I.定義
本発明の様々な実施形態及び態様が本明細書に示され、説明されているが、このような実施形態及び態様が単なる例示として提供されることは当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、当業者には数多くの変形、変更及び置換が可能である。本明細書に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替物が、本発明の実施において採用されてもよいことが理解されるべきである。
本明細書で使用される章の見出しは、編成目的のみのためのものであり、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。本出願に引用される全ての文書又は文書の一部は、限定されないが、特許、特許出願、記事、書籍、マニュアル及び論文を含め、あらゆる目的のためにこの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
本明細書で使用される略語は、化学分野及び生物学分野の中での従来の意味を有する。本明細書に記載の化学構造及び式は、化学分野で知られている化学原子価の標準規則に従って構築される。
置換基が、左から右に書かれた従来の化学式によって特定される場合、構造を右から左へ書くことから生じる化学的に同一の置換基を等しく包含する。例えば−CH2O−は、−OCH2−と等価である。
「アルキル」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、直鎖(即ち、非分枝鎖)又は分枝鎖の非環状炭素鎖(又は炭素)、又はこれらの組み合わせを意味し、完全に飽和していてもよく、一飽和又は多飽和であってもよく、指定の炭素原子数を含む二価及び多価の基(即ち、C1−C10は、1〜10個の炭素を意味する)を含んでいてもよい。飽和炭化水素基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、(シクロヘキシル)メチル、これらの同族体及び異性体、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが挙げられる。不飽和アルキル基は、1つ以上の二重結合を有するもの(アルケニル)又は三重結合を有するもの(アルキニル)である。アルケニルは、1つ以上の二重結合に加えて、1つより多い二重結合及び/又は1つ以上の三重結合を含んでいてもよい。アルキニルは、1つ以上の三重結合に加えて、1つより多い三重結合及び/又は1つ以上の二重結合を含んでいてもよい。不飽和アルキル基の例としては、限定されないが、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、及びもっと高級の同族体及び異性体が挙げられる。アルコキシは、酸素リンカー(−O−)を介して分子の残りの部分に結合したアルキルである。アルキル部分は、アルケニル部分であってもよい。アルキル部分は、アルキニル部分であってもよい。アルキル部分は、完全に飽和していてもよい。
「アルキレン」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、限定されないが、−CH2CH2CH2CH2−によって例示されるように、アルキルから誘導される二価の基を意味する。典型的には、アルキル(又はアルキレン)基は1〜24個の炭素原子を含み、10個以下の炭素原子を含む基が本発明において好ましい。「低級アルキル」又は「低級アルキレン」は、一般に8個以下の炭素原子を有する、より短い鎖のアルキル基又はアルキレン基である。「アルケニレン」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、アルケンから誘導される二価の基を意味する。
「ヘテロアルキル」という用語は、それ自体で又は別の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、安定な直鎖若しくは分枝鎖の非環状の基、又はこれらの組み合わせを意味し、少なくとも1個の炭素原子と、O、N、P、Si及びSからなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子とを含み、窒素原子及び硫黄原子が、任意選択的に酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子が、任意選択的に四級化されていてもよい。ヘテロ原子であるO、N、P、Si及びSは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に、又はアルキル基が分子の残りの部分に結合している位置に、配置されてもよい。例としては、限定されないが、−CH2−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−NH−CH3、−CH2−CH2−N(CH3)−CH3、−CH2−S−CH2−CH3、−CH2−CH2、−S(O)−CH3、−CH2−CH2−S(O)2−CH3、−CH=CH−O−CH3、−Si(CH3)3、−CH2−CH=N−OCH3、−CH=CH−N(CH3)−CH3、−O−CH3、−O−CH−2−CH3及び−CNが挙げられる。例えば、−CH2−NH−OCH3及び−CH2−O−Si(CH3)3のように、2個又は3個までのヘテロ原子が連続していてもよい。ヘテロアルキル部分は、1個のヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。ヘテロアルキル部分は、2個の任意選択的に異なるヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。ヘテロアルキル部分は、3個の任意選択的に異なるヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。ヘテロアルキル部分は、4個の任意選択的に異なるヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。ヘテロアルキル部分は、5個の任意選択的に異なるヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。ヘテロアルキル部分は、8個の任意選択的に異なるヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。「ヘテロアルケニル」という用語は、それ自体又は別の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、少なくとも1つの二重結合を含むヘテロアルキルを意味する。ヘテロアルケニルは、任意選択的に、1つ以上の二重結合に加えて、1つより多い二重結合及び/又は1つ以上の三重結合を含んでいてもよい。「ヘテロアルキニル」という用語は、それ自体又は別の用語と組み合わせて、特に明記しない限り、少なくとも1つの三重結合を含むヘテロアルキルを意味する。ヘテロアルキニルは、任意選択的に、1つ以上の三重結合に加えて、1つより多い三重結合及び/又は1つ以上の二重結合を含んでいてもよい。
同様に、「ヘテロアルキレン」という用語は、それ自体又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、限定されないが、−CH2−CH2−S−CH2−CH2−及び−CH2−S−CH2−CH2−NH−CH2−によって例示されるように、ヘテロアルキルから誘導される二価の基を意味する。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子は、鎖末端の一方又は両方を占有していてもよい(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレン連結基及びヘテロアルキレン連結基の場合、連結基の向きは、連結基の式が書かれている方向によって暗示されるものではない。例えば、式−C(O)2R’−は、−C(O)2R’−及び−R’C(O)2−の両方を表す。上記のように、ヘテロアルキル基は、本明細書で使用される場合、−C(O)R’、−C(O)NR’、−NR’R’’、−OR’、−SR’及び/又は−SO2R’などの、ヘテロ原子によって分子の残りの部分に接続する基を含む。「ヘテロアルキル」が引用され、続いて−NR’R”などのような特定のヘテロアルキル基が列挙される場合、ヘテロアルキル及び−NR’R”といった用語は、重複するものではなく、又は相互に排他的ではないことが理解されるだろう。むしろ、特定のヘテロアルキル基は、明瞭性を追加するために列挙される。したがって、「ヘテロアルキル」との用語は、本明細書中では、−NR’R”などの特定のヘテロアルキル基を除外するものであると解釈されるべきではない。
「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」という用語は、それ自体、又は他の用語との組み合わせで、特に明記しない限り、「アルキル」及び「ヘテロアルキル」の非芳香環の態様をそれぞれ意味し、ここで、非水素原子との結合に関与する全ての炭素原子価に起因して、1つ以上の環を構成する炭素は、必ずしも水素に結合している必要はない。さらに、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子は、ヘテロ環が分子の残りの部分に結合している位置を占有していてもよい。シクロアルキルの例としては、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル、3−ヒドロキシ−シクロブタ−3−エニル−1,2−ジオン、1H−1,2,4−トリアゾリル−5(4H)−オン、4H−1,2,4−トリアゾリルなどが挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例としては、限定されないが、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどが挙げられる。「シクロアルキレン」及び「ヘテロシクロアルキレン」は、単独で、又は別の置換基の一部として、それぞれシクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから誘導される二価の基を意味する。ヘテロシクロアルキル部分は、1個の環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキル部分は、2個の任意選択的に異なる環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキル部分は、3個の任意選択的に異なる環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキル部分は、4個の任意選択的に異なる環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキル部分は、5個の任意選択的に異なる環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。ヘテロシクロアルキル部分は、8個までの任意選択的に異なる環ヘテロ原子(例えば、O、N、S、Si又はP)を含んでいてもよい。「シクロアルキレン」及び「ヘテロシクロアルキレン」は、単独で、又は別の置換基の一部として、それぞれシクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから誘導される二価の基を意味する。「シクロアルケニル」及び「シクロアルキニル」という用語は、それ自体、又は他の用語との組み合わせで、特に明記しない限り、それぞれ「アルケニル」及び「アルキニル」の非芳香環の態様を意味する。「ヘテロシクロアルケニル」及び「ヘテロシクロアルキニル」という用語は、それ自体、又は他の用語との組み合わせで、特に明記しない限り、それぞれ「ヘテロアルケニル」及び「ヘテロアルキニル」の環状態様を意味する。
「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、特に明記しない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキル及びポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば、「ハロ(C1−C4)アルキル」という用語は、限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどを含む。
「アシル」という用語は、特に明記しない限り、−C(O)Rを意味し、ここでRは、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールである。
「アリール」という用語は、特に明記しない限り、多価不飽和の芳香族炭化水素置換基を意味し、単環、又は一緒に縮合しているか(即ち、縮合環アリール)、又は共有結合した多環(好ましくは1〜3個の環)であってもよい。縮合環アリールは、縮合環の少なくとも1つがアリール環である、縮合した複数の環を指す。「ヘテロアリール」との用語は、N、O又はSなどの少なくとも1個のヘテロ原子を含有するアリール基(又は環)を指し、窒素原子及び硫黄原子は、任意選択的に酸化されており、窒素原子は、任意選択的に四級化されている。したがって、「ヘテロアリール」という用語は、縮合環ヘテロアリール基(即ち、縮合環の少なくとも1つがヘテロ芳香環である、複数の縮合した環)を含む。5,6−縮合環ヘテロアリーレンは、1つの環が5員であり、他の環が6員であり、少なくとも1つの環がヘテロアリール環である、縮合した2つの環を指す。同様に、6,6−縮合環ヘテロアリーレンは、1つの環が6員であり、他の環が6員であり、少なくとも1つの環がヘテロアリール環である、縮合した2つの環を指す。また、6,5−縮合環ヘテロアリーレンは、1つの環が6員であり、他の環が5員であり、少なくとも1つの環がヘテロアリール環である、縮合した2つの環を指す。ヘテロアリール基は、炭素原子又はヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合していてもよい。アリール基及びヘテロアリール基の非限定的な例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンゾイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル及び6−キノリルが挙げられる。上述のアリール環系及びヘテロアリール環系のそれぞれの置換基は、以下に記載される許容される置換基の群から選択される。「アリーレン」及び「ヘテロアリーレン」は、単独で、又は別の置換基の一部として、それぞれアリール及びヘテロアリールから誘導される二価の基を意味する。ヘテロアリール基の非限定的な例としては、ピリジニル、ピリミジニル、チオフェニル、チエニル、フラニル、インドリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、チアナフタニル、ピロロピリジニル、インダゾリル、キノリニル、キノキサリニル、ピリドピラジニル、キナゾリノニル、ベンゾイソオキサゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリルチエニル、ピリジル、ピリミジル、ベンゾチアゾリル、プリニル、ベンゾイミダゾリル、イソキノリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピロリル、ジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾチアジアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル又はキノリルが挙げられる。上述の例は、置換又は非置換であってもよく、上述の各ヘテロアリールの例の二価の基は、ヘテロアリーレンの非限定的な例である。
縮合環ヘテロシクロアルキルアリールは、ヘテロシクロアルキルに縮合したアリールである。縮合環ヘテロシクロアルキルヘテロアリールは、ヘテロシクロアルキルに縮合したヘテロアリールである。縮合環ヘテロシクロアルキルシクロアルキルは、シクロアルキルに縮合したヘテロシクロアルキルである。縮合環ヘテロシクロアルキルヘテロシクロアルキルは、別のヘテロシクロアルキルに縮合したヘテロシクロアルキルである。縮合環ヘテロシクロアルキルアリール、縮合環ヘテロシクロアルキルヘテロアリール、縮合環ヘテロシクロアルキルシクロアルキル又は縮合環ヘテロシクロアルキルヘテロシクロアルキルは、それぞれ独立して、非置換であってもよく、又は本明細書に記載の1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
「オキソ」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素原子に二重結合により結合した酸素を意味する。
「アルキルアリーレン」という用語は、アルキレン部分(本明細書ではアルキレンリンカーとも呼ばれる)に共有結合したアリーレン部分を意味する。複数の実施形態では、アルキルアリーレン基は、式:
アルキルアリーレン部分は、アルキレン部分又はアリーレンリンカーで(例えば、2位、3位、4位又は6位の炭素で)、ハロゲン、オキソ、−N3、−CF3、−CCl3、−CBr3、−CI3、−CN、−CHO、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO2CH3、−SO3H、−OSO3H、−SO2NH2、−NHNH2−、−ONH2、−NHC(O)NHNH2、置換若しくは非置換のC1−C5アルキル、又は置換若しくは非置換の2〜5員ヘテロアルキル)で(例えば、置換基で)置換されていてもよい。複数の実施形態では、アルキルアリーレンは、置換されていない。
「アルキルスルホニル」という用語は、本明細書で使用される場合、式−S(O2)−R’を有する部分を意味し、ここで、R’は、上で定義した置換又は非置換のアルキル基である。R’は、特定数の炭素(例えば、「C1−C4アルキルスルホニル」)を含んでいてもよい。
上述の用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」)はそれぞれ、示された基の置換型及び非置換型の両方を含む。それぞれの種類の基のための好ましい置換基を、以下に提供する。
アルキル基及びヘテロアルキル基の置換基(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル及びヘテロシクロアルケニルとしばしば呼ばれる基を含む)は、限定されないが、0から(2m’+1)までの範囲の数の−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)2R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NRSO2R’、−NR’NR’’R’’’、−ONR’R’’、−NR’C=(O)NR’’NR’’’R’’’’、−CN、−NO2、モノホスフェート(又はその誘導体)、ジホスフェート(又はその誘導体)、トリホスフェート(又はその誘導体)から選択される種々の基の1つ以上であってもよく、ここで、m’は、このような基の合計炭素原子数である。R、R’、R”、R”’及びR””は、それぞれ好ましくは、独立して、水素、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール(例えば、1〜3個のハロゲンで置換されたアリール)、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のアルキル、アルコキシ又はチオアルコキシ基、又はアリールアルキル基を指す。本発明の化合物が1つより多いR基を含む場合、例えば、それぞれのR’、R”、R”’及びR””基が、これらの基が1つより多く存在する場合と同様に、R基は、それぞれ独立して選択される。R’とR”が同じ窒素原子に結合している場合、それらは窒素原子と合わさって、4、5、6又は7員を形成することができる。例えば、−NR’R”としては、限定されないが、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルが挙げられる。置換基の上述の考察から、当業者は、「アルキル」という用語を、水素基以外の基に結合した炭素原子を含む基、例えば、ハロアルキル(例えば、−CF3及び−CH2CF3)及びアシル(例えば、−C(O)CH3、−C(O)CF3、−C(O)CH2OCH3など)を含むことを意味すると理解するだろう。
アルキル基について記載した置換基と同様に、アリール基及びヘテロアリール基の置換基は、様々であり、例えば、ゼロから、芳香族環系での占有されていない価数の合計数までの数の−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)2R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−NRSO2R’、−NR’NR’’R’’’、−ONR’R’’、−NR’C=(O)NR’’NR’’’R’’’’、−CN、−NO2、−R’、−N3、−CH(Ph)2、フルオロ(C1−C4)アルコキシ及びフルオロ(C1−C4)アルキルから選択され、ここで、R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、好ましくは、独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール及び置換若しくは非置換のヘテロアリールから選択される。本発明の化合物が1つより多いR基を含む場合、例えば、それぞれのR’、R”、R”’及びR””基が、これらの基が1つより多く存在する場合と同様に、R基は、それぞれ独立して選択される。
2つ以上の置換基が接続し、任意選択的にアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基又はヘテロシクロアルキル基を形成してもよい。このようないわゆる環形成置換基は、必ずしも必要ではないが、典型的には、環の基本構造に結合していることが見出される。一実施形態では、環形成置換基は、基本構造の隣接する原子に結合している。例えば、環基本構造の隣接する原子に結合した2個の環形成置換基は、縮合環構造を生成する。別の実施形態では、環形成置換基は、基本構造の単一の原子に結合している。例えば、環基本構造の単一の原子に結合した2個の環形成置換基は、スピロ環構造を生成する。さらに別の実施形態では、環形成置換基は、基本構造の隣接していない原子に結合している。
アリール環又はヘテロアリール環の隣接する原子上の2個の置換基は、任意選択的に、式−T−C(O)−(CRR’)q−U−の環を形成し、ここで、T及びUは、独立して、−NR−、−O−、−CRR’−又は単結合であり、qは、0〜3の整数である。アリール環又はヘテロアリール環の隣接する原子上の2個の置換基は、任意選択的に、式−A−(CH2)r−B−の置換基と置き換わっていてもよく、ここで、A及びBは、独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)2NR’−又は単結合であり、rは、1〜4の整数である。このようにして形成された新しい環の単結合の1つが、任意選択的に、二重結合と置き換わっていてもよい。又は、アリール環又はヘテロアリール環の隣接する原子上の2個の置換基は、任意選択的に、−(CRR’)s−X’−(C’’R’’R’’’)d−の置換基と置き換わっていてもよく、ここで、s及びdは、独立して、0〜3の整数であり、X’は、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−又は−S(O)2NR’−である。置換基R、R’、R”及びR”’は、好ましくは、独立して、水素、置換又は非置換のアルキル、置換又は非置換のヘテロアルキル、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のアリール、及び置換又は非置換のヘテロアリールから選択される。
本明細書で使用される場合、「ヘテロ原子」又は「環ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)及びケイ素(Si)を含むことを意味する。
「置換基」は、本明細書で使用される場合、以下の部分から選択される基を意味する:
(A)オキソ、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF3、−OCHF2、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、及び
(B)以下から選択される少なくとも1つの置換基で置換された、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、
(i)オキソ、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF3、−OCHF2、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、及び
(ii)以下から選択される少なくとも1つの置換基で置換された、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、
(a)オキソ、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF3、−OCHF2、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、及び
(b)オキソ、ハロゲン、−CF3、−CCl3、−CN、−OH、−NH2、−COOH、−CONH2、−NO2、−SH、−SO3H、−SO4H、−SO2NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−NHC=(O)NH2、−NHSO2H、−NHC=(O)H、−NHC(O)−OH、−NHOH、−OCF3、−OCHF2、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、非置換ヘテロアリールから選択される少なくとも1つの置換基で置換された、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール。
「大きさが制限された置換基(size−limited substituent)」又は「大きさが制限された置換基(size−limited substituent group)」は、本明細書で使用される場合、「置換基」について上に記載した全ての置換基から選択される基を意味し、ここで、それぞれの置換又は非置換のアルキルは、置換又は非置換のC1−C20アルキルであり、それぞれの置換又は非置換のヘテロアルキルは、置換又は非置換の2〜20員ヘテロアルキルであり、それぞれの置換又は非置換のシクロアルキルは、置換又は非置換のC3−C8シクロアルキルであり、それぞれの置換又は非置換のヘテロシクロアルキルは、置換又は非置換の3〜8員ヘテロシクロアルキルであり、それぞれの置換又は非置換のアリールは、置換又は非置換のC6−C10アリールであり、それぞれの置換又は非置換のヘテロアリールは、置換又は非置換の5〜10員ヘテロアリールである。
「低級置換基(lower substituent)」又は「低級置換基(lower substituent group)」は、本明細書で使用される場合、「置換基」について上に記載した全ての置換基から選択される基を意味し、ここで、それぞれの置換又は非置換のアルキルは、置換又は非置換のC1−C8アルキルであり、それぞれの置換又は非置換のヘテロアルキルは、置換又は非置換の2〜8員ヘテロアルキルであり、それぞれの置換又は非置換のシクロアルキルは、置換又は非置換のC3−C7シクロアルキルであり、それぞれの置換又は非置換のヘテロシクロアルキルは、置換又は非置換の3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、それぞれの置換又は非置換のアリールは、置換又は非置換のC6−C10アリールであり、それぞれの置換又は非置換のヘテロアリールは、置換又は非置換の5〜9員ヘテロアリールである。
幾つかの実施形態では、本明細書の化合物に記載の各置換基は、少なくとも1つの置換基で置換されている。より具体的には、幾つかの実施形態では、本明細書の化合物に記載の置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン及び/又は置換ヘテロアリーレンは、それぞれ、少なくとも1つの置換基で置換されている。他の実施形態では、これらの基の少なくとも1つ又は全てが、少なくとも1つの大きさが制限された置換基で置換されている。他の実施形態では、これらの基の少なくとも1つ又は全てが、少なくとも1つの低級置換基で置換されている。
本明細書の化合物の他の実施形態では、それぞれの置換若しくは非置換のアルキルは、置換若しくは非置換のC1−C20アルキルであってもよく、それぞれの置換若しくは非置換のヘテロアルキルは、置換若しくは非置換の2〜20員ヘテロアルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換のシクロアルキルは、置換若しくは非置換のC3−C8シクロアルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキルは、置換若しくは非置換の3〜8員ヘテロシクロアルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換のアリールは、置換若しくは非置換のC6−C10アリールであり、及び/又はそれぞれの置換若しくは非置換のヘテロアリールは、置換若しくは非置換の5〜10員ヘテロアリールである。本明細書の化合物の幾つかの実施形態では、それぞれの置換若しくは非置換のアルキレンは、置換若しくは非置換のC1−C20アルキレンであってもよく、それぞれの置換若しくは非置換のヘテロアルキレンは、置換若しくは非置換の2〜20員ヘテロアルキレンであり、それぞれの置換若しくは非置換のシクロアルキレンは、置換若しくは非置換のC3−C8シクロアルキレンであり、それぞれの置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキレンは、置換若しくは非置換の3〜8員ヘテロシクロアルキレンであり、それぞれの置換若しくは非置換のアリーレンは、置換若しくは非置換のC6−C10アリーレンであり、及び/又はそれぞれの置換若しくは非置換のヘテロアリーレンは、置換若しくは非置換の5〜10員ヘテロアリーレンである。
幾つかの実施形態では、それぞれの置換若しくは非置換のアルキルは、置換若しくは非置換のC1−C8アルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換のヘテロアルキルは、置換若しくは非置換の2〜8員ヘテロアルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換のシクロアルキルは、置換若しくは非置換のC3−C7シクロアルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキルは、置換若しくは非置換の3〜7員ヘテロシクロアルキルであり、それぞれの置換若しくは非置換のアリールは、置換若しくは非置換のC6−C10アリールであり、及び/又はそれぞれの置換若しくは非置換のヘテロアリールは、置換若しくは非置換の5〜9員ヘテロアリールである。幾つかの実施形態では、それぞれの置換若しくは非置換のアルキレンは、置換若しくは非置換のC1−C8アルキレンであり、それぞれの置換若しくは非置換のヘテロアルキレンは、置換若しくは非置換の2〜8員ヘテロアルキレンであり、それぞれの置換若しくは非置換のシクロアルキレンは、置換若しくは非置換のC3−C7シクロアルキレンであり、それぞれの置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキレンは、置換若しくは非置換の3〜7員ヘテロシクロアルキレンであり、それぞれの置換若しくは非置換のアリーレンは、置換若しくは非置換のC6−C10アリーレンであり、及び/又はそれぞれの置換若しくは非置換のヘテロアリーレンは、置換若しくは非置換の5〜9員ヘテロアリーレンである。幾つかの実施形態では、化合物は、以下の実施例の章に記載の化学種である。
別に定義されない限り、本明細書に使用される技術用語及び科学用語は、当技術分野の当業者に共通して理解されるものと同じ意味を有する。例えば、Singleton et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY 2nd ed.,J.Wiley&Sons(New York,NY 1994);Sambrook et al.,MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL,Cold Springs Harbor Press(Cold Springs Harbor,NY 1989)を参照。本明細書に記載されたものと類似又は等価な任意の方法、デバイス及び材料を、本発明の実施において使用することができる。以下の定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供され、本開示の範囲を限定することを意味するものではない。
「外因性」との用語は、所与の細胞又は生物の外部に由来する分子又は物質(例えば、化合物、核酸又はタンパク質)を指す。例えば、本明細書で言及する「外因性プロモーター」は、プロモーターを発現する植物に由来しないプロモーターである。逆に、「内因性」又は「内因性プロモーター」との用語は、所与の細胞又は生物体に固有であるか、又はこれらの由来する分子又は物質を指す。
「単離された」との用語は、核酸又はタンパク質に適用される場合、核酸又はタンパク質が、それらが自然状態で会合している他の細胞成分を本質的に含まないことを示す。これは、例えば、均質な状態であってもよく、乾燥状態又は水溶液のいずれかであってもよい。純度及び均一性は、典型的には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又は高速液体クロマトグラフィーのような分析化学技術を用いて決定される。調製物中に存在する優勢な種であるタンパク質は、実質的に精製されている。
「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」との用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書で相互に置き換え可能に用いられ、このとき、ポリマーは、複数の実施形態では、アミノ酸からなっていない部分にコンジュゲートしていてもよい。これらの用語は、1つ以上のアミノ酸残基が、対応する天然に存在するアミノ酸の人工的化学模倣物であるアミノ酸ポリマー、並びに天然に存在するアミノ酸ポリマー及び天然に存在しないアミノ酸ポリマーに適用される。「融合タンパク質」は、単一部分として組換えにより発現される、2つ以上の別個のタンパク質配列をコードするキメラタンパク質を指す。
「ペプチジル」及び「ペプチジル部分」との用語は、一価ペプチドを意味する。
「アミノ酸」との用語は、天然アミノ酸及び合成アミノ酸、及び天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸アナログ及びアミノ酸模倣物を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝子コードによってコードされるアミノ酸、並びに後で改変されるアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸及びO−ホスホセリンである。アミノ酸アナログは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造、即ち水素、カルボキシル基、アミノ基及びR基(例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウム)に結合したα炭素を有する化合物を指す。このようなアナログは、改変されたR基(例えば、ノルロイシン)又は改変ペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を保持する。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なるが、天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能する構造を有する化学化合物を指す。「天然に存在しないアミノ酸」及び「非天然アミノ酸」との用語は、天然には見出されないアミノ酸アナログ、合成アミノ酸及びアミノ酸模倣物を指す。
アミノ酸は、一般的に知られている3文字の記号又はIUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨される1文字の記号のいずれかによって、本明細書で言及されてもよい。同様に、ヌクレオチドは、一般に認められている一文字コードによって言及されてもよい。
「保存的に改変された改変体」は、アミノ酸及び核酸配列の両方に適用される。特定の核酸配列に関して、「保存的に改変された改変体」は、同一又は本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を指す。遺伝子コードの縮重のために、多くの核酸配列が、任意の所定のタンパク質をコードするであろう。例えば、コドンGCA、GCC、GCG及びGCUは全て、アラニンというアミノ酸をコードする。従って、アラニンがコドンによって特定される全ての位置で、コードされたポリペプチドを変えることなく、記載されている対応するコドンのいずれかにコドンを変更することができる。このような核酸変異は、保存的に改変された変異の1種である「サイレント変異」である。ポリペプチドをコードする本明細書の全ての核酸配列は、核酸のあらゆる可能なサイレント変異も記載する。当業者は、核酸中の各コドン(通常はメチオニンの唯一のコドンであるAUG及び通常はトリプトファンの唯一のコドンであるTGGを除く)を改変し、機能的に同一の分子を得ることができることを認識するであろう。従って、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、記載された各配列において、暗黙のものである。
アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされる配列中の1個のアミノ酸又は少ない割合のアミノ酸を変更、付加又は欠失する、核酸、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質配列に対する個々の置換、欠失又は付加が、改変によってアミノ酸が、化学的に類似したアミノ酸へと置換される、「保存的に改変された改変体」であることを認識するだろう。機能的に類似のアミノ酸を与える保存的置換の表は、当技術分野で周知である。このような保存的に改変された改変体は、本発明の多型改変体、種間同族体及び対立遺伝子に加えられ、除外されない。
以下の8つのグループはそれぞれ、互いに保存的置換であるアミノ酸を含む。
(1)アラニン(A)、グリシン(G);
(2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
(3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
(4)アルギニン(R)、リシン(K);
(5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
(6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
(7)セリン(S)、トレオニン(T);及び
(8)システイン(C)、メチオニン(M)
(例えば、Creighton,Proteins(1984)を参照。)
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈における「同一の」との用語又は「同一性」の率は、以下に記載するデフォルトパラメータを用い、BLAST又はBLAST2.0配列比較アルゴリズムを用いて測定した場合、又は手動で整列させ、視覚観察した場合に、同じであるか、又は特定の割合のアミノ酸残基又はヌクレオチドが同じ(即ち、比較ウィンドウ又は指定の領域にわたる最大対応を比較し、整列させたとき、特定の領域にわたって約60%の同一性、好ましくは65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性)である2つ以上の配列又は部分配列を指す(例えば、NCBIウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/などを参照)。このような配列は、「実質的に同一」であるといわれる。この定義は、試験配列の相補体も指すか、又はこれにも適用され得る。この定義には、欠失及び/又は付加を有する配列並びに置換を有する配列も含まれる。後述するように、好ましいアルゴリズムは、ギャップなどを説明することができる。好ましくは、同一性は、長さが少なくとも約25アミノ酸又はヌクレオチド、より好ましくは長さが50〜100アミノ酸又はヌクレオチドである領域にわたって存在する。
「抗体」は、抗原に特異的に結合して認識する免疫グロブリン遺伝子由来のフレームワーク領域又はこのフラグメントを含むポリペプチドを指す。認識された免疫グロブリン遺伝子には、κ、λ、α、γ、δ、ε及びμ定常領域遺伝子及び無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖は、κ又はλのいずれかに分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ又はεに分類され、免疫グロブリンの種類IgG、IgM、IgA、IgD及びIgEをそれぞれ規定する。典型的には、抗体の抗原結合領域は、結合の特異性及びアフィニティにおいて最も重要である。幾つかの実施形態では、抗体又は抗体フラグメントは、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ラクダなどを含む様々な生物に由来していてもよい。本発明の抗体は、抗体の所望の機能(例えば、グリコシル化、発現、抗原認識、エフェクター機能、抗原結合、特異性など)を改善又は調節するために、1つ又は複数のアミノ酸位置で改変又は突然変異した抗体を含んでいてもよい。
例示的な免疫グロブリン(抗体)の構造単位は、テトラマーを含む。各テトラマーは、2つの同一のポリペプチド鎖対からなり、各対は、片方が「軽」鎖(約25kD)を有し、片方が「重」鎖(約50〜70kD)を有する。各鎖のN末端は、抗原認識に主に関与する約100〜110、又はもっと多いアミノ酸の可変領域を規定する。可変軽鎖(VL)及び可変重鎖(VH)との用語は、それぞれ、これらの軽鎖及び重鎖を指す。Fc(即ち、フラグメント結晶化領域)は、免疫グロブリンの「基部」又は「尾部」であり、典型的には、抗体の種類に応じて2つ又は3つの定常ドメインに寄与する2つの重鎖から構成される。特定のタンパク質に結合することにより、Fc領域は、各抗体が所与の抗原に対して適切な免疫応答を形成することを保証する。Fc領域は、Fc受容体などの様々な細胞受容体、及び補体タンパク質などの他の免疫分子にも結合する。
抗体は、例えばインタクトな免疫グロブリンとして、又は種々のペプチダーゼで消化することによって産生される多くの十分に特性決定されたフラグメントとして、存在する。従って、例えば、ペプシンは、ヒンジ領域のジスルフィド結合の下にある抗体を消化して、F(ab)’2(これ自体がジスルフィド結合によってVH−CH1に結合した軽鎖であるFabのダイマー)を形成する。F(ab)’2を穏和な条件下で還元し、ヒンジ領域のジスルフィド結合を破壊することによってF(ab)’2ダイマーをFab’モノマーに変換してもよい。Fab’モノマーは、本質的にヒンジ領域の一部を有する抗原結合部位である(Fundamental Immunology(Paul ed.,3d ed.1993)を参照)。種々の抗体フラグメントは、インタクトな抗体の消化という観点で定義されるが、当業者は、このようなフラグメントが化学的に、又は組換えDNA方法論を使用して、新たに合成されてもよいことを理解するであろう。従って、抗体との用語は、本明細書で使用される場合、全抗体の改変によって産生される抗体フラグメント、又は組換えDNA方法論を用いて新規に合成される抗体フラグメント(例えば一本鎖Fv)、又はファージディスプレイライブラリーを用いて同定されるものも含む(例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552−554(1990)を参照)。
一本鎖可変フラグメント(scFv)は、典型的には、免疫グロブリンの重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変領域の融合タンパク質であり、10〜約25アミノ酸の短いリンカーペプチドに連結する。リンカーは通常、柔軟性のためにグリシンが豊富であり、溶解性のためにセリン又はトレオニンも豊富な場合がある。リンカーは、VHのN末端をVLのC末端に連結するか、又はこの逆でもよい。
本発明の適切な抗体の調製及び本発明による使用のための、例えば組換え抗体、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体のために、当技術分野で公知の多くの技術を使用することができる(例えば、Kohler&Milstein,Nature 256:495−497(1975);Kozbor et al.,Immunology Today 4:72(1983);Cole et al.,pp.77−96 in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,Inc.(1985);Coligan,Current Protocols in Immunology(1991);Harlow&Lane,Antibodies,A Laboratory Manual(1988);及びGoding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(2d ed.1986)を参照)。目的の抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子を細胞からクローニングすることができ、例えば、モノクローナル抗体をコードする遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、組換えモノクローナル抗体を産生するために使用することができる。モノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子ライブラリーを、ハイブリドーマ又は形質細胞から製造することもできる。重鎖及び軽鎖の遺伝子産物のランダムな組み合わせは、異なる抗原特異性を有する抗体の大きなプールを生成する(例えば、Kuby,Immunology(3rd ed. 1997)を参照)。一本鎖抗体又は組換え抗体の製造技術(米国特許第4,946,778号、米国特許第4,816,567号)は、本発明のポリペプチドに対する抗体を生成するように適合させることができる。また、トランスジェニックマウス又は他の哺乳動物のような生物を用いて、ヒト化抗体又はヒト抗体を発現させることができる(例えば、米国特許第5,545,807号;第5,545,806号;第5,569,825号;第5,625,126号;第5,633,425号;第5,661,016号、Marks et al.,Bio/Technology 10:779−783(1992);Lonberg et al.,Nature 368:856−859(1994);Morrison,Nature 368:812−13(1994);Fishwild et al.,Nature Biotechnology 14:845−51(1996);Neuberger,Nature Biotechnology 14:826(1996);及びLonberg&Huszar,Intern.Rev.Immunol.13:65−93(1995)を参照)。又は、ファージディスプレイ技術を用いて、選択された抗原に特異的に結合する抗体及びヘテロマーFabフラグメントを同定することができる(例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552−554(1990);Marks et al.,Biotechnology 10:779−783(1992)を参照)。抗体は、二重特異性であってもよく、即ち、2つの異なる抗原を認識することができてもよい(例えば、WO 第93/08829号、Traunecker et al.,EMBO J.10:3655−3659(1991);及びSuresh et al.,Methods in Enzymology 121:210(1986)を参照)。抗体はまた、ヘテロコンジュゲート、例えば、2つの共有結合した抗体、又は免疫毒素であってもよい(例えば、米国特許第4,676,980号、WO91/00360;WO92/200373及びEP03089を参照)。
非ヒト抗体のヒト化又は霊長類化のための方法は、当技術分野で周知である(例えば、米国特許第4,816,567号;第5,530,101号;第5,859,205号;第5,585,089号;第5,693,761号;第5,693,762号;第5,777,085号;第6,180,370号;第6,210,671号;及び第6,329,511号;WO87/02671;欧州特許出願第0173494号;Jones et al.(1986)Nature 321:522;及びVerhoyen et al.(1988)Science 239:1534を参照)。ヒト化抗体は、例えば、Winter and Milstein(1991)Nature 349:293にさらに記載されている。一般に、ヒト化抗体は、非ヒトである供給源から導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、多くの場合、インポート残基と呼ばれ、典型的にはインポート可変ドメインから取られる。ヒト化は、本質的に、げっ歯類のCDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列に置き換えることによって、Winter及び共同研究者らの方法に従って行うことができる(例えば、Morrison et al.,PNAS USA,81:6851−6855(1984),Jones et al.,Nature 321:522−525(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323−327(1988);Morrison and Oi,Adv.Immunol.,44:65−92(1988),Verhoeyen et al.,Science 239:1534−1536(1988)及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593−596(1992),Padlan,Molec.Immun.,28:489−498(1991);Padlan,Molec.Immun.,31(3):169−217(1994)を参照)。従って、このようなヒト化抗体は、キメラ抗体であり(米国特許第4,816,567号)、インタクトなヒト可変ドメインより実質的に小さい部分が、非ヒト種由来の対応する配列によって置き換えられている。実際には、ヒト化抗体は、典型的には、幾つかのCDR残基及び場合によっては幾つかのFR残基が、げっ歯類抗体の類似部位に由来する残基によって置き換えられているヒト抗体である。例えば、ヒト化免疫グロブリンのフレームワーク領域をコードする第1の配列と、所望の免疫グロブリン相補性決定領域をコードする第2の配列とを含むポリヌクレオチドは、合成的に、又は適切なcDNAとゲノムDNAセグメントを組み合わせることによって製造することができる。ヒト定常領域DNA配列は、種々のヒト細胞から周知の方法に従って単離することができる。
「キメラ抗体」は、(a)抗原結合部位(可変領域)が、異なる定常領域に、又は改変された種類、エフェクター機能及び/又は種の定常領域に、又はキメラ抗体に新しい特性を与える全く異なる分子(例えば、酵素、毒素、ホルモン、成長因子、薬物など)に連結するように、定常領域又はこの一部が変更、置換又は交換されるか;又は(b)可変領域又はこの一部が、異なる抗原特異性又は改変された抗原特異性を有する可変領域と改変、置換又は交換されるような、抗体分子である。本発明の好ましい抗体、及び本発明によって使用するための好ましい抗体には、ヒト化及び/又はキメラモノクローナル抗体が含まれる。
治療薬剤を抗体にコンジュゲートさせる技術は、よく知られている(例えば、Arnon et al.,“Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy”,in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy,Reisfeld et al.(eds.),pp.243−56(Alan R.Liss,Inc.1985);Hellstrom et al.,“Antibodies For Drug Delivery”in Controlled Drug Delivery(2nd Ed.),Robinson et al.(eds.),pp.623−53(Marcel Dekker,Inc.1987);Thorpe,“Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review” in Monoclonal Antibodies ‘84:Biological And Clinical Applications,Pinchera et al.(eds.),pp.475−506(1985);及びThorpe et al.,“The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody−Toxin Conjugates”,Immunol.Rev.,62:119−58(1982)を参照)。本明細書で使用される場合、「抗体−薬物コンジュゲート」又は「ADC」との用語は、抗体にコンジュゲート又は他の様式で共有結合した治療薬剤をいう。本明細書で言及する「治療薬剤」は、がんなどの疾患を処置又は予防するのに有用な組成物である。
タンパク質又はペプチドに言及するとき、抗体に「特異的に(又は選択的に)結合する」、又は「特異的に(又は選択的に)免疫反応性である」という句は、しばしばタンパク質及び他の生物製剤の異種集合の中のタンパク質の存在を決定する結合反応を指す。従って、指定されたイムノアッセイ条件下で、特定の抗体は、バックグラウンドの少なくとも2倍、より典型的にはバックグラウンドの10倍〜100倍を超えて、特定のタンパク質に結合する。このような条件下での抗体への特異的な結合は、特定のタンパク質に対する特異性について選択される抗体を必要とする。例えば、ポリクローナル抗体は、選択された抗原と特異的に免疫反応性であり、他のタンパク質とは特異的に免疫反応性ではない抗体のサブセットのみを得るように選択することができる。この選択は、他の分子と交差反応する抗体を差し引くことによって達成されてもよい。特定のタンパク質と特異的に免疫反応性の抗体を選択するために、様々なイムノアッセイフォーマットを使用することができる。例えば、固相ELISAイムノアッセイは、タンパク質に特異的に免疫反応性である抗体を選択するために日常的に使用されている(例えば、特定の免疫反応性を決定するために使用可能なイムノアッセイのフォーマット及び条件の記載については、Harlow&Lane,Using Antibodies,A Laboratory Manual(1998)を参照)。
「標識」又は「検出可能な部分」は、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、化学的手段又は他の物理的手段によって検出可能な組成物である。例えば、有用な標識には、32P、蛍光色素(例えば、シアニン)、電子密度の高い試薬、酵素(例えば、ELISAで一般的に使用されるもの)、ビオチン、ジゴキシゲニン、又はハプテン及びタンパク質、又は(例えば標的ペプチドと特異的に反応するペプチド又は抗体に放射能標識を組み込むことによって)検出可能にすることができる他の物体が含まれる。例えば、Hermanson,Bioconjugate Techniques 1996,Academic Press,Inc.,San Diegoに記載されている方法を用いて、標識に抗体をコンジュゲートさせるための当技術分野で公知の任意の適切な方法を使用することができる。
「接触」は、通常の意味に従って使用され、少なくとも2つの異なる種(例えば、生体分子又は細胞を含む化学化合物)が、反応、相互作用、又は物理的に接触するほど十分に近づくことを可能にする過程を指す。しかしながら、得られた反応形成物は、添加された試薬間の反応から、又は反応混合物中で製造することができる1種以上の添加された試薬からの中間体から、直接的に製造することができることを理解されたい。
「接触」との用語は、2つの種を反応させ、相互作用させ、又は物理的に接触させることを含んでいてもよく、2つの種は、例えば、本明細書に記載の抗体ドメインと、抗体結合ドメインであってもよい。複数の実施形態では、接触は、例えば、本明細書に記載の抗体ドメインを、抗体結合ドメインと相互作用させることを含む。
「患者」又は「それを必要とする被験体」は、本明細書で提供される組成物又は医薬組成物を投与することによって処置することができる疾患又は状態に罹患しているか又はこの傾向がある生物を指す。非限定的な例としては、ヒト、他の哺乳動物、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、ウシ、シカ及び他の非哺乳動物が挙げられる。幾つかの実施形態では、患者はヒトである。
「疾患」又は「状態」との用語は、本明細書で提供される化合物、医薬組成物又は方法で処置することができる患者又は被験体の状態又は健康状態を指す。複数の実施形態では、疾患は、がん(例えば、肺がん、卵巣がん、骨肉腫、膀胱がん、子宮頸がん、肝臓がん、腎臓がん、皮膚がん(例えばメルケル細胞癌)、精巣がん、白血病、リンパ腫、頭頸部がん、結腸直腸がん、前立腺がん、膵臓がん、メラノーマ、乳がん、神経芽腫)である。この疾患は、自己免疫性、炎症性、がん性、感染性、代謝性、発達性、心血管性、肝臓、腸、内分泌腺、神経学的又は他の疾患であってもよい。
本明細書で使用される場合、「がん」との用語は、白血病、リンパ腫、メラノーマ、神経内分泌腫瘍、癌腫及び肉腫を含む、哺乳動物に見られるあらゆるタイプのがん、新生物又は悪性腫瘍を指す。本明細書で提供される化合物、医薬組成物又は方法で処置され得る例示的ながんとしては、リンパ腫、肉腫、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、子宮頸がん、結腸がん、食道がん、胃がん、頭頸部がん、腎臓がん、骨髄腫、甲状腺がん、白血病、前立腺がん、乳がん(例えば、トリプルネガティブ、ER陽性、ER陰性、化学療法抵抗性、ハーセプチン抵抗性、HER2陽性、ドキソルビシン抵抗性、タモキシフェン抵抗性、腺管癌、小葉癌、原発性、転移性)、卵巣がん、前立腺がん、肝臓がん(例えば、肝細胞がん)、肺がん(例えば、非小細胞肺癌、扁平上皮細胞肺癌、腺癌、大細胞肺癌、小細胞肺癌、カルチノイド、肉腫)、多形神経膠芽腫、神経膠腫、メラノーマ、前立腺がん、去勢抵抗性前立腺がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、神経膠芽腫、卵巣がん、肺がん、扁平上皮癌(例えば、頭部、頸部又は食道)、結腸直腸がん、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、又は多発性骨髄腫が挙げられる。さらなる例としては、甲状腺がん、内分泌系がん、脳がん、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、頭頸部がん、食道がん、肝臓がん、腎臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、メラノーマ、中皮腫、卵巣がん、肉腫、胃がん、子宮がん又は髄芽腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、多形神経膠芽腫、卵巣がん、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症、原発性脳腫瘍、がん、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱がん、前悪性肌、精巣がん、リンパ腫、甲状腺がん、神経芽細胞腫、食道がん、尿生殖器管がん、悪性高カルシウム血症、子宮内膜がん、副腎皮質がん、膵臓内分泌又は外分泌の新生物、髄様甲状腺がん、髄様甲状腺癌腫、メラノーマ、結腸直腸がん、結腸直腸がん、乳頭様甲状腺がん、肝細胞癌、乳頭のパジェット病、葉状腺腫瘍、小葉癌、腺管癌、膵臓星状細胞がん、肝星状細胞がん又は前立腺がんが挙げられる。
「白血病」との用語は、広く、血液形成器官の進行性悪性疾患を指し、一般に、血液及び骨髄における白血球及びこの前駆体の増殖及び発達の歪みを特徴とする。白血病は、一般に、(1)急性又は慢性の疾患の期間及び特徴、(2)関与する細胞の種類;骨髄(骨髄性)、リンパ球(リンパ性)又は単球性;及び(3)血液白血病又は無白血病(亜白血性)における異常細胞の数が増加していること、又は増加していないことを基準として、臨床的に分類される。本明細書で提供される化合物、医薬組成物又は方法で処置し得る例示的な白血病としては、例えば、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、非白血性白血病、白血球性白血病、好塩基球性白血病、芽球性白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胎生細胞性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、有毛細胞白血病、血芽球性白血病、血芽球細胞性白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ細胞性白血病、リンパ行性白血病、リンパ様白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞性白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄性白血病、骨髄顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞性白血病、多発性骨髄腫、形質細胞白血病、前骨髄球性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、幹細胞性白血病、亜白血性白血病又は未分化細胞性白血病が挙げられる。
「肉腫」という用語は、胎芽の結合組織のような物質で形成され、一般的に、原線維又は同種の物質に埋め込まれた密に集まった細胞から構成される腫瘍を広く指す。本明細書で提供される化合物、医薬組成物又は方法で処置し得る例示的な肉腫としては、軟骨肉腫、線維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、アバーネシー肉腫、脂肪性肉腫、脂肪肉腫、胞状軟部肉腫、エナメル上皮肉腫、ブドウ状肉腫、緑色肉腫、絨毛上皮腫、胎芽性肉腫、ウィルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質性肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞性肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキン肉腫、特発多発性色素出血性肉腫、B細胞免疫芽球性肉腫、リンパ腫、T細胞免疫芽球性肉腫、イエンセン肉腫、カポージ肉腫、クップファー細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉肉腫、傍骨性肉腫、網状赤血球性肉腫、ラウス肉腫、漿液嚢肉腫、滑膜肉腫又は毛細血管拡張性肉腫が挙げられる。
「メラノーマ」という用語は、皮膚及び他の組織のメラノサイト系から生じる腫瘍を意味するのに用いられる。本明細書で提供される化合物、医薬組成物又は方法で処置し得るメラノーマとしては、例えば、末端部黒子黒色腫、メラニン欠乏性黒色腫、良性若年性黒色腫、クラウドマン黒色腫、S91黒色腫、ハーディングパッセー黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、結節性黒色腫、爪下黒色腫又は表在拡大型黒色腫が挙げられる。
「癌腫」という用語は、周囲の組織に浸潤し、転移を引き起こしやすい上皮細胞で形成された悪性の新生物を指す。本明細書で提供される化合物、医薬組成物又は方法で処置し得る例示的な癌腫としては、例えば、髄様甲状腺癌腫、家族性髄様甲状腺癌腫、腺房癌腫、腺癌腫、腺嚢胞癌腫、腺様嚢胞癌腫、癌腫腺腫、副腎皮質の癌腫、肺胞癌腫、肺胞細胞癌腫、基底細胞癌腫、基底細胞性癌腫、類基底細胞癌腫、基底扁平上皮癌腫、細気管支肺胞上皮癌腫、細気管支癌腫、気管支原生癌腫、大脳様癌腫、胆管細胞性癌腫、絨毛膜癌腫、膠様癌腫、コメド癌腫、コーパス癌腫、篩状癌腫、胴甲性癌腫、クタノイム癌腫、円柱状癌腫、円柱細胞性癌腫、腺管癌腫、導管性癌腫、デュラム癌腫、胎生期癌腫、脳様癌腫、エピエルモイド癌腫、上皮腺様癌腫、外方増殖性癌腫、潰瘍性癌腫、線維性癌腫、ゼラチン状癌腫、ゼラチン様癌腫、巨細胞癌腫、巨細胞性癌腫、腺癌腫、顆粒膜細胞癌腫、毛母癌腫、血液様癌腫、肝細胞癌腫、ヒュルトレ細胞癌腫、硝子様癌腫、副腎様癌腫、幼児型胎児性癌腫、原位置癌腫、表皮内癌腫、上皮内癌腫、クロンペチャー癌腫、クルチツキー細胞癌腫、大細胞癌腫、レンズ状癌腫、レンズ様癌腫、脂肪腫性癌腫、小葉癌、リンパ上皮癌腫、骨髄癌腫、髄様癌腫、黒色癌腫、モル癌腫、粘液性癌腫、ミューシパーラム癌腫、粘液細胞癌腫、粘液性類表皮癌腫、粘膜癌腫、粘液癌腫、粘液腫性癌腫、鼻咽頭癌腫、燕麦細胞癌腫、骨化癌腫、類骨癌腫、乳頭状癌腫、門脈周囲性癌腫、転移前癌腫、有棘細胞癌腫、髄質様癌腫、腎臓の腎細胞癌腫、予備細胞癌腫、肉腫様癌腫、シュナイダー癌腫、硬癌腫、陰嚢癌腫、印環細胞癌腫、単純性癌腫、小細胞癌腫、ソラノイド癌腫、球状細胞癌腫、紡錘体細胞癌腫、海綿状癌腫、鱗状癌腫、扁平上皮癌腫、ストリング癌腫、毛細血管拡張性癌腫、毛細管拡張様癌腫、移行上皮癌腫、結節性癌腫、管状癌腫、結節状癌腫、ゆうぜい癌腫又は絨毛性癌腫が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「転移」、「転移性」及び「転移性がん」との用語は互換的に使用することができ、ある器官又は別の隣接していない器官又は身体の一部からの増殖性の疾患又は障害(例えば、がん)の広がりを指す。がんは、原発部位、例えば乳房で起こり、この部位は原発腫瘍、例えば原発性乳がんと呼ばれる。原発腫瘍又は原発部位の幾つかのがん細胞は、局所領域の周囲の正常組織に透過して浸潤する能力、及び/又は系を通って体内の他の部位及び組織に循環するリンパ系又は血管系の壁を貫通する能力を獲得する。原発腫瘍のがん細胞から形成された第2の臨床的に検出可能な腫瘍は、転移性又は二次性腫瘍と呼ばれる。がん細胞が転移するとき、転移性腫瘍及びこの細胞は、元の腫瘍のものと類似していると推定される。従って、肺がんが乳房に転移する場合、乳房の部位の二次性腫瘍は、異常な肺細胞からなり、異常な乳房細胞は含まれない。胸部の二次性腫瘍は、転移性肺がんと呼ばれる。従って、転移性がんという語句は、被験体が原発腫瘍を有しているか又は過去に有しており、1つ以上の二次性腫瘍を有する疾患を指す。非転移性がん又は転移性ではないがんを有する被験体との句は、被験体が原発腫瘍を有するが、1つ以上の二次性腫瘍を有さない疾患を指す。例えば、転移性肺がんとは、原発性肺腫瘍の病歴を有するか、又はこれを有する被験体における疾患、及び例えば乳房における第2の位置又は複数の位置に1つ以上の二次的腫瘍を有する疾患を指す。
本明細書で使用される場合、「自己免疫疾患」は、例えば被験体の体内に通常存在する組織及び/又は細胞の物質に対し、被験体の免疫系によって変化した免疫反応から生じる疾患又は障害を指す。自己免疫疾患としては、限定されないが、関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性特発性関節炎、強皮症、全身性強皮症、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、若年性糖尿病、1型糖尿病、ギランバレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、強直性脊椎炎、乾癬、シェーグレン症候群、血管炎、糸球体腎炎、自己免疫甲状腺炎、ベーチェット病、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、乾癬、魚鱗癬、グレーブス眼症、炎症性腸疾患、アジソン病、白斑、喘息及びアレルギー性喘息が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「炎症性疾患」は、異常な炎症又は変化した炎症に関連する疾患又は障害を指す。炎症は、病原体、損傷した細胞若しくは組織又は刺激物に応答する治癒過程の一部として、免疫系によって開始される生物学的応答である。慢性炎症は、様々な病気につながる可能性がある。炎症性疾患には、アテローム性動脈硬化症、アレルギー、喘息、慢性関節リウマチ、移植拒絶反応、セリアック病、慢性前立腺炎、炎症性腸疾患、骨盤炎症性疾患及び炎症性ミオパチーが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「代謝障害」とは、例えば、炭水化物、アミノ酸及び有機酸を含む様々な分子及び物質の異常な代謝を伴う疾患又は障害をいう。代謝障害としては、限定されないが、炭水化物代謝障害(例えばグリコーゲン貯蔵疾患)、フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿病、グルタル酸血症1型、尿素サイクル障害又は尿素サイクル障害などのアミノ酸代謝障害、例えば、カルバモイルホスフェートシンテターゼI欠乏症、有機酸代謝障害(有機酸尿症)、例えば、アルカプトン尿症、脂肪酸酸化及びミトコンドリア代謝の障害、例えば、中鎖アシル補酵素Aデヒドロゲナーゼ欠損症、ポルフィリン代謝障害、例えば、急性間欠性ポルフィリン症、プリン又はピリミジンの代謝障害、例えば、レッシュナイハン症候群、ステロイド代謝障害、例えば、脂肪性先天性副腎過形成、先天性副腎過形成、ミトコンドリア機能の障害、例えば、カーンズセイヤー症候群、ペルオキシソーム機能の障害、例えば、ツェルウエーガー症候群、及びリソソーム蓄積障害、例えば、ゴーシェ病及びニーマンピック病が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「発達障害」は、しばしば言語障害、学習障害、運動障害及び神経発達障害に関連する小児期に起きる疾患又は障害を指す。例には、自閉スペクトラム障害及び注意欠陥障害が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「心血管疾患」は、心臓、血管又はこの両方に関連する疾患を指す。心血管疾患には、冠動脈心疾患、心筋症、高血圧性心疾患、心不全、心臓不整脈、炎症性心疾患、末梢動脈疾患、脳血管疾患及び炎症性心疾患が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「肝疾患」は、肝臓及び/又は肝機能の異常に関連する疾患を指す。肝疾患としては、肝炎、アルコール性肝疾患、脂肪肝疾患、肝硬変、バッドキアリ症候群、ギルバート症候群及びがんが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「腸疾患」との用語は、腸(小腸又は大腸)の異常に関連する疾患又は障害を指す。腸疾患には、胃腸炎、大腸炎、回腸炎、虫垂炎、セリアック病、クローン病、エンテロウイルス、過敏性腸症候群及び憩室疾患が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「内分泌疾患」との用語は、内分泌腺低分泌、内分泌腺過分泌及び腫瘍を含む内分泌系の疾患又は障害を指す。内分泌疾患としては、限定されないが、アジソン病、糖尿病、コン症候群、クッシング症候群、糖質コルチコイド反応性アルドステロン症、低血糖、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、甲状腺炎、下垂体機能亢進症、性腺機能低下症及び副甲状腺疾患が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「神経学的障害」との用語は、構造的、生化学的又は電気的な異常を含む、身体の神経系の疾患又は障害を指す。神経障害としては、限定されないが、脳損傷、脳機能障害、脊髄障害、末梢神経障害、脳神経障害、自律神経系障害、発作障害、運動障害、例えばパーキンソン病、及び多発性硬化症及び中枢神経障害が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「感染症」との用語は、宿主被験体における病原体の感染、存在及び/又は増殖に関連する疾患又は障害を指す。感染性病原体には、ウイルス、細菌、真菌、原生動物、多細胞寄生虫及び異常タンパク質(例えばプリオン)が含まれるが、これらに限定されない。感染症に関連するウイルスとしては、限定されないが、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヘルペスウイルス、水疱性口内炎ウイルス、肝炎ウイルス、ライノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、ポリオーマウイルス、ヒトパピローマウイルス、呼吸系発疹ウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、デングウイルス、ムンプスウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、黄熱病ウイルス、エボラウイルス、シミアン免疫不全ウイルス、ヒト免疫不全ウイルスが挙げられる。感染症に関連する細菌には、限定されないが、結核菌(M.tuberculosis)、サルモネラ(Salmonella)種、大腸菌(E.coli)、クラミジア(Chlamydia)種、スタフィロコッカス(Staphylococcus)種、バチルス(Bacillus)種及びシュードモナス(Psudomonas)種が含まれる。
疾患(例えば、糖尿病、がん(例えば、前立腺がん、腎臓がん、転移性がん、メラノーマ、去勢抵抗性前立腺がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、神経膠芽腫、卵巣がん、肺がん、扁平上皮癌(頭部、頸部又は食道)、結腸直腸がん、白血病、急性骨髄性白血病、リンパ腫、B細胞リンパ腫、又は多発性骨髄腫)に関連する物質又は物質の活性又は機能という内容で、「関連する」又は「と関連する」との用語は、物質又は物質の活性又は機能によって、疾患(例えば、肺がん、卵巣がん、骨肉腫、膀胱がん、子宮頸がん、肝臓がん、腎臓がん、皮膚がん(例えばメルケル細胞癌)、精巣がん、白血病、リンパ腫、頭頸部がん、結腸直腸がん、前立腺がん、膵臓がん、メラノーマ、乳がん、神経芽細胞腫)が(全体的又は部分的に)引き起こされるか、又は疾患の症状が(全体的又は部分的に)引き起こされることを意味する。
本明細書で使用する「異常」との用語は、正常とは異なることを指す。酵素活性を記載するために使用される場合、異常とは、正常コントロール又は正常な疾患のないコントロールサンプルの平均よりも大きい活性又は小さい活性を指す。異常な活性は、疾患を引き起こす活性の量を指してもよく、この場合、(例えば、本明細書に記載の方法を用いることによって)異常な活性を正常な量又は疾患のない状態に関連する量に戻すと、疾患又は1つ以上の疾患の症状が低減する。
本明細書で使用される場合、「細胞を透過する」又は「細胞透過性」との用語は、分子(例えば、タンパク質)が細胞外環境から有意な量又は有効量で細胞内を通過する能力を指す。従って、細胞透過性コンジュゲートは、細胞外環境から、膜を通過して細胞に入る分子である。
本明細書で使用される場合、「細胞を透過しない」又は「非細胞透過性」との用語は、分子(例えば、タンパク質又はペプチド)が細胞外環境から有意な量又は有効量で細胞に通過することができないことを指す。従って、非細胞透過性ペプチド又はタンパク質は、一般的に、細胞、臓器又は生物の集合に対して有意な生物学的効果を達成するために、細胞外環境から細胞膜を通って細胞に入ることができない。この用語は、少数のペプチド又はタンパク質のうち、1つ以上が細胞に入る可能性を除外するものではない。しかし、この用語は、一般に、かなりの程度まで、細胞外環境から細胞に入ることができない分子を指す。非細胞透過性分子及び物質の例には、高分子量タンパク質などの大きな分子が含まれるが、これに限定されない。ペプチド又はタンパク質は、当業者に公知の方法を用いて非細胞透過性であると判定することができる。一例として、ペプチド又はタンパク質を蛍光標識することができ、ペプチド又はタンパク質の細胞外環境から細胞へと通過する能力は、フローサイトメトリー分析又は共焦点顕微鏡法によってin vitroで決定することができる。
本明細書で使用される場合、「分子量」(M.W.)又は「分子質量」は、分子中の全ての原子の原子量の合計を指す。分子に関し、高分子量の分子は、典型的には25kDa以上の分子量を有する。一例として、高分子量タンパク質は、約25kDa〜1000kDa、又はもっと大きなM.W.を有することができる。
本明細書で使用される場合、用語「細胞内」は、細胞の内側を意味する。本明細書で使用される場合、「細胞内標的」は、細胞の内側に位置し、本明細書で提供される非細胞透過性タンパク質が結合する標的であるような標的、例えば核酸、ポリペプチド又は他の分子(例えば炭水化物)である。結合は、直接的であってもよく、又は間接的であってもよい。複数の実施形態では、非細胞透過性タンパク質は、細胞内標的に選択的に結合する。「選択的に結合する(selectively bind)」、「選択的に結合する(selectively binding)」又は「特異的に結合する」との用語は、他の薬剤を部分的又は完全に除外するために、ある薬剤(例えば、細胞内標的)に結合する薬剤(例えば、非細胞透過性タンパク質)を指す。結合するとは、アッセイ法のバックグラウンドの少なくとも約1.5倍の検出可能な結合を意味する。選択的又は特異的な結合の場合、このような検出可能な結合は、所与の薬剤では検出することができるが、コントロール薬剤では検出することができない。これに代えて、又はこれに加えて、結合の検出は、下流にある分子又は事象の存在をアッセイすることによって決定することができる。
本明細書で使用される場合、用語「コンジュゲート」は、原子間又は分子間の会合を指す。会合は、直接的であってもよく、又は間接的であってもよい。例えば、核酸とタンパク質との間のコンジュゲート又はタンパク質とタンパク質との間のコンジュゲートは、直接的(例えば、共有結合による)であってもよく、又は間接的(例えば、非共有結合(例えば、静電相互作用(例えば、イオン結合、水素結合、ハロゲン結合)、ファンデルワールス相互作用(例えば、双極子−双極子、双極子によって誘発される双極子、ロンドン分散力)、環のスタッキング(π効果)、疎水性相互作用など)による)であってもよい。複数の実施形態では、コンジュゲートは、限定されないが、求核置換(例えば、アミン及びアルコールとハロゲン化アシル、活性エステルとの反応)、求電子置換(例えば、エナミン反応)及び炭素−炭素及び炭素−ヘテロ原子の多重結合への付加(例えば、マイケル反応、Diels−Alder付加)を含む、コンジュゲート化学を用いて作られる。これらの反応及び他の有用な反応は、例えば、March,ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY,3rd Ed.,John Wiley&Sons,New York,1985;Hermanson,BIOCONJUGATE TECHNIQUES,Academic Press,San Diego,1996;及びFeeney et al.,MODIFICATION OF PROTEINS;Advances in Chemistry Series,Vol.198,American Chemical Society,Washington,D.C.,1982に記載される。
本明細書のコンジュゲート化学に使用される共有結合性反応性部分又は官能基を含む有用な反応性部分には、例えば、以下のものが挙げられる。
(a)限定されないが、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、酸ハロゲン化物、アシルイミダゾール、チオエステル、p−ニトロフェニルエステル、アルキル、アルケニル、アルキニル及び芳香族エステルを含むカルボキシル基及びこの種々の誘導体;
(b)エステル、エーテル、アルデヒドなどに変換することができるヒドロキシル基;
(c)ハロゲン化物を後で、例えば、アミン、カルボン酸アニオン、チオールアニオン、カルバニオン、又はアルコキシドイオンなどの求核基に置き換えることによって、ハロゲン原子の部位に新しい基を共有結合させることができるハロアルキル基;
(d)例えば、マレイミド基のようなDiels−Alder反応に関与することができるジエノフィル基;
(e)カルボニル誘導体(例えば、イミン、ヒドラゾン、セミカルバゾン又はオキシム)の生成によって、又はGrignard付加又はアルキルリチウム付加のような機構によって、その後の誘導体化が可能なアルデヒド又はケトン基;
(f)例えばスルホンアミドを形成するためのその後のアミンとの反応のためのハロゲン化スルホニル基;
(g)ジスルフィドに変換することができ、ハロゲン化アシルと反応させるか、又は金などの金属に結合させることができるチオール基;
(h)例えば、アシル化、アルキル化又は酸化することができる、アミン基又はスルフヒドリル基;
(i)例えば、環付加、アシル化、マイケル付加などを行うことができるアルケン;
(j)例えば、アミン化合物及びヒドロキシル化合物と反応させることができるエポキシド;
(k)核酸合成に有用なホスホラミダイト及び他の標準的な官能基;
(l)金属ケイ素酸化物結合;
(m)反応性リン基(例えば、ホスフィン)に結合し、例えば、リン酸ジエステル結合を形成する、金属;及び
(n)スルホン、例えば、ビニルスルホン。
反応性官能基は、本明細書に記載されるタンパク質の化学的安定性に関与しないように、又はこれに干渉しないように選択することができる。
「コントロール」又は「標準コントロール」は、試験サンプル、測定又は値との比較のために、リファレンス(通常は既知のリファレンス)として働くサンプル、測定又は値を指す。例えば、試験サンプルは、所与の疾患(例えば、自己免疫疾患、炎症性自己免疫疾患、がん、感染症、免疫疾患、又は他の疾患)の疑いがある患者から採取し、既知の正常な(罹患していない)個体(例えば、標準コントロール被験体)と比較することができる。標準コントロールは、所与の疾患を有していない同様の個体(例えば、標準コントロール被験体)、例えば、同様の医学的背景、同じ年齢、体重などを有する健康な個体の集合(例えば、標準コントロール集団)から集めた測定値すなわち値の平均も表すことができる。標準コントロール値は、同じ個体からも得ることができ、例えば、疾患が発症する前の患者からの先に得られたサンプルから得ることができる。例えば、薬理学的データ(例えば、半減期)又は治療上の尺度(例えば、副作用の比較)に基づく治療上の利益を比較するためのコントロールを考案することができる。コントロールは、データの有意性を決定するのにも役立つ。例えば、与えられたパラメータの値がコントロールにおいて大きく変動している場合、試験サンプルにおける変動は有意でないと考えられる。当業者は、多くのパラメータ(例えば、RNAレベル、タンパク質レベル、特定の細胞の種類、特定の体液、特定の組織、滑膜細胞、滑液、滑膜組織、線維芽細胞様の滑膜細胞、マクロファージ様の滑膜細胞など)の評価のために、標準コントロールを設計することができることを認識するだろう。
当業者は、所与の状況においてどの標準コントロールが最も適しており、標準コントロール値との比較に基づいてデータを分析することができるかを理解するであろう。標準コントロールは、データの有意性(例えば、統計的有意性)を決定するのにも役立つ。例えば、与えられたパラメータの値が標準コントロールにおいて大きく変動している場合、試験サンプルにおける変動は有意でないと考えられる。
「診断」との用語は、疾患(例えば、自己免疫性、炎症性自己免疫性、がん性、感染性、免疫性又は他の疾患)が被験体に存在する相対的な確率を指す。同様に、「予後」との用語は、ある疾患状態に関し、被験体において、ある将来の結果が起こり得る相対的な確率を指す。例えば、本発明の文脈において、予後は、個体が疾患(例えば、自己免疫性、炎症性自己免疫性、がん性、感染性、免疫性又は他の疾患)を発症する可能性、又は疾患の起こり得る重篤度(例えば、疾患の持続時間)を指す。これらの用語は、医療診断の分野の当業者によって理解されるように、絶対的なものであることを意図するものではない。
「生体サンプル」又は「サンプル」は、被験体又は患者から得られるか、又は被験体又は患者に由来する材料を指す。生体サンプルは、生検及び剖検サンプルのような組織切片及び組織学的目的のために採取された凍結切片を含む。このようなサンプルには、血液及び血液画分又は製品(例えば、血清、血漿、血小板、赤血球など)、痰、組織、培養細胞(例えば、初代培養、外植片及び形質転換細胞)、便、尿、滑液、関節組織、滑膜組織、滑膜細胞、線維芽細胞様滑膜細胞、マクロファージ様滑膜細胞、免疫細胞、造血細胞、線維芽細胞、マクロファージ、T細胞などが含まれる。生体サンプルは、典型的には、真核生物、例えば哺乳動物、例えばチンパンジー又はヒトなどの霊長類;ウシ;イヌ;ネコ;例えばモルモット、ラット、マウスなどのげっ歯類;ウサギ;又は鳥類;爬虫類;又は魚類から得られる。
本明細書で使用される「細胞」は、ゲノムDNAを保存又は複製するのに十分な代謝又は他の機能を実行する細胞を指す。細胞は、例えば、インタクトな膜の存在、特定の色素による染色、子孫を産生する能力、又は配偶子の場合には、第2配偶子と結合し、生存可能な子孫を産生する能力を含め、当技術分野で周知の方法によって同定することができる。細胞は、原核細胞及び真核細胞を含んでいてもよい。原核細胞としては、細菌が挙げられるが、これに限定されない。真核細胞としては、酵母細胞及び植物及び動物由来の細胞、例えば哺乳動物、昆虫(例えばスポドプテラ)及びヒト細胞が挙げられるが、これらに限定されない。細胞は、天然では非接着性であるか、又は例えばトリプシン処理によって表面に付着しないように処理されている場合に、有用であろう。
本明細書に記載の「シアニン」又は「シアニン部分」という用語は、ポリメチン鎖によって分離された2つの窒素基を含む化合物を指す。複数の実施形態では、シアニン部分は、3つのメチン構造(即ち、シアニン3)を有する。複数の実施形態では、シアニン部分は、5つのメチン構造(即ち、シアニン5)を有する。複数の実施形態では、シアニン部分は、7つのメチン構造(即ち、シアニン7)を有する。シアニン部分は、置換されていなくてもよい。シアニン部分は、置換されていてもよい。
ある部分が置換されている場合(例えば、置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン及び/又は置換ヘテロアリーレン)、この部分は、少なくとも1つの置換基(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基シクロアルキレン)で置換されており、それぞれの置換基は、任意選択的に異なっている。さらに、複数の置換基が、ある部分に存在する場合、各置換基は、任意選択的に異なっていてもよい。
II.細胞透過性コンジュゲート
本明細書では、特に、非細胞透過性タンパク質(例えば、抗体)を含む細胞透過性コンジュゲートが提供される。本明細書で提供されるコンジュゲート及び方法は、治療目的及び診断目的のために非細胞透過性タンパク質(例えば、抗体)を細胞に送達するための非常に有効な手段を提供する。本明細書で提供されるコンジュゲートは、リンカー(L1)を介して化合物部分に結合した非細胞透過性タンパク質(例えば、抗体)を含む。化合物部分は、不飽和アルキレン(式(I))リンカー又はアルキルアリーレン(式(IV))リンカーによって連結された2つの芳香族部分(Ar1及びAr2)を含む。化合物部分は、シアニン部分であってもよい。シアニン部分の非限定的な例は、シアニン5又はシアニン7である。
一態様では、以下の式を有する細胞透過性コンジュゲート:
が提供される。式(I)又は(IV)において、Ar
1は、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換の縮合環アリール又は置換若しくは非置換の縮合環ヘテロアリールである。Ar
2は、置換若しくは非置換のシクロアルキレン、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキレン、置換若しくは非置換のアリーレン又は置換若しくは非置換のヘテロアリーレンである。L
1は、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2NH−、−NHS(O)
2−、置換若しくは非置換のアルキレン、置換若しくは非置換のヘテロアルキレン、置換若しくは非置換のシクロアルキレン、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキレン、置換若しくは非置換のアリーレン又は置換若しくは非置換のヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、L
1は、置換若しくは非置換(例えば、C
1−C
10)のアルキレン又は置換若しくは非置換(例えば1〜10員)ヘテロアルキレン、置換若しくは非置換のアルキレン又は置換若しくは非置換のヘテロアルキレンである。Pは、非細胞透過性タンパク質である。記号nは1又は2であり、記号z
1及びz
2は、独立して1又は2である。
複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、式
を有し、式中、Ar
1、n、Ar
2、L
1及びPは、上に定義しかつ実施形態を含む本明細書で定義した通りである。複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、式
を有し、式中、Ar
1、z
1、z
2、Ar
2、L
1及びPは、上に定義しかつ実施形態を含む本明細書で定義した通りである。
複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のC4−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のC6−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のC7−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のC8−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のC9−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC5−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC6−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC7−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC8−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC9−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC5−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC6−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC7−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC8−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC9−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC5又はC6シクロアルキルである。
複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のC5−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のC6−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のC7−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のC8−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のC9−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC5−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC6−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC7−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC8−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC9−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたフェニルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC5−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC6−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC7−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC8−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC9−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して置換されたC5又はC6アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換フェニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のビフェニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換ビフェニルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換ビフェニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のナフチルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換ナフチルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換ナフチルである。
複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の5〜10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の6〜10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の7〜10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の8〜10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の9〜10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の5員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の6員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の6員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の5員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された6員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された5員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の7員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の8員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の8員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の7員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された8員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された7員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の9員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の9員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された9員ヘテロシクロアルキルである。
複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の5〜10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の6〜10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の7〜10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の8〜10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の9〜10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の5員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の5員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された5員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の7員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の8員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の8員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の7員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された8員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された7員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の9員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換の10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の9員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された9員ヘテロアリールである。
複数の実施形態では、Ar1は、置換された縮合(例えば、C5−C10)環アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の縮合(例えば、C5−C10)環アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された縮合(例えば、5〜10員)環ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の縮合(例えば、5〜10員)環ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のピリジルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のフラニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のチエニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のインドリルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のキノリニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のイソキノリニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のチアゾリルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のピリミジルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換又は非置換のキノキサリニルである。
複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC4−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC6−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC7−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC8−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC9−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC5−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC6−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC7−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC8−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC9−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC5−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC6−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC7−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC8−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC9−C10シクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC5又はC6シクロアルキルである。
複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC5−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC6−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC7−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC8−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC9−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC5−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC6−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC7−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC8−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換のC9−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のフェニルである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC5−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC6−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC7−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC8−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC9−C10アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、独立して、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC5又はC6アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換フェニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のビフェニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)ビフェニルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換ビフェニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のナフチルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)ナフチルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換ナフチルである。
複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の5〜10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の6〜10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の7〜10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の8〜10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の9〜10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の5員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の6員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の6員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の5員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)6員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)5員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の7員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の8員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の8員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の7員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)8員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)7員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の9員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の9員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)10員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)9員ヘテロシクロアルキルである。
複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の5〜10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の6〜10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の7〜10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の8〜10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の9〜10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の5員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の5員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)6員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)5員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の7員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の8員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の8員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の7員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)8員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)7員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の9員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の9員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)10員ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)9員ヘテロアリールである。
複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)縮合(例えば、C5−C10)環アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の縮合(例えば、C5−C10)環アリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)縮合(例えば、5〜10員)環ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、非置換の縮合(例えば、5〜10員)環ヘテロアリールである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のピリジルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のフラニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のチエニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のインドリルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のキノリニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のイソキノリニルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のチアゾリルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のピリミジルである。複数の実施形態では、Ar1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のキノキサリニルである。
複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のC5−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のC6−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のC7−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のC8−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のC9−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC5−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC6−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC7−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC8−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC9−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC5又はC6のシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC5−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC6−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC7−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC8−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC9−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC5又はC6のシクロアルキレンである。
複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のC5−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のC6−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のC7−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のC8−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のC9−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC5−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC6−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC7−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC8−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC9−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC5又はC6のアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、独立して置換されたフェニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC5−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC6−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC7−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC8−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC9−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたC5又はC6のアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のフェニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のビフェニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されたビフェニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のビフェニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のナフチレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換ナフチレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換ナフチレンである。
複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の5〜10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の6〜10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の7〜10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の8〜10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の9〜10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の5員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の6員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の6員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の5員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された6員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された5員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の7員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の8員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の8員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の7員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された8員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された7員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の9員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の9員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された9員ヘテロシクロアルキレンである。
複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の5〜10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の6〜10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の7〜10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の8〜10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の9〜10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の5員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の6員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の6員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の5員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された6員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された5員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の7員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の8員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の8員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の7員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された8員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された7員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の9員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換の10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の9員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された9員ヘテロアリーレンである。
複数の実施形態では、Ar2は、置換された縮合(例えば、C5−C10)環アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の縮合(例えば、C5−C10)環アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された縮合(例えば、5〜10員)環ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の縮合(例えば、5〜10員)環ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のピリジレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のフラニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のチエニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のインドリレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のキノリニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のイソキノリニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のチアゾリレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のピリミジレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換又は非置換のキノキサリニレンである。
複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC5−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC6−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC7−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC8−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC9−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC5−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC6−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC7−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC8−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC9−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC5又はC6のシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C5−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C6−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C7−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C8−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C9−C10シクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C5又はC6のシクロアルキレンである。
複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC5−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC6−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC7−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC8−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC9−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC5−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC6−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC7−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC8−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC9−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のC5又はC6のアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、独立して、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)フェニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C5−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C6−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C7−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C8−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C9−C10アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C5又はC6アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のフェニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のビフェニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)ビフェニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換のビフェニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のナフチレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)ナフチレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換ナフチレンである。
複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の5〜10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の6〜10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の7〜10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の8〜10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の9〜10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の5員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の6員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の6員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の5員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)6員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)5員ヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の7員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の8員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の8員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の7員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)8員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)7員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の9員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の9員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)10員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)9員ヘテロシクロアルキレンである。
複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の5〜10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の6〜10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の7〜10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の8〜10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の9〜10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の5員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の6員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の6員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の5員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)6員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)5員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の7員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の8員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の8員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の7員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)8員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)7員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の9員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の9員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)10員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)9員ヘテロアリーレンである。
複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)縮合(例えば、C5−C10)環アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の縮合(例えば、C5−C10)環アリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)縮合(例えば、5〜10員)環ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、非置換の縮合(例えば、5〜10員)環ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のピリジレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のフラニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のチエニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のインドリレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のキノリニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のイソキノリニレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のチアゾリレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のピリミジレンである。複数の実施形態では、Ar2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のキノキサリニレンである。
複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、式:
を有し、式中、L
1、n、P、z
1及びz
2は、上に定義しかつ実施形態を含む本明細書で定義した通りである。R
1、R
2、R
3及びR
4は、独立して、水素、ハロゲン、−CX
3、−CN、−C(O)OH、−CH
2C(O)OH、−C(O)NH
2、−OH、−SH、−NO
2、−NH
2、−NHNH
2、−SO
3H、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールである。
複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、式:
を有し、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、L
1、n、P、z
1及びz
2は、上に定義しかつ実施形態を含む本明細書で定義した通りである。記号z3及びz4は、独立して、0〜4の整数である。複数の実施形態では、z3は、0である。複数の実施形態では、z3は、1である。複数の実施形態では、z3は、2である。複数の実施形態では、z3は、3である。複数の実施形態では、z3は、4である。複数の実施形態では、z3は、1〜4である。複数の実施形態では、z4は、0である。複数の実施形態では、z4は、1である。複数の実施形態では、z4は、2である。複数の実施形態では、z4は、3である。複数の実施形態では、z4は、4である。複数の実施形態では、z4は、1〜4である。
複数の実施形態では、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素、ハロゲン、−CX3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−NO2、−NH2、−NHNH2、−SO3H、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールである。
複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、式:
を有し、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、L
1、n、P、z
1及びz
2は、上に定義しかつ実施形態を含む本明細書で定義した通りである。式(II)において、R
1、R
2、R
3及びR
4は、独立して、水素、ハロゲン、−CX
3、−CN、−C(O)OH、−CH
2C(O)OH、−C(O)NH
2、−OH、−SH、−NO
2、−NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−SO
3H、置換若しくは非置換(例えば、C
1−C
10)のアルキル、置換若しくは非置換(例えば、1〜6員)ヘテロアルキル、置換若しくは非置換(例えば、C
3−C
6)のシクロアルキル、置換若しくは非置換(例えば、3〜6員)ヘテロシクロアルキル、又は置換若しくは非置換(例えば、5〜6員)ヘテロアリールである。
複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、式:
を有し、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、L
1、n、P、z
1及びz
2は、上に定義しかつ実施形態を含む本明細書で定義した通りである。
窒素が、L1を介して非細胞透過性タンパク質(例えば抗体)に結合する場合、当業者は、窒素が正式には正に帯電していることをすぐに理解するであろう。窒素が正式に帯電している場合、対イオン(例えば、アニオン)が存在し得ることが理解される。正に帯電した窒素に対し、例えば、塩化物、臭化物、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、アセテート、オキサレート、シトレート、カルボネート、硫化物又はタルトレートを含む任意の適用可能なアニオン性化合物又はアニオン性分子を対イオンとして使用してもよい。複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、さらに対イオンを含む。当業者は、本明細書で提供される化合物が、正味の電荷(例えば正味の正電荷)を有していてもよいことをすぐに理解するだろう。このような場合、任意の適切な対イオン(例えば、塩素)が存在してもよいことが理解される。さらに、本明細書で提供される細胞透過性コンジュゲートは、薬学的に許容される塩として存在していてもよい。したがって、例えば、化合物全体、又はR1、R2、R3及びR4が、正味の電荷(例えば、正又は負)を含む場合、当業者は、その化合物が溶液の状態である場合、適切な対イオン(例えば、カチオン性又はアニオン性)が存在することをすぐに認識するだろう。
複数の実施形態では、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素であるか、又は置換又は非置換のアルキルである。複数の実施形態では、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素又はメチルである。複数の実施形態では、R1、R2及びR3は、独立してメチルである。複数の実施形態では、R1、R2及びR3は、独立して、非置換メチルである。複数の実施形態では、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素であるか、又は置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のアルキルである。複数の実施形態では、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素又はメチルである。複数の実施形態では、R1、R2及びR3は、独立してメチルである。複数の実施形態では、R1、R2及びR3は、独立して、非置換メチルである。複数の実施形態では、R1、R2、R3及びR4は、独立して水素又はメチルであり、R4は、−SO3Hである。
複数の実施形態では、R1は、独立して、水素、ハロゲン、−CX3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、又は置換又は非置換(例えば、C1−C6)アルキルである。複数の実施形態では、R1は、独立してハロゲンである。複数の実施形態では、R1は、−CX3である。複数の実施形態では、R1は、−CNである。複数の実施形態では、R1は、−C(O)OHである。複数の実施形態では、R1は、−CH2C(O)OHである。複数の実施形態では、R1は、−C(O)NH2である。複数の実施形態では、R1は、−OHである。複数の実施形態では、R1は、−SHである。複数の実施形態では、R1は、−NO2である。複数の実施形態では、R1は、−NH2である。複数の実施形態では、R1は、−NHNH2である。複数の実施形態では、R1は、−ONH2である。
複数の実施形態では、R1は、独立して、水素であるか、又は置換又は非置換の(例えば、C1−C4)アルキルである。複数の実施形態では、R1は、置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、非置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、非置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、非置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、水素又は−CH3である。複数の実施形態では、R1は、−CH3である。複数の実施形態では、R1は、水素である。
複数の実施形態では、R1は、独立して、水素であるか、又は置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の(例えば、C1−C4)アルキルである。複数の実施形態では、R1は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、非置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、非置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、非置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R1は、水素又は−CH3である。複数の実施形態では、R1は、−CH3である。複数の実施形態では、R1は、水素である。
複数の実施形態では、R2は、独立して、水素、ハロゲン、−CX3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、置換又は非置換のC1−C6アルキルである。複数の実施形態では、R2は、ハロゲンである。複数の実施形態では、R2は、−CX3である。複数の実施形態では、R2は、−CNである。複数の実施形態では、R2は、−C(O)OHである。複数の実施形態では、R2は、−CH2C(O)OHである。複数の実施形態では、R2は、−C(O)NH2である。複数の実施形態では、R2は、−OHである。複数の実施形態では、R2は、−SHである。複数の実施形態では、R2は、−NO2である。複数の実施形態では、R2は、−NH2である。複数の実施形態では、R2は、−NHNH2である。複数の実施形態では、R2は、−ONH2である。
複数の実施形態では、R2は、水素、ハロゲン、−CX3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC1−C6アルキルである。複数の実施形態では、R2は、ハロゲンである。複数の実施形態では、R2は、−CX3である。複数の実施形態では、R2は、−CNである。複数の実施形態では、R2は、−C(O)OHである。複数の実施形態では、R2は、−CH2C(O)OHである。複数の実施形態では、R2は、−C(O)NH2である。複数の実施形態では、R2は、−OHである。複数の実施形態では、R2は、−SHである。複数の実施形態では、R2は、−NO2である。複数の実施形態では、R2は、−NH2である。複数の実施形態では、R2は、−NHNH2である。複数の実施形態では、R2は、−ONH2である。
複数の実施形態では、R2は、置換又は非置換のC1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換又は非置換のC2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換又は非置換のC3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、水素又は−CH3である。複数の実施形態では、R2は、−CH3である。複数の実施形態では、R2は、水素である。
複数の実施形態では、R2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、非置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R2は、水素又は−CH3である。複数の実施形態では、R2は、−CH3である。複数の実施形態では、R2は、水素である。
複数の実施形態では、R3は、独立して、水素、ハロゲン、−CX3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、又は置換若しくは非置換(例えば、C1−C6)アルキルである。複数の実施形態では、R3は、独立してハロゲンである。複数の実施形態では、R3は、−CX3である。複数の実施形態では、R3は、−CNである。複数の実施形態では、R3は、−C(O)OHである。複数の実施形態では、R3は、−CH2C(O)OHである。複数の実施形態では、R3は、−C(O)NH2である。複数の実施形態では、R3は、−OHである。複数の実施形態では、R3は、−SHである。複数の実施形態では、R3は、−NO2である。複数の実施形態では、R3は、−NH2である。複数の実施形態では、R3は、−NHNH2である。複数の実施形態では、R3は、−ONH2である。
複数の実施形態では、R3は、置換又は非置換のC1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、置換又は非置換のC2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、置換又は非置換のC3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、独立して、水素又は−CH3である。複数の実施形態では、R3は、−CH3である。複数の実施形態では、R3は、水素である。
複数の実施形態では、R3は、独立して、水素、ハロゲン、−CX3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、又は置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の(例えば、C1−C6)アルキルである。複数の実施形態では、R3は、独立してハロゲンである。複数の実施形態では、R3は、−CX3である。複数の実施形態では、R3は、−CNである。複数の実施形態では、R3は、−C(O)OHである。複数の実施形態では、R3は、−CH2C(O)OHである。複数の実施形態では、R3は、−C(O)NH2である。複数の実施形態では、R3は、−OHである。複数の実施形態では、R3は、−SHである。複数の実施形態では、R3は、−NO2である。複数の実施形態では、R3は、−NH2である。複数の実施形態では、R3は、−NHNH2である。複数の実施形態では、R3は、−ONH2である。
複数の実施形態では、R3は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、非置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R3は、独立して、水素又は−CH3である。複数の実施形態では、R3は、−CH3である。複数の実施形態では、R3は、水素である。
複数の実施形態では、R4は、独立して、水素、ハロゲン、−CX3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、置換又は非置換(例えば、C1−C6アルキル)である。複数の実施形態では、R4は、独立してハロゲンである。複数の実施形態では、R4は、−CX3である。複数の実施形態では、R4は、−CNである。複数の実施形態では、R4は、−C(O)OHである。複数の実施形態では、R4は、−CH2C(O)OHである。複数の実施形態では、R4は、−C(O)NH2である。複数の実施形態では、R4は、−OHである。複数の実施形態では、R4は、−SHである。複数の実施形態では、R4は、−NO2である。複数の実施形態では、R4は、−NH2である。複数の実施形態では、R4は、−NHNH2である。複数の実施形態では、R4は、−ONH2である。
複数の実施形態では、R4は、置換又は非置換のC1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、非置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、置換又は非置換のC2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、非置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、置換又は非置換のC3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、非置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、独立して、水素又は−CH3である。複数の実施形態では、R4は、−CH3である。複数の実施形態では、R4は、水素である。
複数の実施形態では、R4は、独立して、水素、ハロゲン、−CX3、−CN、−C(O)OH、−CH2C(O)OH、−C(O)NH2、−OH、−SH、−NO2、−NH2、−NHNH2、−ONH2、−NHC=(O)NHNH2、−SO3Hであり、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)か又は非置換(例えば、C1−C6アルキル)である。複数の実施形態では、R4は、独立してハロゲンである。複数の実施形態では、R4は、−CX3である。複数の実施形態では、R4は、−CNである。複数の実施形態では、R4は、−C(O)OHである。複数の実施形態では、R4は、−CH2C(O)OHである。複数の実施形態では、R4は、−C(O)NH2である。複数の実施形態では、R4は、−OHである。複数の実施形態では、R4は、−SHである。複数の実施形態では、R4は、−NO2である。複数の実施形態では、R4は、−NH2である。複数の実施形態では、R4は、−NHNH2である。複数の実施形態では、R4は、−ONH2である。
複数の実施形態では、R4は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、非置換C1−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、非置換C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C2−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、置換された(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、非置換C3−C4アルキルである。複数の実施形態では、R4は、独立して、水素又は−CH3である。複数の実施形態では、R4は、−CH3である。複数の実施形態では、R4は、水素である。複数の実施形態では、R4は、−SO3Hである。
複数の実施形態では、Xは、−Fである。複数の実施形態では、Xは、−Clである。複数の実施形態では、Xは、−Brである。複数の実施形態では、Xは、−Iである。複数の実施形態では、nは、1である。複数の実施形態では、nは、2である。複数の実施形態では、記号z1及びz2は、1である。複数の実施形態では、z1は、2である。複数の実施形態では、z2は、2である。複数の実施形態では、z1は、1である。複数の実施形態では、z2は、1である。
複数の実施形態では、L1は、共有結合リンカーである。複数の実施形態では、L1は、結合、−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)2NH−、−NH−、−NHC(O)NH−、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のヘテロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のシクロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のヘテロシクロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のアリーレン、又は置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のヘテロアリーレンであってもよい。
複数の実施形態では、L1は、結合、−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)2NH−、−NH−、−NHC(O)NH−、置換若しくは非置換(例えば、C1−C20、C1−C10、C1−C5)のアルキレン、置換若しくは非置換(例えば、2〜20員、2〜10員、2〜5員)ヘテロアルキレン、置換若しくは非置換(例えば、C3−C8、C3−C6、C3−C5)のシクロアルキレン、置換若しくは非置換(例えば、3〜8員、3〜6員、3〜5員)ヘテロシクロアルキレン、置換若しくは非置換(例えば、C6−C10、C6−C8、C6−C5)のアリーレン、又は置換若しくは非置換(例えば、5〜10員、5〜8員、5〜6員)ヘテロアリーレンであってもよい。
複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換のC1−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換のC2−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換のC4−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換のC6−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換のC8−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換のC2−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換のC4−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換C1−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換C2−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換C4−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換C6−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換C8−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換C2−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換C4−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換C6アルキレンである。
複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換の1〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換の2〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換の4〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換の6〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換又は非置換の8〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換の1〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換の4〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換の2〜8員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換の2〜6員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換の7員ヘテロアルキレンである。
複数の実施形態では、L1は、結合、−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)2NH−、−NH−、−NHC(O)NH−、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の(例えば、C1−C20、C1−C10、C1−C5)アルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の(例えば、2〜20員、2〜10員、2〜5員)ヘテロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の(例えば、C3−C8、C3−C6、C3−C5)シクロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の(例えば、3〜8員、3〜6員、3〜5員)ヘテロシクロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の(例えば、C6−C10、C6−C8、C6−C5)アリーレン、又は置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の(例えば、5〜10員、5〜8員、5〜6員)ヘテロアリーレンであってもよい。
複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC1−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC2−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC4−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC6−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC8−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC2−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC4−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C1−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C2−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C4−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C6−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C8−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C2−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C4−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C6アルキレンである。
複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の1〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の2〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の4〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の6〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の8〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換の1〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換の4〜10員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換の2〜8員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換の2〜6員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換の7員ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換アルキレン又は非置換ヘテロアルキレンである。複数の実施形態では、L1は、非置換ヘテロアルキレンである。
複数の実施形態では、L1は、式:
L1Aは、結合、−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)2NH−、−NH−、−NHC(O)NH−、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のヘテロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のシクロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のヘテロシクロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のアリーレン、又は置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のヘテロアリーレンである。
L2Aは、結合、−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)2NH−、−NH−、−NHC(O)NH−、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のヘテロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のシクロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のヘテロシクロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のアリーレン、又は置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換のヘテロアリーレンである。
複数の実施形態では、L1Aは、置換若しくは非置換のアルキレンであり、L2Aは、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2NH−、−NHS(O)2−、置換若しくは非置換(例えば、C1−C10)のアルキレン、又は置換若しくは非置換(例えば、1〜10員)ヘテロアルキレンである。
L1A及びL2Aは、結合、−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)2NH−、−NH−、−NHC(O)NH−、置換若しくは非置換(例えば、C1−C20、C1−C10、C1−C5)のアルキレン、置換若しくは非置換(例えば、2〜20員、2〜10員、2〜5員)ヘテロアルキレン、置換若しくは非置換(例えば、C3−C8、C3−C6、C3−C5)のシクロアルキレン、置換若しくは非置換(例えば、3〜8員、3〜6員、3〜5員)ヘテロシクロアルキレン、置換若しくは非置換(例えば、C6−C10、C6−C8、C6−C5)のアリーレン、又は置換若しくは非置換(例えば、5〜10員、5〜8員、5〜6員)ヘテロアリーレンであってもよい。
複数の実施形態では、L1Aは、置換又は非置換のC1−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C2−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C4−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C6−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C8−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C1−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C1−C6アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C1−C4アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C2−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C4−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C6−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C8−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、非置換C1−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、非置換C1−C6アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、非置換C1−C4アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、非置換C5アルキレンである。
複数の実施形態では、L1Aは、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のアルキレンであり、L2Aは、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2NH−、−NHS(O)2−、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の(例えば、C1−C10)アルキレン、又は置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換の(例えば、1〜10員)ヘテロアルキレンである。
複数の実施形態では、L1A及びL2Aは、結合、−O−、−S−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−S(O)2NH−、−NH−、−NHC(O)NH−、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換の(例えば、C1−C20、C1−C10、C1−C5)アルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換の(例えば、2〜20員、2〜10員、2〜5員)ヘテロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換の(例えば、C3−C8、C3−C6、C3−C5)シクロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換の(例えば、3〜8員、3〜6員、3〜5員)ヘテロシクロアルキレン、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換の(例えば、C6−C10、C6−C8、C6−C5)アリーレン、又は置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)若しくは非置換の(例えば、5〜10員、5〜8員、5〜6員)ヘテロアリーレンであってもよい。
複数の実施形態では、L1Aは、置換(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)又は非置換のC1−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C2−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C4−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C6−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C8−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C1−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C1−C6アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換されている(例えば、置換基、大きさが制限された置換基、又は低級置換基で置換されている)C1−C4アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C2−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C4−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C6−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、置換C8−C10アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、非置換C1−C8アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、非置換C1−C6アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、非置換C1−C4アルキレンである。複数の実施形態では、L1Aは、非置換C5アルキレンである。
複数の実施形態では、L1Aは、置換若しくは非置換のアルキレンであり、L2Aは、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2NH−、−NHS(O)2−、置換若しくは非置換のアルキレン、又は置換若しくは非置換のヘテロアルキレンである。
複数の実施形態では、L2Aは、−C(O)−である。複数の実施形態では、L2Aは、−C(O)O−である。複数の実施形態では、L2Aは、−OC(O)−である。複数の実施形態では、L2Aは、−C(O)NH−である。複数の実施形態では、L2Aは、−NH−である。複数の実施形態では、L2Aは、−NHC(O)−である。複数の実施形態では、L2Aは、−O−である。複数の実施形態では、L2Aは、−S−である。複数の実施形態では、L2Aは、−S(O)−である。複数の実施形態では、L2Aは、−S(O)2NH−である。複数の実施形態では、L2Aは、−NHS(O)2−である。
複数の実施形態では、L1は、式:
を有する。複数の実施形態では、−L
1A−L
2A−は、式:
を有する。複数の実施形態では、−L
1A−L
2A−は、式:
を有する。複数の実施形態では、−L
1A−L
2A−は、式:
複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のアラニンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のアルギニンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のアスパラギンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のアスパラギン酸に共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のシステインに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のグルタミンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のグルタミン酸に共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のグリシンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のイソロイシンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のロイシンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のリシンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のメチオニンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のフェニルアラニンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のプロリンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のセリンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のトレオニンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のトリプトファンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のチロシンに共有結合している。複数の実施形態では、L1は、非細胞透過性タンパク質のバリンに共有結合している。
複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、式:
を有し、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、L
1、n、P、z
1及びz
2は、上に定義しかつ実施形態を含む本明細書で定義した通りである。
複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、式:
を有し、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、L
1、n、P、z
1及びz
2は、上に定義しかつ実施形態を含む本明細書で定義した通りである。
複数の実施形態では、非細胞透過性タンパク質は、25kDを超える分子量を有する。複数の実施形態では、非細胞透過性タンパク質は、約25kD〜約750kDの分子量を有する。従って、非細胞透過性タンパク質は、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、505、510、515、520、525、530、535、540、545、550、555、560、565、570、575、580、585、590、595、600、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、又はそれ以上のキロダルトン(kD)の分子量を有していてもよい。複数の実施形態では、非細胞透過性タンパク質は、少なくとも約25〜100kD、少なくとも約25〜150kD、少なくとも約25〜200kD、少なくとも約25〜250kD、少なくとも約25〜300kD、少なくとも約25〜350kD、少なくとも約25〜400kD、少なくとも約25〜450kD、少なくとも約25〜500kD、少なくとも約25〜550kD、少なくとも約25〜600kD、少なくとも約25〜650kD、少なくとも約25〜700kD又は少なくとも約25〜750kDの分子量を有する。
複数の実施形態では、非細胞透過性タンパク質は、抗体である。上にさらに詳細に記載されるように、抗体は、IgG、IgA、IgM、IgD又はIgE抗体などの全長抗体、又はそのフラグメントであってもよい。複数の実施形態では、抗体は、IgG抗体又はそのフラグメントである。複数の実施形態では、抗体は、IgG抗体又はそのフラグメントである。複数の実施形態では、抗体は、Fvフラグメント又はヒト化抗体である。複数の実施形態では、抗体は、IgA、IgM、IgD又はIgE抗体である。複数の実施形態では、抗体は、Fvフラグメントである。複数の実施形態では、抗体は、ヒト化抗体である。複数の実施形態では、抗体は、キメラ抗体である。複数の実施形態では、抗体は、治療用抗体、即ち、疾患の処置に使用される抗体である。したがって、抗体が細胞内標的に結合する細胞透過性コンジュゲートに結合した治療用抗体も提供される。
複数の実施形態では、非細胞透過性タンパク質は、細胞内標的に結合する。細胞内標的は、例えば、共焦点顕微鏡法によって画像化されるべき治療標的又は診断標的、又は細胞内に位置する他の目的の標的、例えば標的又は構造、例えばヒストンであってもよい。かくして、細胞内標的に結合した細胞透過性コンジュゲートが提供される。複数の実施形態では、細胞内標的は、自己免疫疾患、炎症性疾患、代謝障害、発達障害、心血管疾患、肝疾患、腸疾患、感染症、内分泌疾患、神経学的障害及びがんからなる群から選択される疾患の標的である。細胞内標的の例としては、限定されないが、STAT3、Myc、NFkB、AP1、HIF、突然変異体p53を含む発がん性転写因子;限定されないが、Ras、MAPK、PI3キナーゼ、AKT、BTK、JAK、SRCファミリーメンバーを含むがんタンパク質;FOXp3、T−BET、GATA3、STAT1、2、3、4、5、6を含む免疫調節分子が挙げられる。疾患の標的は、診断標的又は治療標的、又は疾患に関連する他の目的の標的であってもよい。例示的ながんの細胞内標的としては、限定されないが、STAT(例えば、STAT3)、NFkB、PKB/Akt、Mycファミリーメンバー、ステロイドホルモン受容体(例えばエストロゲン受容体)、ステロイドホルモン受容体のリガンド(例えばサイクリンD1)、受容体チロシンキナーゼ(RTK)、HER2、EGFR、VEGFR、PDGFR、Srcファミリーメンバー、Ras、Abl、BCR−Abl、NPM−Alk、Janusキナーゼ(JAK)、Brutunチロシンキナーゼ(BTK)及びウイルス性がんタンパク質(例えば、EBVタンパク質、又はHPVタンパク質、例えば、E6及びE7)が挙げられる。複数の実施形態では、感染症の細胞内標的は、ウイルスタンパク質又はウイルス転写物である。従って、細胞内標的は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザウイルス、単純ヘルペスウイルス、エプスタインバーウイルス、サイトメガロウイルス、ヒトパピローマウイルス又は肝炎ウイルスのウイルスタンパク質又はウイルス転写物であってもよい。複数の実施形態では、細胞内標的は、限定されないが、転写因子、転写エンハンサー、転写リプレッサー、ヒストン又は翻訳後改変ヒストンを含むDNA結合タンパク質である。複数の実施形態では、細胞内標的は、後成的に改変されたDNA、例えば、メチル化又はヒドロキシメチル化されたシトシン(5mC又は5hmC)、5−ホルミルシトシン(5fC)及び5−カルボキシルシトシン(5caC)である。複数の実施形態では、細胞内標的は、核酸、例えばRNA転写物又は核酸である。例えば、細胞内標的は、感染性病原体、例えば、寄生虫、ウイルス又は細菌の核酸であってもよい。複数の実施形態では、細胞内標的は、シグナル伝達分子又は転写因子である。複数の実施形態では、シグナル伝達分子は、ホスファターゼ又はキナーゼである。複数の実施形態では、細胞内標的は、がん標的であるか、又はがん細胞内に位置する。複数の実施形態では、細胞内標的は、STAT、例えば、STAT3、Src又はexportin7である。複数の実施形態では、細胞内標的は、STAT3である。複数の実施形態では、細胞内標的は、STAT3、exportin7及びSrcからなる群より選択される。複数の実施形態では、細胞内標的は、リン酸化Srcである。複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、細胞内標的に結合する。複数の実施形態では、非細胞透過性タンパク質は、検出可能な部分をさらに含む。
III.細胞組成物
一態様では、細胞透過性コンジュゲートを含む細胞は、実施形態(例えば、一態様、実施形態、実施例、図面、表又は特許請求の範囲など)を含む本明細書に記載される通りである。提供された細胞透過性コンジュゲートの1つ以上を含む細胞が提供される。例えば、細胞は、複数の細胞透過性コンジュゲートを含んでいてもよい。複数の実施形態では、コンジュゲートは、細胞内で細胞内標的に結合する。複数の実施形態では、細胞は、がん細胞である。複数の実施形態では、細胞は、非がん細胞である。
IV.医薬組成物
一態様では、実施形態(例えば、一態様、実施形態、実施例、図面、表又は特許請求の範囲など)を含む本明細書に記載される細胞透過性コンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物が提供される。
本明細書では、細胞透過性コンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物が提供される。提供される組成物は、とりわけ、in vitro又はin vivoでの処方及び投与に適している。適切な担体及び賦形剤並びにそれらの製剤は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,David B. Troy,ed.,Lippicott Williams&Wilkins(2005)に記載されている。薬学的に許容される担体とは、生物学的に、又は他の点で望ましくない物質を意味する。即ち、この物質は、望ましくない生物学的効果を引き起こさずに、又はそれが含まれる医薬組成物の他の成分と有害な様式で相互作用をせずに、被験体に投与される。被験体に投与される場合、担体は、任意選択的に、活性成分の分解を最小限にし、被験体における有害な副作用を最小限に抑えるように、任意に選択される。
本発明によって提供される医薬組成物は、活性成分(例えば、実施形態又は実施例を含む本明細書に記載の組成物)が治療有効量、即ち意図された目的を達成するのに有効な量で含まれる組成物を含む。特定の用途に有効な実際の量は、とりわけ、処置される状態に依存する。疾患を処置するための方法において投与される場合、本明細書に記載の組換えタンパク質は、所望の結果(例えば、標的分子の活性を調節し、及び/又は疾患の症状の進行を低減するか、なくすか、又は遅らせる)を達成するために有効な量の活性成分を含むだろう。本発明の化合物の治療有効量の決定は、特に本明細書の詳細な開示を考慮して、十分に当業者の能力の範囲内にある。
提供される組成物は、単一の薬剤又は複数の薬剤を含むことができる。投与のための組成物は、一般に、薬学的に許容される担体、好ましくは水性担体に溶解した、本明細書に記載の薬剤を含む。種々の水性担体、例えば緩衝食塩水などを使用することができる。これらの溶液は無菌であり、一般的に、望ましくない物質を含まない。これらの組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌されてもよい。組成物は、適切な生理学的条件に必要な薬学的に許容される補助物質、例えば、pH調整剤及びバッファー、毒性調整剤など、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含んでいてもよい。これらの製剤中の活性薬剤の濃度は様々に変化してもよく、選択される特定の投与様式及び被験体の必要性に応じて、主として体液量、粘度、体重などに基づいて選択される。
遊離塩基又は薬理学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中で調製することができる。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物中、及び油中で調製することもできる。通常の貯蔵条件及び使用条件で、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するための防腐剤を含んでいてもよい。
医薬組成物は、鼻腔内用又は吸入可能な溶液又はスプレー、エアロゾル又は吸入剤によって送達することができる。鼻用溶液は、点鼻又はスプレーで鼻腔に投与されるように設計された水溶液であってもよい。鼻用溶液は、鼻の分泌物と多くの点で似ているように調製することができる。従って、鼻用水溶液は、通常、等張性であり、5.5から6.5のpHを維持するために、わずかに緩衝化される。さらに、必要に応じて、眼用製剤及び適切な薬物安定剤に使用されるものと同様の抗菌防腐剤が、製剤に含まれていてもよい。様々な市販の鼻用製剤が知られており、例えば、抗生物質及び抗ヒスタミン剤を含んでいてもよい。
経口製剤は、例えば医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの賦形剤を含むことができる。これらの組成物は、溶液、懸濁物、錠剤、丸薬、カプセル、持続放出製剤又は散剤の形態をとる。幾つかの実施形態では、経口医薬組成物は、不活性希釈剤又は吸収可能な食用担体を含むか、又は硬質又は軟質ゼラチンカプセルに封入されてもよく、又は錠剤に圧縮されてもよく、又は食用の食べ物に直接組み込まれてもよい。経口治療用投与の場合、活性化合物は賦形剤と共に組み込まれ、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁物、シロップ、ウエハースなどの形態で使用されてもよい。このような組成物及び製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有すべきである。組成物及び製剤の割合は、もちろん変えることができ、便宜的に単位重量の約2から約75%、好ましくは25〜60%の間であってもよい。このような組成物中の活性化合物の量は、適切な投与量が得られるような量である。
例えば、水溶液での非経口投与のためには、溶液は適切に緩衝化され、液体希釈剤はまず十分な生理食塩水又はグルコースで等張性にされるべきである。水溶液、特に滅菌水性媒体は、静脈内、筋肉内、皮下及び腹腔内の投与に特に適している。例えば、1回の投与量を1mlの等張性NaCl溶液に溶解し、1000mlの皮下注入液に添加するか、又は提案された注入部位に注入することができる。
滅菌注射用溶液は、必要な量の活性化合物又は構築物を適切な溶媒に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製することができる。一般に、分散液は、種々の滅菌された活性成分を、基本的な分散媒体を含む滅菌ビヒクル中に組み込むことによって調製される。有効成分と任意の追加の所望な成分の粉末を得る真空乾燥及び凍結乾燥技術を用い、滅菌注射溶液を再構築するための滅菌粉末を調製することができる。直接注射のために、さらに濃縮された、又は高度に濃縮された溶液の調製も想定されている。DMSOは、非常に迅速な透過のための溶媒として使用することができ、高濃度の活性薬剤を小さな面積に送達する。
化合物の製剤は、アンプル及びバイアルのような単位用量又は複数用量の密封容器で提供することができる。従って、組成物は単位剤形であってもよい。このような形態では、製剤は、適切な量の活性成分を含む単位用量に細分される。従って、組成物は、投与方法に依存して種々の単位剤形で投与することができる。例えば、経口投与に適した単位剤形には、粉末、錠剤、丸薬、カプセル及びロゼンジが含まれるが、これらに限定されない。
哺乳動物に投与される投与量及び頻度(単回投与又は複数回投与)は、種々の因子、例えば哺乳動物が別の疾患に罹患しているかどうか、及び投与経路;レシピエントの大きさ、年齢、性別、健康、体重、ボディマス指数及び食餌;処置される疾患の症状の性質及び程度(例えば、がんの症状及びこのような症状の重篤度);同時処置の種類、処置される疾患による合併症又は他の健康関連の問題に依存して、様々であってもよい。他の治療計画又は薬剤を、本発明の方法及び化合物と共に使用することができる。確立された投与量(例えば、頻度及び持続時間)の調節及び操作は、十分に当業者の能力の範囲内である。
本明細書に記載される任意の組成物(例えば、提供される細胞透過性コンジュゲート)について、治療有効量は、細胞培養アッセイから最初に決定することができる。目標濃度は、本明細書に記載の方法を用いて測定するか、又は当技術分野で公知の方法を用いて測定したとき、本明細書に記載の方法を達成することができる活性化合物の濃度である。当技術分野で周知のように、ヒトにおける使用のための有効量は、動物モデルから決定することもできる。例えば、ヒトのための用量は、動物において有効であることがわかっている濃度を達成するように製剤化することができる。ヒトの用量は、有効性をモニタリングし、上述のように用量を上側又は下側に調節することによって調整することができる。上述の方法及び他の方法に基づいて、ヒトにおいて最大の効力を達成するために用量を調節することは、十分に当業者の能力の範囲内である。
投与量は、患者及び使用される化合物の要求に応じて変わり得る。本発明の文脈において患者に投与される用量は、時間の経過と共に患者における有益な治療応答に影響を及ぼすのに十分な量であるべきである。用量の大きさは、有害な副作用の存在、性質及び程度によっても決定される。特定の状況のための適切な投与量の決定は、医師の技能の範囲内である。一般に、処置は、化合物の最適用量よりも低い、より少ない用量で開始される。その後、状況の下で最適な効果に達するまで、用量を少しずつ増加させる。
投与量及び間隔は、処置される特定の臨床適応症に有効な投与化合物のレベルを提供するために、個々に調整することができる。これにより、個体の疾患状態の重篤度に見合った治療計画を提供する。
本明細書で提供される教示を利用して、実質的な毒性を引き起こさず、しかも特定の患者によって示された臨床症状を処置するのに有効であるような、有効な予防的又は治療的処置計画を計画することができる。この計画には、化合物の効力、相対的なバイオアベイラビリティ、患者の体重、有害な副作用の存在及び重症度などの要因を考慮して、活性化合物の慎重な選択が必要である。
「薬学的に許容される賦形剤」及び「薬学的に許容される担体」は、被験体に対する有効な薬剤の投与及び被験体による吸収を助け、患者に重大で有害な毒性作用を引き起こさずに、本発明の組成物に含めることができる物質を指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例には、水、NaCl、通常の生理食塩水、乳酸Ringer液、通常のショ糖、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味料、風味剤、塩溶液(例えば、Ringer液)、アルコール、油、ゼラチン、ラクトース、アミロース又はデンプンなどの炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン及び色素などが挙げられる。このような製剤は、滅菌され、必要に応じて、滑沢剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、バッファー、着色剤及び/又は芳香物質などの本発明の化合物と有害な反応を起こさない補助剤と混合されてもよい。当業者は、他の医薬賦形剤が本発明において有用であることを認識するであろう。
「薬学的に許容される塩」との用語は、当技術分野で周知の様々な有機及び無機の対イオンから誘導される塩を指し、単なる例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどを含み、分子が塩基性官能基を含む場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機又は無機酸の塩が挙げられる。
「調製」との用語は、担体としてカプセル化材料を用い、活性成分が他の担体を伴って、又は伴わずに、活性成分が担体に囲まれ、これにより担体と会合するカプセルを与える、活性化合物の製剤を含むことを意図している。同様に、カシェ剤及びロゼンジ剤も含まれる。錠剤、散剤、カプセル、丸剤、カシェ剤及びロゼンジ剤は、経口投与に適した固体剤形として使用することができる。
V.送達方法
一態様では、実施形態(例えば、一態様、実施形態、実施例、図面、表又は特許請求の範囲など)を含む本明細書に記載される細胞透過性コンジュゲートと細胞とを接触させることを含む、細胞に非細胞透過性タンパク質を送達する方法が提供される。この方法は、実施形態を含む本明細書で提供される細胞透過性コンジュゲートと、細胞とを接触させることを含む。複数の実施形態では、非細胞透過性タンパク質は、細胞質中の核タンパク質に結合することによって、非細胞透過性タンパク質−核タンパク質複合体を形成する。複数の実施形態では、非細胞透過性タンパク質−核タンパク質複合体は、細胞の核に入ることができない。
複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、被験体の疾患を診断するために使用される。従って、本明細書に記載の有効量の細胞透過性コンジュゲート、又は細胞透過性コンジュゲートを含む組成物を被験体に投与することを含む、被験体の疾患を診断する方法が提供される。コンジュゲートの投与は、被験体において疾患又は疾患の1つ以上の症状を診断する。開示された方法は、試験サンプルからのバイオマーカー(例えば、疾患の細胞内標的)のレベル又は活性を、コントロールサンプルと比較することを含む。上述のように、コントロールサンプル又は値は、試験サンプルとの比較のために、リファレンス(通常は既知のリファレンス)として働くサンプルを指す。コントロールは、同様の個体(例えばがん患者又は同様の医療背景、同じ年齢、体重などを有する健康な個体)の集合から集められた平均値を表すこともできる。コントロール値は、同じ個体からも得ることができ、例えば、疾患が発症する前又は処置前の患者からの初期に得られたサンプルから得ることができる。上で考察したように、診断は、疾患(例えば、自己免疫性、炎症性自己免疫性、がん性、感染性、免疫性又は他の疾患)が被験体に存在する相対的な確率を指す。
疾患リスク因子の決定に関して、比較する、相関関係にある、関連するとの用語は、ある個体におけるリスク因子の存在又は量(例えば、疾患の細胞内標的の量)を、疾患を患っていることがわかっている個体、又は疾患のリスクがあることがわかっている個体、又は疾患がないことがわかっている個体における存在又は量と比較し、アッセイ結果に基づき、ある個体に、疾患を患う/発症する可能性が高いか、低いかを割り当てることを指す。
VI.検出方法
複数の実施形態では、検出可能な部分に接続した(例えば、結合した、非共有結合した、共有結合した)、実施形態(例えば、一態様、実施形態、実施例、図、表、又は特許請求の範囲などにおいて)を含む本明細書に記載される化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。複数の実施形態では、検出可能な部分に接続した化合物を、タンパク質を検出する方法(例えば、光アフィニティ標識)に使用してもよい。複数の実施形態では、検出可能な部分は、化合物に共有結合した光化学的に反応性の種である。複数の実施形態では、光化学的に反応性の種は、ニトレン、カルベン、ケトン、カチオン及び/又はラジカルを含む化合物である。複数の実施形態では、光化学的に反応性の種は、シアニンである。検出可能な部分の中には、「色素」、「標識」又は「指示薬」と一般に呼ばれる種々の有機又は無機の低分子を含むが、これらに限定されない蛍光物質及び発光物質を含む造影剤である。例としては、フルオレセイン、ローダミン、アクリジン色素、Alexa色素及びシアニン色素が挙げられる。本開示の実施形態に従って造影剤として使用可能な酵素としては、限定されないが、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコロニダーゼ又はβ−ラクタマーゼが挙げられる。そのような酵素は、検出可能なシグナルを生成するために、色素原、蛍光発生化合物又は発光原化合物と組み合わせて使用されてもよい。
実施形態を含む本明細書で提供される細胞透過性コンジュゲートと細胞とを接触させ、細胞内標的に対する細胞透過性コンジュゲートの結合を検出することを含む、細胞において細胞内標的を検出する方法も、本明細書で提供される。細胞は、固定された細胞であってよく、又は生存細胞であってもよい。複数の実施形態では、細胞は、in vitro又はin vivoで配置される。結合は、直接的又は間接的に検出することができる。本明細書では、細胞内標的に対する細胞透過性コンジュゲートの結合を検出するために、多くの方法を使用し得ることが理解され、想定されている。例えば、結合は、細胞透過性コンジュゲートとこの細胞内標的との間のカップリングをアッセイすることによって直接検出することができる。結合は、例えば、以下に記載するように、共免疫沈降アッセイ、共局在アッセイ、又は蛍光偏光アッセイからなる群からのアッセイを選択することによって、決定することができる。アッセイは、当技術分野で公知である(例えば、A Laboratory Manual,3rd Ed.,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY(2001);Dickson,Methods Mol.Biol.461:735−44(2008);Nickels,Methods 47(1):53−62(2009);及びZinchuk et al.,Acta Histochem.Cytochem.40(4):101−11(2007)を参照)。
複数の実施形態では、結合は、画像検査法又は画像検査システムによって決定される。従って、実施形態を含む本明細書で提供される細胞透過性コンジュゲートは、画像検査用途、又は細胞内標的のレベル及び/又は活性を分析するための他の用途で使用することもできる。例えば、提供された細胞透過性コンジュゲートは、目的の細胞内標的のin vitro又はin vivoでの画像検査に使用することができる。複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、生きた細胞の画像検査に使用される。例えば、生きた細胞の画像検査は、生きた細胞内の細胞内標的の分布及び/又は動態をモニタリングするために使用することができ、標的相互作用のモニタリングにも適用することができる。例えば、細胞透過性コンジュゲートは、免疫沈降及び共免疫沈降アッセイにおいて、細胞内(複数の実施形態では、生きた細胞内)のタンパク質−タンパク質相互作用を調べるために使用することができる。複数の実施形態では、細胞透過性コンジュゲートは、フローサイトメトリーによる細胞内標的の分析に使用される。画像検査用途では、細胞透過性コンジュゲートが、複数の実施形態において、使用される用途に応じて適切に標識される。上述のように、標識又は検出可能な部分は、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、化学的手段又は他の物理的手段によって検出可能な組成物である。有用な標識には、限定されないが、32P、蛍光色素(例えば、シアニン)、電子密度の高い試薬、酵素(例えば、ELISAで一般的に使用されるもの)、ビオチン、ジゴキシゲニン、又はハプテン及びタンパク質、又は(例えば標的ペプチドと特異的に反応するペプチド又は抗体に放射能標識を組み込むことによって)検出可能にすることができる他の物体が含まれる。例えば、Hermanson,Bioconjugate Techniques 1996,Academic Press,Inc.,San Diegoに記載されている方法を用いて、標識に抗体をコンジュゲートさせるための当技術分野で公知の任意の方法を使用することができる。
VII.処置方法
実施形態を含む本明細書で提供される細胞透過性コンジュゲート及び実施形態を含む本明細書に記載の細胞透過性コンジュゲートを含む組成物は、予防的処置及び治療的処置の両方に有用である。予防的使用のために、治療有効量の本明細書に記載の薬剤を、早期発症の前又は間(例えば、自己免疫疾患の初期徴候及び症状のとき)に被験体に投与する。治療的処置は、疾患の診断又は発症の後に、治療有効量の本明細書に記載される薬剤を被験体に投与することを含む。従って、別の態様において、疾患を処置することを必要とする被験体において、疾患を処置する方法が提供される。この方法は、実施形態を含む本明細書で提供される有効量の細胞透過性コンジュゲートを被験体に投与することによって、被験体の疾患を処置することを含む。
複数の実施形態では、本方法は、被験体に第2の治療薬剤を投与することを含む。複数の実施形態では、疾患は、自己免疫疾患、発達障害、炎症性疾患、代謝障害、心血管疾患、肝疾患、腸疾患、感染症、内分泌疾患、神経障害及びがんからなる群から選択される。複数の実施形態では、疾患は、がんである。複数の実施形態では、がんは、B細胞リンパ腫である。複数の実施形態では、コンジュゲートの非細胞透過性タンパク質は、細胞内標的に結合し、細胞内標的は、STAT3、exportin7又はSrcである。複数の実施形態では、コンジュゲートの非細胞透過性タンパク質は、細胞内標的に結合し、細胞内標的は、リン酸化Srcである。複数の実施形態では、コンジュゲートの非細胞透過性タンパク質は、STAT3に特異的に結合する抗体であり、第2の非細胞透過性タンパク質は、exportin7に特異的に結合する抗体である。複数の実施形態では、コンジュゲートの非細胞透過性タンパク質は抗体であり、細胞内標的はSTAT3である。
提供される処置方法では、処置される疾患に適した追加の治療薬剤を使用することができる。従って、幾つかの実施形態では、提供される処置方法は、第2の治療薬剤を被験体に投与することをさらに含む。適切なさらなる治療薬剤には、限定されないが、鎮痛薬、麻酔薬、蘇生薬、コルチコステロイド、抗コリン薬、抗コリンエステラーゼ、抗痙攣薬、抗腫瘍薬、アロステリック阻害薬、同化ステロイド、抗リウマチ薬、精神治療薬、神経ブロック薬、抗炎症薬、駆虫薬、抗生物質、抗凝固剤、抗真菌剤、抗ヒスタミン薬、抗ムスカリン剤、抗ミコバクテリア剤、抗原虫剤、抗ウイルス剤、ドーパミン作動剤、血液学的薬剤、免疫学的薬剤、ムスカリン、プロテアーゼ阻害剤、ビタミン、成長因子、ホルモンが挙げられる。薬剤及び投与量の選択は、処置される所与の疾患に基づいて当業者が容易に決定することができる。
薬剤又は組成物の組み合わせを、併用して投与しても(例えば、混合物として)、別個にではあるが同時に投与しても(例えば、別個の静脈ラインを介して)、又は逐次的に投与しても(例えば、一方の薬剤を最初に投与し、続いて第2の薬剤を投与する)よい。従って、「組み合わせ」との用語は、2種以上の薬剤又は組成物の併用、同時投与又は逐次投与を指すために使用される。処置の経過は、被験体の特定の特徴及び選択された処置の種類に応じて、個々の基準で最もよく決定される。本明細書に開示されているような処置は、毎日、1日に2回、2週間に1回、1ヶ月に1回、又は治療に有効な任意の適用可能な回数で被験体に投与することができる。処置は、単独で、又は本明細書に開示されるか、又は当技術分野で公知の他の処置と組み合わせて投与されてもよい。さらなる処置は、第1の処置と同時に、異なる時間に、又は全く異なる治療スケジュールで(例えば、第1の処置は毎日であってもよく、さらなる処置は週に1回)投与することができる。
本明細書で提供される方法によれば、被験体は、有効量の本明細書で提供される1つ以上の薬剤を投与される。有効量及び有効投与量との用語は、互換的に使用される。有効量との用語は、所望の生理学的応答(例えば、炎症の軽減)を生じるのに必要な任意の量として定義される。薬剤を投与するための有効量及びスケジュールは、当業者によって経験的に決定されてもよい。投与のための投与量の範囲は、疾患又は障害の1つ以上の症状が影響を受ける(例えば、減少するか又は遅れる)所望の効果を生じるのに十分な範囲である。この投与量は、望ましくない交差反応、アナフィラキシー反応などの実質的な有害な副作用を引き起こすほど大きくすべきではない。一般に、投与量は、年齢、状態、性別、疾患の種類、疾患又は障害の程度、投与経路、又は他の薬物が投薬計画に含まれるかどうかによって変わり、当業者が決定することができる。投与量は、禁忌の場合には、個々の医師が調整することができる。投与量は変化してもよく、毎日1回以上、1日〜数日間にわたって投与してもよい。所与の種類の医薬品のための適切な投与量については、文献で指針を見つけることができる。例えば、所与のパラメータについて、有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、又は少なくとも100%の増加又は減少を示す。有効性は、何「倍」の増加又は減少として表すこともできる。例えば、治療有効量は、コントロールに対して少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍又はそれ以上の効果を有し得る。実際の投与量及び製剤は、処置の目的に依存し、既知の技術を用い、当業者によって確認され得る(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Gennaro,Editor(2003)及びPickar,Dosage Calculations(1999)を参照)。
開示された方法及び組成物のために使用することができ、開示された方法及び組成物と組み合わせて使用することができ、開示された方法及び組成物の調製に使用することができ、又は開示された方法及び組成物の生成物である材料、組成物及び構成要素が開示される。これらの材料及び他の材料は本明細書に開示されており、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示されているとき、これらの化合物の様々な個々の組み合わせ及び集合的な組み合わせ及び順列の具体的な言及が、明示的に開示されていない場合でも、それぞれが具体的に想定され、本明細書に記載されていることを理解されたい。例えば、ある方法が開示され、議論され、この方法を含む幾つかの分子に対してなされ得る幾つかの改変が議論される場合、方法のそれぞれの全ての組み合わせ及び順列及び可能な改変は、矛盾する内容が具体的に想定されていない限り、具体的に想定される。同様に、これらの任意のサブセット又は組み合わせも具体的に想定され、開示される。この概念は、開示される組成物を使用する方法における工程を含むが、これに限定されない、本開示の全ての態様に適用される。従って、実行可能な多岐にわたる追加の工程が存在する場合、これらの追加の工程はそれぞれ、開示された方法の任意の特定の方法の工程又は方法の工程の組み合わせで実行され得ること、及びこのような組み合わせ又はサブセットのそれぞれが具体的に想定されており、開示されているとみなすべきであることを理解されたい。
「被験体」、「患者」、「個体」などの用語は、限定することを意図するものではなく、一般的に互換的に使用することができる。即ち、「患者」として記載された個体は、必ずしも所与の疾患を有するとは限らず、単に医学的な助言を求めるだけのものであってもよい。
本明細書で使用される場合、状態、疾患又は障害、又は状態、疾患又は障害に関連する症状を「処置する」又は「処置」は、臨床結果を含む有益な結果又は望ましい結果を得るための手法を指す。有益な臨床結果又は望ましい臨床結果としては、限定されないが、部分的であれ全体的であれ、1つ以上の症状又は状態の緩和又は改善、状態、障害又は疾患の程度の低下、状態、障害又は疾患の状態の安定化、状態、障害又は疾患の発症の進行の予防、状態、障害又は疾患の広がりの予防、状態、障害又は疾患の進行を遅らせるか、緩徐化すること、状態、障害又は疾患の発症を遅らせるか、緩徐化すること、状態、障害又は疾患の状態の改善又は緩和及び緩解が挙げられる。「処置すること」とは、処置をしていないときに予想される以上に被験体の生存を延長することも意味することができる。「処置すること」とは、状態、障害又は疾患の進行を阻害すること、状態、障害又は疾患の進行を一時的に遅らせることを意味することもあるが、場合によっては、状態、障害又は疾患の進行を永久に停止させることを含む。本明細書で使用される場合、処置、処置する、又は処置することの用語は、プロテアーゼの発現によって特徴付けられる疾患若しくは状態の1つ以上の症状の影響、又はプロテアーゼの発現によって特徴付けられる疾患若しくは状態の症状を軽減する方法を指す。従って、開示された方法において、処置は、確立された疾患、状態、又はこの疾患若しくは状態の症状の重篤度の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%軽減を指していてもよい。例えば、疾患を処置するための方法は、コントロールと比較して、被験体における疾患の1つ以上の症状の10%の軽減がある場合に、処置であると考えられる。従って、この軽減は、天然のレベル又はコントロールレベルと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、又は10%〜100%の任意の割合の軽減であってもよい。処置は、疾患、状態、又は疾患若しくは状態の症状の治癒又は完全な除去を必ずしも意味しないことが理解される。さらに、本明細書で使用される場合、軽減する、減少する、又は阻害するとの言及は、コントロールレベルと比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又はもっと大きな変化を含み、このような用語は、完全な除去を含んでいてもよいが、必ずしも含むわけではない。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される」は、「生理学的に許容される」及び「薬理学的に許容される」と同義的に用いられる。医薬組成物は、一般に貯蔵中にバッファー及び保存剤を含み、投与経路に応じて適切な送達のためのバッファー及び担体を含むことができる。
「有効量」は、記載された目的を達成する(例えば、投与の目的の効果を達成し、疾患を処置し、酵素活性を低下させ、疾患又は状態の1以上の症状を軽減する)のに十分な量である。「有効量」の一例は、疾患の1つ又は複数の症状の処置、予防、又は軽減に寄与するに十分な量であり、これは「治療有効量」とも呼ばれる場合がある。1つ又は複数の症状の「軽減」(及びこの句の文法上の同等語)は、1つ又は複数の症状の重症度又は頻度の減少、又は1つ又は複数の症状をなくすことを意味する。薬物の「予防上有効量」は、被験体に投与されたときに、意図された予防効果、例えば、損傷、疾患、病理又は状態の発症(又は再発)を予防又は遅延させる薬物の量であるか、又は損傷、疾患、病理、又は状態、又はそれらの症状の発症(又は再発)の可能性を減少させる薬物の量である。完全な予防効果は、必ずしも1回の用量の投与によって生じるわけではなく、一連の用量の投与後にのみ生じてもよい。従って、1回以上の投与で、予防有効量を投与してもよい。「活性低下量」は、本明細書で使用される場合、アンタゴニストの非存在下と比較して、酵素又はタンパク質の活性を低下させるのに必要なアンタゴニストの量を指す。「機能破壊量」は、本明細書で使用される場合、アンタゴニストの非存在下と比較して酵素又はタンパク質の機能を破壊するのに必要なアンタゴニストの量を指す。所与の種類の医薬品のための適切な投与量については、文献で指針を見つけることができる。例えば、所与のパラメータについて、有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、又は少なくとも100%の増加又は減少を示す。有効性は、何「倍」の増加又は減少として表すこともできる。例えば、治療有効量は、コントロールに対して少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍又はそれ以上の効果を有し得る。正確な量は、処置の目的に依存し、既知の技術を用い、当業者によって確認され得る(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照)。
本明細書で使用される場合、「投与する」との用語は、経口投与、坐剤としての投与、局所的接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、髄腔内、鼻腔内又は皮下投与、又は徐放装置、例えばミニ浸透圧ポンプを被験体に移植することを意味する。投与は、非経口及び経粘膜(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸又は経皮)を含む、任意の経路による。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内及び頭蓋内が含まれる。他の送達様式には、リポソーム製剤の使用、静脈内注入、経皮パッチなどが含まれるが、これらに限定されない。「共投与する」とは、本明細書に記載の組成物が、1つ以上の追加療法(例えば、化学療法、ホルモン療法、放射線療法又は免疫療法などのがん療法など)の投与と同時に、投与直前に、又は投与直後に投与されることを意味する。本発明の化合物は、単独で投与することもでき、又は患者に共投与することもできる。共投与は、化合物を個別に、又は組み合わせて(1つより多い化合物)、同時に、又は逐次的に投与することを含むことを意味する。従って、調製は、必要に応じて、他の(例えば、代謝分解を減少させるための)活性物質と組み合わせることもできる。本発明の組成物は、アプリケータスティック、溶液、懸濁物、エマルション、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、ペイント、粉末及びエアロゾルとして製剤化され、経皮的に、局所経路によって送達することができる。
本発明の組成物は、持続放出及び/又は快適性を提供するための成分をさらに含んでいてもよい。このような成分には、高分子量、アニオン性の粘膜模倣性ポリマー、ゲル化多糖類及び細分化された薬物担体基質が含まれる。これらの成分は、米国特許第4,911,920号、第5,403,841号、第5,212,162号及び第4,861,760号にさらに詳細に記載される。これらの特許の全内容は、全ての目的のためにこの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の組成物は、体内で徐々に放出するためにミクロスフェアとして送達することもできる。例えば、ミクロスフェアは、皮下に徐々に放出される薬物含有ミクロスフェアの皮内注射によって投与することができ(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7:623−645,1995を参照)、生分解性の注射用ゲル製剤として投与することができ(例えば、Gao Pharm.Res.12:857−863,1995を参照)、又は経口投与のためのミクロスフェアとして投与することができる(例えば、Eyles,J.Pharm.Pharmacol.49:669−674,1997を参照)。複数の実施形態では、本発明の組成物の製剤は、細胞膜と融合するか、又はエンドサイトーシスされるリポソームの使用によって、即ち、エンドサイトーシスを生じる細胞の表面膜タンパク質受容体に結合するリポソームに結合した受容体リガンドを使用することによって、送達することができる。特にリポソーム表面が標的細胞に特異的な受容体リガンドを有する場合、又は他の点で特定の器官に優先的に向かう場合、リポソームを用いることにより、本発明の組成物の送達をin vivoで標的細胞に集中させることができる。(例えば、Al−Muhammed,J.Microencapsul.13:293−306,1996;Chonn,Curr.Opin.Biotechnol.6:698−708,1995;Ostro,Am.J.Hosp.Pharm.46:1576−1587,1989を参照)本発明の組成物は、ナノ粒子として送達することもできる。
本明細書で提供される教示を利用して、実質的な毒性を引き起こさず、しかも特定の患者によって示された臨床症状を処置するのに有効であるような、有効な予防的又は治療的処置計画を計画することができる。この計画には、化合物の効力、相対的なバイオアベイラビリティ、患者の体重、有害な副作用の存在及び重症度、好ましい投与様式及び選択された薬剤の毒性プロフィールなどの要因を考慮して、活性化合物の慎重な選択が必要である。
「抗がん剤」は、通常の意味に従って使用され、抗腫瘍特性又は細胞の成長又は増殖を阻害する能力を有する組成物(例えば、化合物、薬物、アンタゴニスト、阻害剤、モジュレーター)を指す。複数の実施形態では、抗がん剤は、化学療法剤である。複数の実施形態では、抗がん剤は、がんを処置する方法において有用性を有する、本明細書において特定される薬剤である。複数の実施形態では、抗がん剤は、がんを処置するために、FDA又は米国以外の国の同様の規制当局によって承認された薬剤である。
実施形態
実施形態P1.以下の式を有する細胞透過性コンジュゲートであって、
式中、
Ar
1は、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換の縮合環アリール、又は置換若しくは非置換の縮合環ヘテロアリールであり;
Ar
2は、置換若しくは非置換のシクロアルキレン、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキレン、置換若しくは非置換のアリーレン、又は置換若しくは非置換のヘテロアリーレンであり;
L
1は、置換若しくは非置換のアルキレン、又は置換若しくは非置換のヘテロアルキレンであり;
Pは、非細胞透過性タンパク質であり;
nは、1又は2であり;及び
z
1及びz
2は、独立して1又は2である、細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P2.Ar1が、置換若しくは非置換の縮合環アリール又は置換若しくは非置換の縮合環ヘテロアリールであり、Ar2が、置換若しくは非置換の縮合環アリーレン又は置換若しくは非置換の縮合環ヘテロアリーレンである、実施形態P1に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P3.細胞透過性コンジュゲートが、式:
を有し、式中、
R
1、R
2、R
3及びR
4は、独立して、水素、ハロゲン、−CX
3、−CN、−C(O)OH、−CH
2C(O)OH、−C(O)NH
2、−OH、−SH、−NO
2、−NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールであり、
Xが、−F、−Cl、−Br又は−Iである、実施形態P1又はP2に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P4.R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素であるか、又は置換又は非置換のアルキルである、実施形態P3に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P5.R1、R2、R3及びR4が、独立して、水素又はメチルである、実施形態P3又はP4に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P6.R1、R2及びR3がメチルである、実施形態P3〜P5のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P7.R4が水素である、実施形態P3〜P6のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P8.L1が非置換アルキレン又は非置換ヘテロアルキレンである、実施形態P1〜P7のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P9.L1が非置換ヘテロアルキレンである、実施形態P1〜P8のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P10.L1が、式:
を有し、式中、
L
1Aは、置換又は非置換のアルキレンであり、
L
2Aは、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2NH−、−NHS(O)
2−、置換若しくは非置換のアルキレン、又は置換若しくは非置換のヘテロアルキレンである、実施形態P1〜P7のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P11.L1が
である、実施形態P1〜P10のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P12.L1が、前記非細胞透過性タンパク質のリシンに共有結合している、実施形態P1〜P11のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P13.nが1である、実施形態P1〜P12のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P14.z1及びz2が1である、実施形態P1〜P12のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P15.前記非細胞透過性タンパク質が25kDを超える分子量を有する、実施形態P1〜P14のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P16.前記非細胞透過性タンパク質が、25〜750kDの分子量を有する、実施形態P1〜P15のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P17.前記非細胞透過性タンパク質が、抗体である、実施形態P1〜P15のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P18.前記抗体がIgG抗体である、実施形態P17に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P19.前記抗体が、IgA、IgM、IgD又はIgE抗体である、実施形態P17に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P20.前記抗体がFvフラグメントである、実施形態P17に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P21.前記抗体がヒト化抗体である、実施形態P17〜P19のいずれかに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P22.前記非細胞透過性タンパク質が、細胞内標的に結合する、実施形態P1〜P21のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P23.前記細胞内標的が、自己免疫疾患、炎症性疾患、代謝障害、発達障害、心血管疾患、肝疾患、腸疾患、感染症、内分泌疾患、神経学的障害及びがんからなる群から選択される疾患の標的である、実施形態P22に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P24.前記細胞内標的が、シグナル伝達分子又は転写因子である、実施形態P22又はP23に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P25.前記シグナル伝達分子が、ホスファターゼ又はキナーゼである、実施形態P24に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P26.前記細胞内標的ががん標的である、実施形態P22に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P27.前記細胞内標的が、STAT3、exportin7及びSrcからなる群から選択される、実施形態P26に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P28.前記細胞内標的がSTAT3である、実施形態P27に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P29.前記非細胞透過性タンパク質が検出可能な部分をさらに含む、実施形態P1〜P28のいずれか1つの細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P30.前記コンジュゲートが細胞内標的に結合している、実施形態P1〜P29のいずれか1つの細胞透過性コンジュゲート。
実施形態P31.実施形態P1〜P30のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲートを含む細胞。
実施形態P32.実施形態P1〜P30のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
実施形態P33.実施形態P1〜P30のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲートと細胞とを接触させることを含む、前記細胞に非細胞透過性タンパク質を送達する方法。
実施形態P34.前記非細胞透過性タンパク質が細胞質中の核タンパク質に結合することによって、非細胞透過性タンパク質−核タンパク質複合体を形成する、実施形態P33に記載の方法。
実施形態P35.前記非細胞透過性タンパク質−核タンパク質複合体が、細胞の核に入ることができない、実施形態P34に記載の方法。
実施形態P36.疾患を処置することを必要とする被験体の疾患を処置する方法であって、実施形態P1〜P30のいずれか1つに記載の有効量の細胞透過性コンジュゲートを被験体に投与することによって、前記被験体の疾患を処置することを含む、方法。
実施形態P37.前記被験体に第2の治療薬剤を投与することをさらに含む、実施形態P36に記載の方法。
実施形態P38.前記疾患が、自己免疫疾患、発達障害、炎症性疾患、代謝障害、心血管疾患、肝疾患、腸疾患、感染症、内分泌疾患、神経学的障害及びがんからなる群から選択される、実施形態P36又はP37に記載の方法。
実施形態P39.前記疾患ががんである、実施形態P38に記載の方法。
実施形態P40.前記コンジュゲートの前記非細胞透過性タンパク質が、細胞内標的に結合し、前記細胞内標的が、STAT3、exportin7又はSrcである、実施形態P39に記載の方法。
実施形態P41.前記コンジュゲートの前記非細胞透過性タンパク質が、細胞内標的に結合し、前記細胞内標的が、リン酸化Srcである、実施形態P39に記載の方法。
実施形態P42.前記コンジュゲートの前記非細胞透過性タンパク質が、抗体であり、前記細胞内標的が、STAT3である、実施形態P39に記載の方法。
さらなる実施形態
実施形態1.以下の式を有する細胞透過性コンジュゲートであって、
式中、
Ar
1は、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換の縮合環アリール、又は置換若しくは非置換の縮合環ヘテロアリールであり;
Ar
2は、置換若しくは非置換のシクロアルキレン、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキレン、置換若しくは非置換のアリーレン、又は置換若しくは非置換のヘテロアリーレンであり;
L
1は、置換若しくは非置換のアルキレン、又は置換若しくは非置換のヘテロアルキレンであり;
Pは、非細胞透過性タンパク質であり;
nは、1又は2であり;及び
z
1及びz
2は、独立して1又は2である、細胞透過性コンジュゲート。
実施形態2.Ar1が、置換若しくは非置換の縮合環アリール又は置換若しくは非置換の縮合環ヘテロアリールであり、Ar2が、置換若しくは非置換の縮合環アリーレン又は置換若しくは非置換の縮合環ヘテロアリーレンである、実施形態1に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態3.細胞透過性コンジュゲートが、式:
を有し、式中、
R
1、R
2、R
3及びR
4は、独立して、水素、ハロゲン、−CX
3、−CN、−C(O)OH、−CH
2C(O)OH、−C(O)NH
2、−OH、−SH、−NO
2、−NH
2、−NHNH
2、−ONH
2、−NHC=(O)NHNH
2、−SO
3H、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、又は置換若しくは非置換のヘテロアリールであり、
Xが、−F、−Cl、−Br又は−Iである、実施形態1又は2に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態4.R1、R2、R3及びR4が、独立して、水素であるか、又は置換若しくは非置換のアルキルである、実施形態3に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態5.R1、R2、R3及びR4が、独立して、水素又はメチルである、実施形態3又は4に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態6.R1、R2及びR3が独立して非置換メチルである、実施形態3〜5のいずれか1つの細胞透過性コンジュゲート。
実施形態7.R4が水素である、実施形態3〜6のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態8.L1が非置換アルキレン又は非置換ヘテロアルキレンである、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態9.L1が非置換ヘテロアルキレンである、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態10.L1が、式:
を有し、式中、
L
1Aは、結合、置換又は非置換のアルキレンであり、
L
2Aは、結合、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−NH−、−NHC(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2NH−、−NHS(O)
2−、置換若しくは非置換のアルキレン、又は置換若しくは非置換のヘテロアルキレンである、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態11.L1が
である、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態12.L1が、前記非細胞透過性タンパク質のリシンに共有結合している、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態13.nが1である、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態14.z1及びz2が1である、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態15.前記非細胞透過性タンパク質が25kDを超える分子量を有する、実施形態1〜14のいずれかに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態16.前記非細胞透過性タンパク質が、25〜750kDの分子量を有する、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態17.前記非細胞透過性タンパク質が、抗体である、実施形態1〜16のいずれかに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態18.前記抗体がIgG抗体である、実施形態17に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態19.前記抗体が、IgA、IgM、IgD又はIgE抗体である、実施形態17に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態20.前記抗体がFvフラグメントである、実施形態17の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態21.前記抗体がヒト化抗体である、実施形態17〜19のいずれかに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態22.前記非細胞透過性タンパク質が、細胞内標的に結合する、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態23.前記細胞内標的が、自己免疫疾患、炎症性疾患、代謝障害、発達障害、心血管疾患、肝疾患、腸疾患、感染症、内分泌疾患、神経学的障害及びがんからなる群から選択される疾患の標的である、実施形態22に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態24.前記細胞内標的が、シグナル伝達分子又は転写因子である、実施形態22又は23に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態25.前記シグナル伝達分子が、ホスファターゼ又はキナーゼである、実施形態24に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態26.前記細胞内標的ががん標的である、実施形態22に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態27.前記細胞内標的が、STAT3、exportin7及びSrcからなる群から選択される、実施形態26に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態28.前記細胞内標的がSTAT3である、実施形態27に記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態29.前記非細胞透過性タンパク質が、検出可能な部分をさらに含む、実施形態1〜28のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態30.前記コンジュゲートが細胞内標的に結合している、実施形態1〜29のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲート。
実施形態31.実施形態1〜30のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲートを含む細胞。
実施形態32.実施形態1〜30のいずれか1つに記載の細胞透過性コンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
実施形態33.実施形態1〜30のいずれかに記載の細胞透過性コンジュゲートと細胞とを接触させることを含む、前記細胞に非細胞透過性タンパク質を送達する方法。
実施形態34.前記非細胞透過性タンパク質が細胞質中の核タンパク質に結合することによって、非細胞透過性タンパク質−核タンパク質複合体を形成する、実施形態33に記載の方法。
実施形態35.非細胞透過性タンパク質−核タンパク質複合体が細胞の核に入ることができない、実施形態34に記載の方法。
実施形態36.疾患を処置することを必要とする被験体の疾患を処置する方法であって、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の有効量の細胞透過性コンジュゲートを被験体に投与することによって、前記被験体の疾患を処置することを含む、方法。
実施形態37.前記被験体に第2の治療薬剤を投与することをさらに含む、実施形態36に記載の方法。
実施形態38.前記疾患が、自己免疫疾患、発達障害、炎症性疾患、代謝障害、心血管疾患、肝疾患、腸疾患、感染症、内分泌疾患、神経学的障害及びがんからなる群から選択される、実施形態36又は37に記載の方法。
実施形態39.前記疾患ががんである、実施形態38に記載の方法。
実施形態40.前記がんがB細胞リンパ腫である、実施形態39に記載の方法。
実施形態41.前記コンジュゲートの前記非細胞透過性タンパク質が、細胞内標的に結合し、前記細胞内標的が、STAT3、exportin7又はSrcである、実施形態39に記載の方法。
実施形態42.前記コンジュゲートの前記非細胞透過性タンパク質が、細胞内標的に結合し、前記細胞内標的が、リン酸化Srcである、実施形態39に記載の方法。
実施形態43.前記コンジュゲートの前記非細胞透過性タンパク質が、抗体であり、前記細胞内標的が、STAT3である、実施形態39に記載の方法。
VIII.実施例
以下の実施例は、説明のために提供されるが、特許請求された発明を限定するものではない。
抗Stat3抗体の修飾及びその使用
複数の実施形態では、抗Stat3抗体は、シアニン3に共有結合しており、結合していないシアニン3は、式:
複数の実施形態では、抗Stat3抗体は、シアニン5に共有結合しており、結合していないシアニン5は、式:
抗Stat3抗体がシアニン3(赤外スペクトルで赤色発光)又はシアニン5(赤外スペクトルで「青色」発光)に共有結合したら、シアニンに対する抗体の共有結合の成功を評価するために、シアニン修飾された抗体を、非還元条件下でSDS−PAGEに供した。シアニン3及び5は、ヒトの眼で見ることができる光スペクトルにおいて蛍光活性を有するので、さらなる実験分析を行うことなく、目視検査によって蛍光IgGタンパク質を見ることができるという利点がある(図1)。
精製された抗Stat3−Cy3及び抗Stat3−Cy5を、細胞系アッセイに供して、細胞内の局在及び細胞透過効力を評価した(図2A〜2B)。抗Stat3−Cy3のネガティブコントロールとして、抗Stat3抗体をスルホCy3に共有結合させ、抗Stat3−スルホCy3を作成した。抗Stat3−Cy5のネガティブコントロールとして機能するように、抗Stat3抗体をスルホCy5に共有結合させ、ここで、結合していないスルホCy5は、式:
精製された抗Stat3−Cy3及び抗Stat3−Cy5、及びそれらのコントロールである抗Stat3−スルホCy3及び抗Stat3−スルホCy5を、ヒトB細胞リンパ腫Ly3細胞と共にインキュベートし、それらの細胞内標的であるStat3の認識を試験した。全細胞溶解物が単離され、細胞破片から除去されると、シアニン−Stat3−抗体による標的認識を決定するために、代替的な免疫沈降を実施した(図3)。
複数の実施形態では、抗Stat3抗体は、Cy7に共有結合しており、ここで、結合していないCy7は、式:
複数の実施形態では、抗Stat3抗体は、スルホCy7に共有結合しており、ここで、結合していないスルホCy7は、式:
抗Stat3−Cy7抗体を使用し、ヒトU251神経膠腫細胞における厳密な細胞内抗原STAT3の認識を試験した。抗Stat3−スルホCy7抗体は、ネガティブコントロールとして機能した。細胞を10mg/mlで2時間インキュベートした。全細胞溶解物が単離され、細胞破片から除去されると、シアニン−Stat3−抗体による標的認識を決定するために、代替的な免疫沈降を実施した(図4)。