JP2019504143A - 外観が向上されたポリプロピレンの調製プロセス - Google Patents

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Abstract

ポリプロピレンと、ソルビトール誘導体である核剤と亜鉛脂肪酸塩とを含むポリマー組成物を使用して物品を調製するためのプロセス。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマー組成物から外観が向上された物品を調製するプロセスおよび前記プロセスにより得られる物品を対象とする。さらに、本発明は、ポリマー組成物を加工して前記外観が向上された物品を形成するプロセスにおけるアルカリ土類脂肪酸塩の使用を対象とする。
ポリプロピレン等のポリマーは、自動車用途、包装用途、家庭用品用途、保存用途などを含む最終使用製品において広く利用される。黄色度が低い透明化ポリマーから形成される外観が改良された物品の調製プロセスが一般に必要とされている。
ポリプロピレン組成物から調製される物品のヘイズを低減するための核剤の使用は、従来技術において周知である。核剤は、成形または製造プロセス中のポリマー結晶成長の核形成部位を提供する。核剤を含む組成物は通常、核剤を含まない組成物と比較してより高い結晶化温度で、より速い速度で結晶化する。
核剤の効率は通常、ポリマー組成物のピーク結晶化温度により測定される。高いポリマーピーク結晶化温度は高い核形成効力を示し、これは通常、より高速の核形成速度、したがってより短い加工サイクルタイムにつながる。
一般に、核剤を加えることに関連する多数の核形成部位の存在は、より多数のより小さな結晶をもたらす。より小さな結晶が内部に形成される結果、優れた透明度は必ずしも得られないが、ポリマーから調製される物品の透明化も達成されうる。ポリマー物品の優れた透明度を必要とする用途では、最終製品中に低いヘイズを誘発する添加物がポリマー組成物に加えられる。このような化合物は、透明化剤またはクラリファイヤと一般に呼称される。
高い核形成効力と高い物品透明度との組み合わせが望ましい。最新技術おいて知られる有効な透明化剤は、ジベンジリデンソルビトールアセタール誘導体等のソルビトールのアセタールである。しかし、ソルビトールのアセタールはポリプロピレン組成物中で溶解性が乏しく、十分な量を溶解するために220℃超の比較的高い加工温度が必要である。さらに、必要に応じてポリプロピレン組成物の特性を調節するために必要な他の添加物の存在は、透明化剤の効力および他の添加物の性能に影響する。
優れた外観をもつポリプロピレン組成物からの物品の調製のための改良された、より効率的なプロセスを提供することが、本発明の目的である。
驚くべきことに、特定の量の特定の添加物の使用により、優れた外観の物品を生じる、より効率的なプロセスによってポリマー組成物から物品を調製することができることが分かっている。
本発明は、物品を調製するためのプロセスを対象とし、このプロセスは、
(i)ポリプロピレン(PP;polypropylene)と、
(ii)以下の構造を有する第一核剤(NU1)であって、
Figure 2019504143
式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルハライドシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリールおよびこれらの組み合わせからなる群より独立して選択され、
式中、R〜Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ハライド、アミノおよびチオエーテルならびにこれらの組み合わせからなる群より独立して選択され、任意選択的に任意の隣接するR〜Rは、一緒に結合されて5員または6員環を形成し、
式中、nは0〜2の整数であり、1〜2の整数であるのが好ましく、nは1であるのがより好ましい、
第一核剤(NU1)と、
(iii)亜鉛脂肪酸塩と
を含むポリマー組成物を提供するステップと、
− 前記ポリマー組成物を加工して物品を形成するステップと
を含み、
加工温度は250℃以下であり、230℃以下であるのが好ましく、220℃以下であるのがより好ましく、210℃以下であるのがさらに好ましく、200℃以下であるのがなお好ましく、190℃以下など、195℃以下であるのがなおさら好ましい。
亜鉛脂肪酸塩は、ステアリン酸亜鉛であるのが好ましい。
好ましい実施形態では、ポリマー組成物はステアリン酸カルシウムを含まず、カルシウム脂肪酸塩を含まないのがより好ましく、アルカリ土類脂肪酸塩を含まないのがさらに好ましい。さらに好ましい実施形態では、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩は、ポリマー組成物中の唯一の脂肪酸塩である。
ポリマー組成物は、加えて、第二核剤(NU2)および/または蛍光増白剤(OB;Ooptical brightener)を含みうる。
本発明のプロセスの好ましい実施形態によれば、ポリマー組成物は、
(i)ポリマー組成物の重量に基づいて95.0重量%超の量のポリプロピレン(PP)と、
(ii)ポリマー組成物の重量に基づいて0.5重量%以下の量の第一核剤(NU1)と、
(iii)ポリマー組成物の重量に基づいて0.5重量%未満の量の、任意選択的にアルカリ土類脂肪酸塩と合わせたステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩と、
(iv)任意選択的にポリマー組成物の重量に基づいて1.0重量%以下の量の第二核剤(NU2)と、
(v)任意選択的にポリマー組成物の重量に基づいて0.100重量%以下の量の蛍光増白剤(OB)と
を含む。
本発明によるプロセスの別の好ましい実施形態によれば、ポリプロピレン(PP)は、5重量%以下のコモノマーを含むのが好ましいプロピレンコポリマーであり、コモノマーは、エチレンおよび/または一つ以上のC〜Cα−オレフィンより選択されるのが好ましく、エチレンおよび/または1−ブテンより選択されるのがより好ましく、エチレンであるのがなお好ましい。
本発明によるプロセスの別の好ましい実施形態によれば、プロピレンコポリマーのようなポリプロピレン(PP)は、単相である。したがってポリプロピレン(PP)は、ランダムプロピレンコポリマーであるのが特に好ましい。
本発明によるプロセスの別の好ましい実施形態によれば、核剤(NU)は、以下の構造を有し、
Figure 2019504143
式中、Rは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルからなる群より独立して選択され、
式中、R〜Rは、水素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルからなる群より独立して選択され、
式中、nは1である。
本発明によるプロセスの別の好ましい実施形態によれば、核剤(NU)は、1,3:2,4ビス(ジベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(4−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、および1,3:2,4ビス(3−クロロベンジリデン)ソルビトールからなる群より選択される。
本発明によるプロセスの別の好ましい実施形態によれば、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩は、ポリマー組成物の重量に基づいて0.008〜0.150重量%の量で存在し、0.010〜0.100重量%の量で存在するのが好ましく、0.03〜0.07重量%の量で存在するのがより好ましく、0.040〜0.060重量%の量で存在するのがなお好ましい。
本発明によるプロセスの別の好ましい実施形態によれば、蛍光増白剤(OB)は、5−メチル−2,2’−(ビニレンジ−p−フェニレン)ビスベンゾオキサゾール、2,2’−(4,4’−ジフェノールビニル)ジベンゾオキサゾール、2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン、1,4−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ナフタレン、2−(5−クロロベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)アセトニトリルからなる群より選択される。
本発明によるプロセスの別の好ましい実施形態によれば、ポリマー組成物は、ポリプロピレン(PP)を第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にアルカリ土類脂肪酸塩と、任意選択的に第二核剤(NU2)と、任意選択的に蛍光増白剤(OB)とブレンド、好ましくは溶融ブレンドすることにより提供される。
さらに、本発明は、
(a)EN ISO1873−2にしたがって190℃のプラークの加工温度で調製された2mmの厚さの60×60mmのプラークでASTM D1003−07にしたがって測定されるヘイズが20〜40%、好ましくは25〜35%の範囲内であり、
および/または
(b)ASTM E313にしたがって決定される黄色度指数が−20〜15、好ましくは−15〜5の範囲内であり、
および/または
(c)厚みが0.3mm〜5.0mmであり、好ましくは0.4〜3.5mmであり、より好ましくは0.5〜2.0mmである、
物品を対象とする。
さらに、本発明は、本発明によるプロセスによって得られる物品を対象とする。
さらに、本発明は、250℃以下、好ましくは230℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは210℃以下、なお好ましくは200℃以下、なおさら好ましくは190℃以下など195℃以下の温度で請求項1〜13に記載のポリマー組成物を加工して前記ポリマー組成物から物品、好ましくは成形物品を形成するためのプロセスにおける亜鉛脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸亜鉛の使用を対象とし、前記物品は、前記亜鉛脂肪酸塩の不存在下で形成された同じ物品と比較してヘイズが低減され、ヘイズは、EN ISO1873−2にしたがって190℃のプラークの加工温度で調製された2mmの厚さの60×60mmのプラークでASTM D1003−07にしたがって測定され、ヘイズの低減は、好ましくは少なくとも5%であり、好ましくは少なくとも10%であり、より好ましくは少なくとも15%であり、なお好ましくは少なくとも25%であり、最も好ましくは少なくとも35%である。
本物品の調製のための適切なプロセスは、特にヘイズが少なく任意選択的に黄色度の低い、優れた外観をもつこれらの製品を得ることを可能にしなければならない。さもなければ、得られた製品に関する顧客受容は限定的にすぎないであろう。本発明者らは、選択された核剤と蛍光増白剤とを含むポリプロピレン組成物からこのような優れた光学的特性を有する物品を調製するための修正されたプロセスを確立した。
この手順は、修正されたプロセス条件での選択された核剤および蛍光増白剤と組み合わせた亜鉛脂肪酸塩の追加的使用を含むのが最も重要である。この修正されたプロセス条件の結果、プロセスがより単純でより効率的になる。
したがって、本発明は、物品を調製するためのプロセスを対象とし、このプロセスは、
− 以下の成分
(i)ポリプロピレン(PP)と、
(ii)以下の構造を有する第一核剤(NU1)であって、
Figure 2019504143
式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルハライドシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリールおよびこれらの組み合わせからなる群より独立して選択され、
式中、R〜Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ハライド、アミノおよびチオエーテルならびにこれらの組み合わせからなる群より独立して選択され、任意選択的に任意の隣接するR〜Rは、一緒に結合されて5員または6員環を形成し、
式中、nは0〜2の整数であり、1〜2の整数であるのが好ましく、nは1であるのがより好ましい、
第一核剤(NU1)と、
(iii)アルカリ土類脂肪酸塩(EAF;earth alkali fatty acid salt)と、
(iv)任意選択的に第二核剤(NU2)と、
(v)任意選択的に蛍光増白剤(OB)と
を含むポリマー組成物を提供するステップと、
− 前記ポリマー組成物を加工して物品を形成するステップと
を含み、
加工温度は250℃以下であり、230℃以下であるのが好ましく、220℃以下であるのがより好ましく、210℃以下であるのがさらに好ましく、200℃以下であるのがなお好ましく、190℃以下など195℃以下であるのがなおさら好ましい。
本発明によるプロセスは、高い核形成効力および高い物品透明度の特別な組み合わせを必要とする。最新技術において周知の適切な透明化剤は、例えばジベンジリデンソルビトールアセタール誘導体等のソルビトールのアセタールである。しかし、ソルビトールのアセタールは、ポリプロピレン組成物中で溶解性が乏しい。したがって、この種の核剤を十分な量溶解して所望の高レベルの光学的特性を達成できるようにするために220℃以上の比較的高い加工温度が必要であると従来技術では考えられていた。さらに、ポリプロピレン組成物の特性を調節するために必要な他の添加物の存在も、ポリプロピレン組成物に典型的に含まれる透明化剤の効力および他の添加物の性能に影響すると考えられる。
本発明者らは、驚くべきことに、本発明によるプロセスにおけるステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩の追加的使用がポリマー組成物中のソルビトールのアセタールタイプの核剤をより良く溶解するのを助け、これにより、所望の光学的性質をもつ物品を形成する際にポリマー組成物の加工温度を実質的に低下させることが可能になることを実証した。
所望の高レベルの光学的特性をもつ物品を形成するために低下された温度でポリマー組成物の加工を行うことにより、特にエネルギー節約、プロセス経済ならびに反応器およびプロセス機器の摩耗減少の点で調製プロセス全体がはるかに経済的になることは明らかである。
本発明によるプロセスの一実施形態では、本物品は、250℃未満、好ましくは230℃未満、より好ましくは220℃未満、なお好ましくは210℃未満、またはより好ましくは200℃未満、最も好ましくは195℃未満の加工温度で生産される。この点で、本発明は、本発明の物品を生産するためのプロセスであって、物品が250℃未満、好ましくは230℃未満、より好ましくは220℃未満、なお好ましくは210℃未満、またはなお好ましくは200℃未満、最も好ましくは195℃未満の加工温度で生産される、プロセスも対象とする。本発明によるプロセスにおいて適用される加工温度は一般に、160℃〜230℃の範囲内、好ましくは170℃〜225℃の範囲内、より好ましくは180℃〜215℃の範囲内、さらに好ましくは185〜200℃の範囲内または185〜195℃の範囲内など185℃〜205℃の範囲内でありうる。最も好ましい温度範囲は、180℃〜192℃である。
本発明によるポリマー組成物を含む物品は、熱可塑性ポリマーに適した任意の一般的な変換プロセスにより生産されうる。本発明の別の実施形態では、本発明の物品を生産するためのプロセスは、薄壁射出成形ステップ、連続射出成形ステップ、コインジェクションガスアシスト成形ステップ、構造発泡成形ステップ、押出ブロー成形ステップ、射出ブロー成形ステップまたは射出延伸成形ステップ等の成形ステップ、特に射出成形ステップまたはブロー成形ステップを含む。射出成形ステップが特に好ましい。物品はこの成形ステップにおいて、既に上述した加工温度、すなわち250℃未満、好ましくは230℃未満、より好ましくは220℃未満、なお好ましくは210℃未満、またはなお好ましくは200℃未満、最も好ましくは195℃未満の加工温度で生産されるのが好ましい。したがって成形ステップも、250℃未満、好ましくは230℃未満、より好ましくは220℃未満、なお好ましくは210℃未満、またはなお好ましくは200℃未満、最も好ましくは195℃未満の加工温度で行われる。したがって本発明による成形プロセスにおいて適用される加工温度は、160℃〜230℃の範囲内、好ましくは170℃〜225℃の範囲内、より好ましくは180℃〜215℃の範囲内、さらに好ましくは185〜200℃の範囲内または185〜195℃の範囲内など185℃〜205℃の範囲内でありうる。最も好ましい温度範囲は、180℃〜192℃である。
本発明の別の実施形態では、特許請求されたプロセスは以上および以下に定義されるポリマー組成物の製造のためのプロセスであって、ポリプロピレン(PP)が、いずれも以上および以下に定義される、第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような以上に定義される亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩と、任意選択的に第二核剤(NU2)と、任意選択的に蛍光増白剤(OB)と、任意選択的にさらなる添加物とブレンド、好ましくは溶融ブレンドされる、プロセスを対象とする。ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、任意選択的にステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩、任意選択的に第二核剤(NU2)、任意選択的に蛍光増白剤(OB)、および任意選択的にさらなる添加物は、ポリプロピレン(PP)に加える前にプレブレンドされてもよい。
プレブレンドにおける第一核剤(NU1)およびステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩は、一緒に不等式(IIa)、好ましくは不等式(IIb)を満たすものと認められ、
Figure 2019504143
式中、「W(NU1)」は、第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような以上に定義される亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩との総重量に基づく第一核剤(NU1)の重量[重量%]であり、「W(EAF)」は、第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような以上に定義される亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的なカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩との総重量に基づく、任意選択的なカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩と合わせたステアリン酸亜鉛のような以上に定義される亜鉛脂肪酸塩の重量[重量%]である。
ポリプロピレン(PP)がプレブレンドとブレンドされるポリマー組成物の製造のためのプロセスは、化合物の分散が実質的に増加し、これにより低いプロセス温度で透明度および加工性がさらに向上するために有利である。換言すれば、既に上述したように、高レベルの光学的特性をもつ物品へのポリマー組成物の加工が、より低い温度で行われうる。
本発明によるプロセスにおいて加工されるポリマー組成物および物品を形成するためのその成分は、以下のように定義される。
ポリプロピレン(PP)
ポリマー組成物は、必須成分としてポリプロピレン(PP)を含む。
ポリプロピレンのタイプは特定のものに限定されず、例えばシングルサイト触媒またはチーグラー・ナッタ触媒を使用して、従来技術の範囲内の手段により調製されうる。プロピレンおよび任意選択的にエチレンおよび/またはα−オレフィンは、例えばGalli他のAngew.Macromol.Chem.,Vol.120,73(1984)により、またはNello Pasquini(Ed.)他のPolypropylene Handbook,Carl Hanser Verlag,Munich,2005、特に359〜380ページにより開示されるように従来技術の範囲内の条件下で重合され、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
ポリプロピレン(PP)は、異相ポリプロピレンまたは単相ポリプロピレンでありうる。「異相ポリプロピレン」という用語は、エラストマー相が分散された結晶マトリックス相を含む多相構造を有するポリプロピレン、すなわち少なくとも二つのガラス転移温度を有するポリプロピレンを意味し、「単相ポリプロピレン」という用語は、多相構造をもたないポリプロピレン、すなわちガラス転移温度が一つだけのポリプロピレンを意味する。さらに、ポリプロピレン(PP)は、プロピレンホモポリマーまたはプロピレンコポリマーでありうるものと認められる。「プロピレンホモポリマー」という用語は、プロピレンモノマー単位から基本的になるポリマーを意味する。しかし、大規模重合の要件により、プロピレンホモポリマーが微量のコモノマー単位を含むことが可能でありうるが、これは通常、ポリプロピレンの0.1重量%未満であり、0.05重量%未満であるのが好ましく、0.01重量%未満であるのが最も好ましい。特定の実施形態では、プロピレンホモポリマーにおいて検出可能なコモノマーはない。
ポリプロピレン(PP)は、ISO1133にしたがって測定したメルトフローレートMFR(230℃、2,16kg)が、1〜200g/10分の範囲内、好ましくは10〜100g/10分の範囲内、より好ましくは15〜45g/10分の範囲内、なお好ましくは20〜40g/10分の範囲内、最も好ましくは25〜35g/10分の範囲内など100g/10分未満であり、好ましくは50g/10分未満であり、より好ましくは40g/10分未満であり、なお好ましくは35g/10分未満である。
ポリプロピレン(PP)は、プロピレンコポリマー、特にコモノマー含量がポリプロピレン(PP)の重量に基づいて1.0〜5.0重量%の範囲内、好ましくは2.0〜4.0重量%の範囲内、より好ましくは3.0〜4.0重量%の範囲内、なお好ましくは3.0〜3.5重量%の範囲内など5.0重量%以下であり、好ましく4.0重量%以下であり、より好ましくは3.5重量%以下であるプロピレンコポリマーでありうる。
プロピレンコポリマーは通常、コモノマーを一つだけ含むが、二つ以上のコモノマーの使用も想定される。コモノマーは、エチレンおよび/または一つ以上のC〜Cα−オレフィンより選択されるのが好ましく、エチレンおよび/または1−ブテンより選択されるのがより好ましく、コモノマーはエチレンであるのがなお好ましい。
プロピレンコポリマー(PP)は、ランダムプロピレンコポリマー(R−PP;random propylene copolymer)でありうる。「ランダムプロピレンコポリマー」という用語は、コモノマー単位がポリマー鎖中にランダムに分布するプロピレンモノマー単位とコモノマー単位とのコポリマーを意味する。したがって、ランダムコポリマーは上述のマトリックス相とその中に分散されたエラストマー相とを含む異相コポリマーとは異なる。したがって、ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)は、分散された弾性ポリマー相を含まない、すなわちガラス転移温度が一つだけである。しかし、ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)は、異相プロピレンコポリマーのマトリックス相でありうる。
ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)は、ISO1133にしたがって測定したメルトフローレートMFR(230℃、2,16kg)が、1〜200g/10分の範囲内、好ましくは10〜100g/10分の範囲内、より好ましくは15〜50g/10分の範囲内、なお好ましくは20〜40g/10分の範囲内、最も好ましくは25〜35g/10分の範囲内など100g/10分未満であり、好ましく50g/10分未満であり、より好ましく40g/10分未満であり、なお好ましくは35g/10分未満である。
ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)は、コモノマー含量、好ましくはエチレン含量が、ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)の重量に基づいて1.0〜5.0重量%の範囲内、好ましくは2.0〜4.0重量%の範囲内、より好ましくは3.0〜4.0重量%の範囲内、なおさら好ましくは3.0〜3.5重量%の範囲内など5.0重量%以下であり、好ましく4.0重量%以下であり、より好ましくは3.5重量%以下である。
ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)は、エチレンおよび/または一つ以上のC〜Cα−オレフィンより選択される、エチレンおよび/または1−ブテンより選択されるのがより好ましいコモノマーを有する。好ましい実施形態によれば、ポリプロピレン(PP)は、エチレンを唯一のコモノマーとして有するランダムプロピレンエチレンコポリマー(R−PP)である。
本発明のプロセスにおいて使用されるポリプロピレン(PP)は、スラリー反応器、例えばループ反応器において、プロピレンモノマーを、任意選択的に一つ以上のコモノマーと一緒に、重合触媒の存在下で重合してポリプロピレン(PP)またはその一部分を生産することにより調製されうる。後者の場合には、この一部がその後、後続の気相反応器へ移され、気相反応器において、プロピレンモノマーが、任意選択的に適切に選択されたコモノマーの存在下で反応させられて、第一ステップの反応生成物の存在下でポリプロピレン(PP)のさらなる部分が生産される。この反応シーケンスは、ポリプロピレン(PP)を構成する部分(i)および(ii)の反応器ブレンドを提供する。第一反応が気相反応器で行われ、第二重合反応がスラリー反応器、例えばループ反応器で行われることはもちろん可能である。重合ステップは、例えば得られる重合生成物の特性を適切に調節するためにモノマーフィード、コモノマーフィード、水素フィード、温度および圧力を適切に選択することにより調節されうる。このようなプロセスは、シングルサイト触媒またはチーグラー・ナッタ触媒を含むプロピレンモノマーの調製のための任意の適切な触媒を使用して行われうる。
プロセスは、チーグラー・ナッタ触媒、特に高収率チーグラー・ナッタ触媒(低収率のいわゆる第二世代チーグラー・ナッタ触媒と区別されるいわゆる第四および第五世代タイプ)を使用して行われるのが好ましい。適切なチーグラー・ナッタ触媒は、触媒成分と、助触媒成分と、少なくとも一つの電子供与体(内部および/または外部電子供与体、好ましくは少なくとも一つの外部供与体)とを含む。触媒成分は、Ti−Mgベースの触媒成分であるのが好ましく、助触媒は通常、Al−アルキルベースの化合物である。適切な触媒は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,234,879号、国際公開第92/19653号、国際公開第92/19658号、国際公開第99/33843号および国際公開第2004/029112A1号に特に開示される。好適な外部供与体は、ジシクロペンチルジメトキシシランまたはシクロヘキシルメチルジメトキシシラン等の周知のシランベースの供与体である。
上述のプロセスの一実施形態は、例えば参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第0887379A1号および国際公開第92/12182号に記載されるBorstar技術として公知のBorealisにより開発されたもの等のループ−気相プロセスである。
上述の好ましいスラリー−気相プロセスに関しては、以下の一般的情報がプロセス条件に関して提供されうる。
温度は40℃〜110℃であり、60℃〜100℃の間であるのが好ましく、特に80℃〜90℃の間であり、圧力は20〜80バールの範囲内であり、30〜60バールの範囲内であるのが好ましく、任意選択的に分子量を制御するために水素が添加される。ループ反応器で行われるのが好ましいスラリー重合の反応生成物はその後、後続の気相反応器へ移され、気相反応器の温度は50℃〜130℃の範囲内であるのが好ましく、80℃〜100℃の範囲内であるのがより好ましく、圧力は5〜50バールの範囲内であり、15〜35バールの範囲内であるのが好ましく、ここでも任意選択的に分子量を制御するために水素が添加される。
滞留時間は、以上に特定した反応器ゾーンにおいて変動しうる。実施形態によっては、スラリー反応、例えばループ反応器の滞留時間は0.5〜5時間、例えば0.5〜2時間の範囲内であり、気相反応器の滞留時間は通常1〜8時間となる。
好ましい実施形態では、ポリマー組成物は、ポリプロピレン(PP)および任意選択的に第二核剤(NU2)以外のさらなるポリマー(単数または複数)を、ポリマー組成物の総重量に基づいて合計10重量%を上回る量、好ましくは合計5重量%を上回る量で含まない。通常、追加のポリマーが存在する場合には、このようなポリマーは添加物のための担体ポリマーであり、したがってポリマー組成物の改良された特性に貢献しない。
したがって、一つの特定の実施形態では、ポリマー組成物は、ポリプロピレン(PP)と、第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩と、任意選択的に第二核剤(NU2)と、任意選択的に蛍光増白剤(OB)と、少量のポリマー担体材料を含みうる追加の添加物とからなる。しかし、このポリマー担体材料はポリマー組成物中にポリマー組成物の総重量に基づいて10重量%以下しか存在せず、5重量%以下しか存在しないのが好ましい。さらに、このポリマー担体材料は、ポリプロピレン(PP)および第二核剤(NU2)と異なる。特定の実施形態では、ポリマー担体材料が存在する場合には、前記ポリマー担体材料はエチレンホモポリマーおよび/またはプロピレンホモポリマーであり、後者であるのが好ましい。
別の実施形態によれば、ポリプロピレン(PP)は、ポリマー組成物中に存在する唯一のポリマーである。
本出願にしたがって使用されるポリプロピレン(PP)は市販されていてもよく、本発明を実行するために最初にポリプロピレンを製造する必要はないことに留意しなければならない。
核剤(NU)
ポリプロピレン組成物は、必須成分としての第一核剤(NU1)と、任意選択的に第一核剤(NU1)とは異なる第二核剤(NU2)とを含む。
「核剤」という用語は、増加した結晶化度と通常はより小さな結晶サイズとをもたらすポリマーの結晶化速度を増加させるために加えられる化合物または組成物を意味する。本発明によれば、核剤はα核剤である。
第一核剤(NU1)は、以下の構造を有し、
Figure 2019504143
式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルハライドシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリールおよびこれらの組み合わせからなる群より独立して選択され、式中、R〜Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ハライド、アミノおよびチオエーテルならびにこれらの組み合わせからなる群より独立して選択され、任意選択的に任意の隣接するR〜Rは、一緒に結合されて5員または6員環を形成し、nは0〜2の整数であり、1〜2の整数であるのが好ましく、nは1であるのがより好ましい。
Rは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルからなる群より選択され、R〜Rは、水素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルからなる群より独立して選択され、nは1であるのが好ましい。
Rは水素であり、R〜Rは、水素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルからなる群より独立して選択され、nは1であるのがさらに好ましい。
Rは水素であり、R〜Rは、水素、塩素、メチル、エチル、およびtert−ブチルからなる群より独立して選択され、nは1であるのがなお好ましい。
1,3:2,4異性体のみが示されているが、この構造は便宜および説明のために提供されるにすぎず、本発明は、1,3:2,4タイプの異性体のみに限定されず、3,5:4,6タイプ、2,4:3,5タイプ等の任意の他の異性体も含むことに留意されたい。
第一核剤(NU1)は、1,3:2,4ビス(ジベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(4−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、および1,3:2,4ビス(3−クロロ−ベンジリデン)ソルビトールからなる群より選択されるのがなお好ましい。
第一核剤(NU1)は、1,3:2,4ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトールであるのがなおさら好ましい。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて0.0001〜0.5000重量%の範囲内、好ましくは0.0001〜0.3000重量%の範囲内、より好ましくは0.0100〜0.3000重量%の範囲内、なお好ましくは0.1000〜0.2500重量%など0.500重量%以下、好ましくは0.300重量%以下、より好ましくは0.250重量%以下の量の第一核剤(NU1)を含むのが好ましい。
ポリプロピレン組成物は、第一核剤(NU1)とは異なる第二核剤(NU2)を含みうる。第二核剤(NU2)として適用されうる核剤の典型例は、モノカルボン酸およびポリカルボン酸の塩、例えば安息香酸ナトリウム、リン系化合物、例えばモノ、ビスもしくはテトラフェニルホスフェート、例えばナトリウム2,2’−メチレンビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェートもしくはヒドロキシビス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−ヒドロキシ−12H−ジベンゾ(d,g)(1,3,2)ジオキサホスホシン6−オキシダート)アルミニウム、または任意の混合物、ならびにポリマー核剤である。
第二核剤(NU2)は、ポリマー核剤であるのが好ましく、ビニル化合物のポリマー、特にビニルシクロアルカンモノマーまたはビニルアルカンモノマーを重合することにより得られるポリマー核剤であるのがより好ましい。
ポリマー核剤は、以下の式による重合ビニル化合物であるのが好ましく、
CH=CH−CHR
式中、RとRとは一緒になって任意選択的に置換基を含む5員もしくは6員飽和、不飽和もしくは芳香環を形成し、または独立して1〜4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、RとRが芳香環を形成する場合には、−CHR部分の水素原子は存在しない。
ポリマー核剤は、ビニルシクロアルカンポリマー、特にビニルシクロヘキサン(VCH;vinyl cyclohexane)ポリマー、ビニルシクロペンタンポリマー、3−メチル−1−ブテンポリマーおよびビニル−2−メチルシクロヘキサンポリマーより選択されるのがなお好ましい。第二核剤(NU2)として適用される最も好ましいポリマー核剤は、ビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーである。
ポリマー組成物中に存在する第二核剤(NU2)の量は、ポリマー組成物の重量に基づいて0.00001〜1.00000重量%の範囲内、好ましくは0.00001〜0.50000重量%の範囲内、より好ましくは0.00001〜0.30000重量%の範囲内、なお好ましくは0.00001〜0.10000重量%の範囲内、なおさら好ましくは0.00010〜0.05000重量%の範囲内など1.0重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、なお好ましくは0.3重量%以下、なおさら好ましくは0.2重量%以下である。
したがって、一つの好ましい実施形態では、ポリマー組成物は、第二核剤(NU2)としてのビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーを、ポリマー組成物の重量に基づいて0.00001〜1.00000重量%の範囲内、好ましくは0.00001〜0.50000重量%の範囲内、より好ましくは0.00001〜0.30000重量%の範囲内、なお好ましくは0.00001〜0.10000重量%の範囲内、なおさら好ましくは0.00010〜0.05000重量%の範囲内など1.0重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、なお好ましくは0.3重量%以下、なおさら好ましくは0.2重量%以下の量で含む。
第一核剤(NU1)および第二核剤(NU2)はそれぞれ、ポリプロピレン(PP)の重合プロセス中またはその後の段階で、例えばマスターバッチ技術を用いて第一核剤(NU1)および第二核剤(NU2)をそれぞれ混ぜることを含む重合後プロセスにより、ポリマー組成物に導入されうる。
第二核剤(NU2)は、ポリプロピレン(PP)の重合プロセス中にポリマー組成物に導入されるのが好ましい。第二核剤(NU2)は、以上に定義されたビニル化合物、なお好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)を固体触媒成分、好ましくは固体チーグラー・ナッタ触媒成分と、助触媒と任意の外部供与体とを含む触媒系の存在下でまず重合することによりポリプロピレン(PP)に導入されるのが好ましく、その後以上に定義されたビニル化合物のポリマー、なお好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーおよび触媒系の得られた反応混合物がポリプロピレン(PP)の製造に使用される。
ポリプロピレン(PP)および任意選択的に第二核剤(NU2)、好ましくは以上に定義されたポリマー核剤は、ポリマー組成物中に存在する唯一のポリマーであるものと理解される。
ポリプロピレン組成物は、第一核剤(NU1)および任意選択的に第二核剤(NU2)とともにタルク等の追加の核剤を含みうる。しかし、好ましい実施形態によれば、第一核剤(NU1)および第二核剤(NU2)は、ポリマー組成物中に存在する唯一の核剤である。別の好ましい実施形態によれば、第一核剤(NU1)は、ポリマー組成物中に存在する唯一の核剤である。
亜鉛脂肪酸塩および任意選択的なアルカリ土類脂肪酸塩
本発明によるポリプロピレン組成物は、亜鉛脂肪酸塩を必須成分として含まなければならない。
上述のように、ソルビトールのアセタールは、ポリプロピレン中の溶解性が乏しく、十分な量を溶解するために220℃超の加工温度が必要である。驚くべきことに、本発明によるポリマー組成物中にステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩を使用することにより、ポリプロピレン(PP)中のソルビトールアセタールの、すなわち第一核剤(NU1)の溶解特性が大幅に改善されうることが分かっている。特に、驚くべきことに、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩を特定の量で含むことにより、十分な量のソルビトールアセタール、すなわち第一核剤(NU1)をポリプロピレン(PP)中に溶解するのに必要な加工温度を大幅に低下させることができ、そのためプロセス効率の改善がもたらされるとともに、ポリマー組成物の外観だけでなくポリマー組成物から調製される物品の外観も顕著に改善されることが分かっている。
したがって、本発明のポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩(単数または複数)を含まなければならない。本発明のポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩(単数または複数)に加えて、アルカリ土類脂肪酸塩も含みうる。換言すれば、ポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩がポリマー組成物中に存在するという条件で、異なる(アルカリ土類)脂肪酸塩の混合物も含みうる。
亜鉛脂肪酸塩は、C12〜C26脂肪酸の亜鉛塩であるのが好ましく、C14〜C24脂肪酸の亜鉛塩であるのがより好ましく、C18〜C22脂肪酸の亜鉛塩であるのがなお好ましく、C18脂肪酸の亜鉛塩、例えばステアリン酸亜鉛であるのがなおさら好ましい。さらに、亜鉛脂肪酸塩は、本段落に定義される飽和脂肪酸の、特に非分岐飽和脂肪酸の亜鉛塩であるものと理解される。
ポリマー組成物中に存在する場合には、(亜鉛脂肪酸塩に加えて)アルカリ土類脂肪酸塩は、C12〜C26脂肪酸のアルカリ土類塩であるのが好ましく、C14〜C24脂肪酸のアルカリ土類塩であるのがより好ましく、C18〜C22脂肪酸のアルカリ土類塩であるのがなお好ましく、C18脂肪酸、例えばステアリン酸のアルカリ土類塩であるのがなおさら好ましい。
これらのアルカリ土類脂肪酸塩のカチオンは、カルシウムおよび/またはマグネシウムより選択されるのが好ましく、カルシウムであるのが好ましい。さらに、アルカリ土類脂肪酸は、本段落に定義される飽和脂肪酸の、特に非分岐飽和脂肪酸のアルカリ土類脂肪酸であるものと理解される。
したがって、一実施形態では、ポリマー組成物は、以上に定義されるステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩と以上に定義される少なくとも一つのアルカリ土類脂肪酸塩との混合物を含む。ポリマー組成物が、以上に定義されるステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、およびステアリン酸カルシウムのようなカルシウム脂肪酸塩を含むのが特に好ましい。ポリマー組成物が、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、および唯一の脂肪酸塩としてなど唯一のアルカリ土類脂肪酸塩としてのステアリン酸カルシウムのようなカルシウム脂肪酸塩を含むのがさらに好ましい。
一つの特定の実施形態では、ポリマー組成物は、唯一の脂肪酸塩としてなど唯一のアルカリ土類脂肪酸塩として、以上に定義されるステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩を含む。
ポリマー組成物中の以上に定義されるステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩と任意選択的なカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩との総量は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.001〜0.150重量%の範囲内、好ましくは0.005〜0.100重量%の範囲内、より好ましくは0.008〜0.07重量%の範囲内、なお好ましくは0.01〜0.06重量%の範囲内、最も好ましくは0.04〜0.06重量%の範囲内など0.5重量%以下(0.5000重量%以下など)、好ましくは0.2重量%以下(0.2000重量%以下など)、より好ましくは0.1重量%以下(0.1100重量%以下など)、なお好ましくは0.05重量%以下(0.0500重量%以下など)の量である。
上に定義したステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩とカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩との間の重量比は、20/80〜80/20であるのが好ましく、30/70〜70/30であるのがより好ましく、45/55〜55/45など40/60〜60/40であるのがなお好ましい。
ポリマー組成物中のステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩の総量は、0.008〜0.150重量%であるのが好ましく、0.010〜0.100重量%であるのがより好ましく、0.03〜0.07重量%であるのがなお好ましく、0.040〜0.060重量%であるのがなおさら好ましい。
ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、および任意選択的なアルカリ土類脂肪酸塩(単数または複数)は、ポリプロピレン(PP)の重合プロセス中に導入されうる。しかし、これらをその後の段階で、例えばステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩および任意選択的なアルカリ土類脂肪酸塩(単数または複数)を好ましくはドライブレンドまたはマスターバッチ技術を用いて混ぜることを含む重合後プロセスによりポリマー組成物中に導入するのが好ましい。ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、および任意選択的なアルカリ土類脂肪酸塩(単数または複数)を、第一核剤(NU1)とともにドライブレンドまたはマスターバッチの形でポリマー組成物に導入することも可能である。
蛍光増白剤(OB)
多くのポリマーが黄変する傾向は劣化の結果である。分解生成物は、青色光を吸収し、昼光中で黄色の外観になる。蛍光増白剤は、ラッカー、塗料、インク、ポリマーおよび繊維における色を明るくするかまたは黄変を覆い隠すように設計された無色またはやや有色の有機化合物である。蛍光増白剤は蛍光機序により機能し、電磁スペクトルの紫外領域および紫色領域の光を吸収し、可視スペクトルの青色領域で放出して、より明るくより鮮明な外観をもたらす。
「蛍光増白剤」という用語は、芳香族基の共役π系またはいくつかのπ結合を有する平面もしくは環状分子、および任意選択的に酸素、窒素、硫黄、リンおよびセレンからなる群より選択される、好ましくは酸素、窒素および硫黄より選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含む、20〜100個の原子の有機小分子を表す。
蛍光増白剤(OB)は、トリアジン−スチルベン、クマリン、イミダゾリン、ジアゾール、トリアゾール、ベンゾオキサゾリン、ビフェニル−スチルベンおよびオキサゾールからなる群より選択される少なくとも一つの部分、好ましくはオキサゾールおよび/またはベンゾオキサゾールからなる群より選択される少なくとも一つの部分を有する、芳香族基の共役π系またはいくつかのπ結合を有する平面もしくは環状基を含む20〜100個の原子の有機小分子である。
一実施形態によれば、蛍光増白剤(OB)は、エトキシル化1,2−(ベンゾイミダゾリル)エチレン、2−スチリルナフス[1,2d]−オキサゾール、1,2−ビス(5’メチル−2−ベンゾオキサゾリル)エチレン、4,4’−ビス[4’’−ビス(2’’−ヒドロキシメチル)アミノ−6’’(3’’−スルホフェニル)アミノ−1’’,3’’,5’’−トリアジン−2’’−イルアミノ]−2,2’−スチルベンジスルホネート、4−メチル−7−ジメチルアミノクマリン、アルコキシル化4,4’−ビス−(ベンゾイミダゾリル)スチルベン、2−(5−クロロベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)アセトニトリル、2,2’−(4,4’−ジフェノールビニル)ジベンゾオキサゾール、1,4−ビス−ベンゾオキサゾリル−ナフタレン、1,4−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ナフタレン、5−メチル−2,2’−(ビニレンジ−p−フェニレン)ビスベンゾオキサゾール、2,2’−(1,2−エテンジイルジ−4,1−フェニレン)ビスベンゾオキサゾールおよび/または2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェンからなる群より選択される。
別の実施形態によれば、蛍光増白剤(OB)は、2−(5−クロロベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)アセトニトリル、2,2’−(4,4’−ジフェノールビニル)ジベンゾオキサゾール、1,4−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ナフタレン、5−メチル−2,2’−(ビニレンジ−p−フェニレン)ビスベンゾオキサゾール、2,2’−(1,2−エテンジイルジ−4,1−フェニレン)ビスベンゾオキサゾールおよび/または2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェンからなる群より選択される。
好ましい実施形態によれば、蛍光増白剤(OB)は2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェンである。
ポリマー組成物は、蛍光増白剤(OB)をポリマー組成物の重量に基づいて0.0001〜0.1000重量%の範囲内、好ましくは0.0001〜0.0100重量%の範囲内、より好ましくは0.0001〜0.0050重量%の範囲内、なお好ましくは0.0001〜0.0015重量%の範囲内、なおさら好ましくは0.0003〜0.0010重量%の範囲内など0.100重量%以下の量、好ましくは0.010重量%以下の量、より好ましくは0.0050重量%以下の量、なお好ましくは0.0010以下の量で含みうる。
蛍光増白剤(OB)は、ポリプロピレン(PP)の重合プロセス中に導入されうる。しかし、蛍光増白剤(OB)をその後の段階で、例えば蛍光増白剤(OB)を好ましくはマスターバッチ技術を用いて混ぜることを含む重合後プロセスにより導入するのが好ましい。
ポリマー組成物
ポリマー組成物は、以上または以下に述べるように、ポリプロピレン(PP)と、第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にアルカリ土類脂肪酸塩(単数または複数)と、任意選択的に第二核剤(NU2)と、任意選択的に蛍光増白剤(OB)とを含む。好ましい実施形態では、ポリマーは、以上または以下に述べるように、ポリプロピレン(PP)と、第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にアルカリ土類脂肪酸塩(単数または複数)と、任意選択的に第二核剤(NU2)と、任意選択的に蛍光増白剤(OB)と、任意選択的に添加剤とからなる。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて95.0〜99.8重量%の範囲内、好ましくは98.0〜99.8重量%の範囲内、なお好ましくは98.5重量%〜99.8重量%の範囲内など少なくとも95.0重量%の量、好ましくは少なくとも98.0重量%の量、より好ましくは少なくとも99.0重量%の量のポリプロピレン(PP)を含みうる。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて0.0001〜0.5000重量%の範囲内、好ましくは0.0001〜0.3000重量%の範囲内、より好ましくは0.0100〜0.3000重量%の範囲内、なお好ましくは0.1000〜0.3000重量%の範囲内など0.5重量%以下の量、好ましくは0.3重量%以下の量、より好ましくは0.2重量%以下の量の第一核剤(NU1)を含む。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて0.00001〜1.00000重量%の範囲内、好ましくは0.00001〜0.50000重量%の範囲内、より好ましくは0.00001〜0.30000重量%の範囲内、なお好ましくは0.00001〜0.10000重量%の範囲内、なおさら好ましくは0.00010〜0.05000重量%の範囲内など1.0重量%以下の量、より好ましくは0.5重量%以下の量、なお好ましくは0.3重量%以下の量、なおさら好ましくは0.2重量%以下の量の第二核剤(NU2)を含みうる。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて0.008〜0.150重量%、より好ましくは0.010〜0.100重量%、なお好ましくは0.03〜0.07重量%、なおさら好ましくは0.040〜0.060重量%の量のステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩を含みうる。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて0.008〜0.150重量%、より好ましくは0.010〜0.100重量%、なお好ましくは0.03〜0.07重量%、なおさら好ましくは0.040〜0.060重量%の量のカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩を含みうる。
したがって、ポリマー組成物中のステアリン酸亜鉛のような以上に定義した亜鉛脂肪酸塩と任意選択的なカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩とを合わせた総量は、ポリマー組成物の重量に基づいて0.001〜0.150重量%の範囲内、好ましくは0.005〜0.100重量%の範囲内、より好ましくは0.008〜0.07重量%の範囲内、なお好ましくは0.01〜0.06重量%の範囲内、最も好ましくは0.04〜0.06重量%の範囲内など0.5重量%以下(0.5000重量%以下など)、好ましくは0.2重量%以下(0.2000重量%以下など)、より好ましくは0.1重量%以下(0.1100重量%以下など)、なお好ましくは0.05重量%以下(0.0500重量%以下など)である。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて0.0001〜0.1000重量%の範囲内、好ましくは0.0001〜0.0100重量%の範囲内、より好ましくは0.0001〜0.0050重量%の範囲内、なお好ましくは0.0001〜0.0015重量%の範囲内、なおさら好ましくは0.0003〜0.0010重量%の範囲内など0.100重量%以下の量、好ましくは0.010重量%以下の量、より好ましくは0.0050重量%以下の量、なお好ましくは0.0010以下の量の蛍光増白剤(OB)を含みうる。
さらに、本発明のプロピレン組成物は、以上に定義されたものとは異なるさらなる添加物を含みうる。以上に定義されたものとは異なるさらなる添加物は、安定剤、帯電防止剤、潤滑剤、顔料およびこれらの組み合わせ等の調節剤および安定剤の群より選択されるのが好ましい。特に、このような添加物は、立体障害フェノールのような一次酸化防止剤および亜リン酸エステルのような二次酸化防止剤、立体障害アミンのようなUV安定剤、掃酸剤、カーボンブラック、顔料、モノステアリン酸グリセロールのような帯電防止剤、オレアミドのようなスリップ剤を含む。このような添加物は、一般に市販されており、例えばHans Zweifelの「Plastic Additives Handbook」、第5版、2001年に記載されている。
第一核剤(NU1)、第二核剤(NU2)、ステアリン酸亜鉛のような以上に定義された亜鉛脂肪酸塩、カルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩、および蛍光増白剤(OB)とは異なる任意選択的なさらなる添加物の総量は、ポリマー組成物の重量に基づいて0.0001〜10.0000重量%の間であるのが好ましく、0.0001〜5.0000重量%であるのが好ましく、0.0001〜2.5000重量%であるのが好ましく、0.0001〜1.5000重量%の間であるのがより好ましく、0.0001〜1.0000重量%の間であるのがさらに好ましい。
ポリマー組成物が、いずれも以上に定義される、ポリプロピレン(PP)と、第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような以上に定義された亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩と、任意選択的に蛍光増白剤(OB)と、任意選択的に第二核剤(NU2)と、任意選択的にさらなる添加物とからなるのが特に好ましい。
本ポリマー組成物のさらなる特徴は、溶融挙動である。したがって、ポリマー組成物は、示差走査熱量測定(DSC;differential scanning calorimetry)により測定される溶融温度(T)が、130〜200℃の範囲内、好ましくは140〜170℃の範囲内、なお好ましくは150〜155℃の範囲内など少なくとも130.0℃であり、より好ましくは少なくとも150℃であり、なお好ましくは少なくとも151℃であるものと理解される。
さらに、ポリマー組成物は、示差走査熱量測定(DSC)により測定される結晶化温度(Tc)が少なくとも100℃であり、少なくとも105℃であるのがより好ましいものと理解される。したがって、ポリマー組成物は、示差走査熱量測定(DSC)により測定される結晶化温度(T)が100〜130℃の範囲内であるのが好ましく、105〜125℃の範囲内であるのがより好ましく、115〜121℃の範囲内であるのがなお好ましい。
本発明のポリマー組成物は、優れた外観を呈する。特に、本発明のポリマー組成物は、ヘイズ値が低い。
したがって、本発明によるポリマー組成物は、ヘイズが20〜40%の範囲内であり、25〜35%であるのが好ましく、20〜30%の範囲内であるのがより好ましく、ヘイズは、EN ISO1873−2にしたがって190℃のプラークの加工温度で調製された2mmの厚さの60×60mmのプラークでASTM D1003−07にしたがって測定される。22〜28%など20〜30%の範囲内のヘイズ値は、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩が単独で存在する場合、すなわちポリマー組成物中に他の(アルカリ土類)脂肪酸塩が存在しない場合に特に達成される。
加えて、本発明によるポリマー組成物は、好ましくはEN ISO1873−2にしたがって190℃のプラークの加工温度で調製された2mmの厚さの60×60mmのプラークでASTM E313にしたがって決定した黄色度指数が、−20〜15の範囲内であり、−15〜5の範囲内であるのが好ましい。
さらに、本発明のポリマー組成物は、改善された効率で加工されうる。特に、本発明のポリマー組成物は、低下した加工温度で加工されうる。
この点で重要な要因は、特定の脂肪酸塩と組み合わせた特定の核剤の添加である。驚くべきことに、ポリプロピレンを含むポリマー組成物の外観および加工効率は、第一核剤(NU1)がステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩と組み合わせて存在するとき、特に第一核剤(NU1)とステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩とが互いに対して特定の比率で存在するときに改良されうることが分かっている。
好ましい実施形態では、第一核剤(NU1)とステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩とは一緒に不等式(Ia)、好ましくは不等式(Ib)、より好ましくは不等式(Ic)、なお好ましくは不等式(Id)、なおさら好ましくは不等式(Ie)を満たす。
Figure 2019504143
式中、「W(NU1)」は、ポリマー組成物の重量に基づく第一核剤(NU1)の重量[重量%]であり、「W(EAF)」は、ポリマー組成物の重量に基づくステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩の重量[重量%]である。
ポリマー組成物は、いずれも以上および以下に定義される、ポリプロピレン(PP)と、第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような以上に定義された亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩と、任意選択的に第二核剤(NU2)と、任意選択的に蛍光増白剤(OB)と、任意選択的にさらなる添加物とをブレンド、特に溶融ブレンドすることにより調製されうる。
溶融ブレンドは、第一核剤(NU1)がポリプロピレン(PP)に溶解する温度で、すなわち通常は220〜230℃の間など、210〜240℃の間の温度で達成されるのが好ましい。
ポリマー組成物の個々の成分を溶融ブレンドするために、従来のコンパウンディングまたはブレンディング装置、例えばバンバリーミキサ、2ロールゴムミル、ブスコニーダまたは二軸押出機が使用されうる。同方向回転二軸押出機において混合が達成されるのが好ましい。次に、押出機から回収されたポリマー組成物がその後さらに加工されて、本明細書に定義される物品が生成されるのが好ましい。
ポリマー組成物は、いずれも以上および以下に定義される、ポリプロピレン(PP)と、第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような以上に定義される亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩と、任意選択的に第二核剤(NU2)と、任意選択的に蛍光増白剤(OB)と、任意選択的にさらなる添加物とを、異なるホッパーから溶融ブレンディング装置(例えば押出機)に供給することにより調製されうる。しかし、単一のホッパーから一つより多い化合物を供給することも可能である。
一実施形態によれば、いずれも以上および以下に定義される、第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような以上に定義される亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にカルシウム脂肪酸塩、例えばステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩と、任意選択的に第二核剤(NU2)と、任意選択的に蛍光増白剤(OB)と、任意選択的にさらなる添加物とがブレンドされてプレブレンドが形成され、プレブレンドがその後、以上および以下に定義されるように、ポリプロピレン(PP)と溶融ブレンドされて、ポリマー組成物が形成される。
物品
別の態様によれば、本発明は、本発明による方法によって得られる物品を対象とする。物品は、厚みが0.3mm〜5.0mmであるのが好ましく、0.4〜3.5mmであるのが好ましく、0.5〜2.0mmであるのがより好ましい。
本発明による物品は、以上に定義されるポリマー組成物を含む。物品中のポリマー組成物の量は、少なくとも70重量%であり、少なくとも90重量%であるのがより好ましく、少なくとも95重量%であるのがなお好ましく、少なくとも99重量%であるのがなおさら好ましい。好ましい実施形態によれば、物品はポリマー組成物からなる。
別の好ましい実施形態では、物品は、ポリマー組成物中に存在するポリマーとは異なる、すなわちポリプロピレン(PP)および任意選択的に第二核剤(NU2)とは異なるさらなるポリマー(単数または複数)を、物品の総重量に基づいて合計10重量%を上回る量で含まず、好ましくは合計5重量%を上回る量で含まない。通常、追加のポリマーが存在する場合、このようなポリマーは添加物のための担体ポリマーであり、したがって物品の改良された特性に貢献しない。したがって、一つの特定の実施形態では、物品は、本明細書に定義されるポリマー組成物と、少量のポリマー担体材料を含みうる追加の添加物とからなる。しかし、このポリマー担体材料はポリマー組成物中に物品の総重量に基づいて10重量%以下しか存在せず、5重量%以下しか存在しないのが好ましい。さらに、このポリマー担体材料は、ポリマー組成物のポリマー成分であるポリプロピレン(PP)および第二核剤(NU2)とは異なる。特定の実施形態では、ポリマー担体材料が存在する場合には、前記ポリマー担体材料は、ポリプロピレン(PP)および第二核剤(NU2)とは異なるエチレンホモポリマーおよび/またはプロピレンホモポリマーである。一つの特定の好ましい実施形態では、物品は、本明細書に定義されるポリマー組成物のみからなる。
本発明によるプロセスにより得られる物品は、広範囲の厚さを有しうる。本発明によるポリマー組成物における本明細書に定義される第一核剤1(NU1)とステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩との組み合わせの使用および存在により、ポリマー組成物から例えばヘイズおよび黄色度指数の点で優れた外観をもつ薄い物品も著しく厚い物品も調製されうる。
物品は、接着剤用包装、化粧品用包装、医薬品用包装などの包装用途、サイドトリム、ステップアシスト、ボディパネル、スポイラ、ダッシュボード、内部トリムなどの自動車用途、シリンジ、カテーテル、針ハブ、針プロテクタ、吸入器、フィルタハウジング、血液採取システムなどの医療用途、ならびにプラスチック容器、洗剤カートン、カップおよびプレート、オーブンまたは電子レンジ用ボードなどの家庭用品用途に応用されるのが好ましい。
一実施形態では、物品は薄壁物品であり、好ましくは壁厚が0.3〜5.0mmの範囲内、好ましくは0.4〜3.5mmの範囲内、より好ましくは0.5〜2.5mmの範囲内、なお好ましくは0.6〜1.5mmの範囲内など5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下、なお好ましくは1.0mm以下の薄壁物品である。
物品は、薄壁プラスチック容器、薄壁洗剤カートン、薄壁カップおよびプレート、オーブンまたは電子レンジ用薄壁ボードなどの薄壁家庭用物品であるものと理解される。特に、物品は、壁厚が0.3〜5.0mmの範囲内、好ましくは0.4〜3.0mmの範囲内、より好ましくは0.5〜1.5mmの範囲内、なお好ましくは0.6〜1.0mmの範囲内など5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下、なお好ましくは1.0mm以下の、薄壁プラスチック容器、薄壁洗剤カートン、薄壁カップおよびプレート、オーブンまたは電子レンジ用薄壁ボードなどの薄壁家庭用物品であるものと理解される。
本発明は、本明細書に定義される第一核剤(NU1)とステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩との組み合わせにより、特に本明細書に定義される特定の量の第一核剤(NU1)と特定の量のステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩との組み合わせにより、優れた光学的性質をもつこのような物品がこれまでに知られているよりも低い加工温度で生産されうるという特定の利点を提供する。
特に、本発明のプロセスにより得られる物品は、並外れた低いヘイズ値および/または低い黄色度指数を有する。
別の態様によれば、本発明は物品を対象とし、この物品は、
(a)EN ISO1873−2にしたがって190℃のプラークの加工温度で調製された2mmの厚さの60×60mmのプラークでASTM D1003−07にしたがって測定されるヘイズが20〜40%、好ましくは25〜35%の範囲内であり、
および/または
(b)黄色度指数が−20〜15、好ましくは−15〜5の範囲内であり、
および/または
(c)厚みが0.3mm〜5.0mmであり、好ましくは0.4〜3.5mmであり、より好ましくは0.5〜2.0mmである。
例えば、本発明により調製される物品のヘイズ値は、前段落で定義されたように測定したときに、40以下、好ましくは35以下、より好ましくは30以下、なお好ましくは28以下、最も好ましくは27以下となる。ヘイズ値は、15〜40の範囲内、より好ましくは20〜35の範囲内、なお好ましくは22〜32の範囲内、最も好ましくは23〜30の範囲内となる。
代わりにまたは加えて、本発明により調製される物品の黄色度指数は、本明細書に定義されたように測定したときに、15以下、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、なお好ましくは3以下、最も好ましくは0以下となる。黄色度指数は、−15〜15の範囲内、より好ましくは−10〜10の範囲内、より好ましくは−8〜5の範囲内、なお好ましくは−5〜3の範囲内、最も好ましくは−2〜0.8の範囲内となる。
使用
別の態様によれば、本発明は、250℃以下、好ましくは230℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは210℃以下、なお好ましくは200℃以下、なおさら好ましくは190℃以下など195℃以下の温度で本ポリマー組成物を加工して前記ポリマー組成物から物品、好ましくは成形物品を形成するためのプロセスにおける亜鉛脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸亜鉛の使用を対象とし、前記物品は、前記亜鉛脂肪酸塩の不存在下で形成された同じ物品と比較してヘイズが低減され、ヘイズは、EN ISO1873−2にしたがって190℃のプラークの加工温度で調製された2mmの厚さの60×60mmのプラークでASTM D1003−07にしたがって測定され、ヘイズの低減は、好ましくは少なくとも5%であり、好ましくは少なくとも10%であり、より好ましくは少なくとも15%であり、なお好ましくは少なくとも25%であり、最も好ましくは少なくとも35%である。
このような使用が行われた温度のさらなる好ましい範囲は、既に以上に示されている。
概論
別の好ましい実施形態では、本発明の特許請求されたプロセスならびに特許請求された物品および特許請求された亜鉛脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸亜鉛の使用は、下表Iにまとめられる、より好ましくは下表Iaにまとめられる以下の三つの選択されたポリマー組成物に関して、プロセス、物品および特許請求された亜鉛脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸亜鉛の使用を任意選択的に除外しうる。
Figure 2019504143
表中、
PPは、MFR(230℃、2.16kg)が30g/10分、エチレン含量が3.4重量%のランダムプロピレンエチレンコポリマーであり、好ましくはBorougeのRG468MOとして市販されるMFR(230℃、2.16kg)が30g/10分の、エチレン含量が3.4重量%のランダムプロピレンエチレンコポリマーであり、さらに好ましくはMFR(230℃、2.16kg)が29〜31g/10分、エチレン含量が3.3〜3.5重量%のランダムプロピレンエチレンコポリマーであり、
OBは蛍光増白剤であり、好ましくは2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン(CAS番号7128−64−5)であり、さらに好ましくはBASF AGのTinopal OBとして市販される2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン(CAS番号7128−64−5)である。
NU1は1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール(CAS番号135861−56−2)であり、好ましくは市販のMillikenの1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール(CAS番号135861−56−2)Millad3988である。
EAFは、ステアリン酸亜鉛であり、好ましくはNimbasiaから純粋ステアリン酸亜鉛として市販されるステアリン酸亜鉛である。
さらに好ましくは実施形態1’〜3’の100重量%の残部は、好ましくはペンタ−エリトリチルテトラキス(3−(3’,5’−ジ−tert.ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートおよびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトのような添加物である。
本発明を以下に提供される実施例によりさらに詳細に説明する。
1.測定方法
以下の用語および決定方法の定義は、別段の記載がない限り、以上の本発明の一般的説明にも以下の実施例にも当てはまる。
NMR分光法による微細構造の定量化
定量的核磁気共鳴(NMR;nuclear−magnetic resonance)分光法を用いてポリプロピレンホモポリマーのアイソタクティシティおよび位置規則性を定量化する。
定量的13C{H}NMRスペクトルを、Hおよび13Cそれぞれで400.15および100.62MHzで動作するBruker AdvanceIII400NMR分光計を用いて溶液状態で記録した。全てのスペクトルを13C最適化10mm拡張温度プローブヘッドを用いて125℃で、全ての空気圧に窒素ガスを用いて記録した。
ポリプロピレンホモポリマーでは、約200mgの材料を1,2−テトラクロロエタン−d(TCE−d)に溶解した。均質の溶液を確保するため、熱ブロック中の最初のサンプル調製後、NMR管を回転オーブン中で少なくとも1時間さらに加熱した。磁石に挿入後、管を10Hzで回転させた。この設定は、主に立体規則性分布の定量化に必要な高分解能のために選択した(Busico,V.,Cipullo,R.,Prog.Polym.Sci.26(2001)443;Busico,V.;Cipullo,R.,Monaco,G.,Vacatello,M.,Segre,A.L.,Macromolecules30(1997)6251)。NOEおよびバイレベルWALTZ16デカップリングスキームを利用して標準シングルパルス励起を用いた(Zhou,Z.,Kuemmerle,R.,Qiu,X.,Redwine,D.,Cong,R.,Taha,A.,Baugh,D.Winniford,B.,J.Mag.Reson.187(2007)225;Busico,V.,Carbonniere,P.,Cipullo,R.,Pellecchia,R.,Severn,J.,Talarico,G.,Macromol.Rapid Commun.2007,28,11289)。スペクトル当たり合計8192(8k)のトランジェント(transient)を得た。
専用のコンピュータプログラムを用いて定量的13C{H}NMRスペクトルを処理し、積分し、積分から関連の定量的性質を求めた。
ポリプロピレンホモポリマーについては、全ての化学シフトは、21.85ppmのメチルアイソタクチックペンタッド(mmmm)を内部基準とする。
位置欠陥(Resconi,L.,Cavallo,L.,Fait,A.,Piemontesi,F.,Chem.Rev.2000,100,1253;;Wang,W−J.,Zhu,S.,Macromolecules33(2000),1157;Cheng,H.N.,Macromolecules17(1984),1950)またはコモノマーに対応する特徴的シグナルが観察された。
目的の立体配列に関係のない部位を補正して、23.6〜19.7ppmの間のメチル領域の積分により立体規則性分布を定量化した(Busico,V.,Cipullo,R.,Prog.Polym.Sci.26(2001)443;Busico,V.,Cipullo,R.,Monaco,G.,Vacatello,M.,Segre,A.L.,Macromolecules30(1997)6251)。
特に、立体配列の特定の積分領域からの代表的な位置欠陥およびコモノマー積分の減算により、立体規則性分布の定量化に対する位置欠陥およびコモノマーの影響を補正した。
アイソタクティシティをペンタッドレベルで決定し、全てのペンタッド配列に対するアイソタクチックペンタッド(mmmm)配列の百分率として報告した:
[mmmm]%=100(mmmm/全てのペンタッドの和)
2,1エリスロ位置欠陥の存在は、17.7および17.2ppmでの二つのメチル部位の存在により示され、他の特徴的部位により確認された。他のタイプの位置欠陥に対応する特徴的シグナルは観察されなかった(Resconi,L.,Cavallo,L.,Fait,A.,Piemontesi,F.,Chem.Rev.2000,100,1253)。
2,1エリスロ位置欠陥の量を、17.7および17.2ppmでの二つの特徴的メチル部位の平均積分を用いて定量化した:
21e=(Ie6+Ie8)/2
1,2一次挿入プロペンの量を、メチル領域に基づいて定量化し、この領域に含まれる一次挿入に関係しない部位およびこの領域から除外される一次挿入部位について補正を行った:
12=ICH3+P12e
プロペンの総量を、一次挿入プロペンおよび存在する全ての他の位置欠陥の和として定量化した:
total=P12+P21e
全てのプロペンに対する2,1−エリスロ位置欠陥のモルパーセントを定量化した:
[21e]モル%=100(P21e/Ptotal
(Cheng,H.N.,Macromolecules1984,17,1950に記載されるように)エチレンの取り込みに対応する特徴的シグナルが観察され、コモノマー分率を、ポリマー中の全てのモノマーに対するポリマー中のエチレンの分率として計算した。
W−J.WangおよびS.Zhu,Macromolecules2000,33,1157の方法を用いて、13C{H}スペクトルのスペクトル領域全体にわたる複数のシグナルの積分により、コモノマー分率を定量化した。この方法は、その強力な性質および必要に応じて位置欠陥の存在を考慮する能力により選択した。全範囲の遭遇したコモノマー含量にわたる適用可能性を高めるために、積分領域をわずかに調節した。
モル分率からモルパーセントのコモノマー取り込みを計算した。
モル分率から重量パーセントのコモノマー取り込みを計算した。
溶融温度(T)および結晶化温度(T):TA Instrument Q2000示差走査熱量測定(DSC)により5〜7mgのサンプルで測定する。DSCは、ISO11357/パート3/方法C2にしたがって加熱/冷却/加熱サイクルにおいて10℃/分の走査速度で、−30〜+225℃の温度範囲で行う。第二加熱ステップから溶融温度および結晶化温度を決定する。
MFR(230℃)は、ISO1133にしたがって測定する(230℃、2.16kg荷重)。
ヘイズは、EN ISO1873−2にしたがって調製された2mmの厚さの60×60mmのプラークでASTM D1003−07にしたがって190℃の温度で決定する。
黄色度指数は、ASTM E313にしたがって決定する。
2.実施例
ランダムプロピレンエチレンコポリマー(R−PP)の調製
実施例の重合プロセスにおいて使用した触媒は、アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウムの代わりに塩化ジエチルアルミニウムを使用したことを除き、国際公開第2004/029112A1号の実施例8(22〜23ページを参照)で調製された触媒であった。外部供与体のジシクロペンチルジメトキシシランを使用している。供与体に対するアルミニウムの比は7.5であった。
Figure 2019504143
ランダムプロピレンコポリマー(PP)を表2に示した添加物と、Coperion18押出機で225℃の温度で溶融混合することによりサンプルを得た。
Figure 2019504143
Irganox1010は、テトラキス−(メチレン−(3,5−ジ−(tert)−ブチル−4−ヒドロシンナメート))メタン(CAS6683−19−8)である。
Irgafos168は、トリス(2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル)ホスフェート(CAS31570−04−4)である。
GMSは、市販のモノステアリン酸グリセリンである。
GDSは、市販のジステアリン酸グリセリンである。
DMDBSは、MillikenのMillad3988として市販される1,3:2,4ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール(CAS番号135861−56−2)である。
ステアリン酸Caは、Nimbasiaから純粋ステアリン酸カルシウムとして市販される。
ステアリン酸亜鉛は、Nimbasiaから純粋ステアリン酸亜鉛として市販される。
Tinopalは、BASFから市販される2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン(CAS番号7128−64−5)である。
実施例のヘイズおよび黄色度を、ASTM D1003にしたがって調製した2mmの厚さの60×60mmの射出成形プラークから決定した。射出成形温度を表3および4に示す。
Figure 2019504143
Figure 2019504143

Claims (16)

  1. 物品を調製するためのプロセスであり、
    − 以下の成分
    (i)ポリプロピレン(PP)と、
    (ii)以下の構造を有する第一核剤(NU1)であって、
    Figure 2019504143
    式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルハライドシクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリールおよびこれらの組み合わせからなる群より独立して選択され、
    式中、R〜Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ハライド、アミノおよびチオエーテルならびにこれらの組み合わせからなる群より独立して選択され、任意選択的に任意の隣接するR〜Rは、一緒に結合されて5員または6員環を形成し、
    式中、nは0〜2の整数であり、1〜2の整数であるのが好ましく、nは1であるのがより好ましい、
    第一核剤(NU1)と、
    (iii)ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩と
    を含む、ポリマー組成物を提供するステップと、
    − 前記ポリマー組成物を加工して前記物品を形成するステップと
    を含み、
    加工温度は250℃以下であり、230℃以下であるのが好ましく、220℃以下であるのがより好ましく、210℃以下であるのがさらに好ましく、200℃以下であるのがなお好ましく、190℃以下など、195℃以下であるのがなおさら好ましい、
    プロセス。
  2. 前記加工ステップは、成形ステップ、好ましくは射出成形ステップおよび/またはブロー成形ステップ、より好ましくは薄壁射出成形ステップ、連続射出成形ステップ、コインジェクションガスアシスト成形ステップ、構造発泡成形ステップ、押出ブロー成形ステップ、射出ブロー成形ステップおよび/または射出延伸成形ステップである、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記ポリマー組成物は、ステアリン酸カルシウムを含まず、カルシウム脂肪酸塩を含まないのがより好ましく、アルカリ土類脂肪酸塩を含まないのがさらに好ましく、前記ステアリン酸亜鉛のような前記亜鉛脂肪酸塩は、前記ポリマー組成物中の唯一の脂肪酸塩であるのがなお好ましい、請求項1〜2のいずれか一項に記載のプロセス。
  4. 前記ポリマー組成物は、
    (a)第二核剤(NU2)、
    および/または
    (b)蛍光増白剤(OB)
    をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記ポリマー組成物は、
    (i)前記ポリマー組成物の重量に基づいて95.0重量%超の量の前記ポリプロピレン(PP)と、
    (ii)前記ポリマー組成物の重量に基づいて0.5重量%以下の量の前記第一核剤(NU1)と、
    (iii)前記ポリマー組成物の重量に基づいて0.5重量%未満の量の、任意選択的にアルカリ土類脂肪酸塩と合わせた前記ステアリン酸亜鉛のような前記亜鉛脂肪酸塩と、
    (iv)任意選択的に前記ポリマー組成物の重量に基づいて1.0重量%以下の量の第二核剤(NU2)と、
    (v)任意選択的に前記ポリマー組成物の重量に基づいて0.100重量%以下の量の蛍光増白剤(OB)と
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記ポリプロピレン(PP)は、
    (a)5重量%以下のコモノマーを含むのが好ましいプロピレンコポリマーであり、前記コモノマーは、エチレンおよび/または一つ以上のC〜Cα−オレフィンより選択されるのが好ましく、エチレンおよび/または1−ブテンより選択されるのがより好ましく、エチレンであるのがなお好ましく、
    および/または
    (b)単相である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. ポリプロピレンコポリマーは、ランダムプロピレンエチレンコポリマーである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記第一核剤(NU1)は、以下の構造を有し、
    Figure 2019504143
    式中、Rは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルからなる群より独立して選択され、
    式中、R〜Rは、水素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルからなる群より独立して選択され、
    式中、nは1である、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記核剤(NU)は、1,3:2,4ビス(ジベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(4−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、および1,3:2,4ビス(3−クロロ−ベンジリデン)ソルビトールからなる群より選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩は、前記ポリマー組成物の重量に基づいて0.008〜0.150重量%の量で存在し、0.010〜0.100重量%の量で存在するのが好ましく、0.03〜0.07重量%の量で存在するのがより好ましく、0.040〜0.060重量%の量で存在するのがなお好ましい、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. ステアリン酸亜鉛のような前記亜鉛脂肪酸塩とステアリン酸カルシウムのようなアルカリ土類脂肪酸塩との間の重量比は、20/80〜80/20であり、30/70〜70/30であるのがより好ましく、45/55〜55/45など40/60〜60/40であるのがなお好ましい、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 蛍光増白剤(OB)は、5−メチル−2,2’−(ビニレンジ−p−フェニレン)ビスベンゾオキサゾール、2,2’−(4,4’−ジフェノールビニル)ジベンゾオキサゾール、2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾール−2−イル)チオフェン、1,4−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ナフタレン、2−(5−クロロベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)アセトニトリルからなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 前記ポリマー組成物は、前記ポリプロピレン(PP)を前記第一核剤(NU1)と、ステアリン酸亜鉛のような前記亜鉛脂肪酸塩と、任意選択的にアルカリ土類脂肪酸塩と、任意選択的に第二核剤(NU2)と任意選択的に蛍光増白剤(OB)と溶融ブレンドすることにより、より好ましくは110〜140℃の範囲内の温度で溶融ブレンドすることにより提供される、請求項1〜12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. 請求項1および3〜9のいずれか一項に記載のポリマー組成物を含む物品であり、
    (a)EN ISO1873−2にしたがって190℃のプラークの加工温度で調製された2mmの厚さの60×60mmのプラークでASTM D1003−07にしたがって測定されるヘイズが20〜40%、好ましくは25〜35%の範囲内であり、
    および/または
    (b)ASTM E313にしたがって決定される黄色度指数が−20〜15、好ましくは−15〜5の範囲内であり、
    および/または
    (c)厚みが0.3mm〜5.0mmであり、好ましくは0.4〜3.5mmであり、より好ましくは0.5〜2.0mmである、
    物品。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のプロセスにより得られる物品。
  16. 250℃以下、好ましくは230℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは210℃以下、なお好ましくは200℃以下、なおさら好ましくは190℃以下など195℃以下の温度で請求項1〜13のいずれか一項に記載のポリマー組成物を加工して前記ポリマー組成物から物品、好ましくは成形物品を形成するためのプロセスにおける亜鉛脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸亜鉛の使用であり、前記物品は、前記亜鉛脂肪酸塩の不存在下で形成された同じ物品と比較してヘイズが低減され、ヘイズは、EN ISO1873−2にしたがって190℃のプラークの加工温度で調製された2mmの厚さの60×60mmのプラークでASTM D1003−07にしたがって測定され、前記ヘイズの低減は、好ましくは少なくとも5%であり、好ましくは少なくとも10%であり、より好ましくは少なくとも15%であり、なお好ましくは少なくとも25%であり、最も好ましくは少なくとも35%である、使用。

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