JP2019502159A - ハードマルチコート付き光学物品 - Google Patents

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Abstract

光学デバイス及び光学デバイスを製造する方法が提供される。光学デバイスは、基材と、プライマー層と、ハードマルチコート(HMC)とを有する光学物品を含む。HMCは、少なくとも1つの層を含む。層、基材、及びHMCの少なくとも1つは、拡散によって吸収される少なくとも1種の炭素同素体を含む。製造方法は、有機溶媒と脱イオン水とを組み合わせて溶液を形成するステップと、溶液に少なくとも1種の炭素同素体を混合するステップと、溶液に超音波処理を施すステップと、光学物品であって、基材、基材上のプライマー層、及びHMCの少なくとも1つを含む光学物品を浸漬し且つ次いで溶液から取り出すステップと、溶液から光学物品を取り出すステップと、溶液から過剰の液体を蒸発させるステップとを含む。

Description

本開示は、概して、光学デバイスに関する。より特定的には、本開示は、少なくとも1種の炭素同素体を含む光学物品に関する。
眼用レンズをはじめとする光学物品は、ハードマルチコート(HMC)を含み得る。かかるHMCは、トップコート膜により任意選択的にキャップされたいくつかの材料層を含み得る。トップコート膜は、光学物品の光学性能及びまたその物品の寿命を向上させるために、耐引掻きコーティング、反射防止コーティング、防汚コーティング、疎水コーティングなどを含み得る。光学物品の既存のHMCは、透明伝導酸化物である酸化インジウムスズ(ITO)などの材料で通常構成される。ITOは、電気光学用途に一般に使用され得る。ITO伝導層は、物品に光学的清澄透明性及び帯電防止性を提供し得る。ITO以外に、光学物品の電気伝導層は、スズ若しくは亜鉛の酸化物及びそれらの混合物、又はインジウム、スズ、亜鉛、及び他の元素のいずれか1種又はこれらの元素の2種以上を含有する無機酸化物から選択される金属酸化物を含み得る。ITOは、酸化インジウムスズ、すなわち、酸化インジウム(III)(In)と酸化スズ(IV)(SnO)との固溶体、たとえば、重量基準で90%In、10%SnOとして適用可能であり、これは薄層で典型的に透明且つ無色であり得るとともに電磁スペクトルの赤外領域で金属様ミラーとして機能し得る。酸化インジウムスズの薄膜は、電子ビーム蒸発、物理気相堆積(PVD)、及び/又は一連のスパッター堆積の技術により表面上に堆積されることが最も多い。他の技術、たとえば、限定されるものではないが、PVD以外の方法、たとえば化学気相堆積(CVD)又はたとえば化学浸漬などもITOを適用するために使用し得る。しかしながら、ITOなどの材料は、強度及び耐熱性が欠如していることがあり、したがってHMCの機械的性能を効果的に向上させることができないおそれがあるために不利であり得る。
光学的清澄コーティングを提供し得、且つ眼用レンズなどの光学物品に良好な機械的強度及び熱的性質を提供し得る代替的なHMCの必要性が存在する。本明細書に提示されるのは、基材、プライマー層、及び少なくとも1つの層を含むHMCの少なくとも1つを含む光学物品である。一態様では、HMCは、複数の層を含み得る。HMCの少なくとも1つの層、プライマー層、又は基材は、良好な機械的強度及び熱的性質を提供し得る材料を含み得る。この材料は、炭素同素体であり得る。炭素同素体は、グラフェン材料、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、若しくは類似の材料、又はそれらの混合物であり得る。特に、グラフェンは、良好な機械的強度及び弾性並びに良好な電気的及び熱的性質を有するため、光学物品、特に眼用レンズのHMCに使用するのに有利であり得る。
カーボンナノチューブ(CNT)は、機械的性能向上剤として及び各種コーティングの帯電防止用として使用可能な他のタイプの炭素同素体である。炭素同素体材料のかかる性質は、さらに良好な機械的強度及び耐熱性の向上を行って既存のHMCよりも改善されたHMCを得るために使用し得る。また、本明細書に提示されるのは、少なくとも1種の炭素同素体を含む光学物品を製造する方法である。
本発明の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲に含まれる各種の変更形態及び修正形態は、本詳細な説明から当業者に明らかになるため、詳細な説明及び具体例は、本発明の具体的な実施形態を示すが例示を目的としたものにすぎないことを理解すべきである。
一態様では、基材と、基材上のプライマー層と、HMCとを有する光学物品を含む光学デバイスが提供される。HMCは、少なくとも1つの層を含む。層、基材、及びHMCの少なくとも1つは、拡散によって吸収される少なくとも1種の炭素同素体を含む。他の態様では、光学物品は、眼用レンズであり得る。
光学デバイスを製造する方法も提供される。本方法は、有機溶媒(たとえば、ヘプタン)と脱イオン(DI)水とを組み合わせて溶液を形成するステップと、溶液に少なくとも1種の炭素同素体を混合するステップと、溶液に超音波処理を施すステップと、基材、基材上のプライマー層、及びHMCの少なくとも1つを含む光学物品を溶液に浸漬するステップと、溶液から光学物品を取り出すステップと、光学物品から過剰の液体を蒸発させるステップとを含む。
また、本明細書に提示されるのは、物品を製造する方法であって、有機溶媒(たとえば、ヘプタン)と脱イオン(DI)水とを組み合わせて溶液を形成するステップと、溶液にグラファイトを混合するステップと、溶液に超音波処理を施すステップと、溶液に物品を浸漬するステップと、溶液から物品を取り出し、それにより物品の少なくとも一部を被覆するステップと、物品から過剰の液体を蒸発させるステップとを含む方法である。
本明細書に記載される利点、性質、及び各種の追加の特徴は、次に添付の図面との関連で詳細に記載される例示的な実施形態を考慮することでより詳細に明らかになるであろう。図面では、同じ参照数字は、図面全体にわたり類似のコンポーネントを表す。
本明細書に記載されるように少なくとも1種の炭素同素体を含む光学物品を製造する方法を例示する。 多層グラフェンの拡大画像を示す。 剪断リファインメントにより形成されたグラフェンの拡大画像を示す。 典型的な剪断リファインメントの拡大画像を示す。 膨張及び熱分解グラファイトの大クラスターの拡大画像を示す。 (A)開示された方法により作製されたグラフェンコーティングの拡大画像並びに対応するラマンスペクトル(B)及び(C)を示す。 (A)開示された方法により作製されたグラフェンコーティングの拡大画像及び(B)対応するラマンスペクトルを示す。 (A)開示された方法により作製されたグラフェンコーティングの拡大画像及び(B)対応するラマンスペクトルを示す。 (A)開示された方法により作製されたグラフェンコーティングの拡大画像及び(B)対応するラマンスペクトルを示す。
本明細書で用いられる単語又は用語は、本開示で明示的且つ明確に定義された場合を除いて又は特に文脈上異なる意味が必要とされない限り、本開示の分野におけるそれらの明白な通常の意味を有する。
本開示及び参照により組み込まれ得る1つ以上の特許又は他の文献における単語又は用語の使用に何らかの矛盾がある場合、本明細書に一致する定義を採用するべきである。
不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、冠詞の付いたコンポーネント、パーツ、又はステップが1つ又は2つ以上であることを意味する。
程度又は測定の数値範囲が下限と上限とを有して開示される場合には常に、その範囲内に含まれる任意の数及び任意の範囲も具体的に開示されることが意図される。たとえば、あらゆる値の範囲(「a」及び「b」が程度又は測定の数値を表すものとして、「a〜b」、又は「約a〜約b」、又は「約a〜b」、「およそa〜b」という形式及び任意の類似の表現)は、「a」及び「b」の値自体を含めて、そのより広い値の範囲に含まれるすべての数及び範囲を示すものと理解すべきである。
「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、任意に割り当て得るものであり、それ以外では性質、構造、機能、又は作用が類似又は対応する2つ以上のコンポーネント、パーツ、又はステップを区別することが単に意図されるにすぎない。たとえば、「第1」及び「第2」という単語は、他の目的を果たすものではなく、後続の名称語又は記述語の名称又は記述の一部ではない。「第1」という用語の単なる使用は、任意の「第2」の類似又は対応するコンポーネント、パーツ、又はステップの存在を必要としない。同様に、「第2」という単語の単なる使用は、任意の「第1」又は「第3」の類似又は対応するコンポーネント、パーツ、又はステップの存在を必要としない。さらに、「第1」という用語の単なる使用は、要素又はステップが任意のシーケンスの最初のものであることを必要とせず、単にそれが要素又はステップの少なくとも1つであることを必要とするにすぎないものと理解すべきである。同様に、「第1」及び「第2」という用語の単なる使用は、必ずしも任意のシーケンスを必要とするとは限らない。したがって、かかる用語の単なる使用は、「第1」及び「第2」の要素又はステップなどの間に介在する要素又はステップを除外するものではない。
本明細書では、「レンズ」という用語は、各種性質の1つ以上のコーティングで被覆されていてもよい1つ以上の表面を有するレンズ基材を含む有機又は無機のガラスレンズ(好ましくは有機レンズ)を意味する。本明細書で用いられる場合、「レンズブランク」とは、所定の度数を有する仕上げ眼鏡レンズを作製するために光学実験室で使用される度数のない既知のベースカーブの透明媒体を意味する。それは、単焦点レンズ、二焦点レンズ、及び三焦点レンズ並びに累進多焦点レンズ(PAL)に使用される。限定されるものではないが、態様では、本発明の方法は、透明及び非透明(すなわち不透明)の両方の物品及びデバイスを作製するために使用可能である。
「有機溶媒」という語句は、本実施形態に使用するのに好適な表面張力、密度、及び/又は水非混和性を有する炭化水素系液体を意味する。例示的な有機溶媒としては、脂肪族及び芳香族の炭化水素(たとえば、エーテル、石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘキサン類、ヘプタン、ヘプタン類、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど、又はそれらの混合物)が挙げられる。
光学物品及び光学物品を製造する方法は、本開示の原理に従って構成されて本明細書に記載されている。本明細書で使用される光学物品及びプロセスは、眼鏡レンズ、サングラスなどの任意のタイプの眼用レンズに使用可能である。具体的な実施形態では、光学物品は、サングラスのレンズ又はソーラー目的に使用可能である。眼用レンズは、偏光レンズであり得る。眼用物品は、レンズ基材又はレンズブランクであるプラスチック光学ベースから形成可能である。基材は、疎水基材又は親水基材であり得る。理論に限定されるものではないが、本発明には、光学デバイス及び光学デバイスを製造する方法も含まれる。光学デバイスとしては、電磁線の生成、操作、又は測定が可能な任意のデバイス、たとえば、カメラ、双眼鏡、顕微鏡、望遠鏡、レーザーなどが挙げられ得る。特定の場合、光学デバイスは、眼用物品又はレンズなどの光学物品を含み得る。例示的な一実施形態では、基材として、たとえばPPG Industries社からCR−39(登録商標)という商品名で販売されているジエチレングリコールビスアリルカーボネートを(共)重合することにより得られるもの(ESSILOR製のORMA(登録商標)レンズ)、又はチオ(メタ)アクリル系モノマーを重合することにより得られるもの、たとえば、仏国特許第2734827号明細書に記載のもの、又はポリチオウレタンを使用することが可能である。かかる基材は、これらのモノマーの混合物を重合することにより得られるものであり得るか、さらにはこれらのポリマー及び(コ)ポリマーの混合物を含むものであり得る。他の実施形態では、他のタイプの好適な樹脂基材を使用し得る。レンズは、伝導性であってもよい少なくとも1つの層を含み得るHMCを含み得る。より特定的には、HMCは、少なくとも1つの層が炭素同素体を含み得る複数の層を含み得る。いくつかの実施形態では、レンズは、HMCの外表面に被覆された反射防止(AR)コーティングを含み得る。AR層は、透明伝導層を含む多層構成を有し得る。一実施形態では、眼用レンズは、第1の凹表面と第2の対向する凸表面とを有する。
以上に記載したように、HMCの少なくとも1つの層は、グラフェンなどの少なくとも1種の炭素同素体を含み得る。グラフェンは、1個の原子が各頂点を形成する二次元原子スケール六方格子として配置された炭素原子の単層である。それは、グラファイト、木炭、カーボンナノチューブ、及びフラーレンをはじめとする他の同素体の基本構造要素である。グラフェンはまた、フラットな多環式芳香族炭化水素のファミリーの極限的な場合の無制限に大きい芳香族分子と見なすことも可能である。グラフェンの炭素−炭素結合長は、約0.142nmである。何千ものグラフェン層を含む層によりグラファイトが構成される。グラファイトは、単独又は組合せで特有の性質を備えるいくつかの形態で特徴付けられ得る。膨張グラファイトは、通常、耐熱損傷性を提供し得、且つ色彩効果を誘発可能なギャップのある結晶パターンを有するより少ないグラフェン層を含む。熱分解グラファイト又は熱分解炭素は、不完全性に起因してグラフェンシート間に共有結合を含む。このタイプの架橋は、熱分解グラファイトの熱伝導率、室温反磁性、及びUV吸収性の向上をもたらす。
グラフェンは、重量換算で鋼の約207倍の強さであり、熱及び電気を効率的に伝導し、且つ高い光学的透明性を有する。グラフェンは、約130Gpaの引張り強度、1TPAのヤング率、及び500〜600W・m−1・K−1の熱伝導率を有する。グラフェンはまた、半金属又はゼロギャップ半導体でもあるため、室温で高い電子移動度を示すことが可能である。グラフェンのナノスケールサイズ及び電気的性質に基づき、グラフェンは光を偏光することができる。グラフェンの電気的性質はまた、レンズの帯電防止性に利用し得る。ITOとは対照的に、グラフェンは、より可撓性があり、且つ高応力に耐え得る。単層グラフェンは、2%の吸収率を有するが、光学顕微鏡下では干渉効果に基づいてSiO/Si上でそれを観察することが可能である。したがって、グラフェンの光学的、機械的、熱的、及び電気的性質は、眼用レンズの基材、プライマー層、及びHMCの少なくとも1つに組み込むのに望ましい。
本明細書でHMCに使用されるグラフェンは、HMCの少なくとも1つの層、プライマー層、又は基材中又はその上に組み込む前に、剥離、化学気相堆積(CVD)、グラファイト分散、又は当技術分野で公知の他の方法により調製し得る。金属触媒パターン化基材上でのグラフェンの成長が可能になることから、CVDが有利である。グラファイト分散法では、液相中でグラフェンを調製することが可能である。このプロセス中、グラファイト自体とほぼ同一の表面エネルギーを有する有機溶媒にグラファイトを分散させて溶液を作製する。次いで、超音波浴中で溶液を超音波処理するか、又は適宜、溶液に電圧を印加することが可能である。分散後、次いで、残留するいずれのより厚いグラファイトフレークも廃棄するために溶液を遠心分離する。この方法は、他のグラフェン製造法と比較してより多量のグラフェンを調製するのに有用であり、工業用途でグラフェン製造のアップスケーリングを可能にする。
グラフェンは、HMC、プライマー層、又は基材の機械的性質を強化するために、拡散を介してたとえば眼用レンズのプライマーラテックス層、HMC層自体、又は基材のいずれか1つに組み込むことが可能である。典型的には、基材の外表面上にプライマー層が被覆され、次いでプライマー層上にHMCが被覆される。記載される眼用レンズの少なくとも一部へのグラフェンの組込みは、必要に応じてレンズの光学表面を改質するか、又はその屈折率を変化させるために使用可能である。一実施形態では、グラフェンは、本明細書に記載されるように、HMC又は他のコーティングで基材を被覆する前に基材の外表面に適用し得る。眼用レンズにグラフェンを適用する本明細書に記載の方法を用いると、グラフェンは、眼用レンズの少なくとも一部に接触した後、基材、プライマー層、又はHMCのいずれか1つに均一に拡散可能である。本明細書に記載されるように眼用レンズに使用可能なグラフェンは、超微細グラフェンであり得る。たとえば、グラフェンは、各ナノ粒子が約0.25μmの平均サイズを有するナノ粒子粉末の形態であり得る。
例示的な実施形態では、グラフェンなどの炭素同素体は、HMCの少なくとも1つの層、プライマー層、及び基材中又はその上に組み込まれる。グラフェンを含む層は、約0.1μm未満の厚さであり得る。当業者であれば、炭素同素体を含む層の他の厚さを企図し得ることが分かるであろう。他の実施形態では、グラフェンを含む層の厚さは、層の性質に依存して約0.1nm〜約150nm、より特定的には約0.1nm〜約50nmの範囲内であり得る。炭素同素体を含む層が約0.1nm未満の厚さである場合、炭素同素体を含む層は、十分な電気伝導率を有していない可能性がある。伝導層が約150nm超の厚さである場合、炭素同素体を含む層は、典型的には、眼用レンズの所要の透明性及び低吸収特性を実現できない可能性がある。より特定的には、グラフェンなどの炭素同素体を含む層の厚さは、約0.1nm〜約30nm、より特定的には約1nm〜約20nm、さらにより特定的には約1nm〜約10nmの範囲内であり得る。炭素同素体を含む層は、実質的に均一な厚さで構成可能である。
例示的な一実施形態では、グラフェンなどの炭素同素体は、眼用レンズに適用する前にドープし得るか、又はアンドープのままであり得る。レンズの少なくとも一部に適用する前にグラフェンをドープする利点は、グラフェンの電子的性質及び化学反応性を調整できることである。以上に記載のように、グラフェンは多くの有利な性質を有するが、たとえばゼロバンドギャップ及び高シート抵抗性などのグラフェンのいくつかの性質を改質するために、グラフェンをドープすることが望ましいこともある。グラフェン層の伝導率は、ドープしない場合、より低い可能性があるが、アンドープグラフェン層は、依然として、帯電防止性並びに他の望ましい熱的、機械的、及び電気的性質を眼用レンズに付与するのに実質的に有効であり得る。
グラフェンは、直接合成法又は後処理法によりドープ可能である。直接合成法は、たとえばグラフェンのCVD中などのグラフェン合成中にグラフェンをドープするステップを含む。グラフェンはまた、グラフェン合成後の後処理ステップでドープすることも可能である。グラフェンの後処理ドーピングは、湿式ドーピング又は乾式ドーピングを含み得る。グラフェンの湿式ドーピングは、酸処理、金属塩化物処理、及びドーパント含有溶液のディップ塗布又はスピン塗布を用いたグラフェン表面上への有機材料被覆により達成可能である。乾式ドーピングは、静電界形成、蒸発堆積、熱処理、プラズマ処理などにより達成可能である。電荷移動ドーピングは、ドーパントとグラフェンとの間の電子交換によりグラフェンからドーパントへの電子移動(p型グラフェン)又はドーパントからグラフェンへの電子移動(n型グラフェン)を行うことにより達成される。したがって、グラフェンの電子的性質及び他の性質は、ドーパント種、濃度などのドーピングパラメーターを制御することにより及び適切なドーピング法を用いることにより改質可能である。所望の効果をさらに制御するために、異なるドーピング法を組み合わせることが可能である。
グラフェンを含むHMC層、プライマー層などの形態、構造、及び品質は、限定されるものではないが、走査電子顕微鏡法(SEM)、高分解能透過電子顕微鏡法(HRTEM)、ラマン分光法、光学反射法、光学顕微鏡法、低エネルギー電子顕微鏡法(LEEM)、低エネルギー回折法(LEED)、原子間力顕微鏡法(AFM)、透過電子顕微鏡法(TEM)、走査トンネル電子顕微鏡法(STM)、光電子顕微鏡法(PES)、角度分解光電子分光法(ARPES)、光放出電子顕微鏡(PEEM)、X線光電子分光法(XPS)、Image Jデータ解析ソフトウェア、反射高エネルギー電子回折法(RHEED)、顕微鏡ベースのビデオグラフィーなどの技術を用いて評価可能である。UV−VISは、光透過度を測定するために使用可能である。エリプソメトリーは、グラフェンの厚さを試験するために使用可能である。
グラフェンの代わりに眼用レンズに使用可能な炭素同素体の他の例は、たとえば、カーボンナノチューブ(CNT)であり得る。バッキーチューブとも呼ばれるカーボンナノチューブは、多様な用途(たとえば、ナノエレクトロニクス用途、光学用途、材料用途など)に潜在的有用性をもたらす性質を有する円筒状炭素分子である。それは、優れた強度、特有の電気的性質を呈し、且つ熱の効率的伝導体である。無機ナノチューブも合成されている。ナノチューブは、バッキーボールも含まれるフラーレン構造ファミリーのメンバーである。バッキーボールは球の形状であるが、ナノチューブは円筒状であり、典型的にはバッキーボール構造の半球でキャップされた少なくとも1つの端を有する。その名称は、ナノチューブの直径が数ナノメートル程度であることからそのサイズに由来するが、数センチメートルまでの長さが可能である。カーボンナノチューブは、シングルウォールナノチューブ(SWNT)又はマルチウォールナノチューブ(MWNT)のいずれかの形態をとり得る。MWNTは、向上した機械的強度を有する眼用レンズを提供し得る。他の場合、炭素同素体は、ディスク形ナノグラフェン(DSNG)、多層グラフェン(MLG)、単層グラフェン(SLG)、及び/又はマルチウォールナノホーン(MWNH)を含み得る。MWNHは、向上した電気伝導率を有する眼用レンズを提供し得る。理論に限定されるものではないが、本開示の炭素同素体のいずれも本発明の眼用レンズに含まれ得る。いくつかの態様では、これらの炭素同素体のいずれも、最終眼用レンズの得られる性質に有益な強化剤として使用し得る。
フラーレンは、炭素が中空スフェア、楕円体、又はチューブの形態をとる炭素同素体のクラスである。このクラスの材料としては、カーボンナノチューブ、バッキーボール、及びナノバッドが挙げられる。レンズに使用可能な他の材料は、金ナノ粒子又は金ナノチューブ(シェル、スフェア、ロッドなど)であり得る。使用可能なさらに他のタイプの炭素同素体としては、限定されるものではないが、たとえば、金属−グラフェンナノ複合体、カーボンナノチューブ金属マトリックス複合体(CNT−MMC)などの金属強化炭素同素体が挙げられる。
他の実施形態では、本発明の炭素同素体は透明グラフェンを含み得る。透明グラフェンは、米国特許第8,722,442号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)で調製されたものであり得る。本発明の光学物品に適用される透明グラフェンのトップコート層は、ロータス効果により向上した超疎水性又は疎油性を有する物品表面を提供し得る。ロータス効果とは、ロータスフラワーの葉が示す超疎水性の結果である自己清浄性を意味する。また、本実施形態では、透明グラフェンを含む眼用レンズは、本明細書に記載の方法により個別に又は他の炭素同素体と協調して調整することも可能な向上した超疎水性若しくは疎油性、自己清浄性、又は帯電防止性を有し得ると予想される。
図1に示されるように、本明細書には、少なくとも1種の炭素同素体、たとえば、限定されるものではないが、本明細書に記載のグラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、それらの混合物などを含む光学物品を製造する方法が開示される。光学物品の製造に使用される製造プロセスは、米国特許出願公開第20130022739号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるものに類似したディップ塗布プロセスである。プロセスは、必要に応じて修正され得る。このプロセスは、等量の有機溶媒(たとえば、ヘプタン)と脱イオン(DI)水とを容器に添加して溶液を形成する第1のステップ110を含む。溶液は、タンク又は他の容器に収容可能である。ヘプタン対DI水の比は、必要に応じて調整され得る。一実施形態では、最適な結果を得るために最小量のヘプタンを使用可能である。
次いで、プロセスは、少なくとも1種の炭素同素体を溶液に添加する続くステップ120を含む。より特定的には、このステップは、少量の超微細天然フレークグラファイト粉末を溶液に混合するステップを含み得る。たとえば、1000ml当たり1グラムのグラファイト粉末を使用し得る。いずれの形態が最良の品質であるかを決定するために、各種形態の超微細グラファイト粉末を試験可能である。この後、プロセスは、溶液を保持する容器を超音波浴中に配置して、たとえば約5秒間〜約10秒間にわたり最大出力で温和な超音波処理を施す続くステップ130を含む。このステップで使用される温和な超音波処理により、グラフェンの薄層を溶液のヘプタン/水界面に集合させる。このステップ後、眼用レンズ基材などの光学物品の表面を作製するステップ140が続く。必要に応じて、溶液に浸漬する前に、疎水性又は親水性になるように基材の表面の作製又は改質を行い得る。一実施形態では、基材は親水性であることが重要である。基材又はHMCが十分に親水性でない場合、所望の結果を達成するために、たとえば、表面処理又は親水シラン適用を基材又はHMCの表面に施し得る。基材又はHMCの外表面の親水性は、ディップ塗布プロセス中に基材へのグラフェンの接着を促進するのに重要である。必要に応じて、各種親水表面の効果及び親水性を増加又は減少させる方法を変更可能である。
次いで、プロセスは、眼用レンズを溶液に挿入するステップ150と、その後、約5分間〜約10分間にわたり眼用レンズを溶液に完全に浸漬するステップ160とを含む。眼用レンズを完全且つ確実に溶液に浸漬できるように、眼用レンズは、スロープル装置又はディップ塗布装置に取外し可能に装着される。一態様では、眼用レンズは、一定の速度で溶液に浸漬可能である。スロープル装置又はディップ塗布装置は、眼用レンズを所定の位置に保持するために、及び基材、プライマー層、又はHMCの表面がグラフェンなどの少なくとも1種の炭素同素体を含む実質的に均一なコーティングで一様に被覆されることを保証するために使用される。
次いで、プロセスは、スロープル装置又はディップ塗布装置を作動させることにより溶液から眼用レンズを取り出すステップ170を含む。眼用レンズを溶液から取り出す速度は、必要に応じて調整され得る。眼用レンズの取出し速度は、約0.1mm/sec〜約10mm/secの範囲内であり得る。一態様では、眼用レンズは、約0.7mm/secの速度で取り出し得る。スロープル装置又はディップ塗布装置の速度設定は、所望の結果を達成するために変化させ得る。眼用レンズを溶液のヘプタン/水界面から取り出すにつれて、グラフェンは、溶液から取り出す間の基材、プライマー層、又はHMCの表面上への堆積により眼用レンズの基材、プライマー層、又はHMCの表面上に蓄積してグラフェンの薄層を形成する。グラフェンをコーティングとして眼用レンズの少なくとも一部に適用した後、グラフェンを眼用レンズ中に拡散させる。レンズの任意のパーツ、たとえば、基材、プライマー、HMCの中へのグラフェンの拡散速度は、グラフェンが拡散する材料の極性により決定可能である。一実施形態では、溶液からの眼用レンズの取出しは、眼用レンズのコーティングのいかなる不規則性も回避するために、及び眼用レンズが少なくとも1つのグラフェン層で実質的に一様に被覆されることを保証するために一定の速度で行われる。取出しの速度によりコーティングの厚さが決定される。取出しが速いほど、コーティング材料は厚くなる。所望の結果を達成するために、溶液の温度及び濃度並びに眼用レンズの浸漬速度及び溶液からの取出し速度は、すべてユーザーにより制御可能である。
眼用レンズを溶液から完全に取り出した後、プロセスは、過剰の液体を眼用レンズから排除して眼用レンズを空気乾燥させることにより、眼用レンズ上に残留するいかなる過剰の液体も蒸発させるステップ180を含むが、いくつかの態様では、ハードコートされるレンズを選択する場合には乾固させない。ハードコート中へのグラフェンの良好な拡散を可能にするために、レンズを湿潤状態のままにすべきである。この蒸発ステップ中、液体から溶媒が蒸発して薄層を形成し得る。蒸発ステップは、低湿度環境で行うことが可能である。この環境は、過剰の液体を蒸発させる速度を増加させるのに役立ち得る。アルコールなどの揮発性溶媒では、堆積ステップ又は被覆ステップ中にいくらかの蒸発が開始され得る。1つの任意選択的なステップ190では、蒸発ステップ後、眼用レンズは、ディップハードコート被覆プロセスを用いてプライマーラテックス又はハードコートで被覆可能である。一態様では、プロセスは、連続プロセスであり得るとともに、ステップは、互いに直後に行うことが可能である。眼用レンズからグラフェン層のいかなる部分も除去されないようにするために、プロセスは、いかなる洗浄ステップも含まない。
例示的な一実施形態では、眼用レンズの偏光効果を達成し得る。レンズの偏光はまた、剪断効果も達成し得る。本明細書に記載のプロセスを用いて第1のステップとして偏光効果を達成するために、表面に関連付けて層が平行又は水平に配置されるように、基材、プライマー層、又はHMCの表面上に1つ以上のグラフェン層を被覆し得る。これによりグラフェン層の第1のセットが形成される。グラフェン層の「第1のセット」とは、1つ以上のグラフェン層を意味し得る。次いで、層を空気乾燥させるが、脆弱である可能性がある。1つ以上のグラフェン層を保護するために、層をプライマーで被覆して1つ以上のグラフェン層を包み込むことが可能である。
次いで、眼用レンズを溶液の水平表面に対して90度回転させて、グラフェンの逐次層が、グラフェン層の第1のセットに対して又はそれに関連付けて垂直又は鉛直に配置されたグラフェン層の「第2のセット」を形成し得るように、以上に記載のグラフェン被覆プロセスを繰り返す。これによりグラフェンコーティングの第2のセットが形成される。
本明細書に開示される本発明は、眼用レンズなどの光学物品の改善に役立つことに加えて、本明細書に開示される本発明はまた、光学工業以外の多くの用途、たとえば、他のタイプのコーティングの電気光学用途にも使用可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、厚いグラフェン層又は多層のグラフェン層は、もはや光学的透明性を提供し得ないが、グラフェンの強度及び優れた電気的性質の利点を生かした他の用途を有し得る。したがって、本明細書に記載の製造プロセスは、他の工業製品、たとえば、タッチスクリーンなどの電子デバイスに価値のあるものであり得る。一例では、本明細書に記載のプロセスは、眼用レンズ以外の物品を作製するために使用可能である。たとえば、本方法は、ヘプタンと脱イオン水とを組み合わせて溶液を形成するステップと、グラファイトなどの少なくとも1種の炭素同素体を溶液に混合するステップと、溶液に超音波処理を施すステップと、溶液に物品を浸漬するステップと、溶液から物品を取り出し、それにより物品の少なくとも一部を被覆するステップと、物品から過剰の液体を蒸発させるステップとを含み得る。
本発明は、本明細書の教示の利益を享受する当業者に自明である、異なるがただし均等な方式で修正して実施し得るため、以上に開示される特定の例は、単なる例示にすぎない。したがって、以上に開示される特定の例示的な例に変更又は修正を加え得ることは明らかであり、かかる変形形態は、すべて本発明の範囲内にあると見なされる。
本開示の要素又はステップに係る種々の要素又はステップは、本発明から得られ得る効率及び利益を増加させるために有利に組み合わせ得るか、又は要素若しくはステップシーケンスの種々の組合せ若しくは部分組合せでまとめて実施し得る。
特に明記されていない限り、上記の実施形態の1つ以上を他の実施形態の1つ以上と組み合わせ得ることが分かるであろう。
本明細書に好適に例示的に開示される本発明は、具体的に開示も特許請求もされていない任意の要素又はステップを存在させることなく実施し得る。
さらに、特許請求の範囲に記載のもの以外に本明細書に示される構成、組成、設計、又はステップの詳細への限定は意図されない。
具体例により、本発明をより詳細に説明する。以下の実施例は、単に例示を目的として提供されたものにすぎず、決して本発明を限定することを意図したものではない。本質的に同一の結果を生じるように変更又は修正を加え得るさまざまなノンクリティカルパラメーターは、当業者であれば容易に分かるであろう。たとえば、光学物品の作製に使用される基材は、いずれも以下の実施例に使用可能である。
グラフェンナノ粉末(1〜2nm)は、SkySpring Nanomaterials,Inc.Houston,TXから入手したものであった。ラマン分光法は、532nmのレーザー及び0.6mmのスポットサイズを用いてThermo Electron Nicolet Almega XR分散ラマン分光計で行った。
グラフェン被覆レンズは、以下のステップに従って作製した。得られたレンズは、向上した機械的性能(たとえば、ISTM及びSand Bayer)、帯電防止性、疎水性及び疎油性、偏光性及び波長アイソレーション性、向上した熱的性質、及び/又は抗微生物性をはじめとする1つ以上の利益及び/又は改善を含んでいた。
1.レンズの前処理
レンズは、最初に、ディップ塗布プロセスによりクリーニングし、次いでディップ法によるA415又はスピン法によるA722のいずれかの1ミクロンのプライマーで被覆した。その後、a)不活性ガスを用いずに、真空下(0.003Pa)でPVDにより、0.8〜1.4nm/sの速度において100〜400nmのSiOでプライマー付きレンズを被覆するか、b)プライマー層にコロナ放電処理、プラズマ処理、若しくはイオン処理を施すか、又はc)a)及びb)の両方を組み合わせるかのいずれかにより、ドレイン法被覆ステップ中のCAS(炭素同素体溶液)接着のために、ガラスの表面エネルギーに匹敵するようになるまで表面エネルギーを増加させる処理をレンズ表面に施した。
2.グラファイト剥離
懸濁プリスチングラファイトナノ粉末(ヘプタン100mL当たり50mg)をポリボトル中において手で十分に混合した。次いで、NaOH(グラファイト1mg当たり10mg)を添加し、ボトルを振動台上に2分間配置し、均一になるまでさらに超音波処理した(たとえば、60〜180分間)。超音波処理が終了した後、混合物を迅速に遠心分離機バイアルに移し、3500rpmで10分間遠心分離した。次いで、上澄み液を新しいポリボトルに移し、必要になるまで室温で貯蔵した。混合物は、均一性を保証するために使用前に10分間超音波処理すべきである。図2は、60分間遠心分離することによりグラファイト生成物のほとんどを取り出して単離された多層グラフェン200を残した剥離バッチの拡大画像(2500倍)を示す。
3.グラフェンリファインメント
グラファイト混合比がヘプタン10mL当たり1mLとなるように、グラファイト剥離からの均一混合物の一部を、ヘプタン及び水(1:4vol/vol)が入った第1のビーカーの溶媒界面の真上に添加した。次いで、ビーカーを60分間超音波処理し、次いで60分間沈降させた。ガラススライドを垂直に浴に浸漬し、0.7mm/sで徐々に取り出し、直ちにただしゆっくりとヘプタン及び水(1:4vol/vol)が入った第2のビーカーの液体表面に垂直に浸漬することにより、スライドから溶媒界面に向けてグラファイト層を剪断した。界面をグラファイトで満たすために、通常、複数のスライド(たとえば、4〜6枚)を必要とした。次いで、第2のビーカーを60分間超音波処理し、60分間沈降させた。次いで、清浄なガラススライドを第2のビーカーに徐々に浸漬し、0.7mm/sで取り出し、直ちにただしゆっくりとヘプタン及び水(1:4vol/vol)が入った第3のビーカーの液体表面に垂直に浸漬することにより、スライドから溶媒界面に向けてグラファイト層を剪断した。次いで、第3のビーカーを60分間超音波処理し、60分間沈降させた。第3のビーカーの溶媒界面の材料は、炭素同素体溶液(CAS)であった。次いで、ガラススライド又はピペットのいずれかでCASを取り出し、CAS被覆用タンクの溶媒界面に配置した。図3は、剪断リファインメントにより形成されたグラフェンの拡大画像(2000倍)を示す。図4は、剪断リファインメントにより形成されたグラフェン200、グラファイト202、及び膨張グラフェン204の拡大画像を示す。
4a.ドレイン法被覆プロセス
ヘプタン及びDI水(1:4vol/vol)の浴の水相に凸面を上に向けてレンズを添加した。次いで、ガラススライドの剪断により又はピペットにより、CASをヘプタン/水界面に添加した。次いで、浴を5分間超音波処理することにより、グラフェンを界面に向けて配向させ、且ついずれの汚染物質も水中に追いやった。ヘプタン層がレンズの下になるまで、0.7mm/sの速度で界面層がレンズに平行に下降してレンズを横切って移動するように浴から排液を行う。その時点で、CAS被覆レンズを迅速にハードコート被覆ステップに移す。レンズは、乾燥させるとハードコート中に適正に拡散しないであろう。図5は、膨張及び熱分解グラファイトの大クラスターを示すドレイン法により作製されたガラスレンズの拡大(5000倍)画像を示す。
4b.スロープル被覆プロセス
ヘプタン及びDI水(1:4vol/vol)の浴の水相にレンズを添加した。次いで、ガラススライドの剪断により又はピペットにより、CASをヘプタン/水界面に添加した。次いで、浴を5分間超音波処理することにより、グラフェンを界面に向けて配向させ、且ついずれの汚染物質も水中に追いやった。次いで、CAS層を介して層に垂直に0.7mm/sの速度で、ヘプタン層を介して且つ浴からレンズを引き上げた。その時点で、CAS被覆レンズを迅速にハードコート被覆ステップに移す。レンズは、乾燥させるとハードコート中に適正に拡散しないであろう。
5.ハードコート被覆及び硬化
湿式CAS被覆レンズを指定のスロープル被覆速度でハードコート被覆液に浸漬した。浸漬中、CAS層は剪断除去され、ハードコート被覆液体の表面に残留した。レンズの一部、たとえば、レンズの側面を浸漬しないこと、又はCAS層がレンズから完全に切り離されて再アライメントが困難な場合があることは重要であった。次いで、所望のハードコート厚さに相関する速度でレンズをハードコート被覆液から引き出した。この速度は進入速度と同一にすべきである。スロープル速度は、典型的には0.5〜3mm/sであった。レンズをスロープルした場合、CAS層はハードコート層上に再捕集されるであろう。数秒以内にCAS層はハードコート中に拡散するであろう。レンズのハードコートが完全に透明になったら、レンズを100℃で3時間硬化させることが可能である。CAS単独の硬化中、硬化速度に依存して、異なるタイプ(たとえば、グラフェン、グラファイト、膨張グラファイト、熱分解グラファイト)及び同素体比が形成されるという現象が認められた。たとえば、フラッシュ乾燥は、熱分解グラファイト及びナノグラフェンのようなかなり結晶化した生成物を形成する傾向がある。ハードコート硬化速度は、形成される炭素同素体にも影響を及ぼし得ると予想される。
6.特徴付け
顕微鏡下及びでラマン分光法によりグラフェンコーティングを特徴付けした。ラマンピークの高さ(すなわち強度)、幅、位置、及び形状は、所与のサンプルの重要な構造上の特徴を表し得る。グラフェンサンプルのラマンスペクトルは、Dモードと呼ばれる1350cm−1近傍のピークを含み得る。強度の増加は、無秩序の増加を表す(たとえば、プリスチングラフェンはDモードを有しない)。1583cm−1近傍のピークは、Gバンドと呼び得る。Gバンドの高さ及び幅は、サンプル中の歪みを明らかにする(たとえば、狭くて高いピークが望まれる)。サンプル中に汚染物質が存在する場合、1620cm−1近傍にDバンクピークが現れることがある。グラファイト質サンプルは、すべて2680cm−1近傍に2Dバンドを有する。2Dバンドの形状及び高さは、サンプル中のグラフェン層の概数を決定するために使用可能である。グラフェン層の数は、I(G)/I(2D)の値に基づいて推定可能である。たとえば、I(G)/I(2D)=0.2以下は、1つの層に等しく、I(G)/I(2D)=1は、10の層に等しく、層の増加は、グラファイト、HOPG、及びグラフェンの既報のラマン測定に基づいて推定可能である。
作製されたグラフェンコーティングは、一連の炭素同素体を呈し、比は、剥離ステップ、リファインメントステップ、及び乾燥ステップを変化させることにより調整可能であった。次の炭素同素体、すなわち、膨張グラファイト、熱分解グラファイト若しくは熱分解炭素、ディスク形ナノグラフェン(DSNG)、多層グラフェン(MLG)、単層グラフェン(SLG)、及び/又はマルチウォールナノホーン(MWNH)、マルチウォールナノチューブ(MWNT)、及び/又はシングルウォールナノチューブ(SWNT)がラマン分光法及び/又は顕微鏡により同定された。
図6Aは、60分間の超音波処理及び4回の表面界面リファインメントによる剥離、ドレイン法による被覆、及び空気乾燥を行ってグラフェンナノ粉末から作製されたガラススライドの拡大画像を示す。図6Bは、図6Aの暗領域のラマンスペクトルを示す。2Dバンドは、59.7の相対強度で2683cm−1に見出され、且つGバンドは、133の相対強度で1579cm−1に見出されることから、I(G)/I(2D)=2.27となり、約39のグラフェン層であることが分かる。強いDバンドは、高秩序構造であるが多くの欠陥を有することを示す指標である。スペクトルは、熱分解グラファイトと、多層グラフェン(損傷)と、場合によりマルチウォール炭素ナノホーン及びチューブとの組合せであることを示す。図6Cは、図6Aの明領域のラマンスペクトルを示す。2Dバンドは、72.4の相対強度で2688cm−1に見出され、且つGバンドは、164.4の相対強度で1576cm−1に見出されることから、I(G)/I(2D)=2.24となり、約33のグラフェン層であることが分かる。スペクトルは、熱分解グラファイトと、多層グラフェン(損傷)と、場合によりマルチウォール炭素ナノホーン及びチューブとの組合せであることを示す。サンプルの明領域は、サンプルの黒色領域よりもわずかに良好な秩序及び少ない損傷を有する。
図7Aは、60分間の超音波処理及び2回の表面界面リファインメントによる剥離、ドレイン法による被覆、及び空気乾燥を行ってグラフェンナノ粉末から作製されたガラススライドの拡大画像を示す。図7Bは、図7Aの明領域のラマンスペクトルを示す。2Dバンドは、156.2の相対強度で2690cm−1に見出され、且つGバンドは、299.2の相対強度で1572cm−1に見出されることから、I(G)/I(2D)=1.91となり、約28のグラフェン層であることが分かる。スペクトルは、図6Cのスペクトルに類似しているが、より少ないグラフェン層及び改善された構造を有する。
図8Aは、NaOH(5mg/1mLヘプタン)を用いた60分間の超音波処理による剥離、3500rpmで60分間の遠心分離、ガラススライド上への上澄み液デカントのピペットドリップ、及び40℃オーブンによる30分間の乾燥を行ってグラフェンナノ粉末から作製されたガラススライドの拡大画像を示す。図8Bは、図8Aのラマンスペクトルを示す。2Dバンドは、156.2の相対強度で2690cm−1に見出され、且つGバンドは、300.9の相対強度で1590cm−1に見出されることから、I(G)/I(2D)=1.92となり、約28のグラフェン層であることが分かる。スペクトルは、炭素同素体の混合物を示すが、Gバンドの形状及び位置は、改善されたグラフェン層構造を示唆する。
図9Aは、NaOH(5mg/1mLヘプタン)を用いた60分間の超音波処理による剥離、3500rpmで60分間の遠心分離、ガラススライド上への上澄み液デカントのピペットドリップ、及び200℃オーブンによる15秒間の急速乾燥を行ってグラフェンナノ粉末から作製されたガラススライドの拡大画像を示す。図9Bは、図9Aのラマンスペクトルを示す。2Dバンドは、50.5の相対強度で2688cm−1に見出され、且つGバンドは、141.6の相対強度で1574cm−1に見出されることから、I(G)/I(2D)=2.79となり、約42のグラフェン層であることが分かる。スペクトルは、Gバンドの形状及び他のサンプルと比較される2Dバンドピークの新しい位置に基づいて熱分解グラファイトとDSNG(ディスク形ナノグラフェン)との混合物を示す。1600cm−1近傍のショルダーは、不純物を表すD1バンドピークである。
プロセスは、少数の他の価値ある炭素同素体を形成することが見出された。剥離技術、リファインメントプロセス、及びCAS層乾燥を変更したところ、予想外なことに、これらの材料の品質及び量が影響を受けることが判明した。
熱分解グラファイト又は熱分解炭素は、強い室温反磁性材料である。熱分解グラファイトは、特有の熱的及び機械的性質をもたらす平面秩序で結晶化されたグラフェンシートを含有する。熱分解グラファイトは、プラスチックの熱的性質の補強及び向上に使用されてきた。熱分解グラファイトの製造は、典型的には、高温を必要とするため、本方法は、「コールド」プロセスとして潜在的に価値がある。追加のリファインメントステップは、熱分解グラファイトの量を増加させ得る。CAS層のより短い乾燥/硬化時間は、熱分解グラファイトの品質を高める。
膨張グラファイト又は膨張フレークグラファイトは、グラファイトのグラフェンシート間にインターカラント材料を添加することにより調製可能である。膨張グラファイトは、たとえば、材料に伝導性、耐火性、及び放射線遮蔽性を提供するための充填材料として使用可能である。リファインメントステップの低減及び/又は遠心分離ステップの排除は、膨張グラファイトの量を増加させる。インターカラント材料の添加はまた、量及び品質を増加させ得る。
シングルウォール及びマルチウォールのナノチューブ及びホーンは、精製ステップ中に少量で形成されることが判明した。これらの同素体は、UV吸収性、電気伝導性などの有益な性質を有する。ナノチューブ及びホーンの量の増加は、長い超音波プロセス時間に関連付けられると思われる。
7.性能試験
性能試験は、真空チャンバーによる150nmのSiOと、ドレイン法CAS層と、約3.50ミクロンのAltius eMハードコートとで処理されたOrmaレンズを用いて行った。
a)機械的性能
クロスハッチによる接着試験:合格。
Sand Bayer:3.81(平均)、対照よりも7%改善。
b)帯電防止性能
プラズマボール試験:50%合格率。
c)光学性能
透過率:90.5%、対照よりも2%低減。
ヘイズ:0.61、対照よりも0.31増加。

Claims (15)

  1. 基材と、前記基材上のプライマー層と、ハードマルチコート(HMC)とを有する光学物品を含む光学デバイスであって、前記HMCが少なくとも1つの層を含み、前記層、前記基材、及び前記HMCのうちの少なくとも1つが、拡散によって吸収された少なくとも1種の炭素同素体を含む、光学デバイス。
  2. 前記炭素同素体が、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の光学デバイス。
  3. 前記炭素同素体がグラフェンである、請求項2に記載の光学デバイス。
  4. 前記グラフェンがグラフェンナノ粒子の形態であり、各ナノ粒子が約0.25μmである、請求項3に記載の光学デバイス。
  5. 前記少なくとも1種の炭素同素体を含む前記層が約0.1nm〜約150nmの厚さである、請求項1に記載の光学デバイス。
  6. 前記光学物品が偏光型である、請求項1に記載の光学デバイス。
  7. 光学デバイスを製造する方法であって、
    有機溶媒と脱イオン水とを組み合わせて溶液を形成するステップと、
    前記溶液に少なくとも1種の炭素同素体を混合するステップと、
    前記溶液に超音波処理を施すステップと、
    基材、前記基材上のプライマー層、及びハードマルチコート(HMC)のうちの少なくとも1つを含む光学物品を前記溶液に浸漬するステップと、
    前記溶液から前記光学物品を取り出すステップと、
    前記光学物品から過剰の液体を蒸発させるステップと
    を含む方法。
  8. 前記混合するステップが、グラフェン、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の炭素同素体を混合するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記取り出すステップが、前記溶液から前記光学物品を一定の速度で取り出すステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記取り出すステップ中、前記基材、前記プライマー層、及び前記HMCの少なくとも1つの中にグラフェンを拡散させるステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記取り出すステップ中、前記基材、前記プライマー層、及び前記HMCの少なくとも1つの外表面の少なくとも1つを、グラフェンを含む少なくとも第1の層で被覆するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  12. グラフェンを含む前記層の厚さが約0.1nm〜約150nmであるように、前記基材、前記プライマー層、及び前記HMCの少なくとも1つの外表面の少なくとも1つを被覆するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. グラフェンを含む前記少なくとも第1の層をプライマー層で被覆するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記光学物品が前記溶液の水平表面に対して実質的に90度の角度で配置されるように、前記光学物品を前記溶液に浸漬するステップと、
    グラフェンを含む少なくとも第2の層が、グラフェンを含む前記第1の層に対して実質的に垂直な配置において、前記基材、前記プライマー層、及び前記HMCの少なくとも1つの中に拡散されて偏光物品を形成するように、前記溶液から前記光学物品を取り出すステップと
    をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 物品を製造する方法であって、
    有機溶媒と脱イオン水とを組み合わせて溶液を形成するステップと、
    前記溶液にグラファイトを混合するステップと、
    前記溶液に超音波処理を施すステップと、
    前記溶液に前記物品を浸漬するステップと、
    前記溶液から前記物品を取り出し、それにより前記物品の少なくとも一部を被覆するステップと、
    前記物品から過剰の液体を蒸発させるステップと
    を含む方法。
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