いくつかの商業及び工業の活動は、広大な数の異なる製品の保管及び取り出しを可能にするシステムを必要としている。複数の製品ラインにおけるアイテムの保管及び取り出しのための、1つの知られているシステムは、通路において配置されている棚の列上に、保管容器又はコンテナを配置することを伴っている。各容器又はコンテナは、1つの製品タイプの複数の製品を保持している。通路は、棚の列間のアクセスを提供するので、要求された製品を、通路で巡回している作業員又はロボットによって取り出すことができる。しかしながら、製品にアクセスするための通路スペースを提供する必要性が、このようなシステムの保管密度は比較的低いことを意味していることが正しく認識されるだろう。言い換えれば、製品の保管のために実際に使用されているスペースの量は、保管システム全体に対して必要とされているスペースの量に比較して、比較的小さい。
保管密度のかなりの改善を提供する代替アプローチでは、コンテナは、互いの頂部に積み重ねられ、スタックは、列で配置されている。列の間の通路に対する必要性を取り除き、より多くのコンテナを所定のスペースにおいて保管することができるように、コンテナは上からアクセスされる。
列状態にスタックされたコンテナを取り扱う方法は、長年にわたり周知のものである。いくつかのこのようなシステムにおいて、例えば、米国特許第2、701、065号において説明されているように、必要とされる場合に特定のコンテナへのアクセスを依然として提供しながら、このようなコンテナを保管することに関係付けられている保管量を低減させるために、コンテナの自立型のスタックは列で配置されている。所定のコンテナへのアクセスは、コンテナを積み重ね、及び、所定のコンテナをスタックから取り外すのに使用できる比較的複雑な巻き上げるメカニズムを提供することによって可能になる。しかしながら、多くの状況において、このようなシステムのコストは非実用的であり、これらは、主に大きな出荷コンテナの保管及び取り扱い用に商用化されている。
自立型のコンテナのスタックを使用して、特定のコンテナを取り出して保管するためのメカニズムを提供することの概念はさらに、例えば、EP0767113B(Cimcorp)において説明されているように発展してきた。Cimcorpは、コンテナスタックの周囲において下げられスタックの任意のレベルにおいてコンテナを把持できるように構成された矩形チューブの形態のロボット荷積みハンドラを使用して、複数のスタックされたコンテナを取り出すためのメカニズムを開示する。この方法で、いくつかのコンテナをスタックから一度に持ち上げることができる。可動チューブは、あるスタックの頂部から別のスタックの頂部に複数のコンテナを移動するために、又はスタックから外部ロケーションにコンテナを移動する及びその逆を行うために使用されることができる。かかるシステムは、単一スタック中のすべてのコンテナが同一製品を収容する(単一製品スタックとして知られる)場合に特に有用であることがある。荷積みハンドラは、例えば、店舗への単一タイプの製品を含む複数のコンテナを追加するために、及び、2つ以上の単一製品スタックから1つ以上のコンテナをピックアップして、複数製品出力スタックを生成するために、単一製品スタック間でコンテナを移動するために使用されることができる。この例は、小売り店舗への配送に対する複数製品注文を生成するための、中央倉庫中の野菜木箱のピッキングである。
Cimcorpにおいて説明されているシステムにおいて、最も高いコンテナのスタックを単一の動作で抜き取ることができるように、チューブの高さは、最大のコンテナのスタックの高さと少なくとも同じくらい高くなければならない。したがって、倉庫のような閉じられたスペースにおいて使用するとき、スタックの最大の高さは、荷積みハンドラのチューブに対応する必要性によって制限される。さらに、システムは、複数製品スタックから単一のコンテナの選択にうまく適合していない。
オンラインの食料雑貨店やスーパーマーケットのような、複数の製品ラインを販売しているオンライン小売ビジネスは、数十の、又は、数百、数千もの異なる製品ラインを保管することができるシステムを必要とする。必要とされるスタックのすべてを収容するために非常に広いフロアエリアが必要とされることから、このようなケースにおける単一製品スタックの使用は、非実用的である。さらに、傷みやすいもの、あまり頻繁に注文されない品物のような、いくつかのアイテムの少量を保管することのみに望ましいことがあり、単一製品スタックを非効率的な解決策としている。
したがって、いくつかの用途に対して、各スタックを構成するコンテナが異なる製品を保持してもよい複数製品スタックの使用は、システムの保管密度を最大化するために好ましい。必要とされるアイテムのうちのいくつかがいくつかの他のコンテナンの下の、スタックの下位レベルに保管されている場合でさえ、顧客注文を満たすために必要とされる複数の異なるアイテムが効率的な方法で保管システムからピッキングされることができるように、保管されるアイテムは、合理的で迅速に及び簡単にアクセス可能でなければならない。
国際特許出願WO98/049075A(Autostore)は、その内容が参照によってここに組み込まれており、コンテナの複数製品スタックがフレーム構造体内で配置されているシステムを説明している。このタイプのシステムは、付随する図面の図1ないし図4において概略的に図示されている。
詳細な説明
図1及び図2において示しているように、容器10として知られている積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように、互いの頂部に積み重ねられている。スタック12は、倉庫又は製造環境において格子フレーム構造体14中に配置されている。図1は、フレーム構造体14の概略的な斜視図であり、図2は、フレーム構造体14内で配置されている容器10のスタック12を示している上面から見下ろした図である。各容器10は、典型的に、(示されていない)複数の製品アイテムを保持しており、容器10内の製品アイテムは、完全に同じであるかもしれず、又は、用途に依存する異なる製品タイプのものであるかもしれない。
フレーム構造体14は、水平の部材18、20を支持している複数の直立の部材16を備えている。第1のセットの平行水平部材18が、直立部材16により支持された複数の水平格子構造体を形成するために第2のセットの平行水平部材20に対して垂直に配置される。部材16、18、20は、典型的には金属から製造される。フレーム構造体14が容器10のスタック12の水平移動を防止し、容器10の垂直移動を案内するように、容器10は、フレーム構造体14の部材16、18、20間にスタックされる。
フレーム構造体14の頂部レベルは、スタック12の頂部にわたって格子パターンで配置されたレール22を含む。さらに図3及び図4を参照すると、レール22は、複数のロボット荷積み取り扱いデバイス30を支持する。平行なレール22の第1のセット22aが、フレーム構造体14の頂部にわたって第1の方向(X)への荷積み取り扱いデバイス30の移動を案内し、第1のセット22aに対して垂直に配置された平行レール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して垂直な第2の方向(Y)への荷積み取り扱いデバイス30の移動を案内する。この方法において、レール22は、水平X−Y平面における、2次元での横方向の荷積み取り扱いデバイス30の移動を可能にするので、荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12のうちのいずれか上のポジションに移動できる。
荷積み取り扱いデバイス30は、ノルウェー特許番号第317366号においてさらに説明されており、その内容が、参照によってここに組み込まれる。図3(a)及び図3(b)は、それぞれ、後方及び正面からの荷積み取り扱いデバイス30の概略的な斜視図であり、図3(c)は、容器10を持ち上げる荷積み取り扱いデバイス30の概略的な正面斜視図である。
各荷積み取り扱いデバイス30は、スタック12の上で、フレーム構造体14のレール22上で、X方向及びY方向に移動するように配置されている車両32を備えている。車両32の正面のホイール34の対と、車両32の背面のホイール34の対とからなる、ホイール34の第1のセットは、レール22の第1のセット22aの2つの隣接レールに係合するように配置されている。同様に、車両32の各側面のホイール36の対からなる、ホイールの第2のセット36は、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールに係合するように配置されている。ホイール34、36の各セットを、持ち上げて、下げることができるので、ホイールの第1のセット34、又は、ホイールの第2のセット36のいずれかは、任意の1回で、レール22a、22bのそれぞれのセットに係合される。
ホイール34の第1のセットがレール22aの第1のセットに係合され、ホイールの第2のセット36がレール22から完全に持ち上げられているとき、車両32中に収納されている駆動メカニズム(示されていない)を介して、荷積み取り扱いデバイス30をX方向に移動させるために、ホイール34を駆動することができる。Y方向に荷積み取り扱いデバイス30を移動させるために、ホイールの第1のセット34は、レール22から完全に持ち上げられて、ホイールの第2のセット36は、レール22aの第2のセットとの係合の中に下げられる。その後、駆動メカニズムを使用して、ホイールの第2のセット36を駆動して、Y方向における移動を達成することができる。
荷積み取り扱いデバイス30は、クレーンデバイス40を装備している。クレーンデバイス40は、車両32の頂部から横方向に伸長するカンチレバーアーム42を備えている。グリッパプレート44は、4本のケーブル46によりカンチレバーアーム42から吊下げられている。ケーブル46は、車両32内に収納されている(示していない)巻き線メカニズムに接続されている。ケーブル46は、カンチレバーアーム42に、又は、カンチレバーアーム42から巻き取られることができ、車両32に関するグリッパプレート44のポジションをZ方向に調節できる。
グリッパプレート44は、容器10の頂部と係合するように適合されている。例えば、グリッパプレート44は、容器10の最上面を形成するリム中の(示していない)対応する穴と結合する(示していない)ピンと、容器10を把持するためにリムと係合可能な(示していない)スライドクリップを含んでいてもよい。ケーブル46自体を通して又は(示していない)別個の制御ケーブルを通して伝えられる信号によって電力供給され、制御される、グリッパプレート44内に収容される適切な駆動メカニズムによって、クリップは、容器10と係合するように駆動される。
スタック12の頂部から容器10を取り除くために、グリッパプレート44がスタック12の上に位置付けられるように荷積み取り扱いデバイス30を必要に応じてX及びY方向に移動させる。グリッパプレート44は、その後、図3(c)中に示すように、スタック12の頂部上の容器10と係合するように、Z方向に垂直に下げられる。グリッパプレート44は、容器10を把持し、その後、取り付けられた容器10とともに、ケーブル46上に引っ張り上げられる。その垂直移動の頂部において、容器10は、カンチレバーアーム42の下に収容され、レール22のレベル上に保持される。このような方法で、容器10を別のロケーションに輸送するために、X−Y平面において異なるポジションに荷積み取り扱いデバイス30を移動させることができ、荷積み取り扱いデバイス30とともに容器10を運ぶ。ケーブル46は、荷積み取り扱いデバイス30が、フロアレベルを含むスタック12の任意のレベルから容器を取り出し、置くことができるように十分長い。車両32は、容器10の重量のつり合いをとるために、及び、持ち上げプロセスの間安定させるために、十分重い。車両32の重量は、ホイール34、36の駆動メカニズムに電力供給するために使用されるバッテリーの一部を備えてもよい。
図4中に示すように、複数の同じ荷積み取り扱いデバイス30が設けられ、各荷積み取り扱いデバイス30は、システムのスループットを増加させるために、同時に動作できる。図4中に図示したシステムは、容器10がシステム中に又はシステムから輸送されることができる、ポート24として知られている2つの特定のロケーションを含んでいる。(示していない)さらなるコンベヤシステムは、各ポート24に関係付けられ、荷積み取り扱いデバイス30によってポート24に輸送される容器10は、コンベヤシステムによって別のロケーション、例えば、(示していない)ピッキングステーションに輸送されることができる。同様に、外部ロケーション、例えば、(示していない)容器詰めステーションからコンベヤシステムによって、容器10をポート24に移動でき、システム中のストックを補充するために、荷積み取り扱いデバイス30によりスタック12に輸送できる。
各荷積み取り扱いデバイス30は、同時に1つの容器10を持ち上げ、移動することができる。スタック12の頂部上に位置付けられていない容器10(「ターゲット容器」)を取り出す必要がある場合、上に横たわる容器10(「非ターゲット容器」)は、ターゲット容器10へのアクセスを可能にするために、最初に移動しなければならない。
荷積み取り扱いデバイス30のそれぞれは、中央コンピュータの制御下にある。システム中の各個々の容器10は追跡され、適切な容器10を取り出し、輸送し、必要に応じて置き換えることができる。
図1から4を参照して説明するシステムは、多くの利点を有し、広範囲の保管と取り出し動作に適している。特に、これは、製品の非常に密な保管を可能にし、容器10中に大規模な範囲の異なるアイテムを保管する非常に経済的な方法を提供する一方で、ピッキングのために必用とされるとき、容器10のすべてへの合理的で経済的なアクセスを可能にする。
動作のスピードが重要な高容量システムについて、動作のスピード、バッテリー寿命、信頼性、持ち上げキャパシティ、安定性等に関して、荷積み取り扱いデバイスのそれぞれの性能を最大化することが重要である。したがって、これらのエリアのうちの1つ以上において向上した性能を提供する、荷積み取り扱いデバイスを提供することが望ましいかもしれない。
アイテムを保管システムから取り出すことができるスピードの増加を可能にするように、任意の一回に使用する際の荷積み取り扱いデバイスの数を増加させることも望ましい。例えば、参照によってここにその内容が組み込まれる出願人の同時係争中の国際特許出願番号PCT/GB2013/051215は、複数の2つの異なるタイプのそれぞれの荷積み取り扱いデバイスが提供されている保管システムを説明している。荷積み取り扱いデバイスの1つのタイプは、スタック中のターゲット容器が第2のタイプの単一容器荷積み取り扱いデバイスによってアクセスできるようにするために、1つの動作でスタックから複数の容器を持ち上げるように適合されている。このようなケースでは、他のデバイスの存在によって1つのデバイスに対する最適な移動経路が妨げられるインスタンスを最小化させるために、荷積み取り扱いデバイスのサイズを低減させることが望ましいかもしれない。
これは、本発明が考案しているこの背景に不利である。
本発明にしたがうと、保管システム中のスタックに積み重ねられているコンテナを持ち上げ、移動するための荷積み取り扱いデバイスが提供され、システムは、コンテナのスタックの上に格子パターンで配置された複数のレール又は軌道を備え、格子パターンは、複数の格子スペースを備え、各スタックは、単一の格子スペースのみの専有面積内に位置付けられ、荷積み取り扱いデバイスは、スタックの上のレール又は軌道上を横方向に移動するように構成され、荷積み取り扱いデバイスは、持ち上げメカニズムをさらに備え、持ち上げメカニズムは、グリッパデバイスを備え、グリッパデバイスは、上からコンテナを把持するように構成され、荷積み取り扱いデバイスは、上部と下部を有する本体を備える車両と、上部は、電力コンポーネント、及び/又は制御コンポーネント、及び/又は駆動コンポーネント及び/又は持ち上げコンポーネントのような、コンポーネントを収容するためのものであり、下部は、上部の直下に配置されており、下部は、コンテナとホイール組立体を収容するための空洞を備え、ホイール組立体は、第1の方向にデバイスの移動をガイドするように第1のセットのレール又は軌道と係合するためのホイールの第1のセットと、第2の方向にデバイスの移動をガイドするように第2のセットのレール又は軌道と係合するためのホイールの第2のセットとを備え、第2の方向は、第1の方向に対して横向きであり、空洞に対してグリッパデバイスを持ち上げる、及び、下げるように構成されている持ち上げメカニズムと、を備えること特徴とし、持ち上げメカニズムは、空洞の上に位置付けられ、ホイール組立体は、ホイールポジショニングメカニズムをさらに備え、ホイールポジショニングメカニズムは、ホイールの第1のセットを第1のセットのレール又は軌道に、あるいは、ホイールの第2のセットを第2のセットのレール又は軌道に、のいずれかに選択的に係合する手段を備え、それにより、荷積み取り扱いデバイスが格子に渡る第1又は第2の方向のいずれかに選択的に移動できるようにする。
1つの態様から、本発明は、複数のコンテナのスタックを含む格子フレームを備える保管システムにおいて使用するための、荷積み取り扱いデバイスに関する。荷積み取り扱いデバイスは、コンテナのスタックの上に配置されており、スタックからコンテナを持ち上げ、コンテナを別のロケーションへと横方向に移動させることができる。有利なことに、各荷積み取り扱いデバイスは、保管システム中の単一の格子スペースのみを占有する。
本発明の実施形態にしたがう荷積み取り扱いデバイスは、コンテナを持ち上げることができるコンテナ収容スペースを含んでいる。コンテナ収容スペースは、電力コンポーネント、制御コンポーネント、駆動コンポーネント及び持ち上げコンポーネントのようなコンポーネントが収容されている車両モジュールの下に配置されている。
荷積み取り扱いデバイスの大きなコンポーネントをコンテナ収容スペース上の配置することにより、荷積み取り扱いデバイスの専有面積は、大きなコンポーネントがコンテナ収容スペースの片側に配置されている車両モジュール中に収容されている、図3(a)から3(c)中に示し、NO317366中で説明しているカンチレバー設計と比較して低減される。有利なことに、本発明の荷積み取り扱いデバイスは、2つのスタック上のスペースを占有する図3(a)から3(c)中に示すカンチレバー設計とは対照的に、フレーム中のコンテナスタックの1つだけの上のスペースを占有する。これは、低減された占有面積がより多くの荷積み取り扱いデバイスを収容できるようにし、1つのデバイスが別の最適な経路を妨害する可能性を低減させることから、本発明のおかげで、保管システムの動作の効率性が向上することを意味する。
荷積み取り扱いデバイスは、好ましくは、スタックの上の荷積み取り扱いデバイスを支持するための、ホイールのセットを含んでいる。例えば、荷積み取り扱いデバイスの横方向の移動は、フレーム上に配置されているレールによってガイドされてもよい。レールは、格子パターンで配置されてもよく、水平平面において荷積み取り扱いデバイスの2次元移動を可能にする。ホイールは、レールと係合してもよい。第1の方向に第2の取り扱いデバイスの移動をガイドするように第1のセットのレールと係合するように配置されている1つのセットと、第2の方向に第2の取り扱いデバイスの移動をガイドするように第2のセットのレールと係合するように配置されている別のセットとである、2つのセットのホイールが提供されてもよい。
ホイールは、コンテナ収容スペースの周辺に配置される。本発明の1つの態様において、ホイールは、車両モジュール中に収容されている1つ以上のモーターによって駆動されてもよく、駆動は、コンテナ収容スペースの周りに配置されている伝達手段によって、車両モジュール中のモーターからホイールに伝達されてもよい。例えば、駆動伝達手段は、プーリと駆動ベルトの適切な配置を備えていてもよい。
1つのセットのホイール又は両方のセットのホイールは、他のホイールのセットに関して持ち上げる及び下げるように構成されていてもよい。1つ以上のホイール持ち上げモーター又は他のホイール持ち上げデバイスは、この目的のために、車両モジュール中に収容されてもよい。
車両モジュールは、コンテナ収容スペースへとコンテナを持ち上げるためのウインチ又はクレーンデバイスを収容してもよい。クレーンデバイスは、コンテナを持ち上げるための1つ以上のモーターを含んでいてもよく、クレーンでバスのその又は各モーターは、車両モジュール中に収容されてもよい。
クレーンデバイスは、上からコンテナを把持するように構成されているグリッパデバイスを含んでいてもよい。グリッパデバイスは、グリッパデバイスを垂直に移動させるように、車両から伸長及び収縮できるケーブルから吊下げられてもよい。
荷積み取り扱いデバイスは、単一のコンテナをスタックからコンテナ収容スペースへと持ち上げるように配置されている持ち上げデバイスを装備している。持ち上げデバイスは、コンテナ収容スペースのいずれかの側面に配置されている持ち上げアームの対を備えていてもよく、このケースにおいて、持ち上げデバイスは、アームの端の間に据え付けられ、上からコンテナを把持するように配置されているグリッパデバイスを備えていてもよい。
持ち上げデバイスは、コンテナの側壁に形成されている垂直みぞと係合するように配置されているロッド又はケーブルを備えている。みぞは、各コンテナの頂面の開口によってアクセスされてもよい。このような配置において、保管システム中の垂直伸長スペースは、必ずしも必用ではない。
ロッド又はケーブルは、コンテナと解除可能に係合するように配置されているアンカーメカニズムを伝えてもよい。例えば、アンカーメカニズムは、コンテナの表面を係合するために、1つ以上の横方向に伸長可能なアームを備えていてもよい。アンカーメカニズムは、例えば、ロッド又はケーブルの管状ボアを通して伸長するワイヤによって、遠隔で動作してもよい。
荷積み取り扱いデバイスは、上部、コンテナ収容スペースを含む下部、及びコンテナをコンテナ収容スペースに持ち上げるためのウインチ手段をさらに備えている。ウインチ手段は、コンテナ収容スペース上の、上部に収容されているウインチモーターを備えている。下部は、フレームに関して荷積み取り扱いデバイスの横方向の移動を促進するホイール組立体を含み、上部は、ホイール組立体の1つ以上のホイールを駆動するための少なくとも1つのモーターも含んでいる。
下部は、ホイール組立体のホイールを支持するためのフレーム構造体を備えていてもよい。フレーム構造体は、コンテナ収容スペースの周りに配置されてもよい。例えば、コンテナ収容スペースは、フレーム構造体によって4つの側面上に境界をつけられてもよい。フレーム構造体の1つ以上の要素は、ホイールの第2のセットに関してホイールの第1のセットを持ち上げ及び下げるように移動可能であってもよく、それにより、ホイールの第1のセット又はホイールの第2のセットのいずれかの第1又は第2のセットのレール又はトラックそれぞれとの係合を促進する。フレーム構造体の可動要素は、荷積み取り扱いデバイスの上部中に収容されているモーターによって駆動されてもよい。
本発明の荷積み取り扱いデバイスは、自走ロボット車両であることが好ましい。
別の態様から、本発明は、コンテナの複数のスタックを含むフレームと、上記で説明したような1つ以上の荷積み取り扱いデバイスとを備える保管システム中に存在する。各荷積み取り扱いデバイスは、コンテナの1つのスタックだけによって占有されるエリアに対応する単一の格子スペースを占有する。
別の態様では、本発明は、コンテナの複数のスタックを含むフレームを備える保管システム、単一の動作でスタックから複数のコンテナを持ち上げることができる第1の取り扱いデバイス、単一のコンテナを持ち上げ、コンテナを横方向に移動させることができる第2の取り扱いデバイスを備えている。第1及び第2の取り扱いデバイスは、フレームの上に配置され、異なるスタックにアクセスするために、独立して移動可能である。第2の取り扱いデバイスは、上記で説明したタイプのものであり、コンテナの1つのスタックだけに対応するスペースを占有する。
この態様において、単一のコンテナを持ち上げ、横方向に移動させることができる第2の取り扱いデバイスとともに、単一の動作でスタックから複数のコンテナを持ち上げることができる第1の取り扱いデバイスの提供は、スタックの中間又は底に位置付けられているコンテナを取り出そうとするとき、最適な解決法を提供する。このようなケースにおいて、ターゲットコンテナを取り出すために、2つの持ち上げ動作だけを実行する必要があり、これは、1つのコンテナだけ一度に持ち上げることができる先行技術の配置と比較して、取り出しプロセスのスピードと効率性を大幅に増加させる。
保管システムは、コンテナを保管システムから取り除く及び/又はコンテナを保管システムに追加する、1つ以上のポート位置をさらに備えていてもよい。本発明の荷積み取り扱いデバイスは、スタックからポート位置にターゲットを輸送できてもよい。コンテナは、ふたなしの容器を備えていてもよい。コンテナは、スタック中に形成されるとき、垂直方向に互いにインターロック又は係合するように配置されてもよい。
典型的な用途では、複数取り扱いデバイスは、複数のコンテナが同時に持ち上げられ、移動できるように用いられてもよい。取り扱いデバイスは、異なるタイプのものであってもよく、動作のスピード及び柔軟性により、システムのコスト及びエネルギー消費とバランスさせるように選択されてもよい。本発明の1つの利点は、荷積み取り扱いデバイスが1つだけのスタック上のスペースを占有することから、2つ以上のスタックスペースを占有する先行技術の荷積み取り扱いデバイス設計と比較して、複数デバイスシステムの効率性を向上できることである。効率性の向上は、所定のシステムにおいてより多くに荷積み取り扱いデバイスを収容できることから、低減されたデバイスの専有面積によって向上したスペースを使用してデバイスのルーティングを最適化することから、又は、これらの要因の組み合わせから生じるかもしれない。
本発明の各態様の好ましい及び/又はオプション的な特徴を、単独で、又は、本発明の他の態様における適切な組み合わせで使用してもよい。
図1は、既知の保管システムにおける、複数の容器のスタックを収納するためのフレーム構造体の概略的な斜視図である。
図2は、図1のフレーム構造体の一部の概略的な平面図である。
図3(a)は、図1及び図2のフレーム構造体による使用のための既知の荷積み取り扱いデバイスの、正面からの概略的な斜視図である。
図3(b)は、図1及び図2のフレーム構造体による使用のための既知の荷積み取り扱いデバイスの、後方からの概略的な斜視図である。
図3(c)は、容器を持ち上げた使用における、既知の荷積み取り扱いデバイスの概略的な斜視図である。
図4は、図1及び図2のフレーム構造体上に取り付けられている、図3(a)、図3(b)及び図3(c)において示されているタイプの複数の荷積み取り扱いデバイスを備えている既知の保管システムの概略的な斜視図である。 単なる例として、添付の図面の残りを参照して、本発明の実施形態を説明するが、同様の参照番号は、同様の特徴に対して使用されている。
図5は、本発明にしたがう、荷積み取り扱いデバイスの概略的な斜視図である。
図6は、デバイスの1つの可能性あるシステムアーキテクチャを示す、図5の荷積み取り扱いデバイスの概略的な斜視図である。
図7は、図5及び6の荷積み取り扱いデバイスの概略的な斜視破断図である。
図8は、本発明の第2の実施形態の概略的な斜視図であり、荷積み取り扱いデバイスは4つの移動モーターを備え、各モーターは、荷積み取り扱いデバイスの1つの側面上のホイールのセット上で作動する。
図9は、本発明の第3の実施形態の概略的な斜視図であり、荷積み取り扱いデバイスは、4つの可動側面を備え、各側面は、荷積み取り扱いデバイス内に位置付けられているモーターによって駆動する移動メカニズムを備えている。
図10は、本発明の第4の実施形態の概略的な斜視図であり、荷積み取り扱いデバイスは、2つのセットのホイールを備え、各ホイールのセットは、4つの個々に駆動するホイールを備え、各ホイールは、ホイールを軌道と係合する又は外すためのメカニズムを備えている。
図11は、本発明の第5の実施形態の概略的な斜視図を示しており、荷積み取り扱いデバイスは4つの側面を備え、各側面は2つのホイールを備え、各側面は、機械的ソレノイド及びピンシステムによって他の側面に関して持ち上げることが可能及び下げることが可能である。
図12は、本発明の第5の実施形態の概略的な斜視図を示しており、荷積み取り扱いデバイスは4つの側面を備え、各側面は2つのホイールを備え、各側面は、機械的ソレノイド及びピンシステムによって他の側面に関して持ち上げることが可能及び下げることが可能である。
図13a,bは、本発明の第5の実施形態の概略的な斜視図を示しており、荷積み取り扱いデバイスは4つの側面を備え、各側面は2つのホイールを備え、各側面は、機械的ソレノイド及びピンシステムによって他の側面に関して持ち上げることが可能及び下げることが可能である。
図5は、本発明の実施形態にしたがった、荷積み取り扱いデバイス100を図示している。荷積み取り扱いデバイス100は、上から、荷物としても知られている保管コンテナ又は容器106を持ち上げるためのウインチ又はクレーンメカニズムを装備した車両102を備えている。クレーンメカニズムは、ウインチケーブルとグラバープレート(grabber plate)を含んでいる。グラバープレ―トは、図1から4中に示したタイプの保管システムにおいて、コンテナ106のスタックからそれを持ち上げるために、コンテナ106の頂部を把持するように構成されている。荷積み取り扱いデバイスの重なり合う高さは、移動手段188がアクティブ化されたとき変化することが正しく認識されるだろう。
図6と7も参照すると、車両102は、上部112と下部114を備えている。
下部114は、保管システムのフレームの上部に設けられているレール上を進む2つのホイールのセット116、118により持ち上げられる。各ホイールのセット116、118のうちの少なくとも1つは、レールに沿って、車両102のX及びY方向への移動を可能にするように駆動される。以下に説明するように、1つのホイールのセット116は、残りのホイールのセットをレールに接触させたままそれぞれのレールから完全にホイールのセット116を持ち上げるように垂直に移動でき、それにより、車両102が方向を変えることを可能にする。
ホイール116、118は、下部114において、コンテナ収容凹部として知られている空洞又は凹部120sの周辺に配置されている。図6(a)中に示すように、クレーンメカニズム104によって容器106が持ち上げられるとき、凹部120は、容器106を収容するような大きさである。凹部120において、容器106が下のレールから完全に持ち上げられるとき、車両102は、異なるロケーションへと横方向に移動できる。ターゲットロケーション、例えば、別のスタック、保管システム中のアクセスポイント、又は、コンベヤベルトに達すると、容器106は、(図6(b)中に示すように)凹部120から下げられ、グラバープレート110から取り外されることができる。
車両102の上部112は、図6(c)中に示すように、荷積み取り扱いデバイスの非常に大きなコンポーネントのすべてを収容する。上部112は、バッテリー及び関係付けられている電子機器、制御装置及び通信デバイス、ホイール116、118を駆動するためのモーター、クレーンメカニズム104を駆動するためのモーター、並びに、他のセンサ及びシステムを収容する。
このような方法で、車両102の専有面積は、凹部120のホイール116、118のいずれかの側面を収容するだけには十分、容器106のサイズよりも大きい。言い換えると、車両102は、保管システムの単一の格子スペースを占有する。このような方法で、車両102は、したがって、X−Y平面に最小の可能性あるスぺ―スの量をとる。
互いに関するホイールのそのセット又は各セットを移動する機械コンポーネントは、荷積み取り扱いデバイスの下部114に位置付けられていることから、本発明の荷積み取り扱いデバイス100は、向上した安定性も提供できる。
図5から7に示すような、本発明の第1の実施形態において、ホイールの第1のセット116は、ホイールポジショニングメカニズムによって、レールから完全に持ち上げられる又はレールに下げられることができる。各ホイール116は、その外部端に枢動可能に据え付けられているアーム180上に据え付けられている。各アーム180の内部端は、それぞれのリンケージ182の下部端に接続されている。両方のリンケージ182の上部端は、共通リンケージ184の下部端に接続されている。次に、共通リンケージの上部端は、モーター、又は、ソレノイド、又は、ウォームギア、又は、主ねじメカニズム、又は、共通リンケージを上方に引く任意の適切な手段によって移動される。共通リンケージ184を上方に引くように移動手段188を動作することにより、ホイールの第1のセット116を持ち上げることができ、ホイールの第2のセット118は、単独でレールと係合し、車両102のY方向への移動を可能にする。共通リンケージ184を押すようにモーター188を動作することにより、レールと係合し、車両を持ち上げるように車両をホイールの第1のセット116を下方に移動させ、ホイールの第2のセット118は、示すように?レールから完全に持ち上げられ、車両102はX方向に移動できる。
第2のセットのホイール118は、車両102の下部114のいずれかの端に配置されている固定されたT字型の部品190に据え付けられている。
図7中に示す実施形態において、2つのモーターが必要とされることを認識すべきであり、ホイールのセット116のホイールのうちの2つを移動させるためのモーターと、荷積み取り扱いデバイスの反対側に配置されているセット116のホイールのうちの残りの2つを移動させるためのモーターである。このような方法で、1つの移動モーターは、ホイールのセットの半分のみを持ち上げるように作用する。モーター188は、独立して動作してもよく、各モーターは、いつでも、ホイールのセットの半分を持ち上げる又は下げると認識すべきである。しかしながら、方向を効率的に変更するために、モーター188は独立して動作するが、同時に、軌道から完全にホイールを持ち上げる。
本発明のこの実施形態において、ホイールを移動させるメカニズムは、車両本体の下部に配置されていることを認識すべきである。このような方法で、追加の重量は、車両本体の下に配置され、したがって、荷積み取り扱いデバイスの安定性を向上させる。
図8は、ホイールが荷積み取り扱いデバイスの各側面に配置され、それぞれは、図5から7を参照して説明した以前の実施形態中の1つのホイールのセットにのみ関係付けられているメカニズムを備える、本発明の第2の実施形態を示している。したがって、この実施形態において、荷積み取り扱いデバイスの各側面は、図5から7を参照して説明したようなモーターの移動とリンケージメカニズムを必要とすることを認識すべきである。これは、各側面が同じメカニズム、モーター手段を備え、重量が均等に分散されることから、荷積み取り扱いデバイスにさらなる安定性を提供することを認識すべきである。図8の実施形態は、4つのモーター手段が提供され、それぞれがホイールのセット116、118の半分を作動させる荷積み取り扱いデバイスを示している。
図9は、荷積み取り扱いデバイスの各側面上に配置されている2つのホイールが荷積み取り扱いデバイスの側面を備える可動側面パネルに回転可能に取り付けられている、本発明の第3の実施形態を示している。2つのホイール200は、本発明の別の実施形態にしたがう荷積み取り扱いデバイスのフレーム構造体210中に据え付けられている。以前の実施形態におけるように、この実施形態において、荷積み取り扱いデバイスは、デバイスの主要なコンポーネントを収容する上部112と容器を収容するための凹部120を有する下部とを有する車両を備えており、ホイール200は、凹部の4つの側部上に配置されている。
このケースにおいて、荷積み取り扱いデバイスのフレーム構造は、その間にホイール200を収容する2つの平行パネルを備えている。車両の上部112中に収容されているモーターから駆動をホイール200に伝達するために駆動手段が設けられる。荷積み取り扱いデバイスの上部に設けられる駆動手段は、任意の一回に荷積み取り扱いデバイスの1つの側面上の2つのホイール200に作用してもよいことを認識すべきである。このような方法で、空洞の上に位置付けられている単一のモーター手段は、ホイールのセット116の半分に作用してもよく、又は、それぞれのモーターがホイールのセット116の半分に作用する2つのモーターが設けられてもよい。
さらに図10を参照すると、本発明の第4の実施形態において、各ホイール200は、各ホイール200を独立して持ち上げる又は下げる、及び、必用に応じて軌道と係合する又は外すことができるようにする移動手段が提供されてもよい。この実施形態において、ホイール200それぞれは、駆動手段と移動手段を備えている。さらに、荷積み取り扱いデバイスの下部に位置付けられているメカニズムとコンポーネントを使用する際に、デバイスの安定性が向上する。
図11から13を参照すると、ホイール200又はホールのセット116及び118に対する移動手段の第5の実施形態が説明されている。図11は、荷積み取り扱いデバイスの各側面上に配置され、荷積み取り扱いデバイスの側面を備える可動側面パネルに取り付けられている2つのホイールを示している。図12及び13中に見えるように、パネルは、ピンと軌道メカニズムをさらに備え、パネルが荷積み取り扱いデバイスの側面上の本来位置にあるとき、ピンは軌道中に位置している。
パネルは、軌道中でピンを横方向に移動させるモーター又はソレノイドをさらに備え、パネルの内側の軌道の形状と、軌道中のピンの移動は、軌道中のピンの移動の方向に依存して、側面パネルを上方又は下方に移動させる。パネル中のこの移動は、各パネルに関係付けられているホイールを、適切に軌道から離昇させる、又は、軌道と係合させる。
このような方法で、同時に独立してパネルを移動させること、又は、車両の上部112に対して、共に移動するように対抗パネルが接続されることにより、この実施形態中のホイール200を持ち上げる又は下げることができる。パネルは、レール232を経由して車両の上部112の本体230に据え付けられる。レール232は、本体230に固定され、ピンは、レール232にスライド可能に据え付けられる。
図面のうちのいくつかは、荷積み取り扱いデバイスの1つの側面のみを示しているが、同一の構造が車両の反対側に設けられることが認識されるだろう。両方の構造が共通のモーターによって持ち上げられ、下げられ、したがって、4つのホイール200は、フレームに渡る第1の方向に伸長するレールにより、このホイールの第1のセット200の係合を制御するように一致して持ち上げられ、下げられることができる。単一のモーターによって、2つの対抗するパネルが持ち上げられ、下げられることができ、さらなるモーターによって、他の2つの対抗するパネルが持ち上げられ、下げられることが認識されるだろう。さらに、各パネルを独立して持ち上げ、下げるように、4つのパネルのそれぞれにモーターが設けられてもよい。
上記で説明したすべての実施形態において、モーターは、ソレノイド、又は、ウォームギア、又は、案内ねじメカニズム、又は、ベルト駆動システム、又は、移動メカニズムを駆動する他の何等かの適切な手段と置き換えられてもよいことを認識すべきである。
多くの異なるバリエーション及び修正が可能であることを認識すべきである。例えば、電力を適切なホイールのセットに向ける適切な伝達配置により、両方のホイールのセットは、単一のモーターによって動力供給されてもよい。モーターの代わりに、ホイールを持ち上げるために使用されるメカニズムは、リニアモーター又はピストンポンプのような、リニアアクチュエーターを使用してもよい。
上記で明示的に説明していない他のバリエーション及び修正も、当業者に明らかであろう。