン、タピオカデンプン、エンドウ豆デンプン、サツマイモデンプン、サゴデンプン、またはコムギデンプンである、請求項1〜7のいずれか一項記載のホエーバウンドフレッシュチーズ。
  9. 脂肪源とホエー源を混合し、所望の初期脂肪濃度を有する乳製品混合物とする段階、
    その結果生じる混合物をホモジナイズする段階、
    乳酸菌接種材料および/または好適な酸を加える段階、
    インキュベートして凝固を起こさせる段階、ならびに
    フレッシュチーズを熟成させる段階
    を含む、請求項1〜8のいずれか一項記載のホエーバウンドフレッシュチーズを調製するための方法であって、
    顆粒状デンプンを混ぜ合わせる段階およびアミロマルターゼ処理デンプンを混ぜ合わせる段階を含む、方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項において定義付けられるような、第一のデンプンとして顆粒状デンプンを含みかつ第二のデンプンとしてアミロマルターゼ処理デンプンを含むホエーバウンドフレッシュチーズと、さらなる従来的な成分との混合物を提供してフィリングを調製する段階、
    該フィリングをペストリーまたはペストリー生地の上または中に適用する段階、および
    充填されたペストリーまたは充填されたペストリー生地を焼成してベーカリー製品を得る段階
    を含む、ベーカリー製品を調製するための方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項記載のホエーバウンドフレッシュチーズを含む、食品。
  12. チーズケーキ、チーズケーキフィリング、フレッシュチーズを充填した魚もしくは野菜、クワルクパイもしくはクワルクパイフィリング、またはペストリーロールである、請求項11記載の食品。
  13. ホエーバウンドフレッシュチーズの安定性を改善するための、顆粒状デンプンおよびアミロマルターゼ処理デンプンの使用。
  14. 安定性が、シネレシス安定性、凍結/解凍安定性、熱安定性および焼成安定性のうち1つまたは複数である、請求項13記載の使用。
JP2019506337A 2016-04-18 2017-04-18 熱安定性のフレッシュチーズ Active JP6828137B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP16165838.0 2016-04-18
EP16165838 2016-04-18
PCT/NL2017/050243 WO2017183968A1 (en) 2016-04-18 2017-04-18 Heat stable fresh cheese

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019511252A true JP2019511252A (ja) 2019-04-25
JP6828137B2 JP6828137B2 (ja) 2021-02-10

Family

ID=55802247

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019506337A Active JP6828137B2 (ja) 2016-04-18 2017-04-18 熱安定性のフレッシュチーズ

Country Status (11)

Country Link
US (1) US11622565B2 (ja)
EP (1) EP3445176B1 (ja)
JP (1) JP6828137B2 (ja)
CN (1) CN109152376A (ja)
AU (1) AU2017254323B2 (ja)
BR (1) BR112018071462B1 (ja)
CA (1) CA3021441C (ja)
DK (1) DK3445176T3 (ja)
ES (1) ES2772818T3 (ja)
MX (1) MX2018012774A (ja)
WO (1) WO2017183968A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021114954A (ja) * 2020-01-28 2021-08-10 清田産業株式会社 食品性能改良剤、これを用いた食品及びその製造方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GR20180100020A (el) * 2018-01-19 2019-09-06 Τζαφεττας Τυροκομικη-Κτηνοτροφικη Ανωνυμη Εταιρεια Εδεσμα πολτου μυζηθρας και λοιπων τυριων και μεθοδος παραγωγης του
CN114513956A (zh) * 2019-09-24 2022-05-17 菲仕兰坎皮纳荷兰公司 奶酪蛋糕及其生产方法
EP3981797A1 (en) * 2020-10-12 2022-04-13 Bostik SA Starch-based aqueous adhesive composition
CN113170821A (zh) * 2021-05-28 2021-07-27 妙可蓝多(吉林)乳品科技有限公司 一种煎烤奶酪的制备方法及其奶酪
CN114568474A (zh) * 2022-02-18 2022-06-03 广西朗盛食品科技有限公司 一种耐烘烤馅料及其制作方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002514395A (ja) * 1998-05-08 2002-05-21 ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション ゲル化剤、増粘剤および安定剤としての使用のためのヒドロコロイド組成物
JP2013544530A (ja) * 2010-12-13 2013-12-19 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 塗り広げ可能なゲル

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4379170A (en) * 1977-11-30 1983-04-05 Kraft, Inc. Process for manufacture of cheese
JPS56154950A (en) * 1980-05-05 1981-11-30 Yukie Sukegawa Preparation of food like bean curd using milk
US6221420B1 (en) 1993-07-30 2001-04-24 National Starch And Chemical Investment Holding Corporation Foods containing thermally-inhibited starches and flours
JP2973844B2 (ja) * 1994-04-27 1999-11-08 不二製油株式会社 クリームチーズ様食品の製造法
US5807601A (en) 1996-09-09 1998-09-15 Schreiber Foods, Inc. Imitation cheese composition and products containing starch
NL1004214C2 (nl) 1996-10-07 1998-04-10 Avebe Coop Verkoop Prod Toepassing van gemodificeerd zetmeel als middel voor het vormen van een thermoreversibele gel.
US6406736B1 (en) * 2001-03-12 2002-06-18 Kraft Foods Holdings, Inc. Process for making cream cheese products without whey separation
US6913774B2 (en) * 2002-08-01 2005-07-05 Kraft Foods Holdings, Inc. Gum application in wheyless cream cheese systems
NZ527436A (en) * 2003-08-07 2005-08-26 Fonterra Co Operative Group Dairy product and process for producing a milk protein concentrate high in whey protein and enhancing cheese yields
US7611743B2 (en) 2004-03-24 2009-11-03 Kraft Foods Global Brands Llc Low protein cream cheese
US20060188631A1 (en) * 2005-02-18 2006-08-24 Kyungsoo Woo Pregelatinized chemically modified resistant starch products and uses thereof
CN101557715B (zh) * 2006-12-13 2012-12-12 帝斯曼知识产权资产管理有限公司 奶油替代物
US20080160133A1 (en) 2006-12-27 2008-07-03 Kraft Food Holdings, Inc. Low Fat, Whey-Based Cream Cheese Product With Carbohydrate-Based Texturizing System and Methods of Manufacture
JP5724383B2 (ja) * 2008-12-26 2015-05-27 不二製油株式会社 クリームチーズ様食品
US10463066B2 (en) 2012-05-15 2019-11-05 Tate & Lyle Ingredients Americas Llc Process for preparing inhibited non-pregelatinized granular starches
GB2506695B (en) 2012-10-02 2015-01-07 Tate & Lyle Ingredients Process for preparing an inhibited starch
US20140161954A1 (en) * 2012-12-07 2014-06-12 Andrew Edward McPherson Emulsifying Salt-Free and Starch Stabilized Cheese
JP6507481B2 (ja) * 2014-03-28 2019-05-08 不二製油株式会社 糸曳き性チーズ様食品

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002514395A (ja) * 1998-05-08 2002-05-21 ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション ゲル化剤、増粘剤および安定剤としての使用のためのヒドロコロイド組成物
JP2013544530A (ja) * 2010-12-13 2013-12-19 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 塗り広げ可能なゲル

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"Dairy", AVEBE [ONLINE], vol. [Retrieved on 2019.11.25], JPN6019048068, 16 February 2016 (2016-02-16), ISSN: 0004345872 *
"Recognize true milk value in fresh cheese", AVEBE [ONLINE], vol. [Retrieved on 2019.11.25], JPN6019048067, 17 June 2015 (2015-06-17), ISSN: 0004345871 *
"Versatile potato starch texturizer: EteniaTM", AVEBE [ONLINE], vol. [Retrieved on 2019.11.25], JPN6019048069, 25 June 2015 (2015-06-25), ISSN: 0004345873 *
MOUNSEY J. S. ET AL., FOOD HYDROCOLLOIDS, vol. 22 (2008), JPN6019048070, pages 1160 - 1169, ISSN: 0004345875 *
五訂増補 日本食品標準成分表, 文部科学省 科学技術・学術審議会・資源調査分科会 報告書, vol. 第2章五訂増補日本食品標準成分表(本表), JPN6019048071, 24 January 2005 (2005-01-24), pages 13.乳類, ISSN: 0004345874 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021114954A (ja) * 2020-01-28 2021-08-10 清田産業株式会社 食品性能改良剤、これを用いた食品及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU2017254323A1 (en) 2018-11-08
BR112018071462B1 (pt) 2022-10-11
ES2772818T3 (es) 2020-07-08
EP3445176B1 (en) 2019-12-25
MX2018012774A (es) 2019-01-14
CA3021441A1 (en) 2017-10-26
CA3021441C (en) 2021-06-29
CN109152376A (zh) 2019-01-04
US20190261640A1 (en) 2019-08-29
DK3445176T3 (da) 2020-02-24
US11622565B2 (en) 2023-04-11
JP6828137B2 (ja) 2021-02-10
WO2017183968A1 (en) 2017-10-26
BR112018071462A2 (pt) 2019-02-05
AU2017254323B2 (en) 2019-08-29
EP3445176A1 (en) 2019-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6828137B2 (ja) 熱安定性のフレッシュチーズ
CA2900467C (en) Food products containing a modified waxy cassava starch
CA2833306C (en) Room-temperature storable cheesecake filling
US8568817B2 (en) Cream substitute
JP2020178707A (ja) カード由来の塗り広げ可能なチーズ
TW201600016A (zh) 新穎食用水中油型糊狀組合物
US10524485B2 (en) Food products containing a modified waxy cassava starch
JP2021040526A (ja) 低脂肪フレッシュチーズおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181130

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191205

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6828137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250