エアゾール送出デバイスで使用するために、エアゾール前駆体の組成物に関する貯蔵部を提供することが望ましい。貯蔵部は、エアゾール送出デバイスの形成を向上させるように提供される。そのような貯蔵部を利用する準備がされているエアゾール送出デバイスを提供することも望ましい。
本開示は、エアゾール送出デバイス、そのようなデバイスを形成する方法、および、そのようなデバイスの要素に関する。エアゾール送出デバイスは、多孔性モノリシック材料で形成された1つまたは複数の構成要素または要素を組み込むことができる。1つまたは複数の実施形態では、多孔性モノリシック材料は、多孔性ガラスを備えることができる。具体的には、多孔性ガラスは、貯蔵部と液体搬送要素との一方または両方として利用することができる。1つまたは複数のさらなる実施形態では、多孔性モノリシック材料は、多孔性セラミックを備えることができる。具体的には、多孔性セラミックは、貯蔵部と液体搬送要素との一方または両方として利用することができる。
1つまたは複数の態様では、本開示はこのため、外側ハウジングと、液体を含む貯蔵部と、液体を気化させるように構成されたヒータと、液体をヒータに提供するように構成された液体搬送要素とを備えるエアゾール送出デバイスを提供することができる。具体的には、液体搬送要素と貯蔵部との一方または両方は、多孔性ガラスと多孔性セラミックとの一方または両方とすることができる多孔性モノリスで形成されている。1つまたは複数の実施形態では、エアゾール送出デバイスは、以下の記述に関して規定することができる。以下の記述は非限定的であり、任意の数、および/または順番で組み合わせることができる。
ヒータは、液体搬送要素上にプリントされているか、液体搬送要素に焼鈍され得る。
ヒータは、液体搬送要素の外側部分の加熱構成であり得る。ヒータは、液体搬送要素の放射加熱構成であり得る。
液体搬送要素の少なくとも一部分は、実質的に平坦とすることができ、ヒータが少なくとも部分的に、液体搬送要素の実質的に平坦な部分上に位置し得る。
液体搬送要素と貯蔵部との両方は、多孔性ガラスで形成することができる。
液体搬送要素と貯蔵部との両方は、多孔性セラミックで形成することができる。
液体搬送要素と貯蔵部との一方は、多孔性ガラスで形成され得、液体搬送要素と貯蔵部との他方は、多孔性セラミックで形成され得る。
貯蔵部と液体搬送要素とは、一体の要素とすることができる。
貯蔵部は、第1の多孔性を有することができ、液体搬送要素は、第1の多孔性とは異なる第2の多孔性を有することができる。
多孔性ガラスは、1つまたは複数のエッチング部を備えることができる。
多孔性セラミックは、1つまたは複数のエッチング部を備えることができる。
液体搬送要素は多孔性ガラスで形成することができ、液体搬送要素は、実質的に円筒状とすることができる。
液体搬送要素は多孔性セラミックで形成することができ、液体搬送要素は、実質的に円筒状とすることができる。
ヒータは、液体搬送要素の少なくとも一部分の周りに巻かれたワイヤとすることができる。貯蔵部は多孔性ガラスで形成することができ、液体搬送要素は、繊維のウィックとすることができる。貯蔵部は多孔性セラミックで形成することができ、液体搬送要素は、繊維のウィックとすることができる。
貯蔵部は繊維材料で形成することができ、液体搬送要素は、多孔性ガラスとすることができる。
貯蔵部は繊維材料で形成することができ、液体搬送要素は、多孔性セラミックとすることができる。
貯蔵部は、実質的に、壁を有する円筒の形状とすることができる。
繊維のウィックの1つまたは複数の部分は、貯蔵部の壁と流体接続している場合がある。
貯蔵部の壁は、1つまたは複数の溝を含むことができる。
この溝は、貯蔵部の壁の残りの部分の多孔性とは異なる多孔性を有することができる。
貯蔵部は、実質的に、中空の円筒の形状とすることができる。
液体搬送要素がコアおよびシェルを備えることができる。
シェルは、多孔性ガラスで形成することができる。
シェルは、多孔性セラミックで形成することができる。
コアは繊維材料で形成することができる。
多孔性ガラスまたは多孔性セラミックのシェルは、両側の端部を有することができ、液体搬送要素のコアは、多孔性ガラスまたは多孔性セラミックのシェルの両側の端部を越えて延びることができる。
ヒータはワイヤとすることができ、多孔性ガラスまたは多孔性セラミックのシェルの少なくとも一部分の周りに巻くことができる。
外側ハウジングが、空気の入口を備え得るとともに、エアゾールポートを有する吸い口を備え得る。
デバイスは、電力供給源と、圧力センサと、マイクロコントローラとの1つまたは複数をさらに備えることができる。
電力供給源と、圧力センサと、マイクロコントローラとの1つまたは複数が、外側ハウジングと接続可能である、別々の制御ハウジング内に配置され得る。
1つまたは複数の態様では、本開示は、エアゾール送出デバイスにおける使用に特に適する場合があるアトマイザに関する場合がある。例示的実施形態では、アトマイザは、液体のエアゾール前駆体の組成物の移送のために構成された実質的に平坦な多孔性モノリス蒸気基板と、実質的に平坦な多孔性モノリス蒸気基板の加熱構成にあるヒータとを備え得る。1つまたは複数の実施形態では、アトマイザは、以下の説明に関して規定することができる。以下の説明は非限定的であり、任意の数、および/または順番で組み合わせることができる。
多孔性モノリス蒸気基板は、多孔性ガラスである場合がある。
多孔性モノリス蒸気基板は、多孔性セラミックである場合がある。
アトマイザは、実質的に平坦な多孔性ガラス蒸気基板に接続された多孔性ガラス貯蔵部を備えることができる。
実質的に平坦な多孔性ガラス蒸気基板は、第1の多孔性を有することができ、多孔性ガラス貯蔵部は、第1の多孔性とは異なる第2の多孔性を有することができる。
実質的に平坦な多孔性ガラス蒸気基板と多孔性ガラス貯蔵部との一方または両方が、1つまたは複数のエッチング部を含み得る。
アトマイザは、実質的に平坦な多孔性セラミック蒸気基板に接続された多孔性セラミック貯蔵部を備えることができる。
アトマイザは、実質的に平坦な多孔性セラミック蒸気基板に接続された多孔性ガラス貯蔵部を備えることができる。
アトマイザは、実質的に平坦な多孔性ガラス蒸気基板に接続された多孔性セラミック貯蔵部を備えることができる。
1つまたは複数の態様では、本開示は、エアゾール送出デバイスにおける使用に特に適する場合がある流体移送要素に関する場合がある。例示的実施形態では、液体搬送要素は、ある長さを有し、ウィック材料で形成された細長いコアと、細長いコアの長さの少なくとも一部分に沿って細長いコアを囲むシェルであって、多孔性ガラスまたは多孔性セラミックとすることができる多孔性モノリスで形成されている、シェルと、を備えることができる。具体的には、ウィック材料は、繊維材料とすることができる。
本発明は、限定することなく、以下の実施形態を含んでいる。
実施形態1:外側ハウジングと、液体を含む貯蔵部と、液体を気化させるように構成されたヒータと、液体をヒータに提供するように構成された液体搬送要素とを備え、液体搬送要素と貯蔵部との一方または両方が多孔性ガラスで形成されている、エアゾール送出デバイス。
実施形態2:ヒータが、液体搬送要素上にプリントされているか、液体搬送要素に焼鈍されている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態3:ヒータが、液体搬送要素の放射加熱構成内にある、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態4:液体搬送要素の少なくとも一部分は、実質的に平坦であり、ヒータが少なくとも部分的に、液体搬送要素の実質的に平坦な部分上に位置する、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態5:液体搬送要素と貯蔵部との両方が、多孔性ガラスで形成されている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態6:貯蔵部と液体搬送要素とが一体の要素である、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態7:貯蔵部が第1の多孔性を有し、液体搬送要素が、第1の多孔性とは異なる第2の多孔性を有する、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態8:多孔性ガラスが1つまたは複数のエッチング部を備える、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態9:液体搬送要素が多孔性ガラスで形成され、液体搬送要素が実質的に円筒状である、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態10:ヒータが、液体搬送要素の少なくとも一部分の周りに巻かれたワイヤである、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態11:貯蔵部が多孔性ガラスで形成され、液体搬送要素が繊維のウィックである、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態12:貯蔵部が、実質的に、壁を有する円筒の形状とされている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態13:繊維のウィックの1つまたは複数の部分が、貯蔵部の壁と流体接続している、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態14:貯蔵部の壁が1つまたは複数の溝を含んでいる、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態15:1つまたは複数の溝が、貯蔵部の壁の残りの部分の多孔性とは異なる多孔性を有している、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態16:貯蔵部が、実質的に、中空円筒の形状とされている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態17:液体搬送要素がコアおよびシェルを備える、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態18:シェルが多孔性ガラスで形成されている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態19:コアが繊維材料で形成されている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態20:多孔性ガラスシェルが両側の端部を有し、液体搬送要素のコアが、多孔性ガラスシェルの両側の端部を越えて延びる、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態21:ヒータがワイヤであり、多孔性ガラスシェルの少なくとも一部分の周りに巻かれている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態22:外側ハウジングが、空気の入口を備えるとともに、エアゾールポートを有する吸い口を備える、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態23:デバイスが、電力供給源と、圧力センサと、マイクロコントローラとの1つまたは複数をさらに備える、前述または後述の実施形態のいずれかに係るエアゾール送出デバイス。
実施形態24:電力供給源と、圧力センサと、マイクロコントローラとの1つまたは複数が、外側ハウジングと接続可能である、別々の制御ハウジング内に配置されている、前述の実施形態のいずれかに説明のエアゾール送出デバイス。
実施形態25:多孔性モノリスで形成され、液体エアゾール前駆体の組成物を移送するために構成された蒸気基板と、蒸気基板の加熱構成にあるヒータと、を備えるアトマイザ。
実施形態26:貯蔵部をさらに備える、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態27:貯蔵部が多孔性モノリスで形成されている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態28:貯蔵部が蒸気基板に接続されている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態29:貯蔵部と蒸気基板とが一体の要素である、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態30:蒸気基板が第1の多孔性を有し、貯蔵部が、第1の多孔性とは異なる第2の多孔性を有している、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態31:蒸気基板と貯蔵部との一方または両方が、1つまたは複数のエッチング部を含んでいる、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態32:蒸気基板と貯蔵部との一方または両方が多孔性ガラスであるか、蒸気基板と貯蔵部との一方または両方が多孔性セラミックであるか、蒸気基板と貯蔵部との一方が多孔性ガラスであり、蒸気基板と貯蔵部との他方が多孔性セラミックである、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態33:貯蔵部が多孔性ガラスで形成され、蒸気基板が繊維のウィックである、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態34:貯蔵部が、実質的に、壁を有する円筒の形状とされている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態35:繊維のウィックの1つまたは複数の部分が、貯蔵部の壁と流体接続している、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態36:貯蔵部の壁が1つまたは複数の溝を含んでいる、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態37:1つまたは複数の溝が、貯蔵部の壁の残りの部分の多孔性とは異なる多孔性を有している、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態38:貯蔵部が、実質的に、中空円筒の形状とされている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態39:蒸気基板が実質的に平坦である、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態40:ヒータが少なくとも部分的に、蒸気基板の実質的に平坦な部分上に位置している、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態41:ヒータの少なくとも一部分が、蒸気基板の内部にある、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態42:蒸気基板が実質的に中空チューブの形態であるか、蒸気基板が、内部に形成されたチャネルを含んでいる、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態43:ヒータが、蒸気基板上にプリントされているか、蒸気基板に焼鈍されている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態44:ヒータが、蒸気基板の放射加熱構成にある、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態45:蒸気基板が多孔性ガラスで形成され、蒸気基板が実質的に円筒状である、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態46:ヒータが、蒸気基板の少なくとも一部分の周りに巻かれたワイヤである、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態47:蒸気基板がコアおよびシェルを備える、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態48:シェルが多孔性ガラスで形成されている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態49:コアが繊維材料で形成されている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態50:多孔性ガラスシェルが両側の端部を有し、液体搬送要素のコアが、多孔性ガラスシェルの両側の端部を越えて延びる、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態51:ヒータがワイヤであり、多孔性ガラスシェルの少なくとも一部分の周りに巻かれている、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザ。
実施形態52:外側ハウジングと、前述または後述の実施形態のいずれかに係るアトマイザとを備えたエアゾール送出デバイス。
実施形態53:ある長さを有し、ウィック材料で形成された細長いコアと、細長いコアの長さの少なくとも一部分に沿って細長いコアを囲むシェルであって、多孔性モノリスで形成されている、シェルと、を備える、エアゾール送出デバイスのための液体搬送要素。
実施形態54:ウィック材料が繊維材料である、前述の実施形態のいずれかに係る液体搬送要素。
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下に簡単に描かれた添付図面とともに、以下の詳細な説明を読むことから明らかとなる。本発明は、上述の実施形態の2、3、4、またはそれより多くの任意の組合せ、および、本開示に説明される特徴または要素の任意の2、3、4、またはそれより多くの組合せを、それら特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明確に組み合わせられているかに関わらず、含んでいる。本開示は、開示の発明の任意の分離された特徴または要素が、その様々な態様および実施形態のいずれかにおいて、前後関係により明確に別様に説明されていない限り、組み合わせることが可能であるものとして見られるものとされるように、全体的に読まれることが意図されている。
こうして、前述の一般的な用語で本開示を説明してきたが、ここで、必ずしも一定の比率に拡縮して示されていない添付図面を参照する。
本開示をここで、以下に本開示の例示的実施形態を参照してより完全に説明する。これら例示的実施形態は、本開示が完全で完結しているように、かつ、当業者に本開示の範囲を完全に伝達するように説明されている。さらに、本開示は、多くの異なる形態で実施され得、かつ、本明細書に説明される実施形態に限定されるものとしては解釈されないものとする。むしろ、それら実施形態は、本開示が、適用可能な法的要請を満たすように提供される。本明細書、および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数の形態「a」、「an」、「the」は、前後関係で別様に規定されていない限り、複数の参照を含んでいる。
以下に説明されるように、本開示の実施形態は、エアゾール送出システムに関する。
本開示に係るエアゾール送出システムは、吸入可能な物質を形成するために、材料を加熱する(好ましくは、いずれの著しい程度にも材料を燃焼せず、かつ/または、材料の著しい化学変化を伴わない)電気エネルギを使用し、また、そのようなシステムの構成要素は、もっとも好ましくは、手で保持するデバイスと見なされるように十分にコンパクトである物品の形態を有する。すなわち、好ましいエアゾール送出システムの構成要素の使用は、煙、すなわち、タバコの燃焼または熱分解の副産物からの煙を生成する結果にはならないが、むしろ、これら好ましいシステムの使用は、その中に組み込まれる特定の構成要素の揮発または気化の結果として生じる蒸気/エアゾールを生成する結果となる。好ましい実施形態では、エアゾール送出システムの構成要素は、電子タバコとして特徴付けられる場合があり、また、それら電子タバコは、もっとも好ましくは、タバコ、および/または、タバコを由来とする構成要素を組み込んでおり、このため、タバコを由来とする構成要素をエアゾールの形態で搬送する。
特定の好ましいエアゾール送出システムのエアゾール生成ピースは、その構成要素のいずれもかなりの程度の燃焼を伴わずに、タバコを発光および燃焼させること(そしてひいては、タバコの煙を吸引すること)によって使用される、シガレット、シガー、またはパイプの喫煙の多くの感覚(たとえば、吸引および放出の作法、味または香味のタイプ、感覚を刺激する効果、物理的感覚、使用作法、可視のエアゾールによって提供される刺激などの視覚的刺激など)を提供し得る。たとえば、本開示のエアゾール生成ピースのユーザは、喫煙者が伝統的なタイプの喫煙物品を使用するようにそのピースを保持および使用し、そのピースによって生成されるエアゾールの吸引のためにそのピースの一方の端部を吸い、選択された時間のインターバルで一服するかふかすなど、することができる。しかし、本明細書に説明のデバイスは、伝統的なシガレットのような実質的形状および寸法であるデバイスには限定されない。むしろ、本デバイスは、任意の形状を取る場合があり、また、伝統的なシガレットよりも実質的に大きくすることができる。
本開示のエアゾール送出デバイスは、やはり、蒸気生成機器または薬剤送達機器として特徴付けられ得る。こうして、そのような機器またはデバイスは、吸引可能な形態または状態で、1つまたは複数の物質(たとえば、香味料および/または薬学的に有効な成分)を提供するように適合させることができる。たとえば、吸入可能な物質は、実質的に、蒸気の形態(すなわち、その臨界点未満の温度では、気相である物質)とすることができる。代替的には、吸入可能な物質は、エアゾールの形態とすることができる(すなわち、気体中の微細な固体粒子または液滴の懸濁物質)。単純化の目的のために、本明細書で使用される「エアゾール」との用語は、可視であるか否かに関わらず、かつ、煙状であるものと見なされ得る形態であるか否かに関わらず、蒸気、気体、および、人間の吸引のために適している形態またはタイプのエアゾールを含むことが意味されている。
本開示のエアゾール送出デバイスは、概して、ハウジングと呼ばれる場合がある外側本体またはシェル内に提供される複数の構成要素を含んでいる。外側本体またはシェルの全体の設計は、様々とすることができ、また、エアゾール送出デバイスの全体のサイズおよび形状を規定することができる外側本体の形式または構成は、様々とすることができる。例示的実施形態では、シガレットまたはシガーの形状に類似の細長い本体は、単一の、一体のハウジングから形成することができるか、細長いハウジングは、2つ以上の分割可能な本体で形成することができる。たとえば、エアゾール送出デバイスは、形状をほぼ筒状とすることができ、それとして、従来のシガレットまたはシガーの形状に類似の、細長いシェルまたは本体を備えることができる。一実施形態では、エアゾール送出デバイスの構成要素のすべてが、1つのハウジング内に含まれている。代替的には、エアゾール送出デバイスは、結合されているとともに分割可能である、2つ以上のハウジングを備えることができる。たとえば、エアゾール送出デバイスは、一方の端部において、制御本体を保持することができる。この制御本体は、1つまたは複数の構成要素(たとえば、バッテリおよび、その機器の動作を制御するための様々な電子機器)を包含するハウジングを備える。また、エアゾール送出デバイスは、他方の端部において、取外し可能に取り付けられた外側本体またはシェルを保持することができる。この外側本体またはシェルは、エアゾール形成構成要素(たとえば、香味およびエアゾール形成器、1つもしくは複数のヒータ、ならびに/または、1つもしくは複数のウィックなどの、1つまたは複数のエアゾール前駆体構成要素)を包含している。
本開示のエアゾール送出デバイスは、実質的には形状が筒状ではない外側ハウジングまたはシェルで形成することができるが、実質的により大である寸法に形成される場合がある。すなわち、ユーザの手のひらで保持されるために実質的に「手のひらサイズ」である場合がある。ハウジングまたはシェルは、吸い口を含むように構成することができ、かつ/または、液体のエアゾール形成器などの消耗可能要素を含むことができ、かつ、蒸発器またはアトマイザを含むことができる別のシェル(たとえば、カートリッジ)を受領するように構成され得る。
本開示のエアゾール送出デバイスは、もっとも好ましくは、電源(すなわち、電力供給源)と、少なくとも1つの制御構成要素(たとえば、電源から機器の他の構成要素の流れる電流を制御するなどにより、発熱のための電力を作動させ、制御し、調整、また、停止させるための手段、たとえば、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ)と、ヒータまたは発熱部材(たとえば、単独であるか、1つまたは複数のさらなる要素と組み合わせられる、電気抵抗性加熱要素または他の構成要素が、一般的に「アトマイザ」と呼ばれ得る)と、エアゾール前駆体組成物(たとえば、「smoke juice」、「e−liquid」、および「e−juice」と一般的に呼ばれる材料などの、十分な熱を適用した場合に生じるエアゾールの生成を可能にする液体)と、エアゾールの吸引のためのエアゾール送出デバイスでの吸引を可能にするための吸い口またはマウス領域(たとえば、生成されたエアゾールが、吸引されるとそこから吸い出され得るような、機器を通る規定の空気流路)と、のいくつかの組合せを備える。
本開示のエアゾール送出システム内の構成要素のより特定の形式、構成、および配置は、本明細書に以下に提供されるさらなる開示に照らして、明らかになる。さらに、様々なエアゾール送出システムの構成要素の選択および配置は、本開示の背景技術のセクションで参照されたこれら代表的製品などの、商業利用可能な電子エアゾール送出デバイスを考慮して理解することができる。
本開示に係るエアゾール送出デバイスに利用され得る構成要素を説明するエアゾール送出デバイス100の1つの例示的実施形態が、図1に提供されている。図1に示されている破断図に見られるように、エアゾール送出デバイス100は、制御本体102と、恒久的または取外し可能に、機能する関係で整列され得るカートリッジ104とを備えることができる。制御本体102とカートリッジ104との係合は、(図示のような)圧入、ネジ込み、締まりばめ、磁石によるものなどとすることができる。具体的には、本明細書にさらに説明するような接続構成要素が使用され得る。たとえば、制御本体は、カートリッジのコネクタに係合するように適合したカプラを含み得る。
特定の実施形態では、制御本体102とカートリッジ104との一方または両方が、使い捨て可能であるか、再利用可能であるものとして参照される場合がある。たとえば、制御本体は、交換可能なバッテリを有する場合があるか、再充電可能なバッテリを有する場合があり、このため、通常の電気出力との接続、車の充電器(すなわち、シガーソケット)との接続、および、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ケーブルを通すなどの、コンピュータとの接続を含む、任意のタイプの再充電技術と組み合わせられ得る。たとえば、一方の端部にUSBコネクタ、反対側の端部に制御本体コネクタを含むアダプタが、Novakらに対する米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に開示されている。この文献は、その全体において参照することにより、本明細書に組み込まれる。
さらに、いくつかの実施形態では、カートリッジは、Changらに対する米国特許第8910639号明細書に開示されているような、使い捨てのカートリッジを備える場合がある。この文献は、その全体において参照することにより、本明細書に組み込まれる。
図1に示されているように、制御本体102は、制御構成要素106(たとえば、プリント回路基板(PCB)、集積回路、メモリ構成要素、マイクロコントローラなど)、流れセンサ108、バッテリ110、およびLED112を含むことができる制御本体シェル101で形成することができ、そのような構成要素は、様々に整列させることができる。さらなる表示機(たとえば、触覚フィードバック構成要素、音声フィードバック構成要素など)が、LEDに加えて、またはLEDに対して代替的に、含まれ得る。発光ダイオード(LED)構成要素などの可視的刺激または指標を与える構成要素、ならびに、それらの構成および使用のさらなる代表的なタイプが、Sprinkelらに対する米国特許第5154192号明細書、Newtonに対する米国特許第8499766号明細書、および、Scatterdayに対する米国特許第8539959号明細書、ならびに、Searsらに対する、2014年2月5日に出願された、米国特許出願番号第14/173,266号に記載されている。これら文献は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
カートリッジ104は、貯蔵部144を包含するカートリッジシェル103で形成され得る。貯蔵部144は、貯蔵部ハウジング内に貯蔵されたエアゾール前駆体の組成物を、ヒータ134に毛管作用で運ぶか、別様に移送するように適合した液体搬送要素136と流体連通している。電流が通された際に熱を生成するように構成された材料の様々な実施形態が、抵抗性加熱要素134を形成するように使用され得る。ワイヤコイルを形成し得る例示的材料には、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二珪化モリブデン(MoSi2)、モリブデンシリサイド(MoSi)、アルミニウムが添加された珪化モリブデン(Mo(Si,Al)2)、チタン、白金、銀、パラジウム、グラファイトならびにグラファイトベースの材料(たとえば、カーボンベースのフォームおよびヤーン)、ならびにセラミック(たとえば、正または負の温度係数のセラミック)が含まれる。本明細書にさらに説明するように、ヒータは、レーザダイオードを含み、電磁放射を提供するように構成された様々な材料を含む場合がある。
開口128は、カートリッジ104から形成されたエアゾールが出ることを可能にするためにカートリッジシェル103(たとえば、吸い口)に存在する場合がある。そのような構成要素は、カートリッジ内に存在し得る構成要素を代表するものであり、本開示に包含されるカートリッジ構成要素の範囲を限定することは意図していない。
カートリッジ104は、やはり、1つまたは複数の電子的構成要素150を含み得る。電子的構成要素150には、集積回路、メモリ構成要素、センサなどが含まれている場合がある。電子的構成要素150は、制御構成要素106および/または外部デバイスと、有線または無線手段によって通信するように適合され得る。電子的構成要素150は、カートリッジ104またはそのベース140内の任意の場所に配置され得る。
制御構成要素106と流れセンサ108とが別々に図示されているが、制御構成要素と流れセンサとは、電子回路基板として、この基板に直接取り付けられた空気流センサと組み合わせられ得ることを理解されたい。さらに、電子回路基板は、図1の表示に対して水平に配置され得る。この中で、電子回路基板は、制御本体の中心軸に対して平行に長くすることができる。いくつかの実施形態では、空気流センサは、それ自体の回路基板、または、空気流センサを取り付けることができる他のベース要素を備える場合がある。いくつかの実施形態では、可撓性回路基板が利用され得る。可撓性回路基板は、ほぼ筒状の形状を含み、様々な形状に構成され得る。
制御本体102とカートリッジ104とは、これらの間の流体係合を促進するように適合した構成要素を含む場合がある。図1に示すように、制御本体102は、内部にキャビティ125を有するカプラ124を含み得る。カートリッジ104は、カプラ124と係合するように適合したベース140を含むことができ、また、キャビティ125内にフィットするように適合した突起141を含むことができる。そのような係合は、制御本体102とカートリッジ104との間の安定した接続を促進し、また、バッテリ110と、制御本体内の制御構成要素106、および、カートリッジ内のヒータ134との間の電気接続を確立することができる。さらに、制御本体シェル101は、エアインテーク118を含むことができる。このエアインテーク118はシェル内のノッチである場合があり、このノッチにおいて、エアインテーク118がカプラ124に接続される。これにより、カプラの周囲の空気をシェル内に通すことを可能にし、こうして、カプラのキャビティ125を通し、突起141を通ってカートリッジ内に入る。
本開示に従って有用であるカプラおよびベースは、Novakらに対する米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されている。この文献の開示は、その全体において参照することにより、本明細書に組み込まれる。たとえば、図1に見られるようなカプラは、ベース140の内周142と勘合するように構成された外周126を規定する場合がある。一実施形態では、ベースの内周は、カプラの外周の半径にほぼ等しいか、わずかに大である半径を規定し得る。さらに、カプラ124は、ベースの内周に規定された1つまたは複数の凹部178と係合するように構成された、外周126における1つまたは複数の凸部129を規定し得る。しかし、構造、形状、および構成要素の様々な他の実施形態は、ベースをカプラに結合するために使用され得る。いくつかの実施形態では、カートリッジ104のベース140と、制御本体102のカプラ124との間の接続は、実質的に恒久的である場合があり、一方、他の実施形態では、それらの間の接続は、たとえば、制御本体が、使い捨てであり、かつ/または再充填可能である場合がある1つまたは複数の追加のカートリッジで再使用され得るように、取外し可能である場合がある。
エアゾール送出デバイス100は、いくつかの実施形態では、実質的にロッド状であるか、実質的に管状形状であるか、実質的に円筒状形状である場合がある。他の実施形態では、たとえば、矩形または三角形の断面、複数面形状など、さらなる形状および寸法が包含される。
図1に示される貯蔵部144は、液体を吸収するために構成され、かつ/または液体を吸着する、コンテナまたは嵩などの、液体を保持するために構成された任意の設計を取ることができる。たとえば、現在説明されているような、繊維状の貯蔵部か多孔性モノリスである。図1に示すように、貯蔵部144は、カートリッジシェル103の内部を包囲するチューブの形状に実質的に形成された不織繊維の1つまたは複数の層を備え得る。エアゾール前駆体の組成物は、貯蔵部144内に保持され得る。たとえば、液体構成要素は、貯蔵部144によって収着されて保持され得る。貯蔵部144は、液体搬送要素136と流体接続させることができる。液体搬送要素136は、貯蔵部144内に貯蔵されたエアゾール前駆体の組成物を、毛管作用を介して加熱要素134に搬送することができる。加熱要素134は、この実施形態では、金属のワイヤコイルの形態である。それとして、加熱要素134は、液体搬送要素136の加熱構成である。
使用時には、ユーザが機器100を吸うと、空気流がセンサ108によって検出され、加熱要素134が作動し、エアゾール前駆体の組成物のための構成要素が、加熱要素134によって気化される。機器100の吸い口で吸うことにより、周囲の空気がエアインテーク118内に入り、カプラ124内のキャビティ125、および、ベース140の突起141の中心開口を通る。カートリッジ104内では、吸われた空気が、形成された蒸気と合わせられて、エアゾールを形成する。エアゾールが、加熱要素134から、機器100の吸い口のマウス開口128を出て毛管作用で通されるか、吸引されるか、別様に吸い出される。
入力要素は、エアゾール送出デバイスに含まれる場合がある。入力は、ユーザがデバイスの機能を制御することを可能にするため、および/または、ユーザに対する出力情報のために、含まれ得る。任意の構成要素、または各構成要素の組合せが、デバイスの機能を制御するための入力として利用され得る。たとえば、1つまたは複数のプッシュボタンが、Wormらに対する、2014年2月28に出願された、米国特許出願番号第14/193,961号に記載のように使用され得る。この文献は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。同様に、タッチスクリーンが、Searsらに対する、2015年3月10に出願された、米国特許出願番号第14/643,626号に記載のように使用され得る。この文献は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。さらなる例として、エアゾール送出デバイスの特定の動きに基づく動作の認識のために適用される構成要素は、入力として使用され得る。Henryらに対する、2014年12月9日に出願された、米国特許出願番号第14/565,137号を参照されたい。この文献は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、入力は、スマートフォンまたはタブレットなどのコンピュータまたはコンピュータデバイスを備え得る。具体的には、エアゾール送出デバイスは、USBコードまたは類似のプロトコルの使用を介するなど、コンピュータまたは他のデバイスにワイヤで繋がれている場合がある。エアゾール送出デバイスは、やはり、無線通信を介して入力として作用するコンピュータまたは他のデバイスと通信している場合がある。たとえば、Ampoliniらに対する、2014年7月10日に出願された米国特許出願番号第14/327,776号に記載のような、読取り要求を介してデバイスを制御するためのシステムおよび方法を参照されたい。この文献の開示は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。そのような実施形態では、APPまたは他のコンピュータプログラムが、コンピュータまたは他のコンピュータデバイスと組み合わせて使用されて、制御指示をエアゾール送出デバイスに入力し得る。そのような制御指示には、たとえば、ニコチン含有量および/または含まれることになるさらなる香味料の含有量を選択することにより、特定の組成物のエアゾールを形成する能力が含まれている。
本開示に係るエアゾール送出デバイスの様々な構成要素は、当該技術において記載され、商業利用可能である構成要素から選択することができる。本開示に従って使用することができるバッテリの例は、Peckerarらに対する米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に記載されている。この文献の開示は、その全体において参照することにより、本明細書に組み込まれる。
エアゾール送出デバイスは、エアゾールの生成が所望である場合(たとえば、使用中に吸われる際)に、発熱要素への電力の供給の制御のために、センサまたは検出器を組み込むことができる。それとして、たとえば、エアゾール送出デバイスが使用中に吸われない場合に、発熱要素への電力供給をオフにするため、および、吸っている間に発熱要素によって熱の生成が作動するか引き起こされるように電力供給をオンにするための方式または方法が提供されている。
さらなる代表的なタイプの検知機構または検出機構、その構造および構成、その構成要素、ならびに、その動作の一般的方法が、Sprinkel,Jr.に対する米国特許第5261424号明細書、McCaffertyらに対する米国特許第5372148号明細書、および、Flickに対するPCT国際公開第2010/003480号明細書に記載されている。これら文献は参照することにより、本明細書に組み込まれる。
エアゾール送出デバイスは、もっとも好ましくは、吸引の間に発熱要素への電力量を制御するための制御機構を組み込んでいる。電子的構成要素、その構造および構成、その特徴、ならびにその動作の一般的方法の代表的なタイプが、Gerthらに対する米国特許第4735217号明細書、Brooksらに対する米国特許第4947874号明細書、McCaffertyらに対する米国特許第5372148号明細書、Fleischhauerらに対する米国特許第6040560号明細書、Nguyenらに対する米国特許第7040314号明細書、Panに対する米国特許第8205622号明細書、Fernandoらに対する米国特許出願公開第2009/0230117号明細書、Collettらに対する米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Ampoliniらに対する米国特許出願公開第2014/0270727号明細書、および、Henryらに対する、2014年3月13日に出願された、米国特許出願番号第14/209,191号に記載されている。これら文献は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
基板、貯蔵部、または、エアゾール前駆体を支持するための他の構成要素の代表的なタイプは、Newtonに対する米国特許第8528569号明細書、Chapmanらに対する米国特許出願公開第2014/0261487号明細書、および、Davisらに対する米国特許出願公開第2014/0059780号明細書、ならびに、Blessらに対する、2014年2月3日に出願された米国特許出願番号第14/170,838号に記載されている。これら文献は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。さらに、特定のタイプの電子タバコの中にある、様々なウィック材料、ならびに、これらウィック材料の構成および動作は、米国特許第8910640号明細書に述べられている。この文献は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
電子タバコとして特徴付けられているエアゾール送出システムに関し、エアゾール前駆体の組成物は、もっとも好ましくは、タバコ、または、タバコに由来する構成要素を組み込んでいる。1つの点において、タバコは、細かくすりつぶされるか、ミリングされるか、パウダー状にされたタバコの薄片などの、タバコのパーツまたはピースとして提供され得る。別の点において、タバコは、タバコの水溶性構成要素を多く組み込んでいる、噴霧乾燥された抽出物などの、抽出物の形態で提供され得る。代替的には、タバコの抽出物は、比較的高いニコチン含有量の抽出物の形態を有する場合があり、この抽出物は、やはり、タバコに由来する、わずかな量の他の抽出された構成要素を組み込んでいる。別の点において、タバコに由来する構成要素は、タバコに由来する特定の香味剤などの、比較的純粋な形態で提供され得る。1つの点において、タバコに由来する構成要素、および、高度に精製されるか基本的に純粋な形態で使用され得る構成要素は、ニコチン(たとえば、薬学グレードのニコチン)である。
エアゾール前駆体の組成物は、蒸気前駆体の組成物としても言及され、例として、多価アルコール(たとえば、グリセリン、プロピレン、グリコール、もしくはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物、および/または、風味剤を含む、様々な構成要素を備え得る。エアゾール前駆体の組成および構成の代表的なタイプは、やはり、Robinsonらに対する米国特許第7217320号明細書、Zhengらに対する米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Chongらに対する米国特許出願公開第2013/0213417号明細書、Collettらに対する米国特許出願公開第2014/0060554明細書、Lipowiczらに対する米国特許出願公開第2015/0020823号明細書、およびKollerに対する米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびに、Bowenらに対する国際公開第2014/182736号明細書に述べられるとともに特徴付けられている。これら文献の開示は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。使用され得る、他のエアゾール前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)の製品、Lorillard TechnologiesによるBLU(TM)の製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOLの製品、および、CN Creative LtdによるVYPEの製品に組み込まれているエアゾール前駆体が含まれている。やはり好まれているのは、Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能である電子タバコに関する、いわゆる「smoke juices」である。
エアゾール送出システム内に組み込まれているエアゾール前駆体の量は、エアゾール生成ピースが、許容可能な感覚、および、所望のパフォーマンスの特性を提供するようになっている。たとえば、十分な量のエアゾール形成材料(たとえば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)が、多くの点に関し、タバコの煙の外観に似ている、可視の主流のエアゾールの生成に関して提供するために使用されることがかなり好ましい。エアゾール生成システム内のエアゾール前駆体の量は、エアゾール生成ピース毎に所望の吸引数などの因子に基づく場合がある。通常、エアゾール送出システム内、そして特にエアゾール生成ピース内に組み込まれたエアゾール前駆体の量は、約2g未満、通常は約1.5g未満、しばしば、約1g未満、そして頻繁に、約0.5g未満である。
本開示のエアゾール送出システムに組み込むことができるさらに他の特徴、制御、または構成要素は、Harrisらに対する米国特許第5967148号明細書、Watkinsらに対する米国特許第5934289号明細書、Countsらに対する米国特許第5954979号明細書、Fleischhauerらに対する米国特許第6040560号明細書、Honに対する米国特許第8365742号明細書、Fernandoらに対する米国特許第8402976号明細書、Fernandoらに対する米国特許出願公開第2010/0163063号明細書、Tuckerらに対する米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Levenらに対する米国特許出願公開第2013/0298905号明細書、Kimらに対する米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらに対する米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらに対する米国特許出願公開第2014/0261495号明細書、DePianoらに対する米国特許出願公開第2014/0261408号明細書に記載されている。これら文献は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。
機器の使用の前述の記載は、本明細書に説明の様々な実施形態に、わずかな変更を通して適用することができる。この変更は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして、当業者には明らかであり得る。しかし、上の使用の記載は、機器の使用を制限することは意図していないが、本開示の必要な開示の要件すべてを満たすように提供されている。図1に示すか、別様に上述された機器に示された任意の要素は、本開示に係るエアゾール送出デバイスに含まれてもよい。
1つまたは複数の実施形態では、本開示は、エアゾール送出デバイスの1つまたは複数の構成要素における多孔性モノリシック材料の使用に関する。本明細書で使用される場合、「多孔性モノリシック材料(porous monolithic material)」または「多孔性モノリス(porous monolith)」は、いくつかの実施形態では、ジョイントまたはシームなしで形成、構成、または作成され、かつ、全体が実質的に剛性で一様であるが、必ずしもその必要はない、単一のピースであり得る、実質的に単一のユニットを備えることを意味することが意図されている。いくつかの実施形態では、本開示に係るモノリスは、区別されていない、すなわち、単一の材料で形成されている場合があるか、焼結した集合体などの、恒久的に合わせられた複数のユニットで形成され得る。
いくつかの実施形態では、多孔性モノリスの使用は特に、エアゾール送出デバイスの構成要素における多孔性ガラスの使用に関する場合がある。本明細書で使用される場合、「多孔性ガラス(porous glass)」は、3次元の相互接続された多孔性マイクロ構造を有するガラスに関することが意図されている。この用語は特に、グラスファイバの束(すなわち、織か不織)で形成された材料を除く場合がある。このため、多孔性ガラスは、繊維状のガラスを除く場合がある。多孔性ガラスは、細孔性ガラス(controlled pore glass(CPG))とも呼ばれる場合があり、また、VYCOR(R)の商品名で知られている場合がある。本開示に係る使用に適切である多孔性ガラスは、たとえば、ソルゲルプロセスを介するか、ガラスパウダの焼結により、形成された相の1つの、ホウケイ酸ガラスの準安定相分離と、それに続く液体の抽出(たとえば、酸性物質の抽出、または、酸性物質とアルカリ性物質を合わせて抽出すること)などの既知の方法によって準備することができる。多孔性ガラスは特に、重量で90%以上、95%、96%以上、または98%以上のシリカを含むなどの、高シリカガラスとすることができる。本開示に係る使用に適するものとすることができる、多孔性ガラス材料と、多孔性ガラスを準備する方法とは、Hoodらに対する米国特許第2106744号明細書、Hoodらに対する米国特許第2215039号明細書、Chapmanらに対する米国特許第3485687号明細書、Nakashimaらに対する米国特許第4657875号明細書、Kotaniらに対する米国特許第9003833号明細書、Kotaniらに対する米国特許出願公開第2013/0045853号明細書、Zhangらに対する米国特許出願公開第2013/0067957号明細書、Takashimaらに対する米国特許出願公開第2013/0068725号明細書、Himanshuに対する米国特許出願公開第2014/0075993号明細書に記載されている。これら文献の開示は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。多孔性「ガラス」との用語が本明細書で使用され得るが、「ガラス」が様々なシリカベースの材料を包含できる点で、本開示の範囲を限定するものとは解釈されないものとする。
多孔性ガラスは、いくつかの実施形態では、多孔性ガラスの平均の孔のサイズに関して規定することができる。たとえば、多孔性ガラスは、約1nmから約1000μm、約2nmから約500μm、約5nmから約200μm、約10nmから約100μmの平均の孔のサイズを有し得る。特定の実施形態では、本開示に係る使用のための多孔性ガラスは、平均の孔のサイズに基づいて区別することができる。たとえば、小さい孔の多孔性ガラスは、1nmから500nmの平均の孔のサイズを有することができ、中間の孔の多孔性クラスは、500nmから10μmの平均の孔のサイズを有することができ、大きい孔の多孔性ガラスは、10μmから1000μmの平均の孔のサイズを有することができる。いくつかの実施形態では、大きい孔の多孔性ガラスは、好ましくは、貯蔵要素として有用である場合があり、小さい孔の多孔性ガラス、および/または、中間の孔の多孔性ガラスは、好ましくは、移送要素として有用である場合がある。
多孔性ガラスも、いくつかの実施形態では、多孔性ガラスの表面積に関して規定することができる。たとえば、多孔性ガラスは、少なくとも100m2/g、少なくとも150m2/g、少なくとも200m2/g、または少なくとも250m2/g、約100m2/gから約600m2/g、約150m2/gから約500m2/g、または約200m2/gから約450m2/gなどの表面積を有することができる。
多孔性ガラスは、いくつかの実施形態では、多孔性ガラスの気孔率(すなわち、孔に囲まれる材料の容量の割合)に関して規定することができる。たとえば、多孔性ガラスは、容積で、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%、約20%から約80%、約25%から約70%、または約30%から約60%などの気孔率を有することができる。特定の実施形態では、容積で約5%から約50%、約10%から約40%、または約15%から約30%の気孔率などの、より低い気孔率が望ましい場合がある。
多孔性ガラスは、いくつかの実施形態では、多孔性ガラスの密度に関してさらに規定することができる。たとえば、多孔性ガラスは、0.25g/cm3から約3g/cm3、約0.5g/cm3から約2.5g/cm3、または約0.75g/cm3から約2g/cm3の密度を有することができる。
いくつかの実施形態では、多孔性モノリスの使用は特に、エアゾール送出デバイスの構成要素における多孔性セラミックの使用に関する。本明細書で使用される場合、「多孔性セラミック(porous ceramic)」は、3次元の相互接続された多孔性マイクロ構造を有するセラミック材料に関することが意図されている。本開示に係る使用に適切である、多孔性セラミック材料、および多孔性セラミックを形成する方法は、Schwartzwalderらに対する米国特許第3090094号明細書、Frischらに対する米国特許第3833386号明細書、Helferichに対する米国特許第4814300号明細書、Kawakamiに対する米国特許第5171720号明細書、Kunikazuらに対する米国特許第5185110号明細書、Andersonらに対する米国特許第5227342号明細書、Liuらに対する米国特許第5645891号明細書、Niiharaらに対する米国特許第5750449号明細書、Fleischmannらに対する米国特許第6753282号明細書、Otsukaらに対する米国特許第7208108号明細書、Matsunagaらに対する米国特許第7537716号明細書、Hottaらに対する米国特許第8609235号明細書に記載されている。これら文献の開示は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。多孔性「セラミック」との用語が本明細書で使用され得るが、「セラミック」が様々なアルミナベースの材料を包含できる点で、本開示の範囲を限定するものとは解釈されないものとする。
多孔性セラミックは同様に、いくつかの実施形態では、多孔性セラミックの平均の孔のサイズに関して規定することができる。たとえば、多孔性セラミックは、約1nmから約1000μm、約2nmから約500μm、約5nmから約200μm、約10nmから約100μmの平均の孔のサイズを有し得る。特定の実施形態では、本開示に係る使用のための多孔性セラミックは、平均の孔のサイズに基づいて区別することができる。たとえば、小さい孔の多孔性セラミックは、1nmから500nmの平均の孔のサイズを有することができ、中間の孔の多孔性セラミックは、500nmから10μmの平均の孔のサイズを有することができ、大きい孔の多孔性セラミックは、10μmから1000μmの平均の孔のサイズを有することができる。いくつかの実施形態では、大きい孔の多孔性セラミックは、好ましくは、貯蔵要素として有用である場合があり、小さい孔の多孔性セラミック、および/または、中間の孔の多孔性セラミックは、好ましくは、移送要素として有用である場合がある。
多孔性セラミックも、いくつかの実施形態では、多孔性ガラスの表面積に関して規定することができる。たとえば、多孔性セラミックは、少なくとも100m2/g、少なくとも150m2/g、少なくとも200m2/g、または少なくとも250m2/g、約100m2/gから約600m2/g、約150m2/gから約500m2/g、または約200m2/gから約450m2/gなどの表面積を有することができる。
多孔性セラミックは、いくつかの実施形態では、多孔性セラミックの気孔率(すなわち、孔に囲まれる材料の容量の割合)に関して規定することができる。たとえば、多孔性セラミックは、容積で、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%、約20%から約80%、約25%から約70%、または約30%から約60%の気孔率を有することができる。特定の実施形態では、容積で約5%から約50%、約10%から約40%、または約15%から約30%の気孔率などの、より低い気孔率が望ましい場合がある。
多孔性セラミックは、いくつかの実施形態では、多孔性セラミックの密度に関してさらに規定することができる。たとえば、多孔性セラミックは、0.25g/cm3から約3g/cm3、約0.5g/cm3から約2.5g/cm3、または約0.75g/cm3から約2g/cm3の密度を有することができる。
シリカベースの材料(たとえば、多孔性ガラス)、および、アルミナベースの材料(たとえば、多孔性セラミック)が、本明細書で別々に論じられる場合があるが、いくつかの実施形態では、多孔性モノリスが、様々なアルミノケイ酸塩材料を含むことができることを理解されたい。たとえば、様々なゼオライトが、本開示に従って利用され得る。
本開示に従って使用される多孔性モノリスは、様々なサイズおよび形状で提供することができる。好ましくは、多孔性モノリスは、実質的に細長いか、実質的に平坦または平面であるか、実質的に湾曲している(たとえば、「U形状」)か、実質的に壁で囲ったシリンダの形態であるか、本開示に従って使用するのに適切である任意の他の形態である場合がある。
1つまたは複数の実施形態では、本開示に係る多孔性モノリスは、毛管作用による吸い上げ速度に関して特徴付けることができる。非限定的例として、毛管作用による吸い上げ速度は、既知の液体の取込みの質量を測定することによって計算することができ、(mg/sでの)速度は、マイクロバランス張力計または類似の機器を使用して測定することができる。好ましくは、毛管作用による吸い上げ速度は実質的に、多孔性モノリスを含むエアゾール形成機器での一服の持続時間にわたって生成されるエアゾールの所望の質量のレンジ内にある。毛管作用による吸い上げ速度は、たとえば、約0.05mg/sから約15mg/s、約0.1mg/sから約12mg/s、または約0.5mg/sから約10mg/sのレンジ内とすることができる。毛管作用による吸い上げ速度は、毛管作用で運ばれる液体に基づいて変化する場合がある。いくつかの実施形態では、本明細書に説明の毛管作用による吸い上げ速度は、実質的に純粋な水、実質的に純粋なグリセロール、実質的に純粋なプロピレングリコール、水とグリセロールとの混合物、水とプロピレングリコールとの混合物、グリセロールとプロピレングリコールとの混合物、または、水とグリセロールとプロピレングリコールとの混合物を参照することができる。毛管作用による吸い上げ速度はやはり、多孔性モノリスの使用に基づいて変化する場合がある。たとえば、液体搬送要素として使用される多孔性モノリスは、貯蔵部として使用される多孔性モノリスよりも大である毛管作用による吸い上げ速度を有する場合がある。毛管作用による吸い上げ速度は、孔のサイズ、孔のサイズの分布、および湿潤性の1つまたは複数、ならびに、毛管作用によって吸い上げられる材料の組成物を制御することによって変化する場合がある。
多孔性モノリスに関する本開示の例示的実施形態が、図2に示されている。図2に見られるように、液体搬送要素236は、貯蔵部244によって囲まれるとともに、貯蔵部244と接触している。いくつかの実施形態では、液体搬送要素または貯蔵部は、蒸気基板として特徴付けることができる。「蒸気基板(vapor substrate)」との用語はこのため、気化のために液体を貯蔵および/または移送する基板に言及し、蒸気基板によって貯蔵および/または移送される液体の少なくとも一部を気化させるためにヒータと接触させることができる。たとえば、単一の多孔性モノリスは、ヒータと直接接触することができる貯蔵部として機能して、別の液体搬送要素(またはウィック)を必要とせずに蒸気を形成する場合がある。そのような例では、貯蔵部は、蒸気基板として考えられる。他の実施形態では、別の液体搬送要素が、ヒータと接触しており、また、分離した貯蔵部と接触している場合があり、それにより、液体が、気化のために貯蔵部からヒータに移送されるようになっている。そのような例では、液体搬送要素は、蒸気基板として考えられる。貯蔵部が別様に本明細書に説明されている場合、そのような貯蔵部が、蒸気基板として適切に特徴付けられ得ることを理解されたい。同様に、液体搬送要素が別様に本明細書に説明されている場合、そのような液体搬送要素が、蒸気基板として適切に特徴付けられ得ることを理解されたい。
1つまたは複数の実施形態では、多孔性モノリスは、多孔性ガラスを備えることができる。たとえば、液体搬送要素236と貯蔵部244との一方または両方が、本明細書に説明されるように、多孔性ガラスとすることができる。例示的目的に関し、液体搬送要素236と貯蔵部244との両方が、多孔性ガラスで形成され、また、優先的に、それらの各々が異なる多孔性ガラス(すなわち、第1の多孔性ガラスと第2の多孔性ガラスと)で形成され得る。1つまたは複数の実施形態では、第1の多孔性ガラスと第2の多孔性ガラスとは、それぞれの多孔性ガラスの貯蔵および/または移送の能力に影響し得る1つまたは複数の特徴において異なるものとすることができる。たとえば、第1の多孔性ガラスと第2の多孔性ガラスとは、密度、多孔性、表面エリア、および平均の孔のサイズの1つまたは複数において異なる場合がある。液体搬送要素236と貯蔵部244との区別は、毛管作用による吸い出しの勾配を設けるのに十分であり、毛管作用による吸い出しの能力は、貯蔵部よりも液体搬送要素の方が大である。そのような構成は、傾斜多孔性または2つの多孔性の構成として特徴付けられる場合がある。
さらなる実施形態では、多孔性モノリスは、多孔性セラミックを備えることができる。それとして、液体搬送要素236と貯蔵部244との一方または両方は、多孔性セラミックとすることができる。やはり、液体搬送要素236と貯蔵部244との一方は、多孔性ガラスで形成され得、液体搬送要素と貯蔵部との他方は、多孔性セラミックで形成され得る。それとして、多孔性ガラスと多孔性セラミックとは、実質的に同一の流れの特性を提供するように実質的にマッチする特性を有し得るか、多孔性ガラスと多孔性セラミックとが、実質的に異なる流れの特性を提供するように実質的に異なる特性を有し得る。
ヒータ234は、貯蔵部244内に貯蔵され、この貯蔵部244からヒータへ液体搬送要素によって移送され得る液体エアゾール前駆体材料の気化のために構成されるように、液体搬送要素236に対して配置される。ヒータ234は、たとえば、プリントされたマイクロヒータ、焼鈍されたマイクロヒータ、フラットリボンのヒータ、または、本明細書に別様に説明のようなエアゾール前駆体の組成物の気化に適している任意の類似の構成とすることができる。ヒータ234は、液体搬送要素236と直接接触している場合があるか、液体搬送要素に対する放射加熱構成である場合がある。すなわち、非常に近接しているが、液体搬送要素には直接接触していない。液体エアゾール前駆体材料が、ヒータ234による加熱に起因して液体搬送要素236の表面で気化されると、追加の液体が貯蔵部244からヒータ234の近位に、液体搬送要素により、毛管作用によって吸い出され、気化によって液体が使い果たされたエリアを充填することができる。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のエッチング部(すなわち、溝またはチャネル)が、貯蔵部244と液体搬送要素236との一方または両方に存在する場合がある。溝またはチャネルがエッチングプロセスによって形成され得るが、「エッチング(etching)」との用語の使用は、溝またはチャネルを形成するプロセスに限定することを意味していない。図2に見られるように、溝の第1のセット256は、ヒータ234周りの液体搬送要素236にエッチングされる。溝の第1のセット256は、液体のエアゾール前駆体の組成物の、ヒータ234との直接の接触を制限するのに有用である。このため、所望であれば、多孔性モノリス(特にヒータのエリア)は、液体のエアゾール前駆体の組成物が、ヒータに直接接触するようになることを防止するように、絶縁されるか、コートされるか、シールされ得る。液体のエアゾール前駆体の組成物が、ヒータに直接接触すると、ヒータにダメージを与えるように作用し得る。1つまたは複数の実施形態では、溝の第2のセット254が、貯蔵部244の表面にエッチングされ得、それにより、液体のエアゾール前駆体の組成物が、ジュール加熱が最大になるヒータの中心エリアに実質的に向けられるようになっている。図示されていないが、溝の第2のセット254は、溝の第1のセット256と実質的に整列し、かつ/または、相互接続している場合があることを理解されたい。同様に、溝の第2のセット254の存在は、溝の第1のセット256の存在に基づくものではなく、その逆でもない。
ヒータ234と、液体搬送要素236と、貯蔵部244との組合せは、アトマイザ20として特徴付けられる場合がある。1つまたは複数の実施形態では、貯蔵部244が、アトマイザ20に存在しない場合がある。
貯蔵部244および液体搬送要素236が別々の要素として図示されているが、そのような分離は必要ではない。いくつかの実施形態では、単一の多孔性モノリス基板が利用され得、また、エリアの処理により、貯蔵部エリアと液体移送エリアとの間を区別する場合がある。
さらに、貯蔵部244と液体搬送要素236とが図2に、ほぼ平坦であるものとして示されているが、他の形状も包含される。たとえば、貯蔵部と液体搬送要素との一方または両方が、個別に、円筒状、平坦、卵型、円形、正方形、矩形などである場合がある。優先的に、少なくとも液体搬送要素の表面の少なくとも一部分が、ヒータを置くための場所を提供するように、ほぼ平滑である。そのような実施形態は、図3に例示されており、貯蔵部344は実質的に、円筒の半分の形態である。液体搬送要素336は、貯蔵部の平滑な表面344aの挿入物であるが、液体搬送要素は、貯蔵部の平滑な表面上に積層されている場合がある。図3に見られるように、ヒータ334は、液体搬送要素336上に配置されており、エッチング部356が、液体搬送要素内に存在する。
例示的ヒータ434が、図4に示されており、そのような実施形態は、Collettらに対する、米国特許出願公開第2014/0060554号明細書に記載のものなどの、いわゆるマイクロヒータに特に関連している場合がある。この文献は、参照することにより、本明細書に組み込まれる。図4に示されているように、ヒータ434は、ヒータトレース434bが上に設けられたヒータ基板434aを備えることができる。ヒータ基板434aは、好ましくは、化学的に安定であり、耐熱性材料(たとえば、シリコンまたはガラス)であり、ヒータトレース434bは、本明細書に別様に説明するような加熱ワイヤなどの、迅速に加熱するのに適切な材料とすることができる。
図2に示されているようなアトマイザ20は、たとえば、図1に見られるようなカートリッジ104に組み込むことができる。アトマイザ20は、ヒータ134、液体搬送要素136、および、任意選択的には貯蔵部144の位置に含めることができる。いくつかの実施形態では、アトマイザ20は、図1に示すさらなる要素に加え、単純に含めることができる。
1つまたは複数の実施形態では、多孔性モノリスは、液体搬送要素のみとして使用され得る。
たとえば、図5に示すように、カートリッジ504は、シェル503と、液体エアゾール前駆体の組成物を保持している貯蔵部544とで形成されている。貯蔵部544は、液体が吸収される繊維状のマットである場合があるか、液体搬送要素536を受領するための、内部に適切な穴を有するコンテナである場合がある。液体搬送要素536は、多孔性モノリスで形成され、また、貯蔵部544内に延びるそれぞれの端部536aおよび536bを有している。抵抗性加熱ワイヤの形態のヒータ534は、そのほぼ中間のセクション536cにおいて液体搬送要素536の周りに巻かれており、ワイヤは、電源との電気接続を形成するための端子535を含んでいる。いくつかの実施形態では、液体搬送要素536は、多孔性ガラスとすることができる。さらなる実施形態では、液体搬送要素536は、多孔性セラミックとすることができる。1つまたは複数の実施形態では、液体搬送要素536と貯蔵部544との一方または両方は、多孔性ガラスとすることができ、あるいは、液体搬送要素と貯蔵部との一方または両方は、多孔性セラミックとすることができる。いくつかの実施形態では、液体搬送要素536と貯蔵部544との一方は、多孔性ガラスとすることができ、液体搬送要素と貯蔵部との他方は、多孔性セラミックとすることができる。
いくつかの実施形態では、本開示に係る液体搬送要素は、実質的に、コア/シェルの形態である場合がある。たとえば図6に示すように、コア636aは、少なくともその一部分をシェル636bで囲まれたものとすることができ、この一部分は、多孔性モノリスで形成することができる。所望であれば、コア636aは、多孔性モノリスで形成してもよい。たとえば、コア636aは、シェル636bを形成する多孔性ガラスとは異なる1つまたは複数の特性を有する多孔性ガラスで形成されている場合があり、それにより、組み合わせられた要素の特質的な特性が提供され得る。具体的には、コア636aは、液体の貯蔵を向上させるために構成された多孔性ガラスで形成され得、また、シェル636bは、ヒータ634への、迅速な毛管作用による吸い出しのための、液体の移送の向上のために構成された多孔性ガラスで形成され得る。このヒータ634は、シェルに実質的に巻かれているワイヤとすることができる。いくつかの実施形態では、コア636aは、繊維状の材料などの、多孔性ガラスとは異なる材料で形成され得る。非限定的例として、コア636aは、グラスファイバ、綿、酢酸セルロース、または類似の材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、コア636aとシェル636bとの一方または両方は、多孔性セラミックで形成することができる。さらなる実施形態では、コア636aとシェル636bとの一方を多孔性ガラスで形成することができ、コアとシェルとの他方を多孔性セラミックで形成することができる。
図6に示すように、多孔性モノリスシェル636bは、両側の端部636b’と端部636b’’とを有しており、コア636aは、コア636aが多孔性モノリスシェルの両端を越えて延びるようなサイズになっている。コア636aの端部636a’と端部636a’’との一方または両方は、貯蔵部(たとえば、繊維状のマットまたはバルクの液体貯蔵コンテナ)内に延びるように、エアゾール送出デバイス内に配置することができ、こうして、毛管作用により液体をシェル636bに吸い出し、それにより、液体がヒータ634によって気化されるようになっている。前述のように、ヒータ634は、電源との電気接続を形成するための端子635を含むことができる。そのようなコア/シェルの設計は、加熱ワイヤによって与えられる高熱により、コア材料が潜在的に焦げることを防止することができることから、特に有利とすることができる。同様に、使用時に、形成された蒸気を移動させるための空気流は、実質的に多孔性モノリスシェルを通り、コア材料を通る流れがほとんどないか、実質的に存在しない場合がある。
図6の要素の組合せは、アトマイザ60として集合的に特徴付けられ得る。
いずれにしろ、1つまたは複数の要素(たとえば、コア636a、および/またはシェル636b、および/またはヒータ634)が、本明細書に説明の1つまたは複数のさらなる実施形態と組み合わせて、ユニットから分離されて利用され得ることを理解されたい。
1つまたは複数の実施形態では、多孔性モノリスは、実質的に円筒の形状とすることができる貯蔵部として使用することができる。たとえば、図7aおよび図7bは、円筒の形状の多孔性モノリスで形成された貯蔵部744を備えたアトマイザ70を示している。貯蔵部744は、厚さを変更することができる壁745を有しており、中心開口746は、壁によって画定されている。液体搬送要素736は、中心部分736cと、この中心部分から外に延びるそれぞれの端部分736a’および736a’’とを有して構成されている。それぞれの端部分736a’と736a’’とは、貯蔵部744の壁745と流体接続しているように構成されている。液体搬送要素736と貯蔵部744との一方または両方は、多孔性ガラスで形成することができる。たとえば、液体搬送要素736は、貯蔵部744を形成する多孔性ガラスの特性とは異なる1つまたは複数の特性を有する多孔性ガラスで形成され得る。いくつかの実施形態では、液体搬送要素736は、繊維材料で形成することができ、このため、繊維状ウィックと呼ばれる場合がある。液体搬送要素736の中心部分736cの周りに巻かれたワイヤの形態のヒータ734は、電源との電気接続を形成するための端子735を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、液体搬送要素736と貯蔵部744との一方または両方は、多孔性セラミックで形成することができる。いくつかの実施形態では、液体搬送要素736と貯蔵部744との一方は、多孔性ガラスで形成することができ、液体搬送要素と貯蔵部との他方は、多孔性セラミックで形成することができる。
いくつかの実施形態では、貯蔵部の壁745は、1つまたは複数の溝744aを含むことができる。液体搬送要素736のそれぞれの端部分736a’と736a’’とは、特に、溝744a内の貯蔵部744と係合する場合がある。所望である場合、溝744aは、異なる多孔性を有するなど、貯蔵部の残りのセクションとは異なる1つまたは複数の特性を有するように構成することができる。この方式で、貯蔵部744内に貯蔵された液体は、優先的に、ヒータ734への搬送のために液体搬送要素736によって取られる溝744aへと向けられ得る。
図7aおよび図7bの要素が、アトマイザ70を形成するユニットとして示されているが、1つまたは複数の要素(たとえば、貯蔵部744、および/または液体搬送要素736、および/またはヒータ734)は、本明細書に説明の1つまたは複数のさらなる実施形態と組み合わせて、ユニットから分離されて利用され得ることを理解されたい。
1つまたは複数の実施形態では、液体搬送要素を形成する多孔性モノリスは、内部に包含される加熱部材を有することができる。たとえば、図8に示すように、カートリッジ804は、シェル803と、液体エアゾール前駆体の組成物を保持している貯蔵部844とで形成されている。貯蔵部844は、液体が吸収される繊維状のマットである場合があるか、液体搬送要素836を受領するための、内部に適切な穴を有する壁状のコンテナである場合がある。液体搬送要素836は、多孔性モノリスで形成され、また、貯蔵部844内に延びるそれぞれの端部836aおよび836bを有している。抵抗性加熱ワイヤの形態のヒータ834は、液体搬送要素836内に配置されており、ワイヤは、電源との電気接続を形成するための端子835を含んでいる。フローチューブ839が含まれるとともに、液体搬送要素836を通して空気を向けるのに有用とすることができ、それにより、ヒータ834による液体搬送要素の内部加熱によって発せられる蒸気が、消費者によって吸い出され得るエアゾールを形成するように、空気内で運ばれるようになる。いくつかの実施形態では、液体搬送要素836は、多孔性ガラスとすることができる。さらなる実施形態では、液体搬送要素836は、多孔性セラミックとすることができる。1つまたは複数の実施形態では、液体搬送要素836と貯蔵部844との一方または両方は、多孔性ガラスとすることができ、あるいは、液体搬送要素と貯蔵部との一方または両方は、多孔性セラミックとすることができる。いくつかの実施形態では、液体搬送要素836と貯蔵部844との一方は、多孔性ガラスとすることができ、液体搬送要素と貯蔵部との他方は、多孔性セラミックとすることができる。さらに、液体搬送要素844は、多孔性ガラスまたは多孔性セラミックとすることができ、貯蔵部844は、繊維状のマットまたは貯蔵コンテナとすることができる。
ヒータ834は、様々な方式で、液体搬送要素836内に含めることができる。いくつかの実施形態では、ヒータは、多孔性モノリス内に埋め込むことができる。たとえば、多孔性モノリスは、所定位置のヒータとともに形成することができ、それにより、ヒータが、液体搬送要素内に実質的に閉じ込められるようになっている。図9aの表示では、たとえば、ヒータ934は、液体搬送要素936内に埋め込まれており、ヒータの端部が液体搬送要素から外に延びて、端子との電気接続を形成している(図8の要素835を参照)。いくつかの実施形態では、多孔性モノリスは中空とすることができるか、実質的にチューブの形態とすることができるか、内部に形成されたスロット、チャネルなどを有することができるか、実質的に液体搬送要素の内部にあるように、ヒータが内部に配置される空隙を別様に含むことができる。たとえば、図9bでは、液体搬送要素936は中空チューブであり、ヒータ934は、中空チューブのキャビティ937内に配置されている。図9cでは、たとえば、液体搬送要素936は、実質的に、液体搬送要素の長さの少なくとも一部分に沿うチャネルの形態のキャビティ937を含んでおり、ヒータ934は、キャビティ内に配置されている。
1つまたは複数の実施形態では、液体搬送要素の内部にあるヒータは、液体搬送要素の少なくとも一部分と直接接触することができ、それにより、それらの伝導加熱を提供する。1つまたは複数の実施形態では、液体搬送要素の内部にあるヒータは、実質的か、優位的か、ほぼ完全に、液体搬送要素との放射加熱の関係にある場合がある。実質的な放射加熱の関係は、放射加熱が生じるが、加熱の大部分を提供しないことを意味し得る。たとえば、加熱の50%以下が、放射加熱であるが、測定可能な量の加熱は、放射によるものである。優位的な放射加熱の関係は、放射加熱が、加熱の大部分を提供するが、加熱のすべてを提供するというわけではないことを意味し得る。すなわち、加熱の50%より大が放射によるものである。ほぼ完全な放射加熱の関係は、加熱の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%または少なくとも99%が、放射によるものであることを意味し得る。
いくつかの実施形態では、本開示はさらに、エアゾール送出デバイスを準備する方法、または、エアゾール送出デバイスに有用である構成要素を提供し得る。そのような方法には、貯蔵部の形態、および/または液体搬送要素の形態の多孔性モノリスを提供すること、ならびに、多孔性モノリス貯蔵部および/または液体搬送要素をヒータと、そして任意選択的には、エアゾール送出デバイスで有用であるものとして本明細書に説明した1つまたは複数のさらなる構成要素と組み合わせることが含まれ得る。貯蔵部と液体搬送要素との一方または両方は、多孔性ガラスとすることができる。貯蔵部と液体搬送要素との一方または両方は、多孔性セラミックとすることができる。貯蔵部と液体搬送要素との一方は、多孔性ガラスとすることができ、貯蔵部と液体搬送要素との他方は、多孔性セラミックとすることができる。1つまたは複数の実施形態では、貯蔵部と液体搬送要素との一方は、繊維材料とすることができる。
本開示の多くの変形形態および他の実施形態は、前述の説明および関連する図面に提供される教示の利益を有する、本開示が関連する当業者の考えに浮かぶことになる。したがって、本開示は、本明細書に開示の特定の実施形態には限定されず、変形形態および他の実施形態が、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。特定の用語が本明細書において使用されているが、これら用語は、総称的かつ説明的意味のみで使用され、限定する目的のためのものではない。