JP2019503417A - シンジオタクチックポリプロピレンから成るパイプ - Google Patents

シンジオタクチックポリプロピレンから成るパイプ Download PDF

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Abstract

本発明は組成物から成るパイプに関し、この組成物は組成物の総重量に対して少なくとも50重量%の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含み、この少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法で測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%であり、上記シンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定で145℃以上に溶融温度ピークを有しない。本発明はさらに、上記パイプの製造方法と、上記パイプの使用にも関する。

Description

本発明はポリプロピレン樹脂から成るパイプ、好ましくはシンジオタクチックなポリプロピレン樹脂から成るパイプに関するものである。
流体すなわち液体または気体の輸送、例えば輸送中に流体を加圧され、温度が変化する(最大70℃)水または天然ガスの輸送等の各種の目的に適したパイプを製造するのにポリマー材料は広く使用されている。このパイプは一般にポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンで作られているが、高温が要求されるポリオレフィンパイプには特定の要件が必要である。
パイプや圧力配管などの用途では、他のポリオレフィンと比較して優れた耐熱性を有するポリプロピレンが特に有用である。圧力パイプ用樹脂には高い剛性(クリープ破断強度、creep rupture strength)と、低速亀裂成長(slow crack growth)に対する高い耐性と、急速亀裂伝播(rapid crack propagation)(衝撃靭性)に対する高い抵抗性とが合わせて要求される。パイプ製造ではホモポリマー、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーの3つの主たるタイプの全てのポリプロピレンが使用されている。
DIN規格8078では、ポリプロピレン製パイプは95℃、3.5MPaの圧力下で少なくとも1000時間、破損しないという要件を満たさなければない。この要件を満たすための一つの試みは、圧力パイプに使用するポリオレフィン組成物の剛性を上げることであるが、剛性を増加させると、低速亀裂成長抵抗性(SCGR)が低下して早期脆性で破壊することがあり、必要最低強度(MRS)の評価にマイナスの影響が出ることが多い。そうした圧力パイプは可撓性も低下する。ハイレベルで改善または維持することが望まれる特性は加工性と、パイプ材料の引張弾性率と、短期および長期での耐久性と、衝撃特性である。
国際公開第WO03/102069号公報 欧州特許第EP−A1−0152701号公報 欧州特許第EP−A2−0368577号公報 米国特許第6235823号明細書 国際公開WO02/46300号公報 国際公開WO03/10206号公報 国際公開WO2004/072168号公報
Blomenhofer et al. in Macromolecules 2005, 38, 3688-3695
従って、長期間にわたって高い圧力に耐えることができると同時に、加工性に優れ、しかも、現在の低速亀裂成長性および衝撃靭性に対する規格を満たすことができる「可能な限り柔軟性に優れた」ポリプロピレンのパイプを製造するというニーズが依然として存在する。
本発明の目的は、長期間にわたって高い圧力に耐えることができ、しかも、加工性に優れ、低速亀裂成長性および衝撃靭性に対する現在の規格も満たすことができる、柔軟なパイプを提供することにある。
本発明者らは、驚くことに、パイプ製造でシンジオタクチックポリプロピレンを使用することによって上記目的の1つまたは複数が達成できるということを発見した。
本発明の第一の態様では、本発明は、シンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物から成り、上記シンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法で求めたシンジオタクチック指数が少なくとも70%で、上記シンジオタクチックポリプロピレンが示差走査熱量測定で測定した時に145℃以上の溶融温度ピークを有さないことを特徴とするパイプを提供する。
13C−NMR分析方法については以下で詳細に説明する。本発明者は、本発明のパイプは現在のパイプよりもはるかに柔軟でありながら、長期間にわたって高い応力に耐えることができと同時に、加工性に優れ、しかも、低速亀裂成長性および耐衝撃性に対する現在の規格を満たすということを証明した。
好ましくは、本発明が提供する少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物から成るパイプでは、上記組成物の総重量に対して少なくとも80重量%の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含み、この少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法で求めたシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%であり、しかも、上記シンジオタクチックポリプロピレンの示差走査熱量測定では145℃以上の溶融温度ピークを有しない。
本発明の第2の態様では、本発明は以下の(a)〜(c)の工程を含む第1の態様のパイプを製造する方法を提供する:
(a)シンジオタクチックポリプロピレン樹脂をパイプに押し出し、
(b)工程(a)で形成されたパイプを冷却し、
(c)必要な場合に工程(a)で形成されたパイプを加熱/アニーリングする。
好ましくは、本発明は下記の工程を含む、第1の態様のパイプを製造する方法を包含する:
(a)パイプに押出す組成物が組成物の総重量に対して少なくとも50重量%の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含み、この少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法で測定したシンジオタクチックインデックス(指数)が少なくとも70%で且つ示差走査熱量測定で求めた溶融温度ピークが145℃以上の温度にはなく、
(b)工程(a)で形成されたパイプを冷却し、
(c)必要な場合に工程(a)で形成されたパイプを加熱/アニーリングする。
本発明の第3の態様では、本発明は第1の態様によるパイプおよび/または第2の態様で製造されたパイプロセスの流体を圧力下で輸送するため使用を提供する。
本発明はさらに、第1の態様によるパイプおよび/または第2の態様に従って製造されたパイプの医療用物品の製造での使用を包含する。
以下、本発明をさらに説明する。以下の説明で本発明の異なる態様をより詳細に定義する。以下で定義される各態様は、明らかに反対を示さない限り、任意の他の局面または態様と組み合わせることができる。特に、好ましいまたは有利であるとして示した任意の特徴は、好ましいまたは有利であるとして示した他の任意の特徴または特徴と組み合わせることができる。
クリープ実験で使用した水槽の写真。 本発明の実施形態に従って作ったシンジオタクチックポリプロピレンの引張バーの時間の関数とした伸び%をプロットしたグラフ。 本発明の実施形態に従って作ったシンジオタクチックポリプロピレンの引張バーの加えた応力を関数とした変曲点での伸び%をプロットしたグラフ。 比較例と本発明の実施形態に従って作ったシンジオタクチックポリプロピレンの引張バーの、変曲時間を関数として、加えた応力をプロットしたグラフ。 本発明の実施形態に従って作ったシンジオタクチックポリプロピレンから成るパイプの製造装置の写真。 本発明の実施形態に従って作ったシンジオタクチックポリプロピレンパイプの外側表面(OUT)のDSCプロファイルと内側表面(IN)のDSCプロファイル。 本発明の実施形態に従って作ったシンジオタクチックポリプロピレンパイプを80℃で加熱/アニーリングした後の異なる時点でのパイプ内側表面のDSCプロファイルを示すグラフ。 本発明の実施形態に従って作ったシンジオタクチックポリプロピレンパイプを80℃で加熱/アニーリングした後の異なる時点でのパイプ外側表面のDSCプロファイルを示すグラフ。 本発明の実施形態に従って作ったシンジオタクチックポリプロピレンを160℃で押出し、80℃で14日間アニールしたパイプのDSCプロファイルを示すグラフ。 本発明の実施形態に従って作ったシンジオタクチックポリプロピレンを170℃で押出し、80℃で14日間アニールしたパイプのDSCプロファイルを示すグラフ。 本発明の実施形態に従って作ったシンジオタクチックポリプロピレンを220℃で押出し、80℃で14日間アニールしたパイプのDSCプロファイルを示すグラフ。 本発明および比較例のシンジオタクチックポリプロピレンから作った直径32mmのパイプに20℃の温度で加えたフープ応力を関数とする破断時間をプロットしたグラフ。
本発明のパイプ、組成物、方法、物品および使用に関して以下で詳細に説明する前に、本発明が特定のパイプ、組成物、方法、物品および使用に限定されるものではなく、パイプ、組成物、方法、物品および使用は種々変えることができるということを理解すべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書で使用される用語は限定を意図したものではないことを理解すべきである。
本発明のパイプおよび方法を記載する場合に使用した用語は、文脈が別のことを示さない限り、以下の定義に従って解釈されるべきである。
本明細書で使用される単数形「a」、「an」は文脈が明確に指示しない限り単数形と複数形の両方を含む。
本明細書で使用する「成る」「含む」「構成される」という用語は「含む」と同義であり、包括的またはオープンエンドなもので、追加の部材、要素、方法、工程を含まないということではない。また、「成る」「構成される」という用語には「のみから成る」「のみから構成される」も含まれる。
数値範囲を端点(end point)で記載した場合には、その範囲内に包まれるすべての数を含む部分範囲と限界値が含まれる。
本明細書で「一つの実施形態」とは、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれるということを意味する。従って、本明細書で「一つの実施形態では」という表現は必ずしも同じ実施形態だけを参照するのではない。特定の特徴、構造または特性は当業者に明らかである限り、一つまたは複数の実施態様と任意の適切な方法で組み合わせることができる。また、本明細書のいくつかの実施形態では、他の実施形態に含まれる一部の特徴を含み、その他の特徴を含まない場合があるが、当業者が理解できる限り、異なる実施形態の特徴を組合せて異なる実施形態を形成することも本発明の範囲内である。例えば、特許請求の範囲において、その任意の組み合わせを使用することができまる。
本発明を記載するのに使用する全ての用語は、他に定義しない限り、一般に本発明が属する技術分野の当業者によって理解される技術および科学用語の意味を有する。
本発明の開示をよりよく理解してもらうために、以下、使用した用語の定義をガイドとして記載する。
以下、本発明の好ましいステートメント(特徴)と、パイプ、組成物、方法、物品および使用の実施形態とを記載する。
本明細書で定義された本発明の各ステートメントおよび実施形態は、明らかに反しない限り、他のステートメントおよび/または実施形態と組み合わせることができまる。特に、好ましいまたは有利であると記載した任意の特徴は、好ましいまたは有利であると記載した他の任意の特徴またはテートメントと組み合わせることができる。
以下に記載のステートメント(1)〜(34)および実施形態と、それと他のステートメントおよび/または実施形態との一つまたは複数の任意の組み合わせから本発明は把握することができよう。
(1)組成物から成るパイプであって、その組成物は13C−NMR分光法を使用して測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%である少なくとも1種のシンジオタクチックポリプロピレンを含み、この少なくとも1種のシンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定で決定した145℃以上の溶融温度ピークを有しない。
(2)組成物から成るパイプであって、その組成物は組成物の総重量に対して少なくとも50重量%の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含み、この少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法を使用して測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%で且つ示差走査熱量の測定によって求めたときに145℃以上の溶融温度ピークを有しない。
(3)少なくとも1種のシンジオタクチックポリプロピレンを含むパイプであって、この少なくとも1種のシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法を使用して測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%であり、上記のシンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定で145℃以上に溶融温度ピークを有しない。
(4)パイプの総重量に対して少なくとも50重量%の少なくとも1種のシンジオタクチックポリプロピレンを含むパイプであって、この少なくとも1つのシンジオタクチックポリプロピレンは13 C−NMR分光法を用いて測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%であり、上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定によって145℃以上に溶融温度ピークを有しない。
(5)上記ステートメント(1)〜(4)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記シンジオタクチックポリプロピレンは140℃以上に溶融温度ピークを有さず、好ましくは136℃以上に溶融温度ピークを有さない。
(6)上記ステートメント(1)〜(5)のいずれか一項に記載のパイプであって、示差走査熱量測定によって145℃以上に溶融温度ピークを有しない。
(7)上記ステートメント(1)〜(6)のいずれか一項に記載のパイプであって、示差走査熱量測定法で測定した溶融温度が最大で145℃、好ましくは140℃以下である。
(8)上記ステートメント(1)〜(7)のいずれか一項に記載のパイプであって、ISO規格178によって測定した曲げ弾性率が1000MPa以下、好ましくは700MPa以下、より好ましくは500MPa以下である。
(9)上記ステートメント(1)〜(8)のいずれか一項に記載のパイプであって、外挿50℃/50年応力(extrapolated 50℃/50 years stress)が少なくとも7.0MPaである。
(10)上記ステートメント(1)〜(9)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記組成物が組成物の総重量に対して上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも97重量%、さらにより好ましくは少なくとも98重量%含む。
(11)上記ステートメント(1)〜(10)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記パイプがパイプの総重量に対して上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを少なくとも少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%含む。
(12)上記ステートメント(1)〜(11)のいずれか一項に記載のパイプであって、パイプが上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含む一つの組成物で形成されており、この組成物が組成物の総重量に対して少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含む。
(13)上記ステートメント(1)〜(12)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンの13C−NMR分光法を使用して決定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも73%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは90%以下、好ましくは85%以下、最も好ましくは80%以下である。
(14)上記ステートメント(1)〜(13)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記の少なくとも1つのシンジオタクチックポリプロピレンの13C−NMR分光法使用して決定したシンジオタクチックインデックスが90%以下である。
(15)上記ステートメント(1)〜(14)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記の少なくとも1つのシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法を用いて求めたシンジオタクチックインデックスが約74%〜90%である。
(16)上記ステートメント(1)〜(15)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記の少なくとも1つのシンジオタクチックポリプロピレンはASTM規格D−1505に従って求めた23℃での密度が0.900g/cm3以下、例えば少なくとも0.800g/cm3以下かつ0.900g/cm3以下、好ましくは少なくとも0.820g/cm3かつ0.900g/cm3以下、好ましくは少なくとも0.840g/cm3かつ0.9000g/cm3以下、好ましくは少なくとも0.8605g/cm3かつ0.900g/cm3以下、好ましくは少なくとも0.870gg/cm3かつ0.900g/cm3以下である。
(17)上記ステートメント(1)〜(16)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンはASTM規格D−1238条件Lに従って230℃で16kgの荷重下で求めたメルトフローレートが少なくとも0.3g/10分、好ましくは少なくとも0.5g/10分、好ましくは少なくとも1.0g/10分、好ましくは少なくとも1.5g/10分、好ましくは少なくとも1.8g/10分である。
(18)上記ステートメント(1)〜(17)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンはASTM規格D−1238条件Lに従って230℃で2.16kgの荷重下で求めたメルトフローレートが25.0g/10分以下、好ましくは20.0g/10分以下、好ましくは15.0g/10分以下、好ましくは10.0g/10分以下であり、好ましくは、上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレン樹脂のメルトフローレートは少なくとも0.3g/10分かつ25.0g/10分以下、好ましくは少なくとも0.5g/10分かつ20.0g/10分以下、好ましくは少なくとも1.0g/10分かつ15.0g/10分以下、好ましくは少なくとも1.0g/10分かつ10.0g/10分以下、より好ましくは、少なくとも1.8g/10分かつも10.0g/10分以下、好ましくは少なくとも1.8g/10分かつ9.0g/10分以下、好ましくは少なくとも1.9g/10分かつ8.0g/10分以下、好ましくは少なくとも1.8g/10分かつ7.0g/10分以下、好ましくは少なくとも1.8g/10分かつ6.0g/10分以下のMFR、好ましくは少なくとも1.8g/10分かつ5.0g/10分以下、好ましくは少なくとも1.8g/10分かつ4.0g/10分以下、より好ましくは少なくとも1.8g/10分かつ3.0g/10分以下のメルトフローレートを有する。
(19)上記ステートメント(1)〜(18)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンはエチレンまたは他のα−オレフィンコモノマー(エチレンが好ましい)を0.7重量%以下含むシンジオタクチックポリプロピレンホモポリマーであり、より好ましくは0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下のエチレンを含む。
(20)上記ステートメント(1)〜(19)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンが純粋なシンジオタクチックポリプロピレンホモポリマーである。
(21)上記ステートメント(1)〜(20)のいずれか一項に記載のパイプであって、上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンがシングルサイト触媒を用いて製造したシンジオタクチックポリプロピレン、好ましくはメタロセン触媒を用いて製造したシンジオタクチックポリプロピレンである。
(22)上記ステートメント(1)〜(21)のいずれか一項に記載のパイプであって、ISO規格178に従って測定した曲げ弾性率が1000MPa以下である。
(23)上記ステートメント(1)〜(22)のいずれか一項に記載のパイプであって、ISO規格180−ノッチ付きアイゾット試験に従って23℃で測定した耐衝撃性が.少なくとも40kJ/m2である。
(24)以下の(a)〜(c)の工程を有する上記ステートメント(1)〜(23)のいずれか一項に記載のパイプの製造方法:
(a)少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物をパイプの形押し出し、この組成物は組成物の総重量に対して少なくとも50重量%の13C−NMR分光法を使用して測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%である少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含み、このシンジオタクチックポリプロピレンが示差走査熱量測定で145℃以上に溶融温度ピーを有さず、
(b)工程(a)で形成したパイプを冷却し、
(c)必要に応じて、工程(a)で形成されたパイプを加熱/アニーリングする。
(25)以下の(a)〜(c)の工程を有する上記ステートメント(1)〜(23)のいずれか一項に記載のパイプの製造方法:
(a)少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンをパイプの形に押し出し、上記の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法を用いて測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%であり、上記パイプは、パイプの総重量に対して少なくとも50重量%の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含み、このシンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定で145℃以上に溶融温度ピークを有さず、
(b)工程(a)で形成したパイプを冷却し、
(c)必要に応じて工程(a)で形成したパイプを加熱/アニーリングする。
(26)以下の(a)〜(c)の工程を有する上記ステートメント(1)〜(23)のいずれか一項に記載のパイプの製造方法:
(a)少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンをパイプの形に押し出し、
(b)工程(a)で形成されたパイプを冷却し、
(c)必要に応じて工程(a)で形成したパイプを加熱/アニーリングする。
(27)上記ステートメント(24)〜(26)のいずれか一項に記載の方法であって、工程(c)を少なくとも60℃の温度で実行する。
(28)上記ステートメント(24)〜(27)のいずれか一項に記載の方法であって、工程(c)を120℃以下の温度で実行する。
(29)上記ステートメント(24)〜(28)のいずれか一項に記載の方法であって、工程(c)を120℃以下かつ少なくとも70℃の温度で実行する。
(30)上記ステートメント(24)〜(29)のいずれか一項に記載の方法であって、工程(c)を少なくとも3日間行う。
(31)上記ステートメント(24)〜(30)のいずれか一項に記載の方法であって、工程(c)を最大で20日間行う。
(32)工程(c)14日間以下かつ少なくとも3日間行う。
(33)上記ステートメント(24)〜(32)のいずれか一項に記載の方法であって、工程(c)の工程がアニーリング工程である。
(34)上記ステートメント(1)〜(23)のいずれか一項に記載のパイプおよび/または上記ステートメント(24)〜(33)のいずれか一項に記載の方法で製造したパイプの、圧力下での流体輸送での使用。
本発明の第1の態様では、本発明は一つの組成物からてるパイプを包含する。この組成物は13C−NMR分光法を用いて測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%である少なくとも1種のシンジオタクチックポリプロピレンを含み、この少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定で145℃以上に溶融温度ピークを有さない。本発明はさらに、少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンから成るパイプを包含する。この少なくとも1つのシンジオタクチックポリプロピレンの13C−NMR分光法を用いて測定したシンジオタクチックインデックスは少なくとも70%であり、このシンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定で145℃以上に溶融温度ピークを示さない。
好ましくは、本発明は一つの組成物から成るパイプを提供する。この組成物は組成物の総重量に対して少なくとも50重量%の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含み、この少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法を使用して測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%であり、このシンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定で145℃以上に溶融温度ピークを有さない。
本発明はさらに、少なくとも1種のシンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物から成るパイプを包含する。このパイプはパイプの総重量に対して少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを少なくとも50重量%含み、少なくとも1種のシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法を使用して測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%であり、このシンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定で145℃以上に溶融温度ピークを有さない。
本明細書で使用する「パイプ、管」という用語は、狭い意味でのパイプの他にパイプの全ての補助部品、例えば継手、弁および配管系(例えば、ガス輸送、冷水またはお湯)で一般に必要な全て部品を包含する。本発明のパイプは単層パイプおよび多層パイプを包含し。例えば1つ以上の層は金属層でもよく、接着層を含んでいてもよい。他の構造のパイプ、例えば波形パイプでもよい。
本明細書で使用する「シンジオタクチックポリプロピレン」または「シンジオタクチックポリプロピレン樹脂」という用語は、押出および/または溶融および/またはペレット化されたシンジオタクチックポリプロピレンのフルフ(fluff、毛羽)または粉末を意味し、これは本明細書に記載のような例えば混合機および/または押出機を用いてシンジオタクチックポリプロピレンをコンパウンディングおよび均質化して製造できる。本明細書では「シンジオタクチックポリプロピレン」または「sPP」という用語を「シンジオタクチックポリプロピレン樹脂」を短縮した表現として使用することがある。
本発明のパイプは13C−NMR分光法を用いて測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%、好ましくは少なくとも73%、より好ましくは少なくとも75%で、好ましくは90%以下であるシンジオタクチックポリプロピレンを含む。
13C−NMR分析は、500MHzブルカーNMR分光計(Bruker NMR spectrometer)を使用して125MHzの動作周波数で、高温10mM凍結プローブを用い、スペクトルの信号強度がサンプル中の寄与炭素原子の総数に正比例するような条件下で実施する。これら条件は当業者に周知のものであり、例えば十分な緩和時間等を含む。実際には信号強度はその積分値すなわち対応する領域から得られる。データはプロトンデカップリング、240のスキャン/
スペクトル、1秒のパルス反復遅延、130℃の温度、26000ヘルツのスペクトル幅を用いて得た。サンプルは十分な量のポリマーを130℃で1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB、99%、分光グレード)に溶解し、均質化するために時折攪拌し、ヘキサジュウテロベンゼン(C66、分光グレード)と少量のヘキサメチルジシロキサン(HMDS、99.5+%)を加えて調製した。内部標準としてHMDSを用いた。例えば、約200mgのポリマーを2.0mlのTCBに溶解し、0.5mlのC66を加え、HMDSを2〜3滴加える。
データ収集後、内部標準HMDSの信号(δ2.03ppmの値を割り当てる)を基準にして化学シフトを求める。全てのポリマーで13C−NMR分析でシンジオタクティシティーを決定した。メチル基のスペクトル領域では公表データを使用してペンタッドrrrr、mrrr、mrrm、mrmr、mmrm、rrmrとmmrrに対応する信号を割り当てた。シンジオタクチックインデックス(syndiotacticity)は下記の式に従って計算される:
シンジオタクチックインデックス=rrrr+mrrr+mrrm+1/2*(mrmr+mmrm+rrmr+mmrr)
これらの条件での13C−NMRの検出限界は約0.6/10.000Cである。
シンジオタクチックポリプロピレンホモポリマーはプロピレンモノマーを触媒重合して形成される。いくつかの実施形態での適切なシンジオタクチックポリプロピレンホモポリマーのシンジオタクチック度は70%〜90%である。好ましくは、シンジオタクチックポリプロピレンホモポリマーは約73%〜90%、好ましくは75%〜90%のシンジオタクチック度を有している。
「タクシティー、tacticity、立体規則性」という用語はポリマー中のペンダント基の配置をいう。例えば、ペンダント基がポリマーの鎖の両側にランダムに配置されている場合にはそのポリマーは「アタクチック、atactic」である。それとは対照的に、全てのペンダント基が鎖の同じ側に配置されている場合にはそのポリマーは「"isotactic、アイソタクチック」であり、ペンダント基が鎖の反対側に交互に配置されている場合には「syndiotactic、シンジオタクチック」である。従って、シンジオタクチックポリプロピレンはメチル基が鎖の一方の側から他方の側に規則的に交互するポリプロピレンである。
好ましい実施形態では、適したシンジオタクチックポリプロピレンはホモポリマーである。本明細書で使用するシンジオタクチックポリプロピレンのホモポリマーは、総ポリマー組成物に対して約0.7重量%以下、好ましくは0.5重量%以下の非常に少量のエチレンまたはその他のα−オレフィンコモノマー(エチレンが好ましい)、さらに好ましくは0.1重量%以下のエチレンを含むシンジオタクチックポリプロピレンのランダム共重合体である。エチレンを約0.7重量%以下の比率で含むシンジオタクチックポリプロピレンコポリマーはシンジオタクチックポリプロピレンの単独重合体が100%であるものとほとんど同じ物理的特性を示す。従って、特に言及しない限り、シンジオタクチックポリプロピレンのホモポリマーという用語は純粋なシンジオタクチックポリプロピレンホモポリマーと、約0.7重量%以下のα−オレフィン、好ましくは0.7重量%以下のエチレンを含むシンジオタクチックポリプロピレンコポリマーとの両方を含むものと理解される。
いくつかの実施形態では、上記組成物は組成物の総重量に対して少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97重量%、さらにより好ましくは少なくとも98重量%の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含む。いくつかの実施形態では、本発明パイプはパイプの総重量に対して少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含む。
いくつかの実施形態では、本発明パイプはASTM規格D−1505に従って23℃で求めた密度が0.900g/cm3である少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンから成る。いくつかの好ましい実施形態では、シンジオタクチックポリプロピレンは少なくとも0.800g/cm3かつ0.900g/cm3以下、好ましくは少なくとも0.820g/cm3かつ0.900g/cm3以下、好ましくは少なくとも0.840gg/cm3かつ0.900g/cm3以下、好ましくは少なくとも0.8605g/cm3かつ0.9000g/cm3以下、好ましくは少なくとも0.870g/cm3かつ0.900g/cm3以下の密度を有する。特に明記しない限り、シンジオタクチックポリプロピレンの密度はポリマーの密度を指し、顔料やカーボンブラックのような添加剤を含まない密度である。
本発明のパイプでの使用に適したシンジオタクチックポリプロピレンの例はTotal Petrochemicals USA, Inc社からFINAPLAS(登録商標)1251およびFINAPLAS(登録商標)1471の名称で商業的に入手可能なシンジオタクチックポリプロピレンであるが、これに限定されるものではない。
シンジオタクチックポリプロピレンはメタロセン触媒系を用いて作るのが望ましい。本発明に適したシンジオタクチックポリプロピレンは少なくとも一つのシングルサイト触媒系、好ましくはメタロセン触媒系の存在下に、プロピレンと1種以上の任意コモノマーとを必要に応じて水素と一緒に重合することで製造するのが好ましい。
本明細書で使用する「触媒」という用語は重合反応の速度を変化させる物質を意味する。本発明では特にプロピレンを重合してシンジオタクチックポリプロピレンを製造するのに適した触媒を意味する。本発明は特に、シングルサイト触媒の存在下で製造したシンジオタクチックポリプロピレンに関するものである。触媒の中ではメタロセン触媒が好ましい。本明細書で使用する「メタロセン触媒で製造したシンジオタクチックポリプロピレン樹脂」および「メタロセン触媒で製造したシンジオタクチックポリプロピレン」という用語は同義で、互換的に使用され、メタロセン触媒の存在下で製造したシンジオタクチックポリプロピレンを意味する。
本明細書で使用する「メタロセン触媒」または略して「メタロセン」という用語は、一つまたは複数のリガンドに結合した金属原子を含む任意の遷移金属錯体を意味する。好ましいメタロセン触媒は周期律表のIV族遷移金属、例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウム等の化合物で、金属化合物とシクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルまたはこれらの誘導体の1つまたは2つの基からなる配位子とを有する配位構造を有する。メタロセンの構造および幾何形状は所望するポリマーに応じた特定のニーズに合うように変えることができる。典型的には、メタロセンはポリマーの分岐と分子量分布を制御することができる単一の金属サイトを含み、モノマーが金属とポリマーの成長鎖との間に挿入される。
いくつかの実施形態では、メタロセン触媒は下記の式(I)の化合物である:
R''(Ar)2MQJ (I)
(ここで、
式(I)のメタロセンはブリッジしたメタロセンであり、
式(I)のメタロセンは互いに同一でも異なっていてもよいMに結合した2つのArを有し、
jは1、2、3および4から選択される整数であり、jが2以上の場合には、複数のQは互いに同一または異なっていてもよく、jは2であるのが好ましく、
Arは芳香環、基またはその部分であり、各Arはシクロペンタジエニル、フルオレニル、インデニル(IND)およびテトラヒドロ(THI)からなる群の中から互いに独立して選択され、各基は必要に応じて1,または複数の置換基で置換されてもよく,この置換基は1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル、ハロゲン、SiR'''3からなる群からそれぞれ独立して選択され、このR'''は1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、このヒドロカルビルは必要に応じてB、Si、S、O、F、ClおよびPから成る群の中から選択される1つまたは複数の原子を含んでいてもよく、
Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびバナジウムからなる群から選択される遷移金属で、好ましくはジルコニウムであり、
各Qはハロゲン、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルボキシおよび1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルからなる群から独立して選択され、このヒドロカルビルは必要に応じてB、Si、S、O、F、ClおよびPから成る群から選択される1つまたは複数の原子を含むことができ、
R''は2つのAr基をブリッジする二価の基またはその部分であり、C1−C20アルキレン、ゲルマニウム、シリコン、シロキサン、アルキルホスフィンおよびアミンからなる群から選択され、このR''は必要に応じて1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、この置換基は1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル、ハロゲン、SiR3からなる群からそれぞれ独立して選択され、このRは1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、このヒドロカルビルは必要に応じてB、Si、S、O、F、CI、Br、IおよびP空成る群から選択される1つまたは複数の原子を含んでいてもよい)
メタロセンはブリッジしたシクロペンタジエニル−フルオレニル成分を含むのが好ましい。いくつかの実施形態では、メタロセン触媒は下記式(II)のフルオレニル型のメタロセン触媒(FMC)である:
Figure 2019503417
(ここで、
M、QおよびJは上記で定義しもの、
1、R2、R3およびR4は水素、炭素数1〜20のヒドロカルビル、ハロゲン、SiR'''3からなる群からそれぞれ独立して選択され、このR'''は1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、このヒドロカルビルは必要に応じてB、Si、S、O、F、Cl、Br、IおよびPから成る群の中から選択される1つまたは複数の原子を含むことができ、
1とR2は互いに結合して環を形成することはなく、R3とR4は互いに結合して環を形成する事はなく、
5とR6は水素、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル、ハロゲン、SiR3からなる群の中からそれぞれ独立して選択され、このRは1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、このヒドロカルビルは必要に応じてB、Si、S、O、F、Cl、Br、IおよびPから成る群から選択される1つまたは複数の原子を含むことができる)
1とR4は同じであるのが好ましく、R2、R3は同じであるのが好ましく、R5とR6は同じであるのが好ましい。
6〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基として好ましいものの例としてはフェニル、o−クロロフェニル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル、ブロモアリール、例えばo−ブロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニル、o−ヨードフェニル、m−ヨードフェニルなどの、p−ヨードフェニル、ナフチル、クロロナフチル、ブロモナフチル、ヨードナフチル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、ブロモメチルフェニル、ジプロモメチルフェニル、ヨードメチル、ジヨードメチルフェニル、エチルフェニル、n−プロピルフェニル、i−プロピル、n−ブチルフェニル、s−ブチルフェニル、t−ブチルフェニル、キシリル、ベンジル、m−クロロベンジル、p−クロロベンジル、m−ブロモベンジル、p−ブロモベンジル、m−ヨードベンジル、p−ヨードベンジル、α−フェネチル、β−フェネチル、ジフェニルメチル、ナフチルメチルおよびネオフィルを挙げることができる。
いくつかの実施形態では、メタロセン触媒は式(II)のFMCであって、R1、R2、R3およびR4は水素、炭素数1〜20のヒドロカルビルおよびSiR'''3からそれぞれ独立して選択され、R'''は1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、R1とR2は互いに結合して環を形成せず、R3とR4は互いに結合して環を形成しない。好ましくは、R1とR4は同じで、R2とR3は同じで、R2とR3はt−ブチル基でるのが特に好ましい。
いくつかの実施形態では、メタロセン触媒は式(II)のFMCあって、R5とR6は水素、1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルおよびSiR3空成る群からそれぞれ独立して選択され、Rは1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビルであり、このヒドロカルビルは必要に応じてF、CI、BrおよびIから選択される一つまたは複数の原子を含んでいてもよい。好ましくは、R5とR6は同じで、6〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。好ましくは、R1とR4は同じで、R2とR3は同じである。
いくつかの実施形態では、メタロセン触媒は式(II)のFMCであって、R1とR4は水素原子または6〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、好ましくは水素原子または炭素数6〜10のアリール基を表し、最も好ましくは水素原子、フェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、o−クロロフェニル、m−クロロフェニルまたはp−クロロフェニルである。好ましくは、R1とR4は同じで、R5とR6は同じで、R2とR3は同じである。
いくつかの実施形態では、メタロセン触媒は式(II)のFMCであって、R5とR6は同じでも異なっていてもよく、好ましくはそれぞれ炭素数6〜10を有するアリール基であるか、6〜10個の炭素原子を有するアリールアルキル基であり、好ましくは、フェニル、ベンジル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル、m−クロロベンジルまたはp−クロロベンジルである。好ましくは、R1とR4は同じで、R5とR6は同じで、R2とR3は同じである。
本発明のシンジオタクチックポリプロピレンの製造に使用するのに適したFMCの例示的な例には以下のものが含まれる:
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド(1,3−ジフェニルイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドともいう)(以下では各化合物の別名を省略する)、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ(2,4,6−トリメチルフェニル)−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7ジフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ(3,5−ジメチルフェニル)−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ(4−メチルフェニル)−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジナフチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ(4−tert-ブチルフェニル)−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェネチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(ベンズヒドリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(クミル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3、6−ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ−o−トリルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−m−トリルメチレン(シクロペンタジエニル)(3 、6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−p−トリルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(o−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(o−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−ブロモフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(o−ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−ヨードフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(o−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(o−クロロベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−クロロベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−クロロベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(o−ブロモベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−ブロモベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−ブロモベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(o−ヨードベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−ヨードベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−ヨードベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(o−メチルベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(m−メチルベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−メチルベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(ベンジル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(ベンジル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(ベンジル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(ベンジル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(p−クロロベンジル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコンジクロリド、
(p−クロロベンジル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3、6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(p−クロロベンジル)(フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ディップクロロフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(ベンジル)(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(ベンジル)(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(ベンジル)(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−p−トリルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3、6ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−クロロベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−メチルベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−o−トリル−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ−(o−エチルフェニル)−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ[o−(n−プロピル)フェニル]−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ[o−(イソ−プロピル)フェニル]−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ[o−(n−ブチル)フェニル]−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ[o−(イソ−ブチル)フェニル]−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ[o−(sec−ブチル)フェニル]−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ[o−(tert-ブチル)フェニル]−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ−(o−[n−イコシルフェニル]−3,6−ジ−tert-フルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ−(o−シクロヘキシル)−3,6−ジ−tert-フルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジル(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ(ビフェニル−2−イル)−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ−[o−(2−ナフチル)フェニル]−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ[o−(2−フェナントリル)フェニル]−3,6−ジtert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ−(o−トリメチルシリル)−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ジ−(o−トリフェニルシリルフェニル)−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル]ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−p−トリル−メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−クロロベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコンジクロライド、
ジ(p−メチルベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジトリメチルシリルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−ジクミルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−クロロフェニル−3,6−アダマンチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジエチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3、6ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−n−プロピルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−イソ−プロピルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−n−ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチルフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ−イソ−ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ−sec−ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−tert-ブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチルフェニル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−n−オクチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−n−トリアコンチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
フェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert- ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ−p−トリルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−トリフルオロメチルフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(2−ナフチル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジベンジル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジp−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
ジ(p−クロロベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジ(p−メチルベンジル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−p−トリフルオロメチル−3,6−ジ−tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
上記化合物のジルコニウム原子をハフニウム原子またはチタン原子で置換した化合物、
上記化合物の塩素原子をメチル基またはベンジル基で置換した化合物、
上記の組合せ、
しかし、上記のものに限定されるものではない。
ハフニウム原子、ジルコニウム原子、チタン原子の中で好ましいのはジルコニウム原子である。上記化合物は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本明細書で使用する「1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル」という用語は、直鎖または分岐鎖のC1−C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C6〜C20アリール、C7〜C20アルキルアリールおよびC7−C20アリールまたはこれらの任意の組み合わせから成る群の中から選択される単位を意味する。典型的なヒドロカルビル基はメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、セチル、2−エチルヘキシルおよびフェニルである。
本明細書で使用する「1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルボキシル」という用語は、式:ヒドロカルビル−O−を有する単位で、このドロカルビルは上記の1〜20個の炭素原子を有するものでる。好ましいヒドロカルボキシル基はアルキルオキシ、アルケニルオキシ、シクロアルキルオキシまたはアラルコキシ基から成る群から選択される。
本明細書で単独または別の置換基の一部として使用される「アルキル」という用語は、単炭素−炭素結合によって互いに結合された1つまたは複数の炭素原子、例えば1〜20個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を意味する。炭素原子に付けた下付き文字はその基に含まれる炭素原子数を表す。従って、例えばC1〜12アルキルは1〜12個の炭素原子を有するアルキルを意味する。アルキル基の例としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−メチルブチル、ペンチルおよびその鎖異性体、ヘキシルおよびその鎖異性体、ヘプチルおよびその鎖異性体、オクチルおよびその鎖異性体、ノニルおよびその鎖異性体、デシルおよびその鎖異性体、ウンデシルおよびその鎖異性体、ドデシルおよびその鎖異性体が挙げられる。アルキル基は一般式Cn2n+1を有する。
本明細書で単独または別の置換基の一部として使用される「シクロアルキル」という用語は飽和または部分的に飽和した環式アルキル基を表す。シクロアルキル基は一般式Cn2n-1を有する。炭素原子に付けた下付き文字はその基に含まれる炭素原子数を表す。従って、C3-6シクロアルキルにはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが含まれる。
本明細書で単独または別の置換基の一部として使用される「アリール」という用語は芳香族環から誘導される基、例えばフェニル、ナフチル、インダニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフチル等を表す。炭素原子の後に付けた下付き文字はその基に含まれる炭素原子数を表す。
本明細書で単独または別の置換基の一部として使用する「アルキルアリール」という用語は水素原子が上記の任意のアルキルで置換されたアリール基を表す。炭素原子の後に付けた下付き文字はその基またはサブ基に含まれる炭素原子数を表す。
本明細書で単独または別の置換基の一部として使用される「アリールアルキル」という用語は水素原子を上記の任意のアリールで置換したアルキル基を表す。炭素原子の後に付けた下付き文字はその基に含まれる炭素原子数を表す。C6-10アリールC1-6アルキルル基の例としてはベンジル、フェネチル、ジベンジルメチル、メチルフェニルメチル、3−(2−ナフチル)−ブチル等が挙げられる。
本明細書で単独または別の置換基の一部として使用する「アルキレン」という用語は二価のアルキル基すなわち他の2つの基への結合のための2つの単結合を有する基を意味する。アルキレン基は直鎖でも分枝鎖でもよく、置換されていてもよい。アルキレン基の非限定的な例としてはメチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2−CH2−)、メチルメチレン(−CH(CH3)−)、1−メチルエチレン(−CH(CH3)−CH2−)、n−プロピレン(−CH2−CH2−CH2−)、2−メチル(−CH2−CH(CH3)−CH2−)、3−メチルプロピレン(−CH2−CH2−CH(CH3)−)、n−ブチレン(−CH2−CH2−CH2−CH2−)、2−メチルブチレン(−CH2−CH(CH3)−CH2−CH2−)、4−メチルブチレン(−CH2−CH2−CH2−CH(CH3)−)、ペンチレンおよびその鎖異性体、ヘキシレンおよびその鎖異性体、ヘプチレンおよびその鎖異性体、オクチレンおよびその鎖異性体、ノニレンおよびその鎖異性体、デシレンおよびその鎖異性体、ウンデシレンおよびその鎖異性体、ドデシレンおよびその鎖異性体が挙げられる。炭素原子の後に付けた下付き文字はその基に含まれる炭素原子数を表す。例えばC1〜C20アルキレンは1〜20個の炭素原子を有するアルキレンを意味する。
ハロゲン原子とうしては塩素、臭素、フッ素およびヨウ素が挙げられ、フッ素および塩素が好ましい。
本明細書で使用するのに好適なメタロセン触媒は固体支持体上に担持されているのが好ましい。この支持体はメタロセン触媒の成分のいずれとも化学的に反応しない不活性な有機または無機の固体にすることができる。担持触媒として適切な担体材料にはシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、三酸化ホウ素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化トリウムなどの固体無機酸化物や、シリカと1つまたは複数の第2族または第13族金属酸化物との混合酸化物、例えばシリカ−マグネシアおよびシリカ−アルミナ混合酸化物が挙げられる。支持体材料として好ましいのはシリカ、アルミナ、シリカと1つまたは複数の第2族または第13族金属酸化物との混合酸化物である。混合酸化物の好ましい例としてはシリカ−アルミナである。最も好ましいのはシリカ化合物である。好ましい実施形態では、メタロセン触媒は固体支持体上、好ましくはシリカ担体上に設けられている。シリカは粒状、凝集、ヒュームドシリカまたはその他の形態にすることができる。
FMCは1つまたは複数の共触媒と組み合わせて触媒系を形成することができる。本明細書で使用する「触媒系」とは反応の速度を増加させるために共同して動作する1つまたは複数の試薬を意味する。本明細書に開示のFMCを含む触媒系はプロピレンを触媒重合してシンジオタクチックポリプロピレンにするために使用することができる。
いくつかの実施形態で、シンジオタクチックポリプロピレンを製造するための触媒系は助触媒を含む。重合プロセスで上記開示の触媒成分(すなわちFMC)を使用する時には、活性化共触媒と組み合わせて使用することができる。適した活性化助触媒はこの目的のために公知の任意の助触媒、例えばアルミニウム含有共触媒、硼素含有共触媒またはフッ素化触媒にすることができる。アルミニウム含有共触媒はアルモキサン、アルキルアルミニウム、ルイス酸および/またはフッ素化された触媒担体を含むことができる。
いくつかの実施形態では、メタロセン触媒用の活性化剤としてアルモキサンが使用される。本明細書で使用する「アルモキサン」および「アルミノキサン」という用語は交換可能に使用され、メタロセン触媒を活性化することができる物質を意味する。一つの実施形態では、アルモキサンは線状オリゴマーおよび/または環状のアルキルアルモキサンを含む。更なる実施態様では、アルモキサンは下記の式(V)または(VI)を有する:
線状オリゴマーのアルモキサンの場合
a−(Al(Ra)−O)x−AlRa 2 (V)
環状オリゴマーのアルモキサンの場合
(−Al(Ra)−O−)y (VI)
(ここで、
xは1〜40、好ましくは10〜20であり、
yは3〜40、好ましくは3〜20であり、
各RaはC1−C8アルキルから互いに独立して選択され、好ましくはメチルである)
好ましい実施形態では、アルモキサンはメチルアルモキサン(MAO)である。
好ましい実施形態では、メタロセン触媒はメタロセンと多孔質シリカ担体上に結合されたアルモキサンとから成る担持メタロセン−アルモキサン触媒である。
AlRb xて表される1種または複数のアルミニウムアルキルを追加の共触媒として使用することができる。ここで、Rbはハロゲンまたはアルコキシまたは炭素数1〜12のアルキル基から選択され、互いに同一でも異なっていてもよく、xは1から3までの数を表す。その非限定的な例としてはトリエチルアルミニウム(TEAL)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)、トリメチルアルミニウム(TMA)およびメチル−メチル−エチルアルミニウム(MMEAL)が挙げられる。特に好ましいのはトリアルキルアルミニウムであり、最も好ましいのはトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)およびトリエチルアルミニウム(TEAL)である。
アルキルアルモキサン共触媒とFMCはオレフィン重合用触媒とするのに必要な任意の適切な量で使用することができる。好適なアルミニウム:FMCモル比は10:1〜20,000:1の範囲内または50:1〜10,000:1の範囲内あるいは100:1〜5,000:1の範囲内である。
シンジオタクチックポリプロピレンを製造するためのプロピレンの重合は例えば溶液相、気相、スラリー相、バルク相、高圧工程またはこれらの組み合わせを用いて行うことができる。気相重合方法の一つの例には連続循環システム(循環流または流動媒体としても公知)が含まれ、これでは循環ガス流が重合熱によって反応器内で加熱される。この熱は反応器の外部の冷却システムによってサイクルの別の部分で循環ガス流から除去される。1種または複数のモノマーを含む循環ガス流は反応条件下で触媒の存在下に流動床を通して連続的に循環させることができる。一般に、循環ガス流は流動床から取り出され、反応器に再循環され、それと同時に、ポリマー生成物が反応器から回収され、重合したモノマーを新鮮なモノマーと置換する。気相プロセスにおける反応器温度は−30℃〜120℃または60℃〜115℃または70℃〜110℃で変えることができ、例えば70℃〜95℃にすることができる。
スラリー相プロセスでは、一般にモノマーおよび必要に応じて用いる水素を加えた液体重合媒体中で固体の粒子状ポリマーと触媒との懸濁液を形成する。この懸濁液(希釈剤を含んでいてもよい)を断続的または連続的に反応器から取り出し、揮発性成分はポリマーから分離し、必要に応じて蒸留後に反応器に戻して再利用することができる。重合媒体中で使用する液化希釈剤はC3-7アルカン(例えばヘキサンまたはイソブテン)を含むことができる。使用する媒体は一般に重合条件下で液体で、相対的に不活性である。バルク相プロセスはスラリー工程と同様である。重合プロセスは例えばバルクプロセス、スラリープロセスまたはバルクスラリー法にすることができる。
シンジオタクチックポリプロピレンの製造はスラリーループ反応器または連続撹拌反応器を使用でスラリー重合するのが好ましい。本明細書で使用する「ループ反応器」および「スラリーループ反応器」という用語は互換的に使用することができる。ループ反応器は27バール〜45バールの圧力および例えば38℃〜121℃の温度に維持することができる。
重合は一つの反応器または一連の反応器で行うことができる。本発明では種々のシンジオタクチックポリプロピレンのブレンドも適している。
いくつかの実施形態では、パイプはシンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物から作られ、組成物はさらに少なくとも1種の加工助剤を含むことができる。本発明での使用に適した加工助剤の非限定的な例にはフッ素、シリコンをベースにした加工助剤が含まれる。
好ましい加工助剤はフルオロエラストマーおよび結晶性または半結晶性フルオロプラスチックまたはそのブレンドを含むフルオロポリマーから選択できる。シンジオタクチックポリプロピレンとブレンドされるフルオロポリマーはフッ素を含む任意のポリマーにすることができる。フルオロポリマーは一般に結晶性または非晶質のクラスにすることができる。本発明での使用に適した市販の加工助剤の例としてはDuPont社のViton Freeflow Z100、Viton Freeflow Z110,Viton Freeflow Z200、Viton Freeflow Z210、Viton Freeflow Z300、Viton Freeflow 10、Viton Freeflow RCや、3M社のDynamar FX 5911、Dynamar FX 5912、Dynamar FX 5920A、Dynamar FX 5926、Dynamar FX 5927、Dynamar FX 9613、Dynamar FX 9614や、Solvay社のTecnoflon NMおよびSOLEF 11010がある。
本発明で使用するフルオロポリマーの好ましいクラスはフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンに由来するポリマーである。
加工助剤は、当技術分野で公知のように、製造の任意の段階(例えば、造粒時、コンパウンド時またはパイプ生産ライン)にマスターバッチまたはニートの形で添加できる。
シンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物は例えば少なくとも1種の加工助剤を少なくとも50ppm含むことができ、好ましくは少なくとも1つの処理助剤、好ましくはケイ素またはフッ素系加工助剤、例えばフルオロエラストマーを少なくとも100ppm、好ましくは少なくとも200ppm含むことができる。
シンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物はさらに、当該技術分野で公知の任意の従来の添加剤、例えば酸化防止剤、制酸剤、湿潤剤、核形成剤等を有効量含むことができる。
好ましい酸化防止剤はZweifel、Hans、ISBN 354061690X、Springer−Verlag 1998である。好ましい酸化防止剤は下記のIrganox 1010とIrgafos 16である。
Irganox 1010
Figure 2019503417
加工助剤としてステアリン酸カルシウムを添加することができる。
添加剤は当技術分野で一般に知られているように製造の任意の段階(例えば、造粒時、コンパウンド時またはパイプ生産ライン)でマスターバッチまたはニートの形で添加することができる。
いくつかの実施形態では、パイプ用のシンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物はその他の補助物質、例えば充填剤および/または安定剤および/または帯電防止剤および/または顔料および/または強化剤を含有することができる。
シンジオタクチックポリプロピレンとその他のポリマーとのブレンドも可能である。この場合のその他のポリマーの割合は30重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは2重量%以下にしなければならない。可能なポリマーの中では、シンジオタクチックポリプロピレンの核剤として作用する少量(典型的には1重量%)のポリエチレンの添加が好ましい。シンジオタクチックポリプロピレンに他の核形成剤を添加することもできる。
本明細書で核剤はポリプロピレンの結晶化温度を上昇させる化合物と定義される。本発明での使用に適した核形成剤は当業者に公知の任意の核剤から選択できる。いくつかの実施形態では、成核剤はタルク、カルボキシレート塩、ソルビトールアセタール、ホスフェートエステル塩、置換ベンゼントリカルボキシおよびポリマー成核剤とこれらのブレンドから成る群の中から選択される。
適したカルボキシレート塩の例としては有機カルボン酸塩が挙げられる。その特定の例は安息香酸ナトリウムおよび安息香酸リチウムである。有機カルボン酸塩は脂環式有機カルボン酸塩、例えば二環式有機カルボン酸塩、特にビシクロ[2.2.1]ヘプタンジカルボン酸塩でもよい。このタイプの核剤にはMilliken Chemical社から市販のHYPERFORM(登録商標)HPN−68がある。適したソルビトールアセタールの例にはジベンジリデンソルビトール(DBS)、ビス(p−メチルジベンジリデンソルビトール)(MDBS)、ビス(p−エチルベンジリデンソルビトール)、ビス(3,4−ジメチルジベンジリデンソルビトール)(DMDBS)およびビス(4−プロピルベンジリデン)プロピルソルビトールが含まれる。ビス(3,4−ジメチルジベンジリデンソルビトール)(DMDBS)とビス(4−プロピルベンジリデン)プロピルソルビトールが好ましい。これらはMilliken Chemical社からMillad3905、Millad3940、Millad3988およびMillad NX8000の名称で市販されている。適したリン酸エステル塩の例としには2,2'−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert-ブチルフェニル)ホスフェートの塩が含まれる。このリン酸エステル塩の例は旭電化工業社からNA−11またはNA−21として入手できる。適した置換トリカルボキシアミドの例には下記一般式(III)の化合物が含まれる:
Figure 2019503417
(ここで、
R1、R2およびR3はC1−C20アルキル、C5−C12シクロアルキルまたはフェニルから互いに独立して選択され、これらの各々は1つまたは複数のC1−C20アルキル、C5−C12シクロアルキル、フェニル、ヒドロキシル、C1−C20アルキルアミノまたはC1−C20アルキルオキシ等でそれぞれ置換されていてもよい)
C1−C20アルキルの例としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert-ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、1、2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルまたは1,1,3,3−テトラメチルブチルが挙げられる。C5−C12シクロアルキルの例としてはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、アダマンチル、2−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシルまたは2,3−ジメチルシクロヘキシルが挙げられる。
これらの核形成剤は[特許文献1](国際公開第WO03/102069号公報)および[非特許文献1]Blomenhofer et al. in Macromolecules 2005, 38, 3688-3695に開示されている。
ポリマー成核剤(Polymeric nucleating agents)の非限定的な例にはビニル化合物を含むポリマー成核剤、例えば[特許文献2](欧州特許第EP−A1−0152701号公報)および[特許文献3](欧州特許第EP−A2−0368577号公報)に開示のものが含まれる。ビニル化合物を含有するポリマー成核剤はポリプロピレンと機械的または化学的にブレンドすることができる。適したビニル化合物には少なくとも6個の炭素原子を有するビニルシクロアルカンまたはビニルシクロアルケン、例えばビニルシクロペンタン、ビニル−3−メチルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニル−2−メチルシクロヘキサン、ビニル−3−メチルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン、ビニル−2−メチルシクロヘキセンが含まれる。ポリマー成核剤のさらに他の例にはポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリジメチルスチレン、ポリシランおよびポリアルキルキシレンが含まれる。これらの高分子核剤は化学的または機械的ブレンドしてポリプロピレン中に導入することができる。
本明細書に開示の実施形態で有用な他の核形成剤には以下のような各種の有機および無機の核剤が含まれる:
ガンマ結晶形のキナクリドン色素 Permanent Red E3B「Q−Dye」;
o−フタル酸のナトリウム塩;
6−キニザリンスルホン酸のアルミニウム塩;
イソフタル酸およびテレフタル酸;
New Japan Chemical Co.社から入手可能なN',N'−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(NJStar NU-100として公知);
ロジン/広告iebetic酸塩をベースにした成核剤;
亜鉛(II)モノグリセローレイト;
[特許文献4](米国特許第6235823号明細書)に開示のジアミド化合物をベースにした核形成剤、例えばN−シクロヘキシル−4−(N−シクロヘキシルカルボニル)ベンズアミドおよびN、N'−1,4−シクロヘキサン−ビス−ベンズアミド;
トリメシン酸誘導体をベースにした核剤、例えば[特許文献5](国際公開WO02/46300号公報)、[特許文献6](国際公開WO03/10206号公報)、[特許文献7](国際公開WO2004/072168号公報)に開示のジアミド、例えば1、3,5−ベンゼントリカルギン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロペンチルアミド)および1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(tert-ブチル)アミド。
核形成剤は粉末、ペレット、液体、その他の一般的に入手可能な形態またはこれらの組み合わせの形態で使用してポリプロピレンと混合(溶融ブレンド)することがでる。他の実施形態では、混合(溶融ブレンド)用に核剤をポリプロピレンとコンパウンディングしてポリプロピレンと核添加剤とのマスターバッチを形成することができる。本明細書に開示の実施形態のポリプロピレンと核剤とを含む組成物はブレンド成分の一つまたは複数を融点温度付近以上の温度でそれぞれの成分を混合または混練することによって調製できる。所望の温度に到達でき、混合物を溶融可塑化することが可能な典型的なポリマー混合装置または混練装置を使用することができる。これにはミル、ニーダー、押出機(一軸スクリューおよび二軸スクリュー)、BANBURY(登録商標)ミキサー、カレンダーが含まれる。混合方法の順序は最終組成物に依存し、出発成分の形態(粉末、ペレット、マスターバッチ)に依存する。
いくつかの好ましい実施形態では、シンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物が顔料を含むことができる。顔料の色はパイプを流れる流体(水またはガス)と国の規定(法律)に依存する。
本発明に係るパイプで使用するシンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物はシンジオタクチックポリプロピレンの総重量に対して40重量%以下の充填剤および/または0.01重量%〜2.5重量%の安定剤および/または0.1重量%〜1重量%の帯電防止剤および/または0.2重量%〜3重量%の顔料および/または0.2重量%〜3重量%の強化材を含むことができる。
本発明のパイプは当技術分野で公知の方法で製造できる。
本発明の第2の態様から、本発明は以下の工程を含む、第1の態様によるパイプの製造方法を包含する:
(a)シンジオタクチックポリプロピレンを含む組成物をパイプの形に押し出し、
(b)工程(a)で形成されたパイプを冷却し、
(c)必要に応じて、工程(a)で形成されたパイプを加熱/アニーリングする。
押出工程(a)は少なくとも150℃の温度で行うことができる。例えば、押出工程(a)は少なくとも150℃且つ250℃以下、好ましくは少なくとも160℃且つ230℃以下の温度範囲で行うことができる。いくつかの実施形態では、工程(a)で最初にシンジオタクチックポリプロピレン組成物を押出機中で少なくとも150℃且つ250℃以下の温度で可塑化し、それを環状ダイを通して所望内径に押し出す。
本発明パイプを製造するための押出機は一軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機または均質化押出機(一軸スクリューまたは二軸スクリュー)の押出機カスケードすることができる。フルフ(fluff、毛羽)からペレットを製造する(均質化および添加物の導入)には単軸スクリュー押出機(好ましくはL/Dが20〜40)または二軸スクリュー押出機(好ましくはL/Dが20〜40)を使用することができる。好ましくは押出機のカスケードを使用する。いくつかの実施形態では均質化を助けるために押出中で超臨界CO2や水を使用する。均質化を助ける超臨界CO2の使用や押出成形時の水の使用と同様な種々のバリエーションを考えることができる。必要に応じて、押出機とリングヘッドとの間に溶融ポンプおよび/またはスタティックミキサを付加的に使用することもできる。リングダイの直径は約16〜2000mm、さらにはそれ以上にすることができる。
押出機から来る溶融物は円錐状に配置された孔を通って環状断面に分配された後、コイルディストリビュータまたはスクリーンを通ってコア/ダイ組立体へ供給される。必要に応じて、均一な溶融流れを確保するための絞りリング、その他の構成要素をダイ出口の前にさらに設置することができる。
環状ダイを出たパイプは較正マンドレルから引き抜かれる。パイプは所望の直径と厚さに形成された後、工程(b)でパイプの冷却が行われる。パイプの冷却は空冷および/または水冷によって行うことができ、必要に応じてさらに内側を水却することもできる。
冷却後、必要に応じて、パイプを加熱/アニーリング工程(c)に送ることができる。この加熱/アニーリング工程は所定の時間、オーブンまたはその他任意の適切な装置で行うことができる。この処理は熱アニールとして当技術分野で公知のものである。いくつかの実施形態では、パイプは少なくとも60℃の温度で熱アニールする。いくつかの実施形態ではパイプは少なくとも60℃且つ最大で120℃の温度で熱アニールされる。好ましくは少なくとも70℃かつ110℃以下の温度、より好ましくは少なくとも75℃かつ90℃以下の温度で行う。いくつかの実施形態では、パイプは少なくとも3日間から最大で20日間、例えば最大で14日間、好ましくは少なくとも4日間から最大で12日間、より好ましくは少なくとも5日間から最大でも10日間、より好ましくは少なくとも6日間かつ最大8日間、加熱アニールされる。
いくつかの実施形態では、パイプは少なくとも70℃且つ最大120℃の温度で少なくとも3日間かつ最大で14日間、熱アニールされる。
驚くべきことに、本発明パイプは改善された機械特性および/または強度を示す。いくつかの実施形態では、本発明パイプはISO規格180−ノッチ付きアイゾット試験で求めた23℃での耐衝撃強度が少なくとも20kJ/m2、好ましくは少なくとも30kJ/m2、好ましくは少なくとも35kJ/m2、より好ましくは少なくとも38kJ/m2、より好ましくは少なくとも40kJ/m2、より好ましくは最大45kJ/m2である。
驚くべきことに、本発明パイプは改善された柔軟性を示す。いくつかの実施形態では、本発明に係るパイプはISO規格178によって測定した曲げ弾性率が1000MPa以下、好ましくは900MPa以下、より好ましくは800MPaンか、好ましくは700MPa以下、より好ましくは600MPa以下、さらに好ましくは500MPa以下である。
いくつかの実施形態では、本発明パイプは一般に、ISO/TR規格9080に従った最低必要強度(minimum required strength、MRS)の格付けでMRS10の評価(PE100樹脂)を与えることができる耐クリープ性を有している。この評価は統計的方法で行われ、最低必要強度(MRS)は97.5%の信頼区間で分類される下側予測限界(LPL)として定義される。
いくつかの実施形態では、本発明パイプは一般に少なくとも7.0MPaの「外挿50℃/50年応力(extrapolated 50℃ / 50 years stress)」を有する。
本発明パイプは優れた引張強度、弾性率および耐衝撃性を有し、優れた透明性(clarity)を有する。従って、パイプに別の清澄剤を添加せずに使用できるだける十分な透明性(clarity)を有している。
本発明の第三の態様によって、本発明は第一の態様によるパイプおよび/またはた第2の態様で製造されたパイプの圧力下での流体の輸送での使用を提供する。本発明パイプは水やガスなどの圧力下の流体の輸送に非常に適しており、非常に広い温度範囲で使用することができる。
本発明パイプは医薬、化学、食品製造業での流体の輸送にも適している。
本発明はさらに、医療用物品の製造での第一の態様および/またはた第2の態様のパイプの使用を包含する。好ましい物品は内容量がシースルーであることを必要とするものである。最も好ましい物品は約2mm以下の壁の厚さを有するもので、例えば採血管、遠心分離管、培養ビン、シリンジストッパーおよびバレル等である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明がこれらに限定されるものではない。
試験方法:
密度は特に明記しない限りASTM規格D−1505の方法に従って23℃で測定した。
クリープ実験は2つの異なるクリープ試験装置(表2)で行った。シンジオタクチックポリプロピレン(sPP)を圧縮成形して厚さ2mmのシートにし、このシートからISO規格527の5A型の引張試験片を取った。得られたサンプルを一定温度(水浴またはチャンバで達成)でクリープ機のグリップに挿入し、サンプルに加重を加えた。各試料で破断時間(変形または破断)を記録した。パイプの柔軟性を特徴付けるの使用した屈曲テストはISO規格178の3点曲げ試験を用いた。唯一の違いはポリマーサンプルを40cmのパイプセグメント(内径=32mm、SDR11)に代えたことである。このパイプセグメントをZwick型1445機械の3点曲げ試験(スパン=200mm)の中心部にセットした。試験ではパイプセグメントの中心(スパンの中央)に力を加える。試験の特定条件は以下のとおり(パラメータまたはテスト条件が記載されていない場合はISO規格178の三点曲げテストに基づいてポリマーサンプルの曲げ弾性率を測定した時と同じ値であることを意味する):
− ローディングエッジの半径=10mm、
− 支持体の半径=5mm、
− プレ加重=5N、
− 試験速度=1mm/分、
− 温度=23℃
伸び率を関数として加えた力を記録した。この力が弱い程より柔軟なパイプであることを意味する。
ポリマーペレットまたはパイプの熱特性はPerkin-Elmer Pyris Diamond 示差走査熱量計(differential scanning calorimeter、DSC) を用いて分析した。標準としてインジウムを使用して較正した。標本(ポリマーペレットまたはパイプから取った2mg〜10mgのサンプル)を20℃/分の速度で−50℃から220℃まで加熱した後、3分間等温に維持し、−50℃まで−20℃/分の速度で冷却スキャンし、3分間等温に維持した後、20℃/分で220℃まで再加熱した。この第2回目の加熱工程中にピークの最大温度に対応する溶融温度(Tm)を測定した。
フープストレステストはISO規格1167:1996(E)に従って実施した。
実施例1
ISO規格527タイプ5A引張バー(引張試験片)はTotal Petrochemicals USA, Inc社から市販されている[表1]に示す特性を有するメタロセン触媒を用いて製造したシンジオタクチックインデックス(13C−NMRを用いて測定)が75%であるシンジオタクチックポリプロピレンのホモポリマーをFinaplas(登録商標)1251を用いて50℃で圧縮成形して作った。この引張試験片はクリープ実験を行う前に簡単な炉中で60℃で3日間エージングした。
Figure 2019503417
クリープ実験は[図1]に示した水浴中で行い、条件は[表2]に記載した。
Figure 2019503417
試験は以下のようにして行った:引張試験片は試験を通して50℃の一定温度に保持した。この引張試験片に安定した引張荷重を加え、サンプルが破断するまでの時間で試料の変形(伸び)を測定した。得られた伸び率%対時間のデータをプロットした。
[図2]は8.5MPaの一定の応力を加えたときクリープ曲線を示す。サンプルの変形がテスト開始時に急激に発生するが、変形の速度は徐々に遅くなり、一定の変形速度は達し(曲線の中央部分)、それから引張バーのネッキングが起こる(曲線の変曲点)。これは試料の降伏強度(この降伏点はポリマーの可逆的弾性帯域と不可逆的可塑化帯域との間の限界に相当する)に達したことを意味する。本明細書ではクリープ曲線の変曲点はMATLABソフトウェアを用いて数学的フィッティングにより求めた。変形εの時間変化(time-evolution)(ε=20%と50%との間)をスタティスティカ(statistica)「データ」として導入した。この依存性(dependence)は下記の式を用いて合せた:
e(t) = x(1 )*exp(x(2)*(t-x(3))) + x(4)*t + x(5) - x(6)*exp(-x(7)*(t - x(8)))
x(i)は高さ自由な調節可能パラメータ。この式は本質的にバーガーモデル(Burger model)と指数項とを含む(変形/時が大きいときの時間変化を記述するため)。さらに、(0,0)ポイントは課さない(すなわち、(0,0)座標の周り小さな変動はストレスの加え方に起因するいくつかの実験誤差を考慮することを許す)。
x(i)パラメータが決まると、時間を関数とした伸びの二次導関数のアンヌレーション(annulations)によって変曲点は分析的に計算される。
[図2]の特定の場合では、試験開始から1047時間後に変曲点が現れ、記録された伸びは35.5%であった。
[表3]は、得られたクリープ曲線を数学的フィッティングした後に得られた平均変曲時間と対応する伸びとを示す。
Figure 2019503417
[図3]は異なる一定応力下で50℃で行ったクリープ実験の変曲点の伸びを示す。
比較例1
下記(1)と(2)の材料を用いてISO規格527型5Aの引張バーを50℃で圧縮成形し、実施例1に記載のクリープ試験を行った:
(1)Finathene(登録商標)XT10N(Total Petrochemicals USA Inc社から市販のポリエチレンPE100、密度(ASTM規格D−792)=0.949g/cm3、メルトインデックス(ASTM規格D−1238、21.6kg、190℃)=7.5g/10分)
(2)RA130E−8427(Borealis A/S社提供のポリプロピレンランダムコポリマー、密度(ISO規格1133)=0.905g/cm3、MI2=0.25g/10分(230℃/2.16kg、ISO規格1183)
(図4]は、実施例1のサンプルと比較例1のサンプルに加えた応力に対する平均変曲時間をプロットしたものである。このプロットから、シンジオタクチックポリプロピレンで作られた引張バーはポリエチレン(Finathene(登録商標)XT10N)で作られた引張試験片と同程度(あるいはそれよりぎ高い)耐ストレスを示すことが判断できる。[図4]はさらに、実施例1でテストしたシンジオタクチックポリプロピレン(Finaplas(登録商標)1251)で得られた回帰曲線;この曲線上の50年外挿(extrapolation to 50 years)は、耐圧性が約8MPaであることを示している。
実施例1で得られた引張試験片およびFinathene(登録商標)XT10Nバーの曲げ弾性率と耐衝撃性とを測定した。耐衝撃性はISO規格180−ノッチ付きアイゾット試験を用いて23℃で測定した。結果は[表5]に示す。
Figure 2019503417
実施例2
Total Petrochemicals USA, Inc社のFinaplas(登録商標)1251(実施例1に記載の特性を有するシンジオタクチックポリプロピレン)を直径が70mmでL/Dが25の単軸押出機(Reifenhauser)で押出した。吐出速度は15〜20kg/時である。溶融ポリマーを直径25mmのダイを用いて最終直径32mmにした。次いで、32mmのキャリブレータを用いてパイプを製造した([図5]はキャリブレーターに入る前のダイ出口での溶融ポリマーの写真)。水浴(10〜15℃)で内部冷却した後、壁の最終厚さが−2mmになるようにゆっくりした速度でパイプを引き抜いた。
[表6]はパイプを製造するために使用した処理パラメータを示す。パイプ1はFinaplas(登録商標)1251と1重量%のHD6081(Total Petrochemicals社提供の高密度ポリエチレン)とのドライブレンド物から押出した。パイプ2〜6は100%Finaplas(登録商標)1251から押出したもの。パイプ1は純粋なsPPから製造したパイプよりもわずかに白い。高い溶融温度で製造したこれらのパイプは滑らかな外表面を有していた。
Figure 2019503417
得られたパイプの曲げ弾性率をISO規格178に従って測定した。試験した全てのパイプの曲げ弾性率は驚くほど低かった(−450MPa)。
sPPのエージング条件の評価
[図6]はsPPパイプ2の内側表面と外側表面のDSCサーモグラフを示している。外側表面は結晶化時間(time to crystallize)を有しておらず(パイプをクエンチ(急冷)するため)、そのDSCサーモグラフ(「外側表面」と記載)は約125℃に1つの鋭い溶融ピークを示すだけである。それに対して内側表面は結晶化時間を有しており、そのDSCサーモグラフ(「内側表面」と記載)は2つの別個の溶融ピーク(−113℃と125℃)を有している。従って、パイプの内側表面の方がより安定した微結晶構造を有している。
[表7]は異なる押出温度で製造したパイプのDSCサーモグラフのデータを示している。このデータは押出温度が増加するにつれて、冷却速度も同様に増加し、110℃と120℃の間に現れるsPP形は「低」溶融ピーク(〜110℃)が次第に消失することを示している。HD6081を1%添加したパイプ(パイプ1)は最大の低融点ピーク(〜115℃)のサーモグラフを示す。これはHD6081がsPPの結晶化を助ける効果を示している。
Figure 2019503417
別の実験では、sPPパイプ2の断片を80℃の一定温度に設定したオーブンの内側に配置した。規則的な間隔でパイプの小さな部分をカットしてDSC分析した。
[図7]はパイプ内部のサーモグラフを記録したもの、[図8]はパイプの外面のサーモグラフを記録したものである。溶融ピークの相対強度から80℃で3日間アニーリングすることは内側表面と外側表面の両方の表面上でパイプのsPP微細構造を安定化させるのに有用であるということが分かる。
パイプ1,2、6は、DSC分析を行った時間の後、80℃のオーブンに14日間入れた。[表8]は「低」温溶融ピーク部分の領域の割合と全溶融エンタルピーをまとめたものである。異なる押出温度で製造し、80℃で14日間アニールしたsPPパイプのDSCサーモグラフは[図9]〜[図11]に示してある。[図9]はパイプ1(sPP+1%HD6081、60℃)で得られたDSCサーモグラフを示し、[図10]はパイプ2(純粋なsPP、170℃)で得られたDSCサーモグラフを示し、[図11]はパイプ6(純粋なsPP、220℃)で得られたDSCサーモグラフを示す。総溶融エンタルピーは〜29J/g、〜39J/gに増加した。パイプ1のサーモグラフ([図9])は2つの溶融ピークがほぼ同じ相対強度を有することを示している。部分領域の積分値は約70%と評価される。パイプ2([図10])および6([図11])のDSCサーモグラフは、アニーリング工程後にほぼ同一であり、アニール中に微細構造が進んで、安定した同等な結晶状態になったことを示している。
Figure 2019503417
パイプ1および2は80℃で7日間アニーリング工程を行った後に、製造したパイプに20℃の温度でフープストレステストを行った。結果は[表9]に示す。
Figure 2019503417
比較例2
Finathene(登録商標)XT10N(PE100、Total Petrochemicals USA, Inc社から商業的に入手可能、密度(ASTM規格)D−792)=0.949g/cm3、メルトインデックス(ASTM規格D−1238、21.6kg、190℃)=7.5g/10分)を用いて32mmの直径を有するパイプを製造した。
RA130E−8427(Borealis A/S社から市販のポリプロピレンランダムコポリマー、密度(ISO規格1183)=0.905g/cm3、MI2(230℃/2.16kg、ISO規格1133)=0.25g/10分)用いて32mmの直径を有するパイプを製造した。
MDPE3802(TOTAL Refining & Chemicals社から市販のPE80ポリエチレン、密度(ISO規格1183)=0.938g/cm3、MI2(ISO規格1133−G、230℃/21.6kg)=20g/10分)を用いて32mmの直径を有するパイプを製造した。
これらのパイプは45mmのダイを使用して製造し、最終直径が32mmになるように溶融ポリマーを成形した。各パイプはアニーリング工程で80℃で7日間アニーリングした。
得られたパイプの曲げ弾性率はISO規格178に従って測定した(1100〜1300MPa)。
これらのパイプはアイソタクチックポリプロピレンから成るパイプよりも柔軟であった。
製造したパイプに対して20℃でフープ応力試験を行った。[図12]は実施例2で製造パイプ(パイプ5)および比較例2で試験したパイプのフープストレスに対して破断時間をプロットしたものである。このプロット図から、温度20℃では、シンジオタクチックポリプロピレンで作られたパイプ(Finaplas(登録商標)1251)はポリエチレン(Finathene(登録商標)XT10N、MDPE3802)で作られたパイプと同様(またはそれ以上)の応力に耐えることができるということを示している。

Claims (15)

  1. 組成物から成るパイプであって、この組成物は組成物の総重量に対して少なくとも50重量%の少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを含み、この少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法で求めたシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%であり、上記シンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定で145℃以上に溶融温度ピークを有しないことを特徴とするパイプ。
  2. ISO規格178に従って測定した曲げ弾性率が1000MPa以下である請求項1に記載のパイプ。
  3. 外挿50℃/50年応力(extrapolated 50℃/50 years stress)が少なくとも7.0MPaである請求項1または2に記載のパイプ。
  4. 13C−NMR分光法を使用して測定したシンジオタクチックポリプロピレンのシンジオタクチックインデックスが90%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のパイプ。
  5. シンジオタクチックポリプロピレンが136℃以上の溶融温度ピークを有しない請求項1〜4のいずれかに記載のパイプ。
  6. 上記シンジオタクチックポリプロピレンのASTM規格D−1238条件Lに従って230℃、2.16kgの荷重下で測定したメルトフローレートが少なくとも0.3g/10分であるに請求項1〜5のいずれか一項に記載のパイプ。
  7. 上記シンジオタクチックポリプロピレンの荷重下で230℃で、ASTM規格D−1238の条件Lに従って2.16kgの荷重下で求めたメルトフローレートが25.0g/10分以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のパイプ。
  8. 上記シンジオタクチックポリプロピレンが、α−オレフィンコモノマーの含有量が0.7重量%以下であるシンジオタクチックポリプロピレンホモポリマーである請求項1〜7のいずれかに記載のパイプ。
  9. 上記シンジオタクチックポリプロピレンが純粋なシンジオタクチックポリプロピレンホモポリマーから成る請求項1〜8のいずれか一項に記載のパイプ。
  10. 上記シンジオタクチックポリプロピレンがシングルサイト触媒を用いて製造されたシンジオタクチックポリプロピレンである請求項1〜9のいずれか一項に記載のパイプ。
  11. ISO規格180(ノッチ付き)アイゾット試験によって23℃で求めた耐衝撃強度が少なくとも40kJ/m2である請求項1〜10のいずれか一項に記載のパイプ。
  12. 以下の(a)〜(c)の工程を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載のパイプの製造方法:
    (a)一つの組成物をパイプの形に押し出し、この組成物は組成物の総重量に対して少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンを少なくとも50重量%を含見、この少なくとも一種のシンジオタクチックポリプロピレンは13C−NMR分光法を使用して測定したシンジオタクチックインデックスが少なくとも70%であり、上記シンジオタクチックポリプロピレンは示差走査熱量測定で求めた時に145℃以上の溶融温度ピークを有さず、
    (b)工程(a)で形成されたパイプを冷却し、
    (c)必要な場合には、工程(a)で形成されたパイプを加熱/アニーリングする。
  13. 工程(c)を少なくとも60℃、最大で120℃の温度で行う請求項12に記載の方法。
  14. 工程(c)を少なくとも3日間行し請求項12または13に記載の方法。
  15. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のパイプおよび/または請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法で製造されたパイプの流体の圧力下での輸送での使用。
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