以下の説明に記載されるか、または図に例示される構成の詳細および構成要素の配置は、限定することを意味しない。本発明を実施するための他の実施形態および異なるやり方は、明確に含まれる。また、本明細書で使用される表現および用語は、説明を目的としており、限定するものとみなされるべきではない。「含む(including)」、「含む(comprising)」または「有する」、「含有する」、「含む(involving)」および本明細書のそれらの変化形の使用は、その後に列挙される項目およびその均等物、ならびにさらなる項目を包含することを意味する。
定義
「変異IDH2阻害剤」または「IDH2変異体(単数または複数)の阻害剤」という用語は、IDH2変異サブユニットに結合し、例えば、二量体、例えば変異IDH2サブユニットのホモ二量体、または変異および野生型サブユニットのヘテロ二量体の形成を阻害することによって、新たな活性(neoactivity)を阻害する分子、例えば、ポリペプチド、ペプチドもしくは小分子(例えば、1,000ダルトン未満の分子)またはアプタマー(aptomer)を意味する。一部の実施形態では、新たな活性の阻害は、変異IDH2阻害剤がない状態の活性と比較して、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%または99%である。一実施形態では、変異IDH2阻害剤は、化合物1である。
「変異型IDH1阻害剤」または「IDH1変異体(単数または複数)の阻害剤」という用語は、IDH1変異サブユニットに結合し、例えば、二量体、例えば変異型IDH1サブユニットのホモ二量体、または変異体および野生型サブユニットのヘテロ二量体の形成を阻害することによって、新たな活性(neoactivity)を阻害する分子、例えばポリペプチド、ペプチドもしくは小分子(例えば、1,000ダルトン未満の分子)またはアプタマー(aptomer)を意味する。一部の実施形態では、新たな活性の阻害は、変異型IDH1阻害剤がない状態の活性と比較して、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%または99%である。一実施形態では、変異型IDH1阻害剤は、化合物2である。
本明細書で使用される場合、「野生型」という用語は、自然に生じる場合の典型的なまたは最も一般的な特徴の形態(例えば、遺伝子の配列もしくは存在、またはタンパク質の配列、存在、レベルもしくは活性)および他のすべてが比較される基準を指す。当業者によって理解される通り、本明細書で使用される場合、野生型は、自然に最も一般的に生じる場合の典型的な遺伝子配列(単数または複数)または遺伝子発現レベルを指す。
本明細書で使用される場合、「同時に生じる変異」は、IDH1またはIDH2変異に加えて、本明細書のがん対象に存在する1つまたは複数の遺伝子変異を指す。
「RAS経路阻害剤」または「RAS標的化化合物」という用語は、原形質膜とのRASタンパク質の会合を阻害する化合物、ならびにRAF−MEK−ERKシグナル伝達カスケードを含めたRASの下流のシグナル伝達カスケードを標的にする化合物を指す。本明細書で使用するための例示的なRAS経路阻害剤には、トラメチニブ(GSK1120212)、セルメチニブ、ビニメチニブ(MEK162)、PD−325901、コビメチニブ(XL518)、CI−1040およびPD035901が含まれるが、それらに限定されない。
「高レベルの2HG」という用語は、変異型IDH1対立遺伝子を持っている対象において、変異型IDH1対立遺伝子を持っていない対象に存在するよりも10%、20% 30%、50%、75%、100%、200%、500%多いまたはそれよりも多い2HGが存在することを意味する。「高レベルの2HG」という用語は、細胞内、腫瘍内、腫瘍を含む臓器内、または体液内の2HGの量を指すことができる。
「体液」という用語は、胎児を取り囲む羊水、房水、血液(例えば、血漿)、血清、脳脊髄液、耳垢、消化粥、カウパー線液、膣液、間質液、リンパ液、母乳、粘液(例えば、鼻漏もしくは痰)、胸水、膿汁、唾液、皮脂、精液、血清、汗、涙、尿、膣分泌物、または嘔吐物の1つまたは複数を含む。
「阻害」または「予防」という用語は、完全なおよび部分的な阻害および予防の両方を含む。阻害剤は、所期の標的を完全にまたは部分的に阻害することができる。
「対象」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物を含むことを意図する。例示的なヒト対象には、障害、例えば本明細書に記載される障害を有するヒト患者(患者と呼ばれる)または正常な対象が含まれる。本発明の一態様の「非ヒト動物」という用語は、あらゆる脊椎動物、例えば、非哺乳動物(例えば鳥類、両生類、爬虫類)および哺乳動物、例えば非ヒト霊長類、家畜および/または農業に有用な動物、例えばヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ等を含む。
「処置する」という用語は、疾患/障害(例えば、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、進行性血液悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B−急性リンパ芽球性白血病(B−ALL)もしくはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を含めた血液悪性腫瘍、または神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がん、もしくは非小細胞肺がん(NSCLC)を含めた固形腫瘍、あるいはそれぞれIDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄性肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)もしくは芽球性形質細胞様樹状細胞新生物、または固形腫瘍、例えば、神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫もしくは胆管細胞癌(例えば神経膠腫)、または血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL))の発症もしくは進行の低減、抑制、減弱、減少、抑止もしくは安定化、疾患/障害の重症度の緩和、または疾患/障害と関連する症状の改善を意味する。
一実施形態では、進行性血液悪性腫瘍は、再発性または難治性である。一実施形態では、固形腫瘍は、再発性または難治性である。
障害を処置するのに有効な、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグもしくは多形体を含めた化合物の量、または「治療有効量」もしくは「治療有効用量」は、対象に単回または複数回用量で投与されると、細胞の処置に有効であるか、またはこのような処置がない状態で予測されるものを上回る、障害を有する対象の治癒、軽減、緩和もしくは改善に有効な薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグまたは多形体を含めた化合物の量を指す。
追加のがん治療剤と関連して本明細書で使用される「併用投与」という用語は、追加のがん治療剤が、単一の剤形(例えば、前述の化合物および第2の治療剤を含む組成物)の一部として、または別個の複数の剤形として、本明細書で提供される化合物と一緒に投与され得ることを意味する。あるいは、追加のがん治療剤は、本明細書で提供される化合物の投与の前、その投与に連続して、またはその投与の後に、投与することができる。このような組合せ治療処置では、本明細書で提供される化合物および第2の治療剤(単数または複数)の両方は、従来の方法によって投与される。本明細書で提供される化合物および第2の治療剤の両方を含む組成物を対象に投与することは、その第2の治療剤、任意の他の第2の治療剤または本明細書で提供される任意の化合物を、前記対象に、処置過程中の別の時間に別々に投与することを除外しない。追加のがん処置と関連して本明細書で使用される「併用投与」という用語は、追加のがん処置が、本明細書で提供される化合物の投与の前、その投与に連続して、その投与と同時に、またはその投与の後に生じ得ることを意味する。
本明細書で使用される「他の立体異性体を実質的に含まない」という用語は、1つまたは複数の選択された立体中心において選択された立体化学を有する化合物が、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%濃縮されている調製物を意味する。
「濃縮されている」という用語は、調製物の少なくとも指定されたパーセンテージが、1つまたは複数の選択された立体中心において選択された立体化学を有する化合物であることを意味する。
「結晶性」という用語は、高度に規則的な化学的構造を有する固体を指す。特に、結晶性化合物1は、化合物1の1つまたは複数の単結晶形として生成され、結晶性化合物2は、化合物2の1つまたは複数の単結晶形として生成され得る。本願の目的では、「結晶形態」、「単結晶形態」および「多形体」という用語は同義であり、これらの用語は、異なる特性(例えば、異なるXRPDパターンおよび/または異なるDSC走査結果)を有する結晶を互いに区別する。「多形体」という用語には、材料の典型的に異なる溶媒和物である疑似多形体が含まれ、したがってそれらの特性は、互いに異なっている。したがって、化合物1のそれぞれ別個の多形および疑似多形は、本明細書では別個の単結晶形であるとみなされ、化合物2のそれぞれ別個の多形および疑似多形は、本明細書では別個の単結晶形であるとみなされる。
「実質的に結晶性」という用語は、少なくとも特定の重量パーセントが結晶性であり得る形態を指す。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の間の任意のパーセンテージである。一部の実施形態では、実質的に結晶性の化合物1とは、少なくとも70%が結晶性である化合物1を指す。他の実施形態では、実質的に結晶性の化合物1は、少なくとも90%が結晶性である化合物1を指す。一部の実施形態では、実質的に結晶性の化合物2は、少なくとも70%が結晶性である化合物2を指す。他の実施形態では、実質的に結晶性の化合物2は、少なくとも90%が結晶性である化合物2を指す。
「単離された」という用語は、化合物の少なくとも特定の重量パーセントの特定の結晶形態となり得る形態を指す。特定の重量パーセンテージは、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または90%〜100%の間の任意のパーセンテージである。
「溶媒和物または溶媒和物化」という用語は、その結晶形態を含めた本発明の化合物と、1つまたは複数の溶媒分子の物理的会合を意味する。この物理的会合には、水素結合が含まれる。ある特定の場合、例えば1または複数の溶媒分子が結晶固体の結晶格子に組み込まれている場合、溶媒和物は、単離することができる。「溶媒和物または溶媒和物化」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物には、例えば、水和物、エタノレートまたはメタノレートが含まれる。
「水和物」という用語は、溶媒分子が、定義された化学量論量で存在するH2Oである溶媒和物であり、水和物には、例えば、半水和物、一水和物、二水和物または三水和物が含まれ得る。
「混合物」という用語は、組合せの相状態(例えば、液体または液体/結晶性)に関わらず、混合物の組み合わされた要素を指すために使用される。
「播種」という用語は、結晶性材料を添加して、再結晶化または結晶化を惹起することを指すために使用される。
「貧溶媒」という用語は、その結晶形態を含めた化合物が、低い可溶性を示す溶媒を指すために使用される。
「薬学的に許容される担体またはアジュバント」という用語は、本発明の一態様の化合物と一緒に対象に投与することができ、化合物の薬理学的活性を破壊せず、治療的な量の化合物を送達するのに十分な用量で投与される場合に非毒性である、担体またはアジュバントを指す。
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、この用語が言及する化合物の非毒性の酸付加塩または塩基付加塩を指す。薬学的に許容される塩の例は、Bergeら、1977年、「Pharmaceutically Acceptable Salts.」J. Pharm. Sci. 66巻、1〜19頁に論じられている。
「約」という用語は、およそ、その領域内、ほぼ、またはその辺りを意味する。「約」という用語が、数値範囲と併せて使用される場合、この用語は、その境界値を、記載される数値よりも大きい値および記載される数値よりも小さい値に拡大することによって、その範囲を修正する。一般に「約」という用語は、本明細書では、記載されている値よりも大きい数値および記載されている値よりも小さい数値を、10%の分散率で修正するために使用される。
化合物
A.化合物1
一実施形態では、化合物1は、次式
を有する2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オール、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体分子種、プロドラッグ、代謝産物もしくは多形である。
また化合物1は、1つまたは複数の同位体置換を含み得る(「同位体置換体」)。例えば、Hは、1H、2H(Dまたは重水素)、および3H(Tまたはトリチウム)を含めた任意の同位体形態であってよく、Cは、12C、13C、および14Cを含めた任意の同位体形態であってよく、Oは、16Oおよび18Oを含めた任意の同位体形態であってよく、他もまた同様である。例えば、化合物1は、H、Cおよび/またはOの特定の同位体形態が、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%濃縮されている。
また化合物1は、ある特定の実施形態では、複数の互変異性体形態で表される場合があり、このような場合、本発明の一態様は、単一の互変異性体形態だけが表されている場合があっても(例えば、ケト−エノール互変異性体)、本明細書に記載される化合物1のあらゆる互変異性体形態を明確に含む。化合物1のあらゆるこのような異性体形態は、本明細書に明確に含まれる。化合物1の合成は、その全体が参照によって組み込まれる、2013年7月25日公開の米国特許出願公開第2013−0190287−A1号に記載されている。
化合物1の対応する塩、例えば薬学的に許容される塩を調製、精製および/または取り扱うことが好都合であり、または望ましい場合がある。薬学的に許容される塩の例は、Bergeら、1977年、「Pharmaceutically Acceptable Salts.」J. Pharm. Sci. 66巻、1〜19頁に論じられている。
例えば、化合物1がアニオン性であるか、またはアニオン性であり得る官能基(例えば、−NH−は、−N−−であり得る)を有する場合、塩は、適切なカチオンを用いて形成することができる。適切な無機カチオンの例として、アルカリ金属イオン、例えばNa+およびK+、アルカリ土類カチオン、例えばCa2+およびMg2+、ならびに他のカチオン、例えばAl3+が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミンおよびトロメタミン、ならびにアミノ酸、例えばリシンおよびアルギニンから導出されたものである。一般的な第四級アンモニウムイオンの一例は、N(CH3)4 +である。
化合物1がカチオン性であるか、またはカチオン性であり得る官能基(例えば、−NHRは、−NH2R+であり得る)を有する場合、塩は、適切なアニオンを用いて形成することができる。適切な無機アニオンの例として、以下の無機酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、および亜リン酸から導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。
適切な有機アニオンの例として、以下の有機酸、2−アセトキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および吉草酸から導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態では、化合物1は、2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オールのメシル酸塩を含む。適切なポリマー性有機アニオンの例として、以下のポリマー酸、タンニン酸、カルボキシメチルセルロースから導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。
したがって、本明細書で提供される方法および医薬組成物で使用するための化合物1には、化合物1自体、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグ、代謝産物または多形体が含まれる。化合物1の代謝産物は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2015/006592号に開示されている。本明細書で提供される化合物1は、選択された生物学的特性、例えば特定組織への標的化を増強するために、適切な官能性を付加することによって修飾し、プロドラッグに変換することができる。このような修飾(すなわち、プロドラッグ)は、当技術分野で公知であり、それには、所与の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的透過を増大し、経口利用能を増大し、注射による投与を可能にするために溶解度を増大し、代謝を変え、排出速度を変えるものが含まれる。プロドラッグの例として、対象に投与されると活性な化合物を提供することができる、エステル(例えば、リン酸エステル、アミノ酸(例えば、バリン)エステル)、カルバミン酸エステルおよび他の薬学的に許容される誘導体が挙げられる。
化合物1は、様々な固体形態で存在し得ることが判明した。一実施形態では、純粋な結晶形態を含む固体形態が本明細書で提供される。別の実施形態では、溶媒和物化形態および非晶質形態を含む固体形態が本明細書で提供される。本開示は、ある特定の固体形態の化合物1を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される形態の化合物1を含む組成物を提供する。提供される組成物の一部の実施形態では、化合物1は、1つまたは複数の固体形態の混合物として存在する。提供される組成物の一部の実施形態では、化合物1は、単一形態で存在する。
一実施形態では、化合物1は、単結晶形態、または本明細書に記載される単結晶形態のいずれか1つである。化合物1の結晶形の合成は、共にそれらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2015年2月5日公開の国際公開第2015/017821号および2015年2月4日公開の米国仮出願第61/112,127号に記載されている。また、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤、および化合物1を含む医薬組成物が提供され、ここで化合物1は、単結晶形態、または本明細書に記載される結晶形態のいずれか1つである。また、医薬組成物を調製するための化合物1の使用が提供され、ここで化合物1は、単結晶形態、または本明細書に記載される単結晶形態のいずれか1つである。
本明細書では、化合物1の結晶形態を説明するための特徴付け情報の分類が提供される。しかし、このような特定の形態が所与の組成物中に存在することを当業者が決定するために、このような情報がすべて必要とされるわけではなく、特定の形態の決定は、当業者が特定の形態の存在を確立するのに十分であると認識する特徴付け情報の任意の一部を使用して達成することができ、例えば単一の特徴的なピークであっても、このような特定の形態が存在することを当業者が理解するのに十分であり得ることを理解されたい。
一実施形態では、化合物1の少なくとも特定の重量パーセンテージは、結晶性である。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、
80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の間の任意のパーセンテージであり得る。化合物1の特定の重量パーセンテージが結晶性である場合、化合物1の残部は、化合物1の非晶質形態である。結晶性化合物1の非限定的な例として、化合物1の単結晶形態または異なる単結晶形態の混合物が挙げられる。一部の実施形態では、化合物1は、少なくとも90重量%が結晶性である。一部の他の実施形態では、化合物1は、少なくとも95重量%が結晶性である。
別の実施形態では、結晶性化合物1の特定の重量パーセンテージは、特定の単結晶形態または単結晶形態の組合せである。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の間の任意のパーセンテージであり得る。別の実施形態では、化合物1は、少なくとも90重量%が単結晶形態である。別の実施形態では、化合物1は、少なくとも95重量%が単結晶形態である。
化合物1の以下の説明では、本発明の実施形態は、本明細書で論じられる1つまたは複数の特性によって特徴付けられる、化合物1の特定の結晶形態を参照して説明することができる。結晶形態を特徴付ける説明は、結晶性化合物1中に存在し得る異なる結晶形態の混合物を説明するために使用することもできる。しかし、化合物1の特定の結晶形態は、特定の結晶形態への言及に関して、またはそれに関係なく、本明細書に記載される結晶形態の特徴の1つまたは複数によって特徴付けることもできる。
結晶形態は、以下に示す詳細な説明および実例によってさらに示される。表1〜6に記載されるXRPDピークは、データを得るために使用される機器に応じて±0.2°変わり得る。表1〜6に記載されるXRPDピークの強度は、10%変わり得る。
形態1
一実施形態では、単結晶形態態である化合物1の形態1は、CuKα放射線を使用して得られた、図1に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表1に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表1に示されている通り、図1から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表1に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個によって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態1は、8.9、13.0、18.9、23.8および28.1°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態1は、8.9、18.9および23.8°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
形態2
一実施形態では、単結晶形態である化合物1の形態2は、CuKα放射線を使用して得られた、図2に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表2に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表2に示されている通り、図2から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表2に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個によって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態2は、12.7、17.1、19.2、23.0および24.2°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態2は、12.7、19.2および24.2°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
形態3
一実施形態では、単結晶形態態である化合物1の形態3は、CuKα放射線を使用して得られた、図3に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表3に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表3に示されている通り、図3から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表3に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個によって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態3は、6.8、10.6、13.6、14.2および19.2°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態3は、10.6、14.2および19.2°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
形態4
一実施形態では、単結晶形態態である化合物1の形態4は、CuKα放射線を使用して得られた、図4に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表4に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表4に示されている通り、図4から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表4に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個によって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態4は、7.2、13.6、18.5、19.3、21.9および23.5°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態4は、13.6、18.5、および23.5°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
形態5
一実施形態では、単結晶形態態である化合物1の形態5は、CuKα放射線を使用して得られた、図5に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表5に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表5に示されている通り、図5から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表5に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個によって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態5は、6.4、8.4、9.8、17.8および19.7°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態5は、8.4および9.8°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
形態6
一実施形態では、単結晶形態態である化合物1の形態6は、CuKα放射線を使用して得られた、図6に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表6に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表6に示されている通り、図6から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表6に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個によって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態6は、8.1、14.1、16.4、17.3、20.5および24.1°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態6は、8.1、16.4、17.3および24.1°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
B.化合物2
化合物2は、(S)−N−((S)−1−(2−クロロフェニル)−2−((3,3−ジフルオロシクロブチル)アミノ)−2−オキソエチル)−1−(4−シアノピリジン−2−イル)−N−(5−フルオロピリジン−3−イル)−5−オキソピロリジン−2−カルボキサミド、薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体分子種、プロドラッグ、または多形である。化合物2は、以下の化学的構造を有する。
また化合物2は、1つまたは複数の同位体置換を含み得る。例えば、Hは、1H、2H(Dまたは重水素)、および3H(Tまたはトリチウム)を含めた任意の同位体形態(「同位体置換体」)であってよく、Cは、12C、13C、および14Cを含めた任意の同位体形態であってよく、Oは、16Oおよび18Oを含めた任意の同位体形態であってよく、他もまた同様である。例えば、化合物2は、H、Cおよび/またはOの特定の同位体形態が、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%濃縮されている。
また化合物2は、ある特定の実施形態では、複数の互変異性体形態で表される場合があり、このような場合、本発明の一態様は、単一の互変異性体形態だけが表されている場合があっても(例えば、ケト−エノール互変異性体)、本明細書に記載される化合物2のあらゆる互変異性体形態を明確に含む。化合物2のあらゆるこのような異性体形態は、本明細書に明確に含まれる。化合物2の合成は、その全体が参照によって組み込まれる、2013年7月25日公開の米国特許出願公開第2013−0190249−A1号に記載されている。
化合物2の対応する塩、例えば薬学的に許容される塩を調製、精製および/または取り扱うことが好都合であり、または望ましい場合がある。薬学的に許容される塩の例は、Bergeら、1977年、「Pharmaceutically Acceptable Salts.」J. Pharm. Sci. 66巻、1〜19頁に論じられている。
例えば、化合物2がアニオン性であるか、またはアニオン性であり得る官能基(例えば、−NH−は、−N−−であり得る)を有する場合、塩は、適切なカチオンを用いて形成することができる。適切な無機カチオンの例として、アルカリ金属イオン、例えばNa+およびK+、アルカリ土類カチオン、例えばCa2+およびMg2+、ならびに他のカチオン、例えばAl3+が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミンおよびトロメタミン、ならびにアミノ酸、例えばリシンおよびアルギニンから導出されたものである。一般的な第四級アンモニウムイオンの一例は、N(CH3)4 +である。
化合物2がカチオン性であるか、またはカチオン性であり得る官能基(例えば、−NHRは、−NH2R+であり得る)を有する場合、塩は、適切なアニオンを用いて形成することができる。適切な無機アニオンの例として、以下の無機酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、および亜リン酸から導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。
適切な有機アニオンの例として、以下の有機酸、2−アセトキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および吉草酸から導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。適切なポリマー性有機アニオンの例として、以下のポリマー酸、タンニン酸、カルボキシメチルセルロースから導出されたアニオンが挙げられるが、それらに限定されない。
したがって、本明細書で提供される方法および医薬組成物で使用するための化合物2には、化合物2自体、ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体、同位体置換体、プロドラッグまたは多形体が含まれる。本明細書で提供される化合物2は、選択された生物学的特性、例えば特定組織への標的化を増強するために、適切な官能性を付加することによって修飾し、プロドラッグに変換することができる。このような修飾(すなわち、プロドラッグ)は、当技術分野で公知であり、それには、所与の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的透過を増大し、経口利用能を増大し、注射による投与を可能にするために溶解度を増大し、代謝を変え、排出速度を変えるものが含まれる。プロドラッグの例として、対象に投与されると活性な化合物を提供することができる、エステル(例えば、リン酸エステル、アミノ酸(例えば、バリン)エステル)、カルバミン酸エステルおよび他の薬学的に許容される誘導体が挙げられる。
化合物2は、様々な固体形態で存在し得ることが判明した。一実施形態では、純粋な結晶形態を含む固体形態が本明細書で提供される。別の実施形態では、溶媒和物化形態および非晶質形態を含む固体形態が本明細書で提供される。本開示は、ある特定の固体形態の化合物2を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載される形態の化合物2を含む組成物を提供する。提供される組成物の一部の実施形態では、化合物2は、1つまたは複数の固体形態の混合物として存在する。提供される組成物の一部の実施形態では、化合物2は、単一形態で存在する。
一実施形態では、化合物2は、単結晶形態、または本明細書に記載される単結晶形態のいずれか1つである。化合物2の結晶形態の合成は、国際公開第2015/138837号および同第2015/138839号に記載されており、両者とも、2015年9月17日に公開され、それらの全体が参照によって共に本明細書に組み込まれる。また、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤、および化合物2を含む医薬組成物が提供され、ここで化合物2は、単結晶形態、または本明細書に記載される結晶形態のいずれか1つである。また、医薬組成物を調製するための化合物2の使用が提供され、ここで化合物2は、単結晶形態、または本明細書に記載される単結晶形態のいずれか1つである。
本明細書では、化合物2の結晶形態を説明するための特徴付け情報の分類が提供される。しかし、このような特定の形態が所与の組成物中に存在することを当業者が決定するために、このような情報がすべて必要とされるわけではなく、特定の形態の決定は、当業者が特定の形態の存在を確立するのに十分であると認識する特徴付け情報の任意の一部を使用して達成することができ、例えば単一の特徴的なピークであっても、このような特定の形態が存在することを当業者が理解するのに十分であり得ることを理解されたい。
一実施形態では、化合物2の少なくとも特定の重量パーセンテージは、結晶性である。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の間の任意のパーセンテージであり得る。化合物2の特定の重量パーセンテージが結晶性である場合、化合物2の残部は、化合物2の非晶質形態である。結晶性化合物2の非限定的な例として、化合物1の単結晶形態または異なる単結晶形態の混合物が挙げられる。一部の実施形態では、化合物2は、少なくとも90重量%が結晶性である。一部の他の実施形態では、化合物2は、少なくとも95重量%が結晶性である。
別の実施形態では、結晶性化合物2の特定の重量パーセンテージは、特定の単結晶形態または単結晶形態の組合せである。特定の重量パーセンテージは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%の間の任意のパーセンテージであり得る。別の実施形態では、化合物2は、少なくとも90重量%が単結晶形態である。別の実施形態では、化合物2は、少なくとも95重量%が単結晶形態である。
化合物2の以下の説明では、本発明の実施形態は、本明細書で論じられる1つまたは複数の特性によって特徴付けられる、化合物2の特定の結晶形態を参照して説明することができる。結晶形態を特徴付ける説明は、結晶性化合物2中に存在し得る異なる結晶形態の混合物を説明するために使用することもできる。しかし、化合物2の特定の結晶形態は、特定の結晶形態への言及に関して、またはそれに関係なく、本明細書に記載される結晶形態の特徴の1つまたは複数によって特徴付けることもできる。
結晶形態は、以下に示す詳細な説明および実例によってさらに示される。表1〜2に記載されるXRPDピークは、データを得るために使用される機器に応じて±0.2°変わり得る。表1〜2に記載されるXRPDピークの強度は、10%変わり得る。
形態I
一実施形態では、単結晶形態態である化合物2の形態Iは、CuKa放射線を使用して得られた、図7に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表7に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表7に示されている通り、図7から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表7に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個によって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態Iは、8.6、15.6、18.5、20.6、21.6、および26.4°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態Iは、8.6、15.6、18.5、および21.6°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態Iは、図8に示されている示差走査熱量測定プロファイル(DSC)によって特徴付けることができる。DSCグラフでは、試料の温度の関数としての熱流をプロットしており、温度変化率は、約10℃/分である。プロファイルは、約140.1℃の開始温度と約149.9℃における溶融を伴う吸熱転移によって特徴付けられる。
別の実施形態では、形態Iは、図9に示されている熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。TGAプロファイルでは、温度の関数としての試料の重量のパーセント損失をグラフ化しており、温度変化率は、約10℃/分である。重量損失は、温度が約29.0℃から125.0℃に変化する場合、試料重量の約0.44%の損失となる。
形態II
一実施形態では、単結晶形態である化合物2の形態IIは、CuKa放射線を使用して得られた、図10に示されているX線粉末回折(XRPD)パターンおよび表8に示されているデータによって特徴付けられる。特定の実施形態では、多形体は、表8に示されている通り、図10から得られたピークの1つまたは複数によって特徴付けることができる。例えば、多形体は、表8に示されているピークの1個または2個または3個または4個または5個または6個または7個または8個または9個または10個によって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態IIは、9.8、11.6、19.6、22.5、23.0、および31.4°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。別の実施形態では、形態IIは、9.8、11.6、19.6、および23.0°の2θ角において識別されたピークによって特徴付けることができる。
別の実施形態では、形態IIは、図11に示されている示差走査熱量測定プロファイル(DSC)によって特徴付けることができる。DSCグラフでは、試料の温度の関数としての熱流をプロットしており、温度変化率は、約10℃/分である。プロファイルは、約62.7℃の開始温度と約72.5℃における溶融を伴う吸熱転移、および約145.6℃の開始温度と約153.6℃における溶融を伴う吸熱転移によって特徴付けられる。
別の実施形態では、形態IIは、図12に示されている熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。TGAプロファイルでは、温度の関数としての試料の重量のパーセント損失をグラフ化しており、温度変化率は、約10℃/分である。重量損失は、温度が約29.3℃から170.3℃に変化する場合、試料重量の約0.57%の損失となる。
他の実施形態は、本明細書で論じられる単結晶形態のいずれかの前述の特徴の組合せによって特徴付けられる、化合物2の単結晶形態を対象とする。特徴付けは、特定の多形体について説明されるXRPD、TGA、およびDSCの1つまたは複数の任意の組合せによるものであってよい。例えば、化合物2の単結晶形態は、XRPD走査の主なピークの位置に関するXRPDの結果の任意の組合せ、および/またはXRPD走査から得られたデータから導出されたパラメータの1つもしくは複数の任意の組合せによって特徴付けることができる。化合物2の単結晶形態は、指定の温度範囲にわたって試料と関連する重量損失のTGA決定、および/または特定の重量損失転移が始まる温度によって特徴付けることもできる。熱流転移中の最大熱流と関連する温度のDSC決定、および/または試料が熱流転移を受け始める温度により、結晶形態を特徴付けることもできる。ある範囲の相対湿度(例えば、0%〜90%)にわたって水分収着/脱着を測定することによって決定される試料の重量変化、および/または化合物2の分子1個当たりの水の収着/脱着の変化により、化合物2の単結晶形態を特徴付けることもできる。
RAS標的化化合物
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、1つまたは複数の第2の薬剤の併用投与を含み、ここで第2の薬剤は、RAS標的化剤である。一実施形態では、第2の薬剤は、KRAS、NRASおよび/またはHRASを標的にする。
一態様では、第2の薬剤は、RASシグナル伝達経路の下流構成要素、例えばRaf−MEK−ERKまたはPI3K−AKT−mTOR経路を標的にする。RAS癌遺伝子を標的にする例示的な第2の薬剤は、参照によって本明細書に組み込まれるTakashimaら、Expert Opin Ther Targets. 2013年5月;17巻(5号):507〜531頁によって記載されている。
一実施形態では、第2の薬剤は、Rafキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、第2の薬剤は、MEKキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、第2の薬剤は、ERKキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、第2の薬剤は、PI3Kキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、第2の薬剤は、AKTキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、第2の薬剤は、m−TORキナーゼ阻害剤である。
一実施形態では、第2の薬剤は、MEKキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、MEKキナーゼ阻害剤は、トラメチニブ(GSK1120212)、セルメチニブ、ビニメチニブ(MEK162)、PD−325901、コビメチニブ(XL518)、CI−1040およびPD035901から選択される。
組成物および投与経路
一実施形態では、治療有効量の変異型IDH2阻害剤を含む医薬組成物が本明細書で提供される。一実施形態では、変異型IDH1阻害剤は、化合物1である。
一実施形態では、治療有効量の変異型IDH1阻害剤を含む医薬組成物が本明細書で提供される。一実施形態では、変異型IDH1阻害剤は、化合物2である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法で利用される化合物は、薬学的に許容される担体またはアジュバントと一緒に、薬学的に許容される組成物に製剤化した後、対象に投与することができる。別の実施形態では、このような薬学的に許容される組成物は、本明細書に記載されるものを含めた疾患または病状の調節を達成するのに有効な量の追加の治療剤をさらに含む。
本発明の一態様の医薬組成物において使用することができる、薬学的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化型薬物送達系(SEDDS)、例えばd−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸エステル、医薬剤形で使用される界面活性剤、例えばTween類または他の類似のポリマー送達マトリックス、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、それらに限定されない。シクロデキストリン、例えばα−、β−およびγ−シクロデキストリン、または化学的に修飾された誘導体、例えば2−および3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含めたヒドロキシアルキルシクロデキストリン、または他の可溶化誘導体も、本明細書に記載される化合物1または化合物2の送達を増強するために有利に使用することができる。
一実施形態では、医薬組成物は、化合物1および添加剤を含む。一実施形態では、化合物1および添加剤を含む医薬組成物は、経口投与のためのものである。一実施形態では、添加剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、安定剤、流動促進剤、または滑沢剤である。
一実施形態では、医薬組成物は、化合物2および添加剤を含む。一実施形態では、化合物2および添加剤を含む医薬組成物は、経口投与のためのものである。一実施形態では、添加剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤、安定剤、流動促進剤、または滑沢剤である。
一実施形態では、賦形剤は、微結晶性セルロースである。
一実施形態では、結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロースである。
一実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムである。
一実施形態では、湿潤剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。
一実施形態では、安定剤は、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルである。
一実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
一実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム(magnesiun)である。
一実施形態では、医薬組成物は、化合物1または化合物2および添加剤を含む。一実施形態では、化合物1または化合物2および添加剤を含む医薬組成物は、経口投与のためのものである。
化合物1または化合物2のための経口送達型式として、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、溶液剤、懸濁液剤、およびシロップ剤が挙げられるが、それらに限定されず、その経口送達型式は、カプセル化されていても、カプセル化されていなくてもよい複数の顆粒剤、ビーズ剤、散剤またはペレット剤を含むこともできる。このような型式は、本明細書では、化合物1または化合物2を含有する「薬物コア」と呼ぶこともできる。
本明細書の特定の実施形態は、錠剤またはカプセル剤である固体経口剤形を提供する。ある特定の実施形態では、製剤は、化合物1または化合物2を含む錠剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、化合物1または化合物2を含むカプセル剤である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される錠剤またはカプセル剤は、1種または複数種の添加剤、例えば、流動促進剤、賦形剤、滑沢剤、着色剤、崩壊剤、造粒剤、結合剤、ポリマー、およびコーティング剤などを任意選択で含む。ある特定の実施形態では、製剤は、即時放出錠剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、例えば実質的に胃内で活性医薬成分(API)を放出する、制御放出錠剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、硬質ゼラチンカプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、軟質ゼラチンカプセル剤である。ある特定の実施形態では、カプセル剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、即時放出カプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、例えば実質的に胃内でAPIを放出する、即時または制御放出カプセル剤である。ある特定の実施形態では、製剤は、投与後に実質的に口内で溶解する、急速崩壊錠剤である。ある特定の実施形態では、本明細書の実施形態は、IDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる悪性腫瘍を処置するための医薬組成物を調製するための、化合物1の使用を包含し、ここで組成物は、経口投与のために調製される。ある特定の実施形態では、本明細書の実施形態は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる悪性腫瘍を処置する医薬組成物を調製するための、化合物2の使用を包含し、その組成物は、経口投与のために調製される。
本明細書の特定の実施形態は、製剤が経口投与される対象(例えば、ヒト)において特定のAUC値(例えば、AUC(0〜t)またはAUC(0〜∞))を達成する、化合物1または化合物2を含む医薬製剤(例えば、即時放出の経口製剤および/または実質的に胃内でAPIを放出する製剤)を提供する。特定の実施形態は、少なくとも約25ng−時間/mL、少なくとも約50ng−時間/mL、少なくとも約75ng−時間/mL、少なくとも約100ng−時間/mL、少なくとも約150ng−時間/mL、少なくとも約200ng−時間/mL、少なくとも約250ng−時間/mL、少なくとも約300ng−時間/mL、少なくとも約350ng−時間/mL、少なくとも約400ng−時間/mL、少なくとも約450ng−時間/mL、少なくとも約500ng−時間/mL、少なくとも約550ng−時間/mL、少なくとも約600ng−時間/mL、少なくとも約650ng−時間/mL、少なくとも約700ng−時間/mL、少なくとも約750ng−時間/mL、少なくとも約800ng−時間/mL、少なくとも約850ng−時間/mL、少なくとも約900ng−時間/mL、少なくとも約950ng−時間/mL、少なくとも約1000ng−時間/mL、少なくとも約1100ng−時間/mL、少なくとも約1200ng−時間/mL、少なくとも約1300ng−時間/mL、少なくとも約1400ng−時間/mL、少なくとも約1500ng−時間/mL、少なくとも約1600ng−時間/mL、少なくとも約1700ng−時間/mL、少なくとも約1800ng−時間/mL、少なくとも約1900ng−時間/mL、少なくとも約2000ng−時間/mL、少なくとも約2250ng−時間/mL、または少なくとも約2500ng−時間/mLのAUC値を達成する経口製剤を提供する。特定の実施形態では、AUCの決定は、投与後の動物またはヒトボランティアの血液試料から得られた時間−濃度薬物動態プロファイルから得られる。
本明細書の特定の実施形態は、製剤が経口投与される対象において特定の最大血漿濃度(「Cmax」)を達成する、化合物1または化合物2を含む医薬製剤(例えば、即時放出の経口製剤および/または実質的に胃内でAPIを放出する製剤)を提供する。特定の実施形態は、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約50ng/mL、少なくとも約75ng/mL、少なくとも約100ng/mL、少なくとも約150ng/mL、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約250ng/mL、少なくとも約300ng/mL、少なくとも約350ng/mL、少なくとも約400ng/mL、少なくとも約450ng/mL、少なくとも約500ng/mL、少なくとも約550ng/mL、少なくとも約600ng/mL、少なくとも約650ng/mL、少なくとも約700ng/mL、少なくとも約750ng/mL、少なくとも約800ng/mL、少なくとも約850ng/mL、少なくとも約900ng/mL、少なくとも約950ng/mL、少なくとも約1000ng/mL、少なくとも約1100ng/mL、少なくとも約1200ng/mL、少なくとも約1300ng/mL、少なくとも約1400ng/mL、少なくとも約1500ng/mL、少なくとも約1600ng/mL、少なくとも約1700ng/mL、少なくとも約1800ng/mL、少なくとも約1900ng/mL、少なくとも約2000ng/mL、少なくとも約2250ng/mL、または少なくとも約2500ng/mLの化合物1または化合物2のCmaxを達成する経口製剤を提供する。
本明細書の特定の実施形態は、製剤が経口投与される対象において最大血漿濃度までの特定の時間(「Tmax」)を達成する、化合物1または化合物2を含む医薬製剤(例えば、即時放出の経口製剤および/または実質的に胃内でAPIを放出する製剤)を提供する。特定の実施形態は、約10分未満、約15分未満、約20分未満、約25分未満、約30分未満、約35分未満、約40分未満、約45分未満、約50分未満、約55分未満、約60分未満、約65分未満、約70分未満、約75分未満、約80分未満、約85分未満、約90分未満、約95分未満、約100分未満、約105分未満、約110分未満、約115分未満、約120分未満、約130分未満、約140分未満、約150分未満、約160分未満、約170分未満、約180分未満、約190分未満、約200分未満、約210分未満、約220分未満、約230分未満、または約240分未満のシチジン類似体のTmaxを達成する経口製剤を提供する。特定の実施形態では、Tmax値は、製剤が経口投与された時間から測定される。
本明細書の特定の実施形態は、化合物1または化合物2を含む、腸溶コーティングを有する経口剤形を提供する。特定の実施形態は、細孔を有する、透過性または部分的に透過性の(例えば「漏出性」)腸溶コーティングを提供する。特定の実施形態では、透過性または部分的に透過性の腸溶コーティング錠剤は、化合物1または化合物2を、実質的に胃内で即時放出方式により放出する。
本明細書では、経口投与されると、例えば実質的に胃内で放出するように、化合物1または化合物2の吸収および/または有効な送達を最大化するために設計された剤形が提供される。したがって、本明細書のある特定の実施形態は、経口投与されると、例えば実質的に胃内でAPIを即時放出するように設計された、医薬添加剤を使用する化合物1または化合物2の固体経口剤形を提供する。特定の即時放出製剤は、具体的な量の化合物1または化合物2、ならびに任意選択で1種または複数種の添加剤を含む。ある特定の実施形態では、製剤は、即時放出錠剤または即時放出カプセル剤(例えば、HPMCカプセル剤など)であり得る。
本明細書では、本明細書で提供される化合物1または化合物2を含む、本明細書で提供される製剤(例えば、即時放出の経口製剤および/または実質的に胃内でAPIを放出する製剤)を製作する方法が提供される。特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、例えば関連文献に記載されている通り、医薬製剤分野の技術者に公知の従来の方法を使用して調製することができる。例えば、REMINGTON、THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY、第20版、Lippincott Williams & Wilkins(2000年);ANSELら、PHARMACEUTICAL DOSAGE FORMS AND DRUG DELIVERY SYSTEMS、第7版、Lippincott Williams & Wilkins、(1999年);GIBSON、PHARMACEUTICAL PREFORMULATION AND FORMULATION、CRC Press(2001年)を参照されたい。
特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤(例えば、即時放出の経口製剤、実質的に胃内でAPIを放出する製剤、または実質的に口内で溶解する急速崩壊製剤)は、具体的な量の化合物1または化合物2を含む。特定の実施形態では、製剤における化合物1または化合物2の具体的な量は、例えば約10mgである。一実施形態では、具体的な量は、約20mgである。一実施形態では、具体的な量は、約40mgである。一実施形態では、具体的な量は、約60mgである。一実施形態では、具体的な量は、約80mgである。一実施形態では、具体的な量は、約100mgである。一実施形態では、具体的な量は、約120mgである。一実施形態では、具体的な量は、約140mgである。一実施形態では、具体的な量は、約160mgである。一実施形態では、具体的な量は、約180mgである。一実施形態では、具体的な量は、約200mgである。一実施形態では、具体的な量は、約220mgである。一実施形態では、具体的な量は、約240mgである。一実施形態では、具体的な量は、約260mgである。一実施形態では、具体的な量は、約280mgである。一実施形態では、具体的な量は、約300mgである。一実施形態では、具体的な量は、約320mgである。一実施形態では、具体的な量は、約340mgである。一実施形態では、具体的な量は、約360mgである。一実施形態では、具体的な量は、約380mgである。一実施形態では、具体的な量は、約400mgである。一実施形態では、具体的な量は、約420mgである。一実施形態では、具体的な量は、約440mgである。一実施形態では、具体的な量は、約460mgである。一実施形態では、具体的な量は、約480mgである。一実施形態では、具体的な量は、約500mgである。一実施形態では、具体的な量は、約600mgである。一実施形態では、具体的な量は、約700mgである。一実施形態では、具体的な量は、約800mgである。一実施形態では、具体的な量は、約900mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1000mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1100mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1200mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1300mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1400mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1500mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1600mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1700mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1800mgである。一実施形態では、具体的な量は、約1900mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2000mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2100mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2200mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2300mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2400mgである。一実施形態では、具体的な量は、約2500mgである。一実施形態では、具体的な量は、約3000mgである。一実施形態では、具体的な量は、約4000mgである。一実施形態では、具体的な量は、約5000mgである。
ある特定の実施形態では、製剤は、当技術分野において認識されている標準の錠剤処理手順および装備を使用して製造される錠剤である。ある特定の実施形態では、錠剤を形成するための方法は、化合物1または化合物2を単独で含むか、または例えば、担体、添加物質、ポリマーなどの1種もしくは複数種の添加剤と組み合わせて含む、粉末性、結晶性および/または顆粒性の組成物の直接的な圧縮である。ある特定の実施形態では、直接的な圧縮の代替として、錠剤は、湿式造粒または乾燥造粒プロセスを使用して調製することができる。ある特定の実施形態では、錠剤は、圧縮ではなく、湿潤しているか、またはそうでなければ扱いやすい材料で出発して成型される。ある特定の実施形態では、圧縮および造粒の技術が使用される。
ある特定の実施形態では、製剤は、当技術分野において認識されている標準のカプセル剤処理手順および装備を使用して製造され得るカプセル剤である。ある特定の実施形態では、化合物1または化合物2および植物油または非水性、水混和性材料、例えばポリエチレングリコールなどの混合物を含有する、軟質ゼラチンカプセル剤を調製することができる。ある特定の実施形態では、固体粉状担体、例えば、ラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、アミロペクチン、セルロース誘導体、またはゼラチンなどと組み合わされた、化合物1または化合物2の顆粒を含有する、硬質ゼラチンカプセル剤を調製することができる。ある特定の実施形態では、硬質ゼラチンカプセル剤シェルは、ゼラチンおよび少量の可塑剤、例えばグリセロールを含むカプセル剤組成物から調製することができる。ある特定の実施形態では、ゼラチンの代替として、カプセル剤シェルは、炭水化物材料から製作することができる。ある特定の実施形態では、カプセル剤組成物は、必要とされる場合にはポリマー、着色剤、香味剤および乳白剤をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、カプセル剤は、HPMCを含む。
ある特定の実施形態では、化合物1または化合物2の製剤は、化合物の著しい加水分解を引き起こさない水性溶媒を使用して調製される。特定の実施形態では、化合物1または化合物2の製剤は、製剤中の化合物の著しい加水分解を引き起こさない水性溶媒を使用して薬物コアに適用されるコーティングを含有する錠剤である。ある特定の実施形態では、薬物コアをコーティングするための溶媒として、水が用いられる。ある特定の実施形態では、化合物1または化合物2の経口剤形は、水性溶媒を使用して薬物コアに適用されたフィルムコーティングを含有する錠剤である。特定の実施形態では、フィルムコーティングのための溶媒として、水が用いられる。特定の実施形態では、化合物1または化合物2を含有する錠剤は、医薬組成物を分解しない水性溶媒を使用してフィルムコーティングされる。特定の実施形態では、医薬組成物を分解しないフィルムコーティング溶媒として、水が使用される。ある特定の実施形態では、化合物1または化合物2、ならびに水性フィルムコーティングを含む経口剤形は、経口送達されると薬物を即時放出する。ある特定の実施形態では、化合物1または化合物2、ならびに水性フィルムコーティングを含む経口剤形は、経口投与されると、上部胃腸管、例えば胃に薬物を制御放出する。特定の実施形態では、水性系のフィルムコーティングを含む錠剤は、化合物1または化合物2をAPIとして含む。
ある特定の実施形態では、a)具体的な量の化合物1または化合物2、b)実質的に上部胃腸管で、例えば胃内で化合物1または化合物2の放出を制御するための、薬物放出を制御する構成要素、ならびにc)任意選択で1種または複数種の添加剤を含む、実質的に胃内への化合物1または化合物2の経口投与のための制御放出医薬製剤が本明細書で提供される。ある特定の実施形態では、化合物1または化合物2を含む経口剤形は、医薬組成物および任意選択の添加剤を含む薬物コアを含む、制御放出錠剤またはカプセル剤として調製される。任意選択で、「シールコーティング」または「シェル」が適用される。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される化合物1または化合物2を含む、本明細書で提供される製剤は、治療有効量の化合物1または化合物2、経口投与されると実質的に胃内で化合物1または化合物2の放出を制御する、薬物放出を制御する構成要素、ならびに任意選択で1種または複数種の添加剤を含む、制御放出錠剤またはカプセル剤である。
特定の実施形態は、胃液に曝露されると膨潤して、製剤を胃に貯留させ、実質的に胃内でポリマーマトリックスから化合物1または化合物2を徐放する、ポリマーマトリックスである薬物放出を制御する構成要素を提供する。ある特定の実施形態では、このような製剤は、製剤化の最中に化合物1または化合物2を適切なポリマーマトリックスに組み込むことによって調製することができる。このような製剤の例は、当技術分野で公知である。例えば、その全体がそれぞれ参照によって本明細書に組み込まれる、Shellら、米国特許公開第2002/0051820号(出願番号第09/990,061号);Shellら、米国特許公開第2003/0039688号(出願番号第10/045,823号);Guslerら、米国特許公開第2003/0104053号(出願番号第10/029,134号)を参照されたい。
ある特定の実施形態では、薬物放出を制御する構成要素は、薬物含有コアを取り囲むシェルを構成することができ、そのシェルは、例えば、コアから化合物1または化合物2を拡散させ、胃液に曝露されると、胃に貯留するサイズまで膨潤することによって製剤の胃内貯留を促進することにより、コアから化合物1または化合物2を放出する。ある特定の実施形態では、このような製剤は、最初に、化合物1または化合物2、ならびに1種もしくは複数種の添加剤の混合物を圧縮して、薬物コアを形成し、別の粉末化混合物を薬物コア上に圧縮させてシェルを形成するか、または薬物コアを、適切な材料から製作されたカプセル剤シェルで封入することによって、調製することができる。このような製剤の例は、当技術分野で公知である。例えば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、Bernerら、米国特許公開第2003/0104062号(出願番号第10/213,823号)を参照されたい。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬製剤は、化合物1または化合物2、ならびに任意選択で「薬物コア」を形成するための1種または複数種の添加剤を含有する。任意選択の添加剤には、例えば当技術分野で公知の、例えば賦形剤(増量剤)、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、安定剤、界面活性剤、保存剤、着色剤、香味剤、結合剤、添加剤補助剤、流動促進剤、透過増強用添加剤、可塑剤等が含まれる。医薬組成物においていくつかの物質が1つより多い目的を果たすことが、当業者には理解されよう。例えば、いくつかの物質は、圧縮後に錠剤を一緒に保持する一助となる結合剤であり、一方で、錠剤が標的送達部位に到達したら、錠剤を崩壊させる一助となる崩壊剤でもある。添加剤の選択およびその使用量は、経験ならびに当技術分野で利用可能な標準手順および参考文献の考察に基づいて、調剤者によって容易に決定され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の結合剤を含む。結合剤は、例えば錠剤に粘着性質を付与し、したがって圧縮後に錠剤を無傷のままにすることを確実にするために使用することができる。適切な結合剤には、中でも、デンプン(トウモロコシデンプンおよびアルファ化デンプンを含む)、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、ブドウ糖およびラクトースを含む)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ワックス、ならびに天然および合成ガム、例えばアカシア アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロースポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を含む)、veegum、カルボマー(例えば、carbopol)、ナトリウム、デキストリン、グアーガム、水素化植物油、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、KOLLIDON、PLASDONE)、微結晶性セルロースが含まれるが、それらに限定されない。結合剤には、例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、カルボマー(cabomer)、カラゲニン、セルロースアセテートフタレート、セラトニア、キトサン、菓子用の糖、コポビドン、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、エチルセルロース、ゼラチン、ベヘン酸グリセリル、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒプロメロース、イヌリン、ラクトース、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、マルトース、メチルセルロース、ポロキサマー、ポリカルボフィル、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ポリメチルアクリレート、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、アルファ化デンプン、ステアリン酸、スクロース、およびゼインも含まれる。結合剤は、適切であると決定される場合、薬物コアに対して、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約34%w/w、薬物コアの約36%w/w、薬物コアの約38%w/w、薬物コアの約40%w/w、薬物コアの約42%w/w、薬物コアの約44%w/w、薬物コアの約46%w/w、薬物コアの約48%w/w、薬物コアの約50%w/w、薬物コアの約52%w/w、薬物コアの約54%w/w、薬物コアの約56%w/w、薬物コアの約58%w/w、薬物コアの約60%w/w、薬物コアの約62%w/w、薬物コアの約64%w/w、薬物コアの約66%w/w;薬物コアの約68%w/w、薬物コアの約70%w/w、薬物コアの約72%w/w、薬物コアの約74%w/w、薬物コアの約76%w/w、薬物コアの約78%w/w、薬物コアの約80%w/w、薬物コアの約82%w/w、薬物コアの約84%w/w、薬物コアの約86%w/w、薬物コアの約88%w/w、薬物コアの約90%w/w、薬物コアの約92%w/w、薬物コアの約94%w/w、薬物コアの約96%w/w、薬物コアの約98%w/w、またはそれよりも多い量であり得る。ある特定の実施形態では、特定の結合剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の賦形剤を含む。賦形剤は、実用的なサイズの錠剤が最終的に提供されるように、例えば嵩を増大するために使用することができる。適切な賦形剤には、中でも、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、微結晶性セルロース(例えば、AVICEL)、超微粒セルロース、アルファ化(pregelitinized)デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、リン酸水素カルシウム二水和物、第三リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、EUDRAGIT)、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ソルビトールおよびタルクが含まれる。賦形剤には、例えば、アルギン酸アンモニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸セルロース、圧縮糖、菓子用の糖、デキストレート、デキストリン、ブドウ糖、エリスリトール、エチルセルロース、フルクトース、フマル酸、パルミトステアリン酸グリセリル、イソマルト、カオリン、ラクチトール(lacitol)、ラクトース、マンニトール、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム
、マルトデキストリン、マルトース、中鎖トリグリセリド、微結晶性セルロース、微結晶性ケイ化セルロース、粉末化(powered)セルロース、ポリデキストロース、ポリメチル
アクリレート、シメチコン、アルギン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン、タルク、トラガント、トレハロース、およびキシリトールも含まれる。賦形剤は、錠剤またはカプセル剤に望ましい体積を得るために算出された量で使用することができる。ある特定の実施形態では、賦形剤は、重量/重量で、薬物コアの約5%もしくはそれよりも多い、約10%もしくはそれよりも多い、約15%もしくはそれよりも多い、約20%もしくはそれよりも多い、約22%もしくはそれよりも多い、約24%もしくはそれよりも多い、約26%もしくはそれよりも多い、約28%もしくはそれよりも多い、約30%もしくはそれよりも多い、約32%もしくはそれよりも多い、約34%もしくはそれよりも多い、約36%もしくはそれよりも多い、約38%もしくはそれよりも多い、約40%もしくはそれよりも多い、約42%もしくはそれよりも多い、約44%もしくはそれよりも多い、約46%もしくはそれよりも多い、約48%もしくはそれよりも多い、約50%もしくはそれよりも多い、約52%もしくはそれよりも多い、約54%もしくはそれよりも多い、約56%もしくはそれよりも多い、約58%もしくはそれよりも多い、約60%もしくはそれよりも多い、約62%もしくはそれよりも多い、約64%もしくはそれよりも多い、約68%もしくはそれよりも多い、約70%もしくはそれよりも多い、約72%もしくはそれよりも多い、約74%もしくはそれよりも多い、約76%もしくはそれよりも多い、約78%もしくはそれよりも多い、約80%もしくはそれよりも多い、約85%もしくはそれよりも多い、約90%もしくはそれよりも多い、または約95%もしくはそれよりも多い、薬物コアの約10%〜約90%w/wの間、薬物コアの約20%〜約80%w/wの間、薬物コアの約30%〜約70%w/wの間、薬物コアの約40%〜約60%w/wの間の量で使用される。ある特定の実施形態では、特定の賦形剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の滑沢剤を含む。滑沢剤は、例えば、錠剤の製造を容易にするために使用することができる。適切な滑沢剤の例として、例えば、植物油、例えばピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびカカオ油、グリセリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびステアリン酸が挙げられる。ある特定の実施形態では、ステアリン酸塩は、存在する場合、薬物含有コアのおよそ2重量%以下である。滑沢剤のさらなる例として、例えば、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸、パルミチン酸、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、およびステアリン酸亜鉛が挙げられる。特定の実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。ある特定の実施形態では、滑沢剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約0.2%w/w、薬物コアの約0.4%w/w、薬物コアの約0.6%w/w、薬物コアの約0.8%w/w、薬物コアの約1.0%w/w、薬物コアの約1.2%w/w、薬物コアの約1.4%w/w、薬物コアの約1.6%w/w、薬物コアの約1.8%w/w、薬物コアの約2.0%w/w、薬物コアの約2.2%w/w、薬物コアの約2.4%w/w、薬物コアの約2.6%w/w、薬物コアの約2.8%w/w、薬物コアの約3.0%w/w、薬物コアの約3.5%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約4.5%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約25%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約35%w/w、薬物コアの約40%w/w、薬物コアの約0.2%〜約10%w/wの間、薬物コアの約0.5%〜約5%w/wの間、または薬物コアの約1%〜約3%w/wの間の量で存在する。ある特定の実施形態では、特定の滑沢剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の崩壊剤を含む。崩壊剤は、例えば、錠剤の崩壊を容易にするために使用することができ、例えば、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ガムまたは架橋ポリマーであり得る。崩壊剤には、例えば、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、AC−DI−SOL、PRIMELLOSE)、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、KOLLIDON、POLYPLASDONE)、グアーガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末化セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、EXPLOTAB)およびデンプンも含まれる。追加の崩壊剤には、例えば、アルギン酸カルシウム、キトサン、ドクサートナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、およびポビドンが含まれる。ある特定の実施形態では、崩壊剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約32%w/wよりも多い、薬物コアの約1%〜約10%w/wの間、薬物コアの約2%〜約8%w/wの間、薬物コアの約3%〜約7%w/wの間、または薬物コアの約4%〜約6%w/wの間の量で存在する。ある特定の実施形態では、特定の崩壊剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の安定剤を含む。安定剤(吸収増強剤とも呼ばれる)は、例えば、例として酸化反応を含めた薬物分解反応を阻害または遅延させるために、使用することができる。安定化剤には、例えば、d−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸エステル(ビタミンE TPGS)、アカシア、アルブミン、アルギン酸、ステアリン酸アルミニウム、アルギン酸アンモニウム、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ベントナイト、ブチル化ヒドロキシトルエン、アルギン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、カルシウムカルボキシメチルセルロース、カラゲニン、セラトニア、コロイド状二酸化ケイ素、シクロデキストリン、ジエタノールアミン、エデト酸塩、エチルセルロース、エチレングリコールパルミトステアリン酸エステル、モノステアリン酸グリセリン、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、転化糖、レシチン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、モノエタノールアミン、ペクチン、ポロキサマー、ポリビニルアルコール、アルギン酸カリウム、カリウムポラクリリン、ポビドン、没食子酸プロピル、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、ラフィノース、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ソルビトール、ステアリルアルコール、スルホブチル(sufobutyl)−b−シクロデキストリン、トレハロース、白ろう、キサンタンガム、キシリトール、黄ろう、および酢酸亜鉛が含まれる。ある特定の実施形態では、安定剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約1%〜約10%w/wの間、薬物コアの約2%〜約8%w/wの間、薬物コアの約3%〜約7%w/wの間、または薬物コアの約4%〜約6%w/wの間の量で存在する。ある特定の実施形態では、特定の安定剤の適量は、当業者によって決定される。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤は、1種または複数種の流動促進剤を含む。流動促進剤は、例えば、粉末組成物もしくは粒状物の流動特性を改善するか、または投与精度を改善するために使用することができる。流動促進剤として機能し得る添加剤には、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末化セルロース、デンプン、第三リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、粉末化セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、デンプン、第三リン酸カルシウム、およびタルクが含まれる。ある特定の実施形態では、流動促進剤は、薬物コアに対して、薬物コアの約1%w/w未満、薬物コアの約1%w/w、薬物コアの約2%w/w、薬物コアの約3%w/w、薬物コアの約4%w/w、薬物コアの約5%w/w、薬物コアの約6%w/w、薬物コアの約7%w/w、薬物コアの約8%w/w、薬物コアの約9%w/w、薬物コアの約10%w/w、薬物コアの約12%w/w、薬物コアの約14%w/w、薬物コアの約16%w/w、薬物コアの約18%w/w、薬物コアの約20%w/w、薬物コアの約22%w/w、薬物コアの約24%w/w、薬物コアの約26%w/w、薬物コアの約28%w/w、薬物コアの約30%w/w、薬物コアの約32%w/w、薬物コアの約1%〜約10%w/wの間、薬物コアの約2%〜約8%w/wの間、薬物コアの約3%〜約7%w/wの間、または薬物コアの約4%〜約6%w/wの間の量で存在する。ある特定の実施形態では、特定の流動促進剤の適量は、当業者によって決定される。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、経口、非経口、吸入スプレーにより、局所、直腸内、経鼻、口腔内頬側、膣内により、または埋込式リザーバーを介して、好ましくは経口投与または注射による投与によって投与することができる。一実施形態では、医薬組成物は、任意の従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含有することができる。ある場合には、製剤化された化合物またはその送達形態の安定性を増強するために、製剤のpHを、薬学的に許容される酸、塩基または緩衝液を用いて調整することができる。本明細書で使用される非経口という用語には、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術が含まれる。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、例えば注射可能な無菌水性または油性懸濁液として、注射可能な無菌調製物の形態であり得る。この懸濁液は、当技術分野で公知の技術に従って、適切な分散化または湿潤剤(例えば、Tween 80など)および懸濁化剤を使用して製剤化することができる。注射可能な無菌調製物は、例えば1,3−ブタンジオール溶液としての、非毒性の非経口で許容される賦形剤または溶媒中の注射可能な無菌溶液または懸濁液であってもよい。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒には、マンニトール、水、リンゲル溶液および等張食塩水が含まれる。さらに、溶媒または懸濁化媒体として、従来、無菌固定油が用いられている。この目的では、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含めた、任意の無刺激性固定油を用いることができる。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、製剤上許容される天然油、例えばオリーブ油またはヒマシ油、特にそれらをポリオキシエチレン化したものと同様に、注射剤の調製において有用である。これらの油溶液または懸濁液は、長鎖アルコール賦形剤もしくは分散剤、またはカルボキシメチルセルロース、または乳濁液およびもしくは懸濁液などの薬学的に許容される剤形の製剤において一般に使用される類似の分散化剤を含有することもできる。他の一般に使用される界面活性剤、例えばTween類もしくはSpan類、および/または薬学的に許容される固形、液体、もしくは他の剤形の製造に一般に使用される他の類似の乳化剤もしくは生体利用能増強剤も、製剤化の目的で使用することができる。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、本発明の一態様の化合物を、室温では固体であるが、直腸温度で液体となり、したがって直腸内で溶融して、活性な構成要素を放出する適切な非刺激性の添加剤と混合することによって調製することができる。このような材料には、カカオバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが含まれるが、それらに限定されない。
本明細書で提供される医薬組成物の局所投与は、所望の処置が、局所適用によって容易に到達可能な領域または臓器を伴う場合に有用である。医薬組成物は、皮膚に局所適用するためには、担体に懸濁または溶解した活性な構成要素を含有する適切な軟膏を用いて製剤化されるべきである。本発明の一態様の化合物を局所投与するための担体には、鉱油、液体石油、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水が含まれるが、それらに限定されない。あるいは、医薬組成物は、適切な乳化剤と共に担体に懸濁または溶解した活性化合物を含有する適切なローションまたはクリームを用いて製剤化することができる。適切な担体には、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれるが、それらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物は、直腸坐剤製剤または適切な浣腸製剤によって、下部腸管に局所適用することもできる。局所経皮パッチも、本明細書に含まれる。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与することができる。このような組成物は、医薬製剤分野で周知の技術に従って調製され、生理食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、生体利用能を増強するための吸収促進剤、フッ化炭素、および/または当技術分野で公知の他の可溶化もしくは分散化剤を用いて調製することができる。
一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、例えば、注射、静脈内、動脈内、真皮下、腹腔内、筋肉内もしくは皮下により、または経口、口腔内頬側、経鼻、経粘膜、局所、点眼用調製物により、または吸入によって、4〜120時間ごとに体重1kg当たり約0.5〜約100mgの範囲の投与量、もしくは1mg〜1000mg/用量の間の投与量で、または特定の薬物の要件に従って投与することができる。本明細書の方法は、所望のまたは記載される効果を達成するための、有効量の化合物または化合物組成物の投与を企図する。一実施形態では、医薬組成物は、1日約1〜約6回、または持続注入として投与される。このような投与は、長期または救急治療として使用することができる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与方法に応じて変わる。典型的な調製物は、約5%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有する。あるいは、このような調製物は、約20%〜約80%の活性化合物を含有する。
前述の用量よりも少ないまたは多い用量が必要となる場合がある。任意の特定の対象のための具体的な投与量および処置レジメンは、用いられる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組合せ、疾患、状態もしくは症状の重症度および過程、疾患、状態もしくは症状に対する対象の体内動態、ならびに担当医の判断を含めた様々な因子に応じて決まる。
対象の状態を改善するには、必要に応じて、維持用量の本明細書で提供される化合物、組成物または組合せを投与することができる。その後、投与量もしくは投与頻度、またはその両方は、症状の関数として、症状が所望のレベルに軽減されたら、その改善された状態が保持されるレベルまで低減することができる。しかし、対象は、病状の任意の再発に基づいて、長期間にわたって間欠的処置が必要となる場合がある。
化合物2の固体分散体
ある特定の実施形態では、化合物2は、化合物2、および固体分散体(例えば、非晶質固体分散体)の一部としての1種または複数種のポリマーを含む組成物で投与される。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、および1種または複数種のポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、1種または複数種のポリマー、および1種または複数種の界面活性剤を含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、および1種のポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物2、1種のポリマー、および界面活性剤を含む。
ある特定の実施形態では、化合物2を含む本明細書で提供される固体分散体は、化合物2の純粋な結晶形態(例えば、形態1または形態2)と比較して、化合物2の溶解度を増強し、したがって、固体分散体を対象に経口投与する際の曝露を改善する。一実施形態では、固体分散体は、化合物2、1種または複数種のポリマー、および任意選択で1種または複数種の溶解度を増強する界面活性剤を含む。
例えば、形態1の水溶性は、約0.025mg/mL〜約0.035mg/mLであり、形態2の水溶性は、約0.008mg/mL〜約0.010mg/mLである。
形態2は、pH6.1の絶食状態を模擬した腸液(FASSIF)への4時間目における溶解度が約0.018mg/mLである。比較として、非晶質スプレー乾燥分散体は、FASSIFへの3時間目における溶解度が約0.05mg/mL〜約0.50mg/mLである。
一部の実施形態では、固体分散体は、対象に投与された場合、そのままの非晶質化合物2の投与と比較して、化合物2が少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%多く曝露される。一部の実施形態では、固体分散体は、対象に投与された場合、純粋な結晶性化合物2の投与と比較して、化合物2が少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%多く曝露される。
ラットおよびサルの薬物動態研究では、そのままの非晶質の投与が示す曝露と比較して、固体分散体の経口剤形の投与時に穏やかな曝露改善が観測される。例えば、50%w/wの化合物2および50%w/wのポリビニルアセテートフタレート(PVAP)を含有する固体分散体は、雄性Sprague Dawleyラットにおいて、そのままの非晶質化合物2と比較して曝露度がおよそ2倍高い。70%w/wの化合物2および30%w/wの経口剤形を含有する固体分散体の曝露には、そのままの非晶質化合物2と比較して有意な差異はない。雄性カニクイザルでは、50%w/wの化合物2および50%w/wのヒプロメロース(hpromellose)アセテートスクシネート(HPMCAS)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートを含有する固体分散体の曝露は、そのままの非晶質化合物2と比較して有意な差異を示さない。同様に、50%w/wの化合物2および50%w/wのヒプロメロースフタレート(HPMC−フタレート)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する固体分散体は、そのままの非晶質化合物2と比較して有意な差異を示さない。そのままの非晶質治療化合物は、一般に、動物研究における投与のために使用されるが、ヒトへの投与に適した剤形ではない。
実施例4のラット薬物動態研究で説明される通り、化合物2の曝露は、純粋な結晶性化合物2の形態2と比較して、固体分散体の剤形が投与される場合に改善される。
一部の実施形態では、固体分散体中の化合物2の少なくとも一部は、非晶質状態である(例えば、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%)。他の実施形態では、固体分散体は、結晶性化合物2を実質的に含まない。
一部の実施形態では、この組成物は、化合物2およびポリマーを含む非晶質固体(例えばスプレー乾燥させた)分散体である。非晶質固体分散体は、例えば約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満の結晶性化合物2を含むことができ、例えば結晶性化合物2を実質的に含まない。
一実施形態では、固体分散体は、所定のレベルの物理的および/または化学的安定性を示す。例えば、固体分散体は、密閉防水容器、例えば、琥珀色ガラスバイアル、高密度ポリエチレン(HDPE)容器または乾燥剤を含むHDPE容器に入れたねじれナイロン紐を有する二重ポリエチレンバッグ中25℃で保存すると、非晶質化合物2を約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、または約99%保持する。
一部の実施形態では、ポリマーは、保存されると(例えば2〜8℃、例えば4℃または室温で)、ポリマーを伴わない非晶質化合物2と比較して、化合物2の化学的または物理的安定性(例えば、調節した示差走査熱量計によって測定される)を、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%)増大する。
固体分散体は、一般に、ガラス転移温度を示し、分散体は、ガラス状固形からゴム状組成物に転移する。一般に、ガラス転移温度が高いほど、分散体の物理的安定性が高い。ガラス転移温度の存在は、一般に、組成物(例えば分散体)の少なくとも大部分が、非晶質状態であることを示す。医薬品としての適用に適した固体分散体のガラス転移温度(Tg)は、一般に、少なくとも約50℃である。一部の実施形態では、より高い温度が好ましい。したがって、一部の実施形態では、本明細書に開示される固体分散体は、Tgが少なくとも約100℃である(例えば、少なくとも約100℃、少なくとも約105℃、少なくとも約110℃、少なくとも約115℃、少なくとも約120℃、少なくとも約125℃、少なくとも約130℃、少なくとも約135℃、少なくとも約140℃、少なくとも約150℃、少なくとも約160℃、少なくとも約170℃、少なくとも約175℃、少なくとも約180℃、または少なくとも約190℃)。一部の実施形態では、Tgは、約200℃までである。一部の実施形態では、Tgは、約130℃までである(例えば、少なくとも約110℃、少なくとも約111℃、少なくとも約112℃、少なくとも約113℃、少なくとも約114℃、少なくとも約115℃、少なくとも約116℃、少なくとも約117℃、少なくとも約118℃、少なくとも約119℃、少なくとも約120℃、少なくとも約121℃、少なくとも約122℃、少なくとも約123℃、少なくとも約124℃、少なくとも約125℃、少なくとも約1216℃、少なくとも約127℃、少なくとも約128℃、少なくとも約129℃、または少なくとも約130℃)。別段の注記がない限り、本明細書に開示されるガラス転移温度は、乾燥条件下で測定される。
一部の実施形態では、固体分散体は、ポリマー(単数または複数)を伴わない非晶質化合物2のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する。一部の実施形態では、固体分散体は、ポリマー(単数または複数)を伴わない非晶質化合物2の緩和率よりも低い緩和率を有する。
固体分散体中のポリマーの例として、セルロース誘導体(例えば、ヒプロメロース(HPMC)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロースフタレート(HPMCP)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)としても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC))、エチルセルロース、またはセルロースアセテートフタレート;ポリビニルピロリドン(PVP);ポリエチレングリコール(PEG);ポリビニルアルコール(PVA);ポリビニルエステル、例えばポリビニルアセテートフタレート(PVAP);アクリレート、例えばポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)E);シクロデキストリン(例えば、ベータ−シクロデキストリン);ポリ(D,L−ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L−ラクチド、co−グリコリド酸(PLGA);ならびに例えばポリビニルピロリドン(polyvinylpyrollidone)−ビニルアセテート(PVP−VA)、ポリビニルカプロラクタム−ポリビニル、およびアセテート−ポリエチレングリコールコポリマー、メチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーを含むコポリマーおよびその誘導体;Soluplus;Copovidone;ならびにそれらの混合物が挙げられる。
一部の実施形態では、固体分散体は、1種の水溶性ポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、1種の部分的に水溶性のポリマーを含む。一部の実施形態では、ポリマーは、セルロースポリマーである。
一部の実施形態では、ポリマーは、HPMCAS(例えば、異なるグレードのHPMCAS:HPMCAS−M、HPMCAS−MGまたはHPMCAS−HG)である。一部の実施形態では、ポリマーは、PVAPである。一部の実施形態では、ポリマーは、HPMC(例えば、異なるグレードのHPMC:HMPC60SH50、HPMCE50またはHPMCE15)である。一部の実施形態では、ポリマーは、HPMCP(例えば、異なるグレードのHPMCP:例えば、HMPCP−HP55)である。
一部の実施形態では、ポリマーは、pH依存性の腸溶ポリマーである。このようなpH依存性の腸溶ポリマーには、セルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートフタレート(CAP))、HPMCP、HPMCAS、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはその塩(例えば、(CMC−Na)などのナトリウム塩);セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートフタレート(HPCAP)、ヒドロキシプロピルメチル−セルロースアセテートフタレート(HPMCAP)、およびメチルセルロースアセテートフタレート(MCAP)、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit S)、またはそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、ポリマーは、ヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、例えばHMPCAS−HGとしても公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートである。
別の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、不溶性架橋ポリマー、例えばポリビニルピロリドン(例えば、Crospovidone)である。別の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、ポリビニルピロリドン(PVP)である。
一部の実施形態では、1種または複数種のポリマーは、固体分散体中に、約10%w/w〜90%w/wの間(例えば、約20%w/w〜約80%w/wの間、約30%w/w〜約70%w/wの間、約40%w/w〜約60%w/wの間、または約15%w/w〜約35%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約10%w/w〜約80%w/w、例えば約30%w/w〜約75%w/w、または約40%w/w〜約65%w/w、または約45%w/w〜約55%w/w、例えば約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、または約54%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約48%w/w、約48.5%w/w、約49%w/w、約49.5%w/w、約50%w/w、約50.5%w/w、約51%w/w、約51.5%w/w、約52%w/w、または約52.5%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約30%w/w〜約70%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約35%w/w〜約65%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約40%w/w〜約60%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約45%w/w〜約55%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、ポリマー(単数または複数)は、固体分散体中に、約50%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約10%w/w〜90%w/w(例えば、約20%w/w〜約80%w/wの間、約30%w/w〜約70%w/wの間、約40%w/w〜約60%w/wの間、または約15%w/w〜約35%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約10%w/w〜約80%w/w、例えば約30%w/w〜約75%w/w、または約40%w/w〜約65%w/w、または約45%w/w〜約55%w/w、例えば約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、または約54%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約48%w/w、約48.5%w/w、約49%w/w、約49.5%w/w、約50%w/w、約50.5%w/w、約51%w/w、約51.5%w/w、約52%w/w、または約52.5%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約30%w/w〜約70%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約35%w/w〜約65%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約40%w/w〜約60%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約45%w/w〜約55%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、化合物2は、固体分散体中に、約50%w/wの量で存在する。
別の実施形態では、固体分散体は、約20%w/w〜約80%w/wの化合物2、および約20%w/w〜約80%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約25%w/w〜約75%w/wの化合物2、および約25%w/w〜約75%w/wのポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約30%w/w〜約70%w/wの化合物2、および約30%w/w〜約70%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約35%w/w〜約65%w/wの化合物2、および約35%w/w〜約65%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約40%w/w〜約60%w/wの化合物2、および約40%w/w〜約60%w/wのポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約45%w/w〜約55%w/wの化合物2、および約45%w/w〜約55%のポリマー(単数または複数)を含む。別の実施形態では、固体分散体は、約50%w/wの化合物2、および約50%w/wのポリマー(単数または複数)を含む。
別の実施形態では、固体分散体は、約45%w/w〜約55%w/wの化合物2、および約45%w/w〜約55%w/wのHPMCAS(例えば、HPMCAS−MGもしくはHPMCAS−HG、または他のグレード、例えばLF、MF、HFもしくはLG)またはPVAPを含む。別の実施形態では、固体分散体は、約50%w/wの化合物2、および約50%w/wのHPMCASを含む。
一部の実施形態では、固体分散体はまた、界面活性剤または不活性な薬学的に許容される物質を含む。固体分散体中の界面活性剤の例として、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ビタミンEまたはその誘導体(例えば、ビタミンE TPGS)、ドクセートナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(例えばTween 20およびTween 80)、ポロキサマー類(例えばPoloxamer 335およびPoloxamer 407)、モノオレイン酸グリセリル、Span 65、Span 25、Capryol 90、プルロニックコポリマー(例えば、Pluronic F108、Pluronic P−123)、およびそれらの混合物が挙げられる。一部の実施形態では、界面活性剤は、SLSである。一部の実施形態では、界面活性剤は、ビタミンEまたはその誘導体(例えば、ビタミンE TPGS)である。
一部の実施形態では、界面活性剤は、固体分散体中に、約0.1%w/w〜約10%w/w、例えば約0.5%w/w〜約2%w/w、または約1%w/w〜約3%w/w、約1%w/w〜約4%w/w、または約1%w/w〜約5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、界面活性剤は、固体分散体中に、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、約0.9%w/w、または約1%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、界面活性剤は、固体分散体中に、約0.5%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w、約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、約4%w/w、約4.5%w/w、または約5%w/wの量で存在する。
固体分散体を調製するためのプロセス
一部の実施形態では、固体分散体は、本明細書に記載されるプロセスに従って調製することができる。一般に、使用できる方法には、混合物から溶媒もしくは溶媒混合物を速やかに除去すること、または溶融試料を冷却することを含む方法が含まれる。このような方法には、回転蒸発、フリーズドライ(すなわち、凍結乾燥)、真空乾燥、溶融凝固、および溶融押出が含まれるが、それらに限定されない。本開示の一実施形態は、スプレー乾燥によって得られた固体分散体を含む。一実施形態では、スプレー乾燥によって得られた生成物は、溶媒または溶媒混合物を除去するために乾燥される。
本明細書に開示される調製物、例えば医薬組成物は、化合物2、1種または複数種のポリマー、および適切な溶媒または溶媒混合物を含む混合物をスプレー乾燥することによって得ることができる。スプレー乾燥は、例えば、固体および溶媒または溶媒混合物を含有する液体混合物を噴霧し、溶媒または溶媒混合物を除去することを含む。溶媒または溶媒混合物は、不揮発性溶媒、例えば氷酢酸を含有することもできる。噴霧は、例えば、二流体ノズルもしくは圧力ノズルもしくは電気的音波(electrosonic)ノズルを介して、または回転ディスクによって行うことができる。
スプレー乾燥は、液体供給物を、乾燥微粒子形態に変換する。スプレー乾燥は、一般に、液体供給溶液を噴霧して液滴スプレーにし、その液滴を、乾燥チャンバ内で高温の空気またはガスと接触させることを含む。スプレーは、一般に、回転(輪)またはノズル噴霧器のいずれかによって生成される。液滴からの水分蒸発および乾燥粒子の形成は、制御された温度および気流条件の下で進行する。
任意選択で、二次乾燥プロセス、例えば流動床乾燥または真空乾燥を使用して、残留溶媒(および他の添加物質、例えば氷酢酸)を、薬学的に許容されるレベルに低減することができる。典型的に、スプレー乾燥は、高度に分散した液体懸濁液または溶液(例えば、噴霧された溶液)および十分な体積の高温の空気またはガス(例えば、窒素、例えば、純粋な窒素)を接触させて、液滴を蒸発させ、乾燥させることを含む。スプレー乾燥される調製物は、選択されたスプレー乾燥装置を使用して噴霧することができる任意の溶液、粗懸濁液、スラリー、コロイド分散液、またはペーストであり得る。標準手順では、調製物は、フィルターを通した温風流(またはガス、例えば窒素)にスプレーされ、この温風流またはガスが、溶媒を蒸発させ、乾燥生成物を収集器(例えば、サイクロン)に移す。次に、使用済みの温風またはガスからは、溶媒(または任意の添加物質、例えば氷酢酸を含む溶媒混合物)が排出され(例えば、次にフィルターに通される)、あるいは使用済みの温風またはガスは、溶媒または溶媒混合物を捕捉し潜在的に再利用するための凝縮器に送られる。例えば、ガス(例えば、窒素)が使用される場合、次にそのガスは、任意選択で再利用され、再び加熱され、密閉ループ系のユニットに戻される。スプレー乾燥を実施するために、商業的に利用可能なタイプの装置を使用することができる。例えば、市販のスプレー乾燥機は、Buchi Ltd.およびNiroによって製造されている(例えば、Niroによって製造されたスプレー乾燥機のPSDライン)。
スプレー乾燥は、典型的に、約1%〜約30%または約50%まで、好ましくは少なくとも約10%の材料の固体負荷(すなわち、治療活性のある化合物と添加剤)を用いる。一部の実施形態では、10%未満の固体負荷では、収量が低く、容認しがたく長い実行時間がかかる場合がある。一般に、固体負荷の上限は、得られる溶液の粘度(例えばポンプ注入能)、および溶液への構成要素の溶解度によって影響を受ける。一般に、溶液の粘度によって、得られる粉末生成物中の粒子のサイズを決定することができる。
スプレー乾燥のための技術および方法は、Perry's Chemical Engineering Handbook、第6版、R. H. Perry、D. W. GreenおよびJ. O. Maloney編、McGraw-Hill Book Co.(1984年);およびMarshall「Atomization and Spray-Drying」50巻、Chem. Eng. Prog. Monogr. 第2号(1954年)に見出すことができる。一般に、スプレー乾燥は、約40℃〜約200℃、例えば約70℃〜約150℃、好ましくは約40℃〜約60℃、約50℃〜約55℃、または約80℃〜約110℃、例えば約90℃の入口温度で実施される。スプレー乾燥は、一般に、約20℃〜約100℃、例えば約25℃〜約30℃(例えば、約26℃)、約40℃〜約50℃、約50℃〜約65℃、例えば約56℃〜約58℃の出口温度で実施される。
溶媒または溶媒混合物の除去には、その後の乾燥ステップ、例えばトレイ乾燥、流動床乾燥(例えば、およそ室温〜約100℃)、真空乾燥、マイクロ波乾燥、回転ドラム乾燥または二円錐真空乾燥(例えば、およそ室温〜約200℃)が必要とされる場合がある。
一実施形態では、スプレー乾燥は、流動化スプレー乾燥(FSD)である。FSDのステップには、例えば、液体供給溶液(例えば、溶媒(単数または複数)に溶解または懸濁した化合物2ならびに任意選択でポリマー(単数または複数)および/または界面活性剤(単数または複数)を含有する)を調製すること、スプレー乾燥機の乾燥チャンバに送達する際に、例えばFSDモードで操作して、供給溶液を噴霧すること(例えば、圧力ノズル、回転噴霧器もしくはディスク、二流体ノズル、または他の噴霧方法を用いる)、乾燥チャンバ内で加熱空気または加熱ガス(例えば、窒素)を用いて供給溶液を乾燥させて、生成物を得ること(ここで、より大きい生成物粒子は、分離し、例えば離脱し、一方で微細物は、空気またはガスのストリームによって乾燥チャンバの最上部まで(例えば、自然対流によって)およびサイクロンまで運ばれる)、ならびに微細物を、乾燥チャンバに再導入すること(例えば、乾燥チャンバの最上部に、またはチャンバの中心に対して軸方向に)(ここで、再導入された微細物は、新しく形成された生成物と凝集して、凝集生成物を産生することができ、凝集生成物が十分に大きい場合には、その生成物は分離し、分離するのに十分大きくない場合には、凝集生成物は、対流によってチャンバの最上部およびサイクロンに運ばれ、チャンバに再導入される)を含むことができる。このプロセスは、離脱するのに十分に大きい凝集生成物が形成されるまで、反復される。微細物は、供給パイプを介して、サイクロンから乾燥チャンバに再導入され得る。
一部の実施形態では、供給溶液は、加熱空気または加熱ガスによって乾燥されるのではなく、その代わりにスプレー凝固されてもよく、例えばこのプロセスのために、チャンバは、室温(例えば、21±4℃)にされるか、または冷却され、例えば冷却ガス(例えば、窒素)が使用される。
FSDは、第1の流動化チャンバ内に凝集化生成物を収集することをさらに含むことができ、その後、凝集化生成物を、第1の流動化チャンバから第2の流動化チャンバに放出させることができ、そこで乾燥後プロセスを行うことができる。
次に、凝集化生成物(例えば、分離して乾燥チャンバに入れられる)は、第2の流動化チャンバから第3の流動化チャンバに移すことができ、そこで凝集化生成物は冷却される。次に、凝集化生成物(例えば、非晶質化合物の固体分散体)は、さらに処理され得る。例えば、生成物は、直接的に圧縮され得る。生成物は、任意選択で、例えば直接的な圧縮の前に、界面活性剤、添加剤、または薬学的に許容される担体とブレンドされ得る。生成物は、任意選択で、さらに処理され、例えば、溶融顆粒物(granulate)、界面活性剤、
添加剤、および/または薬学的に許容される担体と共に製粉し、造粒し、ブレンドし、かつ/または混合され得る。
FSDは、市販のスプレー乾燥機により、流動化スプレー乾燥機モード(FSDモード)で操作して実施され得る。FSDは、開放サイクルモードまたは密閉サイクルモード(例えば、乾燥ガス、例えば、窒素が再利用される)のいずれかで達成され得る。FSDで使用するのに適したスプレー乾燥機の例として、Niro製の乾燥機(例えば、Niroによって製造されたスプレー乾燥機のPSDライン:PHARMASD(商標);ChemicalまたはSDライン乾燥機)が挙げられる。FSDは、本質的に、微細物を乾燥チャンバに再導入可能にするように構成されている任意のスプレー乾燥機で実施され得る。
さらなる溶媒を除去するために、例えば、真空もしくは流動床乾燥機、または二重円錐もしくは二円錐事後乾燥機、またはタンブル乾燥機における追加の事後乾燥を、必要に応じて行うことができ/適用することができる。一部の実施形態では、事後乾燥ステップが実施される。
溶媒または溶媒混合物を除去するために、真空乾燥、スプレー乾燥、流動化スプレー乾燥、トレイ乾燥、凍結乾燥、ロータリーエバポレーター処理(rotovapping)、および他の乾燥手順を適用することができる。適切な処理パラメータを使用してこれらの方法のいずれかを本開示に従って適用することによって、非晶質状態の化合物2を、最終的な固体分散体生成物で提供する。望ましい特性(例えば、40〜200ミクロン、例えば40〜150ミクロンの中央粒径(d50))、粉末バルク密度>0.2g/ml(例えば、0.2〜0.5g/ml)、または>0.25g/ml、改善された粉末流動性(例えば、低粘着力、粒子間の低内部摩擦)、および/または低OVI(有機揮発性不純物)を有する乾燥粉末、例えば、ICH限界値未満および/または使用者用の仕様書)を有する分散体、例えば粉末をもたらす、適切な条件(例えば、スプレー乾燥機の低出口温度、低沸点溶媒の使用、加熱ガスの使用)を使用すると、分散体は、剤形に直接的に圧縮され得る。
一部の実施形態では、入口温度は、約50℃〜約200℃の間、例えば約60℃〜約150℃の間、約70℃〜約100℃の間、約60℃〜約95℃の間、約65℃〜約85℃の間、約70℃〜約90℃の間、約85℃〜約95℃の間、または約70℃〜約85℃の間である。
一部の実施形態では、出口温度は、およそ室温(例えば、USPによる室温(例えば、21±4℃))〜約80℃の間、例えば約25℃〜約75℃の間、約30℃〜約65℃の間、約35℃〜約70℃の間、約40℃〜約65℃の間、約45℃〜約60℃の間、約35℃〜約45℃の間、約35℃〜約40℃の間、または約37℃〜約40℃の間である。
一部の実施形態では、流動床の温度設定点(床ごとの温度は、別の床に選択された温度とは独立に選択される)は、およそ室温(例えば、USPによる室温(例えば、21±4℃))〜約100℃の間、例えば約30℃〜約95℃の間、約40℃〜約90℃の間、約50℃〜約80℃の間、約60℃〜約85℃の間、約65℃〜約95℃の間、または約80℃〜約95℃の間である。
FSDは、化合物2を含有する混合物に対して実施することができる。例えば、FSDを、化合物2、および1種または複数種のポリマー、および任意選択で1種または複数種の界面活性剤、および任意選択で1種または複数種の追加の添加剤(単数または複数)を含有する混合物に対して実施して、例えば経口剤形(例えば、錠剤)に直接的に圧縮することができる、その非晶質化合物2の固体分散体を得ることができる。あるいは、分散体は、圧縮の前に、1種または複数種の添加剤とブレンドすることができる。
一実施形態では、化合物2の固体分散体を調製するためのプロセスは、
a)化合物2、1種または複数種のポリマー、および1種または複数種の溶媒の混合物を形成するステップと、
b)溶液から溶媒(単数または複数)を急速に除去して、化合物2および1種または複数種のポリマーを含む固体非晶質分散体を形成するステップと
を含む。1種または複数種のポリマーおよび1種または複数種の溶媒は、本明細書に開示されるもののいずれかであり得る。
一部の実施形態では、溶媒は、スプレー乾燥によって除去される。一部の実施形態では、固体分散体は、対流型トレイ乾燥機を使用してトレイ乾燥させられる。一部の実施形態では、固体分散体は、ふるいにかけられる。
一実施形態では、化合物2は、結晶性である。別の実施形態では、化合物2は、非晶質である。
当業者によって理解される通り、スプレー乾燥を行うことができ、スプレー乾燥は、しばしば不活性ガス、例えば窒素の存在下で行われる。ある特定の実施形態では、スプレー乾燥を伴うプロセスは、二酸化炭素または二酸化炭素を含む混合物を含む超臨界流体の存在下で行うことができる。
別の実施形態では、化合物2の固体分散体を調製するためのプロセスは、
a)化合物2、ポリマー、および溶媒の混合物を形成するステップと、
b)混合物をスプレー乾燥させて、化合物2およびポリマーを含む固体分散体を形成するステップと
を含む。
残留溶媒に関するICHまたは所与の仕様書未満まで、湿式スプレー乾燥させた分散体の事後乾燥および/または研磨を任意選択で実施することができる。
これらのプロセスを使用して、本明細書に開示される医薬組成物を調製することができる。これらのプロセスで使用される構成要素の量および特徴は、本明細書に開示される通りであり得る。
一部の実施形態では、溶媒は、化合物2およびポリマー(単数または複数)を溶解または懸濁させるための1種または複数種の揮発性溶媒を含む。一部の実施形態では、1種または複数種の溶媒は、化合物2およびポリマー(単数または複数)を完全に溶解させる。
一部の実施形態では、1種または複数種の溶媒は、揮発性溶媒(例えば、塩化メチレン、アセトン、メタノール、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、またはそれらの混合物)である。適切な揮発性溶媒の例として、治療活性のある化合物を、単独でまたは別の共溶媒と組み合わせて溶解または懸濁させる溶媒が挙げられる。一部の実施形態では、溶媒(単数または複数)は、治療活性のある化合物を完全に溶解させる。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。一部の実施形態では、溶媒は、メタノールである。
一部の実施形態では、溶媒は、不揮発性溶媒(例えば、有機酸、例えば氷酢酸、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、または水)である。一部の実施形態では、不揮発性溶媒は、溶媒系の構成要素である。例えば、不揮発性溶媒は、溶媒中の構成要素として、約1%〜約20%w/w(例えば、約3%w/w〜約15%w/w、約4%w/w〜約12%w/w、または約5%w/w〜約10%w/w)で存在する。
一部の実施形態では、溶媒は、溶媒混合物である。例えば、溶媒は、約0%〜約30%のアセトンおよび約70%〜約100%のメタノールを含むことができ、または溶媒は、約0%〜約40%のアセトンおよび約60%〜約100%のメタノールを含むことができる。メタノールとアセトンの他の例示的な比には、80:20、75:25、70:30、60:40、55:45、および50:50が含まれる。
一部の実施形態では、溶媒は、少なくとも1種の不揮発性溶媒を含む溶媒の組合せである。例えば、溶媒は、揮発性溶媒および不揮発性溶媒の両方を含む構成要素の組合せである。一部の実施形態では、溶媒系は、揮発性溶媒の組合せ、または溶媒、例えばメタノールおよびアセトンと不揮発性溶媒、例えば氷酢酸との組合せである。例えば、溶媒系は、約40%〜約80%のメタノール、約20%〜約35%のアセトン、および約1%〜約15%の氷酢酸(例えば、約50%〜約70%のメタノール、約25%〜約30%のアセトン、および約3%〜約12%の氷酢酸)を含む。
一部の実施形態では、溶媒系は、揮発性溶媒の組合せ、または溶媒、例えばメタノールおよびアセトンと不揮発性溶媒、例えば水との組合せである。例えば、溶媒系は、約40%〜約80%のメタノール、約20%〜約35%のアセトン、および約0.1%〜約15%の水(例えば、約50%〜約70%のメタノール、約25%〜約30%のアセトン、および約1%〜約5%の水)を含む。
ある特定の実施形態では、固体分散体の医薬組成物は、本明細書に記載されるプロセスによって製作することができる。例えば、(a)化合物2、および(b)1種または複数種のポリマー、ならびに任意選択で1種または複数種の界面活性剤および任意選択で1種または複数種の追加の添加剤の、固体分散体。
化合物2の固体分散体を含有する医薬組成物
ある特定の実施形態では、(a)化合物2およびポリマーを含む固体分散体、ならびに(b)1種または複数種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が本明細書で提供される。薬学的に許容される担体の例は、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、流動促進剤、および滑沢剤である。
一部の実施形態では、医薬組成物は、それらに限定されるものではないが、カプセル剤、錠剤、乳濁液剤および水性懸濁液剤、分散液剤、ならびに溶液剤を含めた任意の経口的に許容される剤形で経口投与することができる。
一部の実施形態では、医薬組成物は、錠剤である。
一部の実施形態では、医薬組成物は、化合物2の直接的に圧縮された剤形を含む。
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、充填剤を含む。充填剤は、例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、マンニトール、エチルセルロース、ソルビトール、デンプン、スクロース、リン酸カルシウム、粉末化セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、イソマルト、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、充填剤は、微結晶性セルロースである。
一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約10%w/w〜50%w/wの間(例えば、約15%w/w〜約45%w/wの間、約20%w/w〜約40%w/wの間、約25%w/w〜約35%w/wの間、または約28%w/w〜約32%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約20%w/w〜約35%w/w、例えば約25%w/w〜約34%w/w、または約26%w/w〜約33%w/w、または約27%w/w〜約32%w/w、例えば約28%w/w、約28.5%w/w、約29%w/w、約29.5%w/w 約30%w/w、約30.5%w/w、約31%w/w、または約31.5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約29%w/w、約29.1%w/w、約29.2%w/w、約29.3%w/w、約29.4%w/w、約29.5%w/w、約29.6%w/w、約29.7%w/w、約29.8%w/w、約29.9%w/w、または約30%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約25%w/w〜約35%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、充填剤は、医薬組成物中に、約29.5%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、崩壊剤を含む。崩壊剤は、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、粉末化セルロース、ケイ酸カルシウム、クロスポビドン、アルギン酸カルシウム、メチルセルロース、キトサン、カルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルファ化デンプン、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。
一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約1%w/w〜15%w/wの間(例えば、約3%w/w〜約12%w/wの間、約4%w/w〜約10%w/wの間、約5%w/w〜約7%w/wの間、または約6%w/w〜約7%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約3%w/w、約3.5%w/w、約4%w/w、約49.5%w/w 約5%w/w、約5.5%w/w、約6%w/w、または約6.5%w/w、約7%w/w、約7.5%w/w、約8%w/w、約8.5%w/w、約9%w/w、約9.5%w/w、または約10%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約5%w/w〜約7%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物中に、約6%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、湿潤剤を含む。湿潤剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(例えばTween 20およびTween 80)、ポロキサマー類(例えばPoloxamer 335およびPoloxamer 407)、モノオレイン酸グリセリル、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、湿潤剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。
一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w〜2%w/wの間(例えば、約0.5%w/w〜約2%w/wの間、約0.5%w/w〜約1.5%w/wの間、または約1%w/w〜約1.5%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w 約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、または約0.8%w/w、約0.9%w/w、約1%w/w、約1.1%w/w、約1.2%w/w、約1.3%w/w、約1.4%w/w、約1.5%w/w、約1.6%w/w、約1.7%w/w、約1.8%w/w、約1.9%w/w、または約2%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w〜約1.5%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、湿潤剤は、医薬組成物中に、約1%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、流動促進剤を含む。流動促進剤は、例えば、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、第三リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末化セルロース、タルク、デンプン、およびそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w〜5%w/wの間(例えば、約1%w/w〜約4%w/wの間、約1%w/w〜約3%w/wの間、または約1.5%w/w〜約2.5%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w 約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、または約4%w/w、約4.5%w/w、または約5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約1.1%w/w、約1.2%w/w、約1.3%w/w、約1.4%w/w、約1.5%w/w、約1.6%w/w、約1.7%w/w、約1.8%w/w、約1.9%w/w、約2%w/w、2.1%w/w、約2.2%w/w、約2.3%w/w、約2.4%w/w、約2.5%w/w、約2.6%w/w、約2.7%w/w、約2.8%w/w、約2.9%w/w、または約3%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約1%w/w〜約3%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物中に、約2%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、医薬組成物はまた、滑沢剤を含む。滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸スクロース、ポリビニルアルコール、ラウリル硫酸マグネシウム、またはそれらの混合物であり得る。一部の実施形態では、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w〜5%w/wの間(例えば、約1%w/w〜約4%w/wの間、約1%w/w〜約3%w/wの間、または約1%w/w〜約2%w/wの間)の量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w 約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、または約4%w/w、約4.5%w/w、または約5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、約0.9%w/w、約1%w/w、約1.1%w/w、約1.2%w/w、約1.3%w/w、約1.4%w/w、約1.5%w/w、約1.6%w/w、約1.7%w/w、約1.8%w/w、約1.9%w/w、約2%w/w、2.1%w/w、約2.2%w/w、約2.3%w/w、約2.4%w/w、または約2.5%w/wの量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約0.5%w/w〜約2.5%w/wの間の量で存在する。一部の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物中に、約1.5%w/wの量で存在する。
一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の総重量の約25重量%〜85重量%を構成する。一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の総重量の約50重量%〜約70重量%を構成する。
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の総重量の約15%〜45%を構成し、および1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の総重量の約15%〜45%を構成する。
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約20%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約40%w/wを構成する。
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約25%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約35%w/wを構成する。
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約30%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約30%w/wを構成する。
一部の実施形態では、化合物2は、医薬組成物の約35%w/wを構成し、1種または複数種のポリマーは、医薬組成物の約25%w/wを構成する。
一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の約50%w/w〜約70%w/wの間を構成し、充填剤は、医薬組成物の約25%w/w〜約35%w/wの間を構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約5%w/w〜約7%w/wの間を構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wの間を構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約1%w/w〜約3%w/wの間を構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約2.5%w/wの間を構成し、それによって合計100重量%の組成物となる。
一部の実施形態では、固体分散体は、医薬組成物の約60%w/wを構成し、充填剤は、医薬組成物の約29.5%w/wを構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約6%w/wを構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約2%w/wを構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約1.5%w/wを構成する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、約25%w/w〜約35%w/wの間の化合物2 約25%w/w〜約35%w/wの間のヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、約25%w/w〜約35%w/wの間の微結晶性セルロース、約5%w/w〜約7%w/wの間のクロスカルメロースナトリウム、約0.5%w/w〜約1.5%w/wの間のラウリル硫酸ナトリウム、約1%w/w〜約3%w/wの間のコロイド状二酸化ケイ素、および約0.5%w/w〜約2.5%w/wの間のステアリン酸マグネシウムを含み、それによって合計100重量%の組成物となる。
一部の実施形態では、医薬組成物は、約30%w/wの化合物2 約30%w/wのヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、約29.5%w/wの微結晶性セルロース、約6%w/wのクロスカルメロースナトリウム、約1%w/wのラウリル硫酸ナトリウム、約2%w/wのコロイド状二酸化ケイ素、および約1.5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む。
一部の実施形態では、固体分散体、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、流動促進剤、および滑沢剤は、粒内に添加される。一部の実施形態では、追加量の充填剤、崩壊剤、流動促進剤、および滑沢剤は、粒外に添加される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、固体分散体は、医薬組成物の約50%w/w〜約70%w/wを構成し、充填剤は、医薬組成物の約18%w/w〜約26%w/wを構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約2%w/w〜約6%w/wを構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.25%w/w〜約1%w/wを構成する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の充填剤は、医薬組成物の約4%w/w〜約12%w/wを構成し、追加量の崩壊剤は、医薬組成物の約1%w/w〜約3%w/wを構成し、追加量の流動促進剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、追加量の滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、固体分散体は、医薬組成物の約60%w/wを構成し、充填剤は、医薬組成物の約21.5%w/wを構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約4%w/wを構成し、湿潤剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/wを構成する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の充填剤は、医薬組成物の約8%w/wを構成し、追加量の崩壊剤は、医薬組成物の約2%w/wを構成し、追加量の流動促進剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、追加量の滑沢剤は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、化合物2およびヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)を含む固体分散体は、医薬組成物の約50%w/w〜約70%w/wを構成し、微結晶性セルロースは、医薬組成物の約18%w/w〜約26%w/wを構成し、クロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約2%w/w〜約6%w/wを構成し、ラウリル硫酸ナトリウムは、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、コロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、ステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約0.25%w/w〜約1%w/wを構成する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の微結晶性セルロースは、医薬組成物の約4%w/w〜約12%w/wを構成し、追加量のクロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約1%w/w〜約3%w/wを構成し、追加量のコロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、追加量のステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約0.5%w/w〜約1.5%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒内に添加される以下の構成要素を含み、化合物2およびヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)を含む固体分散体は、医薬組成物の約60%w/wを構成し、微結晶性セルロースは、医薬組成物の約21.5%w/wを構成し、クロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約4%w/wを構成し、ラウリル硫酸ナトリウムは、医薬組成物の約1%w/wを構成し、コロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、ステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約0.5%w/wを構成する。
一部の実施形態では、医薬組成物は、粒外に添加される以下の構成要素を含み、追加量の微結晶性セルロースは、医薬組成物の約8%w/wを構成し、追加量のクロスカルメロースナトリウムは、医薬組成物の約2%w/wを構成し、追加量のコロイド状二酸化ケイ素は、医薬組成物の約1%w/wを構成し、追加量のステアリン酸マグネシウムは、医薬組成物の約1%w/wを構成し、それらは粒外に添加される。
使用方法
NRAS癌遺伝子の変異状態は、化合物1で処置した場合には、IDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがん、および化合物2で処置した場合には、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがんにおける応答と関連することが観測された。いかなる特定の動作理論にも拘泥するものではないが、NRAS癌遺伝子の体細胞変異は、IDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるAMLにおける化合物1を用いる処置に対する抵抗性、およびIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるAMLにおける化合物2を用いる処置に対する抵抗性と関連し得る。
ある特定の実施形態では、G12、G13およびQ61から選択される1つまたは複数の部位におけるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがんにおける化合物2を用いる処置に対する抵抗性と関連し得る。
ある特定の実施形態では、6つまたはそれよりも多い他の変異と同時に生じるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがんにおける化合物2を用いる処置に対する抵抗性と関連し得る。ある特定の実施形態では、6つまたはそれよりも多い他の変異と同時に生じる、G12、G13およびQ61から選択される1つまたは複数の部位におけるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがんにおける化合物2を用いる処置に対する抵抗性と関連し得る。
ある特定の実施形態では、G12、G13およびQ61から選択される1つまたは複数の部位におけるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるAMLにおける化合物2を用いる処置に対する抵抗性と関連し得る。
ある特定の実施形態では、6つまたはそれよりも多い他の変異と同時に生じるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるAMLにおける化合物2を用いる処置に対する抵抗性と関連し得る。ある特定の実施形態では、6つまたはそれよりも多い他の変異と同時に生じる、G12、G13およびQ61から選択される1つまたは複数の部位におけるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるAMLにおける化合物2を用いる処置に対する抵抗性と関連し得る。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH2阻害剤を投与することによって、対象におけるがんを処置、防止または管理するステップを包含し、がんは、IDH2の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。一実施形態では、IDH2阻害剤は化合物1である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH1阻害剤を投与することによって、対象におけるがんを処置、防止または管理するステップを包含し、がんは、IDH1の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。一実施形態では、IDH1阻害剤は化合物2である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH1阻害剤を投与することによって、対象におけるがんを処置、防止または管理するステップを包含し、がんは、IDH1の変異対立遺伝子の存在、および例えば部位G12、G13またはQ61におけるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。一実施形態では、IDH1阻害剤は化合物2である。ある特定の実施形態では、がんは、再発性または難治性である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH1阻害剤を投与することによって、対象におけるがんを処置、防止または管理するステップを包含し、がんは、IDH1の変異対立遺伝子の存在、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在、および3つまたはそれより少ない同時に存在する変異を有することによって特徴付けられる。一実施形態では、IDH1阻害剤は化合物2である。ある特定の実施形態では、がんは、再発性または難治性である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH2阻害剤を投与することによって、対象におけるがんを処置、防止または管理するステップを包含し、がんは、IDH1の変異対立遺伝子の存在、G12、G13およびQ61から選択される1つまたはそれより多くの部位におけるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在、および3つまたはそれより少ない同時に存在する変異を有することによって特徴付けられる。一実施形態では、IDH1阻害剤は化合物2である。ある特定の実施形態では、がんは、再発性または難治性である。
一実施形態では、治療有効量の化合物1を投与することによって、対象において固形腫瘍を処置、防止または管理する方法が本明細書で提供され、ここで固形腫瘍は、IDH2の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。一実施形態では、固形腫瘍は、進行性固形腫瘍である。
一実施形態では、治療有効量の化合物2を投与することによって、対象において固形腫瘍を処置、防止または管理する方法が本明細書で提供され、ここで固形腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。一実施形態では、固形腫瘍は、進行性固形腫瘍である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH2阻害剤を投与することによって、対象において固形腫瘍を処置、防止または管理するステップを包含し、ここでがんは、IDH1の変異対立遺伝子の存在、および例えば部位G12、G13またはQ61におけるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。一実施形態では、IDH1阻害剤は、化合物2である。一実施形態では、固形腫瘍は、進行性固形腫瘍である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH1阻害剤を投与することによって、対象において固形腫瘍を処置、防止または管理するステップを包含し、ここでがんは、IDH1の変異対立遺伝子の存在、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在、および3つまたはそれより少ない同時に存在する変異を有することによって特徴付けられる。一実施形態では、IDH1阻害剤は、化合物2である。一実施形態では、固形腫瘍は、進行性固形腫瘍である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH1阻害剤を投与することによって、対象において固形腫瘍を処置、防止または管理するステップを包含し、ここでがんは、IDH1の変異対立遺伝子の存在、部位G12、G13およびQ61から選択される1つまたはそれより多くの部位におけるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在、および3つまたはそれより少ない同時に存在する変異を有することによって特徴付けられる。一実施形態では、IDH1阻害剤は、化合物2である。一実施形態では、固形腫瘍は、進行性固形腫瘍である。
一実施形態では、治療有効量の化合物1を投与することによって、対象において血液学的悪性腫瘍を処置、防止または管理する方法が本明細書で提供され、ここで血液学的悪性腫瘍は、IDH2の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。
一実施形態では、治療有効量の化合物2を投与することによって、対象において血液学的悪性腫瘍を処置、防止または管理する方法が本明細書で提供され、ここで血液学的悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。ある特定の実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性または難治性である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH1阻害剤を投与することによって、対象において血液学的悪性腫瘍を処置、防止または管理するステップを包含し、ここでがんは、IDH1の変異対立遺伝子の存在、および例えば部位G12、G13またはQ61におけるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。一実施形態では、IDH1阻害剤は、化合物2である。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。ある特定の実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性または難治性である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH1阻害剤を投与することによって、対象において血液学的悪性腫瘍を処置、防止または管理するステップを包含し、ここでがんは、IDH1の変異対立遺伝子の存在、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在、および3つまたはそれより少ない同時に存在する変異を有することによって特徴付けられる。一実施形態では、IDH1阻害剤は、化合物2である。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。ある特定の実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性または難治性である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、治療有効量のIDH2阻害剤を投与することによって、対象において血液学的悪性腫瘍を処置、防止または管理するステップを包含し、ここでがんは、IDH1の変異対立遺伝子の存在、部位G12、G13およびQ61から選択される1つまたはそれより多くの部位におけるRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在、および3つまたはそれより少ない同時に存在する変異を有することによって特徴付けられる。一実施形態では、IDH1阻害剤は、化合物2である。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。ある特定の実施形態では、血液悪性腫瘍は、再発性または難治性である。
ある特定の実施形態では、この方法は、治療有効量のIDH2阻害剤、例えば化合物1を、RAS経路を標的にする治療有効量の1種または複数種の化合物と組み合わせて投与することによって、対象においてがんを処置、防止または管理するステップを包含し、ここでがんは、IDH2の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる。一実施形態では、RAS経路を標的にする化合物は、MEKキナーゼ阻害剤化合物である。一実施形態では、MEKキナーゼ阻害剤は、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040およびPD035901から選択される。
ある特定の実施形態では、この方法は、治療有効量のIDH1阻害剤、例えば化合物2を、RAS経路を標的にする治療有効量の1種または複数種の化合物と組み合わせて投与することによって、対象においてがんを処置、防止または管理するステップを包含し、ここでがんは、IDH1の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる。一実施形態では、RAS経路を標的にする化合物は、MEKキナーゼ阻害剤化合物である。一実施形態では、MEKキナーゼ阻害剤は、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040およびPD035901から選択される。
ある特定の実施形態では、この方法は、治療有効量のIDH2阻害剤、例えば化合物1を、RAS経路を標的にする治療有効量の1種または複数種の化合物と組み合わせて投与することによって、対象において固形腫瘍を処置、防止または管理するステップを包含し、ここで固形腫瘍は、IDH2の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる。一実施形態では、RAS経路を標的にする化合物は、MEKキナーゼ阻害剤化合物である。一実施形態では、MEKキナーゼ阻害剤は、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040およびPD035901から選択される。
ある特定の実施形態では、この方法は、治療有効量のIDH1阻害剤、例えば化合物2を、RAS経路を標的にする治療有効量の1種または複数種の化合物と組み合わせて投与することによって、対象において固形腫瘍を処置、防止または管理するステップを包含し、ここで固形腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる。一実施形態では、RAS経路を標的にする化合物は、MEKキナーゼ阻害剤化合物である。一実施形態では、MEKキナーゼ阻害剤は、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040およびPD035901から選択される。
一実施形態では、固形腫瘍は、進行性固形腫瘍である。
ある特定の実施形態では、この方法は、治療有効量のIDH2阻害剤、例えば化合物1を、RAS経路を標的にする治療有効量の1種または複数種の化合物と組み合わせて投与することによって、対象において血液悪性腫瘍を処置、防止または管理するステップを包含し、ここで血液学的悪性腫瘍は、IDH2の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる。一実施形態では、RAS経路を標的にする化合物は、MEKキナーゼ阻害剤化合物である。一実施形態では、MEKキナーゼ阻害剤は、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040およびPD035901から選択される。
ある特定の実施形態では、この方法は、治療有効量のIDH1阻害剤、例えば化合物2を、RAS経路を標的にする治療有効量の1種または複数種の化合物と組み合わせて投与することによって、対象において血液悪性腫瘍を処置、防止または管理するステップを包含し、ここで血液学的悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる。一実施形態では、RAS経路を標的にする化合物は、MEKキナーゼ阻害剤化合物である。一実施形態では、MEKキナーゼ阻害剤は、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040およびPD035901から選択される。
一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象、例えば患者におけるまたは患者由来のがん細胞を、治療有効量の化合物1と接触させるステップを含み、ここでがん細胞は、IDH2の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象、例えば患者におけるまたは患者由来のがん細胞を、治療有効量の化合物2と接触させるステップを含み、ここでがん細胞は、IDH1の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる。接触は、in vitro、in vivo、またはex vivoで行うことができる。一実施形態では、この方法は、がん細胞をin vivoで接触させるステップを含む。
一実施形態では、IDH1阻害剤を用いる処置に適したがん対象を識別する方法であって、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH1変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH1の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる場合、対象を、IDH1阻害剤を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む方法が本明細書で提供される。別の実施形態では、IDH1阻害剤を用いる処置に適したがん対象として識別された対象は、IDH1阻害剤で処置される。
一実施形態では、がん対象においてがんを処置する方法における使用のための、IDH1阻害剤が提供され、ここで、がん対象は、IDH1阻害剤を用いる処置に適したがん対象を識別する方法であって、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH1変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH1の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる場合、対象を、IDH1阻害剤を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む方法によって識別されている。
一実施形態では、IDH2阻害剤を用いる処置に適したがん対象を識別する方法であって、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH2変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH2の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる場合、対象を、IDH2阻害剤を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む方法が本明細書で提供される。別の実施形態では、IDH2阻害剤を用いる処置に適したがん対象として識別された対象は、IDH2阻害剤で処置される。
一実施形態では、化合物1を用いる処置に適したがん対象を識別する方法であって、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH2変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH2の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる場合、対象を、化合物1を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む方法が本明細書で提供される。別の実施形態では、化合物1を用いる処置に適したがん対象として識別された対象は、化合物1で処置される。
一実施形態では、化合物2を用いる処置に適したがん対象を識別する方法であって、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH1変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH1の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる場合、対象を、化合物2を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む方法が本明細書で提供される。別の実施形態では、化合物2を用いる処置に適したがん対象として識別された対象は、化合物2で処置される。
また、がん対象においてがんを処置するための方法における使用のための化合物2が提供され、ここでがん対象は、化合物2を用いる処置に適したがん対象を識別する方法によって識別されており、この方法は、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH1変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH1の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる場合、対象を、化合物2を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む。
別の実施形態では、IDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがんを有する複数のがん対象から、IDH2阻害剤を用いる処置に適した1または複数のがん対象を識別するための方法が本明細書で提供される。この方法は、IDH2阻害剤を用いる処置に適した複数のがん対象から、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられるがんを有する1または複数のがん対象を識別するステップを含む。一実施形態では、1つまたは複数の適切な対象は、IDH2阻害剤で処置される。
別の実施形態では、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがんを有する複数のがん対象から、IDH1阻害剤を用いる処置に適した1または複数のがん対象を識別するための方法が本明細書で提供される。この方法は、IDH1阻害剤を用いる処置に適した複数のがん対象から、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられるがんを有する1または複数のがん対象を識別するステップを含む。一実施形態では、1つまたは複数の適切な対象は、IDH1阻害剤で処置される。
また、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがんを有する1または複数のがん対象においてがんを処置するための方法における使用のためのIDH1阻害剤が提供され、ここで1または複数のがん対象は、IDH1阻害剤を用いる処置に適した複数のがん対象から、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられるがんを有する1または複数のがん対象を識別するステップを含む方法によって識別される。
別の実施形態では、IDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがんを有する複数のがん対象から、化合物1を用いる処置に適した1または複数のがん対象を識別するための方法が本明細書で提供される。この方法は、化合物1を用いる処置に適した複数のがん対象から、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられるがんを有する1または複数のがん対象を識別するステップを含む。一実施形態では、1つまたは複数の適切な対象は、化合物1で処置される。
別の実施形態では、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがんを有する複数のがん対象から、化合物2を用いる処置に適した1または複数のがん対象を識別するための方法が本明細書で提供される。この方法は、化合物2を用いる処置に適した複数のがん対象から、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる1または複数のがん対象を識別するステップを含む。一実施形態では、1つまたは複数の適切な対象は、化合物2で処置される。
また、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるがんを有する1または複数のがん対象においてがんを処置するための方法における使用のための化合物2が提供され、ここで1または複数のがん対象は、化合物2を用いる処置に適した複数のがん対象から、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられるがんを有する1または複数のがん対象を識別するステップを含む方法によって識別される。
一実施形態では、IDH1阻害剤およびRAS経路阻害剤の組合せを用いる処置に適したがん対象を識別する方法であって、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH1変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH1の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる場合、対象を、IDH1阻害剤およびRAS経路阻害剤を含む組合せ治療を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む方法が本明細書で提供される。別の実施形態では、組合せ治療を用いる処置に適したがん対象として識別された対象は、IDH1阻害剤およびRAS経路阻害剤の組合せで処置される。一実施形態では、RAS経路阻害剤は、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040およびPD035901から選択されるMEKキナーゼ阻害剤である。
一実施形態では、IDH2阻害剤およびRAS経路阻害剤の組合せを用いる処置に適したがん対象を識別する方法であって、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH2変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH2の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる場合、対象を、IDH2阻害剤およびRAS経路阻害剤を含む組合せ治療を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む方法が本明細書で提供される。別の実施形態では、組合せ治療を用いる処置に適したがん対象として識別された対象は、IDH2阻害剤およびRAS経路阻害剤の組合せで処置される。一実施形態では、RAS経路阻害剤は、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040およびPD035901から選択されるMEKキナーゼ阻害剤である。
一実施形態では、化合物1およびRAS経路阻害剤の組合せを用いる処置に適したがん対象を識別する方法であって、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH2変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH2の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる場合、対象を、化合物1およびRAS経路阻害剤を含む組合せ治療を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む方法が本明細書で提供される。別の実施形態では、組合せ治療を用いる処置に適したがん対象として識別された対象は、化合物1およびRAS経路阻害剤の組合せで処置される。一実施形態では、RAS経路阻害剤は、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040およびPD035901から選択される。
一実施形態では、化合物2およびRAS経路阻害剤の組合せを用いる処置に適したがん対象を識別する方法であって、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH1変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH1の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる場合、対象を、化合物2およびRAS経路阻害剤を含む組合せ治療を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む方法が本明細書で提供される。別の実施形態では、組合せ治療を用いる処置に適したがん対象として識別された対象は、化合物2およびRAS経路阻害剤の組合せで処置される。
また、がん対象においてがんを処置するための方法における使用のためのIDH1阻害剤およびRAS経路阻害剤の組合せが提供され、ここでがん対象は、IDH1阻害剤およびRAS経路阻害剤の組合せを用いる処置に適したがん対象を識別する方法であって、(a)がんを有する対象から生物学的試料を得るステップと、(b)IDH1変異およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異について、生物学的試料をスクリーニングするステップと、(c)がんが、IDH1の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる場合、対象を、IDH1阻害剤およびRAS経路阻害剤を含む組合せ治療を用いる処置に適したがん対象として識別するステップとを含む方法によって識別されている。
一実施形態では、RAS経路阻害剤は、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040およびPD035901から選択される。
別の実施形態では、複数のがん対象から、IDH2阻害剤、例えば化合物1、およびRAS経路阻害剤、例えば、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040またはPD035901を含む組合せ治療を用いる処置に適した1または複数のがん対象を識別するための方法が本明細書で提供される。この方法は、IDH2阻害剤、例えば化合物1、およびRAS経路阻害剤、例えば、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040またはPD035901を含む組合せ治療を用いる処置に適した複数のがん対象から、1または複数のがん対象を識別するステップを含み、ここでがんは、IDH2の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる。一実施形態では、1つまたは複数の適切な対象は、IDH2阻害剤、例えば化合物1、およびRAS経路阻害剤、例えば、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040またはPD035901の組合せで処置される。
別の実施形態では、複数のがん対象から、IDH1阻害剤、例えば化合物2、およびRAS経路阻害剤、例えば、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040またはPD035901を含む組合せ治療を用いる処置に適した1または複数のがん対象を識別するための方法が本明細書で提供される。この方法は、IDH1阻害剤、例えば化合物2、およびRAS経路阻害剤、例えば、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040またはPD035901を含む組合せ治療を用いる処置に適した複数のがん対象から、1または複数のがん対象を識別するステップを含み、ここでがんは、IDH1の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる。一実施形態では、1つまたは複数の適切な対象は、IDH1阻害剤、例えば化合物2、およびRAS経路阻害剤、例えば、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040またはPD035901の組合せで処置される。
また、1または複数のがん対象においてがんを処置するための方法における使用のための、IDH1阻害剤、例えば化合物2、およびRAS経路阻害剤、例えば、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040またはPD035901の組合せが提供され、ここで1または複数のがん対象は、IDH1阻害剤、例えば化合物2、およびRAS経路阻害剤、例えば、トラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040またはPD035901を含む組合せ治療を用いる処置に適した複数のがん対象から、1または複数のがん対象を識別するステップを含む方法によって識別され、ここでがんは、IDH1の変異対立遺伝子、および変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられる。
一実施形態では、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の存在によって特徴付けられるがんを有する1または複数のがん対象は、IDH1阻害剤、例えば化合物2で処置されない。一実施形態では、変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASの存在によって特徴付けられるがんを有する1または複数のがん対象は、IDH2阻害剤、例えば化合物1で処置されない。
ある特定の実施形態では、IDH1変異体(例えば、IDH1のR132H、IDH1のR132C、IDH1のR132L、IDH1のR132V、IDH1のR132SまたはIDH1のR132GF)に対する化合物2の阻害活性は、PCT出願国際公開第2013/107291号および米国特許出願公開第2013/0190249号の実施例Aに記載されている方法によって試験することができる。ある特定の実施形態では、IDH2変異体に対する化合物1の阻害活性は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0190287号に記載されている方法または類似の方法によって試験することができる。
本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、血液悪性腫瘍は、それぞれIDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄性肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)または芽球性形質細胞様樹状細胞新生物である。本明細書に記載される方法の他の実施形態では、血液悪性腫瘍は、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B−急性リンパ芽球性白血病(B−ALL)、またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)である。一実施形態では、血液悪性腫瘍は、進行性血液悪性腫瘍である。
本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、血液悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる急性骨髄性白血病(AML)である。本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、急性骨髄性白血病(AML)は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる再発性または難治性AMLである。本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、血液悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる骨髄異形成症候群(MDS)である。本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、血液悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる慢性骨髄単球性白血病(CMML)である。本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、血液悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる骨髄性肉腫である。本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、血液悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)である。本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、血液悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)である。本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、血液悪性腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる芽球性形質細胞様樹状細胞新生物である。
本明細書で提供される方法の一実施形態では、固形腫瘍は、それぞれIDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(例えば神経膠腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、肉腫、または非小細胞肺がんである。
本明細書で提供される方法の一実施形態では、固形腫瘍は、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる、神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がん、または非小細胞肺がん(NSCLC)である。
本明細書で提供される方法の一実施形態では、固形腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる神経膠腫である。本明細書で提供される方法の一実施形態では、固形腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられるメラノーマである。本明細書で提供される方法の一実施形態では、固形腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる軟骨肉腫である。本明細書で提供される方法の一実施形態では、固形腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる胆管細胞癌(例えば神経膠腫)である。本明細書で提供される方法の一実施形態では、固形腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)である。本明細書で提供される方法の一実施形態では、固形腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる肉腫である。本明細書で提供される方法の一実施形態では、固形腫瘍は、IDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられる非小細胞肺がんである。
一実施形態では、処置される悪性腫瘍は、IDH1またはIDH2の変異対立遺伝子によって特徴付けられ、ここでIDH1またはIDH2変異は、患者においてαケトグルタル酸からR(−)−2−ヒドロキシグルタル酸へのNAPH依存性還元を触媒する酵素の新しい能力をもたらす。この実施形態の一態様では、変異型IDH1は、R132X変異を有する。この実施形態の一態様では、R132X変異は、R132H、R132C、R132L、R132V、R132SおよびR132Gから選択される。別の態様では、R132X変異は、R132HまたはR132Cである。さらに別の態様では、R132X変異は、R132Hである。この実施形態の一態様では、変異IDH2は、R140X変異を有する。この実施形態の別の態様では、R140X変異は、R140Q変異である。この実施形態の別の態様では、R140X変異は、R140W変異である。この実施形態の別の態様では、R140X変異は、R140L変異である。この実施形態の別の態様では、変異IDH2は、R172X変異を有する。この実施形態の別の態様では、R172X変異は、R172K変異である。この実施形態の別の態様では、R172X変異は、R172G変異である。
一実施形態では、悪性腫瘍は、IDH1のアミノ酸132における変異(例えば、存在する変化したアミノ酸)の存在および特異的性質を決定するために、細胞試料を配列決定することによって分析することができる。一実施形態では、悪性腫瘍は、IDH2のアミノ酸140および/または172における変異(例えば、存在する変化したアミノ酸)の存在および特異的性質を決定するために、細胞試料を配列決定することによって分析することができる。
理論に拘泥するものではないが、出願人らは、IDH1変異が、α−ケトグルタル酸からR(−)−2−ヒドロキシグルタル酸へのNAPH依存性還元を触媒する酵素の新しい能力をもたらす、IDH1の変異対立遺伝子、特にIDH1のR132H変異が、体内のがん細胞の性質または位置に関わらず、あらゆるタイプのがんのサブセットを特徴付けると考える。したがって、本明細書に記載される化合物2および方法は、それぞれこのような活性を付与するIDH1の変異対立遺伝子、特にIDH1のR132HまたはR132C変異の存在によって特徴付けられる、進行性血液悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B−急性リンパ芽球性白血病(B−ALL)、またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を含めた血液悪性腫瘍を処置するのに有用である。
一実施形態では、処置される進行性血液悪性腫瘍は、AMLである。一部の実施形態では、AMLは、再発性および/または難治性である。他の実施形態では、AMLは、未処置である。一部の実施形態では、AMLは、60歳およびそれよりも高齢の患者において再発性および/または難治性である。一部の実施形態では、AMLは、60歳およびそれよりも高齢の患者において未処置である。一部の実施形態では、AMLは、60歳未満の患者において再発性および/または難治性である。一実施形態では、化合物2は、AMLのための第1選択の処置として投与される。一実施形態では、化合物2は、AMLのための第2選択、第3選択、または第4選択の処置として投与される。一実施形態では、化合物2は、AMLのための第1選択の処置の後に投与される。一実施形態では、化合物2は、AMLのための第2選択、第3選択、または第4選択の処置の後に投与される。一実施形態では、化合物2は、最初の再発後に投与される。一実施形態では、化合物2は、初期導入の失敗後に投与される。一実施形態では、化合物2は、再導入の失敗後に投与される。一実施形態では、化合物2の投与は、移植の前、最中または後に生じ得る。一実施形態では、化合物2は、移植後の再発後に投与される。一実施形態では、AMLが表われるのは、MPDの後である。一実施形態では、AMLが表われるのは、MDSおよびCMMLの後である。
別の態様では、本明細書に記載される化合物2および方法は、それぞれこのような活性を付与するIDH1の変異対立遺伝子、特にIDH1のR132HまたはR132C変異の存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がん、または非小細胞肺がん(NSCLC)を処置するのに有用である。
別の態様では、理論に拘泥するものではないが、出願人らは、IDH2変異が、α−ケトグルタル酸からR(−)−2−ヒドロキシグルタル酸へのNAPH依存性還元を触媒する酵素の新しい能力をもたらす、IDH2の変異対立遺伝子、特にIDH2のR140Qおよび/またはR172K変異が、体内のがん細胞の性質または位置に関わらず、あらゆるタイプのがんのサブセットを特徴付けることを見出した。したがって、本明細書で提供される化合物、組成物および方法は、このような活性を付与するIDH2の変異対立遺伝子、特にIDH2のR140Qおよび/またはR172K変異の存在によって特徴付けられる、任意のタイプのがんを処置するのに有用である。
したがって、本明細書に記載される化合物1および方法は、それぞれこのような活性を付与するIDH2の変異対立遺伝子、特にIDH2のR140Qおよび/またはR172K変異の存在によって特徴付けられる、進行性血液悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄性肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)または芽球性形質細胞様樹状細胞新生物を含めた血液悪性腫瘍を処置するのに有用である。
別の態様では、本明細書に記載される化合物2および方法は、それぞれこのような活性を付与するIDH2の変異対立遺伝子、特にIDH2のR140Qおよび/またはR172K変異の存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば、神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(例えば神経膠腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、肉腫、または非小細胞肺がんを処置するのに有用である。
一実施形態では、悪性腫瘍は、腫瘍細胞の少なくとも30、40、50、60、70、80または90%が、診断または処置時に、IDH1変異、特にIDH1のR132HまたはR132C変異、あるいはIDH2変異、特にIDH2のR140Q、R140WもしくはR140Lおよび/またはR172KもしくはR172G変異を持つ腫瘍である。
一実施形態では、悪性腫瘍の処置の有効性は、対象における2HGのレベルを測定することによってモニタリングされる。典型的に、2HGのレベルは、処置の前に測定され、そのレベルが高いことは、化合物1または化合物2の使用を指示する。高いレベルが確立されると、有効性を確立するために、処置の過程中および/または処置の終結後に、2HGのレベルが決定される。ある特定の実施形態では、2HGのレベルは、処置の過程中および/または処置の終結後に初めて決定される。処置の過程中および処置後の2HGレベルの低下は、有効性を示す。同様に、処置の過程中または処置後に2HGレベルが上昇していないと決定されることも有効性を示している。典型的に、2HGの測定は、悪性腫瘍の処置の有効性の他の周知の決定、例えば腫瘍および/または他のがん関連病変の数およびサイズの低減、対象の全体的な健康の改善、ならびに悪性腫瘍の処置有効性と関連する他のバイオマーカーの変化と一緒に利用される。
2HGは、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれるPCT出願国際公開第2011/050210号および米国特許出願公開第2012/0121515号の方法、または類似の方法によって、試料中に検出され得る。例示的な方法では、2HGは、LC/MSによって試料中に検出され得る。試料は、メタノールと80:20で混合され、3,000rpmにおいて4℃で20分間遠心分離される。得られた上清を収集し、−80℃で保存した後、2−ヒドロキシグルタル酸レベルを評価するためにLC−MS/MSを行うことができる。様々な異なる液体クロマトグラフィー(LC)分離方法を使用することができる。各方法は、ネガティブエレクトロスプレーイオン化(ESI、−3.0kV)によって、注入された代謝産物の標準溶液に対して最適化されたMSパラメータを用いて多重反応モニタリング(MRM)モードで操作されるトリプル四重極質量分析計に連結することができる。代謝産物は、逆相クロマトグラフィーによって、既に報告されている方法(Luoら、J Chromatogr A 1147巻、153〜64頁、2007年)の変形形態に従って、水性移動相中のイオン対形成剤として10mMトリブチルアミンを使用して分離することができる。ある方法は、TCA代謝産物の分離が可能である。t=0、50%B;t=5、95%B;t=7、95%B;t=8、0%B(ここで、Bは、100%メタノールの有機移動相を指す)。別の方法は、2−ヒドロキシグルタル酸に特異的なものであり、50%〜95%B(先に定義される緩衝液)の高速直線勾配で5分間かけて行われる。Synergi Hydro−RP、100mm×2mm、粒径2.1μm(Phenomonex)を、前述の通りカラムとして使用することができる。代謝産物は、ピーク面積を、既知の濃度の純粋な代謝産物標準と比較することによって定量することができる。例えば、Mungerら、Nat Biotechnol 26巻、1179〜86頁、2008
年に記載されている通り、13C−グルタミンからの代謝産物の流動研究を実施することができる。
一実施形態では、2HGは、直接的に評価される。
別の実施形態では、分析方法を実施するプロセスにおいて形成された2HGの誘導体が評価される。例として、このような誘導体は、MS分析において形成された誘導体であり得る。誘導体には、例えばMS分析で形成された、塩付加物、例えばNa付加物、水和変種、または塩付加物、例えばNa付加物でもある水和変種が含まれ得る。
別の実施形態では、2HGの代謝誘導体が評価される。その例としては、2HGが存在する結果として構築されもしくは増大するまたは低減する種、例えば、R−2HGなどの2HGと相関するグルタル酸またはグルタミン酸が挙げられる。
例示的な2HG誘導体として、脱水誘導体、例えば以下に提供される化合物またはその塩付加物が挙げられる。
2HGは、遺伝性代謝障害である2−ヒドロキシグルタル酸性尿において蓄積されることが公知である。この疾患は、2HGをα−KGに変換する酵素である2−ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼの欠損によって引き起こされる(Struys, E. A.ら、Am J Hum Genet 76巻、358〜60頁(2005年))。2−ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼ欠損を有する患者は、MRIおよびCSF分析によって評価される通り、脳内に2HGが蓄積し、白質脳症を発症し、脳腫瘍を発症する危険性が高い(Aghili, M.、Zahedi, F.およびRafiee、J Neurooncol 91巻、233〜6頁(2009年);Kolker, S.、Mayatepek, E.およびHoffmann, G. F. Neuropediatrics 33巻、225〜31頁(2002年);Wajner, M.、Latini, A.、Wyse, A. T.およびDutra-Filho, C. S. J Inherit Metab Dis 27巻、427〜48頁(2004年))。さらに、2HGの脳内レベルが上昇すると、ROSレベルが増大し(Kolker, S.ら、Eur J Neurosci 16巻、21〜8頁(2002年);Latini, A.ら、Eur J Neurosci 17巻、2017〜22頁(2003年))、がんの危険性の増大に潜在的に寄与する可能性がある。NMDA受容体アゴニストとして作用する2HGの能力は、この効果に寄与し得る(Kolker, S.ら、Eur J Neurosci 16巻、21〜8頁(2002年))。2HGは、グルタミン酸および/またはαKGを利用する酵素を競合的に阻害することによって、細胞に対して毒性を有することもできる。これらには、アミノおよび核酸の生合成のためにグルタミン酸の窒素の利用を可能にするトランスアミナーゼ、ならびにαKG依存性プロリルヒドロキシラーゼ、例えばHif1−アルファレベルを調節するものが含まれる。
本明細書に記載される処置法は、化合物1または化合物2を用いる処置の前および/または後に、様々な評価ステップをさらに含むことができる。
一実施形態では、化合物1または化合物2を、単独で、またはRAS経路阻害剤と組み合わせて用いる処置の前および/または後に、この方法は、悪性腫瘍の成長、サイズ、重量、侵襲性、段階および/または他の表現型を評価するステップをさらに含む。
一実施形態では、この方法は、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異などの変異を評価するステップを含む。この評価は、骨髄、末梢血、および骨髄または末梢血から単離された単核細胞を含めた試料タイプの分析によって達成され得る。一実施形態では、核酸、例えばDNAは、試料から抽出され、RAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異が存在するかどうかを決定するためにシークエンシングによって分析される。
一実施形態では、化合物1を、単独で、またはRAS経路阻害剤と組み合わせて用いる処置の前および/または後に、この方法は、悪性腫瘍のIDH2遺伝子型を評価するステップをさらに含む。このステップは、当技術分野で通常の方法、例えばDNAシークエンシング、イムノ分析、および/または2HGの存在、分布もしくはレベルの評価によって達成することができる。一実施形態では、化合物2を、単独で、またはRAS経路阻害剤と組み合わせて用いる処置の前および/または後に、この方法は、悪性腫瘍のIDH1遺伝子型を評価するステップをさらに含む。このステップは、当技術分野で通常の方法、例えばDNAシークエンシング、イムノ分析、および/または2HGの存在、分布もしくはレベルの評価によって達成することができる。
一実施形態では、この方法は、化合物1または化合物2を、単独またはRAS経路阻害剤と組み合わせて用いる処置の前および/または後に、対象における2HGレベルを決定するステップをさらに含む。このステップは、分光学的分析、例えば磁気共鳴系分析、例えばMRIおよび/またはMRS測定、体液の試料分析、例えば血清もしくは脊髄液の分析、または外科的材料の分析によって、例えば質量分光法によって達成することができる。
一実施形態では、化合物1およびRAS経路阻害剤は、同時に投与される。一実施形態では、化合物1およびRAS経路阻害剤は、逐次的に投与される。一実施形態では、化合物2およびRAS経路阻害剤は、同時に投与される。一実施形態では、化合物2およびRAS経路阻害剤は、逐次的に投与される。
一実施形態では、化合物1は、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内(intracistemal)注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮もしくは局所的)投与経路によって投与することができる。化合物1は、単独で、または1種もしくは複数種の活性剤と一緒に、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。
一実施形態では、化合物2は、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内(intracistemal)注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮もしくは局所的)投与経路によって投与することができる。化合物2は、単独で、または1種もしくは複数種の活性剤と一緒に、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。
一実施形態では、本明細書で提供される方法で投与される化合物1または化合物2の量は、例えば約5mg/日〜約2,000mg/日の間の範囲であり得る。一実施形態では、その範囲は、約10mg/日〜約2,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約20mg/日〜約2,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg/日〜約1,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg/日〜約1,000mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg/日〜約500mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg/日〜約500mg/日の間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg/日〜約250mg/日の間である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、例えば約10mg/日である。一実施形態では、用量は、約20mg/日である。一実施形態では、用量は、約50mg/日である。一実施形態では、用量は、約75mg/日である。一実施形態では、用量は、約100mg/日である。一実施形態では、用量は、約120mg/日である。一実施形態では、用量は、約150mg/日である。一実施形態では、用量は、約200mg/日である。一実施形態では、用量は、約250mg/日である。一実施形態では、用量は、約300mg/日である。一実施形態では、用量は、約350mg/日である。一実施形態では、用量は、約400mg/日である。一実施形態では、用量は、約450mg/日である。一実施形態では、用量は、約500mg/日である。一実施形態では、用量は、約600mg/日である。一実施形態では、用量は、約700mg/日である。一実施形態では、用量は、約800mg/日である。一実施形態では、用量は、約900mg/日である。一実施形態では、用量は、約1,000mg/日である。一実施形態では、用量は、約1,200mg/日である。一実施形態では、用量は、約1,500mg/日である。ある特定の実施形態では、特定の投与量は、例えば約10mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約20mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約50mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約75mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約100mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約120mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約150mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約200mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約250mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約300mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約350mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約400mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約450mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約500mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約600mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約700mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約800mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約900mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約1,000mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約1,200mg/日までである。一実施形態では、特定の用量は、約1,500mg/日までである。
一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物または剤形中の化合物1または化合物2の量は、例えば約5mg〜約2,000mgの間の範囲であり得る。一実施形態では、その範囲は、約10mg〜約2,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約20mg〜約2,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg〜約1,000mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg〜約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約50mg〜約250mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約100mg〜約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg〜約500mgの間である。一実施形態では、その範囲は、約150mg〜約250mgの間である。ある特定の実施形態では、特定量は、例えば約10mgである。一実施形態では、特定量は、約20mgである。一実施形態では、特定量は、約30mgである。一実施形態では、特定量は、約50mgである。一実施形態では、特定量は、約75mgである。一実施形態では、特定量は、約100mgである。一実施形態では、特定量は、約120mgである。一実施形態では、特定量は、約150mgである。一実施形態では、特定量は、約200mgである。一実施形態では、特定量は、約250mgである。一実施形態では、特定量は、約300mgである。一実施形態では、特定量は、約350mgである。一実施形態では、特定量は、約400mgである。一実施形態では、特定量は、約450mgである。一実施形態では、特定量は、約500mgである。一実施形態では、特定量は、約600mgである。一実施形態では、特定量は、約650mgである。一実施形態では、特定量は、約700mgである。一実施形態では、特定量は、約800mgである。一実施形態では、特定量は、約900mgである。一実施形態では、特定量は、約1,000mgである。一実施形態では、特定量は、約1,200mgである。一実施形態では、特定量は、約1,500mgである。ある特定の実施形態では、特定量は、例えば約10mgまでである。一実施形態では、特定量は、約20mgまでである。一実施形態では、特定量は、約50mgまでである。一実施形態では、特定量は、約75mgまでである。一実施形態では、特定量は、約100mgまでである。一実施形態では、特定量は、約120mgまでである。一実施形態では、特定量は、約150mgまでである。一実施形態では、特定量は、約200mgまでである。一実施形態では、特定量は、約250mgまでである。一実施形態では、特定量は、約300mgまでである。一実施形態では、特定量は、約350mgまでである。一実施形態では、特定量は、約400mgまでである。一実施形態では、特定量は、約450mgまでである。一実施形態では、特定量は、約500mgまでである。一実施形態では、特定量は、約600mgまでである。一実施形態では、特定量は、約700mgまでである。一実施形態では、特定量は、約800mgまでである。一実施形態では、特定量は、約900mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,000mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,200mgまでである。一実施形態では、特定量は、約1,500mgまでである。
一実施形態では、化合物1または化合物2は、単回投与、例えば単回ボーラス注射、または経口錠剤もしくは丸剤などとして送達することができ、あるいは経時的に、例えば経時的な持続注入または経時的な分割ボーラス投与により送達することができる。一実施形態では、化合物1は、例えば、患者が安定な疾患もしくは退行を経験するまで、または患者が疾患の進行もしくは許容されない毒性を経験するまで、必要に応じて反復して投与することができる。安定な疾患またはその欠如は、当技術分野で公知の方法、例えば患者の症状の評価、身体検査、X線、CAT、PET、またはMRI走査を使用して画像化された腫瘍の可視化、および他の一般に許容される評価様式によって決定される。
ある特定の実施形態では、化合物1または化合物2は、サイクルで患者に投与される(例えば、1週間にわたって毎日投与され、次に、最長3週間にわたって投与しない休薬期間がある)。サイクルの治療では、ある一定期間にわたって活性剤を投与し、その後、ある一定期間にわたって休薬期間があり、この逐次的投与が反復される。サイクルの治療は、耐性の発生を低減し、副作用を回避もしくは低減し、かつ/または処置の有効性を改善することができる。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は、化合物1または化合物2を、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、15回、16回、17回、18回、19回、20回、21回、22回、23回、24回、25回、26回、27回、28回、29回、30回、31回、32回、33回、34回、35回、36回、37回、38回、39回、40回、または40回よりも多いサイクルで投与するステップを含む。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約1回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約2回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約3回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約4回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約5回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約6回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約7回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約8回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約9回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約10回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約11回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約12回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約13回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約14回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約15回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約16回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約17回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約18回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約19回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約20回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約21回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約22回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約23回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約24回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約25回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約26回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約27回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約28回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約29回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約30回である。一実施形態では、患者の一群に投与されるサイクル回数の中央値は、約30回よりも多いサイクルである。
ある特定の実施形態では、処置サイクルは、数日間にわたって(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日よりも長い)、それを必要とする対象に投与される化合物1または化合物2の複数回投与を含み、任意選択でその後、処置投与休止期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、または28日よりも長い)を含む。
一実施形態では、RAS経路阻害剤、例えばMEKキナーゼ阻害剤は、処置される疾患および対象の状態に応じて、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植片)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮または局所的)投与経路によって投与することができる。一実施形態では、RAS経路阻害剤は、単独で、あるいは化合物1および/または1つもしくは複数の活性剤と一緒に、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。一実施形態では、RAS経路阻害剤は、単独で、あるいは化合物2および/または1つもしくは複数の活性剤と一緒に、適切な投与単位で、投与経路ごとに適した薬学的に許容される添加剤、担体、アジュバントおよびビヒクルを用いて製剤化することができる。
一実施形態では、RAS経路阻害剤は、例えば、静脈内(IV)、皮下(SC)または経口経路によって投与される。本明細書のある特定の実施形態は、RAS経路阻害剤と化合物1もしくは化合物2および/または1つもしくは複数のさらなる活性剤の併用投与を提供して、それを必要とする対象において相乗的治療効果をもたらす。併用投与される活性剤(単数または複数)は、本明細書に記載される通り、がん治療剤であってよい。ある特定の実施形態では、併用投与される活性剤(単数または複数)は、IDH1の阻害剤であってよい。ある特定の実施形態では、併用投与される活性剤(単数または複数)は、IDH2の阻害剤であってよい。ある特定の実施形態では、併用投与される薬剤(単数または複数)は、例えば経口または注射(例えば、IVまたはSC)によって投与することができる。
ある特定の実施形態では、処置サイクルは、数日間にわたって(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、または14日よりも長い)、それを必要とする対象に投与されるRAS経路阻害剤の複数回投与を含み、任意選択でその後、処置投与休止期間(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、または28日よりも長い)を含む。本明細書で提供される方法に適した投与量には、例えば、治療有効量および予防有効量が含まれる。
一実施形態では、RAS経路阻害剤は、単回投与、例えば単回ボーラス注射、または経口錠剤もしくは丸剤などとして送達することができ、あるいは経時的に、例えば経時的な持続注入または経時的な分割ボーラス投与により送達することができる。一実施形態では、RAS経路阻害剤は、例えば、患者が安定な疾患もしくは退行を経験するまで、または患者が疾患の進行もしくは許容されない毒性を経験するまで、必要に応じて反復して投与することができる。安定な疾患またはその欠如は、当技術分野で公知の方法、例えば患者の症状の評価、身体検査、X線、CAT、PET、またはMRI走査を使用して画像化された腫瘍の可視化、および他の一般に許容される評価様式によって決定される。
一実施形態では、RAS経路阻害剤は、1日1回投与することができ、または複数回の1日用量、例えば1日2回、1日3回、および1日4回に分割することができる。一実施形態では、投与は、連続的(すなわち、連日1日1回または毎日)、間欠的、例えばサイクル(すなわち、薬物が投与されない数日間、数週間または数カ月間の休薬期間を含む)であってよい。一実施形態では、RAS経路阻害剤は、ある一定期間にわたって、毎日、例えば1日1回または1回より多く投与される。一実施形態では、RAS経路阻害剤は、間欠的に、すなわち規則的または不規則的な間隔で停止および開始して投与される。
患者集団
本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、処置される対象は、動物、例えば哺乳動物または非ヒト霊長類である。特定の実施形態では、対象は、ヒト患者である。対象は、男性または女性であってよい。
特に、本明細書で提供される方法による処置を受け入れられる対象には、IDH1および/またはIDH2の変異対立遺伝子の存在、ならびにRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられるがんを有する対象が含まれる。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法による処置を受け入れられる対象には、IDH1および/またはIDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられ、変異RAS、例えば変異NRASまたは変異KRASによってさらに特徴付けられるがんを有する対象が含まれる。
一実施形態では、本明細書で提供される方法による処置を受け入れられる対象には、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる、進行性血液悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B−急性リンパ芽球性白血病(B−ALL)、またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を有する対象が含まれる。
一実施形態では、本明細書で提供される方法による処置を受け入れられる対象には、それぞれIDH2の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる、進行性血液悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄性肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)または芽球性形質細胞様樹状細胞新生物を有する対象が含まれる。
一実施形態では、本明細書で提供される方法による処置を受け入れられる対象には、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば、神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がん、または非小細胞肺がん(NSCLC)を有する対象が含まれる。
一実施形態では、本明細書で提供される方法による処置を受け入れられる対象には、それぞれIDH2の変異対立遺伝子の存在、およびRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異の非存在によって特徴付けられる、固形腫瘍、例えば、神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(例えば神経膠腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、肉腫、または非小細胞肺がんを有する対象が含まれる。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法による処置を受け入れられる対象には、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられ、1つまたは複数のRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異によってさらに特徴付けられる、進行性血液悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性新生物(MPN)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、B−急性リンパ芽球性白血病(B−ALL)、またはリンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫)を有する対象が含まれる。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法による処置を受け入れられる対象には、それぞれIDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられ、1つまたは複数のRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異によってさらに特徴付けられる、進行性血液悪性腫瘍、例えば急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、骨髄性肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫(例えば、T細胞リンパ腫またはB細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)または芽球性形質細胞様樹状細胞新生物を有する対象が含まれる。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法による処置を受け入れられる対象には、それぞれIDH1の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられ、1つまたは複数のRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異によってさらに特徴付けられる、固形腫瘍、例えば、神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(肝内胆管細胞癌(IHCC)を含む)、前立腺がん、結腸がん、または非小細胞肺がん(NSCLC)を有する対象が含まれる。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法による処置を受け入れられる対象には、それぞれIDH2の変異対立遺伝子の存在によって特徴付けられ、1つまたは複数のRAS変異、例えばNRAS変異またはKRAS変異によってさらに特徴付けられる、固形腫瘍、例えば、神経膠腫、メラノーマ、軟骨肉腫、胆管細胞癌(例えば神経膠腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、肉腫、または非小細胞肺がんを有する対象が含まれる。
また、一部の疾患または障害は、ある特定の年齢群において、よりありふれて見られるが、対象の年齢に関係なく対象を処置する方法が包含される。一部の実施形態では、対象は、少なくとも18歳のヒト患者である。一部の実施形態では、患者は、10歳、15歳、18歳、21歳、24歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、65歳、70歳、75歳、80歳、または85歳もしくはそれよりも高齢である。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、がんのための処置をまだ受けていない対象の処置を包含する。他の実施形態では、この方法は、既に処置を受けているが、標準治療に非応答性である対象、ならびに現在がんの処置を受けている対象を処置するステップを包含する。例えば、対象は、当業者に公知のがんのための標準処置レジメンを用いて、既に処置されていてよく、または現在処置されていてもよい。
先の詳細な説明および添付の実施例は、単に例示的なものであり、主題の範囲を制限すると解釈されないことが理解される。開示される実施形態への様々な変更および修正は、当業者に明らかとなろう。それらに限定されるものではないが、本明細書で提供される使用方法に関するものを含めた、このような変更および修正は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書で参照される特許、特許公開、および他の刊行物は、参照によって組み込まれる。
本明細書で使用される場合、実施例において使用される記号および慣習は、特定の略語が具体的に定義されているかどうかにかかわらず、現代科学文献、例えば、Journal of the American Chemical SocietyまたはJournal of Biological Chemistryにおいて使用されているものと一致する。具体的には、それらに限定されるものではないが、実施例においておよび本明細書を通して、以下の略語が使用され得る。CR=完全寛解、CRi=不完全血球数回復を伴う完全寛解(remision)、CRp=不完全血小板回復を伴う完全寛解、MLFS=形態的白血病がない状態、mNRAS=変異神経芽細胞腫RASウイルス癌遺伝子ホモログ、mt=変異体、NRAS=神経芽細胞腫RASウイルス癌遺伝子ホモログ、NRASwt=野生型神経芽細胞腫RASウイルス癌遺伝子ホモログ、VAF=バリアント対立遺伝子頻度、ORR=全奏効率、PD=進行性疾患、PR=部分応答、SD=安定な疾患、wt=野生型、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mL(ミリリットル)、mL(マイクロリットル)、M(モル)、mM(ミリモル)、mM(マイクロモル)、hrまたはhrs(1時間または数時間)、min(分)。別段の指定がない限り、本明細書で提供される化合物における含水量は、カールフィッシャー(KF)法によって決定される。
(実施例1)
IDH2変異を伴う進行性血液悪性腫瘍を有する対象における経口投与された化合物1の、第1/2相、多施設、非盲検、用量漸増および拡大、安全性、薬物動態、薬力学、ならびに臨床活性研究
適応症:IDH2変異を伴う進行性血液悪性腫瘍を有する患者の処置。
第1相(用量漸増およびパート1拡大)の目的
第1の目的
進行性血液悪性腫瘍を有する対象における、28日サイクルの1〜28日目に経口投与される単剤として、連続的に投与した化合物1を用いる処置の安全性および認容性をアセスメントすること。
進行性血液悪性腫瘍を有する対象における、化合物1の最大耐性用量(MTD)または最大投与用量(MAD)および/または推奨される第2相用量(RP2D)を決定すること。
第2の目的
進行性血液悪性腫瘍を有する対象における、化合物1の用量制限毒性(DLT)を説明すること。
進行性血液悪性腫瘍を有する対象における、化合物1およびその代謝産物の薬物動態(PK)を特徴付けること。
化合物1および2−ヒドロキシグルタル酸塩(hydroxygluturate)(2−HG)のPK/薬力学(PD)関係を特徴付けること。
進行性血液悪性腫瘍を有する対象における、化合物1と関連する臨床活性を特徴付けること。
第2相の目的
第1の目的
IDH2変異を伴う再発性または難治性AMLを有する対象のための処置としての化合物1の有効性をアセスメントすること。
第2の目的
IDH2変異を伴う再発性または難治性AMLを有する対象における、化合物1の安全性プロファイルをさらに評価すること。
IDH2変異を伴う再発性または難治性AMLを有する対象における、化合物1およびその代謝産物の薬物動態(PK)を特徴付けること。
化合物1および2−ヒドロキシグルタル酸塩(2−HG)のPK/薬力学(PD)関係を特徴付けること。
研究設計
これは、IDH2変異を伴う進行性血液悪性腫瘍を有する対象における経口投与した化合物1の、第1/2相、多施設、非盲検、3つのパート(第1相用量漸増、第1相パート1拡大、および第2相)、安全性、PK/PD、および臨床活性評価である。この研究は、化合物1のMTD/MADおよび/またはRP2Dを決定するための用量漸増相、安全性、認容性、および臨床活性をさらに評価するための拡大相(パート1)、ならびにRP2Dにおける化合物1の臨床的な有効性をアセスメントし、IDH2変異を持つ難治性および再発性AMLを有する対象における安全性をさらに評価するための第2相を含む。
第1相/用量漸増相
第1相部分では、この研究は、選択された集団において化合物1のMTD/MADおよび/またはRP2Dを決定するための用量漸増相、ならびに安全性、認容性および臨床活性をさらに評価するための拡大相(パート1拡大)を含む。第2相部分(過去のパート2拡大)によって、IDH2変異を伴う難治性または再発性AMLを有する対象における、化合物1の有効性、安全性、認容性および臨床活性に関する情報をさらに提供する。
用量漸増相:用量漸増相は、標準「3+3」設計を利用する。用量漸増相中、標準治療の候補にならない≧60歳の、未処置の再発性もしくは難治性の急性骨髄性白血病(AML)、または芽球過剰を伴う難治性貧血を伴う骨髄異形成症候群を有する、同意した適格な対象は、化合物1の用量を650mgのQD用量を超えない用量まで増大する逐次的コホートに登録される。各投与コホートには、最少3人の対象が登録される。研究の用量漸増部分中、各投与コホートに登録された第1の3人の対象は、−3日目(すなわち、毎日の投与を開始する3日前)に研究薬物の単回投与を受け、薬物濃度、ならびに2−HGおよびα−KGレベルを評価するための安全性およびPK/PDアセスメントを、72時間にわたって受ける。研究薬物の次の投与は、サイクル1の1日目(C1D1)に行われ、その時点から、毎日の投与が始まる。初期投与スケジュールは、1日2回である(およそ12時間ごと)。新しく得られたデータに基づいて、1日1回の投与スケジュールも実施された。代替投与スケジュール(例えば、負荷用量の後、1日1回の投与)は、臨床研究チームによって合意された場合に、用量漸増および拡大相において調査し続けることができる。コホートの第3の対象に処置を始める時点で、複数の対象がスクリーニングプロセスに存在する場合には、医療監視者の承認により、2人までの追加の対象を登録することができる。これらの追加の対象について、−3日目から1日目までのPK/PDアセスメントは、医療監視者との議論に従って任意選択である。
用量漸増相中の投与の安全性を、スポンサーの被指名人(医療責任者)、研究医療監視者、および研究者から構成された臨床研究チームによって評価する。臨床研究チームは、用量漸増を行うかどうかを決定するために、各コホートから新しく得られた安全性データを判定する。
毒性重症度を、National Cancer Instituteの有害事象一般用語基準(NCI CTCAE)バージョン4.03に従って類別する。DLTは、以下に概説される通り定義される。
非血液学系
UDP(ウリジン二リン酸)−グルクロノシルトランスフェラーゼ1ファミリー、ポリペプチドA1(UGT1A1)変異を有する対象における≧グレード3の血中ビリルビンの増大を除く、すべての臨床的に著しい非血液毒性CTCAE≧グレード3。UGT1A1変異を有する対象において、>5×正常上限(ULN)の血中ビリルビンの増大は、DLTとみなされ得る。
血液学系
サイクル1の治療を開始してから少なくとも42日後の、≧グレード3の好中球減少症または血小板減少症の持続(NCI CTCAE、バージョン4.03による、白血病に特異的な基準、すなわち、研究薬物の開始から28日目またはそれよりも後の、白血病の証拠がない骨髄細胞充実性<5%)と定義される持続的骨髄抑制。白血病に特異的な類別は、血球減少症のために使用されるべきである(ベースラインからの低下パーセンテージに基づく:50〜75%=グレード3、>75%=グレード4)。
研究中の集団における頻発する並存症および併用医薬品に起因して、有害事象(AE)を特定の薬物に帰することは困難である。したがって、化合物1に無関係であると明らかに決定することができないすべてのAEは、DLTの決定に関するとみなされ、臨床研究チームによって判定される。臨床研究チームは、DLTを指定する必要があるかどうかを決定するため、DLT基準によって明確に定義されない、いかなる他の緊急毒性も判定する。
第3の対象が、28日のDLT評価期間(すなわち、サイクル1)を完了した後、DLTが観測されない場合には、臨床研究チームによる安全性判定に従って、研究は、用量漸増を用いて次のコホートに進められる。第1のサイクル中に3人のうち1人の対象がDLTを経験する場合、3人の追加の対象が、そのコホートに登録される。追加の3人の対象が、誰もDLTを経験しない場合、臨床研究チームによる安全性判定に従って、次のコホートで用量漸増を継続することができる。第1のサイクル中に、コホートの2人またはそれよりも多い対象がDLTを経験する場合、用量漸増は停止され、次のより低い用量レベルがMTDと明言される。MTDコホートに対象が3人だけが含まれていた場合、追加の3人の対象を、その用量レベルで登録して、6人のうち<2人の対象がその用量でDLTを経験することを確認する。あるいは、非耐性用量レベルと過去の耐性用量レベルの間の中間用量レベルを調査し、6人のうち<2人の対象がその用量でDLTを経験する場合には、MTDと明言することができる。
投与コホートごとの化合物1の用量増大は、加速滴定設計によって誘導され、用量は、化合物1に関係するNCI CTCAEグレード2またはそれよりも高い毒性が、コホートの任意の対象に観測されるまで、1つのコホートから次のコホートで倍増される(100%増大)。臨床研究チームによる評価後、その後の用量増大は、MTDが決定されるまで50%またはそれ未満にされる。用量の絶対的増大パーセントは、過去の投与コホートで見られた任意の毒性のタイプおよび重症度を前提として、臨床研究チームによって決定される。MTDは、6人のうち<2人の対象においてDLTを引き起こす最高用量である。
潜在的に臨床的に関連する用量で処置された対象の人数を最適化するために、医療監視者の承認により、対象内用量漸増が許可される。
パート1拡大相
パート1拡大相中、安全性、PK/PD、および予備的な臨床活性データは、臨床研究チームによって継続的に判定される。
パート1では、アーム1つ当たりIDH2変異型血液悪性腫瘍を有するおよそ25人の対象の4つの非無作為化コホートが、以下の通り登録される。
アーム1:再発性もしくは難治性AMLおよび年齢≧60歳、または年齢に関係なく骨髄移植(BMT)後に再発しているAMLを有する任意の対象。
アーム2:BMT後に再発しているAMLを有する対象を除く、再発性または難治性AMLおよび年齢<60歳。
アーム3:標準ケア化学療法を辞退している、未処置AMLおよび年齢≧60歳。
アーム4:アーム1〜3に適格とされない、IDH2変異型進行性血液悪性腫瘍。
第2相
研究の極めて重要な部分である第2相によって、以下の通り定義されるIDH2変異型の再発性または難治性AMLを有する対象において継続中の用量漸増相で決定された、推奨される第2相用量(RP2D)の化合物1の有効性および安全性プロファイルをさらに確立する。
同種移植後に再発している対象。
二次性または遅発性再発性の対象。
初期導入または再導入処置に対して不応性の対象。
NCCN指針に従って危険状態が低い患者を除く、初期処置から1年以内に再発している対象。低い細胞遺伝学的危険性:inv(16)、+(16;16)、t(8;21)、t(15;17)。
対象およそ125人が、治験のこの部分に登録される。
一般研究実施
インフォームドコンセント後に、すべての対象は、C1D1前の28日以内にスクリーニング手順を受けて、適格性を決定される。すべての対象は、骨髄穿刺液および末梢血からIDH2変異型疾患を確認される必要がある。用量漸増相およびパート1拡大の対象については、IDH2変異状態の文書による証明は、後ろ向きに実施する中央実験室試験を伴う、地方現場試験に基づき得る。第2相の対象は、研究処置前のスクリーニング中に、中央実験室試験に基づいてIDH2変異状態を有している必要がある。追加のスクリーニング手順には、病歴、手術歴および医薬品歴、生殖系列変異分析のための口腔内頬側スワブ、身体検査、生命徴候、Eastern Cooperative腫瘍群(ECOG)パフォーマンスステータス(PS)、12誘導心電図(ECG)、左心室駆出分画(LVEF)の評価、臨床的実験室アセスメント(血液学、化学、凝固、および血清妊娠試験)、骨髄生検および穿刺液、2−HGおよびα−KG測定のための血液および骨髄試料、ならびにUGT1A1変異状態の決定のための血液が含まれる。さらに、パート1拡大の対象は、スクリーニング中に、2−HGおよびα−KG測定のための尿試料、ならびにコレステロールおよび4β−OH−コレステロールレベルのための血液試料が収集される。
用量漸増およびパート1拡大
化合物1の毎日の投与を開始する3日前(−3日目)に、用量漸増相の各コホートに登録された第1の3人の対象およびパート1拡大の各アームに登録された第1の15人の対象は、診療所内で化合物1の単回投与を受け、化合物1、その代謝産物(6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、2−HG、およびα−KGの血中濃度および尿中濃度を決定するために、連続の血液および尿試料を提供する。全72時間のPK/PDプロファイルを実施し、対象は、−3日目に、研究現場に10時間滞在し、24時間、48時間および72時間目の試料のために、それぞれ−2日目、−1日目および1日目に戻る必要がある。診療所内期間中の−3日目に、臨床観察および連続12誘導ECGおよび生命徴候アセスメントを実施する。化合物1を用いる毎日の処置を、C1D1に開始し、−3日目のPK/PDアセスメントを受けなかった用量漸増相およびパート1拡大の対象については、臨床観察および連続12誘導ECGおよび生命徴候アセスメントを、C1D1の化合物1の初回投与後8時間にわたって実施する。
用量漸増相およびパート1拡大の対象はまた、C1D15、C2D1、およびC4D1に10時間にわたってPK/PDアセスメントを受ける。後に化合物1、2−HG、およびα−KG濃度を決定するために、投与前の血液試料(トラフ)を、C1D1(−3日目のPK/PDアセスメントを受けなかった対象について)、C1D8、C1D22、C2D15、C3D1、C3D15、C5D1およびすべてのサイクルの1日目に得る。これらの対象は、スクリーニング時、C1D15、C2D1およびその後のすべてのサイクルの1日目の投与前、ならびに処置訪問の終了時に、PK/PD評価のために採尿する。利用可能な骨髄生検試料を、2−HGおよびα−KGレベルについてもアセスメントする。
第2相
治験の第2相部分の対象は、−3日目のアセスメントを受ける必要はない。これらの対象は、サイクル1および2の1日目に実施される8時間のPK/PDプロファイルを受け、24時間のPK/PDをアセスメントするために、C1D2およびC2D2に投与前の血液試料(トラフ)を得る。PK/PDアセスメントのための追加の血液試料を、サイクル3の1日目の投与前(30分以内)および処置訪問の終了時に採取する。サイクル1および2の1日目に、同時刻による12誘導ECGを3回実施し、処置訪問の終了時にも、3回のECGを得るべきである。サイクル3で始まるすべてのサイクルの1日目、および経過観察訪問時に、単回の12誘導ECGを実施する。利用可能な骨髄生検試料を、2−HGおよびα−KGレベルについてアセスメントする。
他の安全性アセスメント(すべての相)
すべての対象は、処置期間中に、身体検査、生命徴候、ECOG PS、12誘導ECG、LVEFの評価、および臨床的実験室アセスメント(血液学、化学、凝固、および妊娠試験)を含めた安全性アセスメントを受ける。
臨床活性アセスメント
第1相(用量漸増およびパート1拡大)
用量漸増相およびパート1拡大の対象は、スクリーニング時、C1D15、C2D1およびC3D1、その後、研究薬物処置中、投与遅延および/もしくは投与中断とは独立に28日ごと(末梢血だけ)もしくは56日ごと(骨髄生検および/または穿刺液ならびに末梢血)に、ならびに/または疾患の進行が疑われる任意の時点で、骨髄生検および/または穿刺液ならびに末梢血を含めた対象の疾患の程度をアセスメントされる。すべての対象における処置に対する応答および処置の決定は、改変されたInternational Working Group(IWG)応答基準または研究中の悪性腫瘍についての他の適切な応答基準に基づいて、研究者によって決定される。
第2相
治験の第2相部分に登録された対象について、骨髄生検および/または穿刺液ならびに末梢血を含めた疾患の程度を、スクリーニング時、C2D1、その後12カ月間通して28日ごとに、およびその後、研究薬物処置中、投与遅延および/もしくは投与中断とは独立に56日ごとに、ならびに/または疾患の進行が疑われる任意の時点でアセスメントする。適格性、処置の決定、および処置に対する応答は、改変されたInternational Working Group(IWG)応答基準に基づいて、研究者によって決定される。応答は、Independent Response Adjudication Committee(IRAC)によっても後ろ向きにアセスメントされる。
処置の終了および経過観察
対象は、疾患が進行するか、または許容されない毒性が発生するまで、化合物1を用いる処置を継続することができる。
証拠は、がん関連IDH変異が正常な細胞分化を妨害し、潜在的な癌代謝産物である2−HGの異常生成によって腫瘍発生を促進することを裏付けている。化合物1は、IDH2変異によって誘導された分化妨害を逆行させ、適切な細胞分化を促進することによって、抗腫瘍効果をもたらすことができる。
化合物1の独特の作用機序のため、臨床応答は、細胞傷害剤によって観測される応答とは異なる。化合物1による応答は、治療の2つまたはそれよりも多いサイクルの後に生じる場合があり、末梢血および/または骨髄中の白血球増多の開始期間後に、分化様症候群と呼ばれている発熱、体液貯留、低酸素症および皮膚発疹である対応する臨床徴候および症状をまれに伴って生じる場合がある。
したがって、細胞傷害性の化学療法剤から得た経験に基づいて開発された標準アセスメント基準は、この新規なクラスのIDH2阻害剤のための完全かつ正確な応答アセスメントを提供しない。したがって、対象のアセスメントが、最初の2サイクル以内に進行と類似の徴候を示す状況では、研究薬物の中断には注意を要し、特に対象の臨床状態が、限定されるものではないが、疾患の進行を示す急速な悪化の徴候および症状が存在しないことによって裏付けられる通り安定であり、かつ/または全体的な状態が安定であるか、もしくは改善されている状況では、医療監視者との議論が必要である。
適用できる応答基準に従って疾患進行(PD)を経験している対象は、PDを確認するために、28日後に反復される疾患のアセスメントを受けるべきであり、確認を待ちながら前述の処置を継続するオプションを有する。評価の反復によってPDが確認される場合には、対象は研究処置を中断し、生存経過観察相に進む。
安定な疾患または進行性疾患を有する対象は、研究者の裁量および医療監視者の承認で、化合物1を用いる研究処置を受け続けることができる。
すべての対象は、処置終了時アセスメントを受けるべきであり(研究薬物の最終投与からおよそ5日以内)、さらに、経過観察安全性アセスメントは、最終投与の28日後にスケジュールされるべきである。さらに、すべての対象は、死亡、同意の撤回、または研究終了まで、そのいずれが最初に生じようと、疾患状態、全生存、および研究対象でない抗新生物治療の開始について毎月追跡される。
化合物1を用いる処置に対する適切な応答を達成し、造血幹細胞移植(HSCT)を受けるのに必要な他の基準を満たす対象は、研究治療の中断後にHSCTに進むことができる。これらの対象は、この状況で化合物1の全体的な臨床的利益を裏付けるために、再発または研究終了まで結果について研究で追跡される。
HSCT後に再発した対象は、再発性IDH2変異体陽性疾患を有していることが確認され、化合物1の最終投与以来、HSCT以外に他のがん処置が投与されておらず(HSCT過程で使用される抗新生物治療、例えば移植前レジメンまたは導入型レジメンおよび抗GVHD予防法[すなわち、メトトレキセート]を除く)、対象が、組入れ/除外基準に列挙されている安全性パラメータを満たし、治験が公開されている場合には、医療監視者の承認および研究者の裁量で、化合物1を用いる処置をリスタートするのに適格とされ得る。対象は、HSCTの前に化合物1による処置を中断した時点で、同じ用量およびスケジュールで、化合物1による治療を再開する。
HSCT後に再発し、処置をリスタートしない選択をした対象を含めたすべての対象は、その後、研究薬物の中断から死亡または研究終了まで、生存状態および研究対象でない抗新生物治療のアセスメントのために毎月追跡される。
対象の人数(予定)
最少で合計およそ291人の対象が、研究(すなわち、用量漸増、パート1拡大、および治験の第2相部分)への登録を予定される。
MTD/MADの識別には、1つの用量レベルにつき5人までの対象を用いて化合物1の13の用量レベル/スケジュールの評価が必要であると想定すると、MTD/MADに6人の対象が必要であることを除き、研究の用量漸増部分中、66人の対象が登録される。用量漸増中のコホート拡大のため、PK/PD、安全性もしくは臨床活性について評価できない対象の置換えのため、または予定された漸増スキームもしくはMTD/MAD以外の代替投与レジメンを評価して、RP2Dおよびレジメン(単数または複数)を最適化するために、追加の対象が必要になる場合がある。2015年4月現在、5つの用量レベル(30mg〜150mgにわたる)をBIDスケジュールで評価し、8つの用量レベル(50mg〜650mgにわたる)をQDスケジュールで評価した。
特定の血液悪性腫瘍サブセットで、最少25人の追加の対象の4つのコホート(最少で合計100人の対象)が、研究のパート1拡大に登録される。
治験の第2相部分には、IDH2変異を伴う再発性または難治性AMLを有するおよそ125人の対象が登録される。PK/PD、安全性および/もしくは臨床活性について評価できない対象の置換えのため、または代替投与レジメンの評価のために、追加の対象が必要になる場合がある。最終的な全試料サイズは、観測された毒性率、および評価拡大のために登録された対象の数に従って調整することができる。
組入れ基準
対象は、研究に登録するには、以下の基準のすべてを満たさなければならない。
1.対象は、≧18歳でなければならない。
2.対象は、以下を含めた進行性血液悪性腫瘍を有していなければならない。
第1相/用量漸増
・世界保健機関(WHO)基準によるAMLの診断。
〇難治性または再発性疾患(骨髄中>5%芽球の再出現と定義される)。
〇≧60歳であり、担当医に従って、かつ医療監視者の承認により、年齢、パフォーマンスステータスおよび/または有害な危険因子に起因して、標準治療の候補にならない未処置AML。
・過剰芽球を伴う難治性貧血(サブタイプRAEB−1またはRAEB−2)を伴う、WHO分類によるMDSの診断、または再発性もしくは難治性である、改訂国際予後判定システム(IPSS−R)によって高危険性とみなされるMDSの診断、または対象が、担当医に従って、かつ医療監視者の承認により、対象の状態にとって臨床的利益をもたらすことが公知の確立された治療に対して不耐性である(すなわち、対象は、臨床的利益をもたらすことが公知のレジメンの候補であってはならない)。(組入れ/排除基準を満たす、他の再発性および/または原発性の難治性血液がん、例えばCMMLを有する対象は、医療監視者の承認により、個々の場合に応じて考慮され得る)。
第1相/パート1拡大
・アーム1:再発性もしくは難治性AMLおよび年齢≧60歳、または年齢に関係なくBMT後に再発しているAMLを有する任意の対象。
・アーム2:BMT後に再発しているAMLを有する対象を除く、再発性または難治性AMLおよび年齢<60歳。
・アーム3:標準ケア化学療法を辞退している、未処置AMLおよび年齢≧60歳。
・アーム4:アーム1〜3に適格とされないIDH2変異型進行性血液悪性腫瘍。
第2相
・世界保健機関(WHO)基準によるAML、および以下によって定義される再発性または難治性疾患の診断。
〇同種移植後に再発している対象、
〇二次性または遅発性再発性の対象、
〇初期導入または再導入処置に対して不応性の対象、
〇NCCN指針に従って危険状態が低い患者を除く、初期処置から1年以内に再発している対象。低い細胞遺伝学的危険性:inv(16)、+(16;16)、t(8;21)、t(15;17)。
3.対象は、文書により証明されたIDH2遺伝子変異型疾患を有していなければならない。
・用量漸増相およびパート1拡大の対象については、IDH2変異は、地方評価に基づき得る。(中央化試験は、後ろ向きに実施される)。
4.治験の第2相部分の対象については、適格性を確認するために、スクリーニング中に骨髄穿刺液および末梢血の試料におけるIDH2変異の中央試験が必要とされる。対象は、研究中に連続の骨髄試料採取、末梢血試料採取、および尿試料採取を受けることができなくてはならない。
・AMLまたはMDSの診断および評価を、骨髄穿刺および生検によって行う。穿刺液が入手不可能(すなわち、「穿刺不能」)である場合、診断は、コア生検から行うことができる。
・すべての対象について、骨髄穿刺液および末梢血試料のスクリーニングが必要とされる。適切な穿刺液が得られない場合には、
〇研究処置の開始前28日以内に標準ケアの一部として骨髄穿刺液および生検が実施されていない、かつ
〇骨髄穿刺液、生検および染色末梢血スメアのスライドが、地方および中央の両方の病理判定者に利用可能でない
限り、骨髄生検を収集しなければならない。
5.対象は、インフォームドコンセントを理解することができ、署名する意思がなければならない。そうでなければインフォームドコンセントを提供することができない対象の代わりに、現場および/または現場の施設内審査委員会(IRB)/医療機関内倫理委員会(IEC)によって許容され、承認された場合には、法的に権限のある代表者が同意することができる。
6.対象は、0〜2のECOG PSを有していなければならない。
7.血小板数≧20,000/μL(このレベルを達成するための輸血は許容される)。基礎悪性腫瘍に起因して、<20,000/μLのベースライン血小板数を有する対象は、医療監視者の承認により適格とされる。
8.対象は、以下によって証拠付けられる適切な肝機能を有していなければならない。
・医療監視者による承認後に、ジルベール疾患、UGT1A1の遺伝子変異、または臓器への白血病の関与に起因しているとみなされない限り、血清総ビリルビン≦1.5×正常上限(ULN)、
・臓器への白血病の関与に起因しているとみなされない限り、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、およびアルカリホスファターゼ(ALP)≦3.0×ULN。
9.対象は、以下によって証拠付けられる適切な腎機能を有していなければならない。
・血清クレアチニン≦2.0×ULN、または
・コックロフト−ゴールト糸球体濾過率(GFR)推定式:
(140−年齢)×(重量kg)×(女性の場合は0.85)/72×血清クレアチニン
に基づいて、クレアチニンクリアランス>40mL/分。
10.対象は、任意の過去の手術、放射線療法、またはがんの処置を意図した他の治療の任意の臨床的に関連する毒性作用から回復していなければならない。(残存グレード1の毒性、例えばグレード1の末梢神経障害または残存性脱毛症を有する対象は、医療監視者の承認により許容される)。
11.生殖能を有する女性対象は、研究薬物の開始前に医学的に管理された妊娠試験を受けることに同意しなければならない。第1の妊娠試験は、スクリーニング時(第1の研究薬物投与前の7日以内)、および第1の研究薬物投与の当日に実施され、投与前およびその後のすべてのサイクルの1日目の投与前に陰性であることが確認される。
12.生殖能を有する女性対象は、治療の開始前7日以内に血清妊娠試験陰性を有していなければならない。生殖能を有する対象は、子宮摘出術、両側卵巣摘出術もしくは卵管閉塞術を受けていないか、または連続で少なくとも24カ月間、自然閉経(すなわち、月経が全くなかった)後ではない(すなわち、過去連続24カ月間の任意の時点で月経があった)、性的に成熟した女性と定義される。生殖能を有する女性、ならびに生殖可能な男性および生殖能を有するその女性パートナーは、インフォームドコンセントの提出時から、研究中および化合物1の最終投与後120日間(女性および男性)、性交を控えるか、または2つの高度に有効な避妊形態を使用することに同意しなければならない。高度に有効な避妊形態は、ホルモン経口避妊薬、注射剤、パッチ、子宮内装置、二重バリア法(例えば、殺精子性泡状物質、クリームまたはゲルを伴う合成コンドーム、ペッサリー、または子宮頸管キャップ)、または男性パートナーの不妊手術と定義される。
13.研究訪問スケジュール(すなわち、特定の研究訪問について特に断りがない限り、研究現場における診療所訪問は義務である)および他のプロトコール要件を遵守することができる。
除外基準
以下の基準のいずれかを満たす対象は、研究に登録されない。
1.化合物1の初回投与から60日以内に造血幹細胞移植(HSCT)を受けた対象、またはスクリーニング時にHSCT後の免疫抑制治療中であるか、もしくは臨床的に著しい移植片対宿主病(GVHD)を有する対象。(安定な用量の、HSCT後の経口ステロイドおよび/または進行中の皮膚GVHDのための局所ステロイドの使用は、医療監視者の承認により許容される)。
2.研究薬物投与の初日の<14日前に、全身性抗がん治療または放射線療法を受けた対象。(白血球増多(白血球細胞[WBC]計数>30,000/μL)を有する対象の末梢性白血病芽球を制御するためのヒドロキシ尿素は、登録前および化合物1の開始後は許容される)。
3.研究薬物投与の初日の<14日前に、小分子治験薬を受けた対象。さらに、化合物1の初回投与は、治験薬の5半減期以上の期間が経過する前に行うべきではない。
4.治療範囲が狭い以下の感受性CYP基質医薬品:パクリタキセル(CYP2C8)ワルファリン、フェニトイン(CYP2C9)、S−メフェニトイン(CYP2C19)、チオリダジン(CYP2D6)、テオフィリンおよびチザニジン(CYP1A2)を摂取している対象は、投与前5半減期以上の範囲内に他の医薬品に移行できない限り、研究から除外される。
5.P−gpおよびBCRP輸送体感受性基質であるジゴキシンおよびロスバスタチンを摂取している対象は、投与前5半減期超の範囲内に他の医薬品に移行できない限り、研究から除外されるべきである。
6.潜在的に根治的な抗がん治療が利用可能である対象。
7.妊娠中または授乳中の対象。
8.スクリーニング訪問中または研究薬物投与の初日に、抗感染性治療を必要とする活動的な重症感染症を有するか、または未解明の発熱>38.5℃を有する対象(研究者の裁量で、腫瘍熱を有する対象は、登録することができる)。
9.化合物1の構成要素のいずれかに対して公知の過敏症を有する対象。
10.C1D1からおよそ28日以内に得た心エコー図(ECHO)またはマルチゲート収集法(MUGA)走査によって、ニューヨーク心臓協会(NYHA)クラスIIIもしくはIVのうっ血性心不全、またはLVEF<40%を有する対象。
11.スクリーニングから最近6カ月以内に心筋梗塞の病歴を有する対象。
12.スクリーニング時に制御の効かない高血圧(収縮期圧[BP]>180mmHgまたは拡張期BP>100mmHg)を有する対象は除外される。高血圧を制御するための2種またはそれよりも多い医薬品を必要とする対象は、医療監視者の承認により適格とされる。
13.公知の不安定なまたは制御の効かない狭心症を有する対象。
14.重症のおよび/または制御の効かない心室性不整脈の公知の病歴を有する対象。
15.スクリーニング時に、QTcF(Fridericia等式に基づいて補正されたQT)間隔≧450ミリ秒、またはQT延長もしくは不整脈性事象の危険性を増大する他の因子(例えば、心不全、低カリウム血症、長QT間隔症候群の家族歴)を有する対象。脚ブロックおよび延長QTc間隔を有する対象は、潜在的な組入れについて医療監視者によって判定されるべきである。
16.投与前5半減期以上の範囲内に他の医薬品に移行できない限り、QT間隔を延長することが公知の医薬品を摂取している対象。
17.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による公知の感染症、または活動的なB型肝炎もしくはC型肝炎を有する対象。
18.インフォームドコンセントに署名し、協力し、または研究に参加する対象の能力を妨害する可能性が高いと研究者によってみなされる、任意の他の医学的または心理学的状態を有する対象。
19.公知の嚥下障害、短腸症候群、胃不全麻痺、または経口投与される薬物の摂取もしくは胃腸管吸収を制限する他の状態を有する対象。
20.活動的な中枢神経系(CNS)白血病または公知のCNS白血病を示唆する臨床症状を有する対象。脳脊髄液の評価は、スクリーニング中に白血病によるCNS関与が臨床的に疑われる場合にだけ必要とされる。
21.白血病の生命を危うくする差し迫った重症合併症、例えば制御の効かない出血、低酸素症もしくはショックを伴う肺炎、および/または播種性血管内凝固を有する対象。
22.治験だけの第2相部分では、IDHの阻害剤を用いる処置を既に受けた対象。
治験用薬、投与量および投与方法
化合物1(2−メチル−1−[(4−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−6−{[2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル]アミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]プロパン−2−オールのメシル酸塩)は、遊離塩基当量の強度で5、10、25、50、100、150および200mgの経口投与錠剤として提供される。
第1相/用量漸増
研究の用量漸増部分の各コホートの第1の3人の対象およびパート1拡大の各アームの第1の15人の対象は、−3日目に研究薬物の単回投与を受ける。研究薬物の次の投与は、C1D1に投与され、その時点から対象は、28日サイクルの1日目から28日目までの毎日の投与を開始する。投与は、C1D1で開始して継続され、サイクル間に休止期間はない。−3日目のPK/PDアセスメントを受ける必要がない対象は、C1D1で化合物1の毎日の投与を開始する。
対象は、研究薬物投与前の2時間および研究薬物投与後の1時間は、絶食する必要がある(水は許容される)。
対象に投与される化合物1の用量は、対象が研究資格を得たときの登録に対してどの投与コホートが公開されているかに依存して決まる。対象の第1のコホートに投与される化合物1の出発用量は30mgであり、1日2回経口投与され、投与される化合物1の最大投与用量は650mgであり、1日1回経口投与される。
第1相/パート1拡大および第2相
評価のために推奨される化合物1の出発用量は、100mgのQDである。これは、AG221−C−001において現在までに観測された化合物1の安全性、PK、薬力学および臨床活性に基づく。薬力学的応答の評価によって、サイクル2の1日目までには2−HG血漿レベルが持続的に低減され、R140Q変異を伴うほとんどの対象において、すべての用量で98%まで阻害されたことが実証された。用量の増大は、R172K変異を伴う対象における、2−HGのより多くの曝露および阻害と関連する。重要なことに、100mgでQDにより処置された対象44人の予備的な有効性データは、36.4%の全奏効率を示している。したがって、用量100mgは、R140QまたはR172K変異のいずれかを伴う対象において、2−HGの阻害を適切に達成するはずである。さらに、≧グレード3を含めた100mgにおける安全性プロファイルは、より低用量の安全性プロファイルと一致している。
対象内用量漸増は可能である。
実施例1に記載される治験から得られた臨床試料のサブセットを、スクリーニング時に分析した。試料タイプには、骨髄、末梢血、および骨髄または末梢血から単離された単核細胞が含まれていた。これらの試料からDNAを抽出し、Foundation Medicine(Heme Panel、http://foundationone.com/learn.phpを参照)で次世代シークエンシング技術を使用して配列決定した。
処置期間
対象は、疾患が進行するか、または許容されない毒性が発生するまで、化合物1を用いる処置を継続することができる。適用できる応答基準に従って疾患進行を経験しているが、研究者の意見により処置から利益を受けている対象は、医療監視者の承認により、研究薬物の継続が許容され得る。
研究終了
研究終了は、以下の時点と定義される。
・すべての対象が、化合物1を用いる処置を中断し、少なくとも12カ月間、生存について追跡されたか、もしくは死亡したか、追跡しようとして見失ったか、もしくは少なくとも12カ月間の経過観察の前に同意を撤回した
・またはプロトコールおよび/もしくは統計的分析計画(SAP)において予め特定されている通り、第1分析、第2分析および/もしくは探索分析に必要な、最後の対象からの最終データ点の受取日のどちらが後日になろうとも、それらのいずれか。
評価基準
安全性
DLT、重篤な有害事象(SAE)および中断をもたらすAEの決定;安全性実験室パラメータ;身体検査知見;生命徴候;12誘導ECG;LVEF;ならびにECOG PSを含めた、AEのモニタリング。
AEの重症度は、NCI CTCAE、バージョン4.03によってアセスメントする。
薬物動態および薬力学
化合物1およびその代謝産物(6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)の濃度時間プロファイルを決定するための連続血液試料採取。化合物1およびその代謝産物(6−(6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N2−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)の濃度を決定するための尿試料採取(用量漸増およびパート1拡大の対象だけ)。2−HGおよびα−KGレベルを決定するための血液および骨髄試料採取。
臨床活性
改変されたIWG応答基準または研究中の悪性腫瘍に基づく他の適切な応答基準に基づいて、処置に対する応答を決定するための血液および骨髄の連続試料採取。
主要有効性エンドポイントである全奏効率(ORR)は、完全寛解(CR)、不完全血小板回復を伴うCR(CRp)、骨髄CR(mCR)(AMLを有する対象については、形態的白血病がない状態[MLFS])、不完全血液学的回復を伴うCR(CRi)、および部分寛解(PR)を含めた応答者率と定義される。完全寛解率(CRR)、寛解/応答期間、無再発性生存、全生存、および寛解/応答までの時間を含めた、臨床活性の他の尺度をまとめる。
第1相用量漸増/パート1拡大については、改変されたInternational Working Group(IWG)応答基準を使用して現場研究者によってアセスメントされる奏効率の有効性分析は、最大の解析対象集団において、用量レベルごと、拡大アーム、および適切な場合には全体において実施される。パート1拡大アームの分析には、拡大アームの対象と同じ用量/レジメンを受けた、個々のアームの適格性基準を満たす、用量漸増相の対象も含まれ得る。
治験の第2相部分については、化合物1の主要有効性分析は、改変されたInternational Working Group(IWG)応答基準に基づいて、研究者によって決定される。また応答は、最大の解析対象集団(FAS)を使用し、Independent Response Adjudication Committee(IRAC)によって後ろ向きにアセスメントされる。非常に重要な裏付けのための分析は、FASにおける応答の中央による独立判定に基づく。
ある特定の実施形態では、NRASの体細胞変異によって特徴付けられるAMLを有する患者は、化合物1の処置に対して抵抗性である。
ある特定の実施形態では、化合物1およびRAS経路を標的にする1種または複数種の化合物(例えばトラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040またはPD035901を含めたMEK化合物)を含む組合せ治療は、NRASの体細胞変異によって特徴付けられるAMLを有する患者のAMLを処置するのに有効である。
(実施例2)
NRAS変異状態および化合物1の応答
実施例1に記載される治験から得られた臨床試料のサブセットを、スクリーニング時に分析した。試料タイプには、骨髄、末梢血、および骨髄または末梢血から単離された単核細胞が含まれていた。これらの試料からDNAを抽出し、Foundation Medicine(http://foundationone.com/learn.phpを参照)で次世代シークエンシング技術を使用して配列決定した。
実施例1に記載される治験における臨床集団の特徴を、表10に提示する。
分析
分析した一組において、合計60の遺伝子が、少なくとも1つの変異を持つと識別された(IDH2遺伝子を含む)。フィッシャーの直接確率検定を実施して、臨床応答との体細胞変異の関連を評価した(応答者には、表11中、+と示されるCR、CRp、CRiおよびPRが含まれ、非応答者には、−と示されるSDおよびPDが含まれる)。P値を、多重検定補正によって調整した。
結果
NRASは、変異状態が化合物1への応答と著しく関連する唯一の遺伝子であった。図13は、応答分類によるNRAS変異を含めた同時変異を視覚的に提示している。図13は、遺伝子が≧2において変異した患者だけについての、スクリーニング訪問時の骨髄の特性を明らかにしている。図13では、遺伝子(y軸)は、IDH1を除いて頻度の高いものから順に示されており、患者(x軸)は、応答によって、次に変化の類似性によって分類されており、評価可能な応答を有する用量漸増相の患者だけを含めた。
変異状態の陽性(+)は、NRASの任意の公知の変異(単数または複数)を意味し、陰性(−)は、NRASの変異が存在しなかったことを意味する。
陽性応答状態(+)には、CR、mCRおよびPRが含まれ、陰性応答状態(−)には、安定な疾患(SD)および進行性(pregressive)疾患(PD)が含まれる。
表11のデータから分かる通り、NRASの公知の体細胞変異は、安定な疾患(SD)および進行性患者によって代表される化合物1の非応答者において、より頻繁に存在する。
(実施例3)
IDH1変異を伴う進行性血液悪性腫瘍を有する対象における経口投与された化合物2の、第1相、多施設、非盲検、用量漸増、安全性、薬物動態、薬力学、および臨床活性研究
適応症:IDH1変異を伴う進行性血液悪性腫瘍を有する患者の処置。
目的
第1の目的
進行性血液悪性腫瘍を有する対象における、28日サイクルの1〜28日目に経口投与される単剤として、連続的に投与した化合物2を用いる処置の安全性および認容性をアセスメントすること。初期投与レジメンは、1日2回である(およそ12時間ごと)。新しく得られたデータに基づいて保証される場合、併用コホートにおいて異なる投与スケジュールを使用する同じ1日総用量の投与を含めた、代替投与スケジュール(例えば、1日1回または1日3回)は、臨床研究チームによって合意された場合に調査することができる。
進行性血液悪性腫瘍を有する対象における、化合物2の最大耐性用量(MTD)および/または推奨される第2相用量を決定すること。
拡大相のアーム1に登録されている、IDH1変異を伴う再発性または難治性の急性骨髄性白血病(AML)を有する対象における、AG−120の臨床活性をアセスメントすること。
第2の目的
進行性血液悪性腫瘍を有する対象における、化合物2の用量制限毒性(DLT)を説明すること。
進行性血液悪性腫瘍を有する対象における、化合物2の薬物動態(PK)を特徴付けること。
化合物2および2−ヒドロキシグルタル酸塩(2HG)のPK/薬力学(PD)関係を評価すること。
進行性血液悪性腫瘍を有する対象における、化合物2と関連する臨床活性を特徴付けること。
方法論
この研究は、IDH1変異を伴う進行性血液悪性腫瘍を有する対象における経口投与した化合物2の、第1相、多施設、非盲検、用量漸増、安全性、PK/PD、および臨床活性評価である。この研究は、選択された集団において化合物2のMTDおよび/またはRP2Dを決定するための用量漸増相、その後、安全性、認容性および臨床活性をさらに評価するための拡大アームを含む。
用量漸増相
用量漸増相は、標準「3+3」設計を利用する。用量漸増相中、標準治療の候補にならない≧60歳の、未処置の再発性もしくは難治性AML、または過剰芽球を伴う難治性貧血を伴う骨髄異形成症候群(MDS)を有する、同意した適格な対象は、化合物2の用量を増大する逐次的コホートに登録される。各投与コホートには、最少3人の対象の登録が予定される。研究の用量漸増相中、各投与コホートに登録された第1の3人の対象は、まず、3日目(すなわち、毎日の投与を開始する3日前)に研究薬物の単回投与を受け、薬物濃度および2−HGレベルを評価するためのPK/PDアセスメントを、72時間にわたって受ける。研究薬物の次の投与は、サイクル1の1日目(C1D1)に行われ、その時点から、毎日の投与が始まる。初期投与レジメンは、1日2回であった(およそ12時間ごと)。新しく得られたデータに基づいて、1日1回(およそ24時間ごと)の投与スケジュールが実施された。併用コホートにおいて異なる投与スケジュールを使用する同じ1日総用量の投与を含めた、代替投与スケジュールは、臨床研究チームによって合意された場合に調査することができる。コホートの第3の対象に処置を始める時点で、複数の対象がスクリーニングプロセスに存在する場合には、医療監視者の承認により、2人までの追加の対象を登録することができる。これらの追加の対象について、3日目から1日目までのPK/PDアセスメントは、医療監視者との議論に従って、任意選択で考慮され得る。
用量漸増相中の投与の安全性を、スポンサー(医療責任者)、研究医療監視者、および研究者から構成された臨床研究チームによって評価する。臨床研究チームは、用量漸増を行うかどうかを決定するために、各コホートから新しく得られた安全性データを判定する。
毒性重症度を、National Cancer Instituteの有害事象一般用語基準(NCI CTCAE)バージョン4.03に従って類別する。DLTは、以下に概説される通り定義される。
非血液学系
すべての非血液毒性CTCAE≧グレード3。
血液学系
サイクル1の治療を開始してから少なくとも42日後の、白血病がない状態(芽球計数<5%)の、≧グレード4の好中球減少症または血小板減少症の持続を伴う持続的骨髄抑制。
研究中の集団において頻発する並存症および併用医薬品に起因して、有害事象(AE)を特定の薬物に帰することは困難である。したがって、化合物2に無関係であると明らかに決定することができないすべてのAEは、DLTの決定に関するとみなされ、臨床研究チームによって判定される。臨床研究チームは、DLT指定が必要であるかどうかを決定するために、DLT基準によって明確に定義されない、いかなる他の緊急毒性も判定する。
第3の対象が、28日のDLT評価期間(すなわち、サイクル1)を完了した後、DLTが観測されない場合には、臨床研究チームによって安全性判定が行われた後、研究は、用量漸増を用いて次のコホートに進められる。第1のサイクル中に3人のうち1人の対象がDLTを経験する場合、3人の追加の対象が、そのコホートに登録される。追加の3人の対象が、誰もDLTを経験しない場合、臨床研究チームによって安全性判定が行われた後、次のコホートで用量漸増を継続することができる。第1のサイクル中に、コホートの2人またはそれよりも多い対象がDLTを経験する場合、用量漸増は停止され、次のより低い用量レベルがMTDと明言される。あるいは、MTDを超える用量レベルと過去の用量レベルの間の中間用量レベルを調査し、6人のうち<2人の対象がその用量でDLTを経験する場合には、MTDと明言することができる。MTDコホートに対象が3人だけが含まれていた場合、追加の3人の対象を、その用量レベルで登録して、6人のうち<2人の対象がその用量でDLTを経験することを確認する。
投与コホートごとのAG−120の用量増大は、加速滴定設計によって誘導され、1日用量は、AG−120に関係するCTCAEグレード2またはそれよりも高い毒性が、コホートの任意の対象に観測されるまで、1つのコホートから次のコホートで倍増され得る(100%増大)。臨床研究チームによる評価後、その後の用量増大は、MTDが決定されるまで、観測された毒性、ならびに潜在的PKおよびPK/PDデータによって誘導される。1日用量の絶対的増大パーセントは、過去の投与コホートで見られた任意の毒性のタイプおよび重症度を前提として、臨床研究チームによって決定される(ただし、決して100%を超えない)。MTDは、6人のうち<2人の対象においてDLTを引き起こす最高用量である。
用量漸増相中にDLTが識別されない場合、用量漸増は、PK/PDの進行中のアセスメントおよび観測された任意の臨床活性によって決定される通り、予測された臨床的に有効な最大曝露を超える少なくとも2つの用量レベルについて継続することができ、これは、拡大相で並列に行うことができる。
潜在的に臨床的に関連する用量で処置された対象の人数を最適化するために、医療監視者の承認により、対象内用量漸増が許可される。
拡大相
用量漸増相から得られた推奨される用量および投与レジメンの決定後、拡大相を公開して、特定の血液悪性腫瘍を有する対象における用量をさらに調査する。拡大相中、アーム1つ当たりIDH1変異型血液悪性腫瘍を有する対象およそ25人の4つの非無作為化アームが、以下の通り登録される。
アーム1:以下の通り定義される再発性または難治性AML。
移植後に再発している対象、
二次性または遅発性再発性の対象、
初期導入または再導入処置に対して不応性の対象、
NCCN指針バージョン1.2015に従って危険状態が低い患者を除く、初期処置から1年以内に再発している対象。
アーム2:研究者に従って、かつ医療監視者の承認により、年齢、併発状態、パフォーマンスステータスおよび/または有害な危険因子に起因して、標準治療の候補にならない未処置AML。
アーム3:標準ケア処置オプションが利用可能でない、他の非AMLのIDH1変異型の再発性および/または難治性の進行性血液悪性腫瘍。例えば、
低メチル化剤(単数または複数)が失敗した後に再発性または難治性となっている、医療監視者の承認による骨髄異形成症候群。
医療監視者の承認による再発性および/または原発性の難治性慢性骨髄単球性白血病[CMML]。
標準ケアが失敗したか、または研究者に従って、かつ医療監視者の承認により、標準ケア処置オプションが利用可能でない、他の非AMLのIDH1変異型の再発性および/または難治性の進行性血液悪性腫瘍。
アーム4:利用可能な標準ケアが失敗したか、または研究者に従って、かつ医療監視者の承認により、年齢、併発状態、パフォーマンスステータスおよび/もしくは有害な危険因子に起因して、標準ケアを受けることができない、アーム1に適格とされない再発性AML患者。
拡大相のアーム1について、安全性および無益のための中間分析を、第1の25人の対象が処置され、2つのサイクルについて追跡されたか、または初期に中断した時点で実施する。完全寛解(CR)、不完全血小板回復を伴うCR(CRp)、形態的白血病がない状態(MLFS)、不完全血液学的回復を伴うCR(CRi)、および部分寛解(PR)のすべての応答を含むものとして定義される客観的奏効率(ORR)が、<15%(すなわち、<4人の応答者)である場合、アーム1への追加の登録は、終了することができる。ORRが≧15%である場合、追加のおよそ100人の対象が登録される。中間分析のための登録は行われない。
一般研究実施
インフォームドコンセント後に、すべての対象は、C1D1前の28日以内にスクリーニング手順を受けて、適格性を決定される。すべての対象は、骨髄穿刺液および/または生検からIDH1のR132遺伝子変異型疾患を確認される必要がある。用量漸増相の対象については、文書による証明は、後ろ向きに実施する中央実験室試験を伴う、地方現場試験に基づき得る。拡大相の対象は、処置前のスクリーニング中に、中央実験室試験に基づいてIDH1のR132遺伝子変異型疾患を有している必要がある。追加のスクリーニング手順には、病歴、手術歴および医薬品歴、生殖系列変異分析のための口腔内頬側スワブ、完全な身体検査、生命徴候、Eastern Cooperative腫瘍群(ECOG)パフォーマンスステータス(PS)、12誘導心電図(ECG)、左心室駆出分画(LVEF)、臨床的実験室アセスメント(血液学、化学、凝固、検尿、および血清妊娠試験)、骨髄生検および/または穿刺液、ならびに2−HG測定および他の探索アセスメントのための血液および骨髄試料が含まれる。さらに、用量漸増相の対象は、スクリーニング中に、2HG測定のための尿試料、ならびに血漿コレステロールおよび4β−OH−コレステロールレベルの決定のための血液試料を有する。
用量漸増相
化合物2の毎日の投与を開始する3日前(−3日目)に、用量漸増相の各コホートに登録された第1の3人の対象は、診療所内で化合物2の単回投与を受け、化合物2および2−HGの濃度を決定するために、連続の血液および尿試料を提供する。全72時間のPK/PDプロファイルを実施し、対象は、−3日目に、研究現場に10時間滞在し、24時間、48時間および72時間目の試料のために、それぞれ−2日目、−1日目および1日目に戻る必要がある。化合物2を用いる毎日の処置を、C1D1に開始し、−3日目のPK/PDアセスメントを受けなかった用量漸増相の対象は、臨床観察のために、C1D1投与後4時間、診療所内に滞在するべきである。
用量漸増相の対象はまた、C1D15およびC2D1の両方で10時間にわたってPK/PDアセスメントを受ける。化合物2および2−HG濃度を決定するために、追加の投与前尿および/または血液試料採取を、C1D8、C1D22、C2D15、C3D1、C3D15およびその後のすべてのサイクルの1日目に実施する。利用可能な骨髄生検試料を、2−HGレベルについてもアセスメントする。
拡大相:拡大相の対象は、−3日目のアセスメントを受ける必要はない。これらの対象は、サイクル1および2の1日目に実施される8時間のPK/PDプロファイルを受ける。PK/PDアセスメントのための追加の血液試料を、サイクル1の8日目および15日目、サイクル3の1日目、その後のすべてのサイクルの1日目の投与前(30分以内)、ならびに処置訪問の終了時に採取する。サイクル1および2の1日目に、同時刻による12誘導ECGを3回実施し、処置訪問の終了時にも、3回のECGを実施する。スクリーニング時、サイクル1の8日目および15日目の投与4時間後、サイクル3で始まるすべてのサイクルの1日目、ならびに経過観察訪問時に、単回の12誘導ECGを実施する。利用可能な骨髄生検試料を、2−HGレベルについてアセスメントする。
他の安全性アセスメント
すべての対象は、処置期間中に、身体検査、生命徴候、ECOG PS、12誘導ECG、LVEF、および臨床的実験室アセスメント(血液学、化学、凝固、検尿、および妊娠試験)を含めた安全性アセスメントを受ける。
臨床活性アセスメント
すべての対象は、スクリーニング時、15日目(用量漸増相だけ)、29日目、その後12カ月間通して28日ごとに、次にその後、研究薬物処置中、投与遅延および/もしくは投与中断とは独立に56日ごとに、ならびに/または疾患の進行が疑われる任意の時点で、骨髄生検および/または穿刺液ならびに末梢血を含めて対象の疾患の程度をアセスメントされる。用量漸増中の15日目の骨髄評価は、研究処置の継続状態を決定するために使用されるべきでないことに留意されたい。すべての対象における処置に対する応答および処置の決定は、改変されたInternational Working Group(IWG)応答基準または研究中の悪性腫瘍についての他の適切な応答基準に基づいて、研究者によって決定される。拡大相に登録された再発性または難治性AMLを有する対象については、応答も、独立審査委員会によってアセスメントされる。
処置の終了および経過観察
対象は、疾患の進行、他の許容されない毒性の発生、妊娠の確認、造血幹細胞移植(HSCT)を受けていること、死亡、同意の撤回、経過観察しようとして見失ったか、またはスポンサーが研究を終了するまで、そのいずれが最初に生じようと、化合物2を用いる処置を継続することができる。適用できる応答基準に従って疾患進行を経験しているが、研究者の意見により処置から利益を受けている対象は、医療監視者の承認により、研究薬物の継続が許容され得る。
すべての対象は、処置終了時アセスメントを受けるべきであり(研究薬物の最終投与からおよそ5日以内)、さらに、経過観察安全性アセスメントは、最終投与の28日後にスケジュールされるべきである。
化合物2を用いる処置に対する適切な応答を達成し、HSCTを受けるのに必要な他の基準を満たす対象は、化合物2の中断後にHSCTに進むことができ、疾患再発、死亡、同意の撤回、経過観察しようとして見失ったか、または研究終了まで、疾患評価(ほぼ毎月、標準ケアとして)および受けていた任意の新しい骨髄移植(BMT)前抗新生物治療について、研究により追跡される。対象は、HSCTを受けるために化合物2を中断するがHSCTに対して不適格であるとみなされる場合、医療監視者の承認により、化合物2をリスタートすることができる。HSCTに失敗し、再発性IDH1変異体陽性疾患を有している対象は、医療監視者の承認により、化合物2を用いる処置をリスタートするのに適格とされ得る。
HSCT後に再発し、処置をリスタートしない選択をした対象を含めたすべての対象は、生存経過観察に入り、研究薬物の中断から死亡、同意の撤回、経過観察しようとして見失ったか、または研究終了まで、生存状態およびBMT前抗新生物治療のアセスメントのために、毎月連絡をとる。
対象がもはや化合物2を受けていない間、すなわちHSCTまたは生存経過観察期間は、併用医薬品を回避する必要はない。
対象の人数(予定)
およそ236人の対象が、研究に登録されると推定される。
MTDの識別には、1つの用量レベルにつき3〜5人の対象を用いてAG−120の7つの用量レベルの評価が必要であると想定すると、MTDに6人の対象が必要であることを除き、研究の用量漸増部分中、36人の対象が登録される。
特定の血液悪性腫瘍の、それぞれおよそ25人の対象の4つのコホート(合計100人の対象)が、研究の拡大相に最初に登録され、アーム1には、中間分析における安全性および臨床活性の判定に応じて、再発性または難治性AMLを有する追加の対象100人を登録することが可能である。
追加の対象は、用量漸増のアセスメント、代替投与レジメンの評価、または安全性、PK、PK/PD、もしくはRP2Dの選択を誘導するために使用される予備的な臨床活性のさらなる調査について評価不可能である対象を置き換えるために、用量漸増中に登録され得る。
診断および主な組入れ基準
組入れ基準
対象は、研究に登録するには、以下の基準のすべてを満たさなければならない。
対象は、≧18歳でなければならない。
対象は、以下を含めた進行性血液悪性腫瘍を有していなければならない。
用量漸増相
世界保健機関(WHO)基準によって定義される、再発性および/または原発性の難治性AML、あるいは
≧60歳であり、担当医に従って、かつ医療監視者の承認により、年齢、パフォーマンスステータス、および/もしくは有害な危険因子に起因して、標準治療の候補にならない未処置AML、
過剰芽球を伴う難治性貧血(サブタイプRAEB−1またはRAEB−2)を伴うか、または再発性もしくは難治性である、改訂国際予後判定システム(IPSS−R)、Greenbergら、Blood. 2012年;120巻(12号):2454〜65頁によって高危険性とみなされる骨髄異形成症候群、または対象が、担当医に従って、かつ医療監視者の承認により、対象の状態にとって臨床的利益をもたらすことが公知の確立された治療に対して不耐性である(すなわち、対象は、臨床的利益をもたらすことが公知のレジメンの候補であってはならない)。
(組入れ基準/排除基準を満たす、他の再発性および/または原発性の難治性血液がん、例えばCMMLを有する対象は、医療監視者の承認により、個々の場合に応じて考慮され得る)。
拡大相
アーム1:以下の通り定義される再発性または難治性AML。
移植後に再発している対象、
二次性または遅発性再発性の対象、
初期導入または再導入処置に対して不応性の対象、
NCCN指針バージョン1.2015に従って危険状態が低い患者を除く、初期処置から1年以内に再発している対象。
アーム2:研究者に従って、かつ医療監視者の承認により、年齢、併発(cormorbid)状態、パフォーマンスステータス、および/または有害な危険因子に起因して、標準治療の候補にならない未処置AML。
アーム3:標準ケア処置オプションが利用可能でない、他の非AMLのIDH1変異型の再発性および/または難治性の進行性血液悪性腫瘍。例えば、
低メチル化剤(単数または複数)が失敗した後に再発性または難治性となっている、医療監視者の承認による骨髄異形成症候群。
医療監視者の承認による再発性および/または原発性の難治性CMML。
標準ケアが失敗したか、または研究者に従って、かつ医療監視者の承認により、標準ケア処置オプションが利用可能でない、他の非AMLのIDH1変異型の再発性および/または難治性の進行性血液悪性腫瘍。
アーム4:利用可能な標準ケアが失敗したか、または研究者に従って、かつ医療監視者の承認により、年齢、併発状態、パフォーマンスステータスおよび/もしくは有害な危険因子に起因して、標準ケアを受けることができない、アーム1に適格とされない再発性AML患者。
対象は、文書により証明されたIDH1のR132遺伝子変異型疾患を有していなければならない。
用量漸増相の対象について、IDH1変異は、地方による評価に基づき得る。(中央化試験は、後ろ向きに実施される。)
拡大相の対象については、適格性を確認するために、スクリーニング中にIDH1遺伝子変異型疾患の中央試験が必要である。
対象は、研究中に連続の骨髄試料採取、末梢血試料採取、および尿試料採取を受け入れられなくてはならない。
AMLまたはMDSの診断および評価を、骨髄穿刺および/または生検によって行う。穿刺液が入手不可能(すなわち、「穿刺不能」)である場合、診断は、コア生検から行うことができる。
対象は、インフォームドコンセントを理解することができ、署名する意思がなければならない。そうでなければインフォームドコンセントを提供することができない対象の代わりに、現場および/または現場の施設内倫理委員会(IRB)によって許容され、承認された場合には、法的に権限のある代表者が同意することができる。
対象は、0〜2のECOG PSを有していなければならない。
血小板数≧20,000/μL(このレベルを達成するための輸血は許容される)。基礎悪性腫瘍に起因して、<20,000/μLのベースライン血小板数を有する対象は、医療監視者の承認により適格とされる。
対象は、以下によって証拠付けられる適切な肝機能を有していなければならない。
ジルベール疾患または白血病の関与に起因しているとみなされない限り、血清総ビリルビン≦1.5×正常上限(ULN)、
白血病の関与に起因しているとみなされない限り、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、およびアルカリホスファターゼ(ALP)≦3.0×ULN。
対象は、以下によって証拠付けられる適切な腎機能を有していなければならない。
血清クレアチニン≦2.0×UL、または
コックロフト−ゴールト糸球体濾過率(GFR)推定式:(140−年齢)×(重量kg)×(女性の場合は0.85)/72×血清クレアチニン、に基づいて、クレアチニンクリアランス>40mL/分。
対象は、任意の過去の手術、放射線療法、またはがんの処置を意図した他の治療の任意の臨床的に関連する毒性作用から回復していなければならない。(残存グレード1の毒性、例えばグレード1の末梢神経障害または残存性脱毛症を有する対象は、医療監視者の承認により許容される)。
生殖能を有する女性対象は、研究薬物の開始前に医学的に管理された妊娠試験を受けることに同意しなければならない。第1の妊娠試験は、スクリーニング時(第1の研究薬物投与前の7日以内)、および第1の研究薬物投与の当日に実施され、投与前およびその後のすべてのサイクルの1日目に陰性であることが確認される。
生殖能を有する女性対象は、治療の開始前7日以内に血清妊娠試験陰性を有していなければならない。生殖能を有する対象は、子宮摘出術、両側卵巣摘出術もしくは卵管閉塞術を受けていないか、または連続で少なくとも24カ月間、自然閉経(すなわち、月経が全くなかった)後ではない(すなわち、過去連続24カ月間の任意の時点で月経があった)、性的に成熟した女性と定義される。生殖能を有する女性、ならびに生殖可能な男性および生殖能を有するその女性パートナーは、インフォームドコンセントの提出時から、研究中および化合物2の最終投与後90日間(女性および男性)、性交を控えるか、または2つの高度に有効な避妊形態を使用することに同意しなければならない。高度に有効な避妊形態は、ホルモン経口避妊薬、注射剤、パッチ、子宮内装置、二重バリア法(例えば、殺精子性泡状物質、クリームまたはゲルを伴う合成コンドーム、ペッサリー、または子宮頸管キャップ)、または男性パートナーの不妊手術と定義される。
除外基準
以下の基準のいずれかを満たす対象は、研究に登録されない。
変異体に特異的なIDH1阻害剤を用いる過去の処置を既に受けており、治療が進行した対象。
化合物2の初回投与から60日以内に造血幹細胞移植(HSCT)を受けた対象、またはスクリーニング時にHSCT後の免疫抑制治療中であるか、もしくは臨床的に著しい移植片対宿主病(GVHD)を有する対象。(安定な用量の、HSCT後の経口ステロイドおよび/または進行中の皮膚GVHDのための局所ステロイドの使用は、医療監視者の承認により許容される)。
研究薬物投与の初日の<14日前に、全身性抗がん治療または放射線療法を受けた対象。(白血球増多(白血球細胞[WBC]計数>30,000/μL)を有する対象の末梢性白血病芽球を制御するためのヒドロキシ尿素は、登録前および化合物2の開始後は許容される)。
研究薬物投与の初日の<14日前に、治験薬を受けた対象。さらに、化合物2の初回投与は、治験薬の5半減期以上の期間が経過する前に行うべきではない。
感受性チトクロムP450(CYP)3A4基質医薬品を摂取している対象は、投与前5半減期以上の範囲内に他の医薬品に移行できない限り、または医薬品を研究中に適切にモニタリングできない限り、研究から除外される。
P−糖タンパク質(P−gp)輸送体感受性基質医薬品を摂取している対象は、投与前5半減期以上の範囲内に他の医薬品に移行できない限り、または医薬品を研究中に適切にモニタリングできない限り、研究から除外される。
潜在的に根治的な抗がん治療が利用可能である対象。
妊娠中または授乳中の対象。
スクリーニング訪問中または研究薬物投与の初日に、抗感染性治療を必要とする活動的な重症感染症を有するか、または未解明の発熱>38.5℃を有する対象(研究者の裁量で、腫瘍熱を有する対象は、登録することができる)。
化合物2の構成要素のいずれかに対して公知の過敏症を有する対象。
C1D1からおよそ28日以内に得た心エコー図(ECHO)またはマルチゲート収集法(MUGA)走査によって、ニューヨーク心臓協会(NYHA)クラスIIIもしくはIVのうっ血性心不全、またはLVEF<40%を有する対象。
スクリーニングから最近6カ月以内に心筋梗塞の病歴を有する対象。
公知の不安定なまたは制御の効かない狭心症を有する対象。
重症のおよび/または制御の効かない心室性不整脈の公知の病歴を有する対象。
スクリーニング時に、QTc間隔≧450ミリ秒、またはQT延長もしくは不整脈性事象の危険性を増大する他の因子(例えば、心不全、低カリウム血症、長QT間隔症候群の家族歴)を有する対象。脚ブロックおよび延長QTc間隔を有する対象は、潜在的な組入れについて医療監視者によって判定されるべきである。
投与前5半減期以上の範囲内に他の医薬品に移行できない限り、または医薬品を研究中に適切にモニタリングできない限り、QT間隔を延長することが公知の医薬品を摂取している対象。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による公知の感染症、または活動的なB型肝炎もしくはC型肝炎を有する対象。
インフォームドコンセントに署名し、協力し、または研究に参加する対象の能力を妨害する可能性が高いと研究者によってみなされる、任意の他の医学的または心理学的状態を有する対象。
公知の嚥下障害、短腸症候群、胃不全麻痺、または経口投与される薬物の摂取もしくは胃腸管吸収を制限する他の状態を有する対象。
活動的な中枢神経系(CNS)白血病または公知のCNS白血病を示唆する臨床症状を有する対象。脳脊髄液の評価は、スクリーニング中に白血病によるCNS関与が臨床的に疑われる場合にだけ必要とされる。
白血病の生命を危うくする差し迫った重症合併症、例えば制御の効かない出血、低酸素症もしくはショックを伴う肺炎、および/または播種性血管内凝固を有する対象。
治験用薬、投与量および投与方法
化合物2は、10、50、200、および250mgの強度の経口投与錠剤として提供される。
研究の用量漸増部分の各用量漸増コホートの第1の3人の対象は、−3日目に研究薬物の単回投与を受ける。研究薬物の次の投与は、C1D1に投与され、その時点から対象は、28日サイクルの1日目から28日目までの毎日の投与を開始し、保証される場合には代替投与レジメンの調査が計画される。投与は、C1D1で開始して継続され、サイクル間に休止期間はない。−3日目のPK/PDアセスメントを受ける必要がない対象は、C1D1で化合物2の毎日の投与を開始する。
対象に投与される化合物2の用量は、対象が研究資格を得たときの登録に対してどの投与コホートが公開されているかに依存して決まる。用量漸増相の対象の第1のコホートに投与されるAG−120の出発用量は100mgであり、1日2回経口投与される(200mg/日)。拡大相の対象のための出発用量およびレジメン(500mgでQD)は、安全性、PK、PK/PD、および研究の用量漸増相から得られた臨床活性結果に基づき、10、50および200mgの強度の経口投与錠剤として提供される。
処置期間
対象は、疾患の進行、他の許容されない毒性の発生、妊娠の確認、HSCTを受けていること、死亡、同意の撤回、経過観察しようとして見失ったか、またはスポンサーが研究を終了するまで、そのいずれが最初に生じようと、化合物2を用いる処置を継続することができる。適用できる応答基準に従って疾患進行を経験しているが、研究者の意見により処置から利益を受けている対象は、医療監視者の承認により、研究薬物の継続が許容され得る。
研究終了
研究終了は、すべての対象が、化合物2を用いる処置を中断し、少なくとも12カ月間、生存について追跡されたか、または死亡したか、追跡しようとして見失ったか、または12カ月間の経過観察の前に同意を撤回した時点と定義される。
評価基準
安全性
DLT、重篤な有害事象(SAE)および中断をもたらすAEの決定;安全性実験室パラメータ;身体検査知見;生命徴候;12誘導ECG;LVEF;ならびにECOG PSを含めた、AEのモニタリング。
AEの重症度は、NCI CTCAE、バージョン4.03によってアセスメントする。
薬物動態および薬力学
化合物2の濃度時間プロファイルを決定するための連続血液試料採取。2−HGレベルを決定するための血液および骨髄試料採取。化合物2の尿中濃度および2−HGレベルを決定するための尿試料採取(用量漸増対象だけ)。
臨床活性
AMLにおける改変されたIWG応答基準または研究中の悪性腫瘍に基づく他の適切な応答基準に基づいて、処置に対する応答を決定するための血液および骨髄の連続試料採取。
改変されたIWGまたは研究中の疾患の他の適切な応答基準を使用して、現場研究者によってアセスメントされる、処置に対する応答を一覧にする。応答は、CR、CRp、mCR(AMLを有する対象については、形態的白血病がない状態[MLFS])、CRi、およびPRのすべての応答を含めた、最良の客観的応答分類、完全寛解率(CRR)、および客観的奏効率(ORR)によってまとめられる。完全寛解期間、応答期間、無再発性生存、全生存、および寛解/応答までの時間を含めた、臨床活性の他の尺度をまとめる。
拡大相のための化合物2の臨床活性の主要分析は、最大の解析対象集団を使用し、研究者による応答の判定(CRR、ORR、および寛解/応答期間)に基づく。非常に重要な裏付けのための分析は、中央の独立判定に基づく。追加の有効性分析は、有効性解析対象集団を使用して実施され得る。
化合物2についての治験から得られた臨床試料のサブセットの分析を実施した。図14は、化合物2に関する応答分類に従って、NRAS変異を視覚的に提示する。図14は、遺伝子が≧2において変異した患者だけについての、スクリーニング訪問時の骨髄の特性を明らかにする。図14では、遺伝子(y軸)は、IDH2を除いて頻度の高いものから順に示されており、患者(x軸)は、応答によって、次に変化の類似性によって分類されており、評価可能な応答を有する用量漸増相の患者だけが含まれていた。
改変されたIWGまたは研究中の疾患の他の適切な応答基準を使用して、現場研究者によってアセスメントされる、処置に対する応答を一覧にする。応答は、CR、CRp、mCR(AMLを有する対象については、形態的白血病がない状態[MLFS])、CRi、およびPRのすべての応答を含めた、最良の客観的応答分類、完全寛解率(CRR)、および客観的奏効率(ORR)によってまとめられる。完全寛解期間、応答期間、無再発性生存、全生存、および寛解/応答までの時間を含めた、臨床活性の他の尺度をまとめる。
拡大相のための化合物2の臨床活性の主要分析は、最大の解析対象集団を使用し、研究者による応答の判定(CRR、ORR、および寛解/応答期間)に基づく。非常に重要な裏付けのための分析は、中央の独立判定に基づく。追加の有効性分析は、有効性解析対象集団を使用して実施され得る。
(実施例4)
一組の試料の分析
実施例3に記載した化合物2についての治験から得られた臨床試料のサブセットを、試料の変異について分析した。図14は、化合物2に関する応答分類に従って、NRAS変異を含めた同時変異を視覚的に提示している。図14は、遺伝子が≧2において変異した患者だけについての、スクリーニング訪問時の骨髄の特性を明らかにしている。図14では、遺伝子(y軸)は、IDH2を除いて頻度の高いものから順に示されており、患者(x軸)は、応答によって、次に変化の類似性によって分類されており、評価可能な応答を有する用量漸増相の患者だけが含まれていた。
ある特定の実施形態では、NRASの体細胞変異によって特徴付けられるAMLを有する患者は、化合物2の処置に対して抵抗性である。
ある特定の実施形態では、化合物2およびRAS経路を標的にする1種または複数種の化合物(例えばトラメチニブ、セルメチニブ、ビニメチニブ、PD−325901、コビメチニブ、CI−1040またはPD035901を含めたMEK化合物)を含む組合せ治療は、NRASの体細胞変異によって特徴付けられるAMLを有する患者のAMLを処置するのに有効である。
いくつかの実施形態のいくつかの態様をこうして記載してきたが、当業者であれば、様々な変更、修正および改善を容易に想到することを理解されたい。このような変更、修正および改善は、本開示の一部であることが意図され、本発明の精神および範囲に含まれることが意図されている。したがって、先の説明および図は、単なる例示的なものである。