JP2019504642A - 血液試料中の腫瘍由来DNAのCpGメチル化を検出する方法 - Google Patents

血液試料中の腫瘍由来DNAのCpGメチル化を検出する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は薬理ゲノミクスの分野、特に血中もしくは血液由来の試料中または腫瘍から放出されたDNAを含む他の体液中の腫瘍由来のメチル化ANKRD13Bおよび/またはFOXF2 DNAの有無を検出することに関する。この検出はがんの低侵襲診断に有用であり、本発明はこの目的に適した方法およびオリゴヌクレオチドを提供する。

Description

本発明は薬理ゲノミクスの分野、特に血液試料中もしくは血液由来の試料中または腫瘍から放出されたDNAを含む他の体液中の腫瘍由来のメチル化ANKRD13Bおよび/またはFOXF2 DNAの有無を検出することに関する。この検出はがんの低侵襲診断に有用であり、本発明はこの目的に適した方法およびオリゴヌクレオチドを提供する。
65年以上前に、MandelおよびMetaisはヒトにおける細胞外核酸の存在の観察を初めて記述し(Mandel P, Metais P. Les acides nucleiques du plasma sanguin chez l'homme. C.R.Acad.Sci.Paris 142, 241-243. 1948)、その40年以上後に、腫瘍関連遺伝子変化が血漿、血清および他の体液から単離されたセルフリー核酸において見出され得ることが明確に証明できた(Fleischhacker M, Schmidt B. (2007) Circulating nucleic acids (CNAs) and cancer--a survey. Biochim Biophys Acta 1775: 181-232; Jung K, Fleischhacker M, Rabien A. (2010) Cell-free DNA in the blood as a solid tumor biomarker-a critical appraisal of the literature. Clin Chim Acta 411: 1611-1624)。これは種々の形態の悪性腫瘍において観察されるエピジェネティック変化を含む。哺乳類クロマチンの特徴はDNAメチル化であり、CpGジヌクレオチド文脈におけるシトシンメチル化は発生の制御に関与し、胚形成および細胞分化などの基本的な生物学的プロセスに重要であることが知られている(Smith ZD, Meissner A. (2013) DNA methylation: roles in mammalian development. Nat Rev Genet 14: 204-220; Gibney ER, Nolan CM. (2010) Epigenetics and gene expression. Heredity (Edinb) 105: 4-13)。そのようなものとしてメチル化は遺伝子の転写を制御するだけでなく、ゲノム安定性、インプリンティングおよびX染色体の不活性化の維持にも関与する。がん遺伝子および腫瘍抑制遺伝子におけるエピジェネティック変化はがんの発生に極めて重要である(Suva ML, Riggi N, Bernstein BE. (2013) Epigenetic reprogramming in cancer. Science 339: 1567-1570)。DNAメチル化パターンはがん細胞において大部分が改変されており、したがってがん細胞を正常な組織から区別するために使用され得る。そのようなものとして、DNAメチル化パターンはあらゆる種類のがんの診断に使用されている。比較的最近の概念は患者の体内の腫瘍量の指標としてのメチル化分析のために、腫瘍から(例えば血中に)放出された遊離の循環腫瘍DNAを使用することである。非常に高感度で高度に特異的な方法を用いて腫瘍患者から細胞外核酸を単離し、特徴付ける能力は「液体生検」という用語をもたらした。結果として、医師はもはや組織生検の検査およびボディースキャンのみに依存しているわけではない。
がんは進行していなければいないほど、治療の選択肢および患者が治癒する確率が良くなる。したがってできるだけ早くがんを診断することが非常に望ましい。しかしながら、あまり進行していないがん(腫瘍サイズが小さく、がん細胞が少ないことを意味する)は遊離の循環腫瘍DNAの放出も少ない。細胞外核酸の半減期がやや短い(例えば血漿中で6時間未満)という事実によってより困難性が増す(Rago C, Huso DL, Diehl F, Karim B, Liu G, et al. (2007) Serial assessment of human tumor burdens in mice by the analysis of circulating DNA. Cancer Res 67: 9364-9370)。さらなる障害は、少量のメチル化腫瘍マーカーDNAを非腫瘍DNAの非常に高いバックグラウンドにおいて検出しなければならないことであり、これは非常に高感度な検出方法を要求する。バイサルファイト変換後のメチル化腫瘍DNAの選択的増幅に基づく技術(メチル化特異的PCR(MSP)および特にHeavyMethyl(商標)(HM)技術など)を用いて、非常に良い結果が達成されている(Cottrell et al., A real-time PCR assay for DNA-methylation using methylation-specific blockers. Nucleic Acids Res. 2004 Jan 13;32(1):e10)。
別の障害は液体生検のバックグラウンドDNAにおけるメチル化非腫瘍DNAの存在であり、これは検出されるマーカーおよび腫瘍に依存して大抵生じる。液体生検におけるメチル化腫瘍DNAの量は通常、非常に低いため、このバックグラウンドが非常に低い、または最も望ましくは存在しない場合を除き、健常な対象とがんを有する対象とを区別することは困難となり得る。従来、この第2の障害はマーカーおよび腫瘍によって与えられるものとして認められ、主に特異度を向上させることによって対処されており、これは検出感度の減少を伴う。しかしながら、本発明者らはがん検出の感度および特異度を向上させるために、本来のがん患者の代わりに、健常な対象の液体生検におけるメチル化マーカーに注目した。この目的のために、本発明者らは、腫瘍患者由来の試料におけるメチル化されたマーカーのスクリーニングではなく、健常な対象の液体生検におけるメチル化されていない潜在的ながんマーカーをスクリーニングし、試料における最小量または存在しないメチル化非腫瘍DNAを達成した。本発明者らは、驚くべきことに、マーカーANKRD13BおよびFOXF2のメチル化ゲノムDNAが健常な対象の血液試料または血液由来の試料において見出されず、またはほとんど見出されず、これらのマーカーががん組織において明らかなメチル化シグナルを示すことを見出した。この性質はマーカーでは非常に珍しく、非常な感度および特異度の検出を可能にする。また、本発明者らはこれらのマーカーで検出され得る様々ながんを同定した。これらの発見に従って適応するがんの検出方法は、処置のための最も有望な時間窓の可能性を提供することによって、がん患者の治療の改善を可能にする。
第1の態様において、本発明は、対象の血液由来のセルフリーDNAを含む試料またはそれに由来する試料から、配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNA、および/または配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAにおけるDNAメチル化を検出する方法に関する。
第2の態様において、本発明は、対象のがんまたはがんのリスクの有無を検出する方法に関し、これは態様1に記載のDNAメチル化を検出することを含む。
第3の態様において、本発明は、プライマー、ブロッカーまたはプローブからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドに関し、これは配列番号2〜5または配列番号27〜30の一続きの連続したヌクレオチドと実質的に同一または相補的な配列を有する。
第4の態様において、本発明は、少なくとも第1および第2のオリゴヌクレオチドを含むキットに関し、ここで第1および第2のオリゴヌクレオチドは態様3に記載のオリゴヌクレオチドである。
第5の態様において、本発明は、がんの診断、がんの予後、がん処置の効果の予測、がん処置に対する応答の評価、がんのモニター、がんの可能性の増大を検出するための対象のスクリーニング、またはがんもしくは対象の分類のための、第1または第2の態様の方法、第3の態様のオリゴヌクレオチド、または第4の態様のキットの使用に関する。
第6の態様において、本発明は、がんの存在ががんを処置するのに適したがん処置のレジメンを伴って第2の態様の方法に従って検出される、対象におけるがんを処置する方法に関する。
好ましい標的領域のマップ。A:ANKRD13B、B:FOXF2。配列番号の説明については表1参照のこと。
アッセイの例。A:ANKRD13B、B:FOXF2。DNA配列はGRCh38ゲノムビルドのセンス配向である。アッセイおよびそれらのエレメントをゲノム基準配列(両方の鎖において示されるゲノム)と共に上部に配列する。ゲノム配列の下に、バイサルファイトおよびPCR変換したゲノムDNAのセンス鎖を示し、ここで非CpG文脈のCはTに変換される(バイサルファイトがUに変換し、これはAと対形成し、増幅によってTに変換される)。バイサルファイト鎖は、増幅のための最初の鋳型である。下に灰色で示される逆相補鎖は増幅によって合成されるまで取得できない。全てのDNA一本鎖配列は、それらの配向に従って両端に3’および5’の注釈が付けられている。プライマー配列は下線のある配列によって示される。ブロッカーおよびプローブなどの他のオリゴマーは、アッセイおよびゲノム配列に並べて示されている。CpG文脈におけるシトシン、その逆鎖の対応する塩基および/またはそれらを間接的または直接的に覆うプローブまたはブロッカーにおける任意の塩基を灰色の背景で示す。大文字を種々の文脈で使用する:全てのゲノム基準配列、および他の鎖における変換されていない、ゲノム配列と同一の塩基。小文字は変換された塩基を示す。
種々の試料に対するANKRD13Bアッセイで測定されたDNAメチル化のボックスプロット。x軸の下の数は、PCR反応を行った回数およびそれらのうち何らかの信号(>0%)をもたらした回数の情報を与え、これはデータの定性分析に重要な情報である。メチル化の平均値を黒点で示す。ボックスプロットAは、大腸がん(CRC)における診断価値の例示的な情報を与える:マーカーは正常な患者由来の血漿において信号を示さず、正常な大腸組織においてごくわずかで低い信号を示したが、ほとんどの結腸がん組織において高い信号を示し、がん患者由来の血漿に対するPCR反応の44%において陽性であった。ボックスプロットBは2種の正常な組織型および13種のがん組織型を示す。ANKRD13Bマーカーが、胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんおよび前立腺がんにおいて診断マーカーおよび/または予後マーカーとして使用可能ながんマーカーであるという根拠を提供する。
種々の試料に対するFOXF2アッセイで測定されたDNAメチル化のボックスプロット。メチル化の平均値を黒点で示す。x軸の下の数は、PCR反応を行った回数およびそれらのうち何らかの信号(>0%)をもたらした回数の情報を与え、これはデータの定性分析に重要な情報である。メチル化の平均値を黒点で示す。ボックスプロットAは、大腸がん(CRC)における診断価値のための例示的な情報を与える:マーカーは正常な患者由来の血漿においてほとんど信号を示さず、正常な大腸組織においてごくわずかで低い信号を示したが、ほとんどの結腸がん組織において高い信号を示し、がん患者由来の血漿に対するPCR反応の76%において陽性であった。ボックスプロットBは2種の正常な組織型および13種のがん組織型を示す。FOXF2マーカーが、肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんおよび食道がんにおいて診断マーカーおよび/または予後マーカーとして使用可能ながんマーカーであるという根拠を提供する。
種々のがん型由来の組織試料にわたって測定された2種のがんマーカーANKRD13BおよびFOXF2のメチル化の平均値(%)。2つのマーカーのクラスター形成は、パネリングが、がんを診断し、平行して一連の種々のがんの起源の臓器を特定するためにどの程度有用であり得るかを証明する。
極少量のメチル化DNA(50pg)を含む試料と比較した、健常な個体由来のバルク血漿(プールされた血漿)のANKRD13BアッセイリアルタイムPCR増幅曲線。
極少量のメチル化DNA(50pg)を含む試料と比較した、健常な個体由来のバルクの血漿(プールされた血漿)のFOXF2アッセイリアルタイムPCR増幅曲線。
灰色でのCRC血漿(および黒色でのキャリブレーター)のANKRD13Bトリプレックスアッセイ増幅曲線。点線は非メチル化セプチン9によって決定された非メチル化バックグラウンドDNAを示し、波線はメチル化セプチン9によって決定されたCRC腫瘍DNAを示す。棒線はANKRD13Bについて測定されたメチル化を示す。
灰色でのCRC血漿(および黒色でのキャリブレーター)のFOXF2トリプレックスアッセイ増幅曲線。点線は非メチル化セプチン9によって決定された非メチル化バックグラウンドDNAを示し、波線はメチル化セプチン9によって決定されたCRC腫瘍DNAを示す。棒線はFOXF2について測定されたメチル化を示す。
本発明を以下で詳細に説明する前に、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコルおよび試薬は様々であり得るため、本発明はこれらに限定されないことが理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語は特定の実施態様を説明する目的に過ぎず、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図しないことも理解されるべきである。他に定義のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
好ましくは、本明細書で使用される用語は、"A multilingual glossary of biotechnological terms: (IUPAC Recommendations)", Leuenberger, H.G.W, Nagel, B. and Kolbl, H. eds. (1995), Helvetica Chimica Acta, CH-4010 Basel, Switzerlandに記載されるように定義される。
いくつかの文献が本明細書の文章のあらゆる箇所で引用されている。上記または下記を問わず、本明細書に引用される各文献(特許、特許出願、科学出版物、製造者の仕様書、説明書などの全てを含む)はその全体が引用によって本明細書に取り込まれる。本明細書中のいずれの記載も、本発明が先行発明のためにそのような開示に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。
以下において、本発明の要素を記載する。これらの要素は特定の実施態様と共に記載されるが、それらを任意の様式および任意の数で組み合わせ、さらなる実施態様が作成され得ることが理解されるべきである。多様に記載された実施例および好ましい実施態様は、本発明を明確に記載された実施態様のみに限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書は、明確に記載された実施態様をあらゆる数の開示された要素および/または好ましい要素と組み合わせた実施態様を支持および包含することが理解されるべきである。さらに、文脈上他に指定がない限り、本出願において記載された全ての要素のあらゆる順列および組合せが本出願の明細書によって開示されると見なされるべきである。
本明細書および以下の特許請求の範囲のあらゆる箇所で、文脈上他の意味を必要としない限り、「含む」という語およびその変形(「含み」および「含んでいる」など)は、言及された整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を包含するが、あらゆる他の整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を除外しないことを意味することが理解されるべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形("a"、"an"および"the")は、文脈上明らかな他の指示がない限り、複数の指示対象を含む。
本発明の態様およびその特別な実施態様
第1の態様において、本発明は、対象の血液由来のセルフリーDNAを含む試料またはそれに由来する試料から、配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNA、および/または配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAにおけるDNAメチル化を検出する方法に関する。
好ましい実施態様において、対象は、(配列番号1に関してDNAメチル化を検出する場合)胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんおよび前立腺がんからなる群、および/または(配列番号26に関してDNAメチル化を検出する場合)肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんおよび食道がんからなる群から選択されるがん(好ましくはアメリカがん協会によって定義されたがん)を有するリスクが増大しており、または該がんを有することが疑われている。がんは、以下で定義されるあらゆるサブタイプおよびステージであり得る。
具体的には、配列番号1に関するDNAメチル化ががんの診断またはスクリーニングのために検出された場合、以下の1以上のリスク因子が対象に起因し得ることが好ましい:
・胃がん:1以上のリスク因子は、男性、50以上の年齢、民族性(特にヒスパニック系アメリカ人、アフリカ系アメリカ人またはアジア人/太平洋諸島の住民)、ヘリコバクターピロリ感染症、胃のリンパ腫、燻製食品、塩漬けの魚および肉および/または漬け物の多い食事、タバコの消費(特に喫煙)、体重過多または肥満であること、以前の胃の手術、悪性貧血、メネトリエ病(肥大性胃疾患)、A型の血液、遺伝性がん症候群または遺伝性がん素因(遺伝性びまん性胃がん、遺伝性非ポリポーシス大腸がん(HNPCC)、家族性大腸腺腫症(FAP)、BRCA1および/またはBRCA2変異、リー・フラウメニ症候群、ポイツ・ジェガース症候群(PJS)、胃がんの家族歴(一等親血縁者、すなわち、親、兄弟姉妹または子)を含む)、非がん性胃ポリープ、エプスタイン・バーウイルス感染症、職業(特に石炭産業、金属工業およびゴム産業における労働者)ならびに分類不能型免疫不全症(CVID)からなる群から選択される。
・肝がん:1以上のリスク因子は、45以上の年齢(特に50以上)、男性、民族性(特にアジア人/太平洋諸島の住民)、ウイルス性慢性肝炎、肝硬変、大量の飲酒(男性では1日に3または4を超えるアルコール単位または女性では1日に2または3を超えるアルコール単位;アルコール単位は10ml(8g)の純粋なアルコールとして定義される)、肥満、2型糖尿病、遺伝性代謝疾患(特に、遺伝性ヘモクロマトーシス、チロシン血症、アルファ1−アンチトリプシン欠損症、晩発性皮膚ポルフィリン症、糖原病、ウィルソン病などの肝硬変を導く遺伝性代謝疾患)、発がん物質への曝露(特にアフラトキシン、塩化ビニルおよび二酸化トリウム(トロトラスト)、タンパク質同化ステロイド、ヒ素)、寄生虫(特に住血吸虫症を引き起こす寄生虫)による感染症、およびタバコの消費(特に喫煙)からなる群から選択される。
・結腸がん:1以上のリスク因子は、50以上の年齢、大腸ポリープまたは大腸がんの個人歴(がんは完全に除去された)、炎症性腸疾患の個人歴、大腸がんまたは腺腫性ポリープの家族歴(一等親血縁者)、遺伝性症候群を有すること(家族性大腸腺腫症、リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がんまたはHNPCC)、ターコット症候群、ポイツ・ジェガース症候群またはMUTYH関連ポリポーシスなど)、民族性(特にアフリカ系アメリカ人または東ヨーロッパ系のユダヤ人)、2型糖尿病を有すること、体重過多または肥満であること、運動不足、タバコの消費(特に喫煙)、および大量の飲酒(上記で定義)からなる群から選択される。
・卵巣がん:1以上のリスク因子は、40以上の年齢(特に63以上および、より具体的には閉経後)、女性、肥満、35歳以降の初回の満期妊娠または妊娠していない、経口避妊薬の非使用(特に、一度も使用したことがない、または最近3、4または6月において使用していない)、排卵誘発剤への曝露(特にクロミフェンクエン酸塩)、アンドロゲンへの曝露、エストロゲン療法および/またはホルモン療法、卵巣がん、乳がんまたは大腸がんの家族歴(特に一等親血縁者)、遺伝性がん症候群または遺伝性がん素因(遺伝性乳がん症候群および遺伝性卵巣がん症候群、PTEN腫瘍過誤腫症候群、遺伝性非ポリポーシス大腸がん、ポイツ・ジェガース症候群またはMUTYH関連ポリポーシスなど)を有すること、乳がんの個人歴、生殖器部に直接適用するタルカムパウダーの使用、高脂肪食、鎮痛剤の使用、およびタバコの消費(特に喫煙)からなる群から選択される。
・食道がん:1以上のリスク因子は、男性、50以上の年齢(特に55以上)、胃食道逆流症、バレット食道、タバコの消費(特に喫煙)、大量の飲酒(上記で定義)、体重過多または肥満であること、加工肉の多い食事、定期的に熱い飲料を飲むこと、アカラシア、胼胝症、プランマー・ヴィンソン症候群、職業(特に、化学的な煙霧(例えばドライクリーニングに使用される溶媒)に曝露する仕事)、食道の過去の傷害、他のがん(肺がん、口腔がん、または咽喉がんなど)の個人歴、およびヒトパピローマウイルス(HPV)感染症からなる群から選択される。
・膀胱がん:1以上のリスク因子は、タバコの消費(特に喫煙)、職業(特に、芳香族アミンに曝露する仕事および/またはゴム産業、皮革産業、繊維工業、塗料工業、印刷工業における仕事ならびに機械工、美容師およびトラック運転手)、民族性(特に白人)、50以上の年齢(特に55以上)、男性、慢性膀胱炎および慢性膀胱感染症、膀胱がんまたは他の尿路上皮がんの個人歴(完全に除去され、および/または他のサブタイプ)、膀胱の先天異常、膀胱がんの家族歴(特に一等親血縁者)、遺伝性症候群または遺伝性素因を有すること(網膜芽腫(RB1)遺伝子の変異、PTEN遺伝子の変異によって引き起こされるカウデン病、またはリンチ症候群など)、シクロホスファミドでの過去または現在の化学療法、骨盤への照射での過去または現在の放射線療法、ピオグリタゾンへの曝露、飲料水中のアリストロキア酸および/またはヒ素を含む栄養補助食品、ならびに不十分な水分消費からなる群から選択される。
・前立腺がん:1以上のリスク因子は、50以上の年齢(特に65以上)、男性、民族性(特にアフリカ系アメリカ人およびアフリカ人の祖先を持つカリブ人男性)、前立腺がんの家族歴(特に一等親血縁者)、遺伝性症候群または遺伝性素因を有すること(BRCA1および/またはBRCA2遺伝子変異、またはリンチ症候群など)、食事(特に赤肉または高脂肪の乳製品の多い食事)、肥満、タバコの消費(特に喫煙)、職業(特に消防士)、前立腺の炎症、性感染症(特に淋病またはクラミジア)および精管切除術からなる群から選択される。
さらに、配列番号26に関するDNAメチル化ががんの診断またはスクリーニングのために検出される場合、以下の1以上のリスク因子が対象に起因し得ることが好ましい:
・肺がん:1以上のリスク因子は、タバコの消費(特に喫煙)、ラドンへの曝露、アスベストへの曝露、ウランなどの放射性鉱石への曝露、化学物質または鉱物(ヒ素、ベリリウム、カドミウム、シリカ、塩化ビニル、ニッケル化合物、クロム化合物、石炭製品、マスタードガスまたはクロロメチルエーテルなど)の吸入、ディーゼル排気の吸入、(例えば、都心で働き、かつ/または都心に住むことによる)大気汚染への曝露の増加、肺への放射線療法、飲料水中のヒ素、肺がんの個人歴(完全に除去され、および/または他のサブタイプ)、および肺がんの家族歴(特に一等親血縁者)からなる群から選択される。
・結腸がん:1以上のリスク因子は、配列番号1に関して上記で定義された群から選択される。
・乳がん:1以上のリスク因子は、女性、45以上の年齢(特に50または55以上)、リスクを増加させる遺伝性症候群または遺伝性素因を有すること(BRCA1、BRCA2、ATM、TP53、CHEK2、PTEN、CDH1、STK11および/またはPALB2遺伝子変異など)、乳がんの家族歴(特に一等親血縁者)、乳房の別の部分または他方の乳房における乳がんの個人歴、民族性(特に白人)、密度の高い乳房組織(特に、マンモグラムにおいて女性の乳房の平均密度の1.2〜2倍の密度の高い乳房)、良性の乳房疾患((i)非増殖性病変(線維症および/または単純嚢胞、軽度の過形成、腺疾患(非硬化性)、腺管拡張症、葉状腫瘍(良性)、単一の乳頭腫、脂肪壊死、管周囲の線維症、扁平上皮化生、アポクリン化生および上皮関連石灰化を含む)、または(ii)異型ではない増殖性病変(通常の乳管過形成(異型ではない)、線維腺腫、硬化性腺症、乳頭腫(特に乳頭腫症)および放射状瘢痕を含む)、または(iii)異型を伴う増殖性病変(異型乳管過形成(ADH)および異型小葉過形成(ALH)を含む)など)、非浸潤性小葉がん、(例えば、12歳未満の月経および/または55歳以降の閉経による)平均日数を超える月経期間、以前の胸部照射、ジエチルスチルベストロールの曝露、子供を持たないこと、または30歳以降に第1子を生むこと(特に上記で定義された年齢のリスク因子と組み合わされる)、経口避妊薬またはデポ型メドロキシプロゲステロン酢酸エステルの使用、閉経後のホルモン療法、大量の飲酒(上記で定義)、体重過多または肥満であること、および運動不足からなる群から選択される。
・胃がん:1以上のリスク因子は、配列番号1に関して上記で定義された群から選択される。
・食道がん:1以上のリスク因子は、配列番号1に関して上記で定義された群から選択される。
好ましい実施態様において、ゲノムDNAは、少なくとも1つのCpGジヌクレオチド、好ましくは少なくとも2、3、4、5または6個のCpGジヌクレオチドを含む。一般に、ゲノムDNAに含まれる少なくとも1つのCpGジヌクレオチドのメチル化(好ましくは少なくとも2、3、4、5または6個のCpGジヌクレオチドのメチル化)が検出される。
さらに、配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNAは、配列番号6に含まれる配列、好ましくは配列番号11および/または16に含まれる配列、より好ましくは配列番号21に含まれる配列を有することが好ましい。また、配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAは、配列番号31および/または36に含まれる配列、好ましくは配列番号41に含まれる配列、より好ましくは配列番号46に含まれる配列、最も好ましくは配列番号51に含まれる配列を有することが好ましい。
以下(特に見出し「本発明の定義およびさらなる実施態様」下)に記載される定義および実施態様を第1の態様の方法に適用する。
第2の態様において、本発明は、対象のがんまたはがんのリスクの有無を検出する方法に関し、これは態様1に記載のDNAメチル化を検出することを含む。
好ましくは、がんは、(配列番号1に関してDNAメチル化を検出する場合)胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんおよび前立腺がんからなる群、および/または(配列番号26に関してDNAメチル化を検出する場合)肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんおよび食道がんからなる群から選択される。がんは、以下で定義されるあらゆるサブタイプおよびステージであり得る(すなわち、あらゆるサブタイプおよび/またはステージの有無が検出され得る)。
好ましい実施態様において、
(i)配列番号1に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの存在が、胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんもしくは前立腺がんまたはそれらのリスクの存在を意味し、配列番号1に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの非存在が、胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんおよび前立腺がんまたはそのリスクの非存在を意味する、
(ii)配列番号26に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの存在が、肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんもしくは食道がんまたはそれらのリスクの存在を意味し、配列番号26に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの非存在が、肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんおよび食道がんまたはそれらのリスクの非存在を意味する、
(iii)配列番号1に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAおよび配列番号26に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの存在が、胃がん、結腸がんもしくは食道がんまたはそれらのリスクの存在を意味する、かつ、
(iv)配列番号1または配列番号26のいずれか一方に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの存在、および他方に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの非存在が、(i)および(ii)を組み合わせた指標に従って、がんまたはそのリスクの存在を意味する。
好ましくは(iv)において、
(iv.a)配列番号1に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの存在および配列番号26に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの非存在が、肝がん、卵巣がん、膀胱がんもしくは前立腺がんまたはそれらのリスクの存在を意味する、かつ
(iv.b)配列番号1に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの非存在および配列番号26に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの存在が、肺がんもしくは乳がんまたはそれらのリスクの存在を意味する。
本明細書において、用語「相当量のメチル化ゲノムDNA」は、使用される試料1ml当たり(好ましくは血液、血清または血漿1ml当たり)、少なくともX分子のメチル化標的DNAの量を指す。Xは1まで下げてもよく、通常は1および50を含む1〜50の値であり、特に2、3、4、5、10、15、20、25、30または40である。このような相当量が存在するか否かを決定するために、メチル化標的DNAは、必ずではないが定量化され得る。定量化を行わない場合、標準物質(例えばゲノムDNAおよびその中に一定量の完全にメチル化されたDNA(例えばXゲノム当量)を含む標準物質、ここでXは上記の通りである)との比較によって決定され得る。この用語はまた、試料中の少なくともY%のメチル化標的DNAの量(ここでメチル化標的DNAおよび非メチル化標的DNAの合計は100%である)を指し得、ここでYは0.05まで下げてもよく、通常は0.05および5を含む0.05〜5、好ましくは0.05および1を含む0.05〜1、より好ましくは0.05および0.5を含む0.05〜0.5の値である。例えばYは、0.05、0.1、0.2、0.3、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、4.0または5.0であり得る。
第1または第2の態様の方法を実行する好ましい手段は以下の工程を含む、
(a)ゲノムDNAにおいて、5位が非メチル化しているシトシンをウラシル、またはグアニンとハイブリダイズしない別の塩基に変換する工程;
(b)変換されたDNAの領域をメチル化特異的に増幅する工程;
(c)工程(b)で増幅したDNAの有無を検出する工程;
ここで、増幅したDNAの有無は、それぞれメチル化ゲノムDNAの有無を意味する。
増幅は、好ましくはメチル化特異的PCR(すなわち、増幅産物が1以上のCpG部位が変換されているか否かに応じて作成される)によって、メチル化特異的な(バイサルファイト変換されたDNAに特異的な)プライマー、またはより好ましくはメチル化非特異的であるがバイサルファイト変換されたDNAに特異的なプライマー(すなわち、少なくとも1つの変換されたCを覆うことにより、変換されたDNAにのみハイブリダイズするプライマー)を用いて行われる。後者の場合、メチル化特異性はメチル化特異的なブロッカーオリゴヌクレオチド(これは変換されたCpG部位または変換されていないCpG部位に特異的にハイブリダイズし、それによってPCR重合を終了させる)を用いることで達成される。最も好ましい実施態様において、増幅の工程はPCR、好ましくはリアルタイムPCR、特にHeavyMethyl(商標)またはHeavyMethyl(商標)-MethyLight(商標)を含む。
言い換えれば、変換されたDNA領域は、少なくとも1つのメチル化特異的オリゴヌクレオチドを用いることによってメチル化特異的に増幅される。好ましくは、少なくとも1つのメチル化特異的オリゴヌクレオチドはプライマーまたはブロッカーである。具体的な実施態様において、変換されたDNA領域は、1つまたは2つ(すなわち1対)のメチル化特異的プライマーを用いることによって、または2つ(すなわち1対)のメチル化非特異的プライマーおよび1つまたは2つ(すなわち1対)のメチル化特異的ブロッカーを用いることによって、メチル化特異的に増幅される。
さらに、少なくとも1つのメチル化特異的オリゴヌクレオチド(例えば本明細書で言及されるプライマー、ブロッカーまたはプローブ)は、配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号2〜5の一続きの連続したヌクレオチドと好ましくは実質的に同一または相補的であり、または配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号27〜30の一続きの連続したヌクレオチドと好ましくは実質的に同一または相補的である。
増幅されたDNAの有無は、以下に記述されるように、特にリアルタイムPCRまたは次世代シークエンシングによって検出され得る。
好ましい実施態様において、工程(b)で増幅されたDNAの有無を検出することは、工程(b)で増幅されたDNAの量を決定することを含む。この量は以下に記述される検出手段を用いて、特にリアルタイムPCRまたは次世代シークエンシングによって決定され得る。
さらに、変換されたDNAは、
配列番号6に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号7〜10の一続きの連続したヌクレオチド、
配列番号11に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号12〜15の一続きの連続したヌクレオチド、
配列番号16に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号17〜20の一続きの連続したヌクレオチド、および
配列番号21に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号22〜25の一続きの連続したヌクレオチドと、実質的に同一または相補的な少なくとも1つのメチル化特異的オリゴヌクレオチドを用いることによって、メチル化特異的に増幅されることが好ましい。
また、変換されたDNAは、
配列番号31に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号32〜35の一続きの連続したヌクレオチド、
配列番号36に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号37〜40の一続きの連続したヌクレオチド、
配列番号41に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号42〜45の一続きの連続したヌクレオチド、
配列番号46に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号47〜50の一続きの連続したヌクレオチド、および
配列番号51に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAの増幅のために配列番号52〜55の一続きの連続したヌクレオチドと、実質的に相補的な少なくとも1つのメチル化特異的オリゴヌクレオチドを用いることによって、メチル化特異的に増幅されることが好ましい。
特別な実施態様において、第2の態様の方法は、指定されたがんを検出する1以上のさらなる手段を用いることによって、指定されたがんを確認し、かつ/または指定されたがんを絞り込むことをさらに含む。さらなる手段は、がんマーカー(または「バイオマーカー」)または通常の(非マーカーの)検出手段であり得る。がんマーカーは、例えばDNAメチル化マーカー、変異マーカー(例えばSNP)、抗原マーカー、タンパク質マーカー、miRNAマーカー、がん特異的な代謝物または発現マーカー(例えばRNAまたはタンパク質発現)であり得る。通常の手段は、例えば生検(例えば、(例えばタンパク質マーカーまたは発現マーカーでの)染色法を用いた、または用いない視覚的な生検検査)、イメージング技術(例えば、X線イメージング、CTスキャン、PETおよびSPECTなどの核イメージング、超音波、磁気共鳴イメージング(MRI)、サーモグラフィー、内視鏡検査、デジタルマンモグラフィー、大腸内視鏡検査または仮想大腸内視鏡検査、腹腔鏡検査、血管造影図、骨スキャンまたは乳がんのためのセンチネル節マッピング)、または身体検査(例えば触覚検査)であり得る。指定された単一のがんの確認のためにさらなる手段がある場合、これは生検、またはがんが指摘された組織から対象の固形組織試料(すなわち血液などの液体組織ではない)を取り出し、検査する他の手段であることが好ましい。一連の指定されたがんを絞り込むためにさらなる手段がある場合、これは非侵襲または低侵襲の手段であることが好ましい。そのような手段は、さらなるマーカーまたは通常の手段(イメージング技術または身体検査など)であり得る。一般に、さらなる手段は、配列番号1および/または配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAのDNAメチル化の存在によってその存在が示されたがんを検出するのに適している。具体的には、
・胃がんについて、がん検出のさらなる手段は、生検、内視鏡検査、超音波、X線、CTスキャン、MRI、PETスキャンおよび腹腔鏡検査からなる群から選択される;
・肝がんについて、がん検出のさらなる手段は、身体検査、アルファフェトプロテイン(AFP)のための血液検査、超音波、CTスキャン、MRI、血管造影図、生検および腹腔鏡検査からなる群から選択される;
・結腸がんについて、がん検出のさらなる手段は、大腸内視鏡検査、貧血および/またはがん胎児抗原(CEA)のための血液検査、CRスキャン、MRI、超音波、X線およびPETスキャンからなる群から選択される;
・卵巣がんについて、がん検出のさらなる手段は、身体検査、超音波、CTスキャン、X線、MRI、PETスキャン、腹腔鏡検査、生検、CA−125、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、アルファフェトプロテイン(AFP)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、インヒビン、エストロゲンおよび/またはテストステロンのための血液検査ならびに大腸内視鏡検査からなる群から選択される;
・食道がんについて、がん検出のさらなる手段は、X線、上部内視鏡検査、超音波内視鏡検査、気管支鏡検査、生検、CTスキャン、MRIおよびPETスキャンからなる群から選択される;
・膀胱がんについて、がん検出のさらなる手段は、細胞検査、腫瘍細胞のための尿検査、生検(特に経尿道的膀胱腫瘍切除術)、CTスキャン、MRIおよびPETスキャンからなる群から選択される;
・前立腺がんについて、がん検出のさらなる手段は、PSA検査、DRE検査、PCA3検査、超音波(特に経直腸超音波)、生検、MRI、MRI融合生検(MRI fusion biopsy)およびCTスキャンからなる群から選択される;
・肺がんについて、がん検出のさらなる手段は、生検、EGFR、ALK、KRAS、BRAF、HER2、ROS1および/またはRETのうち1以上の遺伝子(特にEGFRおよび/またはALK)における変異のための検査、喀痰細胞診、気管支鏡検査、針吸引生検またはコア生検、胸腔穿刺、胸腔鏡検査、縦隔鏡検査、開胸術、気管支内超音波検査、食道の内視鏡超音波検査(endoscopic esophageal ultrasound)、CTスキャン、PETスキャンおよびMRIスキャンからなる群から選択される;
・乳がんについて、がん検出のさらなる手段は、マンモグラフィー、超音波、MRI、生検、全血球計算、血清化学および身体検査からなる群から選択される。
好ましい実施態様において、さらなる手段は、
(i)配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNAを用いた(好ましくはその中にDNAメチル化が検出される場合の)がんの存在の決定を確認および/または絞り込むために、胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんおよび/もしくは、好ましくはもしくは、前立腺がんまたはそれらのリスク、
(ii)配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAを用いた(好ましくはその中にDNAメチル化が検出される場合の)がんの存在の決定を確認および/または絞り込むために、肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんおよび/もしくは、好ましくはもしくは、食道がんまたはそれらのリスク、
(iii)配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNA、および配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAを用いたがんの存在の決定を確認および/または絞り込むために、
配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNA、および配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAを用いた(好ましくはその両方においてDNAメチル化が検出される場合の)胃がん、結腸がんおよび/もしくは、好ましくはもしくは、食道がんまたはそれらのリスク、
配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNA、および配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAを用いた(好ましくは前者においてDNAメチル化が検出され、後者では検出されない場合の)肝がん、卵巣がん、膀胱がん、もしくは前立腺がんまたはそれらのリスク、
配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNA、および配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAを用いた(好ましくは前者においてDNAメチル化が検出されず、後者では検出される場合の)肺がんもしくは乳がんまたはそれらのリスクを検出するのに適している。
第1の態様に関して与えられた定義および記述された実施態様はそれらが適用可能である限り、第2の態様にも適用される。また、以下(特に見出し「本発明の定義およびさらなる実施態様」下)に記載される定義および実施態様を第2の態様の方法に適用する。
第3の態様において、本発明は、配列番号2〜5または配列番号27〜30の一続きの連続したヌクレオチドと実質的に同一または相補的な配列を有する、プライマー、ブロッカーまたはプローブからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドに関する。
好ましくは、該オリゴヌクレオチドは、配列番号7〜10、12〜15、17〜20および22〜25からなる群、または配列番号32〜35、37〜40、42〜45、47〜50および52〜55からなる群から選択される配列番号の一続きの連続したヌクレオチドと実質的に同一または相補的な配列を有する。
一般に、該オリゴヌクレオチドは、配列番号1(あるいは配列番号26または上記に記載のいずれかのサブ配列)またはその相補体におけるCpGジヌクレオチドのCのTへの変換に由来する少なくとも1、2、または3つのジヌクレオチドを含む。この場合、該オリゴヌクレオチドはメチル化特異的オリゴヌクレオチドである。このメチル化特異的オリゴヌクレオチドはまた、配列番号1(あるいは配列番号26または上記に記載のいずれかのサブ配列)またはその相補体におけるCpG文脈ではないC(例えばCpC、CpAまたはCpTジヌクレオチドのC)のTへの変換に由来する少なくとも1つのヌクレオチドを含むため、バイサルファイト変換されたDNAに特異的である。
あるいは、該オリゴヌクレオチドは、配列番号1(あるいは配列番号26または上記に記載のいずれかのサブ配列)またはその相補体におけるCpGジヌクレオチドのCのTへの変換に由来するジヌクレオチドを含まなくてもよい。この場合、該オリゴヌクレオチドは、配列番号1(あるいは配列番号26または上記に記載のいずれかのサブ配列)またはその相補体におけるCpG文脈ではないC(例えばCpC、CpAまたはCpTジヌクレオチドのC)のTへの変換に由来する少なくとも1つのヌクレオチドを含むため、バイサルファイト変換されたDNAに特異的であるにもかかわらず、メチル化非特異的オリゴヌクレオチドである。しかしながらメチル化非特異的オリゴヌクレオチドは、変換されたCと変換されていないCとを区別しないミスマッチを伴って、または本明細書で規定されるスペーサーを伴って、配列番号1(あるいは配列番号26または上記に記載のいずれかのサブ配列)またはその相補体におけるCpGジヌクレオチドのCのTへの変換に由来する1以上のジヌクレオチドを覆い得る。
プローブは好ましくは、検出可能な標識およびクエンチャーからなる群から選択される1以上の修飾を有し、かつ/または5〜40ヌクレオチド長である。さらに、プローブは好ましくはメチル化特異的オリゴヌクレオチドである。ブロッカーは好ましくは、非伸長性の3’末端およびポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性抵抗性の骨格からなる群から選択される1以上の修飾を有し、かつ/または15〜50ヌクレオチド長である。さらに、ブロッカーは好ましくはメチル化特異的オリゴヌクレオチドである。プライマーは好ましくは10〜40ヌクレオチド長である。特に、プライマーはメチル化特異的オリゴヌクレオチドまたはメチル化非特異的オリゴヌクレオチドのいずれかであり得る。
具体的な実施態様において、ブロッカーは最大で5ヌクレオチドの3’および/または5’欠失または付加を伴う配列番号58に記載の配列を有し、かつ/またはプローブは最大で5ヌクレオチドの3’および/または5’欠失または付加を伴う配列番号59に記載の配列を有し、ここで付加は好ましくは配列番号1に従う(すなわち、配列番号1におけるブロッカーの伸長である)。別の具体的な実施態様において、ブロッカーは最大で5ヌクレオチドの3’および/または5’欠失または付加を伴う配列番号62に記載の配列を有し、かつ/またはプローブは最大で5ヌクレオチドの3’および/または5’欠失または付加を伴う配列番号63に記載の配列を有し、ここで付加は好ましくは配列番号26に従う(すなわち、配列番号26におけるブロッカーの伸長である)。
第1および第2の態様に関して与えられた定義および記述された実施態様はそれらが適用可能である限り、第3の態様にも適用される。また、以下(特に見出し「本発明の定義およびさらなる実施態様」下)に記載される定義および実施態様を第3の態様のオリゴヌクレオチドに適用する。
第4の態様において、本発明は、少なくとも第1および第2のオリゴヌクレオチドを含むキットに関し、ここで第1および第2のオリゴヌクレオチドは態様3のオリゴヌクレオチドである。
該オリゴヌクレオチドがリアルタイムPCRに適しているキットにおいて、第1のオリゴヌクレオチドは態様3に記載のメチル化特異的プローブであり、第2のオリゴヌクレオチドは態様3に記載のメチル化特異的ブロッカーまたはメチル化特異的プライマーであることが好ましい。好ましい実施態様において、第2のオリゴヌクレオチドはメチル化特異的ブロッカーである。この実施態様において、キットは態様3に記載のメチル化非特異的プライマーをさらに含むことが好ましい。
該オリゴヌクレオチドがPCRおよびその後の配列決定法に適しているキットにおいて、第1のオリゴヌクレオチドは態様3に記載のプライマーであり、第2のオリゴヌクレオチドは態様3に記載のプライマーまたは態様3に記載のメチル化特異的ブロッカーである。ある実施態様において、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドはメチル化非特異的プライマーである。好ましくは、これらのプライマーはプライマー対(すなわち順方向プライマーと逆方向プライマー)である。このキットは、メチル化標的DNAおよび非メチル化標的DNA(後者は例えば非腫瘍バックグラウンドDNAである)の両方を同時に増幅および配列決定するためのキットであり、ここで非メチル化標的DNAの量は、本明細書に記載されるメチル化標的DNAの定量化のために決定される。別の実施態様において、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドはメチル化特異的プライマーである。好ましくは、これらのプライマーはプライマー対(すなわち順方向プライマーと逆方向プライマー)である。さらなる別の実施態様において、第1のオリゴヌクレオチドはメチル化非特異的プライマーであり、第2のオリゴヌクレオチドはメチル化特異的ブロッカーである。これらのキットは、メチル化標的DNAのみを増幅および配列決定するためのキットである。一般に、キットがプライマーおよび/またはブロッカーを含む場合、プライマーおよび/またはブロッカーは対(すなわち、逆方向プライマーを伴う順方向プライマー(またはその逆)および/または逆方向ブロッカーを伴う順方向ブロッカー(またはその逆))として生じることが好ましい。順方向ブロッカーは順方向プライマーからの伸長を遮断するブロッカーであり、逆方向ブロッカーは逆方向プライマーからの伸長を遮断するブロッカーである。
第1、第2および第3の態様に関して与えられた定義および記述された実施態様はそれらが適用可能である限り、第4の態様にも適用される。また、以下(特に見出し「本発明の定義およびさらなる実施態様」下)に記載される定義および実施態様を第4の態様のキットに適用する。
第5の態様において、本発明は、がんの診断、がんの予後、がん処置の効果の予測、がん処置に対する応答の評価、がんのモニター、がんの可能性の増大を検出するための対象のスクリーニング、またはがんもしくは対象の分類のための、第1または第2の態様の方法、第3の態様のオリゴヌクレオチド、または第4の態様のキットの使用に関する。
第1、第2、第3および第4の態様に関して与えられた定義および記述された実施態様はそれらが適用可能である限り、第5の態様にも適用される。また、以下(特に見出し「本発明の定義およびさらなる実施態様」下)に記載される定義および実施態様を第5の態様の使用に適用する。
第6の態様において、本発明は、がんを処置するのに適したがん処置のレジメンを用いて、がんの存在が第2の態様の方法に従って検出された対象においてがんを処置する方法に関する。言い換えると、本発明は、がんの存在が第2の態様の方法に従って検出された対象におけるがんを処置するのに適したがん処置の使用に関する。本発明はまた、第2の態様の方法およびその後に対象にそのようながん処置を参照させることを含む方法に関する。がん処置のレジメンのための定義およびさらなる実施態様を以下に示す。
第1、第2、第3、第4および第5の態様に関して与えられた定義および記述された実施態様はそれらが適用可能である限り、第6の態様にも適用される。また、以下(特に見出し「本発明の定義およびさらなる実施態様」下)に記載される定義および実施態様を第6の態様の方法に適用する。
本発明の定義およびさらなる実施態様
本明細書は多様な用語および語句を用い、これらは以下に定義される特定の意味を有する。好ましい意味が、本明細書に記載される本発明の態様の好ましい実施態様として解釈されるべきである。そのようなものとして、これらおよび以下に記載されるさらなる実施態様は、本発明の態様のあらゆる実施態様、特に上記の発明の態様のあらゆる好ましい実施態様と組み合わされ得る。
本明細書において、用語「DNAメチル化を検出する」は、メチル化標的DNAの有無を少なくとも定性的に分析することを指す。メチル化は標的DNAの1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、10以上、15以上または30以上のCpG部位において好ましくは決定される。通常、分析されるCpG部位は、隣接するDNAのCpG部位もメチル化され、さらにまたは代わりに分析され得るように、がんにおいて共メチル化されている。「少なくとも定性的に」は、メチル化標的DNAが存在する場合、その定量的な決定も実行され得ることを意味する。このような「量を決定すること」は、本明細書に記載されるように実行され得る。
増幅されたDNAの有無は、当分野で公知のあらゆる手段(例えばオートラジオグラフィー、銀染色またはエチジウムブロマイド染色)によって検出され得る。好ましくは、工程(b)において増幅されたDNAの有無はリアルタイムPCRによって、または増幅されたDNAを配列決定することによって検出される。特に、3以上(例えば4以上または5以上)の異なる標的DNA(すなわちマーカー)を平行して調べる場合(例えば配列番号1に記載のDNA中の標的DNA、配列番号26に記載のDNA中の標的DNA、および1以上のさらなる標的DNA)、増幅されたDNAの有無は配列決定法によって検出されることが好ましい。
リアルタイムPCRにおいて、工程(b)で増幅されたDNAの存在は好ましくは、プローブであるメチル化特異的オリゴヌクレオチドを用いて検出される。DNAは好ましくは、メチル化特異的プライマーまたはメチル化非特異的プライマーを伴うメチル化特異的ブロッカーを用いてメチル化特異的に増幅される。
配列決定法による検出は、好ましくは次世代シークエンシングによる検出である。その中で、試料の変換された(例えばバイサルファイト変換された)メチル化標的DNAはメチル化特異的に増幅され得る。次いで増幅された配列は配列決定され、メチル化された鋳型の存在が、増幅された変換された標的DNA由来の配列または配列の読み取りデータの存在から推定される。
一般に、定量化(例えば、メチル化標的DNAの量を決定すること)は、(例えば、試料1mL当たりのpg、または試料1mL当たりのng、試料1mL当たりのコピー数、PCRサイクル数などにおいて)絶対的であってもよく、または(例えば、対照試料より10倍高い、または基準対照のメチル化の割合として)相対的であってもよい。試料中のメチル化標的DNAの量を決定することは、試料中の全DNA量に対して正規化することを含み得る。テスト試料中の全DNA量に対して正規化することは、メチル化標的DNAの量と、(i)基準部位のDNA量または(ii)標的の全DNA量(例えばメチル化標的DNAの量プラス非メチル化標的DNAの量、後者は好ましくは逆鎖上で測定される)との比を計算することを含む。基準部位はあらゆるゲノム部位であり得、遺伝子である必要はない。基準部位の配列の出現回数は大きな集団(例えば反復配列ではない、すなわち反復DNAではない)にわたって安定している、または安定(すなわち一定)していることが想定されることが好ましい。例えば、基準部位はベータ−アクチンなどのハウスキーピング遺伝子であり得る。
試料中のメチル化標的DNAの量は、実質的に完全にメチル化されたゲノムDNAを含む基準試料中のメチル化標的DNAの量に対するメチル化標的DNAの量の割合として表現され得る。好ましくは、メチル化標的DNAの割合を決定することは、基準試料中の同じ標的のメチル化DNAの量を決定すること、(好ましくは基準部位のメチル化非特異的な測定を用いることによる)全メチル化DNAの試料間の正規化、およびテスト試料由来の比を基準試料由来の対応する比で割ることを含む。割合は百分率として、または割り算の結果に100を掛けることによって以下に定義されるPMRとして表現され得る。
用語「PMR」、「メチル化基準物質の割合」、または「完全にメチル化された基準物質の割合」はメチル化の程度を表し、通常、遺伝子と基準物質との比を、遺伝子と完全にメチル化された基準物質との比(例えば正常な非メチル化基準物質のCpGメチルトランスフェラーゼ(例えばSssI)処理などによって得られる)で割り、100を掛けることによって算出される。PMRの決定は、Ogino et al. (JMD May 2006, Vol. 8, No. 2)に詳述され、これは参照によって取り込まれる。
メチル化標的DNAの量はまた、対象の試料および(標的遺伝子座がメチル化された)キャリブレーター(cal)の試料からの標的(target)および基準部位(ref)のリアルタイムPCRサイクル閾値(Ct)を用いてΔΔCt法で以下のように計算され得る:ΔΔCt=((Cttarget−Ctref)−(Cttargetcal−Ctrefcal));PMR=100*x−ΔΔCt、式中、xは仮定のPCR効率である。一般に、PCR効率は1〜3であると仮定され、好ましくは2または約2(例えば1.9〜2.1)である。
さらに、メチル化標的DNAの量は配列決定法、好ましくは次世代シークエンシングによって決定され得る。その中で、変換された(例えばバイサルファイト変換された)標的DNAはメチル化非特異的に増幅され得る(すなわち、標的DNAはメチル化されているか否か、言い換えればCpG部位のシトシンが変換されているか否かにかかわらず増幅される)。これはメチル化特異的ではないバイサルファイト特異的なプライマーによって達成され得る。次に、増幅された配列は配列決定され、その後に計数される。変換されたメチル化DNA由来の配列(配列においてCpGによって同定される)と変換された非メチル化DNA由来の配列との比を計算し、これはメチル化標的DNAの(相対)量をもたらす。
メチル化標的DNAの量は、特に平行して調べるマーカー(すなわち標的DNA)の数が3以上、好ましくは4以上、より好ましくは5以上である場合、リアルタイムPCRではなく配列決定法によって決定されることが好ましい。好ましくは、メチル化DNAの量は、少なくとも3回、より好ましくは4〜8回、最も好ましくは6回の反復実験または並列実験にわたる量である。
用語「次世代シークエンシング」(NGS、第2または第3世代シークエンシングとしても知られる)は、DNAの小さなフラグメントの塩基を、各フラグメントがDNA鋳型鎖から再合成されるように、発光する信号から連続的に同定する配列決定法を指す。NGSは、単一または数個のDNAフラグメントに限定されず、超並列様式において数百万の反応にこの過程を拡張する。この進歩は、単一の配列決定の実行において数百ギガ塩基のデータを作成できる最新の装置を伴って増幅されたDNAの迅速な配列決定を可能にする。例えば、Shendure and Ji, Nature Biotechnology 26, 1135-1145 (2008)またはMardis, Annu Rev Genomics Hum Genet. 2008;9:387-402参照のこと。適切なNGSプラットフォームが市販されている(例えば、Roche 454プラットフォーム、Roche 454 Juniorプラットフォーム、Illumina HiSeqもしくはMiSeqプラットフォーム、またはLife Technologies SOLiD 5500もしくはIon Torrentプラットフォーム)。
用語「キャリブレーター試料」は、既知のDNA濃度および既知の標的メチル化状態の対照DNAを含む試料を指す。対照DNAは好ましくは、必ずではないが、人工的にメチル化されたヒトDNA、好ましくは実質的に完全にメチル化されたヒトDNAである。好ましい実施態様において、人工的なメチル化はDNAメチルトランスフェラーゼを用いて達成される。例えば、DNA自体は、細胞株DNA、プラスミドDNA、人工DNAまたはそれらの組合せ/混合物であり得る。
標的遺伝子座がメチル化されたDNAは、好ましくは1以上の細胞株由来の細胞株DNAであり、これらは良く特徴付けられ、かつそのゲノム標的メチル化状態が既知であり、かつ/またはその標的が実質的に完全にメチル化されていることが公知であることが好ましい。好ましくは、実質的に完全にメチル化されたゲノムDNAは全てまたは実質的に全てのCpG部位がメチル化されたDNA(特にゲノムDNA)である。この点において、「実質的に全て」は少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%を意味する。好ましい実施態様において、全てまたは実質的に全てのCpG部位のメチル化は、DNAをCpGメチルトランスフェラーゼを用いて、全てまたは実質的に全てのCpG部位のメチル化を与える様式で処理することによって達成される。
本明細書における用語「メチル化」または「高メチル化」は、メチル基をシトシンまたはアデニンDNAヌクレオチドに付加することを含む生化学的過程を指す。(特にプロモーター領域における)シトシンの5位のDNAメチル化は遺伝子発現を減少させる効果を有し得、調査された全ての脊椎動物において見出されている。成熟非配偶子細胞において、DNAメチル化は通常、CpG部位において生じる。本明細書における用語「CpG部位」または「CpGジヌクレオチド」は、その長さに沿った塩基の直鎖状配列において、シトシンヌクレオチドがグアニンヌクレオチドの隣に生じるDNA領域を指す。「CpG」は「C−リン酸−G」(すなわち1つのリン酸のみによって分離されたシトシンおよびグアニン)の省略形である;リン酸はDNAにおいて任意の2つのヌクレオシドを連結する。「CpG」の表記は、この直鎖状配列をシトシンとグアニンのCG塩基対と区別するために使用される。CpGジヌクレオチドにおけるシトシンはメチル化され得、5−メチルシトシンを形成し得る。用語「CpG部位」または「ゲノムDNAのCpG部位」はまた、CpG部位の非メチル化されているCが本明細書に記載される別のもの(例えばバイサルファイトによってウラシル)に変換されたDNAにおいて、以前の(非メチル化されている)CpG部位の部位に関しても使用される。本出願は、関連する各DNA領域のゲノム配列およびバイサルファイト変換された各鎖の変換された配列を提供する。変換された配列が変換のためにこれらのCpG部位を含んでいない場合においても、参照されるCpG部位は常にゲノム配列のCpG部位である。特に、本発明の文脈におけるメチル化は高メチル化を意味する。用語「高メチル化」は、異常なメチル化パターンまたは状態(すなわち1以上のヌクレオチドのメチル化の有無)を指し、ここで1以上のヌクレオチド(好ましくはCpG部位のC)が、その対象、または対象が処置されるがん(好ましくはあらゆるがん)を患っていないまたは患ったことのない対象(健常な対照)の非がん細胞由来の同じゲノムDNAと比較してメチル化されている。特にこれは、健常な対照DNA試料における対応するジヌクレオチドにおいて見出される5−mCytの量に対する、テストDNA試料のDNA配列中の1以上のCpGジヌクレオチドにおける5−mCytの存在の増加を指す。メチル化状態/パターンとしての高メチル化は、1以上のCpG部位において決定され得る。2以上のCpG部位を使用する場合、高メチル化は各部位において別々に、または総合したCpG部位の平均として決定され得る。あるいは、評価された全てのCpG部位は、必要とされる高メチル化を達成するようにメチル化されていなければならない。
メチル化は、参照される配列番号に記載されるDNA(「標的DNA」)の領域において特に検出される。本明細書における用語「標的DNA」は、特定の染色体位置におけるゲノムヌクレオチド配列を指す。本発明の文脈において、標的DNAは通常、疾患の状態(例えばがん細胞vs.非がん細胞)においてメチル化されることが知られている遺伝子マーカーである。遺伝子マーカーはゲノムDNAのコード領域または非コード領域であり得る。
本明細書における用語「標的DNAの領域」または「変換されたDNAの領域」は、分析される標的DNAの一部を指す。一般に、この領域は、少なくとも40、50、60、70、80、90、100、150、または200または300塩基対(bp)長であり、かつ/または500、600、700、800、900または1000bpより長くない(例えば40〜500または80〜500bp)。特にこの領域は、ゲノムDNAの少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個のCpG部位を含む領域である。好ましくは、これらの部位はこの領域の増幅のために使用されるプライマーに覆われない。好ましくは、これらのCpG部位の少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個(必ずしも全てではない、特にスペーサーに覆われるCpG部位または(例えばプライマー中の)メチル化非特異的ミスマッチ)が標的DNAにおいてメチル化される。
本発明の標的DNAは図1および表1に示される。
本明細書における用語「試料」は対象から得られた生物学的物質を指し、全ての染色体由来のゲノムDNA、好ましくは全ゲノムを包含するゲノムDNAを含む。試料は、対象ががんを有する場合、がん細胞由来のセルフリーゲノムDNA(標的DNAを含む)、好ましくはがん細胞由来の循環ゲノムDNAを含む。
本明細書における用語「血液由来のセルフリーDNAを含む試料」は、血液由来のセルフリーDNAを含む体液試料を指す。好ましい実施態様において、この試料は血液であるが、この用語はまた他の体液を含む。例えば、尿は血液由来のセルフリーDNAを含む。本明細書における用語「血液由来のセルフリーDNAを含む試料に由来する試料」は、インビトロでのプロセッシングによって得られるあらゆる試料を指す。例えば試料が血液である場合、得られる試料は血漿または血清であることが好ましい。
本明細書における用語「セルフリーDNA」またはその同義語「cfDNA」、「細胞外DNA」、「循環DNA」および「遊離の循環DNA」は、試料である、または試料が得られる各体液中の無傷細胞に含まれないDNAを指し、これは体液試料中で自由に循環する。セルフリーDNAは通常、以下に記載されるように断片化されたゲノムDNAである。
通常、がん細胞由来の標的DNA(特に細胞外標的DNA)を含む試料には、がん細胞由来の標的DNAと異なり、メチル化していない非がん細胞由来の標的DNAも存在する。通常、非がん細胞由来の前記標的DNAは、罹患細胞由来の量の少なくとも10倍、少なくとも100倍、少なくとも1,000倍、または少なくとも10,000倍を超える。一般に、試料中に含まれるゲノムDNAは少なくとも部分的に断片化されている。「少なくとも部分的に断片化されている」は、がん細胞由来の少なくとも細胞外DNA(特に少なくとも細胞外標的DNA)が断片化されていることを意味する。用語「断片化されたゲノムDNA」は、細胞(特にがん細胞)のゲノムDNAの断片を指し、これは長いDNAのより短い長さの個別のフラグメントへの部分的な物理的、化学的および/または生物学的切断の結果である。特に「断片化された」は、ゲノムDNA(好ましくは標的DNA)の少なくとも一部の、1,500bp、1,300bp、1,100bp、1,000bp、900bp、800bp、700bp、600bp、500bp、400bp、300bp、200bpまたは100bp未満のフラグメントへの断片化を意味する。この点に関して「少なくとも一部」は、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%または75%を意味する。
本明細書における用語「ゲノムDNA」は染色体DNAを指し、コードDNAと区別するために使用される。そのようなものとして、ゲノムDNAは、遺伝子に属するエクソン、イントロンおよび制御配列(特にプロモーター)を含む。
本明細書における語句「DNAにおいて、5位が非メチル化しているシトシンをウラシル、またはグアニンとハイブリダイズしない別の塩基に変換する」は、全てまたは実質的に全ての非メチル化シトシン塩基をウラシル塩基または塩基対形成の性質に関してシトシンとは異なる別の塩基に変換するが、5−メチルシトシン塩基は変化しないままであるように、DNAを化学的に処理する方法を指す。DNA試料中の非メチル化(メチル化されていない)シトシン塩基の変換は変換剤を用いて実行される。本明細書における用語「変換剤」は、非メチル化シトシンをウラシル、またはハイブリダイゼーションの性質に関してシトシンと検出可能な程度に異なる別の塩基に変換することができる試薬に関する。変換剤は好ましくはバイサルファイト(二亜硫酸塩または亜硫酸水素塩など)である。標準的な手法(Frommer et al., 1992, Proc Natl Acad Sci USA 89:1827-31; Olek, 1996, Nucleic Acids Res 24:5064-6; EP 1394172)に従ってこの反応を行う。(例えばメチル化特異的シチジンデアミナーゼの使用によって)変換を酵素的に行うことも可能である。最も好ましくは、変換剤は亜硫酸水素ナトリウムまたは亜硫酸水素塩である。
本明細書における用語「増幅する」または「増幅産物を生成する」は、標的核酸およびその相補的配列(または特にそれらの領域)のコピー数の増加を指す。増幅は当分野で公知のあらゆる方法を用いて実行され得る。核酸の増幅は、増幅の段階中に複数のサイクルを必要とする方法または単一の温度で実行される方法を含む。サイクル法は、温度サイクルを必要とする方法によって例示される。温度サイクルを必要とする方法は、当分野で周知であるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。PCRは、熱変性によって二本鎖DNAを一本鎖DNAに変性させること、プライマーを一本鎖DNAにアニールさせること、およびプライマーから相補鎖を合成することを含む。等温増幅は、単一の温度で実行される増幅、または増幅段階の主要な態様が単一温度で実行される増幅である。PCRの段階において、別のプライマーが鋳型に結合し得るように、反応産物を加熱し、2つの鎖に分離する。逆に等温法は、二本鎖の2つの鎖を分離し、鋳型を再コピーするために、鎖置換ポリメラーゼ(strand displacing polymerase)に依存する。等温法は、反復する鋳型のコピーを開始するためにプライマーの置換に依存する方法、および単一のプライマー分子の継続的な再利用または新たな合成に依存する方法に分類され得る。プライマーの置換に依存する方法は、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、エキソヌクレアーゼ依存性増幅、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、およびループ介在性増幅(LAMP)を含む。単一のプライマー分子の継続的な再利用または新たな合成に依存する方法は、鎖置換増幅(SDA)または核酸に基づく増幅(NASBAおよびTMA)を含む。
好ましくは、増幅は、メチル化非特異的であるが、バイサルファイト変換されたDNAに特異的な(すなわち少なくとも1つの変換されたCを覆うことによって、変換されたDNAにのみハイブリダイズする)プライマーを用いたメチル化特異的PCR(すなわち、増幅産物が1以上のCpG部位が変換されているか否かに依存して生成される)によって実行される。メチル化特異性は、メチル化特異的ブロッカーオリゴヌクレオチドを用いることによって達成され、これは変換されたCpG部位または変換されていないCpG部位に特定的にハイブリダイズし、それによってPCR重合を終了させる。最も好ましい実施態様において、増幅の段階はリアルタイムPCR(特にHeavyMethyl(商標)またはHeavyMethyl(商標)-MethyLight(商標))を含む。あるいは、メチル化特異的PCRは、メチル化特異的プライマーを使用し、かつブロッカーを使用しなくてもよい。
本明細書において用語「HeavyMethyl(商標)」はアッセイを指し、ここで増幅プライマー間のCpG位置または増幅プライマーに覆われているCpG位置を覆うメチル化特異的ブロッキングプローブ(本明細書においてブロッカーとも呼ばれる)が標的DNAまたはその領域のメチル化特異的な選択的増幅を可能にする。
用語「MethyLight(商標)」は、PCRの段階後にさらなる操作を必要としない、蛍光に基づくリアルタイムPCR技術を利用するハイスループットな定量的メチル化アッセイを指す(Eads et al., Cancer Res. 59:2302-2306, 1999、参照によって本明細書に組み込まれる)。簡潔に述べると、MethyLight(商標)の方法は、ゲノムDNAの混合試料を用いて開始し、これは標準的な手法(バイサルファイト法が非メチル化シトシン残基をウラシルに変換する)に従って(例えば亜硫酸水素ナトリウム反応において)メチル化に依存した配列の差異を有する混合プールに変換される。次に、蛍光に基づくPCRを「バイアスされた」(既知のCpGジヌクレオチドに重複するPCRプライマーを用いる)反応において実行する。配列の識別を、増幅段階のレベルおよび蛍光検出段階のレベルの両方において行い得る。これはゲノムDNA試料のメチル化パターンの定量的なテストとして使用され得、ここで配列の識別をプローブのハイブリダイゼーションのレベルにおいて行う。この定量的なバージョンにおいて、PCR反応は、特定の推定メチル化部位に重複する蛍光プローブの存在下においてメチル化特異的な増幅を与える。入力DNAの量に対するバイアスのない制御は、プライマーおよびプローブの両方がいかなるCpGジヌクレオチドも覆わない反応によって与えられる。用語「HeavyMethyl(商標) MethyLight(商標)」アッセイはHeavyMethyl(商標) MethyLight(商標)アッセイを指し、これはMethyLight(商標)アッセイを増幅プライマー間のCpG部位を覆うメチル化特異的なブロッキングプローブと組み合わせた、MethyLight(商標)アッセイの変形である。
オリゴヌクレオチドに関して使用される場合、用語「アニーリング」は、適度またはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下における、オリゴヌクレオチドの、試料DNAにおけるワトソンクリック塩基対形成に沿った少なくとも実質的に相補的な配列との(二本鎖構造を形成する)結合として理解されるはずである。単一のヌクレオチドまたは塩基に関して使用される場合、アニーリングはワトソンクリック塩基対形成(例えばC−G、A−TおよびA−U)に従った結合を指す。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、5×SSC/5×デンハルト液/1.0%SDSにおいて68℃でハイブリダイズし、室温において0.2×SSC/0.1%SDSで洗浄することを含み、または当分野で認識されるその等価物(例えば、ハイブリダイゼーションを2.5×SSC緩衝液において60℃で行った後、37℃において低緩衝液濃度で数回洗浄する工程を行い、安定した状態に保つ条件)を含む。適度な条件は、42℃における3×SSCでの洗浄、または当該分野で認識されるその等価物を含む。プローブと標的核酸との間の同一性の最適なレベルを達成するために、塩濃度および温度のパラメータは様々であり得る。このような条件に関するガイドラインが当分野で(例えば、Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, N.Y.;およびAusubel et al. (eds.), 1995, Current Protocols in Molecular Biology, (John Wiley & Sons, N.Y.) at Unit 2.10によって)利用可能である。
「実質的に相補的」は、オリゴヌクレオチドが鋳型の正確な配列を反映する必要はなく、本明細書に定義されるミスマッチおよび/またはスペーサーを含み得ることを意味する。「実質的に同一」は、オリゴヌクレオチドが基準配列と100%同一である必要はなく、本明細書に定義されるミスマッチおよび/またはスペーサーを含み得ることを意味する。実質的に相補的または同一のオリゴヌクレオチドは、意図されるアニーリングがミスマッチおよび/またはスペーサーによって失敗することのないように、オリゴヌクレオチド毎に1〜3個(すなわち1、2または3個)のミスマッチおよび/またはスペーサー(好ましくは1つのミスマッチまたはスペーサー)を含むことが好ましい。ミスマッチおよび/またはスペーサーにかかわらずアニーリングを可能にするために、オリゴヌクレオチドはオリゴヌクレオチドの10ヌクレオチド毎に2以上のミスマッチ(小数第1位が5以上の場合切り上げ、それ以外の場合切り下げる)を含まないことが好ましい。
本明細書における用語「オリゴヌクレオチド」は5〜50個のリボヌクレオチドまたは好ましくはデオキシリボヌクレオチドの直鎖オリゴマーを指す。好ましくは、オリゴヌクレオチドは一本鎖DNAフラグメントの構造を有する。
本明細書における用語「プライマーオリゴヌクレオチド」は、コピーしようと試みる核酸配列(鋳型)と実質的に相補的な一本鎖オリゴヌクレオチド配列を指し、プライマー伸長産物の合成の開始点として働く。プライマーオリゴヌクレオチドは、好ましくは10〜40ヌクレオチド長、より好ましくは15〜30ヌクレオチド長、最も好ましくは19〜25ヌクレオチド長である。
本明細書における用語「ブロッカー」は、一本鎖DNAとメチル化特異的な様式で結合し(すなわち、変換されたメチル化DNAまたは好ましくは変換された非メチル化DNAもしくはそれに由来する増幅されたDNAのいずれかに特異的である)、それに結合することによって(例えばプライマーが結合するのを妨げることによって、またはそれが結合した箇所のプライマー伸長を妨げることによって)DNAの増幅を妨げる分子を指す。ブロッカーの限定されない例として、(例えばプライマー結合またはポリメラーゼを遮断する)配列および/またはメチル化特異的抗体および特にブロッカーオリゴヌクレオチドが挙げられる。
「ブロッカーオリゴヌクレオチド」は、ブロッカーオリゴヌクレオチドの上流に位置するプライマーの伸長を妨げるブロッカーであり得る。ブロッカーオリゴヌクレオチドはポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性に抵抗性のある骨格を有するヌクレオシド/ヌクレオチドを含む。これは例えば、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、モルフォリノ、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、架橋核酸(BNA)、N3’−P5’ホスホロアミダート(NP)オリゴマー、マイナーグルーブバインダー結合型オリゴヌクレオチド(MGB結合型オリゴヌクレオチド)、ホスホロチオエート(PS)オリゴマー、CrCアルキルホスホネートオリゴマー、ホスホロアミダート、β−ホスホジエステルオリゴヌクレオチド、a−ホスホジエステルオリゴヌクレオチドまたはそれらの組合せを含むことによって達成され得る。あるいは、ブロッカーオリゴヌクレオチドは、プライマーオリゴヌクレオチドの結合部位と重複するDNA一本鎖上の結合部位を有する非伸長性のオリゴヌクレオチドであり得る。ブロッカーが結合されると、プライマーは結合できないため、増幅産物は作製されない。ブロッカーが結合されないと、プライマー結合部位はアクセス可能であり、増幅産物が作製される。このような重複するブロッカーについて、ブロッカーの親和性は、DNAに対するプライマーの親和性より高いことが好ましい。ブロッカーオリゴヌクレオチドは通常15〜50、好ましくは20〜40、より好ましくは25〜35ヌクレオチド長である。「少なくとも1つのブロッカー」は、特に1、2、3、4、または5個のブロッカー、より具体的には1〜2個または1〜3個のブロッカーを指す。また、ブロッカーオリゴヌクレオチド単独では、非伸長性の3’末端のためにプライマーとして作用し得ない(すなわちポリメラーゼによって伸長し得ない)。
本明細書における用語「プローブオリゴヌクレオチド」または「プローブ」は、通常いかなるプライマーオリゴヌクレオチドも結合しない(すなわち、プライマーオリゴヌクレオチドがアニールする配列セグメントと重複する一方の鎖の配列セグメントではない)増幅産物の一方の鎖にアニールすることによって増幅産物を検出するのに使用されるオリゴヌクレオチドを指す。好ましくは、これはミスマッチまたはスペーサーを含まずにアニールし、言い換えると増幅産物の一方の鎖と好ましくは相補的である。プローブオリゴヌクレオチドは、好ましくは5〜40ヌクレオチド長、より好ましくは10〜25ヌクレオチド長、最も好ましくは25〜20ヌクレオチド長である。通常、プローブは、増幅産物の検出を可能にする少なくとも1つの検出可能な標識、および/または(好ましくはその)検出可能な標識の信号を抑制することを可能にする少なくとも1つのクエンチャーと結合(好ましくは共有結合)する。本明細書における用語「検出可能な標識」は、いかなる特定の限定も示さない。検出可能な標識は、放射性標識、発光標識、蛍光色素、酵素活性を有する化合物、磁性標識、抗原、および検出可能な標識に高い結合親和性を有する化合物からなる群から選択され得る。例えば、プローブに結合する蛍光色素は検出標識として(例えばリアルタイムPCRにおいて)働き得る。適切な放射性マーカーはP−32、S−35、I−125およびH−3であり、適切な発光マーカーは、化学発光化合物、好ましくはルミノールであり、適切な蛍光マーカーは、好ましくはダンシルクロリド、フルオレセイン−5−イソチオシアネート、および4−フルオロ−7−ニトロベンズ−2−アザ−1,3ジアゾール、特に6−カルボキシフルオレセイン(FAM)、6−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、5(6)−カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)、5(6)−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、シアニン−5−フルオロフォア(Cy5)およびそれらの誘導体であり;適切な酵素マーカーは、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、a−ガラクトシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、またはビオチンである。プローブはまたクエンチャーと結合し得る。本明細書における用語「クエンチャー」は、(例えば、エネルギー移動、電子移動、またはIUPACで定義される化学的機構(compendium of chemical terminology 2nd ed. 1997参照)によって)対応する検出可能な標識の信号を不活性化または調節する分子を指す。特に、クエンチャーは蛍光色素である検出可能な標識の発光を調節する。場合により、クエンチャー自体が、蛍光が抑制される標識とは異なる特徴的な波長の蛍光を発する蛍光分子であり得る。別の場合において、クエンチャー自体は蛍光を発さない(すなわち、クエンチャーは「暗い受容体」である)。そのようなクエンチャーは例えば、ダブシル、メチルレッド、QSYジアリールローダミン色素などを含む。
本明細書においてオリゴヌクレオチドに関して使用される場合、用語「CpG部位を覆う」は、CpG部位のCの変換前または後(すなわちバイサルファイト変換された配列を指す場合、対応するゲノムDNAのCpG部位)において、オリゴヌクレオチドがこのCpG部位を含むDNA領域にアニールすることを指す。アニーリングは、CpG部位(またはCが変換された場合、CpG部位であった部位)に関して、以下に記述されるようにメチル化特異的またはメチル化非特異的であり得る。
本明細書における用語「メチル化特異的」は、一般にCpGメチル化の有無に依存することを指す。
本明細書においてオリゴヌクレオチドに関して使用される場合、用語「メチル化特異的」は、オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのCpG部位におけるCの位置に関してミスマッチを含まず、少なくとも1つのCpG部位のCが変換前に非メチル化されていたか、またはメチル化されていたか(すなわちCが変換されているか否か)に応じて、DNA(5位が非メチル化されたシトシンがウラシル、またはグアニンとハイブリダイズしない別の塩基に変換され、変換前に少なくとも1つのCpG部位を含むDNA)の一本鎖にアニールすること、またはアニールしないことを意味する。メチル化特異性は、正(Cが変換されなかった場合に、オリゴヌクレオチドが前記ミスマッチを含まずにアニールする)または負(Cが変換された場合に、オリゴヌクレオチドが前記ミスマッチを含まずにアニールする)のいずれかであり得る。その特異性に反するオリゴヌクレオチドのアニーリングを妨げるために、オリゴヌクレオチドは好ましくは変換前に少なくとも2、3、4、5、または6個、好ましくは3〜6個のCpG部位を覆う。
本明細書における用語「メチル化非特異的」は、一般にCpGメチル化の有無に依存しないことを指す。
本明細書においてオリゴヌクレオチドに関して使用される場合、用語「メチル化非特異的」は、オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのCpG部位のCが変換前に非メチル化されていたか、またはメチル化されていたか(すなわちCが変換されているか否か)に関わらず、DNA(5位が非メチル化されたシトシンがウラシル、またはグアニンとハイブリダイズしない別の塩基に変換され、変換前に少なくとも1つのCpG部位を含んでもよく、または含まなくても良いDNA)の一本鎖にアニールすることを意味する。ある場合では、オリゴヌクレオチドがアニールするDNAの一本鎖の領域がCpG部位を(変換前後において)全く含まず、この理由のみのために、オリゴヌクレオチドはメチル化非特異的である。メチル化非特異的オリゴヌクレオチドは1以上のCpGジヌクレオチドを覆い得るが、ミスマッチおよび/またはスペーサーを伴う。本明細書における用語「ミスマッチ」は、DNAにおける塩基対ミスマッチ、より具体的には通常の塩基対形成相互作用を形成できない塩基対(すなわち、「A」と「T」もしくは「U」または「G」と「C」以外)を指す。
第3の態様におけるオリゴヌクレオチド(すなわちプローブ、ブロッカーまたはプライマー)はまた、SNP非特異的なミスマッチまたはスペーサーを伴ってSNP部位を覆い得る。
本明細書における用語「SNP部位」は、「SNP」の部位(すなわち、個体の集団間で変動する(好ましくはヒト)ゲノムにおける特定の位置の単一ヌクレオチド多型)を指す。本出願で言及するゲノムDNAのSNPは当分野で公知であり、NCBIのdbSNP(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/snp)などのオンラインデータベースにおいて見出され得る。
本明細書における用語「SNP非特異的なミスマッチ」は、ヌクレオチドを、同じ集団の別の個体のゲノムの同一の位置に見出されるヌクレオチドに対応するヌクレオチドに置換しないヌクレオチド置換によるミスマッチを指す。
本明細書における用語「スペーサー」は、2つのヌクレオチドを連結する場合に、その2つのヌクレオチド間の距離を約1ヌクレオチド分の距離(すなわち、2つのヌクレオチドが3つ目のヌクレオチドによって連結された場合に離れているそれらの距離)に増大させる非ヌクレオチドスペーサー分子を指す。スペーサーの限定されない例は、イノシン、d−ウラシル、ハロゲン化塩基、アミノ−dT、C3、C12、スペーサー9、スペーサー18、およびdSpacerである。
本明細書における用語「反映する」は、「の結果である」または「示す」を意味することが理解されるはずである。
本明細書における語句「対象におけるがんの有無を検出する方法」は、対象ががんを有するか否かを決定することを指す。当業者に理解されるように、このような評価は通常、正確であることが好ましいが、100%の患者に対して正確ではない場合がある。しかしながら、該用語は、対象の統計的に有意な部分に対して正確な指標を作成できることを必要とする。一部が統計的に有意であるか否かは、数種の周知の統計的評価ツール(例えば信頼区間の決定、p値の決定、スチューデントのt検定、マンホイットニー検定など)を用いて当業者によって容易に決定され得る。詳細はDowdy and Wearden, Statistics for Research, John Wiley & Sons, New York 1983において提供されている。好ましい信頼区間は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%である。p値は好ましくは0.05、0.01または0.005である。
対象におけるがんの有無を検出する方法に関する用語「そのリスク」は、がんが発生するリスクの増大またはがんを有する可能性の増大を検出することを指す。対象が(本明細書に定義される)がんに起因し得る1以上のリスク因子を考慮してリスクの増大を既に有する場合、「そのリスク」はさらに(すなわち、それらのリスク因子によるリスクに加えて)増大したリスクを指す。
本明細書における用語「がん」は、体内の他の部分に浸潤または拡散する可能性を有する異常な細胞増殖に関する疾患の大きなファミリーを指す。この細胞は、新生物または腫瘍のサブセットを形成する。新生物または腫瘍は、無秩序な増殖を起こし、大抵は腫瘤またはしこりを形成するが、拡散的に分布し得る細胞群である。好ましくは、用語「がん」は、以下の特徴のうち1つ以上によって定義される:
増殖シグナル伝達の自給自足、
抗増殖シグナルに対する非感受性、
アポトーシスの回避、
無制限の複製能を可能とすること、
血管新生の誘導および持続、および/または、
転移および組織浸潤の活性化。
本発明に関するがんは、好ましくは、肝がん、食道がん、胃がん、膵がん、乳がん、肺がん、頚部がん、腎がん、甲状腺がん、前立腺がん、膀胱がん、結腸がんおよび卵巣がんからなる群から選択される。
用語「胃がん」は最も広い意味で使用され、胃で始まる全てのがんを指す。胃がんは、胃で始まるサブタイプの腺がん、リンパ腫、消化管間質腫瘍(GIST)、カルチノイド腫瘍および扁平上皮細胞がん、小細胞がんおよび平滑筋肉腫を含む。胃がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:ステージ0(Tis、N0、M0)、ステージIA(T1、N0、M0)、ステージIB(T1、N1、M0;またはT2、N0、M0)、ステージIIA(T1、N2、M0;T2、N1、M0;またはT2、N0、M0)、ステージIIB(T1、N3、M0;T2、N2、M0;T3、N1、M0;またはT4a、N0、M0)、ステージIIIA(T1、N2、M0;T2、N1、M0;またはT2、N0、M0)、ステージIIIB(T3、N3、M0;T4a、N2、M0;またはT4b、N0もしくはN1、M0)、ステージIIIC(T4a、N3、M0;、またはT4b、N2もしくはN3、M0)、およびステージIV(他の任意のT、N、およびM)。
用語「肝がん」は最も広い意味で使用され、肝臓で始まる全てのがんを指す。肝がんは、サブタイプの肝細胞がん(HCC)、胆管細胞がん(胆管がん)、血管肉腫および肝芽腫を含む。肝がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:ステージI(T1、N0、M0)、ステージII(T2、N0、M0)、ステージIIIA(T3a、N0、M0)、ステージIIIb(T3b、N0、M0)、ステージIIIc(T4、N0、M0)、ステージIVA(任意のT、N1、M0)、ステージIVB(任意のT、任意のNおよびM1)。
用語「食道がん」は最も広い意味で使用され、食道で始まる全てのがんを指す。食道がんは、サブタイプの食道扁平上皮がんまたは食道腺がんを含む。食道がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:扁平上皮がんについて:ステージ0(Tis、N0、M0、GXまたはG1)、ステージIA(T1、N0、M0、GXまたはG1)、ステージIB(T1、N0、M0、G2もしくはG3;またはT2もしくはT3、N0、M0、GXもしくはG1)、ステージIIA(上部または中央部の位置、T2もしくはT3、N0、M0、GXもしくはG1;または下部の位置、T2もしくはT3、N0、M0、G2もしくはG3)、ステージIIB(上部または中央部の位置、T2もしくはT3、N0、M0、G2もしくはG3;またはT1もしくはT2、N1、M0)、ステージIIIA(T1もしくはT2、N2、M0;T3、N1、M0;またはT4a、N0、M0)、ステージIIIC(T4a、N1もしくはN2、M0;T4b、任意のN、M0;または任意のT、N3、M0)およびステージIV(任意のT、任意のN、M1);腺がんについて:ステージ0(Tis、N0、M0、GXまたはG1)、ステージIA(T1、N0、M0、GX、G1またはG2)、ステージIB(T1、N0、M0、G3;またはT2、N0、M0、GX、G1、もしくはG2)、ステージIIA(T2、N0、M0、G3)、ステージIIB(T3、N0、M0;またはT1もしくはT2、N1、M0)、ステージIIIA(T1もしくはT2、N2、M0;T3、N1、M0;またはT3、N2、M0)、ステージIIIC(T4a、N1もしくはN2、M0;T4b、任意のN、M0;または任意のT、N3、M0)、およびステージIV(任意のT、任意のN、M1)。
用語「膵がん」は最も広い意味で使用され、膵臓で始まる全てのがんを指す。膵がんは、サブタイプの外分泌がん、内分泌がん、膵芽腫、膵臓の肉腫およびリンパ腫を含む。外分泌がんは腺がん(特に導管腺がん)ならびに嚢胞性腫瘍および腺房細胞のがんを含む。内分泌がんは、ガストリノーマ、インスリノーマ、ソマトスタチノーマ、VIP産生腫瘍およびグルカゴノーマを含む。膵がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:ステージ0(Tis、N0、M0)、ステージIA(T1、N0、M0)、ステージIB(T2、N0、M0)、ステージIIA(T3、N0、M0)、ステージIIB(T1−3、N1、M0)、ステージIII(T4、任意のN、M0)、およびステージIV(任意のT、任意のN、M1)。
用語「乳がん」は最も広い意味で使用され、乳房で始まる全てのがんを指す。乳がんは、サブタイプの非浸潤性乳管がん、浸潤性腺管がん(乳房の管状がん、乳房の髄様がん、乳房の粘液性がん、乳房の乳頭がんおよび乳房の篩状がんを含む)、浸潤性小葉がん、炎症性乳がん、非浸潤性小葉がん、男性乳がん、乳頭パジェット病および乳房の葉状腫瘍を含む。乳がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:ステージ0:(Tis、N0、M0)、ステージIA(T1、N0、M0)、ステージIB(T0またはT1、N1mi、M0)、ステージIIA(T0もしくはT1、N1(N1miではない)、M0;またはT2、N0、M0)、ステージIIB(T2、N1、M0;またはT3、N0、M0)、ステージIIIA(T0〜T2、N2、M0;またはT3、N1もしくはN2、M0)、ステージIIIB(T4、N0〜N2、M0)、ステージIIIC(任意のT、N3、M0)、およびステージIV(任意のT、任意のN、M1)。
用語「頚部がん」または「頭頸部がん」は最も広い意味で使用され、頚部または頭部で始まる全てのがんを指す。頚部がんまたは頭頸部がんは、サブタイプの喉頭がん、下咽頭がん、鼻腔がんおよび副鼻腔がん、鼻咽頭がん、唾液腺がん、ならびに口腔がんおよび中咽頭がんを含む。頚部がんまたは頭頸部がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:ステージ0(Tis、N0、M0)、ステージI(T1、N0、M0)、ステージII(T2、N0、M0)、ステージIII(T3、N0、M0;またはT1〜T3、N1、M0)、ステージIVA(T4a、N0もしくはN1、M0;またはT1〜T4a、N2、M0)、ステージIVB(T4b、任意のN、M0;または任意のT、N3、M0)、およびステージIVC(任意のT、任意のN、M1)。
用語「腎がん」または「腎臓がん」は最も広い意味で使用され、腎臓で始まる全てのがんを指す。腎がんまたは腎臓がんは、サブタイプの腎細胞がんまたはRCC(明細胞RCC、乳頭状RCC、嫌色素細胞性RCCおよび集合管RCCを含む)、移行上皮がん、ウィルムス腫瘍、および腎肉腫を含む。腎がんまたは腎臓がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:ステージI(T1、N0、M0)、ステージII(T2、N0、M0)、ステージIII(T3、N0、M0;またはT1〜T3、N1、M0)、およびステージIV(T4、任意のN、M0;または任意のT、任意のN、M1)。
用語「甲状腺がん」は最も広い意味で使用され、甲状腺で始まる全てのがんを指す。甲状腺がんは、サブタイプの分化甲状腺がん(乳頭がん、濾胞腺がん、およびハースル細胞がんを含む)、甲状腺髄様がん、未分化がん、甲状腺リンパ腫、および甲状腺肉腫を含む。甲状腺がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:45歳未満の患者における乳頭または濾胞腺(分化)甲状腺がんについて:ステージI(任意のT、任意のN、M0)およびステージII(任意のT、任意のN、M1);45歳以上の患者における乳頭または濾胞腺(分化)甲状腺がんについて:ステージI(T1、N0、M0)、ステージII(T2、N0、M0)、ステージIII(T3、N0、M0;またはT1〜T3、N1a、M0)、ステージIVA(T4a、任意のN、M0;またはT1〜T3、N1b、M0)、ステージIVB(T4b、任意のN、M0)、およびステージIVC(任意のT、任意のN、M1);甲状腺髄様がんについて:ステージI(T1、N0、M0)、ステージII(T2、N0、M0;またはT3、N0、M0)、ステージIII(T1〜T3、N1a、M0)、ステージIVA(T4a、任意のN、M0;またはT1〜T3、N1b、M0)、ステージIVB(T4b、任意のN、M0)、およびステージIVC(任意のT、任意のN、M1);未分化甲状腺がんについて:ステージIVA(T4a、任意のN、M0)、ステージIVB(T4b、任意のN、M0)、およびステージIVC(任意のT、任意のN、M1)。
用語「前立腺がん」は最も広い意味で使用され、前立腺で始まる全てのがんを指す。前立腺がんは、サブタイプの腺がん、肉腫、小細胞がん、神経内分泌腫瘍(小細胞がん以外)、および移行上皮がんを含む。前立腺がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:ステージI(T1、N0、M0、グリーソンスコア6以下、10未満のPSA;またはT2a、N0、M0、グリーソンスコア6以下、10未満のPSA)、ステージIIA(T1、N0、M0、グリーソンスコア7、20未満のPSA;T1、N0、M0、グリーソンスコア6以下、少なくとも10だが20未満のPSA;またはT2aもしくはT2b、N0、M0、グリーソンスコア7以下、20未満のPSA)、ステージIIB(T2c、N0、M0、任意のグリーソンスコア、任意のPSA;T1もしくはT2、N0、M0、任意のグリーソンスコア、20以上のPSA;またはT1もしくはT2、N0、M0、グリーソンスコア8以上、任意のPSA)、ステージIII(T3、N0、M0、任意のグリーソンスコア、任意のPSA)およびステージIV(T4、N0、M0、任意のグリーソンスコア、任意のPSA;任意のT、N1、M0、任意のグリーソンスコア、任意のPSA;または任意のT、任意のN、M1、任意のグリーソンスコア、任意のPSA)。
用語「膀胱がん」は最も広い意味で使用され、膀胱で始まる全てのがんを指す。膀胱がんは、サブタイプの移行(尿路)上皮がん(乳頭がんおよび扁平がん(flat carcinoma)を含む)、扁平上皮がん、腺がん、小細胞がんおよび肉腫を含む。膀胱がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:ステージ0a(Ta、N0、M0)、ステージ0is(Tis、N0、M0)、ステージI(T1、N0、M0)、ステージII(T2aまたはT2b、N0、M0)、ステージIII(T3a、T3b、またはT4a、N0、M0)、およびステージIV(T4b、N0、M0;任意のT、N1〜N3、M0;または任意のT、任意のN、M1)。
用語「卵巣がん」は最も広い意味で使用され、卵巣で始まる全てのがんを指す。卵巣がんは、サブタイプの良性上皮性卵巣腫瘍、低悪性度腫瘍、および悪性上皮性卵巣腫瘍を含む。卵巣がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:ステージIA(T1a、N0、M0)、ステージIB(T1b、N0、M0)、ステージIC(T1c、N0、M0)、ステージIIA(T2a、N0、M0)、ステージIIB(T2b、N0、M0)、ステージIIIA1(T1またはT2、N1、M0)、ステージIIIA2(T3a2、N0またはN1、M0)、ステージIIIB(T3b、N0またはN1、M0)、ステージIIIC(T3c、N0またはN1、M0)、およびステージIV(任意のT、任意のN、M1)。
用語「結腸がん」または「結腸直腸がん」は最も広い意味で使用され、(1)大腸および/または直腸の上皮細胞に生じるあらゆるステージおよびあらゆる形態のがん、および/または(2)大腸および/または直腸の内層に発症するあらゆるステージおよびあらゆる形態のがんを指す。結腸がんまたは結腸直腸がんは、それぞれが結腸(結腸がん)または直腸(直腸がん)に起源を持つ、サブタイプの腺がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、原発性結腸直腸リンパ腫、平滑筋肉腫、黒色腫または扁平上皮がんを含む。結腸直腸がんの分類に用いられる病期分類システムにおいて、結腸および直腸は1つの臓器として扱われる。結腸がんまたは結腸直腸がんはまた、(括弧内の対応するTNM分類によって定義される)以下のステージを含む:ステージ0(Tis、N0、M0)、ステージI(T1〜T2、N0、M0)、ステージIIA(T3、N0、M0)、ステージIIB(T4a、N0、M0)、ステージIIC(T4b、N0、M0)、ステージIIIA(T1〜T2、N1、M0;またはT1、N2a、M0)、ステージIIIB(T3〜T4a、N1、M0;T2〜T3、N2a、M0;またはT1〜T2、N2b、M0)、ステージIIIC(T4a、N2a、M0;T3〜T4a、N2b、M0;またはT4b、N1〜N2、M0)、およびステージIVA(任意のT、任意のN、M1a)、ステージIVA(任意のT、任意のN、M1b)。
用語「肺がん」は最も広い意味で使用され、肺で始まる全てのがんを指す。肺がんは、サブタイプの小細胞肺がん(SCLC)および非小細胞肺がん(NSCLC)を含む。本明細書における用語「SCLC」または「小細胞肺がん」は、未分化新生物を指し、好ましくは原始様細胞(primitive-appearing cell)または胚様細胞(embryonic-appearing cell)から構成される。その名称が示唆するように、小細胞がんの細胞は正常細胞より小さく、任意の細胞質のための余地はほとんどない。本明細書における用語「NSCLC」または「非小細胞肺がん」は、それらの予後および管理がおおよそ同じであるため共に分類されている異種疾患の一群を指し、世界保健機関/国際肺がん学会の組織学的分類(Travis WD et al. Histological typing of lung and pleural tumors. 3rd ed. Berlin: Springer-Verlag, 1999)に従って以下を含む:
(i)扁平上皮がん(SCC)は、NSCLCの30%〜40%を占め、より大きな呼吸管において発症するが、よりゆっくり増殖し、これはこれらの腫瘍のサイズが診断上様々であることを意味する。
(ii)腺がんは、NSCLCの最も一般的なサブタイプであり、NSCLCの50%〜60%を占め、肺のガス交換表面付近において発症し、サブタイプの気管支肺胞上皮がんを含み、これは治療に対して様々な応答を有し得る。
(iii)大細胞がんは、肺の表面付近において増殖する急成長する形態である。最初は除外診断であるが、さらなる調査を行う場合、通常、扁平上皮がんまたは腺がんに再分類される。
(iv)腺扁平上皮がんは、2種類の細胞:扁平上皮細胞(特定の臓器の内部を覆う薄く、扁平な細胞)および腺様細胞を含むがんの1種である。
(v)多形性、肉腫様、または肉腫性の要素を含むがん。これは組織学的異種性における連続性(continuum)ならびに上皮分化および間葉系分化を反映する珍しい腫瘍の一群である。
(vi)カルチノイド腫瘍はゆっくり増殖する神経内分泌肺腫瘍であり、神経系によって与えられた刺激に応答してホルモンを放出できる細胞において発症する。
(vii)唾液腺型のがんは、肺の大きな気道の内部に位置する唾液腺細胞において発症する。
(viii)未分類のがんは、上記の肺がんの分類のいずれにも適合しないがんを含む。
NSCLCは、扁平上皮がん、腺がん、大細胞(未分化)がん、腺扁平上皮がんおよび肉腫様がんであり得る。
肺がんは、括弧内の対応するTNM分類によって定義される、ステージ0、IA、IB、IIa、IIb、IIIa、IIIbまたはIVの肺がんであり得る:ステージ0(TisN0M0)、ステージIA(T1、N0、M0)、ステージIB(T2、M0、N0)、ステージIIA(T1、N1、M0;またはT2、N1、M0)、ステージIIB(T3、N0、M0)、ステージIIIA(T1、N2、M0;T2、N2、M0;T3、N1、M0;T3、N2、M0;T4、N0、M0;またはT4、N1、M0)、ステージIIIB(T1、N3、M0;T2、N3、M0;T3、N3、M0;T4、N2、M0;またはT4、N3、M0)、およびステージIV(M1を伴う任意のTまたは任意のN)。
TNM分類は悪性がんのための病期分類システムである。本明細書における用語「TNM分類」は、Sobin et al. (International Union Against Cancer (UICC), TNM Classification of Malignant tumors, 6th ed. New York; Springer, 2002, pp. 191-203)に定義されるTNMステージ分類の第6版を指す。
本明細書における用語「がん細胞」は、発達中における一連の特徴的な機能的な能力、特に以下の1以上を獲得している細胞を指す:アポトーシスを回避する能力、増殖シグナルの自給自足、抗増殖シグナルに対する非感受性、組織浸潤/転移、顕著な増殖能、および/または血管新生の持続。この用語は、前悪性および悪性がん細胞の両方を包含することを意味する。
本明細書における用語「腫瘍DNA」または「がん細胞の腫瘍DNA」は、単にがん細胞のDNAを指す。該用語は、がん細胞のDNAを本明細書において言及される他のDNAからより明確に区別するためにのみ使用される。したがって、不明確さが生じない限り、用語「がん細胞のDNA」が代わりに使用され得る。
本明細書における用語「対象」は、個体(ヒト、非ヒト霊長類(例えば、チンパンジーならびに他の類人猿およびサル種);家畜(鳥類、魚類、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマなど);家畜哺乳類(イヌおよびネコなど);齧歯類を含む実験動物(マウス、ラット、およびモルモットなど)など)を指す。該用語は特定の年齢または性別を示すものではない。特定の意味において、対象は哺乳類である。好ましい意味において、対象はヒトである。原理的に、対象は、(特に対象の血液由来のセルフリーDNAを含む試料またはそれに由来する試料からの)配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNA、および/または配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAにおけるメチル化状態が未知である、あらゆる対象であり得る。何のために第1の態様の方法が使用されるかに応じて、用語「対象」は異なる限定を有し得る。該方法が、例えばがんを検出するため、または対象をがんについてスクリーニングするために使用される場合、対象ががんを有することは未知である(すなわち、該用語はがんを有してもよく、有さなくてもよい)。この例の場合、対象は好ましくは、がんを有するリスクがあり、もしくはそのリスクが増大しており、またはがんを有することが疑われている。「リスクがある、またはリスクが増大している」は、好ましくはアメリカがん協会によって一般的に定義される、またはそれぞれのがんについて、1以上のリスク因子が対象に起因し得ることを意味する。
本明細書における用語「意味する」または「示す」は、示されるべきものを同定または特定する行為を指す。当業者に理解されるように、そのような評価は正確であることが好ましいが、通常100%の対象に対して正確ではない場合がある。しかしながら、該用語は対象の統計的に有意な部分に対して正確な指標を作成できることを必要とする。統計的有意性ならびに適切な信頼区間およびp値の説明は、上記を参照すること。
本明細書における用語「増幅する」または「増幅産物を生成する」は、二本鎖または一本鎖DNA鋳型の規定された領域を(通常、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて)増幅することを指す。「増幅産物」は、前記規定された領域によるDNAの二本鎖フラグメントである。
本明細書における用語「プライマー対」は、2つのオリゴヌクレオチド(すなわち順方向および逆方向プライマー)を指し、二本鎖核酸分子に対して、各オリゴヌクレオチドがそれらと(少なくとも実質的に)同一の鎖の相補鎖とアニールするように、各鎖と(少なくとも実質的に)同一の配列を有する。用語「順方向プライマー」は、二本鎖核酸分子の(ゲノム基準配列の方向によって規定される)順方向鎖と(少なくとも実質的に)同一のプライマーを指し、用語「逆方向プライマー」は、二本鎖核酸分子の順方向鎖の逆相補鎖と(少なくとも実質的に)同一のプライマーを指す。順方向プライマーおよび逆方向プライマーがそれらの鋳型にアニールする部位間の距離は、プライマーが生成を可能にすると考えられる増幅産物の長さに依存する。通常、本発明に関して、該距離は40〜100bpである。好ましい増幅産物のサイズが本明細書において特定されている。プライマー対を用いて一本鎖DNA鋳型が増幅されるべきである場合には、一方のプライマーのみが最初の増幅サイクルにおいて一本鎖にアニールする。次に、増幅の結果物が二本鎖DNAフラグメントとなるように、他方のプライマーが新たに生成した相補鎖に結合する。語句「5位が非メチル化されたシトシンがウラシル、またはグアニンにハイブリダイズしない別の塩基に変換されているゲノムDNAの一本鎖から増幅産物を生成するのに適したプライマー対」は、非メチル化シトシンからウラシル(これはアデニンと塩基対形成し、したがって増幅産物においてチミンに交換される)への塩基変化を考慮したプライマー対を指す。
本明細書における用語「診断」は、対象ががんを有するか否か、好ましくはどのがんを有するか否かを決定することを指す。本明細書に記載される標的DNAのメチル化分析による診断は、本明細書に記載されるさらなる手段が追加され得、かつ/またはメチル化分析で検出されたがんを絞り込む。当業者に理解されるように、診断は正確であることが好ましいが、通常100%の対象に対して正確ではない場合がある。しかしながら、該用語は対象の統計的に有意な部分に対して正確な診断が実行できることを必要とする。統計的有意性ならびに適切な信頼区間およびp値の説明は、上記を参照すること。
本明細書における用語「予後」は、疾患から回復する可能性または可能性の高い疾患の発展もしくは結果の予測(限定されないが、全生存期間(OS)の長さ、1年生存率(1YS)、治療応答(RT)、無病生存率、無憎悪生存率および無症候存率を予測することを含む)を意味する。可能性の高い発展または結果が陽性であるか陰性であるかに応じて、予後はそれぞれ良く、または悪い。当業者に理解されるように、予後は正確であることが好ましいが、通常100%の対象に対して正確ではない場合がある。しかしながら、該用語は対象の統計的に有意な部分に対して正確な予後が実行できることを必要とする。統計的有意性ならびに適切な信頼区間およびp値の説明は、上記を参照すること。
本明細書における用語「がん処置の効果を予測する」は、処置に応答したがん疾患の想定される結果を指し、その発展、進行もしくは退縮の状態の評価、および/または将来のがんの経過の予後に関する。特に、DNAメチル化の有無はがん処置の前および処置の開始直後に、本明細書に記載されるように検出されることが想定され、ここで直後は0.5〜7日後以内、好ましくは1、2または3日後以内を意味する。処置の開始直後の試料におけるメチル化DNAの増加は、がん処置が治療効果を有することを予測する。有効な処置は例えばがん細胞の破壊のために、試料中のセルフリーDNAの増加を導くと考えられる。当業者に理解されるように、予測は正確であることが好ましいが、通常100%の対象に対して正確ではない場合がある。しかしながら、該用語は対象の統計的に有意な部分に対して正確な予測が実行できることを必要とする。統計的有意性ならびに適切な信頼区間およびp値の説明は、上記を参照すること。
本明細書における用語「分類」は、がんまたは対象を群に割り当てることを指す。好ましくは、群は第5の態様の他の方法による群であり得る(例えば「がんと診断された対象」、「良好な予後/予後不良の対象」、「がん処置の予測された効果を有する、または有さない対象」、「がん処置に応答する、または応答しない対象」、または「がんの可能性が増大している対象」)。また、分類は単純に「各配列番号によるゲノムDNAにおけるDNAメチル化を有する対象」であり得る。当業者に理解されるように、分類は正確であることが好ましいが、通常100%の対象に対して正確ではない場合がある。しかしながら、該用語は対象の統計的に有意な部分に対して正確な分類を作成できることを必要とする。統計的有意性ならびに適切な信頼区間およびp値の説明は、上記を参照すること。
本明細書における語句「処置に対する応答」、「治療応答」は、がんを患う対象の、前記疾患を処置する治療に対する応答を指す。標準的な基準(Miller, et al., Cancer, 1981; 47(1): 207-14)が、応答、安定化および進行を含む治療応答を評価するために、本明細書と共に使用され得る。本明細書における用語「応答」は、検出可能な全ての悪性疾患の消失である完治(または完全寛解)、または1以上の病変(腫瘍病変)の最大の垂直方向の直径の積の和における約>50%の減少、新たな病変がないこと、およびあらゆる病変の進行がないこととして定義される部分応答であり得る。完全寛解または部分応答を達成した対象は「応答者」とみなされ、他の全ての対象は「非応答者」とみなされる。本明細書における用語「安定化」は、腫瘍サイズの<50%の減少または<25%の増加として定義される。本明細書における用語「進行」は、腫瘍病変のサイズの>25%の増加または新たな病変の出現として定義される。
本明細書における用語「モニターする」は、処置の手順の間または特定の期間(通常少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、1年間、2年間、3年間、5年間、10年間、または他のあらゆる期間)において診断されたがんを追従することを指す。用語「追従」は、がんの状態(特にがんのこれらの状態の変化)がメチル化標的DNAの量に基づいて、特にあらゆる種類の周期的な時間区間(例えば、処置の経過(最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15または24ヶ月であり得る)にわたって毎日、または1月毎に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15回(1日に1回のみの測定)測定される)における量の変化に基づいて検出され得ることを意味する。量または量の変化はまた、処置の特定のイベントにおいて(例えば、各処置サイクルまたは薬物/治療投与の前および/または後に)決定され得る。サイクルは、次の回の開始までの1回の処置の間の時間である。がん処置は通常、単回処置ではなく、一連の処置である。一連の処置は通常3〜6ヶ月かかるが、それ以上またはそれ以下であり得る。一連の処置の間、通常4〜8サイクルの処置がある。通常、処置のサイクルは、身体を回復させることを可能にするために処置の中断を含む。当業者に理解されるように、モニターの結果は正確であることが好ましいが、通常100%の対象に対して正確ではない場合がある。しかしながら、該用語は対象の統計的に有意な部分に対して正確なモニターの結果を達成できることを必要とする。統計的有意性ならびに適切な信頼区間およびp値の説明は、上記を参照すること。
語句「がんの可能性の増大を検出するための対象のスクリーニング」は、対象の集団の試料を用いた第1の態様の方法の使用を指す。好ましくは、対象は、特定の配列番号に関して本明細書に記載される群から選択されるがんを有するリスクが増大しており、または該がんを有することが疑われている。特に、本明細書に記載される以下の1以上のリスク因子が集団における対象に起因し得る。具体的な実施態様において、同じ1以上のリスク因子が、集団における全ての対象に起因し得る。例えば集団は、特定の最低年齢(例えば50歳以上)によって特徴付けられ得る。用語「スクリーニング」は明確な診断を必ずしも示さないが、特定のがんまたは一連のがんの有無の可能性の増大を示すことが意図されることが理解されるはずである。示された可能性の増大は、好ましくは本明細書に記載されるさらなる手段を用いて確認され、かつ/または絞り込まれる。当業者に理解されるように、スクリーニングの結果は正確であることが好ましいが、通常100%の対象に対して正確ではない場合がある。しかしながら、該用語は対象の統計的に有意な部分に対して正確なスクリーニングの結果を達成できることを必要とする。統計的有意性ならびに適切な信頼区間およびp値の説明は、上記を参照すること。
本明細書において、がんに関する用語「処置」または「処置する」は治療的処置を指し、ここで目標はがんの進行を減少させることである。有益または所望の臨床結果は、限定されないが、好ましくは検出可能である、症状からの解放(release)、疾患の期間の減少、病的状態の安定化(具体的には悪化しないこと)、疾患の進行の遅延、病的状態の改善および/または寛解(部分寛解および完全寛解の両方)を含む。処置の成功は必ずしも治癒を意味しないが、処置を適用しない場合に想定される生存期間と比較した、生存期間の延長を意味し得る。好ましい実施態様において、処置は第一選択処置である(すなわち、がんが以前に処置されていなかった)。がん処置は処置レジメンを含む。
本明細書における用語「処置レジメン」は、疾患ならびに利用可能な手法および投薬を考慮して、対象がどのように処置されるかということを指す。がん処置レジメンの限定されない例は、化学療法、手術および/または放射線治療またはそれらの組合せである。本発明が可能にするがんの早期の検出は、特に外科的処置(具体的には治癒的切除)を可能にする。特に用語「処置レジメン」は、以下に定義される1以上の抗がん剤または抗がん療法を施すことを指す。本明細書における用語「抗がん剤または抗がん療法」は、抗増殖性、抗発がん性および/または制がん性の性質を有する、化学的、物理的または生物学的物質もしくは療法または手術(それらの組合せを含む)を指す。
化学的な抗がん剤または抗がん療法は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、植物性アルカロイドおよびテルペノイド、ならびにトポイソメラーゼ阻害剤からなる群から選択され得る。好ましくは、アルキル化剤は白金に基づく化合物である。ある実施態様において、白金に基づく化合物は、シスプラチン、オキサリプラチン、エプタプラチン(eptaplatin)、ロバプラチン、ネダプラチン、カルボプラチン、イプロプラチン、テトラプラチン、ロバプラチン、DCP、PLD−147、JMl18、JM216、JM335、およびサトラプラチンからなる群から選択され得る。
物理的な抗がん剤または抗がん療法は、放射線療法(例えば、治癒的放射線治療、アジュバント放射線治療、緩和的放射線治療、遠隔放射線治療、小線源治療、または代謝性放射線治療)、光線療法(例えば、ヘマトポルフィリン(hematoporphoryn)またはフォトフリンIIを用いる)、および温熱療法からなる群から選択され得る。
手術は、治癒的切除、緩和的手術、予防的手術、または腫瘍縮小手術であり得る。通常、手術はBaron and Valin (Rec. Med. Vet, Special Canc. 1990; 11(166):999-1007).に記載されるように、切除(例えば嚢内切除、辺縁切除、広範囲切除または根治的切除)を含む。
生物学的な抗がん剤または抗がん療法は、抗体(例えば、がん細胞を破壊する免疫応答を刺激する抗体(リツキシマブ(retuximab)またはアレムツズマブ(alemtuzubab)など)、免疫細胞が「自身の」細胞を攻撃するのを妨げる抑制シグナルを免疫細胞の受容体に結合することによって免疫応答を刺激する抗体(イピリムマブなど)、腫瘍増殖に必要なタンパク質の作用に干渉する抗体(ベバシズマブ、セツキシマブまたはパニツムマブなど)、または薬物(好ましくは毒素などの細胞を死滅させる物質、化学療法分子または放射性分子)に共役した抗体(Y−イブリツモマブチウキセタン、I−トシツモマブまたはado−トラスツズマブエムタンシンなど))、サイトカイン(例えばインターフェロンまたはインターロイキン(INF−アルファおよびIL−2など))、ワクチン(例えば、シプリューセル−Tなどのがん関連抗原を含むワクチン)、腫瘍溶解性ウイルス(例えば天然腫瘍溶解性ウイルス(レオウイルス、ニューカッスル病ウイルスまたはムンプスウイルスなど)または遺伝子操作されたウイルス(麻疹ウイルス、アデノウイルス、ワクチニアウイルスまたはヘルペスウイルスなど)、これらはEGFRまたはHER−2などのがん関連抗原を有する細胞を優先的に標的とする)、遺伝子治療剤(例えば、改変腫瘍抑制因子を交換し、がん遺伝子の発現を遮断し、対象の免疫系を改善し、がん細胞の化学療法、放射線治療もしくは他の処置に対する感受性を高め、細胞の自殺を誘導し、または抗血管新生効果を与えるDNAもしくはRNA)、および養子T細胞(例えば、抗腫瘍活性について選択された、対象から回収された腫瘍浸潤性T細胞またはがん関連抗原を認識するように遺伝子組換えされた対象から回収されたT細胞)からなる群から選択され得る。
ある実施態様において、1以上の抗がん剤は、酢酸アビラテロン、ABVD、ABVE、ABVE−PC、AC、AC−T、ADE、Ado−トラスツズマブエムタンシン、アファチニブマレイン酸塩、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アミノレブリン酸、アナストロゾール、アプレピタント、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼエルウィニアクリサンテミ(Asparaginase Erwinia chrysanthemi)、アキシチニブ、アザシチジン、BEACOPP、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、BEP、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ−S−リンゴ酸塩、CAF、カペシタビン、CAPOX、カルボプラチン、カルボプラチン−タキソール、カルフィルゾミブ、カルムスチン、カルムスチンインプラント、セリチニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、クロラムブシル−プレドニゾン、CHOP、シスプラチン、クロファラビン、CMF、COPP、COPP−ABV、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、シタラビン、シタラビン、リポソーム製剤、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダサチニブ、ダウノルビシン塩酸塩、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デクスラゾキサン塩酸塩、ドセタキセル、ドキソルビシン塩酸塩、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム、エルトロンボパグオラミン、エンザルタミド、エピルビシン塩酸塩、EPOCH、エリブリンメシル酸塩、エルロチニブ塩酸塩、エトポシドリン酸塩、エベロリムス、エキセメスタン、FEC、フィルグラスチム、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、FU−LV、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン塩酸塩、ゲムシタビン−シスプラチン、ゲムシタビン−オキサリプラチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、グルカルピダーゼ、ゴセレリン酢酸塩、HPV二価ワクチン、組換えHPV四価ワクチン、Hyper−CVAD、イブリツモマブチウキセタン、イブルチニブ、ICE、イデラリシブ、イホスファミド、イマチニブ、メシレート、イミキモド、ヨード131トシツモマブおよびトシツモマブ、イピリムマブ、イリノテカン塩酸塩、イクサベピロン、トシル酸ラパチニブ、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、酢酸リュープロリド、リポソーマルシタラビン、ロムスチン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシンC、ミトキサントロン塩酸塩、MOPP、ネララビン、ニロチニブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オマセタキシンメペサクシネート、OEPA、OFF、OPPA、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、PAD、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、パミドロン酸二ナトリウム、パニツムマブ、パゾパニブ塩酸塩、ペグアスパルガーゼ、ペグインターフェロンα−2b、ペンブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウム、ペルツズマブ、プレリキサフォル、ポマリドミド、ポナチニブ塩酸塩、プララトレキサート、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩、塩化ラジウム223、ラロキシフェン塩酸塩、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、R−CHOP、R−CVP、組換えHPV二価ワクチン、組換えHPV四価ワクチン、組換えインターフェロンα−2b、レゴラフェニブ、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、ルキソリチニブリン酸塩、シルツキシマブ、シプリューセル−T、トシル酸ソラフェニブ、STANFORD V、リンゴ酸スニチニブ、TAC、タルク、タモキシフェンクエン酸塩、テモゾロミド、テムシロリムス、サリドマイド、トポテカン塩酸塩、トレミフェン、トシツモマブおよびI 131ヨードトシツモマブ、TPF、トラメチニブ、トラスツズマブ、バンデタニブ、VAMP、VeIP、ベムラフェニブ、ビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム、ビノレルビン酒石酸塩、ビスモデギブ、ボリノスタット、XELOX、Ziv−アフリベルセプト、ならびにゾレドロン酸からなる群から選択される。
本出願において参照される配列番号
本出願は配列番号1〜63を参照している。これらの配列番号の概説および説明を以下の表1に与える:
表1:本明細書の配列番号。rcは逆相補体を意味する。CからTまたはGからAは、CpG文脈外のシトシンのウラシルへのバイサルファイト変換によって変換され、その後の増幅においてチミジンに交換されたことを意味する。bis1は(各ゲノムDNAの配列番号に記載されるように)バイサルファイト変換された順方向鎖を指し、bis2は順方向鎖のバイサルファイト変換された逆相補鎖(各ゲノムDNAの配列番号の逆相補体)を指し、これによって鎖の方向が(例えばゲノムビルド(HCGR38)から得られる)ゲノム基準配列の方向によって規定される。配列のマッピングについては図1を参照すること。
Figure 2019504642
本発明は以下の実施例によって説明されるが、これらは単なる説明であり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
試料調製:
アッセイを評価するのに使用される技術的な試料は、アッセイ領域において非メチル化されていることが知られているバイサルファイト処理されたPBL(末梢血)DNA(ヒトゲノムDNA:男性、Promega GmbH)と、メチル化DNA(ユニバーサルメチル化DNAである、DNA−メチルトランスフェラーゼで処理したDNA、Merck Chemicals GmbH)との合計10ng/mlの混合物として調製された。非メチル化DNAゲノムのための第2の技術的な基準対照として、広範にランダム増幅されたDNA(Phi)を使用した。種々のがん組織から単離したDNAをBiocat GmbHから商業的に購入した。対照DNAおよび組織DNAを、製造者のプロトコルに従ってEpiTect Bisulfite Kit (Qiagen GmbH)でバイサルファイト処理した。
大腸がん患者および健常な個体由来の血漿試料を、Epi proColon 2.0 kit (Epigenomics AG)の使用のための説明書(IFU)に規定されるように収集した。簡潔に述べると、EDTA血漿を2つの遠心分離の工程によって調製した。バルク血漿(健常な個体由来の血漿試料のプール;血漿、正常EDTA、Cliniqa Co.)を使用前に同一条件下で遠心分離した。血漿試料をプロセッシングまで、−70℃で保存した。
試料/DNAプロセッシング
技術的な試料/DNA混合物を直接使用した。血漿試料を、Epi proColon 2.0 kit (Epigenomics AG)の使用のための説明書(IFU)に規定されるように、解析前のワークフローと同様にプロセッシングした。
PCR反応では、技術的な試料のための各反応における10ngの全DNA、または血漿試料のための約1mlの血漿のプロセッシングされた等価物のいずれかを用いた。本出願のアッセイのために設計された関連するオリゴマーを含むPCR混合物を除いて、LightCycler 480 (Roche Applied Sciences)上でのリアルタイムPCRをEpi proColon 2.0 PCR kit (Epigenomics AG)に従って行った。
調査したマーカーANKRD13BおよびFOXF2のメチル化状態に加えて、メチル化セプチン9および非メチル化セプチン9のレベルを測定し、個々のPCR反応における全DNAの収量を決定した。DNA量の算出は、キャリブレーターとしての技術的なDNA(例えば50%メチル化DNA:5ng非メチル化バイサルファイトPBL DNAプラス5ngメチル化DNA)を用いて行った。メチル化の程度を調査したマーカーのDNA量とDNA全量(メチル化セプチン9マーカーと非メチル化セプチン9マーカーとの合計)との比によって決定した。
結果:
調査したマーカーANKRD13BおよびFOXF2のメチル化は本明細書に記載されるheavy methyl PCRアッセイを用いてうまく検出できた(図2)。(10ngの非メチル化DNAの全バックグラウンドにおける)わずか50pgのメチル化DNAを含む技術的な試料はリアルタイムPCRにおいて強い信号を示す。対照的に、バルク血漿(健常な個体のプール)からのプロセッシングされた試料はPCRにおいて信号を示さず、またはごくわずかな信号を示す(図6および図7)。
次に、調査したマーカーのメチル化状態を種々のがん組織由来のDNAに対してテストした。図3Bに示されるように、胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんおよび前立腺がん由来のDNAにおけるANKRD13Bのメチル化の程度は、正常な結腸組織(わずか0.5%のメチル化DNA)とは対照的に、10%を超えた。この組織におけるメチル化の著しい差異は、液体生検においても測定され得ることが想定される。概念実証として、健常な個体およびCRC患者由来の血漿試料を調べた。平均のメチル化の程度はCRC血漿においてわずか8%であったが、試料は健常な個体(全く検出されない−健常なドナー由来の血漿における0%のメチル化)とは明確に区別できる。個々のCRC患者の血漿試料において、メチル化ANKRD13Bを検出するリアルタイムPCR増幅プロットの1つの例を図8に示す。メチル化ANKRD13Bの検出に加えて、既知のCRCマーカーとしてメチル化セプチン9、および非メチル化バックグラウンドDNAの検出のための非メチル化セプチン9の信号を観察する。
図4Bは、肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんおよび食道がんにおけるFOXF2の10%を超えるメチル化DNAの量を示す。正常な結腸組織は、メチル化FOXF2の低い信号(わずか0.2%のメチル化DNA)を示す。また、液体生検におけるメチル化の検出のための概念実証として、健常な個体およびCRC患者由来の血漿試料を調べた(図4A)。メチル化DNAの平均量はCRC血漿において10%であり、健常なドナー(わずか0.03%のメチル化標的DNAを伴う、単一の試料のみにおける検出)から明確に区別できる。個々のCRC患者の血漿試料におけるメチル化FOXF2を検出するリアルタイムPCR増幅プロットの1つの例を図9に示す。メチル化ANKRD13Bの検出に加えて、既知のCRCマーカーとしてメチル化セプチン9、および非メチル化バックグラウンドDNAの検出のための非メチル化セプチン9の信号を観察する。
個々のがん組織における調査した両方のマーカーのメチル化の程度を、図5に示されるマトリクスにおいて比較する。このように、種々のマーカーによる同じ種類のがん組織におけるメチル化の程度の直接比較が明白となる。種々のクラスターが観察され得る:a)調査したマーカーがメチル化されないがん組織(例えば膵がん組織または腎がん組織)、b)一方のマーカーのみについて有意な量のメチル化を示すがん組織(例えば、前立腺がん組織におけるメチル化されたANKRD13、または肺がん組織におけるメチル化されたFOXF2)、c)調査した両方のマーカーで検出されるがん組織(例えば結腸がん組織または食道がん組織)。測定において、b)を指すクラスターが観察される場合、特定の診断が与えられ得る。他のクラスター(a)および(c)のために、さらなるマーカーまたは従来の診断法を追加し、種々の形態のがんを区別することを可能にする必要がある。

Claims (15)

  1. 対象の血液由来のセルフリーDNAを含む試料またはそれに由来する試料から、配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNA、および/または配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAにおいてDNAメチル化を検出する方法。
  2. 配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNAが、配列番号6に含まれる配列、好ましくは配列番号11および/または16に含まれる配列、より好ましくは配列番号21に含まれる配列を有し、かつ/または配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAが、配列番号31および/または36に含まれる配列、好ましくは配列番号41に含まれる配列、より好ましくは配列番号46に含まれる配列、最も好ましくは配列番号51に含まれる配列を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 対象が、配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNAにおいてDNAメチル化が検出された場合に、胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんおよび前立腺がんからなる群、および/または配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAにおいてDNAメチル化が検出された場合に、肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんおよび食道がんからなる群から選択されるがんを有するリスクが増大しており、または該がんを有することが疑われている、請求項1または2に記載の方法。
  4. 以下の工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法、
    (a)ゲノムDNAにおいて5位が非メチル化しているシトシンをウラシル、またはグアニンとハイブリダイズしない別の塩基に変換する工程;
    (b)変換されたDNAの領域をメチル化特異的に増幅する工程;
    (c)工程(b)で増幅されたDNAの有無を検出する工程;
    ここで、増幅されたDNAの有無は、それぞれメチル化ゲノムDNAの有無を意味する。
  5. 配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAを増幅するために配列番号2〜5の一続きの連続したヌクレオチド、または配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAに由来する変換されたDNAを増幅するために配列番号27〜30の一続きの連続したヌクレオチドと、実質的に同一または相補的な少なくとも1つのメチル化特異的オリゴヌクレオチドを使用することによって、変換されたDNAの領域がメチル化特異的に増幅される、請求項4に記載の方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のDNAメチル化を検出する方法を含む、対象におけるがんまたはがんのリスクの有無を検出する方法。
  7. がんが、配列番号1に含まれる配列を有するゲノムDNAにおいてDNAメチル化が検出された場合に、胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんおよび前立腺がんからなる群から選択され、および/または配列番号26に含まれる配列を有するゲノムDNAにおいてDNAメチル化が検出された場合に、肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんおよび食道がんからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. (i)配列番号1に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの存在が、胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんもしくは前立腺がんまたはそれらのリスクの存在を意味し、配列番号1に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの非存在が、胃がん、肝がん、結腸がん、卵巣がん、食道がん、膀胱がんおよび前立腺がんまたはそれらのリスクの非存在を意味する、
    (ii)配列番号26に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの存在が、肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんもしくは食道がんまたはそれらのリスクの存在を意味し、配列番号26に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの非存在が、肺がん、結腸がん、乳がん、胃がんおよび食道がんまたはそれらのリスクの非存在を意味する、
    (iii)配列番号1に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAおよび配列番号26に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの存在が、胃がん、結腸がんもしくは食道がんまたはそれらのリスクの存在を意味する、かつ、
    (iv)配列番号1または配列番号26のいずれか一方に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの存在、および他方に含まれる配列を有する相当量のメチル化ゲノムDNAの非存在が、(i)および(ii)を組み合わせた指標に従って、がんまたはそのリスクの存在を意味する、請求項7に記載の方法。
  9. 指定されたがんを検出する1以上のさらなる手段を用いることによって、指定されたがんを確認し、かつ/または指定されたがんを絞り込むことをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. メチル化ゲノムDNAの量をリアルタイムPCRまたは配列決定法によって決定する、請求項8に記載の方法。
  11. 配列番号2〜5または配列番号27〜30の一続きの連続したヌクレオチドと実質的に同一または相補的な配列を有する、プライマー、ブロッカーまたはプローブからなる群から選択されるオリゴヌクレオチド。
  12. 少なくとも第1および第2のオリゴヌクレオチドを含むキット、ここで第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドは請求項11に記載のオリゴヌクレオチドである。
  13. 第1のオリゴヌクレオチドがメチル化特異的な請求項11に記載のプローブであり、第2のオリゴヌクレオチドがメチル化特異的な請求項11に記載のブロッカーまたはメチル化特異的な請求項11に記載のプライマーである、請求項12に記載のキット。
  14. 第1のオリゴヌクレオチドが請求項11に記載のプライマーであり、第2のオリゴヌクレオチドが請求項11に記載のプライマーまたはメチル化特異的な請求項11に記載のブロッカーである、請求項12に記載のキット。
  15. がんの診断、がんの予後、がん処置の効果の予測、がん処置に対する応答の評価、がんのモニター、がんの可能性の増大を検出するための対象のスクリーニング、またはがんもしくは対象の分類のための、請求項1〜5もしくは請求項6〜9のいずれかに記載の方法、請求項11に記載のオリゴヌクレオチド、または請求項12〜14のいずれかに記載のキットの使用。
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